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1954-03-02 第19回国会 参議院 建設委員会 第13号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年三月二日(火曜日) 午前十時四十六分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
深川タマヱ
君 理事 石井 桂君
石川
榮一
君
三浦
辰雄
君
委員
石坂 豊一君
小沢久太郎
君
鹿島守之助
君 赤木 正雄君
小笠原二三男
君
田中
一君
政府委員
建設大臣官房長
石破 二朗君
建設省河川局長
米田
正文
君
建設省住宅局長
師岡健四郎
君
建設省営繕局長
木村 恵一君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
常任委員会専門
員 菊地 璋三君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
派遣議員
の
報告
○
建設行政
に関する
調査
の件 (
過年度災害
に関する件) (
昭和
二十九年度
建設省関係予算
に 関する件)
—————————————
深川タマヱ
1
○
委員長
(
深川タマヱ
君) では
只今
より
建設委員会
を開会いたします。 本日は前回に引続きまして
住宅
と
営繕関係
の御
質疑
を願い、その次に
災害関係
の残れる御
質疑
を、そして最後に
佐久間ダム
の
視察
御
報告
を承わりたいと存じますが、御
異議
ございませんか。
田中一
2
○
田中一
君 先に
報告
してもらつたらどうですか。ほかの
委員
もいませんから。
石川榮一
3
○
石川榮一
君 私もそうしてもらえば都合がいいのです。しまいになるとちよつと留守になるので……。
深川タマヱ
4
○
委員長
(
深川タマヱ
君) ではさようにいたしますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
深川タマヱ
5
○
委員長
(
深川タマヱ
君) ではさよう
変更
いたします。
佐久間ダム
の
視察
御
報告
を願います。
三浦辰雄
6
○
三浦辰雄
君 私
ども
当
委員会
の議を経て、
田中委員
、
小笠原委員
私と三名の者が土曜日の二十七日に立ちまして、
秋葉発電所
及び
ダム
の
建設予定地
、それから
電源開発会社
の
佐久間建設事務所
、又
ダム地点
及び
バイパス
・
トンネル工事現場
、こういうような所でそれぞれ
現場
の
事情説明
を聞き、その日は浦川まで宿泊の
関係
で行き、翌る日も又宿舎を出て、
建設所
の
説明
の
補足聴取
をいたし、なお、
労務管理
の面から
間組
の飯場、更に
発電所建設工事
の
現場
を再
調査
いたしまして、
浜松
に出て、昨一日に戻
つて
来たわけであります。 それで大体の模様を御
報告
したいと存じますが、
天竜川
の
渓谷
の先ず概要について申上げますと、
天竜川
の
中流部
三十三キロの間、丁度
平岡ダム
の
放流水
のすぐ下の所まででありますが、それから
佐久間ダム
の間が約三十三キロになるわけですが、この間の部分を
使つて落差
百三十八メートルを利用して
最大出力
三十五万キロワツト、年間十二億六千万キロワツト・アワーの
電力
を発生せんとするものでありまして、
ダム
は
右岸愛知
県北設楽郡
豊根
村、
左岸静岡
県の
盤田
郡
佐久間
村に
位置
しておりまして、
直線重力式
の
溢流型コンクリート造り
で、高さは
基盤岩盤
上百五十メートル、
ダム体積
が
コンクリート量
で百万
立米
、
貯水池
の
容量
は三億
立米
、こういう
規模
のものでありまして、
発電所
は
貯水池
の水を延長千二百五十メートルの
圧力隧道二本
で、
国鉄飯田線佐久間
駅のすぐ上手の所に導いて、九万三千キロボルト・
アンぺア
の
発電機
四台を動かす、総
工事費
の
予定
は約二百六十億の
予定
なのであります。 問題であります
水利権
の点でありますが、本
工事
を行うについて、
水利使用許可申請
を
昭和
二十八年一月七日付で以て
電源開発会社
から提出されておる。だがまだ認可はされていないのであります。そこで
会社
としては一応この
パイパス
及び
発電所
の
建設工事
は、直接
河川
の水量に
影響
を及ぼすというほどのことでないからとして、
愛知
、
静岡
両
県知事
の
河川敷
の一時
使用
並びに
土木工事施行許可
によ
つて
現在
工事
を進めておる、こういう
段階
であります。
現場
について見ますと、約二十万
立方米
の
トンネル掘鑿
によるズリが
河川敷
に捨てられておるというような問題もありますが、まああれだけの
突貫工事
をやつたからとい
つて
、いろいろ疑問があ
つて
も止むを得ないようにも思われる点がある。なおこの
水利
の
使用権
は三月の四日頃には
許可
になる
予定
だと
現場
でも期待し、それを待
つて
おるようでございます。
工事
の
状況
でありますが、本
工事
は
電源開発会社
が
間組
及び
熊谷組
とヂヨイント・ベンチヤーの形式を以て
昭和
二十八年四月十六日付で
工事請負契約
を行い、別に
アメリカ銀行
、バンク・オブ・
アメリカ
から三ヵ年
契約
、これは利子が四分五厘でございますが、七百万ドルの
借入枠
を設定して、
アトキンソン会社
を通じて約四百五十万ドルの
建設機械
を購入して、これを
両社
に貸付けると共に、この
両社
は
アトキソン会社
と
技術援助契約
を結んで
工事
をや
つて
おるという
状況
であります。
間組
の
分担区分
は、
材料運搬道路
及び
ダム工事
一切であ
つて
、現在の
労働者
数約四千名、
熊谷組
のほうは
発電所建設
を分担しておりまして、
労務者
約二千名、
工事
の
進捗状況
はセメント、
骨材運搬道路
は大半でき上りまして、
バイパス
、これは直径が十メートルという非常にまだ日本としても作つたことのない大きなものであります。これは二本でございますが、そのうちの一本は
あと
二、三日で
完成
、
あと
の一本は今月末までに
完成
を
目標
として非常な力を入れておりました。
発電所
の
基礎掘鑿
は昨年の十二月開始して、総量十八万立方メートルでありますが、そのうちの十三万立方メートルが終了しておるという
段階
でございます。その他
飯田線
の付替
工事
、
佐久間
駅側の
引込線工事
、これも着手されております。 それから
アトキンソン会社
は、現在
技師長
以下三十六、七名が
現地
に滞在して、
機械取扱
その他の
技術指導
をや
つて
おる。施工時期の
関係
上
梅雨期
前にはどうしても
締切
を行いたい、その
完全締切
の
予定
が五月でありまして、鋭意その
締切
の
目標
の時期までにそれぞれの仕事を何としてもしなければならない。こういうことで、一にこの
締切
を
目標
としてすべての面が非常な
進捗
に
努力
が注がれておるような
状況
でありまして、
建設機械
として現在盛んに活動しておりますのはシヨベル及び十五トン・
ダム
プトラツクでありますが、すでに
現場到着済み
のもの約百五十万ドル分、横浜港のもの約五十万ドル分、来年度中には全部
現場着
の
予定
であるというように聞いて参りました。 で次に、
補償
の問題でありますが、
水没
による
補償
の対象となる
町村
は
佐久間ダム関係
で
長野
県が二
ヵ町村
、
愛知
県
二方町村
、
静岡
県で三
ヵ町村
、
合計
七
ヵ町村
、その下に作ります
秋葉ダム
、これは
四方町村
で、
合計
が十一
ヵ町村
に跨が
つて
いるわけであります。これについては
地元側
として
天竜川水系総合開発対策
三県
連合協議会
というものを
作つて佐久間
の村長が現に会長として
団体交渉
を行うこととしております。でだんだん進んで参りまして、実際の
折衝
になりました今日としては、その
団体交渉
の
了承
の下に各
町村
でそれぞれやることにな
つて
おりまして、その
補償
は二十八年七月初めに
閣議決定
の線に
沿つて補償基準
の呈示をしたわけであります。これは二十八年の三、四月の
物価水準
によ
つて
や
つて
おります。 で先ず一番
最初
最も
水没関係
の強い
富山
村等の
交渉
に昨年の九月入
つて
、十一月の二十日に
妥結
、で次いで城西村と十二月二十日に
妥結
、現在は
豊根
村、
佐久間
村、水窪町と
交渉
中で、今後まあ二、三ヵ月中に完了する
予定
のようでありますが、
富山
村におきまする
決定基準
は、畑が
坪当り
八百五十円、水田が千円、これはいずれも
離作料
を含んでおるのでありますが、こういつた価格でありますし、林地のほうはまあさまざまのこれについては
事情
があります
状況
でありますが、
造材林
で約百円、
薪炭林
で六十円、
住家
のほうは
Aクラス
と申しますか、最もあの地区として一番
補償
しなければならんという
Aクラス級
のものが三万三千円、第五階級、五
段階
に分けているようでありますが、最低が一万二千円、それから非
住家
のほうはまあ千円から一万二千円までの間で大体等級を分けてや
つて
おるようであります。で、あそこのところは非常に
林産地域
でありますので、
筏師
という特殊な
運搬業者
がいるわけでありますが、これは日当の三年分を
補償
していると
説明
しておりました。でこの
基準
は特別の
事情
のない限り他の
町村
でも殆んど同一となる見込みである。但しこの一番先に最も難関であつた
富山
村が
交渉
に
妥結
して、その後他の
町村
をや
つて
おります場合に、当然違うべくして違うところの
理由
から出て来る高い
補償
がきまることについてはあえて
異議
はないけれ
ども
、そうでない
事情
からいわゆる高い
補償
が結ばれなければならんような
状況
であるとすれば、
富山
村には遡
つて
その分については同じように見ましよう。こういうことで先ず
富山
が先にきまつたという
状況
のようであります。
補償総額
は
個人補償
として
湛水地域
七
ヵ町村
に対して七億七千万円
程度
で、
工事現場
に対して二億三千万円
程度
、
合計
して十億円
程度
、それから
公共補償
のほうは約十四億、それから
国鉄飯田線
の付替でありまして、大嵐、
佐久間
間十三キロ五分というこの付替
工事
が約三十八億円、
合計
して六十二億円というのが想定されているようであります。
補償基準
についてはいろいろ問題もありますけれ
ども
、おおむね我々も妥当ではないか。併し
工事
を急ぐというようなことからして
公共補償
、殊に
国鉄
の付替等については、まあもう少し
内部
を検討して、特にいやしくも過大であるというふうに言われないような手を
一つ
打つというような、私
ども
も
意見
も申して来たのでありまして、いわゆる
道路
問題としては、三
県知事
から、この
貯水池
の両岸に
代償道路
を
補償費
を以て新設することの申入れがあ
つて
、まあ紛糾を続けて来たのでありますが、去る二月の十七日の
佐久間ダム開発
に伴う
水没地対策
に関する覚書というものにおいて、
建設大臣
、それから三
県知事
及び
電源開発会社
副総裁が調印して、国の
道路計画
の
決定
に従い
会社
は
応分
の
費用負担
をするということで一応落着したようであります。併しこれにつれついては
国土総合開発
の立場から
経済審議庁当局
の
意見
もあり、なお将来に問題が残されろことだろうと考えられます。 次に、この
労務者
の事故の発生についてでありますが、
現地
で提出された資料によると、昨年五月の
工事着手
以来、本年一月末までの
死傷者
は、
間組
で千五百三十二名、
熊谷組
で百四十七名、その他二名とな
つて
おります。更に二月に入りまして、
間組
に
死者
が比較的続出したような形で、十一名の
犠牲者
を出しております。
死者
は
合計
二十四名に上
つて
おります。この多数の
死傷者
を出した原因として、まあ当事者の
説明
を聞いたところじや、何としても第一番に
立地条件
が極めて悪いということ。それから第二には
労務者
の
移動
が多く、
移動率
は二五乃至三〇%である。で
移動
する者の
定着期間
は誠に短くて、一ヵ月内外だということである点。それから第三には、
仮設工事
中であるというような点が挙げられていますけれ
ども
、なおこのほかにも
労務管理
の不十分なこと、
工事
を非常に急ぐということの
理由
が当然考えられると存ずるのであります。でこれが
対策
としては、
会社
、
業者
間に
安全委員会
を作り、或いは
安全競争
をや
つて
、好成績の者を表彰すると、こういつたような
種々努力
が重ねられております。又
労働基準局
の
浜松監督署
では、十九名の
定員
のうち二名をここに常置して
監督指導
に当
つて
いるのでありますが、
佐久間ダム建設事業
の
規模
から考えると、まだまだこれが不十分であ
つて
、
監督署
の
定員
、
機動性
というものについては考慮をする点があるように思われる。まあ根本的には
労務者
の
指導
を徹底し、その質の向上を図ることにあるということで、
関係者
それぞれ非常な
努力
をしておる、こういう
状況
であります。 あのいわゆる国家的に
要請
された早急な
電源開発工事
、そうして而も、
従つて出水期
前までに
バイパス
二本を
完成
して、この時期を五月初めにどうしても仕上げたい、若しも仕上げなければ
相当
大きな、五千万、六千万といつたような損失が恐らく起るだろうと思われるような
工事
の
事情
からして、まあ
相当
各面で無理な、
従つて
それだけに非常な
協力
をして
事業
の
進捗
を図
つて
いる姿というものは私
ども
十分了解して来た点であります。あの
場所
が地理的に非常な便利の
場所
にあるというような
事情
からも、
労務者
の出入りがかなり多いということも考えられますが、なお詳しくは私
ども
いずれ書面で以て出したいと存じますので、簡単でありますが、以上で終ります。
深川タマヱ
7
○
委員長
(
深川タマヱ
君)
只今
の御
報告
に対しまして御
質疑
でもございましたら、御発言なさいますか。
石川榮一
8
○
石川榮一
君 誠に御苦労様でした。
大分
よくわかりました。問題は例の
道路
の問題、
愛知
、
静岡
の長い間の
紛争
ですが、これが十七日に
妥結
したということは、これは完全に
妥結
したのですか。
三浦辰雄
9
○
三浦辰雄
君 結局ここにも申上げたように、まあ全体の
計画
に
従つて
、その際にはいわゆる
開発会社
のほうから
応分
のいわゆる
協力
をする、こういうことで、そういう総括的な
意見
の一応の一致を見たというふうに私
ども
は取れたのですがね。だから言葉を換えて言えば、問題を
あと
に残すといいますか、全体の
総合開発
としての
内部
の問題がきまるに応じ、その際に問題を解決するという
態度
を
両方
で確認した、三者が確認した、こういう形のようです。
石川榮一
10
○
石川榮一
君 そうしますと具体的な案が提示されて
妥結
したのでなくて、大体の、何と言いますか、
妥結
の
方針
だけを
決定
したということですね。
あと
は具体的な問題によ
つて
は必ずしもそれが
妥結
が必ずできるということも言い切れないのですか。
三浦辰雄
11
○
三浦辰雄
君 私
ども
はそういうふうにそれをと
つて
おります。併しその間は、つまり
誠意
がわかつたから、そういう線の基本的な
態度
で一応納まつた。湖水になるべき周辺の
道路
についてはね。そういうことと私
ども
は了解しております。
石川榮一
12
○
石川榮一
君
河川局長
に伺いますが、この
ダム
は
洪水調節
には何ら役立たないように私
ども
は
承知
しておりますが、
河川局
としまして、あの大きな
ダム
の
建設
に
洪水調節
を加味する必要がないという
方針
にきま
つて
おるのでしようか、その点を伺いたいのですが……。
米田正文
13
○
政府委員
(
米田正文
君) この問題について、この
計画
ができる前にその問題をいろいろと討議はいたしました。けれ
ども
下流
の
天竜川
の現在の
治水計画
との関連において、ここでは
水力開発
のみにして
洪水調節
は行わないという
計画
に
決定
をいたしたのであります。
石川榮一
14
○
石川榮一
君
天竜川
の
災害
は、他の
河川
に比較しては比較的軽度だとは思いますけれ
ども
、折角大きな
ダム
を、例え
電力
が緊急の
要請
であるといたしましても、
天竜川自体
の
水利計画
というものにマツチしましてこれに或る
程度
の
洪水調節
を加味させるほうが
水利計画
上いいのじやないかと思います。それを全面的に、それは
水力電気
のみに
使用
させるのだということにしますことは、私
ども
まだ納得行かないのですが、若し今のような
方針
で何ら
洪水調節
には役立たないのだということにきめておられました場合に、
下流
の
調節
の
問題等
はどうなりましようか。
米田正文
15
○
政府委員
(
米田正文
君) これは
天竜川下流
の
計画洪水量
というのがございますので、
建設省
としての全体の
洪水調節計画
は御
承知
だと思いますが、むしろ
天竜上流
が非常に
災害
を年々受けておる。而もあれは
渓谷
を流れておる
河川
でありまして、
河道改修
を十分広くと
つて
やるということは困難でありますので、
上流三峯
川、小渋川という支川では
洪水調節
を
中心
とする
ダム
をやり、且つ砂防を実施するという
方針
にいたしました。で、
下流
の
計画洪水量
はその後
計画
をオーバーしたことがありませんので、我々としては今
計画洪水量
の改訂をいたして、むしろこれは減らすことにするということにはいたさない。むしろ現在の
河状
で
計画洪水量
を十分持つから、更によくするためには
下流
の
河道
の
浚渫
をやろうという
計画
にしております。
従つて
現在の
計画洪水量
で
下流
の問題は解決できるという自信を持
つて
や
つて
おりますが、ただ
佐久間
の
ダム
ができますと、これは今
お話
のありましたように、非常に
容量
の大きい
ダム
でありますので、
中小洪水
は殆んどなくなるという
計画
上は載
つて
おりませんけれ
ども
、実際運営の上においては非常に
洪水量
の
軽減
のためには役に立つことにな
つて
おりまして、その点はあの
工事
を
治水
が
費用
を分担しないでも、
洪水量
の
軽減
には
相当
役に立つ部面はございます。
石川榮一
16
○
石川榮一
君 一応わかりますが、現在の
天竜川改修計画
、それに対する
決定流量等
はきま
つて
おりましようが、最近は御
承知
の
通り北九州
に非常な多量な
豪雨
をもたらして、五百ミリ、六百ミリというような
予定
をしないような
豪雨
が降るというようなわけでありますので、全国の
河川改修
においてそういう場合も考えるというように我々考えておるのです。ですからあの辺の
流量
をきめます場合に、既往の
流量
のみによ
つて
安全を期するということは
相当
に
危険度
を増したというように考えるのですが、そういう点から考えますれば、
天竜川
の
改修計画
につきましても、できるだけ
余裕
を持つということが必要ではないか。
余裕
のあるほうが間違いはないですから、
佐久間ダム
のような大
規模
のものをやる場合に、若干の
治水費
を加えますれば、
相当
の
洪水調節
に役立つのだから、将来そういう思わざる
豪雨
が、
北九州
に襲
つて
来たような
豪雨
が仮にありました場合でも磐石のかまえができるのではないかと思うのですが、この際まだ着工中でありますので、その辺のところも御研究なす
つて
いらつしやいますかどうかを伺いたい。 それからもう
一つ
は、
上流
の今
お話
が出ました
諏訪湖下流
の
美和ダム
、その
美和ダム
のごときは、私
ども
最近
地元
から非常に激越な
手紙
をもら
つて
おるのでして、その
ダムサイド
に対して或る
部落
が結束して血眼の
反対
をしているようです。これは表面を見ますと、
長野
県側でも
建設省側
でも、すでに
妥結
したかのような安易な気持でや
つて
いるようでありますが、事態は非常に悪化したように思うのです。これも
一つ
、今
美和ダム
の話も出ましたから、
美和ダム
の
ダムサイド
の
決定等
については、
地元
との了解もどの
程度
に進んでおりますかを二点お伺いしたい。
米田正文
17
○
政府委員
(
米田正文
君)
最初
の問題で、大きい
ダム
をこしらえるときには同時に
洪水調節
をやるべきだという御議論については
原則
的には我々も賛成でございます。現に
木曾
川水域では、丸山の
ダム
については
洪水調節
をやることにいたして
水力電気
と
洪水調節
を共同の
建設
で現在実施をいたしております。これは
木曾
川の
下流
の
計画洪水量
が、どうしても
洪水量
をカットしないと
計画
が成立たないのでや
つて
おります。
只今お話
のありましたように、
洪水量
というものは少ければ
少い
ほどいいという
お話
は御尤もでございますけれ
ども
、一応
計画
といたしましては、やはりきちつとした限度をきめて、こういう
計画洪水量
に対して
工事
をやるのだという
基準
にいたしておきませんと、少ければ
少い
ほどいいというような
原則
には事務的にな
つて
参らんので、止むを得ず
下流
の
計画洪水量変更
に伴う
上流
の
洪水カツト
という問題として事務的には扱うことにいたしております。 で、じや
天竜
についてはどうかと申しますと、先ほどから申上げましたように、
下流
について、実はここは
相当
昔から大きな
川幅
を持
つて
いるのであります。御
承知
の
通り
でございます。それで
川幅
も十分あるので、
計画洪水量
も十分取
つて
あるところでありますから、この問題は
計画洪水量
は
変更
はいたさんという
原則
にいたしたのであります。ただあの川も、汽車の上から御覧にな
つて
もわかりますように、非常に川底が
土砂
で上
つて
おります。この
土砂
の
浚渫
については二十九年度からも一部着手いたしたい考えでございまして、
洪水量軽減
の措置としましては
下流
の
浚渫
をやる、こういうふうに考えております。併し今後各地にできます大きい
ダム
については、それぞれについて
河川
全体から見ました
洪水
の
計画
的な配分という点から、できるだけそういうものは利用して行くという
方針
については御説の
通り
でございます。 それから
上流
の
美和ダム
の
お話
がございましたが、これは
美和
の
三峯
川の
洪水調節
と、
下流
の
発電
、灌漑等を兼ねました
多目的ダム
を直轄として
建設
中でございます。で、
ダム
・
サイド
の
調査
を今日までや
つて
おりました結果、
ダム
・
サイド
がやや
下流
に移りましてそのために、そのためのみではございませんが、
地元
が
補償
の
了承
をいたさないために、
補償がま
とま
つて
おらないのは事実でございます。私
ども
といたしましても、決してあすこはもう
補償
問題については問題はないのだ、簡単だというふうにも考えておらんのでございまして、今
地元
の
了承
については極力
努力
をいたしておる途中であります。できるだけ早く、新年度になります前に
了承
を得たいと、こちらの
建設省
としてももう極力
誠意
を披瀝して
折衝
中でございます。
石川榮一
18
○
石川榮一
君 まあ、第一の問題はこれは
意見
の相違でありますからやりませんが、ややもすると
電源開発
の
国家的要請
が緊急というのに押されまして、
河川
の
水利計画
を或る
程度
で無視されてしまう。
水力電気
の
ダム
の
建設
をするその
圧力
が強いために、ややもすると
建設省
の
技術陣
が
圧迫
をこうむる、政治的にも
圧迫
をこうむるというようなことがあります。将来非常に大きな問題を残すことになると思いますが、この問題は更にお尋ねいたしませんが、或いは
電源開発
によ
つて
起る
ダム
につきましては、優先に
治水計画
の万全を期することを
根抵
として、不動の精神を以て
一つ
当
つて
頂きたいと共に、私
ども
佐久間ダム
の詳細なことはわかりませんが、少くとも大きな
ダム
を本川に作る以上は
洪水調節
……、これは中間的な
洪水調節
に役立つと思いますが、中間的なものでなくして、
洪水
は最高の水位の時が恐しいのでありまして、普通の
増水程度
のものはあえてそんなに気にすることはない。そういう点もありますから特に御留意を願いたい。それから
美和
の
ダム
の件でありますが、私
ども
昭和
二十七年の十二月でしたか、
建設委員
として派遣されまして、当時の
小川委員
と共にあの
反対
の熾烈な
ダムサイド
に参りまして、いろいろと
地元
の激しい
反対陳情
を受けたのであります。当時
地元
の
意向
といたしますと、絶対
反対
でありましたが、若しもう一ヵ所
上流
に、
美和
から今の現
位置
から約一キロくらい
上流
ですが、その
地点
に立派な
ダムサイド
がある、そこだつたら割合に農村に対する
影響
も非常に少くなる。現
位置
でありますと、
美和
村の
中心
をなす
沃野
が全部
水没
してしまう、あの山奥にあ
つて
非常な
沃野
に恵まれておるというので、非常ないわば他の村から羨望されるというような
部落
が
水没
するということは、何としても耐えられないというような切々たる
陳情
を受けたわけであります。それについて絶対
反対
するということに対して、何とか
打開策
はないかと
思つて
、話合
つて
おるうちに、もう一ヵ所我々の指定するものを一応調べてもらいたい、調べてもらいまして、現在の
建設省
がここだという所と、我々がもう少し
上流
の約一キロばかり
上流
にあるもつといい所だと信ずる所と
両方
を調べて、それを科学的に検討を加えまして、それでも現
位置
のほうがよろしいのだという結論が付けば、私
ども
はあえて
反対
を余りしようとは
思つて
おりませんが、そのくらいの手配はしてほしい、こういうことであります。当時そのことを
建設省
には
お話
したのでありますが、最近来た
手紙
によりますと、何らその後手を著けておらないで、
長野
県、
建設省側
も殆んど
地元
の我々の
部落
に何らの話もなく、
工事
を着々進めておるような傾向にある。これに対して私
ども
はもう
部落
の
生命線
を奪われるという建前から闘う以外にない、我々の行動が鈍というようなことを
大分
やかましく言
つて
来たのです。それを私は別に気にするわけではありませんが、なかなか事態容易な
らん決心
を持
つて
闘いつつあるように思いますから、まあさわらぬ神に崇りなしというので、安易
なつ
もりで時間を稼ぐということは
却つて
どうかと思いますから、できるだけ
地元
と
折衝
できるような方法を講ぜられて、特に
長野
県の、県庁が調停をもう少し積極的にや
つて
、
地元
の
意向
も聞いて、
妥結
をみろようにして頂きたい。そういたしませんと、
工事
が途中にして大きな
紛争
を起すのではないかと思うのであります。一応御注意かたがた善処方を要望します。私の質問は終ります。
—————————————
深川タマヱ
19
○
委員長
(
深川タマヱ
君) ほかに
佐久間ダム関係
の御
質疑
がございませんようでしたら、木村営繕局長が見えておりますので、
営繕関係
の御
質疑
を御継続なさいますか。
田中一
20
○
田中一
君 ちよつと木村営繕局長に伺いたいのですが、前回の
委員会
で営繕局が受持
つて
おる
事業
量が二十八年十二億から七億に減つた。なおその上に保安隊、保安庁
関係
並びに駐留軍
関係
の仕事がある。だから行政整理する一方百七十何名の
定員
増を図らなければならない、こういうような御
説明
があつたわけでありますが、無論それは実態に即した
定員
増であるものは結構であると思いますが、御
承知
のように
事業
量によ
つて
常に左右される
定員
であるので、これはほかの
河川局
その他のほうにも言えますけれ
ども
、現在保安庁では民間にも設計を依嘱しておるのです。同時に営繕局へも
相当
数のものを委託しておる。そこでその
定員
増百七十三名の
定員
が、三十年度三十一年度にも無論差支えないだけの
事業
量があるものとしての見込で考えられておるのだと思いますけれけれ
ども
、保安庁
関係
でも二百何名かの
営繕関係
の
定員
を増す。そういう際に、建築士法によ
つて
資格を持たれておる建築士に対して、かかる
建設省
が受諾しなければならないものを委託するような方法を
とつ
たらどうか。現に駐留軍
関係
の
工事
でも設計でも民間に委嘱して、或いは請負の
相当
スタツフを持
つて
おるところにも依嘱しておるという実情から見て、将来政府の営繕に関する見通しというものは、どういう
程度
はに考えておられるか、伺いたいと思うのです。
木村恵一
21
○
政府委員
(木村恵一君) 将来の営繕のあり方につきましての御質問だと思いますが、私がそれについてのお答えが簡単にできるとは思いません。私にと
つて
は荷が重いのではないかと思いますが、私だけの考えを述べさせて頂きたいと思います。 先ほど
お話
がありました保安庁の
関係
のものを民間に設計を委嘱しているという問題は、あれは保安庁病院の設計を民間に委託したのでありまして、それの経緯はいろいろあると思いますが、日本で非常に大きな病院の設計なので非常に稀なケースである。それには
相当
な経験者が、設計期間も非常に短いので、それで
相当
民間のエキスパートにやらせなければ間に合わないのじやないかというような
意見
がたしか出たのだと思いますが、
あと
のケースは民間の設計委託はしておらないと思います。 それから根本の問題になりますが、官庁営繕を民間の設計にやらしたらいいじやないかという問題、私も個人としては尤もな点があると思います。但し国の営繕の中の予算と言いますかが、割合に年間を通じて或る
程度
の量はいつでもステツデイに持
つて
いる。そういうものは国で直接設計を管理したほうが得じやないかという考え方が大正の終り頃にすでにあつたと思います。そういう考え方に
従つて
あの当時大蔵省に営繕官財局というものができた。常にステツデイのものをそこでやるという考え方であろうと思います。 そこで今般の駐留軍
関係
の問題ですが、これはステツデイの問題じやないじやないか、非常に短期間の問題だから、この短期間の問題のために人を多く殖やすことは国として好ましくないじやないか、そういう面は
一つ
民間の力をできるだけ活用したほうが利益じやないか、但し監督の面を民間に任すということはこれはよくない、これは是非とも官みずからやりたい。設計は基本を我々官で考えてドロ——を民間に委託ということがいいじやないか、そういう面で今回できたのだろうと思います。 それで今後も、私個人の考えになりまするが、ステツデイな範囲は国でみずからやる、応急のものはそれぞれの場合を考慮して民間の力を借りるなりその他いろいろの手立てを講じたらいいのじやないかと
思つて
おります。
田中一
22
○
田中一
君 今日の新聞を見ましても、大きな建築物の建築制限をしようというような構想が政府か或いは自由党の
内部
かにあるように見たのですが、年々建築技術家、いわゆる建築士としての有資格者は増大するわけです。一面行政整理をし、又不確定の
事業
量というものを見込んでの
定員
増というものは、結局人間の整理をしなければならんというところに帰着すると思うのです。駐留軍
関係
の
工事
についても資料としてお出し願うようにお願いしておるのでありますけれ
ども
……。それ以外のものは民間の手によ
つて
設計されており又監督されておるのです。こういう現状からして、政府としての本当の営繕に関する見通しというものがなければ大胆な増員はできんと思う。一方民間の有資格者は失業状態に陥る。こういうことは私は善政ではないと思う。併しながら飜
つて
我々が官庁営繕法を制定した精神からい
つて
、他の部分にあるところの官庁営繕を全部総合して統一してそうして官庁営繕法に則
つて
一本の仕方で以てこれがなされるというならば、これは又別の観点から見なければならんと思うのです。
従つて
これは局長に伺つたのでは、局長から政治的なそういう見通しの問題についての答弁はできないと思いますけれ
ども
、官庁営繕法の精神に則つた統一ということが考えられておるのですか、どうですか、政府としては……。
木村恵一
23
○
政府委員
(木村恵一君) 営繕局長としてはこの答弁は非常に困難だろうと思いますが、実地に携わ
つて
いる我々といたしましてはできるだけその点に副うように
努力
いたしたいと
思つて
おります。
田中一
24
○
田中一
君 では百七十三名今度
定員
増という政府の
決定
、これをめぐりまして、なお行政管理庁のほうの
意見
を一遍聞きたいと思うのです。それで局長としてはこれは答弁できないと思いますから、大臣なり何なりが出て来たときに重ねて答弁するように留保いたします。
深川タマヱ
25
○
委員長
(
深川タマヱ
君) では次には
災害関係
の残れる御
質疑
をなさいますか。
田中一
26
○
田中一
君 先だ
つて
お願いしておきました営繕のほうの国家警察の木造庁舎、この庁舎というものは無論留置人も入れるでしようし、私は単なる警察庁舎というものは人も誰もいないものとは考えられません。
従つて
住宅
と扱
つて
もいいのです。その点について国警の経理局長と、それから大蔵省の主計局長又は次長の出席を要求します。
深川タマヱ
27
○
委員長
(
深川タマヱ
君) さよう取計らいます。
田中一
28
○
田中一
君 一緒に木村営繕局長も交えて質問したいと思います。
—————————————
深川タマヱ
29
○
委員長
(
深川タマヱ
君)
米田
河川局長
に対しまして
災害関係
の御
質疑
をおい願いたします。
田中一
30
○
田中一
君 今日は時間がないので、私は要求するのは、三県の海岸堤防の
対策
はどう
進捗
しておるのか。もう少しこういうものだけでなくて、資料でなくて、具体的な
契約
の方法、それから施工の仕方、それから材料の骨材、その他の資材の点、輸送の点、そういうところを細かい資料で提出してほしいのです。なぜそれを言うかと申しますと、あの
工事
だけは大体出水期までに或いは台風期までに一応の原形復旧の
程度
にしておかなければ効果がないという
突貫工事
であります。
従つて
これに事故がありますと、万々事故はないと思いますいますけれ
ども
、若し事故がありますと、今までやつたものがゼロにな
つて
しまう。一遍水を食いますと、高潮を一遍食えばゼロにな
つて
しまう。そういうところは十分慎重にや
つて
おられると思いますし、又新しい部を作
つて
これをや
つて
おりますけれ
ども
、海岸堤防に対して本当にエキスパートをそれほど
建設省
は持
つて
おらないと思う。こういう人たちをどこから持
つて
来てや
つて
おるか、どういう形式でや
つて
おるのですか、こういう現状を知りたいのです。間違いますと
相当
な損失になる。原形復旧に何十億の金がかかりますけれ
ども
、それがゼロになるというところに我々心配しなければならない。その資料を
一つ
、この三県の海岸堤防につきましてはこの資料をお出し願
つて
、或る機会を見てじつくり御
説明
願いたいと思います。
米田正文
31
○
政府委員
(
米田正文
君)
愛知
、三重の海岸については
お話
の
通り
この今年の高潮期までに一応原形復旧の高さまで、
程度
まで復旧することが必要であります。勿論これで十分かというと十分ではありませんけれ
ども
、一応の仕事としては、この
程度
の仕事が必要であるという
目標
で現在仕事を進めております。これには今の
お話
のように監督員の問題、設計技術者等の
問題等
もいろいろ苦心をいたしております。それから
業者
の選定も終りまして、
建設省
が
工事
委託を受けております。今
お話
の輸送の問題もこれ又重大な
一つ
の問題であります。御要望の点等を整備して、資料として差上げて御
説明
をいたします。
深川タマヱ
32
○
委員長
(
深川タマヱ
君)
過年度災害
の質問の継続中でございます。
三浦辰雄
33
○
三浦辰雄
君 この間
説明
を
過年度災害
等について伺
つて
みまして、大蔵省のほうのいわゆる見方と
建設省
の見方とが随分食い違
つて
いるように思うわけです。例えば公共土木の二十八年度
災害
等は補助については大蔵省はこの金で四〇%、
建設省
ではその分の二〇%見当だと思うと見ておる。こういつた見方の相違というものが随所に出て、二十八年度以前の
過年度災害
についての見方についても、いわゆる言葉
通り
、しぼりにしぼ
つて
大蔵省としては一応こういつたいわゆる数字を出しているわけですが、私
ども
これについては、これは
建設省
の御当局に伺つただけではどうも本
委員会
としてもその究明ができないので、かねてから赤木
委員
が御要望のように、いわゆる財政当局の責任者、それから
建設
関係
のいわゆる責任者、こういう一連の
関係
の方々がお集まりに
なつ
た席でないと、この
質疑
については極めて不十分な形になるわけでありますから、その機会を私も又待
つて
いるのですが、今日は
建設
関係
だけでありますから、その点はその機会を待つことにして、このそれぞれ食い違つた問題について、一体
建設
関係
は今後どういうふうにしておやりにな
つて
行くかという考え方をこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
米田正文
34
○
政府委員
(
米田正文
君) 当年災、二十八年災の復旧について、大蔵省と我我のほうと内輪の問題でございますが、
意見
の食い違いがあり、どの点かと申しますと、その
災害
復旧額についての
意見
の相違でございますが、過年度災についても残額についての削減をするという処置について、その率についての
意見
の粗連があります。今後の
対策
としてどうするかという
お話
でございますが、我々の取扱
つて
おります公共土木施設に関しまては、御承和のように公共土木施設
災害
復旧
事業
費国庫負担法という法律で実施をいたしております。
従つて
その法律の主管大臣は
建設大臣
でございます。その
災害
額の査定をいたしますのはそれぞれの所管省でございます。従いまして我々の考え方といたしましては、それぞれの法律があ
つて
、それぞれの所管省があ
つて
決定
して行くべき性質のものであ
つて
、大蔵省は財源的な面からの
意見
であります。筋といたしましては、各省の所管大臣の
決定
によるべきだと私
ども
は考える。ただそれを財政的に、国の財政的に大蔵省がいろいろと
意見
を出すことはこれは又当然であります。
従つて
その間の調整は勿論いたす必要がありますけれ
ども
、私
ども
はこれらの
災害
についてのいろいろな法律がございますが、これらの法律の所管省というものが最後の責任を負うべきものだと考えております。
三浦辰雄
35
○
三浦辰雄
君 私、責任の問題という問題もだんだんとは出るにしても、そこの結論に至るまでの間に
建設
の当局としては、例えば二十四年、二十五年度の残
事業
というものは半分でいいんだ、こういうふうに言
つて
みたり、その他のほうの
災害
復旧のほうは、一応
計画
は
建設省
の
通り
一に応認めるけれど、その金を非常にしぼ
つて
来ている。更に実績においては四%に減らしたほうがいいというふうにだんだんしぼ
つて
来ているのですが、そのしぼり方というのは、いわゆる机上の空漠たる、漠然たる点から絞
つて
いるようにも思われるのです。ところが最近の
災害
等の復旧等について見ても、いわゆる金の面もあるが、同時に技術上結果においてはこういうふうにしておけばごうもならなかつたものをというような、まま欠陥を暴露しているところの現象が随所にもあるという。
従つて
その復旧に当
つて
もつと全体としての国費、或る
程度
長い目で見ての国費の効果的利用を、責任を持
つて
や
つて
行くという立場の担当省から言えば、ただ単に金についての権力者である大蔵省の言分に
従つて
責任が逃れない面が当然残
つて
来るんだろうと思うのです。私はこういうような点は、つまり施工のいわゆる種類或いは箇所、その単価、こういうようなもので技術的な立場からい
つて
、今日のような財政
状況
であるからということを頭に描きながら、まあこの辺でいいんだという
程度
の線で収まるならいいんだけれ
ども
ですね、どうもこの数字ではなかなかそういうふうに行かないような点が私はあるんじやなかろうかと思うんです。その点を私はどういうふうにして、実際国費を効果的に無駄なく、復旧らしい復旧を仕事として残して行くかということについての御苦心の点なり今後のとらなければならない考え方ですね、それをお聞きしたい、こういう意味なんです。率直に
一つ
お願い申上げます。
米田正文
36
○
政府委員
(
米田正文
君) 大蔵省と我我の見解の相違は、結局まあ各省別の設計について大蔵省側が一口に言いますのは、改良面が非常に含まれておるということを非常に主張します。で、我々はこれが
最初
の改良面だという主張をする、そこが非常な主張の
一つ
の問題点だと思います。併しこれはどうしてそういうふうにな
つて
来たかと申しますと、
災害
の復旧をだんだんや
つて
おりまして、どうも原形復旧ではいかんということがだんだんわか
つて
来て再度
災害
を受けない処置をしておくことが
災害
復旧の根本だというふうに観念が変
つて
来ておるのであります。これは
建設省
のみならず、各省もそういうふうな傾向にな
つて
来て、これは現実に過去の実績がそういうことを示して来たのでありまして、我々としては再度
災害
を受けないだけの処置を、最小限の処置をするという
原則
に立
つて
いる。それが大蔵省は、どうも多過ぎるという主張をします。で、具体的に申上げますと、大蔵省は昔はその改良面、いわゆる超過する分が大体一割ぐらいだつたじやないか、今は三、四割、各省別に違うけれ
ども
、三、四割にな
つて
おるじやないか、三割ぐらいにな
つて
おる、こう言うんです。そこでその三割にな
つて
おるのを一割ぐらいに抑えたらどうかというような
意見
を持
つて
おる。併しそれは昔の
災害
は成るほど
災害
復旧費は一割
程度
の超過であつた時代もあります。けれ
ども
それではいけない。実績がだんだん今日の情勢にまで来ておるから、我々としては
災害
の再度
災害
を受けないという
原則
は堅持したいという考えを持
つて
おりますので、大蔵省のその考え方は我々の線に直してもらおうという
努力
をいたすつもりでおります。 これが
一つ
の問題でございますが、もう
一つ
は、どうも架空の
工事
があるんじやないかということを大蔵省は、よく新聞等でも言います。が、まあほかの省は別といたしまして、
建設省
についてもそれが絶無だということは今日まだ言えないのは甚だ残念でありますが、絶無とは申上げられませんけれ
ども
、終戦直後に比較しますと非常に減
つて
来ておりまして、これは会計検査院も
建設省
の
災害
は非常に今日よく
なつ
たということを言
つて
おるくらいでありますからして、この問題はもう我々としてはさほど大きな率を占めておるものではないというふうに考えます。 で、昨年一年間かか
つて
建設省
で実態監査を
災害
についてやつたのでありますが、その結果は改良面に属するものが多過ぎるという点及び架空的なものを合せまして大体一七%ぐらいは減らしてもいいのじやないかという
一つ
の監査の結果が出ております。まあ一七%とといいますと、大部分は今の改良の面を減らしたらいいのじやないかという意味のものです。がこれは
災害
全体といたしましてはずつと率は減るのでありまして、一七%というのは残
工事
の一七%ですから、全体としてはその半分ぐらいの率になります。がそんな
程度
の率のものがまだ今日ある実情でありますので、これは我々としても今後極力こういうものはなくする
努力
をいたすつもりでおります。
三浦辰雄
37
○
三浦辰雄
君 この二十八年の
災害
予算計上
状況
調の中に国費という欄があります。総
事業
費、国費、この国費は、例の昨年議員立法で成立した、いわゆる高率適用の
関係
についてはどういうふうに考えられておられるのですか。一部にはあの高率適用では到底今日の財政上文その他を考えて見て不適当だから、率をもう少し下げて行く、つまり昨年の高率適用法律を眠らせて行くなり、もう少し率を下げて行かなければならんという
意見
が政府に強くあ
つて
、その修正案参が政府から出されるやにも聞いておるわけでありますが、この国費を見積る場合どういう考え方でそれをお見積りに
なつ
たかということが
一つ
と、それから今改良と復旧との
関係
の
お話
が出ましたが、今度は新らしく
災害
関連
事業
費補助という問題が各費目の
事業
費の中に現われておりますが、このことは結局今
お話
になられた
災害
復旧に関連して止むを得ない改良
工事
の部分を入れたのを、なかなか大蔵当局としても議論があ
つて
認めがたき点があるようだか、
建設
関係
としては、どうしてもそれはやはり改良すべきものはこれは遠慮はできない、しなければならないものは遠慮はできない、更に大きな
災害
のもとになるということから、新らしい項目をお作りにな
つて
、一部
災害
復旧と関運して改良の部分をしようとした面を切り離してここに新らしい項目を出し、そうして併せて率は下げてこれを改良して行こうという意図があ
つて
のこの新らしい
災害
関連
事業
費なのかどうか、この二点ですね
米田正文
38
○
政府委員
(
米田正文
君) ここにお手許に差上げました二十八年発生
災害
予算計上
状況
調で計上しております国費は、今度の特別措置法に基く補助率ですべて計算をしてございます。で、まあこの中で特に問題になりましたのが地辷り
対策
であります。これは内輪の
お話
を申上げることになりますが、実はざつくばらんに申上げますと、これが実は非常に問題になりまして、これは
現地
の設計を立ててそれを見たのでありますけれ
ども
、これはまあ非常にほかの
工事
よりも
対策
を立てるべき範囲及び
程度
というものに非常に幅のあるものでございまして、
従つて
大蔵省もこれについては非常に難色を示しておりまして、できれば一般砂防でや
つて
もらいたいという希望が非常に強く述べられました。で我々としても今日の国の財政から到底負担ができないという現実も加味しなければなりませんので、そういう観点からではもう一度
一つ
検討しようということを言
つて
おりますけれ
ども
併しこの法律があります以上、必要最小限のものはやはり特別措置法による高率補助で行きたい。でその率を、その率が今後どのくらいになるがは別といたしまして、そういう考え方は持
つて
おりますが、まあ大部分のものは一般砂防へ切替えて行くという方途をとらざるを得ないのではないかというふうに考えております。で他は皆特別措置法の一般補助率、高率補助をいたしております。 それからもう
一つ
の今の
災害
関連助成費の問題でございますが、これはまだ実は内容については十分検討いたしておりません。今後なおこれは各省間で打合せをすべき問題が多々残
つて
おりますが、これは新しい項目でありますだけに、残
つて
おりますが、要は二十八年度
災害
が非常に大きかつたので、できるだけその
災害
額を削減すると、そのために削減し放しでは困ると、で削減するにはそれの手当をしなければならんであろうというようなことが主なる趣旨として組まれたのであります。でこの補助率も一般改良補助率と同じでございますからして、今の
お話
のように補助率は
災害
に比べて下ることになりますが、要は極力
災害
総額の圧縮を図ろうと、その跡始末としての予算だと、こういうふうに今考えておるわけでございます。 具体的な問題は今後なお各省間で
折衝
する部分が残
つて
おります。
三浦辰雄
39
○
三浦辰雄
君 この今の二十八年度
災害
ですね、発生
災害
の分は、高率適用すべき条件のところはその率で計算してある、こういうことですが、これは結局率は変えるという修正の法律は政府側はお出しにならないのですが、現在の
状況
はどういうふうになりますか、ちよつとその点を先ず
一つ
。
石破二朗
40
○
政府委員
(石破二朗君) 私からお答えいたしたいと思いますが、お手許に先般配布しました資料で御計算頂きましてもわかると思いますが、二十八年度発生
災害
の公共土木施設の国庫負担の割合は八九・六%に計上いたしております。それから計算は、過年度は、二十七年度前の
災害
については七三・三%、そこに挙げております数字の
事業
費と国費とを御比較にな
つて
もその数字は出て参りませんけれ
ども
、先般ちよつと御
説明
いたしましたような大蔵省の計算方法によりまして
事業
量を圧縮してはおりますけれ
ども
、その上での話でありますが、国庫負担率はそういうふうに二十七年度前の
災害
の国庫負担率と二十八年発生
災害
の国庫負担率に非常に差を付けております。特例法そのままを遵奉しようと、こういう趣旨に考えております。 なおこの
災害
の特例法を将来どうするかということについてのお尋ねでありましたが、大蔵省におきましても、過去発生した
災害
の国庫負担の問題をどうこうしようというところまでは考えていないようであります。
建設省
におきましては、勿論過去の発生
災害
の復旧方法なり国庫負担の割合を再検討しようというようなことは目下のところは考えておりません。
三浦辰雄
41
○
三浦辰雄
君 今の官房長の
お話
は、過去二十八年度以前の
災害
についての国庫負担率七三・三%というのは大蔵省から見た七三・三%、二十八年度
災害
について数字を御
説明
になりましたが、ちよつともう一度その点……。
石破二朗
42
○
政府委員
(石破二朗君) 二十八年度
災害
につきましては、公共土木施設についてでありますが、八九・六%を計算の基礎にいたしております。
三浦辰雄
43
○
三浦辰雄
君 そうすると今の
お話
によると、いわゆる去年の立法に基く、定められた期間についての高率適用については条件さえ合えばあの法律のままに行こうと、こういう
態度
だと承わりましたが、そうな
つて
来ると、先ほど地辷り
対策
の問題が出ましたけれ
ども
、こういうふうにして、何と言いますか、極めて少額のものが本年度予算に計上されている、
あと
は砂防のほうに持
つて
行きたいという問題なんですが、あの地辷り
対策
についての二十八年度発生の特別補助費は特別高率ですね。あの問題自身は我々
建設
関係
の者としては高率に過ぎるということで、私当時水害
対策
にいた際も、
事業
量というものを或る
程度
しなければならんのに、いわゆる非常なる高率、十分の九といつたようなことをやることは、
昭和
二十五年か何年かのときに占領軍方面の
意向
等もあ
つて
一〇〇%やつた、つまり丸々国費でやつたことがあるやに思うのでありますが、あの際に丁度施行をしてもらうように組まれた
町村
乃至団体は非常にいいけれ
ども
、そうでない所は全く手を著けてもらえないという形にな
つて
、非常な不満と不便を感じたのは御
承知
の
通り
ですが、この地辷り
対策
についてもこういつた七千万円といつた非常に
少い
額を以て、二十八年度残
事業
量七十四億四千三百万円の分はどういうふうにおやりになられますか、その点参考にお聞きしたい。
米田正文
44
○
政府委員
(
米田正文
君) これはここにございますように、国費総額が七十五億三千五百万円に対して二十八年度計上額が八億三千七百万円でございまして、まあ殆んどこれで一応の緊急な処置をしようという数字でございます。これは山のことでございまして、林野庁及び我々のほうの砂防と同じような行き方にな
つて
おるのでございますが、今大蔵省と
折衝
いたしておりますのは、この
程度
では果して今の法律の緊急止むを得ない著しい
災害
の所だけか片付けられないではないか、或る
程度
この法律の趣旨を活かすためにはもう少しやらなければならんのじやないかという点を今後検討しようと、併し大部分は
一つ
一般砂防に移してもらいたいというのが大蔵省の非常に強い要求でございます。我々といたしましてもそういう趣旨で今後検討いたして行きたい、一割強の予算でございますので、いずれたしても八十三億の
事業
量に対しての予算としては非常に
少い
のでございますので、この点はもう一度我々としては再検討をいたすつもりでございます。
三浦辰雄
45
○
三浦辰雄
君 今の八億三千万というのは、つまり二十八年度の補正でやつた分ですか。
米田正文
46
○
政府委員
(
米田正文
君) そうです。
三浦辰雄
47
○
三浦辰雄
君 それですから、あのときはあのときで止むを得んとしても、二十九年度を今論じておるのですが、その点から言えば、先ほど申上げたように七十四億四千三百万円の
事業
量、それの国費負担と思われるもの六十六億九千八百万円、これに対して七千万円という、いわば百分の一になりますか、
程度
のものがあのときの御
調査
によ
つて
、二十八年度のこれは発生地辷りだと、これは特殊扱いをするのだといういわゆる形に追い込まれたわけですね、政府側は一応……。そこへ持
つて
行
つて
百分の一の今度予算をくつ付けたと、それは十分の九だ、高率だと、そういうことになると、非常に施行を希望することから言えば、いわば富くじみたいな工合に百ヵ所のうち一ヵ所、まあ平均率で言えば百分の一しかないのだから……、そういうような状態にしておいて、そうしてそれは一般砂防のほうに持
つて
行くように大蔵省側としては努めろと言うのだけれ
ども
、どういうテクニツクでそういうふうに移行さして行くことができるか、なかなかこれは御苦心の点であり、随分面倒だと思うのです。これな
ども
あなたのほうだけにとやかく言
つて
も殊にしようがない問題なんですが、一体この問題をどういうふうに扱
つて
行かれるおつもりか。大蔵当局等が出ました際にも、当然その大蔵省の言うところの希望の線にどういうふうに持
つて
行くかを聞かなければならん点ですけれ
ども
、どういうふうに考えますか、これは。非常に辛いだろうということは重々わかる。
米田正文
48
○
政府委員
(
米田正文
君) これは七千万と申しますのは、六十六億に対する処置というわけではございませんので、二十八年度に実施をいたしました八億三千七百万円の中に
工事
がたくさんございますが、その中でどうしても足りないという
事業
の分の追加に
相当
する部分でございまして、実は殆んど二十八年度だけで一応始末をしなければならんというような実情に追い込まれておるのでございます。今後この点については非常な開きがございますので、先ほど申しましてように検討をいたしたい。
三浦辰雄
49
○
三浦辰雄
君 なかなか解決は行くまいと思いますから、問題の所在だけを明らかにしたいと存じますが、今の御
説明
によりますと、この二十八年度早急取りかかつたところの地辷り
事業
というものはこの七千万円で一応
事業
は終えたい、
あと
の残
つて
おります七十四億四千三百万円に当る
事業
量箇所、これについては今のところ大蔵省の査定等の結果から見て全然手が著かない、全然手が著け得ないのだ、そうして問題は、その全然手を著け得ない七十億四千三百万円のその
事業
箇所というものは一般砂防のほうに移行して行く、そこで問題は、二十八年度地辷り地として認定、査定された箇所、そうして
従つて
非常な高率な政府の補助を得られる箇所を何とか地方団体等に納得させて普通砂防のほうに持
つて
行きたいんだ、こういうのが卒直だと……こういうふうにと
つて
いいのですか。
米田正文
50
○
政府委員
(
米田正文
君) 大体そういう趣旨です。
赤木正雄
51
○赤木正雄君 今の
三浦
委員
の質問に関連して……、私は今日は質問しない考えでありましたが、そこまで話が進めば一応御
意見
を承わ
つて
みたいと思います。先ず第一に、この次までに承わりたいのは、二十八年度予算に計上されました八億三千七百万円の
事業
をどこどこにされておるか。これをすつきりさせて欲しい。なお先ほどの局長の
お話
で、七千万円というのはそれに関連して仕事する分だとおつしやいましたから、その設計上からどういうところの仕事がなされるか、これを承わりたい。これは今設計をお持ちでありませんから、この次の
委員会
まではどこの
場所
、はどういうふうにしてなされておるのか知りたい。 もう
一つ
辷地り
対策
と申しますのは、事実としては私は砂防
事業
というような関連を持つと思いますが、これは当局としてはどういうふうなお考えですか。
米田正文
52
○
政府委員
(
米田正文
君) これは地辷り
対策
でございますけれ
ども
、一般砂防の性質を多分に持
つて
おるものでありまして、ただ二十八年度
災害
は非常に
災害
量が多かつたというので、財政的な
軽減
を図ろうという意味で高率に
なつ
たものだと
承知
をいたしております。性質としては私
ども
は一般砂防としてやるべき問題だと
思つて
おります。ただ御
承知
のように現在地辷り
対策
としての項目がございますが、これは二分の一補助にな
つて
おるようでございます。一般砂防は三分の二の補助にな
つて
おるのでありまして、これも私
ども
かねてからどうも均衡上面白くないという考えもございますので、地辷りも一般砂防も同じ率に持
つて
行くことを理想として
努力
をいたしたいと
思つて
おります。
赤木正雄
53
○赤木正雄君 大体私の考えも局長の考えも一緒なんです。つまり特に地辷りというふうな名前を付けていましても、これは事実は砂防
工事
の一種に過ぎない、こういう観念を私は持
つて
おります。
従つて
ここに特に約九割にも
相当
する補助を付けたということについて非常に疑問がありますが、これはできたことでありますからしようがありません。 そこで承わりたいのは、とにかく八十億も要するような新規崩壊と私は言います。地辷りと言いましても崩壊と言
つて
も同じごとですから。八十億にも担当する新規崩壊ができたのに対して、この砂防費の組み方は、
建設省
を責めるわけではありませんが、大蔵省は僅か五十何億と、馬鹿々々しいような
少い
費用
を以て而もこれを処置せい、そこに非常に馬鹿々々しいことがあるのです。つまり予算の足りない分を全部砂防に持
つて
行
つて
しま
つて
、そこにしわ寄せてしまつた。こういう観点で、こういう無理なことがありますから、これは私はあなたではしようがありませんから、大蔵大臣、主計局長、河野次官、又砂防
関係
の人を一遍呼んでもらいますから、そのときに
三浦
さんと一緒に糾明してみたいと思います。これはあなたを責めても止むを得ません。今恐らく私の考えも
建設省
の当局の考え方も同じことだと
思つて
おります。だから飽くまでも大蔵査にこの馬鹿々々しい予算を組んで、而もあれほど世の中で砂防を重点的にやらなければならん、殊に治山
治水
協議会においても砂防を重点的にやらなければならんと言
つて
おりますから、これを無視したということは、大蔵省当局の重大責任であ
つて
、緒方副総理に対してもどこまでも糾明したいと
思つて
おります。それで私はこの問題は今は質問いたしません。
深川タマヱ
54
○
委員長
(
深川タマヱ
君) 次に師岡
住宅
局長と中原国家地方警察本部会計課長さんが見えておりますから、残
つて
おる御
質疑
を御継続下さいますか。
石井桂
55
○石井桂君 それではちよつと
住宅
局長にお聞きしたいのですが、
住宅
問題じやないのです。国会図書館の懸賞設計に絡んで建築界で非常に大きな問題にな
つて
おる問題があるのですが、建築著作権の問題なんです。あの規定が建築著作権の精神に触れたり、或いは建築士法の精神に触れるのじやないかというので非常に学界等も騒いでおるのですが、
住宅
局長は多少御
関係
もあることですから、どういうふうにお考えにな
つて
おるか。この際、建築士法にも触れないか、或いは著作権法にも触れないか、或いはこれはこのまま放
つて
おいてもいい問題であるかどうか、或いはあなたが何かそれに対して
対策
を考えられておられるか。そういう点について御
意見
を承わりたいと思います。
師岡健四郎
56
○
政府委員
(
師岡健四郎
君) 実は不勉強でありまして、新聞では
承知
いたしておりますが、まだ十分な
報告
も聞いておりませんので、後ほど検討いたしましてお答えいたしたいと思います。
石井桂
57
○石井桂君 それは不勉強は不勉強でもいいですが、どういう事柄がそういう建築士法の精神に触れ或いは著作権法に触れているのだというようなこと、どういうことが触れているのだと言われていることは御存じでしようか。
師岡健四郎
58
○
政府委員
(
師岡健四郎
君) 実情を十分に
承知
いたしておりませんので、問題点は十分にわか
つて
おりません。
石井桂
59
○石井桂君 甚だどうも心外でありまして建築士法はたしか
住宅
局長の所管事務だと思うのです。では御参考までに申上げますが、国会図書館を非常にいいものにして国民に差上げよう、こういうことで懸賞を広く一般から募集する、その懸賞規定の中に、入選作をもととして図書館を作るけれ
ども
、併し場合によ
つて
はそれを
変更
することがある。
変更
するときには入選者の
意向
を汲まないことがある。こういう規定があるのです。このことは著作権の問題から行けば非常に工合の悪いわけで、剽窃とか、そういう問題が起る。併し著作権法とかそういうものにはそういう詳細な規定がない。
従つて
極手がないということです。 それからもう
一つ
の問題は、建築士法に、建築士が設計したものは濫りに変えられない、変えるときには設計した人の承諾を得なければいけない、こういう規定が建築士法の十九条にある。それもしない。こういうことですから建築士法と著作権法の精神に触れるわけです。この問題は建築界の大きな問題で、学界あたりでも
委員会
を設けて恒久策を講じようとしているわけです。ところが図書館長或いは
関係
御当局の良識を以て、応急問題としは片付いたわけです。併し恒久的な大きな問題になるのでありますので、どうぞまだ御
承知
なければ、十分御研究の上、
対策
を立てられることを、私は希望するのですが、御研究を早急にされて
対策
を立てられるお気持がおありになりますかどうですか。
師岡健四郎
60
○
政府委員
(
師岡健四郎
君) 是非とも検討して
対策
を立ててみたいと思います。
石井桂
61
○石井桂君
了承
いたしました。
深川タマヱ
62
○
委員長
(
深川タマヱ
君) それではちよつと速記をおやめになりまして……。 〔速記中止〕
深川タマヱ
63
○
委員長
(
深川タマヱ
君) 速記を起して下さい。 では本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会