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田中一君 もう一点伺いたいのは、この前も伺
つたように、こういうケースはあり得るかどうかの問題なんです。不良住
宅地区改良法という
法律がありますね。これはこの
法律に対しては、
地方自治団体の要求に基いて
地区として指定し、そうして国からも改良費を出して
地方公共団体が
事業を行うということにな
つておりますね。その際若しも……。これも
答弁がまだ
政府から来ていないのですが、
省議をまとめて
答弁してくれと要求してあるのですが、この際そのように国が助成し、国が補助し、並びに
地方公共団体が自分の
資金を以て不良住
宅地区の改良をするという場合、これは非常に環境も悪い……。又本来ならば環境のいい所なんです、これは。それが改良されればいい所なんですよ。いわゆるスラム街なんですね。これが若し高度に
利用されるならば、
相当いい環境の街になるわけなんです。若しももう一歩進んで
考えてみるならば、国が
補助金をやり、
地方庁が金を出して、そのスラム街を改良していい街を作ろうという場合ですね。これはその上の
空間に対してたとえ
地主であろうと
土地の権利者であろうと、少くとも多層化して、そのありの街とか何とか
言つている、その住んでいる不幸な人々を、鉄筋なら鉄筋のいい家を与えるということになるならば、
先ほど官房長が言いましたように、そういうきれいな家は御免こうむりますと
言つて頑張るか。頑張
つても又それを……、法の適用によ
つては、上に又新らしい家屋を提供してもいいのです。いい場所かたくさんあるわけですね。こういうことを
考えるならば、
相当広くこの
現行法を活用すると、
宅地というものがまだまだ一銭の金を出さずしても得られるというところなんです。これに対しては
政府から
答弁はありませんが……。
じや
一つの例を言いますと、新宿の界隈に和田組の曾
つてはマーケツトと言いましてね、淫売婦と、それからヒロポンとそれから焼酎とを売
つている部落があるのです、現在。これは地上権を……、それは和田組もあのごろつきの和田組もとうとう音を上げてそれを地元の人間に売りましよう……。ところがそのマーケツト
所有者というのは全部家を買
つておる。自分の家です。
従つて地上権は付いている。
土地はもらわんでもいい。御
承知のようにあすこに今度東側のほうに立派な駅ができる。いい街になります。このスラム街を
防火建築帯として指定をする。そうして一万何千円かの
補助金を払う。そうしてそれに対して不良
住宅改良で又助成をする。そうして
住宅金融公庫法の一部
改正によ
つてその上に
高層建築の
資金を融通してやる。決して地元の人間は不平を言いません。一階の、自分の店舗を持
つている
部分を自分に貸してくれれば、或いは月賦で、五十年間の月賦でもや
つてくれれば、権利を喜んで提供いたしますという
地区がたくさんあるのです。そういうことがこの
組合せと、
法律の構成によ
つて可能かどうかという問題なのです。そういう事実が……。それでその当時お願いしたことは、そうしたような少くともあの
単行法が出た以上、全国的にあるスラム街の表があるはずです。調査があるはずです。
先ほど官房長は、どうも
地上権者に対して喜んでそれに協力さすということがなかなかむずかしいから、それは実行できないのだと言うならば、私は今、先般
資料を要求したのでありますが、そのスラム街の
資料をくれるならば、私は熱病みたいにな
つて住宅問題に対して真剣に
考えていますからね。一々当ります。お前のところは不良住
宅地区として国が補助してくれる、自治団体も少しの金を出す、そうして上に対してはこの
住宅金庫が金を貸してくれる、それでお前は一階の店舗なら店舗を持ちなさい。屑屋ならば、お前は三階に住んだらどうか、これは必ず提供するからと言うならば喜んで、
地主も喜び
地上権者も喜び、不法占拠者も喜んでいるのですよ。私は必ず
宅地問題は、その
空間において百戸分でも二百戸分でも喜んで
土地を提供する、
空間を提供する者もあると見ているのです。
従つて先般要求したところのスラム街の表、これをお出し願
つて、これが若し可能ならば……、これは
鮎川君に伺わなくて大臣に伺いますがね。可能ならば私は歴訪します。私はスラム街を全部歴訪しまして、そこに立派な街を
作つて見せます。同時にいたずらな横に伸びるような
宅地を
造成しないでも、千戸でも二千戸でもそこへ
住宅を収容するような実践運動に移ります。その点もあなたの
答弁は要求しません。はつきりと
関係法規をお調べにな
つて、そうして家のない者のために、貧しい君のために家を提供するという
考え方を持
つて頂きたいのです。これは
建設省の
省議として御
答弁願いたいのです。私はこの
関係法を全部活用すれば可能なりと見ているのです。いいですか。
省議で返事をしますね。