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1954-11-29 第19回国会 参議院 建設委員会 閉会後第11号 公式Web版

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  1. 理事の補欠選任の件 ○建設業法の一部を改正する法律案 (会議録情報)

    昭和二十九年十一月二十九日(月曜 日)    午前十一時二分開会   —————————————   委員異動 十一月十日委員小笠原二三男辞任に つき、その補欠として高田なほ子君を 議長において指名した。 十一月十一日委員高田なほ子辞任に つき、その補欠として清澤俊英君を議 長において指名した。 十一月十二日委員清澤俊英辞任につ き、その補欠として高田なほ子君を議 長において指名した。 十一月十三日委員高田なほ子辞任に つき、その補欠として小笠原二三男君 を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀木 鎌三君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            小沢久太郎君            鹿島守之助君            木下 源吾君            近藤 信一君            田中  一君           小笠原二三男君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設政務次官  荒舩清十郎君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省計画局長 渋江 操一君    建設省河川局長 米田 正文君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○建設業法の一部を改正する法律案  (田中一君外二十五名発議) ○建設行政に関する調査の件  (災害に関する件)  (報告書に関する件)   —————————————
  2. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 只今から建設委員会を開会いたします。  先ず理事補欠選挙を行いたいと存じます。先般石川君の委員辞任に伴いまして、理事が一名欠員になつておりますが、この互選方法は如何いたしたらよろしゆうございますか。
  3. 田中一君(田中一)

    田中一君 従来の慣行通り互選手続経ずして、委員長に一任、指名されんことの動議を提出いたします。
  4. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 田中君の動議に御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  6. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 速記を始めて。それでは私から、石川榮一君を理事に指名いたします。   —————————————
  7. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 次に建設業法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、未だ審査を完了するに至つておりませんが、参議院規則第五十五条によりまして、審査報告書を提出することになつておりますので、これを提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 田中一君(田中一)

    田中一君 異議ありませんですが、どういうことになるのですか。審査を終了しようというつもりですか。それとも、臨時国会に持ち越したいという委員長の含みなのですか。
  9. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) それは皆さんにお諮りして、きめて参りたいと思つておるのでありますが、取りあえず今日のところは、報告書提出義務があるものですから、一応報告書を提出したい、こういうことだけをお諮りいたしたいと思います。
  10. 田中一君(田中一)

    田中一君 了承いたしました。
  11. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) それではさよう決定いたします。  報告書内容等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) それではさよう決定いたしました。  委員長の提出する報告書には多数意見者署名を付することになつておりますので、御署名を願います。   多数意見者署名     石井  桂  石川 榮一     三浦 辰雄  石坂 豊一     小沢久太郎  鹿島守之助     木下 源吾  近藤 信一     田中一   小笠原二三男   —————————————
  13. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 次に災害に関する件、かねて公報で御通知してございますが、これに関連して議題に供します。先ず建設省から報告を聴取することにいたしたいと思います。
  14. 田中一君(田中一)

    田中一君 何ですか、はつきりしないのですが。
  15. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 過般の災害に関しまして、建設省進捗程度及び大体決定した最近の方針を承わつて、それを議題に供したいと思います。
  16. 田中一君(田中一)

    田中一君 その前に伺いたいのは、先般来小澤建設大臣は、本年度災害については補正予算を組む必要がないということを、再三言明しているのです。従つて若しも、持たれますところの三十日以後の臨時国会において、何をするのか。少くとも私は、小澤建設大臣が良心的な人ならば、少くともその事前にもはやすべての手を打つていると思うのです。そこで小澤建設大臣出席を求めます。
  17. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 田中委員にお諮りいたします。もう臨時国会もすぐ始まることであるし、不幸にして今日建設大臣は東京にいないのです。それで今日御出席方々からその点をお聞きするのは如何かと思いますので、臨時国会に入つてから建設大臣から聴取するのがいいんじやなかろうか、こう考えますが、如何でございましようか。
  18. 田中一君(田中一)

    田中一君 今まで建設大臣と、我々のこの調査案件として災害対策に関する意見が、審議を交しておりますが、その方針が若し変つたというならば変つたように、今政務次官も見えておりますから、はつきりして頂きたい。又明日から持たれる臨時国会で、どういう考えを以て災害に対処するか。今委員長がおつしやつたように、従来、今までの間にどういう経緯で来たのか。或いは明日からの臨時国会でどういう補正予算を、新聞紙上で見ると補正予算を組むと言つていますから、どういうものを考えているかということから伺いたいと思います。
  19. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) それでは建設省当局から、田中委員の御質問に対する答弁を兼ねて、災害関係についての最近までの経過を御報告願います。
  20. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) 二十九年度災害につきましては、かねてから当委員会にも大体のところはすでに御報告いたしておるわけでございますが、公共土木施設並びに都市災害に関しましては、被害額として、今日までに約五百億の被害報告が参つております。このほかに、住宅に関しましても後ほど御報告いたしたいと思いますが、先ず土木に関してだけ申しますと、約五百億の被害報告が参つております。これは目下査定中でありまして、的確な被害額はまだつかめておりませんが、従来の経験に徴しますと、この五百億の被害報告額を査定した結果は、恐らく三百六十億見当の数字になるのではないかと考えております。こういう状況でありますので、今日召集になつております臨時国会に、所要補正予算を提出すべく、目下準備中でございます。今度の提出予定建設省関係補正予算は、大体この災害復旧に要する経費を計上することが主な内容になつておりますが、これに関連しまして、その他の経費につきましても若干の異動予定しておりますので、大体の考え方を申上げたいと思います。  先ず公共土木施設災害復旧並びに都市災害復旧につきましては、初年度たる二十九年中に約その全被害の二割五分見当、少くとも二割五分程度は本年度中にこれを復旧したい。これに要する経費を計上することが先ず第一であります。それから住宅につきましては、公営住宅建設でありますが、これは法律に基きます被害戸数の三割に相当する戸数を、昭和二十九年度と三十年度にこれを折半しまして、これを建設する。これに要する経費を計上する。これらのために相当の経費を要します関係もあり、すでに成立しております当初予算のうち、公共事業関係につきましては、おおむね七%程度補正減考えるということが先ず第一であります。更に今回の補正予算におきましては、最近の労働情勢に鑑みまして、新たに緊急失業対策事業というようなものを公共事業費の中に組みまして、都市及びその周辺、並びに炭鉱地帯等のいわゆる失業者救済に充てる。これにつきましては、従来からありますところの労働省所管失業対策事業とは若干考え方を変えまして、建設的事業であり、同時に失業救済の目的も達成する、こういうような狙いから、そういう経費を新たに要求するというようなことにいたしております。  まあ大体の考え方はそういうことでありますが、なお詳しい点につきましては、御質問によりまして御説明申上げたいと思います。
  21. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 建設省のほうに申上げますが、今田中さんの御質問は、これはあなたがたからは御無理かと思うのだけれども建設大臣はしばしば、補正予算を組まないという考え方答弁して来られた。にも拘わらず、補正予算を組むことになつた。その間の経緯について、建設省考え方を聞きたいとこういうのが……田中さん、そうでございましよう。
  22. 田中一君(田中一)

    田中一君 その通りです。
  23. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) その点にお触れになつていないのですが、如何でしようか。説明が今日できないとすれば、大臣が来られてからにしても……。
  24. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) 大臣がどういう気持で御答弁申上げましたか、私には約確には掴めませんけれども被害のまとまりますのが、やはり順を逐うて参つております関係上、而もその報告が来るたびに被害額がだんだん殖えておるという点につきましては、当時大臣が御答弁申上げたときと、今日の情勢は若干変つておると思います。私先ほど二十九年度は、全被害のうち少くとも二割五分見当復旧する予算を要求するつもりだと申上げましたが、これは国費に直しますと約六十一億程度になるのでございまして、御承知通り、本年度当初予算に組んでおりますところの予備費は八十億、それに当然補正される予定でありましたところの五十億を加えますと、百三十億になるわけでございますが、実はその中で一般予備費該当分が三十億あると仮にいたしますと、まあ百億災害分として残るわけであります。大臣はどういう考えで御答弁申上げましたかわかりませんけれども被害額は、大臣が申上げた当時から、或いはその後殖えておるのじやないかとも思いますし、又もう一歩建設省でやりたいと思つておる公共土木都市災害所要金額は六十一億というようなことになつておりますので、建設省に関する限りは、当初の予備費八十億に五十億足せば、大体それ以上の補正がなくても、当時はできると考えておつたのじやないかと思われるのでございます。恐らく建設大臣としては、ほかの省のこともよくわからなかつたでありましようし、又被害額はその後或いは殖えておるというような関係もありましようし、まあそういう点で、要らないというようなことを見通しておつたのじやないかと思いますが、やはり災害建設省だけの関係だけでもありませんし、補正予算を組むことになつた。まあこういうのが実情だろうと、私は考えております。
  25. 田中一君(田中一)

    田中一君 まあいいですわ、もう……。ほかのかたに質問があるかないか知らんですが、恐らくないのじやないかと思うのですがね。私専門員を通じてお願いしておいた、建設大臣はいいですが、大蔵大臣或いは大蔵省所管政府委員、並びに自治庁所管大臣及び政府委員出席願つてつたのですが、それはどうなつておりますか。
  26. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 田中委員に申上げます。非常に努力をしておるのですが、各方面とも、明日に臨時国会を控えているものですから、関係各省との交渉その他で今日集まれないので、甚だ申訳ないと思いますが、まあ国会でも開かれましたら、そういうことのないように心掛けたいと思います。
  27. 田中一君(田中一)

    田中一君 それじや一つ河川局長官房長並び建設省方々に、それに関連する問題を質問して、よろしゆうございますか。
  28. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) どうぞ。
  29. 田中一君(田中一)

    田中一君 先般三重県、愛知県、静岡県の一部を含む海岸堤防を、建設省が両県から委託を受けて、今月の二十何日にその記念式があるということの御通知を得ましたので、私も遅ればせながら伺つてみました。そうすると、大体一部の請負人を除いて、非常に努力してくれた、よくやつてくれたというので、表彰状かなにか出しておられたのは、非常に結構と思います。併しながら、この工事を紙一枚で、頬被りして、金を払つてないという現状を見て、非常に驚いたわけなんです。約二十二、三億程度のものがまだ未払いである。殊にこれは無論国の補助金が両県に渡されて、その範囲内における自分のほうでできない仕事の面を、建設省に委託したという形になつておりますから、支払い義務者愛知県、三重県には間違いございません。併しながら、建設省設置法を変えてまで、この事業本年度一ぱいにしなければならないというので、海岸堤防部を設け事業を推進して来た経緯から見ましても、一半の責任建設省にあるということも言えると思うのです。殊に政府でも関連工事費約三億程度のものがまだ交付してないということも調べられてあるのですが、この国が未交付の三億程度のものですね、これ一体いつ両県に交付するようなつもりでおるのか、先ず第一に伺いたいのです。
  30. 説明員(米田正文君)(米田正文)

    説明員米田正文君) 今の関連事業費というのは、実は両県に対して国費で三億五千万を配付することにして、すでに事務的には処置を済ませました。これは二分の一の補助でございますから、これは七億になる性質のものであります。そこで七億に対する措置は、あとの二分の一は起債によるものであつて、これは県が自治庁折衝いたしております。それと三億五千万というこちらから配付をいたしました予算については、これは支払予算がまだ現地に届いていないという事情でございます。これは配付した予算については早急に渡るように折衝いたしておりますが、全体として国の現金資金の面からの毎月の割当を、大蔵省はきめて行つて現地に渡しております。大体各月に平均をして配付するようになつておりますけれども、こういう特別のものは特別の措置として、早く現地資金が渡るように、極力折衝いたしておる状態でございます。
  31. 田中一君(田中一)

    田中一君 極力折衝は当然でしようけれども、いつ頃渡るんです。
  32. 説明員(米田正文君)(米田正文)

    説明員米田正文君) 私のほうとしては、今月中に渡るようにというつもりでおりましたけれども、延びても来月には一つ是非、もう暮れでございますから、渡るように更に努力するつもりでおります。
  33. 田中一君(田中一)

    田中一君 現地行つてみますと、もう倒産の一歩手前に瀕しているような業者もあるんです。少くともデフレ政策下において、殊に年末中小企業に対するしわ寄せというものも相当来ております。これはなかなかつらいと思うんです。二十億の金が少くとも見通しの付かない状態にあるということは、単に愛知県、三重県の責任じやないです。これは国の責任です。その関係で以て自治庁長官にも来てもらいたい、又大蔵省考え方も聞きたいと思つたんですが、まあ請負人業者がつぶれる場合には商売で止むを得ないこともあるかも知れませんが、併しながら末端労働者というものはこれが生活費なんです。こういうものまで交付されないということになりますと、これは社会問題になるだろうと思います。私は若し十二月までにこれができなければ、これは三重県、愛知県に行つて大挙労働者を引つばつて県庁を襲撃しなければならんと思うんです。それくらい重大な問題なんです。そうして口では直ちに、この仕事は金が十分あるんだ……。私は戸塚建設大臣にも、再三再四聞いている。財源があるのか、金が出るのか、そういう冒険をやつても金が払えるのかということを、海岸堤防部設置法の場合には懇々追及しておるんですが、必らずできるということを言つておる。これは河川局長はつきり言つたはずです。官房長はつきり言つているはずです。そうしていながら、十二月になつていながら、しわ寄せ二十億というものが焦げつく。そうして三重県の青木知事に聞いてみても、とんでもありません、血も出ませんと。これは悪政の最大なるものです。最後悪政しわ寄せというものは、ここへ来ているんですね。私はこれは全建にお願いして、全国で公共土木その他の関連する事業が、本年末にどのくらいの未払いになつておるか知りたいと思いまして、今調査をそちらでお願いしております。少くともこの二県に跨がるものに対しては、どういう責任を感じられるか。これも官房長政務次官もおられるんですから、政務次官一つはつきりと、性根を据えて、答弁して頂きたいと思います。今日言つてもらわないと、近々あなたが答弁する機会がなくなるといけないですから、一つ答弁して頂きたい。
  34. 説明員(荒舩清十郎君)(荒舩清十郎)

    説明員荒舩清十郎君) この仕越工事分につきましては、三重県、愛知県のみでございません。この問題につきまして補正予算折衝に当りまして、速かにこれが解決できますように、大蔵省とも折衝いたしました。併し御承知のような誠に緊縮予算でありまして、何ともやり繰りが困難な状況にあるようでございます。従いまして大蔵省といたしましては、この仕越工事分につきましては融資によつて速かに解決したい、こういう発言をしておりますんですが、それならいつ仕越工事分に対して解決をするかということで折衝いたしましたが、未だにいつ何億円出すという回答に至つておりません。ただ私ども傍観しているわけに行きませんので、毎日この折衝に当つておるのでございます。誠に金額はつきり明示できないというような点につきましては、遺憾でございますが、速かに融資によつてこの解決をするべく、努力中でございます。
  35. 田中一君(田中一)

    田中一君 建設省にこれ以上押しても、仕様がないのだがね。それで今のまあ内閣がかわるかわかりませんから、今答弁の原因を作つた方々のいるうちに、この締括りを、質問によつてして行きたいと思つたのです。答弁できなければ止むを得ませんけれども、併しこれはどう考えましても、こういうことはあり得ないのですね。悪政の最大なものです。騙し、ごまかし、権力でおどしつけてですよ、愛知県、三重県下で以て二十億の金が焦げついているなんということは、考えられないのですよ。それで建設省はどうです、もう一歩進んで、あなたのほうで大蔵省並びに自治庁とも相談して強力な手を打つということを、何らかの方法で強力な手を打つということを、はつきりと明言できませんか。これは政務次官ばかり責めるのじやないのですよ。担当の各局長が、金さえ渡せば俺の責任じやないのだということじやなく、今度の問題は、建設省海岸堤防部の連中がすぐ払う、すぐ払うといつて、偏してやつたことなんです。下手人建設省なんですよ。やはり河川局なんですよ。これは本当に冗談じやなく、河川局でもどんな対策を持つているか、あなたの官職を賭してやつてもいいところなんです。本年度払わなければ、どうなるか……。
  36. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) お答えいたします。先ほど来、海岸堤防復旧工事について所要予算は十分であるということを、官房長も明言したとおつしやいますけれども、そういう事実はありません。そのことははつきりお答えしておきます。それからなお犯人とか下手人というお言葉がありましたが、私はこのお言葉については了解いたしかねます。ただ海岸堤防をあの程度復旧する必要があつたことは、まさに建設省としてはその必要があつたものと、かように考えております。両県知事が、政府において十分の予算措置もしないのによくあれだけやつてくれたという点につきましては、非常な敬意と感謝を払つております。従いまして政府といたしましては、先ほどのお言葉通り下手人とか犯人とは考えておりませんけれども政府責任においてこれを解決すると、少くとも我々はさように考えております。御了承願います。
  37. 田中一君(田中一)

    田中一君 支払い責任政府じやないのですよ。これはよくわかつております。併しながら担当海岸堤防部の部長の中島君に聞きましても、私たちは、金を払つてくれるというから、嫌がる請負人ひつぱたいてやらしたというのです。嫌がつているというのです。それをひつぱたいてやらしたというのです。ところが、金が取れないからどうにもならんということを、言われているのです。それは官房長はいいでしよう。併し実際において自分がやらしたという、良心的な末端の職員は、自分たちが悪かつたと言つております。これは官房長はいいでしようけれども建設省末端の、命令して強圧してやらしたという人間、それで金も出んから払えないという責任は痛感しておるのです。あなたよりも、少くとも現場の諸君のほうが、痛烈にこの責任を痛感しております。  そこで今の河川局長に伺いたいのですが、先般委員会でも、委員会だか委員会外でしたか、まるで自分は今金の調達にばかり歩いているというような真情を吐露したことがあつたと思うのですが、あなたはこの問題解決にどのような今手を打つているか、これを御説明願いたいと思います。
  38. 説明員(米田正文君)(米田正文)

    説明員米田正文君) 先ほどから田中さんのお話がいろいろございますが、実は一番責任を感じておるのはやはり建設省でございます。最近の話でございません。もう仕事が始まつて以来この一年間、この問題については苦労し抜いて来ております。何だか責任がないような意味のお咎めがあると、私どもとしては非常に心外であります。  それじやどういうことをやつたかというお話でございますけれども、これは予算の出せるものは、予算で極力出しました。関連事業費を最近出した、ごときもその一つの現われでございまして、私どもは大部分不足の分は融資によるほかはないので、これは今年の初めから融資の問題を大蔵省とも何回かに亙つて折衝いたしております。最後には閣議にまでこの話は出して折衝いたしておるのであります。私どもとしては、今日融資事情が非常に苦しいことも承知をいたしておりますけれども、それはもう全体の問題であつて、少くとももうすでにできた支払いの問題を、而も年末を控えて、業者の非常な苦労に対して早く支払う必要があるということを実は痛感して、非常な苦労を今いたしております。どうか一つ、その苦労いたしておるということは御了承の上で、いろいろ御質問をお願い申上げたいと思います。
  39. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 鹿島さん、関連してだと思いますから……。
  40. 鹿島守之助君(鹿島守之助)

    鹿島守之助君 ちよつと、三重愛知県の請負人につきましては、土木工業協会が、私は土木工業協会会長をしておるのですが、斡旋いたしましたので、その今田中さんが嫌がる請負人ひつぱたいたということでございますが、そんなことはありません。皆自由意思でやりました。誤解ないように。請負うときには、金は払つてもらえるということを思つていましたが、払つてもらえないので困つていることは事実でございますから、どうかできるだけ一つ、支払うようにお願いいたしたい。これだけ申しておきます。
  41. 田中一君(田中一)

    田中一君 鹿島さんのところは金がたくさんあるからいいでしようけれども、地元における小さい請負人は、破産の一歩に瀕しているものもあるのです。鹿島さんのところは、三十億も四十億もあるでしようけれども……。
  42. 鹿島守之助君(鹿島守之助)

    鹿島守之助君 それは金は困つておりますが、嫌がる請負人ひつぱたいてやつた、これは事実に反します。自由意思的に契約したのですから……。
  43. 田中一君(田中一)

    田中一君 鹿島さんとは論議いたしませんが、この頃現地で調べて来ますと、まだ本年度にしなければならん仕事がある。金の見込がないから打ち切るということを、指令したということを言つているのです。初めの計画を打ち切るということは、又来年度出水期に大きな支障を来たすのではないかと思うのです。どの程度のものを打ち切つているのか、それを伺いたいと思います。
  44. 説明員(米田正文君)(米田正文)

    説明員米田正文君) 御承知のように、只今現地仕事いたしておりますのは、全壊及び半壊をいたした海岸堤防の区域をやつております。それを第一期と称しております。総額約百四十九億を予定いたしております。それに対して、最近までの大体の支払いを必要とするものが、百九億程度ございます。あと四十億というものは、早くまだやりたい部分になつております。そのうちもう本年度でやつて、来年度台風期までに処置をいたしたい分もございますけれども、今すぐにこれを進めるということは、すでに金詰りを来たしておる現状において、最も困難な現状におきましては、着手することは又資金難で更に一歩困難を加えるわけで、一時待たしておる事情であつて、これはこの資金解決次第に、次の問題として工事を進めたい。来年の台風期までにはそういう危険個所を一掃いたしたい、という方針の下にやつております。そういう実情でございまして、今やめているという地区は、今年内又多少の工事を進める予定でありましたけれども、今年度分は一時抑えておるという実情でございます。
  45. 田中一君(田中一)

    田中一君 私、今専門員に調べてもらつているのですが、たしか支払遅延している分に対しては一定の金利を払うというような法律案が通つたはずだと記憶しているのです。今の支払遅延防止法、従来ともに建設省所管のものでは、これを適用をしたことがございましたか。この法律を適用することがありましたか。
  46. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) 支払遅延防止法の適用の過去の実例でございますけれども、地方には或いはあつたかも知れませんけれども、私今日つまびらかにいたしておりませんが、あの法律によりますと、支払義務が発生してから何日間か経過してもなお政府が払わん場合には、この間の利息を、一定の利息を払うという規定になつておると思いますが、そういう事実がありますれば、勿論払わなければならん、将来の問題としてさように考えております。
  47. 田中一君(田中一)

    田中一君 今法律を探しておりますが、この内容は私よりもあなたのほうがよく知つているでしようけれども、どんなふうになつております。支払遅延ということの起るときは、いつになつております。
  48. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) 請負工事関係でございますと、先ず工事が竣工いたしますと、役所側でいわゆる竣工検査というものをすることになつております。竣工検査が済んだあとで、債権者のほうから役所に対して支払請求書が出るのでありますが、その支払請求書が到着したときが起算日になるものと、かように考えております。
  49. 田中一君(田中一)

    田中一君 そうしますと、今の途中で工事を中止した場合は、その中止命令が出たときから起算されるのですか。
  50. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) 工事の中止命令を出しますことと、それから役所のほうの債務の発生とは、まあ一応別問題でございまして、御質問の点は、工事の中止命令を出した、だからその間に工事をやつた分は、そこのその日のその時の出来方で竣工検査をして、請求書が出て来ればそれについて政府は支払う義務があるというお尋ねだと思いますが、まさにそうだと思います。
  51. 田中一君(田中一)

    田中一君 詳細は今調べておりますから、つまびらかにならないのですけれども、この今度の海岸堤防の問題、これが若し法律にある通りのケースで以てその時期が来ているとなつた場合でも、請負人は弱いものでして、今度お前そんなことをしようものなら指名しないぞと言つたら、まあ逃げちやうのです。今鹿島さんのように喜んで仕事をする人もいますし、いやいやながらも、金が欲しいけれども、今度お前そんなことをすると指名せんぞと言うと、大概逃げてしまうのですね。権利を放棄してしまうのですね。で、細かいいろいろなケースがあるか知りませんが、私は進んであなた方自身が、お前のほうの金利というものは当然払わなければならないのだから、国なら国、県なら県が払うのだから、市中銀行の金を借りてやつてくれということでもいい。長くなれば何ですよ、利益もくそもすつ飛んじやいますよ。そういうことをこの法律通り、請求させる意図があるかどうかの問題なんです。
  52. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) 先ほど愛知三重海岸堤防の仕越工事について、非常に御親切な御質問がありまして、私実は建設省官房長でございまして、建設業法所管しておるものといたしまして、誠に感謝に堪えないところであります。お話通り建設省といたしましては、あの工事によつて業者が不利益を蒙むるということにつきましては、非常な責任も感じ、又これが打開には努力しておるわけでありまして、先ほど来お答え申上げております通り、正式の予算措置でこれを解決することは今回は無理でありますけれども、年内には必らず政府において、融資その他の方法によつて業者のかたの迷惑を少くするように努力する固い決意を持つております。従いまして、お尋ねの支払遅延防止法の適用等につきましては、お話通り、出先の者などが間違いを起さんように、法律通り適用するように、又業者のかたに法律の許される範囲においてできるだけ親切にこの問題を取扱いたい、かように考えております。
  53. 田中一君(田中一)

    田中一君 そうすると、今の官房長お話は、支払遅延防止等に関する法律ですね、これを適用して、政府のほうから率先して、大変遅れて済まん、この法律によつてお前のほうでも請求してくれ、そうして法律を適用してこの所定の金利を払つてやるからというような、親切な意図を表明いたしますか。
  54. 説明員(石破二朗君)(石破二朗)

    説明員石破二朗君) 先ほどのお尋ねの際には、政府のほうがどうも圧力でもかけてこの法律の適用を成るべくないようにするというような虞れも、従来はあつたというようなことがありましたので、私のほうは、そういうことをしないようにできるだけ業者のかたに親切に事を扱いたい、かように申上げたのでありまして、この法律があるから必らずこれを請求せいとかなんとかいつて、私のほうから積極的にそういう措置をとるということは、まだそこまでは申上げておりませんが、御趣旨のあるところはよくわかりますので、この法律の適用について間違いのないように、出先機関をよく指導して参りたい、かように考えております。
  55. 田中一君(田中一)

    田中一君 これ以上官房長答弁せんと思いますが、これは少くとも、先ほど鹿島委員も言うように、自分のほうが喜んで協力してやつたというならば、土木工業協会という団体があつて、それが引受けたものだから、その団体のほうからこの法律通りの請求をすることは当然なんです、これは別の人格ですから。少くとも現地における群小の業者というものは、今後指名せんぞと、指名権の停止なんということを言われたら、参つちやう。少くとも河川局長は熱心に支払いの問題を考えておられるならば、若しそういう場合には、この法律を以てお前のほうに損をかけないようにするというような措置をとることが、当然だと思う。これ以上は官房長河川局長も何も言えんでしようけれども、私は当委員会としても、この点については、若し各委員の御同意が願えるならば、この問題について一つの何というか、決議をしてもいいと思うのです。
  56. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 田中委員にお諮りしますが、大変重大な問題だと思うのです。先ず第一に、あなた資料の提出を御要求さすつているようだし、当委員会としても資料の提出を要求して、それから次には関係省の意見をまとめて、建設大臣出席の上はつきりした処置をまとめて、この委員会に出るように要求したらどうかと思いますが、如何ですか。
  57. 田中一君(田中一)

    田中一君 結構です。委員長からそれを一つつて下さい。
  58. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) 皆さん、今田中委員にお諮りいたしましたこと、御同意願えましようか。御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) では荒舩政務次官に申上げますが、この次の建設委員会には、今いろいろな原因があるとは思うのですが、三・五・二というふうなものが一応考えられた経緯からも起つて来るだろうし、又現地の何と申しますか、大蔵大臣が事実繋ぎ融資という点から支払いには事欠かないようにすると言つた経過もあるわけでございます。それから今田中委員の見ていられました三重愛知海岸堤防のほかに、我々のほうで専門員を派遣して見てみますと、まあ方々にあるわけなんでございますね。ですから、建設省としてはそういう点で御心配になつているし、建設行政自身にも非常な大きい影響を及ぼす問題ですから、ひとり三重愛知海岸堤防のみならず、各方面にそういう現象が起つているのを御調査の上で、閣議で大体どういうふうにするか御決定して、それの上に立つた建設大臣の御答弁を是非お願いしたいと思います。この点は特に委員会の名において要求しておきますから、どうぞよろしく。
  60. 説明員(荒舩清十郎君)(荒舩清十郎)

  61. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) あと別段御質疑等がございませんならば、他の議題建設行政に関する調査について、この際お諮りいたしたいと思います。  本件につきましては、閉会中調査を続けて参りましたが、その内容は非常に広汎多岐に亙つておりますので、まだ調査を完了したとは言い難いのでございますが、参議院規則第五十五条によりまして、閉会中の調査未了報告書を提出いたすことになつておりますので、これを提出いたしたいと存じます。御異議はございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) それではさよう決定いたします。  報告書内容については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) それではさよう決定いたします。  委員長の提出する報告書には多数意見者署名を付することになつておりますので、御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     石井  桂  石川 榮一     三浦 辰雄  石坂 豊一     小沢久太郎  鹿島守之助     木下 源吾  近藤 信一    田中  一  小笠原二三男
  64. 委員長(堀木鎌三君)(堀木鎌三)

    委員長堀木鎌三君) それでは、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会