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説明員(高橋俊英君) その点は非常に私
どもとしては
考慮したつもりなんです。実際のところを申しますれば、現在や
つておる
配当の如何にかかわらず、それぞれ積立金の四割を
資本に組入れるということを一律に
強制するのが本当は本筋だろうと思うのです。一律に
強制するとこによ
つて初めてそれぞれの
会社が実際に使
つている
資産、
資本と申上げたほうがよろしいですが、それに対してどの
程度の収益力があり、且つ
配当力があるかという実態が明らかにされる。だから全部の
会社に
強制するのが本筋であろうと、私はこう思うのです。且つ又一部財界のかたの一部に置かれても、こういう一定率以上の
配当をしておるところだけ
強制するというのは筋が立たん、全部に
強制したほうがいいじやないかという
意見を
言つておられるかたもございます。私はその点が筋だと思うのです。併しそういたしますと、現に一割或いはせいぜい一割二、三分しか
配当してない
会社か、つまりその
程度しか
配当のできない
会社が無償交付をやれば、大体電力
会社を除きますと一対〇・六或いは〇・七くらいの割当になるのですが、それだけやりますと、
配当率が八分だとか、場合によ
つては五分だとかいうことが、起るわけですね。これでは
ちよつとおかしいんじやないか。
配当率五分というのは実例はございません、現在は。一割の次は直ちに無配なんです。そういう事情でございますから、結局において無配の
会社が非常に続出する、一律にやれば。そこで、それらは
影響を及ぼさないようにしたいという
考えなんです。それから又、全体として四千億以上の組入れをするということは余りにもドラステイックです。急激過ぎるということから、三年後の平均
配当率は恐らく一割五分を超えないであろうということを
見通しまして、一割五分を超える
配当を継続しよう、更にその後三年間も一割五分を超える
配当をしようという
会社だけは組入れを四割や
つてもらいたいということにしたわけです。その結果千二、三百億
程度にとどまるような、非常に不徹底な案にな
つておる。
はつきり申しまして私はこの案は、これでも非常に不徹底だと思いますが、いわゆる高率
配当とか何とかいう問題がそういう三割とか四割とかいう
配当をさしているというところから、それらのものをなくしてしまうということができれば目的は達せられる。実力はそれほど高い
配当余力はないんだということをみんなに認識させるということが必要であるという
考えで、こういう
方法をと
つたわけですが、一方、
有償増資との
関連で申しますると、二十八年度中の払込金の総額は一年間に千九百億を超えております。これは中に
銀行の
増資が四月、五月にずれてたくさんございましたので特別多いのですが、そこで、私
どもは、極く平常な
状態を予想すれば、まあ一年間に千二百億或いは非常に調子がよければ千五百億というふうな
有償増資は可能であろう。これを三年間ということにしますると、今の
資本金と同額
程度に達するわけでございまするが、まあそこまでは行かないでしよう。併し外部から、つまり株主等から資金を吸収するところの
有償増資、と共に、非常に高率であ
つて有償増資の必要もないというふうな
会社に無償交付を
強制することによ
つて、いわゆる適正なる
資本金の下に適正なる収益率と
配当率を出して行くという狙いは、おおむねこの三年間の間に、実際は両方とも併せてやることによ
つて片付くんじやないか。併し
有償増資は私
どもとすれば
強制することはできません。それはもうおかしな話ですから、随意に任せるわけですが、大体両者を併せて、今の
資本金と同額或いはそれ以上のものが
資本金の増加としてこの三年間の間には実現するんじやないか。その後の
増資を心配される向きがあるわけです。これは三年後になりましても、その後の
有償増資が必要でないということはないのですから……。私
どもは先ず三年間の問題が非常に大事であるというふうに
考えるわけでありまして、その間において抱き合せ等の
方法によりて約四千億近い
有償増資の見込額に対して、千二、三百億
程度の無償交付は、さほどそれがなか
つた場合と比べて非常に大きな
株式市場に対する特別な圧迫とな
つて現われるということはないんじやないか。そういうことを顧慮するよりも、我々の狙
つておるところの
資本組入れを
強制することによる狙いが実現することが、より大事ではないか。どちらにしましても、任意に放置しても或る
程度は組入れられるわけですから、それが
会社別に少し違
つて来るというだけなんですね。そういうように
考えております。