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1953-12-10 第19回国会 参議院 通商産業委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年十二月十日(木曜日) 午前十時五十三分開会
—————————————
委員氏名
委員長
中川
以良君
理事
松平
勇雄
君
理事
加藤
正人
君
理事
海野
三朗
君
理事
小松
正雄
君
石原幹市郎
君 北村 一男君
黒川
武雄
君 小林 英三君
西川
彌
平治
君
酒井
利雄
君 松本 昇君 岸 良一君
豊田
雅孝
君
西田
隆男
君
藤田
進君 三輪
貞治
君 山口 重彦君
武藤
常介君 白川 一雄君
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
中川
以良君
理事
加藤
正人
君
藤田
進君
小松
正雄
君
委員
石原幹市郎
君
黒川
武雄
君
西川
彌
平治
君
酒井
利雄
君
豊田
雅孝
君
西田
隆男
君
海野
三朗
君 三輪
貞治
君
武藤
常介君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員
山本友太郎
君
常任委員会専門
員
小田橋貞寿
君
説明員
公正取引委員会
委員長
横田
正俊君
公正取引委員会
事務局長
小川清四郎
君
公正取引委員会
経済部調整課長
丸山 泰男君
中小企業庁振興
部長
石井由太郎
君
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
○
審査報告書
に関する件 ○
調査承認要求
の件 ○
通商
及び
産業一般
に関する
調査
の件 (
下請代金支払遅延
に関する件) ○
理事
の辞任及び補欠の件
—————————————
中川以良
1
○
委員長
(
中川以良君
) それでは
只今
より
通商産業委員会
を開きます。 最初にお諮りを申上げます。
硫安工業合理化
及び
硫安輸出調整臨時措置法案
に関しましては、当
委員会
は
継続審査
中でありまして、これが
審査
は閉会中終
つて
おりませんから本
院規則
第五十五条によ
つて
この旨の
報告書
を
提出
しなければなりません。これが
提出
すること、並びにその内容、
手続等
は
委員長
に御一任を願いたいと存じまするが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
2
○
委員長
(
中川以良君
) 御
異議
ないものと認めます。なお多数
意見者
の
署名
を附することにな
つて
おりますので順次御
署名
を
お願い
申上げます。 多数
意見者署名
加藤
正人
小松
正雄
海野
三朗
石原幹市郎
黒川
武雄
西川
彌
平治
酒井
利雄
豊田
雅孝
西田
隆男
藤田
進 三輪
貞治
武藤
常介
—————————————
中川以良
3
○
委員長
(
中川以良君
) それから
調査事件
について、この際お諮りいたします。
通商
及び
産業一般
に関する
調査承認要求書
を本
院規則
第三十四条によりまして議長に
提出
いたしたいと存じまするが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
4
○
委員長
(
中川以良君
) 御
異議
ないものと認めます。さように
決定
をいたします。
要求書
の
案文等
は
委員長
に御一任願いたいと存じまするが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
5
○
委員長
(
中川以良君
) 御
異議
ないと認めます。
委員長
において然るべく取計らいをいたします。
—————————————
中川以良
6
○
委員長
(
中川以良君
) 本日審議をいたしまする案件といたしましては、先般御協議を申上げました
通り下請代金支払遅延
に関する件を取上げたいと存じます。
下請代金
の
支払
が御
承知
のごとく親
企業側
から故意に
遅延
をされておる様子が多分にございまするのでこのため
下請中小企業
が非常に苦境にありますることは誠に以て遺憾なことでございます。当
委員会
におきましてもしばしばこの問題は取上げまして、先般第十七
国会
におきましては十一月四日に
岡田中小企業庁長官
並びに
横田公取委員長
の御
出席
を煩わしまして本問題に関しまして検討を加えたのでありまするが、その後これらの
事情
がどうな
つて
おるかという点につきまして再度
調査
をいたし、本日は十分その後の
経過筆
を聴取をいたしたいと存ずるのであります。 先日の
調査
から一カ月余を
只今
まで
経過
をいたしておりまするが、
本件
に関しましてはその後に生じた著しい変化といたしましては、先ず
政府
は先月
次官会議
の
決定
によりまして昨年の暮と同様に
政府
の
支払
を特に
促進
をいたしますること、又
下請業者
が
親企業
から
受領委任状
を持
つて
来たならば、
親企業
ヘ
支払
われる代りに、
下請業者
へ直接
政府
が
支払
うことも可能のように
申合せ
が行われております。これが
実施
に移
つて
おるんでございますが、事実上はどうであるかという点でございます。 それから第二には昨日の新聞にもあ
つたの
でございますが、
公正取引委員会
が
支払促進
の警告を各
企業
に発しますと同時に、
支払
の特に
遅延
をいたしておりまするところの親
企業者
を個別的に招致をいたしまして、
支払遅延
の理由を質し、
支払改善計画
の
提出
を求めることにいたしておるのであります。こういたしまして漸次
改善
への努力がなされておりますることは誠に本
委員会
といたしましても欣快に堪えないところでございます。
国会
といたしましては、又
国会
の立場からいたしまして、
調査
を進めまして、若し現在の法制のみでは不十分なろ場合には、これが不当なる
支払遅延
を防止いたしまするために、特別の
立法措置
を要することが必要かどうかという点も検討しなければならんかと思うのでございます。 こういうような
状態
でございまして、本日は先ず
委員長
から御質疑を申上げたいのでありまするが、
岡田長官
に先ず……今日は
石井振興部長
がおいででございまするが、
中小企業庁
に
お尋ね
をいたしたいのでございまするが、その第一は先日当
委員会
においていろいろ
お尋ね
をいたしまして以来一カ月を
経過
いたしておりまするが、この間
支払
が果して
促進
されておるかどうか、それから
次官会議
の
決定
が如何なる
効果
を生じておるか、これに関しまして
資料
の
提出等
先般
お願い
を申上げておるので、ここに
資料
がございまするので、この
資料
についての御
説明
を
お願い
をいたしたい。又
受領委任状
を出すようなそういう親切なる
観工場
が果してあるかどうか、
次官会議
で折角
下請工場
が直接
親工場
の
受領委任状
で官から
支払
を受けられるということを
行政措置
といたしましておきめにな
つたの
でありますが、そういうようなきめ方だけで、果してこれが
実施
されているかどうかという点を伺いたいのであります。 それから我々も
支払
が
促進
されているようなことを耳にはいたしているのでありますが、併し他面、
金融
引締めの影響を受けまして、依然としていろいろな悪い例が最近頻々として起
つて
いることを聞いておるのでございます。その
実情
の二、三を取上げて見まするならば、
親企業
はいずれも三分の一とか、四分の一ぐらいしか
支払
の際に払
つて
いない。
従つて支払
の残額、未払金は漸次殖えて行くような
実情
にあるところがあります。だから
親企業
の
重役
又は
経理担当者
に、特別にこの
支払
のために饗応をする、或いは何か特に
お願い
に
行つて
、特別な物を持
つて
行くというような場合は、その
下請工場
のみに
部分
的に払われる、そういうものがどんどん先に払われるというような誠に忌わしい
実情
が、現にあることを私
ども
承知
しておるのであります。こういう点は一体どうであるか。それからひどいのは長期の
手形
を振出しまして、これは到底
金融
の
対象
にならないで、
金融機関
の
割引
の
対象
にならないその
手形
を、
会社
の
関係者
が特に高い金利を以て
割引
をしてや
つて
おるというような、誠に不公正なる事案があるように
承知
しておるのでありますが、こういう点は一体どうか。併しその半面、非常に優秀な私は
親工場
があると思いますので、そういう優秀なる
工場
の
例等
をも
一つ
この際ございましたならば、ここで以てお話を頂きたいと思うのであります。
従つて
、かような
事例
に対しましては、むしろ事実を公表いたしまして、
社会
的な批判によ
つて
これを是正する必要が大いにあると思われますので、又
親会社
の
経理
は定期的に公表されておるのでありますから、未払の
部分
の多いことは
決算書類
を見てもわかるはずでございます。これを定期的に、例えば
決算期ごと
に
報告
をさせて、個別にこれが対策を講ずることもできそうなものだと存じますが、これに関して、
中小企業庁
は如何なるお考え、如何なる今後の
方途
を持
つて
おられるかという点を御
説明
願いたいと存じます。 なおこれに関連をいたしまして、
公正取引委員会
では、独禁法の、不
公正取引方法
の指定を
制度
だけで十分に
効果
を挙げ得ると思われるかどうか。今のような
状態
で一体よろしいかどうか。又取締り得るといたしましても、今回の
調査
のようなことを今後毎年
継続
をいたしますることは非常に困難ではなかろうかと存じます。むしろ大きな
親会社
から定期的に
報告
を求めまして、自動的に監視ができるような
制度
を新たに考えられる必要がないかどうかという点であります。 それから
下請組合
の
動き
が今日、
下請業者
が
組合
を組織するような
動き
があるというようなことを耳にしておりますが、現在の
下請協同組合
の多くは、
親会社
の
御用組合
であ
つて
、又
金融組合
であ
つて
、
支払促進
や或いは
下請条件
の
改善
のための
組合
ではないと思うのでございまするが、若しかような
組合
を
作つて
、
本件
の解決に役立つようなことができるといたしまするならば、そういう点の例があるかどうかというような
点等
をお話頂きたいと思うのであります。 以上の点につきまして、先ず
政府側
の御所見を承わります。
石井由太郎
7
○
説明員
(
石井由太郎
君)
下請関係
の
支払遅延防止
につきましては、
只今委員長
からいろいろ御指摘がございましたように、非常に複雑な問題を含んでおりますので、昨年暮以来、種々苦労を重ねておるのであります。 先ずいろいろな打たるべき手を考えて見ますと、
政府関係
、これは何と申しましても
特別会計
、
一般会計
並びに
公社企業等
を通じまして、国の総
物量所要
の
相当
大きな
部分
を消費いたしているわけでございますから、
政府関係
の
支払
をスムーズにすることによりまして、それが間接的に
下請
なり
中小企業
なりへの
資金疏通
の道になるようにということを、先ず考えなければならんと思うのでございます。御
承知
のごとく
政府支払
につきましては、その
遅延防止
に関する
法律
が、
昭和
二十三年以来出ているのでございまして、故なく
民間企業
への
支払
を
遅延
いたしました
契約担当機関
は、それぞれ
会計法規
に
従つて
の処罰を受けるということに相成
つて
いるわけでございます。この
趣旨
を敷衍いたしまして、
政府支払そのもの
は迅速且つ的確に行な
つて
おりましても、その
支払
の
相手方
でございますいわゆる
親企業
といつたようなものが、更に
下請
に迅速的確に払うかどうか、これを
政府
のあらゆる機構を通じまして、監視する必要があるわけでございます。そのような
趣旨
から、昨年十二月に
次官会議
を以ちまして、
各省
各庁各
公社
、そういつた
政府関係機関
が大いに
支払
を
促進
する、同時に
政府契約
の
相手方
が
下請
に的確に払うかどうかを監視する、又
勧告等
を行うという
決定
をいたしたのでございまするが、と同時に、
会計法規
の許す範囲内におきまして、例えば
受領委任状
を持
つて
参れば、直接
支払
をいたすというような
制度
を積極的に認めるということにいたしたのでございます。
各省
各庁、これは強制的なことをなし得ないのでございまして、若し非常にこの
効果
を的確ならしめようといたしますれば、現在の
政府支払
の
遅延防止
に関します
法律
に更に
改正
を加えまして、
政府契約
の
相手方
が、
政府
から的確なる
支払
を受けているにもかかわらず、それを更に
下請
に対して迅速に払わないというような不埓な
事例
がありましたものは、
政府契約
の
相手方
から排除するといつたような強いことが、
法律等
で規定されますれば更に
促進
できるとは思うのでございまするが、それらの
措置
のございません現在におきましては、結局
只今
申上げましたような
勧告
であるとか、或いは事実上の
受領委任状
による直接
支払
といつたような
程度
を出でられないのでございます。本年は十一月十九日に
次官会議
の
決定
を以ちまして、昨年十二月の次
有会議
の
決定
を更に再確認し、その線に沿いまして、
各省
各庁は特に
下請関係
の
支払促進
を強化するようにということを
申合せ
まして、同日
官房長官
から各
大臣
に訓令が出ているのでございます。又
地方自治庁長官名
を以ちまして、各
府県知事
に対しまして、各
府県
の
支払
につきましても、
政府
と同様な
趣旨
を以て取扱うようにという
指示
をいたしております。
指示
の名称は三十八年十一月一十一日、自、自と申しますのは
自治庁
の自でございます。自
乙発
第八百二十六号という
通牒
を以ちまして、
政府支払
の
促進
に順応するように、
政府機関
、
地方
各
公共団体
も
支払
を
迅速化
するようにということを念を押したのでございます。これらの
措置
によりまして、
政府支払
がどの
程度
的確に
迅速化
がされているかという点につきましては、未だ計数を以てこれを明らかにする
段階
に達しておらないのでございます。と申しますのは、以下全体的に見ますれば
政府支払
は最近
相当
迅速化
して、好転いたしております。本年は予算の成立が遅れました等の
関係
もありまして、第三四半期における
政府支払超過
が非常に多額に上るだろうというのが懸念される
段階
にな
つて
いるのは御
承知
の
通り
でございますが、私
ども
のほうで調べましたところによりますと昨年来一年引続きました
政府支払
の
促進
という政策によりまして
政府関係
の
契約企業
は
下請
へ
相当
支払
を
促進
しておるように思われるのでございます。お
手許
に配付いたしました
資料
は
政府関係
の
支払
に関連するところ最も多かるべしと思われる十数社の
企業
についての
調査
でございまするが、これらがいずれも特殊なものを除きましては
政府
の
支払
が
佳良
であるというように見受けるのでございます。 先ず第一番冒頭にございまする
建設省関係
、これは
公共事業費
でございますとか、
災害復旧費
でございまするとか、或いは
農業開発関係
、
鉄道工事関係
、
政府支払
の一番大きな
部分
として集中をしているところでございますが、それらにおける
下請
への未
払状況
は各
期間
中における
工事量
に対しまして一カ月分を下廻
つて
おるという
状況
でございます。即ちむしろ前金を払
つて
いる
程度
の
段階
にな
つて
おるのでございまして、一部には
建設ブーム
だという言葉もあるくらいでございまするが、
支払関係
は先ず以て
佳良
と認めてよくはないかと思うのであります。 次の
段階
にございまする
車両関係
、これは主として
鉄道公社等
の
支払
に繋が
つて
いるものと思うのでございまするが、現在のところ六つの
企業
を比較しております。やや悪いのもあるようでございまするが、内偵いたして見ますると
朝鮮特需等
を見込生産いたしましたために、その不如意なものが
支払
に影響しておるという
実情
のようでございます。ただそれにいたしましても昨年の今頃と比べますと、遥かに
支払
がよくな
つて
おるのでございまして、一番上にございまする五・三八とございますのは、これは大体五・三八月の
支払
を
遅延
をいたしておるという数字でございます。即ちその
期間
における営業諸経費の
支出高
に対する未払額の
月割分
でございまするが、それは昨年はどのくらいであつたかと申しますと、一
企業
が七・四二カ月即ち七カ月以上
支払
が滞
つて
おりましたのが、最近の
決算
を見てみますと五・三八カ月とな
つて
おるのでございます。次にございますのはこれも或る
車両会社
でございますが、一・七一カ月足らず未払にな
つて
いるという
状況
でございます。昨年はどうであつたかと申しますとこれが二・八四カ月、即ち三カ月近い未払にな
つて
おりましたのが一・七一カ月に短縮にな
つて
おるのでございます。その下の二・三五カ月と出ておりまする
企業
は、昨年においては三・二九カ月と相成
つて
お
つたの
であります。更にその下にございまする四・四二カ月とございますのは、昨年これは五・六八カ月と、これらの未
払状況
でありましたものが、
政府支払
の
促進
に関する私
ども
の
措置
がよかつたからだけではございませんで、
社会
、
経済界
の景況を反映していることとは存じまするけれ
ども
、やややや
改善
されつつあることなどが裏打ちできるのではないかと思うのであります。 次に
電気通信関係
、これにおきましては一番上はこれは有名な世界的な名の通
つて
いる
電気会社
でございまするが、これは二・三四カ月と相成
つて
おります。それが昨年は四・一四カ月であ
つたの
であります。次の一・二五カ月とございます
電気通信製造
の
会社
は、昨年はこれは常に
支払
が良好だという定評のある
会社
でございまするが、一・四七カ月ということに相成
つて
おりました。第三番目にございまする、
只今
これは
電線関係
の
企業
でございまするが、現在は一・九三カ月、即ち二カ月足らずの未払に相成
つて
おりまするが、昨年におきましては二・五二カ月ということに相成
つて
おります。その次に一・九九とございまするのは、これ又
電気
におきまして
政府関係支払
に繋が
つて
いる最も有力な
会社
の
一つ
でございまするが、昨年におきましては四・四五カ月と相成
つて
お
つたの
でございます。 最後の
兵器関係
、これは保安庁の
発注等
に繋がるものよりも、
駐留軍特需
というようなものに繋が
つて
いる
関係
が多いと見えまして、
特需
の変動と相呼応して
大分手許
が苦しいということが肯けるのでございますが、昨年は実は調べてございませんでしたが、一番下にございます二・八二カ月と申しまする
通信兵器関係
の
企業
につきましては、昨年におきましては三・九カ月ということに相成
つて
お
つたの
でございます。 以上は極めて局部的な
事例
の
調査
でございまするけれ
ども
、外見いたしますれば、
建設省関係
は
工事
につきまして前払、或いは
出来高払
、
概算払
といつたような
会計法
上のいろいろな特例も適用し得るように相成
つて
おるからでもございまするが、現在のところ
一般
に思われている以上に
支払関係
は良好である。それから
事業
の、主要なる
政府事業
に繋が
つて
おります部門も、昨年に比べますれば半減
程度
された
佳良
のものもあり、又
一般
的に
期間
において三割乃至五割
程度
短縮いたしておるように思われるのであります。 以上が
政府支払関係
についての
状況
でございまするが、
次官会議
その他の
決定
におきましては油断なき
政府支払関係
の
促進
ということ、並びに
下請
の適正な、的確な
支払
ということを追究いたしておるのでございまするが、将来は今回の
行政措置
の
事例
を当庁の
責任
におきまして各
庁各省
に照会いたしまして、
事例等
を収集いたしまして、適当な
機会
に御
報告
申上げるようにしたいと思
つて
おるのでございます。現在のところまだそれらの実例の
報告
を聴取する
段階
にまで至
つて
おらないのでございまして、御質問の
趣旨
に副わないところがございまするけれ
ども
、もう少しく時間をお貸し願いたく存ずる次第でございます。
民間企業
の
支払促進
につきましては、第一段には
金融措置
を以て
下請
についての
金融
の
疏通
を図るということが
一つ
と、それから
公正取引委員会
を煩わせまして、不
公正取引
という
見地
を加味してこれを
促進
して参るという二つの
措置
が考えられると思うのでございます。
下請企業
についての
金融措置
につきましては、今回十一月十九日の
次官会議
の
決定
の直後に、
大蔵省銀行局長
から各
金融機関
に対しまして、十二月三日
蔵銀
第四千九百十六号というものを以ちまして
下請中小主業
に対して
支払
を
促進
することについては、特に年末にかけて必要なものと認め、別紙の
通り
十一月十九日の
次官会議
において、
政府支払
に関連する
下請中小企業
の
支払促進
について特に努力する旨の
決定
をみたので、
貴会
(
貴会
と申しますのは各
銀行協会
でございますが)
傘下銀行
に対し、その
趣旨
を周知させられるとともに、昨年十二月二十五日
付蔵銀
へ第五四六四号の通知の
趣旨
を更に徹底し、
銀行
の
融資業務
を通じて
下請中小企業
への
支払
を
疏通
せしめるよう格段の配慮を払われたい。 右通知する。 という
通牒
を発し、同時に全
銀連
即ち
金国銀行協会連合会
におきましては、
融資自主規制委員会
の
決定
を以て
政府
における
下請中小企業
に対する
支払促進措置
に呼応し、各
銀行
は
融資先
に対し
下請
への
支払促進
を勧奨し、
下請業者
の
受取手形
の
割引
についてできるだけ便宜を供与するという
趣旨
を決議いたしまして、これの
実施
を約しておるのでございます。 又
日本銀行
の
融資斡旋部
は、従来の
融資斡旋部
の
業務方式
を大分切替えまして、主として
一般
的な
下請支払
のための
融資斡旋
というようなものを中心として、今後その
業務
を強化するという体制を整えておるのでございまして、大
企業
並びにその
親銀行
と申しますか、
取引銀行
を時宜によりまして出頭を求めて、
支払
の
促進
の具体的な
方途
並びにその
融資
の
斡旋
といつたようなことをいたしているのでございます。以上の
下請
についての
金融
の
促進措置
と並びまして、昨年暮以来、これを、
下請
への
支払
の不当なる
遅延
は、不
公正競争
、乃至は不
公正取引
ではないかという
見地
から、
公正取引委員会側
は絶えず要請して
参つて
お
つたの
でございます。先頃の
独占禁止法
の
改正
の
機会
に、従来不
公正取引
という概念で、いわゆる不当なる
取引
が禁圧されてお
つたの
でございますが、今回は不
公正取引
の
禁止
、制限ということに
改正
を見たような
事情
もございまして、その条章の精神に則りまして、本年の夏、当庁と
委員会
との共同による
下請
の
支払実態
の
調査
をいたしたのでございまするが、その結果、特に
下請
に対する
支払
の悪いというものにつきましては、両三日前のような
措置
が
公取
において行われたと伺
つて
いるのでございます。大
企業
は現在のところ殊更に
下請
を圧迫しようというような意識的な強い意図で行な
つて
いるものは先ず稀でございまして、やはり事実
懐工合
が苦しい、
金融
の枠が詰
つて
いるとか、或いは滞貨を抱えているというような、
止むにやまれぬ事情
から
下請
の
支払
を延ばしているというのがより多いようでございます。
相当
の給与を払い、
賞与
を払い、或いは
配当
も行う、そのような
事態
の下において、なお
下請
には五カ月、六カ月引張
つて
いるというのは稀でございます。併し中には私
ども
が
経理調査
を通じて見ましたところでも、
給料ベース
は
下請企業
の倍にも
行つて
いる。
配当
も通常の観念よりも余計
行つて
いる。
重役賞与
もたんまりと
つて
いるような
事態
の下において、なお
下請
のために五カ月、六カ月も
支払
をしておらんというような
事例
も、稀ではございますが、これは発見し得るのでございまして、かくのごとき悲しむべき
事例
に対しましては、不
公正取引
としてこれを厳重に取締
つて
頂かなければならんことと考えているのでございます。そのためには、私
ども
の考えといたしましては、現在
社会
的に重要な
地位
にあります大
企業
、例えて申上げますれば、その株式が上場されている、而もそうして
社会
の信用を受けて流通転々するといつたような
程度
にまで高い
地位
にある大
企業
の
社会的責任
というものは、やはりこれは
相当
強く見なければならんのでありまして、こういうような大
企業
が若し
下請
について迅速なる
支払
をするという
一つ
のモラルを常時頭に置いているということにすることができれば、
下請支払
はおのずからにして
促進
されることに相成るものと思うのであります。そのような
見地
から、私
ども
は
証券取引所
に上場されております
会社
についての一定の監督をいたしております
大蔵省
に向いまして、現在の
証券取引所法
によ
つて
各
上場株式会社
が
大蔵大臣
に非常に細かいことまで
報告
しているのであります。例えて申上げますれば、年額二十万円以上の給与を払
つて
いる
重役
の氏名といつたような
程度
まで……、これはまあ物価情勢が違うときに行われた
法律
でございますけれ
ども
、非常に細かいところまで
報告
するようにな
つて
いるのであります。これらの
報告
をするのは、投資者の保護というような
見地
から行われているもののごとくでございますが、同時に私はこのような大きな
社会
的存在とな
つて
おります大
企業
というものは、公正な
取引
を通じて
中小企業
に接している、或いは
取引
先に接しているということを天下に明らかにする必要があるわけでございますので、上場株式
報告書
における
決算
報告
に基いて、部品購入代、或いは加工賃、修理費、運搬費、保管費といつたような、隷属
企業
への
支払
と目される費目についての未払
期間
別、件数別
程度
に、
大蔵大臣
なり、或いは
証券取引所
なりに
報告
する義務を課して、これを公開したらどうか、そうすることによ
つて
、大
企業
の自粛と申しますか、自制によ
つて
大
部分
解決するのではなかろうかということで、
大蔵省
方面とも折衝をいたしたのでございますが、
証券取引所法
の
趣旨
は投資者の保護ということにあるのでございまして、
一般
的な
公正取引
の維持であるとかいつたようなことには無
関係
であるという
見地
から、なかなかこれを容れてもらえないのであります。そこで今回の
改正
独占禁止法
によりまして不
公正取引
を
一般
的に禁圧するという大方針がきまりました以上は、不
公正取引
を行う懸念多しと認められる部面に向いまして、
只今
申しましたような
経理
の
報告
を通じて予防
措置
を講ずるというところは、是非これをや
つて
やる必要があることと考えておるのでございまするが、主としてこれらの
措置
は
公正取引委員会
の活動を待
つて
行われねばならんことかと思うのでありますが、事務的には、
公正取引委員会
の事務の担当のかたがたに対しましては、研究を
お願い
いたしておるのであります。即ち現行法の下におきまして、
公正取引委員会
の規則といつたようなもので、
一般
的に予防
措置
として
報告
義務を課することはできないものであろうか、それが若しまあできなければ、或いは将来の問題としては、先ほど申上げました
政府支払
の
促進
に関する
法律
を更に強化する意味においての
立法措置
が必要であるのと同じように、将来これを立法問題として考える必要があるかないかというような点を目下検討いたしておるわけでございます。 なお
下請関係
の業者が、協同
組合
を組織いたしまして、大
企業
との折衝に当り、或いは
金融
の
疏通
を図り、或いは
取引
要件の切下げに成功するといつたような例は、各種の大
企業
隷属の
下請企業
において見られておるところでございます。
政府
におきましてもこれらの
下請企業
の共同施設等に対しましては、
相当
程度
の補助等も行な
つて
おる
事例
も多いのでございます。 又
支払関係
措置
について申上げますれば、
親企業
の
取引銀行
に、
下請協同組合
の口座を持ちまして、その同一
銀行
の中での振替
措置
によ
つて
支払
が早く参るようにするという
措置
を、
日本銀行
方面におきましても
融資斡旋部
で大いに奨励いたしておるのであります。但し
事例
といたしましては非常に少い
事例
でございまして、
支払促進
につきまして、まだ
親企業
と同一
銀行
に口座を持
つて
振替で解決するといつたほどの迅速な
措置
を講じておる
下請組合
の
事例
は、今のところ少いように思うのでございまするが、将来
下請企業
の
企業
診断等を頻繁に行いまして、
只今
申上げましたような
金融
経理
の
措置
等に応じた
勧告等
も逐次出して参りたいと考えておる次第でございます。 以上、やや
委員長
の御質問にそれたところもございまするが、
下請
支払促進
について考えておりますところをお答え申上げました次第であります。
中川以良
8
○
委員長
(
中川以良君
) それでは
公正取引委員会
横田
委員長
。
横田正俊
9
○
説明員
(
横田
正俊君)
只今
お尋ね
のございました二つの点につきまして、一応お答えいたします。大
企業
から
報告
を定時にと
つて
、
下請
に対する
支払
の
状態
を
調査
するような
制度
を設けてはどうかというお話でございます。この点につきましては、
独占禁止法
の中に、第四十条という規定がございまして、職務を行うため必要ある場合には、
事業
者に対して
報告
をとる権限が
公正取引委員会
に与えられておりまして、罰則もございますので、この規定を活用しますることによりまして、今おつしやいましたような
報告
をとることはできるわけでございます。勿論
政府
といたしまして、定期的に特別に
公正取引委員会
から
提出
を命じないでも、丁度林式の保有に関しまして、毎
決算
期に自動的に
報告
しなきやならんような法制もございますが、或いはそういう
一般
的なものを使わないでも、この四十条の活用によりまして大体その目的を達成することができるのではないかと考えております。ただ今
中小企業庁
から申されましたように、その内容を公表するというようなことは、これはやはり
公正取引
安貞会の
独占禁止法
の中に必要がある場合には
一般
に公表すると、必要の事項を公表するという規定がございますが、併し
事業
者の祕密に関する問題は除くということにな
つて
おりますので、その点との関連上、事柄によりましては公表を憚るというようなことも出て来ると思います。それらの点はなお十分に検討して見なければならんと思
つて
おります。また私自身今日初めてそういうことを承わりましたのですが、
委員会
の事務局と
中小企業庁
との間で、なおこの問題はよく検討して善処いたしたいと考えております。 それから次に協同
組合
のことにつきましては、成るほどお説のような
御用組合
も
相当
あるそうでございますが、併し
只今
担当の者に聞きましたところによりますと、
相当
組合
員のために
親企業
に向
つて
いろいろ主張すべきものを主張するという立場において活動しておる協同
組合
も
相当
あるそうでございます。そういう性質の
組合
を大いに助長するということは、これは或いは
公正取引委員会
の仕事ではないかも知れませんが、大いに好ましいことであると考えます。
中川以良
10
○
委員長
(
中川以良君
) それではこれから、質疑に入ります。
豊田雅孝
11
○
豊田
雅孝
君 先はど
中小企業庁
石井振興部長
からいろいろ御
報告
があつたわけですが、特に
政府
の
支払関係
について努力せられておるところは一応多とはいたすのでありますか、未
払状況
好転というような点について、私は非常に楽観せられ過ぎていると思うのでありまして、現に今日配られた
政府契約
に関連する支
払状況
を見ましても、
車両関係
でも五カ月以上も
遅延
をしている。これで好転しておると言えるかどうか。四カ月以上のものも勿論ありますし、
兵器関係
などについては六カ月以上
遅延
している。六カ月以上
支払
いが
遅延
にな
つて
お
つて
、それで果して
下請
というような
企業
形態のものが成立つかどうかということを、これはもう真剣に考えて行かなければいかんと思うのでありまして、そういう点において従来の御努力は多としますけれ
ども
、私は断乎としてこの際適切なる
措置
をどんどん講じてもらわなければいかんと思うのであります。で、この際主として
公取
のほうへ
お尋ね
したいと思うのでありますが、
公正取引委員会
では曽
つて
下請
側の
調査
を詳細
中小企業庁
と連携してやられておつたようでありますが、その
資料
に基いて親
企業側
の支
払状況
を
調査
せられたようでありますが、その
調査
の結果どういう数量をつかまれたか、それを配付してもらいたいと思うのであります。差当り本日は最も問題になるような諸点について
説明
を受けますると同時に、どういう
措置
をと
つて
おられるか、それを具体的に伺いたいと思います。
中川以良
12
○
委員長
(
中川以良君
) ちよつと今の質問に関連してでございますが、今のは全く適切な御質問でございまして、昨日来いろいろ呼んでいらつしやるようですが、その
実情
等もこの際
一つ
差支えない範囲において御
報告
を願いたいと存じます。
横田正俊
13
○
説明員
(
横田
正俊君) 前回
中小企業庁
と共同いたしまして調べました
下請
側の
事情
につきまして一応御
報告
申上げまして、その際も、
只今
親企業
のほうの
調査
を進めておるということを申上げました。その後
親企業
方面の
調査
を進めまして非常に急いだのでございますが、いろいろ手不足等の
関係
もございまして甚だ遅れまして、その点は私自身非常に遺憾に存じておるわけでございますが、大体
親企業
約四十
工場
、前回の
下請工場
六百のその
親工場
に当りますもの約四十
工場
につきまして、自動車
関係
三
工場
、自転車
関係
三
工場
、ミシン三
工場
、
車両関係
三
工場
、造船
関係
五
工場
、
電気
材料機械
関係
四
工場
、計器
関係
二
工場
、産業機械
関係
七
工場
、
兵器関係
五
工場
、時計二
工場
というような約四十
工場
につきましてかなり広汎な調べをいたしました。
調査
の大体の項目は、外注額、それに対する
支払
金額、買掛金残高いとうようなもの、生産金額、販売金額、在庫残高、人金額、売掛金残高、設備の更新、その資金、
下請
単価の
決定
方法、
配当
、
賞与
、賃金、借入金というような点に亙りまして調べをいたしました。本日この
調査
しましたものを書面に認めまして差出す予定でございましたが、遂に間に合いませんでございまして、いずれ近いうちにそれを書面にいたしまして差出すつもりでございます。この
調査
の内容につきましては、詳しいことは担当の者が来ておりますから、そちらから申させるということにいたしまして、結局この
調査
の結果甚だ
支払
が
遅延
しておりまして、而もその
遅延
するについて余り正当な理由がないように思われますものが大体十社近く認められますので、先般新聞紙でも御覧になりましたように、
一般
に対しまして
支払
の
遅延
をしないようにという警告を発しますると同時に、この不当と思われます約十社のものにつきまして、昨日から一々担当の
責任
者を呼出しまして取調をいたしております。主として経済部でや
つて
おりまするが、同時にこれは場合によりましては審判開始というような、いわゆる本式の
事件
に繋がることでございますので、
審査
部の審判官を二人同時に立会わせまして調べておりますが、昨日第一回がありましたばかりでありまして、なおまだその結果を、どういうことになりますか、はつきり申上げられませんが、昨日の
会社
につきましては、これは非常に良心的な態度で自分のほうの
事情
もよく述べまして、なお今後の処理につきまして近日中に対策を講じて、こちらに申出て来るということにな
つて
おりまして、昨日の
会社
は非常に誠意のある態度を示したそうでございます。尤もこれはこの十社中では割合に、比較的いいほうだつたそうでございまするから、この例を以てほかのもつと悪質と思われますものを推し測ることはできないと思いまするが、昨日の
状態
はそういうことでございました。 なおこの調べを進めました結果、反省の色のない
会社
に対しましては先般新聞紙にも出ましたように、
公正取引委員会
の正式の権限に基きまして、
事件
として取上げて参りたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。詳細の点につきましては
事務局長
が来ておりますので、そちらから御
説明
いたしたいと思います。
小川清四郎
14
○
説明員
(
小川清四郎
君)
只今
私
ども
のほうの
委員長
から概略を御
説明
いたしました。その詳しい内容につきましては
只今委員長
の申しましたように目下、不
審査
の
段階
に入
つて
おりまして
公正取引委員会
の建前といたしましては
審査
に入る、乃至は予備
審査
に入りました場合には、その内容等につきましては公表をしないという建前にな
つて
おりますので、名前等につきまして申上げたいのでございますが、それを差控えることにつきまして御了承を
お願い
したいと思います。これは同時に先ほど申上げました
親企業
の
調査
の内容を文書にいたしまして、差出す場合にも
事業
者の名前につきましてはこれを公表しないことにいたしたいと存じまするので、或いはできるだけ早くお
手許
に差上げます
調査
の結果につきましても、抽象的な、名前を省いた
資料
となることと存じまするので、これ又あらかじめ御了承を得たいと存じます。 次に
調査
の項目につきまして
只今
概略項目だけ
委員長
から申しましてありまするが、大体今申上げました外注額、
支払
全額、買掛けの残その他等につきまして詳しい表につきまして後ほど更に申上げたいと存じまするが、大体の標準といたしましては、
支払
能力のある
親企業
が特に
下請企業
に対しまして
支払
を
遅延
させておるというものも中にはございまするので、大体
親企業
の
支払
能力ということを中心にいたしまして
調査
をいたした次第でございます。中には
親企業
そのものが非常な
特需
産業等の場合におきましては窮境にあるものもございまするが、これは別途
金融措置
その他を講ずることによりまして成る
程度
まで
下請
に対する
支払
を
促進
するという方法もとらなければならないかと思いまするが、然らざる場合におきまして、なお且つ
支払
が
遅延
しておる、特に原材料の購入先と申しますか、
資料
、副資材のメーカに対しては
支払
をよくし、一方において
下請中小企業
に対しては
支払
をできるだけ延ばそうとしておるという面がないかどうかというような点につきましても、一応
親企業
のほうから
報告
を取りつけますと同時に、
公取
自体も出向きまして実態の
調査
に当
つて
おります。その後も引続き実態
調査
を続けておりまして、中には
国会
における論議乃至は新聞の公表などと相待ちまして、だんだんとよくな
つて
おる向も多少ございます。例えば私
ども
のほうで大体十社を目標として目をつけておりますのですが、現在昨日からや
つて
おりまする
親企業
の中には、特にその後の支
払状況
が非常に
促進
されておるというものもございまして、実際には二社ばかり落ちております。関東が四社、中京地区が二社、関西地区が同じく二社、計八社について直接
会社
の担当者を招致いたしまして目下や
つて
おる次第でございます。かくのごとく、或いは
部分
的であるか知りませんが、或る
程度
まで
支払
の
改善
しておるという面も多少出て
参つて
おります。今後ともなお引続き監査の必要もございますし、怠りなく
調査
を続けて参りたいというふうに考えております。 そこで最初に戻りまして、
調査
の内容について概略申上げたいと存じますが、
親企業
と
下請企業
との
関係
におきましては、全部
親企業
持ち、一部
親企業
持ちというようないろいろの態様がございまするので、その間におきましてはなかなかむずかしい問題も出て
参つて
おりますので、慎重にや
つて
はおるのでございます。一番ひどい場合には、すでに新聞紙等で公表されておりまするけれ
ども
、受注から納入までの日数、それから納入から検収までの日数等につきましていろいろ調べて見ておるのでございますが、検収から第一回目の
支払
までの日数につきましては特にひどいのは百二十日から九十日くらいまでのところは、標準からいたしますと少し長いように思われます。それから又検収から
支払
完了までの日数につきましては、大体一カ月以内のものが一五%、一カ月から二カ月のものが三四%、途中を飛ばしまして、四カ月以上のものが一〇%というふうな工合に出ております。
支払
完了までの日数は、最長の場合には三百六十日というのがございます。それから又三百日、二百日、百八十日、六カ月以上のものも
相当
ございます。勿論この各
会社
につきまして最長の場合を見たわけでございますが、最短の場合には勿論十日とか三十日というようなものもございます。それから納入の金額と売掛けの残を比較して見まして、先ほど
中小企業庁
のほうの表にも載
つて
おりますが、こちらで調べたところによりますと、最もひどいのは六・五という倍率が出ております。こういうのはよほどの
事情
のない限り厳格に
調査
をして、その反省を求めたいというふうに考えております。十社のうちで比較的いいものもございますが、その場合におきましても倍率が二以上のものが
相当
あるようであります。 次に、
手形
期間
の長期化の問題でございまするが、非常に長いのは二百七十日というのが最も長いようでございます。我々のほうで
調査
の
対象
にしたいと思
つて
おりまするもののうちで、一番長いのが二百七十日でございます。一番短いのでやはり百二十日ぐらいのようでございます。 次に、実際の
支払遅延
の実例につきまして申上げたいと存じますが、或る
下請工場
の
報告
によりますと、納入から検収までが十五日、検収から
支払
完了までが百八十日、合計百九十五日というような数字が出ております。そういたしまして、月六体平均三十五万円の納入額に対しまして、本年の六月末の売掛けの残が三百二十五万円ございます。これを倍率にいたしまして約九倍でございます。なお且つそれに加えまして、単価が四〇%余り値引を要求されておるというような
事情
もあるようでございます。この
下請工場
の
事例
などは最も著しい例ではなかろうかと思います。
支払遅延
は一方から申しまして、結局又単価の買叩きというふうな面に繋が
つて
参るわけでございまして、その点の調べを十分にいたしたいと存じておるわけでございます。 以上のような、大変概略的な
報告
でございますが、いずれ文書にいたしまして目下や
つて
おりまする
調査
等も差加えまして、名前だけは省かして頂いた上に
資料
を作りまして、できるだけ早くお
手許
に差上げたいというふうに考えております。
豊田雅孝
15
○
豊田
雅孝
君 親
企業側
を
調査
した場合のすべての
会社
名を公表するということは、或いは差控えるということは御尤もだと思うのでありますが、今回すでに京浜地区で五社、関西地区で三社、中京地区で二社、合計十社は違反の疑いがあるというので出頭を命ぜられておるということを我々は
承知
しておるのでありますが、そういう甚だしい
事例
の
会社
名を私は公表すべきだと思うのであります。というのは、これは単なる投書などによ
つて
呼出しておるというのなら私は公表しちや悪いと思うのでありますが、
下請
側を長時目に亙
つて
調べ上げられて、その的確なる
資料
によ
つて
親企業
の
会社
側を克明に調べ上げられて、その結果的確なる
資料
をつかんでこそ出頭を煩わされていると思うのでありますが、その
会社
名が公表できんというのはちよつと納得できない。先ほど
中小企業庁
の
石井振興部長
もむしろ
社会
的批判に待つことが
親会社
の
支払遅延
の問題を解決するのに最もいい方法だというような示唆をせられておつたようでありますが、我々もそれに賛成である。そういう面からも私は出頭をさせられるように
なつ
た
会社
名が公表できんというのはどういうものかと思うのであります。そういう生ぬるいことでや
つて
おりたのでは私は
支払遅延
の問題は解決しない、又同時に
公取
の存在意義はないのじやないか、強いて公表を差控えるのだつたら祕密会にしてでもここで発表して頂きたい。(「
異議
なし」と呼ぶ者あり)
横田正俊
16
○
説明員
(
横田
正俊君)
只今
、小川局長から名前の点は御勘弁願いたいというふうに申上げました。これは、実は私
ども
、その点勿論よく考えたわけでございますが、御
承知
のように、この不
公正取引方法
は、先般の
国会
において
独占禁止法
の
改正
ということで新たに設けられたものでございまして、従いまして
相当
悪質なものもございまするが、中にはまだよく
法律
の精神を理解しないで、或いは言い方によりますと、少し戸惑
つて
いるというような面もなきにしもあらずでありまして、実はこの
会社
を呼出しまして折衝いたします場合も、成るべくその反省を求めまして、自発的に
支払
をさせる。そういう方向に持
つて
行くことを今実はや
つて
いるわけでございまして、そういうような観点からいたしますと、この際、名前を発表しまして、いろいろその
会社
の信用方面に非常な影響を及ぼし、延いてはそれが
下請
のほうの
支払
等にも悪い影響が及ぶというようなことになりましては、折角の折衝もどうかというふうに考えましたので、そういう観点からいたしまして、実は名前を申上げないというふうにいたしたわけでございますが、併しこの折衝の結果、或いは
会社
によりまして、いろんな態度が出て参ると思うのでありまして、その或る時期におきましては、又この名前を大いに発表して
国会
方面の御活動、或いは世間
一般
の批判というものの
対象
にいたしたい、又いたすべきであるというふうに私は考えております。
只今
の
段階
におきましては、一応この数社に当りますまでこの名前の発表を御勘弁願いたいというふうに私は考えております。
豊田雅孝
17
○
豊田
雅孝
君
只今
、
横田
委員長
から、強いてこの際公表をしたくないというた
つて
のお話であるのでありますから、今日は私は止むを得ないと一応考えます。併し来年一月二十日頃にでもなれば、又
国会
も再開になるのでありますから、その際には、今回の十社
調査
の結果を明らかにせられまして、その中において
事態
の容易ならんものについては、今度は少くとも秘密会においてでも発表してもらいたいということを重ねて申上げますから、これを良心的に実行してもらいたいと思います。 次に、
政府支払
の
関係
におきましては、
昭和
二十七年の暮に出ました
法律
で
一つ
の準則が設けられているのでありまして、この準則に準ずるような民間
支払
についての準則を、前
国会
におきまして私
ども
からこれが制定について要望したのでありますが、その際に検討をする、通常
国会
までにはその案でも出されるというふうな御答弁があ
つたの
でありますが、その後お約束の結果がどういうふうにな
つて
いるのでありましようか。その点
一つ
。
横田正俊
18
○
説明員
(
横田
正俊君) 前
国会
におきまして、
豊田
委員
より御注意がございまして、その問題につきましてはすでにその前からいろいろ検討もしておりましたし、なおその後現在に至るまで検計いたしておりまするが、今我々の懸念しておりますることを率直に申上げさせて頂きますならば、例えば四十五日、或いは六十日以上のものはいかんというような規則を作りました場合にこれがどういう影響を持つか、成るほど或る意味において基準がはつきりいたしますことによ
つて
、私
ども
としても仕事をする上に、
一つ
の基準がございますことになりますので、やりよくなるわけでございますが、併し一方丁度公定価格を
決定
いたしますると、それが最高価格であるにかかわらずすべてその線まではよろしいということで殆んどすべての物価が最高の公定価格に
行つて
しまうというような
実情
でございまして、統制時代にそういうふうに私はまあ見ておりますが、この
下請代金
につきまして、例えば六十日、或いは四十五日ということになりますると、むしろその影響はそれくらいは
支払
わなくてもいいというような、むしろ
一つ
の許された
期間
というような感じを
事業
者に与えるという面がございますの去れその点私
ども
は
一つ
十分に考えなければならんというふうに感じまするのと、それからやはり業態等によりましてこの
期間
というものは余り一律にはつきりきめられないのではないかということも懸念の
一つ
でございます。なおこの点は再々御注意もございますので、十分に検討したいと思
つて
おりまするが、
只今
我々が懸念しておりまする点は大体この二つの点でございます。
豊田雅孝
19
○
豊田
雅孝
君 大体商慣習というのはきま
つて
いるわけですね。具体的に言いますというと、
手形
振出しの場合でも従来なら普通は二カ月、併しだんだん諸般の情勢から遅れているということでも普通は三カ月、その三カ月を超えるような
手形
の
割引
というようなことはできないというのがこれが商慣習でありますので、いろいろ御懸念のような点もあるようでありますけれ
ども
、今回の出頭を命ぜられたりしているような
関係
会社
その他によく
事情
を聴取せられますると、おのずから私はそこに商慣習としての最大公約数が出て来ると思うのです。これを原則として基準とする、その原則に正当な理由なくして違反した場合にはこれは不公正なる
取引
になるのだという
決定
が下されるということにすれば私はいいのじやないかと思うのです。そういう方向に
公取
で突つ込んで今後お進みになることこそ、独禁法の
改正
の際に不公正なる
取引
として未払
関係
を取入れた意義があるのであります。特種指定と言
つて
もああいう抽象的なことをや
つて
お
つたの
では私は殆んど
効果
はないと思う。そういう点について重ねて御意見を伺いたいのです。
横田正俊
20
○
説明員
(
横田
正俊君) その点は大体先ほど申しました点に尽きるのでございますが、極めて適切な御注意でございまして、なお事務局におきまして十分に検討いたしましてこの次の
国会
あたりにはもう少しはつきりした私
ども
の態度を
決定
して申上げたいと思います。
豊田雅孝
21
○
豊田
雅孝
君 今の特種指定の行き方で私は先ほど
横田
委員長
からもお話のございましたごとく、業界でもまだ法の制定後間もないときでもあるし、右往左往といいますか、そういう傾向があるやに述べられているのでありますが、そういう
状態
であればあるほどやはり如何なる
程度
のもの以上になるとこれが未払、
支払遅延
になるかということを私ははつきりさせる必要があると思うのでして、そういう点について是非ともこの通常
国会
の次回のときまでに民間未払
関係
に対する
一つ
の基準設定の草案を少くとも私は提示してもらいたい、その点を重ねて要望しておきます。
西川彌平治
22
○
西川
彌
平治
君
支払
の
促進
の問題につきまして
中小企業庁
の
石井振興部長
さんから
政府
並びに
公社
、それから更に
地方
庁に対しましてもその通達を出されたというお話でございましたが、確かにその現われでありまするか、
相当
地方
の県あたりの
支払
もよくな
つて
来ておることは私ははつきりと認められるのでありますが、ところがその結果といたしまして
一つ
こういう問題が現われて来ておるわけです。それは
地方
におきましては、この県の契約がございますると、契約の債権譲渡によりまして
銀行
が金を貸してそうして仕事をさせて頂くようなことにな
つて
いるのでありまして、最近それは大変活溌な線が出ております。
従つて
この年末の切抜け等に対しましては、
銀行
その他に対しまして債権譲渡が
相当
活溌に行われているのであります。ところがこの
地方
的なまあ問題になるかも知れませんが、この仕事によりまして、例えば土木のような仕事でありますが、土木とか、建築というような問題になりますと、
一つ
のこの天候、いわゆる気候の
関係
で非常にこの期日に制約をせられて急いで仕事をやらなければならない、或いは河川の
工事
等においてはこの渇水期を利用しなければならんというようなことで、入札がございますると、
決定
して直ちに着工をいたしているのが多いのであります。ところが事実問題としてその契約の正式書類がなかなか捗
つて
おらんのであります。甚だしいのは二カ月もその契約がその正式な書類ができ上
つて
おらない、併し
事態
はどうしても冬の前であるとか、或いは渇水期を前にしてどうしてもやらなければならんということで着工する、半ば仕事はでき上
つて
しまうけれ
ども
まだ契約書が頂けないために、折角債権譲渡というような立派な
金融
の途が開かれているのでありますけれ
ども
、それが使えないで非常に困つた
事態
ができておりますので、我々もこれに対しましては
関係
当局者に対してさようなことのないように厳重に実は警告を発し、そうしてさようなことのないように努力を
お願い
いたしているのでありますが、国並びに
公社
の
関係
においてもさような
事態
があるのではないかと私は考えているのでありますが、そういう点について如何なものでございましようか、お伺いいたします。
石井由太郎
23
○
説明員
(
石井由太郎
君) お答え申上げます。実際問題としましては落札によりまして契約者がきまつた、併しながら
工事
の細目でございますか、仕様でございますかというようなことの例えば書類の作成にも
相当
の
期間
が要るというようなことで、落札が
決定
してからこれは
会計法
によりまして正確な書類を作成しなければならんのでありますが、その間に
相当
な
期間
がかかるということは、
工事
そのことが大きくなればなるほど多い
事例
ではなかろうかと思うのであります。ただきれいごとを申上げますれば、
会計法
によりますれば入札後何日以内には必ず
工事
契約を結ばなければならん、結ばれない場合には入札権は没収というようなむしろこれを強行したことに事実上相成
つて
おるわけでございまして、表
通り
から参りますると、
各省
各庁とも
会計法規
の定むるところに
従つて
入札
決定
、落札
決定
及び法的
期間
内の契約締結ということが実際上行われたように後日から見ますれば相成
つて
おるわけでございまするが、いずれにいたしましても、入札、落札、それから契約の締結という
期間
に、法定乃至は
工事
入札公告等にきめられました
期間
内に
実施
するということは、これは適正な契約を進めるゆえんでございますので、主として問題は国庫会計の処理勘定の問題に相成りまするけれ
ども
、
会計法
の精神を着実に実行するというのには、なお十分意を用うべきだと考える次第でございます。
西川彌平治
24
○
西川
彌
平治
君 私はまあ今、年末の
中小企業
に対する
金融
の問題を大きく考えておりまするのであ
つて
、
法律
がどうとかこうとかいうことでなくて、現実の問題として、まあ
地方
においてはそういう問題がたくさんあるのだから中央にも私はそういう問題があるのではないか、又大きな仕事に対しましては契約ができないために中間金が、そのいわゆる中間の請負金、払う資金源ができないで困
つて
おるのではないかということを非常に私は懸念をいたしておるために申上げた次第でありますが、そういう点について十分今後御研究願
つて
、
中小企業
の
金融
にその点が支障を来たさないように
お願い
を申上げたいと思うのであります。 それと、いま
一つ
私は、これは私の不明の点を申上げるようで大変恐縮するのでありますが、
一つ
伺いたいと思いまするのは、今のような債権譲渡とかいうようなことで金を借りまするときに、それに対するまあ
銀行
或いは
銀行
に準ずるような
大蔵省
が認めておりまする機関によ
つて
、これが金を借りるわけでありますが、その際に非常に最近の
状態
として金利の差があるのであります。まあ二銭六厘とか三銭とか、或いは三銭五厘とか四銭とかいうように非常に金利の差があるのでありますが、この金利というものは、いわゆる
政府
が公に認めておる
金融機関
に対しまして何か金利のこういうふうにというような制約があるのではないかと私は考えますが、こういうことに対しましては、
公取
の
関係
にあるか、或いはどの
関係
にあるか知りませんが、
一つ
その点を、むしろ私は教えて頂きたいと思
つて
おるわけであります。
石井由太郎
25
○
説明員
(
石井由太郎
君) 金利につきましては、臨時金利調整法と申します
法律
がございまして、預金金利につきましても貸出金利につきましても、
銀行
その他
政府
指定の
金融機関
の遵守すべき金利率というものが一定されております。例えば三百万円以下の資金でございますれば、一件三百万円までは
手形
貸付二銭四厘、それを超えるもの二銭五厘、但し信用金庫、相互
銀行
といつたような、これは
政府
公認の
金融機関
ではございますけれ
ども
、これは臨時金利調整法の適用外にございまして、別段三銭で貸さなければならんということが義務付けられておらんのが現状でございます。併しおのずから信用金庫には信用金庫の金利水準というものがございまするし、相互
銀行
には相互
銀行
の金利水準、
地方
銀行
、十一大
銀行
にはそれぞれ若干ずつの違いがあるという
実情
にな
つて
おる次第でございます。
西川彌平治
26
○
西川
彌
平治
君 大変有難うございましたが、そういう意味合から考えまして、
一つ
この際私
お願い
を申上げたいのでありますが、最もお金に困
つて
おる
中小企業
者の
金融
に対しまして、そういうふうな
金融機関
におきましては、できるだけ
一つ
貸付の金利を良心的にして、貸出を
お願い
申上げたいと思います。これは
一つ
強くそういう方面に申込をして頂きまして、徹底させるように
お願い
申上げておきます。
三輪貞治
27
○三輪
貞治
君 先ほどの
公取
の
事務局長
の御
説明
の中で、
親企業
から
下請
に出す場合の値引率が四〇%のものもあるという御
説明
でしたが、大体
親企業
から
下請
に出す場合に、事務費、監督の費用、金利その他を勘案して、一体どれくらいが適切な値引率であるのか、そうして又実際に行われている平均の値引率が、若し出ておればその
状態
はどういうものであるか、
一つ
御
説明
を願いたいと思います。
丸山泰男
28
○
説明員
(丸山泰男君) それでは今の値引の点について御
説明
申上げます。普通、
下請
の場合は、親
企業側
から発注がございまして、見積りを出させまして、それで価格がそこでそれぞれきまるわけでございます。ところがその
支払
が漸次遅れて参りますと、
下請企業
側では早く
支払
つて
もらいたいということで、中には
下請企業
側から値引を申出て、金利負担分を考えれば値引してもら
つて
も早く払
つて
もらうほうが有利であるというようなところから、
下請
側からこういう値引を申出ている。
親企業
もそれで本来は大きな
会社
として、そういう一旦売買契約が済み、価格も了解がついているものを値下げをするということは、普通の商道徳からいうと好ましくないわけでありますけれ
ども
、
下請
側のそういつた申出を安易に受入れまして、そうして値引をする、その代り早く払
つて
やる、こういつた
事例
があります。それから更にそれが進んで参りますと、これが
制度
化いたして参りまして、
親企業
のほうから、いわゆるコスト・ダウン・システムと申しまして、一旦納入したものについて値引を受入れるか、受入れたら早く払
つて
やるとか、こういうふうなやり方すら出て
参つて
おります。これなどは明らかに不当なやり方でありまして、
只今
私
ども
の
委員長
から申上げましたような
措置
、行政的ないろいろ
措置
を通じまして、かなり
親企業
に対してそういう不当なやり方に厳格な警告を発しまして、親
企業側
もその不当なことを認め、弊害も
相当
あることを認めまして、そのことは言い換えますと、
下請企業
側も漸次これに抵抗するようになりまして、結局値引されるならば初めのときに契約価格を水増してやる、そういうような作用、反作用が入りまして、かなりそこが不合理にな
つて
来る。或る
親企業
のごときは、あそこはもう値引をされる、
下請代金
の
支払
を遅らす、そうしてそのあげくに値引されるというふうな風評が立ちますと、
下請
側でも初めから水増をやる、そういうことが
銀行
あたりにもわか
つて
、
銀行
側から
親企業
に対して、お前のところはそういうふうな高いものを買
つて
おるという評判があるぞという注意があ
つて
、
親企業
としても自分の利益の立場からも、そういう馬鹿な、不合理なやり方は好ましくないということを反省するようになりまして、両々相待
つて
、これらの点についても、今度の我々の
措置
によ
つて
かなり
改善
されるんではないか、こういうふうに私
ども
考えております。
三輪貞治
29
○三輪
貞治
君 そうすると、
親企業
から
下請
に出す場合にはこの入札方法等がとられているわけですか。
丸山泰男
30
○
説明員
(丸山泰男君) それは入札でやる場合もございますし、いろいろ品種によりまして異な
つて
おりまして、例えば
電気
機械メーカーのごときは、一定の部品を本社で設計をいたしまして、そうしてこの設計によ
つて
、大体
親企業
との
取引
のある、信用
調査
をした
下請企業
に入札をさせます。この場合にはいろいろ、型と言いまして、その部品を作るための型を
親企業
が与えてそれを作らせる。
従つて
一旦入札で価格がきまりますと、大体その
下請企業
がその部品をずつと発注を受ける。その価格で発注を受ける。勿論材料費その他の値上りがございますれば、途中でそれを変更することもありますが、やはりこの
下請企業
に競争させて、そうして最も安いところを買叩いて行くという、そういうやり方がとられているようであります。
三輪貞治
31
○三輪
貞治
君 そうすると
政府側
がこの
親企業
に対して契約する場合には、勿論入札でありましようが、大体その引札ですね、それは何割ぐらい引いたところで普通平均的に契約をされているのですか。
丸山泰男
32
○
説明員
(丸山泰男君) 何割と申しましても、勿論親
企業側
で厳密にこの原価計算をいたしまして、いわゆるコースと称しまして、これだけの部品を作るのに何コースあるか、大体のめどをつけることが、これが普通の官庁等の入札の場合と同じでございます。併し勿論営利
企業
でございますから、できるだけ安く叩くということは当然でございまして、
下請
側から出す単価について競争入札の結果一番安いところに入れさせる。ただ親
企業側
としましても、いろいろ材料などを無償配給する場合もございます。余り信用のない、技術の低いところに出すことは避けるという傾向はございまして、成るべくなら長く
取引
している
下請
にやらしたい。この入札と申しましても、普通の公に一堂に集ま
つて
の競争入札というような形じやございませんが、大体
取引
のある、或る部品なら部品について
取引
のある数
工場
五つとか、十とかいう
工場
にこの見積りを出せということで一番安いところを見比べて、従来の
取引
関係
のあるものは、そういうやはり
取引
関係
のあるところが実際それよりも高くても、今度は折衝によりまして、お前のところではここまで下げるなら、やらしてやるというような厳密な意味の競争入札じやございませんが、そういつたやり方が
電気
機械メーカーの面ではとられているようであります。これも
一つ
の例でございまして、一概に全部が競争入札でや
つて
おるわけじやございません。
三輪貞治
33
○三輪
貞治
君 先ほどの
説明
の中の四%というこの特殊な例外の場合は、これは
政府契約
のものについてですか。
丸山泰男
34
○
説明員
(丸山泰男君) これは
政府契約
ではございませんので、恐らくこの
下請代金
の
支払
が非常に遅れており、その間材料等の値下りもあり、又親
企業側
の製品の価格も値下つたというような
関係
から、この際一挙に払いたいということで、四割の値引をされたという
事例
が出ております。併しこれは非常に極端な
事例
でございまして、こんな例はほかの
調査
では余りございませんのでありまして、何かこれには特殊のいろいろな背後の
事情
があ
つたの
ではないか。普通は私
ども
の知
つて
おる範囲では、あとから値引をするといたしましてもせいぜい一割
程度
が普通でございまして、四割というのは、これは何かよほど極端な特殊
事情
があるのではないかと私
ども
見ております。
小松正雄
35
○
小松
正雄
君 私は本日のこの
委員会
が持たれたというそのことに対しまして、
委員長
の本日ここに開かれることにお取計らいをいたして頂いたことに対して感謝を申上げるわけでありまするが、それにつきまして、さつき
豊田
先輩より種々本日のこの
公取
委、或いは
金融
面に関することについて御質問がありましたのですが、この御質問の中に、特に私
ども
の考えておつたことを御質問されたのでありまするが、それはすでにもう正月は目前に迫
つて
おるし、
親企業
が
中小企業
、即ち
下請業者
に対して金を払わない上に、非常左諸般の問題から圧迫を加えているということを常に聞いており、又それが盛り上
つて
来て、私
ども
は
委員長
に本日のこの会合の要求を極力してお
つたの
でありまして、そういう観点から
只今
豊田
委員
より御指摘になりましたそのお答えの中に、そういう悪質な十社の名前が挙げられないということについてでありますが、私は
公取
委の
委員長
としては的確にそれを呼出すだけの材料、
資料
を集められて、そうして呼出されて、その十社のかたがたに対して聴取され、そのことについてはすでに悪質であり、余りにもやり方がひどかつたという考え方が、はつきりおわかりに
なつ
たと私は思うのでありまして、そうするならば、この際こういう十社の名前を挙げて、そうして本当にこの人らを犠牲に立てるかも知れませんけれ
ども
、
公取
委の
委員長
としては、これらを犠牲に立てても大いに今後まじめにや
つて
行く上においても名前を発表するという決意がないのでありましようかを一応お伺いいたします。
横田正俊
36
○
説明員
(
横田
正俊君) この問題につきましての私
ども
の考え方は先ほど申上げた
通り
でございまして、要するに自発的に成るべく早く
支払
をさせたいというのが私
ども
の念願でございまして、その観点からいたしまして、今鋭意
親企業
の反省を求めておるわけでございます。いろいろなお考えもおありになると思いまするが、私
ども
のこの方針でこの数社を一応当りますまでは、発表を差控えさして頂きたいと、こう思うわけであります。併しこれは先ほ
ども
申します
通り
、全然発表しないということではないのでございまして
親企業
の態度如何によりましては、むしろこれは進んで発表いたす時期があると思いまするし、なお正式に
事件
として取上げることになりますれば、これは勿論天下に公表されることになるわけであります。今暫らくの間発表を差控えさして頂きたいというのが私
ども
の考え方であります。
小松正雄
37
○
小松
正雄
君
公取
委の
委員長
は
親企業
のために暫らく延期を願いたいなどというのか、或いは
下請業者
のことをお思いにならないことによ
つて
、暫らく
親企業
の名前発表は待
つて
くれと、こういうことでありますか。
横田正俊
38
○
説明員
(
横田
正俊君) 私が今申上げたことでは不十分だつたかと思いまするが、むしろ
下請企業
に成るたけ早く
支払
を受けさせる
一つ
の方法といたしまして、この際発表しないほうがいいのではないかという考え方でございます。
小松正雄
39
○
小松
正雄
君 そういたしますと、このお調べに
なつ
たことによ
つて
その十社の間ではいろいろそれは異
なつ
たこと等もあると思いまするが、先ず一番大きい
支払
をしていないというものが大体金額においてどのくらいかおわかりでしたらお知らせ願いたい。
小川清四郎
40
○
説明員
(
小川清四郎
君)
只今
大体目をつけております十社のうちで最も多いと思われまするものを一、二挙げて見ますると、或る
会社
におきましては、
昭和
二十八年、本年の六月現在におきまして千八百七十四万円、又他の社の場合におきましては二千四十万円、大体その辺のところが大きいように思われる次第でございます。
小松正雄
41
○
小松
正雄
君 それでは一番少いのはどれくらいですか。
小川清四郎
42
○
説明員
(
小川清四郎
君) 比較的
状況
のよろしいのもございますが、一番少いところを探して見ますと、やはり二十八年六月現在におまきして二百十九万、二百七十六万、二百八十三万、大体二百万から三百万以内のものでございます。
小松正雄
43
○
小松
正雄
君 それはお調べに
なつ
た十社のうちの最低でございますか。
小川清四郎
44
○
説明員
(
小川清四郎
君) さようでございます。
小松正雄
45
○
小松
正雄
君 それではもう
一つ
お尋ね
いたしますが、
下請業者
で一番金がもらえないという人の金額をお知らせ願いたいと思う。
小川清四郎
46
○
説明員
(
小川清四郎
君) 本日誠に申訳ない次第でございますが、細かい
調査
表を持参しておりませんので、後ほど数字を出しまして御
報告
を差上げたいと思いますが……。
小松正雄
47
○
小松
正雄
君 そんなになりますと私は非常に遺憾に考えるわけでありまして、本日こうして
公取
委の
委員長
初め皆様方がおいでになるということでありまするので、先ほど申上げましたように、私
ども
は、正月を目前に控えて
下請業者
が非常に圧迫を加えられてこの年が越せないのだと、こういうことを私
ども
は考えて
委員会
としては、あなたも幸いにお気付きに
なつ
たかどうか知りませんが、先日いろいろお調べになるというようなことも聞いておりましたし、本日はそういう
資料
もはつきり出されるものと……。それによ
つて
こそ初めて
公取
委の皆様が真剣に、あえて悪質といいますか十社に対してお調べにな
つて
行くことでなければならない。お調べにな
つて
行くについてはどういうものが一番余計、もらえるべきものがもらえずにおるのか、こういうことも当然調べられておると私は思うのですが、それが調べられていないということであれば、やはり
委員長
は悪質であるとみなす本社に対して、もう一度お伺いしますが、この年内に大きいとすれば千八百万から三千万もあろうというこれらに対して、正月まで……要するにこの年内にどれだけ
下請業者
に払うことにさせたか、どういうふうにしてどれだけ払うということに相成
つて
おるためにその
会社
の名前を出せばいろいろなことの支障があ
つて
下請業者
に払うことができないという問題が起
つて
はいけないから暫らく待てと、こういうふうに
豊田
先輩の御質問の中にはお答えしておつたと思いますが、それも私は勘案をして考えますときに、そこまで考えられることであれば、この大きい金額を持つその
会社
に対して、年内にどれだけ
下請業者
に払わすことにしておるかということもお調べに
なつ
たと思いますがどうでございましよう。
丸山泰男
48
○
説明員
(丸山泰男君)
只今
下請企業
の売掛金残高、つまり
親企業
に対する債権の金額の
お尋ね
がございましたのですが、これは先ほど積出
委員長
から申上げましたように、
下請工場
としては、六百
工場
の
下請
調査
をいたしました。これは非常に厖大な
資料
があるわけであります。一々の
下請企業
に全部私
ども
学生アルバイトを使いまして、単なるその面接、この書面による
調査
などでは回答してくれないのであるから、すべてこれは足で歩きまして全部
下請工場
の親爺さんに会
つて
むずかしい
資料
を
説明
しつつ
調査
した、これを我々のほうに書取
つて
そうして作つたものでございます。これは今までの
調査
にはこれだけの大規模な
調査
はございません。明細を申上げるならば幾らでも申上げられるわけでもございますが、ただ問題は、
下請企業
の名前等は
親企業
との間にいろいろ問題がございまして後難を恐れて名前は絶対に言わないでくれという、その約束の下に
下請企業
のいろいろな
調査
をしたわけでございます。で、今の金額の問題も、これも一概にただ絶対的な金額だけでは意味がないのでございまして、結局その
会社
の
親企業
から言えば生産規模、
下請企業
から言えばやはりどれだけ毎月平均納めているかということとの比率でこの
遅延
状況
がわかるのであります。先ほど最も悪い例としては三百二十五万円の現在売掛金残高があり、月平均の納入が二十五万円、つまり九倍の倍率を持
つて
おる、これなどは非常に極端な例でございます。その他六倍、五倍、四倍というふうにいろいろあるわけでございまして、端極な例を挙げろとおつしやれば今の、先ほど私
ども
の
事務局長
から申上けた三百二十五万円に対しての三十五万円というのが最も極端な例であると言えると思います。 それから年末に対してのこの
支払改善計画
でございますが、これは先ほど私
ども
の
委員長
から申上げましたように、この本社を呼出しまして緊急の年末の
支払
計画というものを
提出
させるという
措置
をとりつつあるわけであります。これは従来もそうでございますが、年末にできるだけ整理するということは
一般
の商慣習でございまして、各
親企業
とも従来の月よりもこの十二月が、大体十五日、これは二十五日が
支払
にな
つて
おりますが、これにはかなりの金額を充てるというような政策も立てておりますが、それに加えて新聞等にも公表され、こうや
つて
国会
等でも問題にされ、
公取
といたしましてもそういうようないろいろな圧力を加えておりますので、従来以上にこの年末には
改善
されるのではないか、勿論我々
改善
計画、紙面のしだけの
改善
計画に満足するわけではございませんので、それらの
親企業
の
下請企業
とも緊密な連絡をと
つて
おりますので、それが実際に
実施
されたかどうか、この点まで十分に見届けていたす、こう考えております。
小松正雄
49
○
小松
正雄
君 今のお話の中にもありましたように、この
下請業者
を圧迫をしておるという
一つ
の例といたしましてもあなたがたかどれだけ売掛代金があるかということを調べに行つた場合に先ず自分の
支払
われていないこの
親会社
の名前は絶対言わんでくれ、こういうふうに言う、その辛い思いをしておることはどうであるかというと、例えば
親企業
から
下請企業
者に
一つ
の注文をした、注文をしたその品物を製品にするためには
一つ
の型を作ると、わかりやすく言えば……。この型を作つたものは数年間使える、数年間使うためにその型を作る、型を作るために大きな金を入れておる、このことを考えますときにその
親企業
に対して余りにもひどい請求をして、金を払えということを言うというと、その
下請企業
者にはその親
企業者
がそういう痛いところをつかんでおるから渡さないと、こういうことを言われるし、或いは又余りにもそういうことをあなたがたに
親企業
の名前を出したということについては無礼者だというような意味に感じられてそういう
企業
を破壊されるようなことになのじやないかと、こういう虞れがあるということを私
ども
はよく聞くわけであります。そういうことからして無理な、
下請業者
は高利で借受けてでもその元とする
企業
の一環であるその型をなくせんように守
つて
行こうということについて非常な苦しみをしているということは、これはもう間違いないのでありまして、そういうことを考えられるときたあなたがたはそういうことに対して先ず
親会社
に対して代
つて
要求をしてやるということが本当ではなかろうかと、そういう意味からいたしまして私
ども
は本日のこの
委員会
の結果によりましては、即ち明日でもそれらの十社なら十社の代表を呼んで、どういうわけで
支払
が遅れておるのかという、甚だ越権かも知れませんが公
取引
委員長
の名においてやられるならば、私
ども
は大体そういうものを呼出してでも真剣に聞いて見たいという考え方を持
つて
おつたわけなんであります。併しながらその機も与えられない
委員長
の言い分においては何とかして年内にも今まで以上に
支払
をさせることにする、ためにそれを名前を発表したりするとその
会社
が金を他から借入れるために支障を来たす点もあるという、こういう暗々なお話のようでありまするので、そこまで突つ込んだことは私は追究しようとも考えませんけれ
ども
、少くとも
委員長
としては今日の
段階
でその十社というものがあらゆる
資料
を集められて、この十社というものの代表を集められて質問、詰問をされての結果だと思いますので私は少くともこの大体一千八百万円、或いは二千万円というこの人たちには、どういうあり方で、どういうふうにして、どれだけ払うということにするのかということくらいは本人の、その
会社
からどういうふうにしますという
支払
計画を
提出
させるまでもなく、私は詰問されておると考えるのでその点をお聞きしておるわけであります。どのくらい減るようにいたしますということを言うておるということがあるかないか、ただ帰
つて
どういうふうにして
支払
いたしますという内容を
報告
するから待
つて
くれと、それでよかろうということで
委員長
お待ちにな
つたの
かどうかお聞きしたい
横田正俊
50
○
説明員
(
横田
正俊君) 先ほど申しました十社足らずのものに対しまする折衝は、実は先ほど申しましたように昨日から開始をいたしましたのでございまして、昨日の例だけで推し測ることはできませんが、少くとも昨日の
会社
は非常に誠意のあるところを示したというふうに私は
報告
を受けております。ここで大体一日に午前一社午後一社という率で呼出しておるそうでございますからこの数日の間に一応の折衝は終ると存じますが、その結果を待ちまして適当な
措置
をいたしたいと考えております。
小松正雄
51
○
小松
正雄
君 最後に
お願い
しておきたいと思います。幸いにそういうふうにな
つて
悪質的な十社に対して槍玉を突つ込まれたという
委員長
の勇気に対しまして彼らも反省して、必ずしも、年内に
相当
な金が
支払
われるものなりと私は
委員長
の言葉を信じておりますが、信じますが、併しながら今日のこのお調べになり得るときに、大きいのは二千万円、その次は一千八百万円と、この二社でもが年内に
支払
われた、実際誠意ある
支払
がなされたかなされないかということが、次のこの
委員会
までにその
資料
が
報告
されるということであれするから、そのときに若し誠意が披瀝されないという、この十社の中であるとするならば、その十社の中のある代表
会社
の代表をこの
委員会
に私
ども
は呼出して、そうして
中小企業
即も
下請業者
のために本
委員会
は強い要求をする覚悟でありまするので、どうかそれをお含みの上でとくと年内に実績の挙るようにさして頂きたいことを御要望申上げて、私の質問を終ります。
中川以良
52
○
委員長
(
中川以良君
) 私からちよつと申上げたいのでございまするが、先ほど
会計法
の問題がちよつと出たんでありまするが、振興
部長
よく聞いて下さい。
会計法
の問題が出たのでありまするが、私は今日
親企業
が
下請企業
に払わないのは無論その
親企業
のせいにばかりしないのでございまして、殊に十分な
配当
をし、而も
相当
な給与ベースの支給をし、而も
重役賞与
も出しながら、
下請企業
に
支払
わない。殊に悪質なのは何か饗応でも受ければこれを払う、それでなければ延ばすだけ得だという考え方を持
つて
おるのは、誠に遺憾でございますが、併し半面考えますと官庁の注文に対する
支払
の
促進
は、お蔭を以て最近よく
なつ
たんでありますが、入札方法であります、これが或いは土建
事業
にいたしましても、その他官庁の諸種の入札にいたしましても、最低価格のものに落札するということでありますので、一方
親企業
の
金融
が十分つかないために、
金融
をつけるために出血受注をあえてするというがために、
下請企業
にもこれが影響することは多分にあると私は思うのです。 ここで我々はもう
会計法規
というものの再検討をしなければならないということでありますので、諸種の例を見ますると必ずしも最低落札者に発注をしておるのではなくて、
政府
が公正なる検討の下に妥当なる適正価格を作りまして、その価格の線に一番近いものに発注するということが私は最も望ましいと思うのであります。安い値段で発注したからとい
つて
、決して国が得でないので、安物買いの銭失いという例が如実に各方面に現われておる。殊に諸
工事
関係
、いろいろな保安隊の装備の面等におきましても、私は安いもの必ずしも得でないんで、逆に悪くなるということが起きておるんでありまするので、この点
一つ
中小企業庁
においても同感をされておりますので、今日はあえて御答弁は求めませんが、
一つ
大蔵省
との
関係
もありましようが、十分に
一つ
明春までこの問題も御検討を頂きたいと思うのであります。 それからもう
一つ
お、願いしたいのは、先般私は御質問しておつた
中小企業
金融
公庫の
融資
に対する信用保険
制度
の精神が没却されて、借用保険にもかける、更に全体の担保も要求されるという問題、これは一刻も早く解決しないと、折角できた
中小企業
金融
公庫の信頼を私は失墜すると思いますので、この点早く御検討いたして頂きたいと思います。本日御審議を願いましたこの問題は、我が国の産業の中核をなす
中小企業
の大きな問題であると同時に、我が国経済の
一つ
の大きな問題であり、又一面これは経済道徳の私は問題だろうと思います。そこで本
委員会
におきましては、今後
中小企業
の振興を図りますると共に、我が国の産業道義の確立のためにもこの問題を引続き
調査
の
対象
として審議をいたして行きたいと存じます。幸いに
中小企業庁
並びに
公取
委員会
におきましては十分にこの点御努力を賜わ
つて
着々
改善
をされておりまするが、本
委員会
といたしましても
一つ
これに鞭撻を加え、御協力をするという意味において今後もやりたいと思います。そこで来春一月には、
一つ
大
企業
の人も本
委員会
に参考人としてお呼びをいたしまして、これは先般
下請工場
の人は本
委員会
に呼んで話も聞いておりまするので、大
企業
の人からも
一つ
忌憚のない意見を聞き、又我々の質さんとするところも質したいと存じます。
従つて
一月末頃に呼ぶことにいたしまして、この呼びまする時期、呼びまする人員並びにその
企業
の種別等につきましては、
委員長
に御一任を願いたいと存じまするが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
53
○
委員長
(
中川以良君
) それではさように取計らいます。なおこういう者を呼べという御意見がございましたら私までにお申出を頂きたいと存じます。 それでは一応この
下請企業
に対する
支払遅延
の問題は、本日はこの
程度
にいたしておきたいと存じまするが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
54
○
委員長
(
中川以良君
) それでは一応これでとどめておきます。
—————————————
海野三朗
55
○
海野
三朗
君 私がお伺いいたしたいのは、
公取
のかたと通産当局にお伺いしたいのでありまするが、この十一月二十七日の工業新聞の報ずるところによりますと、不二ドロマイト
工場
の問題であります。ドロマイト・クリンカーは製鉄
事業
に対しましては非常に大切な
工場
でありまするから、製鉄
事業
に従事しておる八幡、富士その他の数社が皆投資をいたしまして、又開銀からも
融資
をいたしまして、約六億近くの資本を投じて不二ドロマイト
工場
を建設したのであります。然るにその株は、大
部分
は磐城セメントが約六、七割まで持
つて
おるのであります。ところが最近報ずるところによりますると、来年早々この不二ドロマイト
工場
をば磐城セメント
工場
に合併しようというところの機運が動いておるということであります。で製鉄
会社
、御
承知
のように八幡では高炉セメントを莫大に造
つて
おるのであります。磐城セメントに投資する気はさらさらないのであ
つて
、ドロマイト
工場
であるから製鉄
事業
に必要なるドロマイトを製造するところであるからして、これに投資したのであります。ところが株からの
関係
上大
部分
を占めておる磐城セメントが、これを磐城セメントに合併しようという、そういう工作をや
つて
おるということでありますが、これは
法律
的には如何ともしようがないかも知れませんが、これを道徳の方面、又
公正取引
の方面、又は通産省重工業局としての意向及びその対策、そういうことについては今直ちに即答を
お願い
いたしても十分なる
資料
のお手持がないかと私は存じまするので、今波紋を引起しております問題は将来の日本の鉄鋼国策の問題に重大なる
関係
がありますので、来るべき
委員会
の当初において
公正取引
の立場から、又通産省としての立場から善処方の御
説明
を
お願い
いたしたい、こういうふうに私は存ずるのでございます。で、このことは鉄鋼の国策上の
見地
からも非常に大切な問題であると思いますので、このことにつきまして何分の御回答は、詳しいことは来るべき
委員会
で
お願い
いたしたいと思います。今日御
出席
にな
つて
おります
横田
委員長
、石井
部長
あたりの意向は如何なものでございましようか。私は道徳の上から考えて、甚だ以て不届千万である。こういうことをやるのがよくあるのでありまして、つまりうまくペテンにかけたのであるというふうに私
ども
は考えられるのでありますが、石井
部長
如何にお考えでございましようか。
横田正俊
56
○
説明員
(
横田
正俊君)
只今
突然の
お尋ね
でございますので、正確なお答えはできませんが、御
承知
のように合併はすべて
公正取引委員会
に届出をすることにな
つて
おりまして、独禁法上違法な合併に対しましてはこれを阻止する
措置
が講じ得るわけでありまして、この阻止します理由としまして、合併の結果一定の
取引
分野における競争が実質的に制御されるということが
一つ
でございます。この新聞を拝見いたしますと、ドロマイト・クリンカーというのは磐城セメントでも造
つて
おるようでありますので、この不二ドロマイトを合せることによりましてドロマイト・クリンカーの
取引
分野の競争が実質的に制限されることになりますれば、これは勿論合併も許されませんし、更に遡りましてこの株式の保有自体が問題になるわけでございまして、この点はよく
調査
をいたしませんとはつきりしたことは申上げられませんが、その辺に
一つ
の問題があるようでございます。それから合併の許されませんもう
一つ
の場合は、御
承知
のように不公正な
取引
方法によ
つて
合併が強要されておるという場合には合併がやはり許されないことになりますので、
本件
の場合がそういうものに該当しますかどうか、この点も諸般の
事情
を
調査
いたしませんとわかりませんが、いずれにいたしましても合併するためにはあらかじめ
公正取引委員会
に届出があるはずでございます。その際に慎重に
調査
をいたしたいと考えております。
海野三朗
57
○
海野
三朗
君 鉄綱国策の、つまり
見地
に立ちましては、通産当局は如何ようにお考えにな
つて
おりますか。
石井由太郎
58
○
説明員
(
石井由太郎
君) 所管の局長、これは軽工業局並びに重工業局に関連して来ると存じますので、御
趣旨
を帰りまして早速所管局長に伝えまして、再開の
機会
に御答弁申上げたいと存じます。
海野三朗
59
○
海野
三朗
君 この次の
委員会
においてはその御答弁、御
説明
をお順いいたしたいと思います。これを以て私の質問を終ります。
—————————————
中川以良
60
○
委員長
(
中川以良君
) それではちよつとお諮りいたします。
海野
三朗
君より
理事
を辞任いたしたい旨の御申出がございましたので、この補欠につきましては
委員長
より御指名をさして頂きたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
61
○
委員長
(
中川以良君
) それでは
藤田
進君に
お願い
をすることにいたします。
—————————————
中川以良
62
○
委員長
(
中川以良君
) ほかに御質疑はございませんか。
藤田進
63
○
藤田
進君 ちよつと希望があるのですが、自然休会に入ることになりまして、事実上
委員会
の運営につきましても明年になろうかと思うのであります。併し当面非常に急を要し、且つ
一般
国民並びに産業に与える影響として各方面の、憂慮心配されている幾多の問題の中に、本
国会
に
提出
される予定の
電気
事業
法、或いはガス
事業
法、更に
電気
料金の値上改訂、こういうことで明春一月早々すでに或る
程度
の
電気
料金につきましても問題が固まるやに私は聞いております。こういう
事情
を勘案いたしますときに、極めて本
委員会
としても所管として重要な問題が非常に急速に進展いたしつつありまするので、
委員長
におかれましても適切な、やはり休会中における
委員会
運営をや
つて
頂きたい。これはいわゆる成規な手続としては、すでに
産業一般
に関する
調査
等々の手続は終了しておるようにも思いますしいたしますので、時宜を失しない
措置
を打
つて
頂きたい。これに関してはしばしば
委員長
、
理事
打合会等を以て本
委員会
に代るべき
措置
として補填をして頂くように特に要望いたす次第でございます。
中川以良
64
○
委員長
(
中川以良君
)
承知
いたしました。御申入の御
趣旨
に副うように
委員長
といたしましても十分努力をいたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後一時二分散会