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政府委員(安田巖君) 仰せのごとく二千五百万円、二千二百五十万円で十分とは申されないのでございますが、二十八年度の実績を見ますと、大体御
指摘のように県庁の職員の組合に大部分行
つておるということはございません。私
ども承知いたしておりますのは、熊本と徳島か何かにそういうところに多少そういうものが動いておるようですが、ほかは全部、地域内の職域の組合に参
つておりますから、数から申上げますと、問題なく一般の消費生活協同組合に行
つておると思います。それで農業協同組合との御比較でございますが、確かにこれは農業協同組合のほうが融資、その他につきましても多額の金が流れておりますし、手厚く私は
措置されていると思うのでありますが、これは実態も私は違うと思うのでございます。それでどうしてもまあ農業協同組合というものは、これはもう農村におきましては
一つの組織的な下部機構として、生産とか或いは配給その他にタツチしておりますけれ
ども、
都市を
中心にいたしますところの消費生活協同組合というものは、なかなか現在は伸びんとしても伸びないような事情がたくさんあるわけでございます。実は私はなせ伸びないかということをよく聞かれるのでありますけれ
ども、はつきりはわかりませんけれ
ども、最近のように小売店が非常に殖えて参りますと、これは
日本のそうい
つた一つの特色だと思うのでありますけれ
ども、小商人が非常に殖えて参りまして、それが取
つているマージンというのは非常に低いものでございます。そしてこれは家族労働で以て成立
つておりますからして、朝から夜遅くまで働いてサービスをいたしております。そういうのと競争して行かなければならという点、まあなかなかむずかしい問題が実はあると思うのであります。そこで私
どもはさつきの融資等につきましても、そうい
つたものの販売でございますね、そういう面ばかりで消費生活協同組合というものを育てようと思
つても、なかなかむずかしいので、やはりこの施設を利用するというような点であるとか、或いは組合員双互にいろいろと会合などを持
つて生活改善等に乗出して行くとか、そういうものがやはりあ
つたほうが私は消費協同組合のあり方としては本当じやないか。そこで今の施設に対する融資にいたしましても、例えば浴場を設けるとか、或いは洗濯場を作るとか、そういうようなものに成るべく貸して行きたいと思うので、商売の資金にすぐに、運転資金或いは施設資金に貸して行くというやり方は、まだ今のところと
つていないのであります。それにはやはり償還その他について非常に心配もございますし、非常によい組合というのは少い現状なんであります。で重ねて申しますけれ
ども、今の現在の
政府資金の貸付といたしましては、決して或る特殊なところに偏するというようなところはないように気を付けておりますし、なお又どうしても割にしつかりした組合を
中心にして貸付けるというようなことが現在の段階でございます。併しだんだん消費組合が建直
つて来まして立派になりますならば、仰せのようにどしくどし又資金等も殖えて行くのじやないかと思います。