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1954-10-27 第19回国会 参議院 建設委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月二十七日(水曜日)    午前十時五十五分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     堀木 鎌三君    理事            石井  桂君            三浦 辰雄君    委員            石坂 豊一君            北 勝太郎君            近藤 信一君            田中  一君            木村禧八郎君   国務大臣    建 設 大 臣 小澤佐重喜君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    厚生省社会局施    設課長     鶴田  寛君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省計画局長 渋江 操一君    首都建設委員会    事務局長    町田  保君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (住宅に関する件)  (自衛隊による公共工事援助に関  する件)  (土地区画整理に関する件)  (都市計画に関する件)   ―――――――――――――
  2. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) では只今から建設委員会開会いたします。  公報を以て御通知申上げてありますように、建設行政に関する問題、特に補償問題に関する件、それから災害復旧に関する件、自衛隊による公共工事援助に関する件、住宅に関する件、特にまあ昨日は岩内火災善後処置について、住宅問題について特別法との関係がございます。なお、昨日ではございませんか、宅地問題にからんて砧のゴルフ場の問題が問題にもなつております。それらについて審議をいたしたいと思います。
  3. 田中一

    田中一君 今委員長から御説明があつたうちのどれをやつてもいいんでしようか。
  4. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) ええ。
  5. 田中一

    田中一君 昨日私議運に参つたものですから質問を途中で打切つて帰つたんですが、この岩内町の三千五百戸の焼失家屋のうち、応急措置として、厚生省は現在応急住宅を作つている、こういうことを昨日住宅局長から伺いましたが、全部木造で作つているというように聞いたのですが、実情は何戸くらい、どういう規模のものをどのくらい作つているかということを、先ず第一に御説明願いたいのです。
  6. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) お答え申上げます。お話通り岩内は三千五百戸ということになつておりますが、災害救助法で、私ども大蔵省と協議の上、全体の三割の戸数に対して仮設住宅を認めるということに相成つておりますので、その枠内で知事にこの権限を委任してあるわけでございます。従いまして岩内におきましては、九百戸の仮設住宅を建てたという報告が参つております。九百戸と申しますと必ずしも三割には当らぬかと思いますが、これは知事権限におきまして、いろいろその道、県の財政状態から考えなければならん問題でございますので、これは一応知事権限に任しておるのであります。九百戸てございます。  なおこれの程度の問題は、一戸五坪という基準を定めてございます。これの金額は五坪で七万円、従いまして五坪の建物で七万円という基準を設けてございますので、この範囲内におきまして建設されておることと存じております。
  7. 田中一

    田中一君 今厚生省のほうは、二十八年七月に法律第六十四号で出たところの北海道防寒住宅建設等促進法という法律を御存じですか。
  8. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 厚生省担当しておりますのは災害救助法でございまして、そのほうは私ども災害救助法では別に考えておりません。
  9. 田中一

    田中一君 この北海道防寒住宅建設等促進法には、災害救助法のものは適用しないという規制はないのです。従つて第七条にこうなつておるわけです。「国又は地方公共団体北海道の区域内において建設する住宅は、これを防寒住宅とするように努めなければならない。」、こうなつております。従つて私は災害応急住宅というものは、全部この法律によつてやらなければならないとは考えません。併しながらこういう法律が出ているにもかかわらず、あなたは努めていない、努めていないどころか知らない。そういうことは、国民法律を公布した以上、国民がそれを知らなければならんという原則から見ても、この法律を知らないかたがたが立案してやるなんということはありようがないと思います。私はあなたか知らないからと言つても、知つているからと言つても、どうしてもこの法律に適合したところの建築物又は住宅を建てろとは言いません。言いませんが、併し厚生省自身が、これは内閣が公布しているのです、それを知らないということはありようがないのです。応急住宅の場合には止むを得ん場合があります。ありますが、一歩譲りまして、この法律があるという前提の下に、応急住宅を建てる場合には、これは無論単なる応急のものであつて、一戸五坪七万円程度のものでは防寒住宅にはならないのです。こういう立法化されている事実がありながら、それも知らずして、今まで通りの成行き任せで応急住宅を建てるなんということは、これは法律を無視しているわけなんです。一歩退いて考えますと、これは単なる応急であつて建設省が本格的な住宅建設或いは都市計画を進めまして、本格的な住宅をやる場合には、これは壊すのだという前提の下に措置しているかどうか。又九百戸入つた入居者が、当然これは引払つてもいいのだ、壊してもいいのだという約束でもしているかどうか、その点を伺いたいと思います。
  10. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 今の特別法の問題につきましては、私のほうは、実は住宅行政は御承知よう建設省でおやりになつておりますので、仮設住宅は、特に住宅行政といいますか、それから切離して、災害救助法の枠内だけのほうを私どものほうで所管しておりますので、私どもといたしましては、災害救助法だけを考えて今までずつとやつているわけでございます。なお今のあとの問題につきましては、大体一年乃至二年その目的を達した場合は、これを払い下げて結構だということを、これも通牒でも地方に示しておりますので、お話のごとくこれが都市計画なり、或いはその他の面で本格的な住宅を建てなくちやいかんというような場合なんかには、もうその事情が許す限りその住宅は撤回しても結構だという行き方を現在とつておるわけでございます。
  11. 田中一

    田中一君 おかしいですね、随分。あなたのほうでは応急住宅といつて、三月でも半年でも別な住宅ができたらそこへ移つて行くというようなことをしないで、現在でも引揚者住宅なんというものは十年たつても現にあなたのほうで現存しております。殊に本年度予算はどのくらいありますか。相変らず二元的な住宅行政を以て、少くとも建設省計画しているよう住宅よりももつと悪い、第二種公営住宅よりももつと悪いようなものを建てて、そしてそれを払下げるというようなことはありようがないのです。これはたきぎになるものなのです。これは暖かい所なら別ですけれども北海道の場合は、そんな今までのどこででも適用するような場所の住宅とは違うわけですね。
  12. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 先ほどちよつと言葉が足りませんでしたけれども払下げというのは、有償無償いずれでもいいということになつておりますが、従来の例からいたしますと、これは殆んど無償払下げております。先ず一応県の財産北海道で申しますと道の財産になりますので、道が市町村にこれを有償又は無償払下げて、然る後にその市町村は各個人に対して、これも事情が許せば無償で結構だという取扱いをしております。
  13. 田中一

    田中一君 建設大臣ちよつと伺いますが、今私たち常々住宅行政二元化ということが今のような混乱を招くと思うのです。これは建設省応急住宅というものも所管しておりますけれども、やはり建設省一つ基準といいますか、狙いがあります。その方向に向つて行くよう応急住宅を建てなければならんと思います。同じ金を使つても、それは溝に捨てる金なんです。建設する場合には、恐らく今日住宅局のほうは、相当将来はこうなるべきだという考えで以てやるべきなんです。そこで今の住宅行政の二元的な姿というものを大臣は希望しておらないかと思いますけれども大臣の御所見一つ伺いたいと思います。
  14. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 今田中さんの言われたように、やはりこの行政機構というものは一本化して、而も基本的な住宅行政が行われることは望みますけれども、従来の建前は、恐らく応急的措置というので、そういう仮設バラツクというものは、まあ住宅と言えば住宅と言えますが、取りあえず凌ぐという建前から従来やつて来たと思うのであります。併しお話ような点を考慮すると、例えばそこにプラス・アルフアという費用を加えれば、半永久的なものもできるのですから、そういうことも考えますと、やはり住宅住宅で一本で行くことがいいと思いますが、今制度上そうなつておりますから、今後の機構改革等の場合には、適当に善処いたします。
  15. 田中一

    田中一君 今の大臣応急言つておりますが、本年度厚生省は三億五千万です。三億五千万の経費のうち、住宅は幾らですか、二十九年度住宅予算は。
  16. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 私どものほうといたしましては、住宅予算というものは別に取つてございません。
  17. 田中一

    田中一君 三億五千万の応急費というものは計上してあるのです、厚生省は。恐らくこういうものは住宅の今までの慣例が主になつております。これは引揚者のいろいろな金が余りますと、引揚げが中絶しますと、その金を全部挙げて住宅を作つておる。その住宅たるや、それはもうちつぽけで話にならんものなんです。それを大分追及されて最近やつとよくなりましたけれども、これは応急ではないのです。恒久住宅を作つている。応急範囲はとうに出て、恒久住宅を作つております。この岩内の場合にも、五坪七万円程度の家を作るならば、これは恐らくその人の負担というものは大きなものです、寒い所ですから。こういう点を考えても、私はそういうことがあつてはならないというので、二十六年に、あなた大臣も御承知ように、北海道だけは特に防寒住宅建設ということの単行法を出しておるのですよ。これも全然考慮しないで、暑い所でも寒い所でも通用するような、非常な思いやりのない、こうしたものを金さえ出せばいいのだというやり方に対して私は不満を申上げるのです。防寒住宅促進法というものができているのですよ、単行法で。これを全然知らないで、又建設省連絡をとらないでやるということは、迷惑するのは岩内人たちです。恐らく計画局長などはあそごの都市計画をやろうとしても、こんなものがどんどん無計画に建てられた場合は、一結局居住権が設定されますし、我我はそういういろいろの補償問題で、いいようにやろうと思つてもできなくなつて来るのですよ。こういう点に対する不満をぶちまけているのですよ。何も関係なしにやつたのでは都市計画もできませんよ、恐らく。
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと関連して。この岩内の今の二月五坪七万円という問題ですね、これは全国的に一律にこういう基準なんですか。
  19. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 仰せのごとく、全国一律でございます。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そこで田中さんが今質問しているのですけれども、そういう地域により、又気候、風土の違う所でそういうことの考慮が全然されないのですか。
  21. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 御承知ように、災害救助法という法律建前が、これは本当応急的な救助をする法律でございまして、恒久的なことは考えられておりません。従いまして私どもはできるだけ都市計画等の邪魔にならんような所にできるだけ集団的に建てたほうがよかろうということで指導をしておりますが、実はこの間の岩内のときに私も参りましたですが、学校罹災者を収容いたしまして、これを一日も早く何とか学校を出してもらえるようにしなくちやいかんというような非常に強い声がございましたですが、そのためには一日も早く何と申しますか、一応住める家を建てなければいかんというような町長さんの御意向もありました。でこれは早く道庁戸数の割当をきめて、そうして適当な所に建てるということで、そういうふうにやつて参りました。まあ恒久的なことを考えますれば、お話のごとく暖い所と北海道とは、これはもう変えなくちやいかんとは思いますが、法律建前がそういうよう本当応急的な救助ということになつておりますので、全国一律にやつておる次第であります。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは今のお話は、恒久、緊急ということですね、或いは応急的ということですが、その応急的措置恒久的措置を問わず、特殊事情ということを考えないで一律にやるということは、これこそ官僚的な机上プランですよ。あなたは失礼ですが、北海道においでになつて冬を越したことがあるのですか、殊に岩内方面ですね。救助なんですから、実際に救助を受けるほうの人の身になつて考えるべきであつて、これでは全く意味がないと思うのですよ。ほかの災害救助にしたつて、そのときの特殊事情考慮に入れないで、一律に機械的にやるなんてそんな馬鹿な話は私はないと思うのですね。それは今後やはり考え直さなければならないのじやないですか。一応平均としては、予算に計上するような場合、平均としてそういう基準で計上して、予算基準としてはいいかも知れません。併しこれは適用するときそんな機械的にやつてはこれは実効はないと思うのですよ。田中さんのおつしやるように、被害者のほうへ行つてその跡を御覧になつてみるといいのですよ。常識からいつて一戸五坪七万円で、北海道における住宅、防寒的なものを考慮された住宅というものは一体建ち得るかどうかてすね、この点常識ですよ。常識としてこれは非常識なことをやつているのでしよう。こういう点は一体どういうふうにお考えになつているのでしようか。ですからみんな政策なり行政国民生活と遊離しているのですよ。こういうふうに問題が具体的になればなるほどそういうことが痛感されるのですが、この点もつと機械的でなく、そういうふうに実情に即したよう緊急措置でも応急措置でも考慮されないのですか。ただここでそうやつて答弁してしまえばいいという問題ではないのですよ。何かもつと真剣に考え直す必要がないでしようかね。
  23. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 全くお話通りで、そうならなくちやいかんとは、私どももかねがね思つておりました。併しながらなかなか財政面で抑えられるといいますか、私たち努力も微力でございまして、そういうことになつておりますが、なおこういうようお話もございますし、更に私ども努力いたしまして、今後暖い所と寒い所の考慮が、実情に即した行き方をして行きたいと思います。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これについて大臣ちよつと伺つておきたいのですが、前に自由党政策として住宅政策に一番重点を置くということを言われたわけです。これは特に前に向井さんが大蔵大臣のときに、終戦後食糧、衣料はどうやら足りるようなつた、併し住宅は一番不足しておるので、これから民生安定のためには住宅重点を置いて行くのだ、そこで二十八年度予算相当住宅費が殖えたのです、予算が。ところが二十九年産ば減らしておる。それでその上に大火みたいなものが起つて住宅が滅失して行くでしよう。一体真剣な住宅政策というものを考えておるのですか、非常にそこが前と矛盾して来ておるのです。殊に防衛費なんか出て来て、全体に民生費が削られて来ておるのです。それで一番今までに力を入れた住宅予算が削減された。只今の御答弁でも予算制約云々とか、そういうことがあらゆる面に出て来ておるのです、住宅などに。それが量的に質的に今出て来ておるのです。これは今度小澤さん、建設大臣になられたのですから、もう一度これは住宅政策、殊に予算裏付けのある住宅政策をもう一度再検討しなければならないのじやないですか。
  25. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 今木村さんのお話ように、終戦後の状態から来まして、一番現在隘路に残つておるのは住宅問題だろうと思います。従つて自由党としても、政府としても、この住宅問題は最後民生安定という点から相当重点を置いて参りました。昨年の予算と今年度予算とがどう違うか、具体的には私記憶しておりませんが、少くとも三十年度予算は更に三カ年計画を立てまして、そうして住宅の険路を何とか打開したいと考えております。そういうような見地から、現在大蔵省に対しても相当予算を要求しておりますが、最後までこれは確保するよう努力いたします。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その努力はあれですけれども予算裏付けがないと……。
  27. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) その予算を獲得するための努力です。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 本年度の、二十九年度予算をごらんになつても、住宅公庫に、民間へ融資したものがあるでしよう、昨年の四万戸に対して二万戸に減つておる、半分に減つておる、実際には。そんなことで実際に逆になつておる。それで又予算をとるといつても、それはただここでその場逃れ答弁をされるような話じやないかと思いますが、二十九年度予算のときも、答弁としては、窮屈な予算の枠内で極力努力してということですが、結局実質的にはこれは議論の問題じやないですよ。本当に真剣に住宅に困つておる人の身になつてごらんなさいよ。本当に深刻な問題です。百万以上人口が殖えておる。こうやつて家屋大火や風水害で滅失するでしよう。そしてますます非常に深刻になつて来ておるのです。まあくどいようですけれども、一番の今の民生上の隘路ですよ。これは真剣に取組んでもらいたいですね。
  29. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 関連して伺いますが、今厚生省建設省との関係住宅をめぐつて事務の何といいますか、単一化的な問題が出ましたが、私はそれに関連してこの際一つ大臣にお聞きしたいのは、前国会で問題になりました水道法の問題なんです。聞くところによると、さすがにあの法律というものは、まるで一夜作りであつて、我々この建設委員会としても指摘し、是非知りたいと思つたあのもろもろのすべての大事なところを政令譲つた、その政令については未だ意見の一致が何としても見えないと、こういうことを聞いておる。そうであろうと私ども思うわけであります。一方から言うと、あの提出された経緯から見て、厚生委員会継続審議の形をとつておりますけれども、私はこの今までの行きがかりを両省相談の上やめて、そうしてあの政令に譲つてつたいわゆる一番中心部の問題を明らかにして、そうしてこの法律の出直しをすることが、住民のために最も大切なことではなかろうかと思うのです。私は何としてもああいつた形において法律が出るということでは到底今日の何と申しますか、民主政治の上からいつて許されないことだと私は極端に思つているのです。併し一方から言つてどうもやあやあ言うので、従来の経過から言うと一方的に厚生委員会等も御熱心で、うつかりすると又向う向うの面子から努力して、開会でもされれば通さんとも限りません。そのときに被害受げるのは、そう言つてはおかしいのですが、住民或いは政府である。この点について是非私は勇断を以て、英断を以てあの法律の再提出をお考え願いたいと思います。私ども何も建設委員会であるから建設省にひいきするという態度じやないのです。あの経過を見てもわかるように、戸塚大臣は半年も御病気です。現実の問題としては、水道法問題等めぐつているくトラブルがあつた。簡素化する、一元化するという美名の下に、非常に粗悪なものが、曾つて見ないようなものが出ておる。私は議員として忍びないという立場からこの際大臣の御所見を承わりたいのですが。
  30. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 今三浦委員のおつしやつたように、水道法の問題は、私は建設大臣としては経験がありませんが、当時党といたしましても相当論議があつたわけであります。その基本は、大体において従来から、現在でもそうですが、各省のセクシヨンナリズム的な考えにばかりなつて、それに加えて国会内の分野なり委員会なりがこのセクシヨナリズムを支持するような姿になつたのです。そういう問題がどうも解決ができなくなつて大事なところを皆オブラートに包んで出したのが水道法だと思います。勿論私は内容についははつまびらかに研究はしておりませんが、こういう問題があることは非常に国政の事務に障害を来たすものであつて、根本的に研究をいたしまして、来たるべき国会までにそうした少しも骨のないよう法律じやなくして、もう少し骨つぽく話合つて線を出したい、こう考えております。但しそういう線を出すのは政府提案で出直すか、或いは委員会で修正してもらうかという問題はその場に至つて相談いたしまして、今すぐ政府案で出直す、或いは政府の修正をするというふうな考えは今すぐはございませんが、その時期になり結論を得た上で最も適当な方法でお話ような線に努力いたしたいと思います。
  31. 北勝太郎

    北勝太郎君 岩内のことでありますが、罹災を受けた時、私は現地を見て参つたのでありますが、三千五百戸の焼失に対して九百戸の応急住宅が建つておる。それで果して罹災者を収容し切れるのかどうか、私は心配して来たのでありますが、お見通しはどうなんですか。
  32. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 今までの報告によりますと、これで収容し切れておると言つております。
  33. 北勝太郎

    北勝太郎君 学校だけでも収容児童数以上の数を入れて、ひどいことをして生活をしているのを見て来たのでありますが、私はこれは九百戸では到底入れ切れないと見て来たのでありますが、果してどうですか。
  34. 鶴田寛

    説明員鶴田寛君) 現状におきましては、私のほうも実は昨日担当しておる者があちらに立つたのでございますが、道庁の話によりますと、最初は実は八百戸で割当てておつたのが、あとで百戸殖えて九百戸になりそれで何とか処置できるというようなことでございました。
  35. 田中一

    田中一君 これは皮肉でなく伺いたいのです。厚生省はこういう北海道は特殊地域なるが故に単行法を出して北海道住宅というものをいいものを作ろうと考えておるのですが、私は特別に寒いからといつて北海道にだけこういう単行法を作るのには反対したものであります。併しこれが通つて今いつたように国又は公共団体建物は全部これによるということになつておるのに、担当課長がこの法律存在すら知らないということであるが、大臣はまだこの問題に触れないでしようが、閣議においてどんな話をしておりますか。この問題は洞爺丸などの問題のためにちよつとぼけてしまつて関心が薄らいでおるのではないか。私は関心を喚起するために昨日から質問しておるのです。この法律担当の人すら知らないとこう厚生省の言いぐさは私は到底納得できない。お願いしたいのは、閣議草葉君に相当強くこの委員会論議や、この法律存在を教えてもらいたい。少くともこうした大きな火災のあつた場合に、その後に残る都市計画の問題などがこれが本当建設省の役目なのです。従つて当然建設大臣には強い発言権があるわけです。次の機会にどうか大臣から草葉君に十分連絡をして、少くとも都市計画その他の後の行政面に対する考慮を払つてやらなければならんという御発言をしてもらうことを私は希望するわけですが、一つその決意を聞かせて頂きたい。
  36. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 岩内の問題につきましては、私のほうとして、火災があつた翌日都市計画課長行つてもらいまして、すぐ都市計画指導をやりました。殊に焼け跡の掃除の問題についても、しようがないというので、応急費用一千万円出すことにして頂きまして、而も図面が作成されて現地行つているわけです。従つてまあ一応与えられたものについては、できる限り応急措置建設省ではとつたつもりでおりますが、今お話のこの住宅問題については、これは厚生省が暫定的な所管でございまして、本格的な問題は今私のほうでも第二段としてやつております。従つて今そうした法律のあるようなことも気がつかずに厚生省がたとえ暫定的であるにしてもやつておる姿は遺憾なことであります。併しこれは同じ政府部内の所管でございますから、閣議発言するかどうかは別にいたしまして、この委員会の空気というものは十分私も共鳴をいたしておりますから、私の責任において、政府としてこれを重点的に物事を考えて行きたいと思います。
  37. 田中一

    田中一君 昨日住宅局長から住宅金融公庫の特別融資として九百戸、約融資では三億円程度、これは今大蔵省と折衝している。それから公営住宅として四百五十戸、この補助率が千四百四十万ですか、これはまあ恐らく行政措置としてできるんでしよう。これをやつて千三百五十戸というものを建設省がこれを建てるという計画を立てているという、これは御承知ようにもう十月末です。従つてこの今までの二十九年度の割振りは全部済んでおるのです。で、当然この予算措置は補正予算で組まなければならんだろうと私は考えておるのです。そこで、その先般の天引三分の問題は別にしても、これらの問題は補正予算で要求し、又通すというような決意で昨日の住宅局長はこういう説明をされたと思いますが、その点は大臣からはつきりしておいて、頂きたいと思います。
  38. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 今のお話についても住宅局長から相談がありました。相談がありましたが、御承知通り一〇%の予算を実行上のために使わずにありますので、これは全国的な住宅の問題に対する一〇%でありますから、岩内只今費用を仮に一〇%の或る部分を崩して出すということになれば、補正予算がなくても私はできると思うのであります。併しながらそういうことができないような場合には勿論補正予算考えられますが、私としては、新たな補正予算がなくてもこの実行予算で可能だと今のところ考えております。
  39. 田中一

    田中一君 今、住宅局長いないから押問答になりますが、実際に大体今頃になりますと、公営住宅もそれから住宅金融公庫の融資も全部決定しておるのです。そうすると未決定のものが幾らあつて、その中からこの枠をしぼり出す。それから決定したものがどのくらいあつて、これはもう出す余地がないという、こういう計数を一つ資料としてお出し願いたい。非常に政治的な意味のある発言で、具体的な数字の示すところの御答弁じやないものだから少々不満です。数字の例で明らかにして頂きたい。ですから当然それがない場合には補正予算を組まなければならないと考えるという御答弁が望ましかつたのです。大臣は数字が、金が残つておるという、こういう前提の下で、今次の実行予算で十分だとおつしやつたのですか。
  40. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 私の申上げるのは、とにかく今きまつたという住宅金融公庫も、それから公営住宅に関する費用も一〇%を引いてそのほかのものをカバーできるんですけれども全国の府県の。でありますから一〇%だけの金があれば、岩内の問題は更に補正予算を作らんでもこの操作においてできると申上げたのです。私のほうは補正予算は作らんでもできると、こういう意味であります。あなたのほうはできない、補正予算を作らなければ……。
  41. 田中一

    田中一君 それが結局、主として金融公庫三億、補助金一億四十万というものが該当するとおつしやるのですか。
  42. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) その細かい数字は私は覚えておりませんが。
  43. 田中一

    田中一君 それじや一つ細かい数字で以て今の大臣の御答弁実証して下さい。この問題は私はこれでやめます。
  44. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それじやその問題はあとでいいですね。
  45. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつとこれから資料を要求しますから。住宅の滅失戸数ですね、この累年の統計がほしいのです。これはまあ被害戸数でしよう。このほかに自然に腐朽してなくなる分があるのでしようが、一カ年どのくらい生宅が、火災それから風水害それから自然の腐朽による滅失、滅失ですか、そういうものをくるめてどのくらい累年あるか、統計をこれは出せますか。
  46. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) あとで出します。   ―――――――――――――
  47. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 次の問題は。
  48. 田中一

    田中一君 自衛隊の請負の問題。
  49. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) あなたの懸案になつておりますから、どうぞ。
  50. 田中一

    田中一君 これは前回の委員会で質問しておきまして、まだ詳細わからんから調べた上で答弁するというお話があつたんで、それを伺いたいのですが、その前に、ここに新しい事実が又生まれたので、官房長も計画局長も、地方でそういう事実があることはおれは一向知らんと、こういう御答弁になつておるので、新しい事実を一つ申上げます。岡崎市で現在三島小学校の整地工事七千坪を自衛隊に請負わして現在やつております。こういうことは、もう自衛隊では請負規程もあるようですから、どしどしこういう問題はどこでも進んでおると思うのです。これは一面地方自治団体の財政が非常に逼迫しておるものですから、ついこういう安きにつく。又自衛隊で自分の得になる、自分のほうの演習をするのに、自分の予算でやつちや金がかかるからこれに便乗して一挙両得、成るほど一挙両得ということで以て、そういう形で以てやるような傾向になつて来ているという事実をここではつきりと申上げて、一つ関係部局の御答弁、それから大臣の御答弁を願いたいと思います。
  51. 石破二朗

    説明員(石破二朗君) 自衛隊が建設工事を受託してやつておる問題につきまして、前回の委員会にもいろいろ御質疑がありまして答弁を御留保して頂いたようなこともありますので、一応私から申上げたいと思います。  先ず第一に、自衛隊が建設工事を行うことが建設業法違反ではないかというような意味の御質疑がございましたが、御承知通り建設業法で登録を要しますのは、建設業を業として行うものを対象といたしておるのでございまして、自衛隊自衛隊法に基いて行います委託工事は、これは業として行うものでもございませんし、建設業法の対象外のものと考えております。従いまして建設業法違反の問題は起らないものと、かように解釈をいたしております。自衛隊が建設工事を受託して行えますことは、御承知通り法律に書いてございますので、これもまあ違反ではないと思います。  次に、これによつて工事予算に残が出た場合に処置をどうするかという御質疑でございましたが、これにつきましては、国庫補助を伴う工事予算残が生じた場合、これは自衛隊が行なつた場合にも起り得る問題でございますし、更にこれを一般の請負に付した場合でも起り得る問題でございますが、一般的に申しますと、国庫の補助は精算補助の建前を普通はとつておるのでございまして、精算の結果、その理由の如何を問わず予算に残額が出ました場合には、その相当の、相当分の国庫補助金をすでに受けておりますれば返還、まだ現実に金を受けていない場合には補助費の減額という措置をとつてつておりますし、自衛隊の場合も同じく扱いたいと思います。ただ、只今申し上げましたのは一般の原則でございまして、実際にやつております多くの場合の例を申上げますと、補助金額に残額が出た、工事が安く仕上つたというような場合には、単にそれだけの工事、限られた工事なら別でございますけれども、道路の鋪装、道路の改修というようなものは、長い距離を区域を一限つて金の範囲計画しておるのが多い、そういう例が多いのでございますが、そういう場合には、大臣の承認を得た上で設計変更をし、金が余つたというような場合に、適当な必要な事業がある場合には、設計変更を許して、大体初めに予定しておりました補助金の範囲まで満限度までの工事をやり、又建設省もそれを承認するというのが通例でございます。まあ大体御質疑の点はそういう点でありますが、実は私といたしましては、建設業法を主管いたしておるのでございまして、自衛隊がこうどんどん……勿論自衛隊法に許された範囲とは言いながらも、工事を多数やるようになる、その結果一般の建設業者がやはり工事の量が減つて来て、そのために打撃を受けるというような問題が起るといたしますれば、建設業法を主管しておる私といたしましては、これは将来考えて行かなければならん問題であると、かよう考えておりますが、現在の私が承知いたしております限りでは、まだそこまで考えなくてもいいのではなかろうかと一応考えております。
  52. 田中一

    田中一君 第一、第二の問題はその通りですが、第三の問題ですが、これは金額の補助じやないのですね、事業量によつて。パーセンテージで補助せられるのですね。そうすると今言う設計変更でその過剰金も別のほうに使つてよろしいということになりますと、地方財政も同じように当然予算を計上し硬ければなりません。自衛隊がやつたためにその金に剰余があつた、その分の国庫補助の剰余があつた、その場合、設計変更を国が認めた場合には、地方財政もおのずからそれに合つたような負担部分を予算に組まなければならんのです。それは私が今言つたようなことでよろしいのでございますね。当然そうなるのでございますね。ただ、今言うように、その部分だけやつて打つちやつておくというのですと、これは法律違反です。実際において法律では、法律というか、規則といいますか、これだけの補助率でやるときめてあるもののを、自衛隊を使つた場合には余分に事業量をやるということになりますね。その場合に地方財政もそれに見合つたような率で新しく予算を組まなければ、その事業が消化できないはずなんです、そうでしよう
  53. 石破二朗

    説明員(石破二朗君) 地方予算を増額する必要はなかろうと思います。
  54. 田中一

    田中一君 そうしますと、自衛隊に工事を請負わしたところは事業量が伸びる、当然返還しなければならない剰余金が出るということになりますね。こうなりますと、地方財政が非常に逼迫している関係上、どこでもこういう仕事が多くなるということは、今第四の場合あなたが答弁したように、今の場合ではこれは自衛隊がどんどん請負うことはなかろうと思うなんという考えは甘い考えなんです。とにかく浜松の例を見ましても、三割工事費が余るというのです。そうするとどこでもどしどし進めて行きます。自衛隊もそれを望んでおります。そうするとそういう傾向に行かないという官房長の今の見解は甘くないかと思うのです。その点はどうです。
  55. 石破二朗

    説明員(石破二朗君) 私は将来自衛隊が工事を多く受託するであろうが、それは大したことはなかろうとかいう見通しを申上げてはおりません。現在の段階では一般の建設業者を保護するという建前から、特別の措置を考えなくても、まだ現段階ではいいのではなかろうか、かように申上げただけでありまして、将来の見通しを申上げたわけではありません。お話通り非常に自衛隊が将来どんどん工事をやつて行く、その結果、不当に建設業者が影響を受けるという事態に至りまするならば考えなければいけないであろう、かように申上げたわけであります。
  56. 田中一

    田中一君 現にもう影響を受けておるから、あなたのほうにも、政府に大分陳情が行つておると思うのです。現に大分影響を受けておるのです。受けておるのに対して、おれのほうはどうも一向知らんのだからといつて逃げたのではいけない。で、石破さんに伺いますが、建設省は十分地方に向つて調査しておりますか。
  57. 石破二朗

    説明員(石破二朗君) 先ほどお示しがありました岡崎の鋪装工事で、極く最近数カ所そういう話があるということは私も実は聞いておりましたが、まだ全国的には調べておりません。よく調べてみたいと考えております。
  58. 田中一

    田中一君 先刻申上げたのは浜松の鋪装工事、今申上げたのは岡崎の学校の整地工事なんです。ちよつと私細かいものはわからんものですから言いませんけれども、佐賀県にもあります。そうしてこの事業量か伸びるということになりますと、地方財政の負担が軽くなることになるのですね。で、どうしてもそういう傾向に進むと思うのです。で、政府としてはその実態調査をするかしないか、もう少し明確に御答弁願いたい。するならば、いつ頃までにその結果を委員会報告するか、その点も御答弁願いたい。
  59. 石破二朗

    説明員(石破二朗君) 成るべく早い機会に全国的な実情を調査してみたいと、かよう考えております。いつまでにというお約束は相手のあることでございますから、ここでは御猶予して頂きたいと思います。
  60. 田中一

    田中一君 先だつて建設大臣はこの問題について望ましくないという答弁があつたのですか何ですか忘れましたが、もう一遍伺いますが、こういう傾向が各地方公共団体にどしどしと出た場合、好ましいと思いますか、それとも好ましくないと思いますか。今石破官房長が言つたように、調べてみて若し行き過ぎがあるならばとめようというお気持であるか。或いは当然民間では困難であろうから、こういう場合には止むを得んだろうというようにお考えになるか。その点を伺いたい。
  61. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 ちよつと関連して。私は今田中さんの御質問に関連しての大臣の御答弁があるその前に併せて答えて頂きたい。その考え方は結構だと思うのです。大いにやつてもらつたほうがいい。で、そうでなくたつて、今日の建設事業関係はやつてもらいたいところばかりなんですよ。ですから大いにやつてもらいたい。併し一方において、自衛隊自衛隊としてのやはりいろいろのスケジユールに基いて、それぞれの使命達成をやつておられるのですから、これはもう年度前に翌年のいわゆる大かたのスケジユールに基いて自衛隊がやるところのこういう建設関係についての事業量、種類或いは他の損害の復旧でもいい、産業開発のことでもいい、それらを計画されて、それについての仕事というものはそれに伴つたような、つまり国家の予算というか、関連等においてして、それで一般においてその余力があれば、成るべくその余力を以て計画的な、いわゆる全国的に見た建設事業の発展の遅れているものの取り返し、こういうものにむしろ積極的に進んで行つてもらつたほうが私はいいと思うのですが、それと併せて大臣のお考えを伺いたい。
  62. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 大体にこの問題は、今お二人の意見が違うように二つの違つた角度から研究しなくてはならないと思うのであります。即ち建設省の立場におきましては、建設業者の福利増進ということも、或いは指導と申しましようか、言葉はどうか知りませんが、そういつた面も一応考えなくちやなりません。それからもう一つは、事業の性質というものも考えて行かなくちやなりません。殊に自衛隊法というものは、最近にああした法律ができたんでありまして、従つて、ここでいろいろな質問も出るのでしようが、やはり自衛隊に請負わせる場合には、大体こういう標準で行くのだと、そういうものが今後打立てられて行かなければならん。何もかも自衛隊と、都合が悪いときには請負者が高いから自衛隊という姿はいけないので、自衛隊自衛隊の受託工事をするには、自衛隊本来の一つの目標があつて、その範囲で請負するのであつて、請負業者の仕事みんな取つてしまうという趣旨であの法律ができたんじやない。即ち今申しましたように、請負業者に対してはどこまでも指導援助という立場を私ども考えると同時に、又自衛隊というものの受託工事をやる精神は、法律でおのずからきまつているその精神を考えながら、なお今後は今三浦さんの言われたように、工事の実態が、これは自衛隊に請負わせることによつて非常に住民なり国民にプラスになるような場合があると思うのであります。この三つの点を総合して具体的問題に当てはめて行くよりほかいい悪いは言えないと思うのであります。併しながら、こういう問題をその都度その都度にやるということになりますと、今申した通りの二つの意見、或いは三つも四つもの意見が出て来ると思いますが、その根本的な三つあたりの基礎観念を集めて、そうしてそこに一つの方針というものが打立てられて来れば、そういう問題が起きないのじやないか。即ち請負者という立場も考慮する、自衛隊というもののその工事の範囲研究する、又客観的に工事そのものがこれは請負のほうがいい場合、或いは自衛隊のほうがいい場合、こういう三つの基礎原則を前提にして、こういう場合にはこういうふうにするという大体の基準ようなものが将来設けられて来れば、今のような問題がなくなつて来るのじやないかと思うのですが、この三つの問題を具体的にどうかということはまだ結論が出ておりません。将来そうした方針で自衛隊と民間業者との間にトラブルが起きないと同時に、自衛隊がその工事をやることによつて国民が非常に利益を受けるにもかかわらずそういう恩典を受けられないということがないように、こういうよう基準で今後考えて行きたいと思つております。
  63. 田中一

    田中一君 自衛隊がやつてもいいということは、これは国営なんです、一種の。建設省がやつている河川改修、直営と国営と両建になつている、直営即ち国営になつている、これは望ましい。国民全部が参画して国営でそういうものを、公共事業をどしどしやつている、これは望ましい。併しながら、自衛隊がやることが、私はその同等の費用を以てやるなら構いませんけれども、資材なり、その機械、工具というものは自衛隊がやつて損料取つて構いません。労力というか、労銀というものを自衛隊は構いません。正しい労銀を払うなら構いません。自衛隊が持つております高度の組織、機械力というものが、すべての国家的にプラスになるというのは止むを得んだろう、特殊な場合には。併しながら労力を別の国民が税金で払つている。請負人も払つている。労働者も払つている。そのために労働賃金がますます低下して行くのです。自衛隊がやるために労働賃金が低下している。この現実は大臣が巧妙な答弁をしますけれども、無論自衛隊の作業分野と請負に出す分野とはおのずから別です。その通りです。その通りですが、市街地におけるところの学校の整地とか、道路の鋪装なんというものは、あえて自衛隊を使わなくてもできるのです。従つてこれに対して契約をしているという現実は、地方財政が辛いから、財政上辛いから三割の利潤をといつてつていることなんです。私はこういう姿に対しては、三浦君と大分意見が違うのですが、絶対ここれは政府としては当然とるべき手を打たねばならん。労銀の低下ということをお忘れになつていらつしやる。自衛隊は労銀を取らない。だからこそ三割なら三割というものが浮くのです。これは労働者の生活権に対する圧迫です。同時に社会における混乱のもとです、これは。こういう点を十分にお考えになつて答弁なつたかどうか、もう一遍大臣の御答弁を願いたいと思うのです。
  64. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それは十分考えてお答えしたんです。つまり自衛隊がそういうことをやれば民間請負業者を圧迫するのであるから無制限にやるべきものじやない。いわゆる民間請負者に影響のない範囲で、影響ないと言えばいろいろあります。例えば一キロの道路をやつてもあると言えばありますけれども、それは一キロの道路を自衛隊が請負つたからといつて、日本中の賃金に非常に影響があるとは言えないのでありまして、又仮に影響があつた場合でも、国民自衛隊のやることによつて、請負者がやるよりもこれは非常な福利を増進するんだという場合は、これは止むを得ないと思います。だから今申した通り、三つの原則を考えて、自衛隊ばかり三浦さんのようにやれば、請負者は全部なくなつて、賃金も非常に安くなり、労働者の賃金を下げることになりますから、それは一文も下らんということはありませんけれども、それはとにかく程度問題で、いわゆる労働者、請負業者の生活を圧迫しない程度で、而も自衛隊がやつたことによつて、その他の公共団体なり或いは団体民なりが福利が非常て増進されるということ、又自衛隊というものは請負業者じやないのですから、その工事をやつたために自衛隊の本能が失われない程度、こういう三つの原則を考慮してやることが一番いいと思いますから、あなたの考えと少しも違つてないと思います。
  65. 田中一

    田中一君 では大臣にお願いしますが、この問題につきましては、今言うデフレ傾向が今日深刻になつて来ておるのです。私は請負人の場合には、或る場合には儲かることもあり、或る場合には損することもあります。営業ですから。併し労働者の労働賃金がそうした面においてだんだん低下して来るという現実ですね、これは労力の需要供給の関係があるのです。それが減つて来ればどうしても低下するのです。この問題をお考えになつて、先ず防衛庁長官、それからその他の関係の、労働大臣も含めて関係の各御同僚閣僚と話合つて、やはり今大臣考えられておるような線まで、あの線までというものを具体的にお示しになるような熱意はございませんか。
  66. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 熱意は十分ありますが、実際にやつているのはどういうことをやつているかを調査しないうちに、ただ熱意があるからといつてすぐ結論は出ないのでありますから、先ほど官房長が言う通り、細かく岡崎の場合はどういう事情自衛隊が請負つたか、又浜松の場合はどういう状態自衛隊が請負いすることになつたのか、こういう点を、現実問題をつかまえて、その何かの特殊な事情があるにきまつております。その特殊の事情研究して、今の枠を設け、そこへもつて行つてあなたの考えているような心配を起さんようにするのてありますから、非常にあなたよりも熱意を持つている。
  67. 田中一

    田中一君 そうすると、その調査ができたら話合つてそれを妥当な線へもつて行くということに了解してよろしいですね。
  68. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) そうです。
  69. 田中一

    田中一君 わかりました。
  70. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私は建設関係、道路といい、橋梁といい、その他例えば林道、林業のようなことまで入れていいのですが、そういつた産業開発をやれば、自衛隊の本来の目的を著しく阻害しない範囲内で、むしろ計画的に、つまり翌年度のその隊の行動としてのスケジユールの中に組んで、そうしてそれから浮いて来るところのものは、それらの産業開発の事業分量を多くして積極的に行くというふうにお願いをしたいというのです。私は何もときどきによつてこの工事は自衛隊との相談によつてどうだろうというようなことでなくて、おのずから自衛隊としては一カ年の行動というものは恐らく年度当初、或いは年度に入る前に持つべきである。私はそういつたよう考え方を基本において、是非、事業分量を多くすれば、御心配の例えば建設業界に対する妙な影響を与えるというような問題もおのずから非常に薄くなるであろうし、私はその点をお願いしておきます。
  71. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 私は、先の三原則というものは、いわゆる三浦委員考えも織込める線が出るという意味で申上げたのであつて、あなたの言うように、自衛隊を全部使つてしまつて請負業者はどうなつてもいいということは少し乱暴だと思います。ですから請負業者の立場も考えて、又自衛隊の働くべき限度も考え、又自衛隊が働く分によつて公共団体の利益も考え、その利益が平等に、又不利益が考等になるよう一つの線を設けようというのが、先ほどの答弁でありまして、その具体的の問題として、三浦君の言うように、来年度のこことここは自衛隊の分としておく、その分は請負業者がやる分以上のプラスの分なんだからということで、請負業者の賃金には影響はないという考え方は、私が今原則を申上げた一つの方法だと思つておりますから、その結論が出た場合は、十分三浦君の考え田中君の考え考慮に入れて、どつちからも文句が出ないようにいたしたいと思います。   ―――――――――――――
  72. 田中一

    田中一君 この問題は善処するとおつしやるのですから、私は結構だと思うのですが、次の問題に移りたいと思います。  前回の委員会で質問しておきましたところの、東京都の砧緑地計画のこと、これは大臣、おれは知らんとおつしやつたのです。ところが官房長が、実は私知つておりますと言つて、東急と東京都とが今折衝中である、併しこれも詳しくは調査して答弁するという保留された問題なのであります。そこで大臣から、先ず大臣に御報告のあつた点と、大臣の見解を伺いたと思います。
  73. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) この前田中君から今の問題を御質問受けた場合には、実際に何も知りませんでした。その後にわかに局長に説明を受けまして、おぼろげながら頭に入つておりますが、詳細に亘つて所管局長から申上げます。要は、あすこを緑地として使うことがいいか悪いかという問題だと思いますが、およそ近代都市の生活には、その。パーセンテージは別でありまするが、この緑地というものは無視されて都市計画がないということだけは、これは田中君も御納得なさるだろうと思います。従つて緑地というものが一体都市の何%程度にあることが理想かというような問題に対しては、非常に議論が多くなると思うのであります。併しながらこの緑地帯が少しもなくていいのだという議論は恐らく世界中にないと思います。そういうふうに考えてみてみますと、あそこに緑地帯がなくても、東京都の都市計画として都民が安住できるかどうかという問題になつて来ると思うのであります。あの問題について、中で例えば京浜とか何とかがゴルフ場を委託経営するとか何とか話があるそうでありますが、その問題が六〇%なら六〇%の範囲でやるという、その。パーセンテージの問題は私も疑問がありますけれども、従来の緑地というものの使用の仕方、殊に建設省が伝統的にやつて来ました緑地の用法、或いは基準というものがありますれば、今までやつた建設省の、私の先任者のやつたことは過ちだとは考えておりません。考えておりませんが、具体的にそれでは五〇%の土地をどういうようゴルフ場にするか、残り五〇形を我々はどうして都民の緑地帯としての使用に完全ならしめるかとい問題については、いろいろ意見はあると思うのでございますが、私ども結論が出ませんで、若し田中君等が研究されておりますれば、その意見も十分参考にして御期待に副いたいと思います。
  74. 田中一

    田中一君 この計画は開放農地を十二万八千坪つぶすわけです。私は御承知ように、緑地帯が都民生活に必要だということは痛感しております。併しながら十二万八千坪の土地の約四割ぐらいのものを児童遊園地、それから花園、それから動物園、そういうものにとつてあとの大部分ゴルフ場にするのですが、これは九ホールのゴルフ場にするわけです。一体都民の生活に緑地帯の必要は痛感しますが、今日の日本の現在置かれておる地位というものは、砧地区にゴルフ場の開設は理由にならんと思うのです。一方土地問題につきましては、これは建設省が非常に慎重にお考えになつて、例えば住宅の宅地を造成しようといつて新しく予算を組み、二十万坪の土地の造成を図つておる。一面においてはそのような施設をしながら玉電の徒歩十五分というところの最適の住宅地にそこにゴルフ場を作る、東京都民の七百万のうちの何人のためのゴルフ場をお作りになるのか、少くとも都民の総意というものは、ここにゴルフ場の必要は認めません。これは私の見解です。これは殊に国有地であるなら別です。東急の所有地です。東急というのは五島慶太というあの人がやつておる東急です。東急の所有地なんです。東急がこの土地を東京都に寄附をしよう、併しながら管理権はおれが持つぞというのです。そうしてこれまでは、農地です。これには道路を作るでしよう。水道も引くでしよう。ガスも引くでしよう。無論この十二万八千坪の土地を東京計に寄附するという裏には、もつと厖大な土地を五島慶太さん持つているということなんです。こんなのはとんでもない、十二万八千坪、ああいう大資本家、大企業家が十二万八千坪を寄附しても、あと八十万坪は地の利を得て、環境がよくなつて値上りをすれば、寄附どころじやない、工事もします。利権目当のこうしたものに対して、政府並びに東京都が乗つかつて行くという考え方がまあ現在の……て悪口を言つて気にさわつたらごめんなさい、吉田政権の、自由党内閣の姿なんです。私はこれは都民の生活に何ら関係もないもので、電車を降りて歩いて十五分で都合がいい。曾つて読売新聞が多摩川園を開設した、これは全部自費でやつております。自分の費用で自分で経営しておる。これはリクリエーシヨン緑地帯としてみなしていいでしよう。これはいい。まだまだあります。いい緑地帯はたくさんあります。神奈川県に入ればとつてもいいところがあります。私はあの辺をよく知つております。住宅地区では最適な地区なんです。農地を開放して、そうしてこういうゴルフ場を作るなんということは、東京都民の国民生活には大部分に何ら関係がない、私はこう考えておるのです。どの辺まで政府はこれに介入しておるのか。私はまさか東急からリベートがあつたとは思いません。思いませんけれども、どの辺まで政府は深入りしておるのか、伺いたいと思います。
  75. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) この問題は大分大きな政治問題として扱つておられるようでありますが、実は私の就任する前の三月にこの問題が出て、東京都が、申請があつて承諾をしたのだそうであります。この事項は将来の事項ですが、恐らく大臣決裁にはなつておらん事項だそうであります。従つて局長処理事項でありますか、次官処理事項でありますかわかりませんが、私の先任者の戸塚君も恐らくこの相談にはあずかつておらんと思います。私も従つてそういう計画は聞いておりません。事務の引継ぎにもございません。従つて吉田内閣の政策の現われでないことははつきり御了承願いたいと思います。  それからいわゆるゴルフ場の問題ですが、これもゴルフというものは、今の世の中では大体金持階級だけでやつてつて、我々貧乏人にはできないのでありますが、そういうこともこの時代にはそうでありましても、こういうスポーツ的なものは、或いはリクリエーシヨン的なものは非常に変化が多いのであります。今ゴルフ場を敷いてもこれは金持の政治だということは言えないと思う。社会党でも共産党でもゴルフに行く人があると思う。それだけで直ちにそうした結論を出すことはどうかと思いますが、ただ今の六〇%余りのものだけを、これは特殊階級か何か知りませんが、限られた人が使用する、あとの四〇%がどうも大衆だということは、先ほど申上げました通り、この比率等については相当考えなければならんというような意味で申上げたのですが、いずれにしましても、もうすでに建設省は三月にこれはいいということを話をしまして、あとは東京都の仕事なんです、結局は。でありますから今田中君の具体的な結論が出ますれば、そうした意向を東京都のほうに伝えるようには私は努力いたしますけれども政府としてどういう措置をするかということは、今のところはできない状態になつておりますので、でありますから忌憚ない御意見を承わつて、こうあるべきだという御意見がありまして、而もその御意見が私が納得できる御意見なら、誠意を持つて東京都のほうにあなたの御意向が実現に移るよう努力いたします。
  76. 田中一

    田中一君 首都建設委員会はこれに対してはどういう態度をおとりになつたか、それから現在の交渉といいますか、折衝の経緯はどうなつているか、御説明願いたいと思います。
  77. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 私は委員長でありますけれども、この問題は余り詳しく聞いておりませんから、首都建設委員の町田君から従来の経過お話したいと思います。
  78. 町田保

    説明員(町田保君) この砧緑地の問題については、委員会の正式な問題として扱つたことはまだないのでございますが、ただ事務的に以前に御相談をしたことがあるのでございます。その際に我々事務局の者の相談をした結果、事務的な考え方については、建設省計画局のお答えをしておるのでございます。それはこういうよう考えで、結論を申上げますと、ゴルフ場も差支えないということが結論なんでございますが、この根拠はこういうことでございます。現在東京に二百四十五万坪ばかりの緑地がございますが、将来これを一千三十万坪にするということに首都建設計画としてきめたのでございます。この一千万坪というものの利用方法でございますが、これがたくさんの公園、緑地ができるわけでございますが、そのいずれもが野球場になる、或いは運動競技場になるというわけでもない、この一千万坪というものの利用について考えなければならん。そこで私ども考え方は、この一千万坪の将来できるであろうところの緑地を利用する都民の年齢層別にこれを分けてみたのでございます。零歳から十五歳まで、それから十六歳から三十歳まで、三十一歳から五十歳、五十歳以上というふうに、このリクリエーシヨンのために緑地を利用すべき都民の年齢層に分けまして、そうしてこれに、こういつた階層がこういつた野外の緑地を利用する利用率というふうなものを又仮定いたしましてこれを分けますというと、零歳から十五歳までが四三%を必要とするというような計算になる、そうすると五十一歳以上の老年層も全体の六%くらいを利用するであろう、逆に言えば一千万坪の中の六%くらいは老年層のためのリクリエーシヨンに利用するような利用計画を将来立てなければならん、こういうよう考え方をしたわけであります。そうしますと、約六十万坪というようなものは老年層のためのリクリエーシヨン施設をすべきである、すべて子供や青年層のために使うべきではない、六十万坪というような坪数の中に一部ゴルフ場ようなものがあることは差支えなかろう、だから数字的に言えば、今いつたような数字であるが、これを具体的にどれをどうするかということの計画は、東京都で都市計画として具体的にきめてもらいたい、こういうようなことを我々意見として申上げたのであります。そういうことから適当なものが、どれかが一部ゴルフ場になるということは差支えないのではなかろうか、こう考えたわけでございます。
  79. 田中一

    田中一君 あなたのほうの記録を見ますと、無論委員会には一遍も諮問を受けないというのですが、一千万坪の、一千万坪と言いましたね、一千万坪の首都の敷地をどうしよう、こうしようという問題は、首都建設委員会の諮問事項じやございませんか。
  80. 町田保

    説明員(町田保君) 先ほど申しましたのは、砧緑地をゴルフ場にすることという具体的な問題について、首都建設委員会で議題になつたことがないということを申上げたのでございまして、この一千万坪の緑地計画については、首都建設委員会にかけまして、首都建設計画としてきめたわけでございます。
  81. 田中一

    田中一君 この衛星都市の問題については、どの辺の範囲まで考えておられますか。例えば首都というのは東京都だという現在の考え方か、或いは隣接の千葉なり神奈川なり首都の一環として衛星都市を考えておるのかという問題です。
  82. 町田保

    説明員(町田保君) 衛星都市の問題につきましては、東京を中心としまして約五十キロの区域というものを、その中の人口構成、都市構成というものを対象にしていろいろ研究し調査いたしております。
  83. 田中一

    田中一君 多摩川を渡りますと、農地でなくてもう非常に景色のよくて、リクリエーシヨンとしては非常にもつてこいの所が非常にたくさんあるのです。神奈川県は御承知ように武蔵野平野の丘あり川ありという所があるのです。こうした問題を、あなたが全体の一千万坪の緑地ですか、考えられた構想のうちの一部です、この十二万八千坪というのは。このよつて来たつたこの案というものはどういう経緯で来たかということは御承知ないですか。委員会に一遍も諮らん、相談もしないというので御承知ないというお考え方ですか。それから若しこれが一千万坪の計画のうちの一つだということで砧に求めた、これは正しいのだ、差支えないのだという御意見ならば、衛生都市を考えように、少くとも他の地区にも適当な所がたくさんあるのです。首都建設委員会の役目というものはそんなものではないのですね。都民のためのリクリエーシヨン場としてこれを作るのだということは、都が勝手にすることは勝手にしていいものもあるでしようね。併し首都建設委員会の使命というものは、こういうものに対してやはり諮問されなければならないというよう考え方を僕らは持つておるのですがね。それはどういうことになつておりますか、あなたがたの役目の範囲というものは……。
  84. 町田保

    説明員(町田保君) この砧緑地の問題は一千万坪というのは、東京都内に計画されておる緑地の総数でございまして、これを将来の人口八百五十万と仮定いたしまして、それを先ほど申上げましたような分類をいたしたわけでございますので、八百五十万というのは、現在の東京の区域でございますので、この区域内に割当てた場合に六十万坪ぐらいが考えらるべきであるということでございまして、全体を考えないということでは実はないのでございます。この全体については、又全体の緑地計画というものの考えるべき調査はしておりまして、それは一千万坪でなくてもつと厖大なものになると思うのであります。  なお首都建設委員会の役割でございますが、これは現行の法律では、東京都の区域内に限られておりますが、従つて委員会権限なり勧告なりがオフイシヤリーに及ぶのは東京都の区域内だけでございます。併しそれでは本当の首都建設は立ちませんので、調査研究は、先ほど申上げましたほぼ五十キロというような区域を対象にして研究調査をしておるわけでございます。
  85. 田中一

    田中一君 どうもこの問題は逃げられてしまいまして、東京都の問題であつて大臣にすつかり逃げられてしまつたのですが、今までの官房長、計画局長どつちですか……。
  86. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 計画局長でしよう
  87. 田中一

    田中一君 あなたはきつとゴルフ好きでしようね。この問題一つ東京都にあなたのほうから御照会願つて、どういう経緯でここへ来て、現在どうなつておるのか、私が調査した範囲では、もう東京都のほうでは、建設委員会でこれを実地調査してこれを大体やるということに決定しておるそうです。それをお調べ願いたいということが一つと、それからこの地域に用賀から十五分で行ける道路の問題をどうするのか、水道の問題をどうするのかという問題と、それから周囲におけるところの東急の所有地というものを一遍お調べ願いたい。私が今言う通り、まだこういうものを東京の都民というものは、こういうものは必要としないという前提なんです。殊に農地を十二万八千坪も潰して……、二百億も金をかけて黄変米を買うなんということをしておる今日の現状からいつて、この十二万八千坪の農地から幾らとれるかということを考えますと、やはりこういうものも必要なんですよ。まだゴルフ場や何か作つて遊んでいるような、老人の、年寄りのリクリエーシヨンにいいかも知れませんけれども、遊んでいるような日本経済状態ではないということなんです。それに加えて、これができ上ると、これは恐らく東急が管理をする、経営をする。そうしてそれに都は何をするかというと、都は道路やなんかをつけるのですね。恐らくそうなつて来る。都民の金を或る特定なる人のために、本当に極く少い特定の人のために、どういう形で計画が出るか、これは計画局長一つお調べになつてお出し願いたいのです。  それから大臣に申上げるのは、大臣首都建設委員会委員長なのですから、これは小さな問題ではないのです。本当に小さな問題ではないのです。老人のリクリエーシヨンと言いましても、東京都に居住する老人のうち極く、顕微鏡で見なければわからんような階層の人たちのリクリエーシヨン用なのですから、こういうような問題が、少くとも利権的なにおいのするこうした計画が、大臣知らなかつたのではいかんでしようし、又町田さんも、おれも知らないというのでは止むを得ませんけれども、こういう問題こそ一つ首都建設委員会としても十分にお調べになつて、当委員会に資料をお出し願いたいと思うのであります。これを一つお願いしておきます。
  88. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) だんだんのお話で、調査いたすべき問題点は調査いたしたいと考えております。ただ先ほど来いろいろお話がありました点につきまして、私どものこの処理をいたしました経緯の上で御了解を願つておきたい点も相当ございますので、その点は申上げさせて頂きたいと思つております。  土地の、この用地そのものは昭和十五、六年当時に、紀元二千六百年紀念事業で、東京都が緑地公園計画の一環といたしまして、この砧緑地というものを整備した。その遺産がかような砧緑地計画という結果になつておるのであります。従つて所有関係は、これに対して国も補助いたしております。国も当時補助いたしまして、東京都の都有地になつておる現状でございます。  田中委員から先ほどお話がございましたが、開放農地であるという関係でございますが、これは都有地を戦時中食糧増産のために耕地に利用さしたという経緯になつておるのが、今お話なつた解放農地の意味であろうと思います。所有権の実体としてはさよう関係になつておるのであります。  それからこの話を持ち込みました経緯に若干関係があると思いますけれども、実は東急の経営に属する駒沢ゴルフ場というものを、東急は曾つて経営をしておつたということを、私ども聞いております。ところが、駒沢ゴルフ場そのものがやはり戦事由これは耕地に潰されまして、或いは緑地に編入せられまして、ゴルフ場の施設はその際東急の手から放されたという経緯があるというふうに聞いております。これの代り施設という意味で、委託経営権を申請しておる点もあるのではないかと思います。これは私ども何が故に東急がこの委託経営権を主張されるかということを一つの問題点にしたときに発見した一つの事実でございますが、そういう経緯があるというふうに私は聞いております。又これは東急そのものの経営権の問題、委託経営の問題として現われて来る一つ関係ではないかというふうに考えておるのであります。  緑地とゴルフ施設との併合する施設としていいか悪いかという問題でございますが、これは緑地と農地と抱き合わせる、或いは緑地と他の体育施設と抱き合せる、緑地とゴルフ施設と抱き合わせる、いろいろの抱合せは考えられると思いますが、私ども考えといたしましては、先ほど首都建設委員会の町田局長からもお話がありましたように、緑地と抱合せできる施設、これについてはゴルフ施設必ずしもいかんということは出ないのではないか。ただ大臣お話にもございましたように、緑地全部を潰してゴルフ施設にするというふうな考え方には、これは賛成しかねる。緑地の利用方法として、できるだけ多数の人が利用できる施設に持つて行つてほしいけれども、併し一応公認されて整備されたる形の緑地というものが、結局これは潰される虞れがある。その点もやはり緑地を運営管理して行く上において、一つ肝要な点であり、考えなければならない点であるというふうに考えておつたのであります。そういう点からいたしまして、抱合せの条件と申しますか、条件の上でゴルフ施設必ずしも反対ではない。ただ施設の活用はできるだけ多数の人が利用されるという意味において公開される、いわゆる。パブリツクでなければならないということを考えておつたのであります。そういう点等は、これは今後の東急との契約その他の条件の上で明らかにしたいという希望を付しまして、回答をいたしております。  東急に経営権を委託するという関係につきましては、田中委員からもお話があつたのでありますが、私ども、民間の企業者がこういう施設の管理に参画するということ必ずしも歓迎をいたしておるわけではございません。できれば東京都の直営、外国の都市でもあるのでありますが、そういう体育施設を公共団体自体が直営するという形のほうが望ましいと考えております。考えておりますが、併しその施設そのものを寄附するという関係もあり、東京都自身としては直営の施設を整備するという考え方を持ち合せていないよう関係もありましたし、出て参りました関係もありますので、その点については、信用ある相手方でなければならんという考え方と、それから公開利用という方法でなければならんということを条件に付しまして、回答いたしましたような次第であつたのであります。
  89. 田中一

    田中一君 今、局長の御説明ですがね、東京都の所有地だということですが、所有地、それに対して施設をする。その施設だけを東京都に寄附したというのでしよう。これは無論全然無料でゴルフ場も使わせるならこれは別問題でありますけれども、恐らく時間のなにをやり、料金も取るでしよう、動物園もありましようし、遊び場もあるんでしようから……。東急が全部費用を払うというだけなら、全然無料でサービスするというなら別ですよ。それで近在の沿線の自分の土地の開発といいますか、値上りを目途としてやるという投機的なものもあるでしよう。併しながら東京都のものなら、東京都が土地を貸してやるのですから、地代を東京都が取つていいと思う。それを施設をやつている、その施設を寄附するから、経営権はおれが持つている、だから東急にやらせなければならないという理由にはならんと思うのです。向うはリクリエーシヨンである、緑地帯であるという美名を言つておりますが、恐らくこれは料金を取るんでしよう。それもお調べ願いたい。まあ無料でもつてゴルフ場を開放すれば、ゴルフ場はめちやめちやになつてしまうから、料金を取ります。会員制度にして、十万円から十五万円ぐらいの入会金を取つてやるのであるから、一般のオープンのものにしても、料金を取つてやると思います。そういう関係から見て、東急があすこで経営するということだけやめれば、それでオープンに全部公開して、ほかのゴルフ場が一遍入るのに千円かかるならこれは百円ぐらいでやるということなら、まだ、まあ納得しませんけれども、一応恕すべき点もあると思うのです。併し土地は都のものである。施設だけをして管理権を持つ、経営権を持つという姿は、これは私はどうかと思うのです。これはなお後刻御調査の上御報告つて、又この問題については、建設大臣の善処を要望する機会もあると思いますから、一つお聞きおき願いたいと思います。
  90. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  91. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 速記を始めて。  それでは継続してやりましよう
  92. 田中一

    田中一君 十九国会で我々通しました土地区画整理法、この政令が恐らくもうできていると思います。そこでこの政令に基きまして、大体十月から施行したいというような意向を渋江局長は言われておるのです。これは御承知ように、各地の現在の区画整理というものが難航いたしておるということは、区画整理委員の問題なんです。これはもう私が言うまでもなくよく局長も知つているように、やはりボスがおりまして、終戦当時ならばまだよかつたのですが、もう十年近くも経過しますと、いろいろな意味の権利が生じまして、不法占拠の土地ですら権利があるような形になつておるし、従つてそこにいろいろな権利が錯綜しまして、そこにボスが介在しまして、常に事業の遂行を妨げているという現状なのです。それが土地区画整理法という法律ができましたために、やや我々も愁眉を開いておるわけなんです。ところが、これは施行されまして一年以内に、区画整理委員の改選というものを行うことになつているのです。ですから、早く実施せよということを要求しまして、これは速記録に基いておりますから間違いありません。渋江さんは何といつても十月からやりたいというような、大体それらの所要の期間を一応予定いたしまして、おおむね十月にはこの法律を完全施行するという形にいたしたいとかよう考えております、こう答弁しておるのです。これはこの間もこの問題で建設省行つてつてみると、一応の政令案ができている。併しながらどうも予算関係上、大蔵省がなかなかこの政令では満足してくれないような様子だつたというふうに私が察知した点でございます。誰も、局長が聞いたわけじやありません。こういうふうに聞いておるので、これは一つ大臣がその事情を御承知かどうか。御承知でなければ、これは私が今申上げたような経緯ですから、これについてどういう考えでおられるか。これは若しこの法律通つてから一年以内の施行になつておるのなら、来年の五月頃までに出せばいいことになつておりますね、そういう点を伺いたいのです。
  93. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) 土地区画整理法の施行期日につきましては、今田中委員からお話になりました通り、大体この十月頃までには公布施行をいたしたいというふうに考えて、その通りにそういう御答弁を申上げております。又田中委員から御指摘がございましたように、政令案の骨子も大体できております。問題点は、これ又今御指摘になりましたように、その法律に基き措置いたしまして、区画整理事業に対する国の負担、それから公共団体の負担、この負担区分を明らかにいたしたいというのが、区画整理法の本体に出ておりますが、これを政令で明確に、国の負担はかようような事業については何割、それに対応する地方公共団体の負担分は何割ということをはつきり出したいわけなんでありますが、大蔵省といたしましては、これは戦災復興事業につきましては、二分の一ということにいたしまして、予算的な措置で今日に至つておりまするが、今後の法律に基く恒久的な措置として、区画整理事業に対して国の負担はどのくらいという率を立てるについては、相当慎重な態度をとる。つまりこれを規定の上に現わすことについては、いろいろの口実を設けまして渋つておるのであります。で、この施行期日を急げば、その負担区分のものは今後の話合いがまとまるときまで延ばしてしまつて、その部分は省いて、施行期日を早くしてしまう、こういう考え方も成り立ち得ると思いますが、併しさよう関係に立つて参りますと、これは区画整理事業に対する負担区分の国の負担というものを明確化させる時期というものは、恐らく現状と余り変らない予算的な措置にとどまりまして、法律では明確化しないというような形になつて来る虞れが多分にあるというふうに私は心配いたしておるのであります。それらの関係は、いずれにいたしましても、三十年度予算というものの編成を一つのめどにいたしまして、大蔵省もその負担関係をきめて行かなければならない段階に実は迫られていることは事実であります。さよう関係等もございますので、私どもの希望を申上げさして頂きますならば、その予算関係の措置と睨み合わせてこの負担区分という問題の規定も一緒にいたしまして、政令の公布施行という段階に運びたいというふうに現在のところ考えておるのであります。で、大蔵省関係の折衝については、これはいろいろ努力をいたしております。さよう関係を待ちまして施行をする。で、これはいずれにしても、予算編成との関係がありますから、遅れましても、この予算編成の固まります時期までには公布できるという形になつて来ると思うのであります。三十年度の編成の機会に区分が明確にならないというようなことでありましたら、これは一年待つても来年度予算編成のときまでには、少くともこのチヤンスはなくなつてしまうというような格好になりますけれども、少くとも現在の話合いの段階から申しますれば、何とかそれについての負担区分の明確化ができるのじやないかというふうな望みをかけまして、これと同時に施行いたしたいという考え方で現在来ております。
  94. 田中一

    田中一君 そうしますと、おおむね三十年度予算案の固まる時期というものはまあ十二月初め頃で、そうすると、年内には必ずこれが公布されるというふうに理解してよろしゆうございますか。
  95. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) これはこの機会でございますから、大蔵省との話合い、相手があることでございますから、その関係等を考慮しまして、話がまとまればできるだけ早く公布する。これは別にそれ以上温めておく必要は私はないというふうに考えておりますので、そういう考え方で進みたいと思います。
  96. 田中一

    田中一君 大臣はいつも、部内のことは部内で相談さしてくれと言うから、相談をお任せしたいのですが、このような、これは非常に重大な問題なんです。どこに行つても血の雨を降らしている。人間が死んだこともあるのですよ。暴行罪で起訴された例もあるのです。そのような重大な問題なんです。これは念願として三年間叫び続けて来て、やつと提案して通つたわけですが、でき上つた。まだこれがもたもたして実施されないなどということはあり得ない。そういう点を非常に心配しまして、当時私もこういうことを質問しているのです。これは施行が延びる。延びた場合でも、現在の運営という面は、やはり新法の精神でやつてくれるかどうか、こう言うと、計画局長は、許す範囲、新法の精神でやりますということを言つておるのです。そういう措置を、或いは通牒でも出したらどうか、もう一つ伺いたいのですが。
  97. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) 著しく施行期日が遅れるというようなことになりますれば、それはお話ように、法律の規定は公布されたけれども、実を伴わない、運営が別に行われているというような事態を許すわけには参らんと思いますので、この前の国会のときに御答弁申上げたと同じ意味合いにおきまして、そういう通牒その他によつて、法令上許す範囲内の措置はこれはとつて然るべきだというふうに考えております。只今のところは、そういう中間的な経過的な段階を設けるまでもなく、新法施行に切替える措置をできるだけ早く進めるという方法で行きたいというふうに考えております。
  98. 田中一

    田中一君 これが施行されませんと、区画整理委員の選挙なんかは全然実施できないわけですね。そこで区画整理委員の選挙は、仮に今月末にこれが施行された場合には、いつ頃までにやることが望ましいと、無論これは地方公共団体がやるのでしようけれども、お考えになつておりますか。
  99. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) この区画整理委員の選挙実施その他のことについては、私も今確たる案を持ち合せておりません。持ち合せておりませんが、これは区画整理委員の選挙は、規模は小さいとは申しますけれども、かなり各地域で行われるということになりますれば、ほかのやはり選挙関係の、公共団体の理事者の選挙、或いは議員の選挙とか、そういつたような選挙時期との関連もございますから、そういつたようなことを先ず念頭に置いて、できるだけ抵触しないと申しますか、適正な時期を選ぶ、こういうことでやりたいというふうに考えておりますが、それ以外の時期を選ぶ条件として、どういう時期がいいかというような点については、まだ具体的な案を持ち合せてはおりません。
  100. 田中一

    田中一君 法律の上では、施行は一年以内に……。
  101. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) その点は、ちよつと規定を今持ち合せておりませんが、多分そうだつたのではないかと思いますが。
  102. 田中一

    田中一君 今国民が一番やつてほしいという問題は、区画整理委員の選挙の問題なんです。今でも御承知ように、終戦後土地の所有者も借地権者もおらないような戦災都市、みんな疎開していない所に勝手に入り込んだ人間が、三票でも五票でももらえば、立候補者がいないのですから、区画整理委員になつている。現に高円寺の例を見ましても、これは今までのすし屋さんが区画整理委員なつた。その時分には人がいなかつたのです。そこになつたものですから、直ちにすし屋をやめて、土地建物取引業者となつてつておるのです。ことごとくそういう形でもつて、個人の持つている、主として地主につながつてつておるのです。今区画整理委員は地主以外にはできませんから、そういう形が多いのです。そこで区画整理委員の選挙の時期と、それからその選挙民の資格を得る時期というものは、いつに押えるつもりでもつてこれを立法しましたか、こういうことですよ。いつか、来年の五月なら五月に選挙するといつた場合に、資格があるわけですが、資格があるものは無論借家権者ではありません。借地権者と土地の所有者は選挙権があるわけです。ところが、委員会でも随分僕はあなたに質問したのですが、地主は土地を分筆すれば、細かに何人でもできるわけです。大抵新開地は大地主なんです。それをただいつに押えるか。私はこの法律の施行時期に権利があつたものは選挙権を持つているのだというように規定してほしいのです。大地主が自分の利益のためにやるというような選挙は避けたいと思うのです。時期が非常に大事ですから、あなたの構想はいつ頃まで持つている権利を認めるというのか。
  103. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) 法律の規定といたしましては、いわゆる区画整理事業計画というものを発表した時期をもつて権利関係を押える、その場合における所有権者が選挙権者、被選挙権者であるという形に原則はなつております。その後の権利移動については、権利移動関係を適正に証明し得る方法があれば、それについては認めるという形になつてつたかと思います。大体そういう原則になつてつたかと思います。  田中委員の今の御指摘になつておる点は、新法への切替え時期の区画整理事業計画というものは、すでに事前にできておる。その新法切替えによる選挙期日をいつに押えるかということをご指摘になつておるのだろうと思います。これについては、先ほど申上げましたように、私ども今直ちにどうという腹案を持つておりません。おりませんので、御意見の点なり御希望の点を十分お聞きいたしまして、又そういう点についての私どもの案を立てたい、こういうよう考えておる程度でございます。
  104. 田中一

    田中一君 それは政令には織り込んでありませんか。
  105. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) その点は詳しくは私もまだ押えておりませんので、調べまして又お答えを申上げます。
  106. 田中一

    田中一君 大臣一つ。今お聞きのような質問を私がやつておりますが、この公布の遅れておるということは、今局長が言つたようなことなんです。これは同じ閣僚の間でございますが、やはり国民が非常に困つておる問題です。そこで一日も早く部内の問題を御解決になつて施行して頂く大臣の自信を一つ聞かして下さい。いつ頃になつたらいいかということを……。この内容は大したものじやないと思うのです。
  107. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 御承知ように、大体各省、殊になかんずく大蔵省との交渉は、やはり一応事務のほうでやつておりまして、事務のほうでどうにもならんという、決裂になつた場合に、閣議交渉、大臣の交渉をやつておるのであります。今の問題は駄目になつたという意味ではなくして、来年度予算の編成を契機にしてこの問題をきめたいという問題になつておりまして、全く事務当局の話の進行中であります。私らから感ずると、少しも役人の経経験のない人間から見るとどうも一年も二年もこんなことを議論しておるのはおかしいと思う。あなたと同じようにさつさとやつたらいいという感じを持つております。従つてかなりうるさいという感じを持たれておると想像しております。従つて性格から言うと、国会できまつた法律はどんどん施行すればいいと思うのであります。何もそんな今年の暮だの、一年だのと言つていないで、進めればいいじやないかという感じを持つておりますが、今申した通り事務には事務の今までの慣例もありましようし、しきたりもありましようから、余りそういうことをむちやにすることもどうかということで、とにかく打切つて喧嘩別れになつたもの以外には、私どものほうではしないことにしておりまして、今の問題は渋江君の答弁通り、三十年度予算のめどがつきますれば政令の案も決定すると思うのでありまして、その時期まで一応待とうと思つております。一応事務の進行程度を待とうと思つておりますから、渋江君の答弁通りお答えしておきます。  それから区画整理委員の問題ですが、それはあなたの御趣旨の点、私自身も経験しております。でありますから、この法律が施行になりましたならば、今あなたのおつしやつたような弊害が起きぬ時期に選挙資格をきめる。恐らくその選挙資格は、私は知らんけれども政令できまると思うのでありますが、法律政令で必ずきまると思つておりますし、なおそういう場合には、法律政令を作る場合には、あなたの意見と全く同感ですから、そうした脱法行為のない方法で作ろうと思つております。
  108. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 簡単に一つだけ伺いたいと思います。詳しいことは又あと事務当局に聞きたいのですが、防衛道路の問題ですね。三十年度予算において、この防衛道路の計画は織り込まれておるかどうか、その点一つ……。それからアメリカからの防衛道路に対する援助の今の折衝の過程、どういう折衝をしておるか。これは今まで新聞に出ておるところによると、アメリカの余剰農産物の見返円資金のうちから防衛道路資金が出るように言われておりますが、そうであるのか。それと又別途に、防衛道路の援助というものは折衝されておるのか。そういう二つの点について伺いたいと思います。
  109. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) その問題についてはこの前、木村君はいらつしやらなかつたけれども、やはり同じような質問がありまして、一応ざつくばらんにその当時お答えしたのでありますが、折角の御質問でありますから、重ねてお答えしますけれども、来年度に防衛道路の予算というものは考えておりません。この防衛道路の話の起りは、これはまあ、ちよつと速記をとめて……。
  110. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  111. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 速記を始めて。
  112. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういう場合ですね、具体化した場合、こういう委員会でもそういう内容を発表できないですか。そういうことと三十年度予算には考慮されていないと言われますけれども、約五十億ですね、約五十億を三十年度において援助されたいという案を立てられて、向うへ持つて行つているように聞いておりますが……。三十年度関係のないような道路費……。
  113. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それはあなたの御質問が、三十年度予算に防衛道路を計上して要求しておるかという御質問でありましたから、そういうものは、今大蔵省に出しておりますけれども、出しておりません。併しながら今のアメリカとの交渉は或いは五十億になるか百億になるか、二百億になるかも知れませんけれども、そういうものがいよいよ話がきまりまして、これは覧に計上しなければなりませんということになれば、或いは追加計上するかも知れませんが、今海のものとも山のものともつかないものを予算に計上することはできませんし、向うが出すと言つたわけでないし、五十億ならいいが百億はいやだと言つて、一文も出さないと言うかも知れません。そういう意味で今予算を出してもらうことは、三十年度予算としては大蔵省に要求しておりますけれども、その中にはそれは一文も入つておりません。ただこれから交渉して、それでは今年五十億、来年五十億、再来年五十億やろうということになれば、或いは追加して出すかも知れませんが、向うが出すことがきまらんものを予算に計上できませんから、従つて計上していないとお答えしたのです。
  114. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その話合い向をうでやつている内容については、今述べられないことは、これは交渉の過程ですから止むを得ません。併し若しこれが具体化して来ると、これは非常に道路政策、又予算上にも大きな関係が出て来ますよ。ですから、そういうものは発表されなければなりませんし、それから大体その計画ですかね、計画というものは一応向うで今折衝されておるかも知れませんが、そういうものは我々に示される必要があると思います。こういう計画を持つておるのだと。それでなければ、我々建設委員として日本の道路政策考えれば、これが今度は相当大きな比重を持つて来ますよ。それについて我々がそういう政府の今後の道路政策、或いは日本の産業、そういうものに非常に重大な関係のある防衛計画が、アメリカさんに示されておつて我々に示されておらない。こういうことでは、我々は又今後予算審議する上において、建設省予算は勿論、その他の全体の予算審議する上においても、これは非常に困るわけですね。ですから、計画というものがおありになつたら、これは差支えない程度において、我々に示されたいと思うのです。
  115. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) ですから差支えない程度に申上げたのは今の程度です。だから、従つて今、それは木村君の言うこともよくわかりますよ。例えばアメリカとこうこうこうした交渉をしているときに、ここで今委員会で発表したらいいじやないかというお話ですが……。
  116. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その交渉の過程はいいです。建設省として今後防衛道路なるものの政策の中心としてどういうことを考えておるか。これは一回限りじやないと思うのです。例えば三カ年計画、或いは五カ年計画というものがあるはずですよ。又防衛道路と関連して防衛計画というものも、これは関連して来る問題です。ですから、そういう一連の計画というものを私は示されないと、全体の経済政策を我々が検討する場合に困る。それが部分的な、大局的に影響するものでなければ、それは余り重要ではないと思います。併しこれは相当やはり重要な問題です。
  117. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それは私のほうでは、計画にも何にもならんです。なぜかといいますと、これに対する計画というものは、予算裏付けがないものは計画でもなんでもないと私は思う。ただ空中に画を描いただけでは、計画ともなんとも言えないのでありまして、私のほうで計画となるのは、少くともその裏付けとして予算というものが入つたというときになつたら、これは本当計画になるのです。これは計画の素案という……案の問題で、向うへ私どものほうで百五十億要求して何とかならんと、五十億でも来て、やはり百五十億の交渉をしましたが、五十億しかできませんでした。従つて百五十億の計画の案はこうでありましたが、五十億はこういうふうな計画だということは、これは勿論発表いたします。それでも何らか案にするような姿のことぐらいは、できるだけ私は申上げることはいいという意味で、先ほど申上げたのでありまして、申上げた点から言うと、大体想像つく程度に申上げておるつもりです。ですが、まだ何にも裏付けがないものを申上げては、却つて馬鹿にしたようなことになると思いまして、もう少し実現の可能性のある時期に詳細に申上げて、御審議を得るものは御審議を得たいと思います。
  118. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その資料としても、例えば大蔵省のほうには、三十年度予算には、防衛道路計画予算の折衝の際には出していない。それは併し今私は五十億と聞いておるわけですが、そういうものは折衝の過程にあつて、それが向うがいいと言えば、この数字は織り込まなければならん、こういうので、相当何といいますか、これは机上計画ではなくして、もう話が進んでいるわけでしよう
  119. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 進んでいないわけです。進んでいるなら発表します。
  120. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一応併し向うと折衝の過程の案ですから……。
  121. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) まだ出ていないのです。これからアメリカに行つてなさるわけです、総理が。まだイギリスにおりますから……。
  122. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはそれでいいのです。
  123. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 金の問題は……。
  124. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 併しそれについては、例えば五十億なら五十億、百億なら百億、そういう援助を要請するについては、基礎計画というものはあるものなんです。基礎の計画が……。それから今、議論になるからやめますけれども、例えば防衛道路を五十億或いは百億借りるという場合に、ほかのいろいろな援助関係もあるのです。全体のバランスを考えてどういう、例えば仮に一億ドル援助するとしたら、その中で防衛道路の占めるウエイトはどのくらいで、どういうところに重点を置いて折衝するかということも、議論の対象になるのですけれども、併しいろいろ作業をされておる。それからそういう防衛道路というものを考慮に入れた道路五カ年計画というものもありますが、ああいうものも相当つて来るのです。ですから、そういうアメリカに防衛道路という名目で援助を要請するについては、こういう構想で要請しておるのだということを、やはり我々としては、これは資料ですよ、参考資料として出せたら出して頂きたいと思います。
  125. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それは暫らくお待ち願いたいのです。先方でこういう非公式というよう考えの相談をよそに発表してくれるなというのでありますから、併しどうなるかわかりませんから、もう暫らく御辛抱願いたいのです。併しながら機会あるごとに、あなたのほうの気持は、私の考えがわかるように、発表はしないがだんだんわかつて来たという程度のことは話したいと思つております。
  126. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それではその過程でお願いいたします。
  127. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後一時五分散会