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参考人(多
賀谷松雄君) お尋ねの本
年度の重なる
災害につきましての
融資の考え方でございますが、私
どもといたしましては、我々の
系統機関を通します
融資といたしましては、
災害等が起りました場合にできるだけ適切な
処置をとりまして、又できるだけ早く必要な
資金を必要な
方面に流すということは当然第一に考えなければいけないことであるということにつきましては十分考えておるわけでございます。そこでだんだん
災害が重なりますにつきまして、我々としては
自分の力と申しますか
系統機関全体を通しての
資金力と申しますか、そういうものの検討を再々や
つておるわけでございます。そのことを申上げます。御
参考に昨
年度の
災害の
資金はどういうふうに賄な
つて来たかということを申上げたいと思うわけでございますが、御承知のように、四百八十五億の枠というものにつきまして
政府の御
措置が決定されましたのを伺いまして、私
どもとしては当時到底それだけのものを賄う力はないと、かように考えまして、いろいろ御尽力をお願いいたしたのでございます。その結果附帯決議等も付けて頂きまして非常に御配慮を頂きましたのでありますが、私
どもといたしましても、
災害の生産者に対しては勿論、又は皆様方の御配慮に対してできるだけの努力をいたさなければならないということを考えまして、当初
災害資金等を予期しないときから比べますと、その間約半年にかけまして、
系統機関と申しますれば大体農信連でございますが、動員すると申しますか、実に六回に亘りまして
資金計画の修正と申しますか、訂正と申しますか、或いは改善と申しますか、そういうことをお願いいたしまして、不要不急という
方面への
資金の流れ方、又たびたび言われておりまする
系統外へ行
つておる
資金の呼び戻し、又それに対してまして私
どものほうも然るべき
対策を、施策を講ずるというような努力を重ねて参りまして、結局四百八十五億の枠でございましたが、それぞれの取扱期限を過ぎましたときに
集計いたしました総額は概数で申上げますと、大体間違いないと思いますが、四百十三億
程度を結局自力で賄つたという結論が出ておるのでございます。その内訳は私
ども自身が二百七十五、六億、それから信連の団体におきまして百三、四十億にな
つております。そういたしまして今日に至つたわけでありますが、そのことは結局今年麦の出廻りがよく、而も
政府買上げ、中金
系統機関を経由いたしました
政府への売渡しが多かつたというような
資金状況と、又
政府におかれまして
漁業権証券の
資金化ということにお骨折り頂きました分が十二億、それから農林債券を来年三月までに買上げて頂く予定のものを繰上げて買
つて頂き、そういうものが約八億、合計いたしまして二十億
程度の
政府の御援助も、御配慮もあつたわけであります。そういうものを入れましてどうやら漕ぎ抜けたということでございまして、その結果私
どもの
資金関係がどうなるかということを研究いたしました。つまりそのことは今度の
災害或いは来
年度我々の
資金量はどういうふうに計算されるかということを計算して見たのでございますが、それによりますと、私
どものほうで短期
資金は別でございますが、三年五年という
資金を賄います
資金源を計算いたします場合に、現状におきまして農林債券は約二百八十億であります。これが我々のほうの実は唯一の長期
資金を賄う
資金源であります。それに対しまして中期、長期の貸出が百三十億内外ございます。それから
災害資金、
只今申しました
災害資金が、これはやはり三年五年にな
つておるわけでございますが、現在におきまして約二百六十億、合計三百九十億となりますので、この農林債券の二百八十億と差引いたしますと、百億乃至百十億というものは現在すでに
資金関係におきましてはアン
バランスにな
つておる。つまり百億内外の
資金は短期
資金で泳いで行かなければならないというような
資金状況にな
つておるわけでございます。更に我々の念願といたしましては、
災害資金ももとより十分賄わなければいけませんけれ
ども、そうかとい
つて我々本来の日常と申しますか、
災害資金以外に当然私
どもとして御
融資申上げなければならん面、そういうものも
災害資金のために圧迫をこうむ
つてはいけない、通常の業務も通常にや
つて行きたいという考え方があるわけでございます。従いまして
只今申上げました
数字から申しますると、すでに百億内外の
資金関係のアン
バランスが起
つており、更にこれから農林債券その他も若干来年まで殖えて参るわけでございますけれ
ども、さようなものにつきましてはプロパーと申しますか、本来の業務につけなければならないというふうに考えて参ります場合に、誠に遺憾ではございますけれ
ども、
資金源といたしましては適切な
資金源を持
つておらない、現在すでに百億以上も不自然な姿にな
つておるというのが現状であるのでございます。従いまして私
どもとして皆さんの御配慮によりまして十分な活動はいたしたいと存じておりますけれ
ども、
資金源なりその他の点につきましては何分の御配慮、御心配をお願いしたいと、かようにまあ考えておるのでございます。どうぞよろしくお願いいたします。