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1954-04-30 第19回国会 参議院 建設委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月三十日(金曜日)    午前十時四十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     深川タマヱ君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            島津 忠彦君            赤木 正雄君            田中  一君   国務大臣    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   政府委員    建設政務次官  南  好雄君    建設大臣官房長 石破 二朗君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設大臣官房文    書課長     水野  岑君    建設大臣官房建    設業課長    宮内 潤一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設機械抵当法案内閣提出、衆議  院送付) ○公共工事前払金保証事業に関する  法律の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○建設省関係法令整理に関する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 只今より建設委員会を開会いたします。  都合によりまして、建設省関係諸法令整理に関する法律案提案理由説明並びに逐条説明を先に承わりたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。政府の方御説明下さい。
  4. 南好雄

    政府委員南好雄君) 建設省関係諸法令整理に関する法律案提案理由及びその概要について御説明申上げたいと存じます。  本法律案は、建設省関係諸法令のうち実効性のなくなつたもの及び事務簡素化すべきものについて所要の改廃を行うことを目的とするものであります。即ちすでに実効性のないもの、又は存在意義がなくなつたものについて廃止の措置をとると共に、水防法及び建築基準法の二法律について必要な改正を行い、事務簡素化を行うことにいたしたのであります。  この法律案概要を申述べますと、第一に三件の法令を廃止することにいたしておりますが、これらの法令はすべてすでに死文化しているもの、又は存在意義が消滅しているものでありまして、廃止いたしましても全く支障のないものでございます。  次に事務簡素化のための法律改正といたしまして水防法建築基準法改正がありますが、水防法改正では、現行法によりますると都道府県知事の樹立するすべての水防計画について建設大臣承認国家消防本部長への報告を要することになつておるのでありますが、二以上の都府県関係する水防計画についてのみこれらの手続を要することにいたしました。建築基準法改正では、都市計画区域内におきまする建築物に関し都道府県知事が指定いたしまする区域内のものについて建築主事確認を不要とし、建築主工事着工又は除却の場合の届出義務建築主から工事施行者等届出義務に切換えまして、事務簡素化図つたものであります。  以上、建設省関係諸法令整理に関する法律案提案理由及びその概要について御説明申上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  5. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 只今政務次官より提案理由の御説明を申上げました建設省関係諸法令整理に関する法律案につきまして逐条的に御説明申上げます。先ほどの提案理由説明の中で大体おわかりのことと考えますので、簡単に御説明申上げます。  先ず第一条、これは水利土功及び学事に関する会議存続の件と道路法中特例に関する法律の二法律は、現在全く実効性を喪失しておりまして、又空中写真利用等に関する政令は、現在行われてはおりますけれども、実質的な存在意義はありませんので、この際廃止しようとするものであります。  第二条、これは水防法について従来都道府県水防計画を定めます場合には建設大臣承認を受け、且つ承認を受けた水防計画国家消防本部長報告しなければならなかつたのを、二つ以上の都府県関係する水防計画についてのみ建設大臣承認を受けることにすると共に、国家消防本部長への報告を要することとしまして、事務簡素化を図ることといたしたのであります。  第三条、これは現行建築基準法によりますと、第六条第一項第四号により、都市計画区域内における建築物について建築しようとする場合には、すべて建築主事確認を要するのでございますが、今回都市計画区域内でありましても、市街化が当分予想されないような地域につきましては、都道府県知事都市計画審議会意見を聞いてその区域を指定することとしまして、その指定された区域内にかかるものにつきましては確認を不要とし、確認を要らないこととしまして、又現行法の第十五条によりますと、建築物工事着手又は除却の場合において建築主都道府県知事届出義務がありますのを、今回工事施工者等届出義務に切替えまして、事務簡素化事務の便利になりますことを図つた次第であります。  以上で逐条説明を終ります。
  6. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御質問がございましたら順次御発言願います。
  7. 田中一

    田中一君 第三条の建築基準法改正の中で今御説明があつた都市計画区域内で市街化が予想されないような地域ということを具体的に言うとどういう、東京なら東京の場合にどういう所を予想しておりますか。
  8. 水野岑

    説明員水野岑君) 都市計画区域内におきましても田舎部分が相当入つて来る場合が考えられるのでございまして、そういうような田舎のような地帯におきまして建築物着工をすると、こういうような場合におきましては、確認申請というような手続はこれをまあ不要にいたしまして、簡素化を図ろうという趣旨でございまして、具体的に東京都内のどういう箇所かというお尋ねでございますが、只今私その資料を持つておりませんので、明確にお答えすることができませんが、御承知通り最近市が非常に誕生いたしております。合併町村が非常に殖えまして市が非常に多くなつたりいたしておりますので、相当田舎部分が入つて来ることが考えられますので、そういう場合におきましてはこういうような確認申請確認手続というものを省略して便宜になるようにして行きたい、こういう考えでございます。
  9. 田中一

    田中一君 現在この当委員会予備審査中の土地区画整理法案、これに関しましても衆議院においては農林関係から相当意見が出ているわけです。これはなぜか申しますと、これにやつぱり関連するのですが、町村合併を促進して参つておる過程において、各都市の八〇%が農耕地である、市街地は二〇%しかない場合、これは相当想定されるのですが、こういうものに対しましても若しも都市計画審議会意見を聞いて指定いたしますと、或いは全部が市街地と、都市計画地域になり勝ちなんですね。そういう点で非常に農林関係委員のうちからは反対があるのです。そこでこの都道府県知事都市計画審議会意見を聞いてどういう程度のものを除外例といいますか、都市計画区域内の中に入つてつても、この部分はそれに準拠せんでもよろしいということになるのか。具体的に言うと、今言つた八〇%の農耕地、二〇%の宅地というのは、その宅地部分だけをここに都市計画として指定するわけじやない。やつぱり都市計画全般とすれば、おおねむ現在二〇%かたまつておれば、二〇%プラス一〇%、三〇%ぐらいを一応かけて行くという考え方都市計画の指定をすると思うのですが、近接の町村から見てどういう場合にどういう形で以て除外するかということを考えられたろうと思うのですが、このモデル・ケースを示して下さい。
  10. 水野岑

    説明員水野岑君) 只今御例示がありました農村部分が八割で市街地が二割であると、こういうような場合に、この地域を指定して確認申請を不要にするのかというお尋ねでございますが、そういう画一的な基準で必ずしもやるわけには参らないと思うのでございまして仮に現在八割程度農村でございましても、近い将来にそれが市街地化するというようなことが予想される場合もあるのでございまして、要するにその市町村実情に応じまして、近い将来市街化いたされるのかどうか、そういうことを検討いたしまして、この建築主事確認申請を不要にするということをきめるべきだと考えるのでございます。一番極端な例でございますが、市街、この都市計画区域内には一応入つておるけれども、或る部分に、少し離れた部分に非常に山のような地帯がある、こういうような地帯におきましてたまたま家を一軒、二軒、非常に少数の家を建てる。こういうような場合におきましては、これは明らかに市街化されないというような場合も、将来当分の間市街化されないということがあると思いますので、そういう場合におきましてはこれは建築主事確認申請を要しないということにするのでございますが、その実情をよく考えまして、当分もう市街化されないというようなことをよく判断して参りたい。まあ都市計画審議会意見を十分その際にお聞きいたしまして、慎重に一つきめて参りたい、こういうつもりでございます。
  11. 田中一

    田中一君 それから現行の第十五条による建築物工事着手除却の場合の届出義務施工者にさせるのですね。これは基準法前の市街地建築物法ですか、これではどうなつておりますか。
  12. 水野岑

    説明員水野岑君) 私ちよつと記憶いたしておりませんが、あとで又御連絡申上げたいと思います。私の今記憶いたしておりますところでは、現行法と同じように建築主が出すということになつておると存じております。
  13. 田中一

    田中一君 施工者がやつても弊害がありませんか。例えば不良な施工者ですと、建築主意思を聞かないで身勝手なまねをするというようなことになりませんか。
  14. 水野岑

    説明員水野岑君) 田中委員の御指摘のように確かにそういう心配もあるかと存じますが、要するにこれは私ども啓蒙と申しますか、こういう建設建築業者除却をする業者に対する指導というものをよくやりまして、そういう間違いのないように十分事前指導いたしまして、又啓蒙をいたしまして、これが御承知通りこの届出建築統計の基礎になりますので、十分一つ協力願うようにできるだけの努力をいたして、間違いなきようにいたして参りたいと思います。
  15. 田中一

    田中一君 現在の施工者というのは届出になつておりますね、認可制でしたかな、これは……、届出制ですね。そうすると非常に不良な業者もいるわけなんですね。この監督は十分できますか……。ついでに伺いたいのですが、施行主意向を汲んだ……、書式ですな。これに対しては施行主判こも付けて施工者届出をするかどうかですね。いわゆる施行主意思が反映しない場合にはどうするかということなんです。
  16. 水野岑

    説明員水野岑君) 私の説明も少し足りない、不十分だつた点もあると思いますが、建築業者から届出さす場合におきましては、建築主意思と違わないように十分考えることは勿論必要でございまして、只今お話のありましたように建築業者届出する場合には建築主の判を取る、こういうようなことは考えて参りたい。で、この建築業者届出をする様式なんかもきめまして、そうしてその欄に建築主が判を捺す、こういうことは十分考えて参りたいと存じております。
  17. 田中一

    田中一君 それからこの第一条の空中写真利用というのは、これは例の駐留軍から借りているやつですか。
  18. 水野岑

    説明員水野岑君) さようでございます。
  19. 田中一

    田中一君 これはもう当然廃棄されるのが望ましいと思つておりますから、これに対しては質問ありません。  水防法施行に当つて、一都道府県の場合には消防庁にも届出義務がなくなるわけですか。
  20. 水野岑

    説明員水野岑君) 一都道府県の場合におきましても、只今規定によりますと、建設大臣承認及び国家消防本部長への報告を要することになつておりますが、両方とも省略いたすと、こういう考えでございます。
  21. 田中一

    田中一君 今までは非常に煩雑で、そのために何か不都合な場合があつたのですか。
  22. 水野岑

    説明員水野岑君) 只今の御指摘のように、非常に不都合な事態があつたというような事実はございませんが、できるだけ事務簡素化すると、こういうような趣旨からいいまして、一都道府県内の問題であると、こういう場合におきましては都道府県知事責任を持つて水防計画を樹立して頂く。それからなおこの水防法を立案しました際におきましては、不慣れな都道府県も中にあると思いますので、一都道府県内の水防計画でありましても建設大臣承認を要することにいたしまして十分指導をして行きたい、こういうようなこともこの承認を要する一つの事由になつてつたのでございますが、水防法施行されまして年月がたちましたので、そういうような承認を取ることによつて指導する、こういうような必要性はなくなつたものと、こういうふうに考えまして、又事務簡素化を図ると、こういう趣旨から不要にいたした次第でございます。
  23. 石川榮一

    石川榮一君 この水防法簡素化については別に異議あるわけではありませんが、水防計画完璧を期して、一般の地元民水防に関する熱意を持たせるということは、河川維持管理上必要だと思います。特に災害が頻発して参りました現在の状況は、特に治山治水予算の十分付かないという点等から災害は年々激化しておる状況であります。そこで昭和二十七年度でありましたか、水防費の、いわゆる水防施設の費用として二億程度予算を付けたのでございます。それが二十八年度には削られてしまつた、こういうことになつておる。要するに水防というものに対する国家関必が非常に薄くなつて来たというふうに考えられるのであります。私ども河川維持管理水防が第一であると思う。こういう観点から考えますと、この水防法手続簡素化も結構ですが、これがややもすれば財務当局大蔵省方面水防なるものを軽視して、いわゆる水防費に対する予算措置等を渋るような傾向を持たれては大変だと思いますが、これらについて建設省では何か配慮をなさつておられることがありますか。特に水防に関して国家予算を或る程度まで出させる、そうして府県と協力をして地元民協力を得て水防完璧を期したい、こういう考え方になつていらつしやいますかどうか。特に二十八年度、二十九年度などは水防に対する予算を削られております。これらに対するお考え一つ伺いたいと思います。
  24. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 今回提案いたしました水防法の一部の改正は、政府全般の各種の法令につきまして簡素化を図ろうという、その一部として実は建設省関係の分を提案した次第でございましてお説の通り水防制度全体につきましてはいろいろの問題があるわけでございます。御指摘通り水防がうまく行かないために災害が毎年多いという部分も相当ある。つまり水防活動をもつとしつかりやれば災害が相当数減らし得るものと実は私ども考えておる次第でございまして、今度の改正とは別に、今国会には間に合いませんでしたけれども、近い将来に水防法については根本的な改正を加えて行きたい、かように考えております。現在の制度で申しますと、実は建設省直轄を以て工事しておりますような川につきましても、建設大臣としては、水防実施の実は責任を負わないような制度にもなつておりますから、こういう直轄区域都道府県知事との関係、或いは都道府県知事市町村長との関係、或いは水防団体との関係、いろいろ問題があるわけでありますが、近い将来に根本的な改正を加えて水防活動が十分に行われるようにやりたいと、今研究中でございます。  なお予算につきましては、お話通り二十八年度には当初予算からは水防に要する経費の補助を削られたわけでありますけれども、二十九年度予算につきましては資材購入費につきまして若干の、少額ではございますが、補助金を計上いたしておる、かように考えております。やはり大蔵省も決して水防活動そのものを軽んじているわけでは私はないと思います。要するにもう少しこれはやはり建設省責任考えなければいかん問題だと思いますけれども、本当に水防活動がうまく行くような仕組を作つてやりますれば、大蔵省といえども所要予算を出すことには決してやぶさかでなかろうと、私確信を持つております。
  25. 石井桂

    石井桂君 この三条関係建築基準法改正の点は、私も内容は賛成なんですが、ただこういうふうに改正するに当つて理由をお伺いしたいと思うのです。建築基準法昭和二十五年に制定されて市街地建築物法三十数年の経験をすつかり変えたものとしてその当時いろいろな理由を述べ立てられております。その中での主な理由一つとして津々浦々までこの規定適用するというようなことが大きな旗印になつておるように思うのです。僅か数年でこういうふうに変えなければならないというようなことは二十五年にすでにわかつていたことなんです。三十年の経験でもうその奥のほうまで手続させるのはむずかしい、非常に煩填だということはわかつていた。それをあえて二十五年に押切つたのですから、相当なやはり変える理由がなければおかしいと思うのです。そこでその当時と今日どういうふうな理由で、何かこう客観的に情勢が変つて来たか。そういうことについてそれを先ず第一にお聞きいたします。
  26. 水野岑

    説明員水野岑君) 石井委員の御質問御尤もだと思いますが、先ほどもちよつと説明の中で申しましたように、最近町村合併が非常に政府政策として行われるようになりまして、新らしい市が今日どんどんできる。それから大町村がどんどんできる。こういうような情勢になつて参りましたので、相当にやはり、通俗的な言葉で、田舎地帯が相当入つてつておるようでございます。そういうような情勢は、この建築基準法制定当時にはそこまで考えられなかつたのでございまして最近のようなそういう情勢考えますと、これが相当煩瑣になる。そういう情勢考えると、確認申請をする側からいたしましても、又確認申請を審査し、石井委員も御承知通り第七条による検査をする。こういうふうな検査をいたしますほうからいたしましても非常に煩雑になりますので、そういう点で簡素化を図つて行きたいという趣旨でございます。
  27. 石井桂

    石井桂君 この市街地建築物法当時は市街地建築物法適用区域というのがあつて都市計画区域の中でも猪や何かが出て来るようなところは排除するようになつてつたわけです。二十五年に都市計画区域というものを入れたのだから、猪や何か出て来るような山の中でも手続をしなければならんというふうに改められたのです。それは少くとも建築は人間の生活の用具であつて最低限度憲法で保障されておるところの生活をするには、どんな山の中でもそういうふうにしなければならんという大きな旗印があると思うのです。そういう意味で都市計画区域というものを入れられて、更に地方長官や何かが指定した場合、その都市計画区域外でも入れるような制度をとつたろうと思うのです。そこで私は、指導精神だけは全国津々浦々まで及ばせる精神は変えないんだ、だから規定適用はあるんだ。ただ手続だけは外すのだ。こういうふうに解釈してよろしいのですか。
  28. 水野岑

    説明員水野岑君) その通りでございます。
  29. 石井桂

    石井桂君 それでよくわかりました。  それから更にもう一つ、この規定のいろいろな改正すべき点は、昭和二十五年からすでに三年有余を経ておりますから、いろいろな改正すべき点が出て来ておると思うのです。今回ニカ所だけ改正されるように手続されたのですが、これは取りあえずの改正であつて、更に改正すべき点はどんどん改正するというようなお見込でしようか、どうでしようか、それを一つ
  30. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お答えいたします。これも先ほど御説明いたしました、水防法と同じような趣旨で、この際ちよつとでも簡素化できるものは簡素化しようというような趣旨でこの改正法律案を出した「わけでございます。御指摘通り建築基準法そのものにも、これとは離れて、単に事務簡素化というような見地ばかりでなしに、改正を要する点は相当部分あろうと思います。それらの点につきましては将来必要なものはどんどん改正して行きたい、かように考えております。
  31. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私は只今議題になつておる建設省関係法令整理に関する法律案、これについては全く事務的なことであり、今までの説明でわかつたので、質疑を打切る動議を提出します。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  32. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) それでは三浦委員提案通り一応質疑を打切ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないようでございますからさよう決定いたします。
  34. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 次に建設機械抵当法案の残れる総括質問を続行願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御発言願います。
  36. 田中一

    田中一君 政府に伺いますが、私はこの法案は純粋に政府から出たものでないように考えられるのです。一部の……、この提案理由説明の中には、非常に今後工事量も多くなる。電源開発工事も殖えて来る。従つて機械化が促進される。又されなければならん。こう言つていますけれども、今現在の建設業者の実態というものは、機械飽和状態なのです。フルに動いている機械は少いのです。そこで一部の業者が仕事がない、手持機械を少し資金化しなければどうにもならんというような強い請願から立案されたものと思うのです。一方政府は、今年は大分減りましたけれども機械化の問題は政策の上に取上げて予算も計上しておる現状ですが、実際に遊んでいる機械と、それから動いている機械というものの比率はどうなつておりますか、お調べになつたことがありますか。
  37. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 機械稼働状況は、田中委員の御見解は、建設機械飽和状態になつているというお考えのようでありますが、私どもはさようには考えておりません。現在の建設機械稼動状況、これはなかなかつかみにくい点でありますけれども民間におけるいわゆるこの法律抵当権を設定しようと考えておりまするような機械稼働状況、これは大体の見当では八割程度は動いておるものじやなかろうか。役所の持つております分は若干それよりか能率は悪いと思います。まあ七割とかその見当が動いておるんじやなかろうかと思います。それじやあと二割なり三割なりまだ余裕があるんじやないかというような御指摘があるかも知れません。御承知通り機械の中にはいろいろの種類がありまして、機械が毎日々々新らしくなつて参りますし、工事の態様も又変つて参りまして、今ある機械といえども、それが必ずしもほかの工事に使えるとも限りませんし、又機械を持つてつても、たまたま工事を入札しても工事を取りそこなつたために手持機械が遊んでおるというようなこともありましようし、八割動いておるということをお認め願えれば、いろいろの関係で止むを得ず二割程度は休止するのだというふうに考えて頂きたいと思います。  なお一部の業者要望でこういうものができたんじやないか、こういう法案を作つたんじやないかという御質問でありますが、申上げるまでもなく、我々のやつておりますことは、建設業界意向をよく聞いて法律の立案をいたしておるのでありまして我々が単に机上で考えたものではありません。業界意見を十分取入れたものであります。御承知通り去年の暮でありましたか、中央建設業審議会の答申によりましてもこういう制度を作るようにやはり要望もありましたし、一部業界だけの声とも思いません。一部業界の声によつたわけでもありませんし、建設省限りの発意に基くものでもありません。業界の大体の要望がここにあると、かように考えて立案いたした次第であります。
  38. 田中一

    田中一君 私は大胆な発言を聞いたのですが、八割は民間機械が動いておる、その根拠をお示し願いたいのです。先般二十七年度の登録業者のうちの届出機械というもののうち、この法律に該当する機械類を集計してみると、百八十億になるんじやなかろうか、こういうお話でしたが、例えば官房長、行つたかどうか知らんですけれども、砂町には大林組の東京支店の機械課があります。機械の修理工場みたいなものがあります。大体土木建築業者の本当に持つておる機械のうち動ける機械というものは割合少いのです。成るほど登録には動かん機械でも何でもあるのですけれども、実際に動く機械というものは少いのです。何故かと言いますと、高能率の機械を使えば低能率の機械というものはもう使わないでいいのです。殊に相当大きな会社は償却が済んでおるのです。古い機械は今度売る、売つたつて買えやしません。だからそういう低能率の機械というものは、実態を八割だけ稼働しているという考え方に対して非常に疑問を持つのですがね。どういう根拠で以てその八割稼働しているということの数字をお示しになつたか、その基礎を明らかにして頂きたいのです。
  39. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) お答え申上げます。お手許に建設機械保有調という資料をお配りしてありますが、その価格が、民間の大多数の機械を動しておる、それが百八十億あると、こう申上げた。あの機械の一覧表の中には、今田中先生がおつしやつたような旧式になつてしまつたとか或いは破損著しくてもうとても使えない、こういつたようなものはないわけであります。だからそれを若し算入すると、例えば償却が済んでしまつて帳簿から落してもいい、こういつたようなものまで入れれば、私は百八十億じやきかんのじやなかろうか。そういうものは調査のしようもないわけであります。従つて現在稼働し得る状況にあるものについて整備して、勿論動くための整備でございます。そういうものをちやんと計算すれば、日本の多く建設機械を所有しておる者の言を総合して調査した結果は、大体八割程度は使用できる、動いておる、こういう結論を得ておる次第でございます。
  40. 田中一

    田中一君 工作機械は除外するという御答弁でしたね。この間は……。
  41. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) さようです。
  42. 田中一

    田中一君 この機械化に平行して公共事業費その他は将来増大する見込でありますか。政府電源開発工事というものが二十九年度並びに三十年度にどのくらいの増を示すか、減を示すか、統計をお持ちですか。
  43. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) この法律提出するに当りまして、我々のほうとしてもでたらめの数字を出すわけに行きませんので、大体の工事量の推定ということは一応やつております。  それから中央建設業審議会において建設大臣の諮問に対してこういう法案を準備することがよかろうということについていろいろ審議された過程におかれても、一応数年間の見通しを付けてやつており、その後この答申案が出ましたとき、即ち我々が本法の立案に着手したときは、丁度まだ二十八年度の予算が執行されておつた。その当時において大体二十九年度における建設工事量の、而もそのうち請負に出される工事量というものはおおむね六千億円前後、こういう観点に立つて資料を作成した次第でございます。  それから三十年度以降につきましては、只今の電源開発五カ年計画等の第四年目に当る、そういうようなことで相当の規定をしておりますが、私どもといたしましては、少くともこの建設機械を使用する工事というものはそう減る虞れはここ数年は考えられんということ、それから従来むしろ人力に依存しておつたものを機械化に切り替えて、工期の短縮と工事費の節減を図るべきじやないか。  それから最近御承知通り海外から相当建設省宛に工事をやらないかという引合が来ております。これらに対して実は建設業者の方々の御意見は非常に消極的でありまして、海外に出ようという気持が余り見受けられないのであります。その原因を聞いてみますと、一つには根本的に外国の事情というものがよくわからないということ、少くとも戦前或いは戦争中とはいろいろな関係で物価或いは労務の実情も違つておるだろう。これに対する適確なる資料が得られんということが一つでありますが、もう一つは、例えば国際入札に参加するというような場合に、当然欧米の業者に比して著しく機械力において遜色がある。こういう点を先ず十分に改善するのでなければ、到底東南アジアに対する進出などは不可能である、こういう工合に考えておる次第でございます。
  44. 田中一

    田中一君 今ちよつとこの資料で二十九年度以降の工事量の増というものを説明して頂きたいと思います。丁度電源開発会社ができ上つてから多くの土木業者機械化の面に相当資金を固定さしておるのは事実なんです。これは名前を挙げるわけには行かないが、たくさんの会社は相当量の機械を持込んでしまつて、もうどうにもならん会社が多いのです。で、今、将来の工事量を見込んで償却というものをどのくらいに考えておるのですか。
  45. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) この償却関係というのは非常にむずかしいのでございますが、勿論機械を買うについては適宜に償却をしなければいかん。そこで御承知の通し政府におきますいろいろな税制の問題におきましては、この電源開発、それから河川、道路等の工事に使うこの建設機械については特別償却を今認めております。そうして大蔵省とも大分打合せました結果、大いにそれは必要なりというので、取りあえず昭和二十八年におきまして、従来は電源開発関係工事についてのみ特別償却を認めておつたのを、取りあえず道路、河川等にまで拡げてもらいました。そこで我々としましては本法案が成立して、いよいよそのほかの工事にも広く機械類が活用されるということになれば、その機械化を促進するという見地に対する別の面の協力一つとして、もつと特別償却の範囲を拡げる或いはその率をよくする、そういうことに努力して行きたいと思つております。
  46. 田中一

    田中一君 現在電源開発の償却はどのくらいの比率で認めているのですか、特別償却費というやつは……。
  47. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) はつきりはしておりませんが、普通ならば、例えば十年で認めるものならば半分の五年にして、而も初年度においてその半分くらいまで一遍にやつてもよろしい、こういう途が開けておつたように覚えております。
  48. 田中一

    田中一君 無論抵当権の設定をしましても、これは資金化を図るためなんでしよう。そうして一方その入札制度そのものが、今のように最低入札制度を持つておりますと、やはりダンピングが行われるわけですね。で、私が知つております或る会社は、もう一応の見込を立てまして、先ずまあ三十一年乃至三十二年で以て電源開発その他の工事は終る。古物ばかり買つておるのだ、古物ばかり買つて、その年でもう一回か二回で以て償却してしまうというような行き方をとつておるのです。又一方まあ十年続くという見込の下に新品或いは外国製の機械を買つたり何かする会社もあるわけなんですね。そうしてそのために指名入札そのものが非常な競争になつて来ているわけです。これではたまらんものだから、全部談合をやつているのです、談合をやらん会社は一つもないのです。どの工事でも談合をやつております。話合をやつておるのです。それでその場合適正なる利潤というものはどのくらいに考えておるのですか。機械化も結構なんですが、結局これは相当の利潤が生れなければ借金も返せないことになるのですから、そうすると金融会社がその機械を背負い込んでも仕方がないのですよ。それで現在のダムならダム、或いは河川工事なら河川工事で利潤というものをどのくらい見込んで考えられておるか。これはまあ建設業課長おられませんね……。
  49. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) その利潤という観念が少し私にはわからないのでございますが、利潤と申しますのは、普通は償却などを十分にしたその残りが利潤じやないかと思うのでございます。そういう意味の、従つて例えば機械を使うということは当然人夫賃の節減になるわけでございます。従つてそのいわゆる生産コスト自体が低くなるので、それから得られる利潤というものはむしろ場合によつては人夫を使うよりかも低減するということに、利潤としてはだから殖える場合もある。併し一方恐らくその機械を使用することが普及されれば、予定価格を組むほうも、今まで人夫賃ならばこれだけの労務費であつた、それが機械化すればこれだけということで、相当の加減をするようにもなるかと思います。これがこの法案の狙いの一つである工事費の節減ということに結び付いているのです。  而して参考までに申上げますれば、大体そういう必要経費、償却等を含んだ生産コスト全体を差引いた純粋の残りとしては、請負工事額に対して二乃至三%である、純利ですね。ということは大蔵省の統計或いは我々のほうの統計でも大体そういうところに落着いております。
  50. 田中一

    田中一君 この機械化すればコストが引下がるという考え方ですね。そうすると機械を持つ前提の下に工事の入札をするわけですか。現在の行き方としては……。
  51. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) 将来は僕はそうなるべきではなかろうかと思います。併しここ暫らくの間直ちにそういう、この法案ができても、業者が我々が考えるがごとく、或いは発注者一般が考えるがごとく、大規模に機械化し得るかどうかは疑問なのでありまして、そういう点は日本の建設業全体に機械化能力がどの程度高まつておるかという一般の水準というものを見詰めてそうして個々の発注者は良識ある判断をされるのではなかろうか、このように考えます。
  52. 田中一

    田中一君 もう一つ伺いたいのですが、若しこの業者が十人なら十人、十五人なら十五人組合を作つてそれで機械はその組合が持つ。そうしてそれをやはり登録をしまして抵当権の設定をしておくということは認められるわけですか。
  53. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) 私がこの法案を作りますときに非常に考えた問題といたしましては、要するにこういうものを作つて、大企業者がこれを非常に利用して中小企業者にはこれが行渡らなくならないか、この点を一番心配いたしたのであります。そこで中小業者がこの法律の恩典を受ける面は、或いは受けさせるためにはどうしたらよかろうか、このように考えました結果、私どもとしては二つの方法が考えられるという結論に到達したのであります。  それは中小企業者の中でも相当資力のある中小企業者もおるわけです。そういう中小企業のうちの中の部と言いますか、そういう方には成るべく個々に月賦販売のような形式でこの機械を入手させる、これはメーカーにも大分聞いて見ましたところが、そういう抵当権が設定されるならば、できれば五割、五割ができなければ三、四割先に金をもらえば機械を渡しても差支ない、こういうメーカーも相当あります。それからもう一つは、そういう個人ではとても月賦或いは分割払の方法でも入手しがたい人は、お説の通りこれはそういう地方の人々が協同組合を作るなり何なりというような形態で、要するにグループでお持ちになる。そうしてその組合員なりそういう方々が工事を取るときに空いておれば有効に利用する。こうするならば地方の方々も十分助るのじやないだろうか。そう考えまして実は地方の協会長のような方々と数次に亘つて話合いをいたしました。その結果いずれの意見も、そういう工合にできるほうが非常に結構であるという御意見でありまして最近では特に二、三の県では、この法案が成立した場合における地方業者機械化の問題について具体的な対策を作りたいというので、業者同士でその小委員会のようなものを作つて具体的な運営を研究しておる、こういうところもあるようであります。
  54. 田中一

    田中一君 融資の対象というものは、個人の信用というものが非常に強く反映すると思うんですが、今言う組合なら組合を作れば、機械だけを動かす組合を作るということになるわけですが、そういうものと又数十億の借金をして、融資を受けて運営をするという会社との何か力関係が違つて来ると思うのですが、そういう場合には公平に行かれますか。抵当権設定だけでその信用の範囲だけで貸すのか、さもなきや個人の持つておる大きな信用というものが基礎になるのか。
  55. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) この機械を抵当に入れて金を借りるという制度ができましても、恐らく金融機関はそれだけを頼りにするものじやなかろうと思います。勿論こういう会社によりましては、抵当があれば貸せるというところもありましようし、抵当に入れても万一これが流れたときには困るというようなことで、抵当に入れても金を貸さんというようなところもありましようし、やはりこれだけで解決する問題とは考えません。又こういうものを入れれば、工事を取る場合にこれだけで大業者と対抗できるかどうかという点になりますと、これも又これだけで同一の条件があるとは思いません。その他いろいろの条件が必要であると考えます。ただこれもやはりあるに越したことはない、これだけははつきりしておると思います。
  56. 田中一

    田中一君 私が心配するのは、今の官房長の答弁でもわかるように、結局持てる者がやはり優先的に融資を受けることになると思うのです。それを非常に心配するわけなんですが、今言う現在の政府から出るところの公共事業は大体公入札制をとつておらない、指名入札制です。従つてその機械を持たなければ指名入札を受ける機会もないということになると、中小業者も無理をして機械を持たなければならん。先ほど課長が言つたように、機械を持つことを前提として指名入札をさせるということなら無理が来るわけです。結局それは幾らかの足しにはなるか知らんけれども、やはり信用のある大企業者にこの資金が流れて行くというような結果になりはせんかと思つて心配するわけですが、そういう点はもう少し何かお考えになつて機会を均等に与えられるような方法はないもんでしようか。
  57. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 御心配の点はこれだけで万事が解決するというわけには参りませんけれども、これがないときに比べますと、特に中小業者なりその他協同組合的なことをやつておられる方々は大資本に対抗する能力が相当向上するということははつきり申上げられると思います。これだけで解決するとは考えられません。  これからの問題としては、これはもうひとり建設業界だけでなしに、国政全般の問題とも繋るわけでございまして、大業者と中小業者をどうするかという問題として全般的に考えて行かなければならん問題であろうと思います。
  58. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 先ず今議題になつておる建設機械抵当法案です。これについては今出席の議員諸君の質疑が大体尽きたと思うのです。そこでまだこの席におられない方々が特に質疑をされる場合のことを考慮して、質疑を打切るとまでは行きませんが、一先ずこれで質疑はこの際ここで打切つておいて、打切りと言うかやめて、前払金保証事業法のほうに入つて頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  59. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 三浦委員の御提案のように取計らいますことに御異議ございませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないようでございますからさよう決定いたします。
  61. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 次は公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案の残れる総括質問をお願いいたします。
  62. 田中一

    田中一君 今議題になりました保証事業の会社ですが、大体のこの決算はどうだつたんですか、資料はありますけれども、大体に言つてどうなんですか。
  63. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 三つ会社があるわけでございますが、昭和二十七年の秋に三社とも事業を開始いたしまして、二十七年度、二十八年度の営業成績の概要を申上げますと、提出いたしております資料に詳しく出ておりますが、初年度、つまり昭和二十七年度におきましては三社やはり相当の欠損全いたしまして二十八年度におきましては前年度の欠損を取返しまして、相当の配当できそうである、かように考えております。その原因は、初年度は年度半ば過ぎにできた関係上、保証金額が少かつたこと、設立の諸経費がかかつたこと、又趣旨の徹底が十分でないために、保証金額が少かつた、こういうところに原因があつて赤が出たわけでございます。併し二十八年度におきましては趣旨も徹底し、営業も勿論年度一ぱいやつたわけでありますし、更に予定いたしておりました以上に保証金額が殖えまして、つまり予想では、年間二百五十億くらいの見当で計算を立てて仕事をしておつたのが、三百数十億の保証額に上りましたために、前年度の赤をカバーしてなお且つ相当の純益を上げたような状況であります。今日におきましては、それぞれの資本額では、保証の申込にも応じ切れないような状況でございまして、近く三社とも増資しようというようなところまで行つております。
  64. 田中一

    田中一君 それで二十七年度、二十八年度両年度に保証会社がかぶつた仕事がありましたか。
  65. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 御質問は、保証の事故についての御質問と思いますが、資料として差上げました中に、一括して差上げました資料の7というところをお開き頂きたいと思いますが、昭和二十七年度におきましては事故件数というものは全然なかつたのでありますが、二十八年度になりまして、十五件の事故が起きまして、この金額は一千七百数十万円に上つておりまして、これを遅滞なく払わしております。
  66. 田中一

    田中一君 事故の原田は調べられたのですか。どういうことですか。結局ダンピングで請負金額が競争して安かつたということが大きな原因じやないですか。
  67. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) この中で、原因はどういうことにあるかというお尋ねでございますが、請負金額が予定価格に比して非常に安かつたのではないかという御指摘でありますが、そういうことに原因したのは一件もありません。この中には請負業者の当主が亡くなりまして、あとどうしても続けて行かれないというようなのもありますし、その他いろいろ理由はありますが、不当に安く取つたというところに原因があつて事故が起つたとは考えておりません。
  68. 田中一

    田中一君 どんな原因ですか、説明して下さい。
  69. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) この十五件の事故の分類をいたしますると、第一には、今官房長が御説明申上げました通り、主人公が亡くなりまして、あと適当な継承者がなかつたというのが一件、それからもう一件は、全く今まで仕事をしたことのない土地へ進出して仕事をしたところが、そこは一たび雨が降れば一週間以上もトラック運転さえ不可能になるというような極めて地理的条件の悪い所であつたのを、知らない土地であるためにそういうことを考えずに入札してしまつた。その結果が二進も三進も行かずに、この前払金全部を使い果してしまつたけれども仕事は完成できなかつた。こういう例であります。  それから他の十三件は、大部分がその経理内容が非常に悪くて不渡手形を出したり、そのようなことで、あと資材なり人夫の供給がうまく行かずに仕事を完成できなかつた、こういう例でございます。
  70. 田中一

    田中一君 今の立地条件が悪いために損をしたということは、やはり予算より安い入札をしたということになるのじやないですか。
  71. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) 私どももこの事故の原因については、いろいろな問題の解決に相当役立つデータが出ないかと思いまして、広く研究いたしておるのでございますが、そのうち特に今田中先生から御質問のありました通り、予定価格対請負価格が安かつたのじやないかという点については、相当これも慎重に検討いたしましたし、我々が今計算いたしましたところでは、実はこの価格との関係は、非常にこれは件数が全体から見れば極く僅かなものですから、的確な判断を下すことは不可能でありますが、大体平均いたしますとこれは九割前後の、いずれも予定価格に対して九割前後で落札しているというものばかりでございます。
  72. 田中一

    田中一君 十五件の跡仕末はどうなりましたか。
  73. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) これはいずれも保証会社が損害を弁償いたしましたので、発注者はその金をまだ未完成工事のために業者に払つていない金に加えて更にこれを入札に付したりそのほか適当な措置でいずれもあとには完成しているようでございます。
  74. 田中一

    田中一君 たしかにこれは保証人が必要でしたね。
  75. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) 保証人という意味がわからないのですが………。
  76. 田中一

    田中一君 借りる場合ですね。保証人を立てて保証してもらつたのじやないですか。
  77. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 前払を四割受けるにつきましては、保証会社の保証さえあればその他の保証は要らないので、お話の点は、恐らく前払とは別に、工事を請負いますときに工事の施工そのものを保証する保証人のことだろうと思いますが、それは大体取つておるだろうと思います。先ほど申上げましたように、建設業課長から御説明いたしました通り、保証会社としては四割までの前渡金につきましてはきれいにこの金は払つておるわけでありますが、この工事を続けてやるという点につきましては、これは保証会社は関係ないわけでありまして、そのほうの処置は実はまだはつきりいたしておりませんけれども、或いは請負契約のときに工事を完成するための保証人を付けております場合にはそれにやらせるとか、或いはそれがうまく行かんような場合には更に別のものにやらせるとかというような、それぞれ適当な措置を講じたことと考えております。
  78. 田中一

    田中一君 そうするとその二件を除いた十二件というのは大体業態が悪い、いわゆる前払金を受けるための入札をしたというように断定してもいいわけなんですね。前払金をもらつて、自分のほうの経営体の運転資金にしたというような、意識的なる事故だつたということも考えられるわけですか。
  79. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 或いは中にそういうようなのがあつたかも知れませんけれども、必ずしもそうとも言えない、ほかの原因で、全般的に経営がうまく行方なくなつたというようなこともあろうかと思いまするけれども、どうもそこまでは余り突きとめておりません。
  80. 田中一

    田中一君 それは一番大事なことなんですがね。意識的に前払金をもらつて、自分の経営全体に潤滑油的な資金を流し込もうというような考え方があることを、この法案を作つたときから心配しておつたのですよ。そういう業者があるとこれはなかなか心配だという点を考えておつたのですが、今の御答弁だとそういうものもあるかもわからんけれども、的確にはその内容をつかんでおらないということですか。
  81. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) この保証会社を作りますときに、保証料率をきめたりなどする際に、一体保証の総額に対してどのくらいの事故が起るものであろうかという点をいろいろ検討いたしたのでありますが、そのときの大体の予想では一%前後の事故が起るのじやなかろうかと考えておつたわけでございますが、実際は非常にそれよりか、それのまあ何分の一という程度の、予想より遥かに低い事故しか発生していないわけであります。で、まあ業界のことでありますからよくわかりませんが、御指摘通り前払金を受けて会社の経営をまあ若干でも楽にしようなどというのも中にはありましようし、或いは工事そのものをこの際無理をしてでも取つて、そして金融を楽にしようというような会社もありましようし、それはいろいろあると思います。併しそういうところをよく見極めて、発注者は工事の諸負人を選定すべきでなかろうか、かように考えております。まあ私どもは当初予想しておつたよりか非常に事故件数が少いものですから、この制度ができたために特に悪用されているというふうには考えておりません。
  82. 田中一

    田中一君 この発注者別はわかりますけれども工事別はどのくらいの比率になつておりますか。例えば砂防工事とか電源開発工事とか、そういうものを比べて見ますと、鉄道であるとか建築……。
  83. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) 実は工事別につきましては私どもそういう細かい調査をいたしておりません。それで土木、建築、それから電気、こういうまあ大ざつぱな調査をいたしております。それは大体土木、建築が半々ということになつております。
  84. 田中一

    田中一君 それはあとでかまいませんけれども、それから業種別ですね。資本金がどのくらい、全国登録の分はどのくらい借りている、それから地方登録の場合はどのくらいか、それから今の資本金がどのくらいのものがどうか、それをこれに関係ない資料があつたら作つて見て下さい。
  85. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) 只今の例えば資本金一億円の会社がどの程度の仕事、どのくらいの前払金を受けているか。そういつた調査は毎月十五日までに私どものほうに報告をもらうことになつておりますので、二、三日中、お休みも続くようですからすぐお出しできると思います。
  86. 田中一

    田中一君 休みだから皆さんも困るでしようから、休みが明けてからでもかまいませんから……。
  87. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案、これについても只今出席の委員の皆さんの質疑は一応尽きたと思うんです。ただ先ほどの機械抵当法についても申上げたように、この席におらない人で特に質問をしたいという人に一応の余地を残す意味において、質疑打切りとは言えないでも、一先ず出席の人がたの質疑は打切るように計らつたらどうかと思うのですが……。
  88. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私三浦さんの御提案結構ですが、この両法案について討論のときにお話してもいいのですが、むしろ今の場合ちよつとお聞きしたほうがいいかも知れませんから、皆さんの御了承を得てよろしうございますか……。  私は今この二つの法案をずつと考えてみますと、非常に業者を一面から保護しているような法案のように見えるんです。これは業者を保護することは結構でありますが、ややもすれば建設省業者と余り密接な関係に持つて行きまして、その間に変なことがあつてはとんでもないことだと私は思うのです。その観点から、建設省がいろいろ事業をなさる場合において業者からしていろいろの名目で或いは補助でも受けておられるようなことはありますかないか。無論ないと思いますが、この点を是非はつきりしておきたいと思います。  又もう一つは、殊にこれはあらゆる人が業者のほうに入つて仕事をなさるのは結構でありますが、その観点からも、建設省は人事のほうでも非常に関係していますから、なおその点をはつきりしておきたいと思います。
  89. 南好雄

    政府委員南好雄君) お答え申上げます。御審議を願つております二つの法案建設業界に対して相当の保護になるものだと、こういう赤木委員お話でございますが、建設省建設業の健全な発達というものについては絶えず留意をいたしておりまして、その健全な発展につきましてはできるだけ建設省として尽力をしなければならん立場におかれております。そういう意味合いにおいて御審議を願つておりまする二つの法案が、業界の発展のためにプラスになれば、非常に私たちといたしましても望外の仕合せと考えておるようなわけであります。併し現在建設省といたしましては業界の健全発達にはできるだけの努力はいたしまするが、と言いまして建設業界建設省が特別の関係に踏み込んだりすることは厳に戒めております。従つて業界から積極的な援助を受けるというようなことは絶対やつておりません。これはお調べ下さいますれば十分御理解願えると思います。  なおたくさんの技術者も建設省としておりますので、これらの方がやめられて業界に入られることはこれは間々ございます。併しそうかと言いまして、その方々が仕事をやる上において入るところと特別な関係を結んだり、或いは入るところに対して特別の保護をするというような実例も今までのところは殆んど見受けておりません。本人の持つておりまする技術の経験というようなものを業界が買つて頂いて、そういうところに入られた方があるんだろうと、こういうふうに考えておりまして、御承知通りにすべて業界の仕事をいたしますにつきましても公入札の形をとつておりますから、特別な業者を保護するというようなことは、たくさんの目がございますので、御心配のようなことはなかろうと、こういうふうに考えておるような次第でございます。
  90. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今の政務次官の御答弁で私の業界建設省の間における不明瞭な点がはつきりいたしましたので、この点について質問いたしません。質問を打切ります。
  91. 石川榮一

    石川榮一君 先ほど三浦委員からの発言がありましたが、私もこの際三浦委員の発言のように、この両案の質疑は、一部まだ出席者がありませんが、それは残すとしまして、ここに出席しておる者は一応この質疑は終つたというように了承を得たいと思います。木村委員の御出席を願いたいと思いまして連絡をとつたのですが、今朝家を出られて登院されたはずだというので、数回院内を調べておりますが見当りません。それから左派の小笠原君と近藤君、小林君は三人とも帰郷なさつたそうであります。これは帰郷をなすつてつたらいたし方ないと思いますが、前回の理事会に小笠原君が御出席になりまして、この法案自体については我が党では大体腹をきめておるという、要するにこれを通すという意思表示をなすつておるので、特にいないからあとで問題が起るとは考えられない、そういう観点から木村委員はもう少し待てば見当ると思いますが、この際休憩をして頂きまして、一時から再開するまでの間に木村委員の出席を求め、同時に午後副総理にも一応来てもらいまして、そして今日、今かかつております法案の討論採決を進めて行きたいと思いますが、さように一つお取計らいを願います。
  92. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 石川委員提案通り取運びますことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 異議ないものと認めます。暫時休憩いたし、一時に再開いたします。    午後零時七分休憩    —————・—————    午後一時四十七分開会
  94. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 只今より建設委員会を開会いたします。  先ず建設機械抵当法案を議題といたします、御質疑がございましたら御質疑願います。
  95. 田中一

    田中一君 頂いた資料の二十九年度における建設機械購入資金についてという資料がありますが、大体開発銀行から融資を受けたいというような金額、この法律が通過後この額と、同時に大蔵省並びに開銀当局と今まで十分に話合つて、このくらいのものがあればよかろうというような話合ができたかどうか。できておるならばその額がどのくらいになつておるか、伺いたいのです。
  96. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お答えいたします。二十九年度における開発銀行の総貸付の資金の枠といたしましては大体六百数十億円が予定されておると承知いたしておりまするが、この具体的の貸付計画と申しますか、融資の計画はまだはつきりきまつていないように聞いております。で建設業界におきましても、建設機械購入資金の借入につきまして、この抵当法案あるなしにかかわりませず、開発銀行等から融資を受けたいという希望はかねがねあつた次第でありますが、まだ只今申上げましたようにこの使用の方法はきまつてないわけです。ただ今日まで折衝したところによりますと、総体の資金の枠も前年に比べて非常に少くなつておるわけでございますし、にもかかわらず重要産業部門に相当多額の貸付けの希望があるという状況だそうであります。我々の理想といたしましては、できるだけ建設機械にもそういう開発銀行の融資があることを望むわけでございますけれども、なかなか困難じやなかろうかと、かように考えております。尤もこの制度ができましても建設機械購入資金は開発銀行だけに頼つておるわけではございませんで、長期金融をやつております興業銀行でありますとか或いは一般の市中銀行等からの資金の融通を期待いたしておるわけでございますが、これらにつきましても具体的にどの程度借りられるものか、その辺の見通しはまだ立つていない状況でございます。
  97. 田中一

    田中一君 自己資金並びに市中銀行から借入れをするならば、これは中小業者には結局金が廻らんことになるんです。そこで近く建設機械抵当法案が成立した暁には政府部内の折衝でできるのです。少くとも開銀からの基礎的な資金というものの融資計画が立たなければ、この法案は単なる大業者の擁護にとどまる。従つて中小業者に対する公平な資金の配分、融資の配分ということがなくなるのではないかと思います。その点は法律の成立後政府としては十分に努力して、開銀の融資を相当大幅に融通される途を開こうというつもりでおるのですか。今の官房長の説明を開くと、開銀からの融資は困難であろう、そのような前提の下にこの法案提出したのか、この点をお聞きしたいと思います。
  98. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 我々といたしましてはこういう制度もできるわけでございますので、開発銀行から特別に融資して、従来融資していなかつた建設部内に融資を受けることにつきまして今後いろいろ努力して行かなければならん、かように考えておりますが、その他の、例えて申しますと中小業者のためには、御承知の中小企業金融公庫もありまして、すでに建設業者に対しましても中小企業金融公庫から貸出しているような状況でございます。こういう制度ができますれば、そつちの部門からも金が借りられるような努力を建設省といたしましても十分いたしたい、かように考えております。開発銀行につきましては実は全然希望がないと申上げたのではございませんで、まだきまつておりませんし、見通しとしてはなかなかむずかしいと思いますけれども、できる限りの努力をいたしたい、かように考えております。
  99. 田中一

    田中一君 もう一点、公共工事の前払金保証制度がありますが、これで例えば三地域ぐらいで機械を貸与融通する組合でも作つて、そうしてその組合がそのような機械を保有して前払金を受ける工事、せめてその工事だけでも優先的な融資をするというような考え方はお持ちでないのですか。
  100. 宮内潤一

    説明員(宮内潤一君) 我が国の建設工事機械化促進のためにいろいろな方法が考えられております。そのうち今田中先生のお話のありましたような賃貸会社みたいなものを、組合みたいなものを考えて作つてやることも一つの有力な方法だと考えます。中央建設業審議会でこの問題を討議したときにも、そういう案も相当出たのでありますが、ただ現在御承知通り東京に国土開発という同じ賃貸会社があつてつておるのですが、どうも賃貸料がとかく高いというような批判もあるような状況でございます。それで各地域にこういうものを作つたらどうかということでございますが、やはり作るならばそういう三地域ぐらいでは駄目なんで、各ブロックごとに作つてその機械の効率的利用という意味で非常に問題があるのじやないか、こういう御意見であります。併しいずれにしても将来は大全業者は別として、中小企業に対するためにはそういうふうな制度を育成してこれを発展せしめることが望ましいと思つておりますが、今後一つ有力者の方々とも相談をして、具体的な会社設立の方法を考えてみたい、このように考えております。
  101. 田中一

    田中一君 副総理にお忙しいところをこちらにお越し願つて甚だ恐縮でございますが、前回の住宅金融公庫法の一部を改正するときにも申しましたように、主管大臣がおらないこの当委員会におきまして又重要な法案の採決をする段階に至つたのであります。そこで、戸塚建設大臣は病状はどのようであつて……、まだ重要な法案が残つております。この採決に際しましても出席ができないものか、或いはできるような状態に立至るものか、この点のお見通しを先ず伺いたいと思うのです。
  102. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 今お述べになりましたように、この前私がここに出席の要求がありまして、参つたときも、建設大臣が病中で長く出て来ないために議事の進行上非常に不都合がある。これは誠に御尤なことで、政府でも腐心いたしているのでありますが、今建設大臣を解くまでのどうも決心がつかない、と申しますのは、ずつとあれ以来よかつたのでありますが、実際率直に申しますと、最近体を動かしたためか知りませんが、少しよくないのです。この法案の御審議中にはどうも出席がむずかしいのではないかという懸念を持つております。大臣も非常に心配をしておりますが、大臣の意向は南政務次官に始終間断なく連絡しておりますので、これはもう政府のほうから平にお願いせんならんのでありますが、もう少しの間今の状態で審議をお進め願えるようにできるならば仕合せであります。病気はやはり腎盂炎で、多少体が弱つておりまして、少し重いような気がいたします。
  103. 田中一

    田中一君 当委員会においても又衆議院におきましても、相当政府考えておる重要法案が残つているように考えられます。政府としては、会期の延長を考えておられるかどうか。或いは相当休みが続くものですから、その間も国会を開いて質疑を続けて、会期中にすべての法案を上げるお考えなのか、その点伺いたいと思います。
  104. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) できるだけ会期中と思つてつてつたのでありますが、先般も参議院の議運で政府が指揮権の発動までして是非通過成立を図らなければならんと思つておる重要法案はどういうものを指すのかというような御質疑がありまして、それは法案として一つとして重要でないものはないのでありますが、特にこれこれのものは是非この機会に通過成立をさせたいということを申上げたところが、この法案のうちの一、二のものはまだ衆議院すら通過しておしませんので、殊に五月の月初めに休日が大分続きまして衆議院の議員で選挙区に帰る人もあるようでありますし、とかく遅れ勝ちになりはせんかと心配しております。そういう意味からまだ何ら決定的の話はしておりませんけれども、どうもこの土壇場になつては何がしかの会期延長は止むを得ないのではないか、そう考えております。
  105. 田中一

    田中一君 無論重要な法案として政府がお出しになつたものは通過しなければ政府としても困ると思います。併しそれは法務大臣が指揮権発動してまでも阻止したところの、佐藤幹事長の逮捕をもう少し延ばして、そうしてまあ何といいますか、検事総長が言つているように、すべての証拠とか或いは連絡とかいうものを十分にして、それから国会の状態を見ようというような作為的な意図はないものと思いますが、衆議院における自由党、与党の審議の状態も、警察法その他非常に不明朗なものがあるように考えられておる。そこで副総理としては、一体若し会期延長するならば、少刻みに、その法案が通るまでの間の会期延長を見るか、或いは大幅に長期の会期延長を考えておられるか、その点若しお考えがあるならば伺いたいと思います。
  106. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) これは政府だけ勝手なことを申上げたくないのでありますが、今お話の小刻みというわけにも行きませんが、これは新聞を見てみますと、非常な大幅のことが書いてありますが、一遍にそう延長するのもどうか、あいまいなことを言うようでありますが、もう少し議案の、主としてこれは衆議院の話であります。衆議院の議案の進行状態を見まして、ぎりぎりになつてきめたいと思つております。今のお話の中をとるくらいのことになるのじやないかと思いますが、余り小刻みというようなことでは如何かと思います。
  107. 田中一

    田中一君 只今副総理の、こちらが伺うと、大体会期延長は必須だと言う、まあ二週間程度のものはあるのじやなかろうかという御見解のように伺つたんですが、その際、当委員会の主管大臣である戸塚建設大臣がやはり病気で療養中という意味で欠席をして、この法案審議をお続けになるつもりかどうか、その点もお伺いしたい。
  108. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 実は順調な経過を辿つておりまして、身体を動かしてもよさそうでありましたので熱海のほうに変つてちよつとそのあとが少し障つたようですけれども、今の会期延長、若し相当な会期延長をするようでしたならば、これは私医者でも何でもない、ただ見当でありまするが、まあしまいがけには、総括質問のようなときには出られるのじやないかというつもりでおります。
  109. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 他に御質疑はございませんか。別に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  111. 田中一

    田中一君 私は上程になりました建設機械抵当法案につきましては結論的には賛成でございます。併し希望条件をここに付けたいと存じます。  それは審議の過程においても伺つたように、中小企業者に対する融資の面が十分に考慮されておらない。二、三の業者につきまして調査いたしましたところ、大体大事業者は自己資金によつて、自己の信用によつて市中銀行の自由な融資が可能だ。中小企業に対しては全然考えておらない。その中間にある大企業者の中で割合に機械を持つている業者にのみ片寄つた融資が行われるのじやないかというような懸念を持つております。従いまして今後のこの法律の運営の面におきまして建設省は十分に心いたしまして、中小企業に対する育成、この機械化、この点について十分の留意を以て運営に当られたい。これが私の希望条件の一つでございます。  次には先ほども設業課長にも伺つたように、少なくとも組合組織というものを以ちまして、設立いたしまして、遊んでいる機械というものはそこにプールする、そうして地域的に高度の機械化、高能率化を図るように措置されたい。この二点を希望条件として付けまして賛成いたします。
  112. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 私はこの機械抵当法につきまして建設事業の近代化、合理化或いは能率化というような意味から全面的に賛成するものであります。ただ私はこの前質疑のときにもちよつと申上げましたように、建設機械は、機械そのものよりも相当整備のほうが大事なんであります。その整備する機械を十分整備できるような条件をいろいろな方法で考えるというふうなことを運営面で建設省に、条件といいますが、そういうことを考えて頂くということにして全面的に賛成するものであります。
  113. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 他に御発言はございませんか。他に御意見もないようですから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。建設機械抵当法案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  115. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決されました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされた方は例により順次御署名を願います。   多数意見者署名     石坂 豊一   三浦 辰雄     田中 一    赤木 正雄     小澤 久太郎  石井  桂     島津 忠彦   石川 榮一   —————————————
  117. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 次に公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。本案について御質疑がございましたら御質疑を願います。
  118. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 本法案についてはすでに質疑は尽きたものとして、直ちに討論に入ることをお諮り願います。
  119. 石川榮一

    石川榮一君 三浦君の意見に同意します。
  120. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 三浦君御提案通り取運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。質疑は尽きたものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  122. 田中一

    田中一君 只今上程された公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案、これについては全面的に賛成です。賛成ですが、ニカ年間の会社の運営によりまして初年度は欠損があつた。併し次年度は相当な利潤を生むのではなかろうかという政府の答弁でありましたが、そうしてなお且つたしか資本金の二十倍と考えておりましたけれども、その保証額が少い。従つて増資も計画しているというようなお考えのようでありますけれども、これは株の募集にいたしましても、相当な大幅な利益が得られるようになりますと、又意識的な金融機関その他のほうからの相当の申込があり、且つこの会社を独占するような形のものが生れることを非常に懸念するわけです。従いましてそういう点につきましても、無論業者だけの力では到底この会社の増資などは考えられんと思います。従つて金融機関並びにこれに準ずる火災保険等々から融資が来ると思いますけれども、その際におきましても十分偏つたことのない資本形態を以て措置されることを希望いたしまして本案件に賛成いたします。
  123. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 他に御発言はございませんか。他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  125. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされました方は、例によりまして順次御署名を願います。   多数意見者署名    石坂 豊一   三浦 辰雄    田中 一    赤木 正雄    小澤 久太郎  石井  桂    島津 忠彦   石川 榮一
  127. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 次に、建設省関係法令整理に関する法律案を議題といたします。本案について御質疑がございましたら御質疑願います。
  128. 田中一

    田中一君 本案につきましては質疑を終了し、討論を省略して、採決せられんことを希望いたします。
  129. 石川榮一

    石川榮一君 田中委員提案に賛成いたします。
  130. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 田中委員の御提案通り質疑を終局し、討論を省略して、直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めまして、それではこれより採決に入ります。  建設省関係法令整理に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  132. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  133. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされた方は、例によりまして順次御署名を願います。   多数意見者署名     石坂 豊一  三浦 辰雄     田中 一   赤木 正雄     小澤 久太郎 石井 桂     島津 忠彦  石川 榮一
  134. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  135. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 速記を始めて下さい。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十九分散会