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溝口三郎君 この点は私は一応明確にしておく必要があるのだと思うのです。それは
先ほど申しました
ように、昨年の十月の七日から十七日にかけての
郵政委員会における
質疑を
あとから読みますと、七億とか四億とか、いろんな
数字が出て来ますが、それは昨年の六月一日現在くらいのものを
基準にして、
現業職員は二
号俸上
つたんだ、監督の
職員はそのままなんだということから、一人について監督の
職員は大体十七、八百円不足なんだという
ようなところから、二万何千人を掛けると四億そこらという
数字が出ている。それでそういう
質疑に対して
政府もそのままの
答弁をしている。私はそれは
はつきりしたらいいんじやないかと思うのですが、そこでこの前に
ちよつとお伺いしたので、こういう
資料を配
つて頂いたんです。そうしたら級別の定数というものは、みんな違えてしま
つたんだ。例えば十級という級別の定数は、二十八年度には三千人あ
つた。それが二十九年度には一万人に
なつているのだ。一人については一年に五万円くらい上るわけなんだ。ところが二十八年度には十級は三千人くらいのやつが、二十九年度には一万人に
なつて、六千円くらい上
つている。もつと細かく言うと、七千五、六百円上
つている。それは一人については五万円くらい年額違う。いつこういうふうに急に級別定数が変
つたのかということを私は
人事院のほうでも調べてみた。これは昨年の八月一日にこういう級別定数を変えたんです。
人事院は八月の一日に臨時に、臨時じやない。十級、十一級というのを括弧内にくく
つて、その中は各省が適当に級を上げてもいいんだという指令を
出したのです。
人事院指令、それに基いて全部変えたんです。それは八月一日なんですが、そういう事実はこの前の私は
委員会にも
田上さんに伺
つたが、
はつきりしてない。そうして昨年の二十八年度の
給与、基本給、それについて二十九年度は一割四分、十二月の国会で
給与の
改訂は一割四分に
なつている、平均して……。ところがこういう
基準をみんな昨年の八月一日に変えてあるから、二十八年度の
予算とそして二十九年度の
予算と比べますと、
郵政の二万二千人の
給与については三割三分上
つている。普通は一割四分かそこらしか上
つていない。ほかの各省をみんな見ましても、
給与は一割四分くらいしか上
つていない。昨年こういうふうに級別定数をみんな変えて、それはそのときには
予算の
範囲内で欠員があ
つたから一応五、六千万円そつちに充当して一号くらいずつ上げた。普通の各省が一割二、三分
給与の
改訂をや
つて、それから国会で
勧告を
出して、それを呑むか呑まんかということを大分問題にしているやつが、ただそういう
取扱い方で三割三分も
給与が上る
ようなことを、どういう
取扱いであるか知らんが、それは余り感心したことじやない。
田上さんのやり繰りがつくというのは、非常にたくさんの金が余
つているのだ、それは昨年の八月一日にそういう職級の
改訂をや
つて頭打ちを直したなら、こういう
法律を出さなくても私はできるのじやないか、そういう点を、財源はそういう操作をしたからあるんだ、幾ら幾らあるから、だからこの
法律を通せば、その財源があるからやるんだというのでないと、四億だか二億六千万円か知らんけれども、そういうものが財源なしに
法律を携えてしま
つて、
あとで補正をやるんだという
ようなことになると、この
法律は非常に私は
取扱いが面倒じやないかと思う。こういう
法律を出すなら、そういう財政の裏打ちは確実にこういうものはしてあるんだ、それをさつぱり明確にしないから、問題があるんだと思います。その点のいきさつを
はつきりお伺いしておきたいと思う。