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政府委員(曾田
長宗君) 初めの時期におきましての
経過はおおむね御承知かと思いますので、最近の様子をかいつまんで申上げますれば、全般的に申しますれば、白血球数等は逐次回復の傾向が見えるということは申上げられるのではないか。一時千台くらいに減少いたしておりました患者等は三千から四千近くくらいまで殖えておると、これもまあ殖えておると申しますか、これはいろいろ専門家のかたがたがおいででございますから十分御了承願えると思うのでございますが、多少殖えたかと思うとずつと数の少い結果が出たりいたすのでありますが、大体の傾向といたしましては、逐次増加の傾向にある。併しながらそれに対しまして初めのうちにそれほど低くなかつたというような患者が、この時期を経て来ますに
従つてむしろ幾分その減少の傾向を示しておる。初め五千くらいございましたのが、それが四千くらいにな
つているという者も若干はあるのであります。で、こういうようなことで、初めに非常に重態であつたという者は幾分回復の傾向を見せておりますが、
却つて初めそれほどでもなかつたという者が、それでは急速に回復しているかというと必ずしもそうではなしに、
却つてそういう人たちの状況が停滞しておるというようなものもございます。
ただまあ全体を通じて申しますれば、この一時極端に白血球の少なかつた患者というようなものは、状況が幾分回復しつつあるということが申せると思う。私も専門ではございませんので、いろいろ患者の世話しておる人たちの話をお伝えするのでありますけれ
ども、結局こういうような状況というのは、この灰をかぶつた直後の
影響というようなものからは逐次回復しつつある。併しながら若干ずつ体内に吸収された、或いは又外からの働きにいたしましても、この何と申しますか、相当緩慢に働いて来る
放射能の作用というようなものによるいわゆる慢性の汎骨髄麿でございますか、こういうような状況にだんだん移り変
つているのではないかというような懸念を持
つておられるようでありまして、でありますから患者の状況については、灰をかぶ
つて、その
影響としてどんどん急速に状況が悪化してというようなことは一応食いとめられるのではないかというふうに見ておられるようでありますが、長期の何と申しますか、
影響というものについては、必ずしも楽観といいますか、
余りに安易に
考えるわけには行かず、今後とも十分注意して患者の徴候を見、それからその手当に誤るところがないようにして行かなければならんというような
考えでおるのでありまして、決してこの患者に、非常に患者の予後が悲観的というわけではございませんが、油断はできないという状況だと思うのでありましていろいろその模様が
新聞等に伝わりますというと、そこに色合いが違
つて参るものでございますから、或る
記事は非常に楽観的のように見えたり、或る
記事は非常に悲観的に見えたりしているのであります。なお退院
問題等はこれは勿論いずれこの問題は出て来ると思うのでありますが、一時
新聞に少し大きく伝えれらたような事実がございましたが、たしか東大の美甘院長の談とか何かであつたと思いますが、院長はあのような
記事に表現されるような意見は述べなかつたのだというようなことを申しておられたのであります。