○楠見義男君
千田さんの言われた扇のかなめという役割を果すのは、今日の段階においては私は
農林大臣だと思
つている。その
理由はだんだんと申上げますが、それは本
委員会で、閉会後も本日で六回目の
委員会をや
つて、当面の
安藤大臣、それから
外務大臣等の御
説明を伺
つて、少くとも私の納得し了解した点は、先ほどの
曾祢さんの御
質問にもありましたが、今まで
政府の
考え方は対米
折衝を主にして、その経過を見て、或いはその結果によ
つて対内施策を講じようという気持があ
つたということが
はつきりした。そのことは、一億五千万円の
融資を御決定にな
つたのは
事件発生後四カ月目であ
つたという事実に徴してもこれは明らかなんです。ところが、
曾祢さんも触れられましたが、
外交折衝をや
つている最中にいろいろの施策をお講じのことが、
外交折衝を円滑に進める上においてプラスになるかマイナスになるか。
最初のお
考えはマイナスになるというようなお
考えでなか
つたかと思われる。
安藤国務大臣も当初はそのようなことを盛んに言
つておりました。そこは餅は餅屋なんだから、当面の
責任者の
外務大臣からその意見を聞こうということで
外務大臣から意見を聞くと、これはちつともマイナスにならない、むしろ場合によ
つてはプラスになる場合もある。そこで
外交折衝と対内施策というものは順調に並行してや
つて頂いて一向差支えない、むしろ場合によ
つてはプラスになるということを
外務大臣は
はつきりと言明をされた。そこでその点は明瞭に実は本
委員会としても
なつたわけです。そこで昨日も、いよいよ最後の段階にな
つてこうや
つて四カ月も我々は騒いでおるが、騒ぐのは騒ぐほうでいいかもわからんが、実際の業者はもう音を上げている。暫らくするともう音も上らなくなる。だから早くその
対策をこの段階では争
つてもらうべきじやないかということを昨日両大臣お
見えの節に申上げ、又御意見を伺
つたところ、先ほど来それがもその段階にな
つておる、こういうことなんです。そういうふうにな
つて来ますと、当面のかなめはこれはもう
農林大臣ということにならざるを得ない。そこで今後この
対策がうまく行くかどうかという問題は、一に
農林大臣の御努力に待つ以外にはないということになるわけなんです。ところが、これからの対内施策として一体それじやあ
政府はどういうふうにお
考えにな
つておるか。昨日伺いますと、大体
融資ということで何とか切抜けられることのようにお
考えにな
つておるんじやないかと思う。私は、この
考え方は甘い……というと失礼ですが、極めて不十分だと思
つておる。というのは、一億五千万円の
融資の枠がきま
つてからでももう恐らく二週間以上、三週間になると思う。それじやあ、これは大臣もお調べに
なつたらわかりますが、その
融資がきま
つた三週間後の今日、現実に
融資が行われておるか。恐らく行われておらんのだと思う。一件も行われておらんと思う。それはなぜかと言えば、これはまあ条件のむずかしいこともあります。例えば担保を要求する。これだけの
被害を受けて
損害を受けておる
漁業者が担保があるかどうか。これは常識的に
考えてもわかるのですが、そういうふうに条件自体も非常にむずかしい。それから方法も県に任している。こういうことで、折角きめて、そして先ほ
ども問題にな
つていますが、
対策措置として見るか見ないかという問題がありますが、これは見ようによ
つては全然
措置を講じておらないと私は同様だと思う。こういうような資金融通の
考え方、
措置を、今後の
対策の唯一の方法としてお
考えにな
つているとすれば、これは私は全く
措置とは
考えられないと思う。
従つてこれからの
対策としてどういうことをお
考えにな
つておるか、資金融通の途をお
考えにな
つているとすれば、その資金融通の方法は従来と同じようなことをお
考えにな
つているのか、又異
なつた改善された、実際に業者の手に渡るような資金融通の途をお
考えにな
つているのか、この点が一点と、それからその次には、私は実は昨日も申上げたのですが、この際は
保利さん恐らく同様にお
考えにな
つておられると思いますが、その際は
政府の親心として
考えられるすべての
措置を
考えてもらいたい。丁度陸地における風水害その他の
対策において、いろいろ従来も
措置をお
考えにな
つたのですが、それと同じようなことを
考えて頂きたい。例えば
一つの問題としては税の問題もある。とにかく
政府も
アメリカに対して、要求ではないかもわからんが、
損害としてその資料としてお出しにな
つておる数額だけでも二十億を超えておる。そういうふうな
損害を受けておる業者が、本年の収入で以て前年の税を払うという場合に満足に払えるかどうか、これを
一つ考えてもおわかりだと思う。これは陸地における
減免税の
措置をおとりにな
つておることとの均衡の上から言
つても当然
考えられるべき親心の一端だと思います。そういうふうに資金融通の方法についてもお
考え願わなければならんこともあるし、それ以外の税の問題にしても、その他の問題にしても親心として
考えられるすべてのことを
一つ施して頂きたいということが我々の念願であると同時に、今後かなめである
農林大臣の御尽力を願わなければならん私は問題の中心点だと思う。そこで結論的に言えば、もう最後の段階に来ておるということは
安藤大臣も
外務大臣もお
考えにな
つておる。その
外交折衝と切離して対内施策を講ずることはむしろプラスになる場合もあるということも、これも明らかにな
つておる。そうなれば速かに対内施策を講じて頂きたいが、それは
千田さんからも
お話があ
つたように、できるだけ早くや
つて頂きたい。衆議院のほうもこの十日には
委員会があるそうですが、私
どもも九日には閉会中における第七回目の
委員会をやることにな
つておりますので、できればそれに間に合うようにや
つて頂きたい。これはまあ希望でありますが、お尋ねの点は資金融通の点について、今までと同じような
考え方でおやりになるのか、これは私は困ると思いますが、その点についての御意見、それからそれ以外の
対策についてお
考えにな
つておられるのか、又お
考えになる余地があるのか、もう最後の段階になりましたから、この点を
農林大臣直接のかなめからその
対策を承わりたい。