○
政府委員(南好雄君) お答え申上げます。私は従来の
電鉄会社が今御
質問のようにや
つて、その
土地自身には
営利でなくて比較的非
営利性ないわゆる半公共物、学校などは公共物だと思いますが、そういうようなものを招致するためにそういう
実例があ
つたことは率直に認めます。先ほどの
農地局長の
平川君の
お話のように、
工場誘致などというようなものも、農村あたりが目の色変えるというのは、将来の税の
対象に
なつたり或いは人口問題の解決に
なつたりいろいろするから、そのこと自身には別にプラスにならなくても、附随するいろいろの目的からプラスの面を考えて私はその特別の便宜を図
つたりするのだろうと思います。そういう
実例は過去においては私はあ
つたと思う。将来も
営利性の
会社として
宅地造成などにはそういう点を見せるかも知れませんが、併し必ずしもそうだからとい
つてこの貸付の皆
対象に
なつて来るとは私は考えておりません。要するにこの
法律に規定せられましたように、将来のいろいろの点を考えて、本当に非
営利性で、ただ単に附近の
土地の値上りを目的とするものでないという見極めがつかなければ私は貸付の
対象にならんものだ。併しその問題を余り広く議論して参りますると、道路をつけてやるのも或いは
鉄道をつけてやるのも、どつちかというと国家の金でその附近の
宅地もおのずから値上りして参りますので、特定の
会社が広くそういう目的のためにそういうことをするということは、今日のような世相の下においては多少非難すべき点も出て参りましようかと思いますが、これが特定の
会社でない相当たくさんのものに分れておりますれば、国家費用を
鉄道の名前において投じても、道路の名前において投じましても、今
田中先生御
質問の点は、
程度の差こそあれ、多少起きて参るのでございます。ただ今設例をされましたような、
電鉄会社がそれだけでそういう遠大な百五十年、百年の計画でやる。例えば箱根
土地が国立の一ツ橋の大学に無料で
土地を提供したとか、或いは慶応の、日吉台に慶応が学校を建てたというような
実例は、考え方によ
つては当時の世相の下においてはなかなか着想がよか
つたと思いますが、そういうものが非常にひどく
なつて参りますれば、又それに対応するような
法律、いろいろ防止方法なり、非常に弊害が出て参りますればおのずからそれに処する途が出て参るものと考えますが、今の段階においては、その貸付の場合において、抽象的にそういうことを言
つて一切
電鉄会社は貸さないということも私は言い切れない。前回か前々回かの
委員会におきましても、強いて考えればそういう
実例がございますと申上げた、それがたまたまいろいろの御
質問に
なつたのでありまするが、併し非常に大きな弊害が出ますれば、又別途に
土地の値上りというものに対する阻止の方法とか或いは不当利得の税金の
対象にするとか、というふうな別個の意味でこれを抑制して行く必要が出て来るのじやない、こういうふうにまあ考えて、こういう例はどうですかと御
質問ありましたので、
電鉄会社がこういうような場合にはよく考えてきめて、そういう附近にそういうひどい値上りをしたりしない、それから甚だしくいわゆる
営利的な目的でない場合には、強いて考えれば貸付の
対象になり得ると、こう御返事申上げたわけであります。