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説明員(
記内角一君) お
手許に「年末
金融対策について」という
資料をお配りしてございますが、それを読みながら御
説明を申上げたいと思います。「年末における
中小企業の
金融難を緩和守るため、下記の諸施策の
推進方につき
所要の
処置を講ずることとする。1、
政府指定預金の
引揚延期、九月末現在における
政府指定預金残高は、
別表1の
通り総額六十六億六千三百万円で、当初十月以降一月までに
均等引揚の
予定であ
つたが、年末
金融の緩和、
災害融資の
円滑化を図るため、
差当り十月
引揚予定十六億六千六百万円のうち十二億一千五百万円を明年二月末まで延期することとした。併しながら十一月、十二月においては一層の
資金需要が見込まれるので、同月
引揚分についても四カ月
程度の
引揚延期につき、努力することとする。」その
資料の三枚目のところに
指定預金引揚計画がずつと出ておりまして、これをここにありますように、十月、十一月、十二月、一月ということで逐次
引揚げて参る
計画に
なつてお
つたのでございますが、十月分につきましては
商工中金につきましては
全額据置き、それから十億円以上の
災害のありました二十道
府県につきましては
引揚を延期する。結局それ以外の
府県につきましては
引揚を
行なつたものでございます。これが大略四億、下の欄の一番端のほうにありますように、十月中において四億五千万円ということに
なつた次第でございます。今後ここにありますように十一月、十二月と
引揚げる
予定に
なつておりますが、今までのところは
供米代金の
撒布状況或いはその
引揚、
回収等の
状況等を睨み合せてや
つて参るというふうに
予定しているわけであります。我々といたしましては
撒布を受ける方面と
一般の
金融引締めに応じて受ける
中小企業のものとの食い違いというものが相当ございますが、特に十一月、十二月につきましては
全額これを据置いて来年年を明けてから
回収する、
引揚げるという方向に進んでもらいたいということで
大蔵省と折衝いたしております。或る
程度まで了解はできているというふうに信じている次第でございます。
第二は、
政府金融機関による年末
融資の問題でございまして、「
中小企業金融公庫(
別表2及び3)、
中小企業金融公庫の本
年度貸出資金源は、
別表の3の
通り二億百円であり、第三
四半期貸出予定は当初六十億であるが、
災害関係三億を含み、七十五億円乃至八十億円の
貸出を行うこととし、これがため第四
四半期枠の繰上げを行うこととする。なお、この結果第四
四半期枠に
不足を生じたときは、別途の方途を考慮することとする。なお第三
四半期以降特に
長期運転資金の
積極的貸出を図り、
中小企業者の
資金繰りの安定に資せしめることとする。」御
承知の
通り、
中小公庫の
資金は百
長期、一年以上の
長期貸出ということに
なつているわけであります。従
つて季節的な動きというものは本来ならばそんなにあるものでもないわけであります。併しながら殊に
運転資金等を
中心としますというと、やはり年末を境にいたしましていろいろの
再建方策その他が行われる面も多いと考えられますから、従来は一
四半期五十億円、当初の
計画では第一、第二が五十億円、第三が六十億、第四が四十億ということで
計画を立ててお
つたのでございますが、年末でもございますので、その
資金増ということを考えまして七十五億乃至八十億くらいまでこれをやろうということで、それぞれ各
金融機関に対する
融資予定額は八十億を割当をいたしております。若しこれが
全額貸付ができるようになりますと八十億でもできるということになるわけであります。併しながら、併し今までの例を見ますというと、必ずしも
全額融資できない
金融機関などもありますので、その辺の歩留りなどを考えて行きますと、大体七十五億見当ということに相成ろうかと思うわけであります。これによりまして年末の一助にも資したいというように考えている次第でございます。
国民金融公庫につきましては、「昨
年度第三
四半期貸出実績総額百十九億円に対し、本
年度は
資金需要増勢を考慮し、百二十九億円の
貸出を行う
予定であるが、なお
資金不足を生ずるときは、
特別小口貸付の伸び悩みに伴う
余裕資金及び
回収努力による
余裕資金を
普通貸付資金に充当することをも考慮することとする。」実はこの百二十九億の中には
特別小口貸付が、御
承知の
通り、五万円までは非常に簡易に
貸付けることに
なつておりますが、これが実際問題といたしましては
余り需要がございません。従いましてこの分の当初
予定してお
つたものを含めまして百二十九億ということに相成るわけでございます。むしろこれは消しておいたほうがよいかと思います。なお今後の
回収努力したものを加えまして百二十九億以上にもいたしたいというふうに
公庫のほうと連絡をいたしている次第でございます。
商工組合中央金庫、「
商工組合中央金庫の本年四月以降十月までの
貸出純増額は九億五千万円でやや伸び悩みを示しているが、昨
年度第三
四半期における
貸出純増が九十億円に達したことに鑑み、本
年度においても
災害関係七億を含み八十二億の
貸出純増を見込み、
所要資金手当を行わしめることとする。なおこの際生ずる
資金不足分については、
日銀の第二次
高率借入をも行わしめるほか、前記1の
指定預金引揚延期方を強力に推進することとする。」
中小企業金融公庫並びに
国民金融公庫は
回収金と
政府の出資及び
貸付金で以てやることに
なつております。大体
予定通り行い得ることと思
つております。従いまして例えば
中小公庫が七十五億乃至八十億出しましても第四
四半期の分を減らせるという
建前をとりますれば、そう
資金繰りに苦労することもないわけであります。
国民金融公庫につきましても当初の
予定通り、
預金部資金から
貸付ができるということになれば或る
程度のものは当然
貸付がなし得るわけでございます。ただ
商工組合中央金庫につきましては、一番
最後のところの
別表5を御覧頂きますとわかりますように、
資金の
貸出の
予定は、右の欄に八十二億と相成るわけでございますけれども、左のほうの
収入のほうを見ますというと、
債券関係で十八億七千万円、
一般預金がこの
貸出の八十二億について一五%ということで十二億三千万円、それから現在
余裕金といたしまして十五億五千万円のコールを出しておりますので、これを
回収して使うということにいたしまして、又
日銀からここにありますように
中小企業の
別枠融資十六億九千六百万円、
ちよつと十七億が残
つておりますし、又
最低金利で以て
借入れられるものが一億一千万円、第一次
高率で以て
借入れられるものが六億三千万円というふうな
余裕金がございますので、これを使いますというと、二十二億はいわば当然
日銀から
借入れられるという
状況に相成ります。この
資金面に対しまして右のほうにあります
貸出は八十二億出している。それから
指定預金を若し万一返すといたしまして、十三億七千万円、それから
有価証券を、これは
債券、左にあります
金融債を発行いたしますにつきましては、
地方銀行等が持
つております
事業債等を一種の見返りと申しますか、若干買入れなければならない。又これを買入れておきますと、左の
日銀の
借入れの際の担保にも充当されるという面もございますので、毎月五千万円ずつ買入れております。この買入れを一応五千万円といたしますと、これが九十七億円となるわけであります。この九十七億円の
支払をいたしますためには、
収入もこれだけ以上の線では約二十八億五千万円の
資金不足が生ずるということに相成るわけでございます。併しながらこの備考にありますようにそういう
意味合いで二十八億五千万円の
資金不足が生じますが、若しこの右の欄にあります
政府に返す
予定の
指定預金の十三億七千万円を返さないで済めば、これが
残りは十五億に相成るということに相成るわけであります。従いまして先ず第一のお願いとしては、この
指定預金の返済の
引揚を延期するということが第一点でございます。、更に
残りは、そういたしますというと、十五億円くらいの
資金不足になるわけでございます。その分につきましては今御
説明しましたように、まだ第二次
高率の
借入れは全然受けておりませんので、この分を含みまして、
日銀から第二次
高率による
借入れをいたしたいというふうに考えております。そういたしますれば結局結論といたしまして、
商工中金といたしまして
指定預金十三億七千万円の
引揚を延期してもらう。
日銀から十五億
程度二次
高率の
借入れをするということにいたしますれば、八十二億の
貸出増が行い得るということに相成るわけであります。なおこれは
貸出増でございますが、
回収、或いは
貸出という両方の面を見て参りますというと、
商工中金は毎月大体百億乃至百十億の
貸出を
回収して、同じくらい
貸出をいたしております。併しながら今度の
計画におきましては、この
別表第二表初めから四枚目の一番上にございますが、この一番下のところの
商工組合中央金庫のところにありますように、十月分としては十億、十一月分としては十七億、十二月分、五十五億ということになるわけであります。従いまして毎月平均百億ずつ
回収貸出をいたしておりますので、この間におきましてはおおむね四百五十億くらいは
貸出ができるというふうな実勢に相成るわけであります。従いましてまあこれだけの表で参りますというと、それからその
商工中金の
貸出につきましては、
別表第五表の一番終りのところ、
貸出のところに八十二億とございますがそのうちその
現実の
貸出といたしましては、
回収が四百十二億、
貸出が四百九十四億、約五百億近い
貸出をいたしまして、年末
貸出残といたしましては五百四十九億、おおむね五百五十億の
貸出残が
予定されるという結果に相成るわけでございます。これだけの
需要資金を
予定いたしておりますので、先ず先ず一応年は越せるのではないかというふうに期待をいたしておる次第であります。
なお二枚目のところに、本文に入りまして、
下請代金の
支払促進につきましては、ここにありますように、去年もすでにこれに関する
次官会議決定、これは
政府支払の
決定促進の問題でございますが、去年の十一月半ばに、
政府の
関係の
支払を促進するようにということを決定いたしております。今年におきましても、近く
関係官庁の参集を求めまして、年末に備えての
支払促進をお願いしたいというふうに考えている次第であります。更に
一般的な
下請代金の不当な
支払遅延に関する
認定基準の
発表等の
処置を講じて来たが、更に年末に際し、
日本銀行及び
市中金融機関の
協力を求めて、
下請支払に対する
早急融資をお願いしたいというふうに考えておる次第でございまして、こういうことによりまして、
デフレ金融引締の最中ではございますけれども、できるだけ安全に年を送りたいというふうに考えておる次第でございます。