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1954-11-13 第19回国会 参議院 水産委員会 閉会後第19号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年十一月十三日(土曜日) 午前十一時二分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
小林
孝平
君 理事 千田 正君
委員
島村 軍次君
森崎
隆君 松澤 兼人君
苫米地義三
君
事務局側
常任委員会専門
員 岡 尊信君
説明員
水産庁長官
清井
正君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
水産政策
に関する
調査
の件 (
台風被害対策
に関する件)
—————————————
小林孝平
1
○
委員長
(
小林孝平
君)
只今
より
水産委員会
を開会いたします。 最初に二十九
年度
の
災害
に関する件を議題に供します。
水産庁長官
よりこれに対する
対策
の、今までに決定いたしております
対策
の概要を御
説明
を願います。
清井正
2
○
説明員
(
清井正
君) 本
年度
の
水産関係
の
災害
の問題でございますが、起りました当初の
緊急措置
といたしまして、いろいろ、殊に
被害
のひどか
つた
北海道方面等
一時的な要望がありましたことにつきましては、なおその他の地も含めまして
農林中金等
から
融資
をいたしてその場の間に合せ的な
繋ぎをいたしておるのでありまして
、御存じの
通り
、本回の
被害
は
漁船
、
漁具
、一般の
共同施設等
を通じまして非常に大きな
被害
でございましたし、
漁港等
におきましても
相当
の
被害
があ
つた
わけであります。そこで
只今全般
の問題につきまして
農林
、
水産
につきましてこれが
金融
問題として取扱います場合は、御
承知
の
通り公庫
を利用いたします場合と、
農林中央金庫
のいわゆる
系統団体金融
を利用いたします場合と二つに分れて来るわけでございます。取りあえずの
繋ぎ
は
農林中金
でいたしておりますが、これは本格的に取上げます場合にどちらからこれを
融資
するような
措置
をとるかということは非常な実は問題でございます。
農林関係
は大体これは
経営資金等
多うございますので、
農林中央金庫
の
系統
を利用して行きたいというのが大体の
考え方
でありますけれ
ども
、私
ども
の
関係
ではいわゆる
漁船
、或いは
施設等
が多うございますので、これは
農林中金
の
系統
だけでなしに、
公庫
の
融資
も考えたい、こういうようなことでいろいろ
相談
をいたしておるのであります。ただ御
承知
の
通り
、
只今
と申しますか今までの
災害復旧
といたしましては、御
承知
の
通り殆
んど全部が
系統機関
を通じてや
つて
おるのであります。
農林中金
その他の
系統機関
を通じまして
特別立法
いたしまして、その
裏打ち
といたしまして
損失補償
、
利子補給
の
措置
を講ずるということで
公庫
に殆んど利用していないのであります。
系統機関
のみを利用してや
つて
おるのであります。そこで今回もこれをどういうふうに取扱うかということが
農林
、
水産関係
の問題と
関連
いたしまして、
目下部
内においても
相談
をいたしておりますし、
大蔵省
とも
いろいろ話合
を目下進めている最中であります。 そこでお配りをいたしておりますのは、十月十六日に決定いたしました二十九年
災害
の
対策
てありますか、
関係
がありますところを特に申上げたいと思いますが、それは
農林省関係
全部であります。一といたしまして
公共施設
の
災害復旧
は三、五、二−三割、五割、二割の
復旧率
によ
つて
着手する、これに必要な
繋ぎ融資
をやるということでございますが、この問題につきましては私のほうといたしましては
漁港
であります。
漁港
が問題と
なつ
ておりまして、
只今
各県に
係官
が出張いたしまして、くまなく
災害
を受けた
漁港
について
実地調査
をいたしているのであります。これがもうじき、と申しましてもやはり十一月
一ぱい
はかかろうかと思いますが、大体
実地査定
を終るわけであります。そういたしますというと、
漁港
全体の
復旧予算
というものがきまるわけであります。
政府
全体といたしましては
漁港
だけでなしに、あらゆる
公共事業
につきまして全部
査定
をいたしまして、そこで
復旧
に要する
災害対策
の
公共事業費
の
総額
がきまるわけであります。きまりましてから
所要
の決定を見るという段取りになるわけでありますけれ
ども
、現在は折角
係官
が総動員で出掛けまして、
地方
の
災害
の
実情
を
調査
いたしている最中であります。尤も緊急な
繋ぎ融資
の分につきましては、無論
予算
とは別途に
繋ぎ
の
措置
といたしまして、これは
資金運用部
からの
融資等
の途があるわけでありますが、これにつきましてはまだ本格的に
なつ
たものはございませんが、二、三の県から問題が出ておりまして、
大蔵省
と
相談
をいたしている最中であります。そういうような
状況
でありまして、
目下折角査定
の最中であるというふうに御了承願いたいと思うのであります。 それからこの問題でありますが、これが
施設
、
農林水産業
の
施設
でありますが、
漁船
、
漁具
を含む
被害
については、
農林漁業金融公庫
の
融資
によるものとし、これに必要な
資金
を確保するためにいろいろの
措置
を講ずる。こういうことでありますが、なお非常に
災害
が大きうございまして、
従つて所要資金
が大きくて
資金
がとても足らない、
農林漁業金融公庫
の
資金
ではとても足らないというような場合には、
立法措置
を講じて行きたいということであります。 それからいわゆる
魚田開発
、
北海道
に限りますが、
魚田開発
の場合も
入植者
の
住宅等
の
施設
が壊れまして、これを
復旧
する場合には特別の
措置
を講ずるというのであります。この問題が三と
関連
をいたすのでありますが、一応のこの
建前
といたしましては、とにかく
農林漁業金融公庫
の枠を拡大いたしまして、そこでこの枠の操作によ
つて水産業
の
施設
も全部や
つて
行きたいという
建前
であります。併しどうしてもその枠で収まり切らんというときには
立法措置
を講じて、今までのような
利子補給
、
損失補償
の
立法措置
を講じて、
系統機関
でや
つて
行こう、こういう
考え方
であるのであります。
只今
のところこの問題につきまして、非常に慎重に
相談
いたしているのでありますが、なかなか
公庫
の枠の問題は簡単に
見通し
はつ
きかねるようであります。ところが一方
農林関係
が非常に大きな
災害
でありますので、これとの
関係
で、
只今
は
公庫
の枠の中で
水産関係
をどの
程度
見るかという問題について
相談
をしておる最中で、まだきま
つて
おりません。併し
公庫
といたしましては、若しも
資金
が不足するということになれば、今までのように
立法化
ぜざるを得ない。その場合は当然
系統金融機関
の
融資
ということになるのであります。
北海道
の
魚田開発
の
住宅者
の
入植施設
の
復旧
でありますが、これは
補助金
で実施をいたすわけであります。この問題につきましても又
相談
をいたしておる最中であります。 次は三でありますが、これは
経営資金
であります。いわゆる
農林
のほうに多いのでありますが、
水産業者
の
経営資金
でありますが、この問題につきましては、
利子補給
、
損失補償
というような
立法措置
を講じて参る。そして
系統金融機関
から
融資
を行わせる。これがため必要により
農林債券
の
資金運用部引受枠等
の増大が行われるのであります。 第二項には
開拓者
の問題が入
つて
おるのでありまして、前年に引続き
被害
甚大な
地域
の
開拓者
に対する
融資
は、三年以上の
据置期間
を設ける等特別の
措置
を講ずることとし、これがため必要な
資金
は
財政措置
を講ずることとする。 なお二十八年
災害
に関する
特別措置法
によ
つて融通
を受けた
農林漁業者
で、再び
災害
を受けたものについては、本
年度償還分
について延期し得るごとく
措置
すること。ということでございますが、要するに、三のほうは
経営資金
でありまするから、当然これは
利子補給
、
損失補償
の従来の行き方で行きまして、
立法
をいたして
資金枠
をきめて
金融機関
から
融資
をして、それについて
政府
から
利子補給
をし、
損失
を補償する。無論
地元
が負担して、
地元
が負担したものについて
政府
が補償する。そういうことにきめております。こういうふうに、一応この文章では
経営資金
は
系統金融機関
、
施設
のほうは
公庫
ということに
なつ
ていますが、
只今
申した
通り
、
総額
の
関係
で二の
漁船関係
、
漁具関係等
が
系統機関
のほうに廻ることになりますかどうか、この点を
大蔵省
と
相談
しておるのであります。要するに、
公庫
の枠もなかなか殖えないというような
状況
でありますので、この点は恐らく
相当
部分
が従来のような
方法
で行くことになる。つまり三の
措置
によ
つて系統機関
からの
融資
で行わぜるということになるのではなかろうか。
従つて
、そのためには
立法
を必要といたしますれば、これは
水産関係
については
農林
とは別に
特別立法
を作
つて
行くということになりはしないかと思いますが、これはいずれもまだ確定をいたしておるわけではありません。
只今大蔵省
と
相談
をいたしておるわけであります。いずれにしても、全体の
災害
の枠、
農林水産業
の枠と
公庫
の枠と全体の
財政計画
と
関連
をいたしますので、
はつ
きり私からこういうことになるのだと申上げることができないのは甚だ残念であります。とにかく
公庫
といたしましては、どつちになるかということは今考えを進めているところであります。 四、五は
特別関係
ございません。 六の
農業災害
の甚大なる
地域
については、
実情
に応じて
救農土木事業
、
開墾作業等
を実施すること。これは特に
北海道
において考えられておる。
北海道
の今回の異常な
災害
、
冷害等
も含めるわけでありますが、
災害
において
漁港等
の
救農土木事業
をや
つた
らどうか。これはこの前、
東北地方
の問題について
救農土木事業
でや
つた
ことがあるのでありますが、これはまだ
はつ
きり話はきま
つて
いないようであります。何とかしたいということで話を進めておりますが、するかしないか、又枠をきめるとしてもどのようにするかはさま
つて
いないようでありますが、
公庫
としては
救農土木事業
の一環として
漁港
についても行いたいということで進められておるのであります。 それから先は直接
関係
、ございませんが、主として
農業
、
林業関係
の問題でございます。 十二にございますのが、それがいわゆる
農業災害補償法
と
漁船損害補償法
による
保険金
については速かに本払又は
概算払
を行う。
漁船災害保険
の
義務加入制度
の
対象
を
現行
二十トンを百トンまで
引上げ
るよう
法的措置
を講ずる、こういうことに
なつ
ているのでありますが、これは申すまでもなく、
保険金
については
只今概算払
のできる分についてはどんどん
概算払い
をいたしております。それから本払の必要な分についても本払をいたすということで、一現に
保険
に入
つて
おるものについての
措置
は滞りなくや
つて
おるのであります。ただ
一つ
今度の
被害
を受けた船が非常に小さい船であります。特に
瀬戸内海方面
は非常に小さい船でありまして、
保険
に入
つて
いないというものが
相当
多いのでありますので、二十トン以下でありましても、とにかく
現行
の
加入率
をもつと
引上げ
るということの必要な
措置
をどうしてもやらなければならんのであります。
制度
の普及を図ることは勿論でありますが、
制度自体
につきましても、もつとよく考えて行きまして、不時の場合に備えるための
恒久的措置
をどうしても作り、而もそれを零細な
漁船
の
所有者
がたやすく払えるような
措置
をどうしても併せ行わなければならんのでありまして、この点につきましては、毎回
災害
の起るたびに恒久問題として考えるべきであるという御
意見
を各
委員
から承わ
つて
おりますし、我々もそう思
つて
おるのでありまするが、何しろ財政問題が伴います
関係
上、非常に考慮を要する問題でありまして、とにかく
現行
のままでもまだ入
つて
おらんのであるから、とにかくそれを入りやすくするようにということについて、
行政的措置
は勿論、或いは財政的な
裏打ち等
も十分考えて行かなければならん問題だと思うのであります。この点はかねがね各
委員
から御熱心なる御
意見
を承わ
つて
おるところでありますから、今回の問題につきましても、
現地視察
の報告の中にもその点が強調されてお
つたよう
に拝察いたしておるのであります。なお我々といたしましても、この点は十分考えて行かなければならんと思
つて
おるところであります。 なお第二項といたしまして、
義務加入制度
の問題、二十トンを百トンまで
引上げ
る問題、これは改めて
説明
するまでもないのでありますが、現在のところ、二十トンまでの船の三分の二が
加入
を決議いたしますれば、
残り
のものも全部入る。そういたしました場合には四分の一の
限度
で国家が
保険料
を負担するということに
なつ
ておりますのを、百トンまで
引上げ
るという
方針
でや
つて
おります。これは今度の実は
保険
が殆んどこれは小さな零細な船ばかりでありまして、いわゆるこの
制度
と直接の
関連
はないのが大
部分
であります。
従つて
、現在二十トン以下のものを今申上げた
通り
二十トンに
引上げ
るのも問題であります。現在の二十トン
未満
の
現行
の
制庭
をもつと拡充したいという点もあるのでありますが、併し同時にこれは
災害保険制度
といいますか、
農業災害補償制度
の問題と
関連
いたしまして、特にこれは考えて行かなければならん問題でありまするので、この点はすでにたびたびご
意見
があり、
国会
におきます御審議の経緯もありますることでありまするのでこの点も
只今大蔵省
と
折衝
をいたしておるところであります。 このほか十六の
気象観測
及び
試験研究
の問題でありますが、これは
冷害
のための
気象観測
、或いは
台風状況
の
観測
でありますが、僅かな人員でございますが、
水産庁
といたしましても実行いたしておるのでありますが、まだ実行の手初めでありまして、まだそれを行政的に効果の挙るところまで行
つて
いないことは残念でありますが、これは今後といたしましても、
冷害
のための
気象観測
、或いは
太平洋方面
の
海洋気象等
の
観測
に力を注いで行きたいということで、来
年度
におきましては
所要
の
予算
を要求いたしておるのであります。そういうところでありまして、結局
只今
まで具体的な
はつ
きりしたことを申上げられないのは甚だ申訳ないことでありますが、
只今折角部内並び
に
大蔵省
と
相談
をいたしておる最中でございまして、方向といたしましては先ほど申上げました
通り
、
漁港
はこれは
公共事業
でございますが、それはそれとして取扱いましても、それ以外の
漁船
、
漁具
、
共同施設
、非
共同施設
、
養殖施設
、
養殖物
、その他を通じまして
施設関係
は
公庫
、
経営費関係
は
中金
の
系統融資
という
建前
でありますが、枠の次第によ
つて
は
水産関係
はこれは切離して、全部
系統機関
で
損失補償
、
利子補給
で行うという従来の
方法
でやるか、或いは
公庫
の中から、
漁船
の中の
相当
の
部分
を
公庫
で見て、
残り
は
中金
で見るということにいたしますか、そこら辺のところが山に
なつ
ているのでありますが、いずれにしろ全体の枠との
関連
がありますので、どういうふうにすれば一番
災害復旧
のためにうまく行くかという
見通し
と
関連
を持ちましてきめて行かなければならん問題でありますので、
目下折衝
をいたしておる最中であるのであります。中途半端な御
説明
で恐縮ですが、現状は大体そういうふうに
なつ
ている次第です。
森崎隆
3
○
森崎隆
君 私
只今
御
方針伺つたの
でございますが、二、三点お聞きしたいことがありますが、
公共施設関係
の
災害復旧
は前
年度
通り
三、五、二の比率で、この
方式
でや
つて
行く、誠に結構です。現在
係官
のかたが
現地
に急派されまして、
実態調査
をや
つて
おられるわけです。これに
伴なつ
て
予算
が出るということになりますと、
臨時国会
に果して
災害復旧
に関する
災害補償
の
予算
が組めるか組めないかという問題かありますが、時期的に見てどういうことになるのですか、この点。
清井正
4
○
説明員
(
清井正
君) 私といたしましても、その点は
はつ
きり実は御返事申上げられないのでありますが、これはどういうふうに時間的な
関係
で
処置
をいたしたらいいでありましようか。私
ども
事務的に申しますと、従来の場合と同じ
方法
でずつと
措置
して、間に合わない緊急のものは
繋ぎ融資
で一応間に合しておいてやるということで行きますと、恐らくこれを全部終りますのには少くとも今月
一ぱい
くらいかかると、こう思
つて
おるのであります。そういたしますというと、来たるべき
臨時国会
の
災害復旧
の
予算
との
関係
はどうなるかという御
質問
でありますが、その点につきましては
財政事務当局
或いは
政府部
内において時間的な
関係
をいろいろ御
相談
なさ
つて
いるようでありまして、私
ども
といたしましては一日も早く
調査
を終りまして、
所要措置
をとりたいと思
つて
おりますが、ちよつとその点については
はつ
きり申上げられないので恐縮でございます。いずれよく
相談
をいたしまして……。
森崎隆
5
○
森崎隆
君 これは
臨時国会
を召集することに
なつ
ていますが、するとすれば来月初め、できますならば今月終り頃いやでも開かなければならん。そうすると
災害
があ
つて
から、今日までほぼ二カ月近くに
なつ
ている。
臨時国会
の時期というものについては或る
程度見通し
というものがあるはずです。そうなりますと、全力を挙げて
臨時国会
に
災害関係
の
予算
を出し得るように、
調査
を当然進めて行かなければならない。これは決していやみを言うわけではないのですけれ
ども
、そういうふうに間に合せるための
努力
というか、時間的な
努力
というものは私は必要だと思いますのでお聞きしたわけですが、せいぜいこれは早くして頂きたい。
補正予算
を組むとか、そういう
方針
は
政府
のほうでなさるものだと思います。が、とにかく間に合せて、一日も早く
予算
を組まれて下部に流せるようにして頂きたいと思います。 それから第二点としまして、今
漁船
の
災害保険関係
の
お話
がありまして、誠に結構だと思います。これはやはり
保険制慶
を根本的に考えて見なければならんと思うのです。現在全国的に見て
漁船数
の何%
程度
が
保険加入
をしておりましようか。大体の数はわかりませんでしようか。
清井正
6
○
説明員
(
清井正
君) 第一点の問題につきまして御
意見
を
伺つたの
でございますが、おつしやる
通り
であります。私
ども
といたしましても決してなまけてお
つた
わけでなくて、事務的にできる
限度
でいたしているのでありますが、ただこれが
予備費
との
関係
もございますので、
補正予算
という形をどの
税度
でや
つて
、或いは
現行
の
予備費
からこの点を出すかという問題とからむのじやないかと思うのであります。
予備費
ということになりますと、すぐ
補正予算
と
関連
がなくてできるかも知れませんが、いずれにしても御趣旨の
通り
なのであります。この点は事務的にも
調査
を支給終りまして、又同時に財政的にも、これは
政府
の
方針
とも
関連
をするわけですが、
努力
をいたしまして
措置
をとりたいと思
つて
おります。 それから
ら保険
の問題について御
質問
でございますが、これは
只今保険課長
も来ておりますので、なお足らない分は
保険課長
からも御
説明
申上げることにいたします。現在の
保険加入率
でありますが、
普通保険
、いわゆる普通の
保険
でありますが、大体全体で、これはまあ船の隻数で十月の十四日現在、三三・六%ということに
なつ
ているのであります。そうして
トン数別
に分けて見ますと、〇から四・九まで、即ち四・九トン以下の小さい船が三二・七%という
加入率
であります。それから五トンから十九トンまでが三一・八%、二十トンから四十九トンまでが三九・二%、それから五十トンから九十九トンまでが七二・二%、それから百トンから九百九十九トン、千トン以上はかけませんが、百トンから九百九十九トンまでが五七・八%ということで、結局平均いたしまして三三・六%というふうに
なつ
ておりますのが十月十四日現在でございます。これを見ますと結局二十二トンまでは大体三一・二%、まあ三二%ぐらい、それからまあだんだん上るに
従つて率
が高く
なつ
ている恰好になりますが、二十トンから四十九トンまでが三九・二・五十トンから九十九トンまでが七三・二こういうふうに五十トンから九十九トンまでは非常に上
つて
いるわけであります。しかしながら零細のが大体三二%ぐらいの
加入率
というふうに現在
なつ
ているわけでございます。
森崎隆
7
○
森崎隆
君 今のパーセンテージを見ましても、これは私も大体わか
つて
お
つたの
でありますが、今回の
災害
を見ましても少くとも二十トン
未満
の船には第一段階として何とかして大体
強制加入
をさせるような途を講じなければなかなか入らないと思うのです。実際
災害
というときに一番
災害
のあおりを
食つて
もう
処置
なしというのは二十トン
未満
の零細な漁民が
対象
である。又これこそ本当に救わなければいけないものじやないかと思うわけなんであります。そこで
現行法
で今は純
保険料
の五割が
補助
でございますから、あとの五割はまあそれ以外の人の負担でありますが、そういう点の
対策
を、
補助率
を上げるとか何とかの方途を以て、少くとも
現行法
ではもう三〇%前後ぐらいしか入
つて
いないのだから、
強制加入
をさせる前提としてもつと
補助率
を
引上げ
まして、そうして強制的に入れることによ
つて
、将来
災害
があ
つた
場合には
漁船
についてはもう
保険
で行くのだ、特別に
漁船
の
災害補償
ということで
予算
を組む必要はない。
災害
、それ、
保険料支払い
ということですべては救われるような途をこれは作らないと困ると思う。大体今の
お話
しの二十トン以上、特に五十トン以上百トンまでのところはみんな
業者
としては
相当
大きな
業者
でございまして、
保険制度
の意義というものを十分認識しております
関係
上、五十トンから九十トンまでのが七三%入
つて
おる。我々が当面考えるべき問題は、二十トン
未満
のものについてこえはできますならば一〇〇%まで
強制加入
をせしめて、その代りに
保険料金
というものは
十分一つ
今の
制度
としてもつと有利な
方式
を国で以てきめて行くというようなことが望ましいのじやないかと思いますが、何かそういうようなことにつきまして将来の御
方針
でも承わることができますれば幸いに思います。そういう私の
意見
に対して
水産庁
の御
方針
といいますか、
長官
の所見を伺いたいと思います。
清井正
8
○
説明員
(
清井正
君)
只今
の御
質問
の点でありますが、確かにこの表を見ましてもむしろ二十トン以下のほうは
現行
二分の一を負担しなくても
加入率
はいいのであります。むしろ問題は二十トン以下のほうに問題があるわけであります。殊に
災害
が起りました今回の
状況
からいたしますと非常に零細な船が受けているのであります。而もこれが実は
金融
を受けてやるといたしましても
担保力
或いは
信用等
から考えましてもこれはとても個人々々じやできそうもないと思います。恐らくこれは
組合
としての責任でやる、或いは相互で協同してやるという形でないとなかなかできないと思いますが、それだけに
災害
が起
つた
ときに
金融
に対する見込というものも
相当
政府
がバツクしなければならないということに勢いなるのであります。
従つてお話
の
通り漁船
の
災害
に対する
保障制度
というものを恒久化いたしまして、一々その
たびごと
に考えるということでなしに、
保険
の
制度
でこれを賄うということのほうが確かに結構なことでありまして、又そこまで行くことが本当の
保険制度
の
建前
であります。そういうことで実はこの前の
予算
のときに御
説明
申上げたかも知れませんが、
漁船保険
全体の問題として見ますれば
只今
二十トンまでは国が純
保険料
の二分の一を見る、併し入り方が御
承知
の
通り
、当然
強制加入
じやないのでありまして例えば同じ
協同組合
の中の
資格者
の三分の二が入ろうじやないかということできめれば
残り
の三分の一が当然入
つて
来る、そうすれば
残り
も自然入
つて
来ると、こういう形に
なつ
ておりまして、いわゆる当然
強制加入
じやないのです。そういう点が
一つ
、それから今問題になりましたように二十トン以下じやなしに、二十トンから百トンまでは二分の一負担させようということでこの前の
国会
で通過して、又それが改正に
なつ
たという
関係
に
なつ
ておりますので、そこに問題が
一つ
あるわけであります。それから更に現在搭載されております
漁具
については、船と一緒に全損した場合は見るという法規の
建前
に
なつ
ておりますが、実際上は
財政関係
で見ておらないのでありますが、そういうふうに
搭載漁具
も見たらどうかというところに問題があるのだと思います。更に進んで定置網のうちの一部についてやはり見たらどうかということでありますが、これはお説の
通り
であまりす。それから更に根本的にいわゆる
漁獲保険
といいますか、
災害
による
漁獲保険
というところまで進んだらどうかということでいろいろ
保険制度自体
についての注文が多いわけであります。又多いということも現在の
保険制度
そのものが現在の
水産
業の態勢に即応ずるのにはまだ不十分だということを物語るわけであります。こういうふうに問題がいろいろあるわけであります。そこで私
ども
といたしましては、いろいろの問題を背負
つて
おるわけでありますけれ
ども
、実際の
状況
といたしまして非常に
予算
の拘束もあることでありまして、やはり重点的に勢いやらざるを得ないのであります。どこに壷点を置かるべきかということが問題であります。現在の範囲を拡げるという方向に持
つて
行くのが、或いは現在のものを更に強くして行く方向に持
つて
行くのかというところに問題があるわけであります。そこで二十トンを更に百トンにまで引き上げるというのはむしろ現在のを拡げて行こうということであります。それから二十トン
未満
のやつのものでさえ三二%しか入
つて
いないからそれをもつと一〇〇%入るようにしたらどうかと、中を充実するような問題があるわけであります。そこに問題がおのずから重点が分かれるわけでありますが、御
承知
の
通り
、又
お話
の
通り
確かに現在の三二%という問題は無論我々も、それから
漁船保険
中央会でもできるだけこれを普及いたしましてとにかく一〇〇%までなるようにしたいということでいろいろ手を尽しておりますけれ
ども
、なかなかこの三〇%という率を
引上げ
るということはそう簡単ではない。やはり
保険料
の負担というものが無論この
保険料
が大体今百円について三円ぐらいの純
保険料
で、付加
保険料
が三円の二割乃至三割ぐらいが標準に
なつ
ておるのでありますが、まあそういうような負担に対してもよう負担し切らんという点もあるでしようし、或いは
制度
そのものについていわゆる不時の用意ということに怠るとそういう安易感から入らないというようなこともありましようし、いろいろあるわけでありますが、いずれにしろこの三十数%というものをこの際
引上げ
て一〇〇%にするというためには恐らく
法的措置
としては当然
加入
と申しますか、有
資格者
は当然入るのだという行き方をさせる、
方法
としてあるわけであります。併しながら同時にそれはそのバツクとなるところの
保険料
というものをどう取扱うかということが当然問題に
なつ
て来るわけであります。恐らくこれは全部国が負担するということでは
保険制度
ではないのでありまして、これはむしろ
災害
があ
つた
ときには国が補償するというような恰好に
なつ
て参りますが、これは私は
災害保険制度
という
制度
である以上はどうしても入
つた
以上は当人が負担しなきやならん。その負担の率がどうなるかという問題だと思うのであります。そうなりますと当然に
加入
させられた、併し自分は財政的な負担をしなきやならんのだという問題に
なつ
て来る。それがこの
保険制度
全体の
建前
から見ますとどういうようにこれを考えて行くか、或いは
強制加入
なり当然
加入
という行き方が
保険制度
の全体の体系から見てどういうふうに考えて行かなきやならないか、又そういうふうにした場合に、やはり本人の負担というのは起るわけでありますから、本人の負担というものをどの
程度
これを見てやるか、つまり一〇〇%ということになりますというと、これ又
保険制度
であるかどうかという問題も検討しなければならないし、又その方向へ考えるといたしましてもそこはおの、ずから財政的な負担が殖えるわけでありますから、そこをどういうふうにして行くかというようなことが
保険制慶
自体の問題と財政負担の問題と睨み合せて、又現在の
水産
僕界の施策から要求されるいろいろな点を睨み合せて考えて行かなきやならん問題であると思うのであります。当然
加入
にするということにつきましては、私
ども
といたしましては、
只今
申上げた
通り
かねがね前回にもそういう御
意見
を伺いましたし、
只今
も御
意見
を伺
つて
、確かに
一つ
の方向であります。とにかく
災害補償
というものをもつと強化しなきやならんということは当然なんです。何とかして行きたいと思うのであり、それについての方向として現在考えられておる問題についてどこに重点を置いて
考え方
を進めて行くべきかということが問題であるわけであります。
お話
の点につきましては、実はこれは私のほうの係のほうでも実は
只今
この問題点について検討いたしております。数字等につきましてもいろいろ当た
つて
おりまするけれ
ども
、
只今
まだその段階でございまして、それ以上こうしたい、ああしたいということまで申上げるまで至
つて
いないことが恐縮でございますが、確かに私
ども
としては何らか全般の問題といたしましてこの
保険制度
の今後の拡充、而も
業者
をこれにできるだけ入らせるというためにはどういうふうにしたらいいのか、どういうふうにしたら余計入るようになるのかということを真剣に検討を加えて行かなきやならん問題だというふうに考えておるのでありまして、なお
一つ
研究をさして頂きたいと考えております。
小林孝平
9
○
委員長
(
小林孝平
君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
小林孝平
10
○
委員長
(
小林孝平
君) 速記をつけて。
森崎隆
11
○
森崎隆
君 さつき
長官
から大体の御
方針
を承わりました中で、遡
つて
もう一点だけ聞きたいと思いますが、これはまあ
一つ
の
長官
の予想というものを聞くことになるかも知れません。
施設
災害
の補償
関係
、又は
魚田開発
なんかも入りましようし、それから又
経営資金
の場合も入りまするが、
施設
のほうでは
農林漁業金融公庫
の枠を拡げて行
つて
、これによ
つて
まあ何とか
融資
の途を引きたい吾そのときにそれで不足の場合には
立法措置
をとると言われました。この
立法措置
というものは一体果して可能性があるのかどうか
見通し
について承わりたい。これは
長官
が
立法措置
をとろうと思
つて
いるというのだから、それで了承をしていいのでございまするが、非常に大事な、この
立法措置
は大事な問題でございますので、
見通し
について聞きたい。 それから同時に
経営資金
関係
の
利子補給
、
損失補償
等についても大体可能性があるかないか、そんなことを今頃聞くのはおかしいと言えばそれまででございますが、やはり
長官
がおつしやる限りはま現を期してや
つて
おられると思う。その
見通し
等につきまして更に簡単で結構でありますから承わりたいと思います。
清井正
12
○
説明員
(
清井正
君) 実はその点が
相談
をいたしておるところでありまして、御心配の点は十分わかるのでありますが、
只今
これは結局
建前
は
経営資金
は
系統
で行く、
施設
は
公庫
で行くという本来の
金融機関
の
建前
でありますから、それで考えているわけでありますが、問題は要するに
公庫
の
災害
の枠が一体どのくらいになるかどうかということに
関連
するわけであります。で
公庫
の
災害
の枠が
相当
殖えて来ますれば当然
公庫
の枠の中から
施設
全部含ませてやれるということになりましよう、
公庫
の枠がてんで問題にならなければ、恐らくこれはやめるが、或いは極く小
部分
だけ見る、例えば
共同施設
だけ見て、あとの
施設
は全部
系統機関
でや
つて
行くということになるかもわからない。それで
公庫
の
融資
の枠はどなのかということでありますが、これは御
承知
の
通り
、
農林
省だけではきまりませんので、
国会
体の財政投
融資
の計画に引つかかります。
公庫
の回収の枠も多少ありますけれ
ども
、回収金の枠を殖やして見ても、どのくらい一体回収金が殖えるのか、又殖えた分うち
災害
に廻ぜるのはどのくらいあるのか、無論それだけでは足りないのでありますから、それで一般の予備金なり、財政投
融資
で以て
農林漁業金融公庫
に
政府
から出資するとか、或いは預金部の金を廻すとかいろいろあるわけであります。要するに
公庫
の
災害
の枠を殖やすためには、御
承知
の
通り
回収金を廻すのと、それから預金部から貸してくれるのと、それから一般会計から出資するのと、これだけあるのであります。どういうふうに今日やるかということが実はぎま
つて
いないわけであります。それがきまりますれば、それを見合
つて
、では
水産
の
関係
にどの
程度
これが入り得るかということの
見通し
がつきますと、初めて法律として出さなければならんかどうかということもきま
つて
来るわけであります。と同時に、又一方この
公庫
の問題でありますが、
中金
といたしましても、その
金融
力がいつまでも続くわけではございません。現在は豊富でございますが、いつまでも豊富というわけではございませんから、そこで
経営資金
を、これは
農林
水産
、非常に大きな金額になるわけであります。
水産
の
経営資金
というものはほかに比べれば少いのでありますが、それを一体どういうふうに
中金
としては賄うかどうかということが
中金
自体のこれは経理の問題として起
つて
来るわけです。或いは
中金
……、この前のときも非常に問題になりましたことは御
承知
の
通り
でありますが、
中金
としてこれを引受ける自信がなければやはり何らかの
財政措置
を講じて、
中金
の
資金
源を殖やして行くということを講じられなければ引受けられないということを
中金
は言うだろうと思う。そういう問題へからむわけでありまして、とにかく全体の
資金
計画というものが、丁度今、昨日、今日あたり
大蔵省
と
相談
しておる最中でありまして、その
見通し
によ
つて
きま
つて
来ると思うのであります。ですから私自身の考えといたしましては、先ほど申上げた
通り
、これは
水産
だけ一本にいたして、そうして先ず
利子補給
、
損失補償
という従来の
特別立法
と同じ行き方をとる、で、
経営資金
はそれで行きますけれ
ども
、恐らく
公庫
としてもわからんだろうから、やはり
経営資金
と同様に
中金
の
系統
金融
で
漁船
も
漁具
も見るということに持
つて
行かざるを得ないんじやなかろうかと、これは私だけの
考え方
でありますが、と思
つて
おるのであります。併しこれを国全体として
立法
したいということで考えますれば、当然その裏付けとして
公庫
で貸してくれという話に
なつ
て来るわけでありますから、いずれにしましても私
ども
のほうは、どつちになろうととにかく
水産
の
災害
の
復旧
に十分である、十二分とは申上げられなくても、とにかく自信を持
つて
やれるというところまで来なければ、私
ども
といえ
ども
、事務的な
措置
はできない問題であります。その点を実は
相談
しておるその最中でありますので、非常に抽象的なことを申上げて恐縮でしたが、そのや
つて
おる最中でありますので、何とも申上げられませんが、私としては今申上げたようなことで、こういうふうにや
つて
行きたいということでや
つて
おる次第でございます。御了承を願いたいと思います。
森崎隆
13
○
森崎隆
君 さつきも
委員長
からの御報告の
通り
、責任者の大臣が来られないので、どうにも質疑もできないし、今頃に
なつ
てまだ
方針
がきま
つて
いないなんて、非常に遺憾千万なことだと考えるわけなんです。それで各府県のほうでは信連その他に対しまして或る
程度
の
資金
を出してすぐに
融資
の途を講ずるということを今もや
つて
おるらしい。県自身の独自の立場でやるというようなことは全部でございますが、そこで各府県あたりからも、或いは漁連からも希望がありますのは閣議でやはり早く決定をして、閣議決定の線を府県知事のほうに通達をしてくれ、これがまあ非常に大きな補償の基礎になるわけなんであります。そうすれば市中銀行でも
相当
出すという声はたくさんあるわけであります。ですから今頃に
なつ
てもまだ閣議決定もなされていないというのは非常な溢路に
なつ
ております。この
程度
のことは何人かの大臣が寄
つて
相談
してくれればいい。どうせ出すなら早くこの
程度
の枠は与えるという閣議決定をしてこれを府県知事のほうへ流して行けば、それだけでも府県知事のほうは
相当
大幅な預託をして、それで
繋ぎ融資
が取りあえず府県の中で賄われる県が
相当
あるのじやないかと思うわけです。この閣議決定というものは早くや
つて
もらいたいと思いますが、何ら今までそういうことがないのですが、こういう点について
長官
はこれまでも
農林
大臣を通じ又
災害対策
本部長を通じましてどの
程度
要求されまして、それに対してどういうような大臣の
お話
であるか、内情がわかりましたら承わりたいと思います。
清井正
14
○
説明員
(
清井正
君) 私
ども
といたしましては、
災害
が起りまして取りあえずの
措置
といたしまして
繋ぎ
の問題があ
つた
わけであります。その問題につきましては逐次これは
中金
と連絡をと
つて
中金
も将来必ず
政府
がや
つて
くれるであろう、或いは
従つて
地元
の県も或る
程度
のことはや
つて
くれるであろう、
損失補償
にいたしましてもや
つて
くれるだろうということを前提として
融資
をいたしておるのであります。これは無論閣議決定という言葉はなくても、何かそういうことであるということを前提としてやるということで今や
つて
もら
つて
来ておるわけであります。大臣に本逐一報告申上げて、又大臣からもしよつちゆうお尋ねがありまして、
只今
のようなことでや
つて
おるということをここで申上げておるのでありまして、
農林
、
水産
を通じまして私
ども
といたしましては事務的にはできるだけ
繋ぎ
は早くやるということで
措置
いたしましたが、更に根本の問題につきまして今申上げたようなことで、早く閣議決定をしてもらいたいということで
相談
をいたしておるのでありますが、いずれにしても
農林
、
水産
だけじやなしに、全般の
関係
省とも
関係
がありますし、
資金
の枠が全体の
予算
のこととも
関係
があるのでありまして、
大蔵省
との
関係
差かく時間を費やしてきまらないというような実は
状況
でおるような次第であります。私
ども
のほうといたしましても今後はできるだけ、極力早く閣議決定を受けて結論をつけてや
つて
行くようにいたしたいと考えるのであります。尤も確かに方向としてきまれば
金融機関
なり、
関係
の公共団体が仕事がやりやすいということは御
承知
の
通り
であります。そこで
中金
のごときも今申上げた
通り
閣議決定はないけれ
ども
大体今まで
通り
の方向でや
つて
行くのだろうから、そういうことを了承してやろうということで、できる
限度
において今まではや
つて
もら
つて
おるような
状況
でありまして、無論十分ではありませんが、やるだけのことはや
つて
おるわけであります。今後具体的な根本問題につきましては今申上げたような方向に副うてできるだけ早く結論を得るように、や
つて
もらうように
努力
いたしたいと存じております。
千田正
15
○千田正君 大体
災害
に対する
方針
については
只今
森崎
委員
の
質問
に対して
長官
から縷々
説明
がありましたので、 一応は了解しますけれ
ども
、先ほどから問題に
なつ
ております
通り
、これは速急に解決しなければならない問題であ
つて
、自由党を除く各派が
臨時国会
を急遽召集して、こうしたいわゆる
災害
復日に対する問題を一日も早く解決すべき問題であるとして特に国民の声を背景として要求しておるにもかかわらず、
政府
は相変らず何らの
処置
も講じなければ
方針
も決定しない。而も本日の
委員
会は
災害対策
本部の担当大臣であるところの加藤国務相を呼んで、
政府
の所信を明らかにすべきはずのこ
委員
会にさえも報告ができない。こういうことであ
つて
は到底今の
政府
に対して我々は信頼をかけるわけには行きませんけれ
ども
現実の問題を我々は出張して来て
調査
するというと、非常に国民の、いわゆる
現地
の農民なり、漁民なりの声というのは
国会
はどうしているんだと、こういう声を強く我々は要望されるのでありまして、この際至急この問題を解決して欲しい。この点については今も
森崎
委員
から特に重点的に
質問
がありましたから、私はあえて追加しての
質問
はいたしません。ただ現業の
長官
であるところの
長官
から、特に
対策
本部に対して至急この問題の解決を図るようなことについての側面からの要求を出して頂きたいということであります。そこで
災害
以外に私は二点だけ今度の
調査
について特に感じた点がありますので、この点を伺
つて
おきたいと思うのでありますが、それは高知県に参りましたところが、いわゆる室戸岬を中心とするところの、かつお、まぐろ漁業、これはやはりビキニの
災害
を
相当
受けている。この問題に対して、どうも静岡、或いは神奈川を中心として
水産庁
なり、
政府
なりが考えているようだが、
業者
そのものは何も神奈川や、静岡に限
つた
わけじやなくて、四国にも、或いは東北にもある、こうしたビキニの損害に対する補償問題を早く解決して欲しい。これが
一つ
の要望であ
つた
ことを特に
長官
のお耳に入れておいて頂きたいと思うわけであります。 それからもう
一つ
は兵庫県の瀬戸内海の沿岸におけるところの、曾
つて
の戦争後瀬戸内海に廃棄しました爆弾、殊に黄燐弾、非常にまあ害毒を持
つて
いるところの薬物でありますが、これが沈下してお
つて
、最近に至
つて
これが出て来ておる。そのために漁業区は勿論のこと、漁業に従事するところの漁夫、或いは潜夫、その他がそれにやられて、原子爆弾ほどの強い
被害
はないが、糜爛性の爆弾のその
処置
のために、その
被害
は広範囲に亘
つて
いる。これに対する
処置
をどうしてくれるか、こういう漁民の訴えがありましたので、この点は何か
方法
を講じているのかどうか、或いはもうすでにその
調査
が済んでお
つて
、これに対する対処
方針
がきま
つて
いるのかどうか、この二点を
災害復旧
の問題のほかに伺
つて
おきたい。 第三点は、
森崎
委員
からもたびたび聞いておられますからわかりましたが、この、とかく今までの
災害復旧
は大体
調査
が済んで
査定
が終
つて
から、その
現地
にその
資金
が来るのがもう何カ月も遅れている。
災害復旧
とい
つて
も、早く言えば夏蚊屋を欲しいというときに、まあ冬の毛布が来たり、冬に夏のものが配給されるというふうな、非常に迅速度を欠いていて
復旧
にはならない。その間において非常に苦しむという点がどこからもそういう苦情が来ておりますので、これは何とか決定をしたならば速急に末端に行き届くというような
方針
を立ててもらいたい。殊にどうも当
年度
の
災害
の
査定
の後に、割当になるのが大体二割
程度
である。そうして
災害
の
復旧
を完成するのが三年も、四年もかかる、こういうことでは、
災害復旧
の本当の
政府
の親心も我々は感ずるわけには行かない。どうか
災害
の
復旧
はせいぜい二年ぐらいの間に
復旧
が完成するような
方針
を立ててもらいたい。これは強い要望でありますので、この点についての
長官
の御
意見
を承わ
つて
おくと同時に、特に私が要求するのは冒頭に申上げました
通り
、
政府
首脳部においては荏苒として未だこれに対する
対策
ができておらない。かようなことであ
つて
は囲えの非難は当然のことであると思いますので、現業官庁の
長官
であられる
長官
から当局の首脳部に対して強く
国会
の要望を伝えて頂きたいということを要望しておきます。
清井正
16
○
説明員
(
清井正
君)
只今
の問題でございますが、荏苒日を過して何ら適切な
処置
がとられないという意味において先ほどは
森崎
委員
から、
只今
は千田
委員
からお叱りを受けたのでありますが、私
ども
にいたしまして竜事務的にはできるだけのことを実はいたしておるつもりでありますが、いろいろ財政上の問題がございますし、その他いろいろな問題がございますので、なかなか最後的な決定が欠けておることにつきましては私
ども
も責任があるのでありまして、今後できるだけの
努力
をいたしまして速かに具体的な
措置
に入れるような
措置
をと
つて
頂くように、私
ども
といたしましても十分
努力
いたしたいと思
つて
おる次第であります。なお御
質問
のありました、かつお、まぐろ、殊に高知県の問題についてでありますが、これは確かに高知の問題につきましては、私
ども
といたしましては決して軽視をいたしておるわけじやないのであります。これは何と申しましても静岡、神奈川が中心になりましたのは、静岡県は御
承知
の
通り
事の発端地でありますし、神奈川は三崎という日本一の港がありますために問題にな
つたの
でありますが、高知はそれに次ぐものでありまして、特に高知は自治検査をや
つて
おりまして、ときどきいわゆる廃棄まぐろが出ますために、余計
関係
の業界に影響を与えているのであります。無論
融資
の
措置
につきましてもちよつと金額は今覚えておりませんが、静岡、神奈川と同時ではございませんけれ
ども
、それに次ぐ
措置
といたしまして実施をいたしておるわけであります。 それから廃棄まぐろの
関係
の
被害
者に対しましては、先般もちよつと申上げましたが、これも他県と同様に取扱
つて
おりまして、報告を厚生省のほうからとりましてすぐこれを計算いたしまして外務省を通じてアメリカ側に要求し、又すでにやりますものについては二回内渡しを実施いたしておるとい
つたよう
な
状況
であります。 今後この問題につきましては先般の問題の
一つ
といたしまして、折角
努力
を続けて行かなければならない問題と思
つて
おります。又特に高知についてないがしろにしたということは私
ども
といたしましてはいたしておるつもりはないのでありますので、この点は御了承願いたいと思います。 それから黄燐弾の問題につきまして、この点につきましてはちよつと私もこういう問題があるということは実は聞いてお
つたの
でありますが、それがどの
程度
に実は漁業に影響があ
つて
これをどういうふうに
処置
をしなければならないかという問題につきましては私
ども
実は詳しく知
つて
おらないのであります。この点は恐縮に存ずるのであります。なおよくこの点は御
調査
を頂きたいと思います。これは具体的にまあ先般
お話
を
伺つたの
でありますが、なお私のほうといたしましてもこの点は十分
調査
をいたしまして、必要でありますれば何か手を打たなければならないと思
つて
おります。そういう事件があるということだけは知
つて
おりましたけれ
ども
、詳しい話は知らなか
つたの
であります。その点は恐縮に存じますが、なお速かに
調査
をいたしまして
措置
をとりたいと思
つて
います。 それから例えば
災害
の
復旧
等につきましても早く手を打てということもこれは無論結構そうしなければならんのでありまして、併しこれは実際問題といたしまして
災害復旧
の問題は御
承知
のことと思いますが、これは財政上の
補助金
をいたします場合に非常にあとから問題を起す場合があるのでありまして、どうしても実地を調べなければならないということが強く要請されておるのであります。殊に会計検査のほうの立場から非常に強く要望されておるのでありまして、どうしても実地を
査定
してからでなければ動き得ないのでありますので、いろいろな
関係
で遅れていた。
従つて
そのためにも繋なぎ
融資
があるわけでありますが、そういうことは理由にならないかも知れませんが、我々としてはできるだけ早く、とにかく
査定
をして
関係
者に早く
所要
の
補助金
が行くように
努力
しなければならんと思
つて
おります。
復旧
の割合も一応参考にということで考えておるわけでありますが、成るべく早く
復旧
しなければならないという問題でもありますが、これも事務上の問題、又財政上の問題と
関連
いたしますので、御趣旨の点は十分受けまして検討をいたし、その方向で
努力
いたさなければならないと思
つて
おりますが、まだ直ちにこうするということは申上げられないのは遺憾であります。御趣旨の点は十分御了承いたしておる次第であります。
千田正
17
○千田正君 もう
一つ
特にこれは我々が行
つた
所ばかりじやなく、一般のほうの御
調査
の場合にもそういう御報告があ
つたよう
でありますが、最近非常に強力な毒性のある農薬、農薬の使用による沿岸漁民に与える影響、例えば最近ドイツ製の科学農薬、或いは日本で又外国製のものをまねて作
つた
、或いはそれ以上の強力な農薬を使用する結果、この農薬が沿岸に流れ出て、殊に小漁民の、零細漁民の生活の
対象
になる「えび」であるとか、小魚介類に対する影響は非常に大きい。そのために、最近農薬の使用に対して何か禁止をしてもらう
方法
はないか、こういうことで徳島県、或いは瀬戸内海その他の県の沿岸小漁民のほうからの訴えが強いのでありますが、併しこれは同じ
農林
省の
関係
でありますからして、
農業
と漁業との
関係
でありますから、
農林
省内において話合いがつくものと思いますけれ
ども
、これの善処
方法
を考えないというと、沿岸漁民は
相当
強い意思を持
つて
この問題の解決に当ろうとしておりますので、
長官
のほうでこの点について
農業
関係
のほうと十分に
お話
合いがありましたかどうか、或いは今後この問題について
お話
合いをする機会を持
つて
この問題を解決されるかどうか。この点を一点伺
つて
おきたいと思います。
清井正
18
○
説明員
(
清井正
君)
只今
の
お話
、実は非常にむずかしいと同時に重要な問題だと思
つて
おります。私
ども
も話は聞いております。まあ。パラチオン剤によります農薬の
被害
でありますが、これも農薬を施用してから三日ぐらいたちますれば、沈澱いたしまして川から流れましてもそう
被害
はない。併しその前に雨でも降
つて
すぐ流れ出したりすると非常に
被害
があるのだということを言われております。有明海の
被害
について
地元
の試験場で
調査
した結果があるのですが、確かに農薬によ
つて
魚に非常に
被害
があるという試験場の
調査
がございます。ただ、その魚が減
つたの
が全部農薬の結果によるものかどうか、逆必ずしも真ということは言えないのでありますが、農薬による害を受ける。割合に鯉とか鮒とかいうものは強いのですが、「あみ」などは非常に弱いというような結果も出ているようであります。私
ども
としましては、これは
水産関係
からいたしまして極めて重要な問題だと思います。これは農薬の問題でありますから、全部の農
業者
の
関係
ということになります。そこで実は
農業
改良局の担当とは前から連絡をと
つて
おるのであります。向うも十分検討いたすようにしております。私
ども
のほうも検討をいたすということで進めております。ただ、最近起
つた
ことでありまして、一部の試験場の
調査
はありますが、まだ広くそれが全般的の
調査
でないのでありまして、我我といたしましては、この問題は確かに重要な且つ困難な問題でありまするから、我々といたしましても、もつと広く
調査
をいたしまして、確かにこれがこの
程度
の
被害
があるならあるということをよく確かめなければいかんと思います。それと同時に、これが行政
措置
をどういううふにするかということが問題に
なつ
て参ります。ただこれが今申しました
通り
、逆必ずしも真でない問題でありますからその点をやはり
相当
業者
としては考えて行きませんと農薬全般との比重の問題に
なつ
て来ますから我々といたしましてはこの問題を極めて慎重且つ重要な問題として取扱
つて
行きたいと思
つて
おります。御注意の点十分尊重いたしまして今後慎重に検討して行きたいと思
つて
おります。
千田正
19
○千田正君 この問題について我々、
農林
省の
関係
の問題であり、片一方は
農業
改良局の問題等に
関係
する問題であ
つて
、一方においては特に「えび」の
被害
が非常に大きい。「えび」であるとか魚介類、こういうものに対する
被害
が非常に大きいという訴えがあり、併し漁民のことですから科学的根拠に基いての
調査
が十分できておらない。そこでお願いなんですが、
水産庁
関係
の
水産
試験場とか、或いは水質汚濁
関係
の技官等のかたで特にこの問題について
調査
に派遣される
一つ
の機会を持
つて
頂きたい。これを特にお願いしておきます。
小林孝平
20
○
委員長
(
小林孝平
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会