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政府委員(
川上為治君)
石炭との
関係におきまして
重油の
規制をすべきであるという点につきましては、この三月の終りにおきましてその
方針につきましては閣議におきまして
決定をされておるわけでございます。私
どものほうとしましては、その後
農水産
関係につきましては
確保の
措置を
とつたわけなんですが、その他の問題につきましては、例えば
大口工場の問題とか、或いはその
媛厨房用の問題でありますとか、そういうものにつきましては
数字の
見通しとかいろいろな問題がありまして実は遅れていたわけでございますけれ
ども、大体月間これくらい使えとか、或いは又四半期に大体これくらいになるから、このつもりで
一つ配給をやつてもらいたいというようなことにつきましては、従来におきましても
石油の
元売業者、或いはその
精製業者に対しましてはそういう
指導をやつて参つたのですが、ところがその後におきまして、なかなかその
通り実施されていないというような
状況にありましたので、特に最近の
石炭の
需要から
考えまして、早急にこの際
重油の
規制をしなければならないというようなふうに
考えまして、実はこの前からいろいろと
数字的な
検討もしますし、又やり方につきましても
検討をいたしていたのですが、漸く
決定をされまして今日
通産省におきましては最後的な仕上げ、即ち
省議決定をいたしておるわけでございます。
先ず
最初に一応最近の
石油の
状況を
お話申上げておきたいと思うのですが、私
どものほうとしましては、二十八
年度におきまして大体
重油につきましては五百三十七万キロ
リッターくらい使つたものと、そういうふうに予想としましては大体それくらい見ていたわけであります。これは当時二十九
年度の
外貨を作る
資料としてそのくらいに
考えていたのであります。一月の
実績或いは二月の
売行きの
状況等を
考えましてそういう
数字を
作つていたのでありますが、それに基きまして二十九
年度におきましてもこの五百三十七万キロ
リッターというのを一応
重油につきましては
消費ベースにしたわけでありまして、それ以上は
外貨を今後におきましては、たといどういうことがありましても、
外貨を殖やさないというような
考えの下に
行政指導をすることを
考えていたわけであります。ところがこの五百三十七万という昨
年度の
実績につきましては、これは実際の
数字は実は、それよりも
相当上廻つたような
実績が最近漸くとれております。大体その
販売実績というのは一月以上遅れまして、漸くその
数字がわかるのでありますが、私
どもが
最初外貨を作る時分に
考えておりましたような
数字よりも最近三月、二月頃の
実績を見ますというと、
相当これは二十九
年度の分もこれを使い込んでおるというような
状況に
なつております。この
数字につきましては私のほうと、或いは私のほうの内部のほかの周の
数字とが若干違う点がありますので、更に今
調整をいろいろやつておりますが、いずれにしましても、これはそう大きな狂いじやありませんけれ
ども、少くとも三十万から四十万の間くらい、三十万以上のものを使い込んでおるというような
状況に
なつておりまして、二十八
年度の実際の
実績というものは五百三十七万キロ
リッターというのが、もつと殖えて使つておるというような
状況に
なつております。で、私のほうとしましては、こういうような
状況で、而も四月の大体
実績、これがもう正確な最後のところの
数字ではありませんけれ
ども、一応
実績、速報といいますか、そういう
数字をとりますというと、これ又四十万をオーバーしておるような
数字に
なつておりますので、こういうような
数字になりますというと、どうしても二十九
年度におきまして五百三十七万キロ
リッターというものを非常にオーバーして来るというような
状況になる虞れがありますし、従いましてとてもこれは
相当きつい
行政指導をしなければ
石炭との
関係におきましてもうまく行かないし、且つ又
外貨の
方面から言いましても、よくないというふうに
考えますので、従いまして
先ほども申上げますようなこの際早急に
重油の
規制を全面的にやることにいたしたわけでございます。
規制の
方法としまして、第一は大体
重油の
消費について
業種別、それから月別の
数量をきめる、そしてそのきめた
数字につきましては
石油元売業者及び
精製業者、それから
需要者の
方面に対しまして、これは特に
大口方面の
需要者に対しましてそれを通知いたしまして、そして
石油元売業者なり
精製業者のほうではそれ以上のものを出さないようにしてもらう、それから
需要者のほうでもそれ以上のものを買わないように
一つやつてもらうということが第一点でございます。例えば
火力発電でありますとか、或いは
セメントでありますとか、或いはその他の
大口工場につきましては、特に
工場別の節減の
目標数字を明示いたしまして、そしてその
数字に対しましては同様に
石油の
元売業者なり、或いは
精製業者に対しましてもそういう
数字を出しまして、そしてそれを守つてもらうようにする。それは勿論私
どものほうは
精製業者、
元売業者を通しましてそれを
行政指導によりましてやるわけでございますが、各
原局におきましてはその
数字以上に買わないように
原局のほうからそれぞれ
指導をするというわけでございます。それが第一点でございます。
それから第二点につきましては、少くとも特別なものにつきましては、どうしても
輸出関係とか、或いは又
石油でなければどうしてもいけないというような面におきましては、これは
確保するような
措置を講じて行きたい。これはいろいろあると思うんですが、
船舶用の
内燃機関、そうしたものに対する用途については
確保の
措置をやりますとか、或いは原料として使いますような
硫安の
重油ガス化というような、そういう
燃料として使いますようなものとか、或いは熔鉱炉で平炉とか、ガラスの
熔融炉とか、そういう特別な装置に対しましては、これは成るべく
確保するようにして行くとか、或いは
輸出製品の
品質保持のためにもう少し
輸出製品の
品質そのものを向上させるというような
意味から特に必要なものにつきましては
確保して行く。そういうような一面におきましては
重油の
使用を
規制する
方面と、一面におきましてはそのためにしわが寄るかも知れません、そういう
重油でなければどうしても困るというような特別なものにつきましては、これは
確保の
措置を、そういう
行政指導をやるという点が第二点であります。
それから第三点といたしましては、
先ほどもちよつと申上げましたが、やはり第二と同じようなもので、
農水産
関係、そういうようなものにつきましては、その
数量は実は急激に殖えるようなことはそうありませんので、こういうようなものは
先ほど申上げましたように、もうすでにこれは
確保の
実施をやらしておりますが、そういう
措置をとる。
それから第四点につきましては、一両において
使用を
禁止する、例えば
媛厨房用、こういうものにつきましては
法律に基きまして十月の一日からこれを
禁止するというような
考えでおりますが、併しその間におきましてもやはり
厨房用とか、或いは
媛房用とかというものにつきましては売らないように
行政指導をする。こういうようなわけで
使用の
禁止につきましては今日からやるわけではありませんけれ
ども、十月一日から
法律を以てやるということでいろいろな
法律的な準備をそれまでの間に進めてやりたいと
考えておりますが、併し実際の
禁止はもうこれから
行政指導において私のほうとしましてはどんどんやつて行くというような
考え方でございます。今までのことを簡単に申上げますというと、結局毎月出す
重油の量をきめる、それから九月末におきましてその
関係から
在庫を幾ら持てということをきめまして、その
在庫をそれだけ持たないで余計に売りましたものに対しましては、これはその次の
外貨の
割当等によ
つて調整をする。結局この
方法に対して協力しないようなものに対しましては、これは
精製業者、
元売業者、そういうものがこれに対して協力しない場合におきましては、私のほうとしましては
外貨の
割当をしない、或いは
削減するというような
措置でやりたいと
考えておりまして、そういう
元売業者なり、
精製業者に対しまして罰則的な
措置をとるわけでございますが、併し一面におきましては
先ほど申上げました
通り、一定の
数量を附けて
配給するように、今申上げたように
セメント用に対しましてはどの
工場にはどれくらい
配給しろ、それから
製鉄関係に対しましてもどれくらい
配給しろということを
指示するわけでありましてそれから
元売業者なり、
精製業者が月にどれくらい
配給しろということも
言つてやるわけであります。これは
切符制をとらないで
行政指導をやるというふうに
考えておるわけであります。そういう
措置をとりましてこの九月末、九月以降におきましても勿論その
情勢を見て、或いはもつと締めて行くことになりますか、或いは
法律的措置を直ちにとるということになりますか、いずれにしましても、この九月までにはそういうふうな
措置を
とつて行きたいというように
考えております。数学的に申上げますというと、
先ほども申上げましたように、もうすでに本
年度の分は
相当量を前
年度に食われておりますので、而も四月におきましては四十万以上のものを
配給されておりますので、六月から九月になりますというと、月に三十万か三十数万くらいしか
配給できないというようなことに
なつて来るかと思うのであります。まあ三十数万ということになりますと、これは最近の
配給の
実績は、四十七、八万から五十四、五万というような
情勢に
なつておりますので、
相当の
削減になるかと思うのであります。私
どものほうとしましてはそういう
措置を、もうすでに本日の
省議においても
決定されましたので、すぐこれを
実施に移したいというふうに
考えております。
それからなおこの問題につきましては、いろいろなこれは
需要者との
関係におきましても問題がありますので、
通産大臣の
諮問機関としてこの
重油需給調整協議会というのを
作つて、ここでいろいろな
調整を今後やつて行きたいというふうに
考えております。
それからこういたしますというと、
自然価格が私は上つて来ると思いますので、この
価格につきまして異常にこれが上らないような
措置もやはり一面においてはとらなくちやならんというふうに
考えますので、これは
建値制によりまして或る
程度の
価格を私
どものほうでは
指示をいたしまして、それで販売するようにこれはやる
考えでございます。
要するにこの五百三十七万キロ
リッターというものがすでに
相当食込まれているというような
状況に
なつておりまして、而も今後非常に強力な
行政指導なり或いは
行政措置をとるという
考えでおりますので、恐らく
先ほど申しげましたように、六月以降におきましては
相当販売量も窮屈に、非常に
削減されて来るということが予想されるわけでございますけれ
ども、現在の
石炭との
関係、或いは外資の
使用の
状況へら言いまして、私のほうとしましてはやはりこの際そういう
措置を早急にとらなければならんというふうに
考えておるわけでございます。
なおこれは私
どものほうとしましては
行政指導によつてやるわけでございますが、やはり一番痛いところは、結局九月末の
在庫というものを幾ら持てということを
各社別にこれは
指示をいたしますので、それを
見合つて配給をして行くということになりますので、結局それを守らんものに対しましてはその次の期の
外貨の
削減で非常な打撃を与えられるということになりますので、
元売業者なり、或いはその
精製業者のほうではやはり
外貨の
削減というのは非常に問題でありますから、私
どものほうとしましては、十分これにつきまして協力して来るのじやないかというふうに一
考えております。