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1954-02-26 第19回国会 参議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月二十六日(金曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     深川タマヱ君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君           小笠原二三男君            田中  一君   政府委員    建設政務次官  南  好雄君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省営繕局長 木村 恵一君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    建設省住宅企画    課長      前田 光嘉君    建設省住宅建設    課長      鎌田 隆男君    建設省住宅経済    課長      鮎川 幸雄君   —————————————建設行政に関する調査の件  (昭和二十九年度建設省関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 只今より建設委員会を開会いたします。  本日は昭和二十九年度建設省関係予算のうち、住宅局及び営繕局関係について御説明を承わりたいと存じます。本日は師岡住宅局長が御病気でございますので、前田住宅企画課長説明にお越し下さいました。前田住宅企画課長
  3. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 私から代りまして住宅局関係予算概要を申上げます。  二十九年度住宅局関係予算総額で百二十七億二千四百万円ございますが、そのうち主要なものは御承知通り公営住宅関係費用防火建築帯費用とございます。その他事務費が若干ございます。  初めに公営住宅関係予算について御説明申上げます。公営住宅公営住宅法によりまして一二カ年計画実施をしておるのでございますが、二十九年度は第一期三カ年計画最終年度に当つております。三カ年計画では御承知のように三カ年で十八万戸の予定でございましたが財政都合その他で二十九年度におきましては、総計北海道を入れまして五万三千戸の計画になつております。そのうち内地の分につきましては五万戸、北海道には三千戸という計画予算を組んでおります。でこの三カ年計画の実績をこの際申上げますと、三カ年で十八万戸でございましたが、二十七年度にはこれに対しまして二万五千戸できまして、二十八年度は現在実施中でありますが五万戸でございます。二十九年度は五万三千戸。但しこの五万三千戸の中には災害関係住宅を四千戸一応見ております。併し災害戸数がまだ明確でございませんので、一応おいておきますので、総戸数においては前年度と大差ないというふうに考えております。その内地関係予算の額は百十七億五千万円ばかりでございます。北海道のほうは北海道のほうに付いておりますけれども、合計三千戸で八億四千九百万円付いております。このうち公営住宅建設は第一種と第二種とございますが、内地分について申上げますと、第一種のほうは三万七千戸、第二種が八千戸という数字でございます。特に耐火住宅促進につきましてはその後必要性を認めまして、僅かではございますが、逐年その耐火率の上昇を図つて来ておりまして、二十九年度におきましては三三%の耐火不燃率実施したいと思つております。そのほか特に最近の宅地難の状況に鑑みまして、まだ全般的では、ございませんけれども、東京大阪等大都市には従来の四階建程度耐火住宅ではなくてもつと高層の、できれば十一階なり十階程度高層住宅を考えまして、一応モデル的に三百戸ばかり建設をしたいと思つております、以上が公営住宅関係でございます。  その次に防火建築帯の造成でございますが、これは耐火建築促進法に基きまして防火建築帯建設する建物の木造耐火構造との差額の二分の一を公共団体補助する場合に国が更にその二分の一、結局木造耐火との差額の四分の一を国が補助する建前補助でございますが、今年は一億の予算を計上しております。この防火建築帯は今年で三年目でございまして、今年はこの一億の補助金によりまして総計二万坪程度防火建築帯が造成できると思つております。防火建築帯、帯に延ばしまして約三キロ・メートルでございますが、財政都合上昨年は一億九千八百万円で、ございましたが、今年は一億円になりました。一応予算におきましてはこの補助の単価は差額を二万円と見まして、その四分の一、五千円を補助するということに考えております。  そのほか住宅局には事務費といたしまして建築統計に関する予算が九百三十六万六千円、これは建築動態統計をやつておりましてその費用、それからその他建築士法施行或いは住宅金融公庫法施行、その他行政関係費用が若干付いております。  非常に簡単でございますが、住宅局予算概要でございます。  それからこの際、住宅金融公庫の来年度事業計画概要を御説明しておきます。住宅金融公庫は二十九年度におきましては四五品の貸付をする予定で、ございまして、その貸付契約総額は百八十億五千百万円と予定しております。四万戸の内訳は、個人住宅或いは賃貸住宅を三万戸、それから昨年成立しました産業労働者住宅資金融通法によるところの産業住宅資金を一万戸と予定しております。条件は一般の場合が五分五厘、産業住宅の場合が六分五厘、その他昨年と同じような要領でやつております。なお、これに関連しまして住宅金融公庫法につきましては最近の情勢に鑑みまして多少改正を行いまして、特に宅地問題の解決のために宅地関係の資産を貸出すとか、或いは高層耐火住宅建築のために貸付をしたいと思つて目下法案を研究しております。
  4. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 次は木村営繕局長より営繕局関係について説明を伺います。
  5. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 簡単に御説明申上げます。  二十九年度営繕予算は七億四千七百万余りでありまして前年度に比べまして前年度予算が十二億三百万余りで、六二%ほどの減になつております。  この内容を少し申上げますと、総理府関係が十五カ所ございます。それから法務省関係が七カ所、大蔵省関係が十一カ所、文部省関係が二カ所、厚生省関係が一カ所、運輸省関係が三カ所、労働省関係が同じく三カ所、建設省関係が四カ所、郵政省関係が三カ所、計四十九カ所でございます。この内容は、大部分民間の借上庁舎の返還に伴うもの及び現在の施設が非常に老朽であつてどうしても建て替えなければならないもの、その他非常に執務面積が狭いため是非とも補わなければならないもの、大部分がそうでございます。  それで次にこの予算のうち木造とそれから不燃構造の割合を簡単に御説明申上げておきますが、二十八年度は六四%の不燃率で、ございましたが、本年度は約八〇%に上昇しております。  簡単でございますが、私の説明を終ります。
  6. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 次には住宅関係及び営繕関係につきまして御質疑のおありの方は順次御発言を願います。本日御出席の方は、前田建設省住宅企画課長、それからその次、木村建設省営繕局長、それから鮎川住宅経済課長さんでございます。
  7. 田中一

    田中一君 私、営繕局長ちよつと伺いますが、昨日鬼丸人事課長が、営繕局で昨年は十二億の予算を持ち、本年度は七億ということになりますと、営繕局職員は当然この建設省予算で行けば人間が余るはずなんです。それが余つちや困るからどつからか仕事をもらわなければならんことになる。そこで我々が了解しているのは、大体において文部省には向う施設部があるはずです。従つて今残されている問題は、保安庁関係仕事と、それから特調がなくなつた関係上、駐留軍関係工事設計があるのじやなかろうかと思うのです。今ここにお示し以外の委託事業というものがどこにどのくらいあるかということを一つ明示して頂きたいと思うのですが。
  8. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 只今質問内容につきまして、実は直接資料をここに整備しておらないので、はつきりした答えができませんですが、安全保障諸費につきましては、ここに経理の資料を持つておりますのでその点御説明申上げます。安全保障諸費につきましては、一月三十一日現在で我々のほうへ移し替えが済んでおります金額が二百五億二千二百万余でございます。仕事内容につきましては、件数がたしか四十二カ所と現在思つております。大部分関東地方でございます。それから保安庁関係につきましては、今私ここに資料がないので、多少数字に食い違いがあるかと存じますが、現在までに支出委任が済んでおりますのが六十五億くらいと思つております。
  9. 田中一

    田中一君 昨日これは行政管理庁に聞きますと、百七十何名かの営繕局の増員をするとかいうような御説明があつたのですが、併し二十九年度事業量というものを局長がつかめないでおつて何がために、何の根拠で以て定員の増を図るのですか。一体営繕局事業量というものは的確につかんでいない、つかんでいないにかかわらず定員増というのはおかしいじやないですか。
  10. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 今の御質問につきまして、現在までに支出委任並びに移し替えの済んでおるものを私申上げたのでございまして、本年度内の移し替え計画があるのでございます。それを今覚えておりませんので、後刻調べまして御説明申上げたいと思います。
  11. 田中一

    田中一君 そうしますと今の御説明によりますと、定員増を図るくらいですから、大体営繕局関係事業量というものは二十八年度よりも相当増大するという見通しは立つわけなんですね。
  12. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) そうでございます。
  13. 田中一

    田中一君 聞くところによりますと、保安庁でも二十九年度は相当の営繕関係定員増を図つておるということを聞いていますが、これはあなたのほうに聞くのは筋違いかも知らんけれども、保安庁関係営繕事業というものはどのくらいありましようか。
  14. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 私直接でないのでよくはつきり覚えておりませんが、二十九年度は百二十億くらいあるのではないかと思つております。間違つているかも知れませんが……。
  15. 田中一

    田中一君 そうすると昨年度は六十五億、保安庁が百二十億を持つておるとすれば、現在保安庁としてもただ自分のところの営繕局スタツフでやつていない面がたくさんあるのです。例えば民間設計を依頼しているというものもありまして、確実に営繕局に対して保安庁から営繕事業費の組替というか、委託というのですか、そういうものは行えるという見通しの下にやつておるのですね、その交渉は大体済んでおるんじやないかと思いますが、どのくらいになりますか。
  16. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 今の実は百二十億余と申しましたのは二十九年度予算についてでございまして、先ほどの六十五億というのは二十八年度予算でございますから、その点はちよつと御訂正を願いたいと思います。それで二十九年度予算につきましてあとどのくらいの支出委任があるかという御質問だろうと思いますが、それもここに今数字がないのではつきり覚えておりませんが、三十億余りあるのではないかと思つております。
  17. 田中一

    田中一君 私の伺つておるのは二十九年度予算のうち建設省移し替えになる営繕事業費伺つておるのです。無論予算は提出されておるのですから、この案から見ても、現在のあなたの直接のものが十二億から七億に減つておるわけですね、にもかかわらず百七十何名という定員増を図るということは、一応保安庁からどのくらい来るとか或いは安全保障諸費のうちから委託された営繕費幾らになるということも見通しの下にこの定員増を出されたと思うのです。従つてその見込はどうなつておるかということを伺つておるのです。
  18. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 只今の御質問につきまして、その二十九年度保安庁内容について向うでやるべきものと、それから建設省支出委任を受けてやるべきものと区分の問題になるんじやないかと思いますが、実はこれは向うがどういう施設をどこに入れるかということ、それから問題は保安庁が特殊なものとしてどこまでをやるかということが、まだ実は最後決定には至つていないのじやないかと思つております。それで細かな点までまだ話合いが付いていないと思います。併し大体の線は出ているんじやないか、その数字を私今はつきり覚えておりませんので後刻お知らせいたしたいと思います。
  19. 田中一

    田中一君 安全保障諸費移し替えのうち二百五億、これは一月三十一日現在ということですが、二十九年度営繕局委託される分はあとどのくらいありますか、二十九年度消化しようという分は……。
  20. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) この数字も持つておりませんので、はつきり言えませんのですが、あと六十億ぐらいあるんじやないかと思つております。
  21. 田中一

    田中一君 現在の営繕局スタツフ、それにプラス百七十何名というもので二十九年度営繕事業を行なつて行こうということになつておる。それにはやはり内容として保安庁のもの、それから駐留軍関係のものというものが大きなウエートを持つておるわけですね。その大体の数字、細かい数字はかまいませんけれども、どこから百七十何名の定員増をしなければならないものが来るということが確定されなければ、少くとも百七十何名の定員増ということは考えられないのですが、そのほかに何か仕事があるのですか。
  22. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) そのほかに特別会計に属する労働省労災保険特別会計の分、それから失業保険の分というものがかなり含んでおります。
  23. 田中一

    田中一君 それはどのくらいありますか。
  24. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) その数字は今これをはつきり覚えておりませんが、労災病院が二、三億あると思います。失業保険のほうも大体同じくらいじやないかと思つております。
  25. 田中一

    田中一君 では観点を変えて伺いますが、百七十何名の定員増というものは現在の準職員、又は事業費で支出している労務者から選ぶのですか、それとも新規に入れるのですか。
  26. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 人が足りないために殖すのですから、新らしい人的資源を求めたいと思つております。
  27. 田中一

    田中一君 私はどうもおかしいと思うのですが、少くとも片一方では一万何千名の相当の大学を出て技術を身に付けておる者があつて、これらは事業費労務賃金をもらつておる日雇である。そして建設省の本当の事業というものはたつた七億です。そして若し官庁営繕法そのほかで、将来は各省に亘るところの営繕事業というものを統一することは望ましいことです。併しながら今的確に二十九年度事業量をつかんでいないのに、行政官庁が百七十何名の定員増、それも新規外部から、現在使つておる中から昇格するのじやなくて、外部から持つて来るという考え方はどこから出て来るのか。これはもう少し我々が得心行くように御説明願いたいのですが、準職員、或いはさつき言つたような日雇の中に優秀な者がおるのです。そういう者を何といいますか、昇格させるのですか、そういう形で以て採用するなら別ですけれども、全然新規の者を持つて来る。なぜ事業量が明確でないというのに行政官庁がどういうお考えでそれを承認したか、不可思議千万なんです。その点もう少し我々が納得するように御説明願いたい。資料がなければ、もう一遍あなたをお呼びするのは大変ですから、今ここで電話でも何ででも連絡して提出してもらいたい。このことにつきましては昨日も鬼丸人事課長にそれを持つて来てくれるように伝えてあるのですが、連絡ありませんでしたか。
  28. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 持つて来ておりません。
  29. 田中一

    田中一君 それがなければここで以て質疑ができないのですよ。七億円もあるのです。四十九カ所で似て七億もあるのです。これはもう予算書に書いてありますからわかりますから、それ以外のあなたのほうの事業というものがこれが一番重大なんです。従つて保安庁、それから安全保障諸費駐留軍関係工事、これは秘密でも何でもないでしよう。これは秘密としてやつておるのですか。
  30. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 別にそういうわけじやなくて、私はそういうことを聞いておらなかつたものですから、そういう関係資料を持つて来なかつたのです。
  31. 田中一

    田中一君 これはどうも局長に言うのは悪いですけれども、それは局長としては手落ちじやないかと思うのです。あなた自身が昨日も百七十何名の定員増をすると言つていながら、自分が二十九年度事業量を的確につかんでいないということは、あなたは技術者ですからそういうことはわからんかも知れませんけれども、早速連絡をとつて資料を取寄せて下さい。それまでは局長に対する質疑は保留します。  前田君に伺いますが、一体三カ年計画十八万戸の公営生宅というものを財政上の見地からこれを蹂躪する、いわゆる国会承認を蹂躪するなんということはありようがないのです。この三カ年計画で十八万戸の問題につきましては、これを承認するか承認しないかの問題については相当強く議論したはずなんです。この当委員会においても衆議院においても同じように議論されたと聞いております。どこに財源上のしわ寄せが来るような行政をやつたのか、その経緯を明らかにして、頂きたいのです。これはあなたに伺つても何ですから、(「大臣を呼べ」と呼ぶ者あり)当然大臣を呼んで聞きますが、一応前田君のところで以てやつたことですから伺います。
  32. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 我々としましては、十八万戸を是非完成したいと思いまして努力いたしました。ただ十八万戸のうち、特に初年度はこれは予算都合で御承知のように計画よりも予算のほうが早くきまつた関係がございまして二万五千戸、十八万戸で三年間ですから一年間に六万戸、それが初年度に二万五千戸にきまりました。それが非常に大きく響きました。二年目に五万戸に盛り上げました。今年も五万戸の線を維持するということで、結局計画に対しましては完全ではございませんけれども、総計で約十三万戸ほどできしますので、計画に対しましては七 ○数%できるわけで、而も今年は予算全体の規模を一兆円に抑えるというような重大な時期でございましたので、住宅関係につきましては戸数はそれほど飛躍しておりませんけれども、金額におきましては一般のほうでは数多くの重要費目が削られておるのに住宅関係は二十億程度増順をもらつておるわけであります。私のほうといたしましては、最善の努力をいたしておりますという以外には私からは申上げられません。
  33. 田中一

    田中一君 それじやこれは大臣にお伝え願いたいのですが、国会承認を求めて決したものであるから、それを変える場合はその改訂案を出さなければならんと思うが、あなたのほうではそういう計画を起案したかどうか。国会承認を何んと考えておるか。若し変える場合には当然国会承認を得なければならんと思うが、そういう起案をやつておりますか。
  34. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) この三カ年計画改訂するということは今のところは考えておりません。
  35. 田中一

    田中一君 改訂しないでもかまわんとおつしやるのですか。
  36. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 公営住宅予算につきましては、内閣できめまして国会承認を得たものでありますから、それを実現すべき責務があると思いまするが、それが財政上の都合その他でできない場合には、これは止むを得なることでありまして、そのために公営住宅三カ年計画そのもの改訂しなければならんというふうにはなつていないと思いますので、すでにできた計画改訂するまでの必要はなかろうかと考えております。
  37. 田中一

    田中一君 建設省の部内でも意見の対立があるわけです。私先般道路局長に、今度ガソリン税のうち三十億というものを譲与税として地方の各府県に流す場合、この道路整備五カ年計画というものはどうなるかと質問したところ、当然改訂すると言明しております。一体住宅局は、国会承認を得たものを勝手にどういう理由があろうとも改訂して、信として頬被りで行こうというのであるか、道路整備五カ年計画改訂すると言明しておるのに、住宅局はしないで済むということがはつきり言えますか。
  38. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) その点はまだ上司とも徹底的な論議はしておりませんが、公営住宅建前といたしまして予算都合があれば改訂を必ずしも必要としないのではないかと私は考えておる次第でございます。
  39. 田中一

    田中一君 法文の、そういうものはどこにありますか、少くとも国会承認ですよ。行政官庁事務に任されたものではないでしよう。
  40. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 補助に関する規定が数カ所ございます。第七条に「予算の範囲内において、当該事業主体に対して、」云々の補助をしなければならんというふうな規定が、ございまして、一応財政上の都合ということは考慮しているようにも考えられますので、私現在そう考えたわけでございます。
  41. 田中一

    田中一君 じやこれあなたに言つてもしようがないから、あなた一つ住宅局の中でこの問題論議して下さい。結論持つて来て下さい。私のほうでも十分調べます。
  42. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) そういうようにいたします。
  43. 田中一

    田中一君 二十八年度住宅局補助をした公営住宅のうち、どこが幾ら初めの割当から返還したか、その件数とどの府県、どの市町村、まあ府県でいいです。その件数金額戸数、ですね、これ一つ資料出して下さい、今現在口頭で言えるならは説明して下さい。
  44. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 多少そういう事項がございますので……、本日資料つておりませんが、あとで整備して提出いたします。
  45. 田中一

    田中一君 私は聞くところによりますと東京都も今度又相当な数を、二千戸くらいの数を返したと聞いているのです。一体国の税金で、一番必要なところの東京都へ補助金をやつていながら、返すようなところにやつちやいかんです。それよりももつともつと欲しところたくさんあるのです。どういうわけで東京都だけそういうものを余分に割当して返すようなことをするのです。返されても、何か制裁の方法考えておりますか。東京都は前科三犯ですから、これほどまで困つている東京都の住宅問題を、ぎりぎりになつて返してよこして、黙つてもらうという建設省の態度というものは、これは許しがたいと思うのです。
  46. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 我々も東京都が年度の途中で折角内定をした補助金を返還することは非常に残念に思います。ただ併し御承知のように住宅事情東京都が、都内が一番逼迫しておりますので、できるだけ都内にやつてもらいたい。そのためには東京都の当初の予定よりも、建設省方針としまして、できる限りのものを押付けてみたい、そしてぎりぎりの線まで行つて財政上その他の理由でできないものはいたし方ない、従つてこういう方針をとつて来ましたので、初めから東京都はできにくいだろうからといつて割当を少くすることは、却つて東京都内に建てる住宅戸数が減りはしないか、こう思いまして東京都には成るべく多く割当をしまして、その消化につきましても我々のほうでも実は援助して来ましたが、最後になりまして財政都合でできないというのがございます。
  47. 田中一

    田中一君 これは前科三犯ですよ。一遍じやないのですよ。三回返しているのです、三回、何かあなた因縁があるのですか、東京都と。おかしな話じやないですか。これほど新聞見ても住宅のために苦しんでいるのわかつているでしよう。今のような答弁じや満足できないのですがね。
  48. 石井桂

    石井桂君 ちよつと関連して私も……。
  49. 田中一

    田中一君 いや、待つて下さい。そんな不親切な答弁じや承知できない。
  50. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 別に東京都に因縁ございませんが、東京都に成るべく多く建てたいという気持で割当を多くして来ました。さればと言つて三回返還したから今度減らすということは、これは東京都に家を作りたいという趣旨から少し外れますので、できるだけ東京都へたくさん割当をして、その消化方法についても財政当局とも相談をし合つて努力して来たことでございますので、今までのところ別にそれに対して、東京都が財政上できないということは非常に残念に思いますけれども、返還したから減らすということは考えておりません。
  51. 田中一

    田中一君 一体十二月末に大体返さないと、ほかのものの受入れができないために、東京都の場合はどこをあなたは引受けましたか。
  52. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 只今資料を持つておりませんが、それは返還した場合他のものに振り向けることも考えまして、一定期間で打切りまして、各地り、希望のあるところ、自由なところを選定して配賦しております。
  53. 田中一

    田中一君 そうすると住宅局公営住宅の政策というものは場当り主義なんですね、希望で以てものをやつて、実現してもしなくてもかまわん。ただ自分の勘でやつてはつきり東京都の、恐らくこれだけのものは将来建ちますと言つて申込まれたはずです。今のあなたのほうの割当は、全部地方の実情を考えないで、勝手にお前は幾らお前は幾らと、こう分けているのが実情ですか。
  54. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 地方団体の希望だけによりますと、財政都合、或いはその公共団体の意向等によりまして、必ずしも我々が考える住宅不足の状況に一致しませんので、その点を全国的に考えて、こういうふうにやるのが妥当であろうという考えから配賦をいたしております。ただその場合特別な財政その他で多少変更が起ることは止むを得ないと思います。
  55. 田中一

    田中一君 多少の変更ならいいけれども、何と書いてあるのです。
  56. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 只今資料を持つておりませんので、正確な数字あとで……。
  57. 田中一

    田中一君 今連絡とつてこちらへ取寄せて下さい。  もう一つ伺いたいのです。東京都は公営住宅のほかにたしか五割貸付住宅を建てておつたと思うのですが、これはあなたより建築局長だつた石井君のほうが詳しいかも知れませんけれども、たしか五割貸付けて建築するという方式をとつていると思うのです。これはどうです、やつておりますか。
  58. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 私もやつているように聞いておりますが。
  59. 田中一

    田中一君 そうして自分のところで五割貸付けするくらい資金を持ちながら、少くとも国が勧奨して、どうしてもこれだけのものを建ててくれという意思もあつたのですが、それを返して来るという都の考え方は、決して財政上の理由ではないですよ。自分のところは自分のところで五割貸付のもので住宅を建てているでしよう。悪質です、これは財政上の理由ではないですよ。自由党内閣は住宅政策は何もしませんですけれども、金があつてもしないことです。
  60. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 我々も東京都が公営住宅をこつちの割当てた通り実施できないのを非常に残念に思つております。その半面、今田中先生の御指摘のように、独自の案のあることを聞いておりまして、その点につきましては都に対しても再三我々の希望なり意見というものを申しておりますが、自治体がおやりになるのを私のほうでやるなというわけにも参りませんので、現在東京都としては都の判断でああいう政策をやつております。私どもとしてはその当時の政策は別として、公営住宅建設についてはできるだけやるということで、当初先ほど御指摘のありましたように多くの割当をいたしまして、促進に努力をしておるという事情でございます。
  61. 田中一

    田中一君 努力なんかしてませんよ。とにかくいいや、あなたにこの問題については追及しません。
  62. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 今、田中委員はこれで打切つたというけれども我々伺つておりましてわからないのは、そうやつてたび重なるいわゆる返還といつたようなことをやるのですね。あなたのほうとしての気持はわからんわけじやないけれども、そういうふうにして枠を押付けるというと語弊がありますが、余裕のある枠で以て東京関係公営住宅をやつて行こうというその考え方から見てどういう理由によつて特に東京というものがそれを消化するに至らないか。そして住宅が非常に困つているが、一方において都みずからの政策として住宅政策をおやりになつているが、その間にあなたがたのほうのとつておられる、国のとつている公営住宅政策、それについての欠陥というようなもの、或いは是正しなければならんという点、こういうものがおありになることは十分御存じの点があるのだろうと思う。私どもはそこへ持つて行く以外には解決が付かないのです。その点についてはどういうふうにお考えになつておられますか。
  63. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 都が公営住宅割当通りできないのは、主としてやはり財政関係と思います。ただ併しこれは我々のほうとしましては、前から申すように、予算につきましては成るべく重点的に配賦したい、勿論単に五万戸どこかにできればいいというのではありませんので、成るだけ住宅難のひどい所にたくさんやりたいと思いますが、都は都で一つの財政的な理由があるようでありまして、必ずしもこれは国のほうと意見が一致していないと思います。それですから都知事が一定の考えで予算を組んで行つておりますので、その際に我々住宅関係の者とじては、もつと都としては住宅問題に力を入れるべきだと思いますけれども、現実はそこまで行つておりません。それから都が新しい国で考えている事業以外の仕事をやつておられるのでありますが、これにつきましてもいろいろ一長一短があると思います。現在国がやつておりますところの公営住宅については非常に建設費が嵩む、公共団体の負担が非常に大きくなつております。ところが非常にその負担の割合に戸数が伸びませんので、もつと少い金で数多くする方法はないかというようなことも或いは考えられると思います。例えば住宅金融公庫におきましては金を貸しておりますけれども、これはこれよりもつと、ああいうふうなむずかしい基準をやるとか或いは厳重な審査をしないで、もつと楽に、例えば民間の貸家、木造の家を建てさせるとか、多少緩やかな方法を以てしたほうが、少い金で一戸でも多く家が建つのじやないかというような考えもあると思います。そういうわけで、国のほうは一応金融公庫のやり方とか公営住宅のやり方がいいと思いますが、必ずしも都はそういうふうにお考えになつておらないので、その点につきましてはその両者の利害得失を更に検討いたしまして、成るべく長所は取入れて行きたいと考えておりますが、まだ結論は出ておりません。
  64. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 私は住宅問題については極めて知識が乏しいのでありますのでお聞きしたいのですけれども、そうやつて一回ならず二回、二回ならず三回、そういうどこでもが一応欲しい公営住宅割当というものを、特に最も又国から見れば公営住宅をやらなければならんと考えられる東京都が断わる。断わるときたはただどうも工合が悪いから断わるというのではなくて、いろいろないわば陳弁、事情を説明してあなたのほうに持出すのだろうと思うのです。そうすればあなたのほう自身も向うの言い分を十分聞いて、いろいろと住宅全体が復旧されるような方法を御研究だと思うのですが、そうやつて二年、三年続けて断わつておるのに研究中というような、私どもにわからんお答えがあるのですが、何か特にこういう点はどういうふうにすればいいのだ、こういうふうにしなければならんといつた、要するに実情に合う解決の方法というものがあつていいのじやなかろうか。あなたのほうは非常に理想に燃えてというか、非常に完璧な設計の下に非常なやかましいことを言つておる。だからこれは飛び付けない、欲しいけれども飛び付けない、こういうふうなことがあるとすれば、或いは一段落したといつたような線も実際問題として考えられる点もあろうかと思うのだが、私どもはそういう点はわからない。ですからその点を私は率直にお聞きしたいという意味で質問を申上げておるわけなんです。
  65. 田中一

    田中一君 関連して、これは前田君に言つてもしようがないので、どうですか、責任者の住宅建設課長を呼んではつきりさして頂きたいと思います。
  66. 石井桂

    石井桂君 関連して私が発言するとおわかりになることがあると思うのですが……。
  67. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 石井さんの発言の前によく事情を聞きたいのでありますが、金を返したとか返さんと言うけれども、さつぱり私はわからないのです。それで手続だけちよつとお聞きしておきた’のです。三回割当の一部を返されたと言いますが、再三言つておるように、都の希望だけではない、住宅局の考えもあつて枠を割付けておるということですが、三回とも都の申入れておる何割増くらいで割付をして、どの程度の率で返還されて来ておるものか、返還する場合には何と言つて返還して来ておるのか、そういう点をお伺いしたい。それから一度、二度、三度そういう返還が累積するのをどうしたいと考えて今まで手を打つたのか、あなたたちの努力したところも言わないと、ぼんぼん文句ばかり出乗るので、その点も詳しくお話を願いたい。最初割付けた場合に合意の上で割付けたのか、それからそれは駄目だというのを割付けておるのですか。
  68. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 正確な資料あとで持つて参りますが、ただ地方財政は初め当初予算を組まないで、あとで補正でして行く場合がございます。その場合に初めから財務当局と建設当局がぴたつと意見が一致してから話を進めて行きまずと遅くなる関係上、場合によつては或る程度財務当局と詳細に打合せないうちに一応の建設当局の考え方を聞きまして割当をいたしまして、それに基いて建設当局が財務当局と詳細の打合をするという結果になる場合があります。その場合あと建設当局の希望が通りまして、補正予算案の修正によりまして当初通り行く場合も。ございます。我々は昨年度でございましたか、当初の割当を必ず消化するという目的のために努力をしましたので、建設当局と一緒に財務当局のほうにも我々のほうと共同して折衝いたしたのでございまして、それから知事にも副知事にも住宅局からもお願いをして、都の財政もあるだろうけれども、住宅事情もあるからやつてくれということを頼んだこともございます。そういうことで最終的にはやはりそういうことをいろいろ考えられまして知事が、年度もだんだんと終り頃になりまして補正予算がきまりますので、必ずしも初めからできないというふうにはわかつておりません。我々もわからないことをむしろいいことにして、それが実現できるように折衝努力をして来て結局できなかつたというのが実情でございます。
  69. 石井桂

    石井桂君 大分東京都の問題が例にとられて、住宅不足の折から予算を返上することの点を当局にお聞きになつておるようですが、その一部は実は私のときにもたしかあつたと思います。責任もあるのであります。これは東京都の財政が普通はよそよりも金持だということで、東京都の出す分を実際その一般財源、都民の税金で賄えるかどうかと、こういう問題になると思うのです。で御承知のように公営住宅の半分は国が出すわけです。あとの半分は地元の公共団体が出す。そこで当初は、まあ例えば一万戸建てるとすれば百億まではならんが、五十万として五十億になりますが、そうするとその二十五億は国が出すが、あと二十五億は都民の税金で出す。税金で出せない場合には一般財源のほかは起債か何かで賄つて行く。そうすると恐らく東京都で予算を立てるときには、一部は一般財源で賄い、他の一部は起債に仰ぐという当初の財政計画があると思うのです。その起債が聞かれない。決定になることが大概年度の後期になつて決定するというような慣習のようです。そこで最後にもうできなくなつたときに起債に仰いだ財源が融通がつかなくなつてしまつてその起債に仰いだ財源の分だけが返えされると、こういう経過だろうと僕は思うのです。そこでまあ建設省が半分の国庫補助をお出しになつて他の半分は地元が自分で努力して出さなきやならんのは当然でありますけれども、併し各都市が今財政難の折柄ですから、公募公債なりその他のことでその財源が調達する見込がある場合には、この起債やそういうものを許可する諸官庁が一生懸命に協力し、そうして財源確保の御協力があれば非常にいいんじやないか、こういうまあ気がするのです。私自身が住宅建設の責任者のときにいつも起債の分だけが、これは大蔵省と多分自治庁だと思うのですが、自治庁のあれは認証ですか許可ですかを得なければ認められない、その分だけがいつも住宅建設予算に穴があき、そうして返された。そういう事情なんですね。私としてはまあ財政事情によつてこういうものはその当時は返されたものと、こう思うのです。  そこで私としては、これは質問になるのですが、建設省におけるところの諸予算のうちで、今田中さんがおつしやつたように住宅政策というものが余り建設省の中で重要視されていないのじやないかという心配を大変私は持つておるわけです。つまり住宅局は当該局の、主管の仕事ですから一所懸命になるけれども、省議だとか或いは大臣とかそういう方面には、余り重要視されていないのじやないかと、そういう心配があるのです。それと同時に、従つてそういう起債や何かの場合には他の事業のほうは割合に伸びるけれども、住宅方面については余り力がいたされていないんじやないか、そういうような気がするわけです。  私の発言はですから田中さんの、まあ田中さんも十分御承知の上でお聞きになつているのじやないかと思うのですが、参考になればということと、も一つは起債や何か、これは東京都では実際言つております。起債が許されれば一万だろうが一万五千だろうが消化したい、こういうことは責任者が言つておるようでありますから、そうして殊に田中さんのお話のように住宅が今足りない、殊に東京は足りないのですから、そういうところに建てられなければならないわけですから、ですから建つほうの御協力こそ望ましいのでありまして、非は非で別に責めて、私の希望するところは、三回返したから懲罰的に上げないということでは住宅問題は解決されない。胸の溜飲は下るでしようけれども、住宅政策は、一つ懲罰は懲罰として、胸の溜飲は別のところで下げて頂きたい。罪のない国民に、やはり与えるべきものは与えてほしいと、こう思うのですよ。そこでもう少し起債方面や何かに一体どういう御努力を建設当局はなしたか、そういうことを聞きたいわけです。(田中一君「鎌田君呼んで来い」と述ぶ)
  70. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 今連絡しております。  今、石井先生のおつしやつたことは、私も同感でございますが、起債が一番問題になることも我々前から痛感しております。ただ現在の起債の制度につきまして、相当地方財政が問題になつておりますので、特別の項目の起債だけを取扱うということは原則として行われておりませんので、若し住宅だけを特別に行うとすれば、これに類するものが相当出て来て地方財政上困るという観点から、一括して起債の認可をしておる実情でございます。そのために住宅が特にほかの起債と悪いということはございません。  それから石井先生のおつしやいましたように、建設省の中で住宅問題が多少手薄じやないかというふうな御意見ございましたが、私はそういうことはないと思つております。大臣以下非常に努力をしておると思いますが、そういう関係で起債の充当率は一般事業に比べまして決して遜色は、ございません。ただところが地方負担分のうち全額起債がつけばいいのでありますが、現在の公共事業費とそれの地方負担との関係上、大体住宅につきましては六五%、一般のものも大体そのくらい、この程度の起債しかついておりません。ところがこの起債につきましても、実は地方のほうにおきまして一本に起債が認可された場合に、その起債をどの事業に当てるかということはこれは知事の判断にかかつておるのでありまして、(「問題はそこだ」と呼ぶ者あり)知事若しくは市長が住宅を大事と考えられるならば、ほかのほうは税金でやるとか、或いは仕事をしないで済ませるということも可能だ。(「その通り」と呼ぶ者あり)このように考えておりますが、併し我々のほうでは成るべくこの住宅の起債を殖やしたいと思いまして、実は東京都につきましては都だけでもいいから特別に起債をもらいたいということを都と一緒になりまして自治庁に相談をしたりいろいろ折衝しております。(「そんなことは贅沢だ」と呼ぶ者あり)そういうふうなことで起債につきましての努力はしておりますが、財政上こういうようなことで、(「遊興飲食税を徹底的にとれ」と呼ぶ者あり)その点御了承願います。
  71. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 だんだんとお話聞いていますと、結局東京都としてはまあ他の用途のほうに起債で取つた枠を多く振り向けざるを得ない、優先の問題があるんだ、こういうふうに考えられるのですよ。従つてさつき来話が出て、懲罰のために割当をというような表現もありましたけれども、まあそういつた意味からのみではなくとも、或る程度枠を他のほうで非常に消化絶対可能のようなところがあれば減らして、そうして東京都として一層反省をしてもらうほかないのじやないか。私ら端的に伺つているとそういうふうに思う、これについてはどうなんですか。
  72. 石井桂

    石井桂君 関連して。只今そういう御意見もありましたが、私は起債がどの都市でも十分ではないと思います。(「どこでもそうだ」と呼ぶ者あり)消化力のあるところとかないところとかいうことも考えなきやいかんと思うのです。(「熱意だ」と呼ぶ者あり)そこで枠が必ずしも与えられたものは限定しておるのでなくて、今田中さんのおつしやつたような熱意でもつと殖えるだろう乏も思うのですよ。もう与えられた枠は与えられたままでなくて、努力によつてはもつと殖えると思うのです。その方法をすることによつてやつぱり枠が殖えるということと、今三浦委員のおつしやつたように住宅第一にすれば住宅のほうへ起債を持つて行かざるを得ない、こういうこともありますが、勿論住宅だけでもないと思うのです。道路も直さなければならんだろう、そういうこともあつての割振りだろうと思いますから、その内容のことは詳しくわからんけれども、併し起債の枠を殖やすということは公共団体のどこでもの私は要望だろうと思うのです。だからそれに力を入れてやるということと、枠がきまつたら住宅方面へ余計取る、こういうことの両方をやつて頂かんと、与えられた枠は頂き放しで、この中でやれ、こういうことも一つの方法ですけれども、地方公共団体としてはやはり枠を殖やしたいということになるだろうと思うのです。
  73. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はこの住宅建設が起債が与えられないからできるとかできないとかいうことを論ずる前に、東京都の財政規模がどの程度が適正で、それが建設行政なり或いはその他一般行政にどういうバランスで振り向けられておつて、それでその場合には東京都の住宅行政にはどれだけの金が注ぎ込れるのが適正であるか、こういう点まで検討しなければ、金があるとかないとかでなくて、この余分を返すというのがいけんとかいけないという議論は徹底的にはできないと思う。ただ少くとも国の住宅行政を扱う建設省住宅局当局として、東京都にこの程度のものが必要であると御認定になる限りは、東京都の財政というものも睨んで、それも消化ができるのだという根拠を以てこの都知事に要請しない限りは、それは黙つて切られたらそれ切りになつてしまつて国の行政は伸びないわけです。そういう意味において私は一般的にはやはりこの割付けをした限りにおいては、或いはする限りにおいてはその根拠となるものをもつと検討の上、それが実現できるという自信を持つてかかつて頂くべきじやないかと思うのです。それが局長或いは課長同士だけではできないということであれば、そのためには大臣もあり、都知事と政治折衝もあり得るでしよう、そういう点どこか私は一応やつておけばいいということになつてその繰返しになるのじやないか、又東京都自身も大きな枠をもらつているから、うまく行つたらやるし、行かなかつたら返せばいいのだ、いずれ大きな枠を取るのだから努力できる限りやつておけということになるのじやないかと思うのです。これが若しも地方のほうで小さな枠しかない、或いはぼやぼやしているというと割付けがもらえないというようなところでは、却つて運動もし折衝もしてそれを取つて行こうということになると思うのです。東京都は大きく割付けられているから、いつでももらうものはもらえるというような気持で、又使うべき金を他に重点的に使い、他のことで都民にサービスすることを考えて行くということになるのじやないか。だから或る場合には私は好まないけれども、全面的に割付けをしないでみて、都の動きを見て、国が或る種の行政をして行くということもそれは政策的にはとつていいことでもないかと思う。いずれにせよまあ課長さんにお尋ねしてこんなことでごたごたしていることは非常にお気の毒だと思う。やはりこういう基本的なことになると次官なり大臣なり責任者にお尋ねしなければならないと思う。課長さんとしてもお答えにくいだろうと思う。だから私はこの程度にしか言えない。
  74. 田中一

    田中一君 住宅問題でまだまだ質問がたくさんあるのですが、これは企画課長だけこうやつても非常に困るんです。そこで官房長か政務次官かを呼んでもらいたい。
  75. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 今日でございますか。
  76. 田中一

    田中一君 直ぐ呼んで頂きたい、それで大体公営住宅案に限らず、所管の大臣はどうして来ないのですか、甚だ不誠意ですよ。
  77. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつと速記をとめてくれませんか。
  78. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止]
  79. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 速記を始めて下さい。
  80. 田中一

    田中一君 先ほど営繕局長に要求しておつた資料が集りましたならば御説明願います。
  81. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 先ほどの続きをいたします。二十九年度営繕局実施すべき工事量は総額三百十三億の内容になつております。その内訳を申しますと、先ほど言いました二十九年度の官庁営繕費プラス労働省の労災補償特別会計に属するもの、それから失業保険特別会計に属するもの、合せまして十二億予定しております。それから保安庁関係施設費、これが百二十六億予定しております。これは先ほど言いました百二十何億のうち九十億が二十九年度予算、それから残りが二十八年度からの繰越額でございます。そういうわけで百二十六億、それから安全保障諸費を百七十五億、合計いたしまして三百十三億、これが二十九年度実施すべき事業量になるのでございます。それと二十八年度の今後三月末までの支出見込額、この合計が二百十億と考えております。内訳を申上げますと、官庁営繕費、これが二十三億、これも先ほど言いました労災関係のものを含んでおります。それから保安庁関係施設費が七十七億、それから安全保障諸費が百十億、これが二十八年度内の支出見込額、合計二百十億でございます。以上でございます。
  82. 田中一

    田中一君 そうしますと若し明年度保安庁仕事が、例の軍機保護法的な法案が出て、これは軍事施設であるという観点から営繕局に対して委託している事業を引揚げた場合、これは当然定員法その他には同じように減ぜられると考えていいのですか。
  83. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) その問題は私がお答えすべき問題かどうか私存じませんが、そのときにはそれぞれの設置法の改正が起るのではないかと思います。
  84. 田中一

    田中一君 同じようなことですけれども、安全保障諸費のうちの駐留軍関係工事も、これは殖えるか減るか知りませんけれども、今も同じようなケースで以て工事しなければならんということになるわけですか。
  85. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 事業量が減ればそれに見合う人員というものも当然比例して考えらるべきだと思つております。
  86. 田中一

    田中一君 現在安全保障諸費で賄つている駐留軍関係工事というものは、この内容を明細に国会に報告することはできませんか。
  87. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 私のところで全貌といいますか、合同委員会できめられたものはわかりますが、それ以外のものは私のところではまだわかりません。合同委員会できまつてこちらへ廻つて来たものはわかると思います。
  88. 田中一

    田中一君 ではその講和条約発効後営繕局委託された営繕事業の全貌を一つ資料にして御提出願いたいと思うのです。
  89. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 今ここで全貌の資料を持つておりませんが、予算的の資料ならばここにございますので、それでよろしければ御説明申上げます。
  90. 田中一

    田中一君 私が要求しているのは、どの箇所がどういう規模でどういうものだということを要求しているのです。これが又別の条約で以てそういう秘密を若し漏らしちやいけないということがあればこれは別です。そうならそうと明らかにして頂いて、要求としては個々の何県何郡のどこの村のどういう施設がどうということを、委託されたものだけを全部資料として出して頂きたい。
  91. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 御趣旨に副うように図りたいと思います。
  92. 田中一

    田中一君 二十九年度は大体相当不燃化の度合は殖えておりますが、私は大体官庁営繕がなぜ木造でやるかと思うのです。一体税金で賄うものが、木造でやつたほうが利益の場合もあります。無論その仮設的なものは期間も短いからそれでも差支えないと思うのですが、私は少くとも一〇〇%近いものが不燃建築でなくちやならんと、こう思つておるのです。昨年度予算の審議の場合にも相当その点はやかましく申上げたはずなんです。でどうして二〇%のものが木造でなくちやならないかというんですよ。ということはその二〇%というものの内容がどういうものであるかということもこれは表にして明らかにして頂きたい。そのうち一つの例として、これは不燃建築でなくて、こういう理由木造であるのだという事例があれば一つ御説明願いたい。
  93. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 田中委員の御質問御尤もだと思いまして、私のほうも昨年度に引続きまして大蔵省のほうへ建物の不燃化を要求したわけであります。大蔵省のほうでもその点非常に了解して頂けまして、予算的には減つているけれども、構造的には不燃がぐつと殖えているというように私のほうは考えているのですが、ただ先ほども御指摘を受けましたように、二〇%もの木造が残つているのは事実でございます。これも我々といたしましてはできるだけいたしたいと思つておりますのですが、ただこの木造部分の大部分は割合に都市を離れたところの建物が大部分でありまして、大きな都市にできるものは木造は殆んどございません。皆比較的町以下のところが多いので、それの中でも例えば必要な、まあ必要といいましようか、書類庫とかそういうものは全部不燃でやつている、不燃の予算が上つているわけでございます。まあその辺が我々が努力できた現状だと思つております。
  94. 田中一

    田中一君 その木造の事例を一つお示し願いたい。
  95. 木村恵一

    政府委員木村恵一君) 木造の事例を申しますと、国家地方警察の警察署を一つここに挙げておきます。これは函館の森地区署でございます。まあかなり大きな都会ではない、そのものにつきまして庁舎を木造にして重要書類の倉庫などを不燃にしている、それが一つの事例であります。
  96. 田中一

    田中一君 これは重大な発言を聞いたです。我々は曾つて北海道の防寒住宅促進法を審議し通しております。このときに時の政務次官ははつきりと、はつきりと北海道におけるところの国家融資の住宅は全部不燃で以てやつて行くということを声明しました。同時に附帯条件として、民間の不燃住宅を要求するならば、義務付けるならば、少くとも官庁営繕は絶対に不燃化でなければならんという条件を付けております。国会において政府は責任ある答弁をしておきながら、今日裏切つたような行動をすることに対してはこれは忽せにできん問題です。その問題一つでも政務次官を呼んで下さい。
  97. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) そのように取計うように……。
  98. 田中一

    田中一君 言葉を変えることを平気な今の答弁に対しては。我々は北海道の防寒住宅に対してはその点はつきり約束しております。速記録も持つて来てお目にかけましよう。早速大臣を呼んで下さい。とんでもない、そんなことは食言も甚だしい。
  99. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 交渉いたしてみます。
  100. 田中一

    田中一君 私は今の問題、営繕局長に対する質疑はこのまま留保しておきます。
  101. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 申上げます。只今鎌田住宅局建設課長さんがお見えになりましたが、御質疑下さいますか。
  102. 田中一

    田中一君 先ほど小笠原君の発言もありますので、政府委員にも一緒に伺いたいと思いますから、責任ある政府委員を願いたい。
  103. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 速記をちよつととめて下さい。    〔速記中止〕
  104. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 速記起して下さい。
  105. 石井桂

    石井桂君 住宅企画課長にお聞きしたいのですが、住宅金融公庫関係住宅であれは四万戸と言つておりましたかね。四万戸のうちで一万戸だけは産業労働者住宅ですか、非常に規模が小さいというのですけれども、何坪くらい、何か非常に小さくて、余り小さいので住宅の対象をなすかどうかという……。
  106. 鮎川幸雄

    説明員鮎川幸雄君) 只今の点についてお答え申上げます。産業労働者住宅の坪数は、木造住宅につきましては十四坪、鉄筋の住宅が大体十三坪だつたと思つております。正確には調べましてから……。
  107. 石井桂

    石井桂君 私が聞いているところだと六坪だという話だつたですからね。余り小さいので、私は家の体裁しないのじやないかと思つております。
  108. 鮎川幸雄

    説明員鮎川幸雄君) その点につきまして、六坪とおつしやいましたのは、産業労働者住宅の中には単身者住宅がございます。共同住宅がございます。単身者向きの共同住宅につきましては、一室当り六坪というように計算いたしてやつております。
  109. 石井桂

    石井桂君 その単身者向きのものが一万戸のうち何戸あるのですか。
  110. 鮎川幸雄

    説明員鮎川幸雄君) この一万戸の内訳を申上げますと、木造が二千戸、世帯者向きの住宅が一二千五百戸、残りは単身者住宅でございます。
  111. 石井桂

    石井桂君 そうすると五千戸近く……。
  112. 鮎川幸雄

    説明員鮎川幸雄君) いや、四千五百戸が世帯向きで、三千五百戸が単身者寮でございます。
  113. 石井桂

    石井桂君 それからこれはほかのことなんですが、それとまるで別のことですが、今日配付された資料にもあるのですが、地方税法改正について不動産取得税の新設というのがありますが、これが住宅建設の障害になるかどうかということを心配しているのですけれども、その点住宅のほうの企画課長としてのお考え、或いはこれらが立案される過程において御相談があつたかどうか、そういうようなこと。
  114. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 只今お話のございましたように不動産取得税が今回の地方税の改正に伴いまして出て参りました。併しこの不動産取得税は実はシヤウプ勧告の以前にありましたもので、これが住宅建築の障害になるということで、我々は反対乃至取りやめを折衡して参りまして、それで今回又新設されるにつきまして、自治庁とも相談いたしまして、住宅、特に大衆のための住宅の障害にならないというようなことを申込みまして、その案に出ておりますように、百万円以下の住宅につきましては非課税にしております。百万円でございますと、まあこれは実際の評価は時価でございますので、大体普通の建築費の七掛くらいかと思いますので、木造住宅ですと三十坪、四十坪くらいまで、耐火にしましても多少それよりも下廻りますが、二十数坪の住宅は非課税になりますので、アパートを作るとか或いは住宅公庫で建てるような住宅はこの不動産取得税はかかつて来ないということで我々も考えております。
  115. 石井桂

    石井桂君 今の御説明のうちで、アパートなんかは別にかからんという御返事でしたけれども、建設省のこのたび組んだ高層アパートの単価は一戸当りにしますと百数十万円だと思うのです。建設省のお作りになるアパートですら標準のものを建てるとすると……、民間ではそれはかかるわけですね、だから建設省でつまり最小限度に国民に与えようとする住宅の標準よりも小さいやつを作らんと取得税は免除されないので、ちよつと大きければかかるということで、まずいのではないですか。百万円という、あなたのほうの高層アパートの一戸当りが百数十万円になつているのですよ。御自分計画したやつが引つかかつてしまうのです。
  116. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 特に立派なもの或いは金のかかるものといいますと或いはそういうことになるかも知れません。ただ建設省のほうのは今百二十万ばかりでございますから、評価にしますと大体七掛くらいで行つております。
  117. 石井桂

    石井桂君 それで百万くらいになるのですか。
  118. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) そうでございます。普通いう建築には七掛くらいが政府でいう評価額になつておりますから一応抜けると思います。
  119. 石井桂

    石井桂君 そのほかいろんな場合を想定しますと、不動産、取得税の新設は随分住宅建設促進に支障があると思うのです。又次の機会に研究しまして、追つてそれについてお聞きしたいと思いますが、なお公営住宅補助金の臨時特例に関する法律というのが出されたのですか、どうですか、その中に公営住宅法の一部改正、補助金二分の一を二分の一以下とするというようなことが書いてあるようですが、それらについての折衝の経過などがおわかりになつたら伺いたい。
  120. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 公営住宅補助率は、公営住宅法によりまして第一種住宅につきましては二分の一としなければならないというふうにきちつときまつております。で我々のほうではこの二十九年度予算におきまして、先ほどちよつと申上げましたように、土地の高度利用を図るためにモデル・ケースといたしまして東京、大阪程度のところはもつと四階以上の高層のアパートを作つてみたいと思つておりまして、その予算につきましてはいろいろ折衝いたしましたが、予算都合上五分の二、四割の補助にきまつたのでございます。これをやはり公営住宅法によつて建設して行くほうが便宜かと思いましたので、それだけが収まるようにその政令で定めるというのはその場合だけを考えておりまして、その場合が現行法の二分の一と多少違つて来ます。それを収めるようにと思いましてその程度の改正をいたしたのであります。
  121. 石井桂

    石井桂君 その点は了承いたしましたが、そうするというと公営住宅法の一部改正にしてもあと支障がないというわけですね。
  122. 前田光嘉

    説明員前田光嘉君) 一般の原則は変えないと思つております。ただそれを今年一応試験的にやつてみようと思つております。あとは現在の補助率で行くことになると思います。
  123. 石井桂

    石井桂君 今度は方面を変えまして、防火帯促進のための費用が約二億円から今度一億円に削られましたが、この耐火構造促進のことについては非常に必要なことだと私は思うのです。この予算が削られるというような声が都民或いは地方の都市の方々に伝わりましたときに、非常に大勢の方が見えて、そうしてなけなしの金をついで都市の耐火に協力しようというので今工事中なんです。その工事中のものが実際にでき上るだけの金をもらえるのですが、それらの人々はもらえなくなるというので非常に運動されて来たのですが、中には首を縊らなければならないだろうというようなことまでも言いながら陳情をして参りましたが、幸い半分でも復活されて、私はその点ほつといたしましたが、来年あたりには一つこういうことのないよう、あらかじめこういうような費目が削られないように御用意があるかどうか。
  124. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 私どものほうといたしましては胆をきめておるわけでも準備をしておるわけでもございませんけれども、一応防火帯の補助につきましては、建設大臣以下我々としても最後まで努力して、やつとここに収めたようなわけでございまして、来年はどういう財政事情になりますか、一兆円予算というような枠があるものか何かわかりませんが、これはよほど警戒を要するものと考えております。と申しますのは、どこからそういう声が入りますのか、又どういう計算でそうなるのでございましようか、よく納得できませんけれども、必ずしも政府資金の補助でなくても、融資でもいいのじやないか、家を建てる人も相当利便を受けるわけですし、補助によらなくても、資金運用部資金等からの貸付でいいのじやなかろうかというような気持が財政当局に非常に強うございまして、私どもは飽くまでも来年は補助でやりたいと思いますが、この点は委員の御協力、御指導をお願いしたいと思つております。
  125. 田中一

    田中一君 これは住宅建設課長並びに官房長に伺いたいのですが、先ほども前田君のほうに質問しておいたのでありますが、東京都が今度相当数の予算割当を返上したという経緯、殊に東京都はもう前科三犯なんです。で年年私はその面については政府に警告を発しているのです。昨年度はどうやら完全に約束を果したようですが、又二十八年度は返上しておる。これはまるでその計画の立案そのものが杜撰なのか、先ほど前東京建築局長であつた石井君が陳弁していましたが、要は財源がないからということに尽きるらしいのです。起債を認めてくれればやるのだ、金をくれれば何でもやりますよ、それに尽きるらしいのですけれども、一面東京都は半額補助の半額貸付の都営住宅というものを作つておる現状を知つております。その観点から見ればもう財源の問題じやないのです。行政面の拙さ、又住宅に対する熱意の欠けている点が、今日東京都の住宅資金の返上という形に現われたと思うのです。そこで当面の事務を扱つている住宅建設課長にどういう経緯でどうなつたか、前二回の場合はどうであつたか、又二十八年度の場合どうであつたかということを御説明願いたいと思います。
  126. 鎌田隆男

    説明員(鎌田隆男君) 只今お話がありましたように東京都の公営住宅建設実績は確かに年度当初に計画いたしましたものよりも下廻つております。それは年度当初の計画は、東京都と建設省が最初にいろいろ相談いたしまして、成るべく東京都に公営住宅をたくさん建てたいという私どもの考え方で、計画としてはかなり大きなものを年度当初に計画をいたしております。で二十八年度でございますが、二十八年度計画といたしましては、東京都の分につきましては六千三百四十戸の最初計画をいたしたのでございます。それが途中になりまして、これは主として今お話のありましたように東京都の財政事情ということなのでありますが、途中でたしか十月か十一月でございますか、その頃どうも東京都は実際の金の入り工合、金の出し工合からいつて、これは予算じやなくて、予算は六千三百四十百分組んでおる、現金の入り工合その他からいいまして、どうも四千三百戸程度しかできないというような情報が、私どもの監査途中でありましたがいろいろ伝わつて来たのです。これは大変だ、もう少し東京都はその大きさからいいましても、又住宅難の現状からいいましても、建てなければ困るということで、いろいろその後折衝いたしまして、現在のところ三月末までに実際金を出してやるという腹をきめましたのが五千二百八十三戸でございます。でありますからその後の折衝によりまして千戸ばかり殖えた勘定になりまして、これは御承知のように十二月ですか、東京都が又予算補正をいたしまして、それだけの努力を払つたのではございますが、確かに今お話のように当初の計画に対しましては約千戸ばかり少くなつておるという現状でございます。併しこの五千幾らやることにいたしましたのでも、かなり東京都の中では財政方面もいろいろ苦労しまして、できるだけの努力を払つたように私どもは考えるのでございます。  ただそれでは二十九年度はどうかという問題でございますが、これはまだ東京都の内部で決定はいたしておりませんから、まだ確かなところは申上げられませんが、今いろいろ東京都あたりに聞いておりますところによりますと、その問題で揉みました関係でかなり上層部のほうも理解をしたといいますか、その関心が行きましたので、二十九年度はかなり大幅に考えるという状況のように聞いております。
  127. 田中一

    田中一君 この二十九年度割当は、大体東京都と折衝して、都議会で当初決定されたものを必ず遂行するという前提の下に割付けをするという心組でおるのですか。
  128. 鎌田隆男

    説明員(鎌田隆男君) 二十九年度につきましては、都議会で何戸予算を組みますかわかりませんが、その組まれます予算の分を建てたい、成るべく建てるように実現したいというふうに考えております。
  129. 田中一

    田中一君 私の記憶に間違いなければ、二十五年度、二十六年度も返上しております。二十七年度はどうやら完全にそれを建設した。二十八年度又返上した。さつきも言つたように前科三犯なんです。それでも二十九年度予算事務的に計画を立てるときに、やはりそれを信用してやらせますか、それとも実際の年度末、年度末といいますか、その暮の十二月に監査する場合、又そういうような問題が起きて来るのじやないか、どう考えますか、誰が責任をとりますか。
  130. 鎌田隆男

    説明員(鎌田隆男君) 確かに、その当初の約束が最後に守られなかつたということにつきましては、いろいろこれは考うべき点があると思うのでございますが、何しろ東京都の住宅事情から考えまして成るべく多く東京都にいろいろな方法を尽して公営住宅をたくさん建てたい、こういう考えを持つております。
  131. 田中一

    田中一君 それでは政府としては、若しも又二十九年度も五百戸でも千戸でも返上するような場合にはどういう措置をとりますか。
  132. 鎌田隆男

    説明員(鎌田隆男君) 只今も申上げましたように東京都の住宅事情から考えましてどうしても東京都民のために公営住宅をもう少し余計建てるようにいろいろな方法を講じたいと考えております。
  133. 田中一

    田中一君 私はこういうところへ結論を持つて行きたいのですよ、東京都は財政上の理由でできないならば、熱意がないならば国で作ろうじやないかという決心を持ちなさいということなんですよ、私の言つているのは国が作りなさいということなんです。私が要求したいのは、地方財政が困窮しているとか何とかというならば、国が直かに建てなさいというのです。すべて解消するでしよう。その決意があるかどうかを伺います。
  134. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 御意見誠に御尤もでございまして、公営住宅を建てるということは国の責任で。ございまして、一方自治体は又自治体で財政都合もあり、国の要求通りはやり得ない場合が生ずることも、これ又止むを得ん事情かと考えるわけでございます。住宅に困つておる者に住居を与えるというのは国の仕事でございまするので、私がここで今お答えできるものじやありませんけれども、御意見の趣旨を十分参考にいたしまして、今後本当に必要な首都の住宅事情が、政府が所期しております通り緩和できるように努力いたしたい、その方法などにつきましては暫らく考えさして頂きたいと思います。
  135. 田中一

    田中一君 そうすると今の官房長のの御答弁は、責任をとる、責任をとつて必ずそれを遂行させるという決意のように伺つてよろしうございますか。
  136. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 住宅に困つておる者に住居を与えるということはやはり国の責任で行うべきことと考えておりますので、現在の制度から申しますと、そういう政府の立場と、又別個の人格であるところの地方自治体の財政事情というものが必ずしも一致せん場合、国は多く建てたいと思つても、自治体のほうの金がないというような場合も生じましようから、これは現在の制度にも再検討を加えなければならん余地があるかとも考えるわけでありますが、将来政府が考えております通りに、住宅が建つようにもう一遍考えさして頂きたいと思います。ただその方法等につきましては、今日お答えすることを差控えさして頂きたい、こういうわけでございます。
  137. 田中一

    田中一君 では二十九年度公営住宅割当その他については、必ず地方自治体が約束を守つて当初の計画通りに遂行させると……、今官房長は地方自治体の財政上の関係で以てできない場合もあることは止むを得んということをおつしやつておられましたが、これはみんなやつておるのです。東京都に割付するからできないのであつて、現にほかの地方自治体はどんどんやつております。もつと余分に要求している地方もあるのです。ですから結局東京都は住宅を作る熱意がなかつたということなんです。一遍じやない、三遍なんです。従つて政府の責任というものは、若し東京都が遂行できなければよそへ持つて行けばいいのです。初めからやらなければいいのです。併しながら住宅を供給するのは政府の責任だとおつしやるならば、公営住宅法を改正するか、さもなければ国が直かに建てるという意思を持たなければ答弁にならんと思うのです。あなたは地方財政が困窮しておると言うけれども、鎌田君のお手許にはもう少しくれもう少しくれという要求がたくさん来ていると思う。それを差しおいて都民との約束を蹂躪するようなことをして予算を返上するようなことをなぜしているかということ、これは行政面の問題です。これに対する責任は明らかにして頂きたい。
  138. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 先ほど住宅建設課長から申上げたこと以上には出ないのでございますが、何と申しましても公営住宅に対する申込の状況などから考えますと、やはり一番住宅に困窮しておりますのは東京都民であると考えるのでございまして、政府といたしましては、二十九年度はよく話合いまして御指摘のような過去のような不手際が起らないように、而も東京都に一戸でも多く住宅が建ちますように努力いたしたいと、かように存じております。
  139. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 申上げます。本日大臣は病気御請暇中の由でございます。只今南政務次官が御出席下さいました。御質疑御継続下さい。
  140. 田中一

    田中一君 まあこれ以上言つてもしようがありません。ただ東京都は首都建設法というような単行法を持つておる首都なんです。都会なんです。そこで現にもう世田谷のどこかの地区では東京都の住宅協会がやつておる建築で、一千何百名に一というような割合で以て申込があるという現状なんです。東京都こそ住宅が欲しいのです。若し東京都にそういう熱意がないならば、やはり首都建設法を制定したような現状から見ても、東京都の住宅政策は全部国がやるということはちつとも不思議じやない。やれるのです。何のために首都建設法が制定されてあるかということを考えますと、国が全部東京という特殊地帯の住宅政策を遂行しようとすればできるのです。これの意思はどうですか、政府の意思は……。
  141. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 東京都の実情から申しまして或いはそういうことが必要かとも考えるわけでございますけれども、やはりこれは公営住宅は成るほど国の責任でもございますが、その他の府県なりその他の公共団体におきましてはやはり二分の一に相当する額は地方公共団体の負担でやつておるような状況でございまして、東京都だけが負担が全然なしに済むというようなことも如何とも思いますし、これだけでやはり解決しませんで、そういう地方の負担の公平というような点も考えなければいけませんし、首都建設の全般の問題とも関連いたしますので、御意見のところを十分参照いたしまして、将来立法なりその他所要の手続を考えたい、かように考えております。
  142. 田中一

    田中一君 くどく言いませんけれども、例えば首都建設法もあり、北海道開発法……、地域によつては国が直接やつておる仕事はたくさんあるのです。実例があるのです。都民を裏切るような東京都の行政面にそんな責任を負わしても何もならないですよ。国でできる途が開かれてあるということだけ申上げておきます。
  143. 石井桂

    石井桂君 ちよつと関連してその問題。田中さんの、できなければ国がやるというような御意見非常に結構だと思うのですが、その場合に国でやると、今の自治体のやるように戸数が伸びない、自治体でやれば二戸できるものを国では二戸しかできない、こういうことも考えなければいけないのじやないかと思います。
  144. 田中一

    田中一君 僕は同僚議員とやり取りしてもしようがありませんけれども、石井君の発言はナンセンスです。あなたはきまつた枠で以てものをやろうとする。
  145. 石井桂

    石井桂君 今私がそのことを申上げたのが非常に気に障つたら何だけれども……。
  146. 田中一

    田中一君 気に障りません。
  147. 石井桂

    石井桂君 ナンセンスを言つておるのじやなくて、御参考になるかと思つて申上げたので、どうぞ悪いほうでなくおとり願いたいと思います。
  148. 田中一

    田中一君 これは政務次官にも伺いたいのですが、私伝え聞くところによりますと、住宅局は昨年の秋頃から公営住宅促進協議会という団体を作る計画を立てておるそうでございます。そうしてこれは地方の自治体について私は調査しました。大体国が補助する補助金のうちの二分程度をこの協議会の費用に充てたいというような案を持ちまして、現在各地方、都道府県に勧奨中と聞いております。こういう事実があるかないか、先ず第一に伺います。
  149. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。まだ私はその話を聞いておらんのであります。私の個人的考えでありますけれども、外郭団体かのようなものがむやみやたらにできるということはどうかと思いますから、耳に入つたならばよく事情を聞きまして、必要止むを得ざるものであるならばこれは何しますが、まだ何も聞いておりませんので、いずれ住宅局長によく話を聞きましてお返事申上げます。
  150. 田中一

    田中一君 私が調査いたしましたところは、一々名前を挙げると差障りがあるから言いませんけれども、或る府県ではもう公営住宅促進協議会の発会式を挙げております。聞いてみますと建設省からの勧奨によつてこれをやるのだ、その経費というものも中央で、協議会の必要の経費というものを、大体国が補助する公営住宅費の事務費の二%程度を充当するというようなことを聞いております。又或る府県においては、おれは反対だ、そういうことはもう立消えになつておる。前からおれのほうはそれには反対だ、文書では来ていない、口頭でたしか、ございましたという確証を握つておるのです。私は少くとも外郭団体が自発的にそういう形のものを作るなら一向差支えありません。ただ予算を取るために、補助金額を余分に得るためにかかる外郭団体があつてはならないと思うのです。技術面におけるところの、或いは政治面におけるところの、そうしたものを真摯な気持で研究するならばこれは結構です。併しこれも政府が勧奨も、或いはもう一つの干渉もすべきものでなくて、これは自発的なものだと思うのです。私はそういう事実を確証を握つております。不幸にして政務次官のお耳には入らないかも知れないが、かかるものは地方自治団体が自発的にやることであつて、政府が少くともそういう方面に関係してはならない、かように考えておりますから、若しそういう事実がありましたならば、そういうことは政務次官が責任を持つて善処して頂きたいと、かように希望いたします。
  151. 南好雄

    政府委員(南好雄君) そういう話は本当にまだ私は聞いておらんのでありますが、とかく行政のいろいろの何と申しますか、円滑にやるために、中央の方針地方に流す、中央地方関係は中央官庁と地方官庁があるのですから、別にそういう外郭団体を持たなくてもいいのですが、地方はなかなか当該課と申しましても、そう一つのことに十分に廻るわけに行かんので、中央地方の連絡機関として外郭団体を持つというようなことは間々建設省におきましても、各省におきましても見られる事例でありまして、そういうものができて行く場合におきましては、それは田中先生の言われるように自発的にやらなければならん、そうでなければならんと思います。併し実際そういうことを中央のほうで強制をしておらん場合でも、ややもいたしますると地方におきましては品を封ずるために、中央からこういうことを是非やれというからやるのだというようなことを説明する実例も私聞いております。何と申しますか、すべて責任が中央にあるんだ、こういうことを言い勝ちな実例も私は聞いております。でそういうふうに問題が起きた場合に、もうすでに御質問も受けておるのでありますから、いずれよく住宅局事務当局に質しまして、近いうちに御返事申上げますが、どうもこういう問題につきましては、中央のほうはそういうことで言うたつもりはない。それから地方のほうは中央がやかましいから作つたのだというようなことも間々聞く事例でございますので、よく問い質しまして、次回又はいずれの機会かにおきまして御返事を申上げたいと思つております。
  152. 田中一

    田中一君 本年度たしか二十億か三十億厚生年金の金が又再び産業労働者の住宅資金として計上されております。厚生省所管でこれは再三私からも希望並びに強い要請をしておりまするが、住宅政策はやはり建設省住宅局一本で窓口を一つにしてやるべきが至当と思うのです。これは次官会議ではこの問題がどういう経緯で、又厚生年金から出るところの産業労務者住宅的な予算が計上されたか、伺いたいと思うのです。
  153. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。次官会議と申しましても、大体ああいうようなことは事務次官会議にかけておるようでございます。私たちも一週間に一遍政務次官会議を持つておりますが、大抵私も出ておりますけれども、まだその話を聞いておらんのでありまして、私らのほうへかかつて参りますのは、閣議で済んだものを事後報告というような形になつておりまして、どうも甚だ申訳ないのでありますが、従来そういうことになつておるそうでありまして、この問題については、まあ下世話に申しますつんぼ桟敷におるのでありますけれども、どういうことになつておりますか、これもいずれよく聞きまして御返事申上げたいと思います。
  154. 田中一

    田中一君 この問題は、どうも責任者がちよちよい変るものですから、前のことを忘れて困るのですが、官房長は知つているはずです。これは前二十八年度予算のときにも私は申上げたはずなんですが、事務的には協調して確かに吉田内閣の住宅政策として一本の政策を出すということは言明しておりました。ただ心配するのは融資の貸付方法、選考方法、それから利子の問題等々ですね。住宅政策が異つた窓口から出ることは、これは吉田内閣の誠に……、余り言つちや申訳ございませんけれども、どうもおかしな形の政策だと思うのです。そこでどなたか事務的な折衝をしている方々もいると思うのですが、どういう形でその融資方式はやつているか、全部同じ形で行つているのか、又相手も同じか、又選考方針も同じか、こういう点も明らかにして欲しいと思うのです。これは全く吉田内閣の住宅政策の一つの現われなんです。
  155. 鮎川幸雄

    説明員鮎川幸雄君) 私どもが事務的に存じております範囲についてだけお答え申上げます。  厚生年金の還元融資によります資金によりまして、厚生省のほうで勤労者住宅のための資金を出しておるわけでございますが、私どもといたしましては、昨年産業労働者住宅資金融通法を制定いたします際に、できるだけ一本化してやるように一応話合いいたしたわけでございますが、厚生省におきましては、厚生省の立場として還元融資という立場から病院などの施設も含めましてやつておるわけで、ございまして、一応相談し折衝いたしたわけでございます。併しながらそういう立場もございましたので、私どものほうといたしましては、住宅政策の面からできる範囲のやり方で、先般御制定して頂きました産業労働者住宅資金融通法に基いて資金の融通をやつているわけでございます。  厚生省のほうと建設省のほうでやつております資金融通の方法の相違点を申上げますと、厚生省のほうにおきましては、地方公共団体のほうに融資いたしまして、地方公共団体から住宅建設する事業主体に転貸という形式で融資をいたしているというふうに記憶いたしております。こちらの建設省のほうでやつておりますやり方は、御承知のように住宅金融公庫を通じまして事業者のほうに資金を融資いたしておるわけでございます。貸付条件は、建設省のほうにおきましては、木造、鉄筋につきまして、償還年限が木造の場合は十八年、鉄筋の住宅につきましては二十五年、利率は六分五厘でございますが、厚生省のほうの関係では利率はやはり六分五厘でございますが、償還年限が木造がたしか十二年程度、それから鉄筋の場合が二十年程度というふうに記憶いたしております。なお融資のやり方その他につきましては詳細には存じておりませんが、貸付の割合は、厚生省のほうにおきましては八割を融資いたしておりますが、土地資金につきましては融資をいたしていないようでございます。建設省のほうにおきましては、貸付割合は鉄筋の住宅につきましては六割、木造の場合には五割五分というふうに割合も違つておりますが、必要におきまして土地につきましても併せて融資ができるようにいたしております。  まあ以上のようでございますが、一応御説明いたしました。
  156. 田中一

    田中一君 今鮎川君からの御説明で、私よりも政務次官が御承知なつたと思います。今の厚生省の厚生年金によるところの住宅資金融通ですね、これと建設省の持つているところの融通方式とこのように違つておるのです。私は同じものでなくちやならんと思うのです。又還元融資そのものは問題はあります、ありますが、還元融資だけが優先するならば税金も何もみんなそうなつて来ます。我々は戦争を放棄しているのですから、少くとも還元融資という思想ならば、軍隊にまで金を持つて行くことは好んでおらない。併しながらそれは今の場合ですと保安隊に金を持つて行く、これは還元融資じやない。我々国民の半分ぐらい……、心もとないところに対して投資されているということになるのです。そこで今の還元融資そのものに対してはこれは閣内でおまとめになつて解決して頂いて、少くともそのような同じ対象に向つて放出されるところの資金が、同じ相手方、同じもの、これが異つた二つの窓口から放出されて行くことに対しては政務次官どうお考えになりますか。
  157. 南好雄

    政府委員(南好雄君) 田中先生の御質問は誠に御尤もの点があるのでございます。私は余り住宅の方面についてはエキスパートではないのでありますが、およそ住宅政策には厚生というようなものが入つてはならんような気もするのです。たず住宅政策の初期の場合においては厚生という面も強く出て来ることもありますが、そういうような面を入れてはならないのであります。建設省におきましては、大体住宅政策と申しますものはいわゆる厚生とか福祉とかいう考えを抜けて出て、一国の住宅政策というふうに私はなつておると思うのです。従つて承知のように住宅政策を一本にしてやるのは、まあ筋としては私は田中先生のお言葉の通りだと思うのです。日本におきましては、何と申しますか長い官僚のセクシヨナリズムが残つておりまして、郵便貯金の使用関係につきましても、折角預金部に一本になつておつたやつを、これ又郵政省のほうに返せという運動もございますし、官報のほうについては二元的な行政をやつておるというふうに、もう理窟は先生の言う通りでありますが、逆に又成るべく細分して自分の思うたままに使いたいという運動も又起きている。こういう場合におきまして、これは何と申しまするか住宅政策の本当の根本を突きつめて行きまして一本にするのが、まあ本当のことを申しますならば政治力があるというのでございましよう。併しそこまではまだ何と申しますか、やつていないのが、これが偽らん事実ではなかろうかと思います。併しいずれそういうふうに、対象が同じで融資の条件が違つて行くということは、場合によりましては却つてマイナスになる面もございますので、一つ住宅局長を通じまして厚生省に話をする。なお工合が悪ければ私も私の立場において厚生省のほうへ一応交渉したいと思つておりますが、この問題は私初めて今日聞くのではなく、前にも一遍聞いたのでありますが、どうも官庁間におきます仕事の取合いとでも申しましようか、これはなかなかその簡単に片付かない、理窟通り行かんのでございます。誠に申訳ないんでありますが、なかかな理窟通り行かんというのが現実の事態でありますということを偽らずに申上げまして、一つ御了解おき願つておきたいと思います。
  158. 田中一

    田中一君 では産業労働者住宅資金融通法を廃法にいたしまして、今度きめました三十億でしたか、これを全部厚生省に移管して、向うで一元化することもこれは私は差支えない。国民に対して同じような条件で同じようなものが国民に提供されることが望ましいのであつて、何も建設省にのみそれでなければならないということはないんです。産業労働者住宅資金融通法を制定する場合に、我々が審議する場合にもそのことは再三再四申上げてある。あえて建設省が特定のものを持つ必要もない。従つてこれを廃法として、全部それは予算もこれを厚生省に渡してしまつて向うでやつてもらう。それで一元的な条件で住宅を提供するということも考えられるのであります。この点はどうですか。
  159. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。先ほど私答えましたうちに、日本の住宅政策、少くとも吉田内閣の住宅政策は福祉とか厚生とかいう見地からもうすでに上へ出まして、住宅政策本来の立場に立つて政策を立てておるんだ、こういうことを申上げたのでありまして、私は今の日本の住宅政策を立てるのは建設省であり、又その趣旨において住宅局が産業労務者住宅にいたしましても公営住宅にいたしましても政策を立てておるものと考えます。ただ厚生年金の還元とかいろいろなことを言いますが、根本の趣旨は、厚生福祉に向つて住宅政策に辻棲を合せる。厚生福祉に立つての国家資金の融通だろうと思うのです。その点が申上げますように二元的になつたので、その二元的が何と申しますか、なかなか官僚機構のこともありますし、もう少し突込んで申上げますならば、家の足らんことも事実であります。そういうことでやかましく言うておつて、却つて厚生の見地から立つて見る住宅のほうの資金が減るのはどうかというような気もいたしまして、何と申しますか、田中先生あたりにはお叱りを受けるかも知れませんが、もう少し大きな気持になつて住宅難の解決に役に立てば、そうやかましく言わないでも、向うも建てればいい。ただ対象が同じであつて貸付条件なんか違うようなことがあつては、不公平に亘つてはならんという見地から、できますことならば交渉をいたしまして建設省と同じようないわゆる条件にやつてもらいたいという、今私はそういう気持になつたのであります。前には貸付条件なども十分事務当局に交渉するようにとは言つておりましたけれども、そんなにひどく違つておるというような報告も聞きませんでしたし、どうせ二つになつてつても、住宅難の緩和には相当役に立つという意味から、私はこの点も強いてやかましくは言わなかつたのであります。
  160. 田中一

    田中一君 私の伺つておるのは産業労働者住宅資金融通法、これを廃法にして今言うた通り厚生福祉という考え方を捨ててですよ。全部厚生省に移管しても差支えございませんかと聞くのです。そういう方途はお試みになりますかということを聞いておる。
  161. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。私申上げて置きますが、厚生関係、福祉関係だけでやるならば向うへ持つて行つても差支えないと思います。併し私の考えでは、もうすでに住宅政策という、産業労務者なんかの住宅は、単なる厚生とか福祉という見地を離れて、一国の住宅政策の面を背負つて出るべきものであるから、官庁関係事務分担といたしましても、所管官庁のほうへ持つて行くのが至当である。逆に申しますると、厚生省の所管が厚生省の希望する通りの面に使われるならば、窓口は建設省であつてもいい。それが又然るべきだと思うのでありまするが、従来の長い伝統で官庁のセクシヨナリズムで理窟通りに参りかねる、こう申上げておるのであります。
  162. 田中一

    田中一君 まあ官庁のセクシヨナリズムはこれはいいですよ。いいですが、私もあなたの意見と同一なんですよ。当然建設省の窓口一本になつてやるべきだと思うのです。賛成なんです。では同じ党の閣僚なんか、何とか一本にすることが望ましい。あとは条件だけは是非ともこれは同じ条件にするようにあなた閣内調整をする責任というか決心があり、且つそれを実行するということを約束してくれますか。
  163. 南好雄

    政府委員(南好雄君) 大変望ましいことでありますので私もできるだけの努力はいたします。併し田中先生、閣内調整とかそういうようなことは、私の立場上少し行き過ぎたことにもなるのでありまして、一生懸命に努力いたしますということだけは、ここではつきり申上げて置きます。
  164. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 今のに関連するのですが、私は窓口を一つにするというような行き方ということについてはこれは賛成です。これはわかるのですが、ただ単にセクシヨナリズムでどうだとかこうだとかといつたような問題、これはまあ必ずしも好ましいことじやないのですが、私は根本的に住宅政策というものがやはりそれぞれ対象をひとしくして、家がない、それに家を与えたいという、こういう気持から出ても、その条件はそれぞれの層或いは階層等に応じて或る程度条件は私は変えていい問題があるのじやないか。だから画一的に私は一つの条件で以て家を建てる方式を推進しても私はやはりそれに乗れない階層がある。然らば先ほど田中委員の言うように、じや国営でやれ、やる意思はあるか、こういうすぐ何というか、何段飛びかの議論であつて、これは一つのイデオロギーの問題もありますから、私はそれについては言わないのですけれども、私は一つの住宅政策の推進というか、建設促進という場合において、対象とする一つのそれぞれの階層、これに合つたところの、適合した条件を異にした政策を私はとつて然るべきである。一本になつてでも然るべきである。例えば私は余りそのほうは詳しくないのですが、若し住宅の金融公庫の問題にいたしましても、一つの条件、土地があるか、頭金があるか、とにかくごの単純な条件の下にひとしく貸出しをおやりになるわけです。でありますから人或いは曰く、あれを借りられるだけの人というものはとても裕福だ、二軒の家を建ててもいいような人たちが今借りておるなどと言つて、悪口を言うやつがおる。私もやはりそんなような点から見ても各階層、或る程度の階層を別にそれぞれ住宅補助をするとすれば、その補助政策が異つて然るべきである。その異つた政策を持ちながら一つの窓口でおやりになる、そうして総合されて全体の住宅の復興促進をなさる、私はこういうふうに行くという考えがあつて然るべきじやないかと思うのですが、この点は如何ですか。
  165. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。私の申上げましたのも、もつと詳しく説明申上げますならば、私はその厚生年金から来るのは特殊団体のあれであつて、そして福祉厚生という点から見ますならば一般ちよつと異つてもいいと思うのであります。いいと思うのでありまするが、今の課長説明申上げましたように、利子も変らず、ただ単に償還年限が木造と鉄筋が違う程度ではわざわざ窓口を二つにする必要はない。思い切つて、特殊団体の厚生年金を融通するのでありますから、非常に安い利子であるとか、何と申しますか、多少田中先生あたりから叱られても、国の一般住宅政策としてやるのと違つた趣旨がはつきり出ておるのでありますならば、これはこれで私は説明がつくと思うのです。併し今申しましたように、厚生年金の資金還元という美名の下に隠れて対象を同じにし、而もちよつと厚生省の所管に入るというだけのために、償還年限を二年や三年短くする程度、それを木造と鉄筋と表れしますとどつちが得かわからん。全く同じような条件で全く同じような階層を、資金還元の名前に隠れてやつて行くのでは、やはり三浦先生、田中先生非難のような行政が二元化になつて来るというような懸念が多分にありましたので、先ほど申上げたような次第であります。若し厚生年金を使うという趣旨が、はつきり国の住宅政策と分れまして、そして特殊の条件でやるならば、これも一つの行き方だと思います。
  166. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 私は今の、よその省がやつているとか、よその省がやつてないというのじやなくて、一元化するという建前のその考え方の中で、各層に、これは審査等に非常に面倒なことだと思います。思いますが、徒らにただ万遍なく補助を出すという目的ではないのですから、その審査上の非常な困難、運用上の困難もあろうけれども、いわゆる条件を変えても各層のものに適合するような、いわゆる融通条件といいますか、補助条件といいますかね、そういうものを幾種類かを作つておやりになるという考え方、従つて、例えば住宅金融公庫におかれましても、ただ単なる一つの方式でなく、すでにその中に雛型を出して階層の異る、殊に困る人たちに厚く、一般よりは更に厚くとか、何か違つた条件をむしろ出してその目的を達成するという、勿論枠というものの増大もありましようが、考える考え方というものはどうか、このことを申上げているのです。
  167. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。今私申しましたような厚生年金の還元に基く産業労務者住宅住宅政策の一環としての産業労務者住宅につきまして私ども考えを申上げましたことを理論的に敷衍して参りますならば、私は住宅公庫の資金融通方式につきましても、対象の異なるに従つて貸付の条件に違つたものも考え得ると思います。ただ現段階におきましては、御承知通りまだ資金の枠も大して、ございません。あの条件でさえも何十人に一人というような場合もあるというふうに聞いておりますので、これは漸次やはり資金源の増加と共に、いわば住宅政策が各方面に行き亘るように直して行かなければならん問題が、今の段階におきましてはそういうふうにすることが、却つて、何と申しますか、不公平な結論になるような気もいたしますので、もう少し研究してみなければ、住宅金融公庫の融通条件において対象を違わして、別枠を設けてやつて行くというような問題につきましては、もう少し時日と研究が要るのではないかというような気もするのであります。併し理論的には三浦先生の言葉のように、同じ住宅政策につきましても、階層の異るに従つて利子も違えば貸付条件も違うような、痒い所に手の届くような政策があつて然るべきだというふうな気もいたします。
  168. 田中一

    田中一君 今の問題は少くとも条件だけは同じものにして努力して頂きたい。これ以上言つてもしようがないから、これはこれでやめます。  では別の問題ですけれども、本国会に提出されておる不動産取得税のうち、さつき石井君もちよつと触れたと思うのですが、固定資産税ですか、建築費一戸当り百万円以下は非課税、それから土地が六十万円までは非課税と、これを私、この趣旨が今日の政府の、大分我々の考え方に近付いて来たことは非常に欣快だと思うのです。併しこの一戸当り百万円というものだけを対象に、金を対象にものを考える政治というものは、これはあなた方の政治であつて、我々そう考えてないのです。私こういうことを考えているのです。非常に各個人の負担も多くなりますが、まあ自分の家を、百万円くらいの家を持てるのは、今のところは庶民かも知れませんが、この額をもつと上げてほしいということが一つ。これはあなた方は上げやしません、上げないならば、一応これを了承するならば、少くとも構造体に対しては課税をしてはならないという考え方を持つてもらえばいいと思うのです。主体構造、例えば鉄筋の家を作る、そうすると、商業建築も出ておりますが、住宅は全部非課税にする、一般建築物に対しては、商業建築物に対しては、少くとも都市の不燃化、国の富というものを守る意味において、不燃建築である限り、主体構造ですね、これに対しては全部非課税にする。従つて若し仮にあれを、タイルを張るとか、この部分に対しては税金をとる、高率課税にする。そうして仮に千坪の建築を作るなり不燃建築なりは、その構造体に対しては非課税、造作とか或いは外装とか内装とか、そういうものに対しては高率課税にするというような考え方を私は持つておるのです。これに対しては南政務次官ばかりじやなく、鎌田課長にも伺いたいと思うのです。こういう考え方を以て地方税の改正をしたらどうかという意見を持つておるのですが、それに対する御見解どうですか。
  169. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。この不動産取得税と申しますものを今度地方税の中に新設することにつきまして事前に連絡がありました際には、率直に隠さず申上げますと、私もこの不動産取得税そのものは余り好んでおらなかつた。自治庁の説明によりますと、戦争前にはこういうものがあつたそうでありますが、非常に地方税としてはいい財源だつたというお話でございましたが、一遍やめておることでもありますし、又住宅難で非常に困つておる時期で、どちらにいたしましても、家屋にいたしましても税金をかけてまで邪魔をするような、折角国が補助金を出して住宅を建てることを奨励しているにもかかわらず、大きいにしろ小さいにしろ不動産取得について税金をかけるというようなことは好ましくないというので、大分抵抗したのであります。併し何と申しますか、地方財政が非常に困つておるので、百万円以上とか或いは六十万円以上とかいうような金が出せるという階級については、いいいわゆる財源になるのだという考え方を自治庁のほうはどうしても変えないのです。そこでまあ何と申しまするか、ここの調整とでも申しましようか、建設省の考えておりまするようなことの考え方をできるだけ現わしてもらうように事務当局も私たちも折衝いたしまして、最後の結論は私まだ聞いておらんのでありますが、大分直してもらつたようでございます。併し根本の考え方は、私は不動産取得などには税金を課すべきではないという個人的な考え方は今でも変えておらんのであります。こんなに住宅難で国が相当の金を出していろいろ施設もしている際に、金があるから税金を取るのだという考え方はどうも私には納得できないのでありますが、半面におきまして地方財政が非常に困つているのだというような点を考えて見ますると、どこかで妥協をしなければならん。その妥協点をできるだけ建設省住宅政策の遂行に邪魔にならんように事務当局にも検討させまして、目下まだ交渉中のよし聞いておるのであります。
  170. 田中一

    田中一君 私が言つているのは、私は取つていい、そう思つているのです。自己資金で建てられる、少くとも二百万近い金を持つている人は、これは取つていいです。これはイデオロギーの違いですから、あえて言いませんけれども、ただ都市の不燃化、いわゆる国の富、個人の富も国の富です。従つてそれが商業建築の場合でも、耐火構造であるならば、その耐火構造の骨組に対しては非課税にするというような措置くらいはとつて欲しいと思うのです。私の言うのは、これは人間の米と同じであつて、金があるからといつて何もよくもできないのです。この構造体というものは特別によくもできないのです。やはり金持も貧乏人もそれは同じように食わなければならないのです。併しながら着物だけはこれはいろいろ変えられるのです。現に東京駅前の新丸ビルが、あれは坪単価がたしか四十万円かかつている或いは六十万円かかつている。そういう部屋もあるのです。併しながらその衣を全部取つてしまつて構造体になりますと、坪八万円の家も坪四十万円の家も同じような骨組なんです。従つて都市の不燃化というものを進めて行き、且つ資源の状態というものは、例えば木材はこのままで行けば、私が言うまでもなく枯渇します。パルプに使つたり燃料に使つたりすれば枯渇します。そうすると唯一の民族産業として残つておるところのセメントの資源だけは十分にありますから、これを以て建てる。そうしてこの部分に対してだけは非課税にするという考え方です。これはどういう比率になりますか、鎌田課長に一遍伺いたいと思います。どういう比率になつて、課税する場合にその率はどういうことになるか、ちよつと説明して欲しいと思います。
  171. 鎌田隆男

    説明員(鎌田隆男君) 只今田中委員のお話のような計算をする一つの方法としましては、耐火構造木造との差額というようなものを考えまして、そういうものの一部を、その半分ですか、そういうものを非課税にするというような方法も考えられるかと思います。そういうふうに考えてみますと、坪当り今のところ耐火建築住宅で考えております差額といいますと二万円、そういうような計算は可能であろうと考えております。
  172. 田中一

    田中一君 この課税方針が私詳しくわからないのですが、今の丸ビルが坪四十万円かかつておる。これに対しては四十万円に対する課税でなくて、恐らくやはり一戸当りの……どういう基準で課税をするか、或いは外装も何もないアパート作造る場合、これは七、八万円でできます。この課税はどういう工合に課税するか。私はこういう場合にどうも月をつぶつて、ただコンクリートの耐火構造一戸幾らというような課税をしているのじやないかと思うのです。これは甚だ日本の耐火促進という面から見まして非常に危険なことじやないかと思う。片方同じ構造体でありながら四十万円、これはお化粧にかかつている。骨組だけは商業建築であろうとなかろうと課税をしない、化粧に対して、奢侈品に対して課税をしようという考え方を持つたらどうか。私の言つているのはこういうことなんだ。これは当然課税するについては建設省の意見も恐らく聞かれると思うのですが、そういうような意見は出ておりませんですか。
  173. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お説の通りです。鉄筋につきましては成るべく、御承知のように不燃化建築物の助成までやつておるのでありますから、かけたくないというのでいろいろ交渉をしたのでありますが、今田中先生も言われたように、新丸ビルのようなものに税金をかけないというのもおかしなものでありまして、今の段階では何でも建物の標準価格が五百万ということになれば、百万円だけを引いて残りの四百万円について税金をかける。贅沢な建物は金額が余計になりますから余計かける、こういう考え方で自治庁はあるようです。でまだ鉄筋についての、これはイデオロギーも何も外しまして、鉄筋を促進するために、たとえそれが商業建築物であつても税金を安くするようにという考え方は、私は社会主義的な考え方でなくてもできると思うのであります。そういうような場合における細かい点をまで自治庁は掘り進めておらんようであります。
  174. 田中一

    田中一君 先ほど木村営繕局長伺つておいたのですが、これは南政務次官も答弁の相手方として曾つて我々の委員会に出られて、北海道防寒住宅建設促進法案、あれを審議した場合に、あなたはこういうことを言つているのです。これは私、小笠原君、赤木君、三浦君などがこもごも質疑をやつたのですが、少くともあの法律は強制法であるというのですね、国家融資を受けるところの住宅というものは全部耐火建築にしなければならないと、こう言つているのです。この問題はいいのです。その場合あなたもそう言つています。じやあ北海道に国が立てる場合にも必ずやるかという質問に対して、あなたはこう言つておるのです。「この法案は建設省所管のものについてのお話でございます。国と申しますとこれは建設省ばかりではございません。農林省その他いろいろあるそうでございます。そういう場合に、これは政府全体として考えなければならんことでありまするから、こういう趣旨の法律ができますれば、各省に諮つてみるつもりではありまするが、二十八年度のそれらの省から出ておりまする予算が、私たちの考えておりまするように、建設省ではどういうようになつておるかどうかは今ちよつと判明しておりませんので、後刻調べて御返事いたしますが、若しそれが全部建設省の考えているような少くとも簡易耐火構造のようになつておりますれば、国の関係だけにおいては直して頂いても、先ほど赤木さんの御質問があつたように、二十八年度につきましては別に国として差支えないということは言い得るのでありますから、各省から出ております予算が、少くとも建設省同様に簡易耐火構造以上のそういう予算請求をし、これが財務当局に認められておるかどうかは、まだ私たちのほうで判明しておりませんので、後ほど調べてお返事申上げます。」と言つたままあなたはお返事をなさらない。返事をしないので私は一人頑張つて通してしまつた。そこでこういう問題をあなたに申上げるのは、今木村局長からの説明を聞きますと、本年度営繕費のうち二〇%は木造だというので、私は少くとも日本の官庁営繕は不燃でなければならんということを再三再四申上げておるのです。北海道防寒住宅促進法に基いてあなたはこういう答弁をしておりますが、不幸にして二〇%のうちの事例を挙げろということを申上げたときに妙な事例を挙げたので、非常に木村さんに怒られると思うのですが、北海道に森という町があります。森という町に国警の出張所、地区署を建てるのにこれは木造という御説明なんです。これは以てのほかだ、重要な問題だ。北海道におけるところの住宅ですらああいう単行法を出して、北海道は特殊な地帯であるから耐火建築にしなければならん、耐火構造にしなければならんということを強弁してあれは議員提出の法律でありましたが、私は大賛成なんです。そのときあれに関連してそういう答弁をしております。お返事は受取りませんが、あえて国警がやる庁舎が木造であつていいとは理由にならんと思うのです。曾つて私はこの保安庁が、元の警察予備隊が北海道に建てる兵舎を、突貫工事の兵舎を全部木造でする。そのときに経理局長以下みんな集めまして、呼びまして質疑をしました。とんでもない、全部鉄筋にしておくべきだと主張を強くしまして、幸い大蔵当局が反省をしまして、全部鉄筋にして現に進行しております。これが北海道の実情です。にかかわらず国警の森の出張所か何かの庁舎が木造計画されるということはこれは以てのほかです。あなたははつきりした言明はしておりませんが、併しながら我々の意見、我々の希望に対してはその通りでございますというのは、私は今あなたの気持で以て私がそう解釈するのも当然だと思うのです。政務次官も恐らく当時の心境は、成るほど北海道における国が建てるものは耐火構造でなければならんという気持を以て答弁されておつたのです。それで我々は当時了解したのです。ところがあなたはとても答弁が上手なものだから、結論は出ておりませんが、少くとも今木村君から聞いたところの森の国警の庁舎、これは木造でやつてはならんのです。私はこの問題はこれつばかりの質疑ではとどめません。大蔵当局も呼び、国警も呼んで追及いたします。これについて政務次官の御答弁を願います。
  175. 南好雄

    政府委員(南好雄君) お答え申上げます。  私予算分科会に出席しておりましたために遅れまして途中で入つて参りましたので、どういう行きがかりの上からそういうような話になつたのか、詳細詳らかにしておらんのでありますが、今田中先生の御質問のように、国が一般の人たちに法律を、これが政府提出であろうが議員提出であろうが、同じでありますが、そういう法律ができた以上は、国が自身の金でやる以上は、その法律の趣旨を体してやるべきものかどうか、こういう御質問のように私拝承したのであります。そういう御質問でありますならば、私はそれは所管が違つておりましても、一つの法律がちぐはぐに適用されることもどうかと思います。それは国警のほうで木造よりも確かに耐火、少くとも耐寒、耐火のほうが結構なんでありまするから、そういうようなことをすべきものと私は考えております。ただそのときにもお返事申上げましたように、予算請求の際におきましては、何と申しまするか、大蔵省というものがあつて強い査定をしておりまする関係から、或いはひよつとして国警のほうで耐火、耐震のものを要求しても、そういうところはそういうものは要らんといつて木造に査定したかも知れない。その間のことは私まだよく知らないのでございますが、若しそういうことで国警も止むを得んといつて認めたのだとすると、これはちよつと今更どうにもならん、そのときも申上げましたように、そういう趣旨のように我々も勧奨するし、又財務当局にも話をして置くということを申上げて、財務当局が承知すればということを申上げておるはずでありますが、どうも何と申しますか、その間のことは私もよくわかりませんのですが、調べて見なきやちよつとはつきりしたお答えを申上げられませんけれども、気持の上におきましては、国民に強制するのであります。ましていわんや国みずからやるときにおいてはこれは当然その法律の趣旨を尊重してすべきもの、こういうふうに考えております。
  176. 田中一

    田中一君 いま一点。予算が出たからこの予算を変更できないのはよくわかりましするのであえて言いませんが、併しながらこういう事例はあるのです。現に当時の北海道の警察予備隊の庁舎全部を、木造を鉄筋に切替えたことがある。私この委員会へ大蔵省経理局長を呼んで追及して変更しました。それか以最近では私の地元の三宿に保安隊の住宅ができるんです。約百何十戸できるのです。これも私が強く要求しました、個人的に。なぜ木造にするのか、それで追及したところが、これも聞いてみますと、大蔵省が了解しまして鉄筋に変更になつたという事実がございます、つい最近。従つてまあ予算の組替え、修正は到底お呑みになれないのが実情でございますから、少くとも政務次官が、あなた自身が発言なすつて、政務次官会議で、この委員会で以てこういうものを突込まれた、これを率先して何とか予算措置を考えて、これは不燃建築耐火建築にしようじやないかというようなイニシアチーブをとつて頂きたいと思う。これはよそのことじやありません。木村局長にはそれは言えんでしようから、あなた自身が一つお考え願いたい。そうしなければ、国民に強要しておいて、国は我々の目に着かなければそのままやつているということになるのです。なおこの本国会も長いから、或る時期には国警並びに経理局長を呼びまして、その問題は私からも強く要求いたします。これは一つ御了承願いたいと思います。
  177. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 技術的な点がありますので、私から代つて答弁させて頂きたいと思いますが、予算技術から申しますと、官庁営繕費七億六千三百余万円の項の中に目がずつと入つております。その中の目の一つに国家地方警察地区署庁舎ほか新営費三千七百余万円、これでやるわけでありまして、経理の都合がつきますれば、先刻来お話がありました通り設計木造にやつておりましても実行上は不燃建築に切換えるということはできない相談ではなかろうかと思います。ただまあそのために保安隊の経費のように大きいものでございますと、全体がいろいろ都合もつけやすいのでございますが、それとこれと一律には行かんかも知れません。よくお話の趣旨でありましたので、事務的にも折衝してみたい、かように考えています。
  178. 田中一

    田中一君 まだあるけれども今日はやめておきます。
  179. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 本日はこの程度にいたしまして、次回の予定は、今までの調査を整理いたしました上、理事会にお諮りいたして、成案を得て委員会の御了承を得たいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  180. 深川タマヱ

    委員長深川タマヱ君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十一分散会