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政府委員(渋江操一君) 前回の
委員会の際に御質問等ございまして、一応それに関連して資料は用意いたしましてお配りすることにいたしているのでありますが、
只今お話がございましたからそれに対する建設省の
考え方を申述べさして頂きたいとおもいます。
土地区画整
理事業の従来の
実績は、大正九年以降約三億万坪、年平均にいたしまして一千万坪
程度を実行いたした来ております。ただ併しながらここ数年間の
実績はやや減少いたしまして、年間三百万坪
程度の実施状況に相成
つているわけであります。
お話の土地区画整
理事業の今後の運用方針をどうするかということでありますが、土地区画整
理事業を行う大部分の場合は、これは土地区画整
理事業が独立して行われるという場合よりも、むしろ都市
計画事業と関連して行われる場合が多いというふうに想定いたされますので、
従つてこれは健全な市街地造成、即ち都市
計画事業、都市
計画、これをどういうふうな持
つて行き方をするかということによ
つて土地区画整
理事業の行き方ということもおのずから変
つて来るのではないかというふうに想像されるわけであります。それでまあ一応都市
計画事業との関連における土地区画整
理事業の今後の行き方ということを申したわけでありますが、然らばその元になる都市
計画が如何なる方法で国としては
重点を置いて行かなければならんかということをもう一方申上げなければならんと思います。これはこの
委員会でも何回か御質問ございましたことでございますが、現在直面しておりまする一等大きな問題は、この都市における
人口の過度集中という問題を如何に解決するかということがまあ都市
計画の
一つの大きな問題にな
つて来ているわけでございます。御
承知のように今後
日本の
国内人口は
昭和三十一年以降におきまして一億をも超える場合も想定されるわけでありまして、それらの
人口の、何といいますか、地域的な密度ということにな
つて参りますと、おのずからこれは農村の
人口収容力の限度から申しまして、当然都市に集中するであろうということが想定せられます。具体的な問題といたしましても、町村合併促進法等によりまして市制を布かれる地域が急激に殖えているような状況でございまして、それらから
考えますと、そういう意味合いにおきまして都市
計画の策定は今後最も急速に急がれるのではないか。
従つてそれに対応する区画整
理事業というものがおのずから重要視されるということにな
つて参るであろうと思います。で同じ都市の地域内の場合といたしましても、都心部と郊外地との都市
計画の立て方についてはおのずから今言
つたようなことを
前提として
考えてみましても、いろいろ区別して
考えて行かなければならない。端的に申しますと、都心部の都市
計画としては立体的な都市
計画のほうに移行するよりほかに方法はございません。建物が順次高層化いたしますし、堅牢化する
関係からいたしまして、おのずからこれは立体化して、地下を利用する、或いは建物の高層化によ
つて土地の高度利用を図るということになるわけでございます。郊外地の場合は、その点から申しますると、むしろ将来宅地化するであろう地域の、或いは街路を整備いたしまするとか或いは上下水道を整備いたしまするとか、駅前、駅附近を整備いたしますとか、それからそれに応じます用途地区、
住宅専用地区或いは商業地区、そうい
つたような用途地区を明確にいたしますとか、さようないわゆる比較的既成市街地の場合よりも、今後市街地化する建前におきまして、都市
計画をそういう何と言いますか、新たなる観点で新たなる構想の下に立てて行くということが
考えられると思います。差
当り問題にな
つておりますのは東京都等を中心といたしまして衛星都市の問題が
一つ大きな問題にな
つております。これも今申しました既成市街地外の都市
計画という問題の一面として
考えて行くべき問題ではないかというふうに
考えております。都市
計画の以上のような方向が区画整
理事業の方向を
裏付ける、かように
考えておるわけでございます。