○
政府委員(正
示啓次郎君) それでは
物品の
無償貸付及び
譲与等に関する
法律の一部を改正する
法律案につきまして簡単に各条の趣旨を御
説明申上げたいと思います。
すでに提案の理由につきまして御
説明を申上げたところによ
つてもおわかりのことと思いますが、本改正案の根本趣旨は、昨年の風水害等の発生の際におきまして救助の実情等から改正の必要を痛感いたしまして提案いたしました次第でございます。
先ず第二条の第五号の二というものを新らしく設けて頂くことにお願いをいたしておるのでございますが、これは
只今も申上げましたように、風水害等の救助の実情から必要でございまして、第三条第五号におきまして、応急救助を要する者に対して生活必
需品等を譲与又は低額で譲渡できることとな
つておることとの均衡上も、新らしく貸付けることができる場合を
規定することといたしましたのでございます。なおこの条項に該当する場合といたしまして現実に想定できますものは大体次のようなことでございます。即ち、一つは震災、暴風雨、洪水、火災、その他の災害が発生いたしました場合におきまして、災害救援のため派遣されました、例えば昨年もございましたが、保安隊、今度は自衛隊ということに直されることにな
つておりますが、それらの部隊等がその所有する寝具、主に毛布でございますが、或いはその他マット、テントその他のものを応急救助を要する者に貸付けるような必要が現実に起
つたのであります。更にそういう場合以外に引揚援護局、或いは各地にございます国立病院等がその所有するやはり寝具、衣類、鍋、釜等を応急救助を要する者に貸付けるような必要がある場合、こういう場合が考えられたのであります。第三に、建設省或いは農林省、その他先ほど申しました自衛隊等におきまして、その所有しておりますブトルーザー、トラック、舟艇、トロッコ、シャベル、つるはしその他のものを災害の応急復旧を行う地方公共団体等に対しまして貸付けるような必要がある場合、こういうような場合が大体考えられるのであります。それから水難の場合におきましても
只今申上げたような同様のケースが考えられるのであります。こういう場合に備えまして貸付の
規定を新らしく設けて頂くということをお願いしているのがこの第二条第五号の二に関しましての必要性でございます。
次に第三条第五号の改正でございますが、従来の
規定は御承知の
通り「生活困窮者又は海外から引き揚げた若若しくは
本邦から引き揚げる者であ
つて応急救助を要する者」とな
つてお
つたのでございますが、譲渡の対象となる者は応急救助を要する者であることにおいては今回の改正も何ら変
つておらないのでございますが、時勢の推移と申しますか、客観的な情勢の推移に伴いまして、表現を今回のごとく改めたいということでございます。
第三に、第四条の第三号でございますが、これ又昨年の風水害等の経験に鑑みまして、救助の状況、国有林野と地元との関係等の実情から考えまして、低額で譲渡することのできるようにいたそうとするものでございます。この条項に該当する場合といたしまして現実に想定できますものは、震災、暴風雨、洪水、火災、その他の災害が発生し、国有林野の所在する地方の地方公共団体又は住民が著しい被害を受けた場合におきまして、罹災者の用に供するための採暖用の薪炭を被害地の地方公共団体に売払うとき、
事務所、道路、橋、堤防等の応急復旧の用に供するため、立木、素材、土石等を被害地の地方公共団体に売払うときというようなことが想定いたされるのであります。
以上申上げましたように、昨年の風水害等からの実際の経験に徴しまして、先にお定め願いました
物品の
無償貸付及び
譲与等に関する
法律の更に一層の活用を図りたいという趣旨から本改正案を提案いたしておりまするので、何とぞ御審議の上速かに御議決願いたいと存じます。