○
説明員(
曾田長宗君) 換算したものでございます。かようにして
比較をしてみますと、この不
均衡を一応
数字で見まして、この不
均衡を是正いたしたいというふうに
考えた次第でございます。
それから第三の新
医療費の
体系の
説明でございますが、これにつきましては新
医療費体系を立てます
一つの条件と申しますか、制約と申しますか、
一つの
方針を立てたのでありまして、その
方針というのが
大臣から先ほど御
説明になりましたような幾つかの条件であるわけでございます。それに次ぎましてそれではどういうふうに新
医療費体系を立てるかということになりまして、これは新
医療費の
体系の
骨子として載せてあるのでございます。
大臣から大体の筋はお話しにな
つたのでありますが、この場合にb、の三行目あたりに書いてあると思うのでありますが、この前の
臨時診療報酬調査会で
答申されましたうちに、
診療行為の難易度というものを本当は
考えるべきだというような
工合に載
つてお
つたのであります。その
診療行為の難易度といいますものは、これはこれを
数字的につかむことがむずかしいものでございますから、ここの
計算といたしましては一応これは将来の問題として残しておきました。一応難易度については
平均的なものをと
つて、結果といたしますれば結局
医師の
技術料というものに対する
報酬は、一応時間で計るという建前でこの
計算を進めたわけであります。この問題は決して無視していいという
原則をと
つておるわけではございませんが、これは将来の問題といたしたいというのであります。
それからこの新しい
医療費体系が採用されますと、そのときにどういうような診療
報酬の
支払方式がなされるかということにつきましては、要点でございますから、もう一遍繰り返しますならば、今後内科、小児科というような
人たちに対しましては、この初診料、再診料を患者が参りましたたびごとこ支払う、必ずしもその場で患者が支払うという
意味ではござまいせんけれども、それを計上するというようにいたしました。そういたしますれば今日におきましては初診料は支払われておりますけれども、再診料は払われていないことが非常に多い。それで初診料においても実際に
医師、
看護婦等の労力に応ずるものかと言いますと、非常に不足をしておる。これを相当額
報酬を支払うということにいたしますれば、それだけいわば
医療費が上
つて来るということになるのでありますが、これはこの
薬治料、今日までの
薬治料を分析いたしてみますと、その中には薬の
原価とそれから
調剤料、このうちには
調剤に従事した
人件費も入
つているわけでありますけれども、この分を差引いてなお幾分の超過分が残
つている、余分が残
つている。この余分をその初診料、再診料の不足分を補うというほうに回して参りたい。また
注射につきましても、今日におきましては
注射の
原価と、それから
注射に必要といたしますいろいろ物の値い及び労力というものを
計算して
比較いたしますならば、それ以上のものが支払われている、これを実際に必要といたしております
費用に
注射料を圧縮いたしまして、その余分になりました
部分はこれは
診察料のほうに回すということにいたすわけであります。かようにいたしますと内科、小児科の場合には
薬治料、
注射料から浮いて参りました
金額を
診察料の不足分に回しますと、おおむねこれがバランスがとれるというような
状況にな
つたのであります。それに対しまして今度耳鼻科、眼科というような類のものになりますと、再診の際には簡単な点眼とかあるいは鼻洗滌というような簡単な処置だけで帰る患者が相当ございます。こういうような場合に
診察というものと、それからその処置というものと時間的に区別ができるかということになりますと非常にこの区別はむずかしいのであります。それからまた眼科、耳鼻科の場合には、
注射あるいは
投薬というような
行為は非常に少いわけであります。この
投薬、
注射から内科、小児科の場合におきますと同じように、また浮いて参ります余分の支払いというものを
診察料のほうに回しましても、これはきわめて少額のものにしか過ぎないのであります。こういうようなことと、それからまた事実
診察に当ります
回数、
診察の時間というものが、再診等の場合には十分分けて計上できないのでありますから、一人当りの
平均にいたしますと、眼科、耳鼻科のような場合には患者一人当りの
診察料というものはきわめてわずかなものにな
つて来るわけであります。さようになりますると内科、小児科の場合と違
つて、耳鼻科、眼科というような場合には
診察料を払わない場合というものを設けるか、さもなければ
平均的に内科、小児科よりも非常に低い
診察料を設定しなければならん、かようなことは非常に兼科あるいは全科で診療を行な
つておられます
診療所に対しましては、実際上非常な不便を生ずるものと
考えられますので、眼科、耳鼻科においても内科、小児科と同じような初診料再診料を払うという建前にできるものならばいたしたいというふうに
考えまして、もしもそういたしますれば、きわめて簡易な
処置料というものをこれを
診察料のほうに回して、すなわち
診察料として支払
つて、その代りこういう簡易な
処置料は支払いをしないという建前をとるということで
計算をいたしてみましたところが、これが大体よく
均衡がとれるというような結果になりました。それから
歯科につきましてもやはり
投薬、
注射というものは少いのでありまして、新しいこの
体系を
薬治料、
投薬料というものだけに限
つて参りますならば、こちらのほうから浮いて参り、
診察料に回し得る
金額というものは、
歯科においてはごく僅かである。ところが
歯科診療におきましては、
一般診療と異
つて、きわめて低額の
診察料を支払う、あるいは患者が参りましても、支払う場合と支払わない場合を区別するというような問題が出て参りますので、これは
歯科診療においても
一般診療と同じような
方式をとるほうが好もしいというふうに
考えまして、
歯科の場合にも初診、再診料を
一般診療の場合と同額支払う。その代りこの前の
現状分析のところから出て参りますように、
歯科の
補綴料、すなわち義歯等を作りました場合に、実際にそれに要する物及び人の
費用というようなものよりも多額の
報酬が支払われておりますので、その
部分を実際にかか
つた経費にまで圧縮いたしまして、その超過分は
診察料のほうに回すということにして
考えてみますと、これもよくバランスがとれて参
つたというような
状況でございまして、この
一般診療及び
歯科診療を通じましてこの初診料、再診料というものを患者が
診療所、
病院を訪れたたびごとに支払う。その代り
薬治料、
注射料、あるいは
補綴科というものは実際にかか
つた経費にまで圧縮して超過分を削る。それから簡易なる処置というようなものは、これも一々支払をせずに
診察料の中に含めて支払を行う。かように申し上げますというと、ここで出て参ります
診察料というものの中には、簡易なる処置というものも含まれて参りますので、厳密に言いますと
診察料と言い切ることが正しいかどうかということに問題がありますが、これは名称の問題でありまして、私どもももつといい呼び名がございますれば改めてもよろしいというふうに
考えております。多少そういう簡易なる処置をも含んだ
診察料というものがきめられるわけでございます。
これをそれではただいま申し上げましたような
診察料、あるいは
薬治料、
注射料、それから
歯科の
補綴料、かようなものを大体
平均的に幾らと見当をつけるかということにつきましては、この
実態調査の結果に基いて
数字が出て来ておりますので、それに基いて一応
計算をしてみたわけであります。その
計算の結果がこの附表の3に載
つておるわけであります。これは
病院、
診療所、
歯科診療所及び
病院併設の
歯科というふうに分けて載せてあるのであります。この
資料につきましてまた御質疑がございますればお答えいたしますが、この中で御注意願いたいと思いますのは、ここで初診、再診というものの
回数が出ておりますが、この
回数は特に再診の場合、先ほど申し上げましたように、初めの表では内科小児科的な診療だけが上
つているのでありますが、この附表3におきましては、眼科、耳鼻科のような場合にも、すなわち処置と分れた
診察というものをはつきりと区別しがたいような場合も全部載せてございますので、数が殖えております。それからもう
一つ御注意申し上げたいと思いますのは、最初の表は
病院とな
つておりますのは
病院に併設された
歯科をも加えてありますので
数字が幾分違
つているわけであります。
それからこの新しい
点数といたしましては、この四欄目に新
点数Cというふうに書いてございます。これで新たに新しい
医療費体系を採用しましたときに、どの程度の
収入が
病院にあるかということの
計算をいたしたのであります。
従つて旧
体系と申しますか、今までや
つております支払
方法に対し、新しい支払
方法を採用した場合にどの程度の増減があるかということが、D
マイナスBという欄に出ておるわけであります。
なお、このうちでもう二カ所だけ御
説明申し上げますならば、この外科処置と皮膚科処置というものの
回数がここに出ております。この
回数に対する現在の
報酬点数はB欄に載
つておる
通りでありますが、今後は簡易なる処置はこの
診察料の中に含まれておるものと
考えるということを申し上げたのでありますが、それではどの程度のものがその簡易なものかと申しますると、これは四点以下の……、現在
保険で四点以下と定めておりますものを大体とるということにいたしたのでありまして、その分だけを差し引きますと、うこに最後の欄に書いてあります十一万七千二百四十五が外科処置、それから一万八千七百五点というのが皮膚科処置の中から落ちて来るというのであります。それから以下いろいろな
診療行為がございますが、この分は皆四点以下の
行為でございます。で、この分は新
医療費体系が採用されれば、この支払が行われない。そうしてこの
部分は
診察料として支払われるという、
診察料のほうに含まれるというふうに
考えております。このプラス、
マイナスをそろばんに入れて見ますると、多少の差はございますけれども、大きい差ではなくな
つておるということがここに出ておる次第であります。そういうような
考え方で
診療所、それから
歯科、
病院というようなものについても
計算が行われております。御覧になりますように、このプラス、
マイナスの多少の違いはございますけれども、大体大きな差にはならないという結果が出て来た次第であります。こういうようなところから、私どもは今申し上げましたような構想による新
体系に移
つても、この個々の……、個々のと申してはいけませんかもしれませんが、
病院とか、
診療所というようなものの
平均として見ます限りには、大きい差がないというふうに
考えたのでありまして、
従つてまた
国民の総
医療費に対しても、ほとんど影響はない。もちろんこの新
医療費体系を採用いたしませんでも、年々非常な勢いでも
つて医療費がふえておることは、最初に載せておきました
資料でも明らかなのでありますが、この
医療費の支払
方法を変えたということだけによる影響というものは、非常にわずかなものだというふうに
考えておるわけであります。
以上が
骨子でありますが、この中に使
つておりまする
数字というものを算出いたしますために、以下たくさんの
資料を差し上げてあるわけでありまして大体この
資料につきましても、御
説明申し上げると長くなるのでありますが、本日はごく
大綱だけにいたしまして、また御
説明を別の機会に続けたいと存じます。