○
説明員(
谷川宏君) 更に詳しく御
説明申上げます。
先ず
道路でございますが、
道路につきましては、この
安全保障諸費が組まれきした二十七
年度におきまして、
米軍との間の計画の
決定等につきまして数次に亘りまして交渉いたしました結果、大体の見通しがついたのがその
年度半ば過ぎでございました。その結果二十七
年度におきましては、この表にございます
通り百五億一千万円の移替が決定いたしたのでございまするが、併しながらこの実際の
支出の面につきましては、この移替決定した以降におきまして、各
関係の都道府県との交渉及び実際の設計その他の
関係等がございまして、現金の
支出が出ましたのは非常に僅かにとどま
つておるのでございます。
先ずこの
内容でございまするが、百五億一千万円、これを四つに大別いたしまして御
説明申上げたいと思いまするが、先ず
演習場関係におきましては七十六カ所、四百六十五キロ・メートル、この
金額が四十五億八千六百万円、一例を
申上げますると、沼津、御殿場の間、これは御殿場に演習場がございまして、そこへ行く駐留
米軍の使用する主要
道路がございます。富士山の演習場でございますが、そういうような所を初めといたしまして七十六カ所ございます。これが数としては一番多いのでございますが、次には航空基地の
関係が六十九カ所ございます。これが二十四億九千八百万円、長さにいたしまして百七十九キロメートル、北海道の基地の周辺の
道路が多いのでございますが、札幌—千歳間、これが主要な
道路でございます。次にはキヤンプの
関係でございますが、これは四十四カ所、百十七キロメートル、
金額にいたしまして二十億九千七百万円、例えば横浜—座間間の
道路がございますが、これを鋪装いたしたのでございます。その他といたしまして三十九カ所、七十五キロメートル、十三億三千三百万円、以上
合計いたしますると二百二十八カ所、八百九十四キロメートル、百五億一千万円ということに相成るわけでございます。二十七
年度の使い済みが百五億で、大体、軍との
関係におきましてはこの程度やれば済むという見通しがございましたが、更にその後における提供などで、二十八
年度において、二十八億二千七百万円というのが一月末までに決定したわけでございます。更にその後、妙義山その他の
演習場関係がございますので本
年度中には十三億二千三百万円という
金額が
予定されるわけでございます。
先ず二十八
年度の使い済み額の二十八億二千七百万円、これについで今御
説明申上げたように分類いたしますと、
演習場関係で十七カ所、五十三キロメートル、
金額で六億五百万円。航空基地の
関係が十五カ所、十七キロメートル、二億七千八百万円。キヤンプ
関係につきまして二十七カ所、九十六キロメートル、十億七千五百万円。その他の
施設関係といたしまして二十七カ所、百一キロメートル、八億六千九百万円。
合計いたしますと八十六カ所、二百六十七キロメートル、二十八億二千七百万円。これで軍の要望、或いは地元の要求等に対しまして大体始末がつくのでございますが、更に十三億二千三百万円の必要があるわけでございます。
その主なものを
申上げますと、先ず
演習場関係が妙義山を始めといたしまして十カ所、三十キロメートル、三億五千六百万円。航空基地の
関係基地の拡張でございますが、三カ所、九キロメートル、二千四百万円。それからキャンプの
関係五カ所、十五キロメートル、八千四百万円。その他の
施設関係が三十八カ所、百十五キロメートル、八億五千九百万円。その
合計が五十六カ所、百六十九キロメートル、十三億二千三百万円ということに相成るわけでございます。
以上を以ちまして、
道路関係といたしましては、五百六十億のうち百四十六億六千万円が
予定されておるわけでございます。
次に
河川に参りますと、
河川は二十七
年度に使い済みましたのは千葉県の真亀川の改修工事でございます。これは軍のキヤンプの傍を川が流れております。その川の改修でございまして、千二百万円。それから今後埼玉県の不老川の改修、二千六百万円、
合計三千八百万円。
次に
港湾に参りますると、
港湾につきましては
原則といたしまして代替
施設の
関係を主として安保諸費で見ることに
なつておるわけでございますが、二十七
年度に使い済みましたのが二十八億八千四百万円、この表に書いてございます
通り、十の
港湾、横浜港高島岸壁、出田町、川崎、神戸、横須賀、佐世保、門司、小樽、八戸、名古屋、博多、
合計二十八億二千九百万円。二十八年の四月から今年の一月末までに二十八
年度分として使い済みましたのは十二億五千三百万円でございまして、この代替
施設の
関係が四港、九億八千五百万円。横浜港の北の突堤、出田町の突堤、名古屋、金石、これは石川県でございます。それから門司。今後の使用分といたしましては、代替
施設の
関係が四港、これが十億四千七百万円、横浜の新山下の突堤、それから神戸、小倉、徳山、こう
なつております。代替
施設の
関係はこれだけでございますが、次の頁に、
港湾の第二の十目といたしまして、救難基地の
関係がございます。これが二十七
年度中に移替が済みましたのが五港ございまして、これが五千五百万円、大阪、八戸、塩釜、宇島、室蘭。二十八
年度になりまして、四月から一月の末までに代替
施設以外で移替をやりましたのが、先ず弾薬の荷上げの
施設、これは軍の要求によりまして二港だけ移替をいたしまして、工事を進めているわけでございます。これは忠海、名古屋でございます。これが一億四千八百万円。次に輸送の
施設の整備といたしまして、関門海峡、これは軍の九州と本土との連絡の
関係上、輸送
施設が今まで非常に弱体でございますので、輸送を補強する。これが二千五百万円、
次に奥尻、厳原の電探基地の二港の整備、補修でございますが、これが九千五百万円ということになりまして、
港湾関係で二十八
年度一月末までに
移替えましたのが十二億五千三百万円ということに
なつておるわけであります。それから今後の使用
予定といたしましては、先程の四港以外に、輸送
施設の整備といたしまして、二億一千万円、これは富岡と追浜、横島、大島、この四カ所だけ整備をいたすことに計画を進めて、軍との協定ができております。これを
合計いたしますと、
港湾関係で、前の頁にありますように、五十一億八千四百万円ということに相成るわけであります。
第四番目といたしましては漁港の
関係でございますが、今までには移替が済んだのはございませんが話合いがついたのは和歌山県の白野港、これは四千五百万円、これも軍の要求によりまして、これだけ出すことにいたしたわけであります。
第五の部類としまして
通信施設でございまするが、これが二十八年といたしまして一億九千八百万円、これはグリーン・パ一ク、三鷹の宿舎の
関係でございますが、それが一億九千八百万円。それから今後の
関係といたしまして十億、次に
申上げまする
営繕関係の
施設を作りますと、都心から地方のほうに
施設が移りますると、
通信施設もそれの関連土移す必要がございまするので、その
関係としまして、大体五十件、十億を
見込んだわけでございます。通信
関係といたしまして十一億九千八百万円と相成
つております。
次の
保安施設でございますが、これに当初
安全保障諸費を編成いたしまする場合に、この代替
施設の外に、
保安施設につきましても、当時の国会で
大蔵大臣から御
承認を得まして
移替えたわけでございますが、その
関係が九億三千万円。
保安大学の三億と、ヘリコプター二機の六億三千万円ということに相成
つておりまして、この関連は、この後はそれぞれ保安庁の経費の方も相当見ることになりましたので、そちらの方で見ることにいたしました。
最後に一番大きい
営繕関係でございますが、これが二十七
年度に移替が済みましたのが、ここに書いてございますように百十四億七千三百万円、その中で一番大きいのが空軍の
関係の七十九億一千万円、それから海軍が十四億七千七百万円、陸軍が二十億、この二十七
年度におきましては空軍が七十九億、これは空軍が計画の出し方が早うございましたので、着手が早か
つた関係がございます。併し二十八
年度に参りますると陸軍の
関係が多く
なつて来るわけでございます。
先ず二十七
年度の空軍
関係でございまするが、これは主として宿舎の
関係でございまして、先ず三鷹の宿舎、それを改築する。殆んど新築同様でございまするが、これが二十七億五千三百万円、芦屋の宿舎二億四千五百万円、立川の宿舎が十三億八千万円、千葉県の白井の宿舎が六億五千万円、それから府中の空軍司令部でございますが、これは二十八億八千二百万円、
合計七十九億一千万円を以ちまして着々工事を進捗してございまするが、何ぶん一件あたりの工費が相当かかりまするので、まだ完成はいたしておりません。三鷹だけが完成しておるわけでございます。白井も近く完成することに
なつております。それから海軍の
関係が二件で十四億七千七百万円、横須賀と佐世保の宿舎の
関係でございます。
それから次のページに参りまして陸軍の
関係が四カ所ございますが、これは相模補給廠の一億一千五百万円、内灘の陸軍の宿舎七千三百万円、朝霞の宿舎五億、尼ケ崎の陸軍補給廠十三億九千八百万円、四件二十億八千六百万円、この二十七
年度使い済み額が
合計して百十四億七千三百万円と相成
つております。
二十八
年度になりまして、二十七
年度全体の計画がなかなか移転の場所の
関係等ございまして決りませんでしたわけでございます。それで二十八
年度になりまして、まあどつと一どきに大体決
つたわけでございまして、それが先ず空軍の
関係といたしまして二十一億三千八百万円、六件ございまして、岩国の鉄道の引込みの
関係、これが七千七百万円、それから小牧、守山、これはいずれも宿舎でございますが、それぞれ七億七百万円、十億三百万円、それから大府の
通信施設一億三千万円、伊丹の宿舎が一億四千万円、それから府中の将官の宿舎、これが八千二百万円、
合計いたしまして空軍で一月末までに二十一億三千八百万円決定したわけでございます。海軍
関係はございませんで、次は陸軍の
関係でございまするが、これは十七件ございまして、六一九億九百万円、相模の補給廠の
関係が、初めの二十七
年度の直ぐ左の欄に書いてございます一億一千五百万円は最初着手したときの小規模のものでございまして、本格的に設計がまとまりまして十三億六千五百万円が決
つたわけでございます。次に尼ヶ崎の補給廠一億四千三百万円、磯子富岡の倉庫の
関係といたしまして二億八千二百万円、それから小泉の宿舎、これが十四億一千万円、横浜の倉庫といたしまして十二億一千二百万円、川崎の倉庫が一千九百万円、淵野辺の研究所これが三千六百万円、それから座間の病院が九億五千七百万円、それから横浜の下士官食堂二千七百万円、東京の補給廠のQM・デポ、これが一億七千万円、それから横浜のフライヤージムの移設、これは体育館でございまするが、これが四千五百万円、それから大阪の貿易館の改修工事九百万円、世田ケ谷の陸軍倉庫が一億六千万円、座間の将校の宿舎が八億九千万円、座間の将官の宿舎が一億三千九百円、朝霞のキヤンプの洗濯所の改修工事といたしまして一億四千二百万円、それから横浜のカフエテリヤが四千五百万円
合計いたしまして陸軍
関係が六十九億九百万円で、陸軍、空軍、海軍の
営繕の
関係が九十億四千七百万円と相成
つております。
今後の
使用見込でございまするが、この
関係といたしまして百三十四億二千四百万円ということに
なつております。このうち、すでにこの計画の確定いたしましたものが八十億ばかりあるわけでございまするが、その大
部分は殆んど全部が陸軍
関係でございまして、空軍、海軍はすでに使い済みのものでおよそ賄いがつくという見通しでございます。陸軍
関係といたしまして七十八億三千三百万円、その
内訳は、横浜の倉庫の
関係が一億一千八百万円、それからワシントン・ハイツの宿舎の
施設が十五億八千万円、パーシング・ハイツが三億六千万円、これらによりまして、まだ都心にあります第一ホテルその他の民有のホテルを接収しておりますが、これが完成いたしますると、ここに移ることによりまして、現在接収中の民有のホテルその他が接収解除になるわけでございます。それから深川のP・〇・L、これが九千三百万円、大門のガレージが二億二千百万円、次のページに参りまして、C・P・〇の移設、横浜に来るわけでございますが、これが八千九百万円、それから神戸の東キヤンプといたしまして六千二百万円、大船の写真工場の改修工事といたしまして五千万円、聖ロカ病院の分院が一億円、それから神戸
港湾司令部が三千万円、横島のP・〇・Lが一億七千四百万円、新山下の将校宿舎が八億二百万円、それから横浜地区の岸根の宿舎といたしまして十三億五千八百万円、横浜の中央部におきましてまだ相当のホテルその他が接収されておりますので、これができますと、大
部分が解除になるわけでございます。次にハーデイ・バラツク、これは現在大蔵省の虎の門の宿舎その他民有の
施設その他がまだ相当事務所として接収を受けておりますが、これが完成すると解除になるわけでございます。ハーデイ・バラツクが二十七億九千六百万円、以上七十八億三千三百万円というのが今後の
使用見込みでございます。併しながらこれらは軍との打合せは済んでおりまして、設計その他も大
部分もう揃
つております。このうち若干のものはすでに印刷に付したものもございまするが、今後まだ
資料の収集その他必要がございまして今後来
年度にまたがりまして、契約する必要があるわけでございます。
以上がはつきり日本
政府といたしまして
施設を作ることが決定した分でございまするが、目下、計画検討中のものとしまして四十三億九千百万円、この点につきましても軍の要求は相当強いのでございまするが、日本
政府といたしましてはいろいろな周囲の情勢その他を考えまして、更に圧縮できるかどうか等につきましても目下検討しておるわけでございます。そのうち横浜のR・P・Eの
関係が十億と、住宅の
関係八件と申ますのが、以上をもちましてもまだ軍の住宅の要求は相当大きいのでございまして、それを半分までは参りませんが或る程度充たすといたしましても十五億の金が要るわけでございます。それから空軍の基地の
関係といたしまして三億九千百万円、これも現在わかつおりまする
範囲内でこの程度がまだ必要である。それから病院の
関係といたしまして、大きい病院は福岡とか大阪、京都と、日本赤十字或いは郵政省の建物が接収を受けまして、まだ使
つておるわけでございますので、これを二件だけどうしても返さなければいけないと、赤十字の
関係その他を考慮いたしますと、大体十五億要る。この検討中のもので四十二億九千百万円は今後の先方との交渉、或いは日本
政府内部の
関係各省との話合いによりましては、
金額は或いは多少ふえるという
関係のものでございます。更に
最後に設計変更等のための予備、以上のように
営繕関係といたしましての三百三十九億というものの大
部分が、現在目下工事着工進行中のものでございまして、これらにつきましては、この三百億以上の
金額に対しまして、僅か十二億の予備費でございまするが、これは設計の変更等が従来の軍の要求
実施上におきましては、通例起り得るという
関係がございましたので、ここに計上したわけでございます。
以上を以ちまして今後の
使用見込みが百三十三億二千四百万円と相成りまして、
合計五百六十億は以上のような計画を以て進めておるわけでございます。