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政府委員(
川上為治君) お手許に差上げてあります
参考資料につきまして簡単に御
説明を申上げます。二枚目の第一のところは、
我が国におきまする
石油鉱業の
概況とありまして、左の第一は、
昭和五年から二十七年までの年別の
国産原油の
生産状況を出してあります。大体、一十万
キロリツター程度でありますが、一番多いときは、
昭和十一年、十二年、十三年頃が四十万近い。即ち三十九万幾らということに
なつております。極く最近におきましては、二十六年度が、三十七万
キロリツター、二十七年度が三十三万
キロリツター、今年は、今年と申しますか、二十八年度は大体三十四万くらいと考えております。二十六年度の三十七万が、最近少くなりましたのは、これは例の
石油資源の合理的な
開発法を
実施いたしました結果ではないかというふうに考えております。
それから(2)のところは、
昭和二十五年度及び二十七年度
地域別の
国産原油生産量、
北海道、
秋田、
山形、
新潟、
長野、静岡。
秋田と
新潟、これが大
部分を、占めております。
それからその次の第三は、
原油可採
埋蔵量、これは
昭和二十八年度九月末におきましての大体認知しました
埋蔵量、それから可採
埋蔵量、これを分けて書いてありますが、可採
埋蔵量につきましては、五百二十三万
キロリツター、それから
認知埋蔵量、これは三千三百万
キロリツターという
状況に
なつております、可採
埋蔵量五百二十三万
キロリツターでありますので、現在三十三、四万の
程度でありますから、従いまして十数年の可採
埋蔵量を持
つておるというわけになるわけでありまして、大体
世界の平均可採
埋蔵量は、
米国あたりにおきまして十一、二年というような
程度に
なつておりますが、
日本におきましても現在の三十三万とか、三十四万という
程度でありますれば、それよりも
年数は多いということに
なつておるわけであります。
それから三枚目の(4)のところは、過去二十
年間の
試掘探鉱量、これを
地域別に書いてあるわけでありまして、一番下のところで
成功率というのがありますが、
北海道におきましては七・七%、それから
秋田におきましては一二%、
山形におきましては七・一%、
新潟が八・四%、それから青森、
長野におきましては成功していない。平均しまして九・四%ということに
なつております。大体十分に一本というような
割合に相成るかと思うのであります。これも
世界の情勢に比べますというと、比較的
日本におきましてはいいほうだというように考えられます。
それからその次の(5)は、最近二十
年間に発見されました
油田、これは
年度別に書いてありますが、
昭和八年に八橋の
秋田の
油田が見付かりましたわけであります。これが現在三十牧かのうちの大体三分の二
程度、二十万くらいここから出ておりまして、これは非常に大きな
油田であります。それから二十七年度におきましては、例の
山形県の
堀内地区、これは
内陸油田でありますが、これも
相当量の
埋蔵量を持
つておるようであります。
それから(6)は、
我が国における
原油価格の
推移、
価格の
状況に
なつておりますが、現在大体平均しまして、
キロリツター当りに対して九千三百円ぐらいに
なつております。
外国原油が大体七千二、三百円
程度でありますから、二千円くらいの開きがありまして、そうして
国産のほうがそれだけ非常に高い、二千円ぐらい高いというような
状況に
なつております。これは新らしい
油田につきましては、
コストが非常に安いのですが、
新潟とかそうした
方面の
油田のものを入れますというと、結局非常に高いものに
なつているというわけでございます。勿論これは
産油量が現在三十数方
キロリツターありますが、もつと殖えますというと、
コストは下
つて来るわけでございます。百万
キロリツター生産した場合におきましては、我々のほうの一応の見通しといたしましては、現在の
輸入原油と大体同じ、或いはそれ以下になるというふうに思
つております。
それから次の頁の、これは、
昭和二十七年における
生産の
概況でありますが、(イ)のほうは、
会社別生産量で、これは
帝石、それから
大同石油、
日本鉱業、
日本石油鉱業とありますが、「その他」というのは、極めて小さいのが若干ございます。何と申しましても、
帝石がその大
部分を占めておりまして、比率で言いますと、九七・四%ということに
なつております。
それからその次の頁の(8)のところの
補助金交付額の
推移、これは
昭和二年から
昭和一十八年までの
補助金の
交付状況を書いてあります。一番余計に
補助金を出しました年は、二十四年の一億六千七百万円、それから二十五年が一億三千五百万円、それから二十六年が一億九百万円、それから二十七年、二十八年というのがぐつと下りまして、三千九百万円、三千五百万円と
なつております。これはぐつと下りました
理由は、特に
帝石におきましては、非常な
高率配当をやりまして、相当
余裕金があつた、そういうものに
助成金を出す必要はないだろうというようなことから少く
なつたと考えております。
それからその次の頁の2、これは、
世界の
原油の
生産量及び
埋蔵量と書いてありますが、それから3のところは、
我が国石油精製界及び
需給の
状況、即ち現在における
石油精製能力の
状況を書いてありますが、実際の
設備能力としましてはこの
全国計というところの
設備能力の欄に八百六十七万
キロリツターということに
なつております。そのうち
太平洋洋が七百二十六万
キロリツター、それから
日本海沿岸が百四十万
キロリツターということに
なつております。それに対しまして
稼働能力、
稼働能力につきましては
全国で七百二万
キロリツター、それからこれが
太平洋岸におきまして六百十七万五千
キロリツター、それから
日本海岸が八十四万八千
キロリツターということに
なつております。
日本海の
方面の
稼働能力というのは非常に低く見ておりますが、これは港の問題とか、或いはそのタンクの
設備の問題とか、いろいろな問題から
日本海のほうはそう大きな
稼働能力がありませんので、大体六五%かそこらというふうに我々のほうでは考えております。それから
太平洋岸のほうは八五%から九〇%というようなふうに考えております。これは現存、
石油の全部の
輸入関係を見ますというと、九百二十万
キロリツターぐらいになりますので、それを見ますというと、
設備能力といたしましてはまだ相当足りないということになるのじやないかと考えられます。併し勿論これは
原油だけで
輸入することがいいか、
製品も或る
程度入れるべきかというような問題もありますので、
原油だけということになりますれば、今申上げましたようにまだ二百万ぐらいの
稼働能力が足りないということになるわけでございます。
それからその次の頁は、
昭和十年以降における
石油の
需給、これは二十七年度まで書いてありますが、最近におきましては飛躍的に殖えております。特に
重油が非常に殖えておるわけでございます。
それからその下には、
石油類輸入金額が全
輸入金額に占める
割合というのを書いてありますが、
昭和十年は六・一%、これは最近におきましては二十二年が二〇・四%、二十三年が二〇・三%と
なつておりますが、二十八年度は大体一割弱、ここには一十七年度までしか出ておりませんが、二十八年度は大体一割弱というようなふうに考えております。
それから(4)は、どの
地域から
輸入しておるかという、この
種類別の
地域別の数量を出しております。
中東地区、或いは
米国、その他のほうから
原油及び
製品の
輸入地を書いておるわけであります。
それからその次の頁の(5)というのは、二十六年、二十七年の、
石油制品の
生産量、これは
製品別の
生産量を書いてあります。
それからその次は、これは
石油製品についての
産業別の
消費量を書いてあります。特に
重油につきましては
鉱工業関係が非常に殖えております。そうして又その他というのが相当殖えて参
つて来ております。二十八年度におきましては総計八百六十万
キロリツターの
消費があるのですが、そのうちで
重油だけを見ますというと、
一群最後のところの下から二番目が五百三十七万
キロリツター、この五百三十七万
キロリツターのうちで
鉱工業関係が三百六万、この三百六万のうちで非常に最近大きく伸びておりますのは
鉄鋼が九十万、この
鉄鋼は最初五十万から六十三万、九十万と、二十六年、二十七年、二十八年、そういうふうに殖えております。それから
電力が十二万三千というのが二十九万五千、四十五万八千というふうに、
電力も相当殖えております。それから窯業、これはセメントとかそういうものでありますが、二十六年度七万三千というのが十九万六千、三十七万三千というふうに殖えております。それから
繊維関係も非常に殖えておりまして、二十六年度が一万八千というのが二十七年度が十万五千、二十八年度が二十五万八千、というふうに
なつております。それからその他というのが非常に殖えておりまして、十八万九千、これが三十一万一千、六十九万六千、これは相当
中小企業方面が切替えをや
つておると考えられます。それから
船舶とか或いは
農水産というのは、これはまあ非常にその飛躍的に殖えておるというような
状況に
なつておりません。
船舶が五十四万八千というのが六十八万六千、それから七十八万、
農水産につきましても六十三万四千というのが七十三万一千、八十万三千、併しながらその下のその他というのが二十六年度は四万一千、それから三十八万五千、七十二万一千というふうに殖えておりますが、これは
暖厨房関係に相当使
つておるという例示になると思うのであります。まあ我々のほうでは
暖厨房関係だけで
年間大体二十八年度は三十万ぐらいに
なつておるのじやないかというふうに考えます。
それからその次の頁は
原油と、それから
天然ガスの
生産量を図解したものでありまして、
天然ガスにつきましては最近は九千万
立方メーター程度に
なつておると思います。
それからその次のこれは
ちよつと文章で書いてありますが、この前
我が国におきまして
終戦後において特に
石油の
埋蔵量が相当あるということが確実に
なつたことにつきましてのことをこれは書いたのでありますが、
終戦後におきまして特にその
探鉱方法が非常に
進歩した。ここにも書いてありますように、従来
我が国で行われた
探鉱は主として
地表調査のみに依存したのでありますが、最近におきましては
地表の
調査におきましても
放射能探鉱を用いるように
なつたということ、これは
米国のほうから
機械を入れまして現在やりつつありますが、そういう
放射能探鉱、それから古
生物学の
動入、これは化石とか、そういうようなことによ
つてこの
石油の
地帯というのが十分わかるように
なつたということ。それから第二は極めて新らしい
輸入機械によりまして
地震探鉱、
重力探鉱の
実施を行うように
なつた。これによりまして相当よく的確にわかるように
なつた。それから第三は掘さく
技術の
進歩によりまして従来とても
日本の
技術におきましてはできなかつた三千
メーター級の
試掘ができるように
なつた。現在大体平均九百
メーターぐらいでありますが、
深度はそれが更に深く掘りますというと、まだ
新潟とかその他相当これはあるわけなんですが、ここにも書いてありますように、最近におきましては三千
メーター級の
試掘ができるように
なつた。こういうまあ
探鉱方法の
進歩からこの
調査が非常に的確に、又今までそれほどないと思
つていたところが、これが相当大きな量をつかむように
なつたということであります。従いましてこの次にも書いてありますように、
平原地帯油田の
開発、それから
層位封塞構造油田の
開発、これは学術的にいろいろむずかしい問題ですが、それから
既存油田の深部の
開発、こういう
方面の
開発が非常にできるように
なつたというわけでございまして、
先ほども申上げましたが、
山形県におきましては
堀内で、いわゆる
内陸油田という画期的な
油田を見付けた、従来は殆んど
海岸線だけに
油田はあるものと考えられていたのですが、最近におきましてはこの
内陸方面に大きな油層を見付けたということは、これは非常に画期的な問題だと考えております。これも
終戦後の問題であります。そういうようなことによりましてこの
石油資源開発審議会におきましても、長い間いろいろ検討しました結果は、
先ほども申上げましたように、可採
埋蔵量としまして五百二十三万
キロリツター程度、それから
認知埋蔵量といたしまして三千二百万
キロリツターというようなものを見付けておるわけでございます。
それからその次の頁は、
我が国の
含油地域図、これを見ますというと、大体
日本海方面、
北海道方面はこれは
産油地域に
なつておりますが、その他の
地域におきましても
含油地域は相当広く分布されておりまして、
関東平野におきましてもこれは
含油地域に
なつております。これは
関東平野におきましても相当
深度、深く掘りますれば恐らく
油田が見付かるのではないかというふうにも言われております。