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1954-02-16 第19回国会 参議院 厚生委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年二月十六日(火曜日) 午前十時二十八分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
上條
愛一君 理事 常岡 一郎君 藤原 道子君
委員
高野 一夫君 中山
壽彦君
西岡 ハル君 横山 フク君 廣瀬 久忠君 竹中 勝男君 湯山 勇君
有馬
英二
君 国務大臣 厚 生 大 臣 草葉
隆圓
君
政府委員
厚生省児童局長
太宰
博邦
君
厚生省保険局長
久下
勝次
君
事務局側
常任委員会専門
員 草間 弘司君
常任委員会専門
員 多田 仁己君
説明員
厚生省大臣官房
統計調査部長
小沢
龍君
厚生省大臣官房
国立公園部長
森本 潔君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
社会保障制度
に関する
調査
の件 (
昭和
二十九
年度
厚生省関係予算
に 関する件) ○
議員派遣要求
の件
—————————————
上條愛一
1
○
委員長
(
上條愛
一君)
只今
から
厚生委員会
を開催いたします。
昭和
二十九
年度
厚生省関係予算
の
質疑
を前回に引き続いて行いたいと思います。先ず
統計調査関係
について
小沢統計調査部長
から御
説明
をお願いします。
小沢龍
2
○
説明員
(
小沢龍
君)
統計調査部
におきます来
年度
の
予算
は、この表にあります
通り
に二億三千一百万円余に
なつ
ております。昨年と比べまして約一千二百万円ほどの
増額
に
なつ
ております。で、この増の
内訳
は主として
人件費
の増によるのでございます。この
予算
の中身を申上げますと、
本省
即ち
統計調査部自体
で使います
経費
が約八千九百万円、その
内訳
は大
部分
が
庁費
でございまして、特に特徴のありますことは、
統計機械借料
二千六百万円
計上
されてございます。残りが
統計資料収集
のために
地方庁
に出します
委託費
でございます。
衛生部関係
に対しましては、
人口動態統計委託費
、
衛生統計
の
委託費
、それから各種の
特殊調査
に関する
委託費
、総計いたしまして約一億二千四百万円ほど
計上
いたすことに
なつ
ております。それから
民生部
に対しましては、
社会福祉統計委託費
と、
社会福祉統計
の
事務補助費
を合せまして一千七百万円ほど出すことに
なつ
ております。かように前
年度
と大体
予算
の規模が変りませんので、
仕事
といたしましても、従来
通り
の
仕事
を来
年度
において踏襲して、なお
内容
につきましては、一層の精密を期して行きたい、かように考えておる次第であります。
上條愛一
3
○
委員長
(
上條愛
一君) 御
質疑
ございませんですか。
有馬英二
4
○
有馬英二
君
ちよ
つとお伺いいたしますが、今の
統計機械
というのは、私
ども
よくわからんのですが、何かこの間新聞によ
つて
、非常に精巧な
統計
の
機械
があ
つて
、一つがドイツか何かですか、
統計
の
機械
が入
つた
ようなことが書いてありましたが、そういうような
機械
を購入されるという
意味
ですか。
小沢龍
5
○
説明員
(
小沢龍
君)
只今
私
ども
の使用しております
統計機械
は、アメリカの
レミントン会社
の
機械
を借受けています。一カ年間の損料は二千六百万円、
機械
の台数は百三十台であります。非常に精巧なものでございまして、この
機械
によ
つて
非常に能率が高ま
つて
います。
有馬英二
6
○
有馬英二
君 この
機械
は、
統計
を委託される各
地方庁
などにこれを
本省
から貸す、貸渡すといいますか、貸すわけでありますか。
小沢龍
7
○
説明員
(
小沢龍
君)
機械
がかなり大きいものでございまして、簡単に運搬することができません。のみならず、この
機械
を設置する場合に、
電気工事
その他
相当
の
附帯工事
を必要といたしますので、軽々に
地方
に持出すというわけに参りません。
地方
から集められました
資料
を私
ども
のほうにおきまして
機械
に載せて集計をするということに
なつ
ております。
上條愛一
8
○
委員長
(
上條愛
一君)
統計調査関係
、よろしうございますか。よろしいようでございましたならば、それでは次に
保険局関係
に移ることにいたします。
久下局長
。
久下勝次
9
○
政府委員
(
久下勝次
君) 私から
保険局関係
の
昭和
二十九
年度予算
案につきまして、御
説明
を申上げます。お手許に差上げてございまする
資料
の十三枚目、(13)と書いてありますところの下のほうから
御覧
を頂きたいと存じます。番号40、
社会保険国庫負担金
というところからでございます。この第一は、
厚生保険特別会計
へ繰入れというのがずつと次の十四枚目の中ほどの(9)まで続いております。
厚生保険特別会計
と申しまするのは、
健康保険
と、
日雇健康保険
と、
厚生年金保険
、この
三つ
を統括して、設けられておる
特別会計
でございまして、御
案内
のように、
健康保険
、
日雇健康保険
、
厚生年金保険共
に、
事務費
は
全額一般会計
の
負担
に
なつ
ておりまするので、これが(1)、(2)、(3)とそれぞれ
事務費
の
国庫負担
が挙
つて
いるのでございます。これらの
経費
の
計上
につきましては、御
案内
のように、年々被
保険者
が
増加
して参ります。その被
保険者
の
増加
に伴いまして全般的に
事務費
が
増加
して参る傾向にございます。
人員等
もそれにつれて殖えているのでございます。来
年度
二十九
年度
におきましては、
政府管掌健康保険
につきましては
人員
の
増加
は定員では全然認められずに
非常勤職員
が、ここには書いてございませんが、三百人ほど増員が認められたのでございます。 それから次の(4)の他
会計
への繰入れというのは、これは
国債整理基金
への繰入れでございまして、一応これは
名目
的に毎年
計上
しているものでございまして、この金は
健康保険
の運営のために毎年
国庫
の
余裕金
から借入れをいたしまして
年度
当初を過しているのでございます。これは
国庫
の
余裕金
でありまするので、勿論
利子
は要らないのでありますが、それで足りません場合に
国債整理基金
から金を借入れる。その場合には
利子
を支払わなければならん。その
利子
を万一の場合を予想していつも
計上
しておく金でございます。従いまして実際には殆んど毎年使
つた
ことがない金でありまするが、そういう性質上ここに
計上
してあるものでございます。 その次の
庁舎及公務員宿舎
の
財源
、これも
職員
の
宿舎
、或いは出先の
社会保険出張所
の
庁舎
の
建設
というようなものが前年よりは
減額
に
なつ
ておりますが、逐次建てておりますので、そういうものが七千五百万円ほど
計上
されている次第でございます。 それから
保健施設費財源
、極く僅か二百十万円ございます。
健康保険
におきましては
保健施設
、これは
結核
の検診でありまするとか、或いは寄生虫の駆除でありまするとか、或いは
陸上競技
、
水上競技等
、
保健施設
という
名目
で行
なつ
ておりますのは
一般会計
の
受入れ
なしに
保健施設費財源
でや
つて
いるのでありますが、
日雇健康保険
につきましてはこの
保健施設
に関する
財源
が
全額一般会計負担
ということに
なつ
ておりまして、その分が来年の
予算
として二百十万円
計上
されておる次第であります。これは疫病の治療ということでなくて、積極的な被
保険者
の
保健指導
のために必要な
費用
を
一般会計
から繰入れたものであります。 それから
福祉施設費財源
、ここに書いてありまするように
福祉施設
と申しますのも、
一般
的にはやはり
保険料収入
を以
つて
賄うものでありまするが、
結核病床
につきましては数年来、
社会保険
におきましてもその一翼を担いまして、
社会保険関係
で
施設
を作
つて
おります。
政府管掌
におきましても、ここにございますように、来
年度
千六百床殖やすということでその三分の一、それに必要な
経費
の三分の一
相当額
が
一般会計
から
受入れ
に
なつ
ておるのでございます。 次の(8)の
日雇健康勘定財源
でありますが、このうち特に申上げたいのは、
保険給付費
につきまして二十九
年度
新たに一割の
国庫
の
負担
が認められたのでございます。その
金額
が右の
備考欄
にございますように、二億一千五百万円でございます。この
金額
によりまして従来
法律
によりますると、
療養
の
給付期間
が三月で打切られておりますが、一割
国庫負担
を
受入れ
ることによりまして、
療養給付期間
をその倍の六カ月に延長することができまするし、これに伴います
法律
の
日雇健康保険法
の
改正
は今国会に
提案
をする準備をいたしております次第でございます。 それから
厚生年金保険給付費財源
、これも
新規
の
計上
がされておる
部分
がございまして、従来
厚生年金保険
につきましては、被
保険者
のうち、
坑内夫
の
給付費
につきましては二割
相当額
、それからその他の
一般労働者
の
年金給付
につきましては一割
相当額
を毎年
国庫
から
受入れ
てお
つたの
であります。御
案内
のように
厚生年金保険
の全面的な
改正
も企図しておりまする際でございまして、これに伴いまして労使の
保険料負担
も
相当
大幅に
増額
をされることも予想されております。さような
関係
上、
国庫負担
の面におきましても、
一般労働者分
、従来の一割から一割五分に
引上げ
ることが承認されました。それに基いた
予算案
が
提案
をされておりまする次第であります。前
年度
との比較では殆んど倍に
なつ
ております。四億四千七百万円という前
年度
の
予算
は、本
年度
は八億八千八百万円に
なつ
ておりますが、これは被
保険者
の増と昨年御
決定
を頂きました
法律
の
改正
によりまして、新たなる
新規
の適用の被
保険者
が殖えて参ります。そうしたものや、或いは実質的な被
保険者
の
増加等
があります。それに伴いまして又年々
保険
の
給付
も増して参る。そういう
関係
上
自然増等
を考えますると、
昭和
二十九
年度
は
法律
の
改正
をいたしませんでも、前
年度予算
額に対応するものは六億
ちよ
つと超えた
金額
になります。従いまして一割から一割五分に
引上げ
ましたために、純粋に
国庫
の
負担
が
増加
いたしましたのは二億たしか正確に覚えておりませんが、約三千万円ほどでございます。二億を
ちよ
つと超えました
金額
が五分
相当額
殖えたということになるわけでございます。
厚生年金保険
の
改正
につきましては又別の機会に詳しく申上げるほうが妥当かと思います。 その次は、
船員保険特別会計
の繰入でございます。これは
建前
としては従前と何も変
つた
点がございません。
最初
はやはり他の
保険
と同様に
事務費
の
全額国庫負担分
が六千二百四十三万八千円
計上
されております。
結核病床
の
財源
として来
年度
もやはり百床増床いたしたいということから、一千百万、それから
保険給付費
の
財源
といたしましては、これは
負担率
は
厚生年金保険
の
坑内夫
の場合と同様に二割
相当額
でございます。
金額
が減
つて
おりまするのは、従来
船員保険
で
給付
をしておりましたいわゆる
C船員
が
援護法
のはうで
給付
を受けるということに
なつ
ております
関係
上、
金額
の上では減
つて
おりますが、実質的な
負担率
二割は
変更
がないわけでございます。 それから頁をめく
つて
頂きまして41の
国民健康保険助成費
でございます。前
年度
六十七億四千三十二万八千円という
金額
が五億三千九百万円
減額
になりまして六十二億円ということに相成りました次第でございます。この点はいろいろ各
方面
の御
協力
を頂きましたのでございまするけれ
ども
、あと次々申上げますような点で、本
年度
は前
年度
ありました
補助金
が
削減
をせられたもの、或いは
平衡交付金
に廻されたものがございまするので、かような結果に
なつ
ておるのであります。先ず第一は、一番問題に
なつ
ております
助成交付金
、いわゆる
療養給付費
の二割
相当額
の
国庫
の
補助金
でございます。これは前
年度予算
四十億八千万円が四十一億、若干の
増加
を見ているのでございます。この中に主な要素が
備考欄
に書いてございますが、
受診率
につきましては前
年度
より五%だけ高く、逆に一件
当り
の点数は
政府関係当局
において
調査
をいたしました結果、昨年の五八・六点分というのは、少し
見込み
が多過ぎるというようなことでありましたので五六・七点分にいたしました。それから被
保険者数
は二十八
年度
は二千六百五十万人、それを二千七百二十八万五千人、こういう
増加
の
見込み
を立てておる次第でございます。 それから
保険者補助金
として十八億三千八百六十一万六千円
計上
されておりまするが、これはこの
内容
は大体におきまして
三つ
に分けられる。第一は
事務費
の
補助
でございまして、
事務費
は前
年度
と
単価
におきましては同額の被
保険者
一人
当り
六十二円七十銭、これに先ほど申上げました二千七百二十八万五千人の被
保険者総数
を掛けました
数字
即ち十七億一千七十七万円というのが二十九
年度
の
事務費補助金
でございます。前
年度
と比較いたしまして約六千万円ほどの
増額
に
なつ
ております。それから
保険者補助金
の第二は、
保険指導員補助金
というのでございます。これは実は前
年度
四千六百二十万八千円
計上
されておりましたが、
予算折衝
の結果二十九
年度
は
削減
されております。これは各市町村の
保険
を経営しておりまする主体が所在の
開業医等
を委嘱いたしまして、積極的な
健康指導
の面を委嘱しておりまするので、それに対して従来
補助金
が出てお
つたの
でございます。それが
国庫
の
予算
としては来
年度
は承認を得られなか
つた
次第でございます。
保険者補助金
の第三は、
保健婦設置
の
補助金
でございます。これは
金額
におきましてここに
内訳
はございませんが、念のために申上げますと、来
年度
の
予算額
は一億二千七百八十四万六千円でございます。これは前
年度
の
予算額
は一億七千万円でありまして約五千万円近い
減額
をみておるのでありますが、
一般
の
補助率
の低下といいますか、こういうことに伴いまして従来三分の一の
補助
でありましたが、四分の一
相当額
となりましたための
金額
の減でございます。
内訳
は
保健婦
四千七百人に対して本人の俸給及び旅費を含めて一人
当り
十万三千八百円、こういう計算で一億二千七百八十四万六千円、四分の一
相当額
を
計上
したわけでございます。 次は(3)
直営診療所建設補助金
でございます。従来数年続きまして四億円という
数字
が
予算
に
計上
されてお
つたの
でございまするが、全体の
緊縮予算
の
建前
によりまして、
昭和
二十九
年度
におきましては一億五千万円に
減額
をされて
計上
された次第でございます。 その次は
指導監査委託費
、これは従来は
普及指導費補助
というような
名目
で
予算
には
計上
されてお
つた
ものでありまするが、特にこの
予算
の性格を明らかにいたしますために
指導監査
というような強い名称にいたして、
従つて委託費
というような言葉に
名目
を変えたものでございます。前
年度
に比較いたしまして二百三十四万四千円ほどの
減額
に
なつ
ておりますが、
制度
としては
趣旨
の変
つた
ことなく、
一般
の
予算
の
趣旨
に従
つた
ための
減額
だけでございます。 その次に
国体連合会補助金
、六百十万円がございます。これは各都道府県にございます
国民健康保険国体連合会
に対しまして
事務費
の
補助
を若干いたしてお
つたの
でございますが、
金額
が少いのと、
昭和
二十九
年度
の
予算編成方針
、
補助金
の
整理
という枠にひつかかりまして
全額削減
をみた次第でございます。 それから
審査会補助金
六十一万円、これも
金額
か僅かでございまして
補助金
のうちから落ちておりますか、これは別途
平衡交付金
のほうに入れられたものでございます。
平衡交付金
の形で
地方
には流れることに相成
つて
おる次第でございます。 それから
再建整備貸付金
、これは御
案内
のように
法律
に基いて
貸付
をいたしますものでございます。前
年度
の二億四千八百万円が一億円の
減額
に
なつ
ておりますが、実は昨
年度
法律
に基いた
予算
を
計上
いたしたのでございますが、実際問題としては非常に
貸付金
の
申請
か少のうございまして、すでに本
年度予算
を若干或いは他の
方面
に流用いたしたような実情でございます。それで御
案内
のように
法律
に基きますと、前
年度
貸付
を受けましたものが翌
年度
続いて一定の条件に合
つた
ものが
貸付
を受けられるという
関係
もございますので、年々この額が減るのが当然でありますが、減り方のひどいのは初
年度
におきまして
予定
したほどの
申請
かなか
つた
ためでございます、大体私
ども
のほうとしては一億という丸い
数字
でございますが、この
程度
で
再建整備資金貸付法
の
運用
は支障ないものと考えておる次第であります。 次に
災害特別貸付金
、これは
特別補助金
で、昨年の風水害に基く
関係
の向きへの
貸付金
及び
補助金
で、これは
特別法
によ
つて一体
と
なつ
ておるものでございます。昨
年度
の特例でもございますので、今
年度
は一応
予算
から落されたような次第でございます。 次は、
健康保険組合
に対する
補助金
であります。先ず第一は
事務費
の
補助
でございます。そのうち一番多いのは四億九千百十万円という
健康保険組合
に対する
補助金
でございます。これは立て方といたしましては
政府管掌健康保険
は先ほど
国庫負担金
がございましたが、これを
政府管掌
の
健康保険
の
保険者総数
で割りまして出ました
単価
、被
保険者
一人
当り
の
単価
をこれを今度は逆にと申しますか、
健康保険組合
のほうにその
数字
を持
つて
参りまして、
健康保険組合
の被
保険者総数
にかけまして出しました
数字
でございます。
建前
としては
政府管掌
と同様に十割を
国庫負担
という
建前
に
なつ
ているものでございます。その次の
労働保険組合
百四十一万八千円というのがこれは前
年度
はございません。新たに
計上
されましたのでありますが、これは
尼崎等
で
日雇健康保険組合
というあの
法律
ができます前から実施しておりました
組合
がございます。これにつきましては特に奨励の
意味
も加えまして
事務費
の
補助
を差上げることにいたしました次第でございます。 それから二の
結核病床
の
整備
としまして一億七千一百万円
計上
されてございます。これは本
年度
千五百床
健康保険組合
として
結核病床
の
整備
に
協力
をして来
つたの
であります。
昭和
二十九年では一千九百床に
増加
されて同じように
整備
することに
なつ
ております。これはここにありますように二分の一の
補助金
を
一般会計
から出すことに
なつ
ているものでございます。 それで
保険局
の
一般会計分
は終りました次第でございますが、少しめく
つて
頂きまして特一というのが二枚ほどめく
つて
頂きますとございます。ここは先ほど申上げました
厚生保険特別会計
の
予定額調
が載
つて
おります。
厚生保険特別会計
は先ほど申し上げたのでありますが、
健康勘定
、
日雇健康勘定
、
年金勘定
及び
業務勘定
というように四つの
勘定
に分れておりますのであります。
最初
の
健康勘定
につきまして概略のことを申上げることにいたしますが、
保険料収入
につきましては先ず基礎となります被
保険者
の数であります。前
年度
は四百四十五万六千人を
予定
いたしましたが、
昭和
二十九
年度
におきましては五百十七万六千人になる
予定
でございます。今
年度
は申すまでもなく
政府管掌
健康だけでございます、それに基く
保険料収入
が四百五十四億五千百三十三万六千円、本
年度
よりも百十億ほどの
増加
に
なつ
ております。それから
積立金
より
受入
というのがございます。これは前
年度
の
特別会計
の
剰余金
がございますのでこれを
受入れ
て行くというものでございます。雑
収入
と申しますのは特別に申上げることはございませんが、例えば
滞納処分
をいたしましたような場合、
滞納処分
の前に
保険料
の支払が遅れました場合の
延滞利子
がこの中に入
つて
来るわけでございます。合計いたしまして
健康勘定
の
収入総額
は四百七十二億六千七百二十一万六千円であります。 これに対応いたしまして次の表にございます
歳出
は一番大きいものは勿論
保険給付費
でございます。これは昨年の夏御
決定
を頂きました
法律
の
改正
によりまして
保険
の
療養
の
給付期間
が二年から三年に延びました。前年はこれが十一月以降の実施でございました。それを二十九
年度
は勿論まるまる影響して参りますので、
金額
におきましては非常に大幅に
増額
をしておるわけでございます。即ち前
年度
は三百九億でございましたのが、一十九
年度
には主としてその
関係
から四百四十千億の
保険給付費
に殖えるわけでございます。 それから
業務勘定
へ繰入れというのが九億四千二百万円ございますが、これはのちに申上げます、又先ほ
ども
ちよ
つと触れました
福祉施設
、
保健施設
というようなものは一応
業務勘定
に繰入れて、そのほうから
支出
をすることに
なつ
ておりますので、こちらのほうでは繰入として
計上
してある次第でございます。この
内訳
は
業務勘定
のほうで出て参ります。 それから
国債整理基金特別会計
の繰入、これは先ほど申上げました
利子相当額
でございます。それから諸
支出金
、これは
名目
上の
計上
に過ぎません。 それから
最後
の
予備費
でございます。十七億二千百万円、大体この
程度
のもの、これは
予算
の
辻棲
を合せるためにこういう
数字
になるわけでありますが、おおむね五分乃至それに前後する額を
予備費
として
計上
するのが例に
なつ
ております。若干これは五分
相当額
より減
つて
おりますが、
数字
の
関係
からこういうような
数字
に
なつ
ておる次第でございます。 それから次は
日雇健康勘定
でございます。合計二十三億七千六百十八万二千円の
収入総額
でございますが、そのうち申すまでもなく一番大きいのは十八億一千三十四万八千円という
保険料収入
でございます。二十八
年度
と同様に五十万人の被
保険者
を
予定
して
計上
してございます。
保険料
につきましては前年
通り変更
ございません。 それから
一般会計
よりの
受入
が
御覧
の
通り
大幅に二億九千万円
増額
に
なつ
ておりますが、これは先ほど申上げました
療養給付費
の一割
相当額
二億一千五百万円が入りましたのが一番大きな理由でございます。 それから
積立金
の
受入
が二億五千三百五十八万二千円、
相当
たくさんございますが、これは
日雇労働者健康保険法
がすでに実施されておるのでありますが、一月の十五日から
保険料
を取ることにしております。すでに取
つて
おるのでありますが、ところが
法律
の
規定
に基きますと前二カ月間に二十八日以上の
保険料
としての印紙が貼
つて
ございませんと、
療養
の
給付
を受ける資格がございませんで、従いまして
昭和
二十八
年度
におきましては一月の十五日から
保険料
を取りまして、
給付
の始まるのは三月からで、三月一月だけが
給付
になります。
従つて保険料収入
が二億五千三百万円
次年度
に繰越しされるということになります次第であります。 こうして二十三億七千六百万円の
歳入
に対しまして、次の頁に
歳出
がございます。これも一番大きなものは二十一億五千万円という
療養給付費
であります。先ほど申上げたように三カ月を六カ月に延ばしまして、これだけの
費用
がかかるという
計上
であります。丁度その一割
相当額
、二億一千五百万円が
歳入
の面で
一般会計
から繰入れられておる次第であります。
予備費
を二億二千万円見まして、二十三億七千六百万円という
歳入歳出
の帳尻の
金額
に
なつ
ておるわけでございます。 それから
年金勘定
につきましては三百九十五億七千七百二十万八千円、このうち最も大きなものは
保険料収入
三百三十三億円、
運用収入
というのは、
資金運用部資金
に預け入れております結果
牛ずる利息
であります。五年以上の長期に預けますものは五分五厘、五年
未満
一年以上のものは四分五厘、一年
未満
のものは三分五厘というような
資金法
の
規定
に基く預け入れをしておるわけでございますが、その
総額
が五十三億五千八百万円という実
収入
でございます。なお、この
年金勘定
につきましては、
厚生年金保険法
の
改正案
がまだ
政府
といたしましては最終的な段階に至
つて
おりませんが、
最後
の結論を取急いでおりますような次第でございます。私
ども
といたしましては
予算
の修正を伴わずに、大体
只今
のところでは
改正法
の
運用
ができるようにすべきであり、又そうなるであろうということを予測しております次第でございます。
一般会計
の
受入れ
につきましては先ほど申上げた
通り
であります。 これに対しまして
歳出
は非常に少うございまして、六十九億七千百九十二万四千円という
数字
に
なつ
ております。その主なものは勿論やはり
保険給付費
でございまして、あとは取立てて申上げるほどのものもございません。この
歳入総額
三百九十五億から
歳出
の六十九億七千万円を差引ましたものが結局将来の
年金給付
の
財源
として
資金運用部
に預託される
予定
に
なつ
ておるのでございます。 その次は、
業務勘定
、これは先ほ
ども
ちよ
つと折に触れて申上げましたように、
業務勘定
と申しまするのは、
健康保険
、
日雇健康保険
、
年金保険
それぞれの
事務費
をこの
勘定
から
支出
いたしますと共に、
保健施設
、
福祉施設
もやはりこの
会計
から
支出
する
建前
にしておるのでございます。そこで他
勘定
より
受入れ
……、以上申上げました
健康保険
、
日雇健康保険
、
年金保険
それぞれから
福祉施設
、
保健施設
の
財源
を
受入れ
ます。その
総額
がここにございますように十三億一千二百万円、前
年度
より
相当
減額
に
なつ
ておりますが、これは主として
福祉施設
につきまして、あとで申上げるような大きな
減額
があるからでございます。 それから
一般会計
からの
受入れ
、これは
事務費
でございます。
事務費
とそれから
結核
ベツドの増床のための
国庫
補助
、それが合せてここに入
つて
おるわけでございます。それで雑
収入
を見まして三十二億六千七百万という
歳入
でございます。
歳出
の大筋は今申上げた
通り
でございますか、
ちよ
つと中に触れて、ここに細かくございますが、簡単に申上げて参りますと、
健康保険
、
厚生年金保険
及び
日雇健康保険
の事務取扱いに必要な
経費
、これがいわゆる
事務費
でございます。それから他
会計
へ繰入れに必要な
経費
、これは先ほどの
国債整理基金
の
利子相当額
でございます。 それから
社会保険出張所
新営に必要な
経費
、これは先ほど申上げました、来
年度
は六カ所事務所の建物を建てなければなるまいということで、六カ所分が
計上
されておる次第でございます。国家公務員
宿舎
新営に必要な
経費
、これも
地方
におります
職員
の
宿舎
を建てますものでございます。それから次の
健康保険
の
保健施設
に必要な
経費
、これが先ほど申上げました
結核
検診でありますとか、寄生虫の駆除、或いは
陸上競技
大会、水上競技大会、そういうふうなものに必要な
経費
総額
でございます。次は、
日雇健康保険
の
保健施設
に必要な
経費
、これは
一般会計
負担
で二百十万円、先ほど申上げました。それから次が
健康保険
の
福祉施設
の必要
経費
八億九千五百万円、これは現在
健康保険
関係
で全国に七十カ所ほど病院、診療所を持
つて
おります。 それと
結核
ベツドを
政府管掌健康保険
で立てることに
なつ
ておりますが、その分がこの中に入
つて
おるわけでございます。大体の方針といたしましては、
健康保険
関係
の医療
施設
は新らしいものを作る計画が現在ございません。この金は従前のものが非常に傷んで参
つて
おりますので、その補修に主として充てたいと思
つて
おります。それから
厚生年金保険
の
福祉施設
に必要な
経費
三億六千九百万円でございまして、前
年度
の十二億から見ますと八億五千七百万円という大幅な
減額
に
なつ
ておりますが、前
年度
こういうふうに大きく
なつ
ておりましたのは、東京、大阪の厚生年金病院の
整備
に
相当
な金が必要であ
つた
からでございます。来
年度
はすでに本
年度
から始ま
つて
おります九州の年金病院の残額を若干
計上
するのと、あとは既設の病院の
整備
に必要な金だけを
計上
いたしました次第であります。
最後
に、日雇労働者
健康保険
の
福祉施設
に必要な
経費
三千四百十五万一千円、前
年度
と同額が
計上
されております。これも先ほどの
保健施設
でも申上げましたように日雇労働者
健康保険
の
福祉施設
はこの分
全額一般会計
からの
負担
で
保険料
からは
支出
しないという
建前
でございます。この
内容
は本
年度
と同額に
なつ
ておりまするのは、本
年度
におきまして大体東京と大阪と名古屋を
予定
しておりますが、日雇労働者の多数集まりますところに、その便宜なところに専用の診療所をこしらえたら便利じやないかというふうな
建前
で
予算
が取れたものであります。来
年度
も引き続きまして他の三大都市に作ろうというので
増額
を
計上
いたしましたわけであります。これに四千万円の
予備費
を見まして、収支を合せております。これが大体
厚生保険特別会計
でございます。 次に、
船員保険特別会計
予定額調
でございます。
船員保険
は御
案内
のようにいわゆる総合
保険
でございまして、陸上の労働者に対する
健康保険
、
年金保険
、失業
保険
、労災
保険
というようなものが全部包括されております
制度
でありますことは御承知の
通り
でございます。そのために十五万の船員から
保険料
を徴収いたしまして、運営をしております次第でございます。なお、他の
保険
と同様に
事務費
につきましては全額、それから長期
保険
の
給付費
につきましては二割
相当
、失業
保険
につきましては三分の一
相当
の
国庫
からの、
一般会計
からの受け入れをしております。その
総額
が二億六千七百万円と一番下に書いてあります。
一般会計
からの
受入れ
でございます。
減額
に
なつ
ておりまするのは、非船員の
関係
でございます。それは先ほど申上げた
通り
であります。 そうしてその次に
歳出
を、極く大まかな
数字
だけで
内訳
は書いてございませんが、先ほど申上げました長期
給付
、短期
給付
全部を併せまして二十七億一千四百万円の
給付費
になります。業務取扱いに必要な
経費
というのは、これは主として
事務費
でございます。 それから次が
船員保険
の
福祉施設
に必要な
経費
、一億四千八百万円、既存の医療
施設
の
整備
のほかに保養所を作りましたり、或いは先ほど申上げました
結核
ベツド百床の増床をいたしました。そのようなことが皆ここに
福祉施設
として
計上
されておる次第であります。 極く大ざつぱな御
説明
で恐縮でございましたが、
保険
関係
は大体以上で一
通り
の御
説明
を終
つた
次第でございます。
上條愛一
10
○
委員長
(
上條愛
一君) それでは
保険局関係
の御
質疑
はあとに廻しまして、今厚生大臣がお見えに
なつ
ておりまして、なおすぐ衆議院の
予算
委員
会に出られる必要があるそうですから、厚生大臣に対する御
質疑
を頂きたいと思います。
中山壽彦
11
○中山
壽彦君
この昨年の十一月の末に私が今
年度
の
社会保険
診療費に対する所得税の課税率が二四乃至二八%に
なつ
た、こういうことを聞いてお
つたの
でありますが、その後いろいろのところから情報が入りますと、この課税率の軽減に関して大蔵省内にもいろいろ意見がある、又閣議でもまだはつきりしていないというようなことを聞いておるのであります。その真相を厚生大臣から一つはつきりとお答えを願いたいと思います。
草葉隆圓
12
○国務大臣(草葉
隆圓
君) 実はお話のように
社会保険
診療報酬に対しまする課税の問題は、
昭和
二十七
年度
の閣議
決定
で大体三〇%以内ということに相成
つて
、二十七
年度
はその方針でと
つて
参りました。そのときに更に二十八
年度
になりまして、二十七
年度
に今後のことについては更に検討するとかいう一項が加わ
つて
お
つた
と思う。そこで二十八
年度
の問題になりまして、これは二十七
年度
の暫定措置として行
なつ
たから、二十八
年度
では普通のように戻してもらいたいというのが、一応の徴税事務の当局の意見であ
つた
と思います。併しこれは大変大きい影響をいたしますので、厚生省といたしましてはどうしても二十七
年度
と同様な方法、二十七
年度
と同じ率を以てそれ以上はいろいろな
関係
から認めがたい。そこで
只今
お話になりましたようにざつくばらんにお話しようという御質問でございまするから、そのまま申上げますると、閣議におきましても両三度の懇談をいたしました。
最後
に二十八
年度
も二十七年と同様なことにするということで閣議了解
決定
をいたしました。従いまして二十八
年度
は二十七
年度
通り
にいたすことに
決定
いたしましたから、この点御了承を頂きたいと思います。
中山壽彦
13
○中山
壽彦君
よくわかりました。
上條愛一
14
○
委員長
(
上條愛
一君) 大臣に対する御質問はほかにありませんか。なお十八日にも大臣に御出席を願
つて
御
質疑
を願うことに
なつ
ておりますが、別に差迫
つて
の御
質疑
がなければ、お急ぎのようでありますから次に譲りたいと思います。
藤原道子
15
○藤原道子君 ただ一つお伺いしたいのでありますが、生活保護法の不足分ですね、これの処理についてどうも納得の行かない点があるので、大臣から責任ある御見解を伺いたい。二十億は入
つて
おりますね。併し今度は十二億とか……ところが全部行けば四十五億か七億不足しておるんですね。大体生活保護法の不足分は私
ども
の計算では行
つて
おるんですが、これはどういうふうに
なつ
ておるんですか。
草葉隆圓
16
○国務大臣(草葉
隆圓
君) これは先般来
予算
委員
会等でも御質問に
なつ
て、或いは四十五億という御質問であり、或いは五十億という数で御質問が出ておりました。私
ども
のほうでもこれは最終的にはそうはつきりとは申上げかねるのであります。いわゆる
年度
を過ぎましてそこでしまして、殊に赤字と申しますか、
予算
外の
負担
、
予算
より以上にはみ出したという点は主に医療費でございます。そこで医療費の場合には、これはそれぞれ審査機関がありまして、点数計算等におきましてもそれぞれの専門家で審査をいたしまして
決定
いたします。そこで
最後
でなければわからないということでございますが、大体厚生省としてつかんでおりますのは、かれこれ全部検討して三十二億であるという見当でつかんでおります。従
つて
十二億を急いで本
年度
の当初の
予備費
から
支出
をいたしまして、一月の下旬にこれはすでに
支出
をいたしまして、あとの残りの二十億
程度
が多分三月末までにはずつと累積して支払うべき金になるだろうという見当で二十九
年度予算
に
計上
いたしております。こういう順序に
なつ
ております。
藤原道子
17
○藤原道子君 厚生省の発表でも
最初
は四十五億ぐらいというふうなことでしたのが、だんだん切り詰められて来たのがしわ寄せして行
つたの
じやないでしようか。現実にこれは
地方
におきましては非常に混乱を起しておるのですが、そのために非常にきびしい査定をしておる、或いは退院を強要しておるというような例が頻々に起
つて
おるのでございますが……。
草葉隆圓
18
○国務大臣(草葉
隆圓
君) これは、あの審査機関は厚生省とは全然独立的機関に
なつ
ておりまして、医療
関係
の方々が中心に専門的に審査をされることに
なつ
ておると記憶いたしております。従いましてあそこの審査というものは、厚生省の
ちよ
つと手が入れないほど慎重におやり願
つて
おると思います。で
只今
医療を受けておるものを、医療費が、生活保護法による
費用
がないから無理に出すのじやないかというような御懸念がありますると、誠にこれは影響が大きいのであります。さようなことは絶対にいたしたくない、又いたすべきものではない。ただ逆に、
結核
療養
所等に入
つて
おりまする人で、院長その他の医学的な立場から当然退院していいような方が、或いは住宅とか、或いは家庭とかいう
関係
で、退院をしないでおる方が、去年の十一月に
調査
いたしました結果二百名余りある。併しこれは人道上無理に急いでやるということはいろいろと影響が多いので、或いは住宅を御斡旋したり、職業を世話したりしてや
つて
行くという点においては、むしろ一方から、或る
意味
の濫給とお叱りを受けるかも知れないが、これは実情に即して努力するという方向でいたしております。従いまして現在医療を受けておるものを
費用
がないから切るということはこれは一切いたすべきものではないし、そういう指導も絶対にいたさないつもりでございますから、どうぞその点御了承を願いたいと思います。
藤原道子
19
○藤原道子君 押し問答をしていても仕方がございませんので、大臣の言葉を私信頼いたします。但し、若しも事実赤字が出て来た場合はどういう方法で処理をなさいますか。
草葉隆圓
20
○国務大臣(草葉
隆圓
君) これは御承知のように、
法律
にはつきり出ておるのでございますから、当然国家の義務
負担
に
なつ
て来ると思います。
上條愛一
21
○
委員長
(
上條愛
一君) ほかに差
当り
ありませんければ、大臣に対する質問はこれで打ち切りたいと思います。 それでは続いて
保険局関係
に対する御質問を願いたいと思います。
—————————————
竹中勝男
22
○竹中勝男君
ちよ
つと今のに関連したことですが、私はこの
委員
会の性格などまだよくわか
つて
おりませんのですけれ
ども
、この問題はもう非常に、今藤原さんが言われたことですが、各所から聞いておるのですが、そういう事実があることを利はこういう際にこの
委員
が公平にこれはやはり
調査
する必要があるのじやないかと思います。主な、関西、関東、北陸、九州というような四つぐらいの場所で、こういう事実があるかないかということをやはり
委員
会として
調査
……、これはやはり
相当
輿論に
なつ
ているのです。そういう風説だけじやなくして、各
方面
がそういう危惧の念を少くとも国民が抱いておる。要援護者が抱いておるということはやはり大きな問題だと思いますので、この
厚生委員会
で一つ
調査
をする必要があると私は思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
上條愛一
23
○
委員長
(
上條愛
一君) 今の竹中
委員
の
調査
の発案に対して、如何でしようか、御異議ありませんか。
藤原道子
24
○藤原道子君 異議なし。私は時期を見て至急に
調査
すべきだと思います。
上條愛一
25
○
委員長
(
上條愛
一君) 御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
上條愛一
26
○
委員長
(
上條愛
一君) それでは
予算
との
関係
もありますから、何カ所
調査
に行くかというようなことは理事会にでもお任せを願
つて
、
予算
を
調査
の上で考慮いたしたいと思います。
—————————————
上條愛一
27
○
委員長
(
上條愛
一君) それでは
保険局関係
の御質問を願います。
中山壽彦
28
○中山
壽彦君
保険局
長に
ちよ
つとお尋ねしておきたいのですが、今の
保険
診療費の所得税の課税率について二十六年の十二月、私
ども
が当時の池田大蔵大臣、橋本厚生大臣と折衝したときに、暫定措置である
単価
の適正をきめるために、厚生省に新なに審議会を設置するということで、一応これが解消したことは御存じの
通り
であります。で、この審議会が設置されましてから、すでに二カ年を経過いたしております。審議会の経過については私
ども
よく承知いたしておりません。ときどき
委員
の方々から向うからお話は伺
つて
おるのですが、現在どういうふうな審議状態にあるか。又審議の今後の見通しはどういうふうに
なつ
ておるか。極く大略でよろしうございますから一つお知らせを願いたいと思います。
久下勝次
29
○
政府委員
(
久下勝次
君) お答え申上げます。私
ども
は今お話のございました審議会岸臨時医療
保険
審議会という名称で正式に発足いたしておるわけであります。お話のように、創設後長期間を経過しておりまするが、まだ結論らしいものが出ておりませんが、この点は私
ども
関係
者としても憂慮をいたしておるのでございます。もともとこの審議会の運営につきましては、単なる諮問機関でないという性格から考えまして、どういう問題をどういう角度で検討をして行くかということにつきましては、審議会の御意向もございまして、審議会の
委員
の方々からの御発議によ
つて
、会議の運営なり或いは取上げる課題なりというようなものをきめて頂くようなやり方をしておるわけでございます。言葉を換えて申上げますれば、厚生省あたりから案を出して意見をお聞きするというような受身の審議会でなく、むしろ
内容
的にも積極性を持
つた
審議の体制をとるべきであるというようなやり方をして参
つて
おるのであります。そういう前提に立
つて
先ず当初各
関係
委員
、御列席の
委員
から審議すべき問題を持ち寄りまして、その審議の順序等御相談を
最初
して頂きましたのであります。その結果、ともかくも医療
保険
に関する基本的な原則というものを先ず検討してかからないと事後の問題の解決がむずかしいのではないか。具体的な、ものによると、末端の問題から入るのが原則かも知れんけれ
ども
、併しそういうことをしてお
つて
は百年河清を待つことになるので、根本的な原則的な問題から先ず入
つて
行こうというようなことが審議会としてきめられました方針でございます。その後長期間に亘
つて
審議が続けられております。ただ昨年の選挙の当時、審議会の
委員
の方々から立候補された方々がございましたので、約その間二カ月間ほど会議を休んだことがございます。それ以外にはずつと続けてや
つて
頂いておるわけでございます。各
方面
から早く結論を出すようにというお話がございまして、昨年の夏以来臨時医療
保険
審議会の中に小
委員
会を設けまして、小
委員
会で今申上げました原則だけでも早く結論を得たいというので、随分
委員
に御尽力頂いておるわけであります。特に小
委員長
はみずから案文を作
つた
りいろいろ審議の促進を図
つて
おるような次第でございます。私
ども
も各
方面
からのお話もございますので、結論を急いで頂くようなことを再々お願いをいたしておるような次第でございます。今その小
委員
会の結論もいろいろ議論も多うございまして、最終の段階に至
つた
と言いながら結論が出る、すぐに出るというところにまでまだ至
つて
いない状況でございます。この点何分にも問題がむずかしいだけに止むを得ないものと思
つて
おりますけれ
ども
、なかなか原則論となりますると、先々の問題を考えての御議論になりますためか、非常に意見が多くて結論に到達していないという現状であります。併しそれにもかかわりませず、
関係
の小
委員
の方々は何とか一致した結論を得ようというので、非常な努力をして頂いておりますような段階でございます。
中山壽彦
30
○中山
壽彦君
もう一つ関連してお尋ねをしておきたいのですが、中立系の人から私
ども
にこういうような話があ
つたの
でございます。まあ
社会保険
事業というものは制限事業であると私
ども
は信じております。そこで入院料に対しましては病室の
関係
から被
保険者
の希望によ
つて
差額徴収というようなことも認める。
一般
診療に対しても被
保険者
の要望があるならば差額徴収を認めてもいいではなかろうか、こういうような意見も我々に洩らしておりますが、
保険
当局としては従来差額徴収に対して反対の意向を固く持
つて
おられたようですが、現在におきましてもやはり従来の方針を堅持されているかということ、これを一つ念のためにお尋ねいたしたい。
久下勝次
31
○
政府委員
(
久下勝次
君) 差額徴収の問題につきましては、私
ども
は現在の
保険
の
建前
が現物
給付
ということを
建前
にしております以上、これを原則的に取入れるということにつきましては、現在のところまだ消極的なのでございます。
中山壽彦
32
○中山
壽彦君
もう一つお尋ねしておきたい。現在この積雪寒冷地帯におきましては冬期間の燃料費というものが若干
給付
されております。まあ北海道だけそうでありますが、その他東北、北陸等の諸県におきましても冬期間北海道に準じた燃料費の支給を受けたい、こういう強い要望がありましたが、この要望に対する御当局の御意見はどういうようですか。
久下勝次
33
○
政府委員
(
久下勝次
君) そういう要望のありますことは、私
ども
も何回となく伺
つて
いる次第であります。この問題は一種の私
ども
は地域差の問題とも考えていますが、反面におきまして、又甲地、乙地の
関係
で各
方面
から又別の
方面
から御要望があるわけであります。これをどういうふうに解決して行くかということは、私
ども
としては甲地、乙地の取扱いと、やや似かよ
つた
ような考え方で処理しなければならないものと思
つて
いるわけであります。一応の筋から申しますると、現在の点数、
単価
の
決定
におきましては、一応平均的なところを見まして燃料費等も
計上
しているわけでありますが、それを地域的に差等をつけるということになりますと、なかなかむずかしい問題が起
つて
参るわけであります。私
ども
としては現在の段階では御要望に沿
つて
すぐにそのほうの
増額
だけやるというようなことでは、正しい問題の解決ではないと思
つて
いるような次第でありますが、そうかと言
つて
、いつまでも放任していいとも思
つて
おりません。非常に実は取扱いに苦慮しております実情であります。特に甲地、乙地の問題になりますと、御質問にはございませんでしたが、私
ども
は同列の問題と考えておりますが、この問題はもともとは都市の物価が高い。営業費が高くつくというようなことから、ああいう
単価
の差ができていると承知しておりますが、今日これを仔細に検討して見ますると、必ずしも物価指数と、甲地、乙地の区別とはマツチしてないというのが現状でございます。さような
関係
上この問題につきましても、やはり筋としては何か考えなければならないというふうには思
つて
いるのでありますが、現在の甲地、乙地の区別、それ自身がすでに不合理に
なつ
ております。これは御引例になりました北海道にだけ暖房費を認められ、他の地域に認めていないというようなことと同列の問題であると思うのであります。そこで筋としては何か考えなければいけないとは思
つて
おりまするが、一面におきまして実は昨年の中央
社会保険
医療協議会におきまして、こうした一連の地域差の問題につきましては全面的な検討をする際に一緒に検討をすべきものであ
つて
、個々の問題を個々に取上げるということは中央
社会保険
医療協議会等ではしないことにしようというような決議がなされておるわけであります。そこで全般的な問題となりますると、先ほど御質問のございました臨時医療
保険
審議会の
決定
の方針というようなものが先ず先行すべきものだとも考えております。どうもこれは逃げ口上でなしに、そういうような破目に
なつ
ておりまする
関係
上、今私
ども
としては積極的に手をつけかねておるという……、余りにも問題が大きく、又むずかしいために積極的に案を出すというような段階までは至
つて
おらない実情でございます。
中山壽彦
34
○中山
壽彦君
まあ暖房費につきましては今年の十二月からの冬期間のことでございますから
相当
期間もありますので、それまでに十分御検討を願
つて
適切な処理をして頂きたい。又医療審議会の結論等も、まあ甲地乙地等についても各
方面
からいろいろな要求が出ておりまして私
ども
も非常に困
つて
おる。これらを勘案をされて成るべく速かなる機会にその医療審議会の結論の出まするように当局として御尽力を願
つて
おきたいということを特に今日申上げておきます。
高野一夫
35
○高野一夫君
ちよ
つと伺いたいのですが、この十四枚目の裏のところ、国民
健康保険
助成、その(2)の
保険者補助金
、それに三
通り
御
説明
があ
つた
ように思うのですが、その中にこの指導員とか、第三番目は
保健婦
でしたか。
久下勝次
36
○
政府委員
(
久下勝次
君) そうでございます。
高野一夫
37
○高野一夫君 そういうような
健康指導
とか、
保健婦
というものの活動に対して
保険者
に
補助
を与えるというわけなんでしようが、その
健康指導
とか、
保健婦
の活動とかいうようなことは、この国保のほかに保健所とか何かでやはりそういう面を担当している面があるわけですね。そうして更になお又例えば市町村とか、或いはこの別な
組合
とかいうものがそういうものをやる、それに対して
補助
をするというようなことは一つのケースとして重複するようなことがありませんか。保健所ならば保健所というものを充実させて、そこで健康の指導もする、環境衛生の指導もする、そうして
保健婦
の活動もやらせる。こういうことをするあれは、何も国保のほうでやるとか、健保のほうでやるとか何でやるとか言わなくた
つて
、やらなくた
つて
一本の線で国民に対する問題だからやれるのじやないか知らんというような感じを持つのですが、やはりここはここでこういうことを又別個にやらなけりやならんかということについてはどんなものですか。
久下勝次
38
○
政府委員
(
久下勝次
君) この問題につきましては、この
制度
の多少経緯もあるのでありますが、もともと各町村、国民
健康保険
をや
つて
おりまする町村におきまして一種の
保険
の自営、という言葉を使うと語弊がありますが、被
保険者
が病気にならないように健康の指導をして、そういうことによ
つて
保険
財政、国民
健康保険
の財政の安定を図りたいという目的のために、すでに現在四千人を超える
保健婦
が置かれておりまするので、それに対しまして従来から
補助金
を出しておりましたが、そういういきさつでこれはあるのでございます。
只今
の御指摘のございました保健所との
関係
につきましては、そのまま放置して置くということでありますれば、確かにそういう結果になろうかと思いまするが、一面、私は詳しくは存じませんが、保健所
関係
の
保健婦
の
補助金
にも限度があり、従
つて
置かれておりまする
保健婦
の人数にも限度があるわけでございまして、到底各町村にまで
保健婦
を駐在させるというようなことはできない実情にあるように聞いておるのでございます。そこで勿論
保健指導
の面につきましては保健所が中心に
なつ
てやるべきことでありまするので、厚生省部内におきましては公衆衛生局とはそのことも話合いをいたしまして国保の
保健婦
は国保から給与をもら
つて
働いてはおりまするけれ
ども
、それぞれ駐在する
関係
市町村の区域内の
保健指導
に当るわけでございます。それにつきましては保健所の指示を受け、その指導の下にやるというようなことで実体的に研究をしておる次第でございます。 なお国保を実施して
保健婦
を置いておりまする所は、全体の市町村から見ればまさに半分以下でございます。それを置かれていない所においては全部ではございませんが、県の駐在
保健婦
が置かれておる所もあるようでございます。これは文字
通り
お話のように保健所の指導の下に動くべきものと承知いたしておりますが、実体的には給与の出る所、身分の所属は違いますが、
仕事
のほうにおきましては保健所と一体と
なつ
てやるように指導をしておる次第でありますから、重複はないものと承知しております。
高野一夫
39
○高野一夫君 これは将来いろいろな
法律
の
改正
問題に引つかかるかも知れませんけれ
ども
、私が感ずるところではとにかく国保を設立して、おる市町村、そこでその
組合
なり、市町村なりが自衛手段としてやるということはこれは当然でしようけれ
ども
、いわゆる国民全般の健康問題とか、保健活動ということから言えば国保の設定があろうと、なかろうと当然考えるべき筋合のものであ
つて
、そうするならばこれだけの金を
補助
して、これを保健所なら保健所のほうにこの
予算
を持
つて
行
つて
保健所を増設するとか、保健所の
内容
を充実さして、その活動を機敏に拡げて行くというようなことにすれば、統制ある本当の保健活動ができるのではないか、こんなような感じがしてお尋ねしたわけですが……。
久下勝次
40
○
政府委員
(
久下勝次
君)
予算
の組替というような面につきましては、厚生省部内におきましてもそういう話合いが出たことはございます。併しながら一つには国民
健康保険
に対する
補助金
ということですでに実績を持
つて
いるというような点も考えなければならんし、又国民
健康保険
の経営主体として本
年度
までは三分の二
相当額
、来
年度
はこれは
補助率
が減りましたために四分の三
相当額
を国民
健康保険
の経営者として一応
負担
するわけでございます。そういうような
費用
が
予算
の組替によりまして
保険
なり何なりにかか
つて
参るということもありまして、果してそういうことが全体として形式だけで組替えるというだけで済むのかどうかというような問題もあるわけでございます。要するに私
ども
としてはすでに実績のある
補助金
でもありますししまするので、問題の御懸念のありまするような実質的な国民
保健指導
というようなものが行われまするように、連絡協調をとればそれで十分であるのではないかという話合いが一応厚生省内部でついて、又
地方
にもその線に沿
つて
指導をいたしておる次第であります。
高野一夫
41
○高野一夫君 なおその問題は私
ども
一つ研究さして頂きますが、国民
健康保険
にもあ
つた
と思いますが、日雇いのところにもある。そのほかにもあ
つた
と思いますが、
結核病床
の増設とか、
整備
とかいうことがありますが、これは国立病院とか、国立
療養
所にこれだけのものを増設するという
意味
ですか、
整備
するということは……。
久下勝次
42
○
政府委員
(
久下勝次
君) これは国立
療養
所だけではございません。
政府管掌健康保険
の分につきましては千五百床、
船員保険
関係
で百床、結局
政府管掌
の
保険
で合計千六百床に
なつ
ておりますが、これは既存の
療養
所又は病院に
結核
ベツトを付けるというような行き方で行きたいと思います。先ほど申上げたように、
船員保険
も病院を持
つて
おりますし、すでに今年から
結核
療養
所
施設
を船員のためのものを作
つて
おりますので、それの増床としてやるつもりでございます。
政府管掌健康保険
の点につきましては、先ほど申上げました七十カ所の医療
施設
をして行く
建前
でございます。それから
健康保険組合
が千九百床ほど先ほど申上げました本
年度
より殖えた病床を
整備
することに
なつ
ておりますが、これは
健康保険組合
に
補助金
を出しまして、
健康保険組合
がどこに作るかということは非常にまちまちでございます。国立の病院に委託したり或いは私立の病院にベツドを付けたりいたしますが、ただ個人の所有物で、国以外のものが所有する
施設
を付け足すということはいろいろその後の管理上の問題が起
つて
参りまする
関係
上、
建前
としては余り面白くないというやり方でございます。過去においては
健康保険組合
が国立の
施設
に委託してベツドを作
つた
こともあるように聞いておりますし、又実例も知
つて
おりまするが、その後これはみな寄附その他で
整備
をして参
つて
おるような状態であります。大体
社会保険関係
で
結核
ベツドを作りますものは、国立以外のものにそれぞれの話合いで付けられて行くというようなことになると、かように御了承願いたいと存じます。
高野一夫
43
○高野一夫君 そこで私はやはり先ほどの指導員、
保健婦
の活動と同じようなことを感ずるのですが、ここで
補助率
が少くあ
つて
も、やはり
社会保険関係
の病院、診療所、それにも
補助
を出して
結核
のベツドを殖やす、国立病院は国立病院で、
療養
所は
療養
所でやはりベツドを殖やす、こういうようなことが医務局
関係
の
予算
にも出ているわけであります。これは
政府
のほうでやるような
保険
関係
のものは、すべて例えば国立病院とか国立
療養
所というふうに統一するということは不可能ですか、一本の線で行くということは……。
久下勝次
44
○
政府委員
(
久下勝次
君)
昭和
二十九
年度
の
結核
ベツドの
整備
につきましては、従来からの計画の一環としてや
つて
おるわけでございます。私の承知いたしておりますところでは、国立
療養
所に対する
結核
ベツドは全然
予算
が認められない結果に
なつ
ておるわけであります。これは仄聞いたしまするのに、国立
療養
所にベツドを殖やすと必ずそこに定員の
増加
を見なければなりません。又勿論経常費も
一般会計
の
負担
に
なつ
て参ります。そういうような
関係
上、財政緊縮のことも影響したのかと思いますが、国の
経費
の
負担
がベツドを殖やすためにこれに伴
つて
非常に殖えて参ります。そういうようなことから国立の
施設
は今
年度
、二十九
年度
は認められなか
つた
と聞いておるのであります。厚生省全体の方針といたしましては、
結核
ベツドの
整備
は今お話のように国立の
施設
一本にしてしまうというようなことでありますと、今申上げたような
関係
もありまして、なかなか
予算
も取りにくいし、
整備
計画も立ちにくいので、どこでもとにかく心配のないところで経営がされる見込があるならば、できるところは相
協力
して国全体の
結核
ベツドの
整備
に
協力
するような
建前
をと
つた
ほうがよいのじやないかというようなことから、主として医務局、公衆衛生局、
保険局
のそれぞれの立場におきまして分担し、
協力
して
整備
をするという
建前
をと
つて
おります。
有馬英二
45
○
有馬英二
君 医務局長にお尋ねいたしますのですが、
保険局
で各
地方
に
保険
病院が建てられておりますが、どういうような、全国的な配置と申しますか、何か一定の基準の下にそういうことが行われておりますか、それを伺いたい。
久下勝次
46
○
政府委員
(
久下勝次
君) 配置につきましては、別段基準というものはありません。殊に現在先ほど申したように七十数カ所医療
施設
を持
つて
おりますが、この大
部分
は既存
施設
の買収によ
つて
当てたものが多ございます。勿論その後に新設したものもございますけれ
ども
、多くのものがそういうような経緯でできておりますので、私
ども
としては別段配置の計画等を持
つて
や
つて
おるものではございません。なお、先ほど
説明
のときに申上げましたけれ
ども
、来
年度
の
予算
の執行につきましては、新らしいものを作るという計画を持
つて
おりません。既存の
施設
の
整備
ということでや
つて
参るつもりであります。将来の問題といたしましては、厚生省部内でも今その種の問題が検討されつつありますので、国全体の医療機関の
整備
というようなことで従来も若干の計画はあるのでありまするけれ
ども
、そういう点につきましては更に検討をいたさなければならないと思
つて
おります。
有馬英二
47
○
有馬英二
君 国全体の医療
施設
というような点から考えますと、やはりこの
保険
病院若しくは
保険
診療所というものができるだけ多くできて、被
保険者
のために便宜を与え、又診療を完備せしめるというのがこれが常道だと私
ども
思
つて
おるのですが、併しそれだからと言
つて
、やはり民間の医業者に不平を起さしたり、或いは民間の医業を圧迫するというようなことがあ
つて
はならんと私
ども
は考えておりますが、そういうことについて従来しばしば何らか
保険
当局とそれから民間の医業、まあ
組合
ではないかも知れませんが、医師会というような間に意見の相違を来したというようなことを私
ども
はときどき聞くのでありますが、最近はそういうことが起
つて
おりませんか、どうですか。それを伺いたい。
久下勝次
48
○
政府委員
(
久下勝次
君) 前からの継続の問題で若干まだはつきりしないものがございますが、新らしく問題が起
つて
おるということは私は聞いておりません。確かにお話のように特にこれは国民
健康保険
で年々数百カ所の診療所を建てるというようなことをや
つて
おりますので、自然
地方
によりますと、中には感情の齟齬を来したり、お互い連絡の不十分なところから問題を醸しておるところもあるかも知れませんが、私
ども
はそういう問題を起すということは厳に戒しめておるよう
なつ
もりであります。
有馬英二
49
○
有馬英二
君 私
ども
特に北海道のような広いところで医師が非常に不足しておるような所、いわゆる僻村でありますか、そういうような所にできるだけ
保険
施設
によるところの診療所若しくは病院というようなものを建てて、これはまあ国民
健康保険
に属することかも知れませんが、できるだけ医療の完備を図
つて
頂きたいと思
つて
おるのですが、まあ特に北海道というと全国的から見るというと甚だ偏したことに
なつ
て或いは支障を来すかも知れませんが、併しながら北海道というような特殊の地域、そうしてこれからどんどんと人口の抱擁を国全体として図
つて
行かなければならん地域でありますから、特に医療の完備ということは、そういう地域においては他の地域よりも必要ではないかと私
ども
思
つて
おりますからして、そういう点について特別に
保険局
にお考えがあるかどうか、それを伺いたい。
久下勝次
50
○
政府委員
(
久下勝次
君) 確かにお話のように北海道の医療機関が非常に
整備
の状況が悪いということは私
ども
も承知しておりまするし、又その線に沿
つて
北海道から国民
健康保険
等の
補助金
を
申請
して来る向きが非常に多ございます。私
ども
としては先ほどお話のありましたような問題の起りません限りは、北海道には特に重点を置いて従来も
予算
の範囲内ではや
つて
おるつもりでございます。なお今後とも御
趣旨
に副うようにいたすつもりでございます。
横山フク
51
○横山フク君 先ほど高野
委員
から御発言がありましたけれ
ども
、保健所の
保健婦
と国保の
保健婦
の問題でございますけれ
ども
、私としては高野
委員
の御意見に全然同感なんでございます。で、局長から国保の
保健婦
も保健所の指導の下に置いて、その地域の保健活動を十二分にするという話であります。そうして保健所の管轄、監督に入るというお話であります。そういう行き方であ
つた
ならば又私としても過渡的な問題としていいかとも思うのでございますけれ
ども
、実情においては必ずしもそうでないのです。やはり町村のほうに行きますと国保の
保健婦
は、保健事業、目に見えない保健事業をするよりは助産行為をするほうがその村当局者としても又村民にも喜ばれるという形で、保健事業のほうよりもむしろ助産事業をすることによ
つて
、民間の助産婦業者を非常に圧迫しておるということが非常に声として出ているわけでございます。そういう殊に局長の今のような行き方を各会議等において十二分に
趣旨
を徹底して頂きたいということ、これが結局日本の保健事業の向上にもなると思いますししますので、是非機会あるごとに御督励願いたいと思うのでございます。 もう一つの問題は、やはり保健事業と助産行為の問題でございますけれ
ども
、これは局長も御熱心に御
協力
頂いておりますのですが、今の場合現物
給付
の対象に
なつ
ていない、医療行為の中に入
つて
いないということで、新らしくできる国保等では、助産事業は医療行為でないのだからという形で話合い等が行われてお
つて
、そうして極端に言いますと、必ずしも助産婦にかからないでもいいんだ、医者は勿論助産婦にもかからないでいいんだ、そのもらわれた助産手当のうちで、その他でや
つて
もまあ安く上ればそれで済むのだという形で、いろいろ経済的に窮迫しておる段階において言われているのを、県の助産婦等から聞くことがございます。これはひとり民間の開業の助産婦の職業的圧迫ということだけでなくて、母子衛生の面からい
つて
も非常に寒心事だと思うのです。今母子の保健についての国際条約の最低基準の問題も考えられるときでございますので、こういう面においてなお
一般
の御
協力
を頂きまして医療
給付
の対象に入るようなふうに御尽力願いたいと思います。それでございませんと、まあ必ずしもその他にかからないで助産婦にかかる場合でも、或る特定の助産婦を国保等で雇い上げのような形になるときには、実際において助産婦の数が今は需給状態において半数以上の人が若し雇い上げのような形を全国の国保がと
つた
場合には、失業状態になるのははつきりした数として出ておるわけでございます。併しそれが現物
給付
の形になりますと、そこに或る
程度
その日からもう一生失業というような形にならないで済んで、まあ半内職的になるかも知れないけれ
ども
、全部の人が或る
程度
救われるという形も出るしいたしますし、かたがたいろいろの状況からいきまして、これは医療
給付
の対象にして頂きたいということをお願いいたしたいと存じております。なお今後においてそういうことについて局長としてどういうような形で御
協力
の線が出るか伺わせて頂きたいと思います。 もう一つの問題は、国保、健保或いは日雇い労働者の
保険
におきましても、実際において或る線以下の人はそういう機構の中に入
つて
恩典を受けることのできない状態にあるわけであります。特に都会地におきましては
健康保険
或いはその他の
保険
等がございますと国保とい
つた
ようなものができない。町村等ではできますけれ
ども
、東京なんか将来国民
健康保険組合
は特別国保以外においてはできがたい状態にあるのじやないか。併し都会地においてこそ国保の形においてでも医療の救済をしなければならん人が数多くあるのだろうと思いますが、そういう線においてどういうふうにお考え頂けるか。これがなかなか進まないと特別国保がだんだんと多くできて来るだろうと思います。将来においてそれが全部が特別国保でなくて、
一般
の国民
保険
組合
ができたときに、いわゆる特別国保と
一般
国保との間にどういう形で
整備
して行くかということがだんだん時が経つに従
つて
むずかしい問題に
なつ
て来るんじやないか。又
一般
の国保ができるまで待ち切れない。当然できますが、私
ども
の場合におきましても、あれが二千人以上なか
つた
ら、その経済が賄い切れない。併し東京においては二千人以上の助産婦業者で特別
組合
もできますけれ
ども
、秋田県或いは岩手県等におきましては、特別
組合
を作
つて
も収支が償わない。併し
一般
の国保はなかなかできないということになりますと、その人たちの俸給ということも目に見えているわけでございまして、大体そういうことに対してどういうふうに将来お考え頂くか、私たちとして承わらせて頂きたい。だんだんと東京におきましても食品衛生の業者の特別
組合
もできますし、その他の或いは理髪業者においても特別
組合
もできましようし、それと
一般
組合
、国保との調整とい
つた
ようなもの、それからそういう
組合
ができても、なお小さい都市ではそういう特別
組合
もできない、
一般
の
組合
もできないという形もできると思いますので、そういうことのお考え等も伺わせて頂きたいと思います。
久下勝次
52
○
政府委員
(
久下勝次
君) 第一段の
保健婦
が
地方
におきましては助産に専念をしておる向きがあるというようなお話でありますが、この点はもともと
保健婦
を設置しております目的は私がさつき申上げた
通り
であります。それで、そういうことをやりますことはこの本来の目的でないと思いますから、十分指導をいたしたいと思います。 それから第二段のお話は、或いは誤解しておりましたら、又後ほど申上げますが、私は助産の
関係
を
健康保険
等で現物
給付
にしてくれというお話だと承わりますが、この問題につきましては、
只今
私
ども
としては検討しておると申すのがまあ正しい言い方だと思うのでありますが、社会保障の最低基準に関する条約が本国会に報告に
なつ
ております。これの批准をするかどうかという問題が次に起る問題だと思
つて
おりますが、これは恐らく国会の御審議の結果によるものと思
つて
おるのであります。その際最低基準に関する条約では原則的には現物
給付
であるべきであるということに
なつ
ております。ただ総則の
規定
で若干それでなくてもいいような表現はしてありまするけれ
ども
、それでなくても、果して現在のようなやり方でいいかどうか、私のほうとしても考えなければならんと思
つて
おります。やはり御要望のように現物
給付
にするという線を考えてもいいというふうな
程度
まで私
ども
の考えは来ております。ただ、これは今直ちに
法律
の
改正
をするかどうかという点につきましては、最低基準の条約の批准がどうなるかということと見合いをいたしまして結論を付けたいと思
つて
おる次第であります。主管省の外務省、労働省あたりのお話では、最低基準の条約を批准する場合に、
関係
法令で変えなければならないものがあれば、一括した扱いをしたいというようなお話も出ておりますので、その際のお話にいたしたいという考えでおります。 それから
最後
の特別
関係
と地域国民
保険
との問題でありますが、申すまでもなく、国民
健康保険
法の第二条の二の項に、「国民
健康保険組合
又ハ営利ヲ目的トセザル社団法人ハ市町村が国民
健康保険
ヲ行ハザル場合ニ於テ之ヲ行フコトヲ得」こういう大原則が立てられておりまして、地域
保険
が優先をするという
建前
でございます。従いまして、私
ども
のほうとしても、特に本
年度
からの
助成交付金
が
補助金
として出るようになりました
関係
もあり、全国的に地域的な国民
健康保険
の普及に主力を注いで指導をいたしているような次第でございます。併し確かにお話のように、大都市におきましてはなかなか地域
保険
の実施が困難である。急な実施は困難な模様であります。ただ、名古屋市におきましては
相当
この機運が動いておりまして、なおまだ若干反対意見もあるようでありまするが、
相当
具体性を持
つた
計画が進められておるように聞いております。併しまだこれは実現するかどうかは先の問題でありますが、いずれにいたしましても、そういう名古屋のような大都市におきましてそういう機運が動きつつありますということは、将来の一つの行き方を暗示しているものと私は思いまするし、又私
ども
といたしましても無理のない
程度
におきまして
協力
いたしておる次第であります。そこで、そういう
関係
上、特別国保を現在の段階におきましては認めて行かなければならない場合もあると思いまするが、併し指導といたしましては、将来この地域に、特別国保の被
保険者
の住んでおります地域に地域の国民
健康保険
が実施される場合には、そのほうに移
つて
行くような指導をいたすつもりでございます。
法律
上の
制度
としては必ずしも明白ではございませんけれ
ども
、
建前
としては今申上げた第二条のこの
規定
の大原則によりまして、地域的な国民
健康保険
が優先をするという指導をいたしたいと思
つて
おる次第であります。
横山フク
53
○横山フク君 私ははつきりわからないで重ねてお伺いするのでありますけれ
ども
、優先するということになりますと、すでにできた特別
組合
は解散して……、今後においてできる場合は別でございますけれ
ども
、すでにできた特別国保は解散してそちらに包括するのでございましようか。
久下勝次
54
○
政府委員
(
久下勝次
君) その点につきましては、解散をしろということが言えないような
規定
があるのでございます。これは国民
健康保険
法の第八条の十五という
規定
がありまして、市町村が国民
健康保険
を行う場合、即ち地域
保険
をやります場合には、特別国民
健康保険組合
の被
保険者
は被
保険者
から除外する、こういう
規定
がございます。この
規定
は、第二条のこの先ほど申上げた
規定
とは
ちよ
つと矛盾した
規定
であります、見ようによりましては……。この
規定
は、すでに業種別の特別
組合
ができて、その被
保険者
に
なつ
ておりますものが地域
保険
ができたからとい
つて
、当然にその方に移るというようなやり方をいたしますると、特別国保のほうに
相当
な無理が行くことになろうかと思います。解散をすると言いましても、権利義務の承継その他いろいろ面倒なものが、起りますので、
建前
としては、すでにありますものは一応はそうして置くというのが
法律
の立て方であると思います。従いまして、これは私が申上げたのは
法律
上そうなるという
意味
じやなくて、将来の問題として、地域
保険
ができたならば、それが優先するというよう
なつ
もりで特別国保の運営をして頂くということを申しておるわけであります。具体的に区別して申上げなければならんのでありますが、特別国保が県下一円とか、或いは数県にまたが
つて
できたというような場合、その極く一部の被
保険者
が住んでおる地域が国民
健康保険
を始めた場合、全体の
保険
がそのほうに移れるという場合には、その原則に従
つて
その方々は特別国保からはずれて頂くようにしたほうが地域
保険
の性質からいいじやないかと思いまして、そういう点を指導して参りたい。又特別国保が解散をしなければならんというような、根本的に特別国保の生命に触れるような問題になります場合には、
法律
の
建前
は
建前
でありますが、指導としては十分にこれは考えて行かなければならんと思
つて
おります。そういうふうに、場合によ
つて
区別して参りたいと思います。
横山フク
55
○横山フク君 よくわか
つたの
でございますけれ
ども
、私は特別国保は都市或いは府県単位ぐらいで、過渡的に、地域のができない場合においては止むを得ないとは思
つて
おるのでございますけれ
ども
、国全体としての地域とした特別
組合
にまで発展すべきものではないという考えを持
つて
おるのでございますけれ
ども
、その前に地域の国保を作ることに促進
協力
をあらゆる面においてすべきだと思
つて
おるのでございますけれ
ども
、実は派出看護婦の場合において、全国的な国保を作ることのほうにこれは局のほうの御意向があ
つて
、そちらのほうに推進をされておるということを、これは私誤解、誤聞、誤報だろうと言
つて
打消して置いたのでありますけれ
ども
、これはどういうような事情なんでございましようか。
久下勝次
56
○
政府委員
(
久下勝次
君) 派出看護婦の特別国民
健康保険組合
の問題は
只今
お尋ねのようなふうに簡単な問題に
なつ
ておらないのであります。当初東日本、西日本、大体京都辺を境にいたしまして、東日本と西日本とそれぞれ派出看護婦が一緒に
なつ
て特別国民
健康保険組合
を作りたいという
申請
が出て来たのであります。ところがその
申請
が出て来ました当時、これは一昨年でございますが、その後すでに東京と大阪にはそれぞれ東京と大阪府下一円の特別国保は同じ市と市とについてできております。そこでその辺との調整も考えてもらうべきだということを申してお
つたの
であります。ところがその後だんだん情勢が変
つて
参りまして、その辺の話合いをつけるように話をしておりますうちに、東京都にあります派出看護婦の
組合
が、これは他の
関係
から全国的に足がかりを持
つて
いるということで、全日本の派出看護婦
組合
を作りたいという別の
申請
を出して来たわけであります。そこで私
ども
としては、これは一定の
申請
が出て来ます限り何らの理由なく断わる理由はないと思います。かとい
つて
そういうふうに重複した、地域的にも恐らく具体的に被
保険者
の面からも重複して将来の運営上いろいろ問題を醸すであろうようなものに、
申請
があ
つた
からとい
つて
全部認可するというわけには参らんと思います。そこで何かこの辺の話合いをしてもらいたいということで、国会議員の方々にも大分お骨折を頂いた方もあるのでありますが、結局その方方の御意向が、ともかく一本に
なつ
たらどうかという御意見でありましたので、一本になりましたならば私
ども
としてもすつきりとしたものとして認可をしてもよろしいがというふうに申してお
つた
程度
でございます。そうでなくてはならんというふうにも申しておらん、要するに一本に
なつ
てもらいたい、これは全日本として一本になるのか、東日本、西日本でそれぞれ一本になるのか、それは別問題でありまして、私
ども
といたしましては、いずれにしてもすつきりとした形に
なつ
て頂かないと認可はしにくい、こういうふうに申した次第であります。
横山フク
57
○横山フク君 今の話はよくわかるのであります。私もそういうふうに局長からの話があ
つた
と了承してお
つたの
でございますが、局のほうの方針が全国的なものでなければいけない。私は今のああい
つた
ごたごたした状態においては、各府県別或いは都市別くらいのところでも
つて
まとま
つた
らそれでするのがいいので、全国的にやはり岩手県や何かで百五十人やそこらの人まで全国的に入れるということは事務的にもいろいろ煩瑣だから、それよりは
相当
まとま
つた
ところの都市等でなさ
つた
ほうがいいのじやなかろうかと言
つた
ときに、いや厚生省のほうから全国を一つにしたときに、初めて特別
組合
を許すということが言われたから、どうしてもそういうふうにしなければならんという話があ
つたの
でございますので今ここで伺うわけです。
久下勝次
58
○
政府委員
(
久下勝次
君) 私申上げたことをもう一度申上げまするが、私は先ほど申したように解釈もしているし、又そのつもりでもございますが、ただ中にいろいろお世話を頂いております方々、これはそれぞれの
関係
者とは別の立場から大所高所に立
つて
いろいろ御判断を頂いているその結果、やはり全日本というのが一つ出て来ているのだから、むしろそういう面で大同団結をしたらどうか、こういうようなお話があるのであります。そういう場合に厚生省は認可するかと言うから、そういうふうにすつきりしたら認可してもよろしうございますということを申しているのでございます。どちらでもいいのだとは申しながら、そういう
関係
がありますから、そういうものの言い方をしておりますことを御了承願います。
湯山勇
59
○湯山勇君
最初
に、
日雇健康保険
の
保険
施設
の二百十万円というのはどういうことに使うのでございますか。非常に額が少な過ぎるようで、
内容
が
ちよ
つとわかりかねるのでございますが……。
久下勝次
60
○
政府委員
(
久下勝次
君) 大変申訳ないのでございますが、具体的にどういう
費用
が
内容
として
計上
されておりますか、
資料
を持
つて
来ておりませんので、担当の者がおりませんものでありますから、大変恐縮でございますが、のちほどお答えさして頂きたいと思います。
湯山勇
61
○湯山勇君 次にお尋ねいたしたいのは、
日雇健康勘定財源
のところで、
給付期間
を六カ月に延長された、これは非常に結構なことだと思います。併し先ほど高野
委員
、横山
委員
のほうからもございましたように、六カ月に医療
給付
の期間が延長になりましても、結局医療
給付
を受けるように
なつ
たものは、傷病
給付
がない限り直ちに殆んど大
部分
が生活扶助を受けなくちやならないように
なつ
て来ると思うのですが、そうすれば受けるほうは生活扶助や受け、一方においては
健康保険
の医療
給付
を受けるというような二本建ての
給付
を受ける、これは非常に複雑な状態に
なつ
て来ると思うのですが、このあたりも日雇の健保のほうがはつきりしてくれば、つまり傷病手当も受けられる、傷病
給付
もつくということになれば、生活扶助のほうをこちらへ廻して、結局局は違いますけれ
ども
、
保険
政策から大きく言えばそのほうがいいのじやないかというふうに考えられるのですが、今回傷病
給付
をつけないで期間だけ延ばしたのは、どういう理由によるのでございますか。
久下勝次
62
○
政府委員
(
久下勝次
君) 打ち明けて申しますると、実は厚生省は当初の
予算
の要求額は
保険給付費
の三分の一
相当額
、三割三分の
国庫負担
を要求したわけであります。その
程度
認められますれば、お話の傷病手当金の
給付
もできまするし、又現行法にございません葬祭料、助産等の
給付
もできるわけでございます。いろいろ
予算
の折衝をいたしました
最後
の段階におきまして、一割
相当額
以上認められなか
つた
、そこで一割
相当額
で何をするかというようなことを計算をして見ますると、丁度現在の三カ月の
給付期間
を、六カ月に延ばす以上のことは何もできないわけであります。特に傷病手当金を支給するということは、非常に金のかかる問題であることは申すまでもありません。私
ども
としては、確かにお話のようなこの
程度
のことをや
つて
お
つたの
では、生活保護との競合がありまして、かなり事面倒だとは思
つて
おりますが、
建前
としては生活保護
制度
というのは、やはりこうした
保険
制度
の補完的な作用をするものでございますので、この被
保険者
の中にも生活保護の厄介にならないでも、何とかこの
程度
療養
して行ける人も中にはあると思います。そういうようなことのできない人に対しては、生活保護は補完的な作用をするという
建前
であるべきでありまするので、
予算
の組替えというものも簡単にはできかねる事情もあります。問題は今お話のように将来を期する以外にございませんが、傷病手当金もこの
保険
で出せるように、漸次完備して行くものと思
つて
いる次第であります。
湯山勇
63
○湯山勇君 厚生年金については法案が出されますそうですから、そのときにいろいろお尋ねすることにいたしまして、今度の国民
健康保険
の問題です。これについては保健所についてもその他についても、
補助率
の引下げがなされまして、その中には
平衡交付金
で見られるものもあるというようなお話でございましたが、どれを
平衡交付金
で見るというのを先ほど聞き漏らしたのですが、その点をもう一度はつきりこの
補助率
を引下げた分は
平衡交付金
というように一つお示し頂きたいと思います。
久下勝次
64
○
政府委員
(
久下勝次
君) お手許に差上げた
資料
は極めて簡略にしてございまするから少し補足して申上げまするが、先ず上からずつと参りまして(6)の
審査会補助金
、これは全額六十一万円本
年度
削除に
なつ
ておりますが、これは
平衡交付金
にそのまま廻すということに
なつ
ております。それから戻りまして恐縮でございますが、(4)の
指導監査委託費
二百三十四万四千円
減額
に
なつ
ておりまするが、これは先ほど申上げたように、従来は
普及指導費補助
と
なつ
ておりますのを、こういう名称に変えまして、そうして監査指導に重点を置くというような
建前
になりました
関係
上、
予算
の積算が変りまして、
減額
に
なつ
たわけですが、この
減額
分は
平衡交付金
で見るという約束に
なつ
ております。 大体
予算
の上に現われておりまするもので、
平衡交付金
で見てもらうものは以上のようなことでありますが、このほかに国民
健康保険
の
関係
で、
平衡交付金
で見てもらう
予定
のものが
相当
多数ございます。先ず第一は、国民
健康保険
の各都道府県の専任
職員
、監督指導をいたします専任
職員
、各府県平均八人の人を置くことに
なつ
ておりますが、これは従来から
平衡交付金
に入
つて
おりまして、その
総額
は百四十八万八千二百三十八円、それから今申上げました従来の普及指導費、今度
指導監査委託費
になりました分の差額、差額といいますか八十二万四千円ほどは、今
平衡交付金
に見てもらうように交渉をいたしております。大体これは約束ができそうであります。そのほかに国民
健康保険
委員
会というのがこれも国民
健康保険
の連絡調整等を図りますために置かれておるものでありますが、これに要する
費用
、これは極く僅かでありますが、十三万円ほどの金であります。それから診療報酬の審査
委員
会というのがこれも各府県にあります。それが約二百万近い金に
なつ
ております。それから国民
健康保険
の審査会、これは先ほど申上げた
審査会補助金
、今度
補助
から落ちましたけれ
ども
、これは所要額を若干増しましたけれ
ども
平衡交付金
で見てもらう。大体以上大まかな
数字
を申上げましたが、実はまだ折衝中のものがございまして、
数字
が固ま
つて
おりませんで、以上申上げましたような項目は、ここに
補助金
として上
つて
おりますもの以外に、従来から見てもら
つて
おりますものが、又新たに振替えになるものがあるわけでございます。
湯山勇
65
○湯山勇君 今の御
説明
以外の国民
健康保険
の助成の第二項の
保険者補助金
、これの
事務費
が三分の一から四分の一に減じたと、この分は
平衡交付金
で見るということに
なつ
ていないのでございましようか。
久下勝次
66
○
政府委員
(
久下勝次
君)
事務費
は全額という
建前
でありますから、三分の一、四分の一は問題ございません。被
保険者
一人
当り
二十八
年度
と同様に、六十二円七十銭で積算しております。三分の一が四分の一と
なつ
ておりますのは
保健婦
の
補助金
でございます。これは国民
健康保険
が
特別会計
でや
つて
おります
関係
上、国民
健康保険
の対象にはならないのです。従
つて
御
説明
申上げた
保健指導
員
補助金
というのは、あれは落ちたままに
なつ
ております。 それから先ほど湯山
委員
からお尋ねがございました
日雇健康保険
の
保健施設
費二百十万円、これは差
当り
大きな
仕事
もできませんので、パンフレツト等を作りまして健康保持増進というような
方面
の宣伝と申しますか、指導と申しますか、そういうものをいたすために使う
予定
でございます。
湯山勇
67
○湯山勇君
保健婦
の今の
補助
が三分の一が四分の一になるということになれば、これは運営に支障を来すというような心配はないのでございますか。
久下勝次
68
○
政府委員
(
久下勝次
君) 絶対にないとは申上げられませんけれ
ども
、この
程度
でありますれば、何とか賄
つて
もらえるのじやないかと思います。と申しまするのは、
単価
を本年よりも若干ではございまするが
引上げ
ております。
昭和
二十八
年度
の
単価
を御参考に申上げますると、
保健婦
の給与一人
当り
年額九万三千円、旅費として五千円、これが一人
当り
の
単価
として、これによ
つて
積算しておるのであります。
昭和
二十九
年度
の
予算
におきましてはこの給与の額を十万二千八百円に上げております。そうして旅費は同額でございます。これは
保健婦
の実際おりまする数が四千人
ちよ
つと超えただけでありますので、
保健婦
数で調整いたしまして、
単価
の
増額
をいたすように積算をしております
関係
上、四分の一になりましてもその辺は少し
金額
の面では上
つて
来るわけであります。併し三分の一から四分の一に下
つた
ということは、確かに影響絶無とは申せないと思いますが、私
ども
としては何とかこれで、
一般
の方針でもありまするので、止むを得ず了承せざるを得なか
つた
という事情であります。
湯山勇
69
○湯山勇君 今の
単価
の計算は、保健所もどういうふうに計算してあるか御存じないんでございましようか。
久下勝次
70
○
政府委員
(
久下勝次
君) 保健所の
保健婦
より低うございます。
予算
の
単価
としては……。
湯山勇
71
○湯山勇君 その理由を
ちよ
つと。
久下勝次
72
○
政府委員
(
久下勝次
君) その理由とい
つて
別にないのでございますが、私
ども
としては保健所の
保健婦
と同額の
単価
で
予算
の折衝をいたしたのでございまするけれ
ども
、もともとこれは
最初
に頭から落ちてお
つた
予算
でございまして、その復活に骨折りまして、まあ漸やくこの
程度
で話合いがついたというふうに御了承頂くほかにないと思います。
有馬英二
73
○
有馬英二
君 今お話に
なつ
た二分の一を四分の一に減らしたというのは、保健所のほうも三分の一を四分の一に減らしたんですね、同じに歩調を合したというわけですか。
久下勝次
74
○
政府委員
(
久下勝次
君)
政府
全体の方針といたしまして、この種の
補助金
の
補助率
を引下げるということで、全般的にこういう措置がとられました次第であります。
湯山勇
75
○湯山勇君 今の
一般
保健所と健康保健の
保健婦
との不均合ということについては、なおどういう理由かということをあとで御
説明
願いたいと思うのです。どれくらい違うのでございますか。
久下勝次
76
○
政府委員
(
久下勝次
君) 今正確に記憶いたしておりませんが、保健所
保健婦
は年額が十四万ぐらいに
なつ
てお
つた
かと思います。これは或いは間違いがあるかも知れませんので、後ほど訂正いたしたいと思います。
湯山勇
77
○湯山勇君 あとで結構です。
藤原道子
78
○藤原道子君 この
保健婦
が保健所とそれから国保と町村直営診療所等々幾重にも別れておるんですね。そうしてその資格がまちまちなのです。そうして非常に身分上の保障も何もないのですが、これはどうしても一本の線で行くべきだと思いますが、局長はどう考えていますか。
久下勝次
79
○
政府委員
(
久下勝次
君) その点は先ほど高野
委員
の御質問にお答えした
通り
でございまして、私は
只今
の段階、私だけの考えでなしに、これは厚生省としての
決定
した方針でありまするが、無理矢理にこれを保健所に無理にまとめるということが一体いいかどうかという問題も考えなければならないと思
つて
おります。もともとこの国民
健康保険
の
保健婦
というのが、国民
健康保険
の運営それ自体にこういう人を置いて働いて頂くことが国民
健康保険
のためにもなる。こういうことのために、つまり
保険給付費
はできるだけ事前に
保健指導
することによ
つて
医療の
給付費
を減らす効果は現われて参ります。そのことは又国民
健康保険
自体のためのみならず、その地域の住民に対してもいいわけであります。私
ども
としては国民
健康保険
の育成という立場からこれに指導的
補助金
を出しておるわけでございます。そのことが同時に又
一般
の
保健指導
というものに関連をするわけでありますから、国民
健康保険
にこれを置いちやいかんという理由は私はないと思います。置きました場合に
一般
の
保健指導
と食い違
つた
仕事
が行われるということになることは、これは絶対に許すべきでない。そういう
意味
におきまして保健所の指導に基いて
保健指導
が行われる。身分こそ違え実体的には同じような方針で動いて行くということでありますれば、私は目的を達するのではないかと思いまするし、又それが一応現段階における厚生省の
決定
した方針と
なつ
ておる次第でございます。
藤原道子
80
○藤原道子君 それが保健所に置いていかんというのじやないのですよ、国保にね。だけど身分を統一するということが必要だと思うのです。それから先ず始めたいと思いますが、隘路となるのはどういうところにあるのですか。
久下勝次
81
○
政府委員
(
久下勝次
君) これは湯山
委員
の御質問にお答えする
資料
を持
つて
来たときに御
説明
したほうがいいと思いますが、給与の差等を付けるのはおかしいという御
趣旨
だと思います。七の点は先ほど湯山
委員
の御質問にお答えをする
資料
を差上げるときに、又御
説明
申上げたいと思います。それにまあ御要望にはございませんでしたけれ
ども
、国民
健康保険
の場合におきまして実際にどのくらいの
給付
を出しておるか、こういうことになります。私
ども
としてはそれは八万円きり出していないところに十万円を出さなければいかんというわけにも参らないのであります。その辺は実情を実際に調べまして又差上げたいと思います。
湯山勇
82
○湯山勇君 先ほど
平衡交付金
に移された各種の
経費
についてでございますが、これはまだ
地方
財政計画が出ておりませんので、どうなるかわかりかねるが、従来よくそういうふうに
平衡交付金
のほうへこれだけは廻すというような御
説明
がありながら、実際は廻
つて
いないで切り落されたというものが
相当
たくさんございます。この点につきましては、今局長が御
説明
に
なつ
た点については一つ是非確保して、これはこういうふうにこうや
つた
ということの御報告もあとで頂きたいと思います。それだけお願いいたしまして終ります。
有馬英二
83
○
有馬英二
君 日雇労務者は昨年この
法律
ができた時分に対象がたしか五十万人とおつしや
つた
ように思います。ここに書いてあるのは又五十万人と
計上
されておるようですが、そうすると昨年は
年度
中途であ
つたの
かと私は思うのですが、これはどうも大変差が少な過ぎるように思うのですが、どういうような……。
久下勝次
84
○
政府委員
(
久下勝次
君) 国勢
調査
の面から見ました
日雇健康保険
の総数、
日雇健康保険
の対象となると見込まれる数は約九十万ほどあることは事実でございます。併しながら先ず第一にはこの国民
健康保険
の適用事業所に働く場合にのみ適用されるということになります
関係
上、
相当
大幅に内輪に見なければなりません。一方におきまして失業
保険
という大体対象を同じようにした
制度
が現在ございます。これが実際の被
保険者
四十五万人
程度
、そこで私
ども
としては一応五十万人という
予定
を立てたのであります。なお御参考に申上げますると、十一月から
申請
によ
つて
手帳の交付をいたしております。手帳の交付というのは被
保険者
に
なつ
たという証拠でございますが、極く最近まで、一月一ぱいぐらいまでに交付いたしました総数が三十万人
ちよ
つと欠けております。これは失業
保険
の創設当時の経過を見ますると、やはりそういうふうな状況を辿
つて
おりまして、漸次殖えて来ておるというような実情でございますので、来
年度
五十万人という見通しは決して少くはないと思
つて
おる次第であります。五十万人
程度
を見込んでおれば、経理はできるであろうというふうに考えております。
中山壽彦
85
○中山
壽彦君
久下
保険局
長にもう一つお願いしておきますが、
社会保険
の
事務費
は全額
負担
ということに年々我々もお願いして殖えているが、現在なお
地方
に行きますというと
事務費
が足りない、或いは又
事務費
を少し他に流用しているような傾向が出ておらんでもないと思いますが、これは一つ中央において今後十分に監督をされまして、そういう不均衡のようなことのないように、全額
国庫負担
の実を挙げて行きたいということをこの際お願い申上げておきます。
藤原道子
86
○藤原道子君 いま一つ、今非常に心配に
なつ
ているので、
最後
に一つお伺いしたいのですが、
保健婦
さんの……、四分の一に
補助
が切下げられたということによ
つて
地方
負担
がいたしかねるというようなことで、
保健婦
さんの数の減少等に
なつ
て現われることはないでしようか。そういうことになると、折角の
保険
給付
というものに支障を来たすと思うのでございますが、私その点非常に心配なんです、四分の一に
なつ
たということが……。こういうことに対して局長はどういうふうにお考えに
なつ
ているでしようか。結局そういうところでバランスを合せようとする従来のやり方が私は気に
なつ
て仕方がないのです。
久下勝次
87
○
政府委員
(
久下勝次
君) そういう点におきます見通しにつきましては、私も自信を持
つて
お答えができないのであります。ただ三分の一が四分の一に減
つた
から、すぐに
保健婦
をやめさしてしまうというような結果にはなるまいと思いまするし、又ないように指導いたすつもりでございます。
藤原道子
88
○藤原道子君 この点に関してはすでに
保健婦
さんたちの間に非常な不安動揺を来たしております。そういう点も十分お考えに
なつ
て、そういう結果にならないように厳重な御指導をお願いいたします。
上條愛一
89
○
委員長
(
上條愛
一君) それでは又十九日に若し残
つて
いる
質疑
がありましたら願うことにいたしまして、大体
保険局関係
を打切ります。 それでは国立公園について森本部長から
説明
を伺います。
森本潔
90
○
説明員
(森本潔君) 国立公園の所管の
予算
につきまして概略御
説明
申上げます。書類は前のほうでございまして、一頁の裏側、中頃に六番といたしまして国立公園等
経費
というのがございます。この中身は国立公園の
費用
と、それから国民公園の
費用
と、それから温泉
関係
の
費用
と、この
三つ
に分れておりまして、この書き方は一番が
整備
費と、二番が運営費と、二つに分れておりますが、いずれもそれぞれ今申しました三種類のものにつきまして
整備
費と運営費を分けたのでございます。先ず
総額
でございますが、本年は約八千六百万で、昨
年度
に比べまして約六百万減に
なつ
ております。主なものはあとで申上げます
整備
費の
補助金
の一千万円の減が影響しているわけでございます。その他は大したものでございません。 (1)の
整備
費でございますが、その
内訳
へ入りまして、国立公園
施設
整備
補助金
、これは都道府県に対しまして二分の一の
補助
をいたして公立公園事業の
整備
を図る
費用
でございます。これが
補助金
整理
等の方針に従いまして二割減の四千万ということでございます。 次が集団
施設
地区不動産購入費、この集団
施設
地区と申しますのは、各国立公園におきますところの利用の中心地でございまして、例えば日光で申せば湯本、中禅寺湖畔或いは山梨で申しますれば富士五湖附近というような所でございます。遊覧地でございますが、これが多くは農林省所管の営林財産に
なつ
ております。それを昨年来農林省の手を離しまして厚生省の所管に入れて、専ら公園の目的に供する、こういう方針を立てまして、昨年来その移管を始めておるわけでございます。それの所管替えの
費用
がこの不動産購入費というものに
なつ
ております。昨年三カ所移管いたしまして、本年は同様三カ所を
予定
しております。北海道の大雪山の層雲峡、それから十和田に生出という所がございます。これは休屋の近くでございますが、それと宮崎県の霧島の蝦野という所、いずれもそれぞれ五十町歩乃至百町歩近い面積でございますが、これを利用の基地として厚生省が移管を受けて
整備
して参りたいと思うのでございます。この
費用
が約六百万でございます。 その次の集団
施設
地区
施設
整備
費、これは今申しました厚生省所管になりましたその利用の基地の
施設
を
整備
する
費用
でございます。直接国がやることにいたしまして、本
年度
は昨年移管を受けました日光の湯本、中部山岳の上高地、それから北海道の支笏の湖畔、この三カ所に若干の
施設
をしたいというので五百万円の
経費
を
計上
してございます。 次が国民公園
施設
整備
費、国民公園は新宿御苑、それから皇居外苑、京都御苑と、この三カ所でございます。それに若干の
施設
をする
費用
でございます。例えば皇居前でございますと舗装を直しますとか、電柱を立てますとか、それから新宿御苑でありますと、芝生を張り替えましたり、まあ奇麗にして行く
費用
でございます。これが大体昨年同様な
数字
の約四百万円でございます。 次が二番目の運営費でございますが、これは国立公園
関係
と国民公園
関係
とそれから温泉
関係
が一括されておりますが、総計三千万でありまして、そのうち一番多い約二千二百万円はこれは国民公園の運営費でございます。今申しました三カ所の公園を手入して奇麗にして行くという
費用
でございます。
相当額
が嵩みますが、併しあれを奇麗にして行きますためには、実はこれでも足らんというような計算に
なつ
ておりますが、大体昨年より若干
増加
で賄
つて
行きたいと思います。それから残りの八百万円、これは国立公園の維持管理をする
費用
でございます。主として管理員、指導員を置きましていろいろな取締りをしたり、或いは指導をする、こういう
経費
でございます。それから温泉
関係
はこの中に入
つて
いるのでありますが、約五十万円
程度
でございます。合せまして約三千万円ということでございます。 以上簡単でございますが、御
説明
を終ります。
上條愛一
91
○
委員長
(
上條愛
一君) 御
質疑
はありませんか。
湯山勇
92
○湯山勇君 一つだけ。国定公園と準国立公園という言葉が前に出ておりましたんですが、あれはどう
なつ
ているのですか。
森本潔
93
○
説明員
(森本潔君) 国定公園と通称申しておりますが、これは国立公園にならないが、併しまあ国立公園に準ずる
程度
のいい所だというのを、これを国定公園と言
つて
おります。
内容
は国立公園法の一部を準用することに
なつ
ております。これが現在
三つ
ございます。琵琶湖に、それから九州の耶馬渓附近、それからもう一つが佐渡でございますが、この三カ所でございます。これの
予算
的の措置は、これは大体国立公園法の一部を準用いたしまして都道府県が管理をするように
なつ
ております。それでそれに要する
経費
というのは国のほうで余り
計上
いたしません。
補助
の要望もございますが、まだそこまで参
つて
おりません。但し、若干の管理というか、取締りの人夫賃を見ている
程度
でございます。今
三つ
でございますが、本
年度
内には目下
調査
選定しておりますものにつきまして
相当
数の
増加
が国定公園についてあるんじやないかと考えております。
藤原道子
94
○藤原道子君 どうも国立公園は
厚生委員会
の所管でありながら我々よく余り知らないんですが、一つ国立公園の写真とか何とか参考
資料
を下さい。我々よく行けやしないからわからないのです。
森本潔
95
○
説明員
(森本潔君) わかりました。
横山フク
96
○横山フク君 それに関連しておりますが、私もそう思います。私も知らないからセンスが違
つて
いるのかも知れないけれ
ども
、国民公園運営なんかも、
相当
お金は二千万円ばかりでたかが知れていると言
つて
おりますが、東京みたいなお金持の所は東京都のほうの運営にして、それだけのお金はむしろ貧乏の県の国立公園に持
つて
行
つた
ほうが遥かにいいと思いますが、私にはわからんのですが、これは結局知らないところから来るのかも知れないけれ
ども
、一体国立公園というものはどれだけ意義があるか、都立の公園にするのとどのくらいの違いがあるか。それが何だか国の一つのアクセサリーになるかどうかも問題になるだろうと思うし、まあいろいろわからんから、こういう発言をすることになると思いますけれ
ども
、併しこれは教えて頂く機会があればなお結構だと思いますけれ
ども
、藤原
委員
の御意見に同感であるし、写真でなくても、いろいろな参考
資料
や何かがあ
つて
もらえればなお結構だと思います。
森本潔
97
○
説明員
(森本潔君) 私のほうの御
説明
等が従来不行届の点があ
つて
、
只今
のようなお話が出たんだと思います。今日もこれはえらく簡単に済ましてしま
つたの
でありますが、一つ適当な機会を得ましていろいろ
資料
を揃え、十分の認識を得られ、御指導を受けたいと思います。そういう機会も私のほうも作
つて
頂きますれば、なお、公でなくても御
説明
しなければならんと考えております。
上條愛一
98
○
委員長
(
上條愛
一君) この問題についてはなお十九日にありますから、
資料
が整いましたらお見せ願
つて
御
説明
願いたいと思います。 本日はこれで散会いたします。 午後零時四十九分散会