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説明員(向井重郷君) 倉庫は自動車運送事業或いは鉄道事業のように免許事業という形態はと
つておりません。倉庫業法という法律がありまして、届出をすれば勝手に経営を営めるという事業でございます。ただ何が故にそうな
つておるかということにつきましては、倉庫は自動車事業というようなものと異なりまして、当初の設備資金に、倉庫に余計な資金を固定してしまいますために、そう簡単に始められる事業でありませんので、一応現在の点で免許事業はや
つて行けないというわけなのでございます。ただ事業の
性格からいたしますと、海陸輸送の接点に位しております。奥地倉庫につきましても鉄道輸送の中継点に多く位置しております。又鉄道と自動車の輸送の接点に位するというような中継的な倉庫が非常に多いわけでございます。倉庫はその主要機能は保管事業であり、それから又倉庫証券を発行いたしましたりして、売買的な機能でございますとか、或いは又金融的な機能でございますとか、いろいろな機能を営んでおりますが、その中で占める輸送上の機能というものが最も大きいものでございます。そういうような
意味合いからいたしまして、倉庫業は公益事業と言い切ることはできないと思いますが、最もそれに近い公益的事業ということが当るのではなかろうか、かような
工合に
考えるのでございます。免許事業にすべきかどうかという問題もそういう
ところから論議されるのであ
つて、できることならばこれを免許事業にするということが望ましいことであろうと
考えておる次第でございます。そして今御
質問の第二点にございました固定資産税その他について特別の扱いをする必要があるかどうかという点でございますが、この点につきましては、在来自治庁のほうとしばしば話を進めて参
つた問題でございますが、業界全体から見ましても、なお機が熟しませんためでしたか、今回の原案ではさような特別扱いはなく進んでおるわけでございます。併しながらこの機会に私どもが
考ええておることを申上げさして頂きまするならば、只今御
質問の趣旨にもありましたように、公益的な事業であると同時に、特に港湾地帯における一万トン岸壁の整備に伴い、その岸壁に附随して建築する倉庫は、これは事業の採算というものを無視しても業者は建設しなければならないというような使命を帯びております。そういうような倉庫についてはまさに公益的というよう表現でなく、公益事業としての色彩を与えても差支えないのではないかと
考えられるわけでございます。これは丁度植林事業などと同じく相当長期に亘
つての事業の
見通しを持たないと進出できない事業でございます。そういうような
意味からして、特に建設資金に多額の資本を要する倉庫事業につきましては、固定資産税或いは不動産の取得税というようなものは相当の減免の
措置を講じて頂いたら一番結構なことではなかろうかと思います。特に又奥地倉庫等につきましても、事業にと
つて競争相手というような
立場にあります農業倉庫、これが約全国に百万坪越すぐらいございますが、そういうふうなものも税金の面におきまして免税の
措置をと
つておいて頂いておりますので、こういうようなものと相共に共存共栄を図るという
意味合いからいたしましても、然るべき御
措置を願えれば結構でございます。こういう
工合に
考えておる次第でございます。