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1954-09-20 第19回国会 参議院 建設委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月二十日(月曜日)    午前十時五十八分開会   —————————————   委員の異動 九月十五日委員湯山勇君辞任につき、 その補欠として小笠原二三男君を議長 において指名した。  出席者は左の通り。    委員長     堀木 鎌三君    理事            石井  桂君            石川 榮一君            三浦 辰雄君    委員            小沢久太郎君            赤木 正雄君            北 勝太郎君           小笠原二三男君            近藤 信一君            田中  一君   国務大臣    建 設 大 臣 小澤佐重喜君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋主君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省河川局長 米田 正文君    建設省住宅局住    宅企画課長   南部 哲也君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (過年度災害復旧に関する件)  (台風十二号及び十四号による被害  状況に関する件)   —————————————
  2. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) では只今から建設委員会を開会いたします。  建設大臣まだ見えておりませんが、追付け出る予定になつておりますから、先ず如何でありましようか、最初に河川局長から十二号台風のその後の情勢と十四号の関係等差当りお聞きしておれば、そのうちに建設大臣も来ると思います。
  3. 田中一

    田中一君 先ほど個人的に河川局長から、今日十二時半の「はと」で中京方面に出張するそうです。できるならば自分に対する質疑はその前にして欲しいという話があつたわけですが、若し皆さんが御承引願えるならば、河川局長にお聞きいたしたいと思います。十四号台風の詳細のことにつきましてはその後に廻して頂きたいと思います。
  4. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 田中さんの所要時間はどれくらいになりますか。
  5. 田中一

    田中一君 無論大臣が来て、大臣と一緒に並んでおいて質問したいと思いますので、その前に河川局長にだけでも質疑したいと思います。
  6. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 御差支えございませんでしようか。
  7. 石川榮一

    石川榮一君 田中さんの御質問御尤もですから、我々も成るべく十四号の状況等を知りたいのですが、成るべく簡素にやつて頂いて、その時間が与えられて、局長説明もできるように斟酌してお願いいたしたいと思います。
  8. 田中一

    田中一君 石川さんの御意見御尤もです。そのように努めますが、ただ前回委員会でも愛知通産大臣と共に伺いたいことがあつたのですが、愛知通産大臣も御承知よう公務があるので中座いたしました。従つて委員会を今日まで延ばしたわけです。十四号台風の詳細は決定的のものはないと思いますが、概況の報告だけにとどめて頂いて、それは私の質疑が済んだらその間に挾んで頂いて結構ですからやつて頂くようにして、石川さんの御意思も含めた、私としてはそれを承知して質疑を行いたいと思いますから……。
  9. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それでは米田君が公務のための何がありますしするから、米田君に対する質問を先にいたしますが、あとで米田君からやはり台風報告も受けなければなるまいと思いますから、それをお含みの上で田中委員質疑を願います。
  10. 田中一

    田中一君 前回委員会で不幸にして愛知通産大臣公務のために質疑を中途で中止しておりますので、改めて伺いたいのは、先般通産大臣答弁では、十分鉱害地区におけるところの地下構造といいますか、現況を建設省連絡の上河川その他の改修工事をやつて頂いておるというような言明があつたのです。ところが河川局長に聞きますと、本年の四月に不十分な資料の提出があつた。同時にそれでは不十分だからもつと明細調査書を出せということの要求に対しては、今通産省はそれを調製中だという答弁がありましたけれども、一体今日まであの北九州鉱害地における地下構造といいますか、炭坑の掘さく状態というものが全然知らすして遠賀川河川改修工事大正年代から今日まで続けておつたのかどうか。そうして初めて公式にうの四月に通産大臣に対して地下構造を、掘さく状態報告せよといつた要求をしたのかどうか、その点、今までの大正年代から今日までの遠賀川河川改修に対しての設計並びに施工上の経緯を概略御報告願いたいと思います。
  11. 米田正文

    説明員米田正文君) もうすでに御承知ように、遠賀川の第一期改修計画明治三十九年度から大正八年度に至る期間において実施をされて竣工いたした河川でございます。その後二次河川として福岡県において維持管理をして参つて来ておるものであります。それがその竣工の直後においては著しい変化等はなかつたのでございますが、御承知よう戦争中の石炭の掘さくが非常に強行されるに及びまして、堤防その他の工作物沈下を生じて来たのでございます。そこでそういう事態が特に戦争末期に至つて顕著になつて参りましたので、建設省としては前の内務省時代において、二十年度からその鉱害による堤防沈下対策としてこの遠賀川修補工事を実施することになつた次第でございます。  そこで戦争に入つてから、特に戦争末期に至つて非常に顕著な沈下を生じた次第でございまして、その対策として遠賀川補修工事を始めたのでございます。ただ地下数百メートルの坑道等調査については、勿論現地では相当調査したことがあるかも知れませんけれども内務省書類として今日残つておるようなものはございません。従つて我々としては当時のことを想像いたしますと、いずれにしても地下数百メートル下における炭鉱の石炭掘さくによつて河川工作物沈下を来たしたので、その沈下に応ずる対策修補工事として取上げたものだと思います。この原因炭鉱のための沈下原因を従来深く研究をしておつたというふうには考えられません。
  12. 田中一

    田中一君 大正年間遠賀川改修工事が一応でき上つた、その後の戦争時代を含んで今日まで、その地下坑道に対する或いは書類なり或いは実地検証なり、そうしたような手を建設省は打たないでおつたのですか。それとも一応通産省に対してはそういう要求をしておつたのですか。
  13. 米田正文

    説明員米田正文君) 以前については炭鉱状態等は勿論現地では相当調査したろう思われる筋もいろいろありますけれども内務省時代、本省としてそれを通産省と正式にどうこうするというような交渉の経過はなかつたように思われます。
  14. 田中一

    田中一君 そうしますと今まであつた改修工事というものは何ら地下変動、変革といいますか、そういうものを考慮されないで設計し、施工されたものだということには間違いがないように思いますが。そこでそういう見地から現状を見ます場合に、昨年度の植木町の附近の欠壊というものが、ただ単に地上における出水が多かつたという意味における欠壊のみではないというようには河川局長考えになつておりますか。
  15. 米田正文

    説明員米田正文君) この破堤の原因については、実はまだ調査が全部完了しておるわけではございませんので、最終的な結論お話する段階ではございませんけれども、我々の今までの考え方では、直接原因はどうも地質の関係ではないか、炭鉱の石炭掘さくによる沈下そのものには一応我々としては対策を講じておつたということでございまして、地下の地層の構造等変化等については明確でございませんので、我々としては今のところは堤防基盤の砂層がこの破堤の原因であろうというように推定をいたしております。
  16. 田中一

    田中一君 前回通産大臣遠賀川改修並びに鉱害対策について各省各局の合同の調査機関を設けるという意味ではないというよう答弁されておつたように私は記憶するのです。そこでこれは国土総合開発審議会において北九州特定地域審議中この鉱害問題が大きく取上げられたと思います。その際に、通産省並び建設省出席のかたがたと思いますけれども、至急にそうした意味調査委員会といいますか、そういうものを現地に設けるということを言明しておるように記憶しているのです。殊に六月十六日北九州総合開発計画閣議に答申する、総理大臣に答申する前におきまして、鉱害に対する対策として内閣総理大臣に対して審議会意見書を出しております。この内容については河川局長並びに建設大臣は御承知ないのでございますか。
  17. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 只今お話ような上申、意見と申しますか、審議会でございまして、今その審議会意見従つて善処すべく手続中でございます。
  18. 田中一

    田中一君 附帯決議事項としては、鉱害基本的調査に関しては早急に適当なる総合的調査機関を設け、具体案を確立し、調査を実施することということを附帯決議事項として謳つてあるのです。ところが通産大臣はそういう機関を設ける考えはないということを前回委員会答弁しているのですが、これは建設大臣との間に大分食い違いがあるのです。その点は閣議などでその点に対してどういうようお話合いがあるのか、殊に総理大臣に対してはつきりと意見書を出しております。この点につきまして、又建設大臣はそれは我々の部内のことだから部内で話するとおつしやるかも知らんが、部内で話するならどういうことをお話なさるのか、一つはつきりと伺いたい。
  19. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) この問題は通産大臣というよりも、国土総合開発という点から私のほうの省が主管になつておりまするので、余り通産大臣と打合せんでも調査には着手するつもりでおります。但しお話ように特別の機関を設けるというよりは、御承知通り総合開発特定地域には特定の地方の委員会がございます。でありますからその部会あたりで様子を調べる方針でありまして、これだけのために委員会を設けるのではなくて、特定地域になつている総合開発委員の中から部会等を設けて調査することが適当じやないかと思います。
  20. 田中一

    田中一君 私はそう解釈しないのです。実は若しも北九州総合開発のための委員会ならば、一体今日の遠賀川改修工事遠賀川復旧工事並びに遠賀川嵩上げ工事に対してはどういう設計をして、どういう基礎的な技術的な調査の上に、基礎の上に立つた設計をするか、私は専門家じやありませんから、これは赤木さんのほうが詳しいかも知れませんけれども、そうした地下構造上の変化があるということを知らないで、恐らく遠賀川改修工事など技術的な設計はできんと思うのです。若しそれを究明しないでやつた場合、再び昨年のよう災害が起ることは明らかです。殊に戦後における著しい地盤沈下ということが明らかになつている以上、その原因を究明しないで一体どういうつもりで遠賀川改修工事に対する設計並びに施工をなさるか、これを河川局長お話し願いたいと思います。今の建設大臣の言葉から捉えて、遠賀川に対する地盤沈下に対する原因の究明をしないでどのよう河川改修に対する設計並びに施工をしようとするか、又現在しつつあるか、御説明願いたい。
  21. 米田正文

    説明員米田正文君) 今の調査の問題については、私ども総合開発審議会でそういう今のような御意見が出ている。それによつて善処しようと今研究している段階だということは承知しております。で現地福岡県においてもその問題をどういうように運営して行くかということも研究しているようです。だから近く何らかの結論が出ると思います。ただ今のような御質問については、我々としては現在のところ、沈下というものは現象的にもう明確に出て来る問題でありますから、そういう一番はつきりしているのは堤防の高さが従前より低くなるというようなはつきりした事実については、これはもうその都度対処して行きたい。それからなお今後問題になりますのは、やはり漏水問題が一番問題だと思います。そういう漏水問題等についてはすでにもう調査をしておりますが、そういう点で特に大災害を起すようなことのない措置としては、漏水問題に特に重点を置きたいというふうに考えております。勿論根本的に坑道がつぶれるというようなことのために地上の陥没が起きるというような事実については、これはなかなか調査は私は直ぐ結び論を出すようなことは相当むずかしいと思うのです。相当に長い調査期間が必要だろうと思いますが、それまでとしては我々としては今申上げたようなことで対処して行くつもりでおります。
  22. 田中一

    田中一君 そうしますと、昨年の決壊以来今日まで地下におけるいろいろな意味変動というものは一応考慮しない。ただ地上現象だけを直して行くというよう考え方で現在までやつておる。同時に根本的なあの地下鉱害に対する対策というものは地元に任して、地元で以て何らかの方法を講ずるだろうというようなことのように今まで伺つたのですが、あの堤防は私が先般見たところによりますと、河川の中へ堤防を築造したというようなことになつておるのです。従つて今あなたが漏水とおつしやるけれども、確かに漏水があると思うのです。伏流水その他のものが流れているかもわかりませんが、そういうものが今までわか言ておりながら、今改めて漏水個所云々なんということは、甚だ建設省の技術というものに対して不安心な気がするのです。一体建設省は今までの遠賀川の歴史的な流れというものはどういう流れ方をしておつたかというものを、一つここでは時間がありませんから答弁を求めませんけれども、今日までどういう流れ方をしておつたか、それは明治三十何年に改修に着手する以前からどういう流れ方をしておつたか、それを大正年間に完成したまでにおける改修方針はどこであつたか、同時に大正後昨年の決壊まで、決壊から今日までどう変つて来たか、川の実際の流れに対するあなたがた考え方資料を以て御答弁願いたいのです。図面なり何なり、歴史的な遠賀川というものに対する現象対策を御説明願いたいと思います。  これは遠賀川改修工事につきましては、一応通産大臣今日来ておりませんからこのくらいで私は質問とめておきますが、これは留保しておきます。その資料をお出し願いたいのです。ただ単に漏水等応急対策をしたというだけでは国費の無駄だと思うのです。これだけであつてはいかんと思うのです。
  23. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それじや田中さん質問を留保されたことを……。
  24. 米田正文

    説明員米田正文君) 私が今申上げましたのは、差当りの処置としては地上に現われた、或いは地下堤防等基盤調査等重点を置いてその対策を立てる、こういうふうに申上げましたが、勿論地下に対する調査前回委員会でも申上げましたように、通産省とも今連絡をとりつつあるのでございますから、そういう根本的なものは勿論やるつもりでおります。併しこれには相当時間がかかる、これが出て直ぐに結論の出るような工合にはなかなか行かんというために、差当り現象に対する対策はこういうふうにやるということを申上げたので、将来の炭鉱の影響については研究をいたすつもりでございます。  それから次の問題は、これは今資料をお求めでございますから、できるだけいたしたいと思いますが、なかなか古い資料にもなりまするし、集めるのにこれも又相当時間がかかるかも知れません。漏水という問題、今のは特に漏水関係から出て来た問題のようにも思いますが、これは非常にむずかしい資料になつて来ますから、まあ一つ資料がどの程度あるか、早速研究をしてみます。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この前から田中君からいろいろまあお話がありましたが、田中君の聞きようの悪いために答えようも悪いかも知らんけれども、随分時間ばかり取つて結論が得られんと思いますが、併し今河川局長お話したことで、根本的な鉱害をも含む科学的な検討をして結論を得るというのには時間を要する、この点ははつきりしたことなんです。それで時間は要するが、まさか荏苒時間をかかり放しかけて結論を得ようとするものでもないだろう。それで少くとも福岡県当局のほうでも検討もし、又こつちでも通産建設共検討をしておるということであれば、これは大体のめどとしてはいつごろまでには何らかの成案を得るように努力しなければならんとお考えになつて事を進めておられるのか、その点だけでも御答弁を願えれば……。資料といつて通産省からまだ精密な坑道図面も出ないというようなことではめどが立たんのか、そういうところでしつかりしたことで御答弁願いたいですね。
  26. 米田正文

    説明員米田正文君) これはこの前から申上げましたよう通産省とも今協議をいたしておりますけれども、その資料を今現地通産省としては命じて整理をしておるというよう状態でございますので、私どもとしてはできるだけ早く根本対策を進めることが望ましいのですから、そういうつもりではおりますけれども、今いつまでというところの見当は立つておりません。そういう資料が出た上で一つ考えたいと思つております。
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今年度中くらいには何らかのめどがつきますか。
  28. 米田正文

    説明員米田正文君) 現地資料が出た上でお答えいたしたいと思います。
  29. 田中一

    田中一君 これは河川局長にはつきり言いますが、一体今まで鉱業法によりますと地下平面図といいますか、埋蔵や掘さく状態というものは事業場ちやんと常備しなければならなくなつておるのですよ、鉱業法によりますと。いいですか、それで検査官がそこへ行つて立入検査ができるのです、鉱業法によりますと……。通産省が今まで一体何もしていないというのはどういうわけですか。これは通産省に言うのですよ。それから殊に現地に命じて今図面調査調製をしているというようなことはありようがないのです。鉱業法違反なんです、実際言えば。無論それは法律にちやんとある。あなたが答弁するならば、鉱業法によつてこうなつておるから、即刻事業場行つて調べて来ればすぐ資料が集まるということの答弁がなくてはならないのですよ。今小笠原君の質問に対してはそれが答弁がないということ。殊に通産省が四月からやつて未だに出て来ないのは、鉱業法違反を犯しているということです。これであつてはならんと思う。今のあなたの答弁は不満なんですよ。、やつぱり関連をするものですから、鉱業法も十分お調べ願つて、行政府は当然法律によつてあなたがたの権限を行使して頂きたい。今の答弁ですと、いつになるかわからんというようなあいまいなことでは不満です。建設大臣から強く通産大臣に向つてなぜそれをしないかということを閣議で御発言願いたいと思うのです。そうするともう少し明快に、いつ頃までには一応のめどがつくだろうということが御答弁されると思うのです。それについて建設大臣の御答弁一つ願いたい。
  30. 赤木正雄

    赤木正雄君 遠賀川の今までの改修方法はどういうふうになつていたか、その調査書を出せという田中さんの御希望でありますが、御承知通り遠賀川は、私は政府に代つて答弁するのではありませんが、私の知つている限りを言えば、遠賀川は、あれは明治の初年のデレーキが来てから日本重要河川一つ一つ着手したものです。あの仕事は非常に古くて、それからその後改修をしましても、御承知通り内務省書類はあの当時終戦後殆んど焼きまして、その点は局長言つておりませんけれども、そういう古い書類がありませんから、でありますから只今小笠原委員がおつしやつた通りに、或る程度の現状のことは私はわかると思いますが、昔のほうの河川改修はどういうふうになつていたのか、或いはそのときに無論今のよう炭鉱の実情でなかつたので、その点は私の知つている範囲では全然関係なしにやつていたのです。そういう観点から、この委員会は余り時間をかけないでできるだけ早くやるようにお願いしたいのです。古い書類を今出せと言つてもこれは私は無理だろうと思います。実際問題として私の考えている範囲では……。これは局長に代つて言うのじやありませんよ。
  31. 田中一

    田中一君 今漏水云々ということを河川局長言つているのですよ。あれは御承知よう河川敷の上に築堤した堤防なんですよ。私は素人ですけれども、やはりあの田畑の上にも伏流水流れているのじやないかと思うのです。従つて漏水の問題が初めから解決されなければ、河川敷の上に築堤することはないはずなんですよ。そうすると今度は地盤の問題だ。鉱害でなくて地盤の問題だというようなことを言つてごまかしをするけれども、そんなことであつてはならないと思うのです。今言う通りあそこに恒久対策が完成すれば二十七万石の米麦が取れるという前提で重大視している。単に遠賀川改修工事のみならず、あの鉱害地区におけるところで今日の日本状態からいつて二十七万石の米麦が取れるということは非常に重大な問題です。その点から質問しているのです。赤木さんもその点御了承願いたいのです。今の点建設大臣の御答弁を願いたい。
  32. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 田中君の御要望に対しては極力善処いたします。但しその方法閣議とかいうことに制限されずに、最も有効な方法で行いたいと思います。
  33. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 私からもお願いしておくが、小笠原委員お話になつたことは御尤もだし、それから委員会としても現地調査班まで出したことですから、余りいつまでも事態が判明しないような仕方で質疑を繰り返すことも非常にいかんと思うのですから、大臣のほうで関係各省とも十分御連絡の上、至急第一に建設省としてはどう考えているのだということだけをはつきりして、そうして今後の方針はこうなんだということなんかをはつきり出して頂きたいと思いますし、特に私もこの問題の質疑応答を通じてそう考えますので、特にお願いしておきます。
  34. 田中一

    田中一君 河川局長、もう時間がないようですから、ちよつと関連で申しますが、これは問題は違います。  前々回の委員会で、事前の、さつき言いました非常に適宜な措置をやつて頂いて水防資金一億二百万円を出したということですね、これに対する内訳明細書を出して頂きたいということをお願いしておいたのです。ところがこの資料の中には単なる総括したものだけが出ておりますが、この一億二百万円ですか、この三分の一の補助についてはどういう形でどの府県にどう流しているのか、市町村に流しているのか、そうしてそれはどういう内容を持つた水防施設費なのか、これを御説明願いたい、ただこれだけでは困るのです。
  35. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 田中さんのは資料要求ですね。
  36. 田中一

    田中一君 いや、資料要求してありますけれども、それが出て来ないのです。
  37. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 今資料が出て来てから答弁さしたらどうですか。
  38. 田中一

    田中一君 資料要求しても出て来ないという理由はどういう理由なのか伺いたいのです。委員長の名において要求した資料が出て来ないから申上げている。
  39. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 今の問題ですが、私は当然出しておつたと思つておりました。この点は私の不注意でございます。特にこの前の問題に対する質問で、或る県に余計出したのじやないかという御質問があつたので、意地になつてもこれは出さなければならない。併しこれは従来事務的な扱いによりますと、各府県にやつた資料は出していないのです。どうでしよう、そういう意味ではそこに何か意味があるかと思いますが、特定の希望する人にその明細を出すことにして御了承願います。公けにここにお配りせずに、特に必要な委員のかたにだけその通り資料を出す……今まで出した例がないそうです。
  40. 田中一

    田中一君 私が懸念するのはこういうことなんです。不幸にして、幸いか、台風が来るとその金はそれに成るほど忠実に使うのでありますが、たとい俵を買いましても、俵というのは腐つちやう。そうすれば消えちやうというので、実際の意味水防施設としてどういう形で使われるかということを非常に懸念するわけです。そういうところで、若しも今言う何県の何町村に配られたということになれば、私見に行きたい。見に行つて、実際に補助費がそのような正しい意味水防費に使われているかどうかという問題を調べたいと思うのですよ。
  41. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それは結構です。
  42. 田中一

    田中一君 その意味で申上げているのですから、若しそういうことができないというのなら、できない根拠ですね、これは大臣でなくて、河川局だから河川局長に、そういうものの明細書は発表できないという、公務多忙の拒否権と同じようなことを言われたのじやちよつと困るのです。
  43. 米田正文

    説明員米田正文君) それは資料が非常に細かくなるという趣旨だけであつて、どうしても御必要というのならばそれほ出す準備はいたします。
  44. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 小笠原君からは少いと言われるし、田中君からほ多く持つてつたと言われるし……。(笑声)
  45. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 府県別に出したつてそんなことは大したことはない。
  46. 田中一

    田中一君 府県別じや困るのですよ。市町村別に出して下さいよ。
  47. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その点ですが、河川局長に伺いますが、その補助の対象となるものはどういうものを対象にしたのか、それからそれは先に金をやつていろいろ仕事をさせようとしておるのか、地方で一方施設したものに対してあとで金を出すのか、その点をお伺いしたいと思います。
  48. 米田正文

    説明員米田正文君) これは水防の補助でございますけれども、この一億円の分は今度の台風、今度というのはもう済んだのでありますが、こういう九月の台風に対処するために応急のものとして特に水防資材に限定をいたしたのであります。倉庫だとかそういうものの費用でなく、俵類だとか或いは鉄線類だとか、或いは竹、木、そういうものを購入する資材費です。そういうふうに限定いたしております。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると炊き出しとか何とか、そういうもので使つてはならない。まあ一部の消耗品ですね、水防の。そうするとそれは会計検査等はどうするのですか。
  50. 米田正文

    説明員米田正文君) これは今申上げたようにはつきりした資材でございますから、会計検査もそれを検査するのははつきりできるようになつております。というのは、今のところ各都道府県に対して補助をしております。市町村に対しては、各府県がこの台風状況を見て、それを支給することになつておりますので、一応県の予算の使途を見ればはつきりわかると思います。
  51. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 予算の使途を見れば金銭上のことはわかるだろうけれども、実際竹、木材、土嚢、こういうものを買つたか買わんかということは、災害地等では流されてしまえば見えないものですからね、この点はどういうことでおかるのですか。
  52. 米田正文

    説明員米田正文君) それは特に今回の処分としては、この一億円で県が実際に資材を買つたのです。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 県自身が……。
  54. 米田正文

    説明員米田正文君) ええ。現物で各市町村に渡しておりますからはつきりしております。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 それに関連して。今県のほうに渡してあるのは、直轄のほうの仕事に対してはそういう金は廻つていないのですか。
  56. 米田正文

    説明員米田正文君)  直轄には直接渡しておりません。ただ今県がそういう資材を保管しておりますから、必要があれば直轄河川の区域であつてもそれを廻してもよろしうございます。ただそれを地方建設局に廻すのでなくて、その地元の町村に廻す。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 直轄の仕事で災害を受けた場所につきましては、いわゆる直轄としてのそういう金は行つていないのですね。
  58. 米田正文

    説明員米田正文君) 直轄の機構としての地方建設局に当てては行つておりません。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 これは小さいことですが、以前には各直轄の出張所長、そういう人が災害に対して臨機に相当の金を出し得るようになつておりましたが、現在ではどれだけの金を出し得る権限を持つておりますか。
  60. 米田正文

    説明員米田正文君) これは御承知よう河川の管理、水防、広い意味河川の管理の一部としてやつておりますので、地建の予算の費目の中には水防費というものはございません。ただ今のお話では、事実問題として直轄工事の区域内でそういう必要が起きたときに工事用の資材をそれに流用をして、報告をさして使わせることは現在もやつております。
  61. 赤木正雄

    赤木正雄君 私がこういうことを申しますのは、私が現場にいたときに、昔のことでありますが、十三円だけ出張所長として災害に対する資材を買う権限があつた。ところがどうも災害があつて復興することができませんから、或いは俵を買いむしろを買つてつたんです。その金が三十円になつちやつた。止むを得ず人夫賃であとの十七円出した。ところが会計検査が来まして、これは違反だということで、とうとう始末書まで出してしまつたことがあるのです。併し若しもその三十円の材料を使わなかつたらその堤防欠壊して大変な水害になつた。これははつきりそういう事実がある。それに鑑みまして、やはり出張所長が自分で出し得る権限が金の上に大分ありましたのです。それで現在はどれほど出し得るかと、それを聞くのです。
  62. 米田正文

    説明員米田正文君) 今そういう権限というものはございません。ただ材料購入の一般権限はありますから、その中では昔と同じよらな方法はとれると思いますが、現在はそういうふうに何千円とか何万円とかいうような水防資材に使つてもよろしいという権限はございません。
  63. 赤木正雄

    赤木正雄君 そうしますと、現在では災害の起つた場合に、各現場の人は出張所長でも或いは資材を買う、或いはそういう竹を集めて来る、いわゆる防災用の資材を幾ら買つてもいい、必要ならば、こういうことですか。
  64. 米田正文

    説明員米田正文君) これは、原則としては今申上げましたように、河川の管理は、水防は府県市町村でやる建前にしておりますから、直轄でやる分は今のその当該箇所々々で工事をやつておるその区域内において緊急止むを得ないものは自分の手持の資材も使つても止むを得ない。それから一部それは必要に応じては多少買うこともあると思いますが、それは幾ら買つてもいいというようなことになるのではなくて、真に緊急止むを得ないものは事後に承諾を求めるという程度であります。
  65. 赤木正雄

    赤木正雄君 必要のものとして買つたものは事後に承諾を受けるということになつているということですが、そうすると必要であつたからと言つて、幾ら買つてもいい、その結果においてそれはもう全部のものが正しく運営されるならばいいのでありますが、或る金をやはり限定して置かないと、幾ら必要でもそういうふうに無暗に使つては会計のほうから何とか言われる。そういう観点が昔のほうがいいじやないかという点もあつて、その金さえもらつておけば、若しも金が残ればそれは残せばいいんですからね。そういう観点は今建設省にはないのですか。
  66. 米田正文

    説明員米田正文君) それは水防という意味ではございませんが、一般に事務所長の権限としては五十万円まで専決できることになつておりますから、その範囲内ならいいわけであります。
  67. 赤木正雄

    赤木正雄君 わかりました。その五十万円を聞きたかつたんです。それならわかりました。   —————————————
  68. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それじや石川委員からの御要求河川局長報告を聞きましようか。十四号台風と、十二号についても補正があればどうぞ。
  69. 米田正文

    説明員米田正文君) 十二号につきましてはその後各県から調査の結果が逐次参つて来ておりますが、まだ全面的にこの前報告を申上げましたものを修正した表を差上げる段階には行つておりません。  例えば宮崎県のごときはこの前の概算では県下十七億という数字を申出ておりましたけれども、その後の報告では二十五億だと、こういう報告が来ております。というのは、主として大淀川の上流地区の被害がだんだんはつきりして来たのが理由だ、こう言つております。或いは鹿児島県の今日の調書でも、この前の調書での一億三千万というのが約三億円になつておるというふうに、逐次各県からのものが来ておりますけれども、いずれこれは全部の県が出揃いました上で御報告申上げたいと思います。  それから十四号の被害の概況について申上げますと、御承知ように今度は大体近畿地区上陸というようなことで非常な災害が予想されておりましたけれども、これが潮岬附近から北に曲りまして遠州灘及び伊豆半島、房総半島を突つ切つて逃げたという径路を取りましたので、それは三枚目の図面にございましたような径路を取りまとたために、近畿地区は概して被害軽微でございます。  それから特に今度の災害の中心は静岡県でございます。実はまだ事実確認しておるわけではございませんけれども、各府県からの情報においては静岡県が災害が最も大きかつたようでございます。その図面の十四号台風の径路図と書いたのがございますが、その次のページに地方公共団体の被害の概況というものを書いてございます。これも実は昨日の日曜早々に参つた府県からの報告でございまして、事実はまだこの通りに行かんと思います。多くなるのもあれば少くなるのもありというのでございますが、一応の昨日の概報でございまして、これは単に今度の規模を推定する資料という程度にお考え願いたいのでございまして、金を出すのは如何かとも思つたくらいでございますけれども、まあ委員会のほうにできるだけ早く情勢をお知らせするという意味の情勢数字だというふうに一つ考え願いたいと思いますが、これで言いますと大体三十五億程度の金額に報告がなつております。今後多少の勿論移動がございますし、これを実際に査定をすれば相当に数字が又減つて来ることになります。これらについてははつきりいたしてから正確な御報告をいたすつもりでございます。  大体の被害としては静岡県では大井川筋で潤井川とか沼川とかいうような附近一帯が、小さい川が氾濫をいたしております。昨実、今日の新聞等で大きく被害の状況が出ておりますのは、この辺の小さい、まあ規模としては中小河川程度のものが破堤をし、被害を及ぼしたのでございます。これらがまあ主なる被害でございまして、その他はその次のページに直轄河川のことを書いてございますが、これで大体の状況はおわかり願えるかと思いますが、今度の直轄河川に及ぼす影響では、関東区域では久慈川、富士川、荒川の河流等が多少の被害を受けております。それから中部の地建の管内では木曾川の下流、安倍川、近畿地建の管内では紀ノ川、それから淀川、大和川、木津川とございますが、これらが多少、これは関東管内に比べますと中部が多少多かつたんではないか、近畿は最も軽微である、こういうふうに想像いたしております。  その次のページに各直轄河川の今度の水位を書いてございます。利根川から始まりまして、利根川、渡良瀬川、鬼怒川、荒川というふうにずつと水位を書いてございますが、利根川は大して水位の上昇をいたしませんでした。警戒水位にも達しません。警戒水位に達しましたのは渡良瀬川の岩井、それから荒川の古屋、その次のページで那珂川、富士川、久慈川……これは茨城県であります。その次は中部の地建の管内で揖斐川、天龍、豊川、狩野川というようなのが警戒水位をオーバーしたところでございます。まあ警戒水位というのは大体計画洪水流量の五〇%程度を警戒水位といたしております。それ以上出たところが今言つたような各河川でございます。近畿の管内では紀ノ川が警戒水位を上廻つておる程度でございます。  大体の状態はそんな程度でございまして、十二号に比べますとこの十四号は今のところ大体災害から見ると三分の一程度の規模じやないかと思つております。
  70. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 何か御質問ございませんか。
  71. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ほど十二号の災害に対してはまだ詳細なことはないから、詳細はわかつた報告するとおつしやいましたが、その際に私はお願いしたいのは、この前十二号の被害の何のとき、又この十四号でも同じことでありますが、建設省関係以外に台風による一般の被害地帯とありますね、これと同じように十二号或いは十三号といいますか、その被害の全部又は部分、一般の被害も、勿論建設省の所管でありませんから甚だ御迷惑でありますが、一般の被害も、恐らくこれは又訂正されると思いますから、これも一緒にお調べ願いたいと思います。
  72. 米田正文

    説明員米田正文君) 承知しました。十四号も一番最後に付いてございます。
  73. 赤木正雄

    赤木正雄君 ありますが、これも全体として土木災害も訂正なさることがあると思います。その前に一般の被害も訂正なさることと思いますから、これも付けて欲しい。  それからもう一つお願いしたいのは、直轄河川の被害はすぐはつきりわかつて結構でございますが、ただ私はいつも砂防のことを言うようでありますが、砂防を何故に……、仕事をする場所が不便でありますから、同じ直轄の河川災害があるならば、当然直轄の砂防の被害がありながら、ややもするとこういう報告に載つていないのでありますから、これもやはり砂防も同じ河川一つとして大きな役割を持ちますから、その点は特に御考慮願いたい。と申しますのは各府県に行きますと、これはもうこの前局長に申したのでありますが、或いは過年度災害でせわしなく、それは事業を中止するような場所がややもすると砂防の災害において、折角災害として採用されたものが、もうそれは金がないから放棄する、又放棄されているという部分が大分あるのであります。一々ここでは申しませんが、そういう観点がありますから、特にそういうことをお願いしておきます。
  74. 米田正文

    説明員米田正文君) 災害報告の中に砂防の点が十分でない点、実は内輪でもそういう話がありまして、できるだけ情報を取りたいという指示をしましたけれども、実は今度のには間に合わないという現地からの報告でございましたから、どうぞ悪しからず。
  75. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それでは河川局長にもうございませんか。……では河川局長どうぞ。   —————————————
  76. 田中一

    田中一君 これは建設大臣に伺いたいのですが、実は住宅局長は今日見えていないようですが、住宅局から誰か来ていますか。
  77. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 企画課長が来ているそうです。
  78. 田中一

    田中一君 前国会で我々は、住宅の宅地難を解決するためにこの国会で四億円の国家資金を投入して、二十万坪の宅地造成に予算を計上いたしました。無論着々としてその実施はされておると思いますが、東京都の都議会において今日東京都周辺の地区に約十二万八千坪の農地を開放してそこにゴルフ場を作るという案が立案されておるのです。これは建設大臣承知でございますか。
  79. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 存じません。
  80. 田中一

    田中一君 私は無論国が四億円の予算を以て二十万坪の宅地造成をするということにつきましては反対いたしました。なぜならば、今日都市の周辺に約四百万坪のゴルフ場その他の、国民生活と全く関係のないような施設があるのです。ところが今日農地を、東京の周辺の十二万八千坪の農地を開放してそこにゴルフ場を作る、又それに附随するリクリエーションの場所を作るというような案が、無論これは政府のほらじやございません。東京都並びに東急という営利会社が計画しているわけなんです。こういうものは、我々が住宅の宅地造成に対する造成方針として打出したものの質疑の中にも、かかるものは好ましくないという意思表示があつたわけなんです。これは農林大臣に来てもらえば一番よかつたのですが、こうした意味の宅地に対する変更なり地目変更なりそうしたものが望ましいことというよう建設大臣考えですか。
  81. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) これは具体的な問題を申上げた通り大臣から引継いでおりませんし、今まで事務のほらから聞いておりません。聞いておりませんが、今おつしやるようなことは、或いはやはりそういう大衆の生活に影響のないよらな問題はできるだけ避けることがふさわしいと思います。
  82. 田中一

    田中一君 これはただ建設大臣ばかりの所管じやないですから、余り言いにくいのですが、ただ住宅政策というものを政府が立てておるという見地からいつて、無論これはそれに伴う宅地造成ということが大きくクローズ・アツプされて、今度の予算化になつているもの、こういうものを阻止するようなお考えはないかどうか。それから住宅政策の根本的な吉田内閣の方針からいつて、並行してこういうものもあつてもいいのじやないかというお考えでないことは今はつきりわかりました。そうしますと、これを阻止するような方途を政府としては考えるかどうかという問題を伺いたいのです。
  83. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) この問題も研究しておりませんから、的確な答弁はできませんけれども、これはやはり農地法で或る程度制限できるのじやないかと私は常識的に考えておりますが、これは何も研究しておりません。
  84. 田中一

    田中一君 年々宅地に転換される農地というのは五千町歩というふうに伺つております。これは十二万坪ですから、そのうちから……、大したものじやないかも知れません。建設大臣としては打つ手はございませんか、住宅政策の一環としてですよ。
  85. 石破二朗

    説明員(石破二朗君) 主管の局長が参つておりませんので私から代つて答弁さして頂きますが、砧にゴルフ場を建設する計画があることは実は承知いたしております。あの土地はいわゆる緑地として保存しておつた地域でございまして、その一部にゴルフ場を建設しよう、こういうふうに相成つております。勿論建設省といたしましては多額の金を使つて宅地を造成しようという際でありますから、若しもあの地域が宅地として利用するほうがよろしいという結論に至つたならば、そういうことを黙つて見ているわけはございませんけれども、御承知通り緑地というものは、そこに家がびつしり詰まるというようなことを防止するのも一つの目的かと考えておる次第でありまして、建設省といたしましては、あの地域はゴルフ場にいたしましても緑地としての用途、目的には反しないのだ、かように解釈いたしております。
  86. 田中一

    田中一君 私が心配するのは、無論ゴルフ場その他のものが、今日の日本の経済状態から言つて国民生活と緊切なものだという考えは持つておらない。大臣も無論持つておられないと思う。併しながら無論この砧地区の緑地地帯に通ずるには新らしい道路なり或いは施設が附随しておらんのです。そうしますとそれに至るまでの沿道は無論これは開発されます。恐らくその土地の所有者というものは営利会社であると考えられます。こうしたかたがたが緑地帯外の周辺に住宅地を求めるのは、今政府が考えているような宅地造成をするように宅地がないのだから、無論それに砂糖に蟻が集まるように集まつて参ります。成るほどその地帯がゴルフ場になれば、緑地帯かも知れませんが、その周辺というものはおのずから宅地になることは間違いございません。道路ができ、交通機関ができて、ガス水道が敷かれた場合にそうなるのは当然なんです。そのような一部のやはり事業家なり、一部の地主のために利益を与えるような方途に向つて住宅問題を考えておるかどうか。その単なる十二万坪に対しては今官房長が言つた通り、これはゴルフ場は単に緑地でございますから心配ないと思いますけれども、こうしたものが本当の意味の吉田内閣の住宅政策の一環なのかどうか。この点は一つはつきりして、そうしたことは知らん、おれは緑地帯として指定してあるからそのことに対してやればいいのだ、あとのことは知らんということだけでは、これは宅地問題は解決されないと思う。若しそういうことになつて都民の税金なんかそれに投入され、或いは道路ができ、或いは生活環境がよくなるような施設ができた場合、それに至るまでの周辺というものを国がどしどしと買上げて、それに向つて不足しているこの住宅宅地というものを求めるならば、これならば我々の望ましい政策と考えるのです。ただそれを放置してゴルフ場は緑地帯なりという認定の下にそうした事業を、営利事業に許すということは私は好ましくないと思うのです。その点について本当の肚を官房長は、大臣は知らんらしいけれども、官房長はそのお話をよく御承知だそうですから、どういうような、東急という営利会社と馴れ合つてあなたが緑地帯であればいいじやないかという御答弁をなすつたか、御答弁を願いたいと思います。
  87. 石破二朗

    説明員(石破二朗君) 私も勿論これは役所の仕事として、官房長といたしまして関係しておりますが、東急、東京都、建設省、この三者が関係しておるわけでございまして、その間の許可条件と申しますか、そういうものについて只今詳しい資料を持つておりませんので、後刻責任の所管の局長も参りまして詳しく御説明申上げたほうが適当かと思います。
  88. 田中一

    田中一君 じやもう一遍大臣に伺いますが、官房長は関係しているそうです。建設省、東急、東京都の三者で相談しているらしいのです。所管の局長はよく知つているらしいのですが、今度は政治的に大臣に伺いますが、こうしたことが好ましいと思いますか、好ましくないと思いますか。
  89. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それは先ほどの答弁以上に進みませんが、併し私は具体的問題があるとは、実はそれも知らなかつたのです。今聞きますとそういう具体的な問題があるということでありまして、そういうことがあるとしたならば、やはり具体性を詳細に調べて、それから私の最後の判断を求めて頂きたいと思います。
  90. 田中一

    田中一君 今の御答弁で結構でございますから、近い将来に詳しく御報告願いたいと思います。
  91. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) ちよつとお諮りしますが、大分県、それから宮崎県等から委員会終了後、できたら皆さんに地方の災害事情を直接お聞き願えないだろうかということがございますのですが、これは如何でございましよう、差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それではその点を御考慮願いまして……。
  93. 近藤信一

    ○近藤信一君 田中君から言われました昨年の四億の予算の下に二十万坪の土地造成の問題、その後の申込の率、若しくは申込があつて、どういう方面からその点は主にどれだけ実際資金の申込があつたか、この点がわかつてつたら御答弁願いたいと思います。
  94. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) 申込は全国で坪数にいたしまして約百万です。金額にいたしまして六十億程度でございます。
  95. 近藤信一

    ○近藤信一君 そこで新聞でちよつと見たのですが、その申込の主なものに殆んど私鉄会社というふうに私見たのですが、その内訳についてわかりませんか。一般、それから私鉄会社、そういうような内訳ですね。
  96. 南部哲也

    説明員(南部哲也君) 只今資料を持つていませんので詳しくはあれですが、公共団体が大部分でございます。
  97. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 大体主な申込数の資料要求されておりますから、御提出願います。
  98. 田中一

    田中一君 資料要求したいのですが、過年度分の災害に対する打切りの方針と、それから単なる建設省が一率に打切るということじやないと思います。やはり実情をお調べになつて、この分はどう、この分はどうということになつていると思いますが、少くとも次々と来る災害を含めて、これは無論新らしいものも含めた、新らしく発生した災害として金を出す場合にはこれは打切つてかまいません。当然打切られるべきものだと思います。そういうところも特にお調べになつてそうして当然これはしなければならないものを一率にぽんとちよん切るような、先だつての一割天引事業費のようなことじやなく、実態をお調べになつて頂きたいのです。従つてそれが今二十五年度先からの分が残つているはずですから、これに対しては一遍建設省の案というか、打切りの案というものをお出し願つて、それから地方から来ているもの、それを勘案されて、これがこういう程度で以て結論を出したいのだという最後案というものを資料としてお出し願いたい。
  99. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) その点は資料提出をお願いしておきます。
  100. 石川榮一

    石川榮一君  建設大臣に伺いますが、先ほどの水防に対する問題と関連いたしまして伺いたいのですが、本年は幸いに台風も大体済んだようで非常に御同慶に堪えないわけです。本年における各河川における水防団体の体制は、非常な熱意を以て当られているようで非常に喜ばしいと思います。本年特に予備費から一億二千万の水防費大臣から閣議におきまして強く主張せられまして、それを確保されましたことも、これらに何といいますか、大いに士気の昂揚があつたと思うのであります。そこでいずれ又明年も繰返される災害ですから、この際思い切つて水防費をもう少し大幅に予算を獲得して頂きまして、水防体制に順応するような予算措置をとつて頂きたい。  もう一つは水防に熱意を持ちます関係上、その盛り上る勢いから相当に死傷者が出て来ると思うのです。でありますが、今までは水防によつてこうむりました死傷者等に対しましては単なる見舞金に過ぎない。殆んど地方におきましても国におきましてもそれに対する援護の措置がないのであります。これらにつきましては消防法等の関連もありますので、失礼ではありますが、国土防衛のために闘つた戦士だという形をとりまして、思い切つた国庫補償の途を講じてもらいたい。それには水防法を根本的に建直すような方途を講じてもらいたい。同時に予算も常時それに対応するようなものを盛つて頂くように願いたいと思いますが、御所見を伺つてはつきりして頂きたいと思います。
  101. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) この今の御質問に対しましては私ども就任当時から非岸に力を入れて参つたつもりでございます。従つてまあ今回の数度に亙る災害というものは、勿論小さかつたかも知れませんが、やはりこうした資材を十分に提供してあつたという点等が実際にはこの水防団の士気を大いに挙げまして、災害を未然に防いだ例がたくさんあると思います。  それで私今考えておるのでありまするが、この水防という仕事は極めて消極的な仕事でございまして、水防団の働きというようなものは殆んど目に見えない。これはもう殆んど崩れないのが当然であつたろうという印象を与えておるのでありまして、私はこの際至急に、水防団が若し活躍しなかつたならばこういう結果になつたろうという点を調査いたしまして、そうして政府は勿論のこと、一般国民も、成るほどこの水防団の活躍によつてこれだけの国の富が失われるものを失わないで済んだのだというようなことが理解できるような方途を講じたいと思つております。又一方この活躍した者で特に目立つた者に対しましては、いつも一年に一回行われますいわゆる建設週間というような日に表彰などをやつておりますが、どうも一年たつてから表彰いたしましても、世間というものは余りその関心を持ちません。従いまして災害というものに対する恐怖という気持が世間にある間に表彰することによつて、なお水防団の活躍がよりよく活発になるのではないかというようなことも考えて、よりよりその調査もやつております。そういう意味からこの資材が多かつたことがひいて水防団の活動を活発ならしめたという点、又来年度予算においてもやはり予備費から取るというようなことをせずに、あらかじめやはり水防資材の購入予算などというものは少くとも今年度程度は取つておきたいというような念慮を持つております。  それから第二点の問題も私は最初からそうするのが適切だと思つて、すでに二、三カ月前から大蔵省と本年度から実施したいと、来年度こういう予算はございませんけれども、今まで例えば一人が死んだ場合に見舞金として五千円出しておるのであります。そういう金が僅かありまするから、その金を今お話ような犠牲者に三十万なり四十万なり、本当に犠牲者に対する補償というよう考えを持つた金額を本年度からやりたい。併しこれは法制化することは勿論必要でありまするが、いろいろ研究しました結果、法律は将来直すにしても、それを出すことは実際上政府の行政としてできないことはないと、できるという結論に立つておりますので、大蔵省さへ承認いたしますれば本年度予算から今お話よう方法で実施をいたして行きたいと考えております。但し法律はあつたほうがよろしいのでありまして、次期国会がございましたならば、そうした線を当然立法化すべく皆さんの御審議を仰ぐ予定であります。
  102. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それでは本日の委員会はこの程度にいたしまして散会いたします。    午後零時十三分散会