○
国務大臣(
岡崎勝男君) これは非常に誤解がありまして、
実験協力という点が
新聞に盛んに今日なんかもたくさん私の名前が出ておるようですが、ですから
考え方を先ず念のために申し
ますと、私は
原爆等の破壊兵器については、これは国際管理をいたすべきものだと固く信じており
ます。従
つてこれが第一義であ
つて、これに各国とも全力を尽すべきものである、こう
考えており
ます。併しながら残念なことには、今の実情はいわばこの力の平衡した上に立
つての平和であ
つて、必ずしも各国共にお互いに理解して平和を維持するというところには実は実情も私は残念ながら行
つていないと思い
ます。従
つてこの力の平衡が破れるという場合には、恐るべき戦争もこれは起らないとも保証できないわけであり
ます。従
つて一方の陣営が水爆の
実験をしておる場合に、他方の陣営が水爆の
実験をできないということにな
つて、力の平衡が破れる場合には或いは非常に人類の多数の上にこういう恐るべき爆弾が落ちないともこれは言えないわけであり
ますから、従
つて非常に多くの、いわば世界の人類の安全のためには甚だ残念であるけれ
ども、一方の陣営が
実験を
行なつておれば、他方の陣営も
実験を行わざるを得ないであろうという非常に消極的の意味であ
つて、それをこの
原爆実験協力というようなところだけを引出して宣伝されることは私は非常に迷惑に感じておる。そこでこういう場合におきましても、先ずあすこでやらなければならんという理窟もないわけであ
つて、その破壊力の大きさその他非常にいろいろなことがありましようから、なかなか場所の選定は困難でありましようけれ
ども、先ずできるだけは他に適当の場所があるかどうかを調べなければならん、どうしてもあすこでなければならんという場合におきましても、先般の
実験の
被害によ
つているくの点が考慮されるのじやないか、この前の
被害に対する
補償が如何ようであろうとも、これは私は前例にはならんと思い
ます。又私自身も必ずしも仮に話がついたとしても満足すべき
補償であると
考え得ない場合が多かろうと思うのであり
ます。今後は科学的
調査の結果を待たなければなりませんけれ
ども、これに基いて十分なる
補償、殊に人命等に対する危害はこれは絶対ないように方法を
考えなければならないというつもりでおり
ます。