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政府委員(石破二朗君) 初めに
委員長の
お話になりました件のほかに、その前に
一つ私のほうから御
報告しておきたいという点があるのでありますが、昨年発生いたしました大災害に対して多くの特例法が制定
施行されたのでありますが、これには先ず特例法を適用するのには政令で
地域を指定することにな
つております。ところが
政府におきましては政令に全部の府県、市町村を書くというのも、これも技術的に問題がありますので、政令は更に告示に譲
つております。
その指定の状況を申上げておきたいと思いますが、これは
地方自治体でありまして、府県と市町村、こう分れておりますが、
建設省の
関係しております指定につきましては、府県のほうはすでに昨年中に二十三府県を指定を終
つております。今後これはもう殖える見込は目下のところありません。次に市町村の指定でございますが、私のほうのは、例の公共
施設の災害復旧費が当該
地方公共団体の標準税収を超えるところを指定するという
基準が
一つと、それから災害救助法による支出がその標準税収の百分の一を超えるというのを指定するという
二つの物差によ
つてや
つておるわけでございますが、市町村のほうにつきましては、すでに一月の二十九日に六百七十七の市町村の指定を終
つております。近く第二次分として千四十ばかりの市町村を第二次分として指定するつもりでございます。ただこれにつきましてはこれで尽きるわけじやありませんので、まだ
農林省の災害
報告などを待ちまして更に追加しなきやならん分が二百乃至五百くらいはあるだろうと思います。この
地域を指定しませんと特例法が適用になるかどうかわからん。自治庁で配ります特別
平衡交付金も配りようがない。例えば厚生省で簡易水道の特別の措置をしてやれることにな
つておるのですが、この指定がないとできないというので、非常に
地方には迷惑をかけておると思いますけれども、何分にも非常に多種多様に亘る災害復旧費を合計しなきやならんという
関係上、そういうことで遅れておるのです。誠に申訳ありませんが、できるだけ急いでや
つております。遅くとも二月末なり三月の十日頃には全部指定を終りたい、かように考えております。
次にお手許にお配りしております
資料について御
説明申上げます。二枚ありまして、初めに都道府県災害復旧
事業各
年度進捗状況調というのから御
説明申上げますが、これは二十三年から二十七年までに発生した公共土木
施設の災害復旧の状況であります。一番右の欄を見て頂きまして、二十八
年度という欄がございますが、その右のほうに進捗率というのを書いております。そこを見て頂きたいと思います。その一番上の二十三年発生災害につきましては二十八年で全部
事業を完了した、進捗率一〇〇%、二十四年発生災害につきましては七三%が完了する、二十五年発生災害につきましては五五%が完了する、二十六年災害は五二%、二二十七年災害もやはり五二%、結局これを総合計いたしますと六七%完了するつまり三三%が二十九
年度に持ち越される
事業に相成るわけであります。これに対しまして約七百億の
事業になるのでありますが、これに対しまして二十九
年度の
予算に計上しておりますのは、その註の欄に書いております
通り八十九億八千七百七十一万九千円であります。これでどれだけの復旧が二十九
年度中にできるかという問題でありますが、大蔵省の
予算の積算した
説明によりますと、残
事業の約三割がこの金額でできると、こういう計算であります。
建設省といたしましては、ちよつと
説明がなかつたと思いますけれども、若干違つた考えを持
つております。大蔵省がなぜ八十九億で三十%
程度できるかと言
つております一応の
説明を申上げながら、これについての
建設省の考えを申上げさせて頂きたいと思います。
大蔵省が八十九億を計上してそれで三〇%はできるんだ、こういう
説明を、私のほうで聞いておる
範囲で申上げてみますと、二十三年から二十七年までに発生した災害については先ずこういうことを考えているようです。二十三年発生災害の残
事業はもう今日までやらずにおられるというのは、大体それはもうネグレクトしてもよかろう、打切る、こういう
説明に相成
つておる。私のほうのは幸い二十三年発生災害は二十八
年度で完了しておりますから問題はありませんが、そういう考えのようです。それから二十四年発生災害と二十五年発生災害はその二分の一はもう打切
つてもよかろう、こういう考えであります。二十六年と二十七年は一応そのまま、こういうことで計算して出ます数字が
事業量でありますが、生の数字でございますと七百十一億、これに対して今申上げましたような操作をいたしますと、五百四十一億円に
事業量は圧縮されるわけであります。この五百四十一億というものを出してみて、更にこれについて大蔵省が財務局等を使
つて監査の結果、相当節約ができると見てそれを引く、削減率を二一・四%と計算しております。その結果は五百四十一億が四百二十五億に圧縮可能である、こう言
つておるようであります。更にこの四百二十五億というのを更に四%減すとこう言
つております。これも監査の結果と言
つておりますが、それはどういうことかと申しますと、
工事を請負に出す場合に、その
予算額と入札額との差額には、大体過去やつた例を見てみると四%くらいの開きがある、これは切
つても差支えなかろう、こういうような
説明をいたしております。そこで四%切
つて四百二十五億を四百八億にする、こうして圧縮いたしまして四百八億という
事業費を出して、これに国庫負担率を七割三分三厘と計算して、所要の国費を二百九十九億とし、それの三割つまり八十九億を
予算に計上した、こういう
説明にな
つております。私のほうの考え方は、実はこの大蔵省のやり方が果して何だか、非常に科学的なことをや
つておるようではありますけれども、実際にこれが合うものかどうかというようなことは非常に疑問を持
つておりまして、金額の点はこれは国の財政上止むを得んというのならばそれはいたし方ないけれども、併しこういうやり方で私どものほうは計算するのは困ると言
つております。昨年来
建設大臣並びに事務次官が当
委員会でもしばじば申上げております
通り、過
年度災害は成るべく節約して、不要不急な災害復旧はこれをやめて、積極的な
河川改修費に廻したいということをしばしば申上げております
通り、
建設省としましては独自の見地からこの災害復旧費を減らそうという考えで、昨
年度各府県の土木
部長等の協力も得て、相当百億近い金がすでに県からは自発的にこの分だけはやめてもよろしいというような申出もあ
つておるような状況でありますし、更に新
年度開始までには過
年度災害の再
調査もいたしまして、
事業費を実際に合うように節約をして
工事をや
つて行きたい、こういうふうに考えております。従いまして、私のほうとしては大蔵省のように三割はできるというようなことは承服しかねますけれども、と言
つて今日のところ何割できますということもしつかりしたことが申上げかねる状況であります。
次に二十八
年度発生災害について二十八年発生災害
予算計上状況調というのを手許にお配りしておりますが、一番初めに公共土木、それからその次に水防資材、地辷等対策、都市、泥土排除、
道路修繕、災害公営住宅、これだけの項目に分けて、その下に註を付けております。その一だけを読んで頂きたいと思いますが、本表は災害特例法の規定による
事業の種類によ
つて分類したものでありまして、必ずしも
予算の科目とは一致いたしておりません。
予算科目で言いますと、例えて申しますと、災害公営住宅は公営住宅
施設費のほうにぶち込んでありますが、実質上災害復旧費と思われる分はここに抜き出しておるような状況でありますが、そういうふうな考えであります。
一応この表を御
説明申上げますが、これらの総
事業費は、公共土木の千百九十九億を初め左の欄に書いております
通りの金額にな
つております。これに要する国費の見込額をその次の欄に書いております。千二百八億、こういうことにな
つております。これに対して二十八
年度にどれだけの
予算措置をしたかというのをその次に書いておりまして、予備費と補正
予算と両方あるわけでありますが、合計百九十四億国費を出しております。更にその次の欄に、二十八
年度の今後予備費充当見込というのを書いておりますが、十一億三千四百万、これはこの表を作りましたときはそうだ
つたのでありますが、すでに丁度この十七日の日の閣議で予備費支出がこれだけの分は
決定いたしまして、これから府県のほうに配る
予定にいたしております。なおこのほかに大蔵省のほうにおきましてはまだ若干の予備費を残しているようであります。これは或いは
年度一ぱい一ぱい持
つていなければならん
程度の僅かな金だと思いますが、この中から若干はまだ交渉すれば出る余地があるのじやなかろうかと思
つております。
なお、
只今ちよつと私御
説明を間違えましたが、公共土木の八億三千四百万、それは
補助分でありますが、これは
閣議決定いたしております。その次の水防資材一億と書いておりますが、これはまだ正式には
決定いたしておりませんが、内々大蔵省とは話しておる問題でありまして、今後突発的の災害がなければ、恐らく水防資材にこのまま取れるであろうと思
つております。
その次の泥土排除の二億はこれは
決定いたしております。従いまして閣議で
決定いたしましたのは十億三千四百万円、今後見込のありますのが一億、こう御了解願いたいと思います。これだけの措置を二十八
年度にすると仮定いたしまして、二十八
年度末の残
事業がその次の欄に書いてある数字でございます。これに対する国費が千二億ということであります。然るにこれに対する二十九
年度の
予算計上額は、合計いたしまして二百五十七億、こういうことにな
つておりまする
なお摘要欄を御覧願いたいと思いますが、ほかに二十九
年度予算中に災害関連
事業費として
河川、
道路、都市、砂防等に合計十一億の
予算を計上いたしております。なお表の註の(2)をお読み願いたいと思いますが、総
事業費は今後異動がある見込でありますし、特に地辷り対策については相当額の異動があるかも知れない、かように考えております。更に総
事業費が動きますほか、国費額が総
事業費の異動に伴い、又特例法の適用ありやなしやによ
つて、更にこの国費の額は違
つて来るかも知れない、かように考えております。
なお、これでどの
程度の復旧ができるかということでありますが、公共土木から簡単に御
説明申上げますと、公共土木のうち直轄分につきましては、これは九五%
程度、ほぼ直轄
工事はこれで完了する。三十六億残
つておるわけでありますが、それに対して三十一億、ほぼ完成に近いものであります。国有海岸のほうはもう二十八
年度で終
つておりますので、二十九
年度には
関係ありません。
補助の分でございますが、これで何ぼできるかと申しますと、やはり大蔵省のほうの考えではこれで残
事業の四割できるものと、こういう積算の基礎でこれだけの金を計上いたしております。これは非常に又計算がややこしうございますので、更に御
質問によ
つて詳しく御
説明いたしたいと思いますが、四割は復旧できるということであります。私のほうの考えでは、大体二割見当であろう、かように考えております。それから水防資材、今年予備費一億取れれば二十九
年度は残
事業はない見込であります。それからその次の地辷り対策、これが
事業費が、計算上は七十四億、国費にして六十六億残
つておるわけであります。それに対して七千万しか
予算が計上されていないわけでありまして、これは非常に今後問題があるものの
一つであります。それから都市の災害復旧でありますが、残
事業に対する国費五億六千八百万円、これに対して三千九百万円の
予算計上でありますから、これも二十九
年度でとても完了するというわけには行かないことに相成ります。泥土排除でありますが、これは残
事業が十億で、国費は全額国庫負担でありますから十億、これに対して
予算を十億計上いたしております。これで都市、村落等の泥土排除
事業は全部できるものと一応考えております。ただここで問題になりますのは、泥土排除の特例法によると、単に都市、村落だけでなしに、
河川等に堆積した土砂を排除するというものも入るわけでありますが、これは実は手が著かない、全然手を著ける余裕はなかろう、かように考えております。それから
道路の修繕は二十八
年度でもう手当が済みましたので、これも終るという……、二十九
年度には
関係なしであります。それから災害公営住宅は全体で一万七千五十一戸復旧しなければならぬわけでありますが、これは特例法によりまして二十八
年度と二十九
年度にこれを全部建ててしまえということにな
つておるものでありますが、二十九
年度に四千戸分、七億五千万計上すれば、これで完了ということにな
つております。
大体以上で御
説明を一応終りたいと思いますが、私はやはり公共土木の問題と地辷り対策の問題、それから泥土排除の問題、これにはいろいろ御
意見があろう点かと考えております。