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1954-08-16 第19回国会 参議院 厚生委員会社会医療関係の諸問題に関する小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年八月十六日(月曜日)    午前十時七分開会   ————————————— 昭和二十九年八月十一日厚生委員長に おいて本委員を左の通り指名した。            中山 壽彦君            高良 とみ君            湯山  勇君            山下 義信君            紅露 みつ君 八月十三日正副委員長互選の結果左の 通り決定した。    委員長     中山 壽彦君    副委員長    山下 義信君   委員の異動 八月十三日委員湯山勇君辞任につき、 その補欠として藤原道子君を厚生委員 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中山 壽彦君    副委員長    山下 義信君    委員            高良 とみ君            藤原 道子君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省保険局長 久下 勝次君    厚生省保険局庶    務課長     牛丸 義留君    厚生省保険局医    療課長     館林 宜夫君   参考人    広島医師会長 松坂 義正君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○参考人の出頭に関する件 ○社会医療関係の諸問題に関する件   —————————————
  2. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今から社会医療関係の諸問題に関する小委員会を開会いたします。  久下保険局長は今他の会議に出ているそうでありまして、十時半にこちらに出席すると申して来られました。その間に保険局庶務課長から資料について説明があるそうでごいます。
  3. 牛丸義留

    説明員牛丸義留君) 提出いたしました資料の第一の医療費年度別比較表以下について簡単に御説明申上げます。  第一は、医療費の各年度管掌別にどういうふうになつておるかという項で、ございまして一は政府管掌健康保険におきましては二十六年度、二十七年度、二十八年度の最近の決算でわかつた数字で、それの被保険者数件数金額比較表でございます。二十六年度におきましては三百八十四万六百五十七人というのは、年間平均保険者数でございます。それに対しまして診療件数が二千二百八十四万八千九百二十件、これを被保険者一人当りに割つて見ますと五・九、こういう数字が出て来るわけでございます。一年間で一人が五・九件というわけでございます。これは被扶養者も全部被保険者の中にやつたという勘定でこういう計算ができております。金額は百三十七億二千百二十万二千七十一円、これを一人当りの被保険者に割つて見ますと、三千五百七十三円が一人当り経費がかかつている、こういう計算になるわけでございます。同じような計算をいたしますと、二十七年度におきましては四百二十万四千百七十人の被保険者数に対しまして件数が二千七百七十八万一千二百七十七件、一人当りに直しますと、一人が六・六件ということになります。金額は百九十六億八千百五十一万五千二百十円、それで一人当り金額は四千六百八十一円、同じような計算で二十八年度は四百七十一万五千六百五十九人に対しまして三千二百九十七万件、一人当りに対しましては七件、金額の実数が二百五十七億九千三百五十五万七千二百二十一円、一人当り金額が五千四百七十円と、大体被保険者数増加ということを一応別にいたしましても一人当り件数、つまり受診率は逐年増加している傾向でございますし、又それに比例しまして一人当り費用も三千五百七十三円の二十六年の平均が、二十八年におきましては五千四百七十円に増嵩しているという傾向を示しておるわけでございます。これは最近の傾向を見ますと、二十九年度は大体今六月分ぐらいまでしかわかつておりませんが、非常に再びこれよりもなお増加傾向を示しておりまして、基金におきまして前年の同月の支払の傾向比較して見ますと、大体四割方医療費は昨年の四月、五月に比して増加しているというふうな傾向なつておるわけであります。同様な計算組合管掌においてやつてみますと、二十六年に三百二万二千百二十三人に対しまして、診療件数は二千五百七十一万三千四百二十五件、一人当りは八・五件であります。その金額は百二十六億三千四百九十五万二千六百二十九円、一人当り費用年間で四千百八十一円という計算なつております。同様に二十七年度におきましては、被保険者数は殆んど変りありませんけれども件数において二千九百七十二万五千五百六十九円、一人当り件数が九・八、診療金額が百六十五億五千六百万円、一人当り費用が五千三百九十円、二十八年度におきましてはそれが一人当り件数一〇・一になりまして、金額が百九十五億八千五百万円、一人当り六千六十九円というような金額なつて、同様の傾向を辿つておるわけでございます。  一枚めくりまして、同じようなことを国民健康保険においてはどういうふうになつているかというのが、その半ぴらの表でございますが、二十六年度におきまして国民健康保険におきましては、被保険者敬が二千四百四十七万五千九十四人、診療の総件数が二千六百三十四万九千八百八十六件、一人当り件数が一・〇七件、金額におきまして百四十二億十万円でございます。一人当り金額が五百八十円でございます。二十七年度におきましては被保険者数は二千三百八方、件数が二千九百万、一人当り件数が一・二五、その金額が百七十二億、一人当り金額が七百四十七円、二十八年度におきましては同様な計算によりまして一人当り件数が一・三五件、金額が二百十八億で、一人当り金額が九百九円七十六銭五厘、そういう計算になるわけであります。これは前の表の健康保険との間に一人当り金額なり、被保険者一人当り件数というものに非常に差があるように考えられておりますが、これは健康保険は被扶養者というものが全部被保険者の中に入つておりますが、国民健康保険家族全部が一人一人の被保険者ということになつておりますのでかような相違が出ているわけでございます。それにしましても国民健康保険のほうが若干金額においても件数においても下廻つているというふうな実情でございます。  もう一つめくりまして、同様な医療費年度別実績調船員保険でございます。これは簡略に申上げますと、二十六年度は一人当り件数、つまり受診率が七・一四六になつております。それで一人当り金額は四千三百九十二円、二十七年度におきましては一人当り件数が八・一二五になりまして、一人当り金額が五千四百六十五円という恰好になつております。同様のあれが二十八年度におきましては被保険者一人当り件数が八・七四三、一人当り金額が六千二百七十四円という恰好になつております。第一表の健康保険政府管掌比較しまして、多少上廻つているような実情でございます。これは船員保険は陸上におきましては労災保険の職務上のものも一緒に船員保険の中でやつている関係で、政府管掌よりも受診率並びに一人当り金額は上廻つているということでございましてこれは大体健康保険と同じであるということが言えると思います。  その次の表は薬価変動及び治療指針改正に伴う医療費増減推計表でございますが、これはちよつと私事門外でございましてあまり説明ができないのでございますが、あと医療課長が参りますと思いますので、その説明にお委せしたいと思います。  その次の薬価値下率というのは、これは今度の点数改正をいたします一つの、資料としてとつたものでございまして、ストマイは旧薬価が三百三十円、それが新薬価百七十五円、その薬価の値下げの率が四五・四%ということになつているわけでございます。同様の比較ペニシリン並びにプロカインその他についてやりますと、そこにありますようにペニシリンにおきましては旧薬価が四十円のものが新薬価にわいては三十六円三十銭、その値下率は九・二%になつている、こういう計算でございます。以下同様でございます。  それから最後の表は、その点数引下によりましてどのくらいの減額なつているかというのを点数で表示したのでございまして、例えばストマイ一グラムにつきましては旧点数は四十五点でございましたけれども、それが二十九点になつているわけでございまして、その減額率は三五・五六%というふうな計算でございまして、これも前ページと同様のものを点数に換算して減額率を表示したものでございます。  大体提出いたしました資料の内容について以上のように御説明申上げます。
  4. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 何か御質疑ございませんか……。私からちよつと御質問いたします。この薬価値上りのほうはここに出ておりませんが、これはどういうふうになりますか。これは値下りばかりですが、値の上つたものもあるわけですね。その表はできていませんか。例えばコカインなどは九十倍上つておるということを私どもは聞いておるのですが。
  5. 牛丸義留

    説明員牛丸義留君) これはこの七月一日に実施しました点数表改正に関連したものだけと思いますので、その前に表示しました薬価基準表その他の告示におきましては、値上げのものもございますし、その詳細は丁度今医療課長が見えましたので、医療課長のほうから……。
  6. 館林宜夫

    説明員館林夫君) お手許にお配りいたしました資料は、今度の値下りに際して基礎といたしました薬価値下りの分について記載してございまして、最近コカイン等値上りなつておりますが、その分の資料はこの資料には載せておりません。
  7. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) それから、今庶務課長医療課長が来られてから説明するというのが残つておりますが、これを一つ
  8. 館林宜夫

    説明員館林夫君) 薬価変動及び治療指針改正に伴う医療費増減推計表を御説明申上げますが、左側にございますのが薬価値下り基礎といたしまして点数を下げたことによりましてそれが総医療費影響する割合をここに示したわけでございます。例えて申しますと、一番のクロラムフェニコール、マイナス〇・〇二とございますのは、クロラムフェニコール値下り基礎といたしまして、クロラムフェニコールの投与の点数を下げたことによりまして総医療費の〇・〇二%が少くなつたというのであります。従いましてこの中で一番影響の大きいストレプトマィシンにおきましては、ストレプトマイシン値下りなつたことを基礎といたしまして、このたびこの点数改訂をいたしましたために、総医療費の二・二二%が少くなつた。即ちこれが医者の収入減というわけでございます。これらの総計が三・六一%でございまして、全国的に総医療費から見たときには三・六一%の収入減になるというわけでございます。従いましてこれは総平均でございますので、ストレプトマイシンのような薬品を多く使う結核を主とする内科医等に対する影響は、ここに現されたものよりは更に大きいことが予測できるわけでございます。  右側のものは結核治療指針並びに抗生物質治療指針改正によりまして、そのために新らしい抗生物質保険として採用いたしましたこと、或いは使用量を増量いたしましたこと、或いは使用期間を延長したというような影響のために、医療費保険経済から見ましてそれだけ嵩むものをここに取上げておるわけでございまして、例えて申しますと、新たにコーチゾンを保険対象に採用いたしましたために保険経費の〇・三九%が更に必要となつた、こういう意味でございます。この関係では結核治療指針の拡張が最も大きい影響がございまして、それが総医療費の二・五七%と予測されるわけでございます。それらの総計が総医療費の三・二五%でございまして、差引き医師の、医療担当者側収入減は総医療費の〇・三六%ということでございます。
  9. 山下義信

    山下義信君 委員長ちよつと速記をとめて下さい。
  10. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 速記をとめて下さい。   [速記中止
  11. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 速記を始めて。
  12. 牛丸義留

    説明員牛丸義留君) この政府管掌組合管掌、それから国民健康保険、それと船員保険の四つの保険比較は、先ほども御説明申上げましたように、一人当り件数、つまり受診率が毎年増加して来ている、それと一人当り金額が毎年増加しておるということでございます。それでこれはまあ一番大きな影響は、結核保険の重点が現在あるということが、金額から申しますと大体四割以上が政府管掌健康保険等におきましては、基金支払いを見ましても、結核に対する支払いというような恰好になりつつあるわけでございまして、それと入院費用というものは従来の入院入院外との費用比率からいつても、だんだん肩替りして来ている、二十四、五年頃までは入院外費用のほうが多かつたのでございますが、最近におきましては入院費用が全医療費の大体六割、最近の数字はよくわかりませんが、大体六割以上くらいになつておる、そういうふうに増嵩している。そういうふうなことで金額が、入院費が上るということは、入院の占めるウェイトが大きくなるということは、結局一件当り費用が非常に高くなるという計算でございます。それで一人当り費用はどんどん上つて来ておる、そういうふうなことが言えると思います。それで私どもが一番心配いたしますのは、これはむしろ保険経営の面からでございますが、二十六年の朝鮮動乱の頃までの健康保険傾向を見ますと、医療費増加ということは二十六年の末に点数単価改訂があつたわけでございますが、単価改訂による医療費の増というものは前年度医療費の増との比率というものは大体四割、それは先ほども申しました昨年と今年の四月の医療費の増が丁度四割くらいになりますが、丁度同じくらいの経費の増になるわけでございます。大体その当時は一割五分くらいの値上げをしたわけであります。併しその医療費の増も丁度朝鮮動乱による日本の経済の好況によりまして標準報酬伸びというものが非常に高くあつたわけでございまして、そういう支出の増も標準報酬増加による収入の増によつてカバーできた。それで二十六年、七年、八年というものは大体財政のバランスがとられて来たのでございます。最近の価向標準報酬が非常に鈍化したわけであります。伸びが鈍化して来ている。それから昨年の法律改正によりまして標準報酬事務簡捷の面からも、一年に一回改訂をするというふうに法律改正をしたわけでございます。そういう法律改正理由、それと実際に経済界の不況なり、停滞というふうな影響で、診療費増嵩価向に比例して収入源は停滞しているという現象が今日の現象でございまして、この点で私ども保険経済が再び二十四、五年頃の危機に陥るのじやないかという点を非常に心配しておるわけでございまして、現に二十九年度におきましても見通しは多少の、年度だけの比較によりますと、大体七億程度の赤字が出るのじやなかろうかというふうなことで、その点で非常に心配している点でございます。
  13. 山下義信

    山下義信君 私は庶務課長の示された医療費年度別比較表というものによつて只今この表に対しての大体の所見を承わつたのですが、政府管掌医療費諸条件の増嵩率と、組合管掌のものと、それから国保のものと船員保険のものと、これを比較した場合に、何を我々に教えるかということですね、特にどの保険がこの異常な増加率を示しておるというようなことがあるのかないのか。私この表を見ると国保は別です、これは事情が違いますから、全然この比較の価値はないとは言いませんけれども……。併し注目すべきは政府管掌組合管掌のこの二つの経営形態は著しく異なつていないのですね。若干は政府管掌増加率が大きいのですけれどもね。大体増加率があるということは、相当増加の趨勢にあるということは否めないのですね。併し見るというと、例えば受診率なんかあまり違わないけれども、被保険者一人当り医療費金額はこの増加率が大分違うのです、違いますね。何かこの表によつて我々に次えるところがあるならば、その説明を承わりたいのです。  それから殊にこの今年度の四月、五月が前年度比較して著しく増加したということは、四割方も増加しているということは、それはそれ自体に又特殊の理由があるようですね。今その一部は言われたのですが、例えば入院料往診料等点数引上げ影響とか、或いは又或る一部の診療範囲拡大等があつたと、そういうことはなかつたのですか。
  14. 牛丸義留

    説明員牛丸義留君) 特に今山下先生から御指摘になりました受診率の点につきましては、この二十六年、二十七年、二十八年という年度的には大体同じような増加傾向を辿つている。ただ同年度におきましても政府管掌と例えば組合管掌においては、一方が五・九に対して八・五、六・六に対して九・八、七・〇に対して一〇・一というふうに組合管掌のほうが非常に高いわけでございますが、これは組合附加給付をやつておりまして、例えば家族政府管掌におきましては五割、被保険者十割として五割の給付というのが法定給付でございますが、そのほかに家族に十割給付をやつているような組合、乃至は十割まで達しなくても七割五分なりその他五割以上の附加給付をやつているような組合相当あるわけでございます。そういうふうなものが結局は件数の増となつてこの表に出て来ているわけであります。そういう点が組合管掌の一人当り件数政府管掌のほうより高くなつているという一つ理由になるのです。  それからもう一つは、今年の四月、五月が非常に増嵩しているということに対して何か理由があるかという御質問でございますが、これは本年の三月、四月、五月特に法律改正したものもございませんし、これは私どももちよつと今各府県にその点の実績調を命じているような状況でございまして、どうもそういう制度的な改正並びに改廃による影響ではなく、別の何らか原因によるのではないかということで今その原因を突きとめようということで、地方庁のほうに照会をしているような状況でございます。
  15. 山下義信

    山下義信君 それで今の本年の四月、五月の状況が急激に増嵩を来たしていることの原因の中に入院料引上げ往診料引上げとか、或いは歯科の診療範囲拡大とかいうようなことが影響しているのか影響してないか、そんなものは極めて微々たる影響かどうか。どの程度そういうものの影響があるのか、そういうものの影響を差引いたものと仮にするならば、全部がその影響があるのではなく、それは一部影響があるのか、そういうものを差引いた、差引いて見ると、それならばあとは何か、こういうことになる。去年の十二月の暮に引上げたが、入院料引上げというものの影響というものはどう見ていますか。
  16. 牛丸義留

    説明員牛丸義留君) 先ほど前年同期において四割と申上げましたその増には、勿論入院料往診料の値上ということは影響しております。ただそれの影響だけではないほどの一つの毎年大体毎月による診療費増嵩というものは毎年同じようなカーブを持つておるのが今までの傾向でございます。例えばこれは七月、八月になつて上つて来て、大体九月頃まで診療費は高い一つピークを作るわけでございますが、八月乃至九月がピークなつて十一月十二月は下つて行く、そして一月頃上つて二月ちよつと下つて、三月上るという一つの山の形というものは毎年同じでございますが、今年はその山の形が少し非常に異常な形をしておるのが少し私どもとしては原因がはつきりしないということでございまして、四割上つたということの大半は、勿論昨年実施いたしました点数改訂それが相当影響の部分だと、これは当然でございます。
  17. 山下義信

    山下義信君 わかりました。それで今年の二月三月はどうなんですか、前年度の同期と比較して、それはそんなに三割、四割ということはなかつたのですか。
  18. 牛丸義留

    説明員牛丸義留君) 上つております。
  19. 山下義信

    山下義信君 上つておりますか、前年同期から三割も四割も……。
  20. 牛丸義留

    説明員牛丸義留君) 三月に上つたのが、三月分の上り方ちよつとおかしいというのです。
  21. 山下義信

    山下義信君 一つの問題にしておきますので……。それからこの薬価値上り率というところに出ておる、この新薬価とこうある、新らしい薬価ですね、薬の値段ですね。これはどうしてきめるのですか、私は素人ですからこれを聞いておきたい。この新薬価基準のきめ方はどういうふうにしてきめるのですか。
  22. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 私からお答えいたします。薬価につきましては、私のほうでは薬務局で毎月地方的、全国的な薬価傾向を調べておるのでございます。その数字を基にいたしまして私どものほうとしては点数改訂なり或いは薬価基準改訂をするというようなやり方をしておるわけでございます。
  23. 山下義信

    山下義信君 結局薬務局できめるのですね、薬務局で大体きめて来るのですか。あなたのほうで薬務局から薬価のほうの公定のいろいろな評価などの通知を受けて、それに基いてこの何回か薬価変動があつた、それによつて……。何か薬価基準物差か何か使つてやるのですか、あなたのほうで新薬価基準をきめるのですか、大体薬務局のほうで通知して来るのですか。
  24. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 薬価のことでございますから、別に公定価格があるわけではございませんが、薬によりまして、又地方によりまして、又人によりましていろいろ具体的な値段に若干の差があることは当然でございます。薬務局におきましてそれらのとにかく実態を調査をいたしまして、全国的に特定の薬についてはどの程度薬価にきめるのが適当であるかということで大数に基いた基準をきめてもらうわけであります。そこで薬価基準の例で申しますと、従来は全国を三つ地域に分ちまして大都市中小都市と、それからその他の地域というような工合に実際問題として輸送量その他の関係薬価は違つております。その実態に基いて薬価基準三つに区分して、同一の薬価について三つ基準がきまつております。ところが最近の状況では交通も便利になつ関係でありまするか、それほど、三段階を設けるほどに差がございませんので六月の一日以降改訂をいたしました薬価基準におきましては、大都市とその他の地区というふうに二階級に区分をいたしております。そういうふうに地方々々の実情に応じまして大体の基準薬務局実績を調査し、それをどうきめるかということは、私ども担当者とも相談をいたしましてきめておるわけでございます。  なお、ここの問題になつております特別固定点数薬価でございますが、お手許資料差上げてございますが、私どももやはり考え方としては同様でございます。例えばストマイの新薬価百七十五円となつておりますが、これも勿論申すまでもなく大量に、而も現金買いをする場合と、少量を掛替えをする場合というのは、当然これは値段が違うのは、自由取引関係では止むを得ないと思つております。その辺に若干の中はございまするけれども、大数的に見て大体どの程度にきめるのが穏当であるかというようなところを睨みまして百七十五円ということに今回はきめたわけでございます。なお、これをきめるにつきましては、事前にこの委員会にも申上げました通り医師会との話合いもついておるのでございます。
  25. 山下義信

    山下義信君 資料についての質問は終りましたが、一体資料はこんな程度ですか。何か請求ありますか。ただ政府のほうから進んで出した資料は今日はこんな程度ですか。
  26. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今資料についての御質問はほかにございませんか。  それでは、この際お諮りをいたしますが、今日広島県の医師会長松坂義正君がたまたま出張されましてこの席に見えております。同君を参考人として地方事情なり御意見を承わりたいと存じまするが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 御異議ないと認めます。それでは松坂参考人
  28. 松坂義正

    参考人松坂義正君) 実は広島県の医師会長は今回八月の八日に中国、四国という方面と話合いまして保険医大会というのを開いたのであります。私はどちらかと申すと非常に自重派であつた、まあ余りそういうことをせずに話合い一つ解決しなければいかんというのが私の建前でありましたが、八月八日に広島県の保険医大会を開きましたところが、未だ曾て見ざるところの会員の凄惨と申しましようか、深刻と申しましようか、実に名状すべからざるところの大会であつたのであります。その結果私が幾らとめましても、会員の一同はデモということをやるというような状態になつたのであります。私は非常に悲しんでおりまするが、併しそのかくのごとくなつたということは、只今保険局の各課長さんがたの御説明を承わりましたところによりまして私どもも多少平素から研究いたしておりまするが、御無理のないところもありましよう。ただ、私どもはその政治的にもう少しなぜ保険局という方面と、私のほうの中央の日本医師会とがじつくり話合いをして、そうしてこの今回のような全国的にああいうその熾烈なる医師の大会というものを開かないようにしてもらいたかつた広島県の医師会の大会の状況を我が県選出の国会代表各議員諸公にこの旨を陳情に参つたわけであります。日本医師会に参つたわけではございません。  そこでなぜそのこの末端の保険医が非常にかような状態になつたかと申しますと、日本医師会の種々な声明書を見ましたり、或いは一雑誌を見ましたりして地方状況を見て、そうして誠に尤もだ。例えば薬価が値下げをしたのだから、点数を下げるのは当り前だと、こういう厚生省側の御意見、御尤も至極であります。併しながら必ずしもその法律を以てしては解決するものじやない。で、その薬価値下りというものを先般の六月何日か知りませんが、医療協議会のあつたときにおける医師会側のほうの代表が二十分か三十分……ここに代表の方がおられますが、退場したのを強行して医療協議会を遂行した。まあそこに一つそういう無理なことをしてもらわんでも、もう少し肩を叩いて話合つたらわかるんじやないか、けしからんというのがまあ怒りの一つでありますし、それから今度はその次にその告示というものを医師会が承諾したとか、せんとかというような問題、これは幸いにして委員会ができましたのでありまするから、日本医師会が間違つたことを言うておるのであるか、或いは厚生省側が間違つたことをおつしやつておるのであるかということを剔抉して正邪をはつきり我々末端の保険医にお知らせを願いたい。でそういうような例えばこの薬価の値下つたやつを呑むと、承知したと日本医師会側のほうでは言わないというし、厚生省の幹部におかれては承知したのじやと、こういうことが我々の耳に入つて参ります。一体どちらがほんまなんだろうかというようなことご私どもは非常に懸念に思いまして、私は久下さんなんか非常に御懇意でございますが、ここを一つはつきりして頂きたい。  それからもう一つは、そういうことが重なつて本年度の社会保険課税に対するところの税率が、大蔵省、国税庁の方面から、長官のほうから今までのをやめたのであります。これは昭和二十六年度に社会保険はあの当時はつきりとガラス張りのうちに収入がわかるんであるからして、この分は誠にかわいそうだから、二五%乃至三〇%にしてやろうというところの約束を、ときの厚生大臣及び大蔵大臣は池田勇人さんでありますが、はつきりと私が池田、ときの大蔵大臣、広島県の出身でありまするから、よくお話合をして、はつきりとこれはやつたのであります。それで非常に喜ばれて、一、二年の間というものはスムーズに行つておりましたが、今年それを全然一方的に、もうすでに約束を以てこういうふうに、その代り一点単価は十円であつたものを一円五十銭上げて十一円五十銭、その代り課税のほうで都合すれば大体十四円何十銭くらいになるだろうから、まあそれで我慢しろ、それから保険審議会というものを作つて適正なる保険単価というものを一つ早くやろうじやないか、それから入院料の問題は、これは即刻解決するというわけで、入院料の問題はたしか即刻解決されたことでありましよう。又医療保険審議会というところの問題も大変これは責任はどちらにあるか知れませんが、ここにおいて会が解決し得ないところの議論倒れというふうになつて今月まで来ております。そこで課税は今年はその通り非常な税務攻勢で、中央国税局長官もいろいろなこと言うて、数回に亙つて地方の国税局に来ましたけれども、末端のほうでは税務官吏というものは一つもそういうことを頭に入れずにびしびしやつたものでございます。そこで広島県のごときも相当に難儀をいたしまして、未だにまだ解決せざる点がある。そのときにこういうふうな状況なつて、厚生省においてはこういう我々が難局に立つてつても、前のときにこうして下すつたのだから、もう一つ厚生省は突込んで遅らせるように我々と共に図つて下さらなかつた。これは甚だ以てどうも残念なことであります。こういうように前のほうのやつは一方的に政府の一方的の考えによつてつてしまう。それから今度告示の問題はこうである、それから一点薬価の値下げのために下げる、そういう下げるところは下げる、叩くところは叩いても、撫ぜるときは撫ぜてくれないというようなことを末端の保険医が非常に憤慨しておる。広島県におきましても、なかなか私の手じや今までは一糸乱れず行きましたが、なかなか私の手では治まらないそいつが、私が支払基金の審査委員長をやつておりまして、内情もよく知つておりますので、成るべく激烈なことをやらせないように抑えて参りましたが、倒底抑えることができなくなりました。それで陳情に参つたわけであります。  それから保険医の収入が二十六年度よりもいささか多少殖えたということは、これは事実であります。これはそのときはやはり現在のごとく今におきましては、医師も、末端のほうの医師も都会の医師はややまあ七〇から八 ○、或いは工場近くにおきましては一〇〇%というところの保険診療の有様でございます。それらの保険医は多くは弱小保険医であります。弱小保険医というものが、一体どのくらい今収入を取つているかということを、丁度この際この間の私のほうの八月八日の会のある前に顕に入れておかなければならんと思つて統計をとらせましたところが、二十八年十二月の統計におきまして、五万円以下の保険医が六一%、それで一万円以下が、そのうちこちらにちよつと資料を持つて参らなかつたのでありますが、一万円以下が一五%、二万円以下が一五%、三万、四万、五万まで行つて、大体六一%という数字が出ております。これが二年前には五万円以下というものがまだ多うございましたが、それほど下つて来たが、最近は保険医の収入が若干余計になつて来た。それはやはり被保険者数がだんだん二十六年くらいじや六〇%、七〇%が今では非常に多くなつて参りました。地方のほうの村のほうでは、広島県のごときは、国民健康保険というものが相当に布かれておりますから、従つてこれ又保険診療というようなことになつている。そういうようなわけで私としましては、一方的に約束をそむいて、一点単価をそのままにして置いて、税金はあの通りにしてしまう。それから今度の薬価の値下げで点数は下げる、点数は下げても、或いは告示のときの状態というものは、医師会の代表者が退場したという、そういうことを以て直ちに厚生大臣が告示を出した、けしからんというようなことで徹底的に闘おうじやないかというような有様で、末端のほうに行きましては、収拾できないような状況なつております。私相当なだめておりますが、そういうふうなわけで、止むなく一応中央の状況を我が県出身の国会代表の方々に陳情に参つたわけで、詳しい資料がございませんので、総論的なことだけ申上げて、又お尋ねによりまして、お答えをいたしたいと思います。
  29. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 只今参考人のお話に対しまして何か御質疑がありましたら……
  30. 高良とみ

    高良とみ君 ちよつとお伺いしたいのですが、今の五万円以下、三万、二万、一万というのは弱小保険医であつて、これはどのくらいの単位ですか。これは生活ができますかこれで。
  31. 松坂義正

    参考人松坂義正君) 生活は今井案というか、どのくらいになる……、五万七千九百九十円……、とてもこれでは息子を大学に入れたりするのは困難であります。それからなお税率一〇%引かれます。源泉徴収を……。従つて五万円から四万円までは源泉徴収をしております。それから十万円以上というところは、大きな私立病院、それから公立病院というのがもうとにかく十万円以上というものが非常に多い。でありますからこの間上山さんかどなたでしたか、保険組合の方が医師平均が十一万何ぼになつておるじやないかとこういうのです。けれども十一万何ぼになつておるということは、上のほうの大きな官公立の病院の百万二百万というものを五、六万以下にかぶせて来るからそういうことになるので、実は五万円以下というものが六一%というものを二十八年の十二月に私はその統計をとつたやつを、基金のほうから調べたので間違いないと思う。そういうふうに、ですからその大病院の割合を六一%の五万円以下の保除医にかぶせますから、四万何千円というところの計数が出て来るわけなのでございまして、甚だ弱小保険医に対しては或いは迷惑至極くな状態であるというようなこと。
  32. 高良とみ

    高良とみ君 資料として頂きたいのですが、恐れ入りますけれども、全国の保険医の分布の状態の統計、それから最高、保険医として最高の収入と最低の収入の人の一月の扱う診療の数ですね。それからそれの診療の種類及び保険医としての課税も、わかればいいのですが実態をつかみたいと思います。
  33. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 今高良委員から御注文の保険医の数につきましては、各県別の程度しかわかつておりません。市町村のはわかりませんから、それから課税問題につきましては、国税庁に相談いたしまして差上げられるようにして……、私のほうには資料はございません。
  34. 高良とみ

    高良とみ君 併し取扱つた数はわかりますね。
  35. 久下勝次

    説明員久下勝次君) それはわかります。
  36. 山下義信

    山下義信君 政府質問したいのですが、いいですか……。その前に今参考人からお述べになりました中に、保険医の平均収入が十一万というような数字が出ましたが、そうですが。私の承知しているのでは、大体全国平均保険医の一人当りは八万円くらいじやないかと思いますが、大体の数字はどうなつておりますか。あとでもようございますが、若し数字の訂正を要しますれば訂正して頂きたいと思います。  私は今参考人から承わりましても、又承わらなくても、すでに周知のごとく、非常に問題が大きくなつておるわけなんです。それでいろいろお尋ねしたいことがあるのですが、時間の関係もありますし、他の委員の方の御質問関係もあろうと思いますから、委員長の許される範囲内において伺いますから、適当なところで御注意を願いたいと思います。  先ず第一に伺いたいと思うのは、今も参考人が述べられましたが、問題になりました中央社会保険医療協議会の実情ですね、これについて私は伺いたいと思うのです。法律も見ましたが明確でありませんので、政府に伺うんですが、先ずこの医療協議会というものの一般的な問題で、協議会の性格というようなものはどういうものであるか。政府はこの協議会というものの扱い方をどういうふうに考えているか。つまり法律の上では諮問機関でありますが、社会保険医療協議会というものは一体何であるか、どういうふうにこれを考えているかということですね。つまりわかりやすく言えば、どの程度我が国の社会保険の上でこの協議会のあり方というていいか、任務というていいか、それをどういうふうに考えているか、こういうことを私は一応伺いたいのです。政府も遠慮なく御答弁を願いたい。
  37. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 社会保険医療協議会と申しまするのは、御案内の通り中央と地方、各府県とにございます。この協議会、特に中央の社会保険医療協議会につきましては、只今お言葉にございましたように、法律的には諮問機関でありますが、同時に又勧告する機関でもございます。医療協議会が独自の見解に基きまして政府に勧告し、或いは建議をするということも、従来からまま行われておるのであります。諮問をする問題は、申すまでもなく一番大きなのは、社会保険に関する診療報酬を如何に決定するかということでございます。又診療報酬のみならず、社会保険診療基準、これは具体的には診療担当規程という厚生大臣の告示が出ておりますが、この内容を制定をし、改訂をいたします場合には、医療協議会に諮問をすることに相成つております。更に又保険医の取消しにつきましても、その基準を定めます場合には、医療協議会に諮問をするということでございます。これを総括的に申上げますれば、社会保険診療に関する基本的な問題は、社会保険医療協議会に諮問をし、その意見に基いて決定をする建前に相成つているわけでございます。制度的にはそういうことでありますが、従来の私どもの社会保険医療協議会に対する態度なり或いは考え方を申上げますると、私どもとしては社会保険医療協議会におきまして決定をいたしました事柄は、従来ともその意見の通りに実施をいたしておるのが例でございます。  ただ今度の問題につきましての五月十七日の社会保険医療協議会の決議につきましては、すでに厚生委員会におきまして御説明を申上げました通り、決議は六月一日から実施ということでありましたが、厚生大臣の権限において一カ月延長をいたし、その意味におきましては初めて、ずつと長い例でございますが、初めて医療協議会の意見を無視し、厚生大臣の権限において行なつたという事例が現われたわけでありますが、これは厚生大臣として今回の事態の重大性を考えまして、特に異例の措置をとつたものと考えているのでございます。私どもとしては、将来とも従来からやつておりますように医療協議会の御意見を尊重して行うということについては、堅持して参りたい所存でございます。
  38. 山下義信

    山下義信君 政府のお答えになりましたように、これは法律の第十三条、第十四条等を見ましても、この医療協議会の目的、任務は非常にこれは重夫です。社会保険の根本問題をこの協議会にかけなければならぬことになつている。それで審議会とか協議会とかいうものは殆んど数え切れぬほど政府部内の各省に亙つて置かれているのですが、その中には軽重さまそれある。殆んど有省無実のものがたくさんある。その有名無実であるということは、要するところ権限がないから、議決機関でないから、諮問機関であるが故に非常に軽視せられている、そういう審議会、協議会というようなものが無数にある。これはしばしば整理をしました。整理をしたけれどもあとからあとから、雨後の竹の子のように又しても出て来る。併し私はそれらの権威のない審議会、協議会等とは異りまして、今政府の答えられた通りに、昔から社会保険に関する限りは、この審議会、協議会等は非常に政府が重視し来つたことは私も認めます。又我々も非常にこれを重視しているのです。それでこの点は間違いないと思います。決して軽視してはいない。ですから名前は協議会であるが、これは非常に重大な一つの社会保険制度の中の機関です。重要な機関であります。これは私は軽々に取扱われぬと思う。何もこういうことの前提を申上げまして、あと政府を非難しようとするのではない。全くこれは重大だと思う。それで私が不思議に思うのは、先年地方保険医の指定取消等のあの問題が起きたときに、地方の医療協議会のあり方等について見てみると、こういう重大な機関の運営について実に不備なんです。驚いたのです。当時私はそのことを指摘して、殊に昨年の夏北海道に参りまして、北海道の問題が起きたときに、北海道の医療協議会の運営の状況を見て驚いて、私は政府に注意を促した記憶がある。それで一体この運営をしまするのに、やはり運営の規程がなければならない。これらの医療協議会における運営については、それぞれの協議会でこれを定めると、こうある。全国のその医療協議会の運営規則、規程を定めておるものがない。定めていないものがある、驚いた。で私は伺うのですが、この中央社会保険医療協議会の議事規則というか、運営規則というか、そういうものがはつきりときめられてあるかどうか。あればあとでその運営規程、或いは議事規則というようなものを資料として御裸出を願いたい。どうなつておるかということをお答え願いたい。
  39. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 御指摘の問題につきましては、昨年お話の通り北海道の事案につきまして御注意もございましたが、取りあえず私どもとしては、地方できめておりますものもありましたが、そのうちの適当なものを取上げまして、各府県にはこういうものを一応参考の基準として、運営の規程はあらかじめきめておくようにと指示をいたしたような次第でございます。そこで中央の医療協議会でございますが、これ又大変申訳ない次第でありますが、今日まで議事規則というものはきめておりません。従来の慣例に従つてつてつたのでございます。私どもとしても、中央におきましても当然これはきめなければならないと思つてつたのでございますが、まあ御案内のように、昨年御注意を頂きまして、その後初めて開きましたのが今回の事案でございます。相当前以てから、議事の土におきまして、議案そのものについても波瀾が予想されておりましたものですから、実は四月三十日、五月二十七日の二回、医療協議会を開催いたしましたけれども、そうした問題について落ちついて御論議を頂く余地がなさそうに予想いたしましたので、今日までまだきめておりません。丁度六月中頃で、従来の委員のうち半数が任期満了して、一応構成を新たにすることになつておりますので、その際にいずれ……、今大体きまりかけておりますが、委員が決定をいたしましたならば、会長にも申上げて、皆さんにお諮りをして、そういうようなものをきめて頂くべきであるというように考えております。只今のところはそういう事情でありますので、御了承を頂きたいと思います。
  40. 山下義信

    山下義信君 そういう運営の規程というものはない。議事規則がない。議事規則というものがないとこの運営という結果にいろいろ疑義を生ずることになる。前例によつて運営をして来たと、これもまあ一つの不文法ですから、立派にそれでいいものが立つのですが、念のためもう一度言うておきます。これは雑則の第二十一条に、議事の手続その他運営に関して必要た事項は、それぞれ協議会が定めるとある。だから協議会が定めなければ、協議会の責任だが、併しそうも行かない。第二十条には、中央協議会の庶務は、厚生省の保険局で司るとある。私どもは、この庶務ということの解釈は、ただその低級の事務の補助とかいうことでなしに、運営に関するいろいろな注意もこれは保険局の所管においてしなければならん、議事規則を定めていなかつたならば、速かに議事規則を定めるように、この中央協議会に催促をするということが庶務の私は一つだと思う。これからきめられるということでありますが、このたびの五月二十七日の議事のようなことは前例はないのでしよう。初めてでしよう。
  41. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 私が承知をいたしておりまする限りにおきましては、委員のうちの一部の方が、議事の途中で退場されたということはございません。
  42. 山下義信

    山下義信君 私もこの前例のない、非常に、先ほども答えられたこのたびのこの五月二十七日の状況は非常に重大である、重大であるが故に、厚生大臣が異例の措置をとつた、こういう御説明があつたのですが、とにかく前例がない。で、この際、私はその問題になつておりまするこの中央協議会の議事の状況について、我々の考え方をきめておかなければならん。それでこの質疑応答を重ねて行くのですが、およそ諮問機関に多数決の必要がありますか。先ず総論的に、これはまあいろいろな場合があり得ると思いますが、議決機関は、必ず多数少数の採決をしなければならん。諮問機関というものは、何も多数決でものをきめなくても、それぞれの委員の個々の意見が全部違つてつても、違つてつたままの責見を上申すれば、これも一つの答申であつて、何もその少数多数で、多数決できめなければ答申ができないというものじやないと私は思う、諮問機関の議事の運営の原則としてはですね。何となれば議決機関にあらざるが故です。理由はそれだけで私ははつきりしていると思う。諮問機関というものは、意見がまとまらなくても、意見がまとまらないままに、こういう意見の委員もある、こういう意見の委員もあるということで、委員の魚貝が明確になつておれば、私は諮問機関としては立派な一つの意思表示だろうと思う。必ずしも多数決によらなければならんのでなくして、むしろ多数決の必要はない。多数決を以て議事を進めるのは、この種の諮問機関の議事の運営として私は邪道であると思う、こう解釈するのです。私はそう思うのですが、これは私は正しい解釈だと思う、この点について政府の所信を承わりたいと思う。
  43. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 大体におきまして、今山下先生のおつしやつたように私ども考えておりますが、又従来の運営の実例から見ましても、この協議会ではございませんけれども、社会保険審議会におきましても労使、中立の三者の章見が対立をしたままで、そのままの答申があつた極く最近の事例もあるわけでございます。従いまして、何でもかでも多数決できめなければならん、多数決ができないような事案については答申がで寺ないというようなふうには考えておりません。その点につきましては先生のおつしやる通りでございます。ただ併しながら、事案によりましては、多数の方が決定の案に賛成をし、少数の方がそれに反対をするというような結果になることもあるわけでありまして、これは会の運営上、会長は会の大勢を察してと申しますか、数字によりまして、これこれの委員はこういう立場で、こういう意見があつたということを答申をするのも、一つの方法であろうかと思います。必ずしも多数決が邪道であるとまでは、私は考えておりませんけれども、いろいろ意見が分れております場合に、さて終局的に特定の案について賛成、反対の態度を明確にして頂くということも、これ又議事の運営上は必要じやないかと考えている次第であります。この辺で多少先生のおつしやいますことと食い違うかも知れませんが、私は必ずしも多数決でなければならんというふうには考えておりません、この点につきまして、基本的には先生のお考えと同一であります。
  44. 山下義信

    山下義信君 基本的に同感の意を表せられましたので、私はまあその程度で置くことにしましよう。それは多数決は少なくとも社会保険医療協議会のこの種の機関においては、私は妥当でないというのは、これはもう言うまでもないことです。これは委員の構成が多数決を可とする委員の構成にあらざるが故にです。はつきりと各種の職域の代表者の数がきめられてあつて、これらはおおむね利害を異にする立場にある委員を集めてあるのであります。でありますから多数決を原則とする若し会議ならば、一部の利益にとらわれない委員の構成でなければ、会議においては多数決の原理は成立たない。我我が国会法においてもしばしば常任委員会速記等においても問題にするのはそれなんです。職域を代表する委員ばかりで以て委員会を構成しておつて多数決できめるということはナンセンスです。だからしてそういうふうに利害が対立することが予想されているから、如何に各利益の代表者を集めてそうしてその間の意見を調整したらいいか、意見を互いたらいいかという非常にこれは重要なものなるが故に、重要な機関なんです。実は本質はそこなんです。多数決できめる会議なんというものはさほど重要じやない、多数決できめられない各異つた利益代表者が集まつて、それらに適当な調節を求めて而も有益な意見を聞こうとするが故に、この協議会の運営というものが社会保険制度の上において非常に重大である。これは答申機関だから、諮問機関だからこんなものの言うことは法律上とつてもとらなくてもいいのだから、何も厚生大臣の権限などに関係はないのだからというような考え方を持つと、これは非常に恐るべき考え方である、そういう考え方はもとより政府も持たんでありましよう。でありますが、多数決ということがいけないというのは、この委員の組織がおのおのおおむね利害が衝突するであろう各種の利益代表の委員から構成しているからなのであります。若し多数決で行くということならば、いつでも少数代表者は年がら年中意思の発表ができない。又意思を発表しようとしても阻止せられるという事態が起る。将来議事規則或いは運営規程等を定められる場合によにど御留意を願いたいと思う。  私は次に医療担当者の代表する委員、これはこの種の委員が退席せられたということと関係があるから伺うのです。これは第十三条の委員の構成の中の第三号の「医師、歯科医師及び薬剤師の利益を代表する委員六人」ですね、これはどういうことを意味するのでしようか。例えば私の伺うのは、この種の六人のおのおのの一人はいずれも医師、歯科医師及び薬剤師の利益をそれぞれ代表しているかどうか、この六人が如何に按分されているかは私は知らない。歯科医師が一名、薬剤師からが一名他の四名は医師、或いは二名ずつそれぞれ、出ているのか私は知らない。併しながら六人の中の一人がすべて医師、歯科医師及び薬剤師の利益を代表するのか、医師委員医師、歯科医師委員は歯科医師、薬剤師の委員は薬剤師の利益を代表しているのかどうかということです。それをどう解釈するかということです。政府はどういう見解を持つておられますか。
  45. 久下勝次

    説明員久下勝次君) その辺がこの協議会運営の基本的な点でございます。この法律の同条の第四項にございますように、第一号から三号までの委員はその団体の推薦によつて任命するということにしてございます。実際の取扱いもさようにいたしておりますが、特に三号について申上げますると、現在は医師会の関係団体として医師会を予定いたしまして日本医師会の代表四名、それから日本歯科医師会の代表を一名、日本薬剤師会の代表一名、合計六人という扱いにいたしておる次第でございます。そこで勿論そういうふうなことをこの一項の三号と四号を総合いたしますると、形としては医師会の代表する医師医師会の利益を代表するもの、こう読むのが一応の論理的な取扱いであろうかと存じまする併しながら実際の従来の取扱いの実例を申上げますと一号、二号、三号、四号の各グループにつきましては、各グループから少くとも一名の委員が出ておりませんと協議会そのものが成立しないという、これが実際の扱いの慣例になつておるのでございます。成立をし議事を進めまするためには、各号のグループから一人ずつ委員が出ているということを、少くとも一人の委員が出ているということを要件にいたしている次第でございます。これは若干性格が違いまするけれども、社会保険審議会につきまして議事の運営規程がありまするが、このほうにそのような取扱いが明記されているのてございまして、その辺の取扱いの慣例もこの運用の上では考えている次第でございます。そこで、一号、二号につきまして私から申上げるまでもなく、それぞれ関係の団体が別々にそれぞれの号の中に包含されております。実際の例を申上げますと、そうした団体から或いは一名、二名の委員が代表して出ているわけでありますが、どうしても都合が悪くて会議に出席できない場合があるのであります。そういうふうな場合に会議そのものは成立せず、議事も運営できないということでありますと非常に支障を来たしますので、このような場合には、従来の取扱いの慣例は特定の団体の代表の一名が何かの都合で出て来れなくても各グループの一人以上出ておりますれば会議そのものは有効に成立し、議事は運営できるということにいたしておりまして、欠席いたしました委員につきましては、その日の議事の模様を後刻連絡をいたしまして御承認を頂くように取扱いをいたしているような次第でございます。その点は第三号につきましても又私どもとしては同様に考えて然るべきものと考えてそういう運用をいたしている次第でございます。
  46. 山下義信

    山下義信君 この第十五条の第三号は同条の第三号、第四号から拝見して、それぞれの委員がそれぞれの職域を代表するのだ、他の委員が他の職域の利益を代表しているとは原則的には見ぬということでありまして、私とその点は同意見、ただ、その会議を成立させるような場合とかいうような場合に云々という事例が出ましたが、それはそういうことはありましよう実際には……。保険審査官制度のときに、従来会議の不成立で困るというときに例示されたことを記憶するのであります。それはそういうことはありましよう。又すべての医療担当者といいますか、医療関係者に共通の諸問題のような場合にはそれでいいでしよう。或いは又中央社会保険審議会のごとく非常に大綱を議するというような場合には或いは又それでもいいでしよう。又比較的軽い問題を審議してもらうというような場合にもそれでもいいでしよう。併し私は五月二十七日に議決せられた、今回諮問せられたこの種の重要な問題、而も実際において歯科医師よりは、薬剤師よりは、医師そのものに重大な利害関係のあるその問題を答申せしめるのに、当該の職域を代表する委員が退席をして、そうして強硬にそれを引ずつて行くというがごとき運営の状態は私は必ずしも適正な運営の方法ではない。まああり態に言うて実に遺憾な事柄であつたと私は考えるのです。政府は率直にどうお考えになりますか。
  47. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 私どもといたしましても、五月二十七日のような状態で、議事が進められますことが決して望ましいことであると考えておるものではございません。そういうことのないようにと思いまして、実は医療協議会につきましては、前もつて主な関係団体には十分に緊密な連絡をとるのを例といたしておるのでございます。ただ従来の取扱いの慣例を申上げて又ごの前の五月二十七日の医療協議会につきましても、これを私どもとしては有効に協議会が成立をし、従つてそこで行われた議事も有効のものであると見ていまするのは、逆の場合を考慮頂きますると御了解を願えるのではないかと思うのであります。と申しますのは、今実例を申上げましたように関係団体の一つから一人だけ代表に出ておるのが数例ございます。そういうような人が特に差支えがあつて出席されないということであれば別問題でございますけれども、何か議案に対して不満を持つておるというような場合に、欠席戦術をとられますると、常に協議会が成立をしないということになつて、議事そのものが運営できない結果になるわけでございます。そういうことになりますることは、又協議会のこういう問題の運営上私は適当であると考えないのでありまして、そういう意味合いにおきまして従来の取扱いの慣例は私どもは至当なものであると存じておる次第でございます。好ましくない運営であつたことは認めまするけれども、さりとてあの五月二十七日の場合には会議は、もう協議会そのものは成立をしないで、従つてそれで行われた議事は無効のものであるという断定をいたしますことは、今申上げたような逆の事例を考えますると、実際問題として支障が起き、極めて少数の人のために全体が、議事さえも開けないというような結果に陥る虞れがございますので、私どもとしてはそういう意味で五月二十七日の議事は有効であり、従つて今後ともこの解釈をとつて然るべきものと思つておる次第でございます。
  48. 山下義信

    山下義信君 私は有効、無効を言おうとしておるのじやないのです。これはもうちやんと法律の規定によつて一号から四号までの各号のどの号の委員も全部が欠席するというようなことがあれば、これは会議は成立しない。会議の成立ということは私はこれは認めるのです。歯科医師が一人出ておつても、薬剤師が一人出ておつても、それは三号議員のうち一人出ておるのですから、これは会議の成立ということは認める。が併し会議が成立しておるからと言つて、この法律の精神から見ると、重要な利益代表者がいなくても、その者の関係しおることをするすると議事を進めて一つの意見をまとめ上げて行くというやり方が、果して法律の精神に合致しておるかどうかということを言うておるのです。ただ一片の形式にとらわれたり、ただ表面の理窟を言うことになれば、それでいいのです。私は有効、無効を言つておるのじやない。会議の運営に遺憾な点があつたということを言つておる。殊にいわんや欠席戦術ということは私どもも認めません。それはみずから審議権を放棄するものである。そういう者が欠席をした場合の処置は処置であるでしよう。併し五月二十七日の状況は、こんなことを微細に言つておればきりがないのでありますが、議事の状況は、これは代表委員が出席しておつて発言をしておつて、そうしてその議事の進行状態が好ましからん状態になつて来ておつて、そうして途中に退席という事態が発生したのです。朝から顔を見せんというのじやないだろうと思う。私はただ議事の運営方法が極めて妥当に行われたということが言い得られなくして、その一部に極めて遺憾な状態があつたと、こう存ずるのであります。遺憾な点は更にないということであれば、先日の中山委員との応酬もありますから、私どもとしてもあと速記等を調査いたしまして、又他の答弁のときに補足して頂いてもよいのです。  例えばいわゆる討論打切の動機を出す、私はこういうことは余り見ないのですがね。実は審議会、協議会にも、私どもも各種の審議会の委員なつて出席したことがありますが、討論打切の動議なんというものは私は協議会や審議会で見たことがない。ただ、そういうことがたまたまある場合は、話合がついて全会一致でやろうじやないかとか、又会議の形式を整えるために運営小委員などが……私も社会保障制度審議会の中山剛会長の下で運営委員長をやらされて御相談をしまして、話合いで議事の体裁を整えるためにやることはしばしばあつたが、討論打切の動議というものが諮問機関の協議会で出る事例なんというものは、これは極めて異例です。而も討論打切の動議を誰が出したかということですね。誰がその動議に賛成したか、私は新聞で見たのですが、保険者が討論打切の動議を出して、公益代表者がこれに賛成をした。私が遺憾に思うのはこれなんです。保険制度の円滑なる運営の全責任を持つ保険者側がかくのごとき強硬なる議事の運び方のイニシアをとつて、而も保険者と被保険者の中間にあつて円満な調停の潤滑油の役目をせなければならん公益代表者が尖鋭化する一方に組して行くということを、私は遺憾に思う。これは議事の内容とか、有効、無効とかいうことでなしに、この種の協議会が保険者と医療担当者が対立の伏態になることを我々は最も恐れなければならん。そういう対立の状態になからしめんがためのこれは機関なんです。公益代表委員というものも対立させないようにするために呼んである。それがいわゆる敵、味方に分れた形になつて議事が進められて行くということは私は運営としては非常に面白くないと思う。面白くないというのは通俗的な言葉でありますが、面白くないと思うのです。討論打切に反対するということは、なお言い足りないことがあるということです。なぜ言わせないか。討論打切に反対する、それをつぶして行くということは、もう一言も言わせないということです。言わしたらいいじやありませんか。翌日になつてもいいでしよう。翌々日になつてもいいでしよう。議事の引延ばしのためにやるのか、何のためにやるのか、それは会議ですから、若干の戦術はあるでしよう。併しそれにも限界があるはずです。これは社会が批判します。私は討論打切に反対することは、なお言うべきものを持つておるということなんで、言わせるのが協議会の任務です。十分言わせる、何遍でもよい、そういう点が私は遺憾であると、こう思うのです。私の見解です。ですから五月二十七日の運営の状況は、私の見解を以てすれば、協議会設置のこの法律の望んでおりまする趣旨とは私は必ずしも副うていない、かように考える。四月三十日に、……間違つてつたら、訂正して下さい。四月三十日に諮問案が提出せられて、五月二十七日に答申が決定せられた。議事のいきさつのいざこざは別として、これは私はかなりスピーディにやられたと思うのですね、ありていに言うて……。四月三十日に諮問案を出して……間違つてつたら訂正して下さい。そうして五月の二十七日に答申案が決定せられたというのは、頗る早いということです。この日数から行きますというと、議事は停滞されていないように思うのでありますが、これは何が故に非常にこういうふうに急がれたか、およそ急がれる理由がなくちやならんはずだと思う。まだ討論する余地があると言つてもこれを許さないで、四月三十日に提案したものを早くも五月の二十七日に答申するということは、この種の協議会の答申としては珍らしいスピーディです。而も重大なる諮問案に対して……。これは答申を急ぐ理由が何かなければかような強硬な議事の運営はしないはずです。で、その辺の我々の了承するような理由なり事情がありまするならば、この際承わつておきたいと思います。
  49. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 四月三十日に第一回の医療協議会を開催をし、今回の議案を諮問いたしたのであります。実際問題として、私どもは今回の点数改訂につきまして関係の主な団体と下話を始めましたのは二月の末項からでございます。値下り傾向はもう少し前から現われておつたのでございまするけれども厚生委員会の席でも申上げました通り、当時私どもとしては日本医学会に結核治療指針改訂につきまして答申を求めておりました。これは今回の点数改訂の一番大きな部分を占めます。資料で御覧になればおわかり頂けますように、ストマイの治療その他につきまして相当使用の範囲が拡張されるというようなことが予想されておつたわけでございます。そこで今回の措置につきましては、二月の末からそれぞれ交渉を始めつつありましたのでありまするが、同時に又でき得るならば結核治療指針改訂と同時にするほうが医療担当者に与える影響も少くなるであろうということを考え、それと歩調を一にして医療協議会を開くことを予定をいたしておつ、次第であります。それが実は治療指針が三月中には医学会から答申がある予定でございましたけれども、この点が医学会のほうの事情で四月に延びてしまいました。そこでその答申を待ちまして薬価値下りに伴う点数改訂と一緒に医療協議会を開くという段取りになりましたのが四月の下旬でございました。三十日に第一回の医療協議会を開きました次第でございます。従いましてその間に実際に私ども話合いを始めましてからも、すでに二カ月半実際の実施で考えますと、五月一日からの実施が無理であるとすれば、六月からということになろうかと思いますので、少くとも三、四カ月のそこに時間があるわけでございます。私どもの立場とし、又保険者側の要望を考えますときに、被保険者及び事業主から保険料を徴収いたしまして、これを医療担当者支払いをしておるわけでございますが、実際に医療担当者が薬を大巾に安く買つておるのに、なお旧薬価支払いをするということは、そういう立場から考えますると、遷延を許さない事情もあつたわけでございます。併し一方におきましていろいろ医療担当者に対する影響も考慮いたしまして、今申上げましたようにできるならば治療指針改訂と相待つてやりたいということで、四月三十日の第一回開会までにすでにそうしたような時間的なずれがあつたわけでございますが、そうして会議を開きましたところが、医師会側からもう一度帰つて正規の機関で相談をしたいからというようなお申出がありましたので、それだけのことでありますれば、そう時間もかからないであろうというような保険者側の意見もあつたりいたしたのであります。いずれにいたしましてもそういう関係で四月三十日は一応問題を保留したような次第でございます。スピーディだとおつしやいますけれども、そうした経過を経ておりまする関係上、五月の二十七日に第二回の医療協議会を開きますまでの間には、勿論いろいろな交渉も私ども医師会側との間にもございましたけれども、私どもとしてはそうした経過も考えてみまするときに、必ずしもスピーディな決定であるとも考えない次第でございます。
  50. 山下義信

    山下義信君 先ほど議事の運営について質疑いたしましたときに、局長は或いはこのたびの医療協議会は、つまりまあいわば荒れるんじやなかろうかというような予想も実は持つてつたというようなことも言われたと思うのです。今の御答弁を見ると、私の受取る印象は、それでよくわかりました。何で四月の三十日、いわば五月の一日と殆んど同じです、それをものの一ヵ月足らずでさつと押切つたということが了解しがたかつたが、併し二月頃から医師会側には話をしておつたんだということからみれば、それから見れば多少の時日は経過しておるのです。やはりこの諮問案の内容のようなものをもう相当早くから関係者のいわゆる日本医師会方面には話をしておられたのですか。
  51. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 只今申上げましたように、二月の下旬頃から下話を始めたわけでございます。なお厚生委員会の際にも申上げたのでありまするが、値下りに伴う点数改訂をするにつきましては、先ずその前提となつておりまするこの特別固定点数基礎になる薬価をどうきめるかということが問題でございます。先ほど申上げたように人により若干の中はあるわけでございまするから、その辺をどういうふうに見通しをつけるかということにつきましては、先ず前提として話合いをする必要がある問題でありまするが、その点につきましては私どもが承知しておりまする限りにおきましては、百七十五円にストマイをきめる、ストマイが一番問題でございましたが、百七十五円にきめるということにつきましては、日本医師会としても別に異存はなかつたのでございます。それで話合いの末、百七十五円にきめたわけでございます。併しそれに基いて点数改訂をするということにつきましては、日本医師会としては四月の三十日の会議の前にもそうでございましたが、特に終局的に五月二十七月の会議の前におきましては、これだけ切離してやることは適当と思えないということで、私は前日の夜遅くまでもいろいろ交渉をしておつたのでございますけれども、どうしても打開の途がなかつたのでございます。そういうことで私も五月の二十七日の会合は相当波潤があるであろうということは、前以て予想をしておつたのでございます。
  52. 山下義信

    山下義信君 わかりました。この協議会の最終になつて、これは多少の波瀾があるということを予想された、それにわかしました、当初はまあ二月、三月いろいろ医師会との話合の途中においては、円満にお話合いができるという御予想で話は進んでおつたのでございましようね。私ども常識から考えてですね。当然これは行政運営の妙味であつて、そんないきなり生まのものを協議会にかけて、さあ、これで勝手に議論しろ、そんな運営の仕方はないですからね。殊に厚生省の最高の事務当局としては事前に話をされて成るべく摩擦を少くするように持つてつて下話をしておいて、そうして協議会を開かれるということがこれは当然の順序ですかられ、布石ですからね。それで話をされたことであろうと思う。その途中においては話合いが円満に私どもは進むような見通しのようなことを仄聞したことがあるのですが、もういきなり初めから了解されにくいような困難な情勢にあつたのですか。
  53. 久下勝次

    説明員久下勝次君) この辺は私どもの見方が或いは誤つてつたかも知れませんけれども、終局的にこの厚生省の原案に、点数改訂そのものに賛成をするという必ずしもはつきりした意思表示はございません。併しながら五月二十七日の会議の直前までも実は交渉があつたのでございまするけれども、それらの経過を通じて考えて見まするときに、私は改訂は賛成とはおつしやいませんでしたけれども、さりとてこの改訂には反対だということは少くとも直前までは伺つておらなかつたのであります。反対だという意味は他の点数の不合理とか、或いは単価の改訂とか、税の問題とかこういうような問題を同時に解決すべきであるという意味においての反対といえば反対でございまして、これ自身は或いは止むを得ないのじやないかというふうに私どもはとつてつたのです。ところが実際は五月二十七日の会議の冒頭におきまして、医師会側の代表が反対であるということを責思表示されたのであります。そのときにも他の問題と合せてやるべきであるという意味においての反対であつたと私は記憶しております。その辺が実は交渉としては非常にデリケートでございまして、私どもの見方が少し甘すぎたかと思いますが、同時に又私どもとしては長い間の経過と申してよいと思うのでありますが、この経過を経ておりますので、そうこの問題を遷延いたしますことは、一方におきまして保険経済をあずかつておる保険者側の主張が相当強いものがございます。逆の意味においての強いものがございまして、私としては問題を五月二十七日、六月以降に遷延をするということは事態としては許されないということを医師会に申上げたことがあるのでありまして、四月の三十日及び五月二十七日の両面の医療協議会において審議をするということにつきましては、それぞれ日本医師会の了承を得まして開いて、私どもが一方的に会議を招集したのではございません。
  54. 山下義信

    山下義信君 この切下げの改訂と同時に解決すべき諸問題のことにつきましては、同時ということはともかくもとして当局としてはできるだけ努力しよう。できるだけ善処しよう。或いは検討してみようというような御意思の表示でもありましたのですか。
  55. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 大体におきましてさような返答をいたしております。個々について申上げますると、今回の薬価値下りに伴う点数改訂をするのは止むを得ないとしても、その他に点数の不合理なものがあるからという御意見がありましたので、その問題につきましては引続き検討をいたしましようというふうにいたしまして五月二十七日の会議を開く前から具体的なお話合いを進めつつあつたような次第でございます。そうして最終的には私どもとしては他の点数の不合理の改訂をして、八月一ぱいに解決をするように努力をしますから、ということまでお約束をいたした次第でございます。税の問題につきましては、これは事務的にはなかなかむずかしい問題でもありまするが、関係の方面にお話合いをいたしまして、医師会の御要望に副う措置をとるということは申上げました。単価の問題につきましては、厚生委員会で申上げたように、これは多少経緯がございましたけれども、最終的には今ございます臨時医療保険審議会の行き方を根本的に変えることによつて、至急にこの問題の検討をここでしてもらうようにしましようというような話合いなつた次第であります。これらの以上申上げました主な三点についての話合いにつきましては、多少時間的な点はございます。二十七日前に約束をしたものと、その後において約束をしたものとございますけれども、気持といたしましては前からそういうような態度で臨んでおつたような次第でございます。
  56. 山下義信

    山下義信君 わかりました。あとは事務的なことを伺いますが、退場された医師会代表委員は、委員の辞表を出されたということですが、この取扱いはどういうふうになつておりますか。
  57. 久下勝次

    説明員久下勝次君) お話の通り四名の医師会代表は辞表を提出しておられます。ところが実は辞表を提出せられる前に、中の二人の方は任期が満了になつておるのでございます。従いましてそういう意味合いにおきまして当然医師会から後任の御推薦ご願う段取りになつておるわけでございます。その関連もございまするのと、その他いろいろ辞表をお出しになられましたいきさつ等もあるようでございます。この辺必ずしも明確でございませんが、それで私どもとしては辞表は一応受取つておりまするけれども、まだ委員辞任の発令はいたしておりません。これは辞表を出されましたいきさつ等につきましても、もう少しお話合いをいたしまして、任期のあります方は、できればお残りを頂くようにしたいという気持で、今話合いをいたしておるような次第でございます。
  58. 山下義信

    山下義信君 今の二人の医師側の代表委員ばかりでなく、その他の相当任期満了の委員があるということでありますが、どういう措置をおとりになるということになつておりますか。
  59. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 御案内のように委員は二十四名おりまして、それが各グループごとに三名ずつ十二名の欠員がございます。なおそのほかにこれは任期の関係はございませんけれども国民健康保険団体連合会の代表つまり保険者代表として出ておられる方の一人が、本来代表として出られておりました地位が今度なくなりましたので、替りたいという話でございますので、従いまして任期満了したものが十二名、そのほかにそうした事情のものが一名で、今度十三名の委員が交替することになつております。それで、私どもとしては先月それぞれの団体に後任の御推薦方をお願いしておりました。更に七月の下旬に書面と使いを以ちまして、至急に後任の推薦方をお願いをいたしておりますが、殆んど出揃つております。ただ被保険者代表につきまして総評の関係からもう一名推薦があるということでございますのが、まだ私が承知しておるところでは来ておりません。それから経営者のほうの事業主代表がもう今日あたり来ておるかも知れませんが、これはもう人はすでにきまつておりまして、御本人が旅行中でありますために了承を得られないという段階でございます。そういう段取りでございまして、もう恐らく一両日のうちには全部出揃うことになつておると思います。なお医師会側の委員先ほど申し上げたような関係でまだ正式に出しておられません。医師会の関係の方に伺いますと、人選をしてあるけれども、いろいろ関連をすることについて話合いをしなければ済まないんだということでございまして、今その話合いをしておる最中でございます。
  60. 山下義信

    山下義信君 委員の交替といいますか、補充といいますか、そういうのが揃いましたらば、中央保険医療協議会は近く御招集になる御予定がございますか。又御招集になれば、顔合せすれば、どういうことをすることを考えておられますか。それもついでに承わりたい。
  61. 久下勝次

    説明員久下勝次君) お尋ねの問題につきましては、実は他の方面の方々でこの問題について非常に心配しておられる方もありまして、早く医療協議会を開いたらどうかという御勧告も実は非公式に受けておる次第であります。私ども委員の顔ふれが揃いましたならば、至急に開催をいたしたいと思つておるわけです。特に本会は会長をしておられます委員も大体任期が切れております。それらの関係もございまして会長も改めて選任しなければなりませんような事情もございますので、顔ぶれが揃いましたならば、至急、顔ぶれよりも会長の選任、その他の今後の議事の運営につきまして先ほど山下委員の御注意の問題がありますので、顔ぶれ揃い次第開催をいたしたいというつもりで、今話合を進めておるような次第であります。
  62. 山下義信

    山下義信君 私が今伺おうと思いましたことは、今の局長の答弁の中で含まれて判明しましたが、末高会長は今度は委員にならないのですから、当然会長は自然消滅するわけです。これは御本人も恐らくなんでしようね、今回の運営についての責任を若干痛感されたのでもありましよう、そういう意味もありますか。
  63. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 個々の問題につきまして、ここの席で申上げるのには、まだちよつと時期が早いように思いますが、これはお話の問題に関連をして、いろいろ御意見が多うございます。今のところ末高前会長が委員になられるかどうかということにつきましては、終極的には私どもの態度はまだきめておりません。その辺が今問題になつている点であるということだけを御承知願いたいと思います。
  64. 山下義信

    山下義信君 これは新聞の伝えるところでありますが、当時保険局長は協議会の状況等から睨み合せてあなたも辞表を出されたうわさがありましたが、そういうことはありましたか。
  65. 久下勝次

    説明員久下勝次君) そういう事実はございません。
  66. 山下義信

    山下義信君 今協議会関係のことは次のことで一応終りまして、他の委員に御質疑がありましたら他の委員にして頂きますが、今回協議会の議事は非常にこれは不法である。従つて厚生省の新らしい点数等には承服なりがたい。従つて我々は旧点数診療費を請求するのだというようなことを言つておる人がたくさんある。又一部にはそういうことをやつておるのではないかと思われる。有効無効の議論は別として、旧点数で請求するというような事柄に対しては、どういう措置をとり、どうしようとしますか。この辺の政府の見解並びにそういうような旧点数で請求するという府県が事実あるのかないのかというようなことも合せてこの際承わつておきたい。
  67. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 地方によりましては、医師会の決議或いは地区医師会の決議などによりまして、七月分の診療報酬については、旧点数で請求するというような決議をされたところがあるようであります。その結果数都道府県におきまして、そういう請求がすでに出ておるようであります。私どもとしてはまだ正確の数字を把握するまでに至つておりませんので、ここで数字で申上げるわけには行きませんのですが、地方によりましては、相当に大巾な率で旧点数の請求書が出ておるようでございます。これに対しまして私どもといたしましては、何分にも御案内のような騒動を引起しております問題でもありまするし、法律的に申しますれば、これはいわゆる厚生大臣の定めた診療担当規程に従わずに請求したということになりますので、いわゆる不正又は不当の請求ということにはなり得るのではありますけれども、併しながら今申しましたような事情もありますので、この際は各基金の支部で御案内のように審査委員会があつて、審査をすることになつております。又審査委員会以外でも事務審査をする建前でありますから、この審査におきまして正規の正当の支払をするように支払基金本部を通じて指示をしているような次第であります。ただ何分にも地方によりますと、非常に多数のものが旧点数の請求を出しているようでありますから、これを一々新点数に修正するということになりますと、遺憾ながら現在の基金の能力を以ちましては、そういう地方相当支払いがそのために遅延する虞れがありわしないかということを懸念しているのでございます。なお、今後の問題につきましては、七月分の請求の実情も睨み合せまして、制度としてはすでにはつきりときまつている問題でありますので、私どもは当該地方に対しましては、それぞれ保険医に何か適当な方法を警告と申しますか、注意と申しますか、そういうことを事前にいたして、正しい請求をして頂くようにして頂くつもりであります。なお、殆んど大多数の県におきましては、新点数の請求が行われておりますことは、この間の厚生委員会でも申上げた通りでございますので、旧点数の請求というのは全国的に見ますれば、極めて部分的な状況であると承知いたしております。
  68. 山下義信

    山下義信君 他の委員の御質疑が協議会のことでありますれば……。
  69. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 如何でしよう、午後の一時から小委員会を開催するということにして、私はこの間の厚生委員会の質問に対して、保険局長からいろいろと答弁がありましたが、その答弁の内容につきましては、事実に相違している、こういうふうな通知が日本医師会から参つて、ここに資料が参つております。これは二十日の日に速記録ができるそうでありますから、その速記録ができましたら、それと対照いたしまして、適当に処理いたしたいと思います。さよう一つ御承知を願いたいと思います。  なおこの問題は、極めて慎重に審議することにいたしまして、今日は午後の会合がありますから、この程度一つ……。
  70. 高良とみ

    高良とみ君 今の、数学的に資料としてお出し願いたい、或いは御説明願いたいことがあるのです。それは先ほど局長から保険者側が、雇用者側が非常に支払点数が高ければ、支払が困難であるという実情を訴えられていたということでありましたが、そういうことなんですか。それを安く値が下つて来ているストマイその他を使つていて、そういうふうになつているということなんでしようけれども、財政状態についてもう少し資料を頂けますか。御処置願います。  それから委員会の運営について先ほど山下委員からるるお話がありましたが、その点は私も保険問題については新らしいものですからよくわかりませんが、やはり無理な一部の退場或いはその他只今お示しになつたような材料もあるとすれば、やはり民主主義そのものの原則からいつても、どうも一部が反対し或いは棄権する、そのまま押して行くという考えでは、厚生行政ばかりでなく、成立たないのではないかと、こう思うのですが、そういう点が多数決主義とか多数決を必要でない委員会までそういうふうにして無理押をして行くことは、どうしたつていろいろな代表が出ておられて、その間で話合いをつけて、それが夜中になろうが、翌日になろうがどこまでも話合いをして、そうしてここに出された資料などを見ても、これだけの点数がこういうふうに下つてこういうふうな率になつたということがありますが、これが市価がどういうふうになつてどうであるからどうだという資料がちつとも私にはわからない。その点から一つ恐れ入りますが、この次には、今までの市価が、これだけ生産されて、これだけ下つて来て、そのカーブなり、或いはスライドなり或いは相関系数が出るはずじやないかと思うのですが、薬価のほうがこういうふうなカーブになつて来てこういうふうになる、それならば点数がこういうふうにスライドして行くのは当然だというような、被保険者或いは治療方針が変つてくれば、これだけ結核に使う率が、実数が少いとか、殖えて行くんだから率が下つたり、実数はこういうふうに減らないのだとか、診療医の、保険医の収入はちつとも減らない見当なんだという、そういう曲線が出て来るはずじやないか、こう考えるのですが、私の考え方が違いますでしようか。そういう点についてこの次に御説明願いたいと思います。
  71. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 先ほど最初にお話のございました資料は、或る程度のものは政府管掌健康保険組合管掌健康保険について、すでにお手許資料は差上げてありますが、問題はここには保険収入は挙げてございませんが、私が先ほど申上げました保険者がやかましく言うという意味は、保険財政に響くから、苦しいからというわけではございません。薬価が下れば、従来からの関連から申しまして、当然点数は下げるということは当然じやないかということを言つて、やかましく言つてつたのであります。
  72. 高良とみ

    高良とみ君 その根拠はどこですか、法的な根拠は……。
  73. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 法的な根拠は、現在の点数というのはこういうふうになつておるのであります。一般の薬品につきましては、薬価の実価格が十五円未満のものは二点の支払をする。十五円又はその端数を増すごとに二点を増すということになつております。これによりまして大分の医薬品は保険支払いをいたしておるわけでございます。そこで問題は、調剤に使う薬品が十五円であるか、三十円であるか或いは六十円であるかという問題になります。これにつきましては薬価基準というものがございまして、これは診療担当規程に基いて、厚生大臣が薬価変動につれて決定をし得ることになつておりまするこれは特別にその都度協議会に諮問をいたさないでもきめ得る建前でございまして、今回も六月の一日から一般の薬品につきましては、薬価基準改訂をいたしております。これは総括的に申しますると、薬価が、私の記憶では全体として二%くらいの値下りであります。ところがそうした十五円未満は二点、十五円又はその端数を増すごとに二点というふうなきめ方をいたしますのでは不合理な薬品がございます。これは具体的に申しますると、単位当り値段の高い薬であります。それが今回問題になりましたストレプト・マイシンとか、或いはパスでありますとか、ペニシリンでありますとか、そういう種類の医薬品でございます。それにつきましては、今申上げたような一般薬価基準でやりまするのは不合理でございますので、別に特別固定点数というものをきめているわけであります。そうして薬価に基いて、必要な技術料を加算したものを点数としてきめておるのでございます。これが従来から薬価変動に伴いまして上げたり下げたりしたのでありますが、最近ではこの種の薬品生産状況から見まして、逐年値下り状況でございますので、最近の二、三年のすれは点数の引き下げとなつて現われておる次第でございます。勿論これは建前としては、値段が上りますれば当然点数引上げになるわけであります。そういうふうに一般薬価基準でやりますのと、特別固定点数で取扱いますのと、精神においては同じものであります。固定点数のほうは、その都度点数表改訂になる関係上、中央社会保険医療協議会に諮問をしてきめるという建前でございます。そういう意味で、値段が下つたの点数改訂するのは、従来の関係から当然じやないかという意味で保険者側はやかましく言つておる次第でございます。
  74. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) おわかりになりましたか。
  75. 高良とみ

    高良とみ君 大体わかりました。のあとの始末ですが、やはりどこまでも話合いで行くという主義が少し無理が行つたということは、山下委員からお話があつたようですが、どうも私どもつておりましてこれは殆んどの保険者側がそういうからと言つて、実施する技術者が納得しないものを無理して押して行くところに、今後それで行くのだつたら、何でも無理して押して行くという感じを受けるのですが、私の考え違いかも知れませんが、この次もう一回聞きます。
  76. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  77. 中山壽彦

    委員長中山壽彦君) 速記を始めて下さい。  それでは今日はこれで散会いたします。    午後零時二十九分散会