○
委員長(
森崎隆君) これは協定を見ないとどうも質問ができないのでございますから、協定の内容を見せて頂いたあとの質問に譲りたいと思いますが、ただ二点だけ。
一つは、はつきり申しますれば二十七年の四月下旬以降ですね。全然まあ国連軍側は
補償していないのですね。内閣
委員会の速記を見ますと、昨年の一月何日でしたかに、外務、調達、大蔵等のかたがたに来て頂きまして、内閣
委員会でこの問題を私の党の誰かが質問したらしいのですが、その当時は近々に必ず
補償はいたしますという、これは言質があるのですね。あれから考えますと、もう一年以上にな
つておる。これはなぜ遅れたかという問題が
一つですね。
それから、今から国連軍の地位に関する協定はまあ調印するとして、国会の承認を得なければこれは駄目だ。それに基いてやはり日米合同
委員会のよ主な機関も作り、又
予算はどこから出るのかわかりませんが、補正で組むのか、今の
予算の中に入
つているのか、予備費で出すのかわかりませんが、
予算の額も大よそきめ、そうして
被害その他を調べる、それから
被害を受けた
漁民その他に渡されると、
相当の期間が今からかかるのですね。下手すると更に一年くらいかかるのじやないかと思うのですけれ
ども、これは
被害者にと
つては重大な問題だと思うのですね。従来も私は冗談めいたことを言
つたのだが、
政府が貸付けたような金等については必ず利子をつけて取りますが、
漁民は本当を言えば当然損害を受けたときに受けるべき金が受けられない。だからこれは
政府に貸付けてある金だと言えば一応言えるのじやないかと思うのでありますが、今までそういうことは国の
責任で利子なんということは考えられない、而もこの
補償は全額じやなくて随分悪く削られて、而もその八割というようなことでありますが、これは国のためには倹約になるかも知れないが、国の
予算というものは国民の幸福のために使うべき
予算でありますから、国民を犠牲にして幾ら国家資本の蓄積をや
つても無
意味だと思います。遅れている問題はせめてこの問題だけでも早く
解決しなければならないと思いますが、この支払は少くとも二十七年の五月以降の
補償、二十八年度ももうあと二週間くらいしかないのですが、この一年間の
補償等につきましては一体いつ頃に目途を置いて、どういうような
努力の積重ねの上にこれは支払われるのか。非常に私はこれを考えますと大変な問題じやないかと思うのですが、見通しがあれば一応お聞きしたいと思います。それ以外の問題は協定を
一つよく見せて頂いたその上で質疑をいたしたいと思いますから、その点御自信もないだろうと思いますが、見通しだけを
一つ説明して頂きたいと思います。