○
政府委員(曾田
長宗君) この前にこのインターンの問題につきまして如何ような
予算要求をするつもりかというお尋ねがございましてそれについて一
通りの御
説明を申上げました。その
一つは、
施設に対する指導者謝礼及びいろいろな
建物、器具等の借損料というものを増額したい、そのことによりまして、各
施設においてインターンの修練が
内容的に向上するような
措置を講じたいということを
一つ申上げました。この点につきましては、殆んど私
どもそのときに御
説明申上げましたとほぼ同額の金額が認められておるのでありまして、この指導者の謝礼が従来三千円として組んでございましたものが、年六千円、決して六千円でも満足だとは思いませんけれ
ども、一応倍額に増額して頂いたというようなことで、これはこの点と、それから更に
施設に対する借損料というもの、従来年間一
施設一千円でございましたけれ
ども、今回は一万円というふうに見てもらいました。で、この点はこの前年に比べまして、又皆様方に一応御
説明申上げましたものが殆んどそれに近い額入
つております。
それからその次は宿舎設備の問題でございます。この宿舎設備について初めにこちらから要求いたしましたのは、国の
施設に対してはこの全額を当然国が負担いたすのでありますが、そのほかに公立病院及び民間の病院でインターンを預
つて頂きますところに対しては、宿舎整備のために要する
経費の半額を国庫から
補助いたしたいという
予算を要求いたしましたのです。これにつきましては額が相当額に上る、一億余りにな
つたわけであります。まあ
予算をできるだけ例の一兆円にとどめるというようなことから抑えられたこともございましようが、
一つにはこの
経費が病院の
施設に対する
一つの
補助というようなことになりますことと、それからかようにして設けられた
施設が
学校の入学生というようなものと違いまして、結局インターンの希望によ
つて配置されるというような
関係があるものですから、果してこの設けました
施設に全部インターン生が入ることに、収容されることになるかどうか。かなり空席ができるのではないか。足りないところもあろうけれ
ども、又どつかに空席ができるというようなことになるのじやないかというような点、又インターンの中でも自宅から通うというようなことをより便利にし、又インターンの修練に差支えがないというような事情もあるのじやないかというようなことから、私
ども要求いたしました額をそのままというわけには行かないという大蔵省の意見でありました。併しながらインターンの実習を十分行うためには、このインターンの目的がこの病院に泊
つて、そして常時患者に変化でもあ
つたときにはすぐにかけつけて手当をするということを見習うことでございますので、どうしても病院に入
つてもらうことが望ましいということは了解して頂けたわけであります。そういうようなことでこの問題について全然手を触れんということは確かにインターンの
制度として不向きかも知れんというようなことで、取りあえず
明年度においては国立病院で
厚生省が直接責任を持
つております
施設に来たインターンというものに対してだけ
一つ宿舎の整備というのを図
つて、そうしてその成績を見まして、その後地の
施設に対しても何かの方法を講ずるということを
考えてみたらどうかということで取りあえず国の
施設であります、そのうちの一部分になりますか、
厚生省で直接責任を持
つております国立病院、大体予定いたしておりますのは五、六百人でございますが、そのものに対する宿舎の整備を図る、そうしてその宿舎の整備はこの病院の事情によ
つていろいろ異りますので、この病院の整備費と国立病院の整備費のうちにぶち込んであります。この
経費でその宿舎の整備を図る。これがまあ幾らくらいの金額になるかということは、まだ個々の
施設に当
つてみませんと、明確なことは申上げかねるのでありますが、恐らく数千万というものがこれに廻されるというふうに予想いたしておるんであります。まあこういうような意味でこの宿舎の点も不満足ではございますけれ
ども、一応或る
程度そのうちの一部分のものについては或る
程度この
措置が講ぜられる、それからこれもこの前からも申しましたようにインターンというものは勿論インターンがこの医術を学ぶのでありますけれ
ども、その間に病院におきましてもこのインターンが実習中に行います
仕事が病院の何らかの手助けにもなるというようなことで、病院で事情が許すならばそのインターンの宿泊
施設或いは食費その他のことについて何らかの
措置が講ぜられる。できますれば給与までも
考えてもらいたいんでありますが、そういうことができるならば
措置を講じてもらいたいというようなことが決して筋違いでもないというふうに
考えることを申上げたんであります。事実今日でもすでに宿泊
施設を提供しておる
施設もございますが、まあこういうようなところをできるだけ都合して便宜を図
つてもらうということを一方では進めて参りました。そのほかに今申上げましたように、
明年度は国立病院だけでも
一つ新たに設備を整えて行くという
措置を講ずることにな
つたんであります。
それからこの給与の問題につきまして、御
承知のように大体月に二千五百円
程度の給与を全部給したいというふうに
考えたのでありますが、これは根本的に大蔵省のほうとも意見が合到しない点もございました。給与は不適当である。やはり貸費ということのほうがいいのではないかということで、育英資金の枠を拡げる。先ほど
ちよつと有馬
委員が申されたんでありすすが、正確に申しますれば三人に一人という比率でございましたのが、明年は二人に一人ということになりましたので、その間の差が約六百人
程度と思うのでありますが、その
程度の枠を拡げて、そうして生活に困る人たちには給費の途を開くということにな
つたんでありまして、勿論この
施設の整備と或いは
施設に対するこの借損料、或いは講師に対する謝礼ということと、それから宿舎の問題、給与の問題と、この二つが大きい問題であ
つたんでありますが、その三つとも決して必ずしも十分というわけには行きませんが、第一の問題については殆んど
要求額に近く認められましたし、それから第二、第三のものについてもとにかくその改善の趣旨というものは或る
程度出ておりますが、勿論不十分でございますけれ
ども、この今後逐次この
制度を、
内容を充実させて行くというふうにいたして行く見込は私
どもとしても多少持
つておるわけでありまして、本年度は或る
程度僅かではありながらも一歩前進はしたものというふうに
考えております。これを将来も更にこの拙らしい手を打
つて行く。それから一番大切なことはその修練の
内容なのでございまして、いろいろ修練を担当いたします病院とよく
連絡して、できるだけこの適当な、又インターン生にも満足をより十分与え得るような
内容にして行くということに努力をして参りたいというふうに
考えておるのでありまして、私
どもとしましては、この一歩前進は期待できるものというふうに
考えております。一応御
説明申上げました。