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1954-06-03 第19回国会 参議院 厚生委員会 第51号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月三日(木曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     上條 愛一君    理事            大谷 瑩潤君            常岡 一郎君            竹中 勝男君    委員            高野 一夫君            谷口弥三郎君            中山 壽彦君            西岡 ハル君            藤原 道子君            湯山  勇君            堂森 芳夫君            有馬 英二君   国務大臣    厚 生 大 臣 草葉 隆圓君   政府委員    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    厚生省社会局長 安田  巌君    厚生省引揚援護    局長      田辺 繁雄君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省医務局次    長       高田 浩運君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○社会保障制度に関する調査の件  (児童福祉に関する決議案の件)  (児童福祉に関する件)  (引揚問題に関する件)  (被爆調査の件)  (報告書に関する件) ○継続審査要求の件 ○継続調査要求の件 ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは只今から厚生委員会を開会いたします。  社会保障制度に関する調査一環として、児童福祉に関する件を議題といたします。
  3. 藤原道子

    藤原道子君 私は只今議題となつている児童福祉に関する件に対し、別紙の通り、本委員会において決議することの動議を提出いたします。
  4. 中山壽彦

    中山壽彦君 只今動議に賛成いたします。
  5. 藤原道子

    藤原道子君 決議文を朗読いたします。    決議案   児童措置費は、昭和二十八年度より国庫補助金制度に復元され、児童福祉増進上多大の期待を寄せられたにも拘わらず、最近における保育所実情を観るに、経費不足その他の事由により運営上幾多の支障を来している。   仍つて政府は、保育所運営を円滑ならしめ、児童福祉の増進を期するため、速かに最低基準の緩和、措置費の増額、施設拡充等を図り万全の措置を講ずべきである。   右決議する。   昭和二十九年六月三日  以上でございます。  この本問題に対しましては申上げるまでもなく当委員会におきましてしばしば政府当局に進言した点でございます。過日の児童福祉大会におきましても、この問題は圧倒的な要望でございまして、若しこのままで参りましたならば、児童福祉行政は破壊されてしまう。今保育所におる子供過半数といつてもいいくらいが折角の保育所の精神にもかかわらずこの保育に欠ける結果になる。これは重大な問題でございますので、この際、以上の決議案に則りまして政府当局におきましては速かに善処されんことを重ねて要望する、こういう意味でここに決議案を上程いたしたわけでございます。  何とぞ御賛同をお願いいたします。
  6. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 藤原委員提出決議案は採択されました。只今藤原委員提出決議案通り決議することに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。よつて藤原委員提出通り決議することに決定いたしました。  本決議に対して厚生大臣意見がございましたら御発表を願います。
  8. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 只今御議決になりました決議につきましては、十分政府といたしましては御決議の御趣旨を尊重して今後運営に当つて参りたいと思います。  御説明にもありましたように、保育所の問題は今の日本状態におきまして最も児童福祉施設といたしまして大事な問題であると存じております。従いまして現在約全国に七千前後の保育所の点から考えまして、これを全国的に成るべく速かに普及徹底せしめたいという点、或いは又その内容運営について各角度からこれを十分検討してその地方並びに状況に即応するようにいたしたいという点、或いは経費の適正なる運営等につきまして十分検討をいたし、そしてこの要望いたされておりまする保育所の増設並びに内容充実全力を尽して、御決議の御趣旨を十分御尊重申上げて進みたいと存じております。
  9. 上條愛一

    委員長上條愛一君) なおこの際、社会保障制度に関する調査について本問題以外に問題がありましたら御自由に御質疑を願いたいと思います。
  10. 竹中勝男

    竹中勝男君 調査に関する来年度一つの事項として未帰還の引揚者、殊に中国、ソ連圏における未帰還留守家族実情委員会として調査を進められたいと思います。というのは、今までまあやつておられたわけでありますけれども、更に生活下半期あたりから相当苦しくなるだろうと思います。  それからまあこちらとしては紅十字の李徳金女史をお招びするということになつておりますから、それに対して情報を提供できるような調査を進めることを私は提案したいと思います。これは提案でございます。
  11. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今竹中委員の御提案について賛成いたします。
  12. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 只今竹中委員提案社会保障制度に関する調査一環として、未帰還者留守家族生活状態並びにこの救護それから未帰還者引揚調査、或いは帰還促進に関する調査を休会中にもいたそうという提案でございますが、これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。よつて竹中委員提案の未帰還者遺家族その他未帰還者帰還に関する調査の件は決定いたしました。   —————————————
  14. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 次に厚生大臣に対する御質疑を……。
  15. 藤原道子

    藤原道子君 私はこの際大臣にお伺いしたいのでございますが、御案内のように奄美大島が長い間の島民の熱望が容れられて日本国復帰いたしたのでございますが、その後の大島生活状況は非常に困難を極めているということを私ども承知いたしております。いろいろ調査の手を進めてみましたところが、実に悲しむべき状態に放置をされているのでございます。これに対して厚生当局はどのような調査をされ、どのような手を打つてお出でになるかということを先ず一点お伺いいたしたいと思います。
  16. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) お話の点につきまして実は奄美大島復帰いたしましてから、従来ありました癩療養所それから保健所並びに従来の米軍管理下にありました当時からも続けておりましたいわゆる生活扶助施設これらの点につきましては、それぞれ引継ぎましてこれの内容充実し強化するというので進めておる次第でございます。復帰しましてまだ日が浅い関係もありまして、或いは十分な徹底はいたしておらないと存じまするが、十分そのつもりで生活の問題或いは施設充実拡張それから改築増築、そういうものをそれぞれ予算等を計上いたしましていたしたいと思います。
  17. 藤原道子

    藤原道子君 私ども調査したところによりますと、現在小学校中学校児童生徒の総数が四万三千二百三名ということになつておりますが、その中で極貧者というのが一〇・八%ある、長期欠席が千八百八十四名ある。それから不就学児童が七百五十一、アルバイトによつて学校に行つておるというものが千六百八十七名というような非常な数字を示しております。それから精薄児童が六百五十一名、ところがこれらに対して何らの施設もない、こういう実情に放置されておるわけでございます。そうしてなお聞くところによりますと、犯罪児童が非常に多い。これはそれも内地等と違いまして全犯罪の五〇%が少年であつて少年というか、児童というか九歳から十四歳までの児童、これが全犯罪の五〇%を占めておる。それで盗んだものを鹿児島まで売りに来る。こういう状態である。これらに対して指導とか保護とかいうような適切な手は何も行われていない、こういう実情であります。或いは又人身売買が非常に多くあつて、十四歳、十五歳、十六歳くらいの女の子供売春婦に売られ、十四歳で売春を強要される、こういう実情であります。或いは又男の子供は漁夫に売られるのでございますが、これが九年間の契約でB円で千五百円、こういう状態、それで買戻したくとも、これが殆んど沖繩方面に売られておりましたために、外国ということになつてつたために、どうにも手の付けようがない、こういうデータが来ておる。それで私たちも手を尽して調査いたしましたら、まさにその通り売春婦B円で五年間に五千円、或いは三年間に三千五百円、こういう状態で、本当にいとけない子供たちがどんどん生命も脅やかされるような苦役に服せられておるということは、私どもは聞いただけでも慄然といたすのでありますが、大臣のお手許にはこういうような御報告は何らないのでございましようか。
  18. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 主として復帰した前の問題が多いのじやないかと思つております。従つて現在は通貨等も御承知のようにこちらと一定しておりますから、B円との取引の時代においての関係が多くて、それの後の正常化というものを今主として全力を尽してやるという状態に相成つておる次第であります。でああいう大変経済的にも産業的にも不便な状態にありましたので、いろいろな問題が起つて参つてつた状態でありましたから、復帰後は内地と同様にむしろ内地以上に当初におきましては力を尽して、そうしてその大変気の毒な状態になつたのを是正するようにいたして参りたいと存じております。
  19. 藤原道子

    藤原道子君 占領当時の問題から引続いておることは事実なんでございますが、私の調査は極く最近のでございまして、それをなお裏付けるために婦人少年局鹿児島婦人少年室ですか、そこの人に昨日私の調査と合せて、照合をしたのでございますが、殆んど同じなのでございます。もつとひどい調査が出ておりまして、これは今日の労働省の会議に持ち出されるというようなことでございましたので、極く新らしいニユースだということを一つお心にとめて一つ今後善処して欲しい。なお更にお伺いいたしますのは、島内に公立の福祉施設というものが殆んどない。こういうことを言われておる。それから従いまして保育所婦人会人たちお互いに金を出し合つて経営していたそうでありますが、それがだんだん経済難に陥つて最近これを閉鎖しなければならない事情に立至つた。ところが島民は閉鎖されたのでは困る。親子餓死する以外ないのだから、何とか保育所を続けて頂きたい、日参される。それでやめるにもやめられない。けれどもだからといつてこれを継続して行くことは困難である。一体こういう問題はどうしたらいいだろうかというような実はお訴えを受けておるのであります。その訴えによりますと、もう貧困言つても極度の貧困であつて、今ちつとでも保護の手が減つたならば、本当に餓死するか或いは自殺するか以外にもう途のない人たちである。こういうことが言われておりますが、厚生省が今年度の御計画の中に奄美大島保育所をお作りになるという御予定がおありでございましようか。
  20. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) お話のようにこの占領下と申しまするか、管轄下におきましてアメリカ管轄下におきましては、余り福祉施設は進展しておらなんだようでございます。従いましてお聞きいたしました後におきましては、療養所施設、それから保健所、それからその他児童相談或いはその他の施設等におきまして、今後できるだけの施設をいたして参りたいと思う。本年度におきましてもその点を奄美大島においては特に考えて参りたい。こう考えております。
  21. 藤原道子

    藤原道子君 更にお伺いいたしますが、考慮をするというお話でありますが、私は是非とも保育所を作つて欲しい、これを一つ要望いたします。或いは児童相談所養老院というようなお考えも如何でございましようか。
  22. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 私ちよつとはつきりとここに数字を持つておりませんが、児童相談所はたしか作る予定であつたと存じます。本年度もこれを充実する考えである、そのことについては御意見の点私ども同様に考えております。
  23. 藤原道子

    藤原道子君 特に養老院の点を私持ち出しましたのは、非常に生活が困難になりましたために、若い者はどんどん売られて行く、出稼ぎに行くというような状態労働力のなくなつた老人は非常に邪魔にされるのです。而も奄美大島は若い人がたくさん戦争で亡くなつたりいたしまして、現在三十万と言われる島民の人口の中で、十九歳未満の者が九万五千四百八十三名でございますが、六十歳以上の者が二万二千九百六十九名もある、これらの老人が全く昔で言うならば姥捨山へ捨てられると言つても過言でないような状態に置かれておるそうでございまして、その老人の悲惨な状態は見ていられない。どうしてもこれは養老院を作つて頂くか、さもなければ鹿児島養老院等にでも収容して頂くか、適切な手段が早急になされなければ重大なることになるのではなかろうかというようなお訴えもございますので、特にこの点を御考慮を願いたい。  それから最後にお伺いいたしたいと思いますのは、昨年奄美大島復帰と決定いたしましたときに、十億の予算が計上された筈でございます、今年度予算にはたしか三十一億ばかりと記憶いたしますが、奄美大島予算として計上されておるはずなんです。これらの使途がどのようになされて、社会福祉方面にどのくらい廻わされ、それをどうお使いになつておるかということを私はお伺いいたしたい。
  24. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 復帰に要する費用は直接復帰に要する費用経費つたと記憶いたしております。社会福祉関係厚生省予算における社会福祉費で、内地同様にいたすという行き方を、すべきであると存じております。従いまして私の手許にありまするほうから出して参りたい。ただその中にも特別に、例えば癩療養所というのへ幾分か流れて参るのは勿論ございます。全部がそうじやございませんけれども、そういうほうへ大体は流れて参る。併し今申上げたような方向でも進んでおる。
  25. 藤原道子

    藤原道子君 癩療養所のことが出たのでございますが、癩患者でまだ未収容患者が三百名くらいですか、あるということを私聞いておる。和光園に対してもベツトは二百五十名であるのに三百名を収容している。而もその収容所も決して結構なものではない。癩病患者が未収容のままに非常に多くのものが在宅で療養しております関係上、この点も非常に不安である。一日も早く適切な対策を立てて欲しいというような要望がございまするが、この癩患者に対してはどういうふうな御計画を立てておいでになりますか。
  26. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) これは今の御指摘癩療養所があそこに一カ所ございます。これを拡張いたしたいと存じております。そして内容を少し充実して建物等大分…だしか川のすぐ横だつたと記憶いたしておりますが、そういつ関係で、土地も拡げて拡充し、内容充実して参る。それでもどうしても収容し切れん者は鹿児島等に或いは急いで必要とするものは収容しなければならん状態に相成つて来ると存じます。こういつ点も考えております。ただ、癩で問題になりますのは、沖繩等から帰つて来る人の中に相当あることが予想され、又もと籍がこつちのほうにあつたため帰られることが予想される場合の取扱いにいろいろ検討を要する点がありますので、これらの点を検討いたしたいと思います。
  27. 藤原道子

    藤原道子君 癩の問題は仮に沖繩から帰つて来る人の中にいるとしても、これは忽せにできない問題だと思う。だからああした癩予防法の改正も行われたわけでございまして、社会の不安をなくするといつ面も一つ、それから患者福祉ということを根本的にお考え願つて和光園が至急に増設困難ならば、たしかあすこ療養所分所があつたはずでありまするから、そのほうに収容するなり何なり、今後の緊急対策を立てられることを私は強く要望いたします。  それからいま一点は、どうも納得がいかないのでありますが、生活保護法の支給の金額が非常に少いということですね、金額鹿児島に比べると半分以下だというのです。その理由は結局被保護世帯が多いから、少くとも広く手を伸ばさなければならないということは言えるというのです。けれどもそれは私どうも納得ができんのでございまして、最低生活を保障するという建前になつておりまする以上は、如何に被保護世帯が多いからと言つて金額を半減するなどということは考えられんことであります。従つてこれはどういうわけでそういうふうなことがなされておるのか、それを私はお伺いしたい。
  28. 高野一夫

    高野一夫君 関連して……、藤原委員奄美大島のことをいろいろ御心配下さるのは我々非常に有難いことだと思つて感謝しております。御承知通り奄美大島鹿児島との商取引がなければ全然立ち行かない所です。従つて約十年間鹿児島との交通杜絶商取引杜絶によりまして、非常に困窮に陥つております。漸く復帰いたしましたけれども、まだ数カ月経つか経たんのでありまして、大島に対するいろんな対策というものは目下鹿児島の手において考究、研究中であります。御承知通りにすでに県会議員もこの春きまりまして、衆議院にも一人議員が出てこられまして、そこで県会議員の六名にもつぶさに奄美大島実情県会報告いたさせまして、鹿児島の県庁としても厚生施設殊生活問題或いは学校の教育問題、そういう点についても十分目下検討中である。更に又今度出た衆議院議員もこれも大島の人で、いろいろな情報を持つておられてお互い検討中であります。それで政府のほうでも恐らく復帰後まだ短時日だから相当のいろいろな実際の点が把握できなかつたり、対策が講じにくかつたりするのですが、幸いにして奄美大島振興法案も今国会に出ましたりすることでありますから、全般に亙つて特に厚生施設厚生関係振興ということが大事なように我々も考えておりますので、奄美大島振興法にもからみまして合せて急速には参らんかも存じませんが、今後一つ厚生大臣のほうでも十分この点について御留意を願つておきたい、こう思つております。なお又、大島のほうは鹿児島のほうとの商取引も復活して参るし、そのほうにも自然と生活状態も次第々々に向上して参ると存じますが、そういうような事情にございますので、十分に御留意願つておきたい。私は合せて大臣にお願いを申上げておきたいと思います。
  29. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) アメリカ管轄下にある状態を一応引き継いで、それを切り替えた。そうしてあすこ大変本土と離れた所でありますから、食糧その他について考えましても大分生活程度が違つておると思います。そついう点で直ちに内地と比較いたしますと大分違うと思います。そういう立場から統計的に今の状態を直ちにとりますと、御指摘のようなことも確かにあるのであります。長らくの管轄下がだんだんと内地と同じような情勢になりますに連れて、それから一方こちらのほうの施設或いは扶助方法等も徹底するに連れて、ずつとよくなつて来ました。約十年余りの気の毒な状態が、この復帰いたしましたことによつて社会施設それから保護状態も今後だんだんと改善され、一遍にぱつと行くふうには参りますまいが、そういう考え方で我々も進んでおります。
  30. 安田巌

    政府委員安田巌君) 昨年奄美大島日本に帰属いたしました当時、アメリカ占領政治によつていろいろ扶助を受けておつたものが大体七千人、生活、住宅、教育等合せまして……。そこで私どもといたしましては二十八年度に千二百万円の予算を組みました。これは生活保護費でございますけれども、十二月二十五日から三月三十一日の年度末までが千二百万円でございます。これはおよそ一万人の予定を組んだわけでございます。医療扶助と合せまして大体一万人、そのときの取りあえず基準は、従来アメリカ政治を行なつておりましたときの五割増ということで引取つたわけでございます。併し只今大臣からお話がありましたように、生活扶助基準というものは、やはり場所々々で違うのが本筋でございまして、非常に生活程度の低いところでは、殆ど全部が生活扶助にかかるということになりますから、そこにおけるところの生活様式でありますとか、食物はどういう食物を食べているかというところからはじき出して、やはり最低生活というものはやつて行かなければならない。取りあえず五割増しでやつたわけであります。併し一時扶助を一応いたしまして、布団がないとか、着物がないとかいう場合に最初に適用したのでありますから、一時扶助というものを大体八千人程度見込んで、それを拡充するようにという趣旨でやつたわけであります。その後だんだん藤原先生お話のように、非常に基準が低いじやないかという話がありまして、最近大蔵省と相談をいたしまして、大臣お話もございまして、大体日本における五級地というのが一番低いのでございますけれども、それの八割を出すということにいたしました。そこでなおそれが妥当なものであるかどうかということがわからないのでありますので、私のほうから人をやりまして、いろいろ詳しいデータを揃えてその上で五級地相当のものを出すべきものなら出す。八割相当がよければ八割相当、九割でよければ九割、こういうふうにいたしたい。内地で言いますと、例の一般の勤労者世帯生計調査なんというものがございますから、ああいうものがみんな不備でございますから、取りあえずこういう措置をとつたのであります。大臣お話のように、今後そういう調査が整いましたならば、もつと合理的なものが出ると思います。
  31. 藤原道子

    藤原道子君 厚生省からすでに調査お出でになつたかどうかということを一点、それと同時に私が今日この問題をお伺いいたしますのは、非常に重大な問題が起つているからお伺いしている。だからお坐なりの答弁では私は承知ができない。なぜかなれば、島民困窮に対して内地からはどの方面からも温い手が伸べられない。何にも島民は知らないのです。戦争終つて以来内地との交通は絶えておりましたから……。ところがいち早くかけつけましたのが共産党である。共産党が各方面に行つて盛んにアジつているのです。生活保護法があるのだ、最低生活が保障されているのに、お前たち日本に帰りたい帰りたいと言つていたけれども、帰つてみれば日本人の半分しかもらえないじやないか、一体これでいいのか、内地には保育所ができている、児童相談所がある、癩の療養所もあるのにお前たちは打つちやられているじやないか。アメリカ占領中お前たちをまるで豚か犬のように扱つて来たじやないか、よくもこんな無慈悲なことをしたものだ。だからお前たち日本に帰りたがつた、帰つて見たら日本からもこうじやないかというので、非常に共産党が宣伝の道具にしている、道具という言葉は当らないかもわかりませんけれども、それは実に容易ならざる状態にある。この間奄美大島行つた人が、人だかりがしているからといつてつて見たら、これも共産党街頭演説であつた。事実共産党の言うことのほうが正しいのであつて内地に帰りたがつたけれども、帰つて見たら大したことはないというような絶望感島民が次第に傾いている。内地復帰を念願した当時の熱情はなくなつている、消えて行きつつあるということを私は伺いまして非常に憂えているのでございます。だからそのところの生活困窮の度合いによつて生活保護を支給するということは私も承知いたしております。けれども私もまだ行つて見ないので、是非つて見たいと思つておりますけれども、人間以下の生活をしているということが事実であるならば、やはり私は特殊な事情もある土地でございますから、この際温い気持ちを持つて法一点張りでなく、一つ私は早急に対策を立てて頂きたい、こう思うのです。殊に鹿児島との交流ができたからだんだんよくなるだろうという高野委員のお言葉でございましたけれども、あそこの特産品は何といいましても大島紬だ、ところが大島紬が、四十になつたら目がかすんで織れないそうでございます。今までは二十一才ぐらいが中心で大島紬労働力というものがあつたそうでございます。ところがこれらが絶えて、今は平均三十九才ぐらいになつている。而も大島紬の生産高というものが非常に低下してしまつている。若しこのままで行くならば恐らく大島紬の技術は絶えるのじやないかということになつて鹿児島で四、五十人程度の養成はしておいでになるそうでありますけれども、こういう状態である。だからこういう点の、生活もできない、破壊されたそのままになつている、こういうことが大きな悲劇の根本ではないかと思いますので、いろいろ予算等のこともございましようけれども、至急に対策を樹立して頂きたいということを、強く強く私は要望するわけでございます。
  32. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 復帰直後でございますから、お話のようにいろいろな問題が派生的に生じていることも私どもも聞き及んでおります。併し多年私どもが熱望しておつたのが復帰しまして、その後政府も国民もあの地区に対しましては多大の関心を持つており、これを十分何と申しますか、経済的にも或いはすべての点からも引上げて参りたいという努力をいたして参る考えでございますので、その成果はだんだんと上つてくると思うのであります。従いまして生活保護或いは社会福祉等につきましても、そういう考え方で努力をして参つておりますから、どうぞ今の御趣旨の点は私どもよくわかりますので、御了承頂きたいと思います。
  33. 藤原道子

    藤原道子君 今日は児童局長は見えていないのでございますけれども、特に私がお願いしたいのは、男の子は九才くらいで漁夫をさせられ、十三才の女の子供売春を強要されている。ところがこれらを救い出しても、家へ仮さないでくれ、そういう辛い生活に売られていてもなお家の生活よりはこのほうがいい。子供が係官に泣いて家へ返さないでくれということを訴えるということです。だから係官たちもどうしていいか途方にくれるということを訴えておいでになるのです。これほど悲惨な状態にあるということを念頭に置かれて、殊に児童問題に対しては、直ちに一つ手をうつて頂きたい。保育所是非とも一つ年度内の予算で操作をして頂きたいということを強く私はお願いいたします。  最後にこれは別でございますが、一昨日だかの新聞にも出ておりましたが、政府は行政費を一割節減する、これを各方面に指令されたということを聞いております。又大蔵省から特に指示が与えられたということが、昨日の新聞だかに出ていたように記憶いたします。予算が通過してそれでもきめられた。ところが施設費にも及ぶというように私は聞いているのでございますが、果してこれが事実であるかどうか。国の予算で決定されたものを、一方的な通達によつて、これが節減できるものであるかどうか、それも冗費を節約するというならわかるのですが、ところがこれが施設費にも及ぶ、或いは結核患者の医療費にも及ぶ、或いは食糧費にも及ぶというようなことになれば、私は政治は目茶苦茶だと思うのです。果してこれが真実であるかどうか。そうして若し真実とすれば、厚生省としてはどういうところを節減されようとしておいでになるかということを、私はお伺いしたいと思います。
  34. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) お話の点につきましては、今年度予算の当時におきましてはいわゆる議員修正等がなされて、その経費の捻出等が予備費その他でなされましたのは御存じの通りであります。当時におきましても今後の経費は十分節約してそしてやつて行こうというので、全体からすると、大したことではございませんが、二百億程度は節減をして参るというような一応の見通しは持つておる。併し今お話のように、すべてを一律に一割を節減するというような考え方でなしに、一兆円予算における、大体二百億円程度は、何か節約して行こうというようなことが、一応の目途として考えますが、それで全体の一割を引くということになると一千億円になりますが、成るべく冗費を節約し、いわゆる緊縮予算でもあり、又物価を引下げるという一つの狙いもあるので、そういうような方向にして行こうということ、具体的には各省と実際的によく相談をして、そして従来のような天引節約というようなことはせずに行く考え方で、まだ根本的には決定いたしておるわけではありません。厚生省等におきましては、療養所の食費を節約するというようなことは私は考えておりません。ただ物を購入いたしまする場合に、同じ品物であるなら、安いいい品物をなるべく努力するというようなところに、むしろ節約の中心を置くというような考え方で行きたい。医療とか、その他地設とかいうようなものを天引に節約こいうようなことは、大蔵省も考えておりません。従つて今申上げたような状態でございまするので、全体として天引節約という考え方ではございませんが、従つて療養所の食事とか、或いはそういうものを節約するという考え方ではおりません。これは具体的に、厚生省と大蔵省と今後折衝をして相談をしようということにいたす予定をしております。
  35. 藤原道子

    藤原道子君 じや確認いたしたいのでございますが、患者の食費等は絶対に削減いたしませんね。施設保育所も一割削減するということも言われておりますが、絶対にございませんね。
  36. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 私の今記憶しておるところでは、食費とか、施設費を減らすというような、一割減というようなことは考えておりません。
  37. 藤原道子

    藤原道子君 一割はしないけれども、八分するというのじや困るので、結核患者の食費は治療の一部ですから、而も十分でないのですよ。九十六円何がしかだと記憶しておるのですが、これで結核患者の食費ですから、びた一文手をつけられちや困る。私たちは増額を要求したいくらいです、それから医療費、注射一本の検約というような、医療費までしめるようなことはないと私は思いますけれども、そういうことがあつては困る。
  38. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) そういう意味じやなしに、例えば石炭はずつと値下りしまして、半額になりました。従来の予算の大体半分で足りる。そういうときに石炭が食費に入つておる場合に、燃料費はそうするとそれは安くなつて参る。それから注射でも例えばストマイならストマイがずつと安くなりました。安くなりましたが、従来は四カ月間しかできないのを、六カ月にしました。プラスマイナスは大体同じくらいである。そういう意味で、現実に下つたものを下げるということを、これはそういう方針でやつて参りまするが、やるべきカロリーを節約してそして減らすという考えはございません。
  39. 藤原道子

    藤原道子君 絶対にございませんね。
  40. 有馬英二

    ○有馬英二君 関連質問です。只今藤原委員から療養所の食費を減ずることがないようにというお話がありましたが、私のところへ、これは北海道の或る療養所患者からですが、現にそういう手紙が参りました。是非そういうことのないようにしてもらいたいということを訴えて参りましたが、私は別に療養所の当局に対して、調査をしておりません。おりませんが、そういうことを患者から訴えるということは、何らかそういうような兆しでもあるのか、或いはすでにそういうことは行われつつあるのかということを考えておつたので、この夏行つたならば、一つ調査をして参ろうと私は考えておつたのですが、只今大臣からそういうことはないはずであるというお答えでありましたが、一つ当局はこの点によく留意をされて、一遍御調査を願いたい。そのことだけです。
  41. 藤原道子

    藤原道子君 大臣はそんなはずはございませんと言われたのですが、実はあつたのです。医務局長にこの間質問したのです。ところが医務局長は大蔵省から強い要望で、そういうことがあつたと、併しそういうことになるかもわからないから、その心づもりでおれという通達を出した。その後いろいろの折衝によつて、まあそれはやらなくてもすみそうだから、警戒警報解除してもよろしいという通達を、五月の十二日に出しましたとこう言つた。その出した通達を厚生委員会へなお念のために、私は資料として出して欲しいという要求をしたところが、その資料はまだ出て来ないのです。ところがそれは施設のほうへは来ておりませんと言うのです。この間の事情は幸い高田医務局次長が見えておりますから、重ねて私はお伺いし、その通達を出したのと警戒警報の通達とあわせて、私は資料を出して欲しい。
  42. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 細かいことは次長からお答えしますが、全体といたしましては、今の御質問もございまして、これは食糧等については減らさないという方針ばかりじやなしに、はつきりした指示をいたして参つております。それらの手続等の問題は又次長から……。
  43. 高田浩運

    説明員(高田浩運君) 今の御質問の点につきましては、先般医務局長が申上げましたように、食費につきましてはこれを減らさないということをはつきり通達を出しましたし、当委員会において御要求になりました資料につきましても、私どものほうは持つて参つて差出したつもりでありますが、これはよく調べてみます。
  44. 藤原道子

    藤原道子君 私一人で喋るようですけれども、最後だからもう一つお伺いしたいのですが、大臣、そうなりますと、今度生活保護費なんかも、恐らく一割削減で来ると思う。これは大きな問題でございますが、そういうことはあつてはならないと思いますが、大臣の御所信を伺いたい。
  45. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 実は私どもは逆に生活保護法は適正なる運営をして行くのに、このあと後半期くらいからは増していいのじやないか、一応……。従つてそういう考え方を持つていたしております。これをいわゆるほかの物件費みたように値下りによる節約というものとはものが違いますので、これを節約して行くという考え方は持つておりませんし、むしろ経済の動きに即応するような弾力性を持たせて行かなければならんのじやないかと私は思つております。
  46. 藤原道子

    藤原道子君 重ねて、くどいようでございますが、生活保護法も節約しない、必要なものは出す、それから食費も大丈夫だ、医療費も大丈夫だ、これは確認いたしてよろしうございますか。それから更に施設費、病院の施設であるとか或いはベツドの増であるとか或いは保育所であるとか、こういうふうな施設に対してはどうなんですか。
  47. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 現在私の報告を受けておりますところでは、それらの問題には触れておりません。
  48. 湯山勇

    ○湯山勇君 私も今の点をお聞きしたかつたわけですが、今の点はよくわかりましたので、それと関連してやはり予算関係のことですが、生活保護費は最初の政府提案が二十億であつたのを二十五億に殖やされたわけであります。そのときにいろいろ衝撃があつたわけですけれども、結論的に言えば五十億という予備費をそういうものに振り向けた、そこでその予備費の穴埋めをどうするかということを大蔵大臣に尋ねたところが、それは経費節約によつて生み出す、こういうことなので、今大臣がおつしやいましたように二百億というものを生み出すということになりますと、予算審議当初に考えたものと実際に行われるものとの間には、非常に大きな開きができると思うのです。我々が了解しているのは五十億というものをとにかく節約によつて埋める。本来ならば各費目ごとにそれだけのものを修正して、そうして予備費を殖やして元通りの予備費を確保した上で配分すべきものであるけれども、間に合わんからそういう措置をとつたのだと、こう言つておるので、二百億と五十億との間の開きというものが、実際は今いろいろお話ができましたような方面へしわ寄せされるということになれば大変な問題だし、特に今の修正のときの重要な点は生活保護費等は大きな問題だつたわけでございまして、そういう点をお考え頂ければ、各省各部局一律に一割節減だとか或いは五分節減だとか、そういうことは大蔵大臣としてもできないはずだと思うのです。そういう点を十分一つ御配慮、申上げるまでもないことだと思いまするけれども御配慮頂きまして、一つ是非すでに今のような問題は私のところへも参つた例がございますので、そういうことのないようにお願い申し上げたいと思います。
  49. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) お話のような事情でございまして、全くただ厚生省関係予算といたしましては全体として二十五億ほど殖えました、予備費が本年度当初予算におきましては御指示のような状態になりましたが、その後法律等を国会で修正になられまして、その結果収入と支出とが、増と減とがある、そういうことを私は一応申上げたので、従つてそのバランスを合せると、そのくらいになるということの一応私の心組みを申上げたのでありますが、そういう関係から決して一割天引というようなことはないので、むしろ国会の修正によつてこれはよくなつた修正だと思う。そういう方面に努力して参りたいと思います。
  50. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは六日は衆議院厚生委員会に出席されるよう再三要求がありますので、それじや簡単に……。
  51. 竹中勝男

    竹中勝男君 先だつて水素爆弾の雨に含有されておるガンマー線の脅威について全国的な不安が増大しておる。殊に雨期に直面すると、その不安が増大することは当然であろうと思いますので、調査について、厚生省で現在調査の方法、或いは調査の結果の発表について不同であるという御返事であつたので、それを一つ統一して調査方法なり発表の方法も統一したものを出してもらいたいということが一つ、それから第二点は、これに対する対策費として五カ月間に百八十万円を計上されておられるようですが、そういうことでは非常にこれはこういう重大な問題を調査する、それに対する対策を立てる上においては非常に不足する、僅かな額では……。これはこういう額では国民全体に納得させる、精神的にも安心して厚生省調査というものを信頼できるようにはならないと思いますので、思い切つて増額して調査の組織機関というものを急速に拡充されるように要望したいと思います。その点についてどういうふうにその後なつておりますか。
  52. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) その放射能によります被害というものは大変大きな国民の関心と或る一種の恐怖心まで行くような状態になつておりますから、これを科学的に、そうして常時に調査し、その調査の結果を発表し、それに対する措置を講じなければならないというので、実は閣議等におきましてもその方針の下に進めて参つたのでございますが、具体的には現在厚生省で持つておりまする原爆症調査研究協議会、あれを拡大強化をいたしまして、むしろ原爆症だけでなしに、そういう放射能関係に対する或いは食品、或いは人体、その他に対する調査まで拡充し、又国内のこれらの関係の学者をも十分協力を頂くようにいたしまして、そうしてずつと調査を続けて参り、降雨或いは井戸、水道その他の飲料水、野菜、土地或いはそれらによつて生じましたもろもろの植物、動物等につきましても、調査をして不安のないよう、その結果若しや人体に障害があるという場合には、これが除去の方法等も研究して参りたい。従つて放射能の検査のやり方の統一と申しますか、こういう点なかなかむずかしいとは思いますが、学者の協力と理解とを頂いてやつて参りたいと存じておるわけであります。予算等もそういう立場からこれを予算化しまして、今それぞれの局でこれを予算化しております。大蔵省におきましても、一応は了解を得ておりますが、具体的になりました上で、更に折衝して行きたいと思つております。
  53. 竹中勝男

    竹中勝男君 今朝も京都から、遅くなりましたのもそのためでありますが、放射能の雨に関する何か広汎な研究機関を京都で作るから協力してもらいたいという大学からの要望がありましたので、これは相当な深刻な精神状態に国民は置かれておると思いますが、それで予算のことを申上げたのは、厚生省予算だけでは到底足りないと思うのですが、というのは、丁度空襲警報の組織というようなもので、例えば鹿児島で放射能の雨が降つておる、方角はどつちに向つておる、若し警戒の必要がある量のものが降つておれば、何日何時頃はどこに降るかも知れないというような、降るだろうというような、そういう通報を全国的な気象通報といつたようなそういうものも今のうちにやはり考えておく必要があるのではないか。これは専門家の意見をも私は努めて聞いておるのですけれども相当重大な意味を持つているということを、すでにこの間京都にちよつと帰りましたら、京都人は非常にこれが神経質になつておりまして、例えば今年花が違うのです。私の庭の花は毎年樹が多いので花が小さいのですが、今年は非常に大きい。花が早く、ばらでも、けしでも化け物みたいな花が咲いておるのですね。それが一帯に京都でそういう現象が現われておるというのです。これが放射能の雨のせいかどうかわからないけれども、京都人はこれは雨のせいだとこれはよく言つておるわけなんですけれども、雨がきき目がいいわけですね。それだけに又京都人も強いわけです。これにはやはり厚生省が今のうちに徹底的なやはり調査研究及び対策の準備をしておくということが必要だと私は思いますので、重ねてそれを要望したいと思いますが、これは日本の国民の安全、或いは福祉の上に相当重要な影響を今後にもたらす、或いは国際的にも重要なる意味を持つものではないかと考えておりますので、重ねて一つ大臣に御善処されるように希望する次第であります。
  54. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 只今申上げましたような考え方で継続的に、而も相当そういう関係のメンバーを入れまして、経費等も必要な経費を出して行くというのでやつておりますが、それらの結果に待つて処置を講じて参わたいと存じます。
  55. 湯山勇

    ○湯山勇君 お忙しいようですから要点をお尋ねいたしたいのですが、先般厚生省のほうで御調査になつた結核患者数が発表になりましたときに、それは従来の数字と余りにも隔つた大きい数字でございましたので、この委員会におきまして大臣にそれについてのお尋ねをいたしました際に、大臣がこれは予想外の数だから、結核対策については抜本的に検討し直したいという御答弁がございまして、私も誠に御尤もな御答弁だと思つて期待しておるわけでございます。で、この問題は本筋は結核対策でございますけれども、問題となつておりました生活保護費等との関連も当然生じて来ると思います。それでもうすでにこの国会も終りでございますから、抜本的な対策の樹立のために現在どういう進行状態にあるか、或いはその見通しはどうなのか、そういう点について概略御説明頂きたいと思います。
  56. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) これはまだ実は御発表申上げるまで固まつておりませんけれども、ただ先般も申上げ、又只今も御質問にありましたような結果が実際上の調査の上に現われて参りましたので、従来の約百六十万程度の対象の結核撲滅対策という方向では到底不十分だ。而もそれが青少年よりも壮年以上の層に多くなつて来ておる。多数の人が無自覚患者であるという状態でありまするので、これらの点を総合して検討をいたしてやらなければならないという実情であると思います。具体的にそれらの局で案を練つておりまするが、結局はその総合的な一つ……、具体的に簡単に一口で申しますと、委員会か何かこしらえまして、具体的な立案を対策検討して頂いて、それを尊重して国策に持つて行くという方向に行つて参らにやならんのじやないかと考えまして、今その局で熱心に検討いたしております。
  57. 湯山勇

    ○湯山勇君 大体いつ頃までというような目標はございませんでしようか。
  58. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) 別に目標はいたしておりませんが、事がやつぱり急いで参らにやならんと思います。現在の結核対策一つ根本的にしないと、生活保護の問題にいたしましても、或いは保険の給付の問題にいたしましても、或いは結核予防法の実施の問題にいたしましてもなかなかうまいこと解決しないのじやないか、多くの疾病の何パーセントかの中心、而もそれが最も大きく困難なる問題は今の御指摘の結核対策の樹立に関連して参ると思いますから、成るべく早くいたしたいと考えております。
  59. 湯山勇

    ○湯山勇君 大体来国会あたり、来国会と申しますのは、臨時国会は別といたしまして次の通常国会あたりには抜本的な対策が大体御提案になられるというような目途でお進みになつておられるわけでございますか。
  60. 草葉隆圓

    国務大臣草葉隆圓君) これは或いは立法的措置をとらんならんものもありましようし、或いは予算的な処置をとらんならんものもありましよう。それらの要がなしに直ちになし得る方法もございましよう。立法的予算的にこれはなかなか簡単に参りますまいが、そういう国会の御承認を頂くような問題は国会の開会と同時に取運ぶ段取りにもなつて参ると存じます。併しそれらのものをよく検討しまして、なし得るものは十分関係協力の下になして参りたいという考えでおります。
  61. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは社会保障制度に関する調査についての御質疑はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それではちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕   —————————————
  63. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 速記を始めて。  次に閉会中継続審査及び継続調査についてお諮りいたします。  第一に医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び水道法案(内閣第百八十号)、水道法案(衆議院第三十五号)、右三法案は今期国会閉会中も継続して審査することとし、議長宛継続審査要求書を提出すること、なおその手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。よつて三案は今期国会閉会中も継続して審査することとし、継続審査要求書を議長宛提出することに決定いたしました。   —————————————
  65. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 次に、社会保障制度に関する調査についてお諮りいたします。この調査は目下進行中でございますが、今期国会開会中に調査が完了いたしませんので、未了報告書を提出することとし、文案の作成その他の手続きは委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。よつて未了報告書を提出することに決定いたしました。  なお、この報告書には多数意見者の署名を対することになつておりまするので、御異議のない方は順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     大谷 瑩潤  常岡 一郎     竹中 勝男  高野 一夫     谷口弥三郎  西岡 ハル     藤原 道子  有馬 英二     中山 壽彦  湯山  勇
  67. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御署名洩れはございませんか。……御署名洩れはないと認めます。
  68. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 次に、本調査は今期国会閉会中においても継続して調査することとし、議長宛要求書を提出することにいたしまして、文案その他の手続は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。よつて社会保障制度に関する調査の閉会中継続調査要求書を議長宛に提出することに決定いたしました。  なお本調査が継続調査の許可を得ました場合、現在設置せられてありまする国民生活改善に関する小委員会及び覚せい剤取締に関する小委員会は、いずれもこれを閉会中においても存続して調査せしむることといたしまして、その数、小委員の指名、正副小委員長の指名等は現在と同様といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。ではそのように決定いたしました。
  71. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 次に、議員派遣要求に関する件を追加して議題といたします。  今期国会閉会中において厚生行政施設の実施状況を視察するため、議員派遣要求書を議長宛提出することとし、視察地、期日、派遣議員の人選及び手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。よつて閉会中議員派遣要求書を議長宛提出することに決定いたしました。  速記をとめて。    〔速記中止〕
  73. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会