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1954-02-10 第19回国会 参議院 通商産業委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年二月十日(水曜日) 午後二時五分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
中川
以良君
理事 藤田 進君 小松 正雄君
委員
石原幹市郎
君 大谷 贇雄君 黒川 武雄君 西川彌平治君 酒井 利雄君 岸 良一君 豊田
雅孝
君 西田 隆男君 海野 三朗君 山口 重彦君 白川 一雄君
政府委員
通商産業大臣官
房長
岩武 照彦君
通商産業省公益
事務局長
中島
征帆
君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員
山本友太郎
君
常任委員会専門
員
小田橋貞壽
君
参考人
東北電力株式会
社社長
内ケ崎贇五郎
君
東京電力株式会
社社長
高井亮太郎
君
中部電力株式会
社社長
井上 五郎君
北陸電力株式会
社副
社長
西
泰藏
君
関西電力株式会
社社長
太田垣士郎
君
関西電力株式会
社常務取締役
芦原 義重君
電気事業者連合
会事務局長
平井寛一郎
君
電気事業者連合
会事務局次長
福田 勝治君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
通商
及び
産業一般
に関する
調査
の件 (
電気料金
に関する件)
—————————————
中川以良
1
○
委員長
(
中川以良君
) それでは只今より
通商産業委員会
を開会いたします。 本日はかねてお打合せを申しました
通り
、
電気料金
の
改訂
に関する
調査
をいたします。本問題は法律的に申しまするならば、
電気事業
の健全なる
運営
と、それから
消費者
の
利益等
を勘案いたしまして、
政府
においてこの
料金
は決定するものでありますが、今日
祖国再建
の途上、
電気事業
の
運営
の適否というものは、
産業
の面におきましても、又
国民生活
の上から見ましても、極めて大きなる
重要性
を持
つて
おるものでございます。殊に最近
政府
におきましては
緊縮予算
を上程をいたしておりまして、これからの諸
物価
の
引下げ
に対しまして、大きなる
意図
を持
つて
おります。これらの
物価引下げ
に関しましても、この
電気料金
というものは至大なる
関係
を持
つて
おるものと存ずるのであります。かようなる
重要性
を持
つて
おりまするが故に、本
委員会
におきましては、この
電気料金改訂
の問題を最も慎重に扱わんといたすものであります。これが
ため
に去る五日には
政府側
から
改訂案
の
概要
を聴取いたしまして、更にこれに関連をいたしまして、
通産大臣
に対し質疑を続けて参
つて
おるのでございます。本日はその
調査
の一環といたしまして
電気事業
の
首脳者
及び
電気事業連合会事務局
から
参考人
として御
出席
を
お願い
申上げまして逐次御
意見
を聴取をいたしまして、当
委員会
は飽くまで公明なる立場におきまして多角的に、道義的に且つ良心的に公明なる検討を加えたいと存ずる次第でございます。 次に
参考人
の
皆様方
に御挨拶を申上げます。本日は御多忙のところを御
出席
を賜わりまして、誠に有難う存じました。当
委員会
の只今申上げました意のあるところを十分御諒察賜わりまして、この
機会
において率直なる御
意見
を御開陳賜わらんことを
お願い
を申上げる次第でございます。御
公述
を願いまするお時間は大体二十分乃至三十分の
範囲
内にして頂きたいと存じます。御
公述
の
内容
は前以て
お願い
をいたしました
資料等
によりまして、その点を重点的に御
説明
を願いたいと存ずるのでございます。
最初
に先ず
電気事業連合会
の
平井事務局長
から
改訂案
の全貌並びに各
会社
の
共通事項等
につきまして御
説明
を
お願い
をいたしたいと存じます。
平井寛一郎
2
○
参考人
(
平井寛一郎
君) 私
ども九つ
の
電力会社
並びに
電気事業連合会
が本日から明日に亘りまして、当
委員会
の席上にお呼び出しにあずかりまして、
皆様
に今回の
電気料金改訂
並びに
料金制度改訂
の
お願い
の件につきまして、御
説明
を申上げ得る
機会
をお与え頂きましたことを厚く御礼を申上げる次第であります。
財政緊縮
による
経済安定政策
が強く推進せられようといたしておりますこの際におきまして、
電気料金
の
値上げ
を
申請
いたしますることは、私
ども
といたしましても誠に心苦しい極みであり、
国民
の
皆様
に対しましては、甚だ相済まないこととは存ずる次第でありますが、にもかかわりませず、この際
値上げ
の
申請
をせざるを得ないに至りました
事情
並びに
申請
の
具体的内容
につきましては、今明日に亘りまして、各
電力会社
の
代表者
より順次詳細に御
説明
申上げるはずでありますからして、それらを通じて
何分
の御
賢察
を
お願い
いたしたいと存ずるのであります。私は
最初
にお与え下さいましたこの時間の
範囲
の中で、一応全国的な、概括的な
お願い
を申上げることによりまして、本件に関する
皆様
の御
理解
の一助ともなるならば幸甚と存ずる次第であります。 先ず前半のお時間を頂戴しまして、簡単に今回の
料金値上げ申請
の
概要等
を御
説明
申上げた上で、後半におきましてお
手許
にいろいろ差上げてありまする
資料
、特に
大分
いろいろたくさん出ておりまするが、特にその中で若干の図表に基きまして
数字
的な
補足説明
をさせて頂きたいと思
つて
おりまするし、その他の大
部分
の
資料
につきましては、むしろ後ほどいろいろと御質問のございました場合におきまして、必要に応じて
御覧
を頂くというふうに
お願い
をいたしたいというつもりでおるわけでございます。 今回の
電気料金
の
値上げ
は、
新規電源
の
開発
による
電力原価
の
高騰
によるものであり、その
原価高騰
を招きました
主要原因
は、
資本費負担
が急激に
増加
した
ため
なのであります。即ち私
ども
は再
編成
以来、全力を挙げてこの
電源
の
開発
を強行して参
つたの
でありまするが、これらは
前回
の
丁度昭和
二十七年の五月の
料金改訂
から後になりまして、漸く順次完成の域に達して来たのであります。で、二十九年度までに約この三年間で二百万
キロワツト
、特に二十八、二十九では百七十万
キロワツト
というふうにしまいに多いのでありますが、こういう
出力増強
を見るに
至つたの
でありまして、これが
ため
に
前回料金改訂
を願いました当時と比べまして、
供給力
のほうでは約二〇%、これを出炭の
販売電力量
に換算いたしますると、
ロス
の
軽減等
によりまして二三%の
供給力増加
を見ておるのであります。然るにこれら
電源開発
によ
つて
増加
いたしました
稼働資産
のほうは、いずれも最近の高い
建設費
のものでありまする
ため
に、右二カ年間に二千三百億円ほど殖えておるのでありまして、二十七年度末の
稼働資産
が丁度三千九百億円でありましたのに比べまして、
資産
の面では六割という急激な
増加
と
なつ
ております。即ち
供給力
は二割
設備
で殖えておるのに対しまして、六割の純
稼働資産増
を見ておるのであります。このほかに第三次再
評価
によりまする増、約千百億円を換算いたすことに
なつ
ておりまするので、二十九年度末の
稼働資産総額
は約七千四百億円に近くなる予定でございます。このように
新設分
につきましては
建設費
が非常に高い
ため
に、
新設分
の
料金単価
は二十七年度末現在の
既設分
全体の
平均
の
料金単価
に比べまして、約二倍の
値段
に上るのでありまするが、これは全く
資本費負担
が急激に
増加
した
ため
であり、
企業内部
では如何に
合理化
をいたしましても、
資本費自体
は如何ともなし得ないというふうなところに追込まれるのであります。このように
新規
の
開発
によりまして
供給力
が
増加
を見ますると、自然従来の安い
既設分
とこれとが混りますので、
平均
の
料金単価
は漸次
高騰
せざるを得ないという
傾向
になるのであります。元来
電気料金
は
原価主義
によりまして、一切の
費用
を
原価
に織込んできめるということが肯定されてはおるのでありまするが、併し私
ども電気事業者
といたしましては、
原価主義
の原則があるとは申しまするものの、これをこのまま全部
料金
の形で
消費者
の
皆様
に
負担
をして頂くということは、目下の我が国内外の
経済情勢
に鑑みまして極力避けたいと、こういうふうに考えまして、昨年の六月以来半歳余に亘りましていわゆる
電力緊急対策
というものを打立てまして、そうしてこの
開発促進
と
電力原価高
の矛盾をば解決する
ため
に、
原価高
の
主要原因
でありまするところの
金利
、
税金
、即ち
資本費
の
軽減方
を中心として、
政府
及び
関係方面
にいろいろと要請、陳情をいたしておるのであります。私
ども
はその
効果
には相当の期待をしたいと思
つて
おるのでありまするが、
何分
にもこれは
政府
の御施策と国会の御決定を必要といたしまする
ため
に、未だ何ら
確定
をいたしておりませんので、今回の
料金
の
値上げ申請
の中には、その未
確定
の
部分
は織込んではないのでありまするが、
確定
いたしました暁は、その分だけは
料金
の
値上げ
を
軽減
をいたしたく、その用意を持
つて
おる次第であります。私
ども
は今日でもなお引続きその
金利
、
税金等
の
軽減
については
努力
を続けておるのでありまするが、
何分
とも
皆様
におかれましてもこの点をよろしく
お願い
いたしたいと存ずる次第であります。 以上の結果、二十九年度の
電力原価
の総計と申しますか、私
ども
はこれの
総括原価額
と申しておりますが、その
総括原価額
は
送電損失
とか
石炭消費率
の
向上
とか、各種の
事業内部
における
合理化
、これを織込んでいろいろ圧縮はしたのでありまするが、なおその
総額
が二千百二億円、約二千百億円と
なつ
ておるのでありまして、これを
前回
の
料金認可
を頂きました
昭和
二十七年度の
総括原価額
千四百四十八億円に比べますると、丁度六百五十四億円の
増加
と
なつ
ておるのであります。併しながらこの二カ年間には先ほど申上げましたように二〇%からの
供給力
の
増加
をいたしておりまするからして、
自然現行料金
によ
つて
の
収入増
によりまして、これは大体三百九十億円ほどになりますが、この
収入増
によりまして、
石炭消費量
の
増加
その他の
一般
諸
経費
の
増加
は十分賄えるのでありまして、そうしたものを差引きました二百六十四億円がこの
原価
の純増と申しまするか、実際の
収入見通し
と
原価費
との差の
不足
になるのでありまして、これはこの
不足分
はすべて
資本費
の
増加
によるものでありまするが、この
不足分
を吸収いたします
ため
に、これを
料金値上げ
の形で実は
お願い
した形に
なつ
ておりまして、その
値上げ倍率
は
全国平均
で一四・四%になるのであります。この点は後ほど
資料
についてもう少し詳細に申上げたいと思います。今一四・四%と申しましたが、これは
前回
の
認可
を頂きました
料金単価
との
比較
における数でございまして、実際にはその後
石炭
の
値段
が
大分下
つて
おります。我々
石炭
の
値段
の
上り下り
に応じて、
石炭条項
という
条項
に基いて
料金
を上げたり或いは下げたりする調整の面を御
認可
頂いておるのでありまするが、幸いに
石炭
の
値段
が下
つて
おりまするので、
動力関係
の
料金
につきましては若干の
値下げ
を実はいたしておるのでありまして、現在のその
値下げ
をした後の
料金
と比べますると、只今申上げました一四・四%に相当する
数字
は一七・一%に当
つて
おるのであります。 なおこの
料金
の
改訂
の
申請
と同時に、
現行料金制度
の
改正
のほうを実は
申請
をいたしておるのであります。現在の法的な
電力割当制度
は、
終戦
後の
電力不足
に対応する
ため
の
過渡的措置
として策定されたものではありまするが、この
制度
その後日がた
つて
相当
欠陥面
がたくさん出ておりまするので、そうした
欠陥
を漸次是正をして、そうして
消費者負担
の公平を図り、且つ
電源増強
による
電力需給
の緩和を反映いたしまする
ため
に、
料金制度
の
正常化
に一歩を進めたところの新らしい
料金制度
を確立したいという考えなのでありまして、その
内容
は
電源開発
の
進捗度
と見合いまして、一本
料金制
又は
負荷率別
二段
料金制
を採用いたしまして、又更に
電力
を
原料
として使用する電解、
電炉工業等
については
特約料金制
を取入れまして、そうして
個別割当制度
にこれを代えることによりまして、同時に
制度
の
改正
による急激な影響をできるだけ緩和するように努めた次第であります。 結論といたしまして、私
ども電気業者
は今回の
緊縮財政
によりまする
経済安定政策
には全面的に協力いたす覚悟であります。併しながら今回あえて
料金
の
改訂
を
お願い
いたしましたのは、
電源開発
に伴いまするところの
電力原価
の
増嵩
をば、最
底限度電気料金
に織込まして頂いて、予想される一層の悪条件の下で
電源
の
開発
を引続き強力に進めまして、一日も早く
電気
の
不足
を解消することを念願する
ため
なのであります。若しここに
増加
いたしまするいろいろな
資本費等
の回収が困難となり、
会社
の経理の
安定性
を喪失するような事態に追込まれまするといたしますると、増資、
社債発行等
の
建設資金
の調達に非常な困難を生ずるのでありまして、延いては目下
最盛期
の工事にありまする
電源
の
開発
にも重大な支障を生ずる虞れがあるということを私
ども
は深く憂うる次第なのでありまして、今回の段階におきまして、
料金
の
改訂
を
お願い
せざるを得ないこの衷情につきましては、
何分
の御
賢察
を
お願い
申上げる次第でございます。 以上
料金
の
改訂
並びに
料金制度
の
改正
を
お願い
するに至りました
事情
を縷縷申上げまして、各位の御
理解
と御協力を
お願い
いたしたい次第でございます。 以上いろいろと概括的に申上げたのでありまするが、この
数字
的な裏付けと申しますか、
数字
的に若干
補足説明
をお
手許
にございまする
配付資料
によりまして、
番号順
に主だ
つた点
を若干御
説明
さして頂きたいと思います。
資料
の一の「
電気料金改訂
について」と書いてありまするのは、この際
九つ
の
電力会社
が
料会
の
改正
を
申請
いたしまするにつきまして書きました趣旨でございます。その次の二は、
料金改訂
の理由が要約して書いてございまして、その主だつたところは、先ほど申上げたのでありまするが、例えば
資本費
の
増嵩
、或いはその他の
修繕費
、
燃料費等
の
増加等
の
具体的内容
がここに詳細に書いてございます。この
二つ
の
資料
の裏に
主要項目原価対比表
という表が載
つて
おります。この表を
ちよ
つと
御覧
頂きたいと思います。従にいろいろな
項目別
に
資本費
その他のいろいろな
一般経費
が書いてございますが、横に二十九年度と二十七年度と
二つ
の
数字
が出ております。二十九年度の
原価
と申しまする欄に、先ほど
原価額
の二十九年度の
所要原価額
の
総額
が二千百億と申しました
数字
が、一番下の
合計欄
に載
つて
おりますし、
内訳
がそれぞれ載
つて
おります。それから
需用端
を
販売電力量
で割りました一
キロワツト・アワー当り
の
原価
をそれぞれ
内訳
に書いてありますのがその右にございます。同じようなことを
前回
の
料金改訂
の当時の
原価
千四百四十七億について、
キロワツト・アワー別
にも出して見たのでありますが、一番上の
資本費
の欄を
御覧
頂きますと、
前回
は、一円四銭であつたものが、一円九十銭八厘というふうに、約一八三%、八割三分の
資本費
の
キロワツト・アワー当り
の
負担分
が、急激な
増加
のあるところが出ているのであります。 次の
燃料費
は、実は
石炭
の
消費量
は、
前回
の
改訂
当時と今回とでは二七・八%
消費量
が殖えておるのでありますが、それにもかかわりませず、いろいろな
石炭
の値下り、
消費率
の
向上
、それから炭質の
向上等
によりまして、実際には四百五十三億が五百億に、約一割しか殖えておりません。従いまして
供給力
のほうは二割以上殖えておりまする
関係
上、実際の
キロワツト
時
当り
としましては、むしろ
燃料費
の
負担分
は九一・六というふうに減
つて
おります。そのほか
人件費
、
維持費等
いろいろございますが、右の端の欄を
御覧
頂きますと、
資本費
を除く他の
費目
につきましては、大体
現行料金
の、多少でこぼこはございますが、全体を通じますと、おおむね
現行料金
の、
単価
の
料金
の枠内で吸収できておるのであります。ただこの中で一番下の
一般経費
が二九%殖えておりますのは、
金額
としては小さいのでありまするが、お目にとまるかと思うので
ちよ
つと
補足説明
をいたしますると、この表のすぐ下の註の一、
一般経費
の中の殖えましたものの
内訳
がここに出ているのでありまして、
御覧
の
通り殆
んど
事業税
とか
水利使用料
、
電柱敷地料
、
道路占用料
というような
公租公課
的なものと、それから
購入電力料金
の或いは値上り或いは数量の
増加
というものによ
つて
おるのでありまして、
一般
の
費用
としましては決して殖えておらないのであります。これが今回の
値上げ
の要素を、挙げて
資本費
の
増加
にあると申上げました
一端
なのであります。 次に、
資料
三というのがございます。この表は、
発電設備
、言い換えれば
発電所
の
水力
及び
火力別
。上のほうのハツテイングを示したのが
火力
でございますが、
水力
、
火力別
の
発電力
がどういうふうに
増加
したかを表にいたしております。この辺の
資料
は、再
編成
後の状態を見て頂くという
意味
もありまして、二十六年度以来の
数字
がいろいろ載
つて
おりまするが、
御覧
のように二十六年、七年の間では余り伸びておらないのでありますが、二十八年度、二十九年度においては急激な
設備
の
増強
がここに現われております。これが
料会改訂
後において約二割の
設備
の
増加
を見ているということを申上げた
内容
なのであります。右のほうは、それによる
発電電力量
の
数字
を出しておるのであります。 次の頁の四と
番号
を打ちました
資料
を
御覧
を頂きます。これは
需用端
における、
需用家
に差上げる
電力量
の
増加
の
傾向
を
数字
で出しておるのでありまして、
前回
の
改訂
後の二十七年度が三百五億に対して、二十九年度は三百七十四億
キロワツト
時。これが二十七年度に比べますというと、丁度二三%弱に
なつ
ているのであります。ハツテイングしたのは、そのうちの
電燈
の
キロワツト・アワー
であります。 その次の五という横に長い表は、只今申上げました
発電力
の
会社別
、
年次別
の総
キロワツト数
の
内訳
でございます。
水力
、
火力別
に出ておりますが、そこは省略させて頂きます。 その次の表が第六という表でありまするが、六、七、八の三つの表は、
企業内部
の
合理化
は一体どういうふうに進展しておるか、又今回の
料金認可申請
の中には、更に
合理化
の
意図
をどれだけ入れておるかという点の
一端
を
御覧
を頂く
意味
で挾んでおいた次第なんでありまして、そのうちの第六という表は、左のほうにございます
電力損失
がどういうふうに減
つて
おるかを表にしたものでございます。
電力損失
の一番左の表には、二十七年度のときには二五・七七%の
平均ロス率
でありましたものが、今回の
申請
では二四・五五に
なつ
ております。この間の二十八年度の
実績
はこの
計画数字
と余り違わないのでありまするが、こういうふうに年々漸減の
実績
を挙げつつあり、又今回もそうした
努力目標
を入れておるのでありまして、若し例えば
前回
の
料金改訂
後今日まで
ロス率
の
軽減
という
努力
が払われていなかつたとしたならばどれだけ
電力量
の
損失
が違うかということを
真中
の欄に出しておるのでありますが、この九億の
減少
と書きましたのと、三億の
減少
と書きましたのとを差引きました六億
キロワツト
時が二十七年度からの二年間の
ロス率
の
軽減
の
数字
になるのでありまして、これを
発電力
に換算いたしますと、右の表で二十四万と八万の差、十六万
キロワツト
の
発電所
を
造つた
ほどの
効果
に
なつ
ておるのであります。 次の第七表は、
石炭
の
火力発電用炭
の
能率改善
がどういうふうに
なつ
ておるかということを示したものでございまして、左のほうの
石炭消費率
の二十七年度が〇・九二パー
キロワツト
時であつたものが〇・八一と、十数%の
改善
を見るように
なつ
ております。この
関係
も同じような
意味
で
石炭
の
節約量
で換算いたして見ますと、右の表で百四十六万トンと十二万トンとの差、約百三十四万トンの
石炭
を節約した勘定になるのであります。 第八表は、同じような
意味
で
労働生産性
がどういうふうに推移しておるかを
御覧
に入れた表なんでございまして、一番左に
ハツチング
をしてありますものが
昭和
十年の古い標準でございまするが、これが戦前の平常時におきまする最も
生産効率
の
上つた年
の
実績
で、
従業員
一人
当り
に、これは
戦争時代
でありますが、二十四万六千
キロワツト
時の
販売電力量
を分担しておりましたのが、一人
当り
の
分担量
の
数字
を
御覧
になりますと、
終戦
後
むしろ減つて
お
つたの
が、最近漸次戻
つて
参りまして、それはパーセンテージで下の欄で
御覧
頂きまするように、
昭和
十年に対して一一%
生産性
が上
つて
おるという
数字
に
なつ
ております。 次にナンバー九という表を
御覧
頂きたいのでありまするが、この表は
稼働設備
及び
固定負債
がどういうふうに推移いたしておるかを示したものでございまして、左の
ハツチング
をしましたのが
稼働設備
であります。言い換えれば完成して
営業運転
に入
つて
おります
営業設備
の
資産額
であります。
真中
の点の打
つて
ありますのが
固定負債額
で、その右のほうは
資本金
の額でありまするが、
昭和
二十七年、八年の間では殆んど大きな変化がないのが、二十八年から九年、十年と急激に
設備
が完成いたしましたにつれまして、
稼働設備
の
資産額
が急激に伸びております。七千二百七十八億円と三千八百八十六億円の差、三千三百九十二億円でありますが、こういうふうにして非常に殖えております。この中の二千三百億円
程度
が
純資産増
であり、
残り
の千百億円
程度
が再
評価
による
増加
であります。
真中
の
ハツチング
をしましたいわゆる
固定負債
で
御覧
頂きましても、約二十八年から三十年の間に二倍強、又
資本金
にいたしましても二倍
半程度
に
伸びておるのがおわかりになるのでありまして
、これだけ
増強
をいたしますのに、急激にやはりこうした
資本金
だとかその他の
負債
が殖えて来るというところがここに出ておるのでありまして、これが
資本費
が急激に最近
増加
して来たという元に
なつ
ておるわけなんであります。 次の頁の十という
資料
も、
稼働設備
の
内容
を、もう少し再
評価分
とそうでない分とに分けて示したものでありまして、二十七年度においては三千八百億円の
資産
のうちで、
数字
は載せておりませんが、二千八百億を引きました約一千億円だけが実際の借入或いは払込を受けた金に相当するものでありまして、上のほうは再
評価積立金
で、これは償却の
対象
にはなりまするけれ
ども
金利
の
対象
には
なつ
ておらない
部分
なんであります。右のほうが三十年度における予想でありまして、丁度
稼働資産
の
総額
においては、一・八八倍くらいにふくれておりますが、下の
金利
の
対象
となる
部分
の
金額
について見まするというと、三倍以上に伸びておるのであります。その
傾向
をここに示したものでありまして、如何に
金利
が急速に殖えかという
事情
の
内容
がこれでおわかりになると思うのであります。 次の第十一表でございますが、あともう少しお時間を頂きまして、この十一表は
前回
の
料金認可
のときと今回の
申請
の場合との
総括原価額
の
内容
を示し、これを
比較
しておるのであります。
御覧
のように
資本費
その他いろいろと絶対額はふくれておりますが、先ほど「
資料
二」で御
説明
申上げましたように、
原料費
その他の諸
経費
は、いずれも
合理化
と、それから
現行料金
による
増加収入
で賄われておるのでありまして、
資本費
の
増加分
、これは約三百九十六億円
資本費
の
増加分
がありますが、このうちの三分の一は
現行料金収入
でどうにか繋げるのでありますが、
残り
の約二百六十四億円だけはどうしても
現行料金
で賄えないという
関係
に
なつ
ておる
事情
をここに表にしておるのであります。 第十二表は、更に
資本費
の
比較
を細かく書いておりますが、
説明
を省略いたします。 第十三表は、これは現在
電気事業関係
が
負担
しております
公租公課
の
総額
がどのくらいに
なつ
ておるかを御
参考
に載せたのでありまして、百十五億が百九十一億と、非常に膨脹いたしております。私
ども
が
租税公課
についての
減免措置
を
原価
の
不足
の
補填策
としてお考え頂きたいと
緊急対策
を打出しました
事情
がこの辺から具体的につかみ取られるのではないかと思うのであります。 第十四番の
資料
は、その
総括原価額
の算定の明細をば詳細に
費目別
に書いて、又その算出根拠等も載せてあるのでありますが、これは後ほど
御覧
を頂くことにしまして、
説明
を省略いたします。 三枚ほどめく
つて
頂きますと、第十五という
資料
がございます。これは「新旧
料金
収入
比較
表」と
なつ
ております。先ほど御
説明
申上げましたときに、今回の値上倍率は、
全国平均
において一四・四%それから
石炭
の値下りによる
燃料費
条項
を適用した場合の支払額と
比較
すると一七・一%になるということを申上げたのでありますが、その
数字
がこの表の一番右の下に載
つて
おります。括弧したものと、してないものとはそういう
意味
における区別なのでございます。これをば更に
電燈
と
電力
とに分けたものを
御覧
頂きますと、右の欄の
真中
ほどの
電燈
の値上率は一六%
程度
に
なつ
ております。又動力の
平均
値上率が一三%、それから
石炭条項
を見たもので見ますというと一七%七四というふうに
なつ
ております。こうしたものの各社別の倍率の
内訳
はこの表の中に眼をざつと通して頂きますとおわかりになりますように、それぞれ地方
事情
を反映いたしましてでこぼこに
なつ
ておりまして、値上倍率の大きいところは二割四分
程度
、少いところは六%余に
なつ
ております。これらの点全体を
御覧
頂きますと従来は
火力
地帯のほうが非常に値上率が高か
つたの
でありますが、今回の値上倍率を見まするというと、むしろ
火力
地帯の値上倍率は低いほうに
なつ
て、
水力
地帯において値上倍率が多いような形に
なつ
ております。これは一面
石炭
の価格が著しく
値下げ
をいたしました点が反映されて、
火力
による
原価
の低下が一つの要素に
なつ
ておりますし、又
火力
の新増設分は
料金
原価
的に見ますと、既設のものに対してむしろとんとん、或いは以下というふうな
傾向
にありますのに対しまして、
水力
の
原価
は昔の安い
設備
からみますと非常に高いものでありますから割高に出るわけであります。従
つて
水力
地帯、特に
水力
の
開発
が大量になされたところにおいてこの値上倍率が大きく出るという形に
なつ
ております。併し倍率ではそうなのでありますが、これは別に
資料
があつたかと思いますが、この表で
御覧
に
なつ
てもわかるのでありますが、一番下の、先ほどの値上倍率のすぐ上の欄に今度の
改正
料金
収入
単価
が出ておりますが、この
単価
について
御覧
頂きまするならば、従来の地域差というよりはむしろその絶対額の値上りの点ではおおむね
値上げ
の
程度
が似たような
程度
であ
つて
、地域差は若干むしろ従来よりは
平均
のほうにお互いに近寄る方向に前進したような結果に
なつ
ておりますということが申上げ得るのであります。 あと
大分
資料
もございまするが、これらの、例えば第十六という
資料
は
料金
規程の細目をそれぞれ
会社別
に詳細に要点を書きまとめたものでございまするから
説明
を省略いたします。 それからそのあとに
参考
資料
が
大分
載
つて
おりますが、これは需給計画その他の
資料
がたくさん出ております。
資料
だけを申上げますと二十九年度の需給計画、それからそれに関する実情、それから
参考
資料
の四というのはこれは三千
キロワツト
以上の業種別の
電力
使用状況の
資料
が或る特定の
会社
について調べて見たのであります。言い換えれば一つの地域におけるいろいろな業種別のお顧客様の現在お払いに
なつ
ております
料金
の
平均
単価
が如何に大きく幅広く動いているのかというのを
御覧
頂く
ため
の
資料
であるのであります。その他若干
資料
もございまするが、又御質問に応じまして
補足説明
をいたすことにいたしまして、私の
説明
をこれで終らして頂きたいと思います。大変長い時間どうも有難うございました。どうぞよろしく
お願い
いたします。
中川以良
3
○
委員長
(
中川以良君
) それでは
最初
に
委員長
から只今の
電気事業連合会
からの御
説明
に対しまして総括的に御質疑を申上げたいと存じます。 先ず第一点は今回の値上案に関しまする連合会事務局と、それから各
電力会社
及び監督官庁との
関係
について伺いたいのでございます。
料金
の
改訂
の
認可
申請
は勿論各
電力会社
の責任においてなされたものと了解をいたしておりますが、
電気事業
の特殊性といたしまして水
火力
の調整金をどういうふうに決定をなさるのか、又地帯間の
電力
融通をどうするかというような点につきましては、九
電力会社
において御協議をなさなければならんものがあると存じます。又或いは
関係
会社
相互間において協議を要するものがあると存じますが、かような事項の取扱は一体どういうふうにや
つて
おいでであるかという点であります。 それから第二点は、水
火力
調整金並びに
電力
融通量の協定のこの基本方針はどういうふうに
なつ
ているかを御
説明
を願いたいのであります。 第三点でありますが、これは
料金改訂
案の基礎となりまするところの
電力需給
計画は現行の法規によりまするならばこれは通産省で決定することに
なつ
ております。ところが前記の水
火力
調整金及び
電力
融通につきましてもう当然これは
認可
を要するはずでございますが、今回の
改訂案
につきましては当局との間にどの
程度
の下打合せの御交渉ができてお
つたの
か、又されつつあるのか、又それらの只今お出しに
なつ
た
数字
は変更の余地がまだ残されているものか、全くぎりぎりのところをお出しに
なつ
ているものか、その点をお伺いしたい。 第四点でありますが、これは
改訂案
は
料金制度
の変更を含んでおりまして案の作成には相当
皆様
時日をかけてここまで作業をなさつたものと了解をしております。作業の日数との関連から見まして、最近
政府
はいわゆる緊縮政策を引つさげまして、
物価引下げ
の基本方針を今国会にも、
国民
にも示しているのでありますが、この
政府
の今回の緊縮政策の方針との間にどういうような関連を持ち、この方針が如何に今回の
電気料金
の中に反映をされているかという点をお伺いしたいのであります。 それから最後に
電気料金
の値上案は御承知のごとくいつも反対が強いのであります。今回も各方面から我々も御陳情を受けております。ところが従来はこれは曲りなりにも実現をして来ているのであります。
平井事務局長
は曽
つて
公益事業
委員会
におられまして
料金値上げ
の当時
認可
をされてお
つたの
でありますが、
料金値上げ
の
認可
基準につきまして法律的の御
説明
を一応承わりたいのであります。以上の五点に関しまして一つお答えを
お願い
を申上げます。
平井寛一郎
4
○
参考人
(
平井寛一郎
君) 第一の御質問の点で、これは連合会の責任の
範囲
はどの辺にあるかというような面からの御質問であると了解してお
つたの
でありますが、
電気事業連合会
と申しますのは、
九つ
の
電力会社
が寄
つて
作りました会合機関でございまして、
電気事業
者の共同の利益の
ため
の連絡機関という性格のものなのでございます。従
つて
独立した意思行為を持つ機関では、それ自体はないのであります。ただ委任を受けた場合については、その限りにおいて扱うことはあるわけでございますが、ところで今回の
料金
の問題につきましては、全然連合会はそういう決定とかそうしたものを、行為権の委任を受けておらないのでございます。従
つて
連合会の責任ではなくて、今回の
料金
の
申請
は挙げて
九つ
の
電力会社
がそれぞれ独自の責任、それぞれの責任において直接に
申請
書をお出しに
なつ
ておる、こういうような
内容
でございます。ただ共同のいろいろの打合せをし、或いは内部の連絡をするという必要がございまするので、いろいろと
申請
をいたしますについては連合会の機関を利用して、横の連絡、お打合せ等は相当慎重に行われておるということの事実はございます。 それからその中で、水
火力
調整金或いは地帯間融通はどういうふうにきめておるかというお話でございますが、これらもやはり問題によりましては連絡機関によ
つて
集ま
つて
、そして協議をして話合いできめるという場合もございまするし、問題によりましては、例えば融通の問題等については大筋の話はいたしましても、個々の細かい協定等はそれぞれの直接当事者間で直接にお話を願うとかいう両方の面が併用されております。 それから第二の御質問でありまするが、これは今大体一の中で御答弁申上げましたのでよいかと思いますが、併し水
火力
調整金、地帯間融通等は、いずれもこれは
政府
の
認可
を要する事項でございます。
中川以良
5
○
委員長
(
中川以良君
) その基本方針を何かおきめに
なつ
ておられますか。
平井寛一郎
6
○
参考人
(
平井寛一郎
君) そのほうは後ほど
社長
のどなたかから御返事願うことにいたしましよう。 第三の今回の需給計画は、これは
政府
が決定すべきものなのであるが、事業者は事前にどの
程度
の打合せをしたかという点でございますが、これは当然
政府
の御決定に待つことでありまするが、事業者としましては、一応事業者の独自の立場からいろいろと算出をいたしたのであります。併しそれが不用意に我々の恣意的な考えだけで持出すことはいけませんので、一応は非公式にはそれぞれの連絡の方法をとりまして、
政府側
の御内意等は伺
つて
はおります。併しながらそれはどこまでも連絡はいたしましたが、これは事業者の自主的判断において出したものである、従
つて
この
申請
その他決定権は、これは当然法律の
条項
に基いて
政府
にあるとこう考えております。 それから第四の……。
中川以良
7
○
委員長
(
中川以良君
) 只今の
政府
の施策にどの
程度
にこれが協調をしておるか、
政府
の施策が如何に反映をするように御
努力
に
なつ
たかという点であります。
平井寛一郎
8
○
参考人
(
平井寛一郎
君) 私
ども
といたしましては
政府
のおよそお考えに
なつ
ておられるのではないかと思われる点は我々の判断において十分考慮し、而も自主的にそれをきめておる。そしてそれを
申請
いたしたというふうに申上げるよりしようがないと思います。 それから第四の御質問の点は、
制度
の変更と
なつ
ておるので、相当長く
調査
したであろうと思うが、緊縮政策下の方針との
関係
及び影響の
程度
はどう考えておるかというお話だと思うのでありまするが、お話の
通り
私
ども
もこの
制度
の変更につきましては昨年以来非常に長期に亘りましていろいろの案を考えたのでありますが、
何分
にも現行の割当
制度
というものは、その制定当時における長所とは別途に、非常に年数がたつにつれて弊害面がたくさん出て来まして公平を欠くという面が大きく出ておる。一面一つの使命であつた需給の不均衡に対する面もかなり情勢が変
つて
おる。そういうふうな
事情
の中でありますので、いずれ将来において順次需給の状態が良好になるその段階において、やはりそこへの前進の一つの中間的な
制度
の
改訂
をどうしても一度やらざるを得ない、こう考えましていろいろ検討しました結果、今回
申請
申上げましたような
制度
案にきめたのでございましてこれらはやはり需給不均衡の状態の相違、或いは
水力
火力
等、いわゆる
原価
構成上の
会社
自体の相違等も斟酌いたしまして、東北、北陸につきましては全部一本
料金
、その他の地域については一部負荷率段階別二段
料金
という形をとらして頂きました。随分これについては研究した結果、これが一つの前進への一番、影響の
程度
をも緩和するのにいい方法じやないかと思
つて
や
つたの
であります。 それでただここで御
理解
頂きたいのは、例えば同じ地域における同じ業種、或いは同じ需用部門においての値上り倍率というものについては、
平均
といたしましてはその公正なる
原価額
の配分の線に沿うておるのでありますが、そういうふうな形にしました結果、
平均
と実際にはでこぼこが相当ありまするのでそういうふうな点で特に非常に特殊な
事情
で、同じ業種の中でも高い
料金
をお払いに
なつ
ておるところと、非常に安い
料金
をお払いに
なつ
ておるところとが、先ほどの
参考
資料
にもありまするように、三倍も違うというのがある。そういう同じような種類の使用状態の差を、若干緩和する方向の措置に
なつ
ておりますので、影響がその
平均
値
通り
ぴたつと行くわけには、個個に参
つて
おらないかと思います。ただ私
ども
といたしまして一番懸念いたしまするのは電解、電炉とか、或いは肥料というふうな、従来は特殊な
電力
をお使いに
なつ
ておりましたものが、今日では割当
制度
により、殆んど標準
電力量
を大
部分
お使いに
なつ
ておる業種におきまして、只今の
料金制度
だけをそのまま適用いたしますると、若干値上り倍率がひどくなりまして、影響の
程度
が相当深刻な姿が全面的に出る虞れがありますので、これにつきましては、
特約料金制
度というものを設けております。
内容
は
資料
にもございますように、各社によ
つて
若干違
つて
おりますが、考え方は、そういう
電気
を多量にお使いになる特殊な
産業
におきましては、
電気
の質は若干下
つて
も量においてできるだけ差上げるということによ
つて
、むしろ生産も上るし、値上り倍率もその
意味
において、おおむね標準並みのところまで吸収できる。こういう考え方から
特約料金制
度というものを、従来と違
つて
大幅に打出しております。目下これについてはいろいろ、それぞれの御
需用家
におきましては御懸念の向も多いと思いますが、各個のお話合いできめつある次第でございます。
中川以良
9
○
委員長
(
中川以良君
) 只今の御答弁中でございますが、四点の今の御
説明
はよくわかるのでありますが、私のお伺い申上げておつた一つの大きなポイントは、この作業は恐らく昨年の秋頃から各社とも開始をされて、いろいろ
数字
を積み重ねておいでに
なつ
たと思いますが、最近殊に
政府
がこの緊縮政策をと
つて
、
物価
を
引下げ
ると声を大にして申しておりますが、この際において更に自粛をして、その案を縮めて、できるだけこの
物価引下げ
の政策に御協力に
なつ
たであろうかどうかという点を伺いたいのであります。
平井寛一郎
10
○
参考人
(
平井寛一郎
君) その点はやはりこの春の情勢をできるだけ考慮いたしまして、いろいろとこの際削減すべきものについて緊縮の
数字
を出して、そうしてここへ持ち出して来たわけでございます。この点は
社長
からもう一度御
説明
を申上げることと思います。 もう一つ
料金
の
認可
基準につきましてどういうふうに
なつ
ておるかという御質問でございましたが、
電気料金
の
認可
は、
電気料金
は現在法律によ
つて
認可
制度
と
なつ
ております。公共事業令が
昭和
二十七年の七月に
改正
になりまして、法律第二百八十三号として今日に来ておりますが、この中の第三十九条を見まするというと、
料金
の
認可
の問題につきまして供給規程の
認可
という形において条文が入
つて
おりまして、この条文の趣旨を要約いたしますると、
電気事業
者は
料金
を設定し或いはそれを変更しようとする場合には
政府
の
認可
を受けなければならないということが一つ明記してございます。それから
通商
産業
大臣はこの
認可
申請
があつた場合には、その
申請
の
内容
を四つの
条項
に適合しておるかどうかという
意味
において審査しなければならないということが出ております。そうしてその審査の
条項
の第一のところが問題でありますが、第一のところに、
料金
がその
通商
産業
省令で定める基準に従
つて
算定されておるかどうかということがこの判断の一つの大きな基準に
なつ
ております。そしてこの裏付けとしましては、通産省のほうでは
電気料金
認可
基準というものを御設定に
なつ
ております。私
ども
といたしましては、その
認可
基準に副う……
電気料金
算定基準に基いて
原価
をそれぞれ弾いてそうして今回の
申請
をいたしたわけなんであります。これは今後の御審査によ
つて
御査定はあることと思いまするが、更に第三十九条の第三項のところへ、「前項の規定により審査した結果、その
申請
が同項各号の基準に適合していると認めるときは、第一項の
認可
をしなければならない。」、審査の結果、
条項
が適合している場合、いわゆる
原価主義
という建前で算定基準ができておりますが、その
原価主義
がすなおに貫いてあれば、査定の結果それを
認可
しなければならないというふうに謳われておるのであります。私
ども
はその条文に基きまして
申請
をいたしたわけなんです。
中川以良
11
○
委員長
(
中川以良君
) 今の補足御
説明
があるようでありまするから、高井
社長
に……。
高井亮太郎
12
○
参考人
(
高井亮太郎
君) 水火調整金は
電力
各社間の融通のきめ方について連合会において何か基本的な方針ありや、こういう御質問だと思いますが、水火調整金は御承知のように再
編成
の際に各
会社
間の
電力
料金
の地域差が余りに甚だしくならない
ため
に、当分の間古い
水力
に対して一定の金を出し、
火力
を焚くほうに対して若干の調整金を出したという
制度
でございまして、各
会社
間において協議をいたしまして、この
認可
を当局にして頂く。若しも協議が整わなければ、たしか
通産大臣
がこれを命令でしたか、決定することができるという法文に
なつ
ておると存じます。連合会におきましてはこの水火調整金の扱いを当分の間過当な地域差が
料金
に出ないようにというその根本方針に副
つて
相協議いたしまして、そしてこれを契約いたしまして
認可
を
申請
するという形に
なつ
ております。 なお
電力
融通につきましても、各
会社
間でお互いの立場を考えまして、でき得る限り各地区の需給状態に余りにひどいことのないように、でき得る限りの協力をいたしましてお互いにまとめて行くという方針と申しまするか、実情に
なつ
ております。 それからいま一つ忘れましたが、
委員長
から、先般来の
政府
の特別な緊縮方針に対して業者は何を考えたのかという御質問であります。これにつきましては、実は私
ども
といたしましては少くとも十二月下旬には
申請
書を提出いたしまして御批判を仰ぎたいということに考えて参
つたの
でありますが、いろいろなものの動きもございまするし、なおかような際に何か幾分やまをかけたと申しまするか、なお切詰めの余地があり、なお時間をかけて考えたらいいじやないかというようなものが若しも出るようなことがあ
つて
は、これは
国民
各位に対して相済まぬという考えから、更に提出の期日を延期いたしまして、実は
原価
計算上、只今提出してありまするより以上に
お願い
したいことが幾つかあ
つたの
でございまするが、例えば只今の再
評価
されておりまする
資産
に対する償却のやり方というものから、当然非常な償却
不足
がその
資産
のいよいよ命数の尽きましたときに出るのでありまするが、その
不足
償却額を特にお認めを願いたいという
数字
を出してもありましたし、又
修繕費
、償却費との関連におきまして取扱方法が会計上のやり方からはなお一段の
お願い
ができる筋ではありましたが、例えばさようなことは全部抹殺をいたしまして、そうして値上りの幅を最小にするようにやり直しまして一月の二十日に提出申上げた次第でございます。
中川以良
13
○
委員長
(
中川以良君
) それでは先ず只今御
説明
のございました
電気事業者連合
会側に対する御質疑を
お願い
いたします。この御質疑が終りましてから各
電力会社
ごとに御
公述
を願いまするので、各
電力会社
の細部に亘る御質疑はそのお話を終
つて
からに願います。 先ず総括的に
電気事業連合会
に対する御質疑を
お願い
いたします。
藤田進
14
○藤田進君 それについて。只今
委員長
から質疑を行われてその御答弁なぞを総合いたしますと、やはり一応五
電力
の代表のかたに御
説明
を願
つて
、そうしてそのあとでそれぞれの
委員
から質問をいたしますように議事進行を変更して頂いたらどうだろうか。但しどうしても先にお帰りになる御都合がありましたならば、それはあらかじめ
委員長
に連絡されてそのかたについては特に個別に御質疑をする。でありませんと理由は省略いたしまするが、どうも前後いたしまして、御答弁なさるかたもそうですが、私
ども
質問をする側としても
説明
を後刻されれば、聞く必要がないものも出て来るかとも思いますので、御変更願います。
小松正雄
15
○小松正雄君 関連いたしまして。私は今藤田
委員
より申されましたことについて、更に
平井事務局長
よりの
委員長
に対するお答えの中に、この
電力
料金
の
値上げ
をやろうとするのについて、
電気事業連合会
として九
会社
の委任を受ける、委任というか、全体的な代表としてやつたらばどうかということについて、その点についてただいろいろ打合せをするとかということについては関連したが、この
値上げ
に関しては、何もタツチしていない、九
会社
はおのおのそれぞれの立場において
申請
をされておる。こういうことでありまするので、やはりその
会社
の
代表者
のかたがたから、一応あり方を言
つて
頂き、それに基いて質問するということのほうがいいじやないかと、こうも思いますのと、同時になお又
事務局長
のほうで
資料
も出しており、代表的に質問することについて答弁ができるということであれば、
委員長
より言われたように、それを先にしてもいいという考えを持つものであります。
中川以良
16
○
委員長
(
中川以良君
) それでは只今藤田君、小松君の御
意見
のございました
通り
、御質疑はやはり各
会社
に関連すると存じますので、それでは各
会社
の一応御
公述
を先に願うことにいたしますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
17
○
委員長
(
中川以良君
) ではさようにいたします。 それから実は本日或いは時間内に終りませんでしたから、明日の午前中続行せざるを得ない状態になると存じますが、その際に、明日東北
電力
と北陸
電力
と関西
電力
は御所用の
ため
に、本日御
出席
の
代表者
のかたは明日は御
出席
できないということでありまするので、順序を変更いたしまして東北、北陸、関西の順序で始めたいと存じまするから御了承を頂きます。
東北電力株式会
社社長
内ケ崎贇五郎
君。
内ケ崎贇五郎
18
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) それでは私は、先ほど九社に共通の線は
平井事務局長
から御
説明
申上げましたから、それは省略さして頂きまして東北
電力
特有の点について御
説明
さして頂きます。東北
電力
の今次
料金改訂
申請
理由の主眼点を御
説明
申上げます。 先ず今回
料金改訂
の理由は、ただ一点、
電源開発
の進捗に伴うものであるということでございます。この
電源開発
の進捗によりまして、東北地区における
電力
の需給状況は著しく
改善
せられるに至りました。更に二十九年度における当社の
電源開発
の見通しは、現行割当
制度
の廃止を可能ならしめるに至るものと存じまするので、今回
改訂
に
当り
ましては、この
制度
の廃止を前提といたしまして基本
料金制
による
電力量
料金
一本建の
制度
といたしました次第でございます。このことは日本経済再建の
ため
に絶対必要のことでありまして、我が国輸出
産業
振興の見地からもすでに世論とさえ
なつ
ておるものと考えております。 次に
電源開発
の進捗によりまして、
原価
の高い
新規電源
の稼働による
資本費
の
増嵩
が今回
料金改訂
の唯一の理由に
なつ
ております。即ち今回の
改訂
は
現行料金
による収入百四十三億円に対する
改訂
料金
総括
原価
百七十億円との差額三十五億円の
原価
増に基くものでございまするが、現行総括
原価
中の支払利息及び減価償却費の合計額二十一億円と今回の総括
原価
中の支払利息及び減価償却費の合計額五十七億円との差額はすでに三十六億円に達しておる状況でございます。なお今回当社の値上率は
全国平均
値上率を上廻ることに
なつ
ておりますが、これは当社の
電源開発
の異常なる進捗に基くものでありまして、誠に止むを得ないところであると存じます。なお只今申述べました
通り
北陸及び当社は割当利制及びこれに伴う高率追加
料金制
の廃止を前提といたしておりまして、この点は他の七社がなお逓増二段
料金制
を一部採用しておるこのとは著しく趣きを異にし、従
つて
その点において単なる表面上の値上率によ
つて
これを同日に論ずることはできません。以上の点を先ず御了解願いまして、お
手許
の
資料
を
御覧
頂き、且つ以下申述べるところをお聞きとりを願いたいと存じます。 当社は
電気事業
再
編成
以後、
電力不足
の解消を
需用家
に対する最大のサービスと心得、全社を挙げて
電源
の
開発
に努めて参
つたの
であります。その結果二十七年度までにすでに約七万
キロワツト
を
新規
に稼働せしめ、続いて二十八年度においては十四万五千
キロワツト
の
開発
を終え、引続き二十九年度の半ばにおいて約十万五千
キロワツト
の
開発
を完了する予定に
なつ
ております。即ち当社発足以来今日まで
開発
をし得たものの合計は二十一万五千
キロワツト
となり、当社発足当時の
発電設備
の合計八十二万
キロワツト
に対し約三割に
当り
、更に二十九年度の落成予定のものを加えますと
増加
出力の合計は約三十二万
キロワツト
に相成り、旧
設備
の約四割に相成る次第でございます。これら新
電源
の
開発
によりまして当社の
電力需給
状況は著しく好転し、もはや現行割当
制度
及びこれに伴う高率追加
料金制度
による需用の抑制を必要としない状態に立ち
至つたの
で、今回の
料金改訂
を機として、この際
電気事業
本来の姿に立ち返
つて
基本
料金制
による
電力量
料金
一本建の
料金制
を採用することといたしたものであります。 そもそも現行割当
制度
及びこれに伴う高率追加
料金制度
は戦後の著しい
電力不足
に対処する
ため
止むを得ずとられた措置でありまして、その不合理はここに申述べるまでもないと存じます。殊に当社のように
供給力
の殆んど全部を
水力
発電に依存しておるところでは、毎日々々の供給と需用の不均衡を来たし、当初の目的である需給の調整に反するような結果に
なつ
てお
つたの
でございます。又一方割当超過使用
電力量
の僅かの増減が
料金
面に著しい変動を及ぼし、
需用家
側の生産計画、事業
運営
計画に支障を来たし、延いては将来計画の樹立をも妨ぐる結果を招来している実情であります。勿論割当制の廃止は
電力需給
調整規則の
改正
に待たなければならないのでありますが、当社の
電力需給
改善
の実情に鑑み目下その
改正
を監督官庁に対して
お願い
をいたしておる次第でございます。 今回当社が採用せんとする
料金制度
は、この割当制の廃止を前提とするものでありまして、当社の
水力
地帯たる特性を十二分に生かし、毎日々々の需給の均衡を保ちつつ、安定した良質の
電気
を供給する
ため
電気
の質による格付を行い、その質に応じた
料金
を設け、
需用家
の選択に応じてこれを供給せんとするものでございます。即ち年間を通じて需用に応じ得る常時
電力
、豊水期、最豊水期等一定期間を限
つて
供給し得る期間常時
電力
、毎日の供給は必ずしも保証し得ないが、大よそ年間の総供給量を保証する調整
電力
、及び不時出水時又は深夜間等にのみ供給する特殊
電力
の四種類に区分し、それぞれの
原価
に見合う
料金
を設定し、
電力量
料金
についてはその使用量の多寡にかかわらずこれを一本とする建前といたしております。この結果電解、電炉工業の
電力
のごとく多量の
電力
を必要とする半面、容易にその使用量を調整し得る
需用家
に対しましては、低料率の調整
電力
の供給を契約することによ
つて
仕上り
料金
を最低限に抑え、東北地方の特色たる
水力
電気
を
原料
とする
産業
の立地を容易ならしめる措置を講じ得るものと存じます。又負荷の性質上
電気
の使用を調整することの困難な
需用家
、例えば鉱山、紡績、機械工場等はおおむねその製品
原価
中に占める
電気料金
の比重も軽く、むしろ
電気
の質の
向上
、即ち安定した
電気
の供給を希望している実情にありますので、高率追加
料金制
の廃止と相待
つて
、今回
料金改訂
による影響を最小限に緩和し得るものと存じます。
一般
小口
電力
及び
電燈
需用についても、安定供給と追加
料金制
の廃止とによ
つて
従来の不合理を是正し、特に従量
電燈
においては従来の最低
料金制
が施設の大小にかかわりなく一律の
負担
と
なつ
ておりました点を是正してアンペア制を採用し、使用
設備
に応ずる基本
料金
の設定によ
つて
負担
の公平を期し得ることといたしたのであります。 次に今次
料金改訂
が新
設備
の稼働による
原価
の
増嵩
を唯一の理由とする点に関しまして申述べます。 当社は再
編成
後二回に亘る
料金改訂
を行いましたが、その二回を通じて
改訂
の主因をなしましたものは、
終戦
後の
物価
、賃金等の
高騰
に基くものでございました。今回の
改訂
理由はこれと全く異なり、専ら新増設
設備
の稼働による
経費
の
増嵩
に基くものでございます。先ほど申述べました
通り
、
電力
再
編成
後今日まで当社の
開発
した
新規電源
は二十一万五千
キロワツト
に及んでおりますが、この
新規
発電設備
の
建設費
は、
平均
して一
キロワツト
当り
約七万八千円に
なつ
ております。これに対しまして再
編成
当時の旧
設備
は第三次
資産
再
評価
を行
なつ
てもなお約三万五千円に過ぎない状態でございます。このように新旧
設備
の間には
資産
価額にすでに著しい開きがあるのでございますが、なおそのほかに新旧それぞれの
設備
にかかる
資本費
の上にも大きな差異がございます。申上げるまでもなく新
設備
については、その
建設費
のの全額に対して約一割前後の
金利
がかかるのでありまするが、旧
設備
即ち再
評価
資産
については、再
評価
差額に対する
資本費
の
負担
が殆んどかからない
ため
に、
資産額
に対する
金利
は僅か二分前後に過ぎないのでございます。当社の新旧両
設備
についてそのおのおのの発電
原価
を試算いたしました結果によりますと、旧
設備
については発電端一キロ時約一円三十銭、新
設備
については約三円余と相成
つて
おります。これに附帯する送変電
設備
等の
新規
稼働分を考慮に入れますると、新旧
設備
による
電力
コストの比率は大体において旧
設備
一に対し新
設備
三と言い得るのではないかと存じます。勿論このような新旧
設備
のコストの差がありましても、
新規
分の稼働が
比較
的少いうちはいわゆる企業
努力
によ
つて
これを吸収することもあながち不可能ではございませんが、新
設備
の比重が増大するにつれておのずからその限度がございます。先ほ
ども
申上げました
通り
当社の新
設備
は現状においては旧
設備
の約三割、明二十九年度においては約四割の多きに達します。これを新旧
設備
の比率で申上げますと、大約旧
設備
七・五、新
設備
二・五と相成り、これに先ほどの新旧
設備
のコストの比率一対三をそれぞれ乗じまして両者を合算
平均
いたしますと、統合
経費
は一・五となり、旧
設備
の
経費
に対し五割の増という概算に相成ります。当社が今回
料金改訂
を
申請
するに至つた理由はひとえにかくのごとき新
設備
の稼働に伴う
資本費
の
増嵩
に基くものでありまして、大約五割の
原価
増に対しまして今回当社の値上率二割四分九厘はその約半額に相当するものでございます。これを結果から申上げますれば
残り
半額は経営の
合理化
、企業
努力
の成果によ
つて
これを吸収し得たものということができると存じます。 御
参考
までに当社の企業
努力
の
一端
を
数字
を以て申上げれば先ず
従業員
一人
当り
の
販売電力量
は
昭和
二十六年度は二十一万八千
キロワツト・アワー
、同じく二十七年度は二十四万九千
キロワツト・アワー
同じく二十八年度は二十八万四千
キロワツト・アワー
と逐次
向上
を示し、
昭和
二十六年度を一〇〇といたしますると二十七年度は一一四、二十八年度は一三〇という結果に相成
つて
おります。又総合
ロス率
は
昭和
二十六年度は二七・六%、同じく二十七年度は二六・三%、同じく二十八年度は二四・七%と、これ又逐年
減少
を示しております。これらはすべて経営の
合理化
、企業
努力
の成果によるものでございまして、
設備
の自働化、機械化による人員配置の
合理化
、
設備
の改良、
改善
による
ロス率
の直接の
減少
に基くもののほか、極超短波無線電話の採用等による通信施設の
改善
強化、線路の巡視、事故復旧、連絡等の
ため
の機動力の採用による
合理化
等、一切の企業
努力
が総合されてもたらされた成果でございます。 最後に当社の今次
料金改訂
における値上率は
全国平均
値上率を上廻る二割四分九厘ということに相成
つて
おりますが、これは只今まで縷々申述べましたごとく
新規
設備
、なかんずく
新規電源
の
開発
に伴う誠に止むを得ない結果でございまして、この点は深く御了承を賜わりたいところでございます。併しながら
値上げ
と相伴いまして
供給力
の
増強
に基く割当制の廃止、高率追加
料金制度
の解消、並びに安定供給による
電力
の質の
改善
は十分に
値上げ
によりこうむる
需用家
の不利を補い得るものと確信いたしております。殊に東北地方の特色たる
電力
を
原料
とする
産業
については期間常時
電力
、調整
電力
、特殊
電力
等の総合供給により料率の低廉を期し得るのでありまして、一例を申せば化学肥料
関係
の値上率は一割八分
程度
で、これら
産業
の存立、誘致にも魅力のあることを附言いたしまして御
説明
を終りたいと存じます。誠に有難うございました。
中川以良
19
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。 それでは次に
北陸電力株式会
社西副
社長
。
西泰藏
20
○
参考人
(西
泰藏
君) 北陸
電力
の
申請
につきまして御
説明
申上げます。
電力
料金改訂
の理由の本旨つきましては
平井事務局長
から
概要
を申上げましたので省略させて頂きまして、北陸
電力
の特殊
事情
につきまして御
説明
を申上げます。お
手許
に上げてございますこの
資料
を
ちよ
つとお取り下さい。これの二頁をお開け下さいまして、甚だ失礼でございますが、これを読みつ御
説明
したほうがよくおわかりになると思いますのでお許しを願います。 当社は北陸の深刻な
電力不足
を早急に打開する
ため
の
電源開発
工事を進めて参りましたが、すでに福井県で五条方、富山県で伊折という
発電所
が完成しましたし、その次に神通第一
発電所
、同第二
発電所
、この四ヵ地点が本年度中に完成するのでございます。なお富山県内の北陸地内の大口
需用家
の特殊なかた、北陸
電力
が入りまして十二社で作りました富山共同自家発
会社
というのがございます。この富山共同自家発
会社
の二万五千五百キロの
発電所
でございますが、見座の
発電所
というのができたのでございます。これを加えまして合計最大出力は十八万一千キロというものがこの三月までに完成をいたすのでございます。この年間の
発電電力量
は九億五千万
キロワツト・アワー
であります。このうち関西から従来第二融通その他いろいろ受電をいたしております。その一部を自動的にこれをその発電から返すということにいたしまして、差引き
需用端
におきまして当社の供給区域内に
需用家
に
増加
供給ができますのが六億
キロワツト・アワー
ということになるのであります。ところでこの新設の
発電所
の
建設費
は約百五十億を要したのでありまして、一キロ
当り
は八万五千円でございます。なおこれに関連しまする送変電
設備
等の建設が約五十億円かかるのでございまして、
電力原価
は
需用家
まで持
つて
行きますと、一
キロワツト・アワー当り
は丁度四円五十銭となるのでございます。これは
新設分
だけにつきましてそうなるのであります。 従来の当社の
販売電力量
の
平均
単価
は一
キロワツト・アワー当り
が約二円五十銭、二円四十七銭五厘でございますが、若し同一
電力
料金
でこれを供給いたしますと
総額
約十二億円の赤字となるのであります。従いましてこの際合理的な
料金
の
改訂
をどうしてもやらなければならない避けがたい事態に直面したわけであります。若し上述の
新規電源
の
電力原価
と従来の
原価
との仮に算術的の計算で
平均
をいたしましてもおわかりの
通り
に、一
キロワツト・アワー当り
三円五十銭となるのでございます。これは現在の私のほうの
平均
単価
の二円五十銭との差は一円と相成ります。これは二円五十銭に対しまして約その値上率は四〇%となるのであります。何とかしてこういう四〇%というような大幅な
値上げ
を避けたいという
ため
にいろいろ工夫をいたしまして、実は神通第一の
発電所
がこの一月にできましたので昨年の暮から東京
電力
のほうへも渇水期の
電力
を高価に買
つて
頂くことにしまして送
つて
おります。又本年度末といいますか、二十九年の末から三十年の渇水期にかけましては、中部
電力
にも高価な
値段
で買
つて
頂くことになりまして、その融通をすることにいたしたのであります。こういうことをやることにいたしまして、供給
電力
の
原価
を切下げたいということに
努力
をいたしたのであります。 なお、そのほかにこの先ほどのお話のように、全国の地域差
料金
調整の
ため
の水
火力
調整金を少し減らしましたし、なお、関西
電力
との受給
電力
の更改等によりまして更にこの値上率の
程度
を抑制する方法をと
つたの
でございます。又そのほか社内におきまして経営の
合理化
に
努力
いたしましたことも、各社ともでございますが、一人
当り
の
販売電力量
もかなり上昇いたして参りました。又一方この送配電の
ロス率
につきましては、逐年
努力
をいたしまして、低下して参
つて
おります。後ほど
資料
の頁数を申上げますが、当社は本年度は全国の
平均
の
ロス率
は二四・五%でございますが、私のほうは一六・八%ということ計画に織込んでおるのであります。その他
一般経費
につきましては、経営態勢も戦後の混乱時から脱却いたしまして、漸次常正に向いつつありますので、合理的な
運営
によりまして更に節減を図り得ることを期待をしておるのであります。 こういたしまして、コストの
引下げ
に非常に
努力
いたしました結果、今回の値上率を辛うじて二割二分三厘ということにとどめ得たわけでございます。この
値上げ
の
程度
は一応別といたしまして、これを如何に
需用家
に割当てるべきかというようなことにつきまして、いろいろ問題があるところでございます。当社といたしましては従来の大口
電力
料金
は勿論
電燈
、小口
電力
料金
につきましても全国で一番安いのでございます。今般も
一般
の小口供給につきましては大体全国並みの
値上げ
程度
にしたいということにいたしまして、残つたものは全部大口
電力
部門のほうへ持
つて
行くという方針をと
つたの
でございます。ここに全国並みと申しましても、値上率は先ほど
説明
ございましたように一割四分四厘、当社は二割二分三厘でございますが、大体当社のほうは
平均
より高いのでございますが、併しながら
現行料金
がすでに低いということでございますし、
値上げ
の
料金
の絶対額はやはり日本全国最低でございます。なお大口
電力
部門に
原価
負担
のしわ寄せをすると言いましても、
新規
開発
分の
電力
を全部
増加
供給をいたしまするので、その供給します
程度
によりまして
値上げ
の影響が参りますようにしたのでございます。当社の
増加
供給量は他社に比しまして断然割合から言いまして多いのでございますが、値上額も
値上げ
の
料金
も最低である。ただ従来安かつた
ため
に値上率だけが最低でないというような形に
なつ
ておると思います。 なお
料金
自体は他社に比しまして安くありましても、とにかく
値上げ
になるのでありまして、
負担
を更に
軽減
する
ため
に当社といたしましては大口工場の
設備
、操業の実情並びに当社の
供給力
としつくり合いますように、
電力
の受給ができても最も合理的に能率的に多量の
電力
の受給を行う、そうして工場の支払
料金
総額
が極端な
増加
にならないように、防ぎたいというような供給
制度
と
料金
規程を作成したのであります。勿論大口
電力
につきましてさつき東北
電力
の
社長
が
説明
申されましたように、今回は割当を廃止しますので、常時
電力
、期間常時
電力
、調整
電力
、特殊
電力
というような種類に分けまして、その工場にしつくり嵌まるような特約契約をいたしたのであります。全国九社のうち当社と東北
電力
の二社が全需用時に対しましては
料金
を一本建にいたしました。ほかのところは皆
電燈
から五百キロまでは一本建でございますが、あとは二本建でありますが、私
ども
のところは五百キロ以上は全部一本建にいたしたのでございます。大口
電力
の質におきまして先ほど申上げましたように、御契約を願いまして、なおいろいろそれに応じました
料金
を設定しました。そうしてそれを
需用家
の御選択に任したというようなことにいたしたのでございます。この
制度
によりまして従来の割当
制度
による場合、不合理な問題が解消するのでありまして、あとは工場の経営者の創意工夫と
努力
によりまして低廉に
電力
を使用せられる門戸はここに初めて開放せられたというようなわけであります。こういうことにいたしましてできました
料金制度
は、
一般
の
電燈
の値上率が一三・三%になりまして、
電力
のほうは二五・六%とな
つたの
であります。
電燈
の値上率は
全国平均
一六・二%強でございますが、私
ども
のほうは一三・三%で低うございます。特に当社といたしましては、定額
電燈
は零細なる
消費者
というようなことにいたしまして、
料金
の値上は差控えまして値上をいたさなか
つたの
でございます。なお
電力
のほうの値上率は
全国平均
一七・七%でありますが、当社は二五・六%であります。併し当社の計画では本年度は相当に多量な
電力
の供給
増加
ができまして、而も他の七社のごとく追加
料金
と言いますか、
火力
料金
を存置しないでやるようなことにいたしましたので、一本
料金
ということにいたしましたので、自由に利用ができる
制度
を使
つて
頂くという、こういうようなことにしましたので、その一本
料金
は少し高率
料金
とはなりますが、これは追加
料金
がなくなりましたので、すでに御了解が願えると思うのでありますが、以上
料金改訂
につきまして今やり方を述べたのでございますが、ここに尨大な
新規
電源開発
によ
つて
の
料金改訂
はやむを得ない当社の実情をよく御参照下さいまして御協力下さることを
お願い
したいと思うのでありまして、つきましてはその前のページの一ページに
数字
がございまするので簡単に今申上げましたような概数を掲げましたが、
最初
に一ページを見て頂きたいと思います。これは
数字
的根拠Aでありまして、新
電源開発
による
増加
供給力
は十八万一千
キロワツト
アワー、発電端では九億四千九百万
キロワツト
アワー、
需用端
では七億八千九百万
キロワツト
アワー、
ロス率
が一六・八二%、そこで投下資金といたしましては二百三十一億一千三百九十四万一千円、
発電所
の
建設費
が百五十四億七千五百三十四万六千円、関連工事費四十一億九千五百万円、
一般
拡充改良三十四億四千二百万円、こういうことであります。新
電源
の
原価
といたしましては三十八億九千二百万円、
発電所
分二十八億三百九十八万円、関連工事分十億八千八百四十二万円、こういうことでございますが、先ほど申上げました発電端の
キロワツト
アワーで割りますと一キロ四円十銭、
需用端
の一キロが
キロワツト
アワーで割りますと四円九十三銭になる、そこで従来の
原価
はどうであつたか、二十七年の五月一日からこの
原価
は五十二億五千三十二万七千円に
なつ
ておるのでございます。そこで新
電源
のことを考えないで従来のまま出しても二十七年度の
原価
のときの
不足
があります。その
不足
額を入れまして六億九百万円というものが必然的に
増加
いたしますと、合計五十八億五千九百万円、これを
需用端
電力量
二十二億二千八百万
キロワツト
アワーで割りますと二円六十三銭になります。この新
電源
のほうの
原価
と従来の二円六十三銭を合せまして総括的に合算してみますと、これが九十七億五千二百万円になりまして、
需用端
全体の
キロワツト
アワーで割りますと、これは中部
電力
なり東京
電力
に送つたものを合せて計算したものですが、これで三円二十三銭という
単価
になるのであります。そこでどういうふうに
努力
したかと申しますと、いろいろ
原価
低減
努力
をいたしましたが、これにより得たる
金額
十二億四千二百万円と
なつ
ておりますが、これは
需用端
において二億二百万
キロワツト
アワーになります。これが
平均
六円十三銭というものが出ております。こういうふうに高く渇水期の
電源
を買
つて
頂きまして低減したという結果を申上げたのであります。その結果ここにございますように八十五億九百万と
なつ
ておりまして、今度二十九年度の
電力量
の
需用端
二十八億一千四百万
キロワツト
アワーで、
平均
三円二銭三厘ということになります。それから
現行料金
による収入が六十九億五千九百万円でありますが、これで比率を割りますと値上率は一二二・三%、こういうような
数字
になるのであります。 先ほど
ちよ
つと
ロス率
のことを申上げましたが、八ページを
ちよ
つと見て頂きますと、八ページに二十九年度
電力需給
対照表というのがございます。これで
御覧
下さいまして、右側の
比較
増減というのがございますが、二十七年度と二十八年度の対比が書いてございますが、全体では
電力
としまして二割六分殖え、一二六%、二十七年度に
比較
して殖える。二十八年度に
比較
しますと二割殖える。二十七年度等に
比較
して大体六億殖えるわけであります。このうち一番大きいのは三百キロと五百キロの間でありますが、百四十六とか百三十八、四割六分になる。或いは本年四割かた
増加
をいたしております。こういうような実情でございます。なおその下に各社の総合
損失
率というのがありますが、これは私のほうは一六・八二%、こういうようなことでござまいす。概略を申上げましたが、
数字
的の根拠でございますが、何卒当社の特別なる状態を御認識下さいまして、よろしく
お願い
いたしたいと思います。
中川以良
21
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございます。 それでは次に
関西電力株式会
社太田垣
社長
に
お願い
を申上げます。
太田垣士郎
22
○
参考人
(
太田垣士郎
君) 太田垣でございます。 今回の値上
申請
の概略につきましてはすでに
電力
連合会の平井局長から一
通り
の御
説明
がありましたので、私からは関西
電力
を中心にして御
説明
を申上げたいと思います。なお共通事項につきましては一、二重複するところがあるかも知れませんが、その点よろしく御了承を願いたいと思います。 弊社が
電気事業
再
編成
以来、いわゆる公益事業の使命といたしまして、一日も早くこの
電力不足
を解消して、
電力需給
の均衡を保ちたい
ため
に、今日まで全社を挙げて
電力
の
開発
並びに
設備
の拡張に邁進して来たわけでございますが、これを具体的に申上げますと
昭和
二十六年度、即ち
会社
の発足以降二十九年度末までに
水力
合計四十万
キロワツト
の
電源開発
をやつたと、こういうことになるのでございまして、すでに尼崎
火力
の増設は昨年来稼働いたしておりますし、椿原、打保、坂上というような
水力
の
発電所
もお蔭様で本年初めから稼働をいたしておるような始末でございます。なお当社といたしまして最も期待をかけております十二万五千
キロワツト
を出します丸山
発電所
も工事が非常に順調に進みまして、近い将来において発電の運びに
なつ
ておるのでございます。これらいもゆる
開発
の成果といたしまして、当社は設立当初に比べまして約十八億
キロワツト
アワーの発電量を
増加
したことに
なつ
ておりまして、これがパーセントにいたしますと約二二・五%の
増強
と
なつ
て参りまして、今日すでに
供給力
の
不足
は著しく
改善
して参
つて
おるのでございます。併しながら、一方これらの
新規
稼働設備
の
増加
に伴います
資本費
の
増嵩
が必然的に
電力原価
を著しく
高騰
せしめますことはすでにお聞きとりの
通り
でございまして、当社におきましては何とかしてこれを内部の
合理化
によ
つて
吸収したいということに実は今日まで専念して参
つたの
でございます。即ち
電気料金
の
改訂
ということが
国民
経済に及ぼす影響が非常に大きいものでありまするが故に、我々といたしましても
合理化
の面に何とかやらなければならないというので、従来
従業員
の適正配置とか或いは又組織の
合理化
であるとか、事務の能率化等を常に
努力
を払
つて
参
つたの
でございますが、その結果、当社発足以来以上述べましたように一応
設備
の拡張、
電源
の
開発
をいたしましたが、
従業員
の数におきましては逆に一千名以上の
減少
を来たしておるわけでございます。なお内部的にも資材の整理とか業務の機械化等、当社は鋭意
企業内部
の
合理化
に専念しておるわけでございますが、特に技術面におきましては、我が国初めての二十七万ボルトの超高圧の新北陸幹線というものを完成いたしまして、送電線
損失
の
軽減
を努めますと共に、屋外メーターの取付等、擅用の防止等に
努力
をいたしました結果、送配電
損失
は著しく
改善
して参
つて
おるのでございまして、このことは約二万五千
キロワツト
の
水力
発電所
を毎年新設したと同様な結果を生じておるわけでございます。 なお
火力
発電におきましても、尼崎第二、飾磨港の
設備
増設を図りまして、特に重油の混焼に努める等鋭意
設備
の
改善
、或いは熱効率の
向上
を期しました結果、
石炭
の消費を著しく節約することができたのでございまして、これを二十九年度の需給計画において見ますと、約十五万トンの
石炭
を節約するということになるのでございます。その他資材の面におきましても、従来当社がその処置に困
つて
おりました
火力
発電から生じまする煤煙をセメントに混入して使用するという方法を研究いたしました結果、昨年度よりこれを実行いたしまして、本年度では約セメントにいたしまして一万トンの節約を見るという成績を収めております。これらは一応顕著なる二、三の例に過ぎないのでございます。只今申上げましたような
合理化
の結果、弊社といたしましては約二十億円の
経費
の縮減を実現いたしておるのでございます。従いましてこれに伴いまして値上率におきましても約五%の
減少
がすでに見込まれておるという状態でありまして、かたがた今次値上率そのものも
比較
的小巾に止まつたというような結果に
なつ
ておるのでございます。併しながら
開発
に伴う
原価
の
増嵩
は到底これらの内部
合理化
のみによ
つて
は吸収でき得ないものでございまして、おのずからこれに限度があることでございまして、私
ども
はコストの
増嵩
の
主要原因
に
なつ
ております
金利
、
税金等
の
軽減
につきましても過去半歳に亘りまして、
関係方面
に特別の御配慮を懇請して参
つたの
でありますが、この点につきましても先ほど連合会の平井局長から種々御
説明
申上げました
通り
でございまして、今後ともなお一層御配慮を蒙りたいと、こう考えております。なお今回私
ども
が
申請
いたしました
改訂
の
内容
には勿論只今平井局長が御
説明
になりました
通り
に、これらの措置を織込んでおりませんので、これが実現の暁には相応の修正は当然行わるべきものであると考えております。従いまして当社といたしましては、一応
燃料費
調整前の現行規定収入を基といたしますと、二十九年度が四百十二億円を見込まれておりますので、これに対しまして
不足
原価
二十六億円、従
つて
六分四厘の
電気料金
の収訂を
お願い
いたしておるわけでございます。 なお最後に私
ども電気事業者
といたしましては、本年度予想されます我が国経済の諸情勢、なかんづく低
物価
政策のやかましい時代に
当り
まして、今回あえて
電気料金
の
改訂
を
申請
いたしますということは誠に申訳ないことでございますが、今後予想されますところの悪条件、例えば
政府
の財政投資を削減されるというような場合にはこれを放
つて
おくわけには参りませんので、どうしても我々といたしましても
電源開発
を鋭意強力に進行せねばならないのでありまして、それにはやはり
会社
の経理を堅実化いたしまして、この上とも自己資金の調達によ
つて
一層の
努力
をして、一日も早く
電力不足
を解消して国家経済に寄与しなければならないと私
ども
は固く念願しておる次第でございます。なお我が国の経済の安定を長い目で眺めます場合、生産の基礎動力であるところの
電力
の
開発
を少しでもゆるがせにしますと、忽ち明日の生産に支障を来たすということを衷心から憂うるものでありまして、過去において、戦時中に
開発
の停頓がもたらしたあの
電力不足
の実態を我々は身にしみて体験いたして参りまして、私
ども
といたしましては、我が国の
産業
経済の堅実なる発展の
ため
に、どうしても
電力
の
開発
は一日もこれを怠ることはできないということを固く信ずるものでございます。殊に
一般
産業
のコストの引下、即ち
一般
産業
の企業の
合理化
ということは漸次量産によ
つて
行われようとする
傾向
が見えて参
つたの
でありまして、緊縮政策の中にあ
つて
もこういう
傾向
は
電力
の需用を依然上昇いたすものと私
ども
は考えておるのでございます。更に
物価
変動の過程におきまして
電気料金
は価格形成の上から常に
一般
物価
の変動に遅れながら動いて参りましたので、国を挙げて低
物価
政策に移行しておる際、私
ども
甚だ心苦しいのでございますが、
電源
の
開発
に伴ういわゆる
増加
原価
の最小限度の
料金改訂
を行わざるを得ないような結果に
なつ
たことであると御了承願いたいと存じます。 以上を以ちまして甚だ簡単でございますが私の
説明
を終らして頂きますが、お
手許
に差上げました
資料
の具体的
説明
につきましては、ここに担当重役の芦原常務を帯同して参りましたので、同君から御
説明
並びに詳細の御質問にはお答えさせて頂きたいと存じます。 なお甚だ勝手でございますが、私は今日どうしても所用がございますので、帰らせて頂きますが、芦原常務に委嘱しまして、明日も芦原常務が
出席
するということに
なつ
ておりますので、詳細の御質問はお答え願えると存じますので、その点も御了承置き願いたいと思います。
中川以良
23
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。それでは芦原常務から一つ御
説明
を願います。
芦原義重
24
○
参考人
(芦原義重君) 只今の
説明
に補足いたしまして、お
手許
へ差上げました
電気料金
の
改訂
申請
に関する
資料
、
関西電力株式会
社、これにつきまして、関西の特色を御
説明
申上げたいと思います。 第一ページの
料金改訂
を必要とする
数字
的根拠、これにつきまして一言申上げたいと思います。先ほど
社長
から申上げましたように、
電源開発
に伴いまして、
電力量
におきまして二十九年度には九十九億、これはあとに
数字
が出ますが、九十九億
キロワツト
アワーになりまして、二十七年度に比しまして十八億三千
キロワツト
アワー、二二・五%
増加
いたしました。併しながら
新規
電源開発
によ
つて
増加
しました
供給力
は、そのコストが高くつきますので、二十九年度の
原価
は二十七年度に比しまして百四十七億円
増加
いたすのであります。そうして合計で四百五十九億七千万円となりまして、
現行料金
の収入は、
供給力増加
による自然増収を含めまして四百十二億円となりまして、一一・五%の
値上げ
となるのであります。この一ページの表の左側の一番下であります。併しながら企業
努力
によりまして二十一億円
減少
いたしますので、これを差引きまして四百三十八億円を四百十二億円で割りまして、この上のほうの六・四%の
値上げ
と相成るのであります。これを今回
申請
いたしたのであります。当社は先ほどの東北、北陸
電力
さんと違いまして、
燃料費
調整というものを規定しまして、これによ
つて
石炭
材の値下りに応じまして、
電力
料金
の値引きをいたしております。この額が約十六億円に相成りますので、この前述の
現行料金収入
四百十二億円は、実際は三百九十六億円と相成るのであります。これが右下の表に載
つて
おります。これに四百三十八億円の二十九年度の
原価
と
比較
いたしますと、一〇・七%の
値上げ
、こういうように相成るのであります。 なお、この
数字
にありますものにつきまして、この
石炭
価格は下げておるのであります。二十七年度の
石炭
の
単価
より今回のものは下げておりますので、二十七年度の価格の
通り
で、
石炭
が下がらなかつたと仮定いたしますと、約三十億円ばかりこれよりまだ
原価
が高くなりますので、
値上げ
が高くなるのであります。申上げましたこの
原価
の
増加分
百二十六億円であります。これは企業
努力
分を差引きました正味の
増加
額でありますが、その
内訳
は、
資本費
が七十四億円、
修繕費
、
人件費
、その他
一般経費
の
増加
五十二億円でありまして、この
資本費
の
増加
は二十八、二十九年度における稼動
資産
の
増加
が六百八十億円でありますので、これに見合う償却費、支払利息、配当金、
税金等
の
増加
であります。併しこの配当金は二十九年度は一二%、一割二分に下げる計算にいたしております。併しながらこの百二十六億円の中から、この販売量の殖えます自然増収の八十四億円を差引きまして、正味この
値上げ
額は四十二億円、これは
燃料費
調整後のものに対しまして四十二億円に相成るのであります。この
数字
が一ページに書いてあります。 なお、このあとのほうにいろいろ出て参りますが、当関西
電力
の特色といたしましては、水火併用の地帯であるということであります。
火力
発電所
を非常にたくさん持
つて
いるということと、もう一つは、この
水力
電源
が非常に遠隔の地にある、まあこういう
二つ
の特長を持
つて
おりますので、他社に
比較
いたしまして
建設費
が多くなる。又
電力損失
も物理的にこれは多くなるということは、まあやむを得ない
会社
の欠点であります。 それからもう一つ附加えますが、この表の中に二十八年度
実績
というのが少し出て参りますが、これは御承知のようにまだ済んでおりませんので、一部推定のものを含んでおりますから、さよう御了承願いたいと思います。 それで第一ページはこの
原価
と
値上げ
、それから収入の
関係
をここへ書きました。その下のほうにはこの
合理化
の、先ほど
社長
が申上げました二十一億円の
内容
をここへ書いてございます。 それから二ページでありますが、これは今回の
値上げ
の理由がすべてこの
資本費
によるのだ、まあそういう
説明
の
資料
でありまして、左のほうに今回
申請
の
原価
、それからその次に
現行料金
の
原価
、二十七年度にきまりました
原価
、それと
キロワツト
アワー
当り
の
原価
の増減を書いております。これで
燃料費
、
石炭
費等におきましては、量が殖えておりますにかかわりませず、三十九銭これは減
つて
おります。それで
資本費
が七十七銭殖えている。最後のすべてを集計いたしましたところで六十九銭殖えている。これが先ほど申上げました
値上げ
額になるのであります。でありますから
資本費
の七十七銭の
増加
までも
値上げ
をしてないと、その他のものは
石炭
の値下り、企業
努力
によりまして、全部吸収いたして、低い
値上げ
率に
なつ
ているわけであります。 それから第二に、三ページに
料金
及び
料金制度改訂
に関する当社の特殊
事情
を書いてございます。これを簡単に申上げますが、定額
電燈
におきましては、アイロン
料金
、それから公共用街路燈の割引というふうなものを今回新らしく設けました。それから従量
電燈
につきましては、現在
通り
最低
料金制
をとりましたが、これは一本
料金
といたしました。 それから四ページへ参りまして、当社は
料金
に季節差を夏と冬と、春と冬といいますか、この季節差をつけております。これも現在もつけているのでありまして、現在のものを少し修正をいたしましたが、やはり季節差を残しました。 それから五ページへ参りまして、小口
電力
の基本
料金
は、当社のこれは術語になりまして恐縮でありますが、不等率といいまして、各
需用家
さんの申込の契約よりは、実際
電気
が一緒にかかります量が少いものでありますから、基本
料金
はそれを見込んで割安に
なつ
ております。 それから大口の今回の
料金
改正
によりまして影響のやや大きい
会社
につきましては、特約の契約をいたしましてできる限り
電力
の使い方を工夫して頂きまして、
値上げ
を吸収いたしたい、まあそういうように考えております。 それから六頁、七頁には
電力
の需給及び燃料使用計画でございます。一番左に二十九年度の
申請
を書きまして、それに二十七年、八年の計画との
比較
を書いてございます。これで
御覧
願いますように、上から五行に融通とありますが、弊社は年に五億
キロワツト
アワーだけ隣接の他の
会社
に
電気
をお送りしているわけであります。 それから
ロス
は二八・八八というふうにこの絶対値は相当大きいのでありますが、過去に比べますと順次
改善
されて、非常に小さく
なつ
ているのであります。 それから
石炭
の
消費量
はまあ
石炭
と重油とを計画で分けておりますが、双方を合算いたしまして、下から二行目の二百五十三万トン、まあこういう計画になりまして、
最初
申上げました当社の特色として
火力
比率は非常に大きい
会社
でございます。 それから次に八頁、九頁には総括
原価
及び収支計算書をここへ書きまして、これは二十七年度と八年度との計画の
比較
を書いてございます。これは特に申上げることはございません。 十一頁、十頁には二十七年度及び二十八年度の
実績
においてこの需給並びに燃料使用計画を書いてございます。これは前頁の計画とは少し
実績
は違
つて
おります。いずれもこの需用のほうは相当潜在需用があると申しますか、需用は
供給力
さえあれば計画以上に使われるのでありまして、まあ公共事業の建前といたしまして、我々
供給力
のある限り送電をいたしまして、
需用家
に報いているわけであります。 それから十二頁、十三頁には今回の
申請
の総括
原価
と、まあ収支計算の
実績
との
比較
を書いてございます。この二十八年度の
実績
につきましてはこれは先ほど申上げましたように推定を含めてありますので、今後の状態並びにこの推定のいろいろ考え方によりまして最後の
数字
は少々変るかと存じております。 それから十五頁にこれは新旧
料金
の対照表、これが書いてあるわけでありまして、ここに新
料金
によ
つて
影響を受ける
需用家
及びこれに対する対策、そういうことをここへ文書で書いてございます。これを要約いたしますれば、関西で最も問題になります私鉄、電鉄でありますが、電鉄に対するもの、並びに化学肥料等に対するものをここに書いてございます。その結論は先ほど申上げました特約をやります。又私鉄におきましては
電気
税が今回減税になりますれば関西は
一般
の値上率も小さいものでありますので、その影響は割合少い、そういう結論を申上げてあります。 その次の十七頁には新料率と新
料金制度
により
改善
された事項、それを項目ごとに書いてございますが、これは大体各社共通的なものであります。一部各社特徴のあるものもございますが、大体共通的なものでございます。 それともう一つ
参考
資料
といたしまして当社で作りました
電気料金改訂
についてそういう
資料
を差上げて、それに当社のいろいろと
数字
も載せてありますから御
参考
になれば幸いであります。以上であります。
中川以良
25
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。 それでは次に
東京電力株式会
社高井
社長
に
お願い
いたします。
高井亮太郎
26
○
参考人
(
高井亮太郎
君) 大綱につきましてはすでにいろいろ御
説明
がございましたので、当社の立場を簡単に申上げます。
改訂
の理由でありまするが、これも従来の各社と大同小異でありまするが、東電の
電力需給
上の問題点は、需用の
増加
が著しく
平均
年間一割を超えておりますので、この旺盛な需用に対処いたしまする
ため
に当社の直接工事といたしましては管内としてすでに
比較
的乏しく
なつ
ておりまする
水力
地点の
開発
を急ぎますることと、新鋭高能率の
火力
設備
の増設に力をいたすという点でございます。初め当社の五カ年計画といたしましては、
水力
二十七万キロ、
火力
約四十五万キロ、併せて七十二万
キロワツト
の建設の予定でございましたが、この
電力需給
の逼迫の状態に応じまして、豊洲と申しまする埋立地に建設する、東京
火力
と言
つて
おりまするが、これの工程を非常な無理をいたしまして繰上げまして三十年の暮から三十一年の初めにかけて十三万二千キロでありまするが、竣工を繰上げまして、三十年の暮から三十一年の初めにかけて当地方の
電力不足
を払拭してしまおうという計画を立て、更に千葉方面に十二万五千キロ
火力
を引続き竣工する予定を立てまして、結局再
編成
以来約六十万
キロワツト
の
火力
を三十一年の暮までに造るということに決定いたしました。鋭意
電力不足
解消に
努力
をいたしておる次第でございます。この結果二十七年から二十九年度中に稼動いたしまする
新規
の水
火力
発電力
の合計は約三十六万キロになりまして、
火力
用の
石炭
は二十七年の九十七万トンから、二十九年度には百六十万トンに急増する次第でございます。尤もこれは先ほどの関西のお話のように重油を混焼しておりますが、これを
石炭
に換算した値いでございます。従いましてこれらの
発電設備
並びにこれに伴
つて
必要でありまする送変電、配電
設備
の拡充に要しまする資本の
ため
にその償却、支払利息、諸税等の
資本費
が著しく
高騰
いたしました。なお物件費でありまする
燃料費
も炭価の若干の値下りにもかかわらず著しく
増加
する結果となりました。一方でき得る限りの資金を引続き獲得いたしまして、
電源
並びに供給
設備
を拡充いたしますることは是非とも続けて参らなければなりませんので、その
ため
にはやはり企業の確立ということが絶対必要でございまするので、公益事業としての必要限度における収入というものを確保して、この安定度を確立して参る必要がありまするので、それには
現行料金収入
を以ては到底収支の均衡を保ち得ませんので、やむを得ず非常な緊縮の叫ばれておりまするときにもかかわらず、
値上げ
の
申請
をいたしました次第でございます。勿論当社はこの
原価
の上ることによりまする
料金
の
値上げ
を極力避けまする
ため
に、事業内外に亘
つて
あらゆる
努力
を続けて参りましたことは申上げるまでもありません。 即ち
事業内部
におきましては
電力損失
の
軽減
、それから
設備
の機械化、又サービスの機動化、それから燃料
消費率
の低減、事務の能率化、その他諸
経費
の節減等、経営万般に亘りましてあらゆる
合理化
を推進して参
つて
おるわけでございます。サービスの機動化は漸次進みまして、遠からず営業所、出張所のごとき単位は指導者の行動半径によ
つて
適当に調節しなければならない時期が目前に参
つて
おるという次等でございます。 一例といたしまして
電力損失
のごときも、二十九年度の需給計画におきましては、二十七年度の計画よりも約三%を
軽減
することを目標といたしまして二二・七五%といたしております。当社の場合これは約三億
キロワツト
時以上の
供給力増加
となりまして、殆んど六万
キロワツト
くらいの
水力
発電所
新設に匹敵するものでございます。又すでに
説明
のありましたように事業外部に対しましては他の事業者と共に
金利
、諸税の
軽減等
供給
原価
引下げ
の外部的措置を
緊急対策
として
関係方面
に
お願い
して参りました。これらにつきましては
関係方面
の御
努力
にもよりまして或る
程度
その
効果
を期待し得るものと考えておりまするので、その達成いたされましたる分につきましては只今の
申請
には算入されておりませんので、当然これに相当する分は実際に達成せられるならば
値上げ
率を引くべきものと心得ておる次第でございます。ただ刻下の経済
事情
におきまして基礎
産業
の
料金
を
値上げ
するということを
お願い
いたしますることは誠に心苦しいのでありまするが、只今申上げましたような
事情
によりまして、やむを得ず必要最低限度のものとして
平均
一割四分
程度
の
値上げ
を
お願い
いたしました次第でございます。 二十九年度の
原価
の
内容
について極く簡単に御
説明
を申上げます。二十九年度需給計画の当社の総供給
電力量
は約百十四億
キロワツト
時でありまして、二十七年度の九十七億
キロワツト
時に
比較
いたしまして約一六・七%の
増加
と相成
つて
おります。これから
電力損失
を考慮いたしますと、実際に
需用家
に供給せられます
電力量
は約八十八億
キロワツト
時となりまして、二十七年度の七十三億
キロワツト
時に
比較
いたしまして約二〇・九%を
増加
いたしております。この
電力
供給に要しまする
経費
は約四百九十六億円でありまして、二十七年度の三百五十一億円に
比較
いたしまして約四一・一%の
増加
と
なつ
ておるのであります。勿論
キロワツト・アワー
も殖えておるのであります。このうちの最も主要な
増加
費目
は次に申上げるようであります。 第一に
資本費
でございます。これは
稼働設備
の
増加
に伴いまして支払利息約二十億円、減価償却費約二十七億円が
増加
いたしまするほか、法人税、
事業税
等、諸税約十一億円、配当約九億円、その他を併せまして
資本費
は合計約七十億円を
増加
いたします。差上げてございまする
説明
資料
の第一ページに要領を附しておりますから
ちよ
つと
御覧
願いたいと存じます。只今の七十億円は一ページの表の
資本費
の一番右のほうに書いてございます。これが合計
増加
の中の五〇%を占めておる次第でございます。 次に物件費でありまするが、二十九年度におきましては
火力
発電量が
増加
いたしますので、
石炭
の
消費量
は先ほど申上げましたように約百六十万トンになりまして、現行の
料金
織込額より約六十万トンの
増加
となります。この
ため
に
燃料費
は炭価の値下りを見込みましても約二十八億円を
増加
いたします。但し一
キロワツト
時
当り
の
燃料費
は勿論二十七年度よりも下
つて
いるのであります。絶対量の
増加
でございます。更に
設備
の
増加
に伴いまして
修繕費
も又六億円を
増加
いたしますので、その他運炭灰捨等々を含めまして、物件費は合計約三十四億円の
増加
と相成ります。これは只今
御覧
になりました
資本費
の上の行にありまする右の総括数でございます。
資本費
を主といたしまして、これを含めまして全体
増加
の中の七五%を占めておる次第でございます。 その他その表に
御覧
になりまするように、
人件費
とその他のものがございます。絶対量の
増加
でありまして、
キロワツト
アワー
当り
の値いは勿論減
つて
おるのでございます。 かようにいたしまして、
経費
の総計はいわゆる総括
原価
に対応するのでありますが、約四百九十六億円と相成りますが、これから他の
会社
への
電力
販売量と、その他の収入合計約十八億円を控除いたしますと、
電力
料金
の
原価
は約四百七十八億円と相成ります。これは販売一
キロワツト
時
当り
五円四十四銭、これはその一頁目の上の表の二行、三行を
御覧
になりますとおわかりになります。五円四十四銭三厘である。それから
現行料金
によりまする二十九年度の収入一
キロワツト
時
当り
がそこにございまする四円七十五銭四厘となる。この比率が一四・五%の値上りであるということを申上げておる次第であります。 それで
料金改訂
案の
内容
でございまするが、電灯、
電力
等各供給種別ごとの値上り率はおおむね
原価主義
に準拠いたしまして次の
通り
となります。定額電灯が一割五厘、従量電灯が一割五分七厘、大口電灯が一割六分七厘、業務用
電力
が一割二分八厘、小口
電力
が一割六分一厘、大口
電力
で今まで甲、それが一割二分一厘、乙、一割二分八厘、丙一割六分八厘と相成ります。特約
電力
は一割二分六厘、電灯、
電力
の総
平均
におきまして只今申上げましたように一割四分五厘の
値上げ
率となる次第でございます。 次に
料金
の
制度
並びにその他の供給条件でありまするが、
電力
の割当
制度
を廃止することといたしまして、業務用
電力
及び大口
電力
の
電気料金
は、
需用家
の過去の
実績
を基準といたしまして算定するという方式に改めました。 電灯以外の
電力
料金
には、供給電圧別
料金
を採用いたしましたが、これと共に業務用
電力
及び大口
電力
以外の
電力量
料金
は、従来の標準
料金
と追加
料金
の二本建を廃止いたしまして一本
単価
といたしました。 従量
電燈
料金
は大口の電灯及び
電力
料金
と同様に固定費を補う基本
料金
と可変費を補いまする
電力量
料金
によることといたしまして、基本
料金
は
需用家
に流しまする電流の大きさによりまして算定いたしまするアンペア
制度
を採用いたしました。これによりまして
需用家
の
負担
は一段と公正を期し得るものと存じます。 定額電灯のうち公道保安用の街路灯に対しましてはその社会性を考慮いたしまして割引
料金
を適用することといたしました。又ネオン、螢光燈は小型機器扱いを廃止いたしまして
電燈
扱いとすることといたしまして、実質上
料金
の引上げ措置を行いました。 そのほか
料金制度
以外の供給条件につきましても、事業の社会性を考慮いたしまして、例えば停電割引の大巾な拡大、工事費に関する需要家
負担
の
軽減等
、それぞれ適当な
改善
を加えたつもりであります。 今回の
改訂案
につきましては、次の諸点を考慮いたしたものであります。種別ごとの
値上げ
率決定につきましては、原則として法規に基きまして
原価
計算から算出したものではありますが、
現行料金
との関連等をも十分考慮いたしまして、各種別間の公正を期したつもりでございます。 次に
需用家
への影響につきましては、割当
制度
廃止後の
料金制度
につきましては、各
需用家
の
負担
の公平と
制度
変更に伴う影響とを考慮いたしまして、二段
料金制
をとる種別には過去の
実績
を尊重したしまする
負荷率別
料金制度
を採用いたしますと共に
制度
変更と
値上げ
に伴う影響を極力最小限度に抑える
ため
に、
特約料金制
度の拡大や二段
料金
適用限度の制限、それから負荷率割引の拡大等を行うことといたしました。差上げてあります
資料
の最後の頁の上にございまするが、我々の案によりまして
比較
的影響の大きな
需用家
がありますので、電解、電炉であるとか或いは製氷、冷凍或いは電鉄等につきまして、実際面より只今申上げましたような精神によりまして
負担
の急増をしないように具体的処置をとるようになお研究をいたしておる次第であります。 これを要しまするに、当社が今回
電気料金
の変更を
お願い
するに
当り
ましては、その影響をできるだけ回避する
ため
に各方面に配慮を加えておりまするが、特に刻下の我が国経済
事情
を深く考えまして、
原価主義
の基準にはよりまするが、
政府
の低
物価
政策にもでき得る限り順応するように努めたつもりであります。これによりまして必要最低限度の公益事業としての安定を是非とも確保さして頂きまして、
電源
の拡充、供給
設備
の充実を遅滞なく実現さして行きたいと存じます。どうぞ皆さんの御支援を
お願い
いたしたいと存じます。
中川以良
27
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。 それでは最後に
中部電力株式会
社井上
社長
に
お願い
いたします。
井上五郎
28
○
参考人
(井上五郎君) 只今四社のかたがたからお話もございました。
事情
は大綱におきまして同様だと思いますので、そうしたことを一切省略さして頂きまして、中部
電力
の特殊
事情
だけを申上げたいと思うのであります。 一言にして申上げますならば、中部地区というものが最近におきまして
電力
から見まして需用の
増加
が非常に著しい。それも電灯需用、家庭であるとか、大口電灯であるとか乃至はビルデイング等に使います業務用
電力
等の
増加
に比しまして、生産用、
産業
用の
電力
需用が非常に著しいということが私
ども
の地区の特徴であるかと思うのであります。そうした面から私
ども
の
事情
を一応お聞き取り願いたいと思うのであります。 お
手許
に差上げました
資料
の八頁を
御覧
願いますと、今日までどういうふうに私
ども
が
電源
を
開発
して参つたか、需用の
増加
に応じて参つたかということを一応記述してございます。
昭和
二十七年度に当時販売いたしました
電力量
が三十六億四千万
キロワツト
時であります。今回二十九年度の想定をいたしましたものが、四十七億一千万
キロワツト
時と
なつ
ておりまして、差引十億七千万
キロワツト
時、パーセンテージで申しますと、二九・四%増しているわけであります。でこの率は相当大きいのでありますが、過去の
実績
がその二頁前、六頁のところにございます。
昭和
二十四年から二十七年にどういうふうに私
ども
の地区の需用が増したか、これが通算をいたしまして四五%、年
平均
して一五%ずつ
増加
している。こういう
実績
を見ているのであります。それに対しまして、私
ども
前回
電気料金
の
改訂
を
申請
いたしましてから、今日まで合計二十四万六千
キロワツト
の
電源
を
開発
いたしております。これは
火力
と
水力
との合計値でありまして、只今の六頁のところにその
内訳
が書いてございます。これが合計して二十四万六千
キロワツト
。なお再
編成
以来、
前回
の
料金
値上前までにその他若干のものを
開発
しておりまして、これを合計いたしますと、約三十万
キロワツト
のものをすでに
開発
をしたことになるかと思うのであります。にもかかわりませず、中部地区が非常に需用の
増加
が多い。そういつた
関係
から、只今申しましたような
電源開発
をいたしましたにもかかわらず、又他の地区から相当二十九年度は応援の
意味
におきましての融通
電力
を頂戴をいたしますことでお話合いができております。これは先刻平井局長からお話がありましたように、事業者相互間の話、並びに当局の斡旋によりまして、相当多額の
電力
を受けることに
なつ
ております。にもかかわりませず、年間を通じましては、まだ七%に近い
不足
が生ずるといつたようなことが予想されるような状態なのであります。そういうようなわけで、稼動
設備
で申しますと、
前回
二十七年度末におきまして四百十五億円でありました。そのそうした私
ども
の
稼働設備
が二十九年末には七百六億円になり、これに第三次再
評価
を加えますと八百億円になる、こういつたような大きな資本がかかる。 先刻から、各社から御
説明
がありましたように、今回の値上は殆んど全部と言
つて
よいほど
資本費
の
負担
増である。この点は私
ども
のほうもほぼ同一なのでありますが、私
ども
のほうは、只今申しましたような
事情
で、全国に比べて非常に需用の
増加
率が高い。従いまして、こうした
資本費
の
増加
のほかに、
燃料費
の
負担
増というものが相当多額になるのであります。 数学的に申しますならば、
前回料金改訂
のときに、私
ども
のほうは年間を通じまして、重油換算も含めて六十万トンの炭を焚いたと考えられる。それが今回の想定におきましては百十三万トンになり、一・九倍を必要とする。こういうふうに大きく燃料のトン数が殖えました。 先ほど関西
電力
で御
説明
がありましたような
意味
におきまして、私
ども
のほうも燃料の
単価
は下げております。
単価
は下げておりますが、それに比べまして数量的に殆んど倍近く増している。こういつたようなことの
ため
に、
燃料費
の
負担
増というものが現在の
料金
では呑み切れない。この
二つ
の理由によりまして、今回大幅な、やや前年比率に比べまして
比較
的に大幅な
料金
値上
申請
をせざるを得ない、こういう
事情
にあるわけであります。 それに対しまして、内部の企業
努力
をどういうふうにしたのか。これも大体各社がおつしやるのと大同小異であります。
燃料費
の節約ということは、当然私
ども
努めた点でありまして、パーセンテージで申しますと、実は私
ども
の
会社
の
火力
の燃料効率と申しますか、
石炭
一トンに対して発生し得る
キロワツト・アワー
の効率は全国で最高なのであります。 なお御承知と存じますが、近く外貨によりまする最新式の
火力
も作るつもりでおりますし、又それとは別に、更に国産による
火力
も作
つて
、今後ますます効率は増進するつもりであります。今日までにおきまして、燃料の効率は全国で最高を得ておるかと思います。
ロス
の
軽減
につきましても、やや各社と同様の
傾向
にあると思うのでありますが、
昭和
二十四年との対比におきまして、今日七九%まで減
つて
おります。
人件費
につきましても、同様の
傾向
にあるのでありますが、
昭和
二十四年との対比におきまして、
従業員
一人
当り
の取扱
電力量
も、比率で申しまして、只今一七四%に
なつ
ております。事故を
減少
して、
需用家
へのサービスを高めるという
意味
におきましても、配電線互長百キロメートル
当り
、当時年一七・三回の事故があ
つたの
でありますが、最近の
実績
におきまして、一一・九回まで減
つて
おる。大体六割減つたということが言えるかと思うのであります。そうしたことは各社と大体同様な
傾向
にあるものでありまして、余り細かい
数字
を並べることも却
つて
恐縮かと思うのであります。 そうした
事情
で、若干企業
努力
に努めたつもりでありますが、なお且つ全国最高に近い値上率を
お願い
せざるを得ない。これには只今申しましたような、非常に
増加
が大きかつたということが本質的な理由でございますが、御案内のごとく、
電気事業
再
編成
以来、二回
電力
料金
の
改訂
をいたしております。その二回
改訂
をいたしましたときの
料金
の
改訂
率、三頁を
御覧
願いますと、第一回のときに
全国平均
で三割一厘、値上をしております。でその当時中部
電力
は二割七分九厘であります。第二回のときに、
全国平均
は二割八分値上をしておりますが、その当時中部
電力
は一割九分六厘値上をしております。今回
全国平均
一割四分四厘の値上に対しまして、中部
電力
が二割四分八厘の値上を
申請
しております。この
通り
の率であると仮定いたしまして、この三回を通算いたしますと、
全国平均
で九割五厘であります。それに対しまして中部
電力
が九割九厘でありまして、ほぼ全国の
平均
率になるものと考えておるのであります。
平均
率であるからいいということを申上げる
意味
ではないのでありまして、そうした点も加味しまして、若干今回は値上率としては高くなります。併しながら只今申しましたように、全国を通算いたしまして、且つ三回を通算いたしますれば、ほぼ
平均
値であるといつた
関係
からいたしまして、絶対値と申しますか、
キロワツト・アワー当り
の
料金
で申しますれば、ほぼ全国の
平均
値にとどま
つて
おるかと考えるわけであります。 細かいことにつきましては、却
つて
重複をすると思いますので、省略をいたさせて頂きたいのでありますが、そういうことで、私
ども
といたしましては、非常に需用の
増加
が旺盛である。今日まで若干
電源開発
に努めたにもかかわらず、未だ需給のバランスが得られない。私
ども
の見通しを以てしますれば、まだ二カ年今日のようなスピードを以て
電源開発
をしなければ一応の需給の均衡が得られないかと、こういうような見通しを持
つて
おります。従いまして、冒頭に
委員長
から緊縮政策との関連を如何考えるかという御質問もございました。当面の問題といたしましては、できるだけ緊縮をし、できるだけ抑制をいたしました最小限度の
お願い
をいたすつもりではございますが、逆に申しまして、ここで
電源開発
をストツプすることは絶対にできない。今回国がこうした緊縮の政策をおとりになるということにつきましては、私
ども
大賛成でございますが、このことは逆に申しまして、決して緊縮の
ため
の緊縮、デフレの
ため
のデフレではない。将来において必ず生産を拡張し、国際
物価
にさや寄せをして、そうして輸出の振興を図るという
意味
におきまして、生産の原動力でありまする私
ども
の事業がそのときに
なつ
て依然として需給のバランスがとれないというようなことは、悔いを将来に残すものと考えるのでありまして、何をおきましても、ここ数年
電源開発
を続行しなければならないと決意している次第であります。その
意味
におきましては、今回の最低限度の
値上げ
を是非御承認を願いないと考えるわけであります。若し又詳しいことにつきまして御質問等ございますれば、営業部長を帯同しておりますのでお答えいたすつもりであります。 概括的に一応私
ども
の
事情
を申述べさして頂きました。
中川以良
29
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。速記をとめて。 〔速記中止〕
中川以良
30
○
委員長
(
中川以良君
) 速記をつけて。 それでは五時まで約十分間休憩をいたします。 午後四時五十二分休憩 —————・————— 午後五時十分再開
中川以良
31
○
委員長
(
中川以良君
) それでは休憩前に引続き、これより再開いたします。 これより
委員
の御質疑を
お願い
いたします。御質疑の順序は通告順にいたします。なお時間は、本日できれば六時頃までに終りたいという考え方でございますので、どうぞその辺御勘案頂きまして、時間は然るべく一つ重複の質問がないように御整理を
お願い
いたします。藤田君。
藤田進
32
○藤田進君 私、次に他の会議を五時半から受持
つて
おりますので、先に簡単な質問をいたしたいと思いますので、お答えを
お願い
したいと思います。お答えを願うかたにつきましては、非常にこれから質問申上げる
内容
が共通の問題でございますので、適当なかたに
お願い
する以外に、こちらから御指定申上げるのは非常に無理かと思いまするので、御相談の上でも結構でございますからお答えを願います。 今日、吉田内閣のいわゆる財政政策、投融資等の関連、言い換えれば
物価引下げ
、こういう
政府
の方針であるようでありますが、これと
政府
が
認可
すべき
電力
料金
との
関係
が非常に今後の日本の経済に、殊に
国民生活
に及ぼす影響が大きいのでありまして、このことはすでに昨年の秋以来
電力
料金
の問題として大きくクローズ・アツプされていたところであります。その
電力
料金
の今回
改訂
になる経緯については、
政府
当局におきましてはすでに岡野
通産大臣
の当時、
電力
料金
の
値上げ
は止むなしと、かなり明確な
数字
まで挙げて一割前後の
値上げ
止むなしということが談話で発表もせられ、昨年の秋以来新聞でもこれを報じているところであります。ところが今回従来のその岡野
通産大臣
はおやめになりまして、新らしい大臣が就任されているのでありますが、依然として吉田内閣であることは変りがないのであります。まあこういう関連から、私は
電気料金
の今次
改訂
に至りまする経過についてお尋ねをしたいのであります。 以上若干触れましたように、私
ども
の予想では今回
全国平均
一割四分四厘、個々の
会社
によ
つて
差等はございますが、この
認可
申請
を出されたについては他面非公式というか、通産当局との間にかなり話合いが進められた結果、こういうものが出されているように思うのであります。従来
電気料金
の
改訂
に際しては、自主的に各社がこれを計算し、然る後
政府
に
申請
をするという建前に
なつ
ておりますけれ
ども
、併しながら慣行といたしましては、突然何割かの
値上げ
を
申請
するのではなしに、
数字
的にその他
電力需給
の計画等々、いわば内意を得て
改訂
の
申請
がなされ、爾後公聴会その他諸般の手続を経て行きまする過程に、それぞれ
消費者
の立場から或いは生産者の皆さんの立場から御主張があ
つて
、先ず再検討しろということで、例えば二割のものであれば一割なり一割二分なりという若干の切下げの形で再度
申請
がなされる。こういう経過を辿
つて
おりまする
電力
料金
の慣行から申上げましても、又重ねて申上げますると、昨年秋以来の
通産大臣
の談話なりからこれを想像いたしましても、およそ一割四分四厘の出て来ました過程に、或いは第一次の案、第二次、第三次の
電力
料金改訂
の案、こういうものがあ
つて
、結局ここに出されておりまするそれぞれの
会社
の値上率が来ているものであろう。このように考えられるのでありますが、従来本
委員会
において
調査
を進めました過程からも、容易に
政府
当局との関連が読み取れるのでありますが、率直にその間の経過について御
説明
が願いたいのであります。これが第一の点でございます。 更に第二の点でございますが、今次
料金改訂
に関して最も大きな
部分
は
資本費
の
増加
、これだと言われておりまするし、このことは
数字
によ
つて
明らかにされております。この増大の
資本費
の
内容
についても若干の
資料
が提供せられております。そこでこの
資本費
について直ちに
電力
料金
にこれを転嫁することなしに、一つの国家政策、
電力
料金
の政策として
政府
がとるべき面があるやに思うのであります。今日
通産大臣
が明らかにいたしましたところによると、開銀等による
金利
の
引下げ
、或は配当をこの利益に計上しないとか、その他の
税金
、
電力
税と言いますか、一部についてこれを検討するというまあそれぞれの項目について検討せられて、およそ五十億前後のものが
電力会社
に、何といいますか、
負担
の減として計上せられることになる、これがまあ全体の今次値上の立場からすれば、二分二厘でございますから、何かに見合うだろう、まあこのようなことが言われております。従
つて
これに対してはそれだけ今次値上の一割四分四厘というものから差引いて値上率を下げてもよろしいというような皆さんの御主張でもあるように聞いております。そこで私は、ここに二十九年度の収支予想をせられまして、それぞれ値上率をきめられておりまするが、これは飽くまでも
昭和
二十九年度の収支予想に立
つて
おられるようでありまするから、従
つて
御要求の
通り
仮に
電力
料金
が
改訂
せられるといたしましても、又
物価
も予想
通り
といたしましても、更に
開発
が進むにつれて、五カ年計画でございますので、従
つて
昭和
三十年度、三十一年度というふうに又この
電力
料金
問題が提起せられるのではないだろうか、このように考えるのであります。この
事情
についてお尋ねしたいのでありますが、
政府
の政策も無論この
昭和
二十九年度だけではない、二十九年度以降も緊縮政策であるように考えます。そういたしますると、
電力
の
開発
自身が五百十万キロでございますから、これが進むにつれて、殊に
電源開発
が非常に厖大に行われまする地域ですね、こういう地域とそうでない地域、こういつた
関係
もありまするが、併し
開発
に伴
つて
更に三十年度以降の
電力
料金
について
改訂
という問題が提起されるんではないだろうか、このことは容易に我々想定するのでありますが、この点についてはさような事実があるのかないのかという点であります。 更に第三点でございますが、抽象的にお尋ねするのでおわかりにくいと思いまいが、簡単に質問もする考えでございますから、どうぞお含みおき願いたいと思うのであります。第三の点は、いろいろ
資料
を総合いたしますと、
電燈
、いわゆる
一般
の
需用家
、それから大口等の
需用家
の割合というものが出されております。この
数字
は、
一般
の
需用家
の
電燈
或いは小口、こういう
電力量
というものは全体の中に占める割合は非常に小さいようであります。いわゆる大口
需用家
の消費いたしまする
電力量
というものが殆んど大半を占めております。ところで中部の
社長
も
公述
せられましたように、今次値上が大口需用の伸び、従
つて
電力
の
開発
はこれを端的に言えば、
開発
自身は大口
需用家
の
ため
の
開発
、こういうことがやはり言えると思います。給電操作でごつちやに
なつ
ておりますから、これは分けがたいといたしましても、これを論理的に分けるならば新しい
開発
は新らしい大口の需用の増大にこれは向いて行くのだ、このように考えるのであります。そう考えることが間違いではないと思うのですが、間違いでないとするならば、
一般
の
需用家
の需用というものは非常にパーセンテージも小さいのでありますから、現有
設備
で十分賄なえる。大口の需用が伸びるから、
一般
の
需用家
の制限をしなければならない。こういう理窟なんでありますから、そういたしますと今度仮に
会社
経営の面から、
資本費
が増大いたしまして、
料金
の
改訂
ということになれば、これを
一般
の
需用家
に対しても殆んど同率で以て、若干の相違はございますが、
電力
料金
を上げてしまうということになると、極くしろうと目に考えてみましても、
一般
の
需用家
はついでに我々の
電燈
に対しても
料金
が嵩むんだという感じを持つようでありますから、勢いそうであるならばせめて大口需用だけでも検討されたらどうかという議論さえ若干出て来つある状態であります。こういう点につきまして、いわゆる
原価主義
をと
つて
おられるならば、その供給の種別によ
つて
、若干今申上げたようなことの考慮が払われるものか、払われないものか、その弊害がどういうふうになるのか、これが第三の点でございます。 それから第四の点ですが、今日の九
電力
について見ますと、
開発
の
進捗度
といいますか、完成度合いというものは必ずしも一定いたしておりません。これは北陸或いは東北のごときは若干
進捗度
もいいように思うのでありますが、その他についてはかなりこの
開発
も遅れておりますし、その完成度合いも遅々としております。要するに
資本費
についてもそれだけ支払がなされていないとも考えられるのであります。こういうこの
開発
の進行度合いと関連して、今次
料金改訂
というものがおよそ画一的な基準に基かれているような気がいたすのであります。これはどういう
説明
になりまするか、お伺いをいたします。なおそれに関連をしまして、やはり第四のうちですが、今度の
料金改訂
を見ましても、従来と同じように
会社
の企業経営の
内容
につきましては、同一基準というか、わかりやすく申上げると、配当は、中部は二割なにがし
改訂
するようだから、これは
需用家
に申訳ないから配当はやるまいというのではなく、又非常に値上率の
比較
的低い関西についても、やはり配当の問題は同一に見られているように思います。又かなりのウエイトを占めます物件費等についても、今度は上げないという基準には基いておられないように思います。或いは
人件費
につきましても、一つの共通の基準に基いたいわば現行ベースというか、こういうものに基いておらんから、私
ども
がこれを見ますると、今次値上率の大小、高い低いはございますけれ
ども
、それは諸般の
事情
で、経営
内容
については同一であるが、立地条件或いは
開発
の状況、こういう面から率の高低があるのであ
つて
、
会社
経営自体としてはこの高低、
料金
の高い低いというものによ
つて
経営自体というものは全然変らない。むしろその経営の難易が大体揃うように、同じような状態にする、この点につきましても、何だか結果だけ見ますると、
料金
値上率の低い所は大変遠慮されて、多い所は慾張
つて
おるようなふうに、その結果だけ見ると思われますので、その間の
事情
についてお尋ねをいたしたいのでございます。お答えの
内容
如何によ
つて
は再質問をいたしたいと思いますので、この点留保いたしたいと思います。
太田垣士郎
33
○
参考人
(
太田垣士郎
君) 答弁になりませんで、若し不備な点がありましたら、後刻又補助的に
皆様
がたから御答弁願いたいと思います。 第一の点につきまして、今度の値上に対して、御当局と話合
つて
率の問題とか何とかについて一応御了解を得てや
つたの
かというお話でありますが、今度の値上は今までの値上と異りまして、いわゆる
電源開発
のコストの
増嵩
ということでありますので、私
ども
も何とかしてこれはや
つて
頂きたいと考えてお
つたの
でありますが、むしろこれは大臣がたは政治的にいろいろその当時の何を見ておつしやるから、ございませんが、当局としては非常な難色があ
つたの
であります。そこで我々といたしましては、我々はこのままにしておけば将来の
電源
の
開発
に支障を来たすということでありますので、とい
つて
、それじやこういう社会の情勢下にあ
つて
単に
増嵩
、コストが高いからすぐ上げてくれというような安易な考え方を持
つて
はいけないということで、もつぱら今まで我々といたしましては、いわゆる
政府
の緊急措置、例えば財政投融資による開銀からの七分五厘をせめて五分にして頂きたい、或いは又固定
資産
税、その他の
事業税
の点におきましても、これをどれくらい下げて頂きたい、そうすれば一応今度の値上はやらずに或る
程度
吸収し得る。たとえやるにしても非常に低いものでやり得るから、何とかしてこの点をやりたいと申しまして、この点につきましては、半歳に亘
つて
、恐らくここにおられる
社長
さん連中は次々に陳情もいたしましたし、了解も得るというふうに
努力
して参
つたの
が現状でありまして、従
つて
最近まではいわゆる我々といたしましては、その方面に殆んど
努力
を費しておつたというのが事実であります。併しながら、これはそれじやそれをいつまで待
つて
お
つて
も、我我の経営が成立つかどうかという問題になりますと、我々はやはり二十九年度において或る
程度
のはつきりした
数字
が出ませんと、経営の将来について計画が立たない。例えばこれだけの
料金
が上つた、これだけの収入があ
つて
、そしてこれだけの自己資金が調達できるということであれば、例えば
政府
の財政資金がこれだけ枠が少く
なつ
ても、自己資金でその幾分をカバーして行くというような、一つの経営計画が立たないというので、我々はその緊急措置に対する運動を非常にやりつつその
効果
を待
つて
お
つたの
でありますが、この本年度に至りましても、まだ
効果
が現われて来ない。そこで我々といたしましては、これは我々の年度計画として立てるにはどうして四月の一日を期して値上して頂くということが、我々としてはこれからの経営について非常にやりいいことになるので、計画が立つので、それについては事務上の手続もありいたしますから、一月の二十日付というもので
申請
したわけであります。これは一面、これは内輪話でもありますが、我々はどうもそういう具体的な緊急措置がとられない以上は出さざるを得ないのだということを我々としてはお互いが考えまして、そして自主的に今度は出したわけであります。そしてその後に至りまして、いわゆる二月の一日からいわゆる開銀の利子も七分五厘が六分五厘になるとか、或いは税制の改革案も出るということでありますが、これも即ち我々の立場から申しますと、法律に
なつ
て、そしてきちつとしたことでなければ、我々としては今それをすぐ引いてどうこうするということができない
ため
に、そのままの一応計画を立案して、そして
申請
を敢行した、こういうのが現状であります。 それから将来
電源
の
開発
と共に、恐らく又将来再値上ということが、資本の
増嵩
があるというふうになれば起るであろうという御質問でありますが、それは端的に申上げますれば、一応
電源
の
開発
をやれば、これは今の国家経済状態がそのままでありとすれば、恐らく私はそういうことになるかも知らんと思うのであります。併しながら我々といたしましても、この間まだ非常に時日もありますししますし、これもやはり我々が今まで考えておつたと同様に、一つ何とかしてこれ以上の緊急措置をと
つて
頂いて、そうしてこれも解決して頂きたい、こう考えておりまして、今後とも我々といたしましては、我々の事業に課せられたるものが他事業と
比較
して、余りに少し酷であるというような点は、漸次
お願い
して、そしてできるだけ将来の
開発
に対するコストの
増嵩
というものを吸収して行きたい、こう考えております。なお且つ経済状態が変化いたしまして、或いは
石炭
が今の二割も三割も安くなるということもあり得ることでありますし、現実に又今度の値上につきましても、
石炭
費が
比較
的安いが
ため
に、
火力
地帯において値上が割合幅が狭かつたというような点もありますので、そういう面についても我々は極力
努力
をいたしまして、そうしてできるだけ
電源開発
はするが、併しながら我々の力の及ぶ限りは一つ何とか他の方法によ
つて
この
増嵩
を吸収したいという考えは持
つて
おります。大体二点は私からお答えいたしましたので、ほかの点はどなたか一つ……。
井上五郎
34
○
参考人
(井上五郎君) 第三点の問題、私のほうにも若干
関係
があるようなふうに伺いましたので、私からお答え申しますが、
電燈
と
電力
との割合、従
つて
その
電燈
、
電力
に対するコストの振分けの問題かと思うのであります。先ほど私発言いたしました点が多少言葉が足りなかつたかも知れません。勿論私のほうでも
電燈
も
電力
も殖えているのであります。新らしく
開発
しましたものがコスト高になる、そのコスト高になるものは新らしく殖えたものに転嫁すべきであるという若し建前をとるといたしますれば、新らしく家が建
つて
新らしく
電燈
をつけたものは、在来の
電燈
の
需用家
より高い
料金
になるということになるかと思うのであります。私
ども
といたしましては、
電気
は総括した
原価
で差上げるのが一番いい、工場で増設をなさつたからその
部分
だけの
電気
が高いという政策はとるべきでない、こう考えているわけでありますが、そういう
意味
におきまして、
電燈
と
電力
とはどこまでも正しいコストの振分け方による、こう考えております。
電燈
であるが故にこうであるということを政策的に私
ども
考えるつもりはないのでありますが、ただ非常に専門的なことを申上げて恐縮なんでありますが、
電燈
、
電力
、あらゆる業体に対しまする
電力
料金
のあり方、コスト振分け方ということについては非常に学者の間でも議論がございます。どういう振分け方をするのが一番正しい算式であるかということについてはいろいろ議論もありますので、そうした算式の相違によ
つて
若干の差はできるが、原則といたしましては、総括
原価
を最も公平な形において振分けるのだというふうに私
ども
考えております。ただ成るべく、甚だ露骨な言葉になりますが、零細な事業家のかたがたの御
負担
が公平である、過当でないことの
ため
に、先ほど御
説明
がありましたが、アンペアー制をとる、或いは定額に対しては成るべく上らないような計算法方法をとるといつたような手心はいたすつもりでございますが、原則として只今申しましたように、コストを
原価
的に公正に分ける、こういう考え方をいたしております。 それから四番目の御質問でございますが、はつきり私御質問の点をつかみ得たかどうかわかりませんが、
進捗度
合い、その他いろいろの
事情
で値上率が違う、値上率が違うについては多少値上率の高い所は少しは遠慮をしたのか、こういうような御質問であるかと存ずるのであります。先ほど私申しましたように、中部
電力
といたしまして、確かに値上率が高いのであります。それは本質的にはさつき申しましたように、
電源
の
開発
が非常に大きかつたということであるのでありますが、それだけではなくて、一方において
火力
の
燃料費
が増した。いま一つ、過去二回におきまして、
電力
料金
の
値上げ
をした、
全国平均
数字
で申しましたが、過去二回におきまして、たしか
全国平均
で六割六、七分上つたと思いますが、二回通算いたしまして、中部
電力
は五割二分しか上
つて
おりません。そうした
関係
もございまして、率としては今回若干高くな
つたの
でありますが、逆に申しまして、
キロワツト・アワー当り
の価格で申しますならば、
全国平均
を維持し得ておるかと思うのであります。そういう
意味
におきまして、言い換えればこれも第三の質問点と同様なのでありますが、
電力
はどこまでも
原価
であるべきである。若し私
ども
の企業
努力
が足りないの故を以て、若し
需用家
に過当な値上率を要求するならば、これは私
ども
として当然御遠慮を申上げ、内部的に
努力
をいたすべきであります。若し一応ほぼ同様の企業
努力
をお認め願えるものといたしますならば、必要なる
経費
、
電源開発
を進めて行く
ため
に必要欠くべからざる
経費
というものにつきましては、是非只今法律で認められておる形におきましての
原価
を認めて頂きたい、こう私
ども
考えておるわけであります。その
意味
におきまして、配当率におきましても、全国九社大体同様の配当率を
お願い
をいたしております。又先刻私申しましたように、故障等も是非減らして行かなければならないという建前で、決してその率が見かけ上若干高いが故を以て修繕を怠る、怠るという言葉は少し悪いかも知れませんが、少くとも修繕をしないで行くというような考え方はと
つて
おりません。或いはお答えに
なつ
ておらないかと思うのでありますが、一応私
ども
の立場を……。
藤田進
35
○藤田進君 まあお尋ねするのでございますので、
意見
は申述べませんが、先ほど太田垣
社長
から御答弁がございました二点についてですが、全然通産当局との何と言いますか、連絡なしに今回は特にやつたという御答弁のように伺
つたの
でありますが、
電力
の需給計画についてもこれは
会社
独自の立場でこれを定めて、これは後刻
政府
が別にきめるであろうというふうな御
説明
も先刻あつたと思うのです。併しこの値上率なり、収支計算をいたしましても、いわゆる
原価
をはじいて見ても、なかなか将来の想定というものが大きい。殊に出水がどうだろうかというようなことにつきまして、大変見込がよく違つたり、悪く違つたりすることで問題は多かろうかと思うのであります。こういう
電力
の
料金
コストというものが非常に見込みの上に立つという点等から見ますると、やはり或る
程度
通産当局との間に連絡をしつおやりにならざるを得ない面があるのではないか。殊に昨年来の
通産大臣
の談話等を見ますると、又私
ども
の質問に対する大臣の答弁からいたしましても、
電力会社
のほうから値上をやかましく言
つて
来ておる、これを検討するときに、若干の値上は止むなしというような、かなり明確な御答弁まであ
つて
おる今日でございますから、これらからみると、大臣が言われたのが嘘なのか、全然そのような連絡がなか
つたの
かということを実は疑わざるを得ないのであります。でありますから、この際率直に連絡の
程度
はどうであつたろうか。延いては一割四分四厘という値上についても、必ずしもこれが前後を通じて一回しか出なかつたものかどうかについては、私はやはり若干の疑問を持つのであります。いろいろ案を持たれたでありましようが、結局この案が
認可
申請
されたと、その
事情
についてはやはり当局との連絡折衝の過程からこのようにな
つたの
ではないだろうか、こう推定をいたしましたので、この点を明確にお答え願いたいと申上げたのでありますが、先ほどのお答えではどうもその点が極めて不明確でございましたので、若しできれば重ねてお答えを願いたいと思います。 第二の点につきましては、質問が十分御了解行かなか
つた点
もあるやに推察いたしたのでございますが、申上げた要点は、今次
料金改訂
は
昭和
二十九年度の収支見込の上に立たれておる。これが違えばノーと言
つて
頂けばいいのですが、こう私は見ておるのです。その中でウエイトは
資本費
だ、こうなりますと、その
資本費
は
開発
資金にまつわるものが殆んどである。恐らく六〇%ですか、言われている。こう
なつ
て来ますと、年次ずつと
開発
が進むにつれて、その資本の
増加
もされるわけですしいたしますと、やはりコスト高になる。再
評価
して三万五千円でしたか、実際は北陸、東北は割合安い。これが八万円、
キロワツト
当り
ですね。併し
全国平均
十万円、
キロワツト
当り
、そのままそろばんをはじけば、新しく
電気
を生産すればそれにそれだけかか
つて
来る、つまりコストが増大して来る。こう考えてみると、やはり
昭和
二十九年度はこれでいいが、
昭和
三十年度になると若干又
料金
率の
改訂
をしなければならなくなるのじやないか、
物価
変動がないものと見て私は早合点をしたのですが、今回この
料金
率の
改訂
をいたしましたならば、
物価
の大きな変動のない限り、無論将来
物価
の変動がないものと見込むわけですから、そうなりますると、
料金
の
改訂
というものは将来はないのだ。その資本の増大、
資本費
は見積
つて
いるのだから今回は……その点がどういうものなのか、そこがお尋ねしたか
つた点
なんです。いろいろ
努力
して上げないようにしたいとは言われているのですが、無論
努力
は
努力
ですけれ
ども
、これを数理的に言
つて
、
昭和
二十九年度だけなので、将来もこれでいいのか、こういう点です。 それから井上
社長
のお答え願いました点ですが、これは実はお答え願
つた点
が若干食い違
つて
いるので、申上げたのは今次
料金
率の
改訂
、何と言いますか
値上げ
ですね、
値上げ
には今縷々申上げた
資本費
は
開発
費だ、こういうことになりますと、
開発
についてはおのおの
会社
でおやりに
なつ
ているわけですが、おのおのの
会社
で
開発
の進行状態が相当違
つて
おります。而もこれは
電力会社
で
開発
されておられますものもありますが、殊に東北など顕著な例として
電源開発
会社
自体の
開発
で、その供給発電はすべて
電力会社
がそれを配電する、こういうことに
なつ
ておりますので、やはり
開発
が進んでいる
会社
と、
開発
が進んでいない
会社
については、おのずからそこに
資本費
の影響というものがあるわけですから、このことが若干
料金
率の決定には考慮されなければならないだろうかと思
つて
いるわけですが、併し
料金
の今回の
改訂
を見ますると、この
開発
の
進捗度
合というものを余り考慮されていないように私は思うのです。それが間違
つて
いるかも知れませんが……、その点をお伺いいたしておるのでございます。その点が一つだ
つたの
です。 それからもう一つの点は、端的に申上げると、今次
値上げ
の率は中部乃至関西のごとく非常に高低があるけれ
ども
、二割乃至六分ですか、あるけれ
ども
、そのことは取りも直さず
会社
経営は大体均衡を保
つて
いるのだ、
会社
経営の難易ですね。つまり中部のごとき場合には非常に経営がよくなり、延いて株価も上るかも知れないというものではなくて、やはり現状においては逆に言うと中部は非常に経営がむずかしい、だから二割幾ら上げれば大体他社並みになる。関西では六分
程度
上げればいいのだ。これは中部が二割二分何厘でしたか、上げられる
程度
の経営状態に関西では六分上げればいいのだということですから、
電力
経営の難易というものは大体
申請
されている六分乃至二割何がしという高低はあるけれ
ども
、経営自体の難易というものは同じものだ、こう窺えるわけです。そうではなしに、たくさんの
料金改訂
をする、つまり率の高いところは非常に経営が楽に
なつ
て、関西のごときは経営が中部ほど楽ではないのだ。なぜならば六分しか上げないのだから、こういうものではないようにも思うので、
意味
がわかりましたかどうか、
説明
をやり過ぎて却
つて
わからなかつたかどうか知りませんが、この点についてお伺いをいたしたのでございます。 それからついでですが、これは個別になりますけれ
ども
、関西の場合を見ますと六分
程度
の
値上げ
、こうなるとすれば、
ロス
を見ますというと非常に大きのです。これは特に
説明
が加えられておりましたように、非常に遠い所に
発電所
があつたり、或いは
火力
に関する
事情
を芦原常務さんでしたか御
説明
になりましたが、併しどうも考えてみますと、若干の
合理化
はされているけれ
ども
、例えばお隣りの中国なり、或いは殊に北陸なりを考えてみると、中国は
火力
もあるようですが、相当の開きがあります、一割何がしの開きがあります。又地域の拡大、いわゆる立地条件を論ずるならば、北海道あたりを見ましても、北海道並みにしても
合理化
ができるのではないかというように考えますと、或いは供給
範囲
の広い東京
電力
ですね、どう見ても、これは
数字
が無論証明するので間違いはないでしようが、私
ども
しろうと目に見まして、その
合理化
が何だか極端に遅い、されていもないというか、
ロス率
が高い。従
つて
この
ロス率
がよそ並みより
ちよ
つと何しても六分
程度
は浮いて来るのだから、
料金改訂
なんかしなくた
つて
よさそうに思えるのであります。これは非常に細かい問題になりますけれ
ども
、
料金
値上については大きな問題でございますので、特にお尋ねしたい。
太田垣士郎
36
○
参考人
(
太田垣士郎
君) 只今の第一点の点につきまして、私の御
説明
が不徹底なようでありましたので、改めて申上げますが、御当局との連絡の有無ということは、少くとも
料金
の値上の
申請
をするということが、或いは
料金
の率においては何ら御当局の指示は得ていない、我々
ども
は自主的にやつたわけであります。これは法律に許された
範囲
で我々が一応値上の
申請
をする。ただ問題は今藤田さんのおつしやつたように、一応融通とか技術的な問題になりますと、我々が
値上げ
するとすれば、どういうふうな融通になるかというような技術的な面においては、
参考
までに
参考
までにお伺いするという点は、確かにおくと、こういうことでありますから、御了承願います。 それから将来上げなくていいかという御質問でありますが、これは最前申上げましたように、我々としては緊急措置を非常に
努力
する、なお経営
合理化
も
努力
する。併しながらこれは各社別々に、これから後もやることでありまして、
電源開発
の遅れている所は非常に急がなければならない。そうすると非常にそれが
資本費
が
増嵩
すれば、その
会社
はやはり上げなければならない。その
会社
も恐らくそういうような緊急措置によ
つて
或る
程度
の吸収はいたすでありましようが、それによ
つて
のみ吸収ができない場合は、やはり
会社
の措置として上げなければならない。従
つて
私
ども
は、将来それじや一斉に値上の
申請
をするかということになるのでありますが、恐らく私は将来はだんだんそういうことはなくなるのではなかろうか、各
会社
の特殊
事情
というものが何されて来るのではなかろうかと、こう考えております。 それから
ロス
の
軽減
につきましては、誠におつしやる
通り
でありまして、関西は他に
比較
して非常に現在では高い、現在高いということは実は過去の何が非常に高かつたが
ため
でありまして、これも何といいまして一気にやることができない
ため
に、過去関西は最高は二十四年度ぐらいでございましたか、三六%くらいあつたわけであります。それを今日まで実はいろいろな最前申上げましたような
合理化
によりまして低下して来て参
つたの
でありまして、ただその絶対値だけを
御覧
になると、非常に高くお感じになるかも知れませんが、前の絶対値と
比較
して
御覧
下さいますと、割合
努力
の跡が私は見えるだろうと思うのであります。従
つて
、なお私
ども
はこれは何とか将来においても
努力
したいと思
つて
おりますが、ただ一気によそさん並みに行けないということでありまして、その点一つ御了承願いたいと思います。
芦原義重
37
○
参考人
(芦原義重君) 只今の
ロス
の問題につきまして、
ちよ
つと補足させて頂きます。
実績
でありますが、
昭和
二十三年には三七・四、二十五年には三六・八、これが二十七年に二九・九になりまして、今回の二十九年の
申請
が二八・九、こういうふうに非常に
向上
した。勿論資金も注ぎ込んでおりますが、
向上
いたしておるのであります。これに示しますように、だんだん最高の限度に近付きまして、今後は相当
軽減
はむずかしい、そういう実情に
なつ
ておるのであります。その技術的な関西の特異な点として申上げたいのは、
水力
電源
が大
部分
区域外にありまして、需用の中心地であります京阪神地区まで
電力
を長距離輸送をする必要があるのであります。これは他社とは少し違
つて
いる点であります。例えば私
ども
の黒部川の
電力
を大阪に運びますのに、北陸回線は三百キロメーターあります。これは一番他の社より長いのであります。又最近設けました新北陸回線も三百二十キロに及んでおるわけでありまして、どうしても距離が長いと
ロス
が多くなるわけであります。併し
発電所
を近くへ持
つて
来るわけにはいかないので、これはもうどうしても宿命的で止むを得ないのであります。それともう一つは、京阪神に持
つて
来ます送電線の数が他社より少いのであります。今六回線ございます。六回線しかございませんので、一回線あたりの
平均
電力
も九万キロ
程度
に
なつ
ておりますので、やはり
ロス
が少し多くなるのであります。併し新北陸回線と同様な回線をもう三つも作りますと、一つでも三十数億、或いは四十億ばかりの金がかかりますので、
電源開発
にも資金を注ぎ込んでおりますから、これを早急に送電回線を作ることも不可能なわけであります。それからもう一つは、
火力
の発電の所内用の動力を
ロス
に算入して計算いたしております。やはり一割見当の所内用の動力を使
つて
おりますから、
火力
発電が多いということも
ロス
がやはり多くなるわけであります。そういうものと、もう一つはこの関西の需用の地理的の分布が京阪神地区に過度に集約されておりますから、やはり特別の電圧の段階も一つは多く
なつ
ているという実情もありまして、技術的にどうしても
ロス
が数パーセント他社より多くなるということは、まあ止むを得ないのであります。
中川以良
38
○
委員長
(
中川以良君
)
ちよ
つと申上げますが、これは
参考人
のかたにも、又
委員
のかたにも申上げますが、時間がだんだん迫
つて
参りましたので、成るたけ一つ要点の御質問を頂き、又御答弁のほうも要点にとどめて頂きまして、若しもそれに附加える御答弁がございましたならば、文書を以てあとでお出し願います。
委員長
は適当な
機会
にそれを速記に載せることにいたします。
藤田進
39
○藤田進君 先ほどの御答弁を願います。
高井亮太郎
40
○
参考人
(
高井亮太郎
君) 簡単に補足さして頂きます。藤田さんからの第四問でありますが、
開発
の進んだ所も進まん所も何か似たようにして、
資本費
の取扱いというものが何かルーズに
なつ
ているのじやないかというようなお尋ねでありますので、それは今までに
発電所
なり変電所が幾らできた、それから二十九年度内にはどこに何が何日にできると、従
つて
そのできたときから先の利子なり償却はオペレーシヨンに入る、それまでは建設利息として入るということが、個々別々に扱つた
内容
で
申請
がしてあるのでございますから、それを御了承願いたいということと、それから第一問の通産当局との間云々ということは、私
ども
が
申請
書をお持ちしまして、結局
お願い
に上つたとき、時期も非常に悪いし、
内容
は見なければわからん、何とも言えんということがそのときの話でありました。ということだけを申上げれば、はつきりすると思います。
井上五郎
41
○
参考人
(井上五郎君) 先ほど私のお答えが、或いは外れたかも知れませんが、最後におつしやつた
意味
で、つまり値上率は違うのだけれ
ども
、究極において
会社
の経営が同じむずかしさというか、同じやさしさ、同じ
程度
になるのだという
意味
で言うならば、さようであると思います。言い換えますれば、公正なる
原価
に基いて
電気料金
が定められるという考え方で算定しているわけであります。
藤田進
42
○藤田進君 他の同僚
委員
の御質問も多いようであります。これ以上は非常に迷惑かと思いますが、ただ二十九年度の
料金改訂
と、それ以後三十年以後の場合については、どうもお答えが不明確でございますので、
ちよ
と残念ですが、要するにお答えの要点は、いろいろ
緊急対策
その他
努力
をして、上げないようにしたいがということで、ただ一斉に上げることはないが、個別に上げるようになるかも知れないと、こういう御答弁でありますので、一体上るのか上らないのか、つまり前提条件を申上げているわけですから、
物価
がどうなるかということを予想される必要はないので、これはもう
物価
の変動なしと見てということでしたが、どうもこの点これ以上お尋ねすることが無理なのか、お答えないようでございますので、大変残念でございます。若しお答えができれば重ねて
お願い
したいのですけれ
ども
、例えば関西さんはどうかというふうに言えばはつきりでるかも知れませんが、それだけが私の心
残り
のことでございます。
中川以良
43
○
委員長
(
中川以良君
) 只今の御答弁がございましたら一つ文書で
お願い
いたします。
小松正雄
44
○小松正雄君 私は、本日のこの
電気料金改訂
に関しまして、五社の
社長
初め
事務局長
等の方々から、
電気料金
をどうしても上げてもらはなくてはならない現段階に
なつ
て来たということについて詳しく御
説明
もあり、又
資料
に基いて考えて参りましても、この段階に来るまでには、相当諸般の経営に関して節減のできることは節減をし、或いは又他の応用によ
つて
重点的に
経費
の節減をして頂くというようなことから勘案して考えまするときに、どうしてもこの
電気
の
料金値上げ
に関しましては、先にも同僚藤田
委員
からの御質問の中にありました
通り
、現大臣といたしましても、当然幾らかの
値上げ
をしなくちやならんだろう、こういうようなことも伺
つて
おりまするし、私自身もそういつたことをここに考えまするときに、若干の
値上げ
はせなくてはならないだろう、かように私は考えるものであります。併しながらこれに対しまして各社の方々が、直接小口需用者であり、或いは又
電燈
等に限
つて
値上げ
をせない、大口
需用家
のほうに転嫁するというお考えも必要でありましようし、又
政府
に伺
つて
諸般のことについて陳情を重ねてやられるということも必要じやなかろうかというのは、過般の
委員会
におきまして、私は今次二十九年度の予算の大要から見まして、これが又通産省の事業であり、通産省の事業的良心、通産行政としてのあり方について
通産大臣
の
説明
がありまして、そのときに私は
電気
料金値上げ
に関しまする問題を御質問申上げたのでありまするが、率直に申しますると、この
政府
の施策は緊縮政策であり、又国内の生産品を
値下げ
するということを申されておるということから考えましても、
電気料金
の
値上げ
をされるということは、
国民
の家庭に直接響くものがあるのでありますということを指摘いたしまして、これらに関して需用者等に
電力
の
値上げ
を押しつけるようなことのない施策、方法を考えられておるかということをお尋ねいたしましたのに対して、大臣は、はつきりと、この
料金値上げ
に対して
国民生活
の上に響くことが大であるからして、何とかしてこの
料金値上げ
に関しましては、
国民
の家庭の上に響かないような施策を考えて行くように、例を挙げますると、
金利
の
引下げ
、租税
改訂
その他いろいろここですぐ即答できないようなことまで大蔵省との折衝の過程にある、かように御答弁があ
つたの
でありまするからして、あなた方といたしましては、当然
電気料金
はこれだけは上げてもらわなくちやならないということは、さつき申上げましたように、
説明
等によりまして私も了承するものでありまするが、いやしくも公共的な事業であるということの
意味
において、そういう観点におかれまして、少くとも小口需用者、或いは又
電燈
に関しましてはどうしても上げないようにして頂きたいということを私は前提として
お願い
を申上ぐるものであります。 なお、時間が足りませんのでここに二、三私はお尋ねをして見たいと思うのであります。それは農業団体から私
ども
に対しまして、今次
電気料金
の
値上げ
に関しまして自分たち自身にもらわなくてはならない電柱の敷地料、これらの点について
電力会社
がどのように考えておるか。又これに対して率直にその非を挙げておるのであります。例えば只今では電柱
料金
としては、一本につき農家には二十円しか払
つて
いない。その半面に、収入については、
電力会社
は一本の電柱に対する広告料は五千円という多額な金を取
つて
おる。総計いたしますと六十億円に上ぼるというような収入が現れておるということを、私
ども
に対しての或る種の陳情の文面の中にはつきりと出されておりまするが、こういうことがあるのであるか。或いは又二十円をどういうふうに上げてやろうとするのであるか。この点を一つお伺いしたいということが一つと、第二点は、雑収入でありまするが、雑収入と申しましてもいろいろあると思いまするが、大きくここに飜
つて
考えまするときに、例えば
電力会社
から或る業者が
電力
を供給してもらうときのそれの施設は、その供給を受けるほうが全部その施設をやらなくちやならないということに相成
つて
おりまして、そうしてこれは配電を廃止する場合におきましては、その施設はそのまま
電力会社
に無条件に引渡すという契約に相成るというようなことがあると思いますが、これらの収入というものは相当の額に上ると思いまするが、その収入は
数字
的にどのくらいに見積られておるかということと、第三は、新設或いは旧設でありまするところの
水力
、
火力
の償却方法はどういうことに
なつ
ておるか。例えば何十年間かに償却をするということに仮定いたしまして、今度の
電気料金
の
改訂
の中に織込んであると思いまするが、一年
平均
を漸次何十年かに割
つて
計算をされたものであるといたしまするならば、私は五カ年計画を以て
電気
の需用は万全を期するという計画の下になされてあるということを考えまするときに、その償却というものは十年後に大きく償却を持
つて
行き、又そうして二十年先に大なる償却を持
つて
行く、三段階に分けて行
つて
こそ初めてこの
電気料金
の
値上げ
もせず、需用が満ちて、償却を十年、二十年後にと三段階に割
つて
するということになりますれば、そう
会社
のほうもきつくないでいいのではないか。この際新設をするその資金さえも大きな
金利
を付けて設置しようとするその苦境の中に、この
電力
料金
の
改訂
によ
つて
、そうして償却を織込んで行こうというお考えよりも、むしろそういうふうなことに持
つて
行く、その代償といたしましては、九社の今次
値上げ
をせんとする
総額
は何ほどで何百億になるか知りませんが、これらの金も、そういう
意味
合いにおきまして、長期の借入をなさることに
政府
に対して
申請
をし、以て長期の支払によ
つて
行くということになりますれば、私の今指摘申上げましたように、償却も加えてそれと相待
つて
することができるのではないか、かように考えます。これらの点についてどういうふうなお考えであるか、御質問を申上げる次第であります。
井上五郎
45
○
参考人
(井上五郎君) 只今非常に
数字
的な問題でございまして、若干
数字
につきましても
意見
がございますが、むしろ文書でまとめてお答えをいたしたいと、こう思いますが、如何でございましよう。
福田勝治
46
○
参考人
(福田勝治君) 今のことにつきまして
ちよ
つと簡単に、余り詳しい
数字
は持
つて
おりませんが、御
説明
申上げたいと思います。 先ず第一に、農業団体から
電柱敷地料
のことについてろいろ我々も伺
つて
おります。現在御承知のように、まあ各
会社
によ
つて
多少違いますが、電柱一本
当り
二十五円とか、三十円という
程度
のものを支払
つて
おります。これは実はいろいろ各社の
事情
によ
つて
違うものでありますので、全国一律にこれをどうするというようなことはできないと思
つて
おるのでありまして、各
会社
個々の実情に応じて多少のことは考慮されなければならんと、こういうふうに一応考えております。 それから第二番目は、工事の
負担
金のことだと思うのでありますが、工事の
負担
金につきましては、大体現在額といたしましては、
実績
としては大体二十四億くらいのものをもら
つて
おります。併しこれは御承知のように全部それだけ薄価を
建設費
から切り下げておりまして、それだけ差引いたものが簿価に載
つて
おる。工事費から差引いたものだけが簿価に載
つて
いるということでありまして、それだけ工事費が安く
なつ
ているという恰好に相成
つて
おります。 それからなおこの工事の
負担
金につきましては、今回の
料金改訂
に
当り
まして、できるだけ
需用家
から頂くものを少くしたいと思いまして、或いは事業者の
負担
する限度を従来よりは多少多くするように、
会社
も、事業者が
負担
する限度を多くするように今回供給規程では変更されております。従
つて
需用家
の
負担
は、工事
負担
金として頂くものは、それだけ多少なり従来よりは少くなる方向に向う予定であります。 それから先ほどの、これは私が申上げていいのかどうかわからないのでありますが、先ほどの五カ年計画に対する償却を三段階に分けてやつたらどうかというようなお話もありましたが、これは私個人の気持でありますが、実は御承知のように、
電気事業
は今回相当多額の工事資金が要る。従
つて
一部
政府
の財政投資も仰がなければならんが、併し御承知のように財政投資も非常に圧縮されますし、工事を、どうしても建設をやる
ため
には自己資本並びに内部留保金というものを相当多く、多くといいますか、そういうものを十分取
つて
こそ、償却金をその工事の金繰りに使うということが、結局
建設費
が安くなり、従
つて
現在金のかかる
費用
がそれだけ少くなる、
原価
がそれだけ下るのだというふうに一応考えておるような次第であります。 なおそれに関連いたしまして、先ほどの藤田さんの質問にも
関係
あるかとも思いますが、小口
電力
或いは
電燈
については余り
電力
が殖えないのだから、
増加
する
経費
は殖えるほうへ持
つて
行
つて
はどうかというような御
意見
が今の中にもあるんじやないかと思うのでありますが、実は現在の
料金
が非常に安いということは、結局減価償却その他が旧
設備
において十分見ていない。従
つて
その結果といたしまして、現在事業者は内部留保金が殆んどない。従
つて
建設する金は全部外から借りなければならない。つまり
金利
の高いものを借りなければならないということでありまして、過去に安い
電気料金
で
負担
して頂いた結果が、間接的に言えば、今日それがコスト高になるということなんであります。従来、戦前当時におきましては、建設工事のかなりのパーセンテージは、内部留保金で以て安く、ただの金を、ただの金というと語弊がありますが、
金利
のわからない金を使
つて
おりましたが、
電気料金
の
原価
が償却不十分であつた、内部留保金が少なかつた、その結果といたしまして現在建設するには、内部留保金が殆んどない。従
つて
全部外から借りなければならない、結局現在のコスト高ということは、従来のコストが十分ペイされていなかつた、その影響が今日現われておる、こういうことでありまして、殖えた
電力
に今後の
増加
経費
を全部かけるというようなことは、多少理論的にもそういう点でいろいろ矛盾があるような感じはいたすのでありまして、先ほど井上さんの御
説明
もその
通り
でありますが、私は一応そういうふうに考えておる次第であります。
小松正雄
47
○小松正雄君 重ねて申上げることは甚だどうかと考えまするが、私のこの償却のあり方を三段階にしたらどうか、こういうことを申上げておりまする一つの
対象
といたしましても少くとも五カ年後には各社が持つ目的の
電力
の
開発
が終る、そうして予定
通り
の
運営
ができるという見地から考えますると、少くとも今日のお話の中では
ロス
にいたしましても一割、所によ
つて
は一割
何分
という
ロス
があるということを申されておりまするが、これらを需給することによ
つて
、需用がはつきり殖えて参りまするならば、当然この
ロス
というものは半減乃至三分の一に相成ると私は考えます。そういたしますると、それから来る収入を振向ける形に相成りましても、十年後に、或いは二十年後に償却を割戻してできるという考え方から、そういうことを申上げたのでありまするが、その点についての御見解をもう一度御
説明
を
お願い
します。
高井亮太郎
48
○
参考人
(
高井亮太郎
君) あとで文書にしまして……。
中川以良
49
○
委員長
(
中川以良君
) それでは一つ文書をお出し頂きまして速記に載せますから、小松君御了承願います。
石原幹市郎
50
○
石原幹市郎
君 私は先ほど止むを得ない会議の
ため
に不在しておりまして、私がこれから伺いますことが、すでに御
説明
済みであれば極めて簡単にお答え願えれば結構であります。 今回の
値上げ
の根本論議につきましては、私は後日に譲りたいと思うのでありまするが、一つ非常に疑問に堪えないことは、今回
電源開発
が最も進んでおりまする東北並びに北陸の
料金
値上率が最も高いということであります。而もこれらの地方は、大体今までに
水力
調整金いうと私から言わしむれば、誠にわけのわからないものを払い続けて来ておるのであります。これはこの
制度
ができました当時においては、だんだん漸減する、五年間くらいに整理するという話であ
つたの
でありますが、一向漸減の
傾向
も見せていない。それから又考えようによりましては、
電源開発
によりまして
電力
が殖えるというと、融通量もだんだん殖えて来るんじやないか。そうすると或いは又調整金も逆に殖えるのじやないかくらいに私は考えられるのでありまして、そこで
開発
の最も進んでおりまするこれらの地帯の犠牲において
電気料金
の今回のいろいろの変更が考えられているのではないかとすら考えられるのでありまして、こういう根本問題につきまして、東北
電力
社長
はどういうふうに考えておられるか。又こういう問題について連合会等においても、今回の
電力
料金
の
値上げ
問題について、何らかの検討を加え、或いは調整というようなことを考えられたかどうかということについて、先ずお伺いしたいのであります。
内ケ崎贇五郎
51
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
電源
の
開発
の最も進んだ東北、北陸が最高の値上率に
なつ
たということについて
説明
せいというお話でありますが、先ほど来私も縷々申述べましたし、ほかの
社長
からも申上げましたように、今度の
料金
の
値上げ
の最大の理由は、新らしい
電源
が、
原価
が高くついておる、それに原因しておりまするので、従
つて
値上率が高いということは、一番
開発
が進んでおるという証拠であるというふうに御了解頂きたいと存じます。 なお、ただそうなりますというと、今後東北や何かが困るんじやないかという御心配だろうと思いますので、附言さして頂きます。新
会社
ができましてから過去二回の
値上げ
がありまして、今度は三度目でありますが、これを通計して考えますというと、東北の値上率は低いほうから第二番目でございます。三回を累計するというと、決して高い値上率じやなくて、値上率それ自体においても低いほうから第二番目でございます。なお絶対値において申しますというと、北陸に次いで第二位で、大変安いのでありまして、この点も今後の未
開発
地域の
開発
には一向支障ないどころじやなくて、ますますよい状態に
なつ
ておるということですから、さように御了承頂きたいと思います。
高井亮太郎
52
○
参考人
(
高井亮太郎
君) 只今水火調整金に対しましても御質問がございましたが、先ほど申しましたように、法の精神に従いまして、連合会の中で相談をいたしまして、御
認可
を受けているわけでありますが、ただ方針といたしましては、先ほど申し遅れましたが、水火調整金は漸減の方針をとるということまでは一致いたしております。いつ幾らになるかは別といたしまして。従いまして、一向減らないというお話でございまするが、この四月から初めの値いの二割五分に相当する分量だけは実際において
減少
する約束をいたしましてあるわけでございます。 それからなお
水力
がたくさんできると調整金でも取られるのじやないかというお話でありますが、これは
総額
がてつぺんのきまつた数でありまして、再
編成
当時すでにできてしま
つて
おつた
水力
のみに対するものでありまして、それ以後のものに対しては
水力
調整金はございませんでございますから、御承知のこととは思いますけれ
ども
、念の
ため
申上げます。
石原幹市郎
53
○
石原幹市郎
君 どうも私は一向了解ができないのでありまして、
開発
が進み、
電力
をたくさん豊富に提供するようになればなるほど値上率が高くなければならんということは、而もその
電力
は相当のものを他地方に融通してや
つて
おるにかかわらず、
開発
地帯がそういうなにを負わなければならんということにつきましては、只今までの
説明
では私は一向了承できない。
内ケ崎贇五郎
54
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) それではお答え申上げます。この問題は、先ほど藤田
委員
からの御質問の、今見えませんが、お答えにもなろうと思いますが、今後一体
開発
して行くというとどんどんと高く
なつ
て行くのじやないかといつたような御心配があ
つたの
でありますが、今度の
値上げ
は、従来の
料金
がずつと安く
なつ
ておる、ところが新らしいのが先ほど申上げたように
原価
が約三倍である、そういうことから来ましたので、相当大幅の
値上げ
を我我のほうはやることにな
つたの
でありますが、その結果相当に高くなる、その結果、今後
開発
する
発電所
の
原価
が今度の
平均
の値上率よりも高くつくならば、依然としてこの
値上げ
をして頂がなければならん。併し
政府
の低
物価
政策もありますし、
物価
が今後は横這い、或いはそれよりも下るという見通しも相当に期待してよかろうと思いますし、ただ今後の
開発
地点は非常に不便な所にある、そういう面から或いは何がしかは
原価
の
増加
はあるかも知れませんが、大体今度の
料金
で相当に
平均
の
料金
が高く
なつ
ておりますから、今後の
開発
する地点が、今度や
つて
頂いたその
値段
よりも高ければ
値上げ
をして頂かなければいかん、安ければ
値上げ
の必要はないのだ、こういうことになりますので、先ほどの藤田さんに、その御返事をしようかと思
つたの
ですが、時間がありませんので申しかねましたけれ
ども
、必ずしも今後は相当の
値上げ
をせんければいかんというのでなくて、
電源開発
地点でも、今度は相当の
料金
に
なつ
て来ますから、できればそこに大きな
値上げ
をせんでも済むのじやないか。東北について申上げますというと……(
石原幹市郎
君「考え方だけでよろしい」と述ぶ。)従来の金がたしか三百三十幾らであ
つたの
でありますが、今度は四円三十九銭五厘、相当に上
つて
おりますから、今後の
開発
がこの
原価
と引合うかどうかという問題、恐らくそう大きな
値上げ
をせんでも済むのじやないか、我々のほうはさように考えております。
石原幹市郎
55
○
石原幹市郎
君 それでは
水力
調整金というものを出して、
電力
料金
の一時に変動することをあのとき抑えようとしたわけであろうと思うのでありますが、
電力
の、
水力
電源
の豊富な所が他地方に
電力
を送
つて
、而も
水力
調整金を出しておるというこの考え方と、今度
電源開発
が進んで豊富に
水力
電源
を作
つて
おる所が非常に高い値上率を以て
値上げ
をして行かなければならんというこの考え方、この
二つ
の間にどうも私は割切れないものがあると思うのでありまして、この点について御
説明
を願いたい。
西泰藏
56
○
参考人
(西
泰藏
君) 石原
委員
の御質問の趣旨は、高くついたものを又他地区に融通するとなお高くつく、こういうような御質問のようでもございますが、先ほど北陸のほうの御
説明
をいたしましたときに、石原
委員
おいでにならなか
つたの
でありますが、私のほうは今年全国の中でも一番比率の高い
開発
進度でございます。従
つて
当然資本比の割合がこの
開発
の
原価
としましては大
部分
を占めておりますので、現在の
金利
並びに税法上から行きますと、どうしても
開発
が余計できたものは高くなります。但し他地区に融通しまして、先ほど北陸の
説明
をいたしましたけれ
ども
、他地区に融通しなければ四割ほど上げて頂かなければならんのを、他地区のほうへ融通して
原価
を低減いたしました。そうして二割二分にいたしましたという
説明
を申上げたのであります。いずれ又あとで御
説明
申上げてもよろしうございますが、ほかの
委員
の方が一応お聞きに
なつ
ておりまして、大体御了承を願
つて
おると思います。そういう
意味
で一つ、他地区へ融通しても却
つて
上るのじやないかというお考えは御訂正願いたいと思います。
内ケ崎贇五郎
57
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 私からも同様のことを申上げるわけでありまするが、自分の管内で売捌く
平均
の
値段
と他地区のほうへやる場合よりは、新たにこれから供給するものは高く
なつ
ております。北陸の場合も同じようであります。なお昔からこういう分については、昔の一
部分
安いものもありますが、だんだんにこれもコンマーシヤル・ベースに切換えて行くということでだんだん変化しつつあります。なお水
火力
調整金の問題は、だんだん漸減しまして、今度も二億五、六千万円は前年度よりも減ることに
なつ
ております。そういうことでこのほうもだんだん解消するということで、決してよその影響の
ため
に東北が非常に高いものを東北の
需用家
に使
つて
頂くということではない。従来は何がしかそういうことはありましたが、今後はそれはもう殆んど解消するところへ持
つて
行く、こういうつもりでおります。
石原幹市郎
58
○
石原幹市郎
君 それならばこういう
値上げ
の障に、この水
火力
調整金というものをやめてしまえば、東北、北陸が非常に高率な
値上げ
をこうむらにやならんということが、私は或る
程度
調整されるのじやないかと思うので、そういう点について、各
電力会社
の間でいろいろ話合いをされたか、或いはそういう考えを以て今後東北なり、北陸の
電力会社
は強力に進みたいというお幸えを持
つて
おられるものか。
内ケ崎贇五郎
59
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 九社の間においてこの問題については実に熱烈なる討論をいつもやるのでありまして、今度の
料金
の
申請
につきましても、水
火力
調整金が決定しませんと
申請
できませんので、前以てこれは九社において討論いたしました結果、先ほど申上げたように、従来の八分の八であ
つたの
が八分の五・五というものに減
つて
おります。それが先ほど申上げた二億五、六千万円の金になるわけであります。なお今後我々といたしましては、これは速やかに水
火力
調整金は撤廃する方向へ
努力
をする、かように考えております。
石原幹市郎
60
○
石原幹市郎
君 この問題は又後刻
政府
その他に対しましても私は更に根本的に検討して行かにやならんと思うのでありまするが、更にもう一点東北
電力
にお伺いしたいのでありまするが、この
電燈
料金
のみについて、今川上期、下期の
料金
差をつけておるのはどういうことかということと、更に、これは先ほどからの質問が大体重複するのでありますけれ
ども
、私はこの再
編成
のときなどにも、家庭用の
電燈
というようなものは社会政策的のような
意味
も考えて全国余り差があつちやいかんという、これはまあできるだけ安いものでなきやいかんという考えを持
つて
おるものでありまするが、今回の
値上げ
を見ますというと、むしろこういう方面の
料金
にしわが寄
つて
いるという感じが強いのでありまするが、こういう点について何か再考慮される考えはないかどうか。
内ケ崎贇五郎
61
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 冬と夏と
電燈
料金
が違
つて
いるのは東北、北陸でありますが、これは北陸、東北のほうは冬になると非常に雪が多い。それで
電燈
を使用する期間も相当に長いということで、定額
電燈
が当然
原価
が高くなるということは、それだけでおわかりになると思いますが、なお従量
電燈
におきましても、冬の総出力は減
つて
参ります。私のほうは
火力
を余り持
つて
おりませんので、それに順応したような量をお客さんに供給する
関係
上出力が減る。そういう
関係
で
原価
が冬のほうは割高である、こういうことから、冬は高く頂戴するということに
なつ
たわけであります。なお
電力
と
電燈
との
値上げ
の比率は、
平均
二四・九に対して、
電燈
のほうは二四・七、
電力
のほうが二五%こうういうことで、何がしか
一般
の大衆の皆さんの
負担
が少しでも
軽減
する、こういうような心持を以
つて
お願い
しているわけであります。
石原幹市郎
62
○
石原幹市郎
君 今回税法の
改正
によりまして、法人税も幾らか
引下げ
になり、或いは
事業税
、固定
資産
税も
改正
になるわけでありますが、こういう面は今回の
値上げ
について織込んであるのかどうか。これは連合会からでも、どこからでも結構でありますが。
平井寛一郎
63
○
参考人
(
平井寛一郎
君) 私からも御
説明
の際に申上げたのでございますが、まだ
確定
いたしておりませんのでそれは織込んでおりません。併しながらこれがきまりますれば、それだけは当然
値下げ
をする用意はあるのであります。
石原幹市郎
64
○
石原幹市郎
君 これは何か
資料
をもらえれば結構でありますが、再
編成
前と今度で
電力
界のいわゆる人員というようなものは相当整理されて来ておるのかどうか、企業
合理化
の面と関連して伺いたい、のでありますが、整理されたかどうか、或いは給与というものはどういう
程度
に増額して来ておるか、こういう点につきまして、人員の問題は後刻
資料
で結構でありますが、
お願い
します。それから私の感じとしては給与の面な
ども
、他の
一般
の業界に比して非常に高いのではないかと、こういうふうに我々は考えておりまするので、今回相当の
値上げ
をしようという際でありますから、相当企業の
合理化
その他の面については、真剣に
電力会社
として私は検討してもらわなければならんと思うのであります。そういう面について、勿論
努力
は払われたと思いますが、それはどういうふうなものである。これはもうすでにお話があつたと思いますから、人員の問題だけについて、
資料
を頂ければ結構であります。
中川以良
65
○
委員長
(
中川以良君
) 只今のは一つ文書で御回答願います。
海野三朗
66
○海野三朗君 どうも現在の
電力
料金
は、
火力
料金
の高価をカバーする
ため
に
水力
発電から調整金を徴収されておるのでありますが、
火力
発電のない東北地方は最も余計に取られておる。
昭和
二十六年は八億四千余万円、二十七年度は八億四千万円ほど附加されておるのでありますが、これは
昭和
二十六年の
電力
再
編成
のときに、年々二割だけ低減して五カ年目、即ち三十年には解消するということの了解事項であつたと思います。ところが毎年低減もない。今後二カ年半で解消する見通しもないように思われるのでありますが、これは誠に遺憾であると思うのであります。これが第一点。第二点は、各
会社
の借入金の償還計画を承わりたい。先ほど小松
委員
からのお話もございましたが、この償還が五年で済む、或いは六年で済むと言えば、済んでしまえばどうなるか。その際には
電力
料金
を
値下げ
するのかどうか。そういう点も承わりたい。これが第二点。第三点といたしましては、先ほど石原
委員
から申されたことで、もう一言大口
料金
の優遇政策をと
つて
おられるように見受けられるのでありますが、これは
一般
の
電燈
というものを考えまするときに、大口
料金
の優遇政策ということと、公益事業の本質との関連について御高見を承わりたいと思うのであります。以上三点であります。
内ケ崎贇五郎
67
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 第一点についてお答えいたします。この問題は、只今石原
委員
にもお答え申上げましたように、
最初
はたしか九億六千万円くらいあつたと思います。再
編成
の当時において、東北の出し前が。それが今度は二十九年度の
料金
に入りますものは、五億九千万円で、相当額
減少
いたしております。なお今後これを全部なくすように大いに
努力
をするつもりでおります。 次は第二点、資金の償却は五カ年計画だから、五カ年で皆償還すればあとは非常に軽くなるのじやないかというお話でありますが、なかなか以て五年に償還はできません。相当に長いことかか
つて
もなお且つむずかしい。この資金の償還計画は、実に今後
電力会社
としても非常に大問題になろうと考えます。なかなか利子の支払いや何か、それは相当なものになりますので、なかなか五年た
つて
解消するような事態ではございません。 第三点、大口
料金
を優遇しておるんじやないかというお話でありますが、さようなことはございません。すべて
原価主義
によ
つて
算定いたしまして、
料金
を申受ける、こういう建前でや
つて
おりますから、さよう御了承願いたいと思います。
海野三朗
68
○海野三朗君 償還の御計画は、何年を以て、何年くらいに見ておられるのでありますか。それから従量
電燈
、そういう方面に使うところの大衆向きの
電気
の量は、全体の二割くらいでありまするのに、これより徴収するお金は約四割を占めておるのが事実でございましよう。それを私が申すのであります。大口
料金
の優遇政策をと
つて
おられたのではないかということを、私はお伺いするのであります。
内ケ崎贇五郎
69
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 資金の償却のほうでありますが、これは何カ年に計画を立てておるかというお話でありますが、何カ年計画というようなことは、今直ちに申上げかねますが、いろいろ二十年くらいの資金を借りているのもありますし、社債のようなものは五年に
なつ
ております。それから
設備
資金として三年くらいの期間を以て借りておるものもあります。いろいろでございまして、一概に何年で償還するというようなことは、これは到底今直ちに申上げかねます。非常にむずかしい問題でございますから、さように御了承願いたいと存じます。 それから今
数字
をお示しに
なつ
て
電燈
のほうが高いのじやないか、こういうお話でありますが、
電燈
料金
は成るほど高いのです。高いのですけれ
ども
、これは
原価主義
で行くということ、先ほど申上げたように
原価
が高いのです。というのは、大口の
料金
は、
発電所
から参りまして、十五万ボルト送電線を伝
つて
来まして、十五万ボルトで供給する所もあります。或いは六万ボルトくらいに降圧しまして送る場合もありますが、
一般
の
電燈
はそれから先が長いのです。送電線を伝わ
つて
行く。変圧器をくぐる、それから又配電線をくぐるということで
設備
も相当かかるし、
ロス
がだんだん殖えて来る。東北になると相当
ロス
が多いほうでありますが、御承知の
通り
、東北は本州の三分の一を占めています。人口は甚だ稀薄であるといつたようなことから
原価
は非常に高くつくのです。そういうことで飽くまでこれは
原価主義
でありまして、決して優遇は大口にするようなことはございませんから、さよう御承知を願いたいと思います。
原価
が高いから止むを得ず高い
料金
を頂戴している、こういうことであります。
西川彌平治
70
○西川彌平治君 時間がございませんから端的に一つ御質問を申上げたいと思います。
政府
は緊縮政策をと
つて
、
物価
の
引下げ
を今企図しているのでありますが、
物価
の
引下げ
の何というても一番大きなフアクターになるものは米であると思うのであります。その米を生産いたしまする農家のこの
電気
の問題を一つ考えて見るときにおきましても、灌漑排水に使
つて
おります
電気料金
が、私の調べたところによりますると、相当これは確実な
資料
をつかんでいるのでありますが、非常に値上りをしているのであります。灌漑排水の
電気料金
は、
平均
いたしまして四割の
増加
に
なつ
ているようであります。これを更に詳しく申上げまするならば、五馬力までのものに対しましては、一番高い所は中部
電力
の七割五分、北陸の六割二分という値上りに
なつ
ております。東京が四割九分、それから百馬力
程度
になりますと、東京は八割五分、中部が八割、北陸が六割九分、更に五百馬力
程度
になりますと、東京が九割六分、中部が八割七分、北陸が七割五分、更に一千馬力
程度
になりますると、これは少しく下
つて
おりますが、東京が三割一分、それから中部が四割六分、北陸が七割三分、こういうような
数字
が出ているのであります。今日米価の問題はもう我々の生活に最も直接に響く問題であります。而もこの農業の灌漑排水というような、いわゆる水利費と申しますものは、農家は非常に今日これを気に病んでいる問題であります。恐らくこの水利費というものの中におきましては、
電力
が大
部分
を占めていると申上げてもいいと思います。
電力
が相当な率を占めているものでありますから、恐らく七割も八割も
電力
が上つた場合におきましては、この農家の水利費に非常に大きな影響があると思うのでありますが、今日これはどういう根拠を以てお出しに
なつ
ておりますか。私のこの調べは農地局から出ている調べでありますから、恐らく私は相当根拠のあるものとして考えておりますから、この点について一つどういう根拠でこれが出ているかということをお伺いいたしたいと思うのであります。 それからいま一つ私は伺
つて
おきたいのは、これは特に北陸
電力
に一つ伺
つて
おきたいと思いますが、北陸
電力
は、本年四カ所の
発電所
が完成をするということで、九億五千万
キロワツト・アワー
の
電力
が出るというふうなことで、それから約六億の
電力
が自今の管分に供給されるというようなことを今お話を承わ
つて
いるのでありまするが、これであなたの管内は
電力
はプールするのであるかどうかということを一つ伺いたい。それから今まで
電気
が
不足
の場合におきましては、恐らく私の想像でありますが、北陸は
電気
炉であるとか、電解炉であるとかいうような電炉の工業が非常に多い土地であるのでありまするが、そういう所で私は
電力
の調整をしておつたんではないかと思うのであります。従
つて
その調整をいわゆる電炉工業に対して何パーセントくらいの
電力
を今まで送
つて
おつたかということを一つ伺
つて
おきたいと思います。
西泰藏
71
○
参考人
(西
泰藏
君) 北陸の特殊
事情
についての御質問でございますから申上げますが、大体北陸は今回
開発
されますというと、
電力
で五十八万キロくらいになるのでありますが、そのうち電解電炉方面に三十八万キロを供給するような勘定になります。大体六割五分でございます。
キロワツト・アワー
で行きますというと、二十九年度は二十八億
キロワツト・アワー
を
一般
の需用にやるのでございますが、そのうち電解電炉は十七億
キロワツト・アワー
、
キロワツト・アワー
では大体六〇%、それから
キロワツト
では六五%ぐらいの予定に
なつ
ております。従いましていろいろな調節は、この電解電炉連盟が各工場の御都合、又非常に低廉に使用しようというような御趣旨から、よく御相談をしまして、いろいろピーク時とか、そのほかの渇水時には制限を
お願い
して、そうして調節をするということにいたしております。従いまして現在でも
電燈
、
一般
小口動力、或いは三千キロ以上出ない電解電炉を除きますというと、何ら制限もしていなければ、停電も何もありませんような現状でございます。従いまして二十九年度もその予定でございますが、大体電解電炉連盟は、まだ戦前の
稼働設備
が相当にありますので、今回相当に
開発
しまして、電解電炉にそれだけ余計やりましても、稼働は約五〇%ぐらいの稼働になるのでございます。現状までは四二%ぐらいの稼働であ
つたの
であります。
需用家
のほうは、六〇%乃至三六%ぐらいが戦前の稼働率であるから、そこまでは是非
電力
を供給してもらいたいということを言うておりますけれ
ども
、
一般
の需用のほうは大体先ほど申上げましたように、制限をしなくてもよろしい状況でございます。
西川彌平治
72
○西川彌平治君 今の農家の問題はどうですか。
西泰藏
73
○
参考人
(西
泰藏
君) 農事用
電力
でございますが、私
ども
のほうは農事用
電力
全体といたしましては、今仰せの
通り
に農家に対する影響を非常に考えまして、全体の値上率は二割二分三厘でございますけれ
ども
、農事用は一割二分ほどの値上率にとどめておるのであります。併しながら今おつしやいました灌漑用の六割以上とか何とかいうのはいろいろ使用状況とか、いろいろなことが違うのじやないかと思うのでございまして、これは文書を以ちまして御回答申上げたほうが、
数字
的の問題でございますから、よろしいと思います。
西川彌平治
74
○西川彌平治君 この農業の灌漑排水の問題は非常に重大な問題でございまするから、どうか一つ詳細に、この問題は一つ文書を以て御返答頂きたいと思います。 いま一つ私は北陸
電力
に伺いたいのは、御承知の
通り
電解とか、或いは電炉工業におきましては、殆んどこの
電気
が、要するに
原料
と同じような私は性質を持
つて
いるものと考えておるのでありますが、この場合に、かように北陸は
料金
が安いということであすこに工場が集中したものと考えておるのであります。ところが今度値上率が一番高いということは、それは絶対値において安いかも知れませんけれ
ども
、今まで安い
料金
を使
つて
工業をや
つて
おつた者といたしますならば、やはり
値上げ
の割合は大きいのでございます。かような場合におきまして、この
値上げ
をいたしまするに対しまして、あなたの管内におきまする各工場に対しまして、かような
値段
が出た場合にどういうふうなことになるかということに対しまして御相談をなされ、又御相談なさつた結果、その影響がどうあるというようなことが出ておりましたら、
ちよ
つと御知らせを願いたいと思います。
西泰藏
75
○
参考人
(西
泰藏
君) 値上率が電解電炉のように
電気
を
原料
といたします事業が非常に高い、こういうお話でございますが、実は先ほど御
説明
を申しました中にもございましたように、今回は成るべく
一般
国民生活
に影響するような
電燈
、小口のほうを
値上げ
を低くいたしまして、今回
開発
しました
増加分
の大口
電力
のほうへしわ寄せをいたしまして、これは先ほど御
説明
いたしましたようなわけでございます。従いまして大口のほうは少し高く
なつ
て参りました。併し絶対値は飽くまでも非常に低いのであります。又
値上げ
をいたします額も非常に低いのでございます。例えば硫安なら硫安が一トン
当り
に四千
キロワツト・アワー
要る。その場合に値上率は二割五分とかいうようなことでございますけれ
ども
、
キロワツト・アワー当り
は五十銭しか上らない。これはほかの地区のことを申上げまして甚だ失礼でございますけれ
ども
、ほかの所は一割五分しか上げないけれ
ども
、一円上るのだ、同じ硫安を作ります場合には、ほかの地区はそれだけやはり高くなる、そういうような
意味
合いをお考え下さいまして、御了承願いたいと思いますし、なお工業の方々とは、先般来引続き交渉いたしております。そして北陸の特殊的の
事情
による
電気
の出方、それから工場のほうのお使い方とをよく勘案いたしまして、最も安くなるような
料金
方法で御相談しております。今のところ大体御了承は得つつございますけれ
ども
、全般的に御了承願
つて
おるというふうにお考え下さ
つて
結構だと思います。 それからなお、先ほどの農事用の
電力
の問題でございますが、これは文書で御回答申上げますけれ
ども
、お
手許
の今おつしやいました
数字
がどういうようなプリントの
数字
でございますかわかりませんので、
ちよ
つとお
手許
にございましたら、あとでお示しを願いたいと思います。
海野三朗
76
○海野三朗君 先ほど御鄭重な御
説明
を伺
つたの
でありまするが、私時間がありませんからよく落着いて……、まだ私がお伺いするところにぴんと来ないのです。それでわかつたようなわからないようなことでありまして、私元来余り頭がよくないものですから……。で、どうも今日はもう時間がありませんから、今日はもう質問をやめておきます。
中川以良
77
○
委員長
(
中川以良君
) そこで、本日は非常な御熱心なる御質疑を頂いたのですが、時間のない
ため
に十分に御質疑ができなかつたと存じますので、なお今のような御質疑なさる問題がございましたら、文書で一つ
委員長
の所にお出し願います。
委員長
はそれを各
会社
に又申上げて、文書で御回答を願うことにいたします。これはいずれも速記録に残しますから……。一つさようにお取計らいを願いますことに御了承願います。
参考人
の
皆様方
にお礼を申上げますが、本日はお多用中を当
委員会
の
ため
に
電力会社
の首脳部のお歴々の方方が御
出席
を賜わりまして、非常に誠意を以て御
説明
を賜わり、又各
委員
の質疑に対しましても懇切丁寧なる御答弁を賜わりましたことは、私
ども
も誠に感銘を深くするものでございまして、厚く御礼を申上げる次第でございます。
御覧
のごとく当
委員会
におきましては、本日はかように遅くまで、実にこれは異例でございますが、かく熱心に
委員
諸君が審議いたしておりますことは、取りも直さず今日全
国民
がこの
電気料金
の
改訂
に対しまして重大なる関心を寄せておりますところの立派なる現れであると思います。当
委員会
といたしましては飽くまでこれは超党派的に公明なる立場におきまして今後とも
調査
を続けて参ります考えでございます。私
ども
は本日いろいろと御
説明
を伺い、御答弁も承わりまして、今後の審議の上に非常によい
参考
とな
つたの
であります。又
電力会社
におかれましても、
委員
の御質問なり、或いは
意見
の開陳等につきまして大いに御
参考
にな
つた点
があると存じする。こういう点は十分に一つ御検討を賜わりまして、かような時期におきましてこそ、公共事業としての御使命の達成に十分御
努力
を賜わりまするように、この
機会
に
お願い
を申上げる次第であります。本日は誠にどうも有難うございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十九分散会