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1954-05-06 第19回国会 参議院 図書館運営委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月六日(木曜日)    午前十時十六分開会   —————————————   委員の異動 四月十七日委員徳川頼貞君死去され た。 四月二十一日議長において團伊能君を 委員に指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     高橋 道男君    理事            岡田 信次君            野本 品吉君    委員            大谷 瑩潤君            團  伊能君            藤野 繁雄君            安部キミ子君            竹中 勝男君            三木 治朗君   国立国会図書館側    館     長 金森徳次郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国立国会図書館職員定員規程の一部  を改正する規程案国立国会図書館経過報告継続審査要求の件   —————————————
  2. 高橋道男

    委員長高橋道男君) それでは只今より図書館運営委員会を開きます。  議事に入ります前に念のため御報告申上げます。本委員会委員でございました徳川頼貞君が去る四月十七日逝去いたトされましたので、御葬儀に当り、本委員会として生花一籠を贈呈いたしました。  なお、その後任として團伊能君が選任されたことを御報告いたします。  講事に入ります。先ず国立国会図書館職員定員規程の一部を改正する規定案図書館長から御説明を求めます。
  3. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 只今、議題になつております国立国会図書館職員定員規程の一部を改正する規案、お手許にその原案のほうは出ておりますか、国会図書館におきましても、よその官庁と同じように職員整理を行うという方針が昨年度に定りまして職員定員をそれに応じて変更する必要がございます。その規程案の御審議を願うのであります。  図書館におきましては、従来五百六十四名の定員の中から九名を減少することになれました。九名というのは、他の官庁その他の整理人員に比べましては相当率の軽い、いわば非常に僅かの整理に過ぎないのでありますが、かねがね申上げておりましたように、図書館としては新らしくできたところであり、且つ積極的に仕事の分量が殖えて行くところでございますので、いろいろと努力をいたしまして、極く僅か減らすという方針にきまつたのでありますが、その内訳は、中央館におきまして主事二名雇用人五名、支部上野図書館の雇員二名、つまり合計九人減少することになりました。そのうち雇用人のほうはそれぞれ、いわば内規に似ております国立国会図書館雇用人定員内規及び支部上野図書館雇用人定員内規によつて処置をいたしまするので、今回御審議を願いますのは、職員定員規程の中に出ておりまするところの主事以上の定員改正でございまするが、今回中央館主事二名の減員をいたしまするので、そこで国立国会図書館定員規程の中の主事定員を二名だけ減らすというのが今回の改正主眼点であります。  なおこの改正予算との連絡から四月一日から適用されるのでありまするが、附則第二項によりまして、明年度昭和三十年の四月一日に改正定員となるように今年から順次整理をして行く、そうしてその間の定員を超えておりまする部分定員外とされるということになつております。  これは表がかつた説明でございまするが、実際はその職員整理はすでに実行を了しておる次第であります。御審査の上御承認下さいまするようお願い申上げたいと存じます。  なお少し附加えておきたいことがございまするが、この議会会議中に国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案の御審議を願わなければならないような順序になるのではないかと思つております。と申しますのは、今国会で議案になつておりまするところの、少しごてごてしておりまするが、国家公務員法の一部を改正する法律案が若し通りまするとき、人事院が改組せらるることになつております。人事院が改組せられますると多分支部図書館の名前に変更が起ると察せられます。併しこの法律案自身只今のところ国会審議中でありまして、まだ確定しておりませんので、そこで私のほうの図書館規程考えまする場合にも、肝腎の支部図書館名が果して変更さるるや否やも確定いたしませんので、今日手を着けることができませんのであります。又大よそ進行しておりまする線に沿つて若しこの法律が成立してなお余日がございますれば、図書館運営委員会を開いて頂いて、組織規程改正案の御御薩を願いたいと存じておりまするが、将来のことでありまするから如何になりますかよくわかりませんので、若しも会期が切迫して時日に余裕がなくなりまして国会図書館運営委員会を開いて頂いて、組織規定変更方法が正式にとれないというような場合がございましたら、何と申しましてもただ支部図書館名変更するだけの形式的なことでございまするから、図書館貸において改正をいたしまして、そして次の議会において事後承認を頂けるようにいたしたいと存じておりまするので、あらかじめそのお許しをお願いいたしたいと存じております。  以上説明を終りました。何分よろしくお願いいたします。
  4. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 只今の御説明に関しまして質疑及び御意見のある方は逐次御発言を願います。
  5. 岡田信次

    岡田信次君 主事を二名減らす根拠と申しますか、仕事の上のやり繰りと申しますか、そういうものはどういうふうになつておりますか。
  6. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) これは表向きに申しますれば、人は一人も減らさないということになるわけであります。併しよそでも大体その仕事に応じまして少しずつ減らされるので、私のほうはまあそのうちの一番軽いところをお願いして、結局六百人ばかりのところで九人減らすということに、非常に率が少いのでありまして、まあ雇用人のところに大部分その圧力が加わつております。そこで七人減りまするが、まあその主事の辺は相当責任もありますので、そんなに簡単に減らすということもできませんけれども、まあいろいろ補助組織になつておりまするところつまり係とかいうようなところを整理按配して、どうにか一人だけは減らす努力をいたしましたが、非常に困難な事情でやつております。
  7. 高橋道男

    委員長高橋道男君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  8. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 速記を始めて下さい。ほかに御質疑がなければ、本案の採決をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」]と呼ぶ者あり〕
  9. 高橋道男

    委員長高橋道男君) では本規程案に、承認を与えることに御賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  10. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 全会一致でございます。全会一致を以て本規程案承認を与えることに決しました。   —————————————
  11. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 続いて国会図書館経過報告に関する件、法律に基きまして昭和二十八年十月以降本年三月までの図書館運営経過について図書館長から御説明を求めます。
  12. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 昭和二十八年十月から今年の三月まで、つまり六カ月間の図書館経過について御報告を申上げたいと存じます。  お手許に出しておきましたところの資料国立国会図書館経過報告要綱というものの中に大体の必要の件が書いてございまするが、そのうちに出ておりますところは大体数字上の問題でありましてどこを特に取上げて申上げるというほどのことも今回はございませんが、初めの第一ページのところで「組織」と書いてございまするところがやや重要でございまするが、それはこの期間内に政府のほうの法制局図書館と、それから工業技術院図書館昭和二十八年の十二月二日付で支部図書館になりまして、それだけが主なる組織変更であります。だからこの三月三十一日現在におきましては一局六部一分館、それから三十の支部図書館というようなふうになつております。  次に職員定員等の問題でありまするが、これもその中にございまするように、三月三十一日現在が五百五十九名ということになつておりますが、これは更にその次に出ておりまするように、昭和二十九年度定員も前年度より九名減するという方針を立てましてこの新しき年度におきましては館長以下五百五十七名というふうになつております。なおこれに関屋をいたしまして政府のほうの職員と同じようにいわゆる特別待命の制度を実施いたしました。一月に五名、二月に六名、合計九名の特別待命をいたしました。結局行政整理実質は極めて円満に実現できたと考えております。   そのほかいろいろ細目の事務の規程もございまするが、それは相成るべく刷物のほうで御覧を頂くことにお許しを願います。   二、三の主な点について御説明を申上げまするが、すでにこの一月の図書館運営委員会におきまして一応前半年度分の御報告をいたしておきました。まあその辺のことに関係をいたしまする二、三の御説明を申上げます。   第一はこのP・B・レポート大阪に備え付けたことであります。かねがね国立国会図書館にこのP・B・レポートを備え付けるという方針を立てまして、だんだんとこの資料も到達をいたしまして、東京の本館におきましては、到達いたしましたものの全部を順序に応じまして、一般に公開をしておりますが、それだけでは非常に不十分であつて関西方面の人はこれを見る機会がないということで便宜の措置を整えるように努力をしておりましてこのP・Bレポート全体の複製一揃いを関西に送るという方針を立て、場所といたしましては大阪府立図書館に備え付けましてこの四月一日から公開できるようその当時御報告をいたしておきましたが、そのうちだんだんと準備も整いまして、三月末までには一万五千ページにいたしまして三百十五万一千五百ページの複写を完了いたしまして、予定通り大阪へ持つて行つて公開閲覧を開始しております。残るものもだんだんと作製をして持つて行く予定をいたしております。  第二に御報告申上げたいのは、この図書館の本庁舎建築準備の問題であります。前々からいろいろと御配慮を願つておりましたところの国会図書館の本庁舎建築につきましては、その設計懸賞募集するということになりまして、その懸賞募集要綱をきめまして昨年の十一月二十日に官報に公告したということまでは御報告をしておきましたが、その後公告をいたしました懸賞募集要綱の一部について、建築家の中の或るグループからいろいろ御主張がございまして多少紛争を生じておりました。その解決のためにいろいろあちらこちらの御意見を取りまとめておりましたが、今年の二月に至りまして解決をいたしまして話はつきましたけれども、何しろ懸賞募集応募期間が迫つておりまするために、その間の紛糾のために時期が遅れまして、これでは優秀な応募者が殆んど得られないという見通しが付きました。併し懸賞募集期間変更するということも又いろいろ法律解釈の上に困難な事情がございましたが、いろいろの利害得失を考察いたしまして、応募期間を五月末日まで、即ち三カ月間延期することとし、二月にその旨を官報等で公告いたしました。今のところでは子の結果は順当に進行しておるように弔われます。事情は初めの締切期間、即ち二月の末日までに三通の応募がございまして、この三通の応募者は前の応募条件に従つておるものでありまするから、五月締切応募者との問に強いて心配をいたしますれば紛糾が起る可能性があるわけであります。そこでこの三通の応募者に対しまして個別的に期間延長の御承諾を得るように話を進めましたところ全部了承せられましたので、只今のところではその期間延長というところから来る紛糾は何らないのであります。かなり一面におきまして建築家のそのグループは当初いろいろと御主張がありましたが、話がよくつきまして、その後進んで協力をするというふうで、先方の方も図書館に来られましてまあ声援をして下さるというふうになりましたから、これも非常に喜ばしい結果を得ております。順当に行きますれば相当よき応募が得られるのではないかと想像をしております。  その次の第二の問題といたしましては、労働科学資料を返還したということであります。昭和二十五年の三月以来法務府の民事局の民事(甲)四百八十一号というものによりまして、解散団体元業報国会中央本部所属財産の移管の規定によりまして、接収財産でありましたその元労働科学研究所所属科学資料図書館のほうに引継ぎまして、そうして祖師ケ谷労働科学資料閲覧室を開設して一般に公開して、おりましたが、昭和二十八年の法律によりましてそういう労働科学研究所に対する国有財産はこれを譲渡し得る法律がきまりましたので、そこで図書館といたしましては、かねて労働科学研究所から移管しておりました一切の資料をその財団法人に引継ぐという準備を進めまして、四月一日に図書その他を返還し、その閲覧所を閉鎖した次第であります。まあ遡つて考えてみますると、その閲覧室の開設中におきまして、閲覧者の総政は三千七百五十人でございまして、或る程度の役割を果したと考えられます。  次に申上げたいのは、昭和二十九年度予算のことであります。昭和二十九年度予算は、概算要求につきましてすでに御承認を経ましたが、その後国会においてこの予算の修正が行われました。原子力関係資料購入費PBレポート購入費、おのおの一千万円ずつ、合計いたしまして二千万円だけが図書館の歳出の予算の中に増加分として見込まれたのであります。これに対しましては図書館目下対応準備を進めておるのでございます。大体そんなような次第でざいます。  以上御報告を終りたいと思います。
  13. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 只今図書館長の御報告について質疑、御意見のある方は御開陳を順います。
  14. 團伊能

    團伊能君 私今日参りまして事情を全く存じません。只今図書館長からの御説明の中に、建築家団体図書館との間に何か初めは問題があつたというお話でございますが、それはどういうことでございますか。
  15. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) この問題は今に至りましてもなかなか是非善悪非常に迷つておる点でございまするが、もう済んだことだからして……。格別それは実質には何らの問題ございませんが、当初この図書館懸賞募集をいたしまするときに、図書館のほうでは従来の官庁のやり来りのまあ例を踏襲いたしまして正直に言うと官庁に都合のいい懸賞募集要綱を出したわけでございます。その要点というものは、懸賞応募せられますると、実際これを実施するときに、その内容を或る程度まで斟酌して、或る案はこの部分を採用するとか、或る場合はこの一等になつたものでも無筆のほうには使わないと、こういうような制限を立てたのであります。そこで建築家のほうではかなり問題が起りまして、一体に知能的な権利として設計をしたものを、図書館といいまするか、官庁側主催者において、それを懸賞には当選させておくけれども、実際にはそのまま使わないとか、或いは勝手に変更するとか、こういうことはけしからん、こういうふうの論が起りまして、一部の集団ではそういう妙なことをするならばこの懸賞には応募しないという議論があり、これがだんだん強くなつて行きまして、事実少数の人は応募せらるる可能性がありまするけれども、大部分の人はそのお考えによつて、いわば応募反対連盟というような実情が起つて来たわけであります。私どももいろいろ努力いたしましたが、国のほうの側から申しますると非常に困難な点がございまして、何しろ予算が全然その建築についてきまつておりません。あらかじめ応募せられたものをすつかり使うというような声明は絶対にできないわけであります。又応募した方に一々相談をして直すということも、先がきまつていないことで何ともいたしかたございません。そこで実際はできるだけそれらの人を尊敬して話合いを進めて行く。併しその懸賞応募条項では、こういうふうに木で鼻をくくつたような冷厳なる規定をするよりしようがないからと申しまして、それで話はついたわけであります。ところがその紛糾をしておりまするうちに、募集期間の大部分がつぶれてしまいまして、あと間に合わんということになりまして、そこで期間を延ばせという主張が出て来たわけでありまするが、今度期間を延ばしますると、懸賞募集というのはいろいろ学説があるかも知れませんけれども、実際は二月末日までといつて応募しておきまして、その条件をこつちで勝手に変えて三月延ばすということは又支障なんかが起る心配が非常にございまして、まあいろいろそこに又問題があつたわけであります。で図書館建築協議会を開いて頂きまして、いろいろ考慮をいたしまして結局断固として、三カ月延ばすということにしたわけであります。あと法律上の紛糾が多少起るかも知らんけれども、これは止むを得ないのであつて幾ら懸賞募集をしてもいい応募がないということじや主たる目的は消えてしまうのでありますから、多少危険を冒したのでございまするが、延ばしたのであります。そうしましたら旧応募要綱によつて三人だけ応募して、ちやんと書類を出して来られまして、これは又懸賞募集の原理に従いまして、中を開けて見ることはできませんので、封じたまま私のほうで預つて、それを紛失なんかしないように、特に特別な要務者保管を頼んで待つておりまするが、併しあとで物言いが付くと悪いものですから、その三人の方に一々個別的に交渉して期間延長同意ということに漕ぎ付けたわけであります。それが今までの事情であります。
  16. 三木治朗

    三木治朗君 労働科学研究所を返還したということは、まあ見ようによれば当然のことであると思うのですが、返還した後の問題で、これはこつちから縁が切れたのだからかまわないようなものでありますが、あれは暉峻さんがやつておりました労働科学研究所ですね、やつばり暉峻さんがおやりになるということなんでしようか。
  17. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) あの問題はちよつとこみ入つた問題で、御承知だとは思いまするけれども、あれが一時取上げられる財産になつてしまいまして、うつちやつておけば競売に付するということになりますると、およそ五万件もございましたか、労働科学の非常に貴重な資料がばらばらに古本屋に散逸してしまう。これを何とか善後措置の工夫がないかということであつたが、これが国有財産になれば競売という点が防げるわけなんです。そこでアメリカ側相談をいた、しまして国会図書館でこれを管理、運営するからということで話かつきまして、国会図書館の一部にしたわけであります。だから法律的にはそういう方法によらなければあの資料を救うことができない。それが重点であつて、ほかのことはそれから派生して来たことであります。今度の労働科学研究所の活動が又次第に充実して参りますると、やはりあそこにくつ付けておかなければ不便であるということで、元のほうへ戻したいということであります。結局初め頂いたものをそつくりむしろこつちから保管に必要なためのこちらの仕事の結果をくつ付けましてというのは、書物を全部整理して、立派な日録を作りましてそしてその全部をおみやげにして労働科学研究所に返したわけであります。でありまするから労働科学研究所といたしましては、丁度その全部の資料使い心地のいいように整理せられて、それがそつくり元のところに使われまするから、先ず円満なる解決と思うのでありまするが、ただその間に国のほうから多少の予算を持つて管理しておりましたが、今度はそうできません。ですから労働科学研究所で御負担になるだろうと思うております。
  18. 三木治朗

    三木治朗君 要するに私のお伺いしたいのは、あれだけの立派な資料が今後有効に使われるような状態にあるかどうかということを心配してお伺いしたんですが、その見通しは如何でございますか。どこかから何かもらわなければ労働科学研究所もやつて行かれないのじやないかと思いますが、その辺の見通しはどうでございますか。
  19. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 詳しいことは存じませんけれども労働科学研究所も今まで新しい研究資料だけば自分で買つておられたんです。今までは、古い資料国会図書館で管理し、新しい資料労働科学研究所で管理する、かなり妙なことでございましたが、今度労働科学研究所に廃りますると、結局今までの整理はむずかしかつたけれども、この整理は完全に私どものほうでやつてしまいましたから、もう労働科学研究所負担は残りません。それから場所は同じ建物の隣にあつたものでありますから、これは政府のものであり、建物は又向うに戻つたと私は想像しておりますから、労働科学研究所に金は要らないといいまするか、二、三人の人件費だけを労働科学研究所負担することでありますけれども、そのくらいのことは順当にできると私ども見受けております。
  20. 竹中勝男

    竹中勝男君 国会図書館建築懸賞ですね、一体どれくらい応募があるように、又その中にいいものがあるように思われますか。三通というのでは、今まで来ておるところでは、こういう大きな建物のことですから、そうたくさんあるわけもないだろうと思いますけれども、一体どういう情勢なんですか。およそどのくらい集つて、そうしてその中にどういういいものがあるだろうというお考えでこういうことをやられたんですか。
  21. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) これは当初考えましたのは、日本においても建築専門家はたくさんありまして、まあ学会と申しまするか、とにかく建築集団が、少くとも私のほうと交渉のありましたのが二つありました。新進建築家努力されておる、殊にこのユネスコ関係のほうの建築設計者の会合なんかもあつて、かなり気運は充実しておると、こう思いました。そこで無常募集をやりまして、そのときのまあ私どもの肚の持ち方は、大体日本の新しい建築家は全部応募せられるであろうと、こういうまあ勝手な考えを持つておりましたのです。ただそのうちに紛糾が起りまして、新進建築家応募しないで、古い或いは系統の外にある人のみが応募すると、こんな形になつて来まして、それで期間を三カ月延ばすということになりました。今出ておる三通というのは、指導的な集団の外にある人々だと思つております。指導的な集団の中にある大々が幾ばく応募せられるかということは、私どものほうでは見当がつかんわけであります。併し東大関係早稲田関係等の有力な論者たちが来られまして、我々は協力してこれに応募すると、こう言つておられまするから、まあ相当来るんじやないかと思つておりまするが、何しろ五月末日締切になつておりまするので、今のところはまだ何も出て来ておりませんのでございます。ただ私にもいろいろな技術家に接触を持つておりまするから、それと通じてひそかに情勢を知るというだけであつて、はつきりした数は述べられませんが、まあ相当な数が出て来ることは予想はしております。
  22. 竹中勝男

    竹中勝男君 まあ前にも大変私はいい計画だと思つたのですけれども、今度の図書館の建設は百年の後まで残るぐらいの日本建築の最高のものを計画されておる。大変いいことで、当然それは私どもとしても賛成をしておるわけなんですけれども、ただその応募の中にそれに相当するものが万一ない場合は、どうなぎいますか。
  23. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) それは全く仮説の問題で、実際は応募者があると想像しておるのです。その蓋をあけるまでは何とも大きな断言はできませんけれども、と申しますのは、ひそかに漏れ開きますると、この人がやつておる、あの人がやつておると聞くものですから、大抵いいと思いますが、万々一そういう場合が起れば、これはもうしようがございませんので、懸賞懸賞としてこれは約束を守らなければなりません。併し現実の建築のほうは、たとえ如何に建築家からお叱りを受けましても、やはりふさわしきものを作るということよりほかにしようがないと思つております。
  24. 高橋道男

    委員長高橋道男君) ほかにお尋ねはございませんでしようか……。では別に御意見もないようでございますので、本件を了承し議決することに賛成の方の挙手を願いたいと思います。    [賛成者挙手
  25. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 全員の御賛成でございます。  なお本件につきましては、慣例によりまして本会議において委員長から口頭報告をいたすことになつておりますが、つきましてはその内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  27. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 次に継続審査要求に関する件についてお諮りをいたします。  今期の国会の会期も漸く切迫して、参りましたので、この際閉会中継続審査の件についてお諮りをいたします。本委員会は所管事項の性質上、閉会中といえどもその処理をいたさなければならん場合がございますので、継続審査の要求をいたしておきたいと思いまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 高橋道男

    委員長高橋道男君) 御異議ないものと認めます。ではそういう手はずを用意することにいたします。  では、本実の委員会はこれを以て終会いたします。    午前十時五十三分散会