○森八三一君 私は
只今議題にな
つておりまする
輸出水産業の
振興に関する
法律案に対しまして、
秋山委員から
提出の
修正部分を含めまして
賛成をいたすのであります。
なお
千田委員の
附帯決議として提案されました
趣旨、極めて御尤もなことであり、当然そうなければならんことでありますので、そういう
趣旨における
附帯決議も
賛意を表するのであります。
この際
一言本法の
実施運営に関しまして、
希望を申添えて
賛成の言葉を結びたいと思うのでありますが、その第一は、
本法の成立に伴いまして、
関係業種別にそれぞれ
組合が
結成されることになるのでありますが、過去の他の
組合の
結成等に例を見ますると、いずれも自主的な立場をと
つておりまするために、ややともいたしますると、その
組合の内部の
統制が十分に確保せられませんで、折角
組合を組織いたしましても十分にその
組合の本来の機能を発揮し得ないというような憾みを感ずる場合がしばしばあるのであります。今回のこの極めて重要な
輸出水産業の
振興に関する
組合の
結成につきましては、過去に私
どもが経験した、そういうような遺憾なことのございませんように、
結成される
組合の健全な
発達育成ということについては、格別に
当局において留意を
希望するのであります。この
法律が
議員提案であるという
関係からいたしまして、恐らく
水産庁経費には、
予算のうちにはこのことを目途とするための必要な
経費というものは予期されておらなかつたのではないかというように思うのでありますが、そういうことからいたしまして、
組合の指導、強化ということがおろそかになりましては、
法律制定の
趣旨に副わないわけでありますので、
予算的措置等についても、適当な
機会に十分考慮せられまして、本当にこの
組合が健全な
発達をすることに
最善を期せられたい。同時に、特に
法律二十九条に
融資のことを
規定をいたしておるのでありますが、最近の
金融情勢から申しますると、こういうような
規定を作りましても、これは一片のゼスチユアに終
つてしまうという懸念はないとはいえないと思うのであります。
本法の
目的を十分達成いたしますためには、二十九条に
規定する
融資のことが十分に行われるかどうかということによ
つて目的が完全に遂行し得るかどうかということに非常に大きな繋がりを持つように思いますので、この二十九条にいう、いわゆる
融資の問題が空文になりませんように、いやしくも
本法の
目的を達するために
農林大臣の発する
統制命令に関連するような場合におきましては、
融資の問題がその裏腹とな
つて、十二分に活用されますのに困難な
情勢に置かれておることは十分察知いたしますが、
融資の問題について本当に熱意をこめてや
つて頂かないと、これはもう竜頭蛇尾に終る危険がないとはいえませんので、この点特に
希望いたします。
更に第三に、こういうような強度な
統制が布かれることになりますると、そのことから及びまして、先日も
木下委員から御
意見があつたのでありまするが、
原料魚の
生産に携わ
つておる
原始生産漁民に
圧迫が及んで来るという危険を感じないわけには参りません。そうなりますると、このことが又別な面から非常に大きな問題を巻き起して来るわけでありますので、
輸出業の
振興ということは、日本の
経済現況からいたしまして、強力に推進しなければならんことは申すまでもございませんが、そのことのために、多数の零細な直接な
原料魚生産をや
つておる
漁民諸君の
経済的圧迫という結果をもたらしたのでは、これは非常に重大な結果を招来するわけでありますので、
生産漁民の
利益保全と申しまするか
経済的地位の確保ということとこの
法律の
運営との間には、極めてデリケートな
関係がございまするけれ
ども、
当局においてはその間の
調整に
最善を尽されたいということを特に申添えまして、
修正案及び
決議案を含めまして
賛成をいたすものであります。