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田中一君 鉄筋、不燃建築のほう、五万七千円のほうも出して頂くのですよ。どうも勉強なさ過ぎると言うのです。私は五万七千円でなくちやならないという
規定はどこにもないのですよ。建築
基準法に合格すればいいのです、家というものは。そして三万三千円の家はどんなものか、あそこに
石井君がいるから、詳しいですが、私は実情を知
つているのですが、鉄筋が五万七千円なんて必要ないのです。国民は要求しておりません。日本の経済力はそんなものではないですよ。四万円か四万五千円でできるのです、工夫
一つで。ただ全部国家
資金を使
つて、特定なる人に十分満足の行く家を提供しなければならないという
考え方を持
つてはいけないのです。
個人に渡す財産ですから
個人のものです。これが永久不変の、せめて百年でも八十年でも保つようなものであ
つて、財産の価値というものが減らないもので、そういうものを望まない人があ
つても、このほうが利益でございますと親切さを以て教えることが、工夫が必要なんです。国家
資金を使う場合、
個人が
個人の財産を何しようとかまいません、
法律で許しておりますから、国家
資金を使うときは、その金を
貸付けて、
分譲形式ですね、月賦で払うのです。それを全部返さないうちに大修繕をしなければならないということはいけないのです。日本の富の現状からい
つてもそういう余裕がありません。もう少し我々が納得するような細かいデータをお出しにな
つて、国民の大
部分は木造の十五年か十八年たてば大修繕をしなければならないような家がいいのか、仮に五万七千円と見込んでおるものを四万五千円なら四万五千円で建つような工夫をして、建てた家に対して長期
貸付、
従つて月々の払いが、負担金というものが少い、家賃で安くなるというものでやるほうを国民は求めておるか、こういうものを十分に調査した上で以て案を立てる。今までの、終戦後の二十四年か二十五年頃と時代が変
つて来ておるのです。こういう点を考慮しないで、今までの行きがかりで以て
住宅政策を
考えているという態度、殊に今言うような
宅地の助成まで、一部の地主や
土地の
営利会社、
土地ブローカーとか、或いは
土地の
分譲とか家屋の
分譲をしているような人たちにまで国家
資金を流してや
つて、その人たちの利益を図る、中間的な利益を図るような法案に対しては、これはもう一遍反省を願いたいと思うのです。もつと筋の通つた、国民のための国民の
住宅というような形のものに出し直しを願いたいと思うのです。私はまだまだ論議がありますので、余りや
つても困るからこの辺で今日はやめますが、これは到底納得できないのです。これは他党の方々も恐うく私の意見、
希望に対して共鳴される点もあると思うのです。なぜかかるものを出すかということ、今日は私はこれだけにしておきまして、まだありますから留保しておきます。