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1954-05-28 第19回国会 参議院 建設委員会 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月二十八日(木曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     深川タマヱ君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            鹿島守之助君            小林 孝平君           小笠原二三男君            近藤 信一君            田中  一君   政府委員    自治庁税務部長 奧野 誠亮君    大蔵省主計局次    長       原  純夫君    建設政務次官  南  好雄君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○道路整備費財源等に関する臨時措  置法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○建設業法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) では只今より建設委員会開会いたします。  速記をやめて下さい。    〔速記中止
  3. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 速記を始めて下さい。  それでは道路整備費財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案議題にいたします。前回に引続きまして御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  4. 田中一

    田中一君 先ず最初政府から閣議決定提出されたところの五カ年計画の御説明を願いたいと思うのです。
  5. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 前回政務次官から御説明いたしましたが、引続きまして詳細を御説明申上げます。  その前に前回お配りいたしました道路整備五カ年計画の刷物にミスプリントがございましたので、甚だ恐縮でございますが御訂正を願います。第一枚目の紙でございまして、一の一級国道改築のうち、鋪装が千百十キロになつておりますが、これを二千百十キロに御訂正願います。  そこで前回二枚目の紙まで政務次官から御説明申上げましたので、その次についております表につきまして御説明申上げます。  この表は、この一番先にあります「国がその費用の全部又は一部を補助し又は負担するもの以外のものの面積」とございますが、これがこの表がそれでございまして、これは揮発油譲与税の中にあります四十八億円の分け方の基礎になるものでございます。この表に、これは都道府県別道路橋梁鋪装の別に面積を挙げてございますが、この面積道路橋梁鋪装の実面積を挙げたものでございます。この実面積を補正いたしまして、補正された面積従つて四十八億円を按分して分けることになるわけでございます。  その次に、前回提出いたしましたが、道路整備五カ年計画の表がございます。これについて御説明申上げたいと存じますが、道路整備五カ年計画事業内訳というのがございます。これによりまして、この五カ年計画がどういう方針で立てられたかを御説明申上げます。  一級国道につきましては、道路橋梁鋪装と分けまして、道路につきましては、普通貨物自動車交通不能箇所改良、二十一キロで、事業費が十億八千、それから交通量おおむね一日二百台以上で、著しい交通障害をなす未改良箇所改良千六百十九キロ事業費が三百二十二億八千でございます。次に重交通その他特別の理由による再改良、これが百五十五キロで三十二億六千万円でございます。交通量おおむね一日千台以上、遮断時間一日二時間以上程度危険踏切改良、これが十六カ所で、延長いたしまして五キロ事業費が十六億二千万円でございます。  次に橋梁でございますが、現在荷重制限をしております長大橋改築、これが六十六橋で、延長にしまして十二キロ八百、事業費が五十五億でございます。次に荷重制限をしております中小橋改築でございますが、これが六百十一橋で、十五・一キロメーター事業費にいたしまして五十九億二千万でございます。その他の橋梁改築、これはすでに永久橋に架け替えられておりますが、すでに橋齢も来ており、架け替えなければならんものがございますので、それらの改築でございますが、百四十五橋で、延長にいたしまして十キロ半、事業費が四十五億四千万円でございます。  次に鋪装でございますが、改良済で、未だ鋪装されておらない区間で、交通量が一日五百台以上の区間或いは特殊箇所鋪装、この特殊箇所と申しますのは、砂利道では維持極めて困難な箇所を意味しておりますが、特殊箇所鋪装、これが二千四十キロ強で、事業費が二百七十八億八千万でございます。既鋪装区間拡幅鋪装その他でございますが、すでに鋪装はされておりますが、交通量が増して参りまして拡幅しなければならんところがございますので、それらの事業事業量にしまして七十キロ事業費が七億七千万でございます。  二級国道につきましては、道路が、交通量がおおむね一日二百台以上で、著しく交通障害をなす未改良区間及び交通不能箇所改良で、延長が千三百五十四キロで百七十三億四千万。重交通、その他特別の理由による再改良、これが四十二キロメーターで五億二千万。交通量おおむね一日千台以上、遮断時間が一日二時間以上程度危険踏切改良、これが十一カ所で三キロメーターで、五億五千万。  それから橋梁が、荷重制限長大橋改築が六十二橋で、これが延長にいたしまして十一キロ三百、この事業費が三十八億九千万。荷重制限中小橋改築が五百九十四橋で十八キロ七百、五十四億四千万。その他の橋梁改築が八十八橋で五キロ七百、十七億六千万。  鋪装が、改良済鋪装交通量おおむね一日五百台以上の区間、又は特殊箇所鋪装、これが千百八十キロで百二十六億一千万。  次が主要地方道でございますが、主要地方道道路が、未改良区間のうち特に交通障害の著しい箇所改良、これが二千百九十六キロで二百七億一千万。交通量おおむね一日千台、遮断時間一日二時間以上程度危険踏切改良、これが十六カ所で、延長にいたしまして四キロ、これが六億五千万。  それから橋梁が、荷重制限長大橋改築、これが百二十橋で三キロメーター、七十二億八千万。荷重制限中小橋改築が七百五十橋、延長にして二十七キロ事業費六十六億七千万。  鋪装が、改良済鋪装で、交通量おおむね一日五百台以上の区間、又は特殊箇所鋪装、これが九百十キロで八十六億一千万でございます。  その他の地方道では、道路が、資源開発産業振興その他国の施策上特に整備を要するもののうち緊急を要する道路改良につきまして、このうち都道府県道市町村道がございますが、都道府県道につきましては千四百八十キロ、百十八億五千万。市町村道につきましては三千百五十キロ、二百四億三千万。  橋梁につきましても、この道路と同じ種類のものをやるわけでございますが、この事業量が千百八十橋で八十八キロメーター、二百十一億三千万。  鋪装が、同じような道路につきまして鋪装実施いたしますが、五百四十キロで七十二億六千万。  次に修繕等とございますが、これは鋪装補修でありますとか橋梁補修、又災害防除等を含めてございますが、この金が二百四十三億五千万。機械費が五十七億。調査費が四億、総計で二千六百億という事業費になるわけでございます。  これらの事業をして道路整備実施いたしましても、全体の道路整備にはまだ遠いのでございまして、全体で約一七%程度しか行かない事業量でございます。この二千六百億の事業費に対しまして国費が千六百八十三億でございますが、この千六百八十三億の財源について御説明申上げます。  臨時措置法によりまして、ガソリン税相当額をこの整備に充てなければならないのでございますが、このガソリン税収の見込が第一に問題になつて来るわけでございます。二十九年度におきましては二百三十七億、これは二十九年度からガソリン税率が上りましてキロリツター当り一万三千円になつたわけでございますが、これを平年度に直しますと二百四十四億になるわけであります。このままで五年間やるといたしますと千二百億になるわけでございますが、これに若干の伸びを考えまして千四百億程度ガソリン税収考えたわけでございます。その他一般財源から二百八十億ほどを入れまして、千六百八十三億にしているのでございますが、この一般財源から入れます分は、調査費機械整備費、それから直轄の分担金と、それからその他の金を入れているわけでございますが、その他といたしまして百億程度考えているわけでございます。  ここでこの五カ年計画と二十九年度との関係を申上げたいと存じますが、一級国道につきましては二十九年度におきまして一級国道道路で百八十二キロ実施することになります。これは五カ年計画総量に対しまして一〇・二%でございます。橋梁につきましては五・一キロ実施する計画でございまして、これが一三・四%でございます。鋪装につきましては二百二十八キロ実施する予定でございまして、パーセンテージにいたしまして一〇・八%でございます。  二級国道につきましては、道路は百三十三キロ実施し、比率は九・五%でございます。橋梁は四・六キロ実施し、比率は丁七%でございます。鋪装は百三十三キロ実施し、比率は一一・二%になります。  主要地方道につきましては道路が三百十八キロ比率にいたしまして一四・四%、このうち百七キロ譲与税実施いたします。橋梁につきましては七・三キロでございまして、比率が一二・八%、このうち一・六キロ譲与税実施いたします。鋪装は百六十八キロ実施し、比率は一八・四%で、譲与税ではその七十五キロ実施いたします。  その他の地方道につきましては、道路が五百九十四キロ実施し、比率は一二・八%、譲与税では五十キロ実施いたします。橋梁は九・六キロでございまして、比率が一〇・九%、譲与税では二・四キロ実施いたします。鋪装は百十五キロでございまして、比率が二一・二%、譲与税では四十八キロ実施いたします。  修繕等に関しましては、鋪道の補修が十三億五千万ほど、それから橋梁補修が四億九千万、特殊改良が五億八一一億、大体丸い数字で申上げておりますが、こういうことでございます。機械費につきましては四億八千万、調査費は四千万でございまして、五カ年計画総量が二千六百億でございますが、二十九年度に実施いたしますものは三百二十六億余万円になるわけでございます。この五カ年計画につきましては、有料道路実施されるもの、又従来安全保障諸費実施いたしておりました道路のような事業は含まれてございません。  以上簡単でございますが、御説明申上げます。
  6. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 ちよつと数字を聞き漏らしたのですが、この五カ年計画の、五月二十日の閣議できまつた分ですね。これの一級国道道路その他の数字訂正がありましたね。
  7. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) はあ、これは一級国道改築の中で、鋪装の千百十キロを二千百十キロ訂正をいたします。それだけでございます。
  8. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうするとこの道路整備五カ年計画というものは、閣議に諮られた際に、今あとから御説明なつ道路整備五カ年計画事業内訳、この国費千六百八十三億ですね。事業費二千六百億、これはいわゆる資料としてくつ付けて出して、これらの資料説明して、そうしてこの五カ年計画というものが閣議決定を経たといういきさつでございましようか、その点はどうでございましようか。
  9. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話の通りでございまして、この閣議決定にはこういう資料を併せ付けまして、説明資料として一緒に閣議決定をみたわけできます。
  10. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうなればですね、この閣議決定のこの本文とでも言うべきこの五カ年計画ですね。これには一級国道、二級国道、それから三番目の主要地方道、四番目のその他の地方道、これらについてはキロ数しか書いてなくて金は書いてないのですね。どうも五カ年計画閣議決定に至るまでの間のいきさつからいつて、我々特に疑いたいわけではないのだけれども、ここに金額の全貌というものを出して決定をされることが望ましいと思う側から見ますと、特にこのキロ数しか書いてないという点は、何かそこにいわくがあるのではないかといつたような感じを持たされるのですが、その点はどうなんですか。参考資料としてあつても、時により、殊に大臣が今日御病気で列席してない閣議におきますところの説明は、いわゆる参考資料というものは、その内容はこの後のほうにあるのですがというようなことで、例えば言及したとしても、まあ閣議決定というものは飽くまでこの最初決定だと言われて、印刷を我々がもらつた分だけであつていわゆる金額についての大蔵省、或いは負担分をめぐるところの自治庁、これらの方々から見て、確認されての上でのことかどうかという問題が我々にはちよつとはつきりしないのですよ。その点はどうなんですか、率直に言つて……。
  11. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。三浦先生の御質問は、この五カ年計画はこれは定例閣議にかけたのではなくて持ち廻り閣議に付したのであります。で、もともとこの五星計画内容金額で表示するか、それともその金額内容でありまする事業量で表示するかにつきましては、建設事務当局におきましてもいろいろ議論つたわけであります。ただいずれにいたしましても一利一害なんでありますが、私たち考えでは、要するに五カ年計画と言いましても、五年先のことまでもいろいろ勘案して参りますならば、本当はやはり何と申しましても事業そのものを遂行したいのだ、従つて一級国道はどれほど直さなければならん道路延長がある、又二級国道にはどれほど直さなければならん道路延長があるか、又橋梁が幾つあるかということで、先ず直さなければならない道路延長そのものを策定いたしまして、それに必要な金額参考として付ける。飽くまでその金額は現在の経済情勢の下において本年一遍にやるとするならばどれだけかかるかという考え方、これはどうしても長期計画につきましてはこれしか方法はないのではありまするが、で金額で表示した場合におきましては、経済状態が変動のあつた場合において、常に金額に拘泥せられるために、何と申しまするか、そこにいろいろの疑点も生じて参りますことも併せ勘案いたしまして道路は何としても直さなければならんのだというような、法律の真の精神を生かすためには、やはり一、二級及び主要地方道については、金額の如何にかかわらず、直さなければならない道路延長は必ず直して行くべきものであるというその見地に立ちまして、この五カ年計画内容はつまり道路延長で出す、直すべき橋の数で出す、それから直すべき橋の道路の幅員で出すというように、事業の本態を五カ年計画内容にしたわけであります。従つて当然そういうものをそこに出して参りまする関係上、金額は出て参るのでありまするが、それは飽くまで幾らくの単価で見ます場合には、これだけのものを今年直す場合には幾らかかる、こういうふうに……。金額参考なつたわけであります。  なお、先般御説明申上げました通り、これは五カ年計画総量についての計画でございまして、然らば五年間にどういう年次計画を立ててこれをやるべきかということについても一応、勘案してあります。併し財政状態が今日のようでありまするので、普通の状態のように、災害復旧のように三・五・二というようなふうに、年次によつて膨らみを持たすというような考え方をいたしますると、又そのこと自身において非常に議論が出まして、五カ年計画策定に暇がかかつてはいかんというので、建前といたしましては五年間それぞれ等分計画をやる。それで但し本年は御審議を願つておるような状態で、三分の一というものを地方に譲与いたしまする関係から、残量は四年でやる、残事業量を四年でやるということを閣議に付しまする参考資料の中に謳いまして、御承認を得てお手許に差上げたような次第であります。
  12. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それはまあ経過の御説明で、それからあなたのほうから見た、何と言いますかね、考え方でしようけれども、まあこういうふうにして政府は今日のインフレ傾向を切替えてデフレの方向に持つて行く、こういうふうになつているのですから、私は二、三年前の事情とは違つて事業分量と昼時に金を出して行くということのほうが、むしろ建設省の立場から言えば当然望ましいことであり、そのほうがいいのだつたと思うのです。恐らく私はそれは気兼ねでしたと思うのですが、その点は過ぎたことだからいいけれども、午後からいろいろと大蔵省地方自治庁関係とのこれに対する考え方というものを質しまする場合に、参考に是非お聞きしておかなければならない。これは皆さんが同感だと思うのですが、総事業費、今日の価額で言えば二千六百億、今日の国費負担の分で行けば千六百八十三億、このものが確認をされてそうしてこの五カ年計画というものはなつたのか、この金額についてはあやふやで……、あやふやというと語弊がありますけれども、そんなに議題にならないでなつたのか。つまり大蔵省地方自治団体が負担しなければならない関係を、地方自治庁関係で二千六百億、或いは千六百八十三億、これはどういうような程度まで突込んで話合いをしてできたのか、これが私は皆この委員会としては知りたい重要な疑点だと思うのです。でキロ数を出されましても、その間の修理の仕方等によりましていろいろと金は違うのです。これは或いは橋梁の数を言われたからであつて延長キロ数を言われたからであつて、これはやり方によつて相当違うのです。元来この道路整備臨時措置法というものは、事業分量の何と言いますかね、安定……、五年間における計画的な実施、それに伴う財源確保ということから出ているのですから、やつぱり私はキロ価額というものを出すべかりしだとさえ思つているのですが、今一応事業が大切だから、事業確保にあるのだから、キロ数その他分量を出したことで求めたと言われるのでありますが、それはそれとして、今申上げた、このお聞きいたしています二千六百億或いは国費千六百八十三億のことに関しての大蔵省、それから地方自治庁関係のいわゆる確認の状況はどんなになつているか、この点をお聞きしたいのです。
  13. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。閣議に付しまする五年計画案資料そのものがこういう形式にできておりますので、三浦先生の御疑念も一応出て来るのであると私拝承いたしたのでありまするが、これは全くその事業量をきめたことは、将来のことを勘案いたしまして、このほうが金額で行くよりもベターだと、こういうふうに考えましてきめたのであります。で要はこの法律は、当然この本計画実施に必要な財源と申しますものの法律なんでございますから、言い換えればガソリン税相当額のその金額が意味があるのでございますから、本計画実施に関する金額と申しまするのは、事業量と共にこれは当然閣議でも問題になり、事務当局の相互の間にも問題になつたのであります。で二千六百億余に達しまするこの事業量につきましては、むしろ閣議表面に出ておりまするこの事業量よりも金額で、殆んど二月に亙る論戦なり議論が繰返されたわけでありまして、大蔵、自治庁当局とも主として事業量そのものについては余り議論がなかつた。この金額についてだけまあ何と申しまするかいろいろ議論があつたのであります。ただいろいろの紆余曲折はございましたけれども、閣議決定案そのものには私、これはその事業量と、下に所要金額というものを三段にして最初案をこしらえたのでありまするが、いつその三段目が取れたのか、私も誠に申訳なかつたのでございますが、気が付かなかつたのであります。  ただ整備五カ年計画説明資料と申しまして、共に閣議決定内容になつておりまするものには金額もはつきり明示いたしまして閣議決定を経ておる。で三浦先生の御心配のような、何と申しまするか、デフレ傾向になつて、結局二千六百億が二千五百億に済むというようなことは、私たち考え方としては、この本計画を策定しておる際においては考えも及ばなかつた点でございまして、事業量及び金額についてその後いろいろ議論しておつた。何としても五年先のことでございますので、むしろ私たちは、これは私一個の考えでありまするが、デフレよりもインフレになる恐れが多分にあるという考え方から、事業量を中心にしてきめた長期計画の見通しでございますので、いろいろ議論はございましようが、これは二段かまえで、事業量金額と両方で押えたほうが一番安全だというので、普通の行き方と逆にいたしまして、事業量内容にし、所要金額を次に押えて、そして説明資料の中に入れて、詳細に閣議決定を経た、こういうのがちつとも隠さない閣内事情説明でございます。
  14. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今の御説明の中で、問題の点は、今後自分の一個の考えとしてはインフレになるかどうかという、なかなか聞き捨てがたいような何がありましたが、これは見方でありますから問題にしませんが、併し事業量の下に金を付けて出したが、いつのまにか削れておる、これは大変な問題です。これはどこで削つたんですか。これは閣議というものは、閣議資料というものは下手な者が持つて持ち廻らない。持ち廻り閣議といえども十分説明できる、政府委員になるような程度の者が少くとも持つてつているのですよ。それをどこかで以て価額を削られたというのですが、これはどこで削られたのですか。
  15. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。私の説明が足らなかつたのでございますが、これは建設省内におきましても我々議論しておつたのですが、道路計画整備五カ年計画説明資料の中にも金額を明示するからそれでいいじやないかというので、最後資料整備する際にその金額建設省の手において取つて説明資料の中に入れて出したのだ、こういうふうに私最後に聞いたのであります。
  16. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうするとそこを議論したつてしようがないのです。私が聞くのは、初めから疑念を持つておるように、金額の点を大蔵省としても約束をしたくないために、これは将来五カ年に亙つてまで約束というものは、表向きにはなかなかできない。継続事業というような形でないからできないのですが、その金を表面上に臨措自体にくつ付けたものとしては大蔵省も認めがたいから、その金は付けないというふうに切つたのでなくて、あなたが、いつの間にか価額の点を切つたというような言葉に聞えましたが、そうでなくて、建設省の中でその金額の点は削つて持ち廻りのスタートをした、そういうふうに了解する。従つて前から説明がありますように、参考として書いてあるこの二千六百億の額というものは、それが問題の関係にあつたので、十分関係各省、殊に大蔵省知つての上で、さんざんもんだ上で二千六百億に落着いたんだと、十分承知の上だと、こういうふうに解釈していいということですか。
  17. 南好雄

    政府委員南好雄君) その通りであります。
  18. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 一体この臨時措置法によつて行くと、遅滞なく関係府県知事に通知しなければならないのです。で私はこういつた臨時措置法の条文からいつて、五カ年計画というものを割つていわゆる年次別計画になると当然思つたんです。少くともその年の分はどうであるのか、こういうやつが出て来るのだと、私は臨時措置から思つたのですが、これが出てないのが一つ腑に落ちないのと、それからこの五カ年計画というものは閣議決定されたのは五月二十日ですか、これについて遅滞なく出すところの府県知事への通知というものはどういう形でお出しになるのですか。
  19. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この五カ年計画を立てますに当りまして関係都道府県の意見を聞きまして、その計画を積上げてこの五カ年計画の骨子はできたものでございます。そこで閣議決定を経たら遅滞なく関係都道府県知事に通知しなければならんとしてありますが、閣議決定された五カ年計画につきましては、これの全体につきましてはもうすでに都道府県にも、正式な文書ではございませんが、内報はいたしてございます。そこで二十九年度分につきましては、これは本年度の予算も決定いたしましたし、この予算の内訳は各都道府県にもうすでに内示しているわけであります。三十年度以降につきましては、これから三十年度の予算がどのようにきまりますか、その線によりまして関係都道府県には通知したいと考えております。
  20. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私聞きたい点は、これは一体今のようにして各府県から五カ年計画に盛るべきところの資料をもらつてそうしておやりになつて行けばいいのだから、結局は年度別にきまつて、策定されて、そうして閣議決定次第、変更する必要があるとすれば、更に閣議の議を経て変更して、その結果を府県の知事に知らして行くというのが、これは普通の道路整備法から見たところのやり方であると思うのです。臨時措置法から見まして、今のような形で行きますと、これをもらつた府県というものは、ただ法律によつて通知しなければならないという問題を、まあ期待を残すというと語弊がありますけれども、総額幾らもらつたというだけであつて、この法律の趣旨から行けば何ということはないのですね。私はこの法律の運用からいつて、極めて精神に副わないもんだと思うのです。ですからその点から言うと、そういう考え方から言えば、あなたのような考え方から言えば、五カ年計画というものを変えるときはいつなんです、第五年目ですか。
  21. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答えを申上げます。道路局長が今御返事申上げましたのは、道路整備五カ年計画そのものは建設省だけで想定した案でなくて、内容その他は十分に都道府県と連絡をして、そして各自に折衝をして、その結果できた案であるということの説明を申上げたのであります。法律の規定にございまするいわゆる閣議決定が済んだならば、その五年計画そのものを遅滞なく都道府県知事に通知せよということにつきましては、目下その手続は進めてはおるのでございますが、取りあえずの便法といたしまして、先週都道府県の土木部長会議を本省に招集いたしまして、閣議決定になりました五カ年計画を、資料そのものを土木部長に手渡しいたしまして、本計画案についての説明をいたしまして、事実上はもう各府県にそれぞれ連絡は済んだのでありますが、厳密に申上げますならば、大体そのときに話は済みましたので、手続といたしましては、改めて二、三日中に五カ年計画そのものを都道府県知事に正式に通知したい、こういうふうに考えておるような次第であります。  なおこの道路五カ年計画そのものにつきましての年次計画の案の御質問のようにも拝承したのでございますが、率直に申上げまして、しよつぱなから七十九億を地方に譲与するというような、何と申しまするか御承認を経ておるものでございますから、その点についての私たち考え方からこの五カ年計画内容案の説明資料中には、等分に毎年々々やつて行く、こういうことをはつきり表示しておるのでございます。普通の、我々が今まで見て策定いたしましたり、又見ました長期計画のように、各年々々の計画量をきめてやつて行くというようなやり方をせずに、これは等分でやつて行く。その財源三浦先生も御承知のように、年々収入して参りまするガソリン税相当額で以てこの案をやるものでございますから、そこには多少の違いが出るだろう。先般も御審議中に大蔵当局からも御説明ございましたように、ガソリン税収入のあれが若し万一多いような場合には、はつきりとここで年度においてその金額だけをプラスして行くというような意見も大蔵当局としての見解として表示せられたと申しますから、きちつと四年に割つて出しましても、それが多少狂つて来る。こういうことで大体等分でやつて行きたい、こういうように私たち考えておる次第でございます。
  22. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 併しそういう考え方、私は五カ年計画というものは当然それを一年々々に割つた計画というものがその内容と思つているのです。今でも思つているのですよ。それだのにこういうものが出たということは、これはやつぱり苦しまぎれというとおかしいけれども、苦しまぎれに一応こんなものを出したに過ぎないとしか見えない。本当のことを言えば、私はこれを五カ年計画事業分量、その経費、そういうようなものを年度別に割つて、そうして更に参考としてできるものは、内容の府県別のそれぞれ仕事、種類別の数量であるべきなんだ。これが本当の五カ年計画の姿なんですよ。臨時措置法にいうところの——あなたのほうではこの五カ年計画というものは、まあ何と言いますか、一つの希望的目途というか、或いは言葉を悪くして言えば、お茶を濁した計画としか何と言つても見えない。だから私は逆の質問として、そんなような考え方であるなら私は五カ年計画内容じやないと思うのだけれども、逆の聞き方としては、それでは五カ年計画を変更するという場合というものは何年目ですか。つまり五年目、最後の年になつて変更するという以外には考えられないでしよう。一体道路整備費財源等に関する臨時措置法を一つお読み下さい。読んで見ましようか。第二条の二項で「建設大臣は、前項の規定による閣議決定があつたときは、遅滞なく、道路整備五箇年計画関係都道府県知事に通知しなければならない。」とあり、その三項において「前二項の規定は、道路整備五箇年計画を変更しようとする場合に準用する。」、つまり変更しようというときには、第一項の規定のように、閣議決定をし、その決定に基いて二項に従つて関係の都道府県知事に通知するのだ、こうあるのですよ。ですからこれはどう見てもこれは一カ年ごとの内訳がなければというものを当然要望しているんです。若しこういつたものを五カ年計画と称するならば、仮に称するならば、この変更というのはいつ来るのだということです。私は、変更ということは、これは五年目に一回来るだけでしよう、その点どういうふうにお考えになられるか。誠に五カ年計画について非常に御努力された建設当局の苦心というものは買いますけれども、この法律の示した、いわゆる計画的に各種の道路、これを整備して行くのだというその推進のためには、これは誠にどうも遺憾ながら微弱のものであつて、事志とは大分違つたような姿にあるのです。この点についてはどうでございますか。
  23. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答えいたします。三浦さんなかなか何と申しますか、私たちの一番苦心したところの御質問なんで、謹んで拝聴いたしているのでありまするが、これはそこまで一体事務当局考えてそしていろいろ議論したかどうかは私はつまびらかにしておりません。併し理論的に考えますならば、年次計画を作ります、仮にです、現在のままでも一応等分で、この事業量から本年の二十九年度やる事業を引いた残つた数字を結局四等分したものが一応の三十年、三十一年、三十二年、三十三年の計画になるわけであります。ところがそれに必要な所要財源は、御承知の通りガソリン税相当額とプラス・アルフアになる場合と、マイナス・アルフアになる場合が出て参ります。で、普通の財政状態から考えて参りますると、年次計画ができましたものについての所要事業量に対する必要な国の経費、地方負担分、そういうようなものがガソリン税相当額で十分にある場合は、これは大して予算編成の際においてはそうむずかしい問題は私は起るまいと思います。併しいずれにいたしましても、マイナスの部分におきましては常に大きな問題が起きて参る。そういうことを勘案いたしまして、一応は整備五カ年計画のいわゆる年次計画といたしましては等分にしてございますが、つまり本年の予算折衝の経過からも考えまして、プラス・アルフアにすることはなかなか私たち考えではむずかしい。そういうことを考えましたので、五カ年計画総量できめてそして一応案の内容といたしまして等分計画をやる。こういうふうに一応は私たち考えたような次第なんであります。
  24. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 最後に……、だから私はこの臨時措置法を審議する際にちやんと第三項というものを入れて、いわゆる変更の余地を十分残してあると見て現にそれについて質問さえしてあるのですよ。年次計画をやつてそうしてできるだけその年次計画によつて行くというのが、この法律政府に対する一種の束縛力なんです。併し全体の財政計画等によつてそれにできるだけ財源を充てようとしても充て得ない場合が当然ある。だからこそここに三項をわざわざちやんと起して、変えようというときには閣議で変えてそしてその変えたものに基いて関係府県知事のほうに遅滞なく通知するというのがその趣旨なんです。それでなければ五カ年計画というものをあれだけもんで通す内容じやないんですよ。幾らでも五カ年分だけを一応目安を付けておくと、そのことも成るほど問題かも知れない。問題のしようによつては問題かも知れない。併し問題になるのは五年目に一回ずつ、この法律で行けばそうじやない。五年というだけなんだからして最後の年に今までのしわというものを全部清算して、そうして変更をするという機会だけしかないんですよ。あなたのような考え方では。最後のときに変更してどうも今まで四年間やつて来たその穴、しわを最後の年にやろうとしたけれど、これは厖大に過ぎてとても駄目だ。そこで閣議を開いて、そうしてその風呂敷のスケールというものを、二千六百億というものを、結果においては何ぼになるのか知りませんけれども、その五年目に予算を作る際に改めて問題になる。こういう機会しかあなたの考え方によればないんです。ところが我々の考え方というものは、この五カ年計画というもので年次々々に計画的にどこの府県の路線は今はできないけれども、二年目に入つている、三年目に入つている、こういうことによつて計画的にその道路鋪装、改修というものをやつて行くというところがこの法律の非常な魅力であり、これを随分もんだけれども、通したほうがいいと判断した唯一の点なんですね。財政的に見れば随分非難がありました。それであつても、結局併し今日の道路の状況から見て、我々はその非難をも顧みずにこの法律を通したゆえんのものは、そういう毎年の一計画というものができ、それによつて逐次計画的にこの今日の悪い道路がよくなるんだという、そのほうが我々の職責からいつても通すのがいいんだと考えたから通した。その通すべき唯一の根拠というものがこういつた五カ年計画という漠然たるところのものによつてふみにじられていると私は思います。私はこの問題については午後の大蔵関係が来た際にも聞きたいしするので、あえて御答弁は要りませんが、若しあるなら簡単に一つお願いします。
  25. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。閣議決定のいわゆる内容案がそういうことになつているために三浦さんにそういう疑念がお起りになつたんだろうと思いますが、建設省といたしましては、これは等分計画のつもりでおります。従つて毎年々々御質問になつたような手続でその案の通り実行できればそれでいいが、案の実行のできない場合においては毎年々々閣議決定を経て所要の手続をやつて行く考えで現在もいるのであります。つまり閣議決定の案がこうなつておりますが、併し四年間に等分計画のために、そういう手続で一年々々閣議決定をやつて行く方針の下に今でも考えております。
  26. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 午後の議論にもちよつと関係ある言葉ですから私一言だけ。それはこの閣議決定の中にも五カ年計画の中にも参考としてお付けになつたというところの中にも、どこに一体これを五カ年計画の等分でやるということが書いてあるのですか。等分と書いてあるならお話の通り、それにしても議論はあるが、先ずありやせんでしよう。なくとも、それは閣議の際に確認されているんですか、その点だけ簡単に伺いたい、簡単で結構です。
  27. 南好雄

    政府委員南好雄君) 私が説明をしたときには年次計画等分ということで説明しております。
  28. 田中一

    田中一君 これは前に私ちよつと退席したものですから、御質問があつたかと思いますけれども、この五カ年計画事業内訳ですがね。これは無論道路の中の踏切は全部立体交叉ですね。
  29. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 踏切の改良は立体交叉になります分と線を変えまして踏切をなくする分とございます。
  30. 田中一

    田中一君 ですから踏切は全部立体交叉でしようね。
  31. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 踏切は全部立体交叉いたします。
  32. 田中一

    田中一君 それにしては随分事業費が低いんですが、それでできるんですか。
  33. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この中には線を変えて踏切をなくするというのが相当あるわけでございます。それは二カ所踏切つておるような場合には、道路を一本引けば両方踏切がなくなる、そういうのを含めております。
  34. 田中一

    田中一君 これは幅員どのくらいのもので延長どのくらいのものということがわかつておりますか。単価として一メートル当りでどのくらいに見ておるのですか。
  35. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 踏切は個々に個所もわかつておるのですが、幅員は六・五メートルのものがございますが、それから一番広いのは二十七メートルまでございます。そこでこの中で単価の点でございますが、単価は立体交叉になります分は橋梁の単価になりますし、その取り付け道路は盛り土でございますから、その単価になりますが、今ちよつとはつきりしておりません。
  36. 田中一

    田中一君 私が伺つておるのはね、非常に事業費が少いように感ずるのです。これを一遍出してみて下さい、その資料で。
  37. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この踏切で、例えば一級国道の踏切でございますと、延長で五キロございまして、事業費が十六億というふうになつております。キロ当り三億になつておりますから、これは私どもとしては適当な単価だと考えております。
  38. 田中一

    田中一君 それからこの計画には受益者負担の箇所考えられておらないのですか。
  39. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 受益者負担の問題でございますが、これは用地補償費も入れまして計画いたしておるわけでございますし、それから受益者負担等はその補償費の中で考えておるわけでございます。
  40. 田中一

    田中一君 補償費とは……。
  41. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 移転補償費が主でございます。
  42. 田中一

    田中一君 それはどこのところに入つておるのですか。
  43. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは別に分けてございませんのですが、この事業費の中にそれが入つておるわけでございまして、この積算は各県の計画に基いておりますので、それらの中に入つておりますし、又道路事業といたしましては、従来の実績に従いまして、事業の中でどの程度の補償費があるかという割合が相当わかつておりますので、それらを採用してこの事業費を算出いたしております。
  44. 田中一

    田中一君 この特定道路計画というものはこの計画の中に入つておりますか、入つておりませんか。
  45. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 特定道路はこの計画には入つておりません。
  46. 田中一

    田中一君 そうしますと道路整備五カ年計画というものはこの臨時措置法に関する計画であるのですか、それとも国全体の道路計画という観点から見ておるのですか、どつちです。
  47. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは臨時措置法の観点からの道路整備五カ年計画でございまして、有料道路は含めておりませんし、又従来こういうような安全保障諸費でやつた道路のようなものは含めてございません。
  48. 田中一

    田中一君 先ほど政務次官も、三浦君からも質問がされたように、我々は臨時措置法を賛成したのは、いわゆるこれにガソリン税に相当する事業費というものを先ず取つて、アルフア一般財源ということを考えておつたのです。アルフア一般財源というものは今先ほど聞きますと、二百八十三億これに充てるということを言つておりますが、そうするとこれはこの臨時措置法に対する五カ年計画ならば、国が基本的に持つておるところの道路計画というものはこのほかにあるはずです。これを一つ出して頂きたい、急速に。
  49. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 田中先生のおつしやるのは長期計画と申しますか、日本全体の道路整備する計画のことでございましようか。
  50. 田中一

    田中一君 そうです。
  51. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 実はこの五カ年計画を立てます際に頭に置きましたのは、日本全体の道路整備することを頭に置いて立てたわけでございますが、ただ全体の計画につきましては、まだ確信を持つて出せる計画はないのでございます。我々の持つておる草案はございます。
  52. 田中一

    田中一君 どうもおかしいですがね、その今の、これから抜けておるものは特定道路計画が入つていない。で、それから地方道その他、この五カ年計画臨時措置法財源でやらない分まだあると思うのですが、そういうものも明確になつてないとなると、本当の意味の全体的な道路計画というものは建設省は持つておらないのですか。
  53. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この中に有料道路は含めてございませんのは、これは公共事業費で有料でない道路整備する計画でございまして、有料道路につきましては別の基準でこれを選択して行かなければならないわけでございましてこの計画に入つておらんわけでございます。そのほかの道路でこれを国が補助し又負担する道路については一切五カ年計画に盛られておるわけでございます。
  54. 田中一

    田中一君 この臨時措置法改築と修繕が主になつておるのです。新設には充てられないのですね、従つて新設部分のものはじやどうなつておりますか。
  55. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 新設部分のものは、これはこの一般財源もございますので、その中で一部分考えておるわけでございますが、この五カ年計画全体といたしましては、この五カ年には改築を主体にやつて行くという考えでおります。
  56. 田中一

    田中一君 そうすると一切新設は五カ年間は新設はしないということですか。
  57. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 臨時措置法に言います新設と言いますのは、現在路線も何もないところに路線を認定しまして、それによつて道路を築造して、行くことでございますので、この五カ年計画では現在ある道路改良して行くというふうに重点を持つてつております。但し北海道等では開拓のために道路の新設が必要になる場合もございますので、それらのものはガソリン税でない一般財源でやる考えでやつております。
  58. 田中一

    田中一君 改めて伺いますが、そうすると二十九年度に五カ年計画の一環である、二十九年度の事業費のほかに一般財源として今言われた五カ年計画の二百八十三億、このうち二十九年度では幾らそれを、二百八十三億のうち幾らになつておりますか。
  59. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この二百八十三億の二十九年度は十一億でございます。二十九年度におきましては新設は考えておりません。
  60. 田中一

    田中一君 例えば農道があります。この農道を簡易鋪装道路にする場合には、これは改築になりますか。
  61. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 農道は町村道なり県道なりに認定してからでないと臨時措置法は対象にならないわけでございますが、その認定が済みましたならば、これは路線があるわけでございますから、それらのものは改築として解釈されます。
  62. 田中一

    田中一君 そうしますと例えば付け替道路というものはこれは新設ですか、改築ですか。
  63. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは付け替の程度にもよりますけれども、現在やつておりますのは改築としてやつております。それは全体の路線のうち付け替える部分は比較的少いところをやつておりますので、そういうものは改築といたしております。
  64. 田中一

    田中一君 先ほど局長は道路のうちの踏切の問題、これを無論原則は立体交叉、これは法律できめてありますから立体交叉である。併しながら交叉をしないでも迂回して通れる分もあるから、この金額でできるんだという御説明でしたが、そうしたものは私は一般に新設と思うのですが、これも広義の解釈は改築ということで、改良ということで以て考えておるのですか。
  65. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほど踏切をなくする事業といたしまして線を変えることを申上げましたが、これは一キロのうちに何カ所もあつたり、或いは極く近いところに随所に踏切があるというところを選んでやつておるのでありまして、全体の路線としてみますと改築という考えでやつております。
  66. 田中一

    田中一君 今の踏切の場合ですね、それが非常に迂回して道路が付く、併しながら踏切も必要なのはそのまま開閉しておつて、ゆつくり待つていてもいいという人はそこで待つて行く、そうでない自動車その他のものは待つていられないから迂回しても飛んで行つてしまう、こういう形のものは新設にならないのですか。
  67. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話のような場合は多々あるのでございます。現在この踏切を改良いたしましても、その踏切は残しておかなければならんものが相当あるわけでございますが、我々としましては改築されました道路を従来の路線に認定いたしまして、従来の路線は市町村道なりに格を下げておくわけなんです。それでこの改築されます延長が非常に長いというようなものは、却つて立体交叉をしたほうが安くなりますので、そういう場合には立体交叉のほうをとるわけです。線を替えたほうが安く行くという場合に線を替えておりますので、改築ということにしております。
  68. 田中一

    田中一君 それじや改築と新設の定義を資料でお出し願いたい。今言う一通り非常に長いところとか短いところとかいうものでなくて、何メーター、どこからこうなつた場合にはどうだ、それからどのくらい近いところはこれは改良だ、改良の部分と新設部分の定義をお示し願いたいと思います。
  69. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 今まで改築と申上げておりましたのは、例えば県道何々線というものがありますが、改築されましてやはり県道何々線になるわけでございます。新設と申しますのは、新たに従来なかつた路線を認定いたしましてそれを道路の形にして行くというものを新設と考えておるわけでございます。
  70. 田中一

    田中一君 二級国道の指定の場合に、全然道路がない、何も道がないところですね、交通のできないところをやつはり二級国道に指定したのでありましたが、そういうものはやはり指定した以上は、これは道路なり道があるものだという認定の下に改良工事を進めて行くのですか。
  71. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 二級国道の指定の際には、従来路線がありましたが、自動車の通らないという路線を二級国道に指定したものがございます。これらのものは改築の扱いで行く考えております。
  72. 田中一

    田中一君 道路がない場合にもですか、もともと道路がなかつたのです。道路がないけれども二級国道に指定したところがあるのですが、そういう場合はそれはやつぱり改築と称するのですか。
  73. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 二級国道については、とにかく路線はありまして、自動車が通らないというところであつたのでございますけれども、道は狭くてもあつたものをやつたように記憶いたしております。
  74. 田中一

    田中一君 私こんなことを伺うのは結局プラス・アルフアの点をもう少し追及したいのですよ。今言うそのたかだか一般財源から二百八十三億、二十九年度は十一億です。それから二十八年度は一般財源は幾らになつておりますか。
  75. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 二十八年度はたしか八十数億でガソリン税より下廻つてつたと思います。
  76. 田中一

    田中一君 そのようにこの臨時措置法で以て我々をだましたわけなんですね、もつとたくさん道路整備が行われているのですよ。国民経済に一番緊密な道路整備なんですから、これは一般財源からもどしどし出してもらつて、なお且つガソリン税の相当額を全部使つて、なお且つ一般財源から相当程度のものが出るということを、今日は田中角榮君来ていないのでとつちめることができないのですが、そういう強い約束があるのでそれを通したのです。この問題随分もんだのですが、結局それを押通したのです。ところがたつた十一億だけですよ。それではそのうちの又法律を改正して、揮発油譲与税を以て三分の一を又分取つてしまつた。これはもう少くともこれを審議したところの各委員に対して、国会議員に対して侮辱ですよ、それは。そして脇のほうにどんどん金を出す。そういう点で以てもう少し私は余分に金をもらいたいからですね、一般財源を出して欲しいから言うのです。  それからもう一つ伺いたいことは、改築に対しては四分の三、修繕に対しては二分の一以内の補助となつていますが、大体四分の三又は二分の一の補助にきめておりますか、或いは又は下廻つておりますか。
  77. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この五カ年計画は現行の補助率で事業をいたしております。
  78. 田中一

    田中一君 現行補助率を教えて下さい。
  79. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 現行の補助率は改良につきましては二分の一でございます。それから鋪装につきましては国道が二分の一で、地方道については三分の一でございます。それから修繕に関する事業につきましては三分の一を補助しております。なお直轄につきましては三分の一を地方に負担させることになつています。
  80. 田中一

    田中一君 これも今僕が言う四分の三というものがもらえれば、地方財政も非常にいいのではないかという考えなんですよ。この揮発油譲与税なんというものを作らなくても、補助を頂ければ実質的にいいのです。地方に対する補助率の三分の一を二分の一にすれば幾らになります。二分の一にすれば今までの五カ年計画のものを全部見まして、二十九年度の相違を見ますとその相違は幾らになります。どういう相違が出ます。
  81. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 今のお話の分はもう少し調べまして御報告申上げます。
  82. 田中一

    田中一君 どうも臨時措置法で、これはどうしても我々の審議というものをあなた方が本当に尊重するならば、補助率でなしに、補助率が少くなる多くなるが問題じやないのですよ。地方財政を救うために揮発油譲与税というものを新たに新設されたでしよう。国が出せばいいんですよ。これは全般的な一兆円予算の枠内で以てやろうとするところに無理があるのですが、非常に審議した我々をだましたことになるのですよ。今の補助率は、五カ年ともずつと今の考えではこの率で行くつもりですか、或いは又違つたもう少し補助率を高めて行こうというつもりがあるのですか。
  83. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。この補助率を変更すると申しますことはいろいろ議論ございましようが、今の私たち考え方で参りますと、事業量と非常に大きな関係を持つております。従つて五カ年計画中におきましては少くとも現在の補助率で行かなければ公平、その他いろいろな点から見まして私は非常に問題が多い、こういうふうに考えまするが故に、只今のところは補助率を変える意思はございません。
  84. 田中一

    田中一君 二十九年度の揮発油譲与税はこれは二十九年度だけの問題だつたのですよ、この法律は……。そうすると三十年度はやはりこの四十八億と三十一億ですかな、そうですな、これはなくなるわけです。今度その場合には補助率を上げるつもりでいますか、それともこのまま又三十年度の揮発油譲与税というものが再度出て、又幾らか分取つて行くというような考え方の相談もなさつているのですか。
  85. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。田中先生の言うようでありますならば、こうまで苦労しなかつたのでありまするが、そうでなくて、ガソリンの譲与税は二十九年限り、従つて現行の補助率を変えずと申しますと、地方負担分が百十億殖える。その百十億の殖える分について自治庁地方財政の現状から見て別途の財源措置をしなければ本計画が承認できないというのが、しばしば皆様方にお約束をした期限までにこの五カ年計画の査定が出せなかつた原因でございまして、只今のところではそういうような話は一切やつておりません。従つて三十年度につきましては、只今のところでは百十億地方負担分を増してもらうような計画の下に進んでおります。
  86. 田中一

    田中一君 この資料のうち、「その他の地方道」の中に「資源開発産業振興その他国の施策上特に整備を要するもの」というのは、この出ている資料の中のどこになるか。又それが国土総合開発審議会で今審議しておりますところの十九の特定地域並びに調査地域との関連はどうなつておりますか。
  87. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この「その他の地方道」は一般の県道、市町村道になるわけでございますが、計画の重点は主要地方道以上幹線ということにしておるのでございます。「その他の地方道」につきましても、ここに挙げましたような資源開発産業振興、その他国の施策上緊急を要する道路はこの計画に入れておるわけでございますが、特定地域の分につきましては総合開発計画の確立されておる分につきましてはこの中で考えております。
  88. 田中一

    田中一君 もう一遍伺いますがね、そうすると現在の十九の特定地域の計画の確定したもの、或いは計画中のもの、計画中のものでもいいんですよ、あなたのほうの計画なんだから。それをちやんと織込んで考えられておるということでいいんですか。
  89. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) それらの問題につきましてもこれは各県とよく打合せまして、県の計画に合わせてこの五カ年計画を立てておりますので、県において総合開発地域の道路整備を先にしようというものについてはこの中に入つておるわけでございます。で計画中のものもあるわけでございますが——総合開発計画として道路をどうするか一という問題についても総合開発計画の中では計画されておりますので、私どものほうはそれに合わせた道路整備をやつて行こうというふうに考えております。
  90. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 田中委員の御質問中誠に恐縮でございますが、区切りのよいところで一応暫時休憩にいたしまして午後は厚生との連合委員会の終了後再開いたしまして、質疑を続行いたしたいと存じますので、お含みおきの上御質問下さいませ。
  91. 田中一

    田中一君 私は今打切りではなくて、このままやめて留保してもかまいませんが、できるならば、これは別の問題になりますがね、今衆議院で建設業法の一部改正の提案理由説明をして来たんですが、若しできるならば五分か十分で……、その御発言があつたので、それに便乗してするわけですが、時間のお許しを願えればやりたいと思いますが、如何でございますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  92. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) それではそのようにいたしましよう。速記をおやめ下さい。    〔速記中止
  93. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) では速記を付けて下さいませ。  建設業法の一部を改正する法律案の提案理由説明を聞くことにいたします。発議者は参議院議員田中一先生でございます。
  94. 田中一

    田中一君 只今議題となりました建設業法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由及び内容の概略を御説明申上げます。  現在までの公共工事の施行の実状を見ますと、甚だ遺憾なことではありますが、適正でない工事が行われた例が少くないのであり、又将来もその虞れなしとしないのであります。かかる不適正な工事が行われる原因は種々ありましようが、工事の請負を競争入札に付する場合において、現在の制度の下においては入札価格に最低限がないため不当に低い価格による落札が行われるということがその主な原因であると考えられるのであります。この法律案は、このような点に鑑みまして公共工事の請負契約の競争入札について現在地方公共団体等の一部においてはすでに行われておりますいわゆるローアー・リミツトの制度を採用することとし、建設業法の一部を改正いたしまして、公共工事の請負契約を競争入札に付する場合において一定価格以下の価格による入札を無効とすることとし、以て適正な工事の施行を期そうとするものであります。  次に法律案内容について御説明申上げます。  即ち建設業法に新たに第二十条の二の規定を設けまして、第一項において公共工事の注文者が競争入札の方法により公共工事の請負契約をしようとする場合においてその注文者があらかじめ定める予定価格の十分の八未満の価格による入札は無効とすることといたしました。但し、その入札価格が、明らかに正当な基礎によつて算出されたものであると注文者が認定した場合には、右の制限によらないこととし、「公共工事」の範囲は、公共工事の前払金保証事業に関する法律第二条第一項に規定する公共工事といたしました。更に第二項において政令で定める軽微な公共工事については第一項の規定を適用しないことといたしました。  なお、その他関連条文に所要の改正を行うことといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概略でございます。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決下さいますようお願い申上げます。(拍手)
  95. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) ではこれにて暫時休憩をいたします。    午後零時四十七分休憩    午後三時三十二分再開
  96. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) では只今より建設委員会を再開いたします。  御報告を兼ねまして御承認を頂きたいことがございます。先ほど各派の代表の方々と臨時に御相談申上げまして、明日は諸般の事情で厚生との連合委員会開会いたさないようにしてもらうように申入れましたところ、それに対しまして先方より御返事がございました。それによりますと、明日連合委員会を開かないことは了承いたしましたが、但し明日一時より両委員会の理事打合会を開いてもらいたいとの申入れでございました。なお先方様はこの水道法案が若し国民のために必要なものとなりますならば、成るべく早く上げたい希望を持つているという言葉も添えて参りました。そこで当方はこの両委員会の理事の打合会を開きますことには賛成いたしました。但し当委員会は慣例によりまして、重要なる問題は理事のほかに各代表も揃つて協議いたしておりますので、明日も理事のほか各代表も御一緒に伺うからと申入れましたところ、これ又先方では了承してくれました。以上御報告申上げます。  それでは午前中に引続きまして、道路整備費財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして御質疑を御継続下さい。
  97. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 大蔵省からお見えのようですから、実は午前中建設関係から今度閣議決定された道路整備五カ年計画について伺いたいのです。この問題はですね、この閣議決定を見ますまでの過程においていろいろと問題があつたように承知しております。御尤もだと思うのです。私ども昨年この道路整備費財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案というものを通す場合には、いわゆるこういうようなあえて直接紐付きとは言わないでも、実質上紐付き的な効果がある、少くとも国家の財政というものを縛るような性格を持つている法律を通すことは、国政の運営からいつて如何かと、こういう問題で随分議論もし、悩んだことは御承知の通りだと思うのですが、私どもとしてはそういつた非常な不安と或る意味においては疑義をも感じながらあえてこの法律を賛成したというゆえんのものは、大蔵省のほうでも御承知の通りに、余りにも今日の日本における道路というものが惨めな姿をなしておる。このことはやがて再建日本としても産業の助長からいつても非常に由々しい問題であるから、その道路の改修、鋪装等について計画的にこれを直して行くことができればこれは望ましい。ただ単に建設に興味を持つているだけということじやなくて、今日の日本の復興の非常な要素として考えた場合についても、非常にこの点は是非期待したいし、望みたいというその一念の余りにこの法律が通つたのは御承知の通りなんです。ところがこの道路整備五カ年計画を拝見いたしますと、ここに「道路整備費財源等に関する臨時措置法、(昭和二十八年法律第七十三号)第二条第一項に規定する道路整備五カ年計画を次のとおり定める。なおこの計画による事業のうち国がその費用の全部又は一部を補助し又は負担するもの以外のものの面積は、別表の通りとする。」とあつて、以下この事業種類別に事業分量が載つているのです。そして最後修繕等、それから機械費調査費だけについてはこれは事業分量は載らないで金が載つておるわけなんです。そしてなお閣議の稟請の書額には面積の別表が載つているほかに、参考資料として道路整備五カ年計画事業内訳として総経費事業費二千六百億、それから国費として千六百八十三億というのが載つておるわけなんです。  で、この問題は、私は第一番にお聞きしたいのは、この総題については、この総額について問題があつたればこそこの閣議決定に至るまでの間に関係省方面で非常な問題があつた点だと思うのですが、この閣議決定を見たからにはこの事業総経費二千六百億、それから国費としての千六百八十三億というものは当然大蔵省のほうでも御了承であるのだと思うのですが、この点は如何でございますか。
  98. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 勿論了承いたしております。
  99. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そこで次の問題といたしましては、お聞きしたい点は、この臨時措置法の第二条の一項、二項、三項、この第二条の関係からいたしまして、つまり一項は「建設大臣は、昭和二十九年度以降五箇年間における一級国道及び二級国道並びに政令で定める、都道府県道その他の道路のほ装その他の改築及び修繕(北海道にあつては維持を含む。)に関する計画(以下「道路整備五箇年計画」という。)の案を作成して閣議決定を求めなければならない。」二項へ持つて来て「建設大臣は、前項の規定による閣議決定があつたときは、遅滞なく道路整備五箇年計画関係都道府県知事に通知しなければならない。」とあり、三項のところに持つて来て「前二項の規定は、道路整備五箇年計画を変更しようとする場合に準用する。」とあるのです。問題は今度いろいろと各省間で御協議になつて閣議決定を見ました五カ年計画というものが、果してこの臨時措置法にいうところの内容を持つた五カ年計画であるかどうかという点が非常な疑点のあるところなんです。と申しますのは、こういつたこの五カ年計画がただ単に集計だけの問題、総額としては二千六百億をお認めになつたんですから、それは勿論御承知のことという御返事を頂きましたが、この集計だけの計画を以てここの臨時措置法でいうところの五カ年計画として的確なものか、適切なものかという点が実は午前中問題になつたわけです。それは若しこういうことが、これだけの計画だけであれば、公営住宅におきますような三カ年計画の十八万戸なら十八万戸というようなまあ線ですが、ここにそうでないと考えられるのは、五カ年計画を変更しようとする場合に準用すると、一々閣議を求めなければならないし、その決定によつて遅滞なく関係都道府県知事に通知しなければならないというところから見、更には根本的にこの道路補修等を計画的に逐年やつて行くための法律であるというこの本質から見まして、それは年次計画が当然伴わなければならない。そうしてその年次計画内容をなすものは、各都道府県別にその路線というものが明らかであり、その事業分量、経費等が一応明らかなものであるべきだと私どもは思つて、非常に午前中いろいろな質疑を建設省との間に交わしたのでありますか、大蔵省から見れば、元来ならばそれだからいやなんだ。だからこの臨時措置法というのは我々としては実はあけすけに言つて同意しがたきものだから、この五カ年計画とはせめてこのくらいでなければ我々は承知しないのだというのかも知れませんが、その点についてはどうなんですか。
  100. 原純夫

    政府委員(原純夫君) この法律で御要求になつております個々の解釈についてでありますが、閣議決定の形で法律の御要求には応えたものというふうには考えております。年次計画も含めてという御要望はわかるのでありまするけれども、実際問題として、年次計画を詳細に立てて行くということは実際毎年々々予算の編成及びそれの執行において行われることでありますので、この法律の要求する大きなスタンスと申しますか、計画という意味においては五カ年間の一括した計画でよろしいのではないかというふうに考えてやつておる次第でございます。
  101. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そういうふうな解釈でありますと、先ほど読み上げました第二条の三項の変更したときはやつぱり一々閣議を求めるという、そうしてその決定については都道府県知事に通知しなければならないというこの問題は、最後の年にだけ変更という問題が来る。つまりこの法律の今年限りの命といつたときだけが変更が来るということになるのでありまして、私はそうではないと思うのですがどうですか。
  102. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 同じ事を繰返すことになりますが、我々おつしやるようには考えない。やはりそういうふうな何でありますと、財政法における継続費乃至国庫債務負担行為という制度との関連も考えて頂かなければなりませんし、かなり財政技術的に精緻な構成をしてやりませんと、こういうような後年度の計画を具体的に、而も変える場合には云々というようなことを含めていたしますことはかなりに問題があるかというふうに思います。我々の解釈は今申しましたような解釈であります。
  103. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 財政法との関連で、いわゆる継続費の建前でやるから、私はですから本分の五カ年計画というものに年次別な経費を入れることが望ましい。この法律を通した側から見れば望ましい。この法律を通した側から見れば望ましいことだけれども、そこまで要求は私も如何かと思うのです。併し精神だけは、この年次別計画というのは一応わかるとお話しになつたように、昨年法律を通します場合に、この年次計画をめぐつてのいろいろな質疑がありました。もつと適切なところの速記があるかと思つて見ておりますが、私はもつと適切に大蔵大臣との間に取り交わした質疑があるように思つて探しておりますが、必ずしも適切なのはないけれども、一応姿がわかるのがあります。これは二十八年の二月の二十日の大蔵委員会と建設との連合の席で私が建設大臣から答えをもらつたときの速記ですが、「この法律がいよいよ通つてしまえば施行される立場になる、立場になられれば、第二条によつていわゆる建設大臣は二十八年度以降の計画を出して、閣議決定を求められる、その際に大きな方針に従つてということになれば、目下のところ財源がないのだから、従つてこの五カ年計画に当たつては、総量としては一応の数量をお踏みになるかも知れんが、二十八年度に首を出す初年度の計画としては、いわゆる予算案に盛られておるうちのこの法律に示す補充の範囲内の額を出して行くんだという事になるだろうと思うのですが、その点はどうかということです。」と、こういうことを言つている。それで建設大臣の責任ある答弁を願いたい。そうするとそれの答えは、「国務大臣(戸塚九一郎君)ちよつと私はまだ慣れませんから質問の御趣旨を取り違えるかも知れませんが、仮に五カ年計画閣議に出して、本年の二十八年度の予算と第一年度の差額があつた場合に、その差額については、先ほど申上げたような措置をとらなければならんのであります。これは閣議の際に併せ考え決定を見ることになるだろう、こういうふうに考えます。」とあつて、やはり第一年というのは、この閣議決定を見るには今の財政法との関係でのりにくい疑義があるだろうと思うのですが、大蔵省のお認めになつた総事業量二千六百億のこの計画については、私は実は建設省に対して、実にこれは不注意な参考資料を付けたのであつて、こういうことであつては、この法律のいわゆる所期するところのものを充たせないこれは資料であつて、当然年度別にこれは参考資料の場合には明らかにして置かなければならんと、こういうふうに自分の意見を申上げてその答えを求めたのに対して、政務次官からは、自分はこれは持廻り閣議で、その点は成るほどそうも取れるが、二千六百億については年度均等の考え説明をして了承をもらつておりますと言うのです。そこで一つ大臣でないから閣議に参与されなかつたかも知れませんが、大蔵省考え方は、恐らくやはり先刻来の質疑の過程から見て、原さんの考え方は、原則としては均等的なものであるということだけはお認めになると思うのですが、その点はどうですか。
  104. 原純夫

    政府委員(原純夫君) この五カ年計画に基づきまして毎年の予算を編成します場合には、その編成のときどきの財政需要全般、それから財源全般というものはどうしても考慮されなければなりませんから、必ずしも均等ということになりまするか、或いは財政のスケールがだんだん縮まつて行くか拡がつて行くかということにも関係があるでしようし、その辺は一律的には申せないのではないかというふうに私は実は考えてます。まあいずれにしましてもその辺の差はそう大きなことはなかろうというのが常識的に出てくるのではなかろうか。なお、何と申しますか、この法律の精神の生かし方の問題でありますが、今回の計画というものは、均等であるにしろ或いは若干の白黒がつきますにしろ、道路関係の経費といたしましては相当に増加いたす。これはもう皆さん御承知の通りでありますから喋々を要しないのでありますが、数字的に申上げましても、二十六年度までに七、八十億という国の道路関係の予算が二十七年度、二十八年度と御努力によりまして百五十億前後のレベルになつて来ております。これがこの五カ年計画で均等に参りますと、御覧の通りの千六百億を五で割りますと三百億ずつ、うち二十九年度はこれでもう固まつて三百億以内の数字に入りますから、実に三百四、五十億というような、三十年度以降は平均いたしますとそういう平均になると思います。我々としましては全般といたしまして道路計画に対する国会の気がまえに対しては、思い切つてお答えした計画を作つたというつもりでおります。従いましてそれは逆に富ますと、財政から言うとなかなか辛いんだということを率直に考えながら、併しながら国会の立法の趣旨もあるので、それについてできるだけの計画をするということをいたしたわけでございます。従いまして二千六百億の何について、只今のような均等にやるんだろうというような御質問が出ますと、なお更いわば限界的な問題になりますので、只今のようなあいまいなお答えになつたようで、恐縮かと存じますが、この辺は御了承を頂きたいと思います。
  105. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今財政規模の長い間の見通しが含なかなか立ちにくいときでありますから、一応そういう御答弁で我々としても満足しなければならないのかも知れませんけれども、この法律を通しました我々の又苦心というか、非常に苦慮した点もそこにあり、そうしてそのことを彼此考えてこの法律を通した立場から言えば、この法律の趣旨に副つて是非政府のほうでは実施して頂きたいということは私どものほうの強い要望なんです。計画的に道路の悪いところを秩序を立ててその緩急所を得て、翌年はこれでやる、翌々年はこうこうだというふうにやりたいからこそいろいろな国家財政の運用についていささか迷惑の点があることを重々知つてこういうことを立てたんですから、そのことについては是非均等の考え方で、というのは今年の均等ではなくて、五カ年計画の均等の線でお願いしたいことで、私はこの問題は私からはもう質問申上げようとは思いませんが、これに関連して本年度の公共事業費関係は、何か実行予算というような関係で、一般に一割という問題を大蔵省のほうとしては一応プールの形の線に行つておるように聞いておりますが、この点は如何ですか。
  106. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 予算の実行上の節約の問題につきましては、まだ部内においても固めておりませんけれども、閣議においての御決定も頂いておりませんので、只今申上げることは御勘弁を願いたいと思います。なお、それにいたしましても、実行上の節約が必要であるということは、御存じの通りにいろいろな事情がございまして必要でありますので、執行上配賦されました予算を四半期別支払計画というものを各省からお出し頂いて、それに対して承認を与えるという、いわば一種の時期的な支出の規制をいたしておりますが、この際にはそういう節約も行われるであろうというようなことを考えて、まあ年度初めでありますから、一応大体の経費について一割程度の留保をして、そうして残りを四半期に分ける。勿論そのうちにおきましても経費の種類におきましてはそういうことをしないで、例えばまあ交付税、交付金などはたしかそういう留保なしにやつてつたと思います。又災害復旧というような面はまあ予算緊縮のため非常に御期待には副い得ないような少い額しか予算に計上されていないというようなお誉めが大分ございますが、出水期を前に控えて極力予算を早く流してくれというお話がございますので、こういう経費につきましては関係各省を通しましての配分計画、配分の要領というものがきまりますに応じてどんどん第一四半期においても出して行こうというようなことで、只今現に実行しておるわけでございます。
  107. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私は最後にこれはお願いかたがたなんですけれども、問題の道路の経費、或いは林業におきます林道の経費、殊にまあ御承知の通りに昨年の林道といえば昨年の治山治水協議会でも取上げたテーマのうちで、それぞれの経費は前年度に比べて、とにかくない中にも減らさないのみならず、或る程度殖やして頂いた点については、よくこの際適切な考慮をして頂いたものだと思つて、或る意味においては私は感謝するところの一人でありますが、林道の経費などは前年より減つているんです。そうして一方において山を荒すな、こう言つておる。私はそこでこの道路とか、或いは更に前年よりも減つているような今の道路の一つである林道のようなものは、是非今のような事情もございましようが、セーブしておくことなくやつて頂きたい。特に東北、北海道といつたようなところは、今使うところの金と、それから例えば冬場近くになつて使う金とでは、実際申してかなり効率には影響があるのは御承知の通りなんです。一つその点も十分に考えて、そういつた支払計画と申しますか、その際に御考慮を願いたいと思うんですが、これについてどういうようにお考えになりますか。
  108. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 林道その他北のほうでの交付の支払金につきましては、只今申上げましたのにまあ落して恐縮であつたわけでありますが、お話のような事情があろうということで、第一四半期の支払計画を通常の四分の一でなしに、もつと余計附け足すような、はつきりした数字は忘れましたが、たしか四割か五割までは出してよろしいということでいたしておりますから、大体お話のような点に対するかまえは何とかできておるのではないかと思つております。
  109. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつとしたことをお尋ねしますが、財政当局としては、来年度の国家財政規模はどの程度になるというふうなお見通しを持つておられますか。
  110. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 非常に大きな問題でございまして、私が簡単にお答えするのは如何かと思いますが、事務担当者の一人としての感じで申しますれば、二十九年度にとりました緊縮政策といいますのは、単に緊急のためというような単純な何でなくて、日本の経済が終戦後のいろいろな波浪の中か非常に国際的に競争力の弱い状況になつてしまつた、これを何とか根本的に救治しなければ将来の日本の経済というものが非常に心配であるという角度からの緊縮予算でありますので、そういう救治は単純に一年の予算を締めたというだけではできなかろうというふうに思いますので、恐らく三十年度以降におきましてもそういうような、もうよろしいから一つ膨脹に転ずるというような時期を簡単に予測するよりも、むしろ隠忍自重の時期がなお暫らくは続くというふうに考えるほうが正しいのではなかろうか、これは私が私自身の気持の中で考えておることでありますが、御参考までに。
  111. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうする、まあ事務当局としての見通しとしては、一兆円予算ということについては、そう今後数年の間というものは伸びはないんだ、やはりデフレ政策といいますか、緊縮政策といいますか、引締めた形で進んで行くんだ、そういう気持が強いというふうに了解してよろしうございますか。
  112. 原純夫

    政府委員(原純夫君) その通りでございます。
  113. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう考えを前提として二千六百億という程度の五カ年計画道路事業を遂行するということで、財政当局もそれを認めたということは、やはりさつき三浦君の質問にもありましたが、平均されれば来年度以降三百数十億、これはそのときどきの事情で伸び縮みはありましよう。そういう金は賄い得るというやはり見通しがあつて、自信があつておきめになつたことでございますか。
  114. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 本件につきましては、御存じの通り今国会に当初提案いたしました形におきましては三分の一を地方財源に繰込む、而も繰込みますものは殆んど大部分道路整備五カ年計画以外の従来の系統における道路関係の費用の財源に充てて欲しいということをお願いしたわけであります。これはお話のまあ本年度におきましても財源的に非常に苦しいということを考えて実はそういうプランを立ててお願いをいたしたわけでありますが、それが国会の審議の間において非常に紆余曲折、こういう形になつたわけでございます。従いましてそういう悩みと申しますか、これが来年度以降全然なしにこの三百数十億が楽々とできるかどうかという意味だといたしましたら、我々それは相当苦労があろうというふうに思つておりますが、まあ紆余曲折のありました末こういう形になりましたものでありますから、できる限りその間は努力してやつて参る。現に揮発油税の税収、これによつて国の歳出を規制いたします半面、地方財政の需要というような面におきましては、この五カ年計画を策定いたしました間におきましても、御存じの通り非常にもめにもめましたので、そういうような面はなお今後の各年度の予算編成上非常に苦心が要るものと考えておるわけでございます。
  115. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 端的に伺いますが、地方がこの事業を遂行するのにどういう財源を持ち、又国はどういうふうの財源を与えるか。或いは又国自身はどういうふうにしてこの事業を遂行して行くか、それはそのときそれのいろいろな事情によつてこの考えも変る。個々のやり方も変るかも知れませんが、それらはともかくとして、全体の今のこの財政政策の上から、いわゆる引締めておるこの財政政策の上からでも、今後五カ年間に二千六百億という事業量はこれは完遂して行く、こういう立場を堅持してこの閣議決定がなされたのかどうか、そして今後において、財政当局もすいうことでは苦しい困難な点はあつても大体自信を持つてつて行けるということでこれが承認されたのかどうかという点を端的にお伺いしておきたい。
  116. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 百%の自信は率直に申上げましてございません。何とか努力をして、非常な努力をしてやつて参りたいということでございます。
  117. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると南政務次官に伺いますが、閣議決定というのはこれはどういう意味合いのことを考え決定なつたものですか。
  118. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。私は財源等に関する臨時措置法に基きまして規定せられた五カ年計画であり、第一年度は御審議願つておるようなふうで三分の一を地方に譲与される。第二年目以降、この二十九年度予算のものも入れまして、計画良が細かく分かれておりますが、金額に概算いたしますと、約二千六百億、こういうことで大体均等で残り四年間やつて行く、こういうことが閣議決定されたものと、こういうように私は解釈をいたしております。若しもこのいわゆる閣議決定なり或いはこの計画量というものが変更になるといたしますならば、それは必要な法律の改正なり或いは必要な閣議決定の変更なり、これがなければそれは私たちとしては違法行為であり或いは間違つた措置になつて行くと、こういうように私は理解しております。
  119. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 将来において法律が改正されるとかされないとか、そのことはそのときどきの内閣によつて事情のあるものでしようから、それは私は問いません。少くとも内閣として五カ年間の計画閣議決定し、これをきめたということは、今日の段階においてはなし得るという自信の下にこのことがきまつたものと私は了承するが、そうであるのかないのか。まあ一応きめるだけきめておくんだと、あとは時世時節に倣えで、そのときはそのときだと、こういうことなのか、この点は率直にお伺いしておきたいと思います。
  120. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答えを申上げます。午前におきましても三浦委員からの御質問もあつたのでありますが、建設当局といたしましては二千六百億、時価に換算して二千六百億のこの事業量を四年間でやつて行ける。それから均等で計画をやつて参りまするにつきましても、財政事情でいろいろのそのむずかしい立場もありましようが、かくすべしという法律もちやんと現存しておるのであります。その法律に基いてこの計画ができ、又この計画を実現する際においては多少のやり繰りは必要かもしれませんが、今の日本の財政経済の上におきまして、三百数十億の事業量をやることは、それほど財政を破綻せしめるものであるというふうには私は少くとも考えておりません。
  121. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 失礼な申分ですけれども、あなたはあと何カ月政務次官になつておられるかわからんので、私の見解を聞くのではない。私はこの閣議決定をした内閣の精神を司つておるので、そういう意味合いでもう一度御答弁を願いたい。
  122. 南好雄

    政府委員南好雄君) これは私が返事をするよりも、大蔵当局のほうから返事をして頂いたほうがいいと思うのでありますが、まあこれ以上は小笠原委員の御質問には私は幾度御返事を申上げてもどうかと思うのであります。私は、少なくとも私はという言葉を使つちやいかんというのですから……、ですけれどもそう大してむずかしい問題じやないと、建設当局もそういうふうに考えて、将来誰が大臣になろうが次官になろうがです、その計画実現のために努力すべきものであり、そうするのが法律に適応してるんだ、こういうふうに私は考えております。
  123. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 財政当局に伺いますが、今のような、今後来年度以降の四カ年は均等で三百数十億を出してやつて行くという精神を以て閣議決定されたのでありますか。
  124. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 均等かどうかという点につきましては、先ほども申上げた通り、実はその均等はむしろ事柄の性質上、国民所得なり生産なりというものはやはり年を逐うて極く僅かなパーセンテージでありますが増して参る。まあ緊縮予算でありますけれども、国民所得が増し国民経済の枠が拡がるというのに応ずる膨脹はこれはまああるだろうというような前提で、この五カ年計画の計算におきましてもそういうような計数を入れましてやつているという事情もあり、まあ率直に申しますれば、均等よりも若干ずつ末広がりというのが常識でもあり、又事実そういうふうなものだというように私は考えております。
  125. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 改めて結論的に伺いますが、そうしますとこの五カ年間の日本の財政の見通しの上に立つてこの程度のものはなし得ると、又予算措置をどういう方法をとるかはいろいろ事情があるでしようが、予算措置をなし得るという見当の上に財政当局としてはこの計画を御承認になつたのでありますか。
  126. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 中央財政につきましてはおつしやる通りであります。勿論そのなし得るという言葉につきましては、継続費の後年度分について、この予算に組む場合とは大分感じが違います。この法律の精神に基いて揮発油税の税収を使う場合に、どのくらい揮発油税が上るだろう、それを使うとすれば、どれくらいの国費になるという計算でやつたわけでありますから、これはもう極めて可能性の強いものというふうに考えておりますが、地方財政の面におきましては、それだけの国家側の歳出上に伴います地方側の負担額の増加に充てるべき財源というものは、実は立法にもはつきりしておりませんし、まあ率直に申して相当な困難があると、閣議決定におきましても、その点がはつきりとこの了解事項で指摘されまして、その点についてばなお相当な努力を要すると、別途この関係各省で努力をして行かなければならないというようなことの話が出ているようなわけであります。先ほど来申しましたこの困難というものは、まあ特に地方財政の側には大きいが、又なおもう一歩率直に申しますれば、道路関係について非常にまあ殖えるのはそれは結構なことなんでありますけれども、又財政全般の中でいろいろな需要出て来ました場合には、やはりこの何と申しますか、例えば今年から、二十九年度から三十年度にかけまして相当の増加があるというあたりは、全然悩みなしで当然できますというふうに申上げるのも率直でないので、先ほど来申したのであります。砕いて申しますと只今申したようなことであります。
  127. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 率直に申そうが何と申そうが、大事なところがぴんと来ないので、繰返してお尋ねしようと思つておりますが、これは閣議決定で了解事項があるということですが、これは文書等でできておるのでございますか、建設当局の方から一つ。
  128. 南好雄

    政府委員南好雄君) 閣議了解事項は文書でできております。
  129. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうしてそれをこの委員会に御提出にならなかつたのですか。
  130. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。閣議了解事項であり、飽くまでこれは了解なものですから、あえて強弁するわけではないのでありますが、恐らく事務当局のほうで出さなかつたのだろうと思いますが、私ここで読んでも結構であります。「本道路整備五カ年計画地方負担の増加を来たす部分については所要の財源措置を講ずるものとする」、こういう了解事項であります。
  131. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると財政当局がおつしやるような困難だから努力するというようなことではなくて、積極的にこれを克服するという非常によい了解事百項なんですが、了解事項はそれだけなんですか。
  132. 南好雄

    政府委員南好雄君) その通りであります。これが当然であると思つておりますから、わざわざ断わらずに配付しなかつたわけであります。
  133. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私ひよつとするというと、内閣だけで了解して委員会が了解できないようなものだから隠したものだろうと思つて、相当質問しようと思つたんですが、それは非常にいい了解事項なんですが、こういう了解事項ができておつて、財政当局がなお困難性を克服する御自信が、今の段階において財政の見通しから言うてあるのですかないのですか、その点お尋ねしたい。
  134. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 非常に困難は大きいということを先ほど来申上げておる通りであります。只今の了解事項も大きい困難を何とかして克服するようにやつて行こうということで、簡単だと思つて書いた了解事項ではないのでありまして、御了承頂きたいと思います。
  135. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は措置するということで断定的に言つてつてきめておりますから、困難はあつてもそうするのだということをはつきり取りきめたのだと、こう考えるのでして、それが将来において、少くとも来年度あたりにおいてふらふらするような筋合のものではなく、十分な検討をしたものだと思つて聞いておるのです。その点はどうなんですか。
  136. 原純夫

    政府委員(原純夫君) これだけの大きな歳出の追加を伴います、中央財政に対する、何と申しますか、要求が出まして、それで先ほど申したような紆余曲折の末、これは後年度本法の通りつて参るということでありますが、一方それに対応いたします地方財政の需要というものが簡単にできようということはなかろうということは、小笠原委員も御了承頂けると思うのであります。従いましてそれを克服することは非常に困難はあるが、何とかそれを克服してやつて参ろうということが出ておるわけでありますが、同時にその所要の財源措置というのにはいろんな財源措置があるわけでございます。単純に国が例えば地方にそれだけ金を余計交付してやろうということがありますれば、地方側としては非常によろしいが、国はとてもそれまでの力はない、と言いますことは、やはり地方側においてもいろいろな面から財源を集中しなければならないということが出て参るわけであります。そういうようなわけで必ずしも簡単なことではございません。毎年々々相当の工夫が要り、又相当の努力が要るというふうにお考え頂きたいと思います。
  137. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 奥野税務部長がおいでですから、そちらにお伺いしますが、地方財政で賄わなければならない部分が五カ年で一千億近い金でありますが、今年の分は譲与税等で大体めどは付いておりますが、来年度以降四年間、譲与税というものがない状態で……、先ずお尋ねしますが、地方の税収その他でこの一千億のうちどれくらいを賄えるというふうなお見通しを持つておられますか。
  138. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 小笠原さんのお話につきましては、地方財政の現状がどうであるかという問題が根本にあろうかと思いますが、現在地方団体では赤字を出しておるのが非常に多いわけでございますので、余裕のある状態とも言えないんじやないかというふうに思つています。従いまして又今回の五カ年計画の設定に当りましても、地方負担が増加する。それを地方財政の現状のままで措置して行けるのでありましたならば、あえて閣議了解事項というようなことで議論する必要はなかつたのでありますが、それが困難でありますので、一応の財源措置を講ずるということになつたわけでございます。それでは殖えて行く部分につきまして百%別途に国から財源をもらわなければならないかどうかというふうな問題になつて参りますると、三十年度の財政計画を立てます際にもう一遍国、地方を通じまして或いは歳入状況の点を検討した上にしなければならないのでないかというふうに思います。現在のところで地方団体がどれくらい持てるかと言われますならば、持てないんじやないか、現状においてはむしろ歳入欠陥の問題が起きているんじやないだろうかというふうに考えております。
  139. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは所要の財源措置ということは今はつきり言えない事情であることはよくわかりましたが、少くとも地方も持ち国も持ちという形は当然出て来ると思いますが、自治庁の希望と申しますか、期待としましては、ガソリン譲与税についてどういうふうに今後考えて行かれるつもりでありますか。
  140. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) これは政府の問題でなしに、自治庁考え方ということでございますならば、やはり地方に必要な道路費につきまして何らか目的税的なものがあつたほうが道路整備の姿というものはよくなるのじやないかという、こういう考え方を持つております。
  141. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは譲与税の形式でなくて、地方税としてこれを創設するというようなことを研究するという場合には、仮にどういうものが予想せられますか。
  142. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 現在のところ別にこれということは考えておりませんけれども、例えば現在ありまする揮発油税収入に財源を求める行き方もありますし、或いは又現在あります自動車税に財源を求める行き方もありましようし、或いはその他の問題も、適当、不適当は別にしまして、案としてはいろいろ考えられますというふうに考えます。
  143. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで結局結論としては、大蔵当局と自治庁としては、来年度トラブルを起すことなしに、摩擦を生ずることなしに、所要財源を求める協議が成り立つということに御自信を持つておられますか。
  144. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 閣議決定がこうなされておる以上は、当然政府としてまとまつた案が成立するものというふうに考えております。
  145. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その案は次の通常国会においてはもう示される程度にはつきりしますか。
  146. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 当然そうしなければならないと思います。
  147. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次にお伺いしておきたいのですが、その前提として道路局長にお伺いしますが、この閣議決定ですが、本文のうちの「なおこの計画による事業のうち」云々とあるこれは、内容としては二十九年度限りとしてのガソリン譲与税ができて来たためにこういう文章が挿入された。本来ならばこういう点はないのだというふうに了解しておいていいわけですか。これは本年限りのものですか。
  148. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  149. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると本法の精神からいう閣議決定としては臨時的なこれは措置であつて、我々が当初希望した閣議決定の精神とはまあこの点は変つた新らしい臨時的な措置だということになると思いますが、これに伴う別表の道路橋梁、それらの数字が出ておりますが、これは主要地方道、或いは国が補助する道路を除いた地方の全部の道路ですか、又そうではなくて、これは五カ年計画で五カ年中に実現したいということで一応これの箇所別にピツクアツプしたものの合計でございますか。
  150. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは揮発油譲与税のうち四十八億の使い方を書いたものでございますが、その四十八億は道路五カ年計画によつて使われるわけであります。で道路五カ年計画を立ててございますが、そのうち国が負担し、又は補助するという道路以外の道路事業がこれでありますが、この中には主要地方道も入つておるし、一般の都道府県道も入つておるわけであります。
  151. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、私の質問は或いは呑み込めないかと思うのですが、これは五カ年計画としてやらなければならないと考えて、必要であると考えて取り出した道路橋梁キロ数なのかということを聞いておる。四十八億の対象にはなるでしようが、これが全部四十八億でやるということではないと思いますが、従つて本年限りの四十八億であれば、あとはみ出したものは来年度以降補助の対象になる道路計画事業としてやつて行くように、そちらに入つて行くかどうかというような点について、私はわからないからお尋ねしておるわけです。
  152. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この四十八億の分は五カ年計画でやらなければならない道路に使つておるわけでありまして、この四十八億で事業が完遂しない分につきましては、来年度五カ年計画に載せて事業を実行しなければならんものでございます。
  153. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ですから本来で言うならば、この別表にある数字と「その他の地方道」というものと、これは合体して初めて五カ年計画地方道ということになると思うのですが、そう了承してよろしうございますか。
  154. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 主要地方道及びその他の地方道の中に含まれておりまして、合体して事業が遂行されるものであります。
  155. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうするとただ四十八億の対象になつたから別表にしただけのことであつて、四十八億の対象でない場合には当然三、四の中キロ数に加算されて入つていなければならんものだと考えてよろしうございますか。
  156. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この四十八億の三、四に含まれております。
  157. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると具体的に例を挙げますと、主要地方道道路二千二百キロ、その他の地方道道路四千六百三十キロ、この中にこの別表に示されるものが入つておるということでありますか。
  158. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  159. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうするとこの別表のキロ数は四十八億でなし得る範囲のものでございますか。
  160. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この別表は面積で示してございますが、この四十八億でなし得る範囲のものでございます。
  161. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうですが、それではお尋ねしますが、この連合審査で自治庁から示されました「譲与税に関する法律の施行に関する総理府要綱案」、これによつて四十八億をどう按分するかという方針がきまつておりますが、これで見ますと、例えば「要改築道路鋪装を除く)」、これは係数が一・〇で、「上欄の種別ごとに下欄に掲げる係数を乗じて補正するものとする」、こういうことがありますが、この計算方式を用いて、この別表に用いて四十八億がきちつと按分されるのですか、されないのですか。
  162. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この別表には実面積を挙げてございます。これに補正係数をかけまして、合計が出ます、各県ごとの合計が出ます。それによつて四十八億を按分いたしますと各県の四十八億の分け前がきまるわけであります。
  163. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで私こんがらがつて来てわからないのですが、この補正係数をかけて金額が出る。その金額で補正係数をかける前の面積道路なり橋梁事業をなし得るということですか、全部これはやることになるのですか。
  164. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) もう一度申上げますと、別表のほうは、実際にやる道路なり橋梁鋪装面積が挙げてございます。これは橋梁道路では単価が違うのでありますから、これに補正係数をかけまして、それで道路に換算した面積を出します。そうしますとその面積によつて四十八億を按分する。そうすると中身は、補正係数をかけてございますから、橋梁でも鋪装でもこの中でやれるということになつて来るわけであります。
  165. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 自治庁に伺いますが、この総理府令要綱案に、上欄の種別ごとに左に掲げる係数を乗じてというふうにあるのですが、これは今道路局長おつしやるように、道路なり橋梁の実面積に係数をかけると、こういうふうに方式がきまつているわけですか。
  166. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) その通りでございます。
  167. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうしますと結局こういう五カ年計画でずれ、閣議決定の五九年計画、これの三と四、主要地方道、この三の二千二百キロ、それから四の四千六百二十キロ、この部分が減つて来るとおかしいが、この部分が中央予算で組んだその仕事のほかに或る程度進捗する、つまり今度の譲与税関係四十八億において進捗する。だから言葉を換えて言えば、仮に三の主要地方道で言えば、二千二百キロの五カ年計画のうち今年仮に四百キロつたとすれば、千八百キロがあとの四年間にしわが寄るだろうけれども、その千八百キロのうち譲与税四十八億で、いわゆる指定されている分の仕事というものはもう少しやれるんだから、千八百キロからその進捗した分だけがしわとなつて残るのである、こういうことですか。
  168. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 四十八億はこの五カ年計画の中で使いますので、例えば三で申上げますと、五カ年計画の総体が二千二百キロであります。そのうち今年は三百十八キロ行きますが、その三百十八キロのうち百七キロというものは譲与税で行うということになつております。これは午前中にちよつと全体について御説明申上げました。
  169. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そのことは三百十八行く、そうして譲与税で行ける分の何がしかを合わせて一二百十八ですね。
  170. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  171. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 ですからあなたのほうの、今度は午前中との関連になつて、ほかの関係の省の方に御迷惑だと思つて私は言わなかつたのですが、たまたまお話が出たからですが、関係都道府県知事に通知する五カ年計画の本年度分、それは今の三百十八キロを言うのではなくて三百十八キロのうち、国の中央経費で以ていわゆる普通の姿において行く分を除いた分だけが行くのですが、三百十八だけを今年度の形というのですか、その点どうなんですか。
  172. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これは四十八億の分は地方譲与税でございますので、金は自治庁から行くわけでございます。併し五カ年計画に合わせて使わなければなりませんので、我々のほうとしましては、仕事の内容としてそれを含めた三百十八キロを県にやるわけでございます。
  173. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうすると三百十八キロということで本年度は第一年度として決定せざるを得ないような事情なんですから、結局やつぱりこれは臨時措置法の趣旨から行くと、五カ年計画の総額は変えないのだけれども、三百十八は併し通知しなければならない。そうすると政府考え方というのは、その三百十八キロを各関係都道府県に知らせるものは、五カ年計画の第一年次という形で実質はあるのだけれども、この法律に言う第二条の第二項による通知というのではないという意味なんですか。
  174. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話のように実質は五カ年計画の第一年としてやるわけであります。併し五カ年計画の全体はこれは関係都道府県に知らせるわけでありますが、これは全体のことでありますから、関係都道府県言つても余りその関係もないとも言えるわけであります。ただこの二十九年度の分が五カ年計画の第一年度として関係都道府県に知らされるわけであります。
  175. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そこで私ども初めから言つている。臨時措置法を通したときの年々計画的にやつて行くという線から言うと、第一年次計画というものは是非欲しいのです。そこで今まで大蔵御当局或いは地方自治庁のほうからのいろいろな考え方についての農事も承わつたこの際、私は閣議をやり直すという意味じやありませんが、この閣議に基いた了解事項として、今度は各省間の間で五カ年に割つた地方別の種類別の計画というものをお立てになつて、そうしてその了解をここに正式に取結んでおくということが、今日としてはせめてこの法律を通した側からとしての切実な希望であり、このことは地方の団体から見ても非常に望むところであるには違いない。ですから私はこの点を是非、丁度大蔵の御当局もおられるし、地方自治庁もおられるのだしするから、一応目途としてそういうような年次別というものを閣議決定に基くところの行政措置としてお作りになるというお考えがないかどうか、私は是非そういうものを作つて頂いたほうがこの法律の趣旨に合う、かように思うんですが、どうでしようか。
  176. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。三浦委員のお言葉をお返しするようにお取り下さつては困るのでありまするが、私はこの年次計画の均等と申しますことは、均等というふうにして閣議内容になつておりますれば、それ自身の拘束力は持つのでありますからベターだつたとは思いますが、こういうふうにやりましても、私は大体それで行くんじやないか。又そうでなければ、五年先に自治庁のほうで残つた事業量をやるだめに地方の財政負担が非常に増して来た場合において問題にすればいいのであつて、今この閣議決定をする際において、毎年々々やるこの地方財政負担が大体百億から百十億ほど増すために、非常に閣議決定に大きな、何と申しまするか、自治庁としての言い分が出まして、そのために非常に閣議決定が遅れたという間の事情なんかを勘案してみますると、全体計画として閣議決定は経ておりまするが、当然国は予算でやつておりまするので、毎年の計画をきめて行く、そしてその毎年の仕事をやるために、現在以上に地方財政負担が増加するから困るんだ、二十九年度程度をずつとやつてつて、そうして五年目に一遍に別途措置を講じても、計画が五年の総事業量をきめたので、それ以外の拘束がないと考えますならばそれでもいいという議論にもなつて参るわけであります。然るに自治庁あたりの、私たち或いは大蔵省あたりで、二十九年よりも三十年度のこの道路整備事業が非常に増加する、従つてその増加分に対応するだけの地方負担が現在の地方財政計画上には負担がなかなかできないんだ、従つて特別の財政措置が要るんだということで閣議決定が非常にもめたことを考えてみますると、あればいいのでありますが、なくても大体均等な行き方をしておるということが三省間のうちに当然了解されておるものと、こういうふうに考えております。なお、御注意の点もございますので、疑を避けますために、事務当局といたしましては今後できるだけ交渉いたしまして、年度計画のようなものができますならば取結んで行きたいと、こういうふうに考にております。
  177. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 その長い長い間、或る意味においては法律違反とも思われるような段階にまでもんで五カ年計画ができなかつたのは、あなたの言う通りに、自治庁なり大蔵なりの関係が了解が付かなかつたからであればこそなんです。先ほど来趣旨においてその均等の線というものを原則的にはやりたい考え方でありといい、又これに対するところの地方団体の負担については措置をするというふうな了解事項まで付いているんだから、私はその範囲で以て当然あなたのほうとしてはその年次計画というものを閣議決定に基いて作るということでなければ、この法律を担当している窓口である建設省としてはいわゆる精神違反ですよ。当然そうですよ。  私はこの公営住宅の問題だつて考えてごらんなさい。公営住宅というものは三カ年計画でできておつて、そうしてその変更のことについてはどうのこうのということは書いてない。三カ年計画については閣議決定をすると言つてそれだけである。今度一体閣議の変更の場合においては閣議の又決定を必要とし、その都度遅滞なく関係都道府県知事に連絡通知するということは、いわゆる尻を結んだ今度は法律になつているから、公営住宅ではあれは初めの出だしだけが三カ年計画で、閣議決定は経ても節々の尻を結んでないからこそああいつた不態な姿になつた。だからこそそれを変えるときには一々閣議決定も経るし、そうしたその都度一々その関係都道府県知事に交付するということになつているんです。それをこういうふうな、如何にいろいろな沿革もちり、困難の中こういうものを打立てたとはいいながら、三カ所に付けただけで、ただのんべんだらりと五カ年でやつてつて事足れりといつた態度は私はそれはいけない。それだけ苦心し、それだけお互いに折衝し、いろいろと困難を克服して閣議決定して来たものを土台として五カ年計画があるものは、当然年次計画を立てるということにしなければならない、もう一回返事をし直したらどうですか。
  178. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。だんだんの御注意ございましたので、私も当然にそういうふうに考えておりますので、先ほど申上げましたように、至急事務当局に打合せさせまして、残つた四年のうちに残つた事業量を均分にれるような年次計画を立てたい、こういうふうに考えております。
  179. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 どうでしようか。今お聞きのような関係に私はこの法律の趣旨から言えば持つて行くべきものだと思います。それから又まあ大蔵御当局がうんと心配してやるといつて太鼓判を捺してくれれば、地方自治庁のほうは、やがてその団体の発展の基礎をなすものだからお喜びだとは思うけれども、大蔵省の次長のほうは、この法律をめぐり、今までの経過を経た閣議決定をめぐつてどういうふうにお考えになりますか。
  180. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 年次計画につきましては先ほど申上げました通り法律考え方は必ずしも窮屈に年次計画をお作りになるということはなかろうと我々は解釈いたしております。又実際問題といたしましても、二年先、三年先、四、五年先というまでの歳出を、而も特定の或る工事をやる、それを五年間でこういう段階でやるというならば何でございますが、道路全般非常に大きなものを各年度、この年度はこれをやり、この年度はこれをやるというようなことを、政府部内乃至は政府自体を拘束するものとして進めて参るというのは、私率直に申して非常に困難で無理なことではなかろうかというふうに思います。毎年予算編成の際にこれを具体的に御相談して参るということが一番穏当なやり方じやないかと考えます。
  181. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そのことは臨時措置法を審議する際に、臨時措置法そのものに含んでいるところの、これは財政当局からいつてのいやな点であつて、この法律がともかくいろいろなああいう経過を経てできて、而もこの長い間たつて各方面から研究をしてここに二千六百億の総枠がきまつたという今日においては、又根本に遡つて最もいやな臨時措置法の持つところの点を引用して、それはどうも好まない、それは初めから大蔵当局としてはこの法律自身を好まないということは我々自身もわかるし、我々自身もどうしたものか、通さないがいいのかとさえ考えた点なんです。通つちやつて政府としては、それこそ憲法を引用するまでもなく、法律のある以上その法律によつてつて行くんだ、そうして現に五カ年計画ができた。そうして先ほど御答弁のように、長い見通しはできないが、原則として均等の考え方で行くんだ、こういうことになれば、私はむしろ聞いたのはおかしいのかも知れませんが、当然年次計画というものを作つて、それを一つの基準としてやつて行くということはもう当然とるべき言うまでもない結論だと思うのですよ。その意味における五カ年計画という問題を、私は年次計画という問題を言つているのです。もうそのことは、今までの御答弁というものから言えば当然私は、勿論好ましいことではありませんけれども、そういうふうに原局のいわゆる担当の建設省が作つてつて来た場合に、私はそれを拒否するところの理由というものはないんだと思うのです。これはどうですか。
  182. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 我々が、この法律を制定されましたお気持、つまり道路に大いに重点を注いで参ろうという気持にお応えしてやつておることは十分おわかり頂けると思うのであります。一方三浦委員もお話の通り、特定の財源を特定の歳出に結び付けるということが財政上の常道でないということはまあおつしやる通り、我々も非常に強くそれを感ずるわけであります。そういたしましたならば、先ほども申上げました通り、全体の態勢において、この法律の精神について我々が仕事をしておるというので御満足頂いて、それ以上に、毎年毎年度の計画まで大蔵省は各省との間に約束をして参りました。而も今四年先、五年先の計画まで約束をしろというのは、これはますます、何と申しますか、財政についての将来を拘束する、拘束されたくないというけちなつもりはございませんけれども、やはり財政は非常にたくさんの需要を限りある財源で賄つて参らなければならないということで、毎年々々そのときの実情に応じてまとめて参る。その際この道路に関しては道路関係のこの法律が大きな根本になるということで御満足頂くよりいたし方ないのではないか。又私は率直に申しましてそうあるべきではなかろうかというふうにも感じます。余りに各費目に関します財源が特定されますると、財政の中において、いわば財政が非常にばらばらなものになつて参る、そうしてそれぞれの財源と歳出との結付きが総体として見た場合に、それでぴつたりいいバランスになるということは常識的に考えてあり得ないわけでありますから、やはりその辺は毎年度々々々の予算編成の際に措置をする。あらゆる要求を並べ、財源を並べて最善の判断を下すということよりほかないのではないかというふうに、くどいようでございますが考えておるのであります。
  183. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 どうもおかしな御返答なので、前にはこの二千六百億に亙る事業というものはいろいろ検討して認めた。そうして平均割にすれば三百億以上になる。でこれをできるだけ均等の線でやるという考え方であると、こういうふうに原さん自身がお答えになつたのです。だからして当然この法律の趣旨から言つていわゆる経費を効率的に使い、その補修、修繕といつたようなものを緩急に応じて順序よくやつて行くという意味からして、効率的に使うという意味から言つて計画的に年次別に路線をちやんとやつておいてそれを基準としておやりになつたらば一層いいのだ、むしろそれが当然だなんというと、どうも如何にも二千六百億というものを認めたのはただ何か一時のいろんな事情から認めたのであつて、だんだん実はこんな旨認めたくなかつたんだといつたようなふうに聞えるのですが、私は併し先ほど来取交わしておるそのお答えから見れば、今のような、つまり行政運用としての建設省から出して来る年次計画、この閣議決定の範囲内で出して来る年次計画というものを否定するところの私は理由が何らない。若し否定するとするならば、この法律というものはやつぱいやなんだということ以外にはないのだと、そのいやなんだとは言いたいけれども、ともかく法律が過つちやつているんですから、私はそれは、その理由は全然理由にならない、こういう点を申上げておるのです。どういうふうにお考えになりますか。
  184. 原純夫

    政府委員(原純夫君) お出しになつて参考として受取つておくということは勿論結構でございます。ただお話の趣旨が、それに意見があるならば言つて約束をしたらどうだというお話になりますと、それは只今申上げましたようなお答えになるわけでございます。
  185. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 まあ約束をするというその約束にはいろいろと程度がありまして、これを年次計画を立てて、そうしてそれを政府というか、大蔵省としてがつちり約束をするというと、例の財政法との関連になつて来ることは、これはそうでしよう。ですから私は効率的に運用をする、こういう意味と、法律の精神から言つて事務当局の間でその年次計画というものを今後予算等の場合に当然基準にするというのだから、従つて年次計画というものをそういう意味において了解、そういう意味における了解の下に取交わしておくということは、私は何ら差支えないし、むしろこの法律を遵守し、その法律に基いた最も適切な態度だろうというのでここに申上げておるのです。
  186. 原純夫

    政府委員(原純夫君) お答えはもう同じことになりますのでこの辺でまあ一つ……。
  187. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 建設省に伺いますが、その臨時措置法で言う五カ年計画というのは、五カ年分のトータルとしての計画というふうにお考えですか、五カ年計画というのは、年々の計画があつて、五カ年でこういうふうになるんだというふうにきめなければならないというふうにお考えでしようか。
  188. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。五カ年計画というその閣議決定のその内容事業量でできているものですから、一カ年にやる事業量閣議決定内容になつたのであります。併しこれの裏付になりまするガソリン税相当額と申しますのは、毎年々々予算に地方の収入見積というものを掲げて計上されて行きますので、当然これは私たち考えでは年次計画の下における五カ年計画、但しその年次計画でも、例えば三百億とありましても三百億少しも動かんものだというような意味でない、いわゆる標準年次計画ができてその総計が二千六百億と、こういうふうに私たちは解釈して大蔵省のほうに話をしております。
  189. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 さつき三浦委員の御質問に南政務次官事務当局にそれを作らせますというふうに言つたように聞いたんですが、その際の事務当局というのは財政的な見通しを付けて、関係各省の事務当局と相談をして、こういうものを作らせますということですか。建設部内の、こうしたら最もいいというあれを作らせるという意味でございますか。
  190. 南好雄

    政府委員南好雄君) こういうものは小笠原さんも御承知のように、建設省だけできめましても、渉外的のものでありまするから、私のお答えを申上げましたのは、大体事務当局として自治庁大蔵省建設省とできるだけ交渉いたしまして、御趣旨が御趣旨でありますので当然のことであると考えますので、その三省事務当局に話をいたして十分の年次計画をきめたいと、こう申上げたのであります。
  191. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 自治庁のほうは五カ年の年次計画を立て、それに財政的な裏付も或る程度の見通しを付ける、こういうやり方についてはそのほうが望ましいとお考えですか、それともここに毎年度々々々になつてその年度の計画ができるというほうが望ましいというふうにお考えですか。
  192. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 個人的な考え方を申上げさして頂くのでありますが、国全体、国の計画のみならず、都道府県ごとに五カ年間に亙る計画が今日わかつておりますならば仕合せだろうというふうに思います。
  193. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この臨時措置法もこの法の精神としてそうありたいと考えるが、併し現実の問題とすれば、一度きめたことでも財源その他の都合上伸び縮みがあるであろう、こういう点が考えられているから変更の場合の規定もまあ作つてある。而もこれはガソリン税相当額を充当するというそれがまあ最低の基準でございまするから、その程度のそれで見通しを立てた年次計画が当然できるということを期待している。それがこの法の精神であるということだけは財政当局も同意見でございますか。
  194. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 先ほど申上げまし、通り、この拘束的な意味で、公権的に決定するという意味において将来の年次に亙る計画をきめるというのは、これは国会の議決を経る継続費乃至国庫負担行為という形でなければいけない。勿論部内において研究のいろんな段階において、年次的にこうやつて参るというようなことは勿論話が出るでありましようが、それは飽くまで政府を拘束するものであつてはならないと思います。
  195. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではしぼつたところで、各省で来年度はこう、再来年はこういうふうに行こう、こう行きたい、共に努力しよう、それぞれの分担において努力して行こう、こういうようなことで事務的に努力される一つの方針という建前で五カ年計画を立てる、そしてそれを政府部内で持つている。こういうことについては財政当局はどうなんでございますか。
  196. 原純夫

    政府委員(原純夫君) あらゆる部面について後年度に亙りまして、財政全部でもそうでございますが、将来に亙るいろいろなプランを持つということは結構なことでありますけれども、予算の編成を拘束すると申しまするか、政府に将来に亙る義務を持たせるというような形においてこの後年度のことをきめますことは極めて問題が多いというふうに考えます。
  197. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのことはあなたの意見としてよくわかつたから、それであなたの意見の立場で私は聞いておるわけです。従つてあなたの意見の立場で、内部においてどうしても五カ年のこの事業量を遂行しなければならないということは閣議決定されておる。これを遂行して行くのには、ここに一年一年は大体こういう目安を以て、この程度の金を与えて、そうして事業量としてもこの程度のものでやつて行こう、こういうような事務的な計画というものはお持ちになることにどうなんですかと聞いておる。
  198. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 先ほど申しました通り、特定の財源を特定の事業に結付けて縛るということは、私はやはり望ましくないことだと思つております。又その将来の計画にいたしましても、そのときそのときでやはりいろいろな事情が出て参るものでありますから、各そのときにおける研究として持つておるのは結構でありますけれども、拘束的な意味でそれを作つて参るということは如何かというふうに、これは同じようなお答えになつて恐縮でありますが……。
  199. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私それはわかつた。予算の編成権を侵害するような拘束的なものを作るということは、あなたの言う意味からいつて、そうであるならばそうであるということでそれが聞いておきます、あなたの意見として。それで私はそのことを指して言うのではない。予算の編成権を侵害するとか何とかいうことではなくて、所要の財源を求めてこれを措置するという了解事項があり、一応大枠として閣議決定の事項があるから、これをノーマルな形で遂行して行くのには年度の計画としてはこうこうであるのが望ましい、それはなるかならないかわからないが望ましい。それで大蔵財政当局もその線に向つて努力しよう、自治庁も又そういうことで努力して行こう、こういうことで年度々々の予算編成をする場合に、いち早く要求される金額はこの程度のものが要求されるであろう、そういうふうに予見せられるようなそういうものを資料としてお持ちになることに御同感ですかという。
  200. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 資料として関係各省がお作りになるということは非常に結構だと思います。これはもう予算の編成にも非常に参考になると考えております。
  201. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのことにはあなたのほうも積極的に御参加になつて十分な意見をそれに反映させて、大体のめどを付けて、無論それは年度々々によつては時の政府事情によつては無論大幅に動くこともありましようが、事務当局として円滑裡にそういうようなものを一応出して持つている、そうして目安としておく、こういうことはいいわけですね。
  202. 原純夫

    政府委員(原純夫君) まあこの何年先にどの道をやるという、まあおつしやるような几帳面な形で受取つて意思表示をするというのは実際問題としてむずかしいというふうに思います。
  203. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私さつきから財政当局に聞いておりますが、次長は慎重であり、まあ率直に言つて、財政当局としては一々予算編成する、それに差障りになるようなものは大蔵省の建前上どの官庁に対してもそういう公約を与えない、寄せつけない、こういう一つの見識があるところでしようから、なかなか誰が行つてもああだのこうだのと言つて、はつきりした答弁はない。この点はこの点で、改めて大蔵大臣でも呼んで頂いて質問したいのですが、少くとも閣議決定なつたこのものは遂行して行くことに大蔵当局として十全な努力をし、各省に協力もするという、本当にそういう誠意を持つておると私は了解したいのですが、如何ですか。
  204. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 勿論各省に協力をして立派にやつて参りたいと思つておることはもう冒頭申上げておることであります。ただ、まあ非常に困難が多いから、その困難を何とかやつて参りたいということであります。そこで最初に、大蔵当局は予算について一切の拘束をはねつけるというようなお話がございましたが、これは私は何もそういう職権的なと言いますか、権限的なことで申しておるのじやなくて、やつぱり国家財政の見地から、特定な目的のためにこの財源をお使いなされるということが行われますことは、やはり財政全般の効率というものをやはりそれだけ害するものだということから、財政制度全般の見地から望ましくないということを申上げておるのでありまして、まあそういう考え方のよし悪しについては御批判があるかも知れませんが、大蔵省の権限というような見地で申しておるのではございませんから一つ御了承頂きたいと思います。
  205. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 望ましくないところがあるとかということは御意見なんですね。併し法律の第三条ははつきもそれを命じているんだから、それを厳正に執行するのがあなたたち事務当局でもある。この法律に批判のあることは結構です。御自由な批判があつて。併し法律を厳格に守つてこれを実施して行くのは国家公務員としてのあなたたち事務当局だ。厳正にこれを執行して行くということはあなたたちの仕事なんです。批判はいいですよ、批判は。ところが、これでは特定財源を目的として云々ということでは形式上はない。この相当額というものを一般財源から予算化してこれを使うことを命じておる、この法律は。従つてこの法の命ずるところに従つて、その枠の中で、理論的に言うならば、年次の五カ年計画は立てらるべきもので、立てないということは、この事業を円滑に法律を以て遂行して行くということから言えば怠慢なんです。あんたの言つていることは大蔵当局としての手前勝手なことなんです。財政法に云々する、何法に云々すると言つても、それらのことと並んでおるこの法が命じておる、はつきり。それが理論的にどうのこうのということの議論は、それは議論として大いにあつていいことですが、法がそうこれを命じているんですから、従つてこの法の目的をですよ、頼むとは言わない。この法の目的を完全に遂行して行こうというためには、明かなる年次計画がこれは当然必要なんです。ただ、それが各方面に抵触もし、或いは実際の財政運用にもそれぞれの差障りも出る。きめたことはきめた通りにならないのは事実なんだから、だから容易にきめ得ない、こういうことでお話があるならば、私はこの法を作つた者としてこれは了解する。十分に了解する。仮にこれが悪法であつても法は法です。この建前を守つて、そうして守つた形で私は御発言のあることを先ほど来期待しておつた。このことについては、建設当局であろうが財政当局であろうが、一切分け隔てのあるものではないと私は考える。それで、何とかこの程度て勘弁してほしいとか何とかとよくあなたはおつしやるが、内面的な事情としては、私たち十分そうおつしやる事情というものはわかる、了解しがたいものではない。けれども、少くともこういう委員会で院に対して政府が答弁する態度ではない。あんたの態度としては、単にこの法を、あらゆる法を厳正に執行して行く責任ある内閣政府委員としての答弁としては私は聞き取れない。こういう点は、今後において私は大蔵大臣に十分質さなければならん。仮にあなたたちとして、この法律に疑義があり、或いはやりたくともやり得ない、或いは財政執行を拘束される、予算の編成権を拘束される疑がある。そういうふうに内閣として考えられるなら、内閣として改正法案の提出権はあるのですから、堂々とこれを直すように法案を提出すべきだ。そうして主張のあるところは主張すべきだ。私はそれが民主的だと思う。それを、認めるところは認めておつて、認めたくないところは認めたくないというような、そういう便宜的なやり繰り、便宜的なやり方というものは私は嫌いです。この点は意見に亙つたようですからやめておきますが、一つ今後において、これの最終結論を得られる前に、先程から三省に跨つて統一的な見解を聞き得ませんから、緒方副総理の出席をせられるよう委員長に取計らつて頂くことを要求します。  私は本日の質問はこれで終つて置きます。
  206. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 大分時間も過ぎましたし、なお打合せがあるようにも聞いておりますので、今日はこの辺でとめて置いたら如何かと思いますが……。
  207. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) では本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十九分散会