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1954-02-23 第19回国会 参議院 地方行政委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月二十三日(火曜日)    午後一時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    理事            石村 幸作君            館  哲二君    委員            伊能 芳雄君            長谷山行毅君            小林 武治君            島村 軍次君            秋山 長造君            若木 勝藏君            松澤 兼人君            加瀬  完君   政府委員    国家地方警察本    部警備部長   山口 喜雄君    自治庁次長   鈴木 俊一君    法務政務次官  三浦寅之助君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    自治庁公務員課    長       松島 五郎君    法務省刑事局参    事官      下牧  武君   参考人    全日本自治体労    働組合委員長  占部 秀男君    全日本自治体労    働組合組織部長 野口 一郎君    東京都庁人事部    長       羽田 恵助君    丸の内警察署長 石田  昇君    日本炭鉱労働組    合組織部長   森谷 雅春君    国鉄労働組合宣    伝部長     木村美智男君    日本労働組合総   評議会総務部長  大場 近信君    警視庁警備課長 土田 国保君   —————————————地方行政改革に関する調査の件  (交通事件即決裁判手続に関する  件)  (地方公共団体における臨時職員の  取扱に関する件)  (警備警察に関する件)   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。  実は理事会を開催いたしまして、只今手許にお配りしてありまする今日の審議日程案件について理事会決定をいたしました。そこで第一は、地方行政改革に関する調査案件中、交通事件即決裁判に関する件、これの提案説明をお聞きいたしまして地方公共団体における臨時職員取扱方に関する件、一月三十日国鉄前における負傷事件に関する件、この三つ審査案件といたしました。  そこで、お諮りいたしますが、第二の地方公共団体における臨時職員取扱方に関する件の参考人といたしまして、全日本自治体労働組合委員長占部秀男君、それから東京人事部長羽田恵助君、それから三番の一月三十日国鉄前における負傷事件に関する件中の参考人として、日本炭鉱労働組合組織部長森谷雅春君、丸ノ内警察署長石田昇君、国鉄労働組合宣伝部長木村美智男君、日本労働組合総評議会総務部長大場近信君、警視庁警備課長土田国保君、以上の参考人を呼ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  3. 内村清次

    委員長内村清次君) では異議ないものと決定をいたします。
  4. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは第一の交通事件即決裁判に関する件の提案理由政務次官三浦寅之助君からお聞きすることにいたします。
  5. 三浦寅之助

    政府委員三浦寅之助君) 只今議題に上りました交通事件即決裁判手続法案について御説明申上げます。  先ず、立案の趣旨について申上げます。我国における交通事故は、年々驚くべき増加傾向を示し、昭和三十八年中におきましては、約八万件の交通事故が発生し、この事故によつて死亡した者は約六千人、負傷した者は約六万人の多きに上り、この傾向は不自然な死傷を遂げた者の全体の約半数に当るという、誠に憂慮すべき状態にあるのであります。このような厖大な交通事故を防止するためには道路、施設の整備拡充ということも勿論大切でありますが、何と申しましても、交通関係者のすべてが交通秩序をよく守るということが絶対不可欠の要件であると存ぜられるのでありまして、これがため政府は鋭意交通事件取締に努力しておる次第であります。ところが、自動車その他の高速度交通機関の激増による交通量飛躍的増加は、同時に交通違反事件の驚異的な増加をもたらし、その処理に当る警察検察庁及び裁判所におきましては、文字通り応接に暇がないという状況を呈しておるのであります。試みに最近の統計によりますと、警察において取扱交通に関する刑事事件は全刑事事件の約三〇%、検察庁取扱交通に関する刑事事件は全刑事事件の約三二%、又裁判所取扱交通に関する刑事事件は全刑事事件の約六〇%を占め、事件の数から申しますと極めて大きな割合を示しているのであります。  ところが、これらの交通に関する刑事事件処理は、被疑者呼出に応じないために、その取調に困難を来し、又その処罰はその大部分刑事訴訟法略式手続によつていたため、これに伴う煩鎖書類作成を要すると共に、略式命令送達に非常な手数を要し、更に被告人の所在が転々するため確定した裁判執行の面においても非常な困難を来す等、その処理に思わざる日時費用とを要し、事務の渋滞に悩みつつあるのであります。統計の示すところによりますと、この種事件の発生から裁判執行までに要する日子は、全国平均四カ月弱となつておるのでありますが、この交通に関する刑事事件は、他の一般刑事事件と比べて一層迅速に処理をいたすのでなければ、その取締の目的を達し得ない特殊の性格を持つものでありますから、只今申上げましたような事態をそのまま放置することは、到底許されないところであると存ぜられるのであります。  そこでこの際、只今指摘いたしました三つ難点、即ち違反者がなかなか出頭求めに応じないこと、書類作成及び送達に非常な手数を要すること、並びに裁判執行に非常に手間取ることの諸点を克服すると共に、捜査から裁判執行に至るまでの一連の手続において、その処理段階が異るごとに関係者にその都度出頭求め事件処理のためのわずらわしさを強いるという弊害をも取り除こうという趣旨から、この種事件に関する即決裁判手続を行うため、ここに本法案の御審議をお願いすることといたした次第であります。  次に、この法案内容について申上げます。第一は、この法案性格についてであります。本法案交通に関する刑事事件即決裁判手続、いわば交通に関する刑事事件について、口頭による略式命令手続ともいうべきものを規定したものでありまして、その限りにおいて、これは刑事訴訟法特別法となるわけであります。即ち、基本法たる刑事訴訟法規定は、この法律に特別の規定がない限り、この即決裁判手続についても、常にその適用があるわけであります。  次は、即決裁判性格についてであります。即決裁判公判前の手続でありまして、略式手続と同様の性格を帯びております。即ち、略式手続と異るところは、裁判官が直接被告人を目の前において事実関係十分確め代りに、書類作成は極度にこれを簡易化するという仕組にいたしたほかは、基本的な考え方略式手続と全く同じでありまして、被告人異議があればこの手続を進めることができないこと、即決裁判の確定前はいつでも正式裁判求めて三審制度による訴訟利益を享受することができること、又裁判所はいつでもこれを刑事訴訟法の定める通常の手続に引き直すことができること等、いずれも略式手続に準じて被告人保護を図つておるのであります。  次は、この手続内容についてであります。この法律は、建前としては、刑事訴訟法のそれと同様に口頭主義公開主義をとつておりますが、それは決して公判手続簡易化するという考え方に立つものではなく、飽くまで公判前の手続といたしまして、次のように措置しているのであります。即ち、いわゆる起訴状一本主義をはずし、伝聞法則適用を緩和し、又簡易適切な裁判手続確保するため、職権主義を大巾に加味し、期日における検察官及び弁護人出席を自由とし、記録作成を極度に簡易化する半面被告人利益を守るためつには十分の考慮を払い、適切妥当な裁判確保に努めているの正であります。  最後に、捜査区と裁判執行段階における特色についてであります。前にも申上げましたように、交通に関する刑事事件処理に思わざる日子を要している主な原因は、違反者出頭確保する手段が欠けていることと、確定した裁判執行が容易でない点にありますので、先ず裁判執行につきましては、刑事訴訟法で認められている仮納付制度を、その条件を緩和することによつて一層容易に利用することができるようにすると共に、違反者出頭確保するために、道路交通取締法に新たに一カ条を加えることによりまして警察及び検察庁の正取調同一場所同一日時に行えるようにし、更に特別の事情がない限り裁判をもこれと同一日時場所で行うようにし、これまで三回ないし四回の出頭を要した手続を一回の出頭によつて終ることができるように措置したのであります。これによりまして、手続迅速化もさることながら、関係者煩らわしさも大いに省かれることと信ずるのであります。  何とぞ速かに御審議の上、御可決あらんことをお願いいたします。
  6. 内村清次

    委員長内村清次君) 補足説明とはありませんか。
  7. 下牧武

    説明員(下牧武君) それでは、お手許交通事件即決裁判手続法案逐条説明書というプリントをお配りいたしました。これに基いて簡単に御説明いたします。  先ず、この手続を全体を御理解願うためには簡単でございますが、現在やつている手続を御説明申上げると御便宜かと存じます。現在交通事件は殆んど大部分がいわゆる略式というので処理されておりまして、その手続と申しますのは検察官本人弁解を聞いて、これでもう犯罪の成立は確実だ、こう認めますと、それを起訴するに当りまして、書面で以て罰金千円なら千円の求刑をして裁判所裁判求めるわけでございます。裁判所は、その検察官が送つた書類によつてそれだけで事件を判断いたしまして、それで大体検察官の言う通り、特別の事情がない限りはその通り裁判をしているわけで、全然書面審理でいたしているわけでございます。その略式手続まで移ります過程におきましては、先ず違反がございますると、巡査自動車なら自動車を止めて、その場でいつ何日警察へ出て来い、所轄署へ出て来いというように口頭で要求するわけでございます。それの求めに応じて違反者が参りますが、最初警察出頭する違反者が大体統計で申しまして五〇%しか出て参らない。それから二回、三回と呼出を加えますが、最後にどうしても一六、七%というものは残る、こういう状況でございます。警察へ出て参りまするというと、その違反を発見した巡査は署へ帰りましてから現認報告書というものを作成いたします。それは例えばスピード違反でございますれば、この区間のどこの場所においてどの車がどれだけのスピードで走つておつた、又信号無視をいたしました場合には、この交叉点信号を無視した、そのときの信号は青なら青、赤なら赤、こういうふうにその具体的な事情を、自分の見たままを報告書作つて犯罪事実と共に図面も、原則としては大体図面を作りまして、そしてそれを上司に差出すわけであります。上司のほうではその現認報告書に基いて呼出し違反者調べまして、そしてこの事件は軽いと思えばそこで訓戒だけにとどめる。検察庁へ送る必要があると思えばそれを送検いたします。いわゆる事件の送致をするわけであります。その場合にはどういう基準でやつておるかと申しますと、大体の見当では検察庁へ行けば必ず許されることがはつきりしておる。而も事件が非常に軽いというようなものはその場で説諭処分にいたします。どうも一応お灸をすえる必要がある、或いはどうなるかわからないといつたようなものを送検しておるわけであります。検察庁では、その書類を受取りますというと、今度は又本人呼出しをかけて参ります。その場合に、統計によりますと、六〇%乃至七〇%が最初に出て参りまして、あとのやはり三〇%乃至四〇%というものが出て参りません。そこで又何回も呼出しをかける。それで本人調べまして、そこで検察庁のほうで又いろいろ事情を聞きます。その事情によつてこれはどうしても処罰しなければならないというものだけ起訴いたす。そうでないものは不起訴処分にする。大体起訴率は六割から七割という見当になつておるわけでございます。その場合に先ほど申上げました略式命令略式手続裁判請求するわけでありますが、その場合にはあらかじめ本人略式手続はこういうものだ、実際書面でやるので、もうここで弁解しておかなければあとはもう弁解できない。但し裁判略式命令があれば、それに対して不服の申立ができる。そういつた略式手続概略を説明しまして、本人異議がないというときに限つて略式請求をするわけで、その場合に本人異議がないということを確実にいたしますために、本人から書面を取りまして、その旨の書面を添付して裁判所へ送り込むわけです。裁判所のほうではそういう書面が付いておりませんと、略式が出せません。そこで、そういう書面が付いており、一応証拠も揃つておるということで略式手続をいたします。そういたしまして裁判が確定いたしますと、それを受けた本人としましては、それに異議がなければそのまま不服を申立てずに確定いたしますし、それから、どうも一応頭下げて来たもののこれじや不服だ、罰金が非常に高過ぎるとか、或いは事実関係がこれは間違いだというふうなことになりますれば、これは十四日以内に正式裁判請求をいたしまして、そうして今度は本当の公判手続に則つて普通の裁判通りこれは裁判所へ呼び出されて調べを受ける、こういう恰好になります。それで事件が確定いたしますと、検察庁記録が戻つて参りまして、検察庁のほうから執行のために督促をいたします。それで罰金を納める者が又これが極く僅かでございます。その間に相当の日時を要する。書類が転々するとか何とかで以てなかなか執行という面においても非常に不成績の状況にあるわけであります。こういうわけでございますが、その事件が発生してから刑の執行が終るまでの一件の平均をとつて見ますると、大体百九日という数字が出たわけであります。それで非常に内容といたしましては軽微な事件について平均百九日も要しているということは、これはどうもおかしい。而もその間に何回も本人が呼び出される。それで以て非常に違反者にも迷惑をかける。何とかこれを早くして、違反者の迷惑を少くしながら早くする方法がなかろうかというところで思いつきさましたのが今度の即決裁判手続でございます。  そこで、提案理由でも申上げましたように、一番の難点といたします第一点は、被告人又は被疑者の不出頭、これをどういうふうに考えたらよいかということで、いろいろ考えました結果、一応交通事件の中心は何と言いましても自動車その他の高速度交通機関でありますから、そういう場合に違反を見つけたら運転免許証を一応保管しておいて、これは勿論任意でございます、任意に提出してもらつて、その代り保管証というものを渡しておく。そうしてその保管証を持つておれば運転免許には差支ない。又免許証の提示を求められた場合にはこれを提示しなければならない義務がございます。そういう場合にも保管証を持つていればそれで義務違反にはならない。そういうふうに手当いたしまして、そうしてその有効期間を一週間なら一週間と限つて、その一週間以内の三日目或いは四日目とかいう本人の都合のいい日に一定の場所本人呼出して行く、呼出し本人出頭すればその免許証を返してやるということにしておけば、その間の本人営業業務には差支ないのではなかろうか。而も今度は本人の出て参りました所へ警察、それから検察庁、それから裁判所というのが一カ所に、理想的に申せば一カ所でございますが、そこに固まつて近い所におりまして、そうして一回出れば警察調べておいて、検察庁調べ裁判所へ行くという流れ作業的なことですべてが済めば、本人出頭も一回で済むのではなかろうかということで、出頭確保の措置と、それと迅速化という面をその面で調整する。その点が一点の思い付で、これが附則にお願いいたしましたところの道路交通取締法改正趣旨でございます。  それから第二点といたしましては、現在略式手続を進める上において非常に書類をたくさん作らなければなりません。検察官が細かい犯罪事実を書きましてそうして裁判所へ出します、そうすると裁判所はやはりそれをタイプならタイプ複写器なら複写器でとりまして、そうして今度は略式命令というものを出すのでございますが、その内容は殆んど検察官起訴状内容と変らないような内容でそれが出ている。何回も同じ書類ができておる。而もこの略式事件について略式命令を受けた者で本人が不服を申出た事件、或いは裁判所がこれは略式手続相当ならずとして正式裁判に廻した事件、こういう事件交通に関する全略式刑事事件の〇・一%、言い換えれば千人に一人しかそういうような事例がないということで、大体検察庁から起訴すればそれで略式命令が出る。出るままで大体納まつているのが統計上出て来る結論でございまして、そういうことなら同じような書類を何回も手数をかけて作るのも無駄じやなかろうか、何とかこれをすぽつと省く方法はなかろうか。但しそのために被告人審理に、被告人を有罪と認定する上において非常に欠けるところがあつては困るというので、本人が度出て来れば、そこで丁度流れ作業のような裁判官面前本人にどうだろうかと言つて弁解をする機会を与える。又裁判所において本人に質問するということで事実関係を確かめれば、現在書面審理でやつているよりもなお更よく事実の点が確かめられるのじやなかろうかということで、本人は必ず裁判所へその場合は出頭する。出頭して裁判官がどうだということで本人の見解を聞いた上で今度の即決裁判手続をする。こういう考え方にしたわけでございます。これが即決裁判手続概略と申しますか、その骨子になるわけでございます。本人が必ず裁判官面前に出なければこの手続はできない。而も本人異議がある場合にはできないので、本人即決裁判手続で結構ですと言つて、而も裁判官面前に出てそして事実をそのまますなおに認める場合、こういう場合にしかこの手続は乗つて来ない。こういうことになるわけでございます。  それから第三点といたしましては、これは執行の面でございますが、執行の面にも何回も呼出しをかけたり督促いたしましたり、手数というものと費用というものが相当かかつております。そこでその場合もすつと裁判所へ行きまして、そしてお前は罰金二千円なら二千円ということで不服はないか、大体そういう場合には事実関係も不服はございませんでしようから、その場合にそれじや金を持つているかということになつて、二千円なら二千円持つている、それじや納めたらよかろうということで仮納付という制度を、これは刑事訴訟法にございますが、その要件を緩和いたしまして裁判所がそういうことで本人確めてみて仮納付を認めることが相当であると思いますれば仮納付を認める。そこで本人が金を納めてそして帰つて行けば、それが確定して、それが刑の執行に代つて来るということで、執行面も非常に緩和されて来るという仕組にいたしておるのでございます。それで御注意願いたいのは、この手続はいわゆる公判手続簡易化するということになりますると、これはもう憲法上いろいろ問題がございますけれども、飽くまでこの手続考え方公判前の手続、今の略式手続と同じように公判前の手続といたしまして、一審、二審、三審という三審制度というものは、これはその利益本人から奪わないという建前をとつておるわけでございます。言い換えますれば、今は本人調べもせずに書面でやつておるのを、むずかしい書面手続を廃止する代り本人裁判所呼出してそして本人に聞いてみた上で口頭でやる。こういうふうに変えて来たわけで、手続を非常に簡易にいたしまました半面、実質的にはむしろ却つて違反者利益になつているものと我々は考えておるわけであります。そういうわけで大体その頭でずつとお読み頂ければこの法律の各条の趣旨はおわかりかと存じます。  それから、然らば適用する範囲をどの範囲にいたしますか。これはいろいろ問題もございますが、差当り新たな試みでございますので、道路交通取締法とそれから同法の施行令、それに道路を通行する諸車若しくは軌道車の構造及び装置の調整又は警告書交付等に関する命令というのが総理府令運輸省令共同命令で出ております。この三つに限りまして、そのほかの道路運送法とか道路運送車両法、これに基く違反というものは同じ種類の事件ではございますが、差当りこの手続には載せないということにいたしました。運用の実績を見た上で考えてみたい、かように考えておるわけでございます。  それから即決裁判をやる範囲、これは第三条に書いてございますが、これは現在の略式命令以上のことはいたしません。全く略式命令と同じ要件の下にいたす、こういうことにいたしております。  それから第四条でございますが、第四条の第一項に即決裁判をすることについて被疑者異議がないかどうかを検察官確めなければいかんということにいたしております。現在の略式手続ではこれは異議がない場合には書面による同意書と申しますか、そういうものをとつておるのでありますが、この手続ではそういう書面本人から徴しません。何となれば、本人裁判官の前に必ず出るのでありますから、これに異議があれば裁判官の前で文句を言うだろう。裁判官の前で文句を言えばこの手続はできないことになつておりまするから、これは第三条の第二項に「即決裁判は、即決裁判手続によることについて、被告人異議があるときは、することができない。」というふうにしてもうできないことになつておりますから、その書面を徴することは検察官からいたさない。こういう建前にいたしましたが、これで保護に欠けるところはない。かように存じます。  それから第五条は、いわゆる起訴状一本主義というものを排斥した規定でありまして、現在の略式命令でも略式命令請求と同時に必要な書類証拠物、これは出さなければいけないという裁判所規則ができております。この規則をここに借りて参りまして、根本の考え方略式命令と同じに考えている。ただ口頭本人の目の前でやるという点だけを変えたのでございますから、この五条の規定もこれは起訴状一本主義を廃するものでありますが、略式命令と同じ考え方で作つております。  それから第六条は、これは略式命令と同じようにいつでもそれを正式裁判に引直せる、裁判所のほうで引直せるというふうにいたしたわけでございます。  それから第七条、これは「即決裁判請求があつたときは、裁判所は、前条第一項の場合を除き、即日期日を開いて審判するものとする。」、こういたしましたのは、いわゆる長い作業を考慮いたしまして、即日呼出した日にすつとやれるようにいたしたわけでございます。ただこの場合に「審判するものとする。」という、こういう用語例を使いましたのは、必ずしもその日にしなければいかんというのではなくて、或る程度翌日に廻すようなことを考えてもいいだろう、併し原則としてはこうするのだぞという気持でこれを「審判するものとする。」というので、建前をここに掲げたということに相成ります。  それから第八条でございますが、第一項に、「即決裁判期日における取調及び裁判の宣告は、公開の法廷で行う。」これはいろいろ私どもも議論をした点でございますが、余り手続簡易になつて行くのもこれはいろいろ弊害が出て参ります。アメリカなんかで、これはいわゆる司法裁判ではありませんが、キヤピテリア・コートというようなことで非常に安直な簡易裁判をやつておりますけれども、余りそういうものが形式的に流れて行きますと、これは又裁判じやなくなる。その辺を考慮いたしまして、少くとも公開の法廷、法廷という場所でする。この点だけは堅持しようという考えからこれは法廷でない場所では開けないということにいたしました。この法廷と申しますのは、現在のところではこれは裁判所構内でございますが、最高裁判所が別にそれを指定いたしますれば、そこが法廷になるわけでありますが、最高裁判所といたしまして、むやみやたらに裁判所構内以外に法廷を指定するということはございません。大体現在の簡易裁判所、これが中心になつて動いて行くのじやないか、かように考えます。  それから八条の第三項、九条の一項から三項までは、被告人は必ず九条の一項で出なければいけませんが、その法廷に……。併し検察官弁護人は自由である。あらかじめ呼出しのときに違反者のほうで弁護人を連れて来れば、それはそれで弁護人は当然出れる権利があるわけであります。被告人の自由に任したわけであります。出た以上は勿論意見を述べて弁論することができるということになるわけであります。  十条は、期日における取調、これも組かい現在の公判手続におきますというと、もう取調の順序から証拠の提出の方法から非常に厳格に規定されているわけでありますが、そういうことをやめまして、いわゆる格式張つたやり方を廃しまして、成るほど法廷ではございますが、いわゆる裃を着たものじやなくして、裁判官とそれから被告人とが、もうほんの目の前におけるところで、おい、どうだということで、くだけた調子でこれを問答いたす。そういうことを予想しておりますから、この手続というのも自由に裁判所がやれるように考慮したわけであります。  それから十条の一項でちよつと申上げておきたいと思いますのは、この「被告事件の要旨及び自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げなければならない。」、いわゆる供述拒否権でございます。これは現在公判手続の場合におきましては黙秘権と称しまして、非常に丁重なことを告げておりますが、この法律では捜査官が被疑者調べる場合に告げる程度のことを裁判所が告げるという程度に緩和いたしました。実際上のことは大して変りはないかと思います。それから三項の「裁判所は、必要と認めるときは、適当と認める方法により被告人又は参考人の陳述を聴き、書類証拠物を取り調べ、その事実の取調をすることができる。」これがやはりこの手続の特色でありまして、これは必ずしもやらなければならんものじやありませんが、裁判所が出た書類で心証を得なければ、そこに例えば俗に在廷証人というような性質の参考人が出ているということになれば、おい、ちよつとということで呼んで自由に調べる。そうしてとにかく事実関係裁判官が直接調べた上で、よしということで初めて即決裁判をするという手続にいたしたのであります。  それから第十一条はちよつと御説明がいるかと思いますが、「即決裁判手続においては、被告人の憲法上の権利を侵さない限り、検察官が差し出した書類及び証拠物並びに期日において取調をしたすべての資料に基いて、裁判することができる。」これは証拠能力の制限の緩和に関する規定でありまして、現在の公判手続におきましては、非常に証拠証拠能力と、いわゆる伝聞証拠というものに対しての証拠能力に対して非常に制限が加つております。それを余り窮屈にやりますると、この手続に副わないことになりますが、と言つて野放しにどんな証拠でもとれるということもこれは考えものでございます。そこで、そこは裁判官の良識に任せるという意味におきまして、「被告人の憲法上の権利を侵さない限り、」というところでしぼりをかけたわけでございますが、これがなかなかこの言葉の上だけから申しますと、非常に漠然としているわけであります。併し実際問題といたしまして、例えば強制に基く自白とか、或いは拷問に基く自白がある、そういつたものをとろうかということになりますと、これはすぐ憲法問題に引つかかつて参りますので、そういうものはとれないということは明らかになるでございましようし、又本人が出ておつた場合に、例えば伝聞証拠証拠にとろうとするような場合に、被告人文句がありました場合、それは直接の証人に当るものに聞いてもらいたい、本人に聞いてもらわなければ私としては承知するわけにいかん、自分としては文句があるので、本人に反対尋問の機会を与えてくれというようなことを申した場合に、それをあえて押切つてやつた場合にやはり憲法問題に引つかかつて参ります。そういう意味で、大体漠然とはしておりますが、「被告人の憲法上の権利を侵さない限り、」というふうに表現しておきますれば、現在の公判手続における証拠能力、大体あの線が余り動かない状態において動くのじやなかろうか、言い換えますれば、現在の訴訟法ができまする前に、この刑事訴訟法の応急措置に関する法律というのがございました。俗に我々応急措置法と呼んでおりまするが、その応急措置法に規定された程度の意味で、この場合においてやはり証拠規定が動いて来るだろう、かように、まあ考えておるわけでございます。併しながら、それだからと言つて、例えば証拠能力のあるものでも自白一本で以てそれじや有罪の認定ができるかと言いますと、これはやはり憲法の問題として許されないのであります。必ず何らかの証拠力を有する、いわゆるアレイメントという制度は、これはとつておりません。それで先ほど申上げた、巡査の現認報告書、そういうものと本人の自白と併せて一本になる。必ず自白一本で証拠になるということにはならないのであります。必ず補強証拠を必要とする、こういう関係になつておるわけであります。  それから二条は、これは普通の裁判を言い渡す場合に、罪となるべき事実、適用した法令、科すべき刑及び附随の処分を言い渡すということにいたしまして、いわゆる証拠説明、証拠によつてその事実を認めた詳細な説明というものはこれは要らない。現在の略式手続と同じような形で内容を認めるわけであります。それから十一三条、十四条は略式手続と同じ考え方でございますから、省略いたしまして、十五条は、これは最初に申上げました仮納付要件を緩和いたしまして、そして裁判所が相当と認めるそのときには、仮納付を言い渡すことができると、かように緩和したわけであります。二項、訴訟法と同じものをここに借りて来たわけでございます。  それから十六条は、これは現在略式手続について裁判官の除斥の規定がございますが、即決裁判にはございませんので、これは改めてここに抜き出したわけであります。当然のことであろうと思います。  それから十七条に又ちよつとわかりにくい言葉を使つてありますが、「交通に関する刑事事件即決裁判手続については、この法律に特別の規定があるものの外、その性質に反しない限り、刑事訴訟法による。」というので、その性質に反するとは一体どんな規定を予想しているかという問題であります。これも一体この手続の本来の趣旨とそれから刑事訴訟法規定してある手続との比較において常識的に判断はつくとこう思いまするが、現在我々が予想しております規定は、この検察官が冒頭陳述をいたします普通の手続におきましては、まあそういう規定も要りません。それからこの証拠調べについて非常に現在むずかしい順序、それから範囲、そういうものが規定してございますがそういうものも裁判所の自由に任せるということから当然出て来ると思います。  それからもう一つは、この起訴状書面の記載の方法でありますが、択一的又は予備的訴因の記載というのが現在訴訟法で認められておるわけでございます。この事実あらずんばこの罪に当る。この罪が、甲か乙かどちらかに当る、こういうふうにしてこれだということを一本にきめずに、予備的に、或いは択一的に起訴する方法が許されておるわけでございますが、その手続は当然もうそういうことは手続に合わないことになつているつので、本人異議がない場合で、而も事案が簡単ではつきりしている場合しか乗らないのでございますから、そういう規定もこの手続の性質には反することになる。まあ大体その程度のことでございまして、その他の総則的な規定はすべて刑事訴訟法が被ると、かように存じます。  それから附則の点は先ほど御説明いたしました通りで御了承頂けるかと思います。簡単でございますが……。
  8. 内村清次

    委員長内村清次君) それから次に国警側からこの附則関係で、道路交通取締法の一部改正案と言いますか、これの関連と、それから最近の交通取締状況について、これも又極く簡単でいいですから説明して下さい。
  9. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) それでは、最近の交通事故交通取締状況と附則の関係につきまして、簡単に御説明をいたします。  先ほど提案理由の説明にもございましたように、事故が逐年非常に殖えて参つつております。それに伴いまして死亡者或いは負傷者等も非常に殖えて参つておるのであります。これはまあいろいろ理由がある思います。車両が殖えたということもありましようし、或いは道路状況、或いはその他交通に関するいろいろな施設、設備つの不備という問題もあろうと思います。又最近非常に殖えております円タク関係の従業者の労働条件と言いますか、就業状況から来るいろいろの運転のやり方に起因する問題も非常に大きな割合を占めておると私どもは考えておるのであります。取締りの方針といたしましては、まあ交通取締りにつきましては、何と申しましても事故をなくする、少くするというのが一番大事でございますので、そういうつもりでそれを根本の方針としてやつて参つたわけでありますが、昨年の半ば頃、どうも交通事故をなくすのに交通の指導という面だけに重点を置いたのでは今日の状況ではどうもやり切れそうにないと思いまして、実は昨年の半ば頃から取締りの強化、従つて違反があればこれを検挙し、送致するという而も相当強化して行う方針をとつた次第でございます。お手許統計が差上げてございますが、これによりましてその間の事情を御覧を願いたいと存ずるのであります。勿論警察だけでこの交通取締りを行なつておるわけではないのでありまして、これにはいろいろ運輸行政関係、或いはまあ労働基正準行政の方面、又警察にいたしましても、自治体警察と国家地方警察というように、それぞれの関係の方面が相当にございまして、地域的に、或いは又いろいろの所管の異なるごとに不均衡の生じないように注意をいたして取締りを行なつてつておるような次第でございます。で、今回提案になりました法案の附則で、この交通事件即決裁判手続に関連をいたしまして、道路交通取締法の一部を改正いたしまして、違反の現場におきまして警察官が運転免許証の任意の提出を求めるわけであります。そうしてその代り保管証を交付いたします。で、その代りに交付いたしました保管証があれば、運転免許証と同じようにまあ運転ができる。その他提示を求められた場合にはそれを出せばよろしい。こういうことになつておるわけでありまして、まあ大体只今のところでは一週間以内の日時を指定し、そこに出て見まして、先ほど法務省からお話になりましたように、事件取調或いは事件の即決の裁判が進行するわけであります。出て見えたときにお返しをする、こういうことになつておるのであります。先ほどお話がありましたが、大体現在交通違反事件が解決されますのに、平均しまして百十日かかるということでございましたが、公訴の提起されますまで、即ち、警察違反を現認いたしまして、調べ検察庁に送り、検察庁が公訴を提起しますまでと、公訴が提起されまして裁判所事件が係属して執行が終りますまで、この二つに分けて考えてみますと、裁判所に移つてから執行が終りますまでが大体六十数日のようであります。ここの部分はこの今回の法案の本則によつて大体これは簡略にできると思うのであります。本則だけでその六十数日のところが簡略にでき得るのでありますが、附則の規定によりまして、その前、公訴の提起までに要する四十五、六日のところを、附則によつて免許証を預つて、その代り保管証を交付して行く、この方法によつて四十数日かかるところを一週間以内でまあ一つできるだけスピードアップして行こう、こういうことになろうかと思うのであります。不十分の点が多々あろうかと思いますが、極く要点だけを御説明をいたしました。
  10. 内村清次

    委員長内村清次君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  11. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて。  それでは、次に地方公共団体における臨時職員取扱に関する件を議題といたします。参考人のかたがたには、お忙しいところ御出席されましたことに対しまして、委員長より本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申上げます。なお発言時間は十五分程度にして頂きたいと存じます。  それでは、先ず全日本自治体労働組合委員長占部秀男君から一つ。
  12. 占部秀男

    参考人占部秀男君) 占部でございます。今度我々のほうで、地方公共団体に勤務しておりますいわゆる臨時職員の身分の給与等に関しまして、請願をいたしたわけでございますが、早速この委員会におきましてお取上げを願いましてその点厚く御礼を申上げる次第でございます。  以下我々がなぜそういう請願をしなければならなかつたかという点につきまして、簡単に概略御説明を申上げたいと思うわけでございますが、御存じのように、都道府県、或いは市町村といういわゆる地方公共団体も、中央の何と申しますか、行政整理がたびたびございましたが、それに傚いまして、終戦後相当たびたびの人員整理行なつて来たわけでございますが、その結果、どこの都道府県、或いは市町村におきましても定数が相当減りまして、まあそういう意味では相当仕事の問題にも差が出て来るのではなかろうかというような状態が出ておるわけでございますが、特に事務、事業につきましては、反対に年ごとに殖える一方でございまして、従つて減らされた定数では到底殖えて行くところの仕事というものを処理できないのが現在の都道府県、或いは市等の状態ではなかろうかと我々は考えるのであります。従いまして、そういう傾向にありまするので、各都道府県、或いは市町村、町村はまあ別といたしましても、市におきましては、ここ数年臨時という名目で職員が相当何と申しますか雇われておるわけでございます。これは都道府県或いは市町村によつてそれぞれ量も違うとは思いますけれども、まあ少いところでも一割以上はあるのではなかろうか、多いところによりますと、二割から二割半も臨時職員があると、こういうような現状になつておるのであります。  ところで、これらの臨時職員性格と申しますか、仕事の性質を申上げますると、これはもう一般職員と何ら変りない仕事をしておるわけであります。例えば税務関係におきましても、徴税は勿論、滞納処分もする、或いは又地方税の賦課もするというような工合でありますし、特にその職場は単に一つの職場だけにもとどまらずして例えば税務、或いは土木、或いは清掃、又は一般事務と、こういうように殆んど県のあらゆる職場に亘りましてこの臨時職員が使われておる、これが現状でございます。ところでそういうようにいわゆる常勤と同じ仕事をしておりまして、而も臨時という名前でやつております関係上、この臨時の仕事に使われている臨時のかたとは違いまするので、なかなか県、市におきましても、臨時という名目ではありますが、雇用状態はやはり同じ人を使うというような工合になりまして、例えば三カ月或いは六カ月の切替えはいたしておるのでありますが、やはり同じ人が一年、二年、三年と、多いものになりますと七、八年も臨時の名前で一般のかたがたと同じ、一般職と同じ仕事に従事している、こういうような状況が出て来るのでありまして、恐らく都道府県或いは市等の平均を言いますと、三、四年はそういう名前で使われておる、これが実態でございます。ところで給与関係になりますと、名前がやはり臨時という形になつておりますので、一般職とは格段にかけ離れた低い条件で働かされておる実情でございます。例えば日給、悪い所によりますと、三、三百円から四百円程度のものが相当ございます。而も昇給はしない、或いは諸手当は殆んどないという状態であります。而も地方の公務員には御存じとは思いますが、各県、或いは市によりましてそれぞれ健康保険であるとか、或いは地方共済組合であるとか、その県独自の共済組合であるとか、こうした福利厚生の施設を作つておりまして、それにまあ一般職員は均霑させられておるのでありますが、この臨時の諸君は臨時でございますので、殆んどそういう福利厚生の制度はございましても、その恩典に浴さない者が多い、かような状態になつておるわけでございます。  ところで、御存じのように一昨年の十二月から都道府県、或いは五大都市は地方公務員法に基きますところの任用規程というものを実施施行いたしました。その他の地方公共団体におきましては、昨年の六月からこれ又地方公務員法に基くところの任用規程というものを施行したわけでございます。これはどういう内容であるかというと、私がもう申上げるまでもないと思いますが、こうした職員を雇う場合には地方公務員法第十七条に基きます一般職員を雇う場合と、もう一つは二十二条の二項に基きますところの緊急止むを得ない場合であるとか、或いは特殊の臨時な職務に対して臨時に人を雇う場合、この二つしか雇う場合がないわけでございますが、この臨時職員の場合につきましては、今申しましたように特殊な仕事にその場限りで臨時に雇うという場合とは違いまして、仕事の性質は常勤的な仕事を一般職員と同じようにやつておりますために、その扱いがそのままの状態で今日放置されているというのが現状でございます。従いまして二、三の県或いは市によりましては、それぞれの県、市の扱い方によつてこれを扱つているのでありますけれども、一般的には一本の筋で扱うというようなことは放置されておりまして、まあこれは我々の側から言いますと、まあ相当その臨時の諸君に対する生活上の問題もございますし、職場の事務、事業の能率の点もございますけれども、自治庁或いは県、市のかたがたが地方公務員法を無視したような態度に出ておられるのではなかろうかという点で、我々は相当この点につきましては遺憾に存じている点でございます。そこで我々地方公務員が組織しております組合労働団体といたしましては、今申しましたようなこれらの臨時の諸君のしている仕事は一般のかたがたと何ら変りはない、こういう観点に立ちまして、第十七条の職員、いわゆる一般職と同じ身分の扱いをして頂きたい、同時に給与の両につきましても、やはり一般の職員と同じ給与の扱いをしてもらうようにして頂きたい、かようにまあ我々は考えているわけであります。この点につきましては現在自治庁としても一本のそうした扱いに対する見解が不分明ではなかろうかと、まあ私は鈴木さんを前に置いて申訳ないのですが、考えているのですが、そのために県、市或いはそれぞれの職場では扱い方で相当混乱をしておりますので、今言いましたように身分並びに給与の扱い方を是非とも一つ自治庁を通じまして、各県、市の職場に実行ができるようにお取計いが願いたい。これがまあ我々の請願の趣旨でございます。  なおこの問題につきましては、今申しましたことは概略でございまして、あとで御質問なりございましたときには、まあ細かい点についての御答弁も申上げたいと存じますが、なおこの際、若しより深い点につきましての問題、御質問寺がございましたならば、我々の組合のこの問題についての専門部長をしております野口君を帯同して来ておりますので、委員長さんのほうでお取計い願えれば、その御質問に野口君も一つ当らして頂きたい、こうこういう点をお順い申上げる次第でございます。  以上簡単でございますけれども、概略を申上げます。
  13. 内村清次

    委員長内村清次君) 有難うございました。  それでは参考人の、東京都の人事部長羽田恵助君。
  14. 羽田恵助

    参考人羽田恵助君) 私都の人事部長羽田でございます。委員会の御要望もございまして、都庁におきます臨時職員の極くあらましを御説明申上げたいと存じます。  これはちよつと古うございますが、昨年の十一月一日現在の人員は知事の部局におきまして六千三百七十三人、交通、水道の公営企業体が二千八百八十人でございまして、合計九千二百五十三へ、このほかに区役所には二千七百三人人、合計いたしまして約一万二千人ばかり前後あるわけでありまするが、臨時職員という仕事の職種の建前から申しまして、これは非常に異動が激しゆうございまするが、まあ一万二千前後を上下いたしているわけでございます。これを昨年の五月から十一月までの七カ月間におきまする異動を見ましても、知事の部局だけで約二千二百人がやめましてそうしてこれとほぼ同数の人間を補充をいたしているというような状況でございます。今申上げましたような人数を事務と技術と作業というふうに大別をいたしますと、事務が三八%ばかりでありまして技術が一一・九%それから作業が約五〇%と、こういうような比率に相成つておるわけでございます。従いまして、この臨時職員のかたがたの従事をいたします仕事の内容につきましては、御承知の通り都は複雑な性格を持つておりますために、仕事のバラエテイは非常にございまして、従つてこれらの臨時職員のかたがたが従事いたしております仕事はそれぞれバラエテイがございますのですが、まあ一般的な事務と申しますれば、例えば固定資産税の評価をいたすような場合におきましては、評価をして来た帳簿の整理をするとか、帳簿の転載をするとか、或いはその計算をするとか、令書の発行をするとかいうような事務、或いは文書の下書をするとか、謄写版を刷るとか、送達の上書を書くとかいうような比較的単純な労務に従事をいたしておるけですが、問題であります技術の方面におきますると、これはどうしても公営企業体的な方面では多少土木の測量、測地といつうようなものに従事をいたしておる者もございますし、又夏期の対策といたしまして、防疫事業の対策といたしまして、看護婦或いは医者などを含めておるような場合もございまするが、大半は作業関係の単純な労務でございまして、まあ一番大きいのが塵芥の処理、焼却とか、或いはし尿の汲取と申しますいような問題、或いは夏のDDTをまくとか、或いは鼠をとるとか、野犬を補獲するとか、或いは又建設方面におきましては、どうしても両接工事をいたしまする場合におきまして、道路の補修であるとか、下水工事の補修或いは建設というような場合における下請の単純労務に従事をさせる、或いは公営企業体におきましては、電路線或いは軌道等の補修補助に使うというような事業に従事をいたしておるわけでございまして、以上の臨時職員を年齢の上から見ますと、二十一歳から二十五歳までが一審中心でございまして、まあ三十歳未満のものが約六七%を占めておるわけで、絶対多数に相成つておるわけでありまして、併し相当高年齢者もございますので、平均年齢は三十歳ばかりに相伐つております。ただこの中には学校を卒業するまでまあアルバイト的に学資を、稼ぐとかお嫁に行くまで家計の補助をするとかいうような若い者と、中にはもう一仕事終わつて、恩給でなかなか食えないからというので、内職的に席を置いておるようなかたも相当にあるように私は考えております。まあこういうような人たちをどういう形で採用いたしておるかと申しますると、御承知の通り実はこれはいわゆる事業の中に賃金支弁の職員として計上をいたしてあります関係上、やはりそれぞれ局の現場の長、事業場の長、或いはこれに準じます現場の長がこれを選考採用をいたしております。口頭で以て、或いは通知書を出しまして、二カ月とか三カ月、或いは六カ月の期間を切つそ採用をいたしておるような状況でございます。これを勤続の年から見ますと、まあ一年未満が一番でございまして、これが約三一%を占めております。それから一年以上二年未満が二六%、それから三年以上二年未満が一八%、三年以上が二〇%というふうに相成つておりまするが、まあ一年未満のものが全体の約三分の一に近い数字に相成つておるわけでございます。  それで、これらに対しまする賃金の決定、これは一番問題になる点だと存じまするが、貸金の決定につきまして、現実は本庁関係におきましては男子は約月額八千円から八千二百円、交通、水道等の公営企業体、特別会計におきましては一万円から一万一千円というようになつておりまするが、まあ平均いたしますと、お手許に差上げましたように男子が日給が平均三百四十六円で、まあ月額に換算いたしますると八千六百五十円、女は日給が二百六十円で、月額は換算をすると六千五百円程度に相成るわけでございます。そうしてまあ期末手当も予算の許す範囲におきまして、多少の相違はございまするが、一般職員に支給しますものの約八割程度の率を支給をいたしておるわけでございます。で、この賃金の決定につきましてはいろいろあるのでありまするが、それぞれ従事をいたしておりまする事務なり、或いは業務の態様によりまして、或いは一般の職種別賃金を基準にしましたり、或いは一般職員を基準にしまして、それをやや下廻つた、或いは学歴、経験等を換算してこれに手直しをするというので、それぞれまあ非常に従事しておる事務、事業が多種多様でございますために、決定については非常にまあこれも又多種多様というような状態に相成つておるわけでございます。  以上が私のタツチしておりまする臨時職員の実態の大要でございます。
  15. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは自治庁のほうで、鈴木さん一つあなたのほうの通達その他の方針のことに対して……。
  16. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) この非常勤職員と申しますか、臨時職員取扱いにつきまして、かねて自治労協その他の方面から御意見のございますことは、私どももよく承知いたしておるのでございますが、この職員の取扱いにつきましては、国家公務員の場合におきましても同様ないろいろのむずかしい問題を含んでおりまするし、地方公務員につきましては、若干法の体制が異なつておりまするが、同様なやはり問題を含んでおりますので、この処置について自治庁といたしましても、従来いろいろ研究はいたして参つて来ております。で、各府県等からそれぞれ所要の資料等を今徴しまして、逐次統計等を整備いたしておりますが、まだ完全なものができ上つていない状況であります。本来公務員制度上定員の枠の中において考え、又給与条例を全面的に適用し、服務或いはその他の身分取扱いにつきましても、本来の地方公務員と全く同じように取扱わなければならん種類のものが、必ずしもそのように取扱われていないという事実が確かに私どもあるように考えておるのであります。ただこれは予算の問題、或いは地方財政の問題と申しますか、そういうような問題と実質的にからみ合つておる問題でございまして、それらの面からの裏打ちによる解決を行いませんことには、この問題の根本的な処理はむずかしいように考えておるのであります。併し現行法の範囲内においてできるだけこの問題の解決のために、今後も自治庁といたしまして努力いたして参りたいというふうに考えておる次第でございます。
  17. 内村清次

    委員長内村清次君) 以上で公述人の公述が終りましたが、委員各号位から御質疑があるなり……。
  18. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 二つ三つお伺いしますが、只今都のほうから御説明がありました封書の宛名書きとか、或いはDDTをまくとかいうような、本来の意味における臨時的なもの、これはまあ日給で日額幾らというようなまあ取扱も或いはあるかも知れないと思うわけですが、すでにお話のごとく一年未満の者が三分の一で、それ以上の者がまあ三分の二あるわけですね。そうしますと、そういう人たちは結局DDTをまいたり、或いは封書の上書をしたりというような本来の意味からいう臨時職員じやなくて、恒久化された臨時職員言つてもいいと思うのですが、こういう人たちはやはり一定の期限を切つて更改して採用するという方法をとつていらつしやるのですか。
  19. 羽田恵助

    参考人羽田恵助君) 今のお尋ねの点でございますが、「こうかい」というのは採用についてでございますか。
  20. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 ええ。
  21. 羽田恵助

    参考人羽田恵助君) 採用は実は地方公務員法の施行前も後も実は正規の職員につきましては、公開原則に基きまして採用いたしておりまするが、こういうつ職員につきましては公開をいたしておりません。ただ、今御指摘のような清掃その他恒久的な事務に従事しそおります者につきましては、私どものほうといたしましても、公開ではございませんが、技術単純労務者につきましては、選考の方法によりまして、正規の職員に振替えて採用いたしております。大体本年も事務の職員から約三百人近く、それから作業、技術を含めて約二百名を正規の職員に切替えております。
  22. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 「こうかい」と申しましたのは、まあ公なというようなふうにおとりになつたかも知れませんが、私は切替えのことを申上げたつもりであります。六ヵ月とか一年経ちますと、期限が切れて、一応はそれで解雇になりますか、或いはそういう手続をとらずに、もうずつと二年なら二年引続いておやりになりますか、その切替えのことをちよつと伺いたい。
  23. 羽田恵助

    参考人羽田恵助君) 大抵初めはまあ引続きということでやつている所もございます。それぞれ従事をいたします職種、或いは事務内容によりまして、雇用するときに、三ヵ月でこの仕事が終るからと申して言渡して採用をいたします。或いは二ヵ月と申して言渡すのが原則でございまして、又それで終つたときにはきれいにやめてしまう人もありまするし、又職種を変えまして、例えば作業員であるならば、公共事業としてこつちの事業に従事していた、併しその事業は切れたからこれでお仕舞いだけれども、新たな公共事業が始まつたからというので、そちらに切替える場合もございます。まあ、一般的には期限を区切つて、又もう一度やるというのも、もう一度採用するというふうに申渡しをいたしてありますが、実は局によりましては、まあ初めは言渡しておつても、その後実はずつとずるずると使つているというような非常に遺憾な所もございますので、最近におきましては、この点を注意して切替えをいたしておるわけであります。
  24. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 六カ月とか、或いは夏期だけとかいういわゆる本来の意味における臨時職員というものは、一応この際問題からはずしてもいいと思うのですが、そこで恒久的な意味における臨時職員なんです。日々の仕事は他の一般職の常用の本当の採用のかたと机を並べてやつて、而もその身分が臨時職員であるというような人について問題があるのじやないかど思うのですが、只今お話になりました約五百人程度のものは切替えて、選考の結果普通の本採用と同じような身分を与えたとおつしやるのですが、この場合は試験をやらずに選考だけでおやりになつたか……。
  25. 羽田恵助

    参考人羽田恵助君) 例えば清掃方面におきましては、臨時を実は長くやつた者は、一年とか二年に制限をいたしまして、成績のよろしいものは形式的な選考で任用いたしております。今御指摘のような単純労務に従事をいたしております作業員とか、技術の方面につきましては、絶えず欠員があるから、その中から或る程度選考して採用をいたしております。都といたしましては、事務官以上は原則といたしまして大学出を中心にいたし、更に新制高等学校出の者を中心にいたしまして、公開平等の原則によつて競争試験を実施いたしまして、それから採用をし、更に育成して行くというような考え方をとつておりますために、事務職員につきましては、一般の試験を受けてもらうよりいたし方がないような状態でございまするが、併し今年実施をいたしましたのも、一般の職員は大学を二十六年度以降のものしか受けさせなかつたのでございまするが、特に臨時職員は卒業の年次を制限せず、又旧制専門学校を出た者にも受験資格を与え、ただ年齢三十才未満という制限だけで試験を受けさせるような形をとつてはおりまするけれども、特に事務員につきましては、特別な選考という恩典と申しまするか、やり方を技術、作業員のようにはとつておらないという実情であります。
  26. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 そこで都の場合は一万二千人で、これは本来的な臨時の人もあるし、それから恒久化している臨時のかたもあるようであります。こういう多数の臨時職員が出たという原因はどこにあるのでございましようか。一定の計画が立たずに、臨時に必要であるといつたような場合もあるでしようけれども、恒久化された事務職員であるとか技術職員であるとかといつたような人たちは、予算の関係でありますか、或いは途中で人員整理などの関係から定員の外にはみ出してしまつて、それが恒常化して、依然としてやはり臨時職員という身分でいるということも考えられるのですが、その原因の一番大きなものはどういうところにあるか。
  27. 羽田恵助

    参考人羽田恵助君) 原因と申しますと、やはり先ほど自治庁の鈴木次長からもお話がありましたように、これはまあ私ども東京都といたしましては、いろいろな特殊な実情、年間四万も人口が殖えて行くというような関係から、例えば汲取清掃についてはいやでも、どんなに他の事務、事業を合理化しましても、清掃事業は何としても殖やして行かなければならんというような実情でございまするが、それはそれといたしましても、初めは一つの公共事業なら公共事業、こういう事業のために六カ月、或いは三カ月の期間この人が要るというようなふうで採用いたしましても、又あとに追加予算であるとか、新たな事態の発生によつて又新たな事業が出て来ると、やはり人情もかかりますし、使つて見れば身許がわかつているのでそのほうに切替えて行くというような状態を継続して参つて来たのが、やはりこの状態ではないだろうかと私は考えております。
  28. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 鈴木次長にお伺いしたいと思います。先ほどお話がありました地方公共団体には相当の臨時職員がいるという、これはもうはつきりわかつているわけであります。結局こういう人の身分は一般職であるということはこれはもう常識でありますし、各地方などの労働委員会などでもその身分はやつぱり一般職であるといつたような決定をしているようです。これははつきり一般職と了解してよろしゆうございますか。
  29. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 松澤委員の先ほど仰せになりました恒久的な臨時職員、或いは同じような意味で申せば常勤的な非常勤職員、そういう種類の地方公務員の実質は一般職の地方公務員に相当するものが相当多く、大半を占めているというふうに私ども考えておりまするし、又形式的にもそういうふうに一般職と見られるものが多いというふうに考えております。
  30. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 一般職であれば、当然地方公務員法の十三条、平等取扱原則というものはこれを適用しなければならんわけになるのじやないですか。
  31. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) その通りでございます。
  32. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 ところが実際にはそれが適用されていないということは、只今占部君からもお話がありましたし、又只今提出されました資料によつて見まするというと、地域給についても、家族手当についても、交通費についても、或いは超勤手当についても、或いは昇給制度であるとか、或いは作業給であるとかいつたような、そういういわば給与の面につきましても差別的な取扱を受けている。こういうことは平等の原則に反するのじやないか。こういうように考えますが如何でございますか。
  33. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 一般職、特別職の区分については、御案内のごとく非常勤、或いは臨時の職に従事いたしますものについては、特別職というようなものも若干あるわけでございますが、御指摘のような場合は恐らく一般職に形式的にも実質的にも当ると思うのであますが、そういうものにつきまして、地方公務員法上任用等について臨時的任用というような規定を用いて、そういう形で任用をする。従つて十七条の本来的な任命の方法を用いないで、そういう臨時的な任用の方法を何回も繰返しているというような形になついる者も相当あるのじやないかと私どもも考えております。これは今平等の原則という点から申して、その実態をはつきり確かめまして、それぞれ、の本来の地位に公務員を置くということがやはり根本的には必要だろうと思うのでございます。この点は恐らく地方の公共団体におきましても、さようなことは一面において考えながら、地方財政その他の関係から、心ならずも止むを得ずさような法律趣旨をそのまま完全に実現することができないような状態にあるものがあるのではないかというふうに考えるのであります。
  34. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 予算の面の問題については、又いずれあとからお話しなければならないと思いますが、先ほどのお話によりますと、臨時職員に対する実態調査というようなことをお考えになつていらつしやる。或いは調査求めつつあるというお話でありますが、これはいつ頃になりましたらその調査の報告というものはできるお見通しでございますか。
  35. 松島五郎

    説明員(松島五郎君) 私からお答えさせて頂きます。  これは私のほうも急いでその実態を把握いたしたいと思いまして督促をいたしておりますが、現在まだ半分程度しか資料が出て参つておりません。引続き督促はいたしておりますが、まだ一カ月ぐらいは従来の例から言うとかかるのではないかというふうに考えております。  それから先ほど次長から申上げました平等取扱原則の問題でございますが、平等取扱原則と申しましても、やはりそこには勤務条件なり、そういつたものが相関連して平等に取扱わなければならんという問題も、或いは考えなければならん問題であると考えられますので、例えば現在の地方公務員法の中にもございますが、非常勤の職員については、給料その他について必要な調整の措置をすることができる旨の規定がございますが、現実に臨時職員と言われておりますものの概念が必ずしも明確でございませんので、中には非常勤類似のと申しますか、非常勤の者も臨時職員と言い、或いは恒久的な任命と言われている者も臨時職員と言われているというような状況でございますが、これらのおのおのについてその実態を明らかにした上で、それぞれ適切な措置を講ずるのが適当ではないかというふうに考えております。
  36. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 只今公務員課長ですか、お話承わりまして御尤もと思うのです。先ほども申しましたように、全く臨時的な仕事のために全く臨時に雇用されているという人は一応この問題から除外していいのじやないかと思うのですが、そうでなくして、実際上本採用の人々と一緒に机を並べて一緒の仕事をやつていながら、その人の身分が臨時職員であるということのために平等取扱いの原則から外されているという人が結局問題になつて来る。まあこう考えるので、実態は一般職の常勤の本採用の職員と同じでありながら不平等の取扱いを受けている人が多数ある。こういう人に対してどうするかということが問題でなければならないと、こう思うのであります。臨時職員を何でもかんでも皆平等の原則適用しなければならんということを私どもは言つておるわけじやない。この点について実態を調査すればおのずから明らかになつて来ると思うのですが、その調査がいつ終るかということを先ほど聞いたわけでありますが、まだ半分程度しか調査の報告が来ていないということでありますが、いずれ調査の結果がわかれば取扱いの状態もわかつて来ると思うのですが、ところがそういう状態すであるにもかかわらず、今回予算に関する地方自治庁の通達をみますとやはり臨時職員というものはこの際全部なくしてしまえ、或いは徹底的に縮減を図れということを言つているのです。そこで問題は本当の臨時的な非常勤の臨時職員と、それから恒常化された臨時職員と、こうあるわけでありまして、この恒常化されたいわゆる常勤的の臨時職員、これも一掃してしまうというようなことは余りにも実態に即しない乱暴な通達ではないかと、こう考えるのですが、この点は自治庁の鈴木次長どういうふうにお考えになりますか。
  37. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 今回この予算の編成に関連をいたしまして、国家公務員の場合に準じて地方公務員につきましても増員の抑制、或いは若干の整理を考えるということを先般閣議で決定をいたしたわけでございます。国家公務員の場合におきましてとられましたのと大体同じような程度において、ただ地方公共団体が非常に規模の小さい団体であり、又一つの施設に勤務いたしまする職員の数も非常に少いというような地方公今日団体の特殊性に応じた調整を行いまして、そうして府県市町村全体を通じまして、一般の関係において総平均を四・二、三%程度の整理を行う、こういうようなことを財政計画上考えたわけでございます。なお、国の場合におきましても、ここで今御指摘の臨時職員と申しますか、いわゆる定数の中に入つておりません、予算上の処置としてのみ考えられておりまする職員を相当程度圧縮をいたす、こういうことになりましたので、それに応じて地方の公務員につきましても、同様な態様にありまする地方公務員について、同じように圧縮をしてもらいたいという趣旨の通知を恐らく財政関係のほうであろうかと記憶いたしておりますが、地方に出したのではないかというふうに考えておる次第であります。
  38. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 政府の方針として人員の整理をするということは、これは私どもは立場は違いますけれども、一応政府の方針として国家公務員に対する人員整理をやる、或いは機構改革をやるということはわかるのですが、併し国の場合こんなに徹底的に現存する臨時職員の縮減を図るというほど強い決意で恐らくやつていないだろうと思うし、又建設省におきましても、農林省におきましても、どこでもこの臨時職員というものを全部なくしてしまつて果して仕事が成り立つかどうか。今次長が言われましたように、相当程度圧縮をするというような含みのある言葉であれば、立場が違いますけれども、一応了解できないことはありませんが、通達によれば、徹底的に圧縮縮減を図るということは殆んどそれをなくしてしまえということと同様の意味に解せないことはないと思う。特に問題のある、問題のまだ解決していない臨時職員という包括的な名前によつて、その臨時職員を徹底的に縮減を図つてしまつて、なくしてしまうというところまで行つて欲しいというような通達の趣旨であるならば、これは大変な問題だと思うのです。この場合における臨時職員というものが非常勤臨時職員であるのか、或いは又恒常化された普通の一般事務職員或いは技術職員と同じ仕事をしている臨時職員を指しているのか、この点については重大な問題があると思うのです。実態自体を十分に把握しないで、名前が臨時職員だからこの際徹底的にこれを一掃しなければいかんという通達は、国家公務員の場合と比較して非常に強い圧力を地方自治体にかけているのじやないかという疑いを持たざるを得ない、この点は如何ですか。
  39. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) この臨時職員につきましては、先ほど来御指摘のように、例えばその職自体が臨時である、河川の改修工事或いはその他の土木工事等で、仕事自体が臨時的であるが故に臨時的な任用によつて登用される臨時的な職員であるというような場合もあるわけでございますが、又先ほど来お話が出ておりまするように、一面行政の簡素化というような考え方に立つた地方団体において、条例の本来の定員を圧縮いたして、逐次条例におきまして理想的な定数を定めて、現在おります実際の職員と条例の定めております定数との開きを、いわば定員外というようなことで逐次その定員外の職員を定数になりますまでに圧縮して行くというような際においてこれが臨時的な取扱いを受け、或いは行政簡素化というような建前から、本来ならば条例の定数を直して増員すべきものであるにかかわらず、差当つて非常勤の常勤職員と申しますか、臨時職員というような形で実際の職を殖やして行く、こういうようないろいろな事例が実際問題としてはあると思うのであります。そういう臨時職員の中で、最初に申上げましたような職それ自体が臨時的なものであるが故に臨時職員として登用されているというような形のものは、これはそういう事業費を以て支弁されている場合が多いわけでございまして、こういうものはなくすということ自体がこれは無意味だろうと考えるのであります。その通知におきまして言つておりますのは、本来臨時的な取扱いを受けるべきものでないようなもの、本来の定数の中にこれを含めて通常の給与条例をそのまま適用すべき地位にあるのにかかわらず、それを臨時的な職員として取扱つている。一般の職員とそこに不平等に取扱つておるということが適当でない、そういう意味合いにおいてそういうものはできるだけ一掃をして、本来の姿に引直し得るものは引直すように努力すベきであるという趣旨を申したように記憶いたしておるのであります。県によりましては、行政整理を自分の県では大いにやつたというような話を聞くのでありますが、実際条例の定数の報告を見まするというと、前よりも却つて殖えておる。どうして殖えたんだと聞いてみますと、これは行政整理は一面においてやつたけれども、同時に臨時職員等を本来の条例の定数の中に加えたから、結果において条例の定数としては殖えているんだということを報告して来ております知事らもあるのであります。そういうことで、やはりそこで申しておりまするのは、単にそういうものを整理する意味においてなくすということだけでなく、やはり本来の姿に引き直し得べきものはできるだけ引き直すということも含めてそういう趣旨を申したように考えておる次第でございます。
  40. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 さつきは何かこういう通牒がどこかほかの所から出たのであろうというようなお話でありましたが、これは自治庁の次長の名前で以て出ているのです。あなたもう少しはつきり知つていなければならんわけだと思うのです。そこでこの前の場合は便か一定の目標をこしらえて整理する、こう言つているし、或いは又は待命制度というものもあつて、それで相当穏便と言いますか、温情のあるような方法もとつてつておるわけなんです。たびたび繰返しますけれども、私たちはそういう如何なる方法にしても人員、整理という問題については反対の立場に立ちますけれども、併し国の場合は待命制度という今までは国家公務員法にも何にもなかつたような妙なものを引つ張り出して、それで一年間は給料をやる、一年たつたらやめてもらうんだというような温情のあるような方法もとつていますし、或いは目標を立てて二十九年度は何人減らすんだ、それから、三十年、三十一年たつてこれだけ減らすんだという目標のある整理の仕方をしているでしよう。ところがこの通達を見ると、何でもかんでも臨時職員なんというものは首切つてしまえ、こういうふうに考えられないこともないような書き方をしているのです。温情も何もないじやありませんか。特に国家公務員に対する待命制度であるとか、或いは又は年次計画的人員整理といつたような方法に反してむりやりに臨時職員を徹底的に縮減するんだ、一掃してしまうんだ、そういう強い通達をお出しになりました真意というのはどにあるのですか。
  41. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 国の場合に比して地方の処置について温情がないではないかというような御指摘でございますが、そういう意図は全然ございません。地方公務員の人員の整理につきましては、国の中央地方を通ずる行政簡素化という方針に基いてこれを行うことになつたわけでございまするが、その方法につきましては、国家公務員と地方公務員との間において何ら差別、権衡を失するようなことがないように取扱おうというのが私どもの自治庁の根本の考え方でございます。御指摘のように特別待命の制度につきましても、これはすでに任意上いたしまするものは、確か地方にそういう趣旨の通知を連絡いたしておるはずでございまするし、又将来、今回の国会に地方公務員法の改正法案を提案いたしまして、その意に反して行う特別待命の制度につきましては、国家公務員法の場合と同じように立法的に処置をお願いいたしたいというふうに考えておるのであります。又実際上の取扱いの問題といたしまして、五%以上に亘る人員の整理を行いまするような段階におきましては、それを年次計画によつて処理をして行くという方法もこれを採用してもらうつもりでおります。併しながらいずれにいたしましても、中央において計画いたしますることは主として財政計画の面から出て来ることでございまして、それを各地方公共団体において如何に具体化するかということは、各地方団体がやはりこれは自主的に決定する建前のものであつて政府としては地方にこれを要望するという姿のものになると考えておるのであります。而して各地方団体におきまする職員の定数なり配置というものは、同じような経済構造、同じような規模の地方団体におきましても、或る県は相当多くの職員を他の県に比して採用しておる、即ち職員一人当りの人口というものを比較しますると、同じような条件にありまするのにかかわらず、甲の団体と乙の団体とは非常に違うというようなこともあるわけでございまして、ただ現在の定員から一律に先ほど申上げましたような四・二、三%のものを引くということだけでことが済む場合もありましようけれども、所によればそれでは平均よりもむしろ少い、或いは、それよりももつと整理をしなければ平均的なものにならないというようなことがあろうかと思うのであります。で、これはやはり自分の属しておりまする地方公共団体においてどの程度の職員を持つのが合理的であるかというその点をやはり科学的に検討をして行つた上で、一方政府のほうの要望いたしまする主として財政計画上から参りまする措置と睨み合せて、自分の団体において行政整理を行うか行わないか、行うとする場合にはどういう程度に行うかということを考えて行くべきものであろうというふうに考えておる次第であります。
  42. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 今次長がおつしやることを聞いていれば、如何にも尤もだとこう考えられます。併し通達はこういうふうにはつきり言つてしまつてそこに何らつの温情も見出せない。若し人員整理なら人員整理の通達をするという場合には、なお退職に当つては待命制度ということも考えろ、或いは又は一定の年次計画で人員整理をしろということを書いてこそ、次長がおつしやるような気持というものが通達の中に現れるのです。ところが書くことは、定員を臨時職員といつたようなところに枠の外にこしらえることはつけない、この際現存している臨時職員というものは徹底的に縮減を図れということで、只今次長の述べられた計画なり或いは気持なりというものはこの通達の中に何も現れていない。両も待命制度の問題は今後出すのである、或いは又は一定の年次計画を持つた人員整理も今後通達するんだとかいうことで、首切りのほうが先に行つて、その温情的な取扱いということが結局あとからになつてしまうということが、私たちから見ればいわゆる官僚主義的なやり方じやないか、こういうふうに考えるのです。なぜその人員整理ということを国家公務員に対するものと同じような措置を講じてやらなかつたということをしつこいようですけれどももう一度……。
  43. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 松澤委員の御指摘になりまする通知は、恐らく、二十九年度予算編成のを方針についての通知ではなかつたかと記憶いたしておりますが、只今御指摘のこの人員整理の問題につきましては、政府としましては、つい先般閣議で国家公務員の人員整理の最終の案が決定をいたしましたのに伴いまして、比較的最近これを決定をいたしたわけであります。その、決定の案の中には、今申上げました特別待命の関係のこと、或いは年次計画の関係のことなどもその備考の中にこれを明らかにいたしておるわけでございます。これを取りあえず地方に連絡をいたしましたが、併し自治庁として最後的にこの問題を地方に要望いたしまする段階は、地方公務員法の一部を改正する法律案を国会に提案をいたし、幸いにしてその特別待命等に関しまする制度が実現をいたしました暁において、改めて全体のことを地方に通知をするというふうな考え方をとつておるのであります。従つて、今御指摘の点は予算編成についてのことであると考えるのでありまして、自治庁の人員整理についての根本の方針は何かということでございまするならば、只今申し上げたようなことであるというふうに御了承を頂きたいと思うのであります。
  44. 内村清次

    委員長内村清次君) ちよつと委員長から鈴木次長に要望しますが、予算編成上におけるところの臨時職員取扱い方ですね、まあその他いろいろ経費の問題もありましようが、そういう自治庁から次長の名で出した通達ですね、これは一つ一応委員会のほうにも出してもらいたい、これは今の質疑を開いておりましても、松澤委員のこの質疑の内容、これはまあ通達を元とした質疑の内容と、出した御本人のあなたの内容が大分食い違つておるようですね、これは一応委員の各位にも通達を一つ見て頂いて、請願者の言い分としては、一応、臨時職員をなくしてもらいたい、常勤定数の中に入れてもらいたいということ、不平等取扱いをなくしてもらいたいということに発しておるわけでございますから、一応これと関連のある通産を委員会に提出してもらう、で、その後において又この問題もやつぱり相当重要な問題であろうと思いますから、ずつと詳しく質疑を展開しては如何でございましようか。
  45. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 ちよつと質問を……。
  46. 内村清次

    委員長内村清次君) あとの問題もあるし、大分時間をとつておるようですから……。
  47. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そういう機会を又作つてくれるならいいですよ。
  48. 秋山長造

    ○秋山長造君 今の松澤委員の御質問に問題するのですが、只今の次長の御答弁によりますと、結局、この非常に大きな問題になつている臨時職員の問題の根本的な解決は、自治法を改正して待命制度を設けることによつて減らして行くのですか。
  49. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 必ずしもそういうわけではございません。特別待命の制度は今回の行政整理と申しますか、人員整理に伴つて是非地方にも同様な方式のものを実行しようと思えば実行できるように制度上途を開きたいということでございまして、臨時職員の問題はこれを整理することによつて解決するという考え方を自治庁が持ておるという意味では必ずしもございません。
  50. 秋山長造

    ○秋山長造君 まあそうだろうと思うのですけれども、併し先ほど来の徹底的な縮減の通達というような話を聞きますと、やつぱり整理することを以て最も根本的な解決だと考えておられるようにしかとれない。最初委員長から聞かれましたときに、自治庁としても現在の臨時職員、の問題は非常に重視しているので、で、この問題の解決策としては、先ず第一にはこれは根本的な解決策を考えなきやならん、併しそれも今すぐといつても間に合わないから、当面の問題としては、現行法の範囲内での何らかのよりよい解決を考えなければならんと思つておるという御説明があつた。だから私は当然松澤さんとの問答の間にそういう問題がだんだん出て来るだろうと思つておつたら、結局結論がどうも抹殺してしまうことによつて解決するというようなところへ来てしまつたので、いささか不安なんですけれども、その辺については只今の資料がいずれ後刻我々の手許に出されるわけでしようから、改めて御質問したい。同時に、やはりこれだけの通牒を出される以上は、先ほども公務員課長が御答弁になつたような、自治庁自身すら地方の多数の臨時職員の実態というものを全然把握なさつておらないので、おらないにもかかわらず、いきなりこれを抹殺するような手を打たれるということは、これ又甚だ不穏当だと思いますので、資料を出されて、次に我々質問を申上げるときまでに、まあ附焼刃でも一夜漬でも結構ですから、少くとも最大限の努力をして順いて、地方臨時職員の実態というものをもう少しはつきりしたものをこの席上に出して頂きたいということを特にお願いしておきたい。
  51. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 今参考人のおられる間に、私参考人に一、二簡単に伺いたいと思います。
  52. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは若木君、要点だけ一つ。
  53. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 占部さんにちよつと伺いたいのですが、いわゆる臨時職員の身分というものはあなたも非常に重大に考えておるので、従いまして、各地におきまして人事委員会であるとか、或いは任命権者に対するところのいろいろな団体交渉なり、そういうふうなものが行われるだろうと思うのです。その状況について簡単にお尋ねいたします。
  54. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは、実は先ほど占部君からも申入れがございましたが、組織部長の野口一郎君が来ておりまして、詳しいデータもあり、そのほうの説明を許してよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 簡単に、どういうふうな交渉が行われて、どういうふうな情勢にあるかということの……。
  56. 野口一郎

    参考人(野口一郎君) 簡単に申します。中国地方におきましては、中国五県の県の職員組合と、中国五県の人事委員長が会いまして、そうしてその会合で中国五県の人事委員長が、いわゆる臨時職員は十七条の任用の職員であるという明確な答弁をいたしております。併しながら、これは中国の山口の例でございまよすが、山口県におきましては、その人事委員長の言明を任命権者はとりませず、任命権者はそうではないのだというようなことを言つております。そこで山口県の職員組合はこれを行政訴訟に持つて行くというようなことまで言われております。福島県におきましても、人事委員会に提訴しでおるということを聞きます。簡単でございますが、まあこのように一応大きな問題となつて行きつつございます。
  57. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 東京都の羽田さんにちよつと……。これはいわゆる本当の一時的な臨時職員と言いますか、それと先ほどから話のあつた恒久的な職務についているけれども臨時職員の形をとつている、これが非常にこんがらがつて採用されておるんじやないかと思うのです。それでこれは実際の場合に東京都といたしましては、そういう場合をどういうふうに区別されて採用されているか、この点を一つ原則的な問題ですから。
  58. 羽田恵助

    参考人羽田恵助君) 確かに御指摘のように恒久的な而も常勤的な事務と本当の臨時的な事務との間に混淆を来たしておりまして、これが区別の採用につきましては、当初は勿論どこでも初めから恒久的な常勤的な仕事をさすというようなつもりでそれぞれ各局で採用はいたしたわけではないのでございまするが、そのうちにやはり先ほどもらよ、つとお答えを申上げましたように、一つの仕事が終つて更に新たに公共事業が出て来るとすれば、いわばこの人間をこちらからこちらに使うということ、一つのつ温情と言いますか、人情がかかつてまあこの人はいいんだということで使つて参りまして、やはり恒常的な常勤的な形をとらざるを得なかつたのでございますが、初めは勿論恒久的な事務に従事さすということで採用したわけではございませんで、初めからはつきりとこちらは恒久的な事務であるといつて採用し、一方はそうでないということで採用はいたさないで、先ほど申しましたように口頭で一カ月とか三カ月、或いは六カ月という期限を切つてこれを採用して更新したという状態でございます。
  59. 内村清次

    委員長内村清次君) それではこれは次回の委員会でこの問題を取り上けることにいたしますが、今日はまだ……。
  60. 秋山長造

    ○秋山長造君 お願いがあるんですが、やはりこの問題は非常に全国二十万前後もいる臨時職員の重要な問題ですから、次の機会には御無理でもこの組合のほうの代表者の占部さんにも是非もう一度出て来て頂いて、この問題を十分に御検討をお願いしたいと思います。
  61. 内村清次

    委員長内村清次君) その点も又よろしゆうございますね。どうですか、ほかに御意見ありますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 内村清次

    委員長内村清次君) いいですね。それでは次回に又この問題を取上げることにいたします。それまでに自治庁からは通達を一つ委員会のほうに出して頂きます。お忙しい中有難うございました。   —————————————
  63. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  64. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは速記をとつて下さい。  一月の三十日国鉄の本庁前における負傷事件に関する件を議題に供します。参考人のかたがたは先ほど委員会におきまして御承認を、得ました五人のかたでありますが、先ず参考人のかたがたに対しまして、実はこの事件に対して日本炭鉱労働組合の組織部長森谷雅春君から、石田参考人の証言は事実に反するので、再審議をしてもらいたいという要請がありました。この趣旨からいたしまして、今日の参考人の公述を聞いて委員会の審議に資したいと、かように存じております。  参考人のかたがたに対しましては、委員長から、お忙しい中おいで頂きまして、厚くお礼を申上げます。  そこで、先ず参考人日本炭鉱労働組合樹織部長森谷雅春君から一つ……。
  65. 森谷雅春

    参考人森谷雅春君) 私日本炭鉱労働組合の組織部長の森谷であります。  最近、各地で瀕々として労働組合に対する警察側の不当な介入、弾圧がありまして、これが労使の争議状態、或いは紛争状態になつた場合は、必ずと言つていいくらいに警官の動員が行われまして、組合側を弾圧いたしまして、経営者側を有利に導くという現象が目立つて参つたのであります。この中において、一月三十日の負傷事件について本委員会がいち早くこれをお取上げになりまして、真相の究明に努められておりますことを心から感謝申し上げる次第であります。  石川参考人の証言は、以下述べますような事実について著しく異なる点がありますので、その内容が異なるということのみにとどまらず、組合員の行動をあたかも暴力の行使、或いは暴力革命を思わせるというような印象を与えることによつて、不当な警官の弾圧を定当化せんとする底魚があると思われますので、この際本委員会に対して本件について明確にして頂きたく思う次第であります。これをそのまま見ますと、第三者をして非常に誤つた認議を与える虞れがあるのであります。それで私よりその真実にあらざる点を議事録によつて指摘したいと思います。  先ず第一に、議事録に従つて申上げますので、多少ぎこちなくはなりますが、お許し願いますが、議事録の中で「殆んどその道のもう専門家でありまして」、「全国を股にかけて行つておる」云々と、こういう言葉がありますが、これはものすごい誇張でありまして、陳情の組合員はすべて都内において官公庁に勤務する人のみでありまして、全国から呼び寄せたものではないのでありますから、全国を股にかけて歩く組合員、そういう者は今はないのでありまして全く根拠のないものであるという工合に考えております。このように野卑無頼のごとく印象付けんとするその意図を非常に残念に考えるのでありますが、これは表現の自由を以て許さるべきことではないと考えております。  次に、「非常に殺気立つておりまして、あたかも革命前夜のような様相」とありますが、これが問題であります。この陳情は、前述の国鉄の組合役員に加えられようとするいわゆる十八名の不当な処分を何とかしてそういう処分をさせまいという温かい同志愛の下に、通常の服装で、而も素手で集まつた、ただこれだけです。これをこのように大けさに表現するということは常識外でありまして、やはり真実を伝えておらないという工合に考えるのであります。大東京の一つの建物の下に二、三百人の労働組合員が陳情のために集まつた、ただこれだけで革命前夜の状態と認識する警察側の物の考え方、これ自体が非常に危険な要素を絶えず孕んでいるという工合に考えるのであります。これではいつ命令によつて武装警官が労働組合側に突入いたしまして、血の雨を降らすという惨事を起さないとも限らないからであります。憲法に保障された労働組合の団結権と、これに則つたいわゆる労組法という、労働春をささやかに支えているこの特別法さえも、警官の不当な介入、弾圧ということによつて実質上空文になるということを非常に慮れているのであります。強いて革命という表現を用いたのでありまするが、これはむしろ労働組合側に対して表現するつのではなくて、装甲車を先頭に完全武装の物々しい千名近い警察側の動員、これは石田参考人みずから七百各と言つておりますが、私の目では七百名以上もおる。あつちこつちの建物の中に隠れておりますが、そういう意味で、こういう厖大な警察側の動属が組合員を包囲いたしまして、事を起しそうな物騒な態勢、これが全く革命前夜ということに当てはまるのじやなかろうかと思う。少くとも民主的な労働組合の行動を故意に傷つけんとしたものであると私は思つておるのであります。  次に「竹竿で後から中の人を突こうとする、」云々とありますが、これは石田参考人自身が、「そのときには私はわかりませんでしたが、」、「あとでわかつた」、こういうように言つておられますが、私の知る範囲においては、旗竿で人を突こうなどという人はおりませんでした。組合側が庁内に陳情のために入ろうとしましたのを、これを阻止するために内部の警察側がドアを閉めようといたしました際に、ドアの上部を竹竿で支えた人があつただけを私は見ておりますが、それ以外、人を突こうなどという行為はなかつたのであります。  次に、「私の胸を突き飛ばす。石やら撮影のフラッシュなどを投げ付けるので、私は非常にこわくなつた」云々とあります。誠にしおらしく、少女のごとき表現でありますが、(笑声)私は終日同月正面玄関におつたのでありますが、こういう石を投げ付けるということは全然なかつたのであります。一人も、石その他を投げる人はありませんでした。なお念のため申し添えますと、現場の東京駅前の国鉄本庁附近は小石一つない完全な鋪装道路であります。  次に、三菱本店に乱入し、課長以下二、三人をひつぱたいた。或いは森谷に聞いたら、顔を払い除けただけであると、こういつたように育つておられる点も非常に不穏当な点でありまして間違つた印象を多く与える慮れがありますので、ここに明かにしたいと思います。同日私は、三菱の経営者が行いました組合活動家である元組合長以下七名言、この組合活動家を島流し的に分散、配置転換をするという会社の行為がありましたが、若しこれを聞かなければ即懲戒解雇という驚くべきことなのでありますが、この不当労働行為を撤回せしめるために事務所に入りまして、会社首脳部の机に向つて進まんといたしますと、会社側の数名の者が私の前に立ち塞がつてこれを阻止しようといたしまして、多少揉み合つただけであります。体が触れ合つたのは双方でありまして、この際、私のほうから申上げましたのは、今までの慣行を申上げますと、これは団体交渉を拒否いたしまして、社長以下がみな隠回たり或いはどこかへ逃げてしまうのでありますが、そういうために団体交渉を持つことは非常に苦労をいたしまして、ともかく経営者という名の付くかたはこれを捉えまして交渉に応ぜしめる、こういう方法をとつております。中に大勢入りまして、それでは困るから中から十名出してもらいたい、或いは五名出してもらいたいということを両三度やつておるわけでございますが、こういう意味で、役員経営者を出して来なさい、こういうことを私が申しましたところ、経営者は呼んで参りますからお待ち下さい、こういうことでありましたので、全員廊下に出まして待つておつた、こういう次第であります。併しながら、この際会社は経営者を呼んで来るということは嘘でありまして、警察と連絡をいたしまして、大量の警官を導入して来るという状態になつたのであります。そこで、私のほうでは、かかる闘争のあり来たりと、将来に対する闘いの支援方を各組合に訴えております際に、森谷さん来てくれということで逮捕されようといたしましたが、その際多少揉み合いましたならば、大概挑発に乗りますし、事が炭労関係のことでありましてつ、ほかの組合員のかたがたに多少なりとも迷惑をかけてはならんと思いましてすなおに言うままに石田参考人、署長について行つた、これだけの話であります。  次に、私は非常に残念に思うのは、「森谷さんは革命だ、」、「ギロチンだ、これははつきり森谷さんが言つておる。ギロチンだ、おれは近く行動を起す、」、「お前たちはこういう余計なことをしなくてもいいようにしてやるから一つ待て、こういうようなことを言われました、」、「常にそういうことを私どもは申されておるのであります。」と述べられております。これは私はとんでもない重大な作為的なものであるという工合に考えております。私は人間性において、組織の代表といたしまして、かかる言辞を吐いておりません。こんな馬鹿げたことを権威ある国会の委員会において、少くとも警察署長である石田参考人が如何なる目的のためか、こういう発言をされておるということを非常に悲しく思いますし、又激しい憤りを感ずるのであります。総評傘下の友誼組織、或いはこれを取巻いておりました警官、これら全員が、こんな児戯にも等しい言葉を私が言つていないことを全員がはつきりと知つておると思うのであります。社会革命云々の言葉そのものは大したことでもありますまいし、罪悪視して取上ぐべきでもない。これは社会革命を標榜する我々の階級政党が厳存しておる次第でございますが、言いもしないことをわざわざ捏造して言われたということに対して、非常に不純な危険なものを感ずるのであります。これは冒頭にも申上げました通り、何か組合が大きな行動を起すような錯覚を与えまして、絶えず労働組合を弾圧することが正当であるかのごとき印象を与えるための工作ではなかろうかという工合に考えるのであります。そこで、この言葉をよく考えてみましたがこういうことがあります。十九日頃です。労働組合員が陳情のために国鉄本庁の前で集つておりました際に、警察官を指伸しておりました石田参考人は、我々組合員の前に犯人押送車を持つて参りまして、後部のドアを部下をして開けしめまして、逮捕するとか検束するとか、こういうことで盛んに威嚇挑発しておりました。その際に多少言葉の応酬があつたのでありますが、そのとき、石田署長みずからが胸を張りまして、伊達に警察官をしているのじやない、革命が起ればギロチンにかけられるくらいは覚悟しているのだということを自分が言つておられたようであります。(笑声)こういう言葉を組合員に浴せかけておられたのでありますから、これは何か錯覚か、或いは何か別な御理由によつて考えられたことではなかろうか、このように考えておるのであります。  以上石田参考人の証言については誤りある点を私より率直に申上げましたが、炭労といたしましては、組合を守るという観点から、団体行動権の発動する際にはちよいちよい官憲の介入があるのでありまして、不当検束とか逮捕、こういう弾圧を受けておりまして組合自体が半身不随に附し入れられるということがあるのでありますが、これは明らかに労働者を弾圧して資本家を擁護するという一定のコースに従いまして、何はともあれ労働者を粉砕して、これを極度に去勢するということでなければやまないという猛烈な勢いで組合に対して挑戦しておられるのではなかろうか、このように考えるのでありますが、こういつた行為が最近多いのであります。こういうことが今回のごとき労働者に対する暴行を加えまして、瀕死の重傷を負わしめるという惨事を惹起したのであるというように考えておりますが、これは決して偶発的なことではなく、又々再燃する要素をたくさんに持つておるのである。このように考えておりますので、本委員会においては格段の御配慮を賜わりまして、こういうことのないようにして頂きたいということを炭鉱労働組合という立場からも特にお願いを申上げる次第でございます。
  66. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは次に丸ノ内警察署長石田昇君。
  67. 石田昇

    参考人石田昇君) 本月四日の本委員会におきまして、私の回答が明確を欠きましたために、本日更に呼び出しを受けまして、皆様に御迷惑をかけるに至つた点は深くお詫び申上げます。それと同時に、私は非常に国会には不慣れであつたのでありますが、割合率直に意見を述べることが前回できたのであります。この点につきましても、委員の皆様に対しまして厚くお礼を申し上げます。  前回の陳述では、単に総評の攻撃に対して防禦をするにとどめただけでありまして、私としてはかなり控え目に申したつもりでありまするが、その結果が、まあ森谷委員長さんの話では、警察側が正当性のように主張して、労働者側を如何にも違法であるように言われておる、こういうことであります。それから更に如何にも警察が労働組合を弾圧しておるようなお話でございましたが、こんなことを一々言つていても切りがないわけであります。私どものお願いすることは、これは従来のような違法な状態を改めて頂きたい、そういう点、法律を遵守しまして、合法的な集会や、デモ、陳情等をやつて頂くのほかはないと思うのでありまして、正しく許可を受けて頂いて、条件をよく守つて頂きまして、そうしてこの蛇行進や渦巻行進等をして、公衆の迷惑になるようなことを中止して、正しく面会を求めて、常道に従つて抗議陳情をして頂きたいだけであります。そういう正しいものを弾圧するというような気持は絶対にありませんし、又そういうことが許さるべきでもないのであります。あといろいろ条件を挙げておられますが、森谷組織部長の御主張は、単なる言葉の揚足とりに過ぎないのでありまして、事実を否認しておるのに終始しておるのでありまして、これはどうも前回総評の幹部がここで主張をせられたよりも少しも進歩していない。むしろ低調であるということは、どうも森谷さんのために、私はどういうわけでそういうことを言つて、ここに来て角を立てて妙なふうに私が嘘つきのように言われるかということは、私はもう不思議でたまらないのでありますが、森谷さんと事を構えて、そういう枝葉末節の問題につきまして、一々回答をするということは余り好まないのでありますけれども、まあどうしても仕方がないのでありまして、ここに具体的に明確に私から森谷さんが言われた各条についてお返事をしてみたい、こう思うのであります。  第一は、全国を股にかけている専門家が多いという点でありまするが、私の主張は形式的な言葉ではなくいたしまして、むしろ重点はその内容にあるのでありまして、非常にたくさん総評側で動員をかけましても余り集らずに、三百名前後のときには、殆んどその大部分の人が或いは組合の幹部か、或いは本部の職員であるとか、専従員であるとか、青年行動隊というようなかたがたが非常に多くて、労働争議やデモ、陳情等の現場にはよく出かける機会が多い。それで自然に経験も積んで、最近ではもはや専門家の城に達しておる。そこで、警察官との衝突の場におきましては、その交渉や駈引き、動作等は我々より優秀であるということを申上げただけであります。(笑声)従つて、専門家という言葉はこれはエキスパート、或いはその道のベテランとか、熟練工とか、達人とか、(笑声)それはどういう言葉でも結構でございまして、組合側の希望するものに、その内容を表現する言葉があれば是非訂正をいたしたいと思います。それから又全国を股にかけるということは、地域的広さを言つておるのでありまして、東京に居住していますから、東京地方の事件に出ることが多いということは、これは事実でございます。併し事件が起つたときはよく応援に行かれるのでありまして、全国に跨がつた地域的広さにおいて経験を積まれているという総評の言でありまして、大いに敬意を表しておるつもりで実はあるわけでありまして、この委員会のメンバーの中にも、政治の専門家もおりましようし、まあ政治家や宗教次、社会思想家等が全国を股にかけて遊説をするということは少しも悪いことではないのであります。労働運動の専門家が全国的に事件発生の現場に参りまして、応援をせられるということは一向差支えないことと思うのであります。特に、総評は全国を支配しておるのでありまして、これは全国的にお出かけになられる機会が相当多いと思うのであります。それは全国を股にかけてと言つたら、股旅者扱いにした、専門家という言葉は無頼漢扱いであるというようなふうに怒られることは私どもには到底理解することができないことで、誠に実は不思議に堪えないと思うのであります。  次に第二、第三の点はあと関係して来ますので、あと廻しにいたしまして、第四、第五、第六は、森谷さんの言われたほうは、これは二月の、二十日に新丸ビルの五階の三菱鉱業本店で森谷さんが行動せられたことでありますから、このほうを先にはつきりさしておくほうがをあとの点も非常に明快になると思いますので、この点から先に一つ申上げます。  二十日の午後、国鉄の本庁に集合しておりました総評傘下の各労働結合の代表者による集団デモは、森谷民を先頭といたしまして、この国鉄本部前から移動を閉始いたしまして、警察の注意を無視しまして、わつしよいわつしよいと蛇行進を始めまして、交通信号を無視して新丸ビルの正面玄関に行つたのであります。階段を上つて五階に参りまして、青年行動隊の歌を高らかに歌いまして、そうして廊下を一周いたしまして、午後三時三十分頃三菱鉱業本店総務部の前回の廊下に集つたのであります。それで三菱鉱業では労組員に侵入されまして事務を妨げられることを恐れまして、各入口を閉鎖いたしまして内側から鍵をかけて、廊下の受付には蜂谷課長代理がみずから出まして、部員と共に警戒していたのでありますが、五階廊下を一廻りして来たデモ隊は、森谷氏を先頭にして蜂谷課長代理に険悪な様相で、誰かここに連れて来い、こう怒鳴りました。部長以下の幹部は会議をしているから合えません合ら御承下さいと答えたつ蜂谷氏の言葉を容れずに、経営者をここに連れて来い、取次げと言うので、それでは取次ざましようと、蜂谷氏は傍らにいた鈴木課長代理に中からあけさすように合図をさしたのであります。で、内側から扉の鍵をかけて監視をしていた戸井田氏は合図があつたので、まさか大勢の人が旗を持つてなだれ込むとは知らずにドアをあけました。あけると同時に入れというかけ声で大勢が森谷氏を先頭にて入つて来たので、社員の三、四名が入室を拒否し、内からドアを閉めようとしてのであります。この中に三菱自動車の運転手の松本質治、四十才でありますが、松本質治君がおりましたが、森谷氏は邪魔をするなと言いながら、松本君の顔面を二回殴打したのであります。三菱総務部文書課勤務の金原周五郎君三十六であります。金原周五郎君が侵入阻止応援のためにドア附近に来たときに、松本氏が森谷氏に殴られまして、眼鏡を飛ばしたところだつたので、何をするかと言いますと、森谷氏が何をするかと言いながら又金原氏が殴られまして、この人も眼鏡を飛ばしたのであります。更に森谷氏は室内を進みまして、川町文書課長の所に来て大声で、経営者を出せ、団体交渉をすると怒鳴つたのであります。ここは事務をとる所だから大勢に入られては困りますと、富田文書課長が答えますと、森谷氏がこづき廻したのであります。富田課長はこづかれながら逃げるように退いて行つたのであります。すると、群衆の中から殴れ殴れという声がありまして、同時に森谷氏は富川課長の左頬を強く殴りつけて、自鏡は外れて落ちたのであります。この間に入室を阻止していましたところの庶務課の戸井田米四郎、三十六です。戸井田米四郎君は労働員の一人から下腹部を蹴上げられまして、チヨツキのボタンがとれたのであります。又館内係の、館内の仕事、館内係の山岸虎治四十九才、山岸虎治君は赤旗を持つた五、六十名がどつと来るときに左手薬指を扉に挟まれて傷をしました。中に入つた労組員はおよそ百名余りと認められるのでありますが、私が現場に着いたときはすでにもうデモ隊が室に入つたあとでありまして、私はその報告を受けると同時に、東京駅公安室に待機させておいた予備隊一個中隊の出動を促したのであります。この予備隊を東側の廊下の隅に集めまして、今乱入しておるところの労組員を室外に追出さなければならんということで、その方法について間違いのないように細かに注意をいたしまして、そうして午後三時四十五分に現場に行きますというと、もうすでに警察官が集まつて準備をしておることを知りましたところの侵入した大部の者は廊下に出ておりまして、残つたのは二十名足らずの人であつたのであります。そこで私はこれに退去を命じまして、富田課長から、その中に入られたときの状態の報告首を受けまして、初めてその事実がわかつたわけでありまして、そこで私は森谷氏の余りの乱暴に現場逮捕を決意いたしましたが、成るべくトラブルの起らない方法で逮捕したいと思いまして、エレベーターと労組の集団との間に予備隊を配置しまして、私はエレベーターの前に行きまして、森谷さんを私の所へ来るように、直接に遠藤警部に森谷さんを連れさしたのであります。林谷氏はちよつと待て、逃げも隠れもしないと言つて盛んにアジ演説をぶちまして、午後四時頃大威張りで私の所へ来たのであります。私は住居侵入、暴行の現行犯人として逮捕することを告げて本署に同行さしたのであります。森谷氏の供述書では、室の中では警備をしているらしい社員と認められる人が数名、入らないで下さいと言いながら両手を開いて阻止しますので、私はこれら立ち塞がつた人々を排除しながら、一番奥の文書課長の机の所まで進みました。排除というのは両手を水平にして、前方から左右に手を払い除けて行つた。そのとき相手の人はふらふらとよろけた状態を覚えています。とあります。釈放するとき私は森谷氏に直接会いまして、釈放の理由を告げたのでありまするが、告げまして、将来自重してくれるように警告をいたしたのであります。そのとき森谷氏は、自分は相手の面部を平手で強く払い除けただけで、これが犯罪とか何とかになるとは全然考えていないのだということを言いまして、肩をかして大手を振りまして、事務所を出て行つたのでありまするが、以上の説明は成るべく、殊に暴行した現場は殆んど私見を入れてありませんのでございまして、これは全都被議員者の供述調書をただ単に綴つただけでありまして、これを必要がありますれば、一々の被害者の供述書を読上げれば明確になると思います。それから現場写真には、現場の見取図もここに持つて来ておりますので、当日の森谷氏の暴行の事実は明確にそれらのものによつてはつきりするのでありまして、すでに書類は地検に送付してありまするが、そのときに複写をしておりまして、同時にとつた複写の写しを私の所にこれは持つて来ております。まあこの行為を我々は住居侵入であり、暴行罪と考えておるのでありまするが、森谷氏は正規の入口から入室したのであつて、乱入ではない、それからまあひつぱたいたなどということは穏やかでないと、こう言われるのでありますが、今まで説明しました事実に照らしまして、これをどういうふうに見ているかということを御判断を願いたいと思います。  それから第二は、革命前夜を思わせるすさまじさという点でありますが、それは私の言うことは、制服の警察官を取巻きまして、そうして胸を突いたり、それから税金泥坊、犬め、ぶつ殺すぞというような、今にも殺しかねないような殺気立つた様相、公務を執行しているところの警察官に対して言葉の暴力、力の暴力を以て、いつ何時で、も対抗する、お前たちが来るなら来い、いつでも力、暴力を以て相手にしてやるというこの姿です。大衆行動や集団陳情ならば、これは社会秩序、人権を無視してどんなことをしようが、言おうが勝手放題であるという思い上つた考え方、私はこの心理的な点に非常に重点を置きまして、私がそのときに主観的に革命前夜のような様相であるということを申上げただけであります。これは我々がまあ違法行為に対して警告したときや、それから実力行使で相手方と対立したような場合には、常に起る現象でありまして、私はこの様態が将来の危機を孕むと、非常にこの状態を恐れているものでありまして、森谷さんは組合員は通常の服装で、而も素手である、武装していないという客観的な要素に重点を置かれまして、私の言葉の不法をなじつていられるようでございます。私は火炎ぴんとか、手榴弾とか、それから銃器を持つて襲いかかる暴徒というものは大した問題ではないのでありまして、これは問題でないということは、これらは暴徒であることは明らかでありますから、我々もこれに対して敢然と警察官としての権力を発動して、そうしてこれを鎮圧することができるのでありまして、この点は私どもは余り将来といえども恐れていないのでありまして、むしろ森谷さんのような善良な労働大衆が今日のような思い上つた状態で我々と対立するということが、これが明日への治安の危機であると思いまして、私はこの点を深く憂慮しておるものであります。  第三ですが、これはやはり第七に関係して来ますので、第七のほうを先にお話したいと思いまするが、第七は、革命だ、ギロチンだと言わなかつたという点でありますが、逮捕の旨を私が告げましたときに、森谷さんはエレベーターの前ではつきりと、革命の暁にはお前は真先にギロチンにしてやる。お前たちがこんなことができないように俺は近く行動を起す、早く行動を起してやると言いました。このことは、これは遠藤警部以下丸ノ内署員が十数名、本庁の公安二課の渡辺警部以下数名、それから予備隊員等多数聞いておりまして、これはまあ実にはつきりしておるのでありまして、森谷氏は逮捕のときは、先ほども本人が述べていたように、みずから覚悟をきめて出て来たのでありますから、興奮して言つたものでは全然これはないのであります。まあ単身我々警察官の中に取囲まれていたときに言つたのでありますから、無論我々を脅迫するために言つたのでもないのでありまして、平素常に考えている信念が、逮捕という機会に口を突いて出たものと思われるのでありまするが、森谷氏ともある者が、このくらいのことをはにかんだり、何も謙遜したりというようなことをする必要はないと思うのであります。なぜかこれを否認しておりますが、特に森谷氏は十九日頃、石田みずから、だてに警察官はしていない、革命が起ればギロチンにかけられるようなことくらいは覚悟しておると言つたというような、帯しいごまかしを言つているのでありますが、これは森谷氏の言つた時とは全然別でありまして、そのことは二を話したときに続けてお話したいと思います。  第二点の石は投げなかつた、こういう点でありますが、常に対立の場合には私を目がけて石を投げた、或いは丈余の棒を何本も投げかけて来ているのでありまして、当日石を投げたものと思つておりましたが、これは配置してありますところの交通の二、三人の人間によく調べて見ましたとろが、フラツシユを投げただけで、石は投げていないということであります。この点は森谷さんのおつしやる通りでありますから、石を投げた点は一つ取消しておきます。  その次に、このときの状態でありまするが、これは二十日の日の午後一時五十分頃、私は二時頃だと思つております。報告書には一時五十分になつておりますが、二百名ぐらいおりまして、これが正面玄関に押しかけまして、そうして外から中へ入ろうとしまして、外からドアを押しまして、そうしてこの守衛や公安官が整理するのをむりやりに押そうとしまして、二尺くらいちよつと開いたわけであります。それを辛うじて中から公安官と守衛で締めたわけですが、そのときに中から締めるのを旗竿を以てデモ隊が突こうとしたわけであります。突こうとしてこのときに中に入ろうとしていたところの国鉄の労組員電務区の専従の書記で奥津英夫君であります。これが頭部打撲裂傷、全治二週間の傷を受けたのでありまして、これは後から突いた傷でありまして、そのときにつまり私が丁度、この二十日の国鉄前というのは、そのときに私が一人で国鉄前に伝令も連れずに自動車から降りて行つたわけであります。森谷さんが最初七百名と言つておりましたが、これは私のほうで間違つているので、ここのところの速記がはつきりしないのでありますが、訂正を申込んでありますが、これは制服は遠藤警部が伝令等を七名くらい連れて横のほうで見ていたのでありますが、余り労組が気勢を上げるので、東京鉄道局の公安室の中に予備隊が待機しているのであります。その待機している予備隊の所へ丁度連絡に行つていた後にこの事件が起つたのであります。道路に三、一三の交通係が配置してあつただけであります。そうすると私が降りて参りますというと、丁度そのときに今の奥津君が同士打ちで頭を怪我して血を見たわけでありまして、そうして青年行動隊を中心にして十数名が私をとり囲みまして、私の胸を突き、今のフラツシユを投げて参りまして、そうして警察官が警棒で殴つたんだ、この野郎を殴つてもよろしいのか、こういうことで私に詰め寄りましたので、それはいかん調べて謝まります、こう言うと、後のほうでは殺せ殺せと言うておる、やつちまえ、こういうことを言つておるのでありまして、私は非常にこのときにはこれは怖くもありましたが、まあ憤慨したのでありまして、卑怯者、何をするんだ、こういうことで非常に私が憤慨した。そうすると、これはまあ割合簡単に引いてくれた、これはいくら労組側でも自分たちが怪我をさしておいて、そうして署長一人で降りて来たのを、これをお前のほうがやつたんだということは、さすがにこれはまあ良心が詐さないところであると思いますが、すぐ引いてくれたわけであります。併し余りにも不当であるから、私は青年行動隊の私を取り巻いた連中を成るべく印象に残そうと思つて静かに私はまあ挑めていたのでありますが、このときに今の森谷氏が私が言つたという、ギロチンだというようなことを怒鳴る人がありましたので、これは私が笑いながら、いやそれはもう覚悟の上である、革命の暁にはギロチンにしてもらえば余り自殺する手数もかからなくていいかか、却つて結構であるという返事をしただけでありまして、これは私はわざわざギロチンにかけてくれというようなことをお願いするほど、私もそういうことをお願いするほどじやないと思います。(笑声)それからこんなことを一々言つていますというと、そのときにいろいろあれがありますが、こういうことを言つておるというと、実は切りがないのでありまして、私の森谷さんに対する回答はこれだけにとどめたいと存じます。
  68. 森谷雅春

    参考人森谷雅春君) 只今石田参考人から縷々総評の言つたことと余り変りない程度のことであると、こういうことを言われましたが、やはり総評であろうと何であろうと、真実は歪められない、こういう点で同じになるのであります。そこでこの今の石田署長ですが、こういう参考人の話を聞いて私はとんでもないことだという工合に考えているのです。それはこういうように事実を曲げて、警察官の行なつたことが何ら非の打ち所が一点としてない、こういうような発言をなされまして、これが世の中に通るという状態であつたらとんでもないという工合に考えるのです。昔あつたように特高の精神がまだ抜け切つておらないようでありますし、又大衆に対して君臨したあの警察精神というものがまだまだ残つておる。こういう状態を非常に残念に思うわけでございますが、只今の話をただ部分的に森谷がこうしたとかああしたとかいうこと、これ自体も否定いたしますし、これはその筋によつてはつきりして頂くことによつてこれは可能でありますが、そういうことによつて問題の本質をずらされては堪つたものではないという工合に考えております。これは明らかに一連の政府の方針か指示かわかりませんが、どんどんと今は労働組合の組織に対して警察官の介入が行われておるのです。それはものすごいものなんです。それが全部やはり我々が破廉恥罪のごとき処理をされております。炭鉱労働組合も非常に民主的になりまして、穏やかな組合になつておりますが、それでも相当激しい弾圧が来ております。七十何名も検束されておりますし、或いは起訴されておりますが、そんなようにやはり石田署長の言われるいわゆる破廉恥罪になつております。ところがこれは問題です。これは明らかに労働組合の本質、労働組合のあり方、こういうものを理解なさらない。或いは労働組合をつぶそうと思つて警察官が奔命し、或いは点数稼ぎのように考えられておるところに非常に大きな疑問がありますので、これは私は何回なりともこの事実を反駁したいと思いますので、この点は十分に御審議願いたいと思います。  それから今石田参考人の言われたことは、私のほうで正式に速記録がありませんでしたので、或る速記録を見て書いた議事録、又書いたもの、その二度目の複写を見て書いた点は少しスレた点があるので申上げておらない。その申上げておらないことを皆反駁しておりますので、その点は十分に言つたことについて反駁してもらわなければ困る。それは前に委員長に提出いたしましたあれを見て答弁せられておるようでございます。  それで、先ず一つ一つ申上げますと、労働組合が常道な動きをするのであれば、何ら問題は起きないのである、こういうことでございますが、これは逆であります。これは明らかにもうたつた二百人や三百人の動員に対しても、組合が陳情することに対しても、ものものしい鉄かぶと、或いは武裝車を先頭にしてどんどん来る。こういう状態が組合員を激発するのでありましようし、又石田署長みずからも非常に挑発の名人だという工合に考えております。これはもうあの十八日から二十一日までの間僕はあそこにおりましたが、もうものすごいんです。これは部下を叱咤激励しまして、ためらう警察官をどんどん体当りさせるというような状態が見られておりますので、この点は十分に反省してもらわねばならんという工合に考えておるのであります。それから一つ一つ申上げますと、これは先ほども申上げました通り、問題の本質が私のことだけを以て全体の総評の組合員に加えられました殺人的暴行、これはさも正当であつて、組合が行なつた行為によつてつてひつかぶつて来たと言ひますか、戻つて来たというような言い分でありますが、この点は全然違うのでありまして、その点を十分考えてもらいたいと思います。  次に三菱本店の点について申上げますが、これは私のほうではいつものように慣行として団体交渉を拒否せられたのでありますので、部屋の中に大勢行つて団体交渉をしろというような団結権の行使はやつておるのであります。これは二回やつておる。そうすると向うは、それではたまつたものじやないから、七名か八名来てくれないかということで団体交渉は持つておるのであります。ところが二十日の日には部屋を閉じておつたということで、がちやがちややつて開けたとか何とか言いますが、これは初めから開いておつたのであります。開いておつた部屋に私たちが入りました際には、入つては困るというような人も二、三おりましたが、やはり組合の正しさというものは理解してもらえたので、反対もなく入りましたが、この中ほどに行つてから、若干経営者と思われる人が突つかかつて参りましたが、この際に、経営者はいないのか、経営者を出せという点については、一人も私が経営者であるということを証明しておらないのであります。そうしてあそこは課長代理が経営者であります。従つて経営者の一員として当然責任ある回答をせねばならんが、そういう状態ではなかつた。そこで経営者を呼んで参りますから、こういうことでございましたので待つておつたのであります。これは店員を室外に出して持つておつたのであります。ところがこれは重ねて言いますが、経営者と連絡するのではなく、警察と連絡して、いわゆる労働組合を弾圧する武装動員をやつたのであります。それが今回の事件を生み出した。こういうものでありますし、その中で、例えば私に叩かれたとか何とか、勿論怪我なんかした人もおらんのでありますし、かすり傷さえ負つておらんのでありますが、そこで叩かれた人がたくさん出ている、これが問題なんです。実ば三菱の会社は、これはもうはつきりと課長が言つている通り、もう組合は骨抜きにしてある、買収してあるので、組合を頼つては駄目ですよというような圧力をかけている会社でありますし、執行委員長以下は完全に会社に買収されまして、七名の組合員が九州、四国という工合に追放されるという状態を、会社の措置が正しいという工合に判定した組合であります。従つてこれは調書にもあります通り、若し明らかに証人が叩かれたと言つて出ることであれば、出る要素を持つた会社である。これは必ず出るだろう、このようなことを言つておるのでありまして、この点は、ただ酔余のあげく人を殴つたということでもないし、ただ体がもつれ合つた、勿論私も激突された中でありますから、この点は両方が体が触れ合つたという表現を用いておるのでありますが、その程度が若干上廻つたかどうかは私はわからないのであります。併しながらその内容をそういう状態で考えてもらいたいのであります。労働組合の団結権の行使ということについて多少の紛争があつたのでありまして、ただ正常に勤務しているところに横から行つてぽかぽかと殴つたとか、或いは殴られたという状態は全然ないのであります。少くとも民主的な労働組合にそういうことがあろうはずはない、こういう状態でございます。  次に、警察官の取調べのことにちよつと触れられたようでございますが、この点はつきりしておきますが、私この世に生を受けまして三十八年になりますが、まだ警察官の取調べを受けるような不埓なまねをしたことはないのでありますが、今度初めて取調べを受けましたが、これはやはり昔の因習が残つておるか、こういうことを言われました。これはあなたが殴つたことを私たちは見ましたよ、こういうことを言う。従つて紳士的に話合おうじやないか、こういうお話でございましたが、私のほうは、若し殴つたのを見たと言うのなら、あなたのほうで処置をすればいいじやないか、私は殴りはしない、そういうことを申上げましたところ、取調べの人は、実は私も見なかつた、こういうことを言うんです。こういう点ははつきり誘導尋問であるという工合に考えてもらいたいし、又どういう工合になつたかということでありますから、私は部課長の部屋の机へ進むために先頭に立つて、当然炭労の責任者でありますから他に先頭を譲るわけには行かん、自分のことであるから先頭に立つて進んだのであります。その際に行くことを阻止する人もありましたので、これは排除してなお進もうとした、ここまで申上げた。そのとき警察の尋問として、それはどういう状態であつたか、水平でやつたのか、こういうことでございましたが、私はそういう状態に一々角度を測つて、水平なりや否やということを測つてやるわけではないので、それは上つたかも知れないし、下つたかも知れない、では水平にいたしておきましようと、こういうことであります。この点をはつきり申上げたいと思います。  それからエレベーターの前で十数名が、例えば警察側ばかりの証人のようでございますが、私が革命だ、ギロチンだ、近く行動を起す、行動を起すと二回重ねてこういうことを言つた、これについては十分証人が出ておる、こういうことです。これは私は問題だと思うのです。言わないことに証人が出るということに日本の警察の腐敗がある、明らかに大きな腐敗である。これは私は未だ曾つてギロチンという言葉を使つたことはないのです。私はギロチンという言葉を使わないことにしておるのです。それは言葉から受ける印象といたしまして、この断頭台という意味でありますが、私は断頭台という意味も或いはギロチンという意味も私は使わないのであります。それから民主的な労働組合が総評の指導下に結集しておりますこの陳情隊の中で、私がどうしてこの暴力革命的な革命だ革命だと言うようなことがあり得ましようか。特に若しそのように職業的な革命家でありますれば、なんで警察取締の責任者の前で近く行動を起すなどということを予言するでありましようか。これは明らかにみずから石田参考人が作られたことでありまして、私はこの点を非常に遺憾に思いますし、これは幾千人警察のほうで証人を作つて来られようとも、私は良心に誓つて、人間性に誓つてこれを否定いたしますし、若しそういうような証人がここに現われるということでありますれば、一生涯をかけても、日本の警察の腐敗と言いますか、そういう点の行動は是正したいという工合に考えておりますので、その点は非常に誤りがあるので、特に委員会のほうで調べられまして、この警察がどんどんと労働組合を圧迫しておる。特に炭鉱労働組合においてはストライキ権が剥奪されるという状態でありまして、例えば電気産業と同じように効果あるストライキはできないという工合になつておりますし、なお日教組のように、これも又政治活動らしいことをやれば、すぐこれは何とかして引つかけようという法律案もできておりますし、公務員はいち早く以前に罷業権を奪われておりますし、残つた炭鉱労働組合とか、或いは電気労働者とか、こういう組合員がかすかに罷業権を持つておるが、その罷業権さえも行使でき得ないようにするために警察官は総動員されておるんじやなかろうか。そうしてちよつとしたことでも隙があれば突入いたしまして、これを検束することによつて労働組合を全く骨抜きにする、そういう状態が私のほうでは感じられてならんのであります。特に只今言われました一つ一つの件について、たつた一つだけ良心の発露したものは、石は投げられなかつた、ただフラツシユだけであつた。こんな状態では警察署長として非常に危険な人物を配しておられるんじやないか、こういう工合に考えておりますので、この点は人事の面もありましようが、そういう状態でないように、特に真相を究められるように御検討のほどお願いいたしまして、一言反駁いたします。
  69. 内村清次

    委員長内村清次君) ほかに委員のかた御質疑ございませんか。
  70. 秋山長造

    ○秋山長造君 石田署長にお尋ねします。大体この問題は本筋はやはりこの前質疑応答がありましたように、三十日の日の国鉄本庁前の集団陳情に対する警察の不当弾圧、そうしてついに重傷者を二名まで出したその責任をどうするかというところが本筋だと思います。併しその問題は、この前或る程度究明されましたし、又本日におきましても、いずれ後ほど議論はそこへ行くだろうと思います。又行かなければこの問題についての結論は出ない。こう思うのでありますけれども、取りあえず今森谷参考人石田署長との間に重大な食違いの問題がございますので、その点について先般来石田署長の御説明を聞いておりまして、どうも腑に落ちない点が多々ございますので、取りあえずその点からお尋ねをしたいと思います。  先ず第一にお尋ねしたいのは、これはまあ根本的な問題でありますが、石田署長は如何なる場合にも警察が行動をした場合に行き過ぎも何もない、警察というものは如何なる場合にも正しく行動をするものである、こういう信念を持つておられるようでありますし、先ほども又警察に対して反抗するようなこの思い上つた態度が非常に危険だというような御発言があつたわけでありますが、署長は常に警察の行動は正しいものだ、警察には間違いはないものだ、こういう御見解を持つておられるかどうか。
  71. 内村清次

    委員長内村清次君) 成るべく簡潔に。
  72. 石田昇

    参考人石田昇君) 行き過ぎがまあ警察は絶対にない、警察のやる行為は正しいということは考えていないのでありまして、それは我々も執行するものは人間でありまするから、警察の理想の形から行きますというと、行き過ぎや誤りがないのは当然でありまするが、我々が執行裡におきまして、しばしば誤りを犯すということはこれは日常にもあることでありまして、そういう絶対に自分のやる信念が正しいんだ、自分のやる執行というものは他人から非難をせられるようなことは絶対にないということは申していないのであります。それからこの警備というものは非常にむずかしいのでございまして、あとで考えてみますと、警備にはいろいろ欠点が多いものでございまして、そういう点をしよつちゆう反省しておりまして、訂正して行きたい、こう考えております。
  73. 秋山長造

    ○秋山長造君 先ほど警察に反抗する総評のあの思い上つた態度が云々という御発言があつたんですが、ではこの御発言はやや署長の本心に外れておる御発言だと受取つてよろしうございますか。
  74. 石田昇

    参考人石田昇君) それはもう、今まで言つたことは全部言つた通りでありまして、ただあなたが抽象的に聞かれたので、抽象的にはそういうことがあるとお答えしただけであります。
  75. 秋山長造

    ○秋山長造君 私の聞きますのは、先ほど署長が警察に反抗する思い上つた態度が間違いの元だという意味の御発言があつた。それとはいささか違うのではないかと私は考える。なぜならば、只今も署長がみずからお認めになつたようにですね、警察といえども間違いはある、特に自分の場合はしばしば間違いがあるので反省をしておる、こういうことをお認めになつておる。であるならば、おしなべて警察が何かことをやろうとする場合に、それにいやしくも反抗したり或いは逆な態度に出るものはすべてけしからんものである、或いは間違いの元である、それがことを起す原因になるんだという結論は通用しないわけですね。どうですか。
  76. 石田昇

    参考人石田昇君) そういう主張を一度もしたことはないのでありまして、私のほうでは、違法行為があつた場合に正当な権限に基いて警察官が妥当な職務執行をしておる場合に、それに方を以て抵抗するということが違法であるということを申上げておるだけであります。
  77. 秋山長造

    ○秋山長造君 では結局それなら、抽象的に正当な権限に基いて妥当な行動を警察がとつておる場合に反抗した場合、というこれは抽象的な仮定の場合の事実を立てて、そうしてその場合に反抗するのはいかないということなんですね。一つ一つく具体的に今後も、今日までもそうですが、署長が警察官隊を動員せられていろいろな行動に進まれた場合、そういう具体的な場合には或いは誤ちもあることをこれはお認めになる。
  78. 石田昇

    参考人石田昇君) そうです。
  79. 秋山長造

    ○秋山長造君 そこで次にお尋ねしたいのでありますが、この前の署長の御陳述の内容を速記録によつて検討し、又先ほど来の御説明を聞いておりますと、非常に何か革命的な情勢で、とにかく署長個人、陣頭指揮しておられる署長個人としても非常に怖い目を見たり、或いは畏怖の念を起したり、或いは余り怖がつてもしようがないから勇気を出したとか、非常に署長は戦々兢々とされたようなことを発言されておられる。ところが上手の手から水が漏るという言葉がありますが、先ほどの御陳述にいたしましても、終いのほうになりますと、そういうことは結局署長の一時の口のあやであつて、まあいわば修飾語であつて、実際はちつとも怖いなんかと思つたようなことは一回もないような、実に自信満々たる御発言ができておる。非常にそういう点署長の言葉の使い方というのは、実にまあ形容詞が多過ぎる。そのために我々はこの前の正委員会においてもいささか判断を誤らされた点がある。で、本日署長が怖がつたとか怖かつたとかいうことは実は本当ではない。ただ言葉のあやであつたということがよくわかつたんですが、而もですね、労働組合のほうが事実言つたか言わんか知りませんけれども、署長の言葉によれば、或いは税金泥棒だの、やれ何だのという罵詈讒謗を浴せる、その言葉を主観的に解釈して革命前夜という情勢を判断したんだというようなことを言つておられる。そういうようなことはまあ我々としても甚だこれは誇張に過ぎるという感じがするのでありますが、而も一方においては只今も問題になりましたが全国を股にかけて歩くというのは、単に地域的な広さを言つただけであつて、別に股旅者だとか何とかというようなつもりはなかつたというように怪くいなしておられる。又その他いろいろな点についてですね、この前言われた誇張はただそれは言葉のあやであつて、そんなことは問題じやないのだというように軽く言つておられる。自分が言われたことについては至極軽くあしらつて、そんなことは問題じやない、こう言われる。で労働組合のほうが仮に言つたかどうか知りませんけれども、言つた言葉はですね、実に重大なる革命値勢だというような、重大な判断の根拠にしておられる。そういうところがどうも冷静なる取締の任に当るべき署長のあり方としては、私どもに極めて解しがたいのであります。  で、署長は聞くところによりますと、新宿だかどこかで、暴力団の取締において大いに勇名を馳せられたかただそうでありますが、やはり我々がさつき申上げたような言葉使いから受ける感じはですね、あの古田さんの言葉ではないけれども、あなたはやはり労働組合というものは不逞なやからだ、けしからんものだという、これは根本的なやはり考え方なり感じ方をしておられるのじやないかという印象を強く受けざるを得ない。その点について署長の労働組合観というものをこの際聞かして頂きたい。
  80. 石田昇

    参考人石田昇君) 言葉がまああやに過ぎまないという話でありまするが、言葉というものは相対的なものでありまして、まあ比較して言つたときにですね、前はまあ怖いと言つてもそれほどそれを恐れてないということ、これは説明したのでありまして、まあよく説明の仕方等につきまして、お気に入らない点があつたり或いは不明確な点があるとしますれば、私が議会の答弁に馴れていないためでありまして、深くお詫びいたしたいと思います。  それから労働組合に対してどういうふうに考えておるかということは、これはもう合法的にやられることについては少しもこれは弾圧なんということがあろうはずもありませんし、正しく現在の法律に従つてやられることは一向差支えないということは先ほども申上げた通りであります。
  81. 秋山長造

    ○秋山長造君 更に、二十日のこの問題になつておる三菱鉱業の問題でありますが、この二十日の三菱鉱業でのいきさつというものはこの前の御陳述では、署長が現地へ終始立会われて一一誰がどうしておる、森谷君がどうしたというようなことを一々手にとるごとく御説明ができたと、ところが先ほど聞いておりますと、どうもこのときには終い頃に署長は現地に行かれて、人伝てにいろいろなことを、不確かなことを聞かれた程度であつて、終始手にとるごとく現地に立会つて見ておられたのではないやに解釈するのでありますが、事実はその通りでありますか。
  82. 石田昇

    参考人石田昇君) 二十日の日は入つて行くのは外で眺めておりまして、労組側が入つて後に私があとから五階に上つて行つたのであります。先ほど説明してある通り、私が上つたときにはすでに乱人した後でありまして、暴行の事実もあとで報告を受けたようにこの前話しております。それで大体おわかりのことと思います。
  83. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、まあ署長の三菱鉱業の問題に関する御知識というもの、或いは御判断というものは、大体においてあとから間接に署長が目にし、耳にされたところによつて御陳述ができたものと私は解釈してよろしうございますか。
  84. 石田昇

    参考人石田昇君) それは行つておる間は見ておるのでありまして、入るのを途中で見ている。一階から五階に上るまでの間、一周した間、中に乱入した状態は現認していないのでありますが、私が中に入つて事情を直接聴取しております。森谷氏の態度も私が直接目にしておりますししますから、そういうことは直接の経験であります。
  85. 秋山長造

    ○秋山長造君 署長はまあこの前の陳述でも、すべての問題を疑問の余地のないほどはつきり、きつばり断言をされ、断定をされた。極めて明快な御陳述ができたわけでありますが、先ほどは石を投げた云々ということはお取消しになつた。そういたしますと、神ならん石田署長でございますから、その他にも或いは混乱にまぎれ、或いはその他いろいろな原因、理由によりまして、事実と若干相違した、或いは全然相違したというような点もなきにしもあらずと我々としては想像せざるを得ないのでありますが、例えばこの森谷君が署長に対して革命だ、ギロチンだということをはつきりと言つたということをあなたがおつしやつておるにもかかわらず、当の言つたという森谷君はそういうことは全然言つてない、こういうことを言つておられる。その点についてもう一度署長並びに森谷炭労組織部長の御陳述を願いたい。
  86. 石田昇

    参考人石田昇君) 絶対に私は間違いないつもりであります。それで間違いないつもりというのは、一字一句まで違わないということは、これは人間でありますから、録音をとつてありませんから、ただ森谷氏が革命の暁には君をギロチンにかけるんだ、俺は行動を起す、近く行動を起す、こういう本筋については絶対に間違いはございません。
  87. 森谷雅春

    参考人森谷雅春君) 良心に誓いまして、革命だとか、ギロチンだなどと言う必要もありませんし、言つたことはないのであります。従つてこの点は明らかに重大な、いわゆるこの警察の行なつたことを故意に軽く見せんがために組合を傷つけたものであつて、これは私個人のみにかかわらず、組合側に対して非常に誹謗されたことである、このように考えておるわけです。
  88. 石村幸作

    ○石村幸作君 ちよつと簡単にお聞きしたいのだが、言葉の水掛論みたいなことは聞いてみたつてしようがないのだが、ちよつと一口お伺いしたい。それは労組のほうが今回の丸ノ内署警察の行動、態度に対して非常に大きな不満を持つておる、こういうことなんです。そこで警察の責任者である、これは先ず第一番に責任者である警視庁、それから総監、総監といろいろその点について交渉をされましたか。
  89. 大場近信

    参考人大場近信君) 三十日の当日、田中警視総監に面会いたしまして、話をいたしました。
  90. 石村幸作

    ○石村幸作君 結果はどうですか。
  91. 大場近信

    参考人大場近信君) 結果については、警官のほうの行過ぎもあるだろうと思う、従つてよく事情調査して、調査の事実について処置をいたしたい、こういうお話でございました。
  92. 石村幸作

    ○石村幸作君 それであなたがたのほうは満足したのですか。
  93. 大場近信

    参考人大場近信君) 私たちはその処置自体よりも、実際その行動によつて受けた池田君それから宮生君の両君の問題については、これはやはり徹底的に調査をしてもらわなくてはいかない、こういう工合に考えまして、東京地裁に告訴をいたしております。
  94. 石村幸作

    ○石村幸作君 これは警視庁としても自治体警察がそこにあるけれども、一番上の責任者というのは公安委員会、その公安委員会を相手にして交渉したことがありますか。
  95. 大場近信

    参考人大場近信君) 公安委員会のほうには私のほうでやつておりません。
  96. 石村幸作

    ○石村幸作君 そうすると、警視庁の一番の責任者、そこへは何ら交渉していないのですね。
  97. 大場近信

    参考人大場近信君) 警視総監には会つて話をしておりますが、公安委員会に対しては私らのほうでは別にお話を申上げておりません。都議会のほうでこれは委員会で取上げて頂く、取上げるというお話はありましたが、その際公安委員会のかたがたも出られて事情調査をやつてくれるのではないか、こう考えております。
  98. 石村幸作

    ○石村幸作君 それではあなたのほうは自治体警察の最高の責任者は公安委員会であるということは十分御承知なんでしようね。
  99. 大場近信

    参考人大場近信君) 私たちのほうは、それまでよく任命権があるものかないものかまで知つておりません。
  100. 加瀬完

    ○加瀬完君 只今この事件に関する訴訟の問題、或いは先ほど森谷君、それから丸ノ内署の間で三菱争議の問題が取上げられて問答が交されたのでありますが、訴訟の問題でありますとか、三菱の問題でありますとかいうことは、この問題の埓外のことであるというように私は思います。我々がこの問題を取上げましたのは、労働権の行使と警察権の行使が相剋されないようなよい方法というものが考えられないか、或いは又警察権の行使というもので個人の利益が侵害されるということがあつてはならない、こういう立場で問題が展開されたわけであります。今日の森谷君の主としての陳述の内容といいますものは、労働組合が如何にも暴力的であり、暴徒的であるという印象を与えるような言葉を作為的に署長の参考人としての陳述の中に感ぜられる、これは又内容によつては虚偽の陳述であるようにも思われる、こういうことで、あつてはならない、こういうように私は解釈したのであります。それに対しまして、署長さんのお答えは、労働組合がデモやなどのような場合には警察官の人権なんかはどうでもよいという思い上つた態度というものは反省してもらわなければならない。こういうような問題が私どもの取上げる大きな二つの対立の問題ではないか、こういうふうに思います。そこで私は先ほど申し上げましたように、労働権というものと警察権というもの、或いは又警察権の行使というものと個人の利益というもの、こういうもので警察官の立場としてこのままでいいだろうかという若干の疑義がございますので、署長さんにお伺いをいたしたいのであります。  そこで、署長さんの言葉尻を捉えるわけではありませんがお言葉の筋を聞いておりますと、どうも警察官としての行動が相手の態度如何によつて行動するというふうな印象を受けたのであります。労働組合が警察官の人権を無視するような行動をするから、俺のほうでもこういう思い上つた態度を懲らしめてやるのだ、併しながら、警察官の行動というものは法の命ずる範囲で行わるべきものであつて、少くとも相手の出方如何によつて態度が変るということはあり得ないことだと思う。そこで今度の場合の経営権と労働権というような問題でありますが、経営権と労働権というものは、少くともこれは常識的に考えて対等である。従つて労働権に警察が一方的な支持をするということもいけないことであれば、経営権のみに支援を送るということもあり得べからざることである。そうすると、今度の一体警察官の行動は何を法的な根拠にしてやつたかということになりますと、公共の福祉に違反する労働組合の行為であるから、公共の福祉を擁護するためにやつた、こういうことになると思う。個人の権利を制約されるということは公共の福祉に違反する場合のみでありますから、そういうことになると思います。そうすると、この場合公共の福祉が侵害されたかどうかという問題であります。でその状況を考えますと、いわゆる陳情という形の多数の者の集団陳情という形が、交通がこれによりまして甚しく阻害されたか、或いは一般大衆が危害に瀕したか、或いは特別なかたでもいい、生命の危険にさらされるような事態があつたか。こういうことがあつたとするならば、これは確かに公安条例なり交通条例の違反ということになりましようが、若しもこういうことがそれほどでないというときにそれをやつたのであれば、そこに問題があるのではないか。それらの経緯について法的な御判断を署長さんにお伺いしたい。
  101. 石田昇

    参考人石田昇君) 三十日に実力行使をしましたのは、中へ無理に入ろうとする、そのために中からドアを国鉄側が締めてそれで前へ集まつてわつしよいよいとやつて道路が通れない、鋪道が通れない。著しく交通の妨害になる。更に通勤人がドアを締られたために通勤することができないのであります。これが又溜まるのでありまして、私はこれは解散を命じて常態に優させることが必要だという判断に基いて解放を命じたのであります。
  102. 加瀬完

    ○加瀬完君 そういたしますと、事態が生じて警察が行動を起したように聞こえるのでございますが、今までのいろいろの御参考に申し頂きました言葉からすれば、すでにかくのごとき事態が生ずるというような前提の下に警察の一切の行動というものが取運ばれておつた。その始めの行動は何によつて超したか。
  103. 石田昇

    参考人石田昇君) 現実に行われておるのであります。ドアを締めまして、人が前に溜つて来て入れない。それから労組側は幾ら通告しても開けてくれない。せめて四段くらいならば……、約四段というと二メーター足らず、一メーターちよつとでありますが、開けてくれといつてもなかなか聞いてくれないのであります。実力を行使した後にはちやんと通れるようにしてくれますが……、現実の必要があつてやつたわけであります。
  104. 加瀬完

    ○加瀬完君 そうではない。現実の必要があつてやつたとあなたはおつしやるけれども、そういうことは、そういうふうな事件がそこに発生して、国鉄なら国鉄から依頼を受けて急遽招集をしてやつて来たのではなくて、もう数日前からこういう状態というものがいつ起つてもいいような能勢をあなたがたはとつておられた。その態勢をとつたのはどういう法律的根拠によつてそれをとつたか。
  105. 石田昇

    参考人石田昇君) 第一は、その中の者は国鉄側の要求によつて入れたものであります。一個中隊要請に基いて出したものであります。それから外のほうはこういうふうに集まられるときは非常にいろいろな事故が起こるので、これは公安に秘匿待機されておりました。なお、そういう点につきましては、私が署長として独断でやつておるのではないのでありまして、本庁の警備部と相談の上で、警備部の命令によつてつておるわけでありまして、私が非常にやりたがつて警察官を集めるというようなことではないのでありまして、基本的な問題につきましては、警備課長さんに聞いて頂くとよくわかると思います。
  106. 加瀬完

    ○加瀬完君 警備課長さんにお伺いしますが、国鉄の中に入れた者は国鉄側の要請によつた、それはそうすると、経営権の保護を要請されてやつたということになるわけです。警察の行動というものは経営権の保護だけを、資本家側といいますか、経営者側から要請されて動いてそれに対して相対するところの労働権は一方的に警察が行動すれば侵害されるわけです。その労働権の保護というものに対しては無考慮でいいといこうことになりますか。  もう一つその前提として、結局こういうふうな片手落な警察のやり方というものがここに怪我人を作つた。その怪我人の保護についても、怪我人の処置についての責任すらも何ら現在においても明らかにされておらない。そういうふうに個人的な人権というものは甚だ侵害されたままに放置されている。併し一方的に資本家側の経営権の保護をしているというふうなやり方で、警察権の行使というものが万全であるか、こういうことについて伺いたい。
  107. 土田国保

    参考人土田国保君) 警視庁警備第一部の警備課長の土田であります。只今御質問の点についてお答え申上げます。  国鉄当局からの警備の要請が事前にございましたことは事業であります。これは国鉄の本庁の建物の管理権、これを本庁の守衛或いは公安官だけの力では守れない。従つて要請による警備出動という形で行われたものであります。
  108. 加瀬完

    ○加瀬完君 国鉄側から建物の管理権が手薄であるから、これに対して警備員の派遣というものを要請されたから行つた。併し問題は労働争議みたいな、一種の変態的な労働争議の形で発生しておる問題なんです。その労働問題の解決というものに経営者側からだけの依頼があればいつでも出動をする。従つてそれと対抗するところの反対側にある労働組合側の行動というものに対しては、示唆もなければ、保護もなければ、援助もない。こういうふうな片手落なことで労働争議のような形態をとる労使の問題が解決付くと、あなたがたはお思いになつておるかどうか。
  109. 土田国保

    参考人土田国保君) 只今の、要請による警備出動の問題と、労働権或いは経営権との均衡性から生ずるいろいろな問題は若干性質を異にするように私は思うのであります。警察はやはり警察法の大原則にありますように、生命、身体、財産の保護、或いは公安の維持、犯罪捜査被疑者の逮捕というような活動をなすのでありまして、国鉄当局からの要請があれば、その財産の管理権というものを保護するために出動するのは当然であると思います。
  110. 加瀬完

    ○加瀬完君 それは当然であります、その点だけは……。併しながらあなたがたが当然として行なつたところの単に管理権だけの保護が、一方において人権の侵害という事態を来たしておるのではないのですか。こういうことが当然予想される、一種の争議形態をとつたこういう行動においては……。そこで経営権というものは、これは形式的に経営者側から当然管理権というものの保護求められたのだから、法に従つて財産の保護をするのは当然だ、財産の保護の下に起つたところの警察官の行動によつていろいろ起るところの問題については、これは何らそれは我我責任がないということの答弁にはならないと思う。もつと問題をに広い立場で考えて頂かなければならない。俺たちは形式的に法に間違つたことをやらなかつたからそれでいい、それならば逆に聞きますけれども、ここに二人の怪我人を出しておる。怪我人を出したことは法に間違つておる。少くとも如何なる原因によれ、直接でなくても間接の原因は今度の警察官の行動にある。この問題についてさつぱり責任をはつきりしていない。そういうことを考えたときに、今後の警察側の行動としても、こういう単に経営権の擁護というようなだけの一方的な行動では、労使の問題がたびたび起るんじやないか、それについて何らお考えはないかということを聞いておるのです。
  111. 内村清次

    委員長内村清次君) ちよつと私も関連しますが、例えば財産権の保護のためにあなたは出動した。経営者からの通告を以て出動したと言うが、その財産権の保護という点に対しては、この労働組合の陳情団が財産を破壊するのだ、器具物件を破壊するのだというような想定がなされておるのですかどうですか。こういうような想定の下に出動した、そうするとその判定というものは、一体陳情団がもうすでに暴力を以てその財産を破壊するのだという想定を下さなくては出動はできないはずですね。只今のあなたの御答弁から言えば、そういうような点が、どういう判定でそれを出動されたか、この点が私は重要だと思うのです。一方のただ通告があつたならば、そういう事態が起つているのだ、起つているから、それで警官一つ出動してくれんかと、そういう情勢ならばわかりますが、若し事実がもう起きておればですね。ところが、そういう予想の下に、ただ一方的に警備を固めて労働組合の陳情を阻止して行くと、そこに又波瀾が起つて行くというような形態になつて来れば、これは一方的処置ではなかろうかと私たちは考えますが、そのあなたたちの判定、その出動したところの判定、それを一つはつきりしてもらいたい。
  112. 土田国保

    参考人土田国保君) 最初の御質問について先ずお答え申上げますが、警察がいわゆる経営権の保護にのみ走つて、労働権に対してはいわばこれを干渉し、弾圧をするというような警備の運営の仕方をしておるのではないか、かような御質問のように承わるのであります。警察、殊に私どもの担当いたしております警備警察の運営というのは、経営権を保護し、労働権を弾圧をするというような意図の下に発動されているものではないということは、私自身責任を持つてお答えいたすところであります。やはりこれは労働組合法に基いて違法性の阻却されるような民事上、刑事上のいろいろな問題もございましようし、或いはその違法性の阻却されないようないろいろな違法な組合としての行動なり、個人としてのいろいろな行動というものもその中に出て来るわけであります。警察はやはり法律の命ずるところによつて職務を執行いたすのでございまして、そういつた経営権、労働権というものを、一方を特に重くし、一方を特に弾圧するというような意図の下に行われるものではない。ですから法秩序というものの維持のために発動される形になつておるわけであります。  それから第二の委員長の御質問でございますが、これはいささか誤解をお招きした点はお詫び申上げますけれども、結局ああいうまあ国鉄当局とか、それからいろいろ政府の例えば文部省、外務省その他政府機関の場合にもあるのでございますが、公共の建物ということになりますれば、当然その建物の管理権者がその管理方針というものを持つておられるわけであります。それで国鉄のまあこの前のような場合には、例えば建物の管理権者がどういう陳情団が来ても入れるのだというような御方針でおられるというようなことに対して、まあすぐにこちらから勝手がましい出動だとか、警備だとかいうようなことはいたさない。これがまあ常識でございます。ただ、この前総評のほうから相当の割当を以て動員せられるというような事前の情報もございました。で国鉄当局からも一応今度の管理方針としては、とにかく最初は入れないのだ、入れないという方針である以上は、やはり各門等において当然従来の経験から一方が押して来る、一方はこれを守る、で財産管理の建前からやはり入れないという方針である以上は、どうも力が足りないので、警備出動をお願いしたい、かような要請でございます。で管理方針というものに基いてやります場合は、例えば日教組が文部大臣の部屋に座り込むような場合でも、建物の管理権者から、立退きの命令というものがない以上は、こちらから行つて警告をする必要もない。大体それ自身が家宅侵入なり、或いは不退去罪なりを構成しないわけであります。併し警察犯罪がすでに発生してからあと出て行くというのは、いわばその警察機能の一部でありまして、もう当然トラブルが予想される。管理権者としては一人も入れないのだというような御方針である場合には、当然突き破つて入るというようなこともあつて、トラブルが予想されるというような場合、予防措置として事前に派遣、配備をするということ、これもあり得るわけであります。その一例としてこの間の事例があつたわけであります。
  113. 内村清次

    委員長内村清次君) その点はちよつと私から……。どうも腑に落ちませんことは、管理権者がもう入れないのだということを通告した。入れないのだということに対してやはりこれは警察としては吟味せなくちやならんと私は思うのだな。通常これはもう運輸省には相当たくさんの人たちが陳情しておるのですよ。それだけは入れて、労働組合のほうから不当馘首であるから、総裁のほうが又こんなことをやるといろいろな混雑が起こるから、どういう事情で不当馘首されたかということを陳情するのは、組合の形であろうと、或いは個人の形であろうと、如何なる団体の形であろうと、これは当然なことで、又そういう権利があるわけですね、人権としてはね。併しそれを入れないのだということに加担をするという警察の処置ですね。これは或る程度私たちは一方的じやなかろうかとも判定できます。この点はこの前も副総裁が来たときに、そこまで委員のかたがたの突つ込んだ議論も質問もなかつたようでございましたが、ただそのときの副総裁の言葉では、実は時刻的に総裁がおらなかつたから、面会もできませんでした、こういうようなことを言つていますが、なぜ私が最初言つたように、代表者数人か何人かを選定してもらつて、そうして面会するような措置をしなかつたかということは、私がまあ質問したのですけれども、そういうような形を以てその陳情を聞けば、こういうような事件も起らなかつたと思う。ところが警察のほうでは、そういうような一方的な管理権者の通告をそのまま引受けて、そしてそこに警官のたくさんの人たちが配備されて、不幸にしてこういうような混乱の中で負傷者が出たというようなことですから、やはりそういうようなことを警察に事前に通告した場合のときにおいては、私はもう少し警察としてはとるべき態度はなかつたかどうかという点は、どうも私としてもまだ疑問が残つておるわけです。
  114. 加瀬完

    ○加瀬完君 もう一つ。違法性ということをおつしやいましたがね。確かに大切なことだと思う。ところがですね、財産権を守るということ、或いは財産権侵害ということだけに違法性呼ばわりをして、それじや一体人権侵害というものに対しては、あなたがたの違法性というのはどういうふうにこの責任を持つのでありますか。  それからもう一つは、合法というならば、先に署長さんのおつしやつた、労働組合の思い上つた態度、これを懲らしめる、こういう言葉が合法性だということになりますか。これについて土田さんのお答えを頂きたいと思います。
  115. 土田国保

    参考人土田国保君) 包括的、抽象的な御答弁は、御答弁にならないと思いますので、具体的な事実についてお示し願えればと存じます。
  116. 加瀬完

    ○加瀬完君 法秩序の維持のために、違法性は摘発するのが当然だとあなたはおつしやる。ここでは具体的に怪我人が出ている。この人権を侵害したのは警察だ、この事態というものに対してはわかつているのです。はつきりわかつている。わからないことはない。このわかつている事実に対して、あなたがたが法秩序の維持という立場からどういう責任をお考えか。それから労働組合に対する指導権というものを警察の署長が持つているはずがない。ところが思い上つた態度を懲らしてめてやる、こういうようなことを警察署長が言つている。こういうことに対して、あなたは警備部長として、こういうことが警察署長の、或いは警察行政としての合法性があるものとお考えか。これほど具体的な事実はない。これについて一つお答えを頂きたい。
  117. 土田国保

    参考人土田国保君) だからその問題についてお答えいたしますが、まあ一月三十日の国鉄本庁前の警察官の政治活動に際しての怪我人の発生ということを御指摘になるのだろうと思うのでありますが、こういうまあいわば怪我人が出るという事件の発生というものは、私どもとしても決して安易に考えるわけではございません。いわば非常に遺憾に存じております。この問題につきましては、先ほど大場さんのお話にもありましたように、東京地検に総評から告訴が出ております。又警察のほうにおきましては、一応警察側として怪我をされたたまたま二名のかたに符合いたしたわけでありますが、公務執行妨害容疑ということで書類送致もいたしております。いずれ検察庁において第三者的観点からそれぞれの結論が出されるのではないか。かように考えておりますが、いずれにいたしましても、この事件そのものについて私どもが労働者が怪我をしてもいいんだ、怪我したつて止むを得ないと、こういうような気持を持つておるということは毛頭ございません次第でございます。  それからもう一つの問題でございますが、まあ組合運動をやつておられるかたがたの立場も私もよくわかるのでございまして、相当無理な表現をされる場合もあろうかと思うのであります。併しまあやはり我々としてはとにかく一応現在の法秩序の枠に照して、事の警察的な取締りの当否をまあすべきかすべからざるかということを判断するわけであります。その間にまあ気持として思い上つておるというような気持もするのは人間としても当然だろうと思うのであります。で、これにつきましては、お互に警察側の考え方、或いはやり方にも反省すべき点もあろうと思いますし、組合のほうもそれぞれ無理をしないで何とかまあ合法的な形で、而も一応目的の達成できるような形態においてまあ行動をおとりになるということも考えられるのではないかというふうに存じておるのであります。
  118. 加瀬完

    ○加瀬完君 私が質問いたしましたのは、くどいようでありますが、労働組合のデモなどであれば、警察官の人権なんかはどうでもいいという、こういう思い上つた態度を懲らしめてやるのだという署長の、警察官の、相手の態度如何によつて行動をするのだというようなこの警察官の行動の基準というものであつては、一体本当の意味におけるところの警察官の警察行政の目的が達しられるか。そうでなくて、あなたがたが許されていることは、法の命ずる範囲ということより出ないのじやないか。法というものをそつちのけにして、警察官がこういう感情的なもの、主観的なもので動くということはあり得ていいか。而も今度の問題を幾分か助長しているものは、こういう署長の態度というものにあるのではないか。そうであつてはならないと思うがこれについてどうだということを、あなたではない、警備課長にお伺いしているわけです。
  119. 土田国保

    参考人土田国保君) 丸の内署長の個人の問題になつておりますので、或いは後ほど署長からの答弁も認めて頂きたいと思うのであります。主観的な或いは心理的な動機に左右されて、職務執行よろしきを得ないということがありとすれば、これは極めて遺憾なことだと存ずるのであります。ただやはり警察官も生身の人間でありまするし、又労働組合の最近のいろいろな出方のうちには幹部の統制がないで、往往にして現場で行過ぎが出て来るというような状況もあるので、その間非常に警察官に対する心理的圧迫を加えるような言動が大衆の中からまともに浴せかけられるというような状況になりますと、警備の現状というものはいわば距離を離れ、主観を離れて考えるほどのんきなものではないというわけであります。石田署長の現場における指揮というものにつきましては、私どももよく知つているのでありますが、とにかく現場においては、場合によつては強い表現を用い、或いは場合によつは諧謔味を帯びた語調を使つて、この事態が成るべく摩擦を起さないように配意をすべきである、その署長の言動の中にはこの国会の席上或いはいろいろと各先生がたを刺戟するようなこともあつたかも知れませんが、それはいわば国会不馴れな故とも考えられまするし、又現場における空気というものは必ずしもそれが一つ一つあとに拘泥する、或いは耳に残るという性質のものではない、こういう点は御了解を得たいというふうに思うのであります。
  120. 石田昇

    参考人石田昇君) 私はその様相を説明したのでありまして、思い上つた様相であるということを言つたので、思い上つているから懲らしめるために解散を命じたということは一口も言つていないのでありまして、委員のほうで勝手に言わないことをきめられまして、私が感情に走つて仕事をしておるように言われることは私の迷惑であります。この点ちよつと注意を申上げておきたいと思います。
  121. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 今日の委員会は、実はこの前の署長の発言について多少不穏当とかいうようなことを質問されるように聞きましたので、この委員会の性格として、それではほかの人の言動はそのまま容れましていいかというこを考え及んだときに、私はこんなことを取上げようとは思わなかつたのですが、そういうことになつたので、少し私は二、三質問申上げたいと思います。時間も遅いことでありますから、極く簡単に要点だけお答え願いたい。  先ず木村参考人にお伺いいたしますが、あなたの陳述の中に、生活保護費が減つてしまうとか、或いは自由労働者の働く時間が少くされるように予算が削られるとか、各種の社会保障費が減らされてしまうというような発言がありましたが、このときはすでに政府の予算案は提出されておつた。何を目してこういうことを発言されたか、伺いたい。
  122. 木村美智男

    参考人木村美智男君) 政府が現在出しておりますその予算案というものを編成をする過程です。これの過程において私たちが二十八年度の予算と比較してこういう事実があるので、その点を申したわけであります。
  123. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 あのときは今の予算案はすでに提出されておつたのですよ。その過程においての批評をしても仕方がないでしよう、提出された予算について批評するならいいが。そうすると、あなたは今までの過程を批評したのですか。
  124. 木村美智男

    参考人木村美智男君) 私たちは国会の先生がたのように直ちに政府が提出をすれば、それが資料として出されるとか、そういつたようなすぐには入手はできませんし、当然払たちは新聞なりまあ情報なりによつてそういうことを知るわけであります。従つてその新聞なり、まあ新聞と言いいましても一般に出されておりまするこれは新聞でありますがこれを見ましたとき、当然そういう現実が比較して出ているから、それをそのまま申上げたわけであります。若し私はこの民生安定費といつたようなものが、通に今年度は相当殖えて非常に一般国民の生活が楽になるのだ。こういうふうなことが実質的に証明をされるならば、是非この際お教え願いたい。かように考えております。
  125. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 これはすでに新聞にも出ているし、ここでそんなことをくどくど申上げる必要はないのですが、去年のものと比較してちやんと数字が出ております。数字によつて御覧願いたい。新聞を引つくり返して御覧願いたい。一月末の新聞を調べればわかります。それによつて発言されたいのです。すでに予算が国会に提出されて審議されている最中に、国会に来てこういうでたらめの発言をすることは少し穏当を欠くと思う。(「でたらめじやない、本当だ」と呼ぶ者あり)  次に伺います。軍事費という言葉を使つておりますが、これはあなたの主観でお言いになるのかどうか知らんが、とにかく軍事費という言葉を使つておりますが、二千数百億ということを言つておりますが、一体何を勘定して二千数百億の軍事費と言われるか。
  126. 木村美智男

    参考人木村美智男君) 専門の用語は別といたしまして、今日、終戦当時ならば終戦処理費と言われたようなああいう費用とか、防衛分担金と言われたような費用であるとか、こういうものをとにかく今日の日本の何と言いますか、予算総体の中で、いわゆる再軍備関係と言えようか、防衛分担金と言えようか、こういつたような費用全体を総称して一応軍事費と、こういう名目を使つたわけであります。
  127. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 併し、二千数百億という数字を示しているのですが、ただ厖大なとか、多いとか言うのなら、それはあなたが多いと思つたらそれでいいのですが、数字を示した以上、何を勘定しているか示さない限り意味がない。何を勘定して二千数百億と言うのか。
  128. 木村美智男

    参考人木村美智男君) つまり、私は予算書を持つておりませんので、何が幾らかということを示すわけにも参りませんが、二千億を越えているだけのことは、私たちの考えからこれは軍事費として、軍事関係費として組まれているということだけは、はつきり私は私なりの考えで申上げることができるわけであります。そういう観点から申上げているのでありまして、残念ながら資料がございませんから今日はちよつと困ると思います。(「三千億ぐらいの数字を出せ」と呼ぶ者あり)
  129. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そういうことは併しそう軽率に扱うべきものじやないと思います。数字ですからね。(「常識だよ」と呼ぶ者あり)  次にお言葉の中に、合法的休暇闘争という言葉があるのですが、休暇闘争の今の或いは三割休暇とか、五割休暇というのは合法的だというお考えですか。
  130. 木村美智男

    参考人木村美智男君) これはもう私たちが労働基準法に従つて、いわゆる法定休暇というものが与えられ、それからそれぞれの経営の中において又異なつた立場で、それと別な意味で、これは法定外と申すのですが、そういう休暇が与えられておるのであります。従つて、こういうふうに労働者が当然一日八時間、一週四十八時間まじめに働けば、それに対する休養というものが法的に認められておる。従つて、休暇をよこせという、或いは休暇をもらいたい、こういうことの要求は当然我我の合法的なこれは要求である、こういうふうに申上げたわけであります。
  131. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 併しその休暇というのは年何日とかいう規定があるでしよう。この規定範囲内ですね、正当の手続を経て承認を経なければいかん。承認を経なければ合法的な休暇にならんわけじやないですか。でありますから、三割休むということになつても、三割は当局で認めないいとか、これとこれは認めるがこれは認めないということになつたらそれはどういうことに了解していいですか。
  132. 木村美智男

    参考人木村美智男君) これは場合によつて認める場合と認めない場合とあります。郵政大臣が国会で明確に郵政の場合には認める、こういうことも言われておりますし、国鉄の場合におきましても、場所々々によつてはこれは認めた所もある、認めない所もある、こういうような実態です。それがたまたま年末手当というような紛争の中で、仲裁裁定というものは法律によつていろいろこれは労働者も或いは経営者も守らなければならん、そういうように言われておる。それをめぐつての紛争の段階ですから、これはいろいろの場合があると思う。問題は私たちが全面的に休暇なり、何なりというものを勝手に無断でどうこうした、こういうことなのかどうか、或いはそういう意図があつたのかどうか、こういう点は問題だと思うのですけれども、そうでない限り、私たちが法的に与えられた休暇というものを請求して、そういうことが紛争の中でああいう形で起つた、こういうことなんでありましこて、こういう意味から私は少くとも合法的な活動であつたと、こういうふうに申上げたわけです。
  133. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 つまりその範囲において承認を受けた休暇の人は合法的であつた、承認を受けない人は合法的ではない休み方だつた、こういうことに理解していいですね。
  134. 木村美智男

    参考人木村美智男君) 若し只今の御質問のようなことが言われるとするならば、それでは今日国鉄の職員が法的に認められ、与えられておる休暇が、これは数字を以て示しまますけれども、一人平均一十四日強です。それから全体として一万二千日という休暇が今日与えられないでおる。こういうようなことは、じや一体法的に考えてこれは合法なのかどうか、こういうことを私が聞かれておるのと同じ言葉になると思いますが、そういうふうにお考えを願いたいと思います。
  135. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 警備課長に伺いますが、この間委員長宛に昭和二十八年申における総評主催の集会、デモ等に際し発生した不法行為というので、これの表を提出されております。写しをもらつておりますが、ここに九件ほど載つつております。この中で端的にどの点とどの点、この件はどれが違法であつたということだけ、これは届出のないものは届出がないということについて違反だと思いますが、ほかの届出のあつたものにはどの点が違法になつているのか、違法な点を簡単にそれだけを御説明願いたい。
  136. 土田国保

    参考人土田国保君) 前回の御喚問がありましたときに委員長から要請がございまして、昨年中における総評主催の集会、デモ等に際して発生した不法行為、これについて提出を命ぜられました。で、提出いたしたわけであります。この際一カ所だけ御訂正を申上げたいのでありますが、それは、この中で八月二十九日の日比谷公国における総評主催の中央平和大会というのが七番目にございますが、これの参加人員二千二百名というのが誤つて二万二千名になつております。この点は最初に御訂正をお願いいたします。二千二百名であります。  昨年総評の主催で行われました大きな集合、デモというのがこれら九件で、あります。これらはいずれもその間にいろいろ不法行為が出ておるのであります。一つ一つ御説明いたしますと長くなりますので、全体を通じて先ず簡単に申上げますと、結局無届で集団示威運動、いわゆるデモ、これを行うということは公安条例違反ということになるわけであります。そういつた態様で、届出をせずに国会集団陳情というような形でこの周辺で無届集会乃至はデモを行うという事例は総評主催ばかりでなく、その他の事例にもございますが、非常に多いのであります。もう一つの態様は、届出をして、そうして一応当力といろいろ折衝をされまして、公安委員会においてこれを許可し、又公安条例第三条に基いてされた条件を守つてやるべきデモ、こういつた際に、例えばいわゆる蛇行進とか、或いは渦巻行進というような条件に、当方から厳守方要請いたしました条件に違反してこれを敢行するがために交通杜絶の状態に至るというような実害が発生するというような態様、或いはその際旗竿など数人で横に構えまして蛇行進、渦巻行進などを行うわけでありますが、その際にこちらの警戒取締に出ております警備部隊の警戒線に意識的に衝突するような恰好でぶつかつて来るがために、そこでこちらとの間に静止活動或いは検挙というような事故の発生も見、或いはその際こちらの部隊員が負傷する、こういう事例があるわけでございます。率直に申しまして、総評主催で集会、デモをおやりになります場合の現場における自主的な統制、これに我々は一応信頼を置いて、平穏な進行そのものは主催者側の自主統制によることとして、これに対して不当な干渉はしないという建前をとつておるわけでございますが、この自主統制というのが甚だ徹底されていない状況でございます。集会そのものは相当幹部のかたがたの御努力によりましていろいろと統制され、又時間的にも若干のズレはありながら、一応届出通り終るという状況ではございますが、デモになりますというと、この総評主催でございますと、各単産の責任者あたりがそれぞれデモの自主統制にお当りになるような状況でございますが、中には自主的に統制をされる、そして徒らなトラブルを起すまいというようなかたがたもございますけれども、往々にしてそれをむしろ逆に、いわば組合の連中をリードしていろいろと条件違反を敢行するというような場面も多々あるわけであります。私どもといたしましては、こういつた大規模な集合デモに際して、その都度関係者のかたがた、幹部のかたがたに御注意をいたしまして、とにかく平穏な進行には干渉しない。それでいろいろな条件もあるけれども、特に重要な条件、例えば最近における都内における交通の輻輳状態から見て、蛇行進、渦巻行進というようなやり方は一つ十分自主的に統制して頂きたい、かように要請いたすのでございますが、今まで殆んど守られた試しがないというのが実情でございます。で、一番まあひどかつたのが昨年の六月二十日の総評主催の集会、デモでございまして、この中にちよつと出てございますが、大体日比谷公園から昭和通りへ出まして、日本橋から呉服橋、それから八重洲口へ出て来る比較的長いコースのデモでございましたが、この際私どもといたしましては、とにかく現場における警告措置というものは公安条例の建前上当然行わなければならないので、そのための放送車等は出しましたのですが、警戒部隊としてあらかじめ現場に出すということはむしろ避けて、総評のかたかだの自主的な統制に信頼をおいておまかせいたした状況であつたのでありますが、このときの状況は私手許状況写真等を持つておりますので、御必要であれば御覧に供したいと思うのでありますが、非常に甚しいジグザグ行進、或いは渦巻行進等が行われ、そのため日本橋界隈は十五分に亙つて車両の交通、都電、都バス初め一般車両の交通が停滞する状況でございました。それで、その際社会党の名前を書いた大きな字で横幕として掲げたトラツク仕立ての宣伝カーと申しますか、これが現場におきまして、蛇行進をやつて下さい、蛇行進をお願いしますというような、条件違反の扇動行為まであえてするというような状況であつたのであります。これにつきましては、その後総評議長の藤岡氏に対しまして、私、みずからおいでを願いまして、一応事後における警告を発したのでございます。その際藤田総評議長は、蛇行進については遺憾であるが、とにかく検挙というようなことは成るべくやらないでもらいたいというようなお話がございました。ただ総評のお考えは如何かと思いますが、蛇行進については警視庁と見解を異にしておるのだ、或いは蛇行進を是認するのだ、かようなふうの御見解のようにも承わつておるのであります。この点が先ほど申しました法秩序維持という観点から、又その法秩序が担保すべき法益の面から、こちらは取締りに当らざるを得ない状況でございました。今後におきまして、こういつた大規模な集会、デモの際には、よく自主的な統制を徹底されるために、事前に関係者に総評のほうから十分その旨を指示徹底をして頂くというばかりでなく、集会の現場において、そういつた条件についてはつきりと一つ大衆の前にこれを徹底されて、無用な摩擦、無用な事故を起さないように、又現場においてもそれぞれの単産責任者がそういう無秩序な行動に出ようとする、そういう一部の連中をあらかじめ事前に抑止をして事なきを得るよう、特にこれはお願いいたしたいと考えておるのであります。
  137. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 これらの中を見ますると、警察官が数件怪我をしておりますね。そのときの暴行した人というのは当時検挙されておりますか。
  138. 土田国保

    参考人土田国保君) 昨年におきましては、これについて殆んど検挙はされておらないのでございます。大体昨年の年間におきまして、こういつた集会、集団示威運動、これは総評主催のものにのみ限定してございますが、警察官のほうには四十七名負傷が出ておる状況でありますが、この中で検挙いたしておりますのはたしか一件程度ではなかつたかと思います。なお総評主催以外にございますいわゆる各単産、或いはその単産が集まつてできておりますいろいろな、例えば全印総連とか、そういつた連合体の主催する集会、デモに際して起りました大きな事件として、昨年巣鴨事件というのがございますが、これにつきましては、その後これは相当悪質な公務執行妨害、或いはいわゆる写真機その他の奪取というような事案もございましたので、検挙を進めておるというような現状でございます。
  139. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 怪我人を出したということは今回が初めてのことではないようですが、大場参考人に伺いますが、これらの今挙げられたことについて、あなたがたの御意思はともかくも、事実においてこういう不法行為が出たということはお認めになりますか。
  140. 大場近信

    参考人大場近信君) 只今警備課長からいろいろ有難い御注意があつたのですが、この御注意に対しては私どもは毎回集会、デモなどを行うときには御連絡を申上げ、その御注意を忠実にプリントにして各傘下組合の役員に配布しておつたわけであります。併しデモ行進の際に蛇行進或いは渦巻行進というようなことが起きる所は、これは意識的というよりも、その当時の状況というものが一番大きな問題だと思うのでございます。でたらめにどこでもデモコース中を蛇行して歩いておるあれはないのですね、いつの場合でも……。例えば国会の周辺でやるとか、或いは限定された場所でやるとか、こういうふうなことがたまたま起きるわけなんですが、その起きるときの条件があると思うのです。どうしても武装警官のかたがその辺に非常にたくさん並んでおられる、必要以外に交通を妨害しておられるわけです。私は交通妨害と思つていないのですが、むしろ交通を杜絶していられるのは警官側だと言えます。そういう状態が起きるから、どうしてもやはり何と言いますか、その圧迫に抗すると言いますか、そういうような群集心理で蛇行とか渦巻行進とかいうようなものが起きて来るのじやないかと考えられるのであります。併しこのことはあらかじめお約束してある都条例に対しての違反行為であると思いますから、私たちはそれが起きると直ちに制止をするように言つてあります。ですが、これはやはりなかなか聞かれない場合もありますし、直ちに取やめてくれる場合もあります。これは私たち主催者側の幹部としては絶えずそういう考え方でやつております。
  141. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 主催者側の意思に反してこういう事実があつた、この事実がやはり違反の行為であつた、こういうことをお認めになつているようですが、あなたはしばしば民主的な統制ある総評、輝かしい総評ということを幾度も言われますが、この点については私も一般的には異存はありませんけれども、併しこういうふうにこれに掲げられたように、やるたびにこういう不法行為を起すということについてあなたはこの前の陳述の中でも、こういうような負傷事件は今後お互いにできるだけ避けたいというようなことを言つておられまして、非常に私はその点については結構だと思う。又そういうことでなければ、こうしてただ責任を追及し合つて、揚げ足をとつても何にもならない。あなたがたが本当にそういう気持になつて、そうして合法的な民主的な統制ある団体として活動してもらう。そしてこういう負傷事件を再び起さないような方法を私は両者で講じてもらいたいと思う。それには今言つたようないろいろな公安条例によつて制限される、条件をつけられる場合がある。それらの条件はどういうふうにして、今謄写版かなんかに刷つて配布したと言われますが、こういうような条件で今日の行進をやる、示威行進をやるというような刷物を配るだけですか。何かほかに方法をやつていますか。
  142. 大場近信

    参考人大場近信君) 必ず大会とかデモをやるときには実行委員会というものを作りまして、実行委員会で相談をするわけです。その際に特に警備課長の所に行つて相談するわけですが、注意されたことはよくお話を申上げ、なお行進に先だつては注意事項はマイクで放送するわけです。これは励行しております。なお警視庁のほうへもこういうことでやるという刷物を絶えず提出してあるわけですが、そういう周知徹底は会場においても司会者のほうから参加者にマイクで必ず放送をいたしております。
  143. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 それは条件を附せられて許可された場合、なお届出をしない場合、これは公安条例の示威運動になるか、集会になるかということは限界があるのです。その限界について、俺のほうではこれは集会でもない、示威運動でもない、警察側では客観的に見て、どうしても集会である、示威運動であるというふうに見られることがあり得ると思う。それがここに届出のない示威運動になつていると思う。或いは集会になつていると思う。こういうようなきわどいところの限界のときは事前にこういうことをやろうと思うのだ、前から計画してあるのですから、こういうことをやろうと思うのだ、公安条例に触れるということで、こういうことの内容でこういうことをやることについて、公安条例で届出をすべきかどうか、それまでの連絡はとれないものですか。現に国鉄の場合、今回のこの問題のときは陳情だとあなたは言われているけれども、私は実は国鉄のほうへも行つていろいろ状況を聞いて見た、又向い側のガードの下の二、三の食堂の人にも聞いて見た、これはあなたが陳情と口では言うけれども、客観的に見ればどうしても示威運動と言われるような判定を下さなければならないような状況にあると思う。警察が公安条例の届出をしていない示威運動だということを考えたのも、むしろこの点については私は当然じやないかというふうに思うくらいです。今のような措置はとれないものでしようか。その限界……。私どものほうでは公安条例違反にはなると思うが、どうですか。
  144. 大場近信

    参考人大場近信君) 私のほうは、まあ大会というようなものを計画するときには、あらかじめ通告をするわけです。これが陳情というような場合には、私たちは集会だのデモだという工合に考えていないのです。普通に言われる示威運動ですか、こういう工合に考えていない。従いまして国会に対する陳情、これはたまたま、入口を阻止されるために、門を閉ざされるためにたくさん次々と集つてしまう国鉄の場合なんかも、やはりこの前申上げたように門戸を閉され、或いは警官隊にとり巻かれてしまう恰好になりますから、従つて集団というように見なされるかも知れませんが、決して私たちは集団という考え方……、大会をやるというときには必ず届出してやるのです。それから今のように陳情をやるというような場合でも、これはこういうことを申上げますとおかしいかも知れませんが、警視庁の警備課でいろいろ組合に毎日出入りされるかたがおるわけです。このかたがたには必ず何日何日にはこういう計画をしている、こういう工合に話をしてあるのであります。而も私どものほうは絶えず情報と申しますか、そういうプリントなんかも、或いは総評で出している機関紙なんかもお上げしているわけであります。そういうことで、結局私たちの限界としては、これは集会であるとか或いは一つの示威行進であるというようなものについては届出しているわけであります。無届でやるというものは、私たちは決してそういうものであるという工合に考えていないのです。
  145. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そこで今の違反になるというのは、そういうふうに無届であつて、陳情と言うけれども、こういうふうに大衆を動員して、同じ場所に同じ時間に集まれば、自然群集心理で示威運動になるということは予見できるのですから、できるだけこういうことは連絡をとる、若しあなたがたがどうしても公安条例に触れるものじやないとお考えになる場合でも連絡をとり、今言われるようにしよつちゆう警察のほうからも来ていて連絡をつけられているようですが、できるだけ内容を連絡をとつてもらう。そうして内容的には今の蛇行進というようなものが条件にきまつて来た以上は、条件として付せられた以上は、あなたがたの見解にかかわらず、これはやはり公安条例の建前上、条件を守らなければならないのですから、蛇行進をしないことということが条件の中に入つておれば、これはやはり周知徹底さして、そうしてあなたがたの団体として、当然周知徹底さして、蛇行進をやらないようにして頂きたい。こういうことがあなたがたのほうとしては周知徹底できますか。
  146. 内村清次

    委員長内村清次君) ちよつと伊能さんこの問題、蛇行の問題その他は、その問題とはちよつとかけ離れておらないかと思うのですが、どうですか。その点時間も大分……ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  147. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは速記を始めて下さい。
  148. 大場近信

    参考人大場近信君) 全く御親切な御注意で有難いと思つております。併し今連絡という話がありましたが、今回の国鉄の問題も余り連絡をし過ぎて、ああいう結果が起きたのではないかと思うのです。国鉄のほうへ陳情をするということについて、警視庁のかたはしよつちゆう来られておる。情報を取りに来られておるわけなんですが、そのかたにこういうことで国鉄へ陳情するという資料なんかも実はあげたのです。それは警察のほうで手に入れたと言うが、実は私のほうであげたのであります。そういう工合にして、事前から私のほうからそういう工合に行なつたことが、逆に警官の出動を要請されたというような恰好になつたかも知れません。併しこれは先ほどの加瀬完生からの質問で、経営権の問題と労働運動の問題をいろいろ言われておりましたが、やはりそういう点も警視庁のほうで十分考えて欲しいと思うのです。で、あの当時私たちも一番何といいますか、これはひどい干渉だと思つたことは、二十二日の日の首切り通告の日ですね、而も八時頃組合幹部が集まつて来られて、そのときに行つたときには、もうすでに警官が二個中隊も中庭に待機していたのですね。そういう中で首切り通告を受けたのです。そういう必要が何があるかと思うのですね、私たちは。そういう点までもやはり関連してよく考えてもらいたいと思うのです。  それからデモ行進中におきましても、一般の交通を阻害するというむちやくちやな考えで恐らく皆がやつているのだろうとは思わない。やはり事前に皆さんに注意を申上げておりますし、それから特にやはり何か限定した場所を、而も余り交通の妨害にならないような所でやはり何といいますか、気勢をあげるために自然的にそういうことが起きて来るのではないかと思うのです。ですから、そういうことは我我としましても、交通遮断をするとか何とかいう考え方がないですから、そういう事態が起きた場合には今後も十分に我々自体が警戒をして、そうして注意をさして行きたいと思うのです。ですから、余り警官隊が、必要以上に予備隊のかたがたが出られて、そうしてデモを監視するというような恰好はむしろやめてもらつたほうがそういうトラブルが起きないのではないか。そのほうが却つて両方がきれいにうまく行くと思うのです。ですから、警官隊のたくさんいない所では決してそんな問題は起きておりません。ですから、我々も注意いたしますが、併し取締に当つておる警視庁側でも十分労働運動というものを理解された上に立つての一つ行動をとつて頂きたいことを、私のほうからもお願い申上げます。
  149. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 その点はふだんまあ警察のほうでも連絡がいいというお話ですが、相当大きな示威運動とか集会とかいう場合には、あなたのほうの責任者と警視庁の警備課長なり警備部長なりと会つて、そうして打合せをするというようなことは、事前にやつた例はありますか。
  150. 大場近信

    参考人大場近信君) この前のときにも田中総監もおつしやつておりました。これはもう必ずやるのです。やつております。
  151. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 是非やつて、今ここであなたの言われたような趣旨を十分警視庁側にも述べ、警視庁のほうでも十分あなたがたに趣旨を述べて、そうしてお互いにこれはまあ交通取締もあり、余りはみ出して車道のほうに出ては困るから、できるだけ真ん中を通れとか、そういう細かいこともあるでしよう。そういうことを一つよく聞いて、そうして堂々と示威運動をやるようにし、そうしていやしくもこういうことを起さないように、是非両者でやつて頂きたいということを特にお願いいたします。
  152. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私は簡単に一つ石田署長さんに心境を聞きたいと思うのです。これは先ほどいろいろ質疑応答がありまして、大体明らかになつていると思うのでありまするが、この前の委員会におきましても出た問題でありまするが、これは松澤さんの非常に大事な質問であつたと思うのでありますが、署長さんは、結局合法デモでも殆んど総評では規則を守つておらない、絶無とは言わないけれども、殆んどそうだ、守られたことはない、こういう断定を下しておられる。ところが警視総監は総評はなかなかこれまでよくやつておつた、今のお話を聞きましても、十分連絡をとつて、そうして幹部のほうでは間違いの起らんように指令している、そういうふうな一つの警視総監の考え方と、それから現場におけるところの署長さんのとられる処置というものにおいて、或いは又考え方において、非常な違いがあるように私は思うのであります。で、あの際に特に松澤さんの発言で以て警視総監の御答弁があつた。この御答弁をずつと通じて読んでみましても、そういうところに微かにあなたの考えと警視総監の考えとの食い違いがあるように私は考える。ところが今日又同じような問題が繰返されておるのであります。それは、先ほど警備課長さんは、今回の警察の出動はいわゆる財産の管理のための国鉄の要請によつて出動したものである。これはいいか悪いかという問題は別にいたしましても、そういう方針の下に警察の出動を見ておる。ところが現場におけるところのすべての指揮の形は、これも先ほど来非常な論戦が戦わされたように、何だかどうもそういう要請に基いて行つたような形に見えない。我々は聞いてそう感じない。若し本当にそういうふうな形で行くならば、あなたの持つておるところの放送設備のついておるカーなどによつて幹部を呼んで、十分話合つたり、そういうことが行われなければならない。ところがそういうことが行われないで、直ちにこの中に実力を行使するというふうな形が出ておる。そういうふうなことを考えてみましたときに、このいわゆる革命の前夜を思わせるとか、まあそういうふうな言葉が問題になりましたけれども、何だか労働組合というものに一つの憎しみの感情がそこに現われておるようにも思う。感情に走つているようにも思う。従いまして、いわゆる警備課のほうにおいて出動させたところの意味に反して、反してということは言い過ぎかも知れません、その方針から外れて、そうして一つ労働組合の組合員を抑えてやろう、少くともこういうふうな形が私は見える。そう思うのであります。こういうところにああいう負傷事件の問題が生じて来るのであります。そう考える。この二つの点から、どうしてもあなたとしては、この警察の警視総監なり、或いは警備課なりの方針をそのままの形で以て現わし得なかつた責任はあると私は思う。そういうことに関して今あなたはどういうふうに考えられておるか。いや、俺は徹底的にその方針に従つてやつたのだとお考えになるか。或いはそこに幾分この方針から外れた一つの行過ぎがあつたと考えられるか。そういう点をちよつとお伺いしたいと思います。
  153. 石田昇

    参考人石田昇君) 今の問題で、総評のデモは違法行為で、条件違反であるとか、無届デモであるとか、こういうことが殆んど大部分であると、そういう状態の現われない場合は極めて少いということにつきましては、これは書類をすでに警備課から出して、只今縷々警備課長さんから御説明があつた通りでありまして、私が言つたことを警備課長さんがちやんと裏付けをし、文書を提出しておるわけであります。それからこの警察官を配置と申しましても、一個中隊は国鉄の中に乱入せられるのを防ぐために、主として普通は玄関にも置いていないのでありまして、あとの一個中隊のときもあるし二個中隊のときもありますが、東京駅の公安室に置いてあるのでありまして、警察官を出したためにトラブルが起つたのじやなくして、警察官を出さなかつたときに、出さなかつたときに国鉄の中に入つて廊下を廻つて国鉄のガラスをぶち割り、牛乳びんを叩き割り、かけてあるところの標示器を叩き落す、スピーカーのコードを引つ切る、スピーカーを旗竿でつつき壊すという現象が起つた。先ほど私は縷々述べたように、私が遅れて外で見ていたために二十日の午後は三菱本社に上つてつて、そうしてそういう行動をしたのである。警察官がおるときは防止できたのに、いないからそういう事故が起つたのでありまして、警察官がいなければ事故が起らんということは甚だ違うのであります。それから長い説明の過程でありますし、殊に向うから質問が出たことに対して私がいろんな状況の場合を説明しているのでありまして、もう私の説明はどこを見てもわかるように、その実力行使をするときには、そういう必要の判断の下にやつたのである。三十日の出来事にしますれば、中へ乱入しておる、従つてそこで中からドアを閉めたわけで、デモ隊が外でデモリ、喧燥を極め、通路を塞いだ、それから一方入るところの通勤者が溜つて来ると、そういうことによつて十分警告をした。前日の非常に混雑したのに懲りて時間はまだ早かつたが、十五分間警告をして、八時十五分警告をしたということを申述べておるのでありまして、私のほうは非常に筋が通つておるという考え方でございます。
  154. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そうしますと、あなたの今の心境は、少しも自分のやつたことについては間違いがないのだと、こういうふうな御心境にございますか。
  155. 石田昇

    参考人石田昇君) それはまあああいう衝突が、激しい衝突が起るということを予想しなかつたのであります。こちらも二個中隊、この前も縷々述べたのでありますが、こちらでも二個中隊注ぎ込んだのであります。初めの頃は三百名足らずくらいが漸次殖えたのであつて、これくらいなら前日二十九日にやつておるが、三十日には大丈夫うまく行くと思つたのが、途中で旗竿で殴りかかつたからああいう状態になつたのでありまして、若しこういう事件、結果から見ましてこういうことになつたとするならば、私のほうでも例えば警備措置としては十分に措置をとるように三階や四階へちやんと係を上げまして、写真でちやんと現場をとる。それから又その人数ももう少し殖やして見るとか、やり方といたしましても一遍に押さずに、後のほうから部隊を入れまして、中断をいたしまして、五十人なら五十人くらいに区切つてやるのがよかつたかもわかりません。
  156. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私はそういう詳しいことを聞いておるのではない。あなたが今反省してみて、行き過ぎがないと考えられるかどうかということを伺つておる。
  157. 石田昇

    参考人石田昇君) 他に防止の方法は、結果から見ればまだ他に考えられるということは、こういう点は認めます。
  158. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 当日の警備上の問題で警備課長さんにちよつと伺いますが、あなたのいわゆる国鉄の要請に基いて出動させたというふうな場合におけるところの現場の指揮官のとられた、石田署長さんのとられたいわゆる警備方法は、あなたの考えておられることに妥当しておつたかどうかということについて伺いたい。
  159. 土田国保

    参考人土田国保君) 当日のみならず、その前からの国鉄本庁前における警備措置でございますが、これは先ほど建物の問題が出ましたので、建物内部のことだけ申上げたのであります。外周の問題につきましては、これは何も建物の管理権とは別に独自に警察のほうの判断でやるべき性質のものでございますので、その点も本庁においてあらかじめ打合せをいたしたのでございます。その打合せの内容というのを極く簡単に申上げますと、要するに外において発生する虞れのある警備事象ということは無届の集会デモ、或いは外から強引に中へ押し破つて入ろうというようなところか来るいろいろなまあ職務執行法五条あたりを発動しなければならないような場合、或いは道路交通取締法適用を受けること、或いは公務執行妨害というようなことの発生する場合というようなことを想定いたしまして、やはり状況によつて一個中隊なり或いは二個中隊の外周の警備ということを考える。それを丸ノ内警察署長の指揮下に置いて、警備方法としては、そういう違法の状態が出たならば、警告の上止むを得なければ実力によつてこれを排除する、抵抗するものは検挙する方針をきめて出したわけであります。従いまして、先ほど警備課長の措置と丸ノ内署長の現場措置と申しますかが食い違つておるということはないわけでございまして、結局結論から申しますと、三十日の署長の処置は止むを得なかつた、かように考えております。
  160. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 そうしますと、先般の委員会におけるところの警視総監の行き方、考え方というものは、とにかく総評というものは非常によくやつておる、十分話合えばこれは民主的なあれで立派な組合であるというふうな方針に立つてすべてを処理されておるように私は思うのであります。そういう方針から見まして、当日の行き方は余りに率直、単刀直入な形があるように私は考えられる。この点はあなたとしてはどういうふうに考えますか。
  161. 土田国保

    参考人土田国保君) 先般の総監の答弁がまあ非常に総評の自主的な統制力を尊重されておる、こういうふうに私理解するのであります。その点においては何ら異論がないのでございますが、ただこれは総評全般についての評価の問題になると思うのでございますが、現場におきましては、間々そういうふうに行かない場合があるわけでございます。やはり統制力があると言いましても、先ほどの蛇行進の問題のように統制しようと思つても統制がきかないというようなこともありましようし、又組合大衆の気分というようなもので、やはり総評幹部のほうでもいろいろとお立場上とらざるを得ない場合もあろうかと思いますので、なかなか違法状態が排除できない。そういう場合の実力行使、いわば衝突というものはこれは止むを得ないというふうに考えております。
  162. 秋山長造

    ○秋山長造君 警備課長にお尋ねしたいのですが、この前二月四日の本委員会から警視総監が帰られまして、警備課長に対してこの問題について何か御指示があつたのですか。
  163. 土田国保

    参考人土田国保君) 先般の第一回の喚問後におきまして、私総監から、今後においてこういうトラブル、不必要なトラブルを起して、そうしていろいろといろいろな方面に迷惑をかけて、又無用な摩擦、刺戟を起すということのないように注意を受けた次第であります。
  164. 秋山長造

    ○秋山長造君 この前総監はこの席上に出られまして、宮生君、池田君二人までああいう人事不省に陥るというようなひどい重傷者を出した事件、こういうことが二度と再びあつてはならんので、総監としては更にこの重傷事件の責任の所在について更に再度調査をするということ、更に又今後こういうことが再び起らんように最善の措置をとるということをお約束になつて帰つたわけなんですが、そういう点について警備課長は御指示を受けられたかどうか。又只今の御答弁のように、警視総監からお話があつた点を当面の責任者である丸ノ内署長にどういう方法でどのようにお伝えになつたかという点について、御答弁を願いたいと思います。
  165. 土田国保

    参考人土田国保君) 今後におきます不必要な摩擦乃至はトラブルを起さないようにということにつきましては、結局これは警備実施の際のそれぞれの部隊の指揮官というものがよくこれを体得していなければならないわけでありますので、一応こういつた事態、警備のあります際の出動の任務に当つております予備隊長、副隊長、それからよくこういつた事件の発生いたしやすい関係署長あたりにはその旨をお話してございます。
  166. 秋山長造

    ○秋山長造君 負傷者の再調査という点でございますが、この点について警視庁として再度調査をされたかどうか。又されたとすればその結果についてこの席でお知らせを願いたい。
  167. 土田国保

    参考人土田国保君) 総監がこの前の答弁のときに再調査という問題を言われたと記憶しますが警視庁におきましては、公安課というものがこういつた事件捜査、検挙の担当になつておるわけでありまして、公安課がこれが調査をいろいろその後もやつたはずでございます。東京地検におきまして告訴が総評のほうから出ました関係上、問題の中心が東京地検に移つておるという状況です。
  168. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういう手続上の問題じやなしに、警視総監としてはこの委員会で、この二人の重傷事件を中心にしてその責任の所在を再度慎重に調査をするということをここで言明して帰られた。その結果に基いて警視庁が如何なる調査をなされたかということを私は聞いておるので、検察庁がどうこうというような問題とはこれは違うのです。
  169. 土田国保

    参考人土田国保君) 私は警備課長としての発言資格しか持つておりませんので、公安関係等につきましては……。
  170. 内村清次

    委員長内村清次君) そこでどうでしようか。やはりこの問題はその点に集約されて来るだろうと思うのです。これはやはり時間も大分過ぎましたことでありますし、ともかくこの問題の一番最後の問題に到達するまでには、この前の警察法のときに加瀬君の言われましたときに、法務総裁もこの問題に対してやはり取調べをやつておるということを最後言つております。又やらざるを得ないようなあの実物の提示もありまして、法務総裁も私たちが議員席から見ておりましても、相当驚愕しておられたような態度が見えておりました。やはり法務総裁も一つこの委員会に来てもらわなければならない。それから今秋山委員の言われましたように、やはり警視総監もはつきりとこの前の委員会においてその点は確約されて言つておりますから、やはり警視総監からも責任者として聞かなくちやならん。又その点に対してはやはり石田署長も関係しておられますからして、又聞かなければならんだろうと私は思つております。そういうような一連の問題もまだ残つておりますから、今からこれをやつて行こうとしましても相当時間もかかりますので、関係者も招致しなければならん問題でもございますので、いろいろそういうようなかたがたを呼ぶ手筈につきましても、理事会におきまして相談しなければはなりませんので、次の委員会に譲るということで、今日はこの程度で如何でございましようか。
  171. 秋山長造

    ○秋山長造君 私は一言希望を申上げたい。大体この委員会を一度まで開いて、我々がこれだけ時間をかけて事態を究明し、更に今後二度とこういう事件が起るというようなことのないようにという方途についていろいろ研究するゆえんのものは、やはりこの前、警視総監が結論的にこの席上でおつしやつたように、警視庁としては更にこの事件の責任の所在を十二分に調査をする。そして又今後二度とこういう負傷事件が起らないように最善の措置をとる。その調査の結果、今後とるべき最善の措置というものがどういう措置をとるかということは、当然本日警視総監の代理として御出席なつた警備課長が警視総監の意を体して出て来られて、その点について十分我々に納得の行くたけの弁明があつて然るべきである。こう私は考えますにもかかわらず、只今の御答弁によりますと、どうも管轄違いだからその点については答弁ができないという話でありまして、私は非常にこの点遺憾に思う。只今委員長がおつしやつたように、更にこの点について十分我々の満足の行く処置を委員長においておとりになるということならば、私はこの際質問を継続することを遠慮したい。
  172. 石村幸作

    ○石村幸作君 今のお言葉ですが、今日参考人をお呼びしたのは理事会で相談をして、総評の森谷君、それから丸ノ内署長、この両名を呼んだのであります。伊能くんがたまたま参考に質問したいということから木村君、大場君並びに警備課長の土田君を追加して今朝呼んだのであります。ですから警備課長が総監の代理として責任を以てここで答弁するということはちよつと意味が違うのであります。そこで今日は大分熱心にいろいろ質疑応答があつたのですが、今委員長から法務総裁云々のお言葉ですが、これもよく一つ検討してみたいと思います。自治体警察の問題で関連がどうなるか、これも一つ考えてみたいと思います。同時にこの収拾方法につきましては、一応今委員長のお言葉通り理事会でよく検討して今後の方針をきめたい。先般の理事会においてもこの問題を取上げるときに、当委員会でこれを裁判所のように審議して判決を下すようなことは避けなければならん。こういう趣旨でやつておるのでありまして、併し今お言葉通り今後こういう問題を繰返さないように、これは最も必要なことでございますので、一つ理事会でよく御相談をして今後の処理をする。そういう意味において今日は時間もたつておるので、これで打切つてもらいたい。
  173. 内村清次

    委員長内村清次君) そういう取扱いでよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 秋山長造

    ○秋山長造君 私の発言も含めてもらいたい。
  175. 内村清次

    委員長内村清次君) それも十分含めて理事会で検討いたしまして、次回では成るだけ一つ結論のつくように取計らいたいと思います。  それではこれを以て今日の地方行政委員会を閉じますが、参考人のかたがた有難うございました。    午後六時五十一分散会