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1954-05-10 第19回国会 参議院 大蔵委員会 第41号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年五月十日(月曜日) 午前十一時二十八分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
大矢半次郎
君 理事 藤野 繁雄君
小林
政夫
君 菊川 孝夫君 東 隆君
委員
青柳 秀夫君 岡崎 真一君
木内
四郎
君 白井 勇君 山本 米治君
土田國太郎
君
三木與吉郎
君
成瀬
幡治
君 野溝 勝君 堀木 鎌三君 平林 太一君
衆議院議員
井手
以誠君
国務
大臣
大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
政府委員
大蔵大臣官房長
石田
正君
大蔵政務次官
植木庚
子郎君
大蔵省主計局長
森永貞一郎
君
大蔵省主計局次
長 正
示啓次郎
君
大蔵省主計局次
長 原
純夫
君
食糧庁長官
前谷 重夫君
事務局側
常任委員会専門
員
木村常次郎
君
常任委員会専門
員 小田 正義君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○小
委員長
の
報告
○旧
海仁会等
の
施設
及び
附属物
の
転換
処理
に関する
請願
(第二一一五号) ○
農山漁村
の
農業協同組合等
の
法人税
減免
に関する
請願
(第二三七五号) ○
国有地
の
地上権確認
に関する
請願
(第二三八二号) ○旧
軍用財産
の
防衛
諸
施設使用計画
に 関する
請願
(第二五九五号) ○
農林漁業金融公庫出資金
の
わく拡大
等に関する
陳情
(第五二七号) ○
中小企業
の
金融難打開
に関する
陳情
(第五九八号) ○
社会福祉宝くじ発売
に関する
請願
(第一五八六号) ○
ドライクリーニング用揮発油
の免税 に関する
請願
(第一九〇二号)(第 一九一一号)(第一九一二号)(第 一九二九号)(第一九五二号)(第 二〇一三号)(第二〇八二号)(第 二一五三号)(第二一五四号)(第 二一九五号)(第二一九六号) ○
時計
の
物品税撤廃
に関する
陳情
(第 五七七号) ○
外国為替
及び
外国貿易管理法
の一部 を改正する
法律案
(
衆議院送付
) ○
大蔵省関係法令
の
整理
に関する
法律
案(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
経済援助資金特別会計法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
交付税
及び
譲与税配付金特別会計法
案(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
大矢半次郎
1
○
委員長
(
大矢半次郎
君) これより
大蔵委員会
を開会いたします。
請願
及び
陳情
に関する小
委員長
の
報告
を求めます。
小林政夫
2
○
小林政夫
君
請願
及び
陳情
につきまして小
委員会
における
審議
の
経過
並びに結果を御
報告申
上けます。 五月七日、第二回の小
委員会
を開きまして、各
委員
の意見、及び
政府
の見解を十分に聴取いたしまして、慎重に
審議
をいたしたのでありますが、その結果は次の
通り
であります。
請願
第二千百十五号は、旧
海仁会
並びに
海友社
の
施設
及び
附属物
は、過去半世紀以前から旧
海軍軍人
の零細な醸金を根基として造営して来たものであるから、その
施設
及び
附属物
の今後の
転換処理
に際しては、絶対に
営利団体
、又は
個人的利得
の対象としない
処理方法
を実施するよう、特別の考慮を払われたいとの
趣旨
であり、
請願
第二千三百七十五号は、
農山漁村
における
産業経済団体
である
農業協同組合
、
森林組合
、
漁業協同組合
が、その
性格
に
公益性
を有しているにもかかわらず、
組合
に対する
法人税
が
一般営利企業
と大差のない
取扱
を受けているが、これら
組合
の
育成強化
のため、これに対する
法人税減免
の
措置
を講ぜられたいとの
趣旨
であり、
請願
第二千三百八十二号は、
社団法人
大
日本農会
、大
日本山林会
、大
日本水産会
の三会が
事業奨励助成
の
目的
を以て
明治
二十三年
赤坂溜池所在
の御料地を五十カ年無料で借用し、
昭和
十五年を以て一応該地の
契約期間
が満了したのであるが、当時、国も何らの
異議
もなく、その後御引続き
使用
を継続しており、
借地法
による
法定契約更新
が行われたものと思われるから、
右国有地
は
請願者
が
地上権者
であることを確認せられたいとの
趣旨
であり、
請願
第二千五百九十五号は、旧軍港市
転換法
による諸都市において、今後新たに
防衛
諸
施設
のため旧
軍用財産
を
使用
する
計画
を立てられる場合は、従前同様その都度事前に
関係
市と緊密なる連絡をとられると共に、内協議されるよう取計われたいとの
趣旨
であり、いずれも妥当と考えられます。よ
つて
以上の
請願
四件はいずれも採択すべきものと決定いたしました。
陳情
第五百二十七号は、
農林漁業金融公庫
が
農林漁業
の
生産力
の
維持増進
に多大の
効果
を挙げているのではあるが、
広汎多岐
に亘る
事業体
の
貸付金
として、真に
目的達成
のために、
農林漁業金融公庫政府出資金
の枠を拡大すると共に、
利子
の
低減方
を取計われたいとの
趣旨
であり、
陳情
第五百九十八号は、
中小企業
が融資を受けることが極めて困難であり、
倒産続出
の
実情
にある現在、商工中金に対する
資金運用部資金
の
貸付
に当
つて
は、
商工債券引受枠
の
大幅拡大
を認めると共に、これらの利率を極力引下げ、
長期
且つ低利の
貸付
を可能にすること等の
措置
を講ぜられたいとの
趣旨
であり、いずれも妥当と考えられます。よ
つて
以上
陳情
二件はいずれも採択すべきものと決定いたした次第であります。
請願
第千五百八十六号は
社会福祉宝くじ
を
共同募金会
をして発行せしめられたいとの
趣旨
であり、
請願
第千九百二号、第千九百十一号、第千九百十二号、第千九百二十九号、第千九百五十二号、第二千十三号、第二千八十二号、第二千百五十三号、第二千百五十四号、第二千百九十五号、第二千百九十六号は、
ドライクリーニング用揮発油
を免税せられたいとの
趣旨
であり、
陳情
第五百七十七号は
時計
の
物品税
を撤廃せられたいとの
趣旨
であり、いずれも不適当と考えられます。よ
つて
以上
請願
十二件、
陳情
一件は、いずれも採択せざるものと決定いたした次第であります。 右御
報告申
上げます。
大矢半次郎
3
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 只今の
報告
のありました
請願
及び
陳情
につきましては、いずれもその
報告
通り
決定することに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大矢半次郎
4
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 御
異議
ないと認めます。よ
つて
さよう決定いたしました。
大矢半次郎
5
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 次に
外国為替
及び
外国貿易管理法
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。先ず
発議者
より
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
井手以誠
6
○
衆議院議員
(
井手以誠君
)
衆議院議員
の
井手
でございます。
外国為替
及び
繁外国貿易管理法
の一部を改正する
法律案
につきまして、
提案者
を代表いたしまして
提案
の
理由
を御
説明
いたします。
輸入予算
と言われる
外貨予算
が、国の
予算
と表裏一体の
重要性
を持つことは申すまでもございません。又
経済自立
を急がねばならない今日、
輸入
の
統制
のために厳格な
為替管理
を行うことは当然でございます。ところが国の
予算
は
国会
において慎重
審議
されておりますのに反し、
外貨予算
は
閣僚審議会
において作成決定され、
国会
はただ
外国為替資金特別会計
の
歳入歳出予定額
と、その
予定損益計算
を承知するに過ぎないのであります。 従いまして、今日
半期
毎の
外貨予算
ありとは申しましても、その作成と
外貨割当
は放慢に流れ、近時
思惑輸入
はますます繁しくなり、
不急品
や
贅沢品
はどしどし
輸入
され、率直に申しまして
輸入
は野放しの態であります。そのため、
昭和
二十七年夏十一億ドルを越えた
外貨保有高
は、この三月末八億二百万ドルに激減し実質的には七億ドルを割
つて
外貨
の危機が叫ばれております。 このように無
計画
に等しい
輸入
の増大は、
国内
の
消費景気
をあおり、インフレを進め、
国際物価
に比し割高を生じ、同時に
国内
の
金融
は梗塞されて
中小企業
は行詰り、勢い
輸出
は伸び悩み、
国際収支悪化
の悪循環を招いて、二十八年度は実質的には三億九千万ドルの赤字となり、
為替レート
に大きな暗影を与えるに
至つたの
であります。 従いまして、国民に
耐乏生活
を強いる一兆円
緊縮予算
も、このような
自由放任
の
輸入状況
では殆んどその
効果
を抹殺ざれることになるのであります。 勿論
政府
は最近この
輸入
に若干の
調整措置
を講じてはおりますが、なお極めて不十分の憾みがあり、
貿易
の前途を
思ろ
とき、
予算
の一切を今日の
行政機関
に委ねることのできない憂うべき事態に立ち
至つたの
であります。又、国の
財政経済政策
に至大の
関係
を及ぼす
外貨予算
に
国会
が関与することが
財政監督
の権限からも当然のことと存ずるのであります。 ここに
外貨予算
を国の
予算
と
関連
して
国会
の
審議
にかけ、
輸入
を
計画化
して
わが国経済
の
自立
を図ろうとするのが、
本案
を提出した
基本的理由
であります。 即ち現在
外貨予算
を決定している
閣僚審議会
を
廃止
し、
外国為替予算
は
国会
の
議決
を要することといたした次第であります。 次に
内容
の概略を御
説明
申上げますと、 第一に、
予算期
を一カ年といたしました。
昭和
二十五年
民間貿易再開
当時の
外貨予算
は
四半期制度
であり、次いで二十七年から
半期予算
となりまして今日に至
つて
おりますが、
輸入
の
計画化
を図るには
長期予算
が必要であり、現在でも
年間計画
の枠内で
半期予算
が決定されておりますし、
国会
の会期の都合もあり、
取引
上の
機動性
を失わないためにも、
長期
の
予算
を決め、
弾力性
を持たせておくことがむしろ
商取引
の機を掴むに利便であると存ずるのであります。 第二に、
外国為替予算
の
議決
は国の
予算
の例にならうことにいたしましたが、その
性格
を考え、
内閣
は二月末までに提出し、
国会
は大体三月いつぱいで
議決
するようにいたしました。 第三に、
輸入物資
は
経済自立
に必要な
最少限度
に抑える必要があり、
物資別金額
を明かにする方針でありますが、
使用細目
の公開は
取引
に不利を生じますので、時期別、
積出地別
の
細目
は要らないことにいたしました。 第四に、この
予算
の変更は、
輸入統制
の
重要性
を考え、
国会
の
議決
を必要とすることとし、
輸入
の実績についても
国会
に対し早期に
報告
せしめることにいたしました。 以上が本
法律案
を提出いたしました
理由
とその主要な
内容
であります。 何とぞ慎重御
審議
の上、速かに御協賛下さいますよう切にお願い申上げます。
大矢半次郎
7
○
委員長
(
大矢半次郎
君)
本案
に対する
質疑
は次回に譲ります。
—————————————
大矢半次郎
8
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 次に
大蔵省関係法令
の
整理
に関する
法律案
を
議題
といたしまして、この概要の
説明
を聴取いたします。
石田正
9
○
政府委員
(
石田正
君) 本
法律案
につきましては先般
提案理由
の
説明
をいたしておるのでございますが、
内容
について申上げますると、 第一条におきましては、
明治
四年に制定されました
太政官布告
「新紙幣を発行する件」から現在に至りまするまで二百六十の
法令
につきまして、すでにその
実効性
が現在におきましてはないと思われまするので、これを
廃止
したいというのが第一条でございます。 それから第二条でございまするが、これは
ポツダム政令関係
のものを拾い上げたのでございまして、先ず
ポツダム宣言
の受諾に伴い発する命令に関する件に基く
大蔵省関係諸法令
の
措置
に関する
法律
第八条第四号の
削除
につきましては、
外国為替資産
を戦後分離保管するという
勅令
がございまして、
終戦
当時
金融機関
が保管していました金、銀、白金、
金銀貨
並びに
外国通貨
、それから
外貨
で表示しておりました
証書等
の
資産
を分離保管しなければならない。これに違反した場合には
罰則
を適用するという
規定
があ
つた
わけであります。その後この
勅令
は
廃止
されましたが、その
勅令
を
廃止
しました際に、
勅令廃止
前の
違反行為
を処罰するために
附則
によりまして
罰則
の
規定
が存続されたのでございます。
講和条約発効
と共にこれを
法律
に置き換える必要がありましたので、第八条第四号で更に存続させたわけでございます。これも、もうその必要がなくなりましたので、それをやめようというのが
一つ
。それから第八条第五号の
削除
でありますが、これは
日本銀行
に対しまして
外国通貨等
を引渡すことに関する
勅令
がございまして、これは
終戦
後
国内
にあ
つた
外国通貨等
を
日本銀行
に集中することを
規定
した
勅令
でございます。この
勅令
の
規定
によりまして集中した
外国通貨
の一部は、
外国通貨
及び
外貨表示証書
の
買上げ
に関する
政令
の
規定
によりまして、
買上げ
て、
残存分
はそのまま
日本銀行
が保管するということをしてお
つたの
でございます。その後この
勅令
の
廃止
に当りまして、保管中のものの
取扱
が決定いたしておりませんので、
附則
によりまして、
日本銀行
が保管している効力及びこれに関する
外国為替管理令
による売却又は
寄託義務
の免除並びに
罰則
に関する
規定
の適用はそれぞれ存続させてお
つたの
でございます。これも
講和条約
の
発効
後一応
法律
に切り換える必要がございましたので、この五号で残してお
つたの
でございますが、これは
日本銀行
が保管しておりましたところの
外貨
で以て国が
使用
できるようなものにつきましては、すでにそれをここに集中いたしまして、そうしてその
対価
をそれぞれの
所有者
に払うという
措置
を完了いたしておりました。今残
つて
おりますのは、
外貨
であるとか、
外貨証書
と言いましても実際は役に立たないものが多いわけであります。これらのものにつきましては
日本銀行
に寄託した人に返したほうが適当であろう、こういうふうに思われますので、今回五号を
削除
いたしまして返そうというのが、その次の問題にな
つて
おるわけでございます。それからその次に第八条第十一号に書いてありまするところの
削除
といいまするのは、
学校
及び
保育所
の
給食用ミルク
の
譲与
及びこれに伴う
財政措置
に関する
政令
なのでございまして、この
政令
の
内容
といたしておりましたところは、
学校給食
及び
保育所給食
のための
ミルク
の
輸入
は、
昭和
二十五年度におきましては
米国
対日
援助
見返
資金特別会計
から
財源
を繰入れて
貿易特別会計
で
輸入
いたしましたが、
貿易特別会計
が
廃止
されましたので、
昭和
二十五年度におきまして
貿易特別会計
が買入れ
契約
したものの
権利義務
を
食糧管理特別会計
に引継がせようということが
一つ
。それから
昭和
二十六年度におきまして
給食ミルク
につきまして
一般会計
が
財源
を
負担
する
措置
がなされるまでの間は、
食糧管理特別会計
の
負担
において買入れるということを
目的
としてお
つた
わけでございます。そうしてその二つの場合におきまして、
財源
は対日
援助
見返
資金特別会計
から繰入れることというようなことを
規定
してお
つたの
でございますが、
財源
の繰入れ
措置
及び児童の
負担
となる
経費
の
措置
が完了しておりませんので、その問題に
関連
いたしまして、当分の間これを
講和条約発効
後におきましても残してお
つたの
でございますが、すでにそれらの
財源
の繰入れ及び
経費
の徴収というものは終りましたので、この際
廃止
したいというのが十一号のところの問題でございます。 次に第十一条の
削除
のところの問題でございますが、これは
証券保有制限令
の第二条第一項本文の
規定
によりますると、
制限会社等
は他の
会社
の
株式
の
取得
を禁ぜられておるのでございますが、その
但書
におきまして、
金融機関
だけにつきましては、特に
企業再建整備法
に基く
債権者割当
による
当該金融機関
と
同一資本系統
に属する
会社
の
株式
の
取得
並びに
担保権
の
行使
又は
代物弁済
による同一
資本系統会社
の
株式
の
取得
が認められております。且つ第十七条の二、四の
規定
によりまして、
当該金融機関
が
制限会社等
でなくな
つた日
から一年間は
特例
による
株式
の
取得
が認められてお
つたの
でございます。而もこの
勅令
によりまして
取得
した
株式
をその
取得
の日から一年を超えて所有しようとするときは
大蔵大臣
の承認を受けなければならない。本
勅令
が
廃止
されますると、その
廃止
後は、
特例
によ
つて取得
を認められました
株式数
が、独禁法第十一条の
金融機関
の
株式保有制限数
百分の五を超えるとき、その
取得
の日から一年を超えて所有しようとする場合には、
公正取引委員会
の
認可
を受けなければなりません。而も
委員会
の
認可
は速かに処分することを
条件
としてなされることとな
つて
、これは
廃止
してしまいますると不便であると思いますので残しておきましたが、大体もう
制限
を超えますというような虞れがその後消滅しましたので、この際、合せて
廃止
したい、こういうふうな
経過
のものでございます。 それから次に第四条について申上げますが、これは
煙草
に使いまするところの
巻紙
につきまして、これ
煙草
と同じような一種の
専売制
を布いておるわけでございます。これはこのまま放
つた
らかしておきますると、
煙草
の
密造等
を助長する虞れがあるというふうな観点からそういうふうにしてあるわけでございます。
輸出
をいたしますような場合におきましては、
国内
において
闇煙草
を作るというふうな心配がないわけでございます。そういう場合におきましても一々これを
公社
の一手
買取制
にしておくということは
実情
に即しないものがあるのではないかというふうに考えられまするので、
輸出
する場合につきましては、
許可制
によりまして、
専売公社
の
輸出
と並んで
巻紙製造業者等
の
自己輸出
を認めようというのが第四条の
規定
の
趣旨
でございます。 第三条と第五条とは
関連
いたしておるのでございまして、現在におきましては塩のほかに「
にがり
」をも
専売制
にいたしておるのでございます。この「
にがり
」を
専売
といたしましたのは、
戦時
中におきまして
金属マグネシウム
の
増産確保
の要請によりまして実施せられたものでございますが、現在におきましてはその必要がないであろうと思われまするので、これを
廃止
いたしたいというのが三条でございます。それから第五条はそれに
関連
をいたしまして、
塩専売法
のほうにつきましても改正をいたそうということでございます。 それから第六条も、これは
塩業組合法
におきまして今の「
にがり
」の
専売
を
廃止
することにいたしまして、
関連規定
を削ろうということにな
つて
おるわけでございます。 それから第七条でございますが、第七条の
関係
は、
政府
の
契約
いたしました
支払
に関しまして
遅延
を防止する等に関する
法律
の第六条と申しますのは、
政府
の
対価支払
の時期を
規定
してございまして、その第三項には、
政府
の
契約
の
特例
に関する
法律
の
契約
について
政府
の
対価
の
支払事務
の
起算日
を
規定
しておるのでございまして、このたび
政府
の
契約
の
特例
に関する
法律
の
廃止
に当りまして、この項を
削除
しようとするものでございます。と申しますると、非常にわかりにくいことになるのでございますが、大体本法は、
終戦
後におきまして、これは
連合軍
の兵営の設営とか或いは
賠償撤去
とかいうことを
終戦
後やりましたために、非常に
物価
が上るとかいうふうな
関係
がございまするので、
特例
といたしまして、一応
契約
をいたしますときに、
政府
の
支払金額
の確定していないものについても、
政府
が適正と認める
支払金額
を指定して
契約
を締結することができるとしたものでございます。併しながら、これは何と申しましても異例なものでございまして、当然今日の
状況
におきましては
廃止
さるべきものでございますので、それを
廃止
いたしたいと思いまして、それに
関連
いたしまして、その
関係条項
が
政府契約
の
支払遅延防止等
に関する
法律
の中にございますので、それの
該当分
を削ろう、こういう
意味
でございます。 それから
国債
に関する
法律
のところでございますが、
外国
におきまして発行いたしました
外貨債等
につきましては、
昭和
十八年以降現在に至るまで、
国債関係事務
の
簡捷化
に関する
法律
の
規定
によりまして、
一般国債
と同じにその
消滅時効
を援用しないという
臨時立法
が適用されてお
つた
わけでございます。今回その分を
廃止
することにいたします。これは第一条の二百三十六のところで
国債関係事務簡捷
に関する
法律
というものを
廃止
することにな
つて
おりますが、これは
戦時中国債
の
取扱
いにつきまして、一々利払いから
消滅時効
が来ておるかどうかということを
確め
るのが
事務
上困難であるということで、それをやめてしま
つて
、とにかく元本なり一札を持
つて
来ればどんどん払うということをや
つたの
でございますが、それを今日の
時勢
におきましては元に戻そうということで
廃止
いたしますと、今度
外国
において起債したところのものはどらなるかということが起
つて
来るわけでございます。この点につきましては、
外国
において起債した
国債
につきましては、それぞれ
起債地
の法例又は慣習によらないと、
国内
のや
つた
ものによりましては問題が起る場合もあろうかと考えまして、こういうふうな
但書
をつけるということにいたしたわけでございます。 次にこのたび
消滅時効
が援用されることになりますと、困りますのは
割賦償還
の
方法
で償還する
国債
の
時効
についてであります。そもそもこの
国債
は、その
賦札
に
元金
及び
利子
の
金額
が表示されておりますが、
国債
に関する
法律
第九条では、
元金
十年、
利子
五年の
消滅時効
とな
つて
おります。併しこの
国債
の
賦札所持者
は一枚の
賦札
で同時に
権利行使
をするのでありますから、元利を加えた賦金の
時効
を十年として普通の
消滅事効
の
特例
を設けたのであります。 それから第九条でございますが、これはこの
銀行法等特例法
の第四条から第六条までにつきましては、今申上げまするような
理由
で、
戦争終結
後の
平常状態
では必要ないと思われますので、
削除
することといたしたいと思うのでございますが、四条と申しまするのは、
業務
の
制限
、
取締り等
の
特例
でございまして、
勅令
を以て定めるところの
金融機関
は、それぞれの業法で
規定
されておるもので、現在なおこの
規定
による
特例
を設けで置く必要はないと思われますので、やめたいと思うのであります。
木内四郎
10
○
木内四郎
君
勅令
を以て定めるというのはどういう
金融機関
ですか。
石田正
11
○
政府委員
(
石田正
君)
今ちよ
つと
勅令
の
中身
を持
つて
おりませんが、要旨は、普通の
業務
の
制限
、
取締り
に関するところの
法律
の
規定
がありましても、その
規定
を適用しないで特別な仕事をやらせて行こうというふうなこと、にな
つて
お
つたの
でございますが、その必要は…。これは
勅令
に細かい条文がございますが、
中身
を申しますると、例えば
勧銀
とか
北拓
とか興銀というようなところにつきまして、
担保
なしで
貸付
ができるというふうなことの特別な
規定
を設けてお
つた
わけでございますが、これは
戦時
中の
特例
でございますので、もうそういうふうなことを今更残しておく必要はないであろうという
意味
でございます。 それから第五条は、
資金調達方法
に関しまして
政府
が命令することができるという
規定
でございますが、これはもうそういう必要はないであろう。六条は役員の解任ができるというような特別の
規定
でございますが、これも今の
時勢
に合わないであろうというふうに考えられますので、要するに
戦時
中のそういう
特例
というものにつきましては、これをやめさせようというふうに考えておりますのが第九条の
規定
でございます。
あと
の
附則
のことでございますが、これは
大臣
がお見えになりましたので、御質問がありますれば御
説明
するということで、一応打切らして頂きたいと存じます。
—————————————
大矢半次郎
12
○
委員長
(
大矢半次郎
君)
本案
の
質疑
は
あと廻し
にいたします。
大矢半次郎
13
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 次に
経済援助資金特別会計法案
を
議題
といたしまして、
質疑
を願います。
成瀬幡治
14
○
成瀬幡治
君 この第一条の「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強に資するため必要な費途に充てるために、」云云、こういうふうに
目的
が出ておるわけですが、これと、
安全保障
で、例の
MSA法
の五百十一条によりますと、大統領が、こういうような
援助
を与える場合、
米国
の安全を強化するものであると認めた場合で、且つ被
援助国
が、御承知のように
援助
に四つの
条件
が出てお
つて
、その六
条件
を承認した場合において
援助
するというように、アメリカのほうにおいて立法されておるわけですが、それと、これとは少し矛盾していやしないかという気持がするわけですが、どういうものであるか。それに対する所見を伺いたい。
原純夫
15
○
政府委員
(
原純夫
君) この
安全保障法
の五百十一条の
規定
は、今回の
援助
協定、経済的
措置
に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定にかか
つて
来ると思
つて
おりますが、この経済
援助
資金特別会計
法におきまして、贈与されます円資金を「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強に資する」ということは、別段そちらのほうと矛盾はいたさないというように考えております。
成瀬幡治
16
○
成瀬幡治
君 確かにここに「工業の
助成
」とか、「本邦の
経済力
の増強」と、こう書いてある。ところが、MSAのほうでは、アメリカの
安全保障
を強化する、そういうことを大統領が認めたとき、やるわけなんです。私が聞きたいのは、「工業の
助成
その他
経済力
の増強に資するため」とな
つて
おりますが、これは兵器生産のみを指しているのかどうかということがはつきりすればいいと思うのですが、そうではなくて、一般的なものもこれでできるかどうかという点を明らかにして頂きたいと思うのです。
原純夫
17
○
政府委員
(
原純夫
君) この「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強に資するため」といいます法案の文句の
意味
につきましては、その
通り
、それにあります
通り
に解釈いたしております。つまり
防衛
力の強化でなければならんというように狭くは解釈はいたしておりません。又、
防衛
力の強化という言葉にいたしましても、いろいろなニュアンスがあるわけであります。兵器産業だけに使えるというように考えるか、或いは広く重工業の能力を高めるということも
防衛
力の強化であるというようなことにもなります。又更にこの重工業だけでなく、要するに日本の生産一般が強まるということも考えられる、要するにその辺は狭い
意味
ではつきりと
制限
されるものではないと考えております。ただこの
目的
につきましては、協定によりまして、この日米相互間で合意する線に従
つて
ということにな
つて
おりますので、向うと全然離れて使うわけには参らんと思いますが、非常に
制限
的には解釈いたしておりません。
成瀬幡治
18
○
成瀬幡治
君 まあ第四条の
政令
とも
関連
して来るわけですが、今あなたのおつしやることは、まだアメリカとは話合いができておらなくて、こちらのほうの態度としてはこういうふうにした。ところが、向うのほうが同意して来なければ、それに使われないのですから、どうこうするわけに行かない。ところが、日本側の解釈はこらであると、そういう御答弁なんですか。それと絡み合
つて
、第四条の「
政令
の定めるところによる」とな
つて
おりますが、
政令
はどういうものを用意しておいでになるか。まだこれもアメリカとの交渉が全然されていない、折衝がされていないから何もきま
つて
おらないと言うのですか。その辺のところをお聞かせ願いたい。
小笠原三九郎
19
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 実は
政令
のことは衆議院でもいろいろお尋ねがありますが、まだ実は、大体のところは、今第一条の文言を作
つて
おりますけれども、まだ正確な最終的なものは作
つて
おりません。 それからこの第一条について、ちよつと今問題ございましたが、実は実際問題とすれば、最初兵器産業でないと向うの合意が得られんのではないかと思いまして……併し私どもは、この第一条に広い
意味
があるから、単純に兵器産業でなくて、その
関連
産業及びその基礎童業という
意味
で、実な向うへは
説明
しているわけであります。それで先般来そういう主義で、一応数字はこちらのほうではまとめておりますが、なかなかこれはどなたか御指摘にな
つた
ように、例えば私のほうの立場で言うと、採算のとれる事業をいたしたい、こういう考えをしているし、それから又一方には、採算を多少離れても、将来のためにこれはや
つて
おきたいという意見等も出ておりますので、そういうことについてまだそれぞれ打合せ中でございまして、最終的な決定を見ておりません。こちらのほうで打合せましたら、先方、アメリカ側とも打合せまして、そうして同意を得たものによ
つて
この処置をいたしたいと、こう考えておりますので、尤も
政令
も一般的な広い
意味
でや
つて
置けば、これは何でもなくできるのでありますが、そんなことで、まだちよつとこの点はでき上
つて
おりませんので、その点率直にそう申上げておきます。
成瀬幡治
20
○
成瀬幡治
君 あなたもアメリカヘお行にな
つた
し、いろいろなことで、初めのうちは経済
援助
、経済
援助
、ところがもう軍事
援助
でなければ駄目だ、こういうことはもうはつきりしているわけだ。ところがこの
法律
の名前を見ても、「経済
援助
」と、こうな
つて
いるものですから、非常にそこらあたりが喰い違
つて
いる。こういう幅のある第一条の書き方やいろいな点があるから、私としては、やはりその点はつきりしていることは、やはり軍事
援助
だと思う。そういう広い
意味
だと、この
意味
の解釈の問題もありますが、結局
防衛
生産に使われるものでなければ、この三十六億なら三十六意というお金は使えないものだ、こういうふうに想像しているわけです、自分としては。ところが、これが何かこうぼやぼやしたような、何かこうごまかすような答弁を
政府
はしておられるのは、非常に遺憾であると、こう思
つて
、指摘して、それに対する私は明確なお答えを実際要求しているわけです。
小笠原三九郎
21
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 実は私はアメリカへ参
つて
話をしたときに、向うでの話をここで率直に申せば、こういうことを言
つて
お
つた
。どうもアメリカも非常に税金が高いと納税者が育
つて
いるときに、日本の、よその国り経済
援助
をするのでは、なかなか同意しません、従
つて
軍事
援助
という言葉は非常に含みのある言葉に考えてもりいたい、こういうことでして、そのことを私はこちらへ帰
つて
からも、そのことは申しました。含みのある言葉だと、言い換えれば、或る
意味
の、経済
援助
の
意味
も含んでいるという
意味
ですが、そういうこともあ
つたの
で、そういうことを申上げておきます。現在のところ三十六億円だけの問題であれば、これは同意を得るのは、やはり今お話の
通り
、大体主たるものは兵器産業になろうかと存じております。併しながら向うでもそういうふうに考えており、こちらでも強く考えている事柄に、これが後日過剰生産等にな
つて
、日本産業に悪影響を及ぼすようなものになることは困ると、こういうことを言
つて
いるのでありまして、従
つて
兵器産業と言
つて
も、将来日本の保安庁その他で使うようなものとか、或いはそれが設備の、拡張になり過ぎないものとか、そうい
つた
ようなものに大体向ける、こういうことに話はしてあるのでございまして、従
つて
私どもが、将来の分、例えば又三十年にな
つて
も、更にこういうようなこの場合が起
つて
来るかと思います。どういうふうになるか、これはまだ話し中でございますのでわかりませんけれども、仮りに将来も起
つて
来るとしますれば、そういう場合には広い
意味
での言葉が本当に生きて来ると思います。併し現在の二十九年度のという
意味
で申しますと、このうちから一千万ドル、三十六億円の分について申しますと、これは大体兵器産業と、こういうふうになると存じております。
成瀬幡治
22
○
成瀬幡治
君 それについて、大体この前、通産
大臣
のお答えによりますと、何か航空
関係
に対して主としてや
つて
、
あと
、あなたが言われるような過剰生産、いわゆる火薬とか、或いは艦艇、武器ですね、そういうようなところの設備は大体今のところいい、だから今足らないのは大体航空機
関係
だ、それを見て行こうというようなことを答弁ざれたとか、或いは新聞で私知
つたの
かわかりませんが、大体そんなところに今あるわけですか。
小笠原三九郎
23
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) そんな話も出ておりますが、まだこれもきま
つた
わけではございません。のみならず、これはあなた方のほうでもお話が出ておると思いましたが、例えばジェット機を造るということに対して、そう金を出すということは、現在の日本のほかの工業がついて行かないときに、それだけを先走
つて
も、ものにならんじやないか、そういう御意見等も出ておるので、まだ現在それを決定しているのではございません。そういう話のあるのは事実でございますけれども、それらのことがいろいろもだ各省の立場で相談をいたしておりまするので、それが最終的な決定に入
つて
いないと申しておるゆえんなのでございます。
成瀬幡治
24
○
成瀬幡治
君 もう一点お尋ねしておきたい点は、例の
防衛
生産
委員会
とかいうものが、経団連とか、日経連
関係
で、できておるわけですね。あそこで、
防衛
生産のために投融資を九十億ぐらいですか、何やら必要とすると、こういうものをもら
つた
だけでは足らないから、それに対して九十億か、約百億見当のものがほしい。そういうものを又
政府
は出すべきだというような、
一つ
の結論を出されて、
政府
に対して意思表示があ
つた
ものだと思
つて
おりますが、そういうものに対しては、今あなたの指摘されたような設備過剰というようなものを非常に心配している。或いは将来の
防衛
計画
があるかないかとい
つた
つて
、ないわけです。そういうものに対して、そういうものと睨み合せて、私は結論が出ていない、或いは今の段階としてそういうものを蹴飛ばして行くのが正しい態度だと思
つて
おりますが、それに対して、又それを全然お聞きにな
つて
いない、或いは働きかけがあ
つて
も、
政府
はそれに対して何らかの処置をされているか、その辺のところを
一つ
……。
小笠原三九郎
25
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 経団連のほうでは、一部ではそういう意見があるということは、書類なども私どももらいましたけれども、それは向うの業者の立場で実はものを見ておるのでございましてね。私どもそれは書類をもらいましたけれども、別にその書類に基いてどうこうというようなことは考えておりません。ただ、この三十六億だけでは多少できないものもございましようと思われまするので、従
つて
民間の資金が若干入ることは若干入るだろうと存じております。併しどうも、もう実は私ども
金融
引締めのほうから見ますると、設備資金を出してもらいたくないという考えを強く言
つて
おりますが、従
つて
民間資金も若干出ましようけれども、この大きい筋には変りはないと、こう思
つて
おります。
野溝勝
26
○野溝勝君 私は率直に言いますと、昨年、冷害、水害等の凶作で、食糧の問題が非常に国民の大きなる声とな
つて
、
輸入
にしろ、供出にしろ、この際、何としても食糧を間に合わせなければならないということで努力してもら
つた
わけですから、そういうことについての努力は感謝されなければなりません。又当然やるべきことでありますから、只今法案として提示されておりまするこの経済
援助
特別会計法案でございますが、そういう
意味
で、この食糧の問題を解決されるように努力されたいのですが、結果がよくないね、結果が……。一体その結果を見るというと、どうも余
つて
おるものを向うはくれたのだね、実際は……。だから私は、これはむしろアメリカの過剰農業生産物の処置に対する
援助
をしたのですから、私はこの
援助
という
意味
が、アメリカの農業政策行詰り経済
援助
法というふうに(笑声)解釈したほうが正しいのじやないかと思
つて
いるのですが、これはまあ皮肉のようでございますが、さようにもとれる。と申すのは、
大臣
は多分御承知だと思うのでございますが、それより専門家は御承知の前谷さんですが、最近非常に向うで値下りをして来たのですね。而も当時の
援助
によるところの資金と数量の
関係
より以上、今日は二十四億ドルくらいに、今度はその値下りの……、額が下
つて
参
つて
おるわけですね、幾らか……。ですから、そういう点を見ると、アメリカを非常に助けたようなことになるのですが、併しその当初は、食糧の足りないところを、こちらへ入れることに努力されたのですから、その点、私は、その線までは
援助
、それから後は向うへ今度は
援助
した。だからこれは差引きパーだ。そこで、更にこの法案を今度出すに
至つたの
は、前のガリオア資金、イロア資金と、
終戦
処理
費ととの
関係
ですね。あの場合に、こつちは
援助
されると思
つて
も、それは借金なんだね。それが議会で問題にな
つたの
だ。それでは
終戦
処理
費はどうしたのだということで、結局あのときは問題にな
つた
。こういうことを
法律
的に何とか具体的に
規定
しておかなければならないということがこの法案にな
つて
現われたという、意図があるように思うのです。これは老婆心か何か知りませんが……。こちらを最初
援助
した。それから逆に過剰農産物をこちらが買
つて
援助
した。そうすると、これは御破算なんだ。そうすると、
あと
、その処置は実はこつちに任してもら
つて
もいいと思うのですが、これを紐付けされるというのはちよつとおかしいと私は思うのですがね。これを紐付けされて、あれに使つちやいかん、これに使つちやいかんと言うことが、どうも私は解せんのですが、この点
一つ
割切れるようにお話願えないでしようか。又その点について
大臣
は、どうもそうにも考えられるが、何か努力したいとか何とか、そういう紐付きでなくて、兵器の生産、或いは基礎産業だと言
つて
も、何が基礎産業か私はわかりませんが、そういう点についてこちらに
処理
を一任してもらいたいというようなことについて、
大臣
は何かその間お話をされたことがありますか。その点だけ
一つ
お伺いしておきたいと思います。これは
大臣
、皮肉のようでございますが、実際そういうようにも解釈されるのです。
小笠原三九郎
27
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) いや、わかる。野溝さんの言われることは私は皮肉に取
つて
おりません。皮肉なものとして御答弁もいたしません。実はこの小麦の……、まあ小麦と大麦とありますが、大体主として小麦ですが、その買付については、昨年丁度九月の末、私が丁度アメリカにおるときに、電報を受取
つて
、向うと話をするようにということであ
つたの
ですが、たしかいろいろのことでこちらに帰らなきやならんから、いろいろ頼んで来たのですが、当時の事情は、これは野溝さんよく御承知のように、当時日本が食糧を買うのに、二十七年がたしか百九十六万トンか、それが更に二十八年も百九十三万トンか、買
つて
いるというような工合であります。その五、六十万トン買うことはそのうちで買うのですから、日本としては成るべく有利にこれを買いたい。有利に買うというのには、二つの
方法
があ
つて
、
一つ
は値段を安く買うというのが
一つ
の
方法
であり、
一つ
はドルを使わない、
外貨
を使わないで買うというのが
一つ
の
方法
である。この場合には値段は世界の並みの値段で買うということにな
つて
おるから、これは値段が持に安いということじやありませんけれども、併し向うで受取る金は円でよいということにな
つたの
ですから、この点、非常に有利なんです。そういう点から見て、余り野溝さんのように私は。パーというふうにちよつと考えにくいのじやないか、こう思うのです。(野溝勝君「精神的に」と述ぶ)そこで、まあそういうことで、円で買付げる。併し向うは多少とも経済的に何とかしたいということが、それにはもとの二割、一千万ドル相当額だけは差上げます。ドルで上げます。上げるが、併しそれはこういう性質のものだから、MSAで五千万ドルというものを何するのであるから、千万ドルを上げる分は、やはり成るべく日本の兵器産業その他に使
つて
もらいたいということを向うとしては考えておる。こちらの文句としては、今申上げた
通り
、協約に書いてありますから、協約の文句をそのままと
つて
そういうふうにしたのですが、実際問題は先ほど申上げた
通り
、本年度の分は、少くとも兵器産業が大体主であると思
つて
おります。まあそんな工合であ
つて
、私どもは、この千万ドルをくれたということになれば、その使途については一応自分のほうへも相談して呉れと言うのが当り前じやないかと思う。従
つて
、枠をきめるのに、例えばこれを何に使うとか、これに使うとか、こういう枠をきめるときに、これを向らへ相談をする。而も枠がきま
つた
ら、現実の問題としてどの
会社
にどう貸出しをするかということは、これは日本の自主的な判断でや
つて
行く、こういうことにな
つて
いるから、まあ紐付きといえば紐付きに相違ないが、余り太い紐が付いたともいいにくい、まあこの程度のものは私は仕方がないのではないかと思
つて
おりますが、今後は私は、先ほどから申す
通り
に、重複にな
つた日
本の産業が、
あと
から、そういうものが、過剰生産が起きるような点は避けたいと思
つて
おりますから、従
つて
一条の文言
通り
の方面に、この次の分から、こういうことが起
つて
参りますれば変えたい。こういうふうに考えておるわけであります。
野溝勝
28
○野溝勝君 私は
大臣
のいうことは、千林君の言を借りるのじやないが、池田大蔵勇人之守と違
つて
、吉田側近の悪代官と思いません。私はあなたは、今回の汚職事件があ
つて
も、何を見てもありません。それについては非常に私らも、あなたは、まじめなかただと思
つて
いるが、併し
大臣
に太い紐じやないが、細い紐ぐらいには考えておると思う。これは希望ぐらいのことならばよくわかる。併し細い紐ということは、希望の範囲を越えているわけです。具体的にな
つて
いる。ですから結局私のいうのは、ここの法案の
理由
の中にもあります
通り
、余剰農産物の見返りの円資金のうちということが具体的にな
つて
おるのですから、余剰農産物なんですから、余剰ということは余
つて
困ることですから、余
つて
困るものをこちらが
処理
するということは、アメリカのためにもいいことなんです。それなら私は、その間、こういう問題については、そういう細い紐にしろ、太い紐にしろ、いわくつきのないように、自由に委してくれないかということについて話をして見たことが具体的にありますかということを聞いたのです。この点についてはこのぐらいは仕方なかろうという御答弁でございますが、そういう点についてはお話したことはないのであるか、
一つ
聞かしてもらいたい。
小笠原三九郎
29
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) それは私は直接この問題に携わりませんから聞いておりませんけれども、この第一条等の、「
経済力
の増強云々」と持
つて
来るのには、そういう話も出て、特にあのうちに双方の合意するというときに、その話も出たことは聞いております。まあ併し向うとしてみれば、や
つた
金であるが、併しこれはMSAの
関係
だから、やはり
防衛
力の増強に使
つて
もらいたいという、こういう「建前を私はと
つた
ものであろうと思う。それがああいう文言を残されたものであろうと思いますが、併しこれは今後そういう話をしたらどうかということでございますれば、これは
一つ
話をして見たいと思います。
野溝勝
30
○野溝勝君
大臣
は非常にさばけた御答弁ですが、これは池田君がアメリカに行
つて
おるときに、まるで、大手柄みたいに発表しているが、たしかに食糧
輸入
という点はいいのですよ。併しこのように、日本の食糧増産に農民の不満をもたらすような、更にアメリカの過剰農産物を
処理
したという、その
大臣
の
処理方法
が私どもといたしては合点行かないのです。そこで、その当初池田君は、吉田総理の私設秘書か何か知らないけれども、あなたは堂々たる
大蔵大臣
としての資格を持
つて
いる、そのときに、あなたが行
つて
おるうちに、一吉田総理の私設的な特使というようなものが、さようなことを、あなたの了解を得ないで勝手に交渉をして、そうして一体、日本の政治というものは妥当性を持つのですか。そういう点について、大蔵行政に対しての御見解を聞いておかなければなりません。
小笠原三九郎
31
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) それは誤解でして、私は行き違
つて
、丁度ハワイかどつかで行き違
つて
、私はこつちに帰
つて
来るときに、私がカナダのどこかにおるときに電話がかか
つて
来まして、五千万ドルほど小麦を買い付けたい、それについて話をするようにという電話があ
つた
。それは電話があ
つたの
は大使館からあ
つたの
ですが、私に交渉に当れということをい
つて
来たのです。併しところがこちらのほらにもいろいろな予定があ
つた
。自分は真つすぐ帰るから、帰るほかないから、渡辺公使に、
一つ
、君、話してくれとい
つて
頼んだ。それが九月の二十三、四日くらいの話です。池田君がいわゆる特使として出発したのは、これはずつと遅いのですから、私と行き違
つたの
で、何もそういう話は、渡辺公使が引続きや
つて
お
つた
ところに、池田特使が行
つて
、そういう話をした、こいうことです。
野溝勝
32
○野溝勝君 まあほかにも質問があるこ思いますから、これで
大臣
に対する質問は終りますが、今
大臣
もいわれましたように、どうも今後もあることで、我が党が天下を取るまでは、なかなかどうも今後もあることだと思いますから、自由党の天下のうちは……。だから我々の思うようには行かないけれども、今
大臣
のいうように、とにかく
援助
資金というのですから、やる以上はそれに飽くまでも
援助
の
性格
を持たなければならない。ところがこの
説明
の中にもありますように、
米国
の余剰農産物の見返りの円資金のうちということがはつきりこれに書いてあるのですから、それで行くと、
米国
の余剰の農産物というのは余
つた
ものを
処理
してや
つたの
だから、このことに対して、議会においては社会党初め、各委以から猛烈なる意見があ
つて
、この考へ方について強く問われた。ついては私も尤もだと思うから、アメリカ当局二つ御考慮を願うとかして、紐付きで心いという努力を
一つ
してもらいたい。ところが先ほどあなたは努力するといわれたのでありますから、私はこれ以上申上げません。その点は
一つ
即時交渉に移して頂きたいと、こう思つおります。それから前谷さんに
一つ
お伺いしておきたいのですが、最近の
外国
小麦の値下がりによりまして、
政府
は儲けたといますか、国の儲けになるのですが、その
処理
はどういうふうにするつもりですか。
前谷重夫
33
○
政府委員
(前谷重夫君) 二十九会計度におきまする小麦については、先ほど
大蔵大臣
からもお話がございましたように、百九十三万トンでございますが、これに対しまして、当初この小麦によりまする
国内
の現行の販売価格との差が約二十六億ほど出ておる。こういうふうに想定いたしておりますが、この益は御承知のように米、小麦につきましては、まだ
輸入
補給金を必要といたしますので、
外国
食糧全体といたしましてプールいたしまして、結局におきまして、その益は米なり小麦なりの
輸入
補給金の削減に役立
つて
おる、こういう形にな
つて
おります。
成瀬幡治
34
○
成瀬幡治
君
貿易
との
関連
でどんなふうにに託考えにな
つて
おるかという点が質したいのですが、MSAを受けることによ
つて
中共乃至ソ連との
貿易
に非常に困難を来すのではないかというような見通しもあるわけなんですが、こういうものに対して
大臣
はどんなふうな御所見を持
つて
おられるか。
小笠原三九郎
35
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 中共に対しましては、御承知のごとくまだ全然条約を結ばれておりませんし、まだ戦争状態に置かれたままにな
つて
おるのでありまして、従
つて
貿易
関係
を公けに進めて参るわけに行かないことは、相互の話合いの付く以外にできないし、又、日本は今自由主義国家群の一員としておりまする
関係
上、自主的にとは申しましても、例えばアメリカ等でいやがる品物まで出すわけには行きませんので、従
つて
大体よそと同じ歩調で行くということでや
つて
おりますけれども、そう多くは望めないという
状況
にありますので、MSAの
関係
が直ちにどうこうということではなくて、やはりもつと根本的に中共
関係
を実は直して行かなければならないじやないか。この点についてやはりイギリスが少しアメリカと変
つた
考えを持
つて
おるように私は今でも承知しておるのですが、これは香港その他を通じて多少、アメリカほど窮屈ではなく、アメリカは全然や
つて
ませんが、や
つて
おりますので、日本もこの頃は段々と中共に対する
輸出
品目等を殖やしておりますけれども、併しもう少し国交
関係
がはつきりいたしませんと余り大きく望めないのではないか。これは将来に課せられた大きな問題ではないかと思います。現在のところはそう多くは望めないのではないか。このことが直ちに
関係
があれば、やはりイギリスもよその国もみな受けておりますから、MSA
関係
はどこの国も同様なわけですから、今のところ中共というのは、何か中共
貿易
というと非常によざそうに思われるのでありますけれども、私どもは現在の段階ではそう多く望めないように実は考えておる。中共には併しできるだけ、少くともイギリスがや
つて
おるくらいな程度までは早く今後もやるようにしたいと思
つて
おります。
成瀬幡治
36
○
成瀬幡治
君 私もも参ごたごたやりたくないわけです。そこで例えば今ソ連の船舶の修理が御承知のように造船に入
つて
おる、或いは建造の注文もあるじやないか、そういうものもやはり今の造船界の設備の
関係
上非常に多くは望めないかも知れませんけれども、若干あることは造船界に非常に有利なんです。いろいろの問題があるので、中共の問題も、確かに西独の問題、或いは御指摘の対イギリスの
関係
がいろいろあるのですが、
大臣
としては、日本経済の安定上、そういう立場からこれをいうことが
一つ
あ
つて
、多くは望めないからという考え方ではないと思う。それを外務省との協力といいますか、外務省と手をつないで、どういうふうに持
つて
行こうかという構想なり、これをワンステップでや
つて
行こうとする方途というようなものをお持ちであろうと思う。そういう構想とか、具体策というものをお持ちにな
つて
おるのではないかと思いますから、そこらあたりどんなふうにな
つて
おるかを
説明
しで頂きたい。
小笠原三九郎
37
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) それは
成瀬
さんの御質問でありますが、私は実は通商産業省に入
つた
ときも、とにかくできるだけ日本の
輸出
品目を殖やしたいというので、私がおる数カ月の間だけでも九十七品目か品目を増加いたししました。なかなか一遍に行きませんので、数回に亘
つて
輸出
品目を増加いたしてもらいましたが、この方針は引続き今も通商産業省に残
つて
おるのでありまして、通商産業省はずつとそういう一貫した方針でや
つて
おると思います。私自身は、これは根本的な解決は両方の国交が整うということを待たなければならんけれども、それまででも双方に必要な物についてはできるだけこれを進めて参りたい、こういう考えを持
つて
おります。但しそれがためによそを刺激することにな
つて
もどうか。例えばこれは例が悪いのですが、イランの石油のような問題ですね、例えばイランの石油が安いので、是非とも日本が大規模に入れたいのですが、あれを入れることによ
つて
イギリスという大きなものを
貿易
関係
に悪影響が来てもいかんものだから、そこに両方の睨み合せで、了解のできる程度で今度も少し入れるようですが、入れつつあるというような
実情
なんでして、私自身は中共に対しても
貿易
をできるだげ進めたいと思
つて
おりますが、まあやはり余り他を刺激して悪感情を起さしてもいかんから、その点徐々に進めて行くよりほかあるまい、こういうふうに考えております。
成瀬幡治
38
○
成瀬幡治
君 例のバトル法の問題ですね、これは西独とかイギリスよりも日本のほうが酷にな
つて
おる、それをあなたが打合せてだんだんそれに近付けて行く、而もこれはアメリカの
国内
法です、だからそういう
方法
があることを了承して……もう
一つ
出血受注的な残
つた
四千万ドルの考え方なんですね、これはやはり今後大きな問題になるので、こういう方針で、物を買うという場合に、調達して行く場合に域外買付けのような場合にどういう方式がとられるか。
小笠原三九郎
39
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 最近においても同様であろうと思いますが、実は出血の問題でやかましいときに、私がマーフイ大使に二回ほど会いました。その問題のために私自身が会
つて
来ました。そのときの向うの考え方としては、決して日本に出血受註を強いる意図は毛頭ない。併しながら日本の側で一回目にその入札をする。そうすると、或る
会社
は、あの入札のときは自分はこうしたけれども、もつと安くやります、こういう文書をよこすというんです。
会社
のほうでですね。そうすると、安く入れるというものをやらんわけに行かん、こういう問題があるので、もう一度入札になる場合この問題が起
つて
来る。そこで出血には、むしろ日本側のほらを止めてもらわなければ困るということを言われたことが実はあるんです。日本側についても、武器等製造法、あれが通ると初めて権限を持
つて
できたのですが、通らん中でしたので、権限を持
つて
はやり得なか
つたの
ですけれども、向うのほうの考え方は、別に出血受註をさす意図は毛頭持
つて
いなか
つた
。これは日本の無用の競争からああいうことが起
つて
来たので、武器等製造法が
通り
ましたから、今後は……、今はないと私は思
つて
おります。百四十四億円、今度の四千万ドル相当額の分が残
つて
おりますが、これは主として日本
国内
でのものに使うものもありましようが、やはり仏印とか、或いは朝鮮その他のものもございましよう。朝鮮は主として余り見ておりませんが、そのほか各国に対するものがあると思います。そういう兵器、武器を製造する、而もそれを
輸出
するというふうに向うが考えておりまして、この域外買付の
一つ
で買うということを申しておりますから、その場合にも、今お話したように出血受註にな
つて
は何にもなりませんから、この点は今、武器製造法で通産省でも十分配意してくれたと思いますが、なお私からも一遍よくお話する機会もありますから、申しておざます。
成瀬幡治
40
○
成瀬幡治
君 前谷長官にお尋ねしますが、米食率の問題が若干出て来ているわけですね。今後ずつと協定がどのくらい続くか知れませんが、一千万ドルづつ絶えず小麦が入
つて
来るということになるわけですが、大きくあなたのほうが、今、食管としてどんなふうにや
つて
行こうというような……、これが出て来たわけですから、私はやはり根本的に立て直されるような段階に来ているのじやないかと思いますので、どんなふうにお考えにな
つて
いるのか、承りたいと思います。
前谷重夫
41
○
政府委員
(前谷重夫君) 二十九米穀年度につきましては、本
予算
に計上いたしておりまするように、米の現行配給量を維持して参りたいと思います。それから、それに伴います必要量を米麦共に
輸入
いたしているわけでございますが、二十九年産米、つまり三十米穀年度につきましては、この食糧管理制度の点につきまして改善を要する点は改善いたしたい、こういう考え方を以ちまして、只今いろいろ検討をいたしているわけでございまして、これは三十米穀年度におきまする米食率の問題は、まあ二十九年産米の作柄の問題もありまするし、それから又、その後における消費の実態、だんだん麦の消費が増大をいたしておりますが、まあそういう消費の実態等も合ぜまして、いろいろ米麦を合せました露給
計画
を立てて参りたいというふうに考えている次第でございまして、三十年度におきまする食糧管理の改善についてはまだ結論を得ておらない状態でございます。
成瀬幡治
42
○
成瀬幡治
君 いつ麦類の二重税制を外すというような考え方はあるわけですか。
前谷重夫
43
○
政府委員
(前谷重夫君) 現在の主食の状態は、御承知のように、今、米で半月、麦で半月、こういうふうな形で進めて参
つて
おりますので、現在麦はいわゆる間接
統制
の方式をと
つて
おります。この間接
統制
の方式は、やはり生産者に対する一種の価格の安定、又消費者に対する価格の安定、この両面を考えて参らなければならない点と考えておりますので、我々といたしましては、この麦の現行の方式を変えるという意思はございません。
藤野繁雄
44
○藤野繁雄君 この小麦の
輸入
ですね、最初
外貨
で百九十六万二千トンの
輸入
をするというような際に、国際小麦協定で百万トン、アルゼンチンから三十万トン、カナダから残りというようなことにな
つて
お
つた
ように聞いているのでありますが、今度の五千万ドルのMSAの
関係
で小麦を
輸入
されるということにな
つた
ならば、この
関係
では幾らか違うのじやございませんか。
前谷重夫
45
○
政府委員
(前谷重夫君) お答え申上げますが、只今の藤野さんのお話のように、百九十六万トンのうち、MSAで百万トン、アルゼンチンで三十万トン、残りの六十六万トンがアメリカ、カナダからの自由買付の予定でお
つたの
でありまして、この自由買付の分を、MSAの五十万トン、その分に振替える、かように考えております。
藤野繁雄
46
○藤野繁雄君 そうすると、国際小麦協定で買うのは百万トン、その他の六十六万三千トンのうち、五十万トンが今度のMSAで買うということになるのでございますか。
前谷重夫
47
○
政府委員
(前谷重夫君) さようでございます。
藤野繁雄
48
○藤野繁雄君 そうすると、国際小麦協定で買うとするならば、国際小麦協定は、大体
輸出
する国は、オーストラリアであるとか、カナダであるとか、フランスであるとかというようなものがありますが、そういうふうな
関係
はどういうふうになりますか。
前谷重夫
49
○
政府委員
(前谷重夫君) 国際小麦協定におきます
輸出
国は、御指摘のようにアメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス、まあこういう形にな
つて
いるわけでございます。フランスの場合におきましては、これは欧州でございまするので、全然従来ともに我が国がこれから買付をいたしておることはないわけでございます。問題はオーストラリアから買えるかどうかということでございまするが、従来オーストラリアにつきましては、イギリスとの
関係
もございまして、小麦の状態が窮屈な時代、又現在におきましてもこれら買うという考え方もございませんし、又非常に買うこと自体も困難であると思います。ただ大麦につきましては従来からオーストラリアから買付をいたしております。
藤野繁雄
50
○藤野繁雄君 そうすると、国際小麦協定で買う値段と、MSAで買う値段と、アルゼンチンから買うところの値段の差がありますか。
前谷重夫
51
○
政府委員
(前谷重夫君) MSAの場合におきましては、アメリカでございますが、アメリカの場合におきましては国際小麦協定と同様な価格で買付をなし得るわけでございます。アルゼンチンにつきましては、これはアルゼンチンのその国の
貿易
操作の面、レートの操作の面といたしまして、一般国際市価よりも幾分高目にな
つて
おりまするが、最近だんだん国際市価にサヤ寄せしつつあるように考えております。それでアメリカとカナダとの
関係
におきましては、最近の状態におきましては幾分カナダが高くな
つて
いるようでございますが、従来はカナダがアメリカよりも安か
つた
、アメリカはカナダの
輸出
価格を見合いまして
輸出
価格をきめております。現在におきましては殆んど大体同等と、こういうふうに考えている次第でございます。
藤野繁雄
52
○藤野繁雄君 このMSAの問題、いろいろなことで小麦が入
つて
来るということで、安いものが入
つて
来るということは誠に喜ばしいことであるが、そのために日本の農業が圧迫されるというようなことはないでしようか。
大蔵大臣
どうお考えですか。
小笠原三九郎
53
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 私はさようには実は考えておりませんが、ただ若し日本が必要とする以上の数量を入れるようなことが起りますれば、これはいろいろつまりそうい
つた
多少政策的なものが若し織込まれますると、そうでございますが、極く少量の所要量を入れまする限りはさような心配はございません。ただこういうことはございましよう。今度国際的に安くな
つて
来るときに、その国際的な安さから若干やはり日本の麦を作られる方々も影響を受けるということは、これは免れ難いんじやないかと思います。
藤野繁雄
54
○藤野繁雄君 そうすると、最近の麦の値段の
政府
が決定しようというところは、昨年のパリテイは一一三、本年五月の推定指数は一二〇と、こうな
つて
来るでしよう。そうすると、一一三が一二〇になれば、当然。パリテイから行けば値段が上
つて
来なくちやならない。然るに新聞紙や何かの報ずるところによれば、どうも指数が上
つた
だけ上らないというようなことにな
つて
来そうな話であ
つた
が、これはこういうふうな小麦が入
つて
来て日本の農業を圧迫するというようなことになりはしないですか。
小笠原三九郎
55
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) この値段の問題は、実は農林省とも打合せ中でございまして、最終の結論に入
つて
おりません。ただ藤野さん御承知の、
法律
そのものから見ますと、下ることを得ないと書いてありまするから、
法律
の解釈で見ればそうである。併し何か又特殊の解釈をするような人もあるし、しますけれども、この点は十分
一つ
農林省とも打合せをいたしまして、これは農民各位の御納得ということも極めて必要でございまするから、や
つて
みたいと思
つて
おります。
藤野繁雄
56
○藤野繁雄君 日本には、日本の食糧として小麦を絶対的に増産しなくちやならないというようなことで、
外国
の小麦を当てにするわけに行かないということからいたしまして、
政府
は小麦増産の根本方針を決定した。そうして麦の増産のためには、各府県に小麦担当官を置いたり、農業倉庫のうちで、普通の農業倉庫だ
つた
らば米のみの倉庫であ
つた
から、畑地の農業倉庫はできないから、畑地の農業倉庫を奨励するために小麦倉庫というようなものを作らせて日本全国にや
つた
。そういうようなことで、過去においては、小麦には小麦担当の奨励官を置き、小麦を保管するところの倉庫を作り、そうして絶対的に小麦というものは奨励しなくちやできないんだというようなことでや
つた
結果、日本の小麦というものは非常な勢いで増産にな
つて
来た。今度
外国
から安い小麦が入
つて
来ることになれば、日本の小麦を圧迫するというようなことにな
つて
来やしないか。将来におけるところの日本の小麦増産に対する奨励方針はどういうふうにお考えにな
つて
おるか。
小笠原三九郎
57
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) これはよく農林省のほうともお打合せ申上げてきめなければならん問題でありますが、ただ私は思うのに、一時非常に世界的に安くな
つて
来たときに、それのみで日本の政策を変えて行くということは、これは非常に危険であ
つて
、これは今、藤野さんお話のように、日本が米のみで行けない、どうしても小麦その他を必要とする国柄に置かれておるのでありますから、そこに或る程度のつまり恒久的な対策が必要であることは申すまでもありません。従
つて
一時的にまあ世界の小麦がずつとこれは何年もく安くて世界的な水準が下
つて
おれば、これは継続的にそうな
つて
行けば別でありますけれども、ただそこでちよつと安くな
つた
からとい
つて
、直ちにその影響を受けるようなことになりましたならば、これは日本の置かれておる食糧事情から見て非常な危険なことでありますので、このことはじつくり考えたいと私は思
つて
おります。
藤野繁雄
58
○藤野繁雄君 とにかく日本では畑地が多いんだから、畑地のためにはどうした
つて
麦作をやらなくちやできない、こういうふうなことからいえば、この小麦が入
つて
来たからというようなことで麦作の奨励を疎んずるようなことであ
つて
は、私は日本の食糧問題を根本的に破壊するようなことになりはしないか、こういう心配をしますから、そういうふうなことのないように、
一つ
十分の注意をして、こういうふうな食糧の
輸入
については御検討を願いたいと思います。
小笠原三九郎
59
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 承知しました。
堀木鎌三
60
○堀木鎌三君 私、大体経済
援助
の
内容
については
予算
のとき質問しまして、御答弁が不十分でしたが、もう重ねてしようとは思いませんが、特別会計を設置なさる以上は、一体何年くらいこれが続くおつもりでいられるのですか。
小笠原三九郎
61
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 何年というふうに実は目安を持
つた
わけでけございませんけれども、少くともここ数カ年間は続いて参るということは間違いないことと存じておるのであります。
堀木鎌三
62
○堀木鎌三君 そうすると、
大蔵大臣
にお伺いいたしますが、この特別会計が数年続くということは、MSAに上る
援助
が数年間続くというお見込みに立たなくちや言えないことだと思うんですが、その点は
内閣
は責任を持
つて
言えるのでしようか。
小笠原三九郎
63
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 責任を持
つて
と仰ぜになると、或いは私の立場でそういうことを申上げることは差控えたほうがいいかと思いますが、併し私どもは、少くとも明年も、
金額
その他についてはこれは別でありますが、同じようなことは行けると私ども考えておるのであります。ただ併し
金額
その他がどういうふうになりますかこれはわかりませんが、いずれにしましても、仮に三十六億円だけを見ましても、この分は主として商業的採算の下に開発銀行をして貸出させるのが主でありまするから、やはりその点についてはこれだけでも残
つて
行かなければならんものでありまするし、又、設備資金でありまするが回収はそう急いでも回収できるものでもございませんので、ただ私は同じようなMSAの
援助
が何年間続くかということが堀木さんのお尋ねの点だろうと思いますが、これはちよつと私がお答えすることは今のところどうかと、こう「思われます。ただ私の心持をいえば、なお数年続くような気がいたします。
堀木鎌三
64
○堀木鎌三君 どうも
大蔵大臣
、この頃の
大臣
の御
説明
は、どこまで信頼していいのかわからなくな
つて
来る、政治のよりどころがなくな
つて
来るのですが、ともかくもこれは条約に基いてできたものであるから、これはもろ当然設置する義務を条約で負
つて
いるのです。では
大蔵大臣
としては一年間がいいか、二年間がいいか、ともかく特別会計設置は大蔵省としては好ましくないのでしよう。そうして又収支の
関係
を
整理
することは、特別会計を設置しなくてもできる
方法
は技術的にはあります。御存じがなければ教えて差上げても一向差支えない。ともかくも特別会計を設置することが条約によ
つて
義務付けられているときに、
大蔵大臣
としては、特別会計を設置する
理由
、即ち、それが或る程度の恒常性を持
つた
ものでなければ特別会計を御設置なさるはずはない、こう私は思うんですが、従
つて
、その点については
大蔵大臣
として向うと御交渉なり御相談があ
つて
然るべきものである、こう思うのですが、如何でございましようか。
小笠原三九郎
65
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) あ
つて
然るべきものと仰せになりますが、それはその
通り
に私は思いますが、併し私は実は交渉はいたしておりません。交渉いたしておりませんが、併しまあ外務
大臣
が交渉に当
つて
おるので、私どもはこの協約に基いてこういう特別会計を作ることが必要であるというところから作
つたの
でありますが、勿論、私は、先ほども申した
通り
、私の心持としてはなお続くものというふうに思い、又その了解の下にや
つて
おるのでありますが、あなたは、まあ堀木さん別に僕をいじめるつもりではないんですが、責任を持
つて
何年間続くか答弁しろとおつしやると、これは私の立場からは避けたほうがいい、その辺は御返事があいまいにな
つた
ようで申訳ありませんが、これは外務
大臣
からでも
一つ
、事、外交に関することですから、或いは副総理でも
内閣
を代表してお話をして、そういうことでなければ、私は出過ぎてもいけないと思いますから……。
堀木鎌三
66
○堀木鎌三君 これはそうおつしやると今日上らなくな
つて
来るんですが、それで、外務
大臣
が交渉しておるときに
大蔵大臣
知らん顔をして見ているわけがないはずなんだし、外務
大臣
が又こんな特別会計を作るか作らないかについて、この頃外務
大臣
は余ほど常識がないからわかりませんけれども、少し会計のことがわか
つて
おれば、特別会計を作る以上は、或る程度の、その点は素人の外務
大臣
といえども、財政に暗い外務
大臣
といえども、私は当然念を押すべきものだと思うんです。そういう点が、特別会計を設置するが、まあそれは何も数年続くか続かんかということはお取消になれば一向差支えございませんが、少くとも一年や二年限りという
意味
でないというお見込でなければ交渉に入るわけはないと、こう思うんですよ。それは
予算
のときに実はお聞きしようかと思
つた
んだが、時間切れで聞けなか
つた
し、又実体的なものが非常に不十分だ
つた
んです。そこまで行かなか
つた
んですが……。
小笠原三九郎
67
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 今の堀木さんの仰せの
趣旨
はよくわかりますが、理屈だけちよつと言わして頂けば、この特別会計は一年だけでも作ればこれは作れるんです。それで最初からお断わりしておるように、理屈だげ言わして頂けばそういうことですが、併しながら私は理屈だけ申上げる
意味
ではないので、そこで私どもも今申上げておるように、数年続くという考えの下に、こういう特定の歳入があるものと考えておりますけれども、併しながら、責任を持
つて
何年続くかと、こう仰せになりますと、どうも私の立場で御返事をすることはどうかと思
つた
から、それで私は、更に」外務
大臣
がおりましようから、話をし合
つて
、来年の見込は一応私どもほぼついておるけれども、再来年の見込ということになると、まだ全然話合
つた
ことはございません。それ、だから私は少し理屈を言わして頂けばという一言を付けておいたわけです。
堀木鎌三
68
○堀木鎌三君 もらうものならもら
つて
しまえという気の軽い話は別にしまして、それから特別会計設置についての
法律
的な形式論なら、これは私、承わらなくても知
つて
おる。併し、と同時に、大蔵省として、そう特別会計を勝手に作
つて
行くことが財政
処理
の上にいい方式でないことは財政法上確かです。三十年度は確かにあるということが言える。それでは爾後期待が持てるんだ、こういうことは言える、こういうことなんでしようね。
小笠原三九郎
69
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) これはMSAというものができてからのよその国に対する実例等から見まして、爾後も期待ができるように存じますけども、併し正確な答弁はやはりちよつとこれは外務
大臣
にしてもら
つた
ほうが誤まりがないと存じます。
堀木鎌三
70
○堀木鎌三君 今おつしやる御
説明
といよいよ疑いになるんですが、アメリカ
政府
は、軍事
援助
、経済
援助
、殊に経済
援助
です。アイゼンハワー
政府
としては、
外国
援助
は成るべくやめて行きたい、軍事
援助
すら減らして行きたい、こういうのが全体の趨勢だと思うんです。だから私は意地悪く責めておるんじやないんです。アメリカ
政府
の基本的方金がそこに嵐そのに、例外的にこういうものが起
つて
来た。
金額
は極く僅かで、予期したものと比べれば問題にならないと思いますが、そういう問題から見ますと、どうも今の共和党の
政府
の方針としてそういうことが期待できるかという大きな考え方からお聞きしておるんで、単純に
大蔵大臣
の御答弁を困らせるつもりはない。そういうほうが、今おつしや
つた
ように諸
外国
に対するMSAの
援助
から見て相当続くだろうとおつしやることは、今まで出していたMSAのアメリカの
政府
の方針というものはよほど消極的にだんだんな
つて
来てるということは明らかなんです。だからその点からお聞きしておるわけなんです。
小笠原三九郎
71
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) それはだんだんと消極的にな
つて
行くという堀木さんのお話は、私もよくそういうふうに了承しております。と言いますのは、これは私どもがいろいろ話をしましたときも、向うのほうとしては、これはアメリカ側は、今日のごとき高い租税をと
つて
おるときに、どうしてもこの税を少しでも安くするためには先ず以て歳出を減じなければならんが、歳出を減ずるときに
国内
的な費用とい書の挾ろくな
関係
があ
つて
なかなか減じにくい、どうしても対外
援助
というものに向いやすいということを、これはドツジ氏と話したときにドツジ氏も言
つて
おりました。どうしても対外
援助
というものに向いやすい。従
つて
どこの国でも議会政治だとそうだが、
国内
のものはなかなか削りにくい、だから対外
援助
は漸次少くな
つて
行くものという考えは持
つて
もらいたいということを言
つて
おりましたが、少くなるということは、なくなるという
意味
じやございませんので、漸次私は少くなるとは思いますけれども、ですから先ほど堀木さんのお尋ねに、
金額
のことは申されません、併しながらまだ続くものと私は思
つて
おると申したのはそういう
意味
で、実は
金額
のことは来年はどうだとおつしやると又困ると思
つた
から言
つたの
でございますが、続くことは続くと私は思
つて
おります。
大矢半次郎
72
○
委員長
(
大矢半次郎
君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
大矢半次郎
73
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 速記をつけて下さい。
堀木鎌三
74
○堀木鎌三君 もう
一つ
伺いたいのですが、対日
援助
の例の見返
資金特別会計
の問題ですがね。それについて最近正式に御交渉を開始なさる意向でございますか、その点ははつきりしておきたい。
小笠原三九郎
75
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) このいわゆるイロアとかガリオアというあの分につきましての交渉は、明十一日から正式に向にと交渉することにな
つて
おりますが、正式と申しましても、実はまあ
事務
的に話合うことが最初であります。これは御質問ないかも知れませんが、ちよつと申上げておきまする、実は
金額
はなかなか一致いたしません。それで、そのことについては相当今調べてもおりますけれども、今後とも或る程度
金額
に対する双方の一致点を見出すことが相当骨が折れるだろう思います。と言いますのは、見返
資金特別会計
に入
つて
からはつきりしておるのです、日本のほうは……。それ以前の分につきましては、通商産業省のところに残がありますけれども、帳面は向うが一方的につけてお
つた
んです。従
つて
十分にわかりかねる点があります。それから、まあ、いつぞや衆議院のほうで河野議員が四千数百万円の問題を出しましたが、ああい
つた
ような問題等もありますし、それから全部これは払うべきものかどうかという、一応計上されても、これは何と言いますか、払うべきうちへ入れるものかどうかという問題については、相当詮索を要するものがあると思います。そんなこと等で、私は相当日にちがかかるのじやないかと思
つて
おります、この問題は……。
堀木鎌三
76
○堀木鎌三君 それで無論、外交交渉によることですから、今秘密に亘ることをお聞きしようとは思
つて
いないんだが、一応その点で、例えばガリオアについては向うが譲歩し得るのかどうか、或いはドイツのように、三分の一とか、考える方向で行くのか、いろいろ行き方はあるだろうと思うんです。まあ今困るとおつしやれば答弁は要りませんが、これは外交交渉は当然外務
大臣
がやるんだ。やるんですが、
大蔵大臣
としては重大なる責任を持
つて
おるわけなんだから、そういう点について
大蔵大臣
はどういうような
方法
で物を解決して行こうと思
つて
いられるのか、差支えがない程度に言
つて
もら
つた
らと思います。
小笠原三九郎
77
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) これはまだどうも、私どももこれから交渉に入る、明十一日から交渉に入るというだけでして、物をまだ
関係
各省が集
つて
きめてはおりません。従
つて
はつきり申上げることは時期的にどうかと思いますが、まあ私の一応の考え方、だけを申上げますれば、先ずどうしても向うの基礎になるのは、西ドイツに対する分が基礎になるんじやないかと思われます。ところが西ドイツに対する分でも、相当
金額
を、一応出た数字のうちから、こういうものは控除すべきものだとして控除している分があります。ちよつと例を挙げますと、例えば日本で言えば、子供に給食しました。あのときはギフトだとはつきり言
つて
おるんです。そうして、そういうものが一応出ておりますが、そういうふうな控除は大分あると思います。そういうようなものを控除する等で或る程度の
金額
は出ましよう、いろいろなものをや
つて
……、出て来集した場合に、やはり日本は西ドイツで受けましたものと
内容
その他においても少し違うんですね。従
つて
これらの点を十分よく了解に努めてもらうように私どもも資料を整えようと思
つて
おりますが、そういうことによりまして、できるだけ日本の今日置かれておる立場から言えば少い
金額
にしてもらいたい、かように実は考えておる。又アメリカ側も無理に日本からどうこうしようという考えは毛頭持
つて
いないようでございまするから、できますだけ、
説明
のつく程度で、西ドイツよりも、まあむしろ緩やかに見てもらうのが私は当然じやないかというふうに考えておる。そういう点から実は私ども今資料を整えるつもりでおります。そんなこと以上には、ちよつと今のところ申上げる段階には行
つて
おりません。
堀木鎌三
78
○堀木鎌三君 余り時間をとらせては悪いから、私、御注文をいたしておきますが、外交交渉だからと言
つて
、吉田
内閣
はぎりぎり結着のところまで行つちや
つて
から議会に話をするのが通例ですが、そこで対日
援助
の問題をどう
処理
するかということは国民的関心事だと思うのです。で、交渉の途中においても適当な段階において一応御
報告
なざるように、
大蔵大臣
としては特に御注意願いたいと、こういうことを特にお願いしておきます。御了承願えますか。
小笠原三九郎
79
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 承知いたしました。外務省等と相談の上、差支えないところは、これは皆さんの御船得を得なければやれる問題でございませんので、できるだけさよういたしたいと存じております。
菊川孝夫
80
○菊川孝夫君 このMSA
援助
は、何こ言
つて
も私はもうはつきりとアメリカの陣営について、一応これはどう弁解しようとも、やはりソヴィエト、中共等の共産陣営を相手方に見ているということだけは言えると思う。それはまだ敵国とまで表現するにはどうかと思うが、そう見ておる
援助
の受入れだと思います。従いまして、見方によ
つて
はこれは日独伊防共協定を結んだ、あのときにまあ国論も相当沸騰したわけでありますが、あれと大体同じような状態にならんかもわからん、なるかも知れんという危険を含んでいると思います。そういう角度から、
一つ
この特別会計を設置するに当
つて
も、そういう背景があるということの前提に立
つて
お尋ねしたいと思うんでずが、そこでMSA
援助
MSA
援助
と言
つて
鳴物入りで盛ん
政府
のほうでもいろいろと宣伝もされ、又我々も論議をや
つて
来たんですが、このMSA
援助
を受けて日本にどういういい影響をもたらすものであるか、こういう点と、それから悪い影響もあるだろうと思う。いいことばかりじやないと思う、何でも。従
つて
悪い影響、これを経済的な面から、特に
大蔵大臣
が財政経済の担当
大臣
として経済的な面から見て、いい影響はこういういい影響をもたらすんだ、三年先にはこうなるとか、或いは二年先にはこうなるんだというような一応の見通しもあるだろう。併し又悪い面はこういう影響を及ぼして来るんだ、これだけは国民も覚悟しておいてもらわなければならん、こういう点を
一つ
御
説明
を願いたい。
小笠原三九郎
81
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) このMSA全体についてどういう
援助
が日本に来るかという問題が、これがその点において非常に岐れ目になると思います。例えば今後の五千万ドルというような分については、これは食糧で来るのでありまして、これははつきりしております。つまり日本がどうしても百九十数万トンの小麦を入れなきやならんときに、とにかく国際市価でドルで買える。向うがドルでや
つて
くれて、そして日本の円で買える。日本の立場から円で買えるというような、ですからこの点は利益になることはよくわかりますし、又そのうちの一千万ドルについては向うがグランドでこちらへくれるのでありまして、それが日本の広い
意味
から言えば経済界の、当初は兵器中心でありまするけれども、広い
意味
から言えば日本の工業力なり
経済力
なりの助けになると、こういうふうに考えられまするし、残りの四千万ドル、御承知の百四十四億円は
日本銀行
の中のアメリカの特別勘定において、日本で物を買
つた
り使
つた
りするものだと、こう言
つて
おるのでありますから、これ又日本の経済の助けになることは、これは争えないと思います。 但しMSAはそれだけにとどまらんことは、これは菊川さん御承知の
通り
でありまして、例えばそれが来るときに完成兵器その他のもので入
つて
来ると、それらの影響は、それは買わなきやならん、どうせ日本が作らなければならんものだから、作らんだけ得ではないか。果してそういう見方のみがし得るかどうか、私はそんなに簡単な見方をしないつもりでありますが、こういう
中身
によ
つて
は大変違
つて
来るのじやないかと思われますが、併し日本といたしましてはいずれにしても今の、これは少し菊川さん、立場が違うので困るのだけれども、私どものほうは
防衛
力を増加して行かなきやならんという建前をと
つて
おる。そのときに少くとも日本の兵器産業なんというものがそれで強化されることになる。或いは又半製品で来るにいたしましても、それが日本で買わないで済むというような工合になれば、それだけいわば国費を減ずることにもなるというよろな点もありまして、この点は私は経済的に有利だと思いますが、併しどんなものでも有利だけという一面はございませんので、その半面これに対する義務というものもございますからね。こういう点から見てどれは大所高所から見たときにどうであろうか。経済なり財政なりの面から見れば、これはたしか有利な点は争いがたいと思いますけれども、但しやり方が下手で、例えばそれが二重投資にな
つた
り、或いは将来の生産過剰を生むことにな
つて
、それが日本経済を或る程度傷付けるようなことにでもなれば、これはいけませんから、十分な注意もいたしますけれども、さもなければこれは経済的には私は有利だと見ております。ただMSA全体が多少の義務の付いておることは御承知の
通り
でありまするので、この点から見ましての意見になると、これは私はMSAに参加することを是なりと確信いたしておりますけれども、いろいろ御意見もあろうかと実は思
つて
おるのであります。
菊川孝夫
82
○菊川孝夫君 私は
大蔵大臣
の言われました経済的にはいい影響をもたらす、これはどういうふうに言えということになると、具体的には今御
説明
がございませんけども、なかなか具体的には言えないと思うのだが、そこで一体アメリカという国が、どこの国でもだと思いまするけれども、慈善事業として
援助
をしてくれる、慈善的に
援助
をしてくれるという場合には、これは殆んどもらい得だと思います。洪水或いは天災その他のときに慈善事業団体或いは国の本当の救済の
意味
で
援助
をするやつは、これはもらい得だということも言えるのだが、あなたの言われる、後には義務が付いている。これは
援助
には必ず義務が付いているということをお認めになる以上、特に向うのほうでは相当大きな義務を、私はこれは条約上とか法文の上には現われておらないけれども、相当この義務というものを期待しているんだと思うのだ。そうでない限りアメリカという国が国の
予算
でこれだけの
援助
を与えるのに全然そろばんを弾かずに
援助
をしつこはないと思うのですよ。そこをやつぱり見抜いてかからんことには……。僕らは青年時代に、丁度今の
国会
の長老連中から教えられたのは、キリスト教の宣教師自体さえ警戒しなきやいかんとい
つて
教えられて来た。そういう教育を受げて来た。アメリカの宣教師、イギリスの宣教師なんというものは警戒しなきやならん、教会へも行つちやいかんという教育を長老連中から受けて来た。そういう長老連中が
国会
へ復帰されて、アメリカの
援助
は結構なものだと言
つて
いられるものですから、どうも我々はとにかく一遍裏を返して見なきやならん、こういうふうに考えるからお尋ねするのでありますが、例えば軍需品を完成兵器でもらいましても、軍需品ほど消耗それから進歩の甚だしいものは私はないと思います。武器はそれから又或る程度蓄積をしておかなきやならん。一旦一渡りだけ小銃をもら
つた
つて
これはこしらえとかなきやならん。いよいよ
防衛
力を増強しなきやならん、こう言われる前提に立
つて
おるのだが、
防衛
力が必要なときにな
つて
からアメリカから送
つて
もら
つて
、太平洋を渡
つて
鉄砲の弾を補給してもら
つた
つて
間に合いません。或る程度の、三月分なり四月分なりは若しもの場合には耐えられるように、一月でもいいが、蓄積しなきやならんと思うのですね、そういう蓄積分までも来るものか。蓄積が来ないということになれば、日本の、今度はMSA
援助
で以て或る程度の耐える軍需産業というものを実はこれから起して行かなきやならんと、こう思うのですがね。そういうことをこれには含んでおるから、そういうことも考えてあなたがた三十六億を
一つ
これから投資されよう、こういうふうに考えておるのですか。
小笠原三九郎
83
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 菊川さん、三十六億だけの問題ならこれは小さな問題で、実際言
つた
らそう貯えておくほどのことでもないし、恐らくはこれだけの問題であれば、あなたも御心配になるほどの問題もなく、私も大いに経済の助けになりますと自慢するほどの問題でもないように思う。勿論経済の助げになります。三十六億を無視する意思は毛頭ございません。のみならず更に百四十四億という別のものが日本で使い、又日本で物を買
つて
行くというのでありますから、大きな
効果
があることは疑いありません。疑いありませんが、併し日本が或る程度の武器を持たなければならんときに向うがくれる。くれる物が絶えず日進月歩で変
つて
行く。変
つて
行くとすれば、もら
つて
も今のところそれだけじやすぐに役に立たん。くれる間はもら
つて
行くわけです。これがいつまで続くか、その点もよくわかりませんが、併しその完成兵器というものが、例えば日本でそれができ得るような、或る程度例えば修理でも、飛行機のようなむのでありますればできますのは当分け修理でしようが、今の日本の産業状態から見ますれば、今各種の工業がそこまで進んでおりません。ああいう
一つ
の総合工になるとなかなかなかあらゆる産業がそこまで進んでなければそう行きせんから、そうなるとなかなかこれはもう少し
内容
が具体的にな
つて
来ませんとはつきりいたしません。 五千万ドルだけの問題については一応これは私どもの意見も申述べますが、
あと
の問題はどういうようなものがどう来るか、これが保安庁としてはどういうふうに役立
つて
行くかというような問題等も非常にからんで来ますので、もう少し
内容
がわか
つて
からこれは御答弁さして頂きたいと思います。これはこの問題は五千万ドル、特に一千万ドル以外の問題は直接この特別会計にも
関係
がございませんので、又何かのときに、どうせ
国会
があるのですから、いろいろ私どもでなくて、保安庁その他からもお聞き願うことがいいのじやないかと思いますね。
菊川孝夫
84
○菊川孝夫君 あなたは直接
関係
はないとおつしやるがね、これは
一つ
こしらえてしまいますと、これに応じてだんだんと殖えて行くのですよ、軍需産業というものは。だから三十六億を
一つ
の誘い水として見ると、これだけでは足らん。だからもう少し拡大しよう。これはどこの軍隊でもよそから借り物の武器を以て本当にしつかりやれる……、歴史的に考えても、大体武器をもら
つて
いて勇敢な戦いができたという歴史はない。それで勝
つた
という歴史があ
つた
ら教えてもらいたい。
援助
してもら
つて
それで以て大勝利を得たなんていうことは先ず先ずないと思う。だからこういうものを誘い水としてこしらえて行くと、やがてはこういう特別会計を設けて貸して行くと、又、こういうふうにしなければならん、こういうふうに工場を作らなければならん、これは融資その他でや
つて
行かなければならんという要求がだんだんと次々と殖えて行くと、こう思うのです。特別会計を設置するに当
つて
十分これらの見通しもあなたはお持ちにな
つて
、これだけや
つた
らそのうちに何とかなるだろうというのでは心細いと思う。これは誘い水にするか、これ以上やるという見通しを立てなければならない。産業というものはそういう簡単なものではない。戦前、戦争中我々は十分その目で見て来て体験して来たところだと思うので、これを特別会計を設置するに当
つて
それくらいの、ここ一両年くらいの見通しが立たんのか、これを
大蔵大臣
にお伺いするのは当然だと思う。
小笠原三九郎
85
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 従
つて
私が今申上げたのは、この三十六億円と
あと
の百四十四億円についてのお話を申上げたのでございますが、併し私はこれはこの特別会計は実は条約の上で、ああいうふうに承認を得た条約の上でこういう特別会計を作るということを約束されておるのでありますから特別会計を作るのですが、この特別会計を作るに当
つて
将来のずつと先々までどういうふうな見込かというお尋ねがありますれば、同じことは三十年度も起ると思います。
金額
のことはわかりません、わかりませんが起ると思います。そのくらいのところまでは大した問題ではないが、だんだんとあなたがおつしやるように多くな
つて
行くときには、これは
国会
において特別会計にいきなり関与する……、何もこれで又幾らでも調べる工夫もつくのですから、御
審議
を願うときにやればいいので、私ども日本のような国が最初からこの国防についても
防衛
についても、そういう話が出ておるのですから、日本の経済の力に余るということはしないということを吉田総理もたびたび申しており、又私どもはたびたびアメリカに対しても私直接にもいたしておるのでありまして、従
つて
日本の
経済力
を超した
防衛
の生産等も起るはずもなし、又自衛力の整備も行われるはずもないと実は私は考えておる。従
つて
大きくな
つた
ときにどうかということは、もう少し先へ行
つて
からお互いが十分
審議
したらいいのじやないか、こう思うのです。
菊川孝夫
86
○菊川孝夫君 併し、これはまあ議論になるからこれでおきますけれども、先へ行
つた
らというそういう見通しのないことでずるくに……、満州事変だ
つて
初め始ま
つた
ときには大東亜戦争になろうとは誰も思
つて
いなか
つた
。満州くらいで勝つつもりだ
つた
が、支那事変になり大東亜戦争にな
つて
しま
つたの
だから、出発点が大事だと思う。どの辺くらいなところで限度を守るというような点がなければならんと思う。ただ今の自衛力にいたしましても、まあ憲法との
関係
もございますけれども、自衛力増強だ自衛力増強だと言
つて
おりながら、だんだん殖えて行
つて
既成事実ができて行く。そうすると軍というものが強くな
つて
行くと、
予算
も殖えるし、そうすると
大蔵大臣
として、これは戦前、戦争中大蔵省の今の若い局長連中は丁度その辺は
事務
官連中だ
つた
と思うのでありますが、その大蔵省の
予算
折衝の一番難点がやつぱり軍との折衝だ
つた
と私は思う。これをどう調整して行くかということで一番悩んで来たと思う。みんなそれぞれ努力をされて来たと思いますが、これは殖えて来ると必ず民政との間の調整というものが一番大きな問題にな
つて
来ると思う。
大蔵大臣
がそのくらいの見通しくらいはお持ちになるのが当然だと思いますが、言えないというのならばこのくらいにいたしまして、次の問題に入ります。 これは「経済
援助
」と書いてあるのですがね。経済
援助
という言葉は、本協定の中にはちつとも使
つて
おらないのですがね。日本だけが経済
援助
だ経済
援助
だと言
つて
も、これはごまかしだと思うのですが、経済
措置
だとか、農産物の購入に関する協定だとか、経済
援助
に関する協定という言葉は使
つて
いないのですが、これは経済
援助
資金特別会計
というふうにせられた
理由
を
一つ
わかりやすく御
説明
願いたいのですがね。
小笠原三九郎
87
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) なお先ほどの菊川さんのお話ですがね。実は保安庁の長官も、何年
計画
、それじやどれだげの、まあ陸上部隊をどれだけにするとか、海上部隊をどれだけにするとか、飛行機をどういうふうにするかということまで
計画
は立たんと言
つて
おりまして、実ははつきりしたことは今持ち合わしておりませんので、従
つて
私の答弁もあの程度で御了承願
つたの
であります。 それから今の問題ですがね、今の問題は実はお話の
通り
に協定のほうには「経済的
措置
に関する」とありますが、初めの目頭のころに、冒頭と言
つて
も二、三行行
つた
ところに、前文のところに、「アメリカ合衆国
政府
が、日本国の工業生産及び潜在的
経済力
の発展を
援助
する
目的
で、」と、こういう言葉があ
つた
ものですから、この言葉をこれは大体取入れまして、実はこの言葉を経済
援助
資金特別会計
と、こういうふうにいたした次第でございます、第一条は……。
菊川孝夫
88
○菊川孝夫君 わかりました。然らばこれは如何なる用途に充てるかという点が、これは連合審査の際にもちよつとお尋ねいたしましたけれども、これはもう三十六億をどういうふうにどこの
会社
へ何をこしらえさせるためにまあ融資なり投資なりをされるということになると思うのでありますが、大体わか
つて
いる点だけは御
説明
頂きたい。これもわからん、これから研究するというのでありましたならば、これは……。
小笠原三九郎
89
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 実はこの協定に基いてこの特別会計を作る必要から、特別会計を設置することにして御
審議
を願
つて
おるのでございますか、あれに書いてありまする
通り
、実は三十六億円は主として開発銀行を経て融資をする、貸出をするという考え方であります。それで勿論そのほか
使用
ということもございますし、融資するばかりでなく
使用
することもございまするので、何か
使用
する場合もありますが、これは極めて少額にとどめたい。例えば試験的なことに
使用
する場甘も起
つて
来るかと思いますが、これは極めて少額にとどめたいと考えておるのであります。主として開発銀行を経ての融資をしたい。開発銀行はと申しますと、大体自主的に判断をいたしまして、それで一定の枠内のものの産業に個々の貸出をいたす。枠内のものというその枠はどうしてきめるかと申しますれば、これにきめてありまするように、日本の
国内
で打合せましたものを更にアメリカ側と相談いたしまして、アメリカと双方の合意に基いた枠の中で貸出をする。枠だけは双方で協定いたしますが、具体的にどの
会社
へどう融資するかと、こういうことにつきましては何も向うの同意を得る必要はございません。それで枠は、例えばそれじや火薬に幾ら使おう、或いは大砲とか小銃とかいろいろ作る、弾丸なら弾丸、たまのほろへ幾ら使おう、或いは兵器そのもののほうへ幾ら使おうというふうにいろいろ分れて来るかと思いますが、これについては実はまだきめておりません。それで今打合せをいたしておりますが、大体その枠を
関係
各省のほうで打合せをしておるわけでございまして、一応私どもの根本の考え方としては兵器産業及びその
関連
する産業並びにその基礎産業、こう三つを主として取上げておるのでありますが、この点についてはまだ各省間で意見が実はまとま
つて
おりません。従
つて
まだ先方へも、アメリカ側へも相談する段階に至
つて
おりません。 なお念のために申上げますと、金もまだ、実は全然予定しておるだけでございまして、まだ小麦そのものが入
つて
来ておりませんので、今後入
つて
来ます場合についてできるだけ早く相談いたしたいと思
つて
おるのでありますが、実はまだそういうようなわけで結論に至
つて
おりませんので、それ以上申上げる段階に至
つて
おりません。それで大体から申しましてまあ私どもが商業的採算に基いた融資をする。そしてその融資に基いて二重投資にな
つた
り設備の過剰に陥らざるよう努めて、やはり言い換えまずると、将来は保安庁その他でそういうものが要るというようなものを大体めどに持
つて
行こうというふうに、或いは
外国
等へ多少
輸出
品として出て行く、併しそれもいわゆる域外買付として出て行く、それは百四十四億円、今度のいわゆるMSA
関係
の
意味
の
貸付
でも百四十四億円でございますから、そのほかにもございまするので、そうい
つた
ものを目安におきますけれども、併し
輸出
産業的な考え方をいたしますると、非常に或るときには需要が多くございましようが、或るときには過剰生産に陥る等の虞れもありますので、そうい
つた
点についても十分配慮を加えた上でこの配分方を先方と取極めたい、かようにまあ考えておる次第でございます。
大矢半次郎
90
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止]
大矢半次郎
91
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 速記を付けて下さい。
菊川孝夫
92
○菊川孝夫君 それで本当にお尋ねしておきたいのは、二重投資や設備過剰にならないように注意するとおつしやるので、そこでアメリカはこれをやかましく指示を与えて来るのじやないかと思うのですが、どうせいこうせいという細かいところまで、あなたの今のお話では枠だけきめるだけだ、こうおつしやるけれども、そんな生やさしいものじやないと思うのだが、これは大丈夫ですか、その点は。
小笠原三九郎
93
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) この点は従来の打合せでそういう細かいことは指示を与えない、枠だけきめればよろしいとい、りことにな
つて
おりますし、それから又これには顧問団その他何ら関与いたしませんので、日本の自主的運営に任せておりますから、そういうことはないと存じております。
菊川孝夫
94
○菊川孝夫君 そうするとこの特別会計はわかりやすく言えば日本の軍需産業を復興するために使われる資金である、こういうふうに了解すればよろしうございますか。
小笠原三九郎
95
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) それは第一条にはつきり書いてある
通り
でありまして、やはり工業力その他のもので、必ずしも兵器産業と限
つた
ことじやございませんので、これはそういうただ差向きのところ実際問題はそうであろう、三十六億だけの金ですからそうであろうと思いますけれども、この特別会計の趣意は全然それのみではないことは、これは前から繰返し申上げておる
通り
であります。
菊川孝夫
96
○菊川孝夫君 けれどもこの第一条にはこういうふうにうまく日本の「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強」とい、りものでえらい大きく大上段に振りかぶ
つて
おるものだから、だけれどもお話を聞いてみると、殆んど軍需産業の復興に使われるということははつきりわかると思うあですが、今のところは何に使うかわからない。どこの
会社
に貸すかわからないと言
つて
おるが、端的に言
つて
三十六億ばかりであるから、これは皆軍需産業というか兵器産業のほうに廻
つて
行くと、こういうふうに考えて行かなければならないと思うのですが。
小笠原三九郎
97
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 当初初年度の分は主としてそうであろうと思いますが、まだきま
つて
おりませんから、私どもは基礎産業にももう少し使いたいとい、りことを考えておる。従
つて
私は先ほど申上げた
通り
に主として兵器産業であろうが、併し同時に
関連
産業及び基礎産業にも
計画
しておるという答えをしたのです。
菊川孝夫
98
○菊川孝夫君 アメリカの希望としては、これの
援助
を受ける義務というか、向うの期待というものは、将来は日本の兵器産業は保安隊の兵器くらいは自給自足ができるところまでまあ持
つて
行きたい。その
一つ
の誘い水として今回の
援助
を与えられた。この三十六億の
国内
使用
が認められると、こういうふうな性質のものですかどうか。向うは大体どのくらい……、それは期待があると思うのだ。お前たち勝手にええくらいに使
つて
くれというふうには行かんと思うのですが。
小笠原三九郎
99
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 先方は如何なる場合でも日本の
防衛
力の強化することを希望いたしております。併し
防衛
力強化ということは、ただ兵器を作るとい
つて
もそれに伴う各種の鉄とかそういうものができなければやれないので、例えば飛行機を日本で作るにしても、飛行機工業は各種の工業の総合工業であるということは菊川さん御存じの
通り
のことであります。ただ
一つ
だけではできない。それから今のようなお話でそのまま現わしては害がありますので、私どもはさつき申上げた
通り
主として兵器産業、そうしてそれに
関連
産業、基礎産業にその金は使われるべきものであると、こう考えておるわけであります。
菊川孝夫
100
○菊川孝夫君 次にこの利息ですけれどもね、今のは商業採算ところおつしやるのですが、これはちよつとわかりにくいのですが、年利率どのくらい、年利はどのくらいということはどういうような考えを持
つて
おるのですか。
小笠原三九郎
101
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 開発銀行へ出すのは大体五分五厘という考えを持
つて
おります。併し開発銀行が更に事業
会社
に出すのは開発銀行が自主的にやるので、或いは六分五厘、七分のものもありましよろ。これはわかりませんが、これは向うが自主的にやるのです。
菊川孝夫
102
○菊川孝夫君 これは
成瀬
君聞きましたかな、次に造船の、
計画
造船をめぐ
つて
の又割当の取合いで大分問題にな
つて
おるのですが、これも物凄い、やはりこの三十六億の取合いが始まるのじやないかと思うのですが、今の兵器産業も随分たくさんございます。今倒れかげたような日平産業というのもあれば、それから三菱重工業、いろいろあるが、こう景気が悪くな
つて
来ますと、何としてもやはり保安隊といいますか、保安隊の仕事をや
つて
、
一つ
永続きするものだというような見通しで、これに切換えようというようなものも相当出て来るだろうし、今まではそれはできないので、ミシンを作
つた
り或いは自動車を作
つた
りしてお
つた
ものが、やはり昔取
つた
杵柄で、これが一番いいので、切換えようとするものが出て来るだろうと思うのです。今の日本の各重工業の設備というものは、大体において
戦時
中の軍需
会社
に一旦切換えられて、それが戦後再び民需にそれぞれ止むを得ず切換えられた工場が多いのです。技術者もまだ相山温存されておると思いますから、どうしてもおれのほうもおれのほうもやりたいという希望で、物凄い運動が起きるんじやないかと大体想定されるの外すが、そうすると再びあの轍を踏むような危険が考えられないこともないと思いますが、これらについては相当厳重……この前の問題に懲りておるからして、そういう何らかの機関を設けてそして対処せられる予定でおられる州どうか、それを
一つ
お伺いしておきたい。
小笠原三九郎
103
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 只今のところは開発銀行が貸出をするということにしておりますので、開発銀行の責任で以て貸出をするのでありますから、そういう開発銀行に対しては
政府
のほうで監督いたしておりますので、特別なそういう機関を設けようとは考えておりません。又、今お話の点もあ
つて
、それをみなやりたがる云々というお話もありましたが、やりたがるにしても、武器等製造法というものがございまして、適格者でなければやらせませんから、これは御承知の
通り
認可
することにな
つて
おりますから、従
つて
自由なものとちよつと企業的に違うものがございまして、その点は余り御懸念の点はないのじやないかと私は思
つて
おります。
菊川孝夫
104
○菊川孝夫君 それはやつぱり
認可
をと
つた
ら、この前の造船の融資だ
つて
やはり開発銀行の枠を取るために、割当を取りさえすれば枠がもらえるというのですから、開発銀行が自主的にやるし、
政府
がそれを
統制
しておるのだから、開銀を通してや
つて
お
つた
から問題がないと言うけれどもああいう問題が起きた。この前のものによく似た、より以上の今後割当を一旦もら
つて
、融資を受けて、兵器産業に乗り出すことができるかできんかということで、
あと
続いて来るか来ないかということもあるだろうと思うので、これは血眼にな
つて
大競争になるというように予想されるのです。あなたはそういうふうに思いませんか。
小笠原三九郎
105
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) いや、少しいろいろあなたが色目を似て見られますが、私どもはそういうものじやないと思うのですがね。それであの場合は、
一つ
の船の場合はいろいろなその何があ
つて
、今度開発銀行が自主的にやれば、船の問題も開発銀行自体は何も問題がないのです。開発銀行から先のほうで問題が起
つて
来ておるのであ
つて
、開発銀行の貸出に何ら不正或いは不当なものはないというのでありますから、私どもは将来又そういう弊害が若干起ることがあれば、これは別に考えなければなりませんけれども、今のところそういうことは考えることはないと思
つて
おります。
菊川孝夫
106
○菊川孝夫君 で、どういう
援助
、先ほど堀木さんも尋ねておりましたけれども、何年続くかということですけれども、世界情勢の変化によ
つて
はアメリカの対日政策というものも猫の目のように変るということは、占領軍が最初に来た当時は日本刀、猟銃まで神経質にな
つた
。今度飛行機をこしらえてもいい、機関銃をこしらえてもいい。それについては
援助
をやろう。このくらい四、五年のうちに変
つて
来るのですから、又これはソヴィエトとアメリカとの
関係
でどういうふうに変るかわからんということだけは一応見通しをされておらなければならん。その間に一旦武器の
援助
をもら
つて
これだけ装備もした。而も設備もした。こういうやつを、この情勢の変化にも応じるようにして置かなければ工合が悪いと思うのですけれどもね、そういうことも考えておられますか。
大蔵大臣
、これは大事な問題だと思いますがね。
小笠原三九郎
107
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) その点について先ほど申したことは、いわゆる設備の過剰にならざるように、又二重にならざるようにと申したのはその点であ
つて
、言い換えますと日本におきましても、これもお話のように同様な何かの変化で、いわゆる何の防備も要らんような時代が来ないとも限りませんが、只今のところはさようにも私ども考えておりませんので、やはり日本が自分の自衛隊を以てはまだ現在では何もできんことは御承知の
通り
、従
つて
自衛隊に入用な程度のものをや
つて
行くならば、これは日本の産業構造にもどこにも何ら影響はない。又将来どういうことが起
つて
参
つて
も影響はない、かように考えているのであります。
菊川孝夫
108
○菊川孝夫君 それではあなたの目標としては、今アメリカからもらうような複雑でないような兵器は日本でこしらえるくらいなところまでは持
つて
行きたい、それくらいなもの、だ
つた
ら、日本の
経済力
もだんだん回復するから耐えて行けるから、例えば簡単な機関銃だとか小銃ぐらいなものはもうアメリカからもらわずに、これは完成兵器が来ると言
つて
いるのだから、今も堀木氏が尋ねてあなたから答弁があ
つた
ように、二年ぐらいのことは大体聞いているが、三年、五年先ということはわからんというのです。一旦もら
つて
訓練したものを、
あと
補充せんわけにはいかん、こんなものはすぐなくな
つて
しまう。五年分ぐらい今年に来るわけじやないだろうと思いますが、これらが来ないということにな
つた
ら、保安庁のほうからこれは大蔵省に対して
予算
の要求は当然されるだろうと思う。こういう見通しは今大蔵省はどのくらい持
つて
おられますか、その
関係
を伺いたい。
小笠原三九郎
109
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 保安隊をどうするかという問題についての、この年次
計画
というものがまだできていないことは御承知の
通り
で、どんなにおつしや
つて
も保安庁長官は答えておりません。従いまして私どもも年次
計画
の立たんものに対してどういう見通しをするかとおつしや
つて
も、これはお答えのいたしようがない。併し私どもは例えば現在の少くとも保安隊はこれは必要でございましよう。
昭和
二十九年度は二万ほど増加するだけのものは、最小限度見てもこれは必要でございましよう。従
つて
それらに要するものというものは、これはめどがつきますから、ただ今お話のあるように兵器というものは、武器というものは日進月歩、これはしよつちゆう変るのですから、現在あるものは慣れているからそれを作
つて
お
つて
、間に合うか合わんかというような問題もございますし、今仰せのうちに、簡単なものを作るか、複雑なものを作るかということがありましたが、これは簡単とか複雑とかいうものじやなくて、日本の入用な程度にとどめたいと思うのですけれども、これはもう少しそれらを、何といいますかね、入用とする保安隊のほうの
中身
がはつきりしませんと、将来のことについては言えませんが、現在の三十六億があ
つて
、これをどこへでも使えるものかという程度の問題ならば、これは保安隊でも何もできていないのですから、これは御心配ないと思います。
菊川孝夫
110
○菊川孝夫君 大体それじやわかりましたが、まあ要するに今のところはとにかくMSA
援助
というものをくれるからもら
つて
ちよつとや
つて
みると、併し先については何らまあはつきり言
つて
見通しその他についてはここではわからんと、
国会
でお聞きしてもわからん、
政府
のほうでも方針というものはそんなものは立
つて
いない、とにかくや
つて
行くのだ、こういうふうに了解してよろしうございますか。それ以上はもう知ることはできない、とにかくまあ三十六億を使
つて
、何に使うかもはつきりしないものを、特別会計をこしらえて
一つ
……。併し大体日本の軍需産業を復活させるといいますか、復興させるよろな
目的
に使
つて
、日本の
防衛
力を増強して行くということだけはわか
つて
いるんだが、それ以上のことはわからん。それ以上は
政府
の責仕においてこれからや
つて
行くのだ、まあ
国会
議員はそんなことは知らなくてもよろしい、こういうのが
政府
の態度である、こういうふうに受取るよりしようがない、こういうことでよろしうございますか。
小笠原三九郎
111
○国務
大臣
(小笠原三九郎君)
国会
は側も知らなくてもかまわん、
政府
は
政府
の責任でや
つて
行くの、だという考えは毛頭持
つて
おりません。毛頭持
つて
おりませんけれども、現在のわからん段階では答弁はできない、こういうことを言
つて
いるのでありまして、勿論この金についてはさつき申した
通り
、全然別の方面に使うのではなくて、兵器産業及びその
関連
産業並びに基礎産業に使うということを申上げてお
つて
、方角ははつきりしていると思うのであります。従
つて
私どもはこの将来の問題については将来の
計画
は立たん、はつきり立
つて
おらんときに将来のことを言えとおつしや
つて
もそれはお答えができないというのであ
つて
、
国会
はどうでもかまわんぞという
意味
は毛頭持
つて
おりません。
国会
の御意向を尊重することは勿論であります。従
つて
今後とも又そういう
予算
その他の
措置
でいろいろ御
審議
を願わなければならん問題があるのでございます。併し本年の三十六億はこれで
一つ
お認め願いたい、出しておるものでお認め願いたい、かように存じております。
菊川孝夫
112
○菊川孝夫君 そうすると、それで一応
国会
を通
つた
としまして、大体その
計画
ができて、こういう方針で行くということにな
つた
場合には当然
委員会
なり或いは本会議において
政府
のほうから
説明
があるものと、こういうふうに了解してよろしうございますか。それは又時期はいつ頃にな
つた
ら大体明らかになるのですか。
小笠原三九郎
113
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) これは
一つ
特別会計の
予算
が通
つて
参りますればこれに基いてや
つて
行くのでありまして、これを一々きま
つた
からと言
つて
途中で
報告
するということは、丁度ほかの
予算
でも、一兆円の
予算
を願
つて
おりまするけれども、一々何ら途中で御
報告
いたしておりません。併し必要がある場合にそれは
国会
へ御
報告
することもありましようし、又御
審議
を願わなきやならん、問題が起
つて
来れば御
審議
を願うことがあろうかと存じますが、これは菊川さん、常識的に考えて見ても、三十六億円の問題で特にお集りを願
つて
、いつ何日発表するという問題でもないと私は思いますがね。
菊川孝夫
114
○菊川孝夫君 あんたはそういうふうに簡単に言われるけれども、それは国の行き方がころつと変るんであ
つて
、今まで八年間や
つて
来たところがころつと変わるのです。普通のときと、これは道路をつけたり、堤防築いたりするのとは違うのです。今まで鉄砲もいかん、ま
あと
にかくあの戦後今日までや
つて
来たのと、それから憲法との
関係
もあるし、それを
一つ
こしらえたら大きく今後だんだんとこれがふくれて行くことははつきりしている。これは今急いでそんなことはあんたないとおつしやるけれども、どこの歴史だ
つて
、日本の又軍隊の発達史を見てみた
つて
、もう
一つ
少しできたやつがだんだん殖えて行
つて
大きくな
つて
いるのです。従
つて
その出発点が大事であるから、どういうふうなんだと言
つて
、私はくどいほどお尋ねするわけですが、それは一番出発点が大事だと、こういう
意味
でお尋ねするのですがね。従
つて
普通の
予算
の執行と同じように私は考えるべき問題じやない。今答えられんというのだから、それでまあ答えられんけれども、そのまま承知せいとこうおつしや
つて
いるのだから、答えられる時期が来たら
説明
してもらうのは、これは当り前だと思うのですが、どうですか。
小笠原三九郎
115
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 私はお答えをしているのであ
つて
、答えが不満足であるからそのときに言えと、こうおつしや
つて
もそれはいかない。私ははつきり言
つて
いる。
金額
は三十六億である。これを開発銀行を通してこの兵器産業、
関連
産業、及びその基礎産業に出すん、だと、こう言
つて
いるのでありますから、これははつきりしていると思うんです。何も具体的に何の
会社
は幾ら出すということを一々御協議を申上げるものではなかろう、こう思うのであります。
菊川孝夫
116
○菊川孝夫君 それは何の
会社
にどういうふうにという
意味
じやなしに、私はどういうふうなところまで日本の兵器産業をまあ起したい。復活したいと思う、だからしてこういう産業とこういう産業に重点的にやはり投資なり融資をして、こういう産業だげはどうしても日本が早急にやらなければならんからしてこういう方面にや
つて
行
つて
、その目標はこれは三十六億じやとても話にならんから、やがては次々と又
援助
をして行かなければならない。又これアメリカから
援助
があればいいし、ない場合にはこれは国の財政的
援助
をして行かなければならん性質のものではなかろうかと私は思うのです。そういう性質は全然ないのですか。今年一遍切りで、その三十六億使
つて
投融資してしまえば、
あと
はそういう
援助
とかまあ融資というような必要が起らんか、どうですかと、これは考えるから私はくどくお尋ねするわけです
小笠原三九郎
117
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) これは先ほども御答弁申上げておる
通り
であります、もう今年一遍のものでないということは、私は思うということは申上げておる。それは何度お尋ねにな
つて
もこれ以上のことは言えませんでしよう。
菊川孝夫
118
○菊川孝夫君 いや、私の言うのは、アメリカから来るのはこれ1偏じやないと言うの、だけれども、アメリカから来ないということにな
つた
らば、一旦投資してしま
つた
ものだから、次には開銀からそれらに枠を与えて融資をして行くというようなことの必要も起きて来るだろう、起きて来ないかと、こういうのです。
小笠原三九郎
119
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) そういうことは若し必要か起るときがありますれば議会に御
審議
をお願いします。私は現在のところさような必要が起るとは思
つて
おりません。どうせ特別会計ですから、又これ風上の金についてのことであれば、これは御
審議
を願わなければ一銭の金も動かざれん、従
つて
十分御
審議
願
つた
上でやります。
菊川孝夫
120
○菊川孝夫君 それぞれ特別会計のこの
法律案
だけであ
つた
ならばあなたの御答弁はそれでいいと思うのです。併し一番最初に、冒頭にお尋ねしましたように、MSA
援助
が日本の経済にどういう影響を及ぼすかということについてお尋ねしましたときに、あなたも多少この悪い影響もあるということをお答えにな
つた
。それはこれで以て投資をした以上は、それで棒切りにな
つて
しまうというわけにもいかんと思うのです。ジエツト機をやられるとか、或いは
関連
産業にいたしましてもだんだんと進んで参りますから、而もそれでは一般の市中銀行から借入れて、独力でや
つて
行くこともなかなか最初のうちは困難だろう、そうするとやはりこれに対しても投融資の別途の、日本の国家財政の上からい
つて
もして行かなければいかんという必要も生じるのじやないか、こういうふうに思うからお尋ねしているわけですが。
小笠原三九郎
121
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 本年は少くとも生じません。来年のことは又
一つ
来年度の
予算
のときに御相談頂きたいと存じます。
菊川孝夫
122
○菊川孝夫君 それじやそれらの長い目で見たところの
計画
というようなものは全然ここではわからん、こういうわけですな。
小笠原三九郎
123
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) そういう激しい言葉で言われると御返事に困るのです。一応の誰でも見通しは持
つて
おるけれども、一応の見通しというものを直ちにここで日本のはどういうものだということごはつきり申上げる段階に至
つて
おらん、こう言
つて
おる。つまり煎じ詰めて何でもきちつとイエスかノーかということではつきりしようとすると、これは問題がはつきりしませんとどうも御答弁は困るのですよ。
大矢半次郎
124
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 菊川君、どうですか……。
小笠原三九郎
125
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) それは違うのですから……。
菊川孝夫
126
○菊川孝夫君 違うのだから、これだけははつきり聞いて置きたい。くどいようだけれども聞いて置きたいのは、それでどうしてもわからんと言えばしようがないけれども、その次にお尋ねしたいのは、これは一兆円の
予算
ということをあなたは盛んに言われたのだが、これとは全然、その枠をはみ出す結果になるのじやないですか、その点大丈夫ですか、国の
予算
の面において、まあ補正
予算
が
通り
ましたからそれだけ殖えた、こういうふうな見方になるのですか、どうですか、それを。
小笠原三九郎
127
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) これけ特別会計のことですから、いわゆる
一般会計
とは全然
関係
のないものでごどいまするので、普通に一兆円
予算
というものは
一般会計
について言
つて
おるのであります。御承知の
通り
鉄道その他各種のものがありまして、各種の特別会計合わせればそれは相当大きなものになります。と申しまするのはこれは全然別個のものであります。
菊川孝夫
128
○菊川孝夫君 それでは今の
緊縮予算
というかデフレ政策というのとは……、デフレと言つちや又あなた怒るかも知らんけれども、それには全然これは脚響はないものですか、どうですか。
小笠原三九郎
129
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 経済問題ですから全然影響がないということは申されませんが、影響ありというほどの影響はございませんということは申上げられます。どんな問題でも、三十六億の金が動くときに全然影響がないということはこれは申されません。併しながら影響ありというような影郷はないということを申し上げます。
菊川孝夫
130
○菊川孝夫君 それじや、そうするとこれは大して問題にするようなことははないと、こういうふうにあなたが言われるのですが、その影響が全然ないということは言えないというような、どの程度の……そう言つちや又あなた怒るけれども、(笑声)それが一兆円一兆円とい
つて
、まああれだげでとめるのだと言われたのだが、これだけ動くのだから、相当インフレ的な要素をこれかへ帯びて来るような何はないですが。
小笠原三九郎
131
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) インフレ的な要素を帯びる心配なら絶対にございません。
菊川孝夫
132
○菊川孝夫君 そうすると、これ
一つ
だけ……。
大矢半次郎
133
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 菊川君、ほかの人はまだ食事していませんから……。
菊川孝夫
134
○菊川孝夫君
大蔵大臣
も帰るというのでこのことだけ聞いておかんと……、それじやこういうものはなくても、あなたが最初に
説明
されましたように、今年末にな
つて
来たならば
物価
は大体一割乃至五分程度は下
つて
来る、ころいうことに了解してよろしうございますね。我々も帰
つて
話さにやならんから、それけ大丈夫ですね。
小笠原三九郎
135
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) 五分乃至一割の
物価
の値下りは私は確実に予想いたしております。現に四分程度は下
つて
おります。四%程度卸売
物価
で下
つて
おりまするし、更に物によ
つて
は繊維類などは一割以上一割七、八分まで下
つて
おるものがあります。従いまして普通に申して五分乃至一割の値下りは本年度末には明らかにこれを予期することができると存じます。
菊川孝夫
136
○菊川孝夫君 その次に、今度はこの小麦が参りますことに上
つて
、今年でぎます小麦、麦類に対する影響は相当ひどい影響を与える、及ぼすようなことはないか、その点。
小笠原三九郎
137
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) これはすでに食糧長官からたびたび答弁済みでありまして、むしろ私どもは何らそ、れは影響がないと考えておりますが、若し、食糧
関係
のことてあればむしろ農林
大臣
がお答えするほうが正確を期し得る、だろうと思
つて
おります。
菊川孝夫
138
○菊川孝夫君 あなたの目から見たら農村恐慌を生ずるというくらいにそんなひどい影響を及ぼすものではない、こういうような自信を持
つて
おられますか。
小笠原三九郎
139
○国務
大臣
(小笠原三九郎君) さように考えております。日本は二十七年も二十八年も
輸入
して、二十七年は百九十七万トン、二十八年は百九十三万トンからの小麦を買
つて
おるのですから、その内輪でMSAの小麦が五十万トン入
つて
来た或いは六十万入
つて
も、それがために日本の農業に影響を及ぼすものじやない、かように考えております。
菊川孝夫
140
○菊川孝夫君 あわてられるから、ゆつくり聞こうと思
つた
けれども、又疑問があ
つた
ら
一つ
……。
大矢半次郎
141
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 暫時休憩いたします。 午後二時二分休憩 —————・————— 午後三時五十分開会
大矢半次郎
142
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 午前に引続きまして会議を開き、
交付税
及び
譲与税配付金特別会計法
案を
議題
といたします。
質疑
を願います。別に御発言もないようでありますが、
質疑
は終了したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大矢半次郎
143
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 御
異議
ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大矢半次郎
144
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 御
異議
ないと認めます。それではこれより採決に入ります。
交付税
及び
譲与税配付金特別会計法
案を
衆議院送付
案
通り
可決することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
大矢半次郎
145
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 多数であります。よ
つて
本案
は
衆議院送付
案
通り
可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は前例により
委員長
に御一任願いたいと存じます。 それから多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名
小林
政夫
藤野 繁雄 三木 與吉郎
木内
四郎
岡崎 真一 青柳 秀夫
—————————————
大矢半次郎
146
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 次に
経済援助資金特別会計法案
を
議題
として
質疑
を行います。
菊川孝夫
147
○菊川孝夫君 これはまあ第一条からお尋ねしますがね。「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強に資するため」とあるのですが、「工業の
助成
」というのは具体的に申しましてどういうことか。それから「本邦の
経済力
の増強」、私先ほどからいろいろ
質疑
応答いたしましたのですが、これによ
つて
日本の
経済力
がどのようにまあ増強されるのかということが、どうも納得できないのですが、この点御
説明
願いたい。今あなたのほうで、この立案に当りましてどういう工業力をどの程度まで
助成
する、それから「本邦の
経済力
の増強」というのは、どの程度まで増強するのかというような、まあ
計画
をお持ちにな
つて
お
つた
ら
一つ
御
説明
願いたいと思います。
森永貞一郎
148
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 第一条の「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強に資するため」云々とございます
規定
は、別途両院の御承認を経ました経済的
措置
に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の第一条にございまする「アメリカ合衆国
政府
は、日本国の工業の
援助
のため、及び日本国の
経済力
の増強に資する他の
目的
のため、相互間で合意する
条件
に従
つて
」云云、この文章に歩調を合わしたわけでございまして、その
意味
するところは、別段特別の含みも何もございません。「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強」その
通り
の
意味
で条文を書いたわけでございます。ただ只今読上げました協定の文句にもございますように、「相互間で合意する
条件
に従
つて
」ということがございますので、この特別法の
規定
に従いまして今後この資金を運用するに際しましても、贈与を受けるに際し日本国と
米国
とで合意した
条件
に従
つて
運用をして行くということになるわけでございまして、その場元口に今回のこの
援助
が、いわゆるMSA協定の一環として行われました
関係
から申しまして、その主たる狙いは
防衛
産業の強化というようなことにおかれるのではないか。今後
防衛
する交渉をするわけでございますが、そういろ点に勢い重点がおかれることになるのではないか。私どもといたしましてはその点は止むを得ないと存じますが、それを余り狭い
意味
に解しないで、
防衛
産業の
関連
産業、乃至はその基礎産業を日本が
育成強化
しなければならん、
防衛
産業の基礎になる基本的な産業にも及ぼし得るように、できるだけ広く範囲を設けたいというようなことで考えておる次第でございまして、目下その点につきましては、
関係
各省間において鋭意協議中でございます。どの工業にどうというような具体的な資金
計画
は、未だ策定の段階に至
つて
おりませんのは遺憾でございますが、私どもの気持といたしましては、只今申上げましたように、極端に狭い
意味
に解したくない、できるだけ広く解釈したいと、そういう態度で向うに臨みたいと考えておる次第でございます。
菊川孝夫
149
○菊川孝夫君 そこでこの「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強」という
意味
は、こういうふうに理解しなければならんものかどうか。それは戦争中或いは戦争直前におきましては、高度国防国家とか、高度国防というような
意味
から、すべて近代戦においては軍隊というものと、それから
経済力
というものは一体にな
つて
、これは国防だというようなことを、我々はまあ教え込まれて来たのですがね。そういう観点に立
つて
これは第一条のこの「工業の
助成
」というようなことを言われたのかこういうふうに理解しなければならんのか、どうですか。
森永貞一郎
150
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) ここに書いてございます
意味
は、そういう特殊た観念の上に立
つた
経済力
の増強ということではないと考えるのでございまして、日本として必要なる「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強」という単純なる
意味
に私どもは解しておるのでございます。先ほど申上げました或る程度限定されても仕方がないと申しますのは、この「工業の
助成
その他本邦の
経済力
の増強」ということから来るのではなくて、「相互間で合意する
条件
」という制約がございますので、その合意が如何なる場合に両方の意見が合うか、その成行きを想定して考えますと、先ほど申上げましたように、或る程度狭い
意味
にな
つて
来るおげでございますが、ここに書いてあります言葉の
意味
は、決してそういう高度国防国家とか、そういう
意味
の
経済力
の増強というような
意味
では毛頭ございません。
菊川孝夫
151
○菊川孝夫君 今言われます日米間の合意についてでありますが、日本
政府
としては担当の省、これは外務省でおやりになるものか、或いは保安庁が担当するものか、それとも大蔵省は主管省として、日米間の合意と申しますか、折衝にお当りになるのか、どつちでございますか。
森永貞一郎
152
○
政府委員
(
森永貞一郎
君)
国内
の資金運用に関して非常に密接な
関係
のあります官庁は通産省、それから資金の
関係
としては大蔵省、それから総合調整的な観点からしての経済
審議
庁、この三つが相談をして
計画
をきめるわけでございますが、
米国
との交渉の任に当りますのは、それらの三者の意見を代表いたしまして外務省が
米国
の駐日大使館当局と交渉する、さような段取りになると思います。保安庁はその交渉の面には出て参らないと考えます。
菊川孝夫
153
○菊川孝夫君 この会計は、或いはこういう場合も考えられると思うのですが、昔軍が存在いたしましたときには、軍工廠というのは、これは陸軍も海軍も持
つて
おりましたが、今のところは保安庁がみずからのそういう、昔の、軍工廠と言
つた
つて
、そう大きなものは持てないといたしましても、まあこれに類する軍工廠の卵とい
つた
ようなものを持つ
計画
があり、それにも、これはあるとするならば、使われるものであるか。それともこれはすべて民間のほうの工業にやらす。従
つて
今後は
防衛
生産というものはすべて民間を利用するという行き方で行くものか、この第一条と、それから協定を結ばれる際に、当然そういうことも話合いにな
つて
おるのじやなかろうかと私は思うのですが、
政府
の方針はどちらにな
つて
おるか、
一つ
伺いたい。
森永貞一郎
154
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 只今の点は第四条に
規定
がございますが、「資金は、工業を
助成
し、その他本邦の
経済力
の増強に資するため、
政令
で定めるところにより、運用又は
使用
するものとする」ということでございます。この条文を素直に読みますと、例えば保安庁が直接工廠を経営するその場合の資金に
使用
するというようなことは、ここからは全然出て参らないのみならず、現在
政府
の方針といたしましても、この金をそうい
つた
工廠等に
使用
するという考え方は毛頭持
つて
いないのでございます。ただこれは全部民間での
使用
に委ねるか、例えば民間に融資したり、或いは投資したり、或いは民間の何かの用途に
使用
する、それだけかと申しますと、それは例えば国が日本の工業を
助成
し、
経済力
の増強に資するような、例えば試験研究
施設
等にこの金を
使用
するというふうに読める余地はあると思います。併しそれは国の
予算
を必要とするわけでございまして、別途
予算
的
措置
がなければ、国のそうい
つた
研究機関等の支出にこの資金を
使用
するわけには参らないのでございまして、試験研究的な用途につきましても、本年度はそういう
予算
は全然組んでおりませんし、少くとも二十九年度に関する限りは、そういう使途に
使用
するつもりはございません。小くとも二十九年度に関する限りは民間に使う。それも殆んど大部分は開発銀行に対する融資、開発銀行から個々の企業に対する
貸付
というような形で、これを運用する、さように考えておる次第でございます。
菊川孝夫
155
○菊川孝夫君 ここで特別会計を設けられた
理由
を、その次に「
一般会計
と区分して行うため、特別会計を設置する」、こういうふうにな
つて
おるのですが、これを国の歳入にしてしま
つて
、
一般会計
として開発銀行のほうへ出資をする。そうして開発銀行にやらせるという行き方はできないものかどうか。この開発銀行の出資というのは皆特別会計にな
つて
いるのかどうか、この点を
一つ
伺いたい。
森永貞一郎
156
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 開発銀行に対する出資は、元は
一般会計
から行
つて
おりました。昨年産業投資特別会計というのができましたのでございますが、その以後はすべて産業投資特別会計からいたしておるわけでございます。この金を特別会計にいたしました
理由
といたしましては、この協定にも「日本
政府
に対して行う贈与から生ずる円価額を積み立てる特別の勘定を設けるものとする」という一条文がございますし、又財政法にいわゆる特別の資金を特別の用途に充てる、そういう場合にもぴたりと当てはまるわけでございます。これは特別会計を作るべき典型的な場合に当てはまると考えまして、特別会計として
提案
をいたした次第でございます。
菊川孝夫
157
○菊川孝夫君 今の私のお尋ねした投融資の特別会計の中でも、これは見返資金の分だとい
つて
別途
整理
をやろうと思えばできると思いますが、この協定には成るほど特別の勘定というのですが、別に、特別会計にこれだけを切離したというのは、大した
意味
があるのではなくて、こういう協定もあるし、別に
一つ
の特別会計を設けた、それだけの単なる
理由
であるか、それとも何かはかに
理由
はあるか、この点を重ねて……。
森永貞一郎
158
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) この特別の勘定ということも有力な
理由
でございまするし、財政法第十三条の
規定
によりまして、「特定の歳入を以て特定の歳出に充」てる。これは歳入も歳出も特定のものであるわけでございまして、その条文の
趣旨
から照らしまして、新らたに特別会計にいたしておくほうがいいと考えまして、産業
資金特別会計
以外に、こういう特別の会計を新らたに設けることに
提案
いたしたわけでございます。
菊川孝夫
159
○菊川孝夫君 そういたしますと、今年が三十六億ですが、来年これに加わるか、もつと追加して
援助
があるかないかということは、そうはつきり見通しは立たんと思うのですが、そうすると、僅か三十六億の特別会計が、仮に今御
説明
にな
つた
ような開銀に
貸付
けて、そうして開銀が更にこれを一般の軍需産業に融資をずる。そうしますと、恐らく償還年限というものは、そう短期なものではないように実は思うのでございますが、場合によ
つて
は、まあ造船の一五年、或いは十年というようなことも考えられると思うのですが、僅か三十六億の特別会計を十五年も十年も、まあおいておかなければならんということになると思うのですが、これは返
つて
来て清算ができるさでは、この特別会計というものは設置をしておかなければならんものかどうか。例えば半分殆んどもう返
つて
来ちや
つた
。で、ここにこういうふうに剰余金は
資金運用部資金
に預託する、こういうふうにな
つて
いるのですが、これらの運用は一体どういうふうにや
つて
行かれるつもりであるか。例えばどこどこの開発
会社
に貸しておいて、それは三年先に返
つて
来た。そうすると、これを今度は潜水艦をこしらえる
会社
に貸す、こういうふうな運用をや
つて
行くお見込みであるかどうか、この点を
一つ
伺
つて
おきたい。
森永貞一郎
160
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 来年新らたな
援助
があるかどうか、これは今日のところ勿論的確に予想することはできないわけでございますが、別途
米国
では、過剰農産物の
処理
に
関連
いたしまして、新らたなる
援助
の話も最近起
つて
おるようなふうにも聞いておりますし、まあ仮にその余剰農産物を買入れるというようなことにな
つて
参りますと、又この
あと
が続くというようなわけにもなるわけでございます。併しこの点は勿論的確に予想することはできません。仮に来なか
つた
場合でございますが、三十六億が毎年
利子
を生んで参るわけでございます。現に初年度、これは期間が短うございまして、
金額
といたしましても、おおむね三千万円くらいの
利子
収入を見ておりますが、仮に一年間フルに運用できるということになりますと、まあ一割でございますれば、三億数千万円という利息金が毎年入
つて
来るわけでございます。相当な資金の蓄積にもなり得るわけでございまして、単に回収の点だげでなく、年々新らたな運用をする問題といたしましても、特別会計を創設する十分な必要性があるだろうかと存ずるわけでございます。 なお、開銀からの
貸付金
の期間でございますが、電力は三十年、これはまあ御承知のように発電所というものは非常に償却年限も長いほうでございまして、特別に長い
貸付
の期限にな
つて
おります。船は十三年から十五年、これらは長いものでございますが、そのほかのものは五年以内ということにな
つて
おります。このほかの一般産業への
貸付金
を五年以内というようなことで、僅かにそれに対する例外として水力の自家発電の装置、これはまあ十年とな
つて
おりますが、そのほかのものはすべて五年以内でございます。この資金を開銀に融資して開銀が
貸付
けます対象は大体五年以内という場合に該当するわけでございまして、まあ五年間、少くとも五年間で資金が回転する、さようなことになるわけでございます。五年たてば元本も入
つて
参りますし、年々一割以内の
利子
収入が入
つて
来るわけでございますので、それらをこの会計で運用して参るわけでございます。 なお、先ほどお挙げになりました資金運用部の
関係
でございますが、これは差当り開銀で
貸付
の目途がないと、その間資金が遊んでおるというようなときに、一時資金を運用部に預託することができるということにな
つて
おるわけでございまして、これは各特別会計とも差当り資金の
使用
の目途のない余裕金は資金運用部に預けることにな
つて
おりますが、その先例に従
つた
わけでございますが、これは短期の金でございますので、そう大した
利子
も付きませんが、勿論若干は
利子
収入が入
つて
来るわけでございます。
菊川孝夫
161
○菊川孝夫君 三十六億の
金額
全額がいつそれでは今のところのあなたのほうの
計画
では、いつからそれが活きて実際に現金にな
つて
動く。この間補正
予算
が
通り
ましたが、併しまだ小麦も入
つて
来ておりませんし、これは小麦が入
つて
来たら、これを一旦
食糧管理特別会計
に売渡すか、そういう
方法
でやるのでしようと思うのですが、それが実際動き出すのは、三十六億はいつ頃から動き出すのですか、現なまにな
つて
動くのは。
森永貞一郎
162
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 先ほど来、引例いたしました経済的
措置
に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定並びに農産物の購入に関する協定、これは五月一日にもうすでに
発効
をいたしておるわけでございまして、この協定に基く諸般の手続は、勿論全部一時ではござい喜んが、だんだんに進行いたして参
つて
おるわけでございます。従いましてもう受入態勢さえ整えば、一部につきましては遠からざる将来に贈与を受げ得る態勢にな
つて
おるわけでございますので、私どもといたしましては、この会計の承認成立の一日も速かならんことを希
つて
おるわけでございます。勿論小麦三十万トンとか、大麦十万トンというような相当大きな量でございますから、それらが全部
輸入
された暁に、まあ丁度三十六億になるわけでございまして、そのすべてが現金化される時期がいつかということになりますと、これは恐らく八月とか九月とかいう時期になろうかと存じますが、併し全部揃
つた
後でなければ贈与を受けない、或いは運用ができないというわけではないわけでございまして、その
意味
で早く受入態勢を整えたいと思いまして、お願い申上げておる次第でございます。
菊川孝夫
163
○菊川孝夫君 第二条のその次に管理という点でございますが、「この会計は、
大蔵大臣
が、
法令
で定めるところに従い、管理する」、ここでも
法令
に定めるところに従い管理するというのですが、これはどういう
法令
を
意味
しておられるのですか、先ほど
通り
ました
譲与
税等についても、
大蔵大臣
、
内閣
総理
大臣
が
法令
の定めるところに従いとい
つて
おられるのですが、これはもうすべての日本の
法律
、こういう
意味
で、この
法令
というわけでございますか、これは。
森永貞一郎
164
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 大体この
法律
に基く
政令
も勿論でございますが、そのほかに財政法会計法等、財政法規がたくさんございまして、それらの
法令
をここで指しておるわけでございます。
菊川孝夫
165
○菊川孝夫君 いや、こういうふうにわざと「
法令
で定めるところに従い、管理する」というふうに入れられた
理由
ですかね、「
法令
で定めるところに従い、管理する」、わざとここで
法令
に従い、管理すると、こうな
つて
いるのですか。すべて
大臣
が管理する場合には
法令
に従
つて
管理するのは当然だと思うのですが、これはわざと入れなければならん
理由
を
一つ
伺
つて
おきたいと思うのですが、なぜ
法令
に従いということを入れたのですか。
森永貞一郎
166
○
政府委員
(
森永貞一郎
君)
大蔵大臣
が管理いたします場合には、いつも
法令
に従わなくてはならんわけでございまして、その
意味
では当然であると言えるわけでございますが、数年来の立法例といたしまして、
法令
に定める云々というようなことを的確にきちんと入れるような例にな
つて
おります。又例えば設置法等におきましても、
大蔵大臣
の権限は
法令
の定めるところによる、当然のことなんですが、そういうことを書くような例に五、六年来な
つて
おりまして、そういう一般的な用例に従いまして起案いたしましたわけでございます。
菊川孝夫
167
○菊川孝夫君 そうすると、これはただ単に立法用語例に従
つた
だけであ
つて
、別に深い
意味
を持
つて
おるものではない、こういうふうに解釈してよろしうございますな。
森永貞一郎
168
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) さようでございます。
菊川孝夫
169
○菊川孝夫君 そこでお尋ねしたいのですがね、この「
法令
の定めるところに従い、管理する」ということにな
つて
、これはちよつと
大蔵大臣
政務次官にもお聞きしておきたいのですが、日本国憲法も当然この
法令
の中には入るのだろうと思うのですがね。そこで憲法と、MSA
援助
を受入れて国が鉄砲をこしらえたり大砲をこしらえたりするところへ投融資をするということと、九条との
関係
をどういうふうに双務次官は理解しておられるか、一遍お聞きしておきたいと思うのです。これは
大蔵大臣
に聞こうと思
つたの
だけれども、今日見えんから……。
植木庚子郎
170
○
政府委員
(
植木庚
子郎君) 私その点につきまして十分なる研究はいたしておりませんので、甚だ不行届きなお答えになるかも知れませんが、一応お答え申上げます。
法令
の定むるところに従い、管理するという建前で行きま十場合に、その
法令
とは憲法その他日本の各諸
法律
、
政令
等々をずべて含むということは当然であろうと思います。その場合に恐らくは兵器産業等に対しての投融資等に使
つて
差支えないか、兵器産業というものが我が国の憲法その他
法令
上許されたる産業であるかどうかというような問題に
関連
が起
つて
参ると思います。
大蔵大臣
がその
法令
の定むるところに従
つて
管理すると言います場合には、その当該産業が若し我が国の憲法その他の
法令
の上で明瞭に禁止しているということがきま
つて
おりますような産業に対して運用するということになりますると、これはやはり
法令
に従
つて
運用したということにならなくなるというふうに私は考えます。併しながら現在我が国がいわゆる憲法上戦力を持つことを禁止しておりますけれども、併し我が国の産業が例えば
輸出
産業等におきまして、
国内
で兵器を作
つて
これ2
外国
へ売るというような場合は禁止していないと私は考えますが、かかる場合におきまして、こうした産業に投融資をするというようなことについては、これは
法令
の定むるところに従いという文言に反するものではない、かように考える次第でございます。
菊川孝夫
171
○菊川孝夫君 この投融資の、投融資と言いますか、融資先につきましてははつきりとどういうふうな産業に融資をするということはわからないのだということを、
大蔵大臣
も午前中答弁しておられました。ところが伝え聞くところによりますると、ジェット機の製造と言いますか、研究等に使うということを巷間伝えられておりますが、そのジエツト機ということになりますと、木村保安庁長官が戦力とは言わんというところで、大分衆議院でも参議院でも
予算
委員会
で論議いたしました。その際、木村さんの言うには、今日ジェット機やそれから原爆をも
つて
いないものは、これは戦力ではない、憲法上の戦力ではない。ところが今度いよいよジエツト機に融資をする、これは
輸出
をするということになればいいけれども、日本でジェット機を持えたものは向うが買うようなことはないので、恐らくこれは
国内
で
使用
するというようになると、いよいよ木村さんが言
つて
いたジエツト機、原爆だけは別でございますが、ジェット機に融資するということになると、大分近くな
つて
来る、かように思うのですが、この点政務次官どうお考えになりますか、お伺いしておきたい。そういうものには使わんのか。その点伺
つて
おきたい。
植木庚子郎
172
○
政府委員
(
植木庚
子郎君) 今回のこの三十六億の金の中で、ジェット機の製作等に従うところの
会社
に対して融資等の希望をも
つて
いる或る向きがあることは私も聞いておりますけれども、併しこの点まだ何ら確定にもな
つて
おりませんし、又単なる研究の途中でございます。従いまして只今菊川
委員
の御指摘になりましたような疑問もたしかに起る場合があり得ると私も感じます。従
つて
そういうものに融資をするということが果していいかどうかにつきましては、仰せのごとく
法令
その他に違反なきやについての研究も十分にする必要があると考えます。
菊川孝夫
173
○菊川孝夫君 そういたしますと、今余りつきつめて言うとどうかと思いますが、木村さんもジェット機をもつようにな
つた
ら、今までは戦力じや、ということを言
つて
おられたが、そのジエツト機に十億ぐらい出すということになると、いよいよ戦力をもつところの準備だということはどうしても認めざるを得ないことになるのじやないかと思うのですがね。その点の調整は、止むを得ないということならば別だけれども、止むを得ないともあなたははつきり
政府
を代表して答弁できないでしようね。ジェット機や原爆には投資しない、こういうことは言い得るのかどうか、この点も一遍念を押しておきたい。
植木庚子郎
174
○
政府委員
(
植木庚
子郎君) 只今私の承知しております範囲では、只今菊川
委員
の仰せになりますようなジエツト機
関係
には融資をしないということを確言ずることは困難だと思います。非常に屍理窟になるかも知れませんが仮りにジェット機を作る
会社
、そういう
目的
の
会社
ができると仮定いたしましても、先ほどもお話の
通り
なかなかそう直ちに間に合うようなものは作れるわけのものではないと思います。日本の現在の工業力におきまして……。そうしますと、そういう
会社
ができても、その製品ができ上るのは数年先きのことであ
つて
、差当
つて
会社
のできた一年、二年の間は単なる基礎的の研究の過程にしか、その
会社
が従事できない、かように考えるのであります。さような場合におきましては、或いは
会社
としてジエツト機の製造に関する技術その他の研究というような
意味
におきまして、これを運営しても、
法令
違反になるかならんかというようなことは、考えて見ますというと、これは或る
意味
において、或る程度において考える余地があるのじやないかというふうに、これは極めて即座なお答えでラフでございますが、考えられますから、従
つて
ジェット機製作を以て
目的
とするような
会社
ができた場合に、これに対してこの会計の資金が運用されるかされんかということを、今この際はつきり申上げることは差控えさして頂きたい、かように存じます。
菊川孝夫
175
○菊川孝夫君 政務次官のお答えわかりました。そうすると、その裏にはひよつとするとジェット機製造
会社
に対しても融資するかも知れないということは言えると思う。それでそうな
つて
来ると、少くとも戦力をもつ準備行為であるということだけは言えるかと思うのです。木村さんから、これは
政府
を代表して言
つて
おるのだから、本会議で原爆、ジエツト機のないものは戦力と言えないのだ。今度はジェット機を据えるということになると、戦力であるかないかは、これはできてしまわなければ戦力にならんのですが、少くとも戦力を持とうという意図のためにこれが運用、投資をされるということになりましたら、そういう戦力を保有する意図で準備工作段階に入
つた
、仮りにジエツト機
会社
に融資をされるということにな
つた
ら、そういう準備段階に入
つた
ということだけは言えると思うのですが、そういうふうに受取
つて
よろしうございますか。
植木庚子郎
176
○
政府委員
(
植木庚
子郎君) その点私必らずしもそう考えておりません。と申しますのは、先ほども申上げましたように、ジェット機を作る
目的
の
会社
ができたとしましても、その
会社
のいわゆるジエツト機製作に関する技術その他研究ということが、最初数年間のせいぐの、何と申しますか事業にしかなり得ないという場合に、これにこの会計の金を結局運用することになりましても、一体それが日本の国がそのジエツト機を使う
目的
でその
会社
に運用したのか、或いはその
会社
のジエツト機の製作に関する技術を伸して、そうしてその
会社
でジェット機を拓えて、優秀なものができれば、それをどんどん
外国
へ
輸出
するという
目的
で、日本のいわゆる
貿易
を助長する
意味
で、これに資金的
援助
を与えるという場合も考えられますから、その
意味
におきまして、私ただちにお説に御同感はいたしかねます。
菊川孝夫
177
○菊川孝夫君 アメリカの、先ほど主計局長が言
つた
合意ということは、このMSA
援助
はあなたの言われるような大いに日本の兵器産業を起して、そうして日本の
貿易
を、兵器産業で金儲けさせてやろうという意図よりも、日本の自衛力と言いますか、
防衛
力増強のために向うはよこすのだろうと思います。兵器産業を日本にやらして金儲けをさせるためにや
つて
いるのじやないということだけははつきりするので、果して合意というのは、向うでは一旦ジェット機の生産研究に充当せいということに合意する以上は、まさか
外国
に
輸出
するのだ
つた
ら向うでやると思うのです。こちらに金儲けをさせるということはやらないと思う。従
つて
日本の
防衛
力増強の一端として、このジェット機生産に融資することを合意する。そうしてジェット機の生産に乗り出したということになると、いよいよ二
条件
の
一つ
であるジェット機だけは持つことになりますから、半分だけの戦力保有の準備段階に入
つた
ということだけは言えるのじやないか。屁理窟を言うようですが、そういうことだけは言えるのじやないかと、こう考えるのですが、どうなんですか。
植木庚子郎
178
○
政府委員
(
植木庚
子郎君) 重ねてお答えいたしますが、私はやはりその場合でも必ずしも御同感いたしかねる、と申しますのは、なるほどアメリカが今回の資金
援助
というものは、日本の
防衛
力増強ということを主たる目標にしているというふうに考えた場合におきましても、やはり我が国で、そうした
会社
に資金的
援助
をするかしないかということが、即ちジェット機をその
会社
にこしらえさせて、そうしてそれを我が国の兵力として使おうというような考え方がありますというと、アメリカの意図するところと或いは合うかも知れませんけれども、併し我が国としては何もそれを直ちに国の戦力兵器として使おうという考えを持たず、而もそれによ
つて
できたものは
外国
貿易
に
一つ
寄与させようという考え方で行きました場合には、こちらの考えとは違
つて
おります。そうすると恐らく反問されると思います。日本の考え方とアメリカの考え方が合意に至らなか
つたの
だから云々と、こういうことに仰せになるかも知れませんが、併し私といたしましては、仮りにアメリカが日の
防衛
力の増強に資しようという考えを持
つて
いると前提にいたしましても、直ちにこの当該
会社
でできたものが、日本の兵器として買上られなくても、これが当初のうちは仮に
外国
へ或る程度幸いにして
輸出
されるということになれば、若しも将来日本の憲法その他
法令
の許す状態になりますときまでに、当該
会社
の当該生産物が非常に優秀なものにな
つて
おるということを考えますと、やはりこれは非常に間接で遠いことになりますけれども、日本の
防衛
力の増強に役立つのではないか、かように考えられます。併しまあその点につきましては、先ず冒頭にお断り申上げておきましたように、こうした種類の
会社
に運用するかしないかという問題については、私どもも十二分に警戒もし、研究も重ねた上で慎重に処して参りたい、かように存じます。
東隆
179
○東隆君 私ジエツトの
関係
のことで、一番先にこれはとこう考えたのが、航空機連盟というのがありますね、この航空機連盟が旬報か週報か出しております。そしてその週報の二月頃のものだと思いますが、それにジェット機に十一億割当がきま
つた
、勿論これは内輪でしようけれどもきま
つた
、こういうようなことが出てお
つた
。これは何か通産省とその他の
関係
、いろいろの打合せじやないか思うのですが、従
つて
もうすでにその頃からジエツト機製造のいろいろな
会社
なり、そういうところで目論見なり何なりがずつと進められていると思うのですが、その
経過
がどんなふうにな
つて
いるのか。 それからもう
一つ
は、最近の新聞紙上で、日本がジェット機に対して、この会計から融資することはアメリカが不賛成だ、こういうようなことが出てお
つた
ようですが、それでその
経過
はどんなような形でも
つて
進んで来ているのか。
森永貞一郎
180
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 三十六億の割振と申しますか、その中でまあジエツトに幾ら出すということにきま
つた
というようなことは全然ございません。ジェット機に対する資金運用を含んだ
計画
が或る方面にまあないではないことは、先ほど政務次官からもお話がございましたが、各省間でまだきま
つた
ものといたしましては、そういうものは全然ございません。なお、ジェット機の
会社
でございますが、これは民間
会社
で、実は去年か一昨年もう
一つ
できているのがございますが、全然実際は動いていないはずでございます。
政府
と全然無
関係
にそういう
会社
ができた。これは恐らくはジェット機の修理等の
関係
もございましようし、まあそんなよ、りなことで多少は動いているかも知れませんが、試作乃至は生産という方面にはまだ全然入
つて
いないはずでございます。 なお、アメリカがジェット機にこの資金を割振することについて不賛成の意を表したというようなお話でございましたが、私はまだアメリカが具体的な資金
計画
について何らかの意思表示をしたというようなことは全然聞いておりません。まだそこまで話合いが行
つて
いないはずであります。
東隆
181
○東隆君 この資金の割当、それからその他アメリカとの交渉、そういうようなものはどちらのほうでおやりにな
つて
いますか。
森永貞一郎
182
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 通産省、大蔵省、経済
審議
庁あたりで、
国内
的に資金の
使用
計画
をまとめまして、それに基いて外務省がアメリカ側の大使館の担当官と交渉する、さような段取になるはずでございます。
東隆
183
○東隆君 そうすると、まだ
一つ
もそういうような交渉その他についてのことは進められておらんのですか。
森永貞一郎
184
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 一、二度予備的な折衝と申しますか、会談は行われたやに伺
つて
おりますが、具体的な資金
計画
、日本側の資金
計画
を提示いたしまして、それについての向うの同意を求めたというような段階にはまだ参
つて
おりません。
菊川孝夫
185
○菊川孝夫君 その次にこの第二条の「管理する」という
意味
について法文解釈についてお伺いしておきたいのですが、これは管理するというのはどの
法律
でも使
つて
おりますが、特になぜお尋ねしておくかと申しますと、管理とい、りのはただこれが開銀へ
貸付
けをする、開銀に対する対開銀
貸付
或いは
資金運用部資金
に預託というような点、それから
国会
に対する歳入歳出
予算
計算書の作製、こういうようなことが、
大蔵大臣
の管理であるか、それとも開祭どの狂いよいよこのこの資金を融資をするか、或いは又国のどういうところへこれを
使用
するかということを決圧する権利を、第二条によ
つて
大蔵六日が権限として持つことになるか、こり管理という解釈について、
一つ
お伺いしたいと思います。
森永貞一郎
186
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) いわゆる会計法的な
意味
におきましては、第四条の運用又は
使用
、又歳入歳出の管理
予算
の作成、決算の作成その他まあ会計法的なものが管理の
内容
になるわけでございまして、運用の
内容
として、日本開発銀行に対する
貸付
という
政令
が出ました場合には、日本開発銀行に対する
貸付
が即ちこの管理の
一つ
の大綱になるわけでございますので、開銀が個々の産業に
貸付
ける場合、この場合に、一々
大蔵大臣
が管掌をして細部の決定を
大蔵大臣
ができると、そこまでの
内容
は、この法文上は含まれていないのでございます。ただ事実問題として、例えば開銀に資金を融資いたします場合に、開銀の資金
計画
を聴取するというくらいのことは勿論あると存じます。それから又開銀が融資をいたします場合に、これは今度の資金の
関係
だけではございませんが、開銀も他の固有の資金の場合でも同じことでございますが、何しろこうした
国債
を
財源
とする
政府
機関でございますので、
政府
機関の資金運用
計画
につきまして、全然関心を持たなくていいというわけのものではないわけでございまして、現在でも開銀の資金運用の大綱につきましては、閣
議決
定で大綱はきまっておるというような次第もございますので、この三十六億の開銀からの貸出につきましても、全然無関心であるわけではございません。併しそれは第二条の管理の正確な
意味
における
内容
ではないと存ずる次第でございます。
菊川孝夫
187
○菊川孝夫君 何故この点をお伺いするかと言いますと、
計画
造船の融資を廻りまして、今忌わしい問題が起きているわけです。これが事実か何かは、後の検察庁当局の追及とそれから公判の結果を見なければわからないのですが、併しとにかく火のない所に煙は立たずで、やはり開銀融資の割当等を廻
つて
の結局問題である。ところが三十六億は大体利率というものも償還期限というものも、よく似たものになるだろうと想像する。そうすると、割当を運動するということになると、造船割当は運輸省に運動して先ず枠をもら
つて
、開銀のほうと両方や
つた
ということは、我々の調査したところで明らかにな
つた
が、今度は運輸省の割当のようなものはないのですね。
大蔵大臣
の午前中の
説明
によると、単に枠だけはアメリカとの間にきま
つた
、今度は又これを実際に運用する場合には、通産或いは経済
審議
庁、それから大蔵省等でまあ協議をするということにな
つて
いるの、だけれども、さて、それでそれも僕はどの
会社
にまでということは、その三者会合はできないと思う。具体的にどの
会社
に貸せるということになると、これはなんだが、それなら開銀の権限ということになると、
小林
中氏が握るということになると、この三十六億の融資獲得のためには、開銀さえ陥落すればいいということに
なつ
て、いよいよそこで再びああいう競争を生じて、又大蔵省から口をきくと、この融資がうまく行くということにな
つて
、事件が起る。(笑声)笑いごとだけれども、そういうことは一遍あ
つた
から、これはもう念を押しておかなければいかん。できてから言うて見た
つて
、もう
あと
の祭りだ。今のうちに
一つ
言うておかんならん。そういうこと、が起きないようにする
方法
があるのか。又それは起きる心配がないか。
大蔵大臣
はそういうことはないの、だとあつさり言
つて
いるけれども、まあ造船融資なんか誰れもあると思
つて
いやせん。それが結局はあ
つた
わけですから、やはり今の
金融
は一方において引締めているでしよう。そこへ向けて三十六億というのですから、これは財界から見れば早天の慈雨です。それは取り合いになるのは当り前だと思う。私は恐らく競争になると思う。あなたはどういうふうに操作するか知らんけれども、ここらにおいて、
一つ
一遍どういう構想で
一つ
や
つて
行こうという考えを以ているか、一遍
一つ
お聞きしておきたい。例えば、あれはあれでも、併しまだ割当するときには何とか
委員会
、
計画
造船
委員会
とか何とかいう
委員会
がございましたですな。こつちにはそういうものは全然……。尤もこの特別会計の場合には、そういう条項は作
つて
いないんだけれども、今のやつにはどういう
委員会
を作
つて
やるのか、そういうことも何もこれはないのです、この条文には。それは必要ないかどうか。或いは別に
政令
で、第四条の
政令
でそういうものをきめる見込みであるかどうか。森永氏に
一つ
お聞きしておきたい。
森永貞一郎
188
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 開発銀行に委ねられた場合に、非常に好ましからざる、或いは不正融資が行われるとは私どもは実は考えないのでございます。まあ現在問題にな
つて
おります造船問題につきましても同様でございますが、むしろ役人が一々のケース・バイ・ケースの
貸付
にタッチすることのほうが、いろいろ問題が起り易いかとも考えるのでございまして、やはり
金融
家という、専門家にこれを委ねたほうがよろしいんじやないかというようなことで、むしろ開銀への融資を主たる運用の
方法
として考えている次第であります。開銀に委ねました場合に、用心の上にも用心を重ねたほうがよろしいことは勿論でございまして、その
意味
におきましては、監督上におきましても十分配慮をしなければならないと存ずるのでございますが、今具体的な枠と申しますか、産業別くらいの枠は、これはまあ
政府
関係
各省間できめるわけでございますが、それをきめる。それに従
つて
融資させるということ以外に、特別に融資を審査する
委員会
を作るとか、そういう問題につきましては、実はまだ検討いたしておりません。運用の
実情
を見まして、必要があれば考えるにやぶさかでないのでございまするが、今日のところは開銀の普通の融資と同じように、開銀の自主的判断に任かせて行くのでよろしいのではないかと考えております。
菊川孝夫
189
○菊川孝夫君 その点がね、成るほどあんたのほうは危険—危うきに近寄らずという点についてはいいんだ。それで開銀に出す。ところがこれはもう本当に大きな別れ道になるのです。これは三十六億だから少額です。併し一旦この融資を受けて行くということは、国から兵器産業のまあ免許をもら
つた
ようなものです。公認の兵器産業の
会社
になるわけです。鉄砲を携える、或いは戦車を持えるという
会社
、その設備資金に開銀からとにかくMSA
援助
資金の融資を受けたというのは、将来これはもう自衛力増強というものは、今の
政府
が続く限りは、保守党が政権を担当して、我々のときにな
つた
ら覆すといたしまして、これは余分なことでありますが、それが続く限りには、兵器産業というのは増強して行くのでしよう。小笠原氏は三十六億だから大したことはない、大したことはないと言
つて
、これで又論争しなきやならん、私は聞かなくちやならんが、まあ今日出て来よらんから、政務次官なりあなたにお聞きしたいのだが、代理で見えているから。三十六億、その
金額
はそれは大したことないのです。併し出発点というのは、これをもら
つた
というのと、もらわんというのは大きいのですよ。そこであなたの
説明
では、どこの
会社
に貸すということまでは指示しない。これは
小林
中氏の最後の決断によ
つて
どうということにきま
つて
しまう。併し小笠原さんは二重投資はしない、設備過剰にならんように留意する、こういうことだ
つた
からして、例えば潜水艦の製造或いは砲弾の製造ということについては、僕は
一つ
ぐらいだと思うのです。そう砲弾を捕える
会社
余計、僅かなものですから、融資するわけに行かない。だから三菱重工業についてはどうする、住友金属はどう、こういうふうにな
つて
来る。そうすると、住友金属は砲弾製造のために融資を受けたということになると、受げないものとえらい違いができて来るのだから、私は競争が起る、こういうのです。そういうことについては、将来の方針として、こういう
会社
を本当に、将来自衛隊の
一つ
の武器請負業者として育成して行くか育成して行かんかのわかれ目になるのじやないか。従
つて
競願も多いだろうと思うのです。それを開銀の
小林
氏の差配によ
つて
きのてしまうということは、これは私はどうかと思うの、だが、どういうことになるわけですか。私の言うのは質問がちよつとくどくてわからんか知らんけれども、言
つて
いることはあなたがたおわかりになると思うが、それでいいりかどうか。
森永貞一郎
190
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) 建前とい たしましては、開銀当局の
金融
専門家」よる慎重なる
審議
の結果、自主的な判断に委ねる、そういう建前で考えておるわけでございます。ただ、こういう場合もあろうかと存じます。というのはこれは域外買付の発注を米軍がいたします。その場合設備資金が要る、その場合にその設備資金を国家が出すというようなことじやないかと思うのでございまして、そういう場合には、そういう
金融
専門家の調査も勿論でございますが、どこまで勉強するか、入札の
方法
、域外発注のほうは恐らく入札で行きましようから、そのどこまで勉強するかということ、その勉強の程度と、それから信用の調査というような要素、これが開銀当局の調査の結果出て来るわけでございまして、そちいうようなことで違
つて
行くのじやないかと考えるわけでございます。勿論三十六億といえども、これは非常におろそかにできないわけでございまして、血もそれも今お話がございましたように、これは将来がきま
つて
行くという非常に大事な問題でございますかり、慎重の上にも慎重を期さなくちやばらんと思うのでございますが、これほそづくりそのまま私どもは開銀当局に対して慎重の上にも慎重を尽すというようなことを要望せざるを得ない、ごように考えておるわけでございます。
菊川孝夫
191
○菊川孝夫君 そうすると、それならは私のお尋ねするのは、はつきり申しふして、砲弾を持えるという産業は、囲えば日平産業と、それから小松製作川、三菱重工、こう三つが競争して来たら、設備過剰にならない、二重投資にならないようにということを言
つて
おりましたが、そうすると、そのうち、今の自衛隊の
状況
から言
つて
、又域外買付を考えても、せめて二社ぐらいということになると、どつちか三つ四つ—これは無論二つや三つじやないと思います。もつとたくさん競願がある。そのうち三つへやるということで、これがもらうかもらわんかということは、業界にと
つて
は、私は今非常に、まああなたも御承知の
通り
に、業界は必死にな
つて
来ておりますね。ぢからそれをもらうか、もらわんか、融資を受けるか受けんかということは、業界にと
つて
は私は大きな要素と言いますか、将来発展のための要素になるだろう。従
つて
そこを狙
つて
今この三十六億を欲しいというのじやないのです、将来性を狙
つて
、ものすごい競争は必ず起きるだろう。こういうふうに思うのだが、それを単なる開銀によ
つて
調整させる、又これは私らもそんなことは反対だけれども、今度できる自衛隊の、ここの御用工場ということになるわけですな。はつきり言うと、これをもら
つた
ところは。それになるかならんかということですから、これの融資を受けたところには、当然設備古それだけ改善されて行くでしよう。だから勿論進歩して行くから、注文がどうしても保安隊のほうからそこへ行くことにな
つて
、単に三十六億の問題じやないと思う。それは業者のほうも狙
つて
乗出して来るだろう、この話合いに。又仮に保安隊にやらせるということになりましても、軍がそういうことに—軍というか、じやないけれども、まあ保安隊がそういうことに全然タッチができないということじや、これはもう向うの銀行も承知できないだろうと思うのです、昔の考え方からすれば。やはり或る程度これによ
つて
監督するようにしなくちやならん、これもやはり
一つ
参画をさせなくちやならん、こういうことにな
つて
来るのじやないですね。ただ
小林
さんが最後の決定をして、五つ、六つあ
つた
場合、三つ程度にふるうということをやるというようなことになれば、この間、開銀の融資の最後の決定はどういうふうにやるのだと言
つて
聞いたら、造船融資のときも話したが、重役会に諮
つて
相談してみる、相談して意見がまとまればよろしい、まとまらないときは最後の決は私がとりますと言う。これも今の御答弁だと、そういう
方法
のようになる。あなたの言われることを正直に受取
つて
おれば、そういうことになると思う。それがちよつと三十六億だけで以て、
あと
何にも影響がないのなら、私は大したことはないと思います。併しそれは私の申上げたようなことも、必ずしも仮空のことじやないだろうと、あなたはお認めになるだろうと思うのです。それでいいのか、そういうことで飽くまでもや
つて
行くつもりか。それをもう一遍重ねて私は念を押しておきたい。これは大きななにだと思うから。
森永貞一郎
192
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) まあ保安隊は、現在狭い
意味
の兵器、弾薬類の発注量は、これは微々たるものでございまして、特にそのために設備の拡充等を必要とするような量ではないわけでございます。そうしますと、まあ米軍の域外発注を日本の将来の需要と見合
つて
、どの程度にこなすかというようなことで、まあこの産業にどれだけ金を多く出すかというようなことがきま
つて
来るわけでございますが、
政府
としては、勿論そういうような要素も考えまして、この金をどういうふうに使うかという割振りをきめるわけでございます。その中で具体的にどの産業に行くかということは、勿論各社から競願もございましよう。で、その競願は開銀に対する融資の申請という形と、それから域外発注を受けるについて、それを自分のほうにとりたいという競争と、これはまあ二つの面で出て来るわけでござまいす。
菊川孝夫
193
○菊川孝夫君 そうそう保安隊の御用商人というようなところを……、
森永貞一郎
194
○
政府委員
(
森永貞一郎
君) それはまあ
政府
が
一つ
一つ
に、この
会社
がいいというようなふうに、実際的に関与すべきものではない。飽くまでもやはり経済的な原則によ
つて
きめるべきものであると考えるのでございまして、安くて注文が落ちた、而もその
会社
は開銀の審査の結果から考えても、信用も十分あるし、将来も大丈夫だというようなもの、両方がぶつか
つた
ときに、その
会社
に注文も落ちるし、金も貸される、さようなことになるのじやないかというふうに考えます。その間勿論開銀だけで、開銀が幾ら金を貸すと申しましても、入札が落ちなければ貸せないという要素も勿論あると思いますが、少くとも融資の面では、これは開銀当局が持
つて
おる
金融
のエキスパートとしての調査能力に期待せざるを得ないわけでございまして、その調査の結果によ
つて
、開銀では、内部機構で誰がきめるのか、私そのほらはよく存じませんですが、普通の融資の場合におけると同じような諸種の段階を経て、最後は総裁の責任できめる、さように考えておるのでございます。
菊川孝夫
195
○菊川孝夫君 それじや政務次官にここでお尋ねしておきますが、自衛というものの広義の解釈は、自衛隊は頭数が揃うだけじやなくて、これが持つ鉄砲もあれば、そいつの補給ということも
関連
して、これは自衛ということが考えられなければならんわけだろうと思うのですが、あなたらのよく言
つて
いる自衛というのは、そういう
意味
に解釈できると思うのですね。そうすると、第一線に立
つて
、鉄砲を持
つて
、若しも外敵の侵入があ
つた
場合には、防ぐ場合の隊員と、これに後方から補給するところの工場も引つくるめて、自衛というものを考えなくちやならないと思う。今の主計局長の答弁では、単なるビジネスとしてこれをや
つて
行こうというのか、ただ補給という面を保護育成するという面は、全然考慮せずに、自衛は自衛だというので、鉄砲を持つ奴だけが自衛で、
あと
のことは考えないのだ、こういう文官式に、本当にビジネス式にこれを今後考えて行くつもりであるのか。そういうことで果して今後できる自衛隊との調整がうまく行くのかどうか。あなたはそういうふうに切り離して考えてや
つて
行くおつもりであるか、それで大蔵省としては押切るつもりであるかどうか、この点も重ねてあなたから
一つ
、
大臣
の代理として伺
つて
おきたい。
植木庚子郎
196
○
政府委員
(
植木庚
子郎君) お答え申上げますが、成るほど迎せの
通り
我が国の自衛力というものを考えます場合には、単なる保安隊、若しくは自衛隊の人員の問題のみならず、装備、更にその装備を供給する或いは製作する産業の当該
会社
の力というものも、広い
意味
においてその範囲内に入ると思います。従
つて
かような場合におきまして、今回のこうした資金の運用の場合に、単に開発銀行の総裁だけに一任して、それに全責任を負わしておいていいかどうかという問題については、これはいろいろ考え方が私はあると思います。只今森永
政府委員
からお答え申上げましたように、
政府
としては、諸般の事情を十分に開発銀行の総裁に伝えた上で、十分善処させるという
方法
も
一つ
でございましよう。かかる場合においては、日本開発銀行の総裁としては、それが本当の
意味
の単なる経済上のいわゆるビジネスだけとしての観点から立
つて
仕事をするか。或いはその場合には当然日本の自衛力の広い
意味
において一部分をなすのであるからというので、日本の国全体としての広い見地からも、その相手の選定に当
つて
考慮に入れるか、というような問題が考えられると思いますので、こういう点につきましては、やはり必ずしも
政府
がタッチしなくても、当該開発銀行に責任をゆだね、而もそれに対し十分にこの問題の相当深く、国全体のためにも考慮すべき点を伝えた上で、運用させるということも
一つ
の
方法
だろう、かように思うのであります。尤も只今お話の点から私想像するのでありますが、私の個人的な見解を申上げますならば、むしろこういう場合に、
政府
として適当な機関を設け、その機関と、そして当該開発銀行の理事者と一体とな
つて
仕事をするのがよくはないかというようなことも
一つ
の案だと思うのでございます。併し何しろこの問題につきまして、それほどにする必要があるかどうかということにつきましても、なお、考究の余地があると思いますから、御意見等も体しまして、更に研究もし、考えてもみることにいたしたいと存じます。
菊川孝夫
197
○菊川孝夫君 もう少し各条を少しお尋ねしたいと思うのですが、時間も時間ですし、もう
委員
各位も殆んどおられませんし、どうですかな。これはちよつと速記をとめて……。
大矢半次郎
198
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
大矢半次郎
199
○
委員長
(
大矢半次郎
君) 速記をつけて。 本日はこれで散会いたします。 午後四時五十九分散会