○
田中一君 結局
砂利採取というものが自然現象に大きな制約をされるものである、需給の状態によ
つての
価格の変動ということは常にあるんですね。無論現在でも愛知県、静岡県、三重県の三県の海岸堤防の問題、こうなりますと
砂利が幾らあ
つても足りない。又随分近い所に宮川という川があ
つてもそれは全部掘り尽す計画にな
つてお
つて、ほかから持
つて来なければ間に合わないじやないですか。その場合に一万二千とか一万三千の高い値段で売
つているものを、これは無論先ほど鹿島君が言つたように自分の受けている
工事の完成期限というものがあるのですから、その間にしなければならんものです、
従つてどうしても高いものを買うことになる。私はこれで
保護されるという場合には
保護すべき何ものかなくちやならんと思うのです。野放図もなく今
砂利業者が赤字で苦しんでいるからこの
砂利業者に対して救いの手を延ばしてやろうというならばこれは別途の問題です。実際に正常な需給
関係を持たそうという立案ならばやはり野放図もなく高い値段に持
つて行こうというような意図はどこかで抑制しなければならんと思う。
砂利業者が
権利を持
つている、
採取権を持
つておるのですからこれで同盟して足らんという場合にはこれはもう直ちに値段が上
つて行くわけなんですね。又台風がなくて災害が少いとどんどん安くなるのです。東京は御
承知のように一時洗いの八分くらいのものが一万二千円くらいしておつたのですよ。今はどうか。今は三千円も四千円も下廻
つておりますよ。
従つてその
権利を持つ限りその
権利が常に
国民経済に直接人為的なものによ
つて左右されるということがあつちやならないのですね。
従つてこの
法案が通つた
つて大した
効果がないということは今わかりました。それから今度この
法案が通
つて値段が大して安くならないということもよくわかりました。そうすると何がためにこの
法案を出すかということになりますと、今言うところの八千何百人といるところの中小業者が、手掘りでや
つておる業者が今言う
期間が短いために、強い資本を持
つている、大きな資本を持
つておるものが一遍にそれを合せて
権利をと
つてしまうというような場合があるということを抑制したい、これは大賛成です。併しながら一面この
法律ができたことによ
つて長期な
採取権の
権利が与えられるということになりますと、これは甚だ言いにくい
言葉ですが、地方における
河川の
管理者、
知事側近のボスがやはり一番有利と考えるところの
許可をどんどんとる危険が多分にあるのです。そして
採石法の第九条にあるように「
採石権の消滅後一年以内は、
採石権者であつた者は、その
採石権が
設定されていた
土地について前項の
許可を申請することができない。」とこういう
規定もあれば十六条の四項にもいろいろその
期間の問題についてはやかましい
規定があるのですね。私はこういうものが今盛んに政界でも問題にな
つておるところの利権的な
法案であ
つてはならない、これは無論
提案者もそれは運営で以て間違いのないようにやりますというように御答弁になるに違いないのですが、その運営がこわいのです。運営で単なる
砂利業者の問題ならよろしいのですけれども、やはり
国民経済に大きく響くのです、これが。私は
衆議院の良識が十三条を
削除したことに対しては非常な敬意を表します。同時に今直接中間において、これは中間において
建設業者が一応きめられたところの
価格で以てその
建設工事をする場合中間に入
つて砂利業者のために左右されるようなことがあり、且つそのためにその業者が潰れたり、そうしてそれがほかの労働者その他に対する労働強化とか、或いは賃金の不払いとかになることを恐れるわけですね。現在この三重県等の三県の海岸堤防の問題はいつに
砂利一つに依存しておるのです。
砂利がないために非常なる苦境に陥
つておるのです。こういう経緯から見ても、私はこの辺で
質疑をやめますが、義務付けられる何ものかがこれになければならない。ただ野放図もない合理的な
経営を目途とする
法案というものがあつちやならない、こう思うのです。そこでまあこれは
通産委員会の各
委員のかたがたにお願いするのですが、この合理的な
経営を維持するということの
内容をもつと追究して頂きたいのです。そしてそれが少しでも零細なる中小
砂利業者のためになることならばこれはもう喜んで賛成いたしますが、地方のボスと組んで、いわゆる
河川の
管理者の側近にいる者がそれと組んで中小業者を圧迫し且つ
一般市場に対する市価というものを上げるような措置があ
つてはならない。
従つて先ほど鹿島君の提案されたような
心配は実際持たざるを得ないのですね。こういう点におきましても通産
委員のかたがたの良識にお願いしまして十分考慮の上単なる
衆議院だけのこうした
附帯決議じやなくて、私はできるならばこの
法案の中に修正の
意味を加えました御
意見が起ることを希望しまして私の
質疑はやめます。