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1954-07-20 第19回国会 参議院 通商産業委員会 閉会後第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年七月二十日(火曜日) 午後一時三十九分開会
—————————————
委員
の
異動
本日
委員小林英三
君辞任につき、その 補欠として
中川以良君
を議長において 指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
石原幹市郎
君
理事
松平
勇雄
君 海野 三朗君
小松
正雄
君
委員
大谷 贇雄君 加藤 武徳君 黒川 武雄君 西川彌平治君 高橋 衛君
中川
以良君
河野 謙三君 森田
義衞
君 山川 良一君
藤田
進君
天田
勝正
君 武藤 常介君 国務
大臣
通商産業大臣
愛知 揆一君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員
山本友太郎
君
常任委員会専門
員
小田橋貞寿
君
説明員
公正取引委員会
事務局経済部長
坂根
哲夫
君
大蔵大臣官房長
石田 正君
通商産業省繊維
局長
永山
時雄
君
通商産業省公益
事業局長
中島
征帆
君
中小企業庁長官
記内 角一君
参考人
中小企業金融公
庫理事
中野
哲夫
君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
通商
及び
産業一般
に関する
調査
の件 (
中小企業
問題に関する件) (
可燃性織物
に関する件) (電気料金問題に関する件)
—————————————
石原幹市郎
1
○
委員長
(
石原幹市郎
君) それではこれより
通商産業委員会
を開きます。 本日の
議題
は公報の記載にな
つて
おります
通り
、
中小企業
問題に関する件と、それから
可燃性織物
問題に関する件を
議題
といたしまして、更に昨日の
委員会
に
通産大臣
の
出席
がございませんでしたので、
電力料金
に関する問題につきまして
大臣
に対する
質疑
が残
つて
おりますので、昨日に引続きまして
電力料金
問題についても御
調査
、審議を願いたいと思います。
中小企業
の問題に関しましては、先に本院で
中小企業
の
危機打開
に関する
決議
を
全会一致
で可決いたしまして、
政府
に要求するところがあ
つたの
でありますが、その後
中小企業界
におきましては
デフレ
の
影響
が漸次強くな
つて
参りまして、先般
大阪
の
岩田商事
のごとき
有力商社
が
不渡手形
を出しまして、その結果が
中小企業
に
しわ
寄せされる等のことがありまして、誠に深刻の様相を呈しておるのであります。又先般来本
委員会
の
委員各位
にも御
視察
を願いました北海道、或いは中国、九州、ここらの
中小炭鉱等
におきましても、これは大変な
状態
のようであり、又一方
繊維業界
、
繊維
の
生産地等
の情勢も非常なものがあるようでございます。
通産省
のほうにおきましても、過般の
異動
によりまして、
中小企業庁
の
長官
以下幹部の
異動
がございまして、新鮮なる陣容を整えられましたので、この際右の
決議
に対する
処置
と、
中小企業庁
の
デフレ化
に処する
中小企業対策
を聴取いたしたいと考えた次第でございます。本日は特に
公正取引委員会
の
経済部長
と、それから
中小企業金融公庫
の
中野理事
を
参考人
といたしまして
出席
を煩わした次第であります。先般の
決議
にも、
中小企業
に対する不当なる
圧迫
の除去が冒頭に述べられております
通り
、本院及び本
委員会
は、特にこれを重視しているのでありまして、
原材料製造
の大
企業
、親
工場
、
百貨店等
による
デフレ
の
しわ
が不当に
中小企業
に寄せられる危険のありまするとき、
公債取引委員会
の
処置
にも多くを期待するときであります。又
中小企業
の困難は最も強く
金融面
に現われておりますので、
公庫
から
融資状況等
を伺いたいとも思うので、特に
出席
をお願いした次第であります。本日、
政府側
の
出席者
は
通産大臣
、それから
中小企業庁長官
、
振興部長
、それから
公正取引委員会
の
経済部長
、
中小企業金融公庫中野理事
、大蔵省からもう少しいたしまして
官房長
と
銀行
局の
総務課長
も見える次第でございます。 それでは先ず
中小企業庁
の
長官
のほうから、当面の
中小企業
問題並びに
対策等
について一応御
説明
を伺いたいと思います。
記内角一
2
○
説明員
(
記内角
一君) 今度
中小企業庁
の
長官
に新任されました記内でございます。どうぞよろしく御
指導
を願いたいと思います。
只今委員長
から最近のいろいろな
中小企業
に対する
対策
についての
お話
がございましたので、先般
参議院
で御
決議
を頂きました
中小企業対策
に関する具体的な
案件等
を
中心
にいたしまして御
説明
を申上げたいと思うのでございます。 先ず御
決議
の第一点は、
中小企業
に対する不当な
圧迫
、特に
下請代金
の
支払遅延等
に対し厳重な
取締
を励行することということでございましたが、この点につきましては、昨年来
下請代金
の滞りが相当問題にな
つて
おりまして、
公正取引委員会
と
連絡
いたしまして、これが
親企業
が、その
資本力等
を以ちまして下公正に
下請関係
にあります
中小企業
を
圧迫
する虞れがあるということで、この面の是正を
図つて参
つた
次第でございますが、最近におきましても、
中小企業
のやはり同じような不払いの問題が相当あるやに存ぜられましたので、三月未決算を
中心
といたしまして、大
企業
の
方面
と
中小企業
の
方面
と両方の
実情
の
調査
を行いました。これは
公正取引委員会
と共同で
調査
をいたしました結果、一応の
下請関係
についての
実情
は一応の
調査
のまとまりを見ましたので、先般発表もいたした次第でございます。これによりますと、まだまだ最近の
デフレ下
の
影響
を受けまして、相当悪化しているんじやないかという心配もございましたが、それほどの悪化とは窺われないのでございます。併しながら、残念なことに、未だ
改善
されたというところにまでも至
つて
おらないという
実情
でございます。従いまして我々といいたしましては、更に
親企業
の
方面
の
調査
の完了を待ちまして、具体的に
関係企業
を呼び出しまして事情の聴取、或いは
支払改善計画
の指示というふうな点まで進んで参りたいというふうに考えている次第でございます。なおこの
事業
をや
つて
行くにつきまして、いろいろ
人手
の
関係
、或いはそれぞれの
調査
の何と申しますか、権限と申しますか、やり方というふうな点につきまして、
中小企業庁
と
公正取引委員会
とが緊密な
連絡
をとる必要があるということがはつきりいたしましたので、両者
打合せ
まして、近く
中小企業庁
の
関係者
を
公正取引委員会
の本部及び支部のほうに兼務させる、或いは又
地方
の通産局の職員も
地方
の支所のほうに兼務させるというふうなことによりまして、お互いに
人手
を助け合い、更に仕事の上についても緊密な
連絡
が行われるようにいたして参りたいというふうに考えている次第でございます。 御
決議
の第二点は、
中小企業等協同組合
に対する税制上その他の処遇について、他の
協同組合
、例えば
消費組合等
との均衡を図るような
措置
をしろ、又
中小企業者
の団結を強力に推進すること、という御
決議
があ
つた
わけでございますが、この点につきましては、税法上の問題につきましては、
法律
を要しますのでございますが、
租税特別措置法
の先般の改正の際にも、その
附帯決議
といたしまして、ほぼ同様な
決議
がつけられております。従いまして最近の国会の際におきましては、この点について十分御意向に副うように
措置
いたしたいというふうに考えている次第でございます。 第三に、
加工貿易
の推進の問題でございますが、この点につきましては、御
趣旨
の線に沿いまして、今後とも
中小企業者
にこの面の
利用
のできるように
措置
して参りたいというふうに考えている次第でございます。この
制度
が実施いたされました後におきまして、例えば
電気鍋
というふうな面につきましては、意外な
地方
においてすらこの
利用
が行われているというふうな結果にな
つて
おりまするので、今後とも引続きこの
方面
にも力を加えて参りたいというふうに考えている次第であります。 第四の点は、
親企業
振出しの
不渡手形
によ
つて
生ずる
中小企業
の
苦難打開
のための適切な
措置
を講ずること、ということでございまして、具体的には、例えば
不渡手形
の
保険制度
というふうなことを実施するようにという
お話
であ
つた
ように
承知
いたしているわけでございますが、
不渡手形
の
一般
の
貸付
の問題につきましては、御
承知
の
通り信用保険制度
がございまして、国家の信用
保険制度
なり、或いは
府県
にありまする
信用保証協会
の手によ
つて金融機関
の
貸付
に関する不安は一応取除かれることに相成
つて
おりまするが、
手形
を
受取つた者
がそれを
銀行
で割引を受け、その
あと
で
不渡
に
なつ
たというやうな問題が起きました際の
不渡手形
の損失の問題につきまして、直接
中小企業者
の利益を保険するという点につきましては、これはいろいろ複雑な、又デリケートな問題がございますので、私
ども
といたしましてできる限りそういう
趣旨
を達成できますような
方向
でこれの実現を図りたいと
目下検討
をいたしている次第でございます。 なお先ほど
委員長
から御指摘がありました、例えば
大阪
におきます
岩田商事
の
不渡手形
の発生、
支払停止
という問題でございますが、これらにつきましてはできる限りその
影響
が
取引先
、殊に
中小企業等
に波及しないようにということを考えまして、例えば
岩田商事
から
支払手形
を受取りましてこれを
銀行
で割引いてもら
つて
おります織
屋等
がこれによ
つて
いわゆる
手形
の買戻しをしなきやならない、それがにわかの
措置
でありますので、買戻しに不手際を生じますというと、これの、
岩田商事
のあおりを受けましていわゆる
連鎖倒産
というようなことまで発展する慮れがございますので、そういうようなことのないように
銀行
の
方面
におきましても単
名手形等
でこれをできるだけ応急の
措置
を講ずるように、又それに対する
所要資金
を
日銀
においても十分面倒見るように、
金融機関
を
日銀
を通じて
指導
してもらうように、
日銀
にも
申入れ
をいたしておる次第でございまして、又商工中金が相当
岩田商事
の
手形
を割引いておるように
承知
いたしておりますが、この
方面
につきまして同様な
指導
をいたしまして、
目下
のところにおきましては
岩田商事
の
破綻
によりまして直接いろいろな
影響
はありますようでありますが、
面接破綻
に
なつ
たというふうな事例は極めて少く、どうやら今までの
措置
によりまして一応
破綻
は食い止めておるという
実情
に相成
つて
おるのでございます。今後ともこの
方面
の問題につきましては
注意
を払
つて
おりまして万一の不幸な事態に陥らないように万全の
措置
を講じて参りたいというふうに考えておる次第でございます。 第五に回収困難な債権の
損金算入
を認めること、という点でございますが、この点につきましては国税庁と
打合せ
をいたしまして、大体その
趣旨
におきましては了解がついておるわけであります。ただ問題は非常に表現、或いは実際の取扱の
区分等
がなかなかむずかしい問題がございますので、
目下
その細目について
打合せ
をいたしておるような次第でございます。従いましてこの
趣旨
の点も大体近いうちに解決するというふうに考えておる次第でございます。 第六に
中小企業金融機関
に対する
指定預金
の
引揚延期
、
新規預託
並びに
金融債
の
引受
の
増加
を行な
つて中小企業向け
の
資金源
を確保する、又
金融機関
の
中小企業向け
の貸
倒準備金
の
損金算入限度
を
引上げ
るという
お話
でございますが、この
金融機関
の
中小企業向け融資
につきまして貸
倒準備金
の、現在
一般
の大
企業
と同様に千分の十でございましたのを、
中小企業向け
の
増加貸出
が行われました際におきましてはその
増加分
については千分の十五に
引上げ
るということに決定いたしまして、すでに実施に入
つて
おります。そういうことによりまして
中小銀行筋
もいわゆる
事故保険
の
制度
によりまして安心してこの
融資
ができるようにというふうに相成
つた
次第でございます。この
機会
に私
ども
といたしましては最近の
金融
の
取締
によりまして、その
しわ
が
中小企業者
に不当に及んで来るというふうな傾向も見えて参りますので、こういう手を打ちました
機会
にそういうことのないように、いわゆる
全国銀行協会連合会
に要望いたしまして
金融
の成る
程度
の
引締
は止むを得ないが、
中小企業
のほうに不当な
引締
の圧力が加わらないようにということを厳重に
申入れ
をいたした次第でございますが、
銀行連合会
におきましてもこの
申入れ
の
趣旨
を了承いたしまして、従来からございましたのでありますが、
中小企業金融対策委員会
というものを改組拡大いたしまして、
目下
その
改善策
に
努力
をいたしておるというふうな
実情
に相成
つて
おる次第でございます。なお
指定預金
の
引揚げ
の延期につきましては当面の問題といたしまして、六月、七月の分を十月以降にまで延期するということに決定いたしました。八月以降の分につきましても同様の
趣旨
で実施いたしたいというふうに考えておる次第でございます。なお
新規預託
並びに
金融債
の
引受
の問題につきましては、いろいろ折衝をいたしておるのでございますが、最近の
金融引締
という
基本原則
に基きまして、
目下
のところこの点につきましては新らしく
資金
を供給するという点につきましては行悩んでおるという
実情
でございますが、私
ども
といたしましてはできる限り
指定預金等
の
引揚げ
は勿論いたしますが、都合のつきまする限りの
資金
を動員いたしまして
中小企業向け
の
資金源
を確保して参りたいというふうに考えている次第でございます。
石原幹市郎
3
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 次に簡単で結構ですが、
公正取引委員会
の
経済部長
のほうから
中小企業
に対する不当な
圧迫
の
状況
について
具体的措置
のその後の
進行状況
を
お話
願いたいと思います。
坂根哲夫
4
○
説明員
(
坂根哲夫
君)
只今公正取引委員会
のほうでその後と
つた措置
について
説明
をしろという命令でございますが、御
承知
のように三月三十日に
下請代金
の不当な
支払遅延
に関する
認定基準
というものを公表いたしまして、こちらのほうの
参議院
の
通産委員会
にはしばしば
資料
の提出及び
説明
を行な
つて
来てお
つたの
でございます。昨年度は
ちよ
つと簡単に申上げますと、
親企業
三十七社につきまして
支払状況
を
調査
いたしまして、著しく悪いと思われまする
親企業
十社を私
ども
のほうに
出頭
を命じまして、特に経理一部、
購買部
その
責任者
を呼びましてその
支払遅延
の理由を質し、
支払改善
の
勧告
をいたしまして、昨年の暮この十社につきましてはかなり顕著な成績を挙げてお
つたの
でございます。今
出頭
を命じたのは十社でございますが、それからこの残りの二十七社につきましてもその後毎月の
下請
の
支払状況
の
報告
を命じまして、そうしてその
状況
の監視を行な
つて
来ております。特に先ほどの十社につきましては
調査担当官
を各
親企業
の
工場
に派遣いたしまして、実際のその場に当りまして、
工場
内の納品の
状況
であるとか、
検査記帳等
の点につきまして
実地調査
を行な
つて
、悪いのはどしどし改めさせるという
実情
で参
つて
来てお
つたの
でございますが、
只今中小企業庁
の
長官
から御
説明
がありましたように、本年度は
中小企業庁
と共同いたしまして、
株式上場会社
百三十一社をとりまして、そうしてその
支払状況
の
調査
を行うことにいたしているのであります。そうして
只今
の御
報告
のように
下請
のほうの側に関する第一回の
調査
は
中小企業庁
から、私のほうもお手伝いいたしたのですが、発表されまして、これに
関係
しております
親企業
八十社、これを今
調査
を現在
我我
は行な
つて
おりまして、これは恐らく
只今
の
予定
では七月中には
親企業
の実際の
調査
が終る
予定
にな
つて
おります。そうしてこの
調査
の終り次第
下請
の
企業
の実態と一社ごとに照合いたしまして、そうしてその
親企業
百三十一社の
支払
の
遅延
の悪い点からABCのクラシフイケーシヨンをいたしまして、特に悪いと思われるものにつきましては私
ども
のほうに昨年のように呼出しまして、そうしてこれの
支払改善
を
勧告
いたしたいと
思つて
おります。勿論一月三十日に発表いたしました
認定基準
の
通り
にや
つて
いるかどうかということはそのときの
基準
になると思うのでありますが、大体それを八月の中頃には我々としては一つや
つて
行きたい。なお且つこの
改善
の
勧告
を聞かないという場合には、私
ども
のほうの手続によりまして
審判開始
をして、そうしてその
方法自体
を解決いたしたい、こう考えておる次第でございます。 なお、たしか最後のこの
通産委員会
におきまして、三月三十日に発表した
認定基準
がよく周知徹底されておらないという御
注意
を受けたのでございますが、これは
只今
その内容の解説をパンフレットにして、そうして各
府県
の
商工課
、或いは都市の
商工会議所
、或いは
中小企業団体
に頒布いたしまして、これの
周知徹底方
を図りたいと、こう考えております。
石原幹市郎
5
○
委員長
(
石原幹市郎
君) それじや次に
繊維局長
のほうから、
中小企業
にも非常に関連を持ちますので、
可燃性織物
のその後の
概況
を、簡単でよろしうございますから、御
説明
願いたいと思います。
永山時雄
6
○
説明員
(
永山時雄
君) 私先般の
通産省
の
異動
で
繊維局長
を拜命いたしました
永山
でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
可燃性織物
の件につきましては、すでに両三回、私の
前任者
の当時にこの
委員会
で或る
程度経過
の御
報告
を申上げておるようでございますし、又先ほど来、
地元川俣
或いは横浜の
方面
の
関係者
のかたからも
お話
がございましたししますので、従来の
経過
のうち、極く最近の
状態
につきまして私から御
報告
を申上げて御
参考
に資したいと、かように考えております。 この
修正案
の
経過
は、
先ほど関係者
のかたから
お話
のあ
つた
通り
で、上院はすでに可決をいたしまして、現在
下院
にかか
つて
おるような
状況
でありますが、
下院
のその後の
状況
は余り
動き
がないようでございます。で、むしろ
政府
の出先からの
報告
によりますると、現在のところこの
委員会自体
の
動き
は余りないので、的確な見通し、予想というものを立てることが非常に困難だと思います。ただ無論従来からの
方向
で、折角各
方面
に運動と申しますか、いろいろ、要請中であるので、その辺を総合して判断をして見ると、現在の
可燃性
の
織物
の
法律
が、四秒以内で燃え切るという、時間の単位が四秒ということにな
つて
おるのでございまして、それをアメリカの
政府
のサゼッシヨンにかかる三秒
程度
に
短縮
をするということで或いは通る
可能性
があるのではなかろうかというような推測的な情報をもたらしておるのでございます。現在の
法律
の四秒で参りますると四匁半、或いは五匁以下のものが大部分引つかかるのでございますが、これが
只今
申上げたような三秒ということになりますると、大体のものは救われる、三匁
程度
まで大体救われるということになりまするので、問題が大体において殆んど消滅して来るのではなかろうかというように考えられるのであります。無論
スカーフ自体
を真正面から除外をするということが一番望ましいのでありますが、我々としては、第二段の考え方としては、
只今
の三秒に
短縮
という案がせめても通過すれば非常に
改善
をされるということで、専らこれに期待をし、そういう
方向
に更に
努力
を重ねたいと、かように考えておる
状態
であります。大体現在の
状態
は以上申上げた
通り
でございます。
石原幹市郎
7
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
中小企業金融公庫
の
中野理事
のほうから何か……。
質問
もあると思いますが、若しあなたのほうから特に先に言
つて
おいたほうがいいというようなことがありましたらこの際……。
中野哲夫
8
○
参考人
(
中野哲夫
君)
資料
をお配りいたしてありますが、
如何
いたしましようか。
石原幹市郎
9
○
委員長
(
石原幹市郎
君) どうせ
質問
が出ますから、すぐ
質問
に答えるということであればいいんです。
資料
を配
つて
ありますか。
中野哲夫
10
○
参考人
(
中野哲夫
君) 配
つて
あります。
石原幹市郎
11
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
資料
の
説明
でも
ちよ
つとまとめておきましようか、よろしうございますか。
天田勝正
12
○
天田勝正
君 これは
資料
が
ちよ
つと厖大で、ほかの話を聞きながらでは、
ちよ
つと読み切れない。
石原幹市郎
13
○
委員長
(
石原幹市郎
君) それでは
大臣
が見えましたから、これから
質疑
に入
つて
行きたいと思いますが……。
小松正雄
14
○
小松正雄
君 甚だ僭越でありますが、今
休会
中に、御
承知
のように三班に分れて、
中小企業等
の問題を
中心
にして、各班とも
調査
をされておることと思いますので、ですから今日その
報告
をしてもらいますといろいろ
参考
になるんじやないか、幸いに又
大臣
も見えられておりまするので、
現状
のあり方を代表的に
報告
をして頂くようにしてはどうかと思いますので、お諮り願いたいと思います。
石原幹市郎
15
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 結構だと思いますが、案はこの
委員会
で
あと
で懇談のときに御相談申上げようと
思つて
お
つた
んですが、この次の
機会
にゆつくり、殊に
中小炭鉱
の問題などは又相当真剣に研究しなければならん問題もあると思いますので、そう考えてお
つた
んですが、今日併し
大臣
も見えておるので、火急的な問題であるから、簡単にでも
概況
を話したほうがいいという
皆さん
の御献血であれば、
質疑
に入る前に極く簡単に御
報告
を
願つて
もいいと思いますが、これは
皆さん
にお諮りしたいと思います。
藤田進
16
○
藤田進
君 当然
報告
をされなければならんと思いますので賛成いたしますが、その
順序
ですが、一応昨日の継続している
質疑
、殊に
大臣
に対する
質疑
が残
つて
おりますから、その点は一応済まして頂いても支障はないのではないだろうかと思いますが、
如何
でしようか。
松平勇雄
17
○
松平勇雄
君
大臣
はここにおられる時間がどのくらいおありになるか、それによ
つて
やはり
順序
があると思いますが。
石原幹市郎
18
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 四時半くらいまではいいそうです。どうでしよう、
電力料金
や重点的な問題を一応
大臣
に
質問
して、それから適当な頃合いで、それはどうせ関連して各地の
状況等
も出て来ると思いますから、適当な頃合いに御
視察願つた模様
を入れてもらうと、こういうことで
如何
でしよう 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
石原幹市郎
19
○
委員長
(
石原幹市郎
君) それではそういうふうに進行いたしたいと思います。
藤田進
20
○
藤田進
君 それでは昨日私の
質問
を保留いたしました点について
大臣
にお伺いいたしたいと思います。事務的なと思いますが、昨日
公益事業局長
について若干の
事務的面
の
質疑
をいたしました。ところがその
質疑
の中で、特に
電気料金値上げ
の
申請
に関連する問題は、すでに
事務当局
の手を離れて、むしろ
政府自体
の
政策
との
関係
の段階ではないだろうかという私は印象を受けております。従いましてそういう昨日に継続してでありまするので、さよう御
承知
の上で、非常に、何といいますか、今日だけお考えになると
順序
を飛び越えたようなことに聞き取れるかもわかりませんから、この点はあらかじめ御
承知
おき願いたいと思います。 昨日
各社別値
上
率並び
にほか三つの
資料
を頂きまして、それぞれ
説明
を受けたわけでありますか、この
資料
に基いて見ますると、
各社別値
上率、この
申請
、
査定案
、こういう二段にな
つて
おります。この
査定案
は
通産当局
としては最終的なもので、
現状
、
電力会社
の
収支バランス
を考えるとこれだけの
値上げ
乃至特定な
会社
については二%
位下げ
というか、この
数字
による以外にないということであるが、一方
政策
の
関係
もあ
つて他
の面、即ち
値上げ
をしないで金利なり或いは税金の面なりでカバーをするという
方法
について
検討
もしている、このように聞くわけですが、
新聞等
で
休会
中伝えられている
通産大臣
の態度としては、この
通産当局
の
査定案
ですね、ここにあります
査定案
を
通産大臣
としてはこれを呑んでこの
通り
すべきであるが、一応問題が問題であるので閣議というか、
閣僚講談会
というかお諮りに
なつ
た結果、どうも当初
通産大臣
が決意せられたとまあ言われているが、その
通り
に進まないで、他の面でカバーすべく
目下検討
が続けられている、まあこのようにも伝えられているわけです。その真相は明らかでありませんが、要するにこの
査定案
というものは
通産大臣
とせられても
如何
ともしがたい
数字
で、これはやはり呑まざるを得ないという上に立
つて
のこれに代るべきものであるのか、この
査定案自体
がまだ決定したものではないのかどうかですね、
大臣
としての立場から先ずお伺いいたしたいと思います。
愛知揆一
21
○国務
大臣
(愛知揆一君)
只今
御
質疑
がございましたような、何と申しますか、
経過
を辿
つて
来ておるのでありますが、私といたしましては
電力料金
というものが現在の
制度
の下において考えた場合においては、或る
程度
の
値上げ
ということは止むを得ないという結論になりしますことは明瞭であると考えるのであります。で、現行
制度
の下において先ず国家的な要請に応じて電源の開発をや
つて
参りました場合に、資本費が増嵩する、その資本費の増嵩をどうや
つて
賄
つて
行くかということは、これは現在の
制度
においてはその相当の部分を料金に織込むということにな
つて
おりますから、従
つて
そういう観点から
会社
側から
申請
して来た案を各
方面
から慎重に
検討
いたしました結果、相当当初の
申請
案とは幅ができましたけれ
ども
、大体平均して七分弱のところが先ずこれは事務的に考えれば妥当なところである、こういう結論に
なつ
たわけでありまして、私といたしましては、現在の
制度
の下においては
事務当局
が相当の
努力
を積んで出して来た結論というものが望ましい結論である、こういうふうに考えたわけであります。併しながらその案に対しまして、
只今
も
ちよ
つと
お話
がございましたように、いろいろの点から更に
検討
する必要があるということに、
政府
全体としては考えておりますから、未だ
政府
全体としての結論は出ていない、こういう
状態
でございます。
藤田進
22
○
藤田進
君 まあ料金の
値上げ
については、広く反対の意見もあるし、又実際に上げなければならないのであるかどうかという疑問もその中には含まれていると思います。ところが今回六・八%乃至一一%という
数字
が発表されて、
通産大臣
もこれを是とされて鋭意その
方向
で進められつつあるということでありますだけに、問題がかなり急迫して来ていると思われるわけですが、今のお答えを聞きますと、
事務当局
の六・八%についてはこれを了解をして、ただこの料金そのものの
値上げ
だけでなく、他の面でこれを成るべく、料金直接の
値上げ
を避けようという過程にあるように伺うわけですが、そういたしますと、結局が料金
値上げ
という
方向
でありましようが、実際にこの六・八%等、カバーするほかの
方法
について、具体的にはどういうものがあるのだろうか、本日は大蔵
関係
のかたにもお見え頂いておるはずでありますから、
通産大臣
と共にその
方面
の意見も聞きたいわけですが、仮に金利の面でこれを処理するとすればどういうことをお考えにな
つて
いるか、税の面であればこの
数字
にも見られるように各社別の
値上げ
の率というか、こういうものが違
つて
おりますから、従
つて
税体系全体から見て非常に困難ではないだろうか、税の面での処理が困難ではないだろうか、そういうふうにも伝えられております。これらの点ですね、より具体的な今の
経過
をお尋ねいたしたいと思います。
愛知揆一
23
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ほど申しましたように現行
制度
の下においてということであるならば、私は料金をどうしても或る
程度
上げなければならないと思います。そこで
事務当局
として第十九国会においても御審議を願
つた
国税、
地方
税等を通じ、或いは開発
銀行
の金利等において決定したところを織込んで、そうして一方においては
会社
自体のいろいろの
企業
努力
という点、それから経費、炭価の見込というよう議をいろいろ取上げて、それを要素にして六分八厘というような結論が出たことは御
承知
の
通り
であります。併し同時にこれは現在の
政府
全体としてのいわゆる
デフレ
ーシヨン
政策
の推進の途上において、更に多
方面
からこれに対して、できるだけ
値上げ
をするとしても最小限度にしたい、又できるならば
値上げ
ということでなしに考えることはできないであろうかという意見が相当強くもありまするので、一方において六分八厘というようなものの根拠にな
つて
おるいわゆる赤字百九十数億円について、更にもう一度、なかなか困難ではあるがもう一応も二応も計算をや
つて
見る必要があるかどうかという点を、実は
只今
のところ考えておる点であります。 それから同時に一方においては、更にそのほかの
方法
において
値上げ
をしないで済ます
方法
はなかろうか、或いはするとしても最小限度にするのにはどういう
方法
があろうかということで、これらの点については
関係
省においても至急対案を一つ考えるということにな
つて
おりますが、まだ具体的な結論までは至
つて
おりません。
藤田進
24
○
藤田進
君 そういたしますと、先ほどの
事務当局
が鋭意
検討
した結論だという六・八%というものが一応
数字
で出ておりますが、これは勿論今のお答えにもありますように、諸般の、合理化すべきものはする等々、考慮の上で
申請
の
数字
よりもかなり大幅に削り、ここに削
つた
結果に
なつ
たというふうに当初伺
つた
わけですが、なおこの
数字
については更に
通産省
としても再
検討
して、この
数字
は変るものだというふうにも又今聞えるわけで、昨日のところはこれは相当自信を持
つて
出したものであ
つた
、まあ変らないものだというか、そういうことであ
つた
わけですが、一応この
数字
が本当に一応のものであ
つたの
か、やはりいろいろ
検討
された結果もう動かないということで、
数字
は動かないが併し
収支バランス
の上で、他の面でこれに代るべきものということなのか、そこらが非常に幅があ
つて
今のお答えではつかみどころがなくな
つて
しまうわけですが、この点を先ずお伺いしたいことと、先はどお伺いしたのは、より具体的な、やはりこれに代るべき、
数字
に代るべきものが金利なり税金なり、どういうお考えであるのか、開くところによると、大蔵省案によれば閣議等でかなり詳しい
説明
があ
つた
やに漏れ聞いておりますが、それによればかなりこの
通産当局
の
数字
よりも違
つた
ものが出て来たやにも聞いておるので、そうなればこの
電力料金
の問題は世上
値上げ
されるように伝えられ、又
政府
の部内におかれては上げなくてもいいような議論もなされていたり、又他の面でカバーするように言われていたり、
一般
国民の需用家としてはそのいずれが真なりやということをこの際明確に知りたいという段階だろうと思うわけであります。こういう
趣旨
からより具体的な
経過
を併せてお尋ねを重ねていたします。
愛知揆一
25
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ほど来申しておりますように、
政府
としての最終の結論はまだ出ておりません。いろいろと再
検討
の途上にあるわけでございますから、断定的に申上げることは今日のところではできないのであります。 それから六分八厘の問題でありますが、これは先ほどから申しておりますよりに現行
制度
の下においては事務的に長いことかか
つて
検討
に
検討
を重ねたものでありますから、一応これを妥当なりという前提に私も立
つて
おります。
藤田進
26
○
藤田進
君 今日のいわゆる自由主義経済という中にあ
つて
、電気或いは交通等の一部料金等に関する
政府
の認可
制度
というものが残されている産業においては、
法律
上の問題としてかなりこれはやかましくな
つて
来るのではないだろうか、この結果
如何
によ
つて
。もとより大幅
値上げ
等
デフレ
政策
と称せられる段階においての物価
値上げ
、改訂ということは非常に重要な問題になりますが、又一方現在の産業の機構、殊に
法律
的な立場から見れば
通産大臣
自身が六・八形の
値上げ
を是なりという査定をなす
つた
ところが、時の
政府
の
政策
によ
つて
、本来は
通産大臣
が認可すべきものが、これが他の関連した大蔵省その他のいわば内閣においてこの
値上げ
は罷りならんということになります場合に、やはり当該電力
事業
者等は問題にするであろうと予想される点は、
申請
を受理して、そして
法律
に定める原価主義をと
つて
、その原価はいろいろ
検討
の結果六・八なら六・八というものがこれは
値上げ
が必要である、平均……。これは個々の解釈でしようが、具体的にはいずれにしてもこの
値上げ
必要なりということを所管
大臣
がこれをきめた、そういう肚に
なつ
たということであるのに、それが実施できないということになると、結局私
企業
という立場からこれに代るべきものをどうするかというような非常な問題が出て来るのではないだろうか。一方国民需用家の要請は無論あることであります。こういう点から少くとも基幹産業として電気
事業
というものが今のままの機構なり運営なりで果して将来うまく行くだろうかという疑問さえ新らしくここに
検討
すべきものがあるのではないだろうか。これに開発
会社
の開発に伴う発電所の帰属なり運営なりが又問題にな
つて
参りましよう。こういう電力行政全体の上にやはり問題が強く出ているように思うわけですが、それは一応おくといたしまして、そうい
つた
原価主義をと
つて
申請
し、これを是なりとしているにもかかわらず所管
大臣
としてはそれが認可できないと、今そういうことにな
つて
おるだろうと思われるわけですが、そういう点に対する
通産大臣
としての
説明
がどうあるのだろうかと思いますのでお伺いしておきます。
愛知揆一
27
○国務
大臣
(愛知揆一君) これはしばしば申上げまする
通り
現行の
制度
を公共
事業
令の下におきまして原価主義をと
つて
そうしてその原価主義によ
つて
査定をする、その現在与えられておる条件の下においては私は或る
程度
の
値上げ
は止むを得ない、でその或る
程度
とは何かと言えば非常に
努力
をいたしまして出て来たところの結論が
事務当局
の案である、私はこういうふうに解釈しております。従
つて
原価主義を逸脱するような結論が出ることは困ると
思つて
おりますが、併し前提となる条件なり
制度
なりについてその原価、資本費の増嵩ということを基から消すような新なる
動き
というものが更にでき得るならばその建前の枠の中において更に一歩前進してこの問題の処理ができることは可能である、私はこういうふうに考えております。
藤田進
28
○
藤田進
君 そういたしますと、若干の
数字
のズレはあるといたしましても大筋としては六・八%という
値上げ
の査定をこれを呑む、併し
数字
のこの六・八%によらないで他の面でカバーするということになれば結局六・八%の見返り分だけが他の面でカバーせられる、こういうふうに解してよろしうございますか。
愛知揆一
29
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ほど御指摘ありましたように六・何%或いはその基にな
つて
おる赤字が幾らかということは、これはその計算のときの条件の下において私は一応妥当であろうというふうに考えております。従
つて
その条件等において再考の余地があるというようなことであれば絶対的にこれでなければびた一文まからないというものではなかろうと私は思います。
藤田進
30
○
藤田進
君 そういたしますと、六・八というのはやはり
動き
得る、それは将来の実績なぞいろいろ御
検討
なさる過程に時間も立つことで仮に九月の決算が出て来て見れば又そこでチエツクし得るとか、そういうことを意味いたすわけですか。
愛知揆一
31
○国務
大臣
(愛知揆一君) そういうこともあり得ると申上げたのであります。
藤田進
32
○
藤田進
君 この各省関連省においていろいろ
検討
されているという
お話
ですが、一応
事務当局
の六・八%上げるということになればこれは大事な問題だということで他の見返るべきものを
検討
するというようなことに
なつ
たように見受けるわけですが、それらの作業なり最終的な結論、世上では大体電気料金は上らないだろう、料金は上げないで何とかほかの面でこれはできるだけカバーせられるのであ
つて
、カバーできなければそれで仕方がないんだ、そういうことで料金の
値上げ
は大体あれで
政府
としてはしないらしい、こういう印象を受けているわけですが、実際はお伺いいたしますとまだそういう最終的な結論は出ない、出ていないということであるといたしますならば、いずれにしても
申請
されてかなり長い間論議もし、我々も
通産委員会
において十九国会を通じて
調査
を進めた案件であるわけですが、大体の見通しですね、今後いつ頃一体上げるなり、上がらないなり、その他の
措置
なりいつ頃その目途を
政府
としては作業的にお進めにな
つて
、いよいよ
政府
の態度によ
つて
通産大臣
が正規に断を下すといいますか、そういう時期はいつ頃になるのでしようか、その見通し、目標をどこに置いておいでになるかお伺いいたします。
愛知揆一
33
○国務
大臣
(愛知揆一君) 私といたしましては成るべく速かに、今御懸念がございましたようにのんべんだらりとや
つて
何らの
対策
なしに
値上げ
もしないということでのんべんだらりと行くことは私といたしましては困ることと考えております。成るべく速かに処理いたしたいと思いまして、先般の閣議なり、閣僚懇談会なりの
あと
を受けまして何とか
政府
の意見が早くまとまりますように、それも積極的な意味合いにおいて早くまとまりますようにいろいろと私といたしましても善処を続けておるつもりでございます。
藤田進
34
○
藤田進
君 その大よその見通しですね、時期、これはやはり時期と関連のある問題でしようからいろいろお急ぎになることはわかりましたが、大よそいつ頃その結着が出ますかですね。
愛知揆一
35
○国務
大臣
(愛知揆一君) 私の希望といたしましてはできるだけ早くと、そのできるだけ早くというのは相当に早いつもりなんでありますが、
ちよ
つとこれは今の扱い方が
政府
全体の結論を出そうということにな
つて
おりますから、確実に何月何日と申上げるところは
ちよ
つと御勘弁を願いたいと思います。
藤田進
36
○
藤田進
君
法律
的には、
通産大臣
が専決せらるべき事項にな
つて
いると思うわけですが、やはり閣議におかけになるということは、いわば過般の指揮権発動のようなわけで、
ちよ
つと待
つた
という事情があ
つた
わけですか、そこらの事情はどうなんですか。(笑声)
愛知揆一
37
○国務
大臣
(愛知揆一君) これは非常に率直なお尋ねですから率直にお答えいたしますが、指揮権発動のようなふうな意味合いの扱い方では全然ございません。念のために申上げますが、
法律
上専管の事項でありましても、そのときの情勢により問題の何と申しますか軽重によりまして閣議決定、その他重大な
政府
としての決定の方式をとりますことは非常に例が多いのでございまして、今回の場合におきましても、私といたしましても非常にこの問題は重要な問題でございますから
通産省
としての考え方、現行
制度
を忠実に守
つて
行くべきであるという考え方からすれば、事態はかくのごとくであるのであるということははつきり
政府
部内にも反映いたしまして、その結果責任がとり得るような結論を求めたいというふうに私も考え、又他の閣僚全体もそういう取上げ方を希望し、且つ決定いたしたわけでございます。
藤田進
38
○
藤田進
君 他の面の事情は大蔵当局に後刻お伺いしたいと思いますが、併し
通産大臣
は大蔵政務次官等々こうい
つた
面は非常に詳しいかたなんで、大蔵当局よりもむしろ
通産大臣
のほうがいいかとも思いますから、一点だけお伺いしますが、他の面でこれをカバーするということになれば実質的には料金
値上げ
と同じように需用家にふりかかるものもあり得るだろうと思います。或いは電気税などの操作にいたしましてもなかなか今日それぞれそれが全部電気税がついているわけでもないし、又税収入についてもそれぞれ
地方
的ないわゆる自治団体との
関係
もございましよう。ですが、先ほど来なかなかお答えがないわけですが、金利なり税金なりというような面についておよそ六・八%に見返るべきものをどの
程度
に押さえ、そして
目下
大体どういうアイデアでこれをお進めにな
つて
いるかということは是非一つ御発表願いたいのですが。
愛知揆一
39
○国務
大臣
(愛知揆一君) それは誠に御尤もなお尋ねでございますし、私も歯切れのいいお答えをいたしたいことは山々なんでございますが、何分先ほど来縷々申上げておりますように、
関係
省の間で十分一つ話合いをつけて行こうといたしておりまする
関係
上具体的に何税において幾ら、或いは何の金利についてどれだけをや
つた
ならばこの赤が消えるかというような点について
只今
のところまだはつきりしたお答えをするまでの研究は積まれておりません。
藤田進
40
○
藤田進
君 非常に残念ですが、閉会中で実は本日だけで
委員会
も終る
予定
で
委員会
としてお聞きする
機会
がなくなるので、若し進行中にこれだけはというものがあれば是非お聞かせ頂きたいと思います。 なお現在世銀等この外資に関連して
調査
団がそれぞれの立場から数組参
つて
いると聞いております。これには直接
通産大臣
としても衝に当
つて
おられるようにも伝えられておるわけですが、今度の
電気料金値上げ
に関連してこれらを考えて見ますると、結局は
電気料金値上げ
の
方向
に諸般の事情から
政府
としても追込まれて行くのではないだろうか。何故ならば過般の火力借款に関連して
政府
は速かに電気料金の改訂を、自己資本の調達でき、その他増資等のできるようないわば料金
値上げ
の
方向
を意味する世銀に対する保証をいたしておる、速かに料金の改訂をするという非常にはつきりした形で世銀に保証を与えておる。そういう面からすると最悪な事態になると、やはりまあ現在のところ三社のようですが、火力借款はこうい
つた
ようなところから結局
電気料金値上げ
という保証は崩れて来た、
政府
から崩れて来た、よ
つて
我々
事業
者としては非常に困
つて
いるというようなことになりますと、
政府
としても何らか追込められたような恰好で、そう言わせないように御
努力
になるのではないだろうか、そうしないと他の借款がむずかしくなるということで、一本やはり電気
会社
のほうに
政府
はとられている形ではないだろうかというようなことが心配せられている向きもあるようなわけですが、世銀等の
調査
団、或いは直接折衝に当
つた
人々の説を聞くと、やはりこのペーパー・プランでこんな電源開発五カ年計画をやるのだとか、いろいろな美辞麗句を並べた
数字
ではなかなか外資というものは入
つて
来ない、借款は成立しない、それよりもビジネスとして本当に実施可能なものであり且つ保証等について裏付が本当にあるもので実施されるものでないと、うかつなことはしないで、必要以上の世銀等は神
経過
敏にな
つて
いるということも聞いているわけで、それらの事情からすればたまたま
調査
団が乗込んで来たりしている矢先であるからこれらの曾
つて
の火力借款保証との関連で電気料金というものは結局先ほど申上げたような勝負がきま
つて
しま
つた
ような形ではないだろうかという危惧があるようでありますが、これに対して
政府
は、
通産大臣
は直接
お話
をなさ
つて
いるわけで、この交渉場裡における事情等からどういう世銀に対する
説明
をなされようとするか、又それらの面からの見通しはどうなのか、お答え頂きたいと思います。
愛知揆一
41
○国務
大臣
(愛知揆一君) 火力借款の附属の約束で今御指摘のようなものがありますことは御
承知
の
通り
でございますが、実は率直にこの
経過
を申上げますと、今回参
つて
おりまする世界
銀行
調査
団は主として農業
関係
の
調査
団でありまして電力
関係
の世界
銀行
の人は実は暫らく前に日本に来ておりましていろいろの事情を調べてくれたのでありますが、この人たちは二週間ほど前に一旦帰国いたしました。でその
調査
員の人たちに対しましては他のいろいろの問題を合せた一つの問題としてこの料金の最近の
会社
側からの
申請
案或いはそれに対する
通産省
側の見方というようなものについても相当詳しく調べて参りました。そしてその結果はどういうふうであるかということについては何もそのほうからは意見も何も出ておりません。で、問題はやはり私が先ほどから申しておりますように、現在の
制度
で資本費が上る、その上るものは料金でカバーするというこの現在までの建前の下においては上げるほうが合理的であろうと、こういう意見を持つことは当然かと思うのでありますが、同時に全体の経済
政策
の行き方から申しまして何らかその下において
値上げ
に当
つて
来るところの要素を減らすことができるならば、遮二無二料金の
引上げ
だけということを掲げて問題の処理を迫るということは私は断じてないというふうに考えております。要するに合理的な解決の
方法
がある限りにおきましては合理主義の上に立
つて
ものを考え或いは借款の交渉を常にや
つて
おりまする世界
銀行
当局の立場としては合理的である限りにおいてその処理については文句はないと、私はこういうふうに
思つて
おります。
藤田進
42
○
藤田進
君 その合理的なということの内容ですが、勿論外交上
金融
折衝についてもその合理的な内容さえ整えば意味は同然ですから問題はなかろうかと思いますが、そうすると六・八%というものを若干縮めて他に代るべきものと、こうコンパウンドして、そういう形をお考えにな
つて
おるようにも今想像するわけですが、そうなんですか。
愛知揆一
43
○国務
大臣
(愛知揆一君) 大体先ほど来抽象的ではございますが申上げておりますことによ
つて
大体お酌みとり頂けるのではないかと思うのであります。
藤田進
44
○
藤田進
君 それから本日明日に亘
つて
規則聴聞会が行われておるようでありますが、これは昨日の
説明
を聞きましても料金問題と密接な
関係
がある、可分し得るものではあるけれ
ども
、今回かなり不可分の要素が強いという意味の
説明
を伺
つた
わけですが、この規則聴聞が終
つた
あと
いろいろ事務処理諸般の手続を経てこれが規則の確定ということがあるだろうと思われるわけですが、この規則の
通産大臣
として最終的決定をし公布せられる時期をいつ頃にお考えなのかお伺いいたします。
愛知揆一
45
○国務
大臣
(愛知揆一君) 今日開いておりまする聴聞会は申すまでもなく電気需給調整規則を改正するということを考えて開いておるわけでございます。で、先ほ
ども
その日にちをはつきり何月何日と申上げることはできないと申しましたけれ
ども
この
関係
もございますから私といたしましては非常に速かなる
機会
に料金
制度
の始末、料金収入の
値上げ
問題の処理というものをできるだけ速かにいたしたいと考えておるわけでございます。
藤田進
46
○
藤田進
君 速かにということで、なかなかおよその目標というものはありそうなものでなかなか発表、お答えがないので遺憾です。遺憾ですが他の
委員
の
質問
もあろうかと思いますので私は次の二点他の問題でお伺いしたいと思います。 その第一点は電源開発
会社
の開発にかかる発電所、その他送電設備等の問題ですが、現行電源開発促進法によれば、これは無論発電所の譲渡或いは送電もでき得ることにはな
つて
おりますけれ
ども
、現実の事態として私
ども
過般各地の
調査
を進めて参りました。その実態の把握は開発
会社
の発電所が漸次完成いたしまして発生電力を見るに至る、こういうときにおける問題でありますが、東北
地方
におけるこの猿ヶ石その他多目的ダムを
利用
したこの発電所、こういう場合は比較的発電のキロワット当りの単価も低いわけで、現行
電力会社
に充電して運営するということが比較的容易に行われて来たと思います。併しこれから
あと
逐次でき上る電源開発
会社
の発電所の発電コストというものは、かなり高いものになる。そうなるとこの電力を当該地域の
電力会社
に売る場合ですね、当然単価の問題が出て来るだろう。只見川であれば只見川について相当コスト高に、旧来の発電所を含めて経営している
電力会社
の平均単価よりも、非常に飛び抜けて高いものになるだろう。その場合に電気料金との
関係
で、電気料金が今回非常に大幅に
引上げ
られれば、そういう問題は解決されるかも知れないけれ
ども
、それは国民、需用家が許さないという情勢にある。この意向を
政府
が酌んで処理されるということになれば、余り大きな
値上げ
というものは行わないという前提に立たなければなりません。そうな
つて
来ると当該
電力会社
が開発
会社
の電力を、先ず売り買いの問題のときに現行法では買わなければならんという義務はないように
法律
上解されておる。併し他の品物と違
つて
、倉庫に貯蔵しておくわけには行かない。遊ばせるわけにも行かないということで、まあ直接電源開発
会社
が大口なり何なりに直送してこれを売るということも、設備上到底これはできることでもないということを考えて見ますると、ここに電気
事業
全体の問題としての機構上、運営上、
政策
上の問題もありますが、当面開発
会社
の発電所の売電をどうするかという問題が起きて来るのではないか。私は起きつつあると思います。こういう始末をどういうふうにお考えなのか、或いは来たるべき国会において立法
措置
として何かお考えになろうとしているのかという点をお伺いしたいのであります。これは当該発電所を譲渡する場合についても、
法律
上はきめてあるけれ
ども
、恐らく現在の
電力会社
で厖大な発電設備を買いましようということは不可能ではないかというような問題がまつわ
つて
おりますから、それだけに電力
政策
として
通産大臣
はどのようにこれを
処置
されようとするのかお伺いしたいのであります。
愛知揆一
47
○国務
大臣
(愛知揆一君)
只今
お挙げになりました問題は、私
ども
としても慎重に研究しなければならない問題であると、そうして申上げれば、そういう性格の問題であると思いますので、今ここに私
ども
のはつきりした見通しに基く
政策
というものを申上げるだけの用意は未だいたしておりません。併しながらまあ強いて申上げますならば、私は
只今
のところ私見としてこういうふうに考えておるわけでございます。で、それは
只今
お話
がありましたように、開発
会社
の電力が現下の情勢において極めて高価であると、常識的に高価であるということは、どうもこれは肯定せざるを得ないのでありますが、その高価でありましてもその供給というものが必要であるという限りにおきましては、
電力会社
がこれを購入しなければならないというふうな極めて常識的な考えでございますが、そういうふうに考えるべきものではないかと思います。それから開発
会社
の性格の問題でございますが、これは現在御
承知
のように佐久間とい
つた
ような大規模な所を初め相当大がかりな建設を進行しておる途上にあるわけでございますが、これらのものの完成をいたしまして、出力が現実に出て参りまする、そういうときまでには、先ほど申しましたように、諸般の条件や将来の見通し等、十分に
検討
いたしまして、慎重に研究をして結論を出すべきものではないかと考えております。それから販売価格について、或いはプール
制度
にしたらどうかというふうな御
趣旨
にとれるような御発言もあ
つた
かと思いますが、これらの点につきましても、同様慎重に考慮いたしたいと思います。
石原幹市郎
48
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
ちよ
つと申上げておきます。
只今
大蔵省のほうから石田
官房長
、佐竹
調査
課長、大月
銀行
局
総務課長
、広瀬主計官が見えておりますから……。
藤田進
49
○
藤田進
君
大臣
の時間がかなり
あと
の御
予定
があるとすれば、一応
大臣
に
皆さん
もお
質疑
になるでありましよう。ですから簡潔にしたいと思います。で、私今
大臣
に申上げたのはこうすべきだということの意見は持
つて
おりますけれ
ども
、それよりも立派な案を
通産大臣
お持ちだろうと
思つて
お伺いしたので、まだ具体的な、何も具体的なものがないということであれば出すべき段階には私は又出したいと思いますけれ
ども
、併し只見にしましても、その他逐次発電を開始する段階に近寄りつつあるのですね。そういうことなのに、その後始末をどうするかが所管
大臣
、所管省としてまだ何もないということでは、これは非常に問題だと思いますので、できてしま
つた
ら何とかなるだろうという考え方でありますのですね、併し
政策
としてもやはりちやんとできることはわか
つて
おるのでありますから、できたらどうする、こうするということは、当然一つ早急にお考え頂く必要があるのじやないだろうかと思いますので要望いたします。 次に電源開発
会社
の問題ですが、かなり世上非常な疑惑を持
つて
、今日どういうことなんだろうかという問題の一つに総裁、副総裁の更迭問題が出ております。これは私
ども
開発
会社
の
状況
を見ますると、必ずしも今この人の更迭という時期というか、そんなに安閑としておられるような開発
会社
の事情ではないのじやないだろうか、而も再任まだ五月の末だ
つた
かと思うわけで、一月余りにな
つて
ですね、ますます必要度を深めつつあるこの電源開発
会社
の任務に就いて、突如としてどうも一身上の都合でですね、個人の都合というから……、おれはやめたというようなふうにも伝えられて、昨日
公益事業局長
に質したところ、どうも少しお答えが無理じやないだろうかというふうに伺いましたので、本日
大臣
にお伺いしようということにいたしましたわけでありますが、高碕総裁なる人がさように無責任に一身上の都合でおれはやめたと言
つて
途端にさじを投げてしまうような人なのか、或いは又詰腹を切らされたのだと、いろいろなやはり政治力といいますか、
通産大臣
が御存じないようなところで、ぱつと次の総裁があれはきま
つて
しま
つたの
だというような、いろいろなことが伝えられているわけで、この際どういう経緯を以て、かかる人事が発令せられたのか。御
承知
のように小坂新総裁は曾
つて
自発解体のチャンピオンとして乗込んでおいでにな
つて
、いよいよ過般総裁の論議が出る二三日前にその任務を終えられて一応解体をせられたかたで、今度は電源開発
会社
に行
つて
、日発のようなものを作るのだというような談話を、売電をするとか、発電送電もするのだというようなことで、こわしたり作
つた
りというような役目を次から次へと折があ
つた
ら交互におやりにな
つて
いるような印象を与えるし、又正確にはかなり吉田内閣にも力を持
つて
おるのだから、あの人が出るのも又止むを得なか
つた
だろうというような批評もありますわけでありまして、これらの事情を一つ国民としても知りたいところで、ほかでもない国家
資金
ですべてが運用されておる開発
会社
のことでありますから、詳しく一つ
経過
を納得の行くようにお知らせ頂きたい。
愛知揆一
50
○国務
大臣
(愛知揆一君) 電源開発
会社
の総裁の更迭の件でございますが、実は五月の下旬に前総裁の任期が切れたんでありますが、その五月三十何日でありましたか、任期が切れることを前にして高碕総裁は
あと
で申上げますがかねがね辞意を持
つて
おられまして、一期で自分はやめさせてもらいたい、ただ後任にはできるだけ立派な人が欲しいということで、実は私もそういうことであれば、た
つて
おとめすることはできないと考えまして、人事のことでもございますから、極めて秘密のうちにどなたか立派なかたにお願いしたいものととも
ども
に考えてお
つた
わけでございます。併しながらその任期の切れまするまでの所要の手続を経て参りまする間におきまして、適当なかたを発見することはできなか
つたの
であります。ところがそれで任期が切れましたので、取りあえず再任をお願いいたしまして、その後も適当のかたがないかという考えでお
つたの
でありますが、
只今
お話
がございました
通り
、七月の何日でございましたか、自発の
関係
の仕事が小坂さんの手によ
つて
完全に完了いたしました、実は高碕総裁もかねて小坂さんに是非
あと
をと考えてお
つた
が、日発の
関係
もあるし、なかなか
引受
けてはくれないだろうというふうには考えておられたようでありますが、自発の解体の手続が全部光了した、形式上も完全にきれいに
なつ
たというその時機を狙
つて
高碕氏が小坂氏を訪ねられて、その事情を具申且つ後任をお願いをする、又私
ども
からも是非そういうふうになれかしと
思つて
おりました、ところが極めて円滑に
あと
のお
引受
けを願うことになりましたので、早速これはやはり人事のことでございますから、手続を進めることが適当と思いましたので、直ちに閣議にも諮りまして所要の手続を進めたわけでございます。なお念のために御
承知
と思いますが、附加えて申上げますが、実は電源開発
会社
が成立いたしました当時から高碕前総裁もなかなかおみこしを上げられなか
つた
、漸くお
引受
願いましたときも、できるだけ仕事が緒についたならば、何と申しますか創業のむずかしいところを形をつけたならば、よりよき適任者において更にこれを引継いでもらいたいという希望はかねてありましたことを併せて御
報告
いたしておきます。
石原幹市郎
51
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 大分時間も長くなりましたから……。
藤田進
52
○
藤田進
君 もう一件だけ、なかなか美しく言われておるような気がしてならないのですが、五月三十九日の開発
会社
の株主総会ですね、これは定款等の定めがあ
つて
、前総裁三年の任期が来たけれ
ども
次の総裁を任命するについて、株主総会の規定に基いて
政府
が任命すると、こうな
つて
おるようでありますが、その五月二十九日の株主総会の開催を控えて高碕総裁は
政府
に対して、次にも重任するようにお願いしたいというようなことで株主
方面
をお廻りにな
つて
お願いされ、そのようなこともあ
つて
円滑に重任というふうに
なつ
たやにも伝えられております。私もそうい
つた
ことを聞きました。そうして見ると、ずつとやはり電源開発のためには身体を尽してやろうという心がまえでおありに
なつ
たんじやないだろうかというふしと、今のが相当違う点と、それから、そうであるならば、かねてそういうようなことであるならば、副総裁までが殉死するというか、副総裁は言葉少なに言
つて
おられるようですが、高碕総裁がやめさせられるかやめるかということになれば、自分もやはり責任をとらなきやいかんというようなことで、二人ともさつとやめて行くというようなことで、而も副総裁についてはかねて辞意を漏らしてもいなか
つた
し、唖然として、突然全然知らずに、総裁がやめなきやならんということを知らずにいて、途端に態度を決したやに伝えられてお
つて
、これにはかねて辞意も何もないのだから、
政府
としては慰留なり何なり、いつも一応はおやりになる手が、今度は全然慰留も何もなか
つた
というような点から見ると、非常に今の
説明
とその間の事情とが食い違うような気がするわけなんで、若干もう少し補足がなきやならんように思うわけですが、もう少し真相に近いことをお聞かせ頂きたい。
愛知揆一
53
○国務
大臣
(愛知揆一君) 私は問題が問題でございますから私の知れる限り正確に詳細に申上げたつもりでございます。
海野三朗
54
○海野三朗君 電気料金についてでありますが、生産原価が高く
なつ
たことは認めざるを得ないのでありますけれ
ども
、電気
会社
は独占
企業
でありまするから、他の
一般
の
企業
よりもどうも
企業
努力
が足りない。建設
方面
はよく能率を上げておりまするが、運営が緩慢であり、又その提出せられたその予算においても非常に水増しがある。その水増しはどういうところにあるかというと、その一例を申上げますならば、一キロワット当り十万円以上かか
つた
野川発電の買電契約は一キロワット当り二円八十九銭三厘、それであるのに只見川の各発電所は一キロワット七万五千円で、年間発生電力量が多いにもかかわらず、三円であると言
つて
おるので、我々は二円十銭ぐらいと
思つて
おるのであるが、水増しがあるとしか考えられない。つまり
通産省
で仔細に
検討
されたということは、ペーパー・プランの上でだけ吟味なさ
つたの
ではないか、こういうふうな疑問があるのであります。この点の御
説明
を伺うことと、公益
事業
なるが故にとおつしやるのでありますが、電気
事業
ぐらい割のいい商売はないのである。誠に結構な商売なんである。電気が高くな
つて
も今日とにかく電気は使わないわけには行かない。例えば機械金属工業なんぞにいたしましても、値段が高ければ買わないということがやられるけれ
ども
、電気だけは何としてもこれは使わなければならない。こういうふうな
事業
において赤字が出る、六分八厘の
値上げ
だ、これは生産原価からすれば高くつくのでありますが、公益
事業
でありますから他の
方面
からしてこれを補
つて
行けば、ここまで持
つて
来ないのでも済むのではないか、こう考えられるのであります。例えば開発
銀行
では電源開発には年六分五厘で貸している。それであるのに造船
会社
に三分五厘で貸している。造船
会社
以上の一重要性のあるこの電力開発に対してはやはり一三分五厘にすべきものではないかというふうに考えられるのであります。又税金にいたしましても法人税や
事業
税、固定資産税などは特別なる取扱をして、そうして国民
一般
にはこの電気というものは安くしなければいけないのではないか。
只今
大臣
の
お話
によると六分八厘の
値上げ
がまあ至当であろうと言われますが、これの及ぼすところの
影響
は実に甚大なものがあります。例えば製鉄
事業
にいたしましても大分八厘でありますが、製品の上では何割という高価にな
つて
しまう。従
つて
輸出の
方面
にも響いて来るし、或いは又肥料の問題にいたしましても大きくこれは響いて来るのであります。どうしても私は法人税とか、
事業
税、或いは固定資産税のほうは特別なる取扱をする必要があるし、造船
会社
が三分五厘にしたのであるから三分五厘まで下げられないことはないと考えられるのでありますが、
大臣
としては
如何
ようにお考えにな
つて
おられますか、御所見を承わりたい。
愛知揆一
55
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ず第一の水増しの問題でございますが、これは私も海野さんの御意見は御尤もだと思うのであります。従
つて
あらゆる点から基本の越前の範囲内におきまして、
会社
側からの
申請
案につきましても、
通産省
として及ぶ限り赤字の圧縮といいますか、
値上げ
に持
つて
行かなければならない幅をできるだけ叩くことに
努力
をいたしました。その結果が六分何厘というところまで一応漕ぎつけたわけでございます。先ほ
ども
申しましたように、私は与えられた条件の下においてはこの
程度
の開きが残ることは止むを得ないと考えておりますけれ
ども
、更にこれはもつと勉強して考えるべきところがありといたしますれば、その
努力
を惜しまないでその
努力
を続けたいと考えております。 それから第二の、電気は高くても何でもという
お話
、これも父御尤もでございます。それでありますからこそ随分時間を食
つて
おるのでありますが、
政府
といたしましても非常に慎重に総合的な観点から処理しなければならないという態度をと
つた
わけでございまして、
只今
の金利の問題等も、
政府
としての結論もまだ出ておりませんけれ
ども
、そういうことで一方には原価の高騰がしないように
努力
を更に進める、それで及ばざるところは、金利その他において相当思い切
つた措置
ができるならば或いは解決ができるのではなかろうかとも考えておるわけでございますが、それらの点は先ほど申上げておりますように、細かい点について、或いは細かい点のみならず、やり方等について
政府
全体としての意見がまだ重ねられておりませんので、その点は御了承願いたいと思います。
海野三朗
56
○海野三朗君
只今
申しました一キロワットに十万円かか
つて
おる野川発電では一キロワット一円八十九銭三厘と言
つて
おるのに、只見川のほうでは一キロワット七万五千円しかかか
つて
いない、年間の発電量が多いにもかかわらず三円であると言
つて
おる。こういう工合に非常に杜撰で穴だらけの、仔細に
検討
して見ると随分怪しげな計算をしておると私
ども
は考えられるのであります。この点についても更に御
検討
を願わなければいけない。そうして
大臣
といたしましても総合をした結果だけを御覧にな
つて
おるから六分八厘とおつしやるのでございましようけれ
ども
、本当に微に入り細に亘
つて
通産当局
では調べて頂かなければならんのではないかと、こう思います。それが一つと、
只今
申しました、なぜ造船のごときが三分五厘であ
つて
、電飾のほうが六分五厘であるか、こう差がなぜつかなければならないのであるか、これを一つ御
説明
頂きたいと思います。
愛知揆一
57
○国務
大臣
(愛知揆一君) 成るほど電力につきましては造船と同じように三分五厘
程度
まで下げるべきだという議論も一部にあるのであります。尤もだと私も考えるのでありますが、例えば世界
銀行
からの受けております借款の利率
関係
その他から申しまして、とくと私といたしましても
検討
いたし、
政府
部内の意見を取りまとめたいと考えます。
海野三朗
58
○海野三朗君 法人税、
事業
税、固定資産税については、
如何
ように考えていらつしやいますか。
愛知揆一
59
○国務
大臣
(愛知揆一君) 私は
通産省
の立場からいたしまして、これらの税金を徹底的に安くしてもらえると、これは勿論国会の御審議によ
つて
きまることなのでありますけれ
ども
、そういう意味でこの問題が処理できるならば、これの料金問題というものについて、一つの大きな新らしい解決策になるであろうと考えるのであります。いずれにいたしましても、私はかたくななようでありますけれ
ども
、この
電力料金
の問題というものは、もつと広く、何如にこういうような問題が起るのかということにつきまして、
通産省
といたしましては、国民各層に認識して頂きたい。ただ単に、電力が国民の最後の一人にまで至大な
関係
があるものでありますから、料金を上げないでいいのだ、上げてはいかんのだということを抽象的に言うのは、これは誰でも言えることであると思いますし、誰でも表面的には異存はないのでありますが、将来長きに亘
つて
日本の国力を充実をして行く上において、電力の開発にはまだまだ力を尽さなければならない。それのためには、一部は料金でこれを賄わなければならんかも知れません、或いはそれがいけないというのであれば、税金の軽減とか、金利の軽減という面において、間接的にはやはり国民はこの問題に対して負担をして行かなければならないのだということを十分理解してもら
つた
上で、私は大所高所から結論が出るべきではなかろうか、こう思いますので、私
ども
の立場といたしましては、こういう電力の開発が進んでおります、それから今海野さんが御指摘のように、まだ水増しがあるというようなことがあれば、更に具体的に
検討
もいたしますが、こういう
実情
でありますということを、はつきりと御
説明
をし、御認識を願いたいと考えておるわけでございます。
海野三朗
60
○海野三朗君 もう一つ。私は何も電気
会社
をいじめるためにこう申上げておるのではありません。公益
事業
でありますから、国家が相当の犠牲を払
つて
、大衆に安い電気を使わせるようにしなければならないのじやないかという考えであります。そうして又、この電気料金を僅かな
値上げ
、一キロワット当り五分、六分だとか言
つて
おりましても、製品にな
つて
売出すときになりますと、これに何割というこの生産費が高ま
つて
来ます。そういうものの及ぼすところを考えますというと、実にこれは
影響
が大きいのであ
つて
、現内閣の低物価
政策
には全然反対する結果を生ずると私は思うのでありますから、こういうようなこの水増しのような点やら、それから、この実に統制がとれていないような数々があるので、今時間がかかりますから私はその細部を申上げませんが、そういう点をよく
検討
して頂けば、どうしても結局するところ、この今の金利と、それからこの税金、そういう
方面
において、国家が相当犠牲を払
つて
や
つて
頂くべきときじやないか、こういうように私は考えますので、ただ通産の立場からして、これは原価が高いのだからという簡単にお考えにならないで、その及ぼすところをよくお考え頂いて、そしてもつと仔細にこの吟味をして、結果をお出し頂きたい。こういうように私は思います。時間がかかりますから、
あと
はもう他の
委員
のかたもありますから、それだけ私が希望を申述べて、私の
質問
は打切ります。
河野謙三
61
○河野謙三君 先ず
通産大臣
に伺いたいのですが、
只今
まで
藤田
委員
の
質疑
に対する御答弁によりますと、
通産大臣
としては、現行
制度
の下においては、今回の
値上げ
は自分としては止むを得ないと思うと、なおこの
値上げ
の率の六分八厘ですか、これについてもおおむね慎重に
検討
したものであ
つて
、妥当のものと思う。なお
値上げ
の時期につきましては、いつまでもこのまま放
つて
置けないから、速かに自分としてはこれを決定したい、こういう御意思のように伺いましたが、私の伺
つた
伺い方が違
つたの
でしようか、その点
ちよ
つともう一度伺いたい。
愛知揆一
62
○国務
大臣
(愛知揆一君) 私が申しましたのは、この料金問題の処理をできるだけ早くや
つて
頂きたいということを考えておりますということを申したのでありまして、六分八厘の
値上げ
云云ということについて、時期を画して意見を申上げたわけではございません。
河野謙三
63
○河野謙三君 そうしますとですね、私、実はこの新米の通産
委員
でありますから、他の諸君に余り迷惑をかけちやいかんと思いまして、できるだけ、本年幸い涼しいので、いろいろ先輩諸君の速記等も調べて来たのですが、それによりますと、六月三日の日の衆議院の
通産委員会
で、あなたも御
出席
のように書いてありますが、あなたと責任を分
つて
おられる古池さんが、こういうことを言
つて
おられます。「従
つて
国会が今日終
つて
、国会中は黙
つて
お
つた
がすぐに認可するというような、常識上妥当と思われないような行為はいたさぬつもりでおります。」国会の閉会中には
電力料金
の
値上げ
についてはやらない、こういうことを言
つて
おられますが、その御意思、この政務次官の御答弁は、大胆のお考えと違いますか。
愛知揆一
64
○国務
大臣
(愛知揆一君) 国会中にやらないでおいて、国会が済んだらすぐに
値上げ
をする、こういうような常識に外れたことはいたしませんと、こういう意味を申上げたのだと思うのでございます。
河野謙三
65
○河野謙三君 そうしますと、国会の審議というものと、
電力料金
の
値上げ
の問題というものに、どういうふうな基本的なお考えを持
つて
おられますか。
愛知揆一
66
○国務
大臣
(愛知揆一君) これは基本的に申せば、行政
措置
でございますから、国会の審議を経てきめるというものではございませんから、国会の閉会中に
政府
の態度をきめてかまわないことであると考えております。
河野謙三
67
○河野謙三君 いや私はその
制度
を伺
つて
いるのじやない。あなたの基本的な気持を伺
つて
いる。例えばですね、財政法の第三条でしたか、第何条でしたかね、およそ国民生活に重大な
影響
を持つものはすべて国会の審議を待つべしという条項が確かにある。
電力料金
の問題は国会の審議云々という
制度
上の規定はありませんが、少くとも財政法第三条か何かの今私が申上げたような規定に照らして、
大臣
としてですね、基本的には国会の審議というものを、十分これは私は織込まなければならんと、私はこう思いますがどうでしよう。
愛知揆一
68
○国務
大臣
(愛知揆一君)
電力料金
の問題については、聴聞会の
制度
もございまするし、又十九国会当時におきましても、いろいろの角度から御熱心に
通産委員会
でも御審議を実際上頂いているのでありまして、
あと
は
政府
の責任において、
如何
に処理するかということが残されているだけであると、私は考えます。従
つて
国会閉会中におきまして、処理をいたして差支えないことと私は考えております。
河野謙三
69
○河野謙三君 前国会におきまして、非常に熱心に審議されたことは、私も
承知
しておりますが、審議の過程において、今度のように具体的に
政府
の案を出して、そうしてこの案によ
つて
物価に及ぼす
影響
はどうである、こういうことについては、最終の議員に納得の行くような
説明
というものは私はされていないと思うのですが、どうでしよう。
愛知揆一
70
○国務
大臣
(愛知揆一君) 私は併し先ほどのお答え申上げましたような態度でおりまするので、これは誤解のないようにお願いいたしたいと思いますが、
値上げ
をするかしないか、又その幅をどういう
方法
によ
つて
吸収するかということをも含めて、まだ
政府
としての態度をきめき
つて
おりませんけれ
ども
、成るべく速かにこれはいずれかに態度を決定すべきものであると私はかように考えております。
河野謙三
71
○河野謙三君 まあ
通産大臣
、あなたも私をどういうやつかよく知
つて
いるから、
ちよ
つとしつこいですけれ
ども
、その点は誤解のないように……。あなたは、
政府
としては態度をきめかねている。併し速かに
政府
としても態度を決定したい。併し
通産大臣
個人としては、これは現行の
制度
上から行けば妥当の
措置
と考えていると、こういうふうにさつき言われたのじやないですか。まあそういうふうなお気持じやないですか。
愛知揆一
72
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、現行
制度
の建前、現行の与えられた条件の下においてはこういう結論になります。又そうせざるを得ますまい、というのが
通産省
の立場でございますが、併し先ほど来申上げておりますように、その資本費の増嵩の根を止める。
只今
海野
委員
からも御
注意
がございましたような点も併せて、
政府
全体として結論を出したいというのが、閣議の意向でございますから、私はその線に沿
つて
、
通産省
といたしましても、できるだけの協力をいたしたいと考えております。
河野謙三
73
○河野謙三君 そうしますと、現行
制度
の下においては
事務当局
としては、かような結論を出すのが妥当である、併し
通産大臣
、政治家愛知さんとしてはおのずと別の結論が出て来るかも知らん、こういうことですか。
愛知揆一
74
○国務
大臣
(愛知揆一君) それはどういうふうになりましてもいいんでありますが、私は内容的に申しまして現行
制度
の下においては、ということを申上げているのでありますから、その現行の
制度
について、例えば
只今
海野
委員
の御指摘のように、大蔵
大臣
、その他
関係
当局が協議の結果開銀の金利を大幅に下げるということになれば、条件がかわるわけでございます。そういう場合には、仮に
値上げ
をするとしても、幅が非常に狭まりましようし、それから同時にこれも
只今
御意見がありましたように、水増しをしてはいかんぞ、私は水増しはないようにないようにと計算したつもりではございますが、更にそういう御意見も、他にもあるのでありますから、そういう点についてもハンブルに通産
事務当局
として今、もう一度勘定し直すところがあれば、その条件の変更ということとも考え併せまして、再考の余地もあろうかと考えております。
河野謙三
75
○河野謙三君 私はやや安心したのですが、実はあなたのさつきからの御答弁を聞いておると、
制度
そのものに縛られて、
制度
がこうであるからこうせざるを得ないというような御答弁であ
つた
ように伺
つた
から、これは政治家としては甚だ足らん点があると思
つたの
です。
制度
の上に政治というものはあるのだから、
制度
が若し悪ければそのときの政治情勢、経済情勢、その他の社会全般の情勢によ
つて
、この
制度
の悪いところは直して、
制度
を乗越えて行くところに私は
大臣
の使命があると思う。私はそういうふうに
思つて
いるのだが、先ほどからの御答弁ですと、
制度
に余り捉われているようであるから、これは私が日頃尊敬している愛知さんとしては政治家らしくない御答弁だと思
つたの
ですが、私はそのことよくわかりました。あなたがもう少し捉われない立場でおられるということがわかりましたから、その次にそのほかの
皆さん
がたの
質問
があると思いますから、極く簡単に一、二伺いたいのですが、先ほど
藤田
さんからも御
質問
がありましたが、世界
銀行
との借款の際に、世界
銀行
と
電力料金
の
値上げ
の問題について、何か約束があるのですか。これを一つその道に通じておられる
大臣
から御答弁頂きたい。
愛知揆一
76
○国務
大臣
(愛知揆一君) そういう保証契約というものがございますことは事実でございますし、あの借款ができました当時に、国会等におきましても御
説明
を申上げているかと思います。この点は不正確でございますが、別に秘密でもございませんで、事の当否はともかくといたしまして、事実そういう約定をいたしましたことは、その文章も明白にいたしまして御
説明
申上げたはずでございます。そういうものがございます。それは文言を私は今正確に覚えておりませんが、合理的速かな時期までの間において、合理的な料金の改訂をすることが望ましいと思われる、こういう約定でございます。
河野謙三
77
○河野謙三君 それをもつとくだいて言うと、借款に当
つて
明年は一つの
値上げ
を断行するつもりだとこういうふうな約束でもあ
つたの
ですか。
愛知揆一
78
○国務
大臣
(愛知揆一君) これはこの文書は今ここに持
つて
参りませんでしたので、その文言と正確には記憶しておりませんが、
趣旨
は今申しました
通り
で、それ以外には秘密の約定も何もございませんし、それから今年中に上げるとか、上げないとかいうことを何らの意味でも約束は受けておりません。ただその約定が文書としてあるのでありまして、この文書の上においてその時期の点は合理的速かさにおいて考慮せられる時期とかいうような表現だ
つた
と思います。
河野謙三
79
○河野謙三君 それではまあ対外問題は別として、対内的に
電力会社
に対して昨年度、本年は一つ我慢しろ、来年は一つできるだけ緻密な
調査
もして、それで結論として来年は何とか
値上げ
をできるだろうという、こういう
電力会社
との固い約束じやなくて、そういう意向を
政府
のほうから従来もらして来たと言うか、と
つて
来られた事実はございませんか。
愛知揆一
80
○国務
大臣
(愛知揆一君) これは実は私に御答弁する資格がないかと思うのでありますが、私は本年の初頭に就任いたしまして、そのときにはこの九
会社
からも
申請
書が出るばかりにな
つて
おるという引継ぎを受けたのでございまして、その
通り
一月三十日附で
申請
書が出て参りました。
申請
書が考えられる段階においてどういう話合がございましたか、これは私遺憾ながら存じません。
河野謙三
81
○河野謙三君 いや、それはまあ愛知
大臣
就任の前でありますけれ
ども
、これは
電力会社
と
政府
の間にそういう約束事で今日まで
経過
して来たのじやないのですか。
愛知揆一
82
○国務
大臣
(愛知揆一君)
公益事業局長
から御答弁いたします。
中島征帆
83
○
説明員
(中島
征帆
君) ついででございますから、先ほどの火力借款内容につきましても敷衍さして頂きますと、当時の保証契約の中では先ほど
大臣
から御
説明
いたしました
通り
に増資或いは必要な自己資本を調達するために必要な料金改訂というものは合理的速かに行うべきだと、こういう
趣旨
の内容があるわけであります。従
つて
当時の
状況
として、今すぐ、つまり当時の時期において速かにやれ、或いは速かにやりますということを約束したわけでも何でもございません。若し必要がある場合には余りこれを遷延してはならない。こういう
趣旨
に読みとれますし、又我々はそういうふうに解釈しております。従
つて
それとも
関係
もございませんが、昨年の初めから若し平水であれば電気
事業
は年間百億からの赤字が出るというような
状況
でございましたが、それに関連いたしまする料金の改訂の
申請
は昨年秋頃から準備いたしましてお
つた
わけでございます。併しそれに対しまして私
ども
のほうで今年度は我慢しろ、来年は考えるというふうなことにつきまして確約を申す筋合のものでもありませんし、又そういうふうなことを申した事実は全然ございません。
河野謙三
84
○河野謙三君 大体私は見当はわかりましたが、そういう対内外に暗黙のうちにそういうふうな一つの圧力を受けておるというふうに私は受取ります。それは受取つちや困ると言われても私は受取るということでこれは終ります。 それから次にもう一つ伺いたいのですが、まあ今日聴聞会や
つて
いるようですね、
制度
が改正されますと当然私はこの公益
事業
局ですか、これの定員というものは大幅に減らしてもいいものだと思いますが、そういう結論は
通産大臣
つけておりますか。
愛知揆一
85
○国務
大臣
(愛知揆一君) 現在のところ実は直接にそんなに事務は減らないのではなかろうかと
思つて
おりますので今すぐに人員の整理ということは考えておりません。計画をいたしておりません。
河野謙三
86
○河野謙三君 それは今度の
制度
改正に当
つて
私は一つの根本の大きな原則の中に入ると思うのですがね、この定員の問題は……。これは入
つて
ないのですか。
愛知揆一
87
○国務
大臣
(愛知揆一君) 今すぐにやるという計画として具体的なものは持
つて
おりません。
河野謙三
88
○河野謙三君 これもまあ人員整理というようなものはいわゆる生ものでありますからこれはなかなか崇りが大いから今のうちは伏せておこうということでそういうふうに慎重にや
つて
おられると思うのですが、私は当然そういう結論がなければ……。この
制度
改正の一つの大きな狙いですよ、これがなければ意味ないと思う。今の意味の大半は失われると思う。こういう問題につきましては余り大きく崇りの出ない時期に
なつ
たらもう、一つ進んで御発表頂きたい。今から私は申上げますが、そういう
制度
の改正に当
つて
私のまあ独断になりますけれ
ども
、ここで人員を百人整理する、この百人は今度は
電力会社
にみんな世話してやるんだ、
電力会社
にやるんだということにな
つて
おりますと、
制度
改正が非常に不純なものになる、こういう点はよく今まであることなんです。私は愛知さん御
承知
のように肥料のほうに詳しか
つた
が、例えば今度硫安輸出
会社
を作る、
通産省
が何も考えていないのに一年も前から輸出
会社
ができたら柿手肥料部長は輸出
会社
の専務になるんだ、こういうことになる、だからあの男は肥料
会社
専門であ
つて
役人じやなく
なつ
た、本人も非常に迷惑したわけです。そういう問題がありますから、これはよく今度の
制度
についてはこの問題は私は簡単なものではないと思うのですよ。一つ御
注意
頂きたいと思います。 それから昨日
ちよ
つと
局長
に伺
つたの
ですが、一番我々は今度の料金
値上げ
について知りたいことは、この料金の
値上げ
が若し断行された場合には、特に経審の
長官
としての愛知さんはこれの物価に及ぼす
影響
如何
、この結論が一応なければ私はいかんと思う。当然こういうことで運んでおられると思うのですが、私はこれについて何が幾ら、かにが幾ら上るということは聞こうとは思いませんが、大体
デフレ
政策
遂行途上においてこの
電力料金
値上げ
というものはどういうふうな
影響
を持つかということを一つお伺いしたいのです。
愛知揆一
89
○国務
大臣
(愛知揆一君) 昨日の御
質疑
、或いはお叱りにつきまして私も早速
報告
を受けまして御尤も千万と
思つて
おります。ただ私がいわゆる第一次的な電力の
値上げ
のコストに及ぼす
影響
だけではなくて、二次、三次と申しますか全体総合的な上り方についてはなかなかこれは
資料
の取り方などがむずかしいので、どうも我々の案として御
説明
申上げるだけの率直に申しまして自信がなか
つた
ことが一つと、それからいま一つは先ほど来申上げておりまするように六分八厘ということを、現在の段階において先ほ
ども
ちよ
つと申上げましたようにびた一文譲らないという態度はと
つて
おりませんわけで、総合的な処理ができるかどうか、その途を今一生懸命発見せんと
努力
しているときでございますから、そういう段階におきまして
数字
だけを
基準
にした、而も至らない未熟な御
説明
を申上げますことは
如何
かと思いますので、実は今日御
説明
をしなければならん立場かと思いますけれ
ども
、さようなふうに私考えますので一つ御了承願いたいと思うのであります。
河野謙三
90
○河野謙三君 私は
説明
の材料が大体ないと思うのです。というのは、
電力料金
の
値上げ
をや
つて
、細かく特別料金が幾ら、税額が幾らとか、深夜の電力をどうするとか、こういうものがずつときま
つて
行かなければ、それぞれの産業別にこの電力改訂から物価に及ぼす
影響
、コストに及ぼす
影響
というものは出て来ないと思う。私は甚だ失礼だけれ
ども
、やはりこれは相当それぞれの業界の権威者を集めてやらなければ出て来ないと思う。例えばこの特別料金と一口に言いますけれ
ども
、豊水期にあり余るほどのものをもら
つた
つて
、電力を使うなら使うだけの設備を作らなければならん。で年間を通じて十の需用がある場合に、豊水期には十五なり二十の設備を持たなければならない。それでなければ電力の消化ができないということになりますと、豊水期以外は非常に過剰な設備を、厖大な資産というものを抱えて行かなければならない。それに従
つて
人件費も厖大なものを持たなければならん、こういうこともあるわけです。そういう複雑な要素はそれぞれあなたのほうの細かな
電力料金
の基本がきま
つて
、細則がきま
つて
、この細則に従
つて
それぞれ
事業
別にそういう計算をして見なければ出て来ないと思う。それで私は昨日希望を申上げたのですが、何でこれだけ重大なものを審議会のようなものを作
つて
、それぞれ生産者なり、消費者なり、学識経験者なり、又
政府
なりが出て慎重に踏切らんか、こういうことを申上げたのですが、昨日の
局長
の御答弁では、審議会の法的根拠を持たんからとこう言いますが、私は事重大でありますから、急ぐ場合には法的根拠がなくても審議会のようなものを、これに類似するようなものを作
つて
行
つて
も差支えない。こういう点について慎重に踏切るということについて、
通産大臣
はお考えになりませんか。
愛知揆一
91
○国務
大臣
(愛知揆一君) 審議会の問題も昨日御意見として早速
報告
受けたのでありますが、まあこの際審議会とまで私考えませんのでありますが、ただ先ほど来申しておりますように、この問題は非常に重大だと思いまするので、
政府
全体の責任で以てきめよう、こういうことにな
つて
おるのでありまして、その御
趣旨
の点はそういう形において十分盛込まれておると、私はこの際としてはそういうふうに考えております。
河野謙三
92
○河野謙三君 大分
質問
が長くなりますから、私もさつきの海野さんの水増し論の一例を申上げておきます。これも昨日申上げて
大臣
の耳に入
つて
いると思いますが、どうして国の補助、援助まで受けている
電力会社
が、ああいう市価よりも桁の外れた石炭を買わなければならん理由があるか、私はこういうことを伺いたい。私昨日は極く大ざつぱに御
質問
申上げましたが、その後私なお調べて見ますと、非常に市価とかけ離れた石炭を買
つて
おりますよ。これが第一点であります。これについては少くとも現在のように石炭は買手市場にな
つて
おるのでありますから、これは
電力会社
の意思によ
つて
法律
の云々ではなくて、
電力会社
の意思によ
つて
もつと私は安く買える。これが非常にコストの中に大きく響くのでありますから、こういう点についてはもつと強く私は
指導
して頂きたいと思う。 それからもつと根本的な、大きな政治論になりますが、この電力問題にあ
つて
、いろいろ
通産大臣
が御
調査
の結果必ず打当るところは、これでは年々歳々上げて行かざるを得ない。一方においては
中小企業
は倒産する、物価はだんだん下
つて
来る、
電力料金
に限
つて
これは下るめどがない、こういうことだろうと思うのです。そこでこの
電力料金
を下げて行かなければならんということになれば、どうしても今の石炭を第一として、セメントの問題であるとか、電気器具の問題であるとか、大よそこの
電力会社
の大きな支出の面、これについて
制度
上、例えば必要によ
つて
セメントの統制をやるとか、セメントの中で一部
電力会社
の
関係
だけは何か手を打つとか、さもなくば全体の需給安定的なものをやるとか、そういうところに突つこんで行かなければ、ここで六分八厘上げて見たところで、春になればこういう問題にぶつかる、そうして何のことはない、風船玉の糸が切れたように上
つた
上
つた
とい
つて
いるだけなんです。こういうようなことについて、何かもう少し根本に入
つて
電力料金
を下げるには現行の経済機構においてはこことここがいかん、ここをどういうふうに直さなければならんという御構想がありましたら一つ御発表願いたい。
愛知揆一
93
○国務
大臣
(愛知揆一君) 私といたしましても余り先走
つて
申すのも
如何
かと思うのでありまするが、この
電力料金
の問題が今回これほど大きな問題として輿論の批判をいろいろの意味で積極消極の面で受けております、先ほど私が自分の意見として申上げましたような、あらゆる面から合理的に批判の対象にな
つて
来ているように思いますことは、或る意味では私は禍いが転じて福となるのではないか。そこで
只今
も
お話
がありましたように私は今度若しこの
趣旨
が非常にうまく行
つて
、或いは税とか金利のほうで、一方においては
制度
的な改変も考慮される、一方においてはいわゆる水増しでない健全
企業
経営をや
つて
行くために、
政府側
の行政
措置
或いはその他の
方法
によ
つて
やるべきことはこういう点とこういう点だというようなことをはつきりさせることができればこれは非常に大きな前進だと思うのでありまして、私も何とかそういう
方向
をこの際併せて考えて参りたいと
思つて
おります。 そこで石炭の話が出ました。これは又当
委員会
においての非常に大きな問題としてかねがね御審議
願つて
おるわけでございますが、こういう際、今日のような
状態
で或いは買い叩けばうんと安くも買えるかも知れませんが、あながちそこに徹することだけもでき切れないので漸を追うた
措置
が必要であると思いますので、或いはまだまだ
改善
の余地はあるだろうと思いますけれ
ども
、余り極端にな
つて
もいかんと思います。 それからセメント等につきましては
通産省
といたしましても非常に重大な今関心を持
つて
おります。すでにいろいろの点から
対策
、先ず
現状
の掌握、世評等に対してどういうふうにこれを捕捉して行くべきかというような点について非常に取急いで
調査
研究を進めております。
河野謙三
94
○河野謙三君 いろいろ誠意ある御答弁を頂いたんですが、今の石炭の問題ですね、私が
承知
しておるのは五十円や百円の問題じやないのですよ。そういう問題でなくて、余りに市価と大きくかけ離れておるので、そういうことを申上げるので、これはよく一つ御
調査
願つて
御
指導
頂きたいと思います。 それからもう一つ水増しの問題ですが、今日ここに大蔵省もお見えにな
つて
おりますが、
政府
でさえも……さえもということは甚だ失礼だが、今年度予算の執行に当
つて
物件費その他で一〇%乃至五%を圧縮するということでや
つて
おりますね。然るに
電力会社
においてそういう
指導
をされておりますか。これだけ電力
値上げ
の問題がやかましいときにそういう
指導
をされておるかどうか。又されておるなら、本年度当初考えられましたのと、今どのくらい物件費等につきまして節約を織込んでおられるか、これを私は伺いたいと思う。いずれにしてももう少し私は積極的にあ
つて
欲しいと思う。これは世間が
承知
しませんよ。例えば今日聴聞会をや
つて
おられるのですが、聴聞会は誰でも出ようと希望すれば出られるのですが、セメント
会社
や日立のような電
機会
社が出ても意味がありませんよ。これは高く買
つて
儲けさせてもら
つて
いるのだから、電力
値上げ
万才ですよ。そういうような仕組において聴聞会をや
つて
お
つて
も意味がない。これは恐らく人格者の愛知さんがそういうことで飛んでもないとばつちりを受けて、誤解を受けるだけだ。でありますから、非常に慎重にせられることは結構でありますが、時と場合にはもう少し勇敢に一つや
つて
頂きたいということを特に最後に希望いたします。
藤田進
95
○
藤田進
君
ちよ
つと河野
委員
の
質問
に関連して一点だけ質したいと思いますから……。
大臣
、先ほど河野さんの
質問
でいろいろ合理化の
方法
もあるだろうが、その中で例えば人員整理の問題とかいう
質問
に対する御答弁は、今まだその計画はしていない、まあ時期が来れば何かあるようなふうにもとれる御答弁だ
つた
わけですが、先ほど来私が質しましたその基礎と
なつ
た六・八%乃至一一%というこの料金改訂を是とされるこの解決点はどこにあるかは別として、この総括原価の計算の、これをつまり六・八%に片付けた基礎である原価計算ですね。この
資料
を先ほど
説明
されたわけです。総括原価比較表の右側に書いてあるが、人員の問題が大きなフアクターとして取上げられております。この中には現行料金原価の員数と二十九年度原価の人員とそれぞれ
検討
されて合理化するものはしたと称せられて、ここに八百九十三名の増員になる。こういうことで人員の面等はすでに
検討
済にな
つて
出されておるわけですか、まだ
検討
計画していないとおつしやれば、一体そこらがどうなるだろうかという疑問があるので、その点を明確にして頂きたい。
愛知揆一
96
○国務
大臣
(愛知揆一君)
ちよ
つと、或いは私が聞き違えたかも知れませんが、先ほどの河野
委員
の御
質問
は、需給調整規則の改正を行うと公益
事業
局の役人をよほど整理してもいいのじやないか、(河野謙三君「そうです、そうです」と述ぶ)こういうお尋ねであ
つた
と思うのでああいうお答えをいたしたのであります。
藤田進
97
○
藤田進
君 その点はそれは解釈でしようが、私の受けた印象は、需給調整規則、公益
事業
もそうでしようが、
電力料金
問題が今
中心
にな
つて
論ぜられておりますから、そういう面にも若干のニユーアンスは残
つて
おるだろう。同時に需給調整規則が果してそういう意味で、それが理由で、今度規則を変更するのかどうかという点は私は、むしろ需給調整という運営の問題が理由であろうと
思つて
お
つた
わけですが、
大臣
は併し河野
委員
の
質問
を是認されてその
趣旨
を仰せられたようですから……。
愛知揆一
98
○国務
大臣
(愛知揆一君) 電気需給調整規則がどういうふうに改正されるかということは今日の聴聞会等の意見を聞いた上できめるのでありますが、併し若し割当とか何とかというような行政事務がそれによ
つて
減れば、これはやはり当然そういうことを考えなければならんのじやなかろうか、但し今具体的にどういう案を持
つて
おるかというお尋ねでしたから、そこは今計画としてお示しはできないと申しましたので、若し行政事務が減るということであれば、事務がなくな
つたの
に人員整理をしないというのは建前としておかしいのじやないかと、私はこう考えます。
藤田進
99
○
藤田進
君 併し河野さんは了解されておるけれ
ども
、私は新らしい疑問を持つ。
大臣
は
事業局長
を帯同しておいでにな
つて
おる以上は、具体的現実に基いて御答弁があるべきであるし、今度の規則聴聞会がどうなるかわからないとおつしやるが、原案はお持ちにな
つて
おるだろう。その原案をお持ちにな
つて
いて、その原案がやはり提案者としては肯定されるべく
努力
もせられるでしようし、その意思に変りはなかろう。ただ聴聞会における諸般の意向をどの
程度
容れるかどうかという問題は無論あります。ありますが、今の規則が実施されたならば、簡素にな
つて
、事務が相当量減るということになれば、あなたは無論減らしますとおつしやるが、そんなことが一体あり得るのかどうか、明白だと思う。今度の規則聴聞がどうあろうとも、あれをおよそ基本線として通されるということになればむしろ私はそういう御答弁ではなくして、およそ現実は明白に人員を減らすというような
方向
にならない規則にな
つて
おるのじやないだろうかと思われるので、何だか事情のわからない我々に楽しみを持たせたような恰好で御答弁をなさ
つて
おるが、実際に明白にそういうことはできないのじやないかと私は思うので、これは関連してですが……。
愛知揆一
100
○国務
大臣
(愛知揆一君) わかりました。
ちよ
つと私の申上げ方が悪か
つた
と思うのでありますが、この聴聞会なり、規則
制度
の改正なりはそれ自体がどうや
つた
らよいかということをや
つて
おりますので、人員の整理を目的にしておるものでないことはこれははつきりいたしております。それからどういうことになるかはわかりませんが、若し事務が少くなるというような結果になれば、それは人の整理も考えなければなりますまい。その建前に立
つて
私は賛成申上げた。それが現実に合
つて
おるかどうかということは又別の問題であろうかと思います。
藤田進
101
○
藤田進
君 ですから今の点は、
大臣
の御答弁は抽象的なことでは駄目だ。今規則聴聞会をや
つて
おいでにな
つて
、いろいろ意見が出ておる。要約すると、お宅で……。若し簡素にな
つて
減るならば、減らしますということではなくして……減るか、減らないかわか
つて
おるはずですよ。減るとお思いにな
つて
おるかどうか。
愛知揆一
102
○国務
大臣
(愛知揆一君) 減る面と殖える面があると私は思います。(笑声)
松平勇雄
103
○
松平勇雄
君 電気の問題はまだ
質問
もあると思いますが、私は問題を変えまして、
可燃性織物
のことに関して若干
大臣
に
質問
したいと思います。この問題に関しまして、
政府
が
只今
までアメリカ大使館なり、或いは日本の駐米大使館を通じて、アメリカの
政府
なりに交渉しておる
経過
は
承知
いたしましたのですが、問題は、現在の段階といたしましては、あちらの
下院
にかか
つて
おると了承しておるのでございますが、今後
政府
といたしましては
如何
なる
方法
を以て折衝を続けて行かれますか。なおその見通しについて
大臣
の御所見を伺いたいと思います。
愛知揆一
104
○国務
大臣
(愛知揆一君) この
可燃性織物
法の問題につきましては、第十九国会中に非常な大問題として現われて参りまして、その当時随時御
報告
を申上げておりましたような
経過
でございますが、その後私
ども
の予想を裏切りまして、上院の
修正案
は可決確定いたして、
下院
に廻
つた
わけでありますが、あの上院の
修正案
であれば、殆んど全部日本側の希望はまあまあ達成せられることになるかと思いまして、非常に私
ども
喜んでおりました。その後空気が変
つて
参りまして、
下院
におきましては、御
承知
のようなことで、ついに六月一ぱいまでには、この
修正案
は審議未了になりましたから、
法律
解釈とすれば、日本側に不利な
法律
が七月一日から実行されることにな
つて
しま
つた
わけでございます。この点は誠に遺憾千万でございまして、今日のところ七月に入りましてからも最後の
努力
を続けようというわけで、最小限度でも当方の希望を容れるような
修正案
が
下院
において可決されるように、この上とも
努力
をしておるというのが
現状
でございますが、今日現在におきまして、まだ最後的な見通しは立
つて
おりません。実は私
ども
本日この
委員会
がありますことは前々から
承知
いたしておりましたので、できるならば本日明るい御
報告
ができるようにということを期待してお
つたの
でありまするが、本日のところは遺憾ながらそういうような
状況
でございます。 なおお手許に配付してあると思いますが、「
可燃性織物
法について」という、この書類を
ちよ
つと御覧を頂きたいと思います。 第一が、現在までにもう確定いたしまして、
法律
がどうなろうとも、これだけはきま
つた
というのが二項目ございます。その一つの仕上りサイズ二十四インチ平方以下のハンカチーフが、本法から適用を除外するということがはつきりきまりました。これはここに括弧にも入れてございますように、対米輸出総額は、一九五三年、約百七十八万ドルでございましたが、これは適用を除外されましたから、従前
通り
輸出ができるわけでございます。それから第二は、このハンカチーフ生産用及び工業用等の非衣料用に使用される絹
織物
は、輸出が可能であるということであります。従来から輸出数量及び輸出額に急激な減少を来たすとは、今のところ考えられないというわけでございます。この二つだけは確定した事項としてあるわけでございます。 それからその次に書いてございますのは、先ほど申しました
修正案
の進捗
状況
、これをお読み下されば御理解願えると思いますし、大体御
承知
の
通り
だと思いますが、簡単にかいつまんで申しますと、スカーフを本法の適用から除外するということ、それからいわゆる
可燃性
についてのテストの
基準
の中で、燃焼時間を現在四秒未満としているのを、三秒未満までに
短縮
いたしますと、相当の軽目物が助かるのでありますが、それが先ほど申しました商務省の最後の
努力
をしておる修正法案であります。これが
目下
下院
商業
委員会
で審議中の模様であります。日本側ではこの
修正案
中、スカーフ除外の項がたとえ取り上げられないとしても、燃焼時間の
短縮
の点についてはかなりの期待を持
つて
おり、
目下
事態を静観中で、この現行の四秒未満から三秒未満に
短縮
するという点については、これだけは何とか行くだろうというふうに見ておりますが、併しこれは何と申しましても、根拠のあることではございませんので、ただ見通しとしてさような観測をいたしておるという
程度
であることは勿論でございます。 それからその次に、最悪の事態として、
法律
修正が行われない場合にどういう
影響
があるであろうかという点は、ここに列記いたしました
通り
でございます。これは、これによりまして、お読み取り願いたいと考えるわけでございます。今日までの
状況
はざつと以上のような次第でございます。
松平勇雄
105
○
松平勇雄
君 次にお伺いしたいことは、この
通産省
の、
政府
の御
努力
によ
つて
修正をされることを望むわけでありますが、若しも修正の行われない場合には、実際問題として機屋なり、或いはこれに
関係
する紡績業者なり捺染
工場
なり、その他がいろいろな損害をこうむるわけでございます。そこでお伺いしたいことは、
只今
契約品の荷渡し不能とか、或いは買付生糸に対する損害が出た場合には、
政府
、国家としては、これに対する補償をして頂くことができるか。それから次に不燃加工処理、及び転売までの時期を要するわけで、その間に、製品に対する
融資
を受け、いわゆるダンピングを避けるとか、或いは賃金不払を避けるために解約品の荷捌きまでの緊急
融資
をする意思があるかどうか。この二点をお伺いしたい。
愛知揆一
106
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ほど来申しておりますように、まだ一縷の望みといいますか、或る
程度
の望みを今後の成行きに嘱しているわけでございますから、最悪の場合を断定的に予想いたしまして、
対策
というところまではまだ実は私
ども
も十分つめて考えておりませんが、全般的の問題として全部引つくるめて補償ということは、これは私、率直に申しまして至難の業であると考えざるを得ないのであります。ところで、勿論輸出保険の
関係
がございますが、大体私
ども
の
承知
しておりますところでは、七割が保険にかか
つて
いる。そうすればこれは輸出保険の条項に基きまして、当然その保険の対象として必要な金がもらえることになると思います。 それから第二の緊急
融資
という問題でございますが、これはやはり最悪のことになりました場合を仮定して考えますと、例えば不燃加工による軽目物の輸出加工をするために、いろいろの設備や
方法
の選択があると思う、或いはその整備にも相当のことを考えなければならないだろうと思います。特に軽目物の産地でありまする川俣
方面
等の
対策
として織機の入替えでありますとか、
織物
の織り方の変更でありますとかというようなことと関連いたしまして、必要な
融資
を確保しなければならんという問題は、その場合においては当然考えなければならないことと思いますが、これらの点につきましては
対策
と具体的にからみ合せまして、いわゆるケース・バイ・ケースの
措置
をとらなければならないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
松平勇雄
107
○
松平勇雄
君 将来起るべきことを仮定してはつきりした御答弁を得られないということの
お話
でありましたが、大体この
可燃性
に対する
織物
法というのは
大臣
も御
承知
の
通り
昨年制定されまして、まあいわば一年間ぼんやり
政府
が、まあ言葉は悪いかも知れないが、ぼんやりしていた点も非常にあると思うのであります。従
つて
政府
としての責任が相当私はあると思うのでありまして、それ故に本件に関しましては積極的に私は
政府
としてこれに対する補償なり、或いは援助というような手を考えておいて頂かなければいけないと思うのでありまするが、その点に関しまして
大臣
は
如何
考えておられますか。
愛知揆一
108
○国務
大臣
(愛知揆一君) この
法律
が施行せられるのは今年の七月の一日になる。これが一年前に
法律
としてアメリカにおいては制定されてお
つた
ことを、今年になるまで知らなか
つた
ということについては、これは十九国会においても率直にお詫びをいたしましたように、確かに
政府
の至らなか
つた
点が多いと思います。同時に業界におきましても全然こういう情報がとれなか
つた
ということについては、今後の日本の輸出振興の上において考えなければならん点が非常に多く示唆されておると思うのであります。併しそれはそれといたしまして、我が国からの原因によるのではなくて、他国側からの原因によりましてこういう事態が起り、殊にこれによ
つて
被害を受ける土地なり或いは業種なりが、相当限定されておるという点にこの問題の特殊性があると思うのでありまして、先ほど申しました
通り
一般
的に全部補償するというようなことは、これは
政府
としては私はできないと思いますが、輸出保険なり、或いは
融資
の面においてケース・バイ・ケースの
措置
を考えるとか、そのほかでき得る限りの
措置
は誠意を持
つて
対策
としていたしたいと考えるわけでございます。
松平勇雄
109
○
松平勇雄
君 最後に二点。さつきの
大臣
の御答弁にもあ
つた
かと思いますが、重ねて確かめておきたいと思いますが、不燃加工処理設備が今後或いは必要にな
つて
来るかと思うのでありますが、これに対しまして
政府
としては助成金を出して頂く考えがあるかどうか。それから第二はいわゆる軽目がいよいよいけないということになれば、これから重いやつを織らなければならないわけでございまして、現在川俣
地方
においてはこうい
つた
重いものを織る設備がないわけでありまして、いわゆる品種の転換をしなければならないわけでございまして、それに対する諸設備の購入に対する
資金
を国庫の補助によ
つて
なすことができるか。その二点について
大臣
の御所見を伺いたい。
愛知揆一
110
○国務
大臣
(愛知揆一君) 的確にどういうことをやるというところまで行
つて
おりませんが、この
可燃性
のテスト等については或いは共同設備が必要である、或いは又
通産省
としても工業技術院その他を動員していろいろの
対策
を考えるというようなことも当然やらなければならんことだと思います。これらにつきましては不幸にして最悪の事態になりましたならば、できるだけ被害を最小限度にし、又将来の輸出に対して新たなる発足ができますように、十分のことをできる限り講じて参りたいと思います。
石原幹市郎
111
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
天田
君が最初から発言を求めておられますから、
天田
君。
天田勝正
112
○
天田勝正
君 お断りしておきますが、電力なら電力ということで、私だけでなしに……。
石原幹市郎
113
○
委員長
(
石原幹市郎
君) そうすると、
大臣
の時間が大体四時半頃という先ほどからの
お話
だ
つた
ですから、電力だけで
大臣
出て行かれてしま
つて
も困るので、いろいろ入れたわけです。
天田勝正
114
○
天田勝正
君 隣りでも聞きたいと言
つて
おりますししますから……。まあそれじや時間がなくなるからやりましよう。
石原幹市郎
115
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 四時半ぐらいにいろいろ約束があるんだそうでして、
中小企業
その他もありますから、
大臣
に対する
質問
を一つ重点的に続けて頂きたいと思います。
天田勝正
116
○
天田勝正
君 ほかにもございますが、そう時間が忙しければ、私は電気の問題二点だけお聞きしておきます。 従来電気料の
値上げ
の問題はいつも大きな問題になるんですが、併し大抵はまあ
電力会社
の
申請
があると
通産当局
はそれに反対、こういう態度を持
つて
来て、いつの間にやら実際は
値上げ
が通ると、まあこういう形だ
つたの
ですが、今度は素天辺からまあ若干の
値上げ
は妥当であるという態度のようであります。私は
新聞等
を見てお
つて
、或いは誤伝ではなかろうかとさえ
思つて
お
つた
んですが、どうも今日
大臣
の
お話
を聞いておりますと、一向誤伝でない、結局妥当のところは六・八%であるというようなことでありますが、そこで私はお伺いしたいのは、まあ時間がかかりますから、どういうことで妥当に
なつ
たかを掘り下げて細かく聞くと手間がかかりますので、一つだけ例を挙げて申上げますならば、
電力会社
が開発
銀行
からの借入が一千大百六十二億だと私は存じております。それで借入の総額は三千六百億、こうなりますと、
政府
資金
即ちまあ税金でできておるところの開発
銀行
からの借入が大よそ借入総額の半ばに近い。更にまあ債券発行
銀行
からの借入というのもございますが、その債券発行
銀行
の債券の
引受
額、これ又
政府
資金
に依存するところから
引受
けておるという分もございましようから、この細かいところは私もここに
資料
を持
つて
おりませんが、およそ二千億くらいのものが直接間接に
政府
資金
が流れておるのではないか、こう踏むわけであります。そこでその借入のつまり
政府
資金
の
数字
というものが、今度は資本金と比べて見ますと、資本金のおよそ四倍に近いものである。こういうことが考えられるわけであります。そういたしますると、これだけ資本金の四倍ものものを直接間接に
政府
資金
から借入れ、而もこれで開発等を着々と行な
つて
おるものであ
つて
、そうしてこれだけ若干の、造船等から見れば金利が高いとは言いながら、
一般
の
企業
から見ればずつと安い金が借りられておるにもかかわらず、なぜに
値上げ
をしなければならないかということが、まあ合理的にはこうだということが私
ども
には到底納得が行かないわけなんです。この点を十分考慮された結果が、要するに合理的に六・八%という結論に達せられたのかどうか、この点は答弁のほうで一つ深切にお答え願いたいと思います。 それから第二の点は、先ほど河野
委員
からも
質問
された点でありますが、従来の火力借款の場合における条件といいますか、合理的に料金改訂をまあ望む、こういう話だそうでありますが、日本の
電力会社
の
資金
の構成というものは、これは申すまでもなく開発
銀行
であるとか、或いは債券発行
銀行
であるとか、市中
銀行
だとかいろいろございますし、又勿論資本金というものもございます。でアメリカあたりならば殆んどの
会社
の
資金源
というものは、これは
一般
の市中
銀行
なり、或いは先ず自己
資金
というものが非常に多い、こういうことですから、そこで金を貸そうとするものは、そこに利益が挙らなければ貸したくない、こういう心理になりましようけれ
ども
、日本の特に電力の場合は、今言
つた
ように借入金の半分は、
政府
資金
が出されておる、こういうことであるのだから、若しそこに新たに
資金
を供給しようという、米国側にいたしましても、どこにいたしましても、自分たちの貸す金について、これこれの条件というならば、私
ども
すぐ話がわかる。ところが自分たちが貸す金でない部分にまで亘
つて
干渉されるということになりますると、これはいわば大きく言うならば内政干渉ということに私はな
つて
来ようと思います。今後もこういうことがあるので、こういう点が非常に危惧されるが故に、我が党初め世間もこうした借款問題について、いろいろ心配いたすわけであります。そこで前提が長くなりましたが、こういうことが、
大臣
は借りられると言いながら、吉田内閣の下において承認されて来た、こういうことに私
ども
はなかなか納得しがたいわけであります。
公益事業局長
等もそばにおられますが、こういう
経過
等を十分知
つて
おられるので、今後もこの調子で一体やられるとするならば、これは政治的にも私は重大な問題になろうと思いますが、この点を
大臣
としてどうお考えにな
つて
おるか、二点だけ伺いたいと思います。
愛知揆一
117
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ず前段のこの
資金
の構成でございますが、現在の社債、借入金等の長期の借入金で申しますと、全体の二千五百九十一億円の借入金の残高がございますが、
お話
のように、そのうち千三百二十五億円、即ち半額は開発
銀行
からの
融資
に相成
つて
おります。この点は御指摘の
通り
でございます。ところで更に進んで私も今
お話
がありましたように、
電力会社
がいわゆる自己資本を充実してもつと増資をする、社債を募集するというようなところに非常な
努力
の余地があると思いますし、それを是非やらせたいと思うのでありますが、その点から申しますと、今度は適正な、例えば配当というものも確立して行かなければならない、ここに私
ども
の悩みがあり、又いわゆる原価主義から申しまして、料金の問題を考えなければならないという点が出て来るわけでございます。又同時にそれらの点について、若し国会におきましても、この問題の重要性に着眼せられて、幸いにして自己資本なり、或いは当面のところは借入
資金
についても税制上金利上等の特殊の法制等を考えて頂くことができますれば、これはあえて料金の
値上げ
をしなくても問題は片付いて参るというふうに、先ほどの意見を繰返し申上げるようなことに相成るのでありますが、問題の筋書は、そういうことではなかろうかと思うのであります。 それからその次に、外国側の干渉というようなことでございますが、これは先ほ
ども
申しましたように、私は内政干渉とは思わないのでありまして、保証の約定がございまするが、これは今私申しましたように、自己
資金
等の造成を図るような点からい
つて
も、必要と認める場合には、合理的な迅速さを以て、料金の
値上げ
を考えること、ということは、約定にな
つて
おるだけでございます。それからなおこれはお尋ねの点と多少範囲がずれるかも知れませんが、今日以降におきまして、電力
関係
の差当りの外債として考えておりますのは、すでに電力開発五カ年計画の一環としてこの次の段階において当然取上げなければならない例えば奥只見、御母衣、秋葉とかいうような地点で必要とする水力開発に
関係
のある機械並びに技術の購入代金を考えておるのでございまして、これは全体の電源開発計画から見れば額といたしましても、さして多額ではござございません、従
つて
今後の導入計画、契約の作成等につきましては、十分慎重にいたしたいと思いますけれ
ども
、御懸念のような問題は私はないだろうと考えております。
天田勝正
118
○
天田勝正
君 今
大臣
の御
説明
の
数字
と私の
数字
と大変違うのですが、私の持
つて
いるところでは、そういうのではなくて、今年度の開発
銀行
の
資金
は千六百六十二億、こういうことに
資料
はな
つて
おるのですが……。
愛知揆一
119
○国務
大臣
(愛知揆一君) そうです。
天田勝正
120
○
天田勝正
君 間違いありませんか。関連して
ちよ
つと一つお聞きしておきますが、この
資料
に基きますると、今年の秋には二百三十億の増資をする、而もその増資の仕方が有償、無償が三対一の割合である、こういうことが
資料
に出ておるわけです。そういたしますと、無償の分は当然利益を保留して来てそこに私は増資という形に有償と抱き合すようにして、織込んで合理化さそう、こういう意図が見られるわけです。こういう点も私はいわゆる六・八%の
値上げ
の合理性の中には考え合せられてお
つた
ものと思うのですが、こうした増資をされたり、又一方において一割五分の利益を、配当を見込んだり、それも一割五分も、
資料
によれば一割二分である、こういうふうに書いてあるけれ
ども
、それが一割二分には、二百三十億の増資をする
予定
だから一割二分になる、こういうことになる、そうすると現在の資本から見れば、明瞭に、これは一五%と私はなると思う。そこでこういう一方においては依然として一五%の利益を確保しつつ、それを端的に言えばごまかすために増資という形、而もその二対一の割合は無償でこれを与えるという形をとりながら
値上げ
をするということは、国民の税金によ
つて
大部分の、半分以上の
資金
が供給されておる
会社
としては、私は妥当を欠く、こういう結論になるわけです。この点は
大臣
はどうお考えになりますか。
中島征帆
121
○
説明員
(中島
征帆
君)
只今
御指摘の
通り
に私
ども
の計算では配当一割二分、それから無償を増資分の二割、こういう計算にいたしております。これは昨日も申上げましたが、増資をいたしますためには証券業界の意見といたしましては、配当が一割五分くらいなければ現実の情勢においてはむずかしい、又若し一割三分の配当で抑えるならば二割
程度
の無償増資は必要である、こういうような意見がございました。事実そういうような条件の下に昨年度増資をいたしましたが、そういう条件を持たせましても
会社
によりましてはかなり増資を完成いたしますために苦労したようでございます。従
つて
電力会社
におきまして、今後も増資による自己資本の調達が必要であるといたしますならば、こういうような条件は止むを得ないのではないかと、こう考えております。
天田勝正
122
○
天田勝正
君 そうすると、それは実際おかしいので、三対一の割合で無償株券を与えるということは、結局二割三分方新らしい増資の中では含みの利益を繰越して来て、それを配当として与えるのと同じ結果だと思う。そういうことが
一般
の民間
会社
ならば現在自由経済なんですから、これはそれを前提とするのは止むを得ないということになるけれ
ども
、さつきから私が
資金
構成を引用しておりましたのは、どう考えても今の開発でも何でもこの
通り
国家の金で行われておるのではないか、国家の金とは国民の税金で行われておるということになるのだから、そういう無償で配付するなどということは妥当性がないというふうに私は申上げておる。それを証券業界がどう言おうと、それならば国家の
資金
をこれに与えるのを止めるという気持も当然生れて来るわけです。国家の
資金
をこれだけ注入して、自己
資金
だけで一側五分なり、一割二分儲か
つて
おるなら話は別ですが、そうでない。国の金をこれだけ供給して、千六百六十二億円も供給して、開発なり、或いは補修等が行われておるからこれだけの利益が確保されておる。だからこの配当のほうを五分なり六分なり開発
銀行
の金利のように七分くらいにまで引下げて、そうして当分の間は国家
資金
の援助が欲しい、又増資も認めて欲しい、こういうなら又それはそれなりにわかる。どつちも取ろうというから我々には了解できない、こういうことを申上げておる。これは
委員長
にお断わりしておきますが、
大臣
時間がないというから、又時間のあるときに
質問
を継続しますから、適当にそれはさばいて頂いてよろしいですよ。
石原幹市郎
123
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
小松
さん
電力料金
について……。
小松正雄
124
○
小松正雄
君 時間を非常にせかれておりますので……、尤も本日の
委員会
というものは相当重要な問題が残されておると私は思います。そこで相成るべく時間も
短縮
して
皆さん
も
大臣
に対する心がまえを相当突つこまれて
皆さん
質問
なさ
つて
おると思います。併しながら、なおこの
あと
にも相当重要な問題について
大臣
に御
質問
申上げなければならんと思いますので、是非それが終るまで
大臣
にはお
つて
もらいたいということをお願い申上げ、私の
質問
に入りたいと思います。
中川以良
125
○
中川以良君
只今
小松
委員
の御
質問
御尤もでございまして、今日はこの非常な焦眉な問題とな
つて
おる石炭鉱業の危機に関する問題等は全く取上げておられない、
大臣
が今お帰りになると
質問
する時間もありません。明日、明後日は
工場
を見事いたします。そういたしますと、私
ども
は
視察
に参りましていろいろ協議等をいたしまして、帰
つた
ら早速この問題を取上げて
政府
の施策等も質すということを言明しております。そういう立場において何もやらないということになりますと、我々の面目は丸潰れでありますから、これは
視察
が終
つて
からの、
大臣
の御
出席
の都合を聞いて二十三日もう一日、或いは半日でもおきき願いたいと思います。
石原幹市郎
126
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
中川
君にお答え申上げますが、実はこの問題は最初から考えてお
つたの
でありまして、取りあえず
電力料金
の
値上げ
問題があるからその
電力料金
の問題、当面の
中小企業
の問題、アメリカの
可燃性織物
の問題、
皆さん
がたの各地を
視察
されました結論は、まだ帰
つて
すぐであるので、これは今日この
あと
で御懇談申上げまして、いつやろうか、寄り寄り
小松
さんあたりから九州
地方
は盆の
関係
もあり、成るべく早いほうがよいという
お話
もありましたので、
あと
懇談の
機会
を持ちまして、そこで石炭なり、
中小炭鉱
なり、
繊維
なりいろいろの問題がまだありますので、それをいつ頃やるか、懇談で御相談申上げようとかように
思つて
お
つたの
でありまして、これが終りましてから、相談いたしたいと思います。
中川以良
127
○
中川以良君
そういうことになれば、
質問
する心組みもありますので、
大臣
に一応二十三日に御
出席
願えるかどうか御都合を伺
つて
頂かないと……。
大臣
が御退席になるとわからなくなりますから……。
石原幹市郎
128
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
石原幹市郎
129
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 速記を始めて下さい。
小松正雄
130
○
小松正雄
君
大臣
に先国会の末期にこの
電力料金
の
値上げ
問題について新聞に次々と掲載されてあるその内容は、七月一日から実施をするというように出ておりまするが、
大臣
のお考えどうでありますかとお尋ね申上げましたのに、
大臣
は、このことについては相当研究しなくちやならないし、相成るべく国民の負担にならないように税制或いは金利引下げ、諸般の研究を今続けておるときであるからして、そういう要望があ
つて
も、単に七月、或いは八月にかけて実施をするようなことにはならんだろう、そういうふうなまあお答えであ
つたの
に、この昨日の
委員会
に料金
値上げ
、これにつれて更に聴聞会まで開かれておるということによ
つて
、いよいよおしつづめられたところが、国民に対する負担といいまするか、六分八厘は、これはもう止むを得ないだろう、これはそう
値上げ
をしなくちやならんということをお認めに
なつ
た一つの基本的な問題は、資本を投じてやる以上は止むを得んだろう、当然だという、今日のお答えのようでありまするが、そういたしますると、今後この電源開発が続いて行くにつれて、時期じやない、料金の
値上げ
というものが現在、再び、三たび繰返して行われるような懸念が湧くわけでありまするが、この点について
大臣
は今度上げたらばこの後は上るようなことはないというようなお考えがあるのかどうかを一つお尋ねしたいと思います。
愛知揆一
131
○国務
大臣
(愛知揆一君) これは先ほどから申上げておりますように、六分八厘で
値上げ
をきめたというのではございませんで、くどいようでありますが、現在の
制度
と、それから先国会において成立いたしました税法その他の
関係
ということを前提条件として考えますると、かようなことになりますと、こういうことを申上げたんでありますが、同時に
政府
部内におきましても、それだけで結論とするのは早計であろうということが、更に一層諸般の
対策
を考えるべきである、こういうことにな
つて
、その結末がまだついておらないわけでございますが、私といたしましては、ほかのことを考えずに、六分八厘の埴上げで例えば八月一日から実施したということを仮定いたしましたときは、相当当分の間というか、長い期間において
値上げ
を考えないで押切
つて
行けると、こういうふうに私は考えておるのでございます。で、従
つて
その
値上げ
によらずして、ほかの
方法
が、現下の高騰を抑えるという名案が出て参りますれば、やはり同様に相当長く抑えることができるのではなかろうかと、かように考えております。
小松正雄
132
○
小松正雄
君 そういたしますと、今お尋ね申上げましたように、電源開発が続いて完成するまで行く間には、当然その資本に関する
関係
からいたしまして、諸般の
大臣
のお考えによ
つて
、何かの面でカバーをしようというお考えであるといたしましても、一応これが続く限りは漸次引続いて
値上げ
をしなくちやならない時期があると私は考えまするので、それがせずに済むか、今度きり、今度
値上げ
をするというようなことにはならないというお考えがあるかということをお尋ねしておきたいと思います。
愛知揆一
133
○国務
大臣
(愛知揆一君) 大体今後の電源開発の
進行状況
等を考え合せても、先ほど来いろいろ御意見も出ておりますように、一方において現在の物価引下げの
対策
がその他の要素と噛み合せて相当の効果を発揮し、安定した
状態
にな
つて
参りますれば、このほうも
値上げ
せずに済ませ得るのではなかろうか、大体こういうふうに考えております。
小松正雄
134
○
小松正雄
君 その又反対に、私は
政府
が
予定
されておりまするように、電源開発が五カ年を以て、各
電力会社
のや
つて
おるこの開発が完成することとまあ仮定いたしまする、要するに仮定でなくて、完成いたしました暁には、相当の量がここに緩和されると思いまするし、そういたしますることによ
つて
国民に対するこの電気料金の
値上げ
の反対に値下げをするというときがあると思いまするが、どういうふうにお考えにな
つて
おりますか。
愛知揆一
135
○国務
大臣
(愛知揆一君) これは先のことで、なかなかお答えがしにくいのでございますが、できるだけ
値上げ
せずにこの以後や
つて
行きたいということを考えておるのでありますが、全部この開発が完成して、そうしてその後平常の
状態
にな
つて
参りますれば、
お話
のように或いは下げるということも考え得るかも知れないと思いますが、
只今
まあその辺の将来絶対に上げないで済むかどうか、或いは更に或時期に上げた場合、その後は下げられるかというようなことについて明確なお答えは
ちよ
つとできにくいと思います。
小松正雄
136
○
小松正雄
君 そういたしますと、電源開発の基本的な見地から、私重ねてお尋ね申上げますることは、先も同僚
委員
よりも指摘されておりましたが、多額な金を
政府
資金
を以て、要するに国民の血税であるものを以て、この電源の開発をされておる。五カ年た
つて
完成された暁には、完成したその電気の量というものをどういうふうに振分け、消費させるかという目的が私はあると思う。その目的なくして、ただ単に電力の開発を五カ年にしぼ
つて
、そうしてその短かい期間、国内電力の需要を満たすというあなたがたの基本的な目的は、私はないような感じもいたしますが、どういうお考えですか。
愛知揆一
137
○国務
大臣
(愛知揆一君) 大体今お答えしたことを繰返すことになるかと思うのでありますが、基本的な考え方としては、五カ年計画で電源開発をや
つて
行く、そうして五カ年後に一応完成するということで考えておりますが、その計画にはいろいろの他の産業計画をや
つて
行かなければならない。産業計画の動力に対する要請というものを噛み合せて、これだけの電力が必要であるということから計画をしておりますことは申すまでもないわけでございます。それで先ほどから申上げておりますように、建設途上において私はできるだけ
値上げ
は抑えて行きたいとは思いますけれ
ども
、完全にそれができるかどうか、御
承知
の従来の研究によりますれば完成のときぐらいには約三割
程度
の
値上げ
が必要だというような研究の結果もあるくらいでありますから、的確にその点について明確なお答えをすることはできにくいと思うのであります。
小松正雄
138
○
小松正雄
君 そうな
つて
来ますと、私は電源開発という問題に対して、非常に
政府
の施策というものに対して不満を抱くものでありまして、例えば行き当りば
つた
りではないかという考え方をするわけであります。というのは完成の暁には国内の電力を消費をする面には、どういう面に対して、どれだけの量が要
つて
来るからして、これだけのものを造らなければならないという基本的な考え方があ
つて
この開発をやられておるということであるならば、でき上
つて
しま
つた
以上は、でき上
つて
しまうまでには電力の料金を上げなくちやならないということについては、国民の負担に
関係
しないように何とかの
方法
で成るべく
しわ
寄せしないようにしようという
大臣
のお考えに対しては、私も賛成いたします。併しながらでき上
つて
しま
つた
らそれまでの間には今
お話
のように相当な料金の
値上げ
を以て行かなくちやならんだろう。併しそれを持
つて
行
つて
でき上
つて
しま
つた
暁にはより余力が出て来れば、国民の直接負担しておる、例えば小口消費者といいますか、単なる電力を持
つて
家の中の電力を持
つて
行
つて
おる、これらの人たちに、この国の施策に対するために迷惑をかけておるからして、余力が出て来る電力についてはこれらに対するところは下げるとかいうようなことのお考えもあろうと思うことであ
つて
、なお又これがもう一つ進んででき上
つて
しま
つた
、でき上
つて
しま
つた
が、その量というものは消費するものが少く
なつ
たために、電力は余り、さつき
藤田
委員
からも指摘されたように、電力は溜めておくわけには行かない。これだけの金は費して使
つた
が、消費するほうが少く
なつ
たというようなことが出て来ると、これがどうな
つて
来るかというと、国の金を出しておる以上は、再び国に返すというような……。
石原幹市郎
139
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
小松
委員
、発言中ですが……。
小松正雄
140
○
小松正雄
君 或いはもつと、もう一歩進んで、これが消費がないということになれば、どうしてもこれだけ大きな電力の開発をして完成した維持費というものが出て来ない。そういうことになると又より以上な電気料金の
値上げ
をしなくちやならないということが起ると思う。そういうことについてはどういうふうにお考えですか。
愛知揆一
141
○国務
大臣
(愛知揆一君) 先ほど申上げましたように、五カ年計画が完成した場合というよりは、むしろ需用量がこれだけになるからそれにミイトするような開発をしなければならないということで開発計画を作
つて
おるくらいでございますから、その完成したときの姿が、消費量がどういうふうに配分されるかということにつきましては十分御
説明
できるだけの
資料
と見通しを持
つて
おります。ただその料金の問題について、完成したから、そうしたらその後はすぐ下げるのか、こういうお尋ねに対しては、私ははつきり申上げかねる。
石原幹市郎
142
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
小松
委員
に
ちよ
いと申上げますが、約束した時間ですから……。
小松正雄
143
○
小松正雄
君 一分や五分待
つて
もら
つた
つて
いいはずです。
石原幹市郎
144
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
大臣
からどうしても約束してある時間で、困るという話ですから、私は
委員長
として……。
小松正雄
145
○
小松正雄
君 途中でやめられない。それで私は一つ二つの例を挙げて申上げますが、現
政府
が一つの目的を持
つて
、例えば終戦後石炭というものをどうしても三千八百万トンから四千二百、四千八百、五千二百、これだけどうしても出さなければ、日本国内の原動力であるために全般の産業の開発ができない、こういう意図、目的のために、諸般の国民の租税からとられた金を各炭鉱業者に貸与える、炭住用の増築だとか、或いは機械の設備だとか、設備
資金
その他において金を出して貸して、そして目的の五千二百万トンを確保するために
政府
はそういう
指導
をやる。さて出るように
なつ
たらどういうように
なつ
たかというと、石炭は余
つて
要らないから買わない。受けたものは誰かというと業者が一番迷惑しておる。業者が迷惑すると言えばどういうことかと言えば、すでに残
つて
いるのは固定資産に変えられる炭住とか設備とか、こういうことである。こういうふうにして
政府
が是非五千三百万トン出さなくては日本の国の産業は麻痺するのだ、困るのだという目的の下にさせておいて、そうしてそういうことがあるのが一つと、
只今
松平
、
委員
からも御指摘されたように先国会で
大臣
はこの可然性
織物
に対してどう考えられるかという問題について、我々も陳情者と共に御相談申上げて出先機関でも
つて
何とかこれの緩和するように斡旋運動をしてもらいたい、
大臣
もそうさせる、こういうことを言われて、それが中途にして先国会で御
報告
の中で、中途の
報告
の中では一応見通しがついた、アメリカの国会でも認めてもらうように
なつ
た、こういうふうにはつきり言明せられたために本日ここに来られておるかたもおられると思いますが、それを受けて立つほうは、業者はもう大丈夫だ、金を貸してやれ、どうしてやれと、そうして今日の段階に
なつ
たらどうか、新聞では
下院
の
委員長
が問題としないためにそこで又御心配なさ
つて
、後どうするかという
お話
が出ております。この電源開発がこの五カ年後に立派に完成しても受入れするほうの国内の産業が目的
通り
に、
政府
の目的
通り
にでき上
つた
ものが全部使用せられればいいが、若しせられないということの段階が来た場合により以上国民に、これが個人的な考え方の
電力会社
である限りは必ず又
電力料金
の
値上げ
が来る、こういうふうな考えを私は例を挙げて考えますので、私特に今お伺いしているわけであります。でき上
つて
しま
つた
ならば余剰が出て来るから国民にも、消費者に対しては値段を下げるというくらいなお気持のことだけくらいは、この際
大臣
としては
予定
を組むべきではないかということについて伺
つて
いるわけであります。
愛知揆一
146
○国務
大臣
(愛知揆一君) 御意見のほどはよくわかりました。先ほど来申しておりますように、私はこの今の五ヵ年計画が済んで、その完成の暁に電力が余
つて
しま
つて
困るという事態は万万私は起るまいと思います。少くともはつきり申上げ得ると思いますることは、その際余
つた
から又これを
値上げ
によ
つて
カバーするというようなことはもう断じてすべきではない、このことだけははつきり申上げ得ると思うんです。ただ果して料金をそんなら下げられるかという御
質問
については
ちよ
つとこれは明確にお答えができない、正直に申上げているわけでございます。
石原幹市郎
147
○
委員長
(
石原幹市郎
君) これで
通産大臣
に対する
質疑
は明日にして、他の
説明員
はまだおりますから若しありましたら続行したいと思います。
藤田進
148
○
藤田進
君 それでは明日は午前中で恐らく
大臣
だけでそれは終
つて
しまうと思います。それでいろいろ
皆さん
関心を持たれている問題でもあり、従
つて
簡潔にやらざるを得ないのですが、私は取りあえず
中小企業金融公庫
、見えておられると思いますが、取りあえずそれが一点、それから大蔵省当局、どなたでしたか。
石原幹市郎
149
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
官房長
以下見えております。
藤田進
150
○
藤田進
君 お答えができるかどうかわかりませんが、今の所管でないかも知らんが、料金に関連する別の
方法
の問題、その点を若干聞いて……、そうですね、十分ぐらい頂きたいのです。下手な答弁になると二十分になるが……。
石原幹市郎
151
○
委員長
(
石原幹市郎
君) ほかの
委員
のかた、よろしうございますか……。
藤田進
152
○
藤田進
君
中小企業金融公庫
にお伺いたしますが、その都度なかなか
金融
公庫
は手際のいい
資料
を出して頂いて非常にわかりやすいのですが、その
資料
に基いてこの前は坂口総裁もお見えにな
つて
いたのですが、どうも私
ども
見まして
金融
公庫
法を審議した我々としては少しこの運営について、これはまあいろいろな諸般の政治力が入
つた
り何かしてうまく行かないので、却
つて
中小企業金融公庫
の当事者の
皆さん
が
動き
にくい面もあるのじやないだろうかというふうにもまあ考えるわけなんです。それであの法案審議のときに貸席業というか、旅館業というか、そういうものにも是非金を貸すようにやるべきだ、何だかんだ議論があ
つて
、
中小企業庁
当時の
長官
の答弁では、その種のものについてはできるだけ一つ
あと
廻しにしてもつと急を要するものが製造業その他あるということで、
我我
も是非そうしてもらいたい。この際旅館業とか、飲食業、貸席業といいますか、遊郭みたいなものとか、そんなものに金を貸すなんということはまだまだ次の次で、余
つた
ときにどうしようかというときに貸す場合もあるであろうしということで、その点は
注意
を喚起したわけですが、今度の表を見るとまあこれが四億何ぼでしたか、五億に近いものに
なつ
ちや
つて
いるのですね、これは相当のウエイトにな
つて
いますよ、これは。この前どういうところに一体
貸付
けられておるのかということを伺
つたの
ですが、未だに出て来ない。出て来ないときに一体どうなるだろうかということを疑問に思うわけでありまして、なかなかお答えにくい問題でしようが、我々の見たところでは日本の今
中小企業
が
デフレ
政策
等で
しわ
寄せにな
つて
困
つて
おるという部面はおわかりのように必ずしも旅館業でもなかろう。その次には医業ですね、医業なんか歯科医と分けてあ
つた
りいたしますがね。今度の分類などについても運送業、運送取扱業、通運
事業
というようなカテゴリーに分けてあるのですけれ
ども
、一緒のものにな
つて
しまえば相当のものにな
つて
しま
つて
おるというふうな感じがするのですが、取りあえず一点伺いたいのは先ほどの旅館業、名前は最近変えられたような気がするのですが、貸間業とか何とかいうものに何か変
つた
ような気がいたします。それで非常にこれが多いので、これは私
ども
としては賛成しがたいのですが、
実情
はわかりません、私の知
つて
おる限りでは少し出し過ぎているのじやないだろうかというふうに思いますので、どういうところに、どういう理由があ
つて
かような五億にもなんなんとするものが、増大せんとするまだ傾向にあるが、貸さざるを得ないのか、わかりやすく
説明
を頂きたい点なんです。
中野哲夫
153
○
参考人
(
中野哲夫
君) お手許に差上げてありまする業種別の一番左の欄は政令にかように十八業種が列挙してあるわけでございまして、それで貸出対象はこういう業種に限る、こうい
つた
政令の上での形に相成
つて
おるのですが、
お話
の
通り
旅館業につきましてはいわゆる温泉マークとか、遊興を主とするような旅館もあるわけでございまして、さようなものについては当初から
公庫
といたしましては貸出をいたさない。そういうことで
只今
の取扱といたしましては、外人の宿泊を主とするいわゆる国際観光ホテル整備法に基くホテル、或いは国鉄推薦のホテルというように外客誘致に役立つもの、少くとも健全な宿泊の用に供する宿歴ということに限ることにいたしておるのでございます。併しながらそれにいたしましても順を追うて件数、金額が多くな
つて
参ります。又お医者さんの
関係
につきましても、この表にあります
通り
、ほぼ一割に達するというようなことでございまして、
中小企業金融公庫
において余り多くの件数を今申上げましたサービス業、医業、旅館業というようなもので占めるということは
如何
かと思われるので、平常は各代理店に伺いまして、殊に先般閣議できめられました
デフレ
政策
下における
金融
のあり方というような大綱に副いまして、私
ども
のほうとしてはこれには貸したくないという言い方でなしに、輸出品の製造に従事する
企業
とか、或いは生活必需品に
関係
する
企業
とか、或いは重要産業の関連
下請
産業等に或る極の重点を置いて立派な
融資
対象を先ず取上げて欲しい、こういう
指導
を従来ともいたして参
つたの
でございます。尤もさような
指導
方針だけでこういう情勢、旅館等に余りに多く参りますということにつきましては、最近若干の
融資
規制というと少し荒立つのでございますが、好ましい製造業等により一層の
資金
が廻りますために、サービス業等について若干の抑制を加えるということにいたしまして、
目下
監督官庁とも
打合せ
て、さような方針を準備を急いでおるような次第でございます。なお冒頭にございました外部からのいろいろな圧力等によ
つて
心ならずも貸すというような事態がないかというような
お話
でございますが、これは私
ども
役職員として、さような感じによ
つて
心ならずも
融資
するというようなことは全然いたしておりません。現にここにございます
通り
、約八千件に近い件数のうち、我々役職員が一度もお目にかか
つた
ことがなくてかような
融資
が行われておるという事例が殆んど九割以上がそうでございまして、一〇%未満のかたがいろいろ御紹介その他で私
ども
公庫
でお会いするというような
状況
でございますので、さような点は
只今
のところ御心配要らないかと思います。
藤田進
154
○
藤田進
君 いろいろ結果だけ見ては論じられないことなんですが、医業などについてはこれはかなり出ていて、十三億になんなんとしていますね。
一般
の常識としてはお医者さんというのは比較的経営
状態
はいい。これは病院な
ども
あるかも知れませんけれ
ども
。ですから要はその内容を或る
程度
、七千数百件をというわけに行きませんが、例えば旅館業あたり最高一千万円ぐらいか何かだ
つた
ろうと思うのです。ですから例えば衆議院議長のプリンスホテルなどは出ているのか出ていないのか見たいわけです。そうおつしや
つて
も書類を見れば誰だ
つて
わかることなんで、何とも奇異に感じましてね。それを一つお出し頂けないものだろうか、どうだろうか。どこにどれだけ行
つて
いるのかということですね。せめて旅館業だけ……。
中野哲夫
155
○
参考人
(
中野哲夫
君) 大変お言葉を返すようでございますが、これは私も素人でよく知らんのでございますが、
金融機関
といたしますと、個々の
貸付
先の公表はいたさんのがエチケツトというか、慣習にな
つて
いるようでございまして、
只今
御指摘のような、特に何といいますか、外客誘致にも何ら
関係
がない、又健全な旅客に宿泊の施設を供するにも役に立たん、遊興を主とし或いはその他好ましくない
方面
には
只今
のところ
融資
いたしておりませんのでさよう御了承願えれば大変仕合せに存じます。
藤田進
156
○
藤田進
君 これはやはりその
資料
をとることは、もういろいろかくも議論され、衆議院でも丁度これと同じように
貸付
銀行
の
関係
も十九国会に出ております。やはりこれは出して頂く
方法
はあると思いますから、どうしても素直に出されないということになれば別の
方法
を考えなければならんと思います。いやしくも国会で見れないというのは、たまたま国会法改正の途上にもありますしと思いますけれ
ども
、そこまで行かないで、無論公表して新聞紙に堂々と出ませんでも、秘密会にするなり適当な
方法
で、適正な運用をされているかどうかということを立法者としては見る必要があるわけです。そういう意味で考慮して頂きたい。即答は結構だと思います。
海野三朗
157
○海野三朗君 この法案を通しましたときには、旅館業も入り得るというような、営業も入り得るというわけであ
つたの
であります。ところが今日ではこの
貸付
方を見るというと、甚だ目的に副わない。大分横這いしている。これは何でこういうことになるかと申しますと、
中小企業金融公庫
が
銀行
の窓口を通すからなのである。通すのは悪いのじやありません。
銀行
屋というのは金さえ儲かれば何でもいいのだ。或いは売春の宿でも何でも儲けさえあればいいのだという、単に利益を追求するという、利息を追求するという
銀行
屋の窓口にのみ信頼しているからこういう結果になると思います。本当に国家の産業の上において、何とかして救わなければならないという
趣旨
でできたこの
公庫
の目的が非常にずれておる。これはつまり今の
公庫
のあり方が悪いのじやないかと私は考えるのでありますが、そういう点について
如何
ようにお考えにな
つて
おりますか。
銀行
だけを窓口にして、
銀行
がいいと言えばいいというようなふうに、他力本願にお考えにな
つて
いるから、私は根本の誤りが出て来ると思いますが、
如何
ようにお考えになりますか。
中野哲夫
158
○
参考人
(
中野哲夫
君) 平素代理
金融機関
に対しましては、
公庫
の運用方針について、契約書或いは業務
方法
書等によりまして、当初から十分
公庫
の方針をのみ込んで頂き、その他
機会
あるごとにブロツク
会議
等において
説明
を加えておりまして、
公庫
の方針に協力いたしてもら
つて
いるのでございます。まあ大多数の代理
銀行
については、さような協力が得られているものと考えているのでございまするが、若干の代理店におきましては、或いは
只今
御指摘のようにまあ私
ども
常識的に見ましても、旅館或いはお医者さんなどは元利回収が製造工業等に比べると楽であるというようなことも考えられるわけでございまして、先ほ
ども
申上げました
通り
、
公庫
融資
は、これは焦付き覚悟というわけにも参りませんが、元利回収は二の次に、その
中小企業
が
政府
資金
によ
つて
一層基礎が固まる、繁栄に向うというところが主なんであるということを
機会
あるごとに申しているわけでございます。併しなおそういう点が部分的に逸脱するというような傾向も見えないではございませんので、最近の
機会
において、先ほど申上げました
通り
、もつと
公庫
融資
の内容が適切になる
方向
へ一種のコントロールを加える方針を以て
只今
準備をいたしているような次第で、今後さような点をだんだん直して参りたい。かように考えております。
海野三朗
159
○海野三朗君 その具体的な
方法
について
如何
なる御構想がおありですか。それを
ちよ
つと承わりたいと思うのです。ただ
銀行
だけにお任せにな
つて
いると、どうした
つて
そういうことになるのです。金利が間違いなくきちんきちんと入
つて
来るところを主にするものでありますから、
事業
で以て利益の割合に少いような中小工業や何か、それは
あと
廻しというふうに
銀行
はや
つて
いるので、そもそもこの
公庫
の本来の目的に副わない、これを副わせるためにはどういうふうな御構想をお持ちにな
つて
いるか。それを
ちよ
つとお伺いいたしたいのであります。
中野哲夫
160
○
参考人
(
中野哲夫
君) まあ根本的には、やはり現在の
中小企業
のうち、育成振興すべきものといたしましては、自主経済の達成に寄与するような産業を
中心
といたすべきでございますので、かような案件をできるだけ優先的に取上げてもらいたい、そのためにいわゆる
公庫
資金
の枠というものを、
資金
枠というものをあらかじめ各
金融機関
にお示ししてあるのでございまするが、その枠がそのために不足に
なつ
た、足りなく
なつ
たというような場合には、案件の内容によ
つて
随時それを
増加
して殖やして差上げるというような積極的な意味の奨励策もとりたいと
思つて
おります。それからもう一つ、消極的に、例えば旅館業等につきましては、現在行な
つて
おりまする
融資
規制に更に制限を加えまして自己
資金
の調達率をもつと多くするとか、或いは遊興に兼ね用いられるような旅館についてはいつそ
融資
をお断りするというような形に変える等のことも考えておりまして、だんだん代理貸
制度
を前提とする以上は、代理店のさような
指導
と、こちらからの指令によ
つて
これを血かして行くという
方法
によらざるを得ないと思います。まあ根本的には、私も、今
お話
の
通り
、営利性を基本といたしまする民間代理
銀行
に業務を委託するということの場合には、或る
程度
の制約はこれは避け得ないかと思いまするが、さればと申しまして、今にわかに
公庫
が直接貸を始めるという段階でもございませんので、
只今
の代理
制度
の下に極力弊害の少い
方向
に今後持
つて
行くことに
努力
いたしたいと
思つて
おります。
藤田進
161
○
藤田進
君 先ほど
通産大臣
の答弁はお聞きの
通り
で、要は、各省において事前のやはり案を今
検討
中である、各省と言
つて
も、これが恐らく労働省でや
つて
いるものでもない、農林省も恐らくや
つて
いない、これはもう大蔵省が何と言
つて
も新聞紙上伝えているところもそうなんですが、税金なり金利なりの問題をや
つて
いるに違いないと私は見ていますが、や
つて
いるのかや
つて
いないのか。や
つて
いるとすればどういうことになるのか。税で以てこれが操作できるものかどうかについて
我我
は疑問を持つわけですね。例えば今度の各社別の九社の
状況
を見ると、上げる所あり、
通産省
の査定によると、まあ
数字
は僅かにしても下げる所がある。こうなりますと、或る社においては税金が安い、或る社は税金が高か
つた
りというようなことに
なつ
たり、金利が高か
つた
り安か
つた
り、そんなことはこれは無理な話じやないでしようか。併し
政府
としてそういうことを今やろうと
思つて
作業をしておる、こういうことなんで、直接衝に当
つて
おる大蔵省はどうお考えか。新聞ではそれは無理だ、できないというようなことがその筋の意向として過般伝えられていたんです。そういうことをお伺いしたいのです。作業の
程度
がどうであるかという点です。
石田正
162
○
説明員
(石田正君) 簡単に申上げますると、こういう
値上げ
問題が起りますにつきましては、各
電力会社
におきまするところの収入支出の
状況
、まあ減価償却でございますが、起
つて
来る。それをどういうふうに
措置
するかという、こういう問題に相成るだろうと思います。それにつきましては先ほど来私も拝聴いたしてお
つたの
でありますが、これは
通産省
では確たる根拠に基いて六・八%という案をお出しにな
つて
いるわけでございますが、我々といたしましても、税金或いは金利の問題を考えるに先立ちまして、それらの問題につきましてもう少しよく我々といたしましても研究をそういう問題があるならばいたしたい、これは税金のことを考えます場合、或いは金利のことを考えまする場合、大蔵省といたしまして当然そういう点も実は考えなければならんかというふうに考えております。それからそういうふうな問題との関連におきまして、税のほうをどうするか、こういう問題につきましては、まあ問題といたしましては御指摘のありましたような点、要するに
会社
別に税というものを変えるということができるかどうか、或いは成る点については共通な点があるので、これはやれるというような面がありますかどうか、それから金利の点につきましては、まあ金利で行くというようなことであれば、どういうふうなことで考えられるだろうかというような点につきまして、
目下
いろいろ
通産省
と御相談いたしておる、こういうふうな段階でございます。
藤田進
163
○
藤田進
君 それじやなしに、話合いの内容として、一体そういうことができるのかできないのか。作業を始めているのに、できないなら初めからその作業がないはずなんです。それを聞いているんです。
石田正
164
○
説明員
(石田正君) これは我々のほうの大蔵省の立場といたしましては、
通産省
におきまして電力
値上げ
を必要とする、これに対して先ほど来
通産大臣
から
お話
がありましたように、現在の情勢においてそういうことは成るべく避けたほうがいいのではないか、こういうふうなお考えで、それに代りまして何か変
つた
方法
はないかというふうな点といたしまして、今
お話
のありましたような、まあ税の問題とか、或いは金利の問題とかというものがあるわけでございます。これにつきまして今申しましたように、これは
政府
の態度を
通産大臣
が申されたのでありまして、
政府
といたしましては
検討
をいたしておる。これは
検討
いたしました結果、その税のほうではやることはとてもできない、金利の問題は話にならんというふうなことで、初めからそういう問題は駄目なんでございますという態度で断わるという態度ではなくして、よく御相談いたしまして、どういうふうにしたらいいかということにつきまして、まあ適当な
方法
を、国のため、全体としていいような
方法
があれば考えたい、こういう気持で
検討
いたしておる次第でございます。
藤田進
165
○
藤田進
君 それはどこでや
つて
いるのですか。担当は何局ですか。
石田正
166
○
説明員
(石田正君) 大蔵省といたしましては、
金融
の問題につきましては御
承知
の
通り
に
銀行
局が所管でございます。それから税の問題といたしましては、これは主税局に相成ります。それから、なお、この税の問題、或いは金利の問題、これは若し税制で何するということにいたしますれば、直ちに収入に響いて来ることでございます。これは主計局にも
関係
のあることでございます。従
つて
関係
の各局がそれぞれ一緒になりまして研究いたしておるのでございます。
藤田進
167
○
藤田進
君 今主税
局長
が見えておりますか。
石原幹市郎
168
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 主税
局長
は見えておりません。
銀行
局の
総務課長
、
大臣
官房
調査
課長、広瀬主計官が見えております。
藤田進
169
○
藤田進
君 今の金利の問題もですが、や
つて
見ないことには、やれるかやれないかわからんとおつしやいましたが、やはり仮に固定資産税、法人税等を考えて御覧なさい。
会社
別に電気
事業
と他産業の問題もありましよう、けれ
ども
同じ電気
事業
の中で御覧になる
通り
、値上率というものは違う。下げる所と上げる所がえらく違う。それを
会社
別に税でやると言
つて
見てもそれはできるんですか。法人税は、何
会社
は何%、何
会社
は何%というようなことで、税金なんかこれは
検討
の余地のある問題なんですかどうかを聞きたいんです。
石田正
170
○
説明員
(石田正君) 率直に申しまして、これは非常にむずかしい問題でございます。普通の考え方から申しますれば、今までの普通の常識からすればむずかしい問題だと思います。併しまあこれは研究して見ないことには、なかなか結論もそう簡単に初めからできないものでございますというのも
如何
かと思うのでございまして、とにかく我々といたしましては研究さして頂きたいと
思つて
いる次第でございます。
松平勇雄
171
○
松平勇雄
君 これは新聞紙上で
承知
したんですが、愛知
通産大臣
が閣議に諮
つた
場合に、その
値上げ
の問題に対して非常に反対されたのは大蔵
大臣
と聞いているわけであります。大蔵
大臣
が反対されたのには、相当な根拠があ
つて
値上げ
に反対されたと思います。その根拠というものは
事務当局
で私は作成されたんだと思いますが、今伺うと、これから研究するというようなことでは、私はそんな
程度
で大蔵
大臣
がああいうふうに強く反対されたとは思えないんですが、その点はどうですか。
石田正
172
○
説明員
(石田正君) これは
電力料金
の問題は、先ほど来も
お話
がございましたように、非常に
関係
するところが大きい問題でございます。従いまして、経済全般に及ぼす
影響
がどうであるかということも慎重に考えなければならないということは、閣員の一人といたしまして大蔵
大臣
も当然考えられることだと思います。それから又御
承知
の
通り
、今財政につきましても
金融
につきましても、緊縮
政策
を実行いたしまして、物価につきましても国際競争力がつきますようなことでや
つて
おる最中でございます。こういう際に
電力料金
の問題につきまして、それをすぐ上げるというような問題になりますれば、全体の
政策
にも
影響
するところでございますので、大蔵省としてはできるだけ
電力料金
の
値上げ
なしに済まして頂きたい、これがやはり大蔵省の基本的立場でございます。そこでそういうふうに上げなか
つた
ら一体どうするんだという問題がその次に出て来るわけでございます。甚だ不勉強でございますけれ
ども
、我々のほうといたしましても、非常にむずかしい中身の問題でございます。御
承知
の
通り
に原価計算がどういうふうにな
つて
おるかということにつきましては、非常にむずかしい問題なんでございます。そういうふうな問題につきましてどれだけの
値上げ
がどうしても必要であるかどうか、或いはどういうふうなことをしたらばどれだけ値上率というものが縮まるのであるか、それから又場合によ
つて
は電力の料金を上げなくても経営的にや
つて
行ける点があるのかどうかという問題につきましては、これは慎重に研究いたしたいと我々は考えておるわけであります。従いまして二日や三日で結論を出すというようなことでなしに、何もこれは等閑に附するわけではございませんけれ
ども
、大蔵省の各
事務当局
は、公営
事業
局のかたの
お話
を伺いまして研究いたしておるというのが現段階でございます。
松平勇雄
173
○
松平勇雄
君 そうしますと、大蔵
大臣
が反対されたというのは、ただそうい
つた
ような、いわゆる
デフレ
の
政策
をと
つて
いるから、そうい
つた
見地から
値上げ
は反対だと漠然と言われたわけですね。
通産大臣
としては、現行
制度
においては事務的に言
つて
六分八厘というものはどうしても
値上げ
しなければいけないという、現行の
制度
ということを非常に強調しておられるわけでありますが、結局それは六分八厘の
値上げ
を見込むとすれば、現行
制度
を多少変えなければならん。変える分はどこにあるかということは大蔵省の管轄にあるものが相当大きなものを占めているわけであります。例えば税金の問題もありましようし、金利の問題もありましよう。それから減価償却の年限の延長の問題とか、いろいろなことがあると思うんですが、そうい
つた
ものは或る
程度
私は研究されての上の大蔵
大臣
の閣議の発言と、私はこういうふうに
思つて
お
つた
んですが、そうじやないんですか。
石田正
174
○
説明員
(石田正君) 大蔵省の立場をもう一遍繰返しますと二つの立場があるわけでございます。 先ず第一の段階におきましては今大蔵省がまあ
中心
にな
つて
おりますが、遂行しております緊縮方針の下におきまして、できるだけ
値上げ
は回避して頂きたい、これが第一点でございます。 それと、今度はそれならどうしたらいいのかという問題が具体的に起
つて
参るわけであります。この具体的な問題につきましては率直に申しまして我々は素人であるわけであります、素人でありますれ
ども
いろいろ
お話
を承わ
つて
見ますると、先ほ
ども
お話
がありましたいろいろの値上率というものがございますが、大蔵省が今度大蔵省の面として税や或いは金利の問題でお前のほうは一つ考えてもないかということになりますれば、税につきましてはとにかく税制の改正ということをしなければなりません。これは国の税制のみならず
地方
の税制にも関連のある問題が多いわけでございます。
地方
税をいじりますれば、最近の
地方
財政の
状況
から言えば又国の財政にはね返
つて
来る、こういう問題もあるわけであります。金利の問題にいたしましても、例えば開発
銀行
が今六分五厘で貸しておりますけれ
ども
、これも
資金
運用部のほうの金が主として行くような
関係
もございまして、大体六分五厘で採算をと
つて
おる。これが例えば値下をするということになりますれば、開発
銀行
はそこで採算割れを来たす、こういう問題もあるわけであります。それから又全体の
資金
計画にも狂いが来る、こういう問題にな
つて
参ります。そうな
つて
参りますと元へ遡
つて
もう少し今
通産省
でお出しにな
つて
おります
数字
を我々としても
検討
さして頂きたい、こういうことに、相成るわけであります。その意味におきまして現在
検討
さして頂いておる、こういう意味でございます。
松平勇雄
175
○
松平勇雄
君 もう一つ。それじやその研究は大体
あと
どのくらいかか
つて
ほぼその研究は完成されるのでございますか。ただ研究々々と言
つて
もどのくらい……。やつぱり緊急に迫
つて
いる問題だと思うのです、この電気料金を上げる問題は……。
石田正
176
○
説明員
(石田正君) これは非常にむずかしい問題でございまして、率直に申しまして、例えば
あと
どれだけの期間の間に結論を出すのだということは私としては率直に申しまして遺憾ながら申上げかねるのでございますが、併しながら決してなおざりにしておるわけではございません。と同時に、これは先ほど来も申しましたのでございますが、非常に大きな問題でございますから我々の
検討
といたしましても、又いろいろ
検討
の上又間違
つた
検討
もあるわけでございまして、それらの点につきましては公益
事業
局といろいろ
お話
をしなければならんと思いますが、それらの点につきましては慎重に
検討
したいと思うのであります。
天田勝正
177
○
天田勝正
君 私は先ず
中小企業金融公庫
の
関係
で関連してお伺いいたしたいと思いますが、丁度幸い
金融
公庫
は大蔵、通産両省の共管にな
つて
おる。そこで両
官房長
も見えておりますから両
官房長
から共に伺いたいわけですが、元来この
公庫
の立法の
趣旨
は申すまでもなく日本の経済が
破綻
する一番大きな原因となる
中小企業
に支えを与える。併しそれが国家の
資金
で支えを与えるのでありますから何もかも突つくるめて支えを与えるということではなか
つた
。ところがこれは
中小企業金融公庫
の中の、
参考人
のおつしやるところによれば今後の扱いで今後十分
注意
して行きたいということでありますが、むしろその扱いよりも政令が問題である。政令が出るときに立法の精神などが蹂躙されるということがしばしばあるし、私がこれが極めていい例だということ、まあ悪い例のほうですが当てはま
つた
例だと私は思う。この業種というものが十八あ
つて
、これが並列主義にな
つて
おる。順位主義ではない。並列主義であるから理窟からすれば
公庫
側とすれば対等に扱うよりほかに仕方がない。さつきから
藤田
委員
も例を引かれておりましたが、例えば旅館業、こういうものがあると思えば公衆浴場もある。そういたしますと東京温泉みたいなものはどつちにでも当てはま
つて
いずれにでも借りられる。誠に枠が広い。それに反して今日物を殖やすということが最も必要なんで、製造業ということになれば、或いは工業、物を生産する、又それに直接関連したものという業種ならこれは一番上の順位に置かなければならん。ところが用もなさそうなものまでも並列主義にや
つて
来たのは一体どういうわけだ。これは私は立法の精神を蹂躙したものだ、こういうふうに考えるわけですが、それらの経緯、又これを改正する用意があるかどうか、これが
質問
ですが、なお例を挙げれば、例えば物品販売業、こういうのがございますが、物品販売業だからすべていけないという意味ではありませんけれ
ども
、併しウエイトをつければこれはおのずから明らかである。今日小売商等が多過ぎて、四苦八苦で店でも何でも不生産的にどんどん直さなければ客の入りが悪いという
状況
です。そういうものを製造工業等と同列に扱うということはどう考えても納得行かないし、
金融
公庫
が末端を持
つて
いるならばいいんですよ、ところが末端の
金融
は
一般
の市中
銀行
等が扱
つて
いるのですが、そうなるとどうしても販売業により余計に貸すのです。これは回収が早い、こういうことなんです。そういう利潤追求主義から離れた機関を作らなければならないというのが、そもそもこれは国民
金融
公庫
にしても、
中小企業金融公庫
にしても国が出資しなければならない大きな理由です。これを見失
つた
ら大変です。
説明
が長くなりますが、例えば医業、歯科医業でも見て御覧なさい、皆その業界に聞いて見たらこれだけ多くな
つて
はたまりませんということを言
つて
いる。そこで若し国家
資金
を使うならば結核の療養所にベツドを国家
資金
で以て殖やす、或いは癩療養所を完備させるとか、おのずからその
資金
のやりかたというものは
金融
公庫
を通じなくても考えなければならない筋があると思う。
金融
公庫
を通じてやらなければならないということは、日本経済に必要な
中小企業
が倒産している、その支えにするということであるし、だから日本の経済からすれば物を生産する、又それに関連するもの、こういうところに重きを置かなければならんと思うのですが、大変
説明
が長くなりましたが、どうもそれから見ますと政令の
趣旨
は立法の精神に相反していると思いますが、これについて御意見がございましたら、両
官房長
から承わ
つて
おきたい。
記内角一
178
○
説明員
(
記内角
一君) 両省の
官房長
からということでございますが、所管の私から一応お答え申上げておきます。勿論本来の
公庫
設立の
趣旨
は、御指摘のように物品製造業等を
中心
といたしました
一般
中小企業
というものの、何と申しますか、
資金
繰りを援助するということを
中心
にいたしているわけでございます。併しながらこれは物品製造業に限るわけでもございませんで、やはり勿論その間に甲乙若干の差異はございましようけれ
ども
、やはりいわゆる中小資本によ
つて
営業をいたしているものは或る
程度
これを助長して行かなければならんという考え方の下に設立いたされているものと了承いたしております。従いましてその政令の指定につきましても、最初におきましては必要最小限度にとどめておりましたが、順次
公庫
の陣容が整
つて
参りますにつれまして、それに応じて必要な部門であります業種も追加指定するというふうな
状態
に相成
つて
いるわけでございます。勿論政令の形式におきましてはこの指定業種別に甲乙はないように相成
つて
おりますけれ
ども
、併し御指摘のようにその間にはおのずから逕庭があるはずでございまして、この面は専ら運用によ
つて
これをセーブして参りたいというふうに考えている次第でございます。従いまして御指摘のような、例えば旅館業、或いは浴場業というようなものにつきましても、それぞれその取扱の細目等によりまして、この運用の適正を期して参りたい、又現在
公庫
自身におきましてもそういう意図の下にこの
資金
の運用をいたしておるというふうに
承知
しておる次第ございます。なお我々といたしましては、更に御指摘のような点も考慮いたされますので、より具体的にその範囲をできます限り御期待に副うような
方向
に持
つて
行
つて
、しぼ
つた
形において運用して参るようにいたしたいと、
目下
その細目を
検討
いたしておるような次第でございます。
天田勝正
179
○
天田勝正
君 最後の御答弁のところ、そういたしますると、研究の結果政令を変えて、不急不用なものをその政令から除く、こういう研究も含めて研究するということでございましようか。
記内角一
180
○
説明員
(
記内角
一君) 或いはそれは政令自体に手を触れまするか、或いは政令の何と申しますか、解釈と申しますか、そのうち、例えば同じ旅館業業にいたしましても普通の温泉マークのついた旅館というふうなものは罷りならん、こういう種類の旅館に限るというふうな政令にいたしますか、或いはそれの運用方針で参りますか、その辺の細目の技術的な面もございますけれ
ども
、大体御
趣旨
のようなラインで進んで参りたいというふうに考えておるところでございます。
天田勝正
181
○
天田勝正
君 次に、丁度記内
長官
に聞こうと
思つて
いたことなのですけれ
ども
、日本の
下請
企業
というものは、過日も私この
委員会
で申上げたのですが、アメリカ型なので部品
下請
形式をと
つて
おる。日本の製造業に関しては
中小企業
の形がそうなんです。でありますから、大
企業
が一つの
不渡
を出せば連鎖反応が生じまして、一大打撃を受ける、こういう形にな
つて
おるのです、そもそも……。そこで
手形
等の発行についてやはり制限立法をしようかというような意見も一つあるわけですけれ
ども
、本当は商習慣というものもありますから、そういう
法律
的な規制でやるということは、私は余り望ましいとは実は
思つて
いない。そこでそうだとすれば、今の商習慣の中でどうしたらいいか、こうなりますと、先ほど来本院の先般の
決議
についてこういう
処置
をとりつつあるという御
説明
があ
つたの
ですが、私はこれは過日議員出張の一員に加りまして、不二越鋼材等見て来たのですが、あそこの例を申上げますれば、
下請
が全部
協同組合
を作
つて
おる、そこで
協同組合
でありますから、勿論信用が増しまして、公的なこうした機関からも
融資
を受けられる、こういうことにな
つて
、むしろその
融資
を受けられるが故に親
工場
のほうもそれで助
つて
いるというふうなことも実際や
つて
いる。ところがそうさせてしまうと今度は
下請
の価格で親
工場
が子
工場
を叩くことができないのですね、
協同組合
で同じ歩調で行くのですから……。で、
下請
工場
を意識的にこの価格競争をさせて、意識的にいじめるということがなければ、そういう意図さえなければ、
協同組合
を結成させて
下請
工場
にも十分この信用力を持たして、又自分は別個に持
つて
いる、こういうことで両々助かるはずなのです。現実にそういう例もあるのだけれ
ども
、
一般
にはそれをやらない。やらないことは今言
つた
ように価格競争をさせてより不当に
下請
工場
を
圧迫
させようという意図がある。この点についての
長官
の
指導
といいますか、そういうことについてお考えにな
つて
おられましようか。
記内角一
182
○
説明員
(
記内角
一君) 御指摘の
通り
下請
の問題、非常に厄介な問題があるわけでございますが、今不二越鋼材の
お話
がございましたが、
会社
の健全な経営のあり方の一つとしまして、やたらに
下請
を叩きますということは、却
つて
何と申しますか、安いようではありますけれ
ども
、結果において不良品を納める、又は納期を遅らせるというふうないろいろな不都合な面も出て来るわけでございまして、健全な
企業
の経営のあり方といたしましては、やはり何と申しても必要な
下請
企業
というものは十分に培養して行くべき筋にあるのではないか、現にそういうふうな意味合いにおきまして
下請
企業
に相当な援助の手を伸ばしておる面もあるわけでございますし、又我々そういう点に着目いたしまして、
親企業
と
下請
企業
との系列を整備するということで、相当な効果を挙げている事例も持
つて
おるわけでございますが、御指摘のような
下請
企業
をして
協同組合
を作らせまして、その間に、
親企業
と
下請
企業
との間の緊密な
連絡
を図らせますと共に、最近の金詰りに対応しました適切な資
金融
通の便益を図らせるというふうなことも非常に必要なことだと
思つて
、それぞれ
下請
なり或いは
親企業
になり話合いを進めておるわけでございます。ただ何分にも今
お話
のような必ずしもそれに同調しないような、むしろこの
機会
を
利用
して
下請
を叩いて行こうというふうな考え方を持
つて
いる
企業
も又相当ございます。そういうものに押されまして、組合が作りたくとも組合を作れない、組合を作りますと
下請
のグループから排除して、肝腎の注文がなくなるというふうなことを恐れまして、組合を作りたがらないというふうな面も多分にあるわけでございます。私
ども
といたしましては、これを強制するわけには参りませんけれ
ども
、漸次組合
制度
というものを整備いたしまして、
親企業
のほうがむやみに
下請
を、個人個人の
下請
を叩くことのないような恰好に持
つて
参りたい、又
親企業
に対しましては、いわゆる健全な
企業
の経営の形としまして、やはり
下請
企業
を相当育成補導して行く責任があり、又そのほうが結局において
親企業
の利益になるのだということを説得いたしまして、そういう
方向
に進めて参りたいというふうに考えておる次第でございます。
天田勝正
183
○
天田勝正
君 ついでに希望しておきますが、戦時中の大
会社
の
下請
が協力会等を作
つて
おりましたが、ああいう形をとると親
工場
のほうで
下請
工場
に不当な競争をせしめることができない、
下請
工場
同志の
関係
が密接になります。そこでその意図さえなければ、
下請
工場
同士の
協同組合
によ
つて
信用力を高めさせたほうがむしろ親
工場
は助かる。それをあえてさせないということは、繰返すようですが、その価格による不当競争をさせようという意図から来ておるのです。ですから今の
法律
的にはそれは強制不可能でありましようけれ
ども
、是非これはますます
指導
してもらいたい、これは希望しておきます。 それから次は、これは一点だけで終りますが、幾たびかこの
委員会
でも、又大蔵
委員会
でも指摘されたことなんでありますが、この国民
金融
公庫
にいたしましても、こうした
中小企業金融公庫
にいたしましても、末端の取扱の多くは市中
銀行
なんです、或いは信用金庫、それらが扱
つて
おるわけです。そういたしますと、ここへ行
つた
場合には必ず自分のところへ何がしかの、預金請求のようなことにな
つて
、実際はその条件を呑まなければ貸してもらえない、或いは貸しても、もらう一カ月前なりに、月ぎめの何と申しますか預金なり、或いは日掛式のことをや
つて
おるところもありますが、とにかくそういうことで一つの条件を付けられて、結果においてはその貸される金の何分の一かは引かれたものでなければ自分は使用することができない。これがもう大方の例なんです。で、そういうことならばこれ又
中小企業金融公庫
を作
つた
立法の精神に反する。元来
一般
の市中
銀行
からやすやすと借りられないが故に、こうした金の
資金
によ
つて
産業の支えにしよう、こういうことであるのに却
つて
これがために市中
銀行
が
資金
の描き集めの極めていい口実にされるというようなことで、実際に
利用
者のほうは二十万円借りるならば五万円はもうこれは釘付けになる、十五万円しか手には入らない、結局高い金を借りているという結果に陥る。こういうことは幾たびか指摘されておるのですが、その監督等はどうされておるのでしようか。
石田正
184
○
説明員
(石田正君)
一般
金融機関
につきましていわゆる両建預金と申しますか、そういうことがありまして弊害があるということはこれは累次御指摘を受けておることでございます。特に
中小企業金融機関
につきまして、或いは国民
金融
公庫
とか、或いは
中小企業金融公庫
とかいうふうに、その本来の使命から行きまして割合に弱いところの
企業
を育成しなければならないという使命を持
つて
おるところの代行機関としてや
つて
おりまするところのいろいろな
一般
金融機関
がそういうことで
中小企業者
を苦しめるということは誠に遺憾なことでございます。これにつきましてはこれはただこういう手を打
つた
ら一挙に解決するというわけにはなかなか参らないのでございますが、大蔵省といたしましては本年の五月におきましても特にその点を厳重に
取締
るということの通牒も出しているのみならず、又
銀行
の検査はこれは大蔵省が直接やるのもございますが、
地方
の財務局等も無論これはいたしますが、そういう場合におきましてできるだけそういうものについて是正もし、又悪いものははつきりした場合には相当の処分をするということを通達をいたしておりますし、又実行いたして参りたいと、かように
思つて
おる次第であります。
石原幹市郎
185
○
委員長
(
石原幹市郎
君)
ちよ
つと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
石原幹市郎
186
○
委員長
(
石原幹市郎
君) 速記を始めて下さい。 それではこれで散会いたします。 午後五時四十九分散会