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1954-04-26 第19回国会 参議院 厚生委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月二十六日(月曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————   委員の異動 四月二十一日委員湯山勇君及び中山壽 彦君辞任につき、その補欠として藤原 道子君及び榊原亨君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事            大谷 瑩潤君            竹中 勝男君    委員            榊原  亨君            高野 一夫君            谷口弥三郎君            西岡 ハル君            廣瀬 久忠君            堂森 芳夫君            有馬 英二君   衆議院議員            青柳 一郎君   政府委員    厚生省薬務局長 高田 正巳君    厚生省保険局長 久下 勝次君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員補欠選任の件 ○理事補欠選任の件 ○厚生年金保険法案内閣提出、衆議  院送付) ○船員保険法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○厚生年金保険及び船員保険交渉法案  (内閣送付)   —————————————
  2. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  本日は私が委員長代理といたしまして僣越ながら委員会を開かせて頂きます。  先ず委員の移動を御報告申します。四月二十一日付を以て湯山勇君及び中山壽彦君が辞任され、後任として藤原道子君及び榊原亨君が選出せられました。御報告をいたします。  次に、覚せい剤取締りに関する小委員欠員一名を指名いたします。藤原道子君にお願いをいたします。   —————————————
  3. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 次に、理事補欠互選を行います。前理事湯山勇君の後任理事補欠互選をいたしたいと存じます。その方法は如何いたしましようか。
  4. 竹中勝男

    竹中勝男君 方法成規の手続を省略いたしまして、委員長において指名されるように動議をいたします。
  5. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 只今竹中君の動議通り異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 御異議ないと認めます。それでは前理事湯山勇君の補欠として理事竹中勝男君を指名いたします。   —————————————
  7. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 厚生年金保険法案を議題といたします。政府委員から説明を願います。
  8. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) 厚生年金保険法の詳細を説明を申上げるのでございますが、御覧を頂いておりまするように、この法律は本則は百五条、附則三十九条、合計百四十四条という厖大な案になつております。これを逐一御説明を申上げますると、徒らに時間のみを要すると考えまして、便宜厚生年金保険の大要につきましてお手許に私が御説明を申上げるためのメモ的なものをお配りいたしました次第でございます。主な条文関係項目のところにそれぞれ引用をいたしまして、皆さんが後刻精細に御覧を頂きまする御便宜のためと思いまして、勿論早急に作成をいたしましたために、必ずしも正確を期し得られない点かあろうかと存じますけれども、私なりに考えまして、この程度の各条を御覧頂きますれば大体御了承を頂けるのではないかというふうに考えまして、一応の分類をして見ましたものでございます。本日は時間も余りたくさん頂けないようでございまするので、このお手許に差上げましたメモに基きまして、概略の御説明を申上げて、逐条説明に代えさして頂きたいと思う次第であります。  先ず法律内容に入りまする前に、第一に厚生年金保険制度現況というのが差上げてあります。御覧を頂きたいと思いまするが、この数字は最初に昭和二十八年十二月末現在の現状が書いてございます。適用事業所の数が二十三万一千三百四十三事業所ございまして、そこに働いております強制適用保険者、その他の被保険者が七百六十七万六千百三十四人ございまして、この被保険者によつて扶養されておりまする被扶養者健康保険法の例にならいまして、計算をいたしまして千二百二十万五千五十三人ということでございまするので、この制度に、昨年十二月末現在で関係を持つております被保険者及びその被扶養者は、合計約二千万に近い数字になるわけでございます。  次に保険給付件数及び金額が書いてございまするが、御案内のように現行制度昭和十七年に制定をされたものでございまするので、昨年十二月末現在におきましては、養老年金受給者はまだ出ておりません。それ以外の保険給付か行われているわけでございますが、障害年金受給者は全部で四万三千四百五十一件でございまして、一件当り金額は二万七千二百九十九円、その総額は十一億八千五百二十八万五千百九十一円というわけでございます。  寡婦かん夫年金はこれは被保険者が被保険者期間甲にまだ養老年金をもらう前に死亡いたしました場合のその遺族に対して給付をする遺族である寡婦かん夫に対して給付する年金でございますが、件数が五万六千七百三十七件でございまして、金額総合計十億三千五百万円余になつているわけでございます。即ち一件当り一万八千百四十四円という年額に相成つております。  遺児年金はやはり同様のものでございまして、被保険者が死亡した場合の遺児給付いたしているのでありますが、三千七百六十九件でございまして、総金額五千二百二十六万四千円でございます。一件当り金額は一万三千八百六十七円ということに相成つております。  それから旧法遺族年金という言葉がここに書いてございますが、これは遺族年金と申しますのは、障害年金受給者が死亡した場合及び老齢年金現行法では養老年金養老年金受給者が死亡いたしました場合に出しますその遺族に対して出す年金でございます。現在養老年金受給者がこの時期にはございませんので、各障害年金受給者に出しておるものでございます。これが一万五百九十八件でございまして、その金額は一億三百四万四千円、一件当り金額が九千七百二十三円というふうになつております。  それから障害手当金障害程度の低いものに対して一時金で出しますものが、これが昭和二十八年度の月平均件数で出しまして一千件でございます。一人当り金額が七万千六百円であります。  それから脱退手当金が九千四百件、これも月平均支給をいたしておる現状でございまして、一人平均金額が一万七千九百円ということになつております。その他遺族一時金等の一時金が月平均六十件出ておりまして、一件当り金額が三万二千円、こういう現況でございます。  次に積立金の現在高、これはできるだけ最近のをと思いまして、昭和二十九年三月末現在をとりましたが、八百五億二千四百三万二千円、殆んどこの大部分は五年以上の、資金運用部資金長期預託をいたしておりまして、その利率は法律で定めるところによりまして五分五厘に相成つておりまするが、極く少額約十億程度のものに過ぎませんが、これは短期預託なつております。短期と申しまするのは五年未満のもの、主として運用上の関係もございまして一番最低の利廻りになります一年未満期間で預けるというものが多いのでございます。その分が極く少額あるわけでございます。  それからなお厚生年金保険をやつておりますのには、どういう職員がおるかという意味職員と機構とをここに書いておるのでございますが、勿論申すまでもなく厚生省保険局におきまして全体の事務の統一をいたしておりますが、各府県に保険課を置きまして、但し東京都だけは保険部なつておりまして、その下に三課ございます。一応便宜これを含めまして各県に一つ、それから大都市等保険者の多いところにおきましては、都道府県庁の中の保険課だけでは手が廻りませんので、そういう地域に対しまして六十八の保険出張所を置いております。これで現場の仕事を担当さしておるわけでございまするが、そこに配置しております職員は先ず中央関係ではここにございまするように内訳は省略いたしますが、二百三十人、地方保険課及び保険出張所職員合計五千六百五十五人配置しておるわけでございます。但しこれは政府管掌健康保険事務と一緒にした数字でございまするので、予算上厚生年金保険関係職員を引出してみますると中央に二百四人、それから地方に二千三百二十六人というふうになつておるわけでございます。但し実際の事務は、政府管掌健康保険適用事業所厚生年金適用事業所は御案内のように殆んど同一でございまするので、この職員は一括して配置いたしまして、事務の上ではこの厚生年金関係職員がこれだけやつているというような運営をいたしておらないわけでございます。私どもの所管の船員保険健康保険を含めまして全体として有無相通ずるような事務担当をいたさしておるわけでございます。  これが厚生年金保険現況でございますが、次に厚生年金保険法をなぜ改正いたさなければならんかということにつきまして極く簡単に申上げておきたいと思います。この点につきましては、大綱は提案理由説明で御案内でございましようと思いまするが、少しく細かく申上げてみたいと思うのでございます。厚生大臣提案理由説明でも申上げましたように、今回この法律改正をいたさなければなりません一番大きな理由は、この法律昭和十六年に制定をされまして、その後終戦後の御承知の激しいインフレの時期を通つて参りました。このインフレの対策として、極めて一時的な便宜的な措置が講ぜられたままになつておるというところが、一口に申しますると、改正を必要とする一番大きな理由でございます。なぜかと申しますると、当時インフレが進行いたします関係上、貨幣価値がどんどん下落をいたしまして、従いまして、御案内のように、次次とベース・アツプが物価の後を追つかけて上昇して行くというような状況で、勤労者の生活は非常に窮屈であつたわけでございます。そこで、こういうような先々の長期保険に対して、保険料を支払うというようなことにつきまして、被保険者の中に相当不満の声が起つたわけでございます。甚しい場合には、厚生年金保険不要論さえ当時出たわけでございます。そこで、当時の為政者といたしましては、この制度を何とか被保者に喜ばれるような制度にいたしたい、同時に又インフレの進行に対応する便利な措置も講じて行きたい、こういうような両面の、見ようによりましては、相反する要求を解決しようとして、一時的な措置とつたわけでございます。その一つの現われは、当時まだございませんでした被保険者期間中に死亡しました遺族に対して、寡婦遺児、及びかん夫年金という制度を作りましたわけでございます。もともとその当時では老齢年金又は障害年金受給者が死亡した場合に、一応その遺族に対してのみ遺族年金という制度がありました。新たにそういう資格を持たないものが死亡いたしました場合にも、その遺族に対して、遺族である寡婦かん夫遺児に対しまして年金を出すというような新らしい制度作つて、いわゆる喜ばれる制度という現われの一つにいたしたわけでございます。それからもう一つは、脱退手当金という制度が、これは制度創設当時からあつたのでありますが、これは途中で被保険者をやめて而も再び被保険者にならないような人に対しまして、本人のかけた保険料程度のものは還付して、いわゆる掛け損にならないようなことにしておくことが必要であるという考え方の上から、創設当初から行われておつたのでございます。ところで制度創設当初におきましては、一般男子千分の九十四、坑内夫は千分の百二十三という非常な高率な掛金を取つておりました。被保険者本人負担分はその半額に相当しておるわけでございますから、一般男子としては千分の四十七、千分の四十七を毎月の給与の中から支払つてつたわけでございます。その給与に対しまして、若干の利息をつけたものを脱退手当として返す、還付するというような制度昭和二十三年度からあつたわけでございます。昭和二十三年には、あとで申上げますように、保険料率を引下げましたので、当然脱退手当金の額も下げるべきであつたのでございますが、給付の額を下げると喜ばれない制度になるというので、実はそのときに下げるべきものを下げずに、脱退手当金としては、利子を含めまして千分の五十五程度に相当するものを支給をするという旧制度のままに据置きましたわけでございます。そこで今日におきましては、脱退手当金という制度は被保険者本人にとりましては貯金をしておくよりも数倍有利であるというような、保険としてはちよつと考えられないような制度がそのまま残つておりまする現状でございます。こういうふうにいたしまして、できるだけ給付の面を下げないようにいたそうというようなことから、なおそのほかには平均標準報酬という制度を最終三カ月の標準報酬に直すとか、いろいろな手段が講ぜられて参つたわけでございます。一方におきまして、負担率を急激に下げなければならないじやないかということから、そこで今申上げたような面におきましては、給付内容をよくいたしましたけれども、当時としても当分発生の見込みのない養老年金につきましては、この支給額を極度に低額なものに押付けてしまいました。そうして、そうすることによつて保険料率を下げ得るようにしたわけでございます。これは申上げるまでもなく、厚生年金といたしましては、少くとも長い将来をずつと見渡しての計算をいたしますると、養老年金というのか一番財政的には多くを占めるものでございます。年とつた者に対する年金支給というものが一番多くの部分を占めるものでございまして、御参考に少し余談になりまするが、五十年後の私ども今見通しておりまする受給者の比率を見ますると、年金受給者総数が五百二十一万人ぐらいに見込んでおります。その半数以上の二百八十万人が老齢年金受給者になるわけでございまして、遺族年金は百七十六万人、障害年金に至りましては、六十五万人程度でとどまるものと見ておるわけでございます。結局老令者に対する年金給付というものが一番保険財政の面から、年金保険財政の面から見ますと、大きな部分を占めるわけでございます。そこで、この給付を極度に制限をいたしますと、財源的にも多くのものを要しないという計算になりまするので、つまり保険料率が引下げられたわけでございます。さような観点から、昭和二十三年の改正の際に、老齢年金はそれまでの制度では平均標準報酬の四カ月分、こういう制度なつておりましたが、この平均標準報酬基礎にとる標準報酬を当時としては最低報酬である三百円に押えまして、三百円の四カ月分きり出さない、こういう制度を当時作つたわけでございます。そこでそういうようなことをいたすことによりまして、先ほど申上げました千分の九十四という高率の保険料率を一挙に千分の三十に引下げてしまつた。これは一応そういう見方をすれば長期計算として成立ちます。老齢年金を月に百円きり出さないという制度を作ることによりまして料率を下げ得られますが、一応数理計算もした上で、さような、見ようによつては無理な制度とつたわけでございます。このことは裏を返して申上げますれば、老齢年金支給が始まりまする際には、当然これは内容改正すべきものであるということは当時から予期しておつたというように私は考えておりまするし、又事実そうでございます。  さような関係がございまして、昨年の十二月以降坑内夫養老年金支給が開始をされますような現段階になりましたので、それは一つには経済の立直りも大体順当になつておるというふうに見てよろしい現在におきましては、どうしても制度全般に目を付けまして、そうして将来に向つて年金給付を合理的なものにし、更にその裏付けとなる財政計画につきましても、安心のできる見通しを立てたいというのが、今回の改正を必要とする理由のように考えておる次第でございます。  時間がございませんので先を急がして頂きまするが、そこでお手許に着上げました資料の第三から入りたいと思いまするが、法案内容について項目分類してみたのでございます。内容は第一を総説といたしまして、二を保険給付、三を財源、この三つ分類をしてみたわけでございます。第一の総説につきましてその(一)は被保険者に関する規定、いろいろ細かいことが書いてございまするが、その基本的なものは適用範囲、及び適用事業所の問題でございます。ここに関係条文第六条、第九条、第十二条というものが書いてございまするが、現在の法律の建前はこの改正案でも同様でございまするが、先ず適用すべき事業所業種別分類をいたしまして、そのうち五人以上の被傭者を使つております場所をいわゆる適用事業所といたしまして、ここに挙げている被傭者は全部強制適用保険者といたしておるわけであります。併しながらこの分類に挙げられておりません事業所でありましても、これは五人以上使つておるが業務分類に挙つていない事業所と、五人未満のものということになるわけであります。若しそこに働いている被傭者の過半数の同意を得た場合におきましては、事業主の申請によりましてこの法律適用ができるようになつております。これを私ども任意包括適用というような言葉で呼んでおります。更に又一定の条件に当てはまりますものは、本人が個人的に希望をすればこの保険の被保険者となり得る制度でございます。これは一つ任意単独保険者一つ任意継続保険者本人希望によりましては、細かいことは重複いたしますから省略いたしますが、本人希望によりまして被保険者となり得る制度を設けておるわけでございます。  その他の点でこの被保険者に関する規定で御注意を願いたいと思います点は、従来は保険給付につきましても、若し被保険者に不服がありますれば不服の申立機関をこしらえまして、そこで公正に行政庁処分等を判断して再検討をするというような制度なつておつたのでありますが、被保険者資格があるかどうかという問題につきましては、不服がありましても、疑問がありましても、これを不服申立をする制度がなかつたのでありますが、今回の改正におきましては被保険者が実際の業務につきまして、自分は確かに雇傭関係が発生し、被保険者であると思いましても、事業主が認めない、事業主が認めても行政官庁がこれを認めないというような場合がありますので、そういう被保険者に不服がありますときは、別の規定によりまして審査請求ができるというような制度を新たに設けた次第でございます。従いまして被保険者資格に関しましては(ホ)に書いてある審査請求というものは今度新しく入りました規定でございます。なお、資格の得喪につきましては、今度も従来と同様でございますが、制度関係上被保険者一人々々から届出を取るということは不可能でございますので、事業主が一括して届出をするという制度なつております。今回の改正案でもそれを続けて行く考えでございます。そうなりますると、事業主の勝手な怠慢によつて届けなかつたり何かする場合がありまして、被保険者に不利益になる場合が予想されますので、そういうことも予期いたしまして、被保険者に対して必ず届出た場合には通知する、又決定の通知があつた場合には通知するということにいたして、被保険者に対して常に連絡がとれるようにいたしたのであります。なお、被保険者事業主の怠慢のために、或いはずるくかまえてやつてくれなかつたような場合には、被保険者本人から行政官庁に申立てることができるというようにいたしたのであります。いろいろな面から新らしい規定を加えまして、被保険者保護に遺憾のないようにいたしたつもりであります。  その次は、標準報酬でございます。標準報酬につきましては大きな点は現行三千円から八千円まで、最高八千円で頭打ちをいたしておるのであります。そこで標準報酬というものは、御承知通り事務上の便利のために、そこに謳つております報酬一定等級に当てはめておるのであります。即ち現行法では三千円から八千円まで六等級にわけております。今回の改正はこれを三千円から一万八千円まで十二等級にわけましたのでございます。これによりまして一方におきましてはこの標準報酬願保険料率をかけまして、保険料の調整をいたします。一方におきましてはこの標準報酬額基準にいたしまして、年金その他の保険給付が行われるわけでございます。従いまして標準報酬をどういう枠で押えるかということは、一方におきましては保険料関係を持ち、他面におきましては保険給付に重大なる関係を持つわけでございます。現在船員保険と同じような制度でございます。船員保険は三万六千円が最高額になつておりますが、私どもとしてはこの点をどういうふうにするかということをいろいろ検討したのであります。今申上げたように標準報酬の枠を一挙に引上げるということは、事業主或いは被保険者に対して相当大巾な負担をかけることにもなります。それが一つと、それから今度の改正におきましては、後に申上げますように定額制を相当大巾に取入れまして、標準報酬のみでやるという従来の考え方を変えまして、定額制の性格を大巾に取入れましたので、標準報酬というものは必ずしもそう高く引上げなくてもいいのではないかという考え方も若干加味いたしまして、主たるものは負担の激増を避けたいという意味から取りあえずの改正は一万八千円ということで御審議をお願いしておるわけであります。標準報酬の決定なり、或いは届出、記録、通知審査請求等は、細部について申上げる点もございますが、ここに引用しております条文御覧を頂くことで御了承頂きまして、先に進みたいと存じます。  なお最後に、この標準報酬の点で特につけ加えたいと思いますのは、(ホ)の過去の標準報酬に関する経過規定というのがございます。これは特に御留意頂きたい点でございますが、先ほど申上げましたように、昭和十七年以降最近までの状況は、給与べースがどんどん上つておりますので、一体過去の報酬をどういうふうに扱うかということが、この年金制度の大きな問題になるわけでございます。もともとの当時の給与保険料率を掛けた保険料を取つて、金として積立てておるわけでございますから、本人がかけた本来の保険料だけを給付してやるということでいいわけでございます。併しそれは実際問題としては意味のない金額給付するということになりますので、過去の低い標準報酬を取つているものをそのまま保険給付基礎として取るのは如何であろうかと考えまして、これにはいろいろ方法があるわけでございますが、いろいろ検討いたしました結果、私どもとしては過去に三千円未満報酬を取つていた時期がありましたならば、それはずつと三千円取つていたものとして計算をする、こういうふうにいたしたのでございます。いろいろ物価の変動に応じてスライドしたらどうかというお話もございましたが、これは一つには保険財源保険財政上の大きな問題でございますので、いろいろな点、そうした積極、消極両面から検討いたしまして、又実際の被保険者出入等を考慮に入れまして、こういう過去の報酬が三千円未満の場合は三千円に引上げるということが最も実際的であるというふうに考えまして、そういう措置をとりましたわけでございます。  それから次に、保険給付に入りたいと思いますが、保険給付考え方で、ここで通則として書いてございます点を一つ申上げてみたいと思います。今回の厚生年金保険法におきましては、各種年金即ち老齢年金障害年金及び遺族年金のこの三つ年金でありますが、この三つ年金を通じまして、基準年金というものの考えをとつているわけでございまして、基準年金額加給年金額、こういうものを二つとりました。この基準年金額加給年金を加えたものを年金額とする、こういうような考え方をとつておりまして、通則におきまして基準年金額という制度をとりまして、各種年金について基準年金基礎として年金額を定めるというような行き方をいたしまして、全体の一つの何と言いますか、考え方の筋を通すと申しますか、そういうふうなことをとつたつもりでございます。基準年金額と申しまするのは、先ほど言いました、先ず第一の定額の報酬比例を加味して計算をする。こういうふうにいたしてございます。原案では基準年金額が月千五百円、年一万八千円ということにしてあります。これに月割にいたしまして、千分の五の月一万円をとつておりますれば五十円、これが月割の額でございまして、これに被保険者であつた期間の月数を剰じましたものが報酬比例として出て来るわけであります。比列部分として出まして両方加え合せましたものがここに言う基準年金額でございます。  それからなお、老令年金障害年金及び遺族年金を通じまして一定の条件に当てはまります被扶養者には加給年金を出すことにしてございます。これは現行法では月一人について二百円でありまするのを倍額の四百円に上げました。これは公務員の一般の家族の家族手当と同額にいたしましたのでございます。一人四百円、年間四千八百円というのを加算をいたしました。従いまして今子供が二人あるという場合には三人おるわけでございますから三倍、月額にして千二百円の加給年金がつくというわけでございます。加給年金基準年金とを合計いたしましたものを年金額として表示いたしまして、これを当該被保険者の、本人の証書の中に書き込むというようなやり方をとることにいたしたのでございます。それから次に調整という表現がございますが、これはこの制度の中で老令年金障害年金を両方もらう資格の出る場合がございます。そうした場合に、二重になりますのでどれをやるかという調整でございますが、結局これは高いものをやるという考え方をとつております。従来からそういう考え方でやつております。  それからその次に、保険給付の制限という表現の条文が引用してございます。これは自分が、被保険者が死んだ場合にも、故意で死んだというようなもの、或いは遺族年金を受ける資格のある者が、例えば主人を細君が殺したというような場合には、その細君には遺族年金を出さないというような種類の制限でございます。  審査の請求は、従来からある制度そのままでございます。  次に、老令年金でございます。ここにもいろいろなことが条文を引用してございまするが、先ず第一に申上げたいのは、資格期間と私ども申しておりますが、老令年金をもらいまするために、一般被保険者は二十年間被保険者として保険料を納める必要があるということでございます。これは現行法と同様でございます。但し坑内夫につきましては、実期間十五年で年金がつくことにしてございます。  なお、その次の高令者につきまして特例を新らしく設けました。と申しまするのは、二十年としておきますと、四十二、三才で被保険者なつた人は、多くの場合六十ぐらいで勤めることをやめるだろうと思います。そうしますと年金が実際もらえないということになりますから、高令者につきまして五年という特例を設けました。それからもう一つは逆でございまするが、坑内夫につきましては、一般の人が二十年であるのに十五年という特例は従来からあつた制度でございますが、そのほかに従来は継続した、今申上げた十五年間に更に十二年間被保険者でございますと年金がつく。こういう二重の特例が坑内夫にはございます。これは制度考え方から或いは経緯から申しましても、この際やめたほうがいいんじやないかと考えまして、継続を十五年間に十二年という条件は一応原則としては廃止することにいたしました。ただ、この法律施行の際に、被保険者であります人たちにつきましては、その期待権を尊重して、そのものがずつと続いて十二年やればもらえるようにしたわけでございます。なお、念のために申上げますが、昭和十七年にできてまだまる十二年は経つていないのが現状でございますが、それが坑内夫年金が出るようになります意味は、そのほかに更に坑内夫につきましては、戦時加算というものがあつたわけでございます。約一年八カ月ほど戦争中に、その間に坑内夫で働いておりましたものは、更に加算がありまして、三分の四の計算をしてやるというようなことになつておりましたために、そこで十二年で出る人が十一年三カ月で受給開始があるということのために、その人たちが昨年十二月以降受給資格を得るようになつたわけでございます。これらの期待権は、それぞれ今後とも尊重するという建前をとりましたわけでございます。  年金額は先ほど申上げた基準年金額加給年金額を加えたものでございまして、特に申上げることはありません。  失権及び支給停止は、御覧頂けばわかりまするように、死んだ場合とか、或いは又被保険者になりますと年金はやらないという二つのものでございます。  ここで経過規定をちよつと申上げておきます。経過規定の第一は、支給開始年令でございます。この点最初に申上げませんで恐縮でございますが、一応老令年金は、幾つになつたら受給を開始するかということが問題でございます。現行法では一般男子が五十五才、女子それから坑内夫は五十才で開始をするということになつております。併し平均六十才に、最近の平均年令が順次延びておりまする現状から、又保険財政への影響も考え、諸外国の制度考え合せまして、それぞれ五年ずつ引上げることにいたしたわけでございます。従いまして、結局一般男子は六十才、女子及び坑内夫は五十五才で開始するように本案は修正をいたしたのでございます。併しながらこれに関連をして、一般的には停年制が行われております。五十五才停年というのが非常に多うございますので、急激的にこれを実施いたしますことは、一般社会に対する影響が大きいと思いまして、計画的に附則第九条の規定を設けまして、二十年間に漸次引上げて行くような措置をとつているのでございます。具体的に申しますと、この法律施行のときに五十二才に達しているものは、現行法通り五十五才で開始する。四十九才から五十一才までの人は五十六才で開始するというような工合に漸次延ばして行つて、二十年でこの規則が全面的に行われるようにされております。  それからもう一つ、既得権の尊重ということでございます。これはこの法律施行のときにすでに受給権を発生しておりますものは、勿論給付をいたします。同時に、例えば具体的には、十二月以降でありますから、一月、二月、三月、四月までのものと見ていいわけであります。その間に受給権の発生いたしました人は、現在の法律では月百円の年金ということでございます。そこでこれは新らしい制度による年金を遡つて差額支給をする制度を設けたのでございます。これが附則第十一条に書いてございます。従いまして、坑内夫の老令年金受給者は、この法律が出れば当然遡つて、新らしいこの法律による高額の年金、少くとも過去に比較して高額の年金支給されることになります。  もう一つは期待権の尊重ということを書いてあります。それは特に坑内夫につきまして先ほど申上げましたような従来継続した十五年間或いは十二年間という制度を今度はとりました。現在被保険者であります人は将来とも期待権を尊重して行こうというようなことを考慮いたしたつもりでございます。  それから障害年金につきましては、次にいろいろ支給要件その他の要件が書いてありまするが、先ず第一に申上げたいことは、現在の障害年金は廃疾の程度を一級、二級と分けまして、それより一級二級に該当しないものは手当金、一時金を支給しておつたのであります。今度はその内容分類が必ずしも合理的でないと考えまして、他の諸制度を検討いたしまして廃疾の程度を三級に分けました。そのほかに、それに達しない程度のものに一時金としての手当金を出すという従来の制度は残したわけであります。  そこで一級、二級、三級の廃疾の程度に対しましてどういう考え方支給するかということでございますが、先ず二級年金受給者と申しますか、二級に該当する程度の廃疾のものは、大体老齢年金受給者と同様に廃疾の程度が一〇〇%と申しますか、そういうものと見まして、老齢年金と同額の支給をする、一級のものは常時看護を要するものも一級に格付をいたしまして月千円、年一万二千円の金額を一級の人には加給をするというような額にいたしてございます。それから三級のものは二級の廃疾の程度のものに比較して大体五〇%から七〇%程度障害程度のものを三級にランキングいたしました。これに対しましては二級年金の七割相当額を出す。こういうふうに考えたわけであります。それに及ばない五〇%未満三〇%程度の廃疾の労働能力喪失程度のものは手当金を支給し、三〇%以下のものは何にも出さない、こういうような考え方をいたしておるわけでございます。  なお次に、経過規程のことも触れて申上げておきたいと思いますが、その他の点は時間がかかりますので省略いたしますが、過去の低額年金の引上、これは先ほど申上げたように相当たくさんの障害年金は四万三千人の受給者がございます。その中には月額千円にも満たないような受給者がたくさんございます。そういうような人たちに対しまして、今度引上げました最低額だけは出すように、大体月二千円近いものは出せるようになるわけでございます。それからもう一つ法律改正なつたために年金額の減る人が出て来る恐れがございます。これは現行法と比較いたしまして現行法よりも低くなるような人がありましたならば、現行法の高いほうを出してやるというようなことも年金額の低下防止ということで附則第二十条に規定いたしたのでございます。こうすることによりまして障害年金につきましては現在よりも低くならないようにということも十分考慮いたしたつもりでございます。  それから次の遺族年金につきましてこれも大筋だけ申上げることにいたしますが、遺族年金と今度は一口に申すようにいたしましたが、最初に申上げましたように、現行法では寡婦かん夫)、遺児年金というやはり遺族に該当するものでありますが、これについては別の寡婦かん夫)、遺児年金という別の制度がございます。そのほかに遺族年金という制度があつたわけでございます。而もその給付内容が必ずしも合理的でない現状でありまするので、新らしく今度の御提案を申上げております案では、それらのすべてを遺族年金として一本にいたしたのであります。先ほど申上げましたように従来の寡婦かん夫)一時金というのは、老齢年金をもらう、つまり被保険者期間が二十年以上であるものが死んだ場合に対して、その遺族である寡婦かん夫)、遺児に対して、出しておりましたが、今度はそういうことを全部一本にいたした趣旨であります。それで問題は遺族の範囲ということをどこで調整するかということが問題になつたわけであります。今回はその点を、両者を調整をいたしたつもりであります。くどいようでありますが、現行法で申しますと、寡婦かん夫)、遺児年金は文字通り配偶者と子供に出る年金でございます。この年金は二十年経たないもの、三年経つても、五年経つても、死んだ人には、その遺族に対して年金が出る。その代り今度は一方の現行法遺族年金というのは、老齢年金受給資格者が死んだ場合に出す年金でございますが、これは配偶者、子のみならず父母、祖父母、孫まで及ぶようになつているわけでございます。そこでそういうような見方によつては矛盾もありましたので、今回の制度改正当りましては、遺族の範囲は一応広いほうの祖父母、孫まで入れるようにいたしたわけでございます。被保険者が即ち三年経つて死亡いたしましても、その遺族に対しては祖父母、孫まで受け得るようにいたしました。ただ、それには若干制限を付けまして、被保険者が死亡したときに、或いは年金受給者が死亡いたしましたときに、その者によつて扶養されております妻子はこれはもういつでももらえます。妻子のない場合は父がもらえる、父がない場合は孫がもらえる、孫もない場合は祖父母がもらえるというような段階的にと申しますか、こういうことにいたしたのでございます。この点を基本的に一方において制約し、一方において拡げたというようなことにいたした次第でございます。  年金額は一般原則通り老齢年金の二分の一で、なお経過規定障害年金老齢年金で申上げましたと同様に、期待権、既得権を尊重するという建前をとつております。  脱退手当金でありますが、これは先ほど改正を必要とする理由で申上げましたように、現行脱退手当金支給額は余りにも不合理な高いものになつております。これを本来の精神に戻しまして、本人のかけた保険料に利子を加えた程度のものを返すようにいたした。但し女子につきましては、全体の年金を出す計算の中で別計算をいたしまして、老齢年金等に必要な財源を除きましたものは全部脱退手当金で戻してやるというようなことから、料率に換算いたしますと、千分の二十程度のものは女子には脱退手当金として給付できる見込でございます。  最後にこうした給付をいたしますための財源について書いてございますが、先ず第一は保険料でございまして、何としてもこの保険料保険給付財源の一番重要なものでございます。当分五年間ぐらいは現行料率の千分の三十を維持いたしますが、その後は積立金の利廻りによりまして若干の料率の引上げを考慮をいたしております。仮に積立金の利廻りが現行通り五分五厘で行きますれば、政府原案では五年後は一般男子の千分の三十を千分の四だけ引上げることで将来やつて行けるつもりであります。  それから国庫負担は、御案内のごとく従来は一般男子一割、坑内夫二割という負担でありまして、これは年々給付に必要な額に対してそういう比率の国庫負担が出ておりましたが、今回は一般男子分だけ一割を一割五分に引上げてもらうように話合いがついて、その予定で法案を提出いたしたのであります。  その次に、保険給付財源は申すまでもなく、積立金運用収入であります。年々当分の間は積立金がどんどん殖えて参りまして、将来四、五十年経ちまして恒常的なピークになりました時期以後は、積立金から生ずる運用収入と国庫負担保険料と、この三者で保険経済が賄えるような建前で計算がしてあるのでございます。  甚だ簡単で恐縮でございましたけれども、本会議も始りましたようでございますので、私の説明はこれで終りたいと思いますが、なお、これは私から申上げる必要はないのでございますけれども、衆議院におきまして一部修正を受け、これは後ほど別途又衆議院のほうから御説明を申上げる所存でございます。
  9. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) では本会議が始りましたので、暫時休憩をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) では暫時休憩いたします。    午後二時三十一分休憩    —————・—————    午後三時四十六分開会
  11. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 只今から厚生委員会を再開いたします。  厚生年金保険法案に対する衆議院の修正点について衆議院議員青柳一郎君から御説明を願います。
  12. 青柳一郎

    衆議院議員(青柳一郎君) それでは衆議院におきまして行いました厚生年金保険法案に対する修正の御説明を申上げます。この修正案は衆議院におきまして改進党、社会党両派並びに自由党四派の共同修正になるものでございます。衆議院の厚生委員会はこの四派からのみしか委員が出ておられない次第でございます。  先ず第一点は、法律の第三十四条でございます。この条文保険におきまする年金給付につきまして、その基本となりまする基本年金額の算定方法規定しておりまするが、そのうちの定額部分の政府原案にありまする一万八千円、月千五百円でありまするが、これを年二万四千円、月二千円に改めまして、政府の年金額の原案が低額に過ぎまする点を修正いたすと同時に、定額の部分の比率を大きくしたものでございます。衆議院におきましてこの月千五百円という金額は、生活保護法に比べましても少いのではないかというような論議が行われました点を汲入れますと同時に、社会保障制度審議会などにおきまして、定額のみできめるべきである。報酬比例分は入れなくて、定額だけで行うべきであるというような議論を取り入れることにいたしました点から、定額部分をなお増大すべしという結論から、かくのごとく増額いたしたのでございます。  第二の修正点は、法律の四十四条でございますが、この条文におきましては、老齢年金加給年金額について規定しているものでございまして、そのうち加給年金額計算基礎となりまする子供の年齢を、共済組合法などによる子供の年齢と同様に、政府原案におきましては十六才未満なつておりまするものを、十八才未満まで引上げようとするものでございます。なお、これによりまして本条を準用いたしておりまする障害年金加給年金額につきましても、同様に十八才未満のものにつきまして加給せられることと相成る次第でございます。  第三の修正点は、五十九条でございます。この条文遺族の範囲を定めておりまするが、そのうち子供又は孫の年齢を、十六才未満から十八才未満にまで引上げようとするものでございます。従いまして法律の六十三条に失権ということをきめている条文がございます。これにつきましても十八才以上ということに改める必要があるわけでございます。なお、遺族年金加給年金額は、遺族年金の受給権を有します子又は孫について加給せられることになつておりますので、本条の修正によつて自動的に加給せられることに相成る次第でございます。  それから第四の修正点は附則第十六条でございます。これは子供の年令引上を、支給引上をすでに現存支給の開始されている年金及びその受給権者が死亡した際に開始せらるべき遺族年金についても及ぼそうとするものでございます。  最後は、附則の第十八条の修正でございます。本条はすでに支給の開始されております年金につきまして、改正案による年金最低額に達しないものを最低額まで引上げる旨を規定しておりますが、第三十四条の先ほど申上げました修正によりまして、この金額引上げられますために、本条においても同様な老令年金におきましては二万一千六百円とありますものを、月五百円引上げましたために年六千円の増になります。従いましてこれが二万七千六百円と相成るのでございます。而して第二項におきましては、これが遺族年金に移つた場合の規定をしているのでございますが、これが一万八百円というのが政府の原案でございます。遺族年金におきましては半額でございますから、修正によりまして六千円上りましたその半額三千円をこれに附加えることに相成る次第でございます。従いまして政府原案の一万八百円が一万三千八百円と相成る次第でございます。  以上が衆議院におきまして行いました修正部分でございます。  なお委員長の御了解を得ましたので申上げたい点は、この本法案を可決いたします際に附帯決議を行なつたのでございます。一つの点は、この厚生年金保険は将来国民年金制定いたしまする際の中核となるべきものである、従いまして国民年金に移行すべきときのことを考えるべきであるという議論が多数に熱心に行われました。従いまして政府はこの次の改正期、五年経ちますと、改正期が必ず参ることに政府原案ではなつておりますが、この次の改正期までの間に可及的速かに適用範囲を従業員五人未満事業所にも拡大する、又標準報酬につきましては、この原案は一万八千円どまりでございますものを、健康保険等と同様にその最高額を三万六千円までに引上げるなどその内容の充実を図ると共に、進んで国民年金制度樹立への基礎として、先ず現行各種年金制度について総合的見地から根本的な改正を行うことに最善の努力を払うべきであるということが附帯決議の前段でございます。  後段におきましてはこの法案の運営に関しまして、政府は速かに次の諸施策の実現方に邁進すべきことを要望する。といたしまして、三点を挙げました。一つの点は、この巨額に上ります厚生年金保険積立金の管理運用につきましては、効率的民主的な措置を講じて、特に醵出者の意向を反映し得るように工夫すること。第二点といたしましては老人ホームなどの収容施設及び療養施設を増設いたしまして、年金受給者年金によつて老後の生活を営み得るような方途を講ずること、第三点といたしまして年金受給権を担保とする金融の途を講ずること、この二点を後段におきまして要望として附加えまして、これを決議いたしておりまする点を付加えさして頂きます。以上でございます。
  13. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) では先ず衆議院の修正案に対しまして御質疑があつたら御質疑を願います。
  14. 竹中勝男

    竹中勝男君 附帯決議のところの五人未満、次の改正期までに五人未満のものにも拡大するという意味ですか。
  15. 青柳一郎

    衆議院議員(青柳一郎君) 只今の御質問の通りでございまして、遅くも改正期までに行うべきである、従つてそれまでの間できるだけ速かに行えという趣旨でございます。
  16. 竹中勝男

    竹中勝男君 それに関連しましてできるだけ速かに五人未満のものにまで拡大するということについて、何か具体的に更に衆議院の委員会としてはお考えですか。
  17. 青柳一郎

    衆議院議員(青柳一郎君) 具体的に結論がついたものはございません。審議の際におきましてこの点が非常に強く主張せられました。ただ政府当局の答弁を承わりますると、これらの五人未満を使用しております事業所に働いております方々の数は、実に三百万人にも及ぶというお話でございました。従いまして今回取り上げようといたしましても、容易になかなかとり上げられん点がございますので、政府を信頼いたしまして、できるだけ速かに行えという或る程度抽象的な附帯決議と相成つた次第でございます。
  18. 有馬英二

    ○有馬英二君 ちよつとお尋ねしたいのですが、この基本年金額を一万八千円を二万四千円にという修正ですね、そういたしますると保険給付と申しまするか、支払額が相当の額に上るはずですが、それに対する経済的な基礎はどういうことになつておりますか。
  19. 青柳一郎

    衆議院議員(青柳一郎君) 正確な数字は政府当局から御答弁があろうかと思いますが、私どもの審議に際しましては、政府当局にも勿論計算を承わりました。それによりますると大体のところこれによりまして、給付金額は二十九年度におきまして三億円程度増加される次第でございます。それにつきましては厚生年金の特別会計の予算の中に八億円程度の予備費がございます。従いましてこれを使つて支払うということにいたしておる次第でございます。
  20. 有馬英二

    ○有馬英二君 それは二十九年度のことですが将来はどういうことになりましようか。
  21. 青柳一郎

    衆議院議員(青柳一郎君) 先生御心配の通り将来の負担の増額も考えられる次第でございます。この点につきましては大体政府の原案におきましても、五年目、五年目にそのときの実情に即して保険料率を改訂することに相成つております。政府当局の原案によりますれば、例えば現在のこの保険積立金運用につきまして、二十九年度から十年間五分五厘の利子がありまして、その次はその利子が四分五厘に相成ると、こういうふうに仮定をしました際に、政府の原案におきましては、二十九年度から三十三年度までの五カ年間は、政府原案にありまするように、保険料率は千分の三十を以てやるのでありますが、その以後の五カ年間におきましては、政府原案におきましては、千分の四十に相成る、更にその次の五カ年間は政府原案によりますと、千分の四十五に相成る、こういうことに政府当局では予定をいたしておる。この修正案によりますると、その点が少しく将来において変つて参ります。勿論二十九年度からの五カ年間は政府原案の通り、千分の三十でこと足ります。又その後の三十四年から三十八年までの五カ年間が大体政府原案のように千分の四十でこと足るのでございますが、その次の五年間、即ちそれ以降昭和三十九年以降におきましては、政府の原案におきましては、千分の四十五でありまするところが、千分の五十乃至六十程度保険料を増額しなければ相成らんということに相成る次第でございます。
  22. 榊原亨

    榊原亨君 只今のことにつきましての、基礎になります資料をこの次までに政府から出して頂いたらどうでしようか。殊にそれが保険料率と、老人の人口の増加とかみ合わせた点を考慮に入れた資料を一つ委員長から御請求になつて頂きたい。
  23. 竹中勝男

    竹中勝男君 この修正案で定額を二万四千円というふうにされました根拠はどういうところにあるのですか。
  24. 青柳一郎

    衆議院議員(青柳一郎君) 政府原案のような、年一万八千円、月千五百円でございますると、政府当局の意向によりますると、生活保護法の中の生活扶助の金額、それを乙地をとりますと、それより少しく上廻つておるという答弁でございます。併しながら甲地におきましては、それで足りないということに相成ります。更に生活保護法との比較をするということは、救貧制度と防貧制度の違いがありまするから、ことの正鵠を得ておるかどうかということは別問題となりますけれども、生活保護において生活扶助額だけを見るということはおかしいではないか、そのほかに住宅補助も見なければならんし、又教育扶助も見なければならないしというふうな議論もございました。これをでき得る限り衆議院におきましては増額しようと、こう存じたのでございます。只今申上げましたように、予備費の中に八億円は如何にもございます。併しながらこれには危険率も考えなければなりませんので、三億円程度は大丈夫だというように考えられましたので、三億円程度を使いますることによりまして、政府原案の一万八千円を二万四千円といたした次第でございます。それともう一つは、社会保障制度審議会の結論並びに改進党の御主張におきまして、現在政府提案にございまするように、定額部分のほかに報酬比例部分が上つておるが、これは定額だけ一本で行つたほうがよかろうという、先生御存じのように、社会保障制度審議会の結論もございますし、改進党の主張もございます。従いまして我々としては、定額部分に重点を置くという意味も含ましてある次第でございます。
  25. 竹中勝男

    竹中勝男君 そうしますと大体これで行きますと、その計算は、月に直しますと二千円、それに報酬比例、それから家族構成員に関しての計算も入つておるわけでございますね。そうしますと数字は間違つておるかも知れませんけれども、三千円とちよつとくらいになりますでしようか、三千百七十円くらいですか。
  26. 青柳一郎

    衆議院議員(青柳一郎君) これも腰だめでございまして、恐縮でございますが、正確のところは、又政府当局からお聞き頂きたいと存じますが、政府原案によりますると、平均標準報酬月額が一万円程度の人で、老齢年金におきまして、三万円をもらえるということになつております。その内容は、これは大づかみの話でございますが、二万円か、約一万八千円でございますか、正確でございませんが、一万八千円定額の部分ということになつております。その一万八千円を、今度六千円上げたということによりまして、只今申上げました平均標準報酬が一万円程度の人は三万六千円、月に三千円に相成るということに相成ります。
  27. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) それでは衆議院の修正点に対する質疑はこの程度にいたしましてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 御異議ないと認めます。本案の政府に対する質疑は次回に廻しまして、次に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  30. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 次に、船員保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府委員から説明を願います。
  31. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) それでは只今から船員保険法の一部を改正する法律案につきまして簡単に御説明申上げます。法文そのものは一部改正でありますが、相当広汎に亘つておりますけれども、大体この改正をいたしまする趣旨が陸上の労働者についての厚生年金保険のほうの改正と首尾一貫させるような考え方改正に手をつけたものでございまするので、むしろそういう意味合におきまして厚生年金保険法と違います点を申上げたほうが御了解を得やすいのではないかと考える次第でございます。  御承知のように船員保険と申しますのは、陸上の労働者に対する健康保険制度厚生年金保険制度、労働者災害補償保険制度、失業保険制度、そういうような個々に分れておのます制度が、船員につきましては一本の制度なつておるわけでございます。即ち陸上の厚生年金保険に該当しますものがこの制度の中に含まれております。今回の改正当りましては、厚生年金保険法の趣旨と同様の改正をいたすことを当初企図いたしました次第でございます。ところが陸上の保険につきまして先ほど改正を必要とする理由を申上げましたのと大分違います点は、船員保険につきましては、今申上げたような労災、労働者災害補償保険に該当しますものが災害補償というような俗に言つている名前でこの制度に包含されております。これは船員法の規定に基きまして、船員の最終の報酬を取つている、その程度の生活を保障するというのが建前でございます関係がありまして、昭和二十七年の春の国会におきまして、標準報酬の枠がすでにその当時から三万六千円に引上げられておるわけでございます。従いましてその関係上各種の年金給付額が厚生年金保険に比較いたしまして非常にそれが高くなつておるわけでございますので、陸上の労働者に対する厚生年金保険制度と同じ歩調で改正をいたしますると、実際の給付におきまして大巾なレベル・ダウンが生ずる結果になるわけでございます。それでありましても、私どもといたしましては、何とかやはり陸上、海上の労働者は同じような歩調の年金制度を持つことがいいのではないかと考えまして、若干のレベル・ダウンは止むを得ないものとして原案を作つて見たのでございますが、社会保険審議会におきまして労、使、中立の三者の意見が一致いたしました方針が出て参りましたので、その線を基調といたしまして今回御提案を申上げておるわけでございます。  そこで長期保険である年金部門につきまして申上げますと、老齢年金につきましては、厚生年金保険と完全に同じ歩調に相成つております。即ち政府原案では定額千五百円に、月額にして、千分の五の報酬比例を附加して行く。それから陸上者に対しまして加給金月四百円を加えるという点につきまして全然同一でございます。なお船員につきまして陸上の坑内夫と同じ扱いを従来からしております。資格期間につきましては十五年、又老令年金支給開始年令は五十才ということになつております。そこで開始年令を五十才を陸上について五十五才に引上げましたのと同様に、これを又五十五才に上げているのでありまして、全体に老令年金に関します限りは、厚生年金改正で申上げましたのと同様の改正をいたしております。  その他の障害年金遺族年金につきましては、これは先ほど申上げたように、標準報酬の枠が引上つております関係で、而も現行法船員保険法は最終四カ月の平均報酬をとつて、それの四カ月分、五カ月分というような年金支給しております関係もございまして、厚生年金保険法の建前のようにいたしますと大巾のレベル・ダウンになりますので、社会保険審議会といたしましても、これは大体現行法通り置いておくべきであるという答申でありましたので、障害年金障害手当金、それから遺族年金現行法通り寡婦年金かん夫年金遺児年金はそれぞれ現行法通りに大体置いた次第でございます。ただ最終四カ月の標準報酬というものを、昭和二十八年の四月現行改正法が制定されました以後の平均標準報酬をとるというように若干修正をいたしました。その保険制度の基本的な観念でございまする平均標準報酬という考え方を新しく取入れて部分的な改正を行いました次第であります。  それから脱退手当金につきましては、厚生年金保険法につきまして申上げたのと同様な制度を存続いたしますが、併しながら給付額につきましては、本人のかけた保険料に銀行預金の利子程度のものをつけたものを支給するということに変りました点は、厚生年金保険と同様でございます。  なお、今回の改正当りまして長期保険部門でおる年金制度につきましては、船員保険では以上のような改正を行なつたのでありますが、この改正の機会に一、二新らしい点が附加つておりますから申上げます。そのうち一つは従来船員が船に乗つております間に医師の治療を受けましても、それは事業主負担なつておりまして、保険では療養の給付をしておらなかつたのであります。ところが大型船舶で外航航路に長く出ております船につきましては船員法の規定によりまして、船医を必ず乗せておかなければならないということになつております。船医が事業主負担によつて船に乗つて船員の治療をしておるわけであります。ところが大型船舶で長く外航航路に出ております船員は、陸上に上りますと大低身分のなくなる者が多かつたりいたしまして、或いは大部分船で生活をしております関係で、陸上で一般の療養の給付を受ける機会がないのであります。そこでこれは労使とも一致した意見として、船内の給付を療養の給付として認めてもらいたいという希望がございましたので、今回の改正では一定の条件に該当する船舶内の船医によつて受けます治療は、療養の給付として保険給付をすることといたしたのであります。  第二は、従来船員である婦人につきまして、或いは船員の家族の分娩につきましては分娩費とか、或いは出産手当金育児手当金等給付がなかつたのであります。そこで今回の改正におきましては保険事故の中に分娩という字句を新たに加えまして、船員である被保険者の分娩、或いは船員の家族である者の分娩につきまして、給付をいたしまして、陸上と歩調を揃えることにいたしたのであります。  そのほか失業保険もこの中に入つておることは先ほども申上げたのですが、この点につきましては、法文そのものは若干の文字修正程度でございますが、陸上の保険では、失業保険では保険料率がすでに千分の十六に相成つておりますが、船員保険保険部門は保険財政の都合も考えまして、今日まで千分の二十という保険料率に据置きまして、積立金も安定して参りましたので、この改正の機会に陸上と同様に失業保険部門の保険料率を千分の十六に引下げるということにいたしましてこの改正案を提出いたしている次第でございます。  極めて簡単でございますけれども船員保険法改正は大体以上のような次第でございます。
  32. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 本案の質疑は次回に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  34. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 次は、厚生年金保険及び船員保険交渉法案を議題といたします。厚生省から御説明を願います。
  35. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) 交渉法という新らしい名前で六十条ほどの法案を御審議をお願いしているわけでございます。これは私どもといたしましては、今回の厚生年金保険法及び船員保険法改正に関連をする一つの新らしい行き方を実は示したものと考えておる次第でございます。  と申しますのは、先ほど申上げましたように、厚生年金及び船員保険老齢年金に関する給付の諸条件が一致いたしておりまするので、この機会に陸上及び海上の労働者につきましては、制度は別ではございますけれども、それぞれ相互に被保険者期間を通算いたしまして、老齢年金給付をいたしたい、こういう考え方とつたわけでございます。老齢年金に伴います遺族年金につきましても、従つて同様の措置をとるわけでございます。その関係上先ず第一に両方の被保険者期間の通算に関する規定をこの交渉の中に取入れた次第でございます。  交渉法の内容の第二は、両方の保険給付の調整に関する問題でございます。厚生年金保険法説明の際にもちよつと触れて申上げましたように、厚生年金の被保険者老齢年金障害年金と両方の受給権を獲得することがございます。そういう場合にどちらの給付をやるという場合には、高いほうを原則としてやるということを申上げました。両方の被保険者期間を通算をすることに関連をいたしまして、やはり遺族年金老齢年金につきまして同様の措置が必要になつて参ります。又障害年金と片方の老齢年金とが受給権が発生しました場合の調整も必要になつて参りますので、こうした保険給付に関しまする調整の規定をこの交渉法案の中に取入れた次第でございます。  詳細の点は条文が甚だ技術的であり、複雑でございまするので、一々を申上げておりますと際限がございませんが、大体の狙いは以上のようなことでございまして、そこで大体の考え方は仮に例を挙げて申しますれば、厚生年金保険の被保険者が途中でやめまして船員になつた、そうして船員保険適用を受けるようになつたといたしますると、そうして被保険者資格を喪失し、そのときにその人が両方の期間を併せることによつて保険給付をもらう資格ができたという場合には、最後の被保険者資格を喪失した船員保険において保険給付をする。逆に船員が陸上に上りまして陸上の適用を受けて、両方の期間を通算して年金支給を受けた場合には、最後の厚生年金保険において年金給付を受ける。若干の例外はございまするけれども、そういうような考え方支給したものもございます。  そこで実際の財源といたしましては、厚生保険特別会計と船員保険特別会計がそれぞれ両立いたしておりまするので、船員保険の被保険者であつたものに対して、最後に厚生年金保険年金給付をいたします場合には、船員保険の特別会計の積立金から厚生年金保険のほうへ資金を移管する。逆の場合には船員保険のほうへ厚生年金保険積立金から移管をして行くというような措置をとることにいたしたい。その基準は大体両者の、両制度の被保険者期間にそれぞれの期間平均標準報酬をかけ合わせました額の按分で負担するというような建前をとることにいたした次第でございます。  これは両法案がたまたま給付内容が一致いたしておりますので、こういうことがとれるのでございますけれども、将来の問題といたしましてはなお私どもといたしましては技術的にも検討を加えまして、個々独立しておりまする各種の年金制度につきましても、或いはこのような方法で一体的な統一と申しますか、統合と申しますか、こういうことの一部が実現をされるのではないかとも考えておる次第でございます。  なお、この最後の点はまだ将来の予測に過ぎませんので、今後の検討を要する点ではございますけれども、少くともその第一歩といたしまして、両制度は別々に存続させながら、実質的には一体のような建前をとりたいというので、この法律案を提案いたした次第でございます。  なお先ほどの厚生年金保険及び船員保険の衆議院の修正に伴いまして、この法律につきましても同じ調子の修正が極く簡単に二カ所ほど行われておる次第でございます。念のために付加えて申上げます。
  36. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 本日の本案に対する質疑は次回に譲りたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  38. 大谷瑩潤

    理事大谷瑩潤君) 速記を始めて下さい。  それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午後四時二十五分散会