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平林太一君 只今御答弁を伺いまして了承いたしておりますが、総合いたしまして、全省に対する御苦心のお
考えを
一つこの際して頂かなくちやならんと
考えるのでありますが、
災害復旧に対しましては、主として原形復旧を以て措置しておる、こういう
お話でありますが、これは原形復旧に対しまして、もう少し何と申しますか、誠実と熱意というものをお示し願わなくちやならんことであります。やはり原形復旧を恒久復旧にする、今日も河川の状況、いわゆる物理的な、或いは科学的にも、もうこの程度なら過去何十年の災害、被害状況によ
つて対応し得るということは、これは机上においてもよくおわかりのことと、私のほうでは承知いたしております。それでありますから、その際鋭意恒久施設をする、取りあえずのつまり原形復旧というようなことを、非常な何かそういう形式的なことでなくて、丁度そういうところへ災害が起きたので幸いだ、この際
一つ災害復旧と併せて、これに若干の積み重ねをして、恒久の復旧をする、そのために対しての
予算はどうするかということに対しましては、非常な御誠意を以て御苦心になられますれば、必ずしも不可能のことでないと思います。当然
災害復旧といたしまして、所要
予算というものが被害地にその
予算が措置されるのでありますから、それに対して恒久復旧ですから、いわゆる十の
災害復旧に対しまして、二とか三、或いは五、六の
予算をそこに充実しますれば、恒久的な施設が必らずできる。そうしてそういうことによりまして、現在のように夏になりますれば、必らず災害は起きるというようなことは、漸次そういうことの施設によりまして防止し得ることなんです。ところが長い惰性、習慣と申しますか、
災害復旧は原形復旧だ、それを中央も
地方も、そういうふうに
考えておるところに、この
予算をただ形の上で復旧をしたということだけで、非常災害の場合には、何らのそれが役に立たないということ、こういうことはあり得ないことで、併しその習慣、惰性というものほど恐ろしいものはない。そういうものは何か一応当然のごとく、これは措置されているが、
補助金に対しまする無駄な役に立たない何が繰返されている、こういうことになりますから、これは一応
一つお
考え願いたい。そうして
地方に対しましても、只今も会計
検査院から
お話のありましたように、
地方でも八千万円ぐらい持
つてお
つた村がある。こういう
お話であります。それは
一つの実例でありますが、そういう際によく
地方のその該当地域の当事者とよく御協議になられまして、これこれで国の
補助はあるのだが、そこで恒久施設をするには、これこれに対して今どれだけ、このぐらいあればいいのだ、それに対する何か用意はないか、それからあなたがたのほうでも
考えてみたらどうかというようなことまで、この
工事施行に対して、真実を持
つてお進みになられるようにまあ願わなければならないことと思います。全体を総合いたしまして、只今の
お話によりましても、例えばこの
林野庁関係などにつきましては、電源開発に対しましての今日の国が処置いたしております資金というものは厖大なものです。
日本開発銀行が貸付をいたしておりまするものだけでも驚くべき数字に達しております。又外国からも世界銀行等を通じて厖大な電源開発資金というのは参るのです。ところがその電源開発という名の
通り電源を開発するには、発電所を開発するということが電源開発だけではない、より遥かに重大なことはその水力発電によりまする水源の涵養ということが最も基本をなすものである。ところが電源開発に対しましては、水源涵養というものに対しましては、全然只今のところでは処置されておらない。で、これはまあ非常に何か電源開発が独占企業として今日掌握されておるので、そういうような
弊害から生じたものをも、非常に我々といたしましてはうなずける点がありますので、これはまあ改革をして、自発的な反省、掣肘、改革をしなければならんということは承知いたしておるのですが、それですから一カ所の発電所ができるときには、当然それに対しまする電源開発の所要中の開発資金の中から、水源涵養に対する
予算というものが相並行して、これは出されなければならん。そうしてつまりこの水源地の発電所の、水力発電所の施設の上流地におけるいわゆる一切の施設というものが相並行してこれは行くべきものだ。それによりまして万世不易の水源の涵養というものができる。それで水力発電というものが維持されるわけです。これが全然等閑に付せられておる。これは私
どもは
林野庁におきましても、いささか処置のとどかないものがおありのことと思う。もつと勇敢に勇気を持
つて、これに対しまするその処置を政府部内においてお
考えになるべきものだと思う。我々のほうでは当然それは双手を挙げて、そういうことに賛成するし、又その手配もいたすことにやぶさかでないわけですから、それでこういうような
方向に、まあ
一つの例でありますが、そうしてこの施設というものを、恒久の施設をするということ、それから更に植林の問題につきましても、今
お話がありましたが、今
日本材というものは金銀ですね、私の
考えでは金や銀というものは地中にあるもので掘
つてみなければわからない。併し木材というものは山の上にちやんと発生してお
つて、もうその姿、実体が目のあたりに見ることができるものであります。将来に対しまする何と言いますか、価値というものは金や銀以上にこの木材というものは重要なものであるということが年々刻一刻これは増大して行くわけです。だからできるだけ今日国内におきましては、木材の伐採ということにつきましては、できるだけ国有林におきましては抑制して行くべきものだ、そうしてむしろMSAの協定も何か成立いたしたようでありますが、ああいう問題は当然もうこれに付帯して、木材のつまり我が国に対する米国からの、ああいう大きな山林国でありますから、大きな大国でありますから、木材などはもうどしどし米国から買入れる。そうして暫くの間我が国の山林というものは伐採を抑制して、そうして林野の充実を図るということにこれはしなければ、やがてこれは取返しのつかないような事態になるということを非常に心配いたしておりますので、どうか
林野庁長官、その点をまあ十分お
考えのことと思いますので、甚だ多岐に亘りますが、更に私
どもはむしろ勇気づけて百尺竿頭一歩を進めてそうしてこれは
林野庁長官としてのこの我が国の山林というものに対しまして、恒久的な経綸をお立てになられるようにやりたい、それでありますから、
従つてこの施設の
補助工事の不完全なために、そのためにその都度これが林野に被害を及ぼすというようなことは、まさにもう今日におきましては拙の拙なるものです。それですから、どうか
一つ山林等に対しましては、山林を所有している所有主とか、又当然町村、県そういうものにただ
補助金というものを出し放しにしてはいけない。
補助金を出すときには、当然その恒久施設というものを、原形復旧ということでなくてこれは三
長官に共通していると思います。原形復旧というその観念を一掃いたしまして恒久に施設するのだ、併しそのためには当然国においても、それだけのそういう基本が、あなたがたのほうにそういう強い信念が確立されていれば、国の
予算というものももつとこれは獲得ができるわけです。原形復旧だから、やはりその原形復旧の線に沿
つての復旧
予算ということに、これは相成るわけなんです。よく
考えてみれば、これは馬鹿々々しい話ですが、そういうことが行われておりますので、先ずそれはお職柄三
局長御自身がそういう根本の観念をこの際一掃されてそうして災害があれば、却
つて幸いだ、この機会にと……。いわゆる災害によ
つてそれが被害を受けた、その被害を受けたということがむしろ将来の大事を防ぎ得た。今年の災害によ
つてその或る場所が災害を受けた。併しもつと大きないわゆる暴風雨のあ
つたときには、もつとひどい被害があ
つた。併し今年の暴風雨は比較的少か
つた、少か
つたからこの程度で災害が治ま
つたのだということをお
考えになられまして、もつと根本的に
一つお
考えになられて、そうしてそれを却
つて災害があ
つて災害復旧の
予算処置をするということは非常にむしろ幸いであるというくらいにお
考えにな
つて、そうしてその機会をつまり
一つの基にして、そうしてその盤石不動の恒久施設という、ものを、次々に我が国の狭い山野の間にそれを施して行きますれば、やがて災害というものは根絶することができる。こういうような今日のごとく進んだ時代に、旧態依然として、いわゆる昔よりもまあ災害が多くあるというようなことは
考え得られないことです。我々今日こうしてそういうことを
考えましても、昔の我々の祖先に対しましては無知を如何にも露呈しておる。昔は無知は無知なりにその施設というものは実に営々とした、いわゆる積重ねた
工事というものをしている。そうして災害を防止してお
つたときには、林野の状況なんかも、今日とは違いまして完備いたしてお
つたということは、一応これは肯けるわけですが、そういうことをこの際十分に根本的にお
考え願いたい、いわゆる原形復旧ということを恒久の施設ということにして、それに対しましては、どうすればいいんだ、どういう
方法にすればいいのだというのは、いずれ最後は
予算ということになるわけです。併しその
予算に対しては、ですからあらゆる角度から恒久施設に対する所要
予算の獲得ということを、視野を広くしてお
考えになられたいわけであります。現在
農林漁業金融公庫な
ども出ておりますから、ああいうのは極めて
対象には、今日三
長官の
対象にはなり得ないような零細な存在である。併しああいうものはもう
地方へ進んで何といいますか、
指導してある、指示してある。そうして中央
負担の一部分にああいうものが利用されて、そうしてこの今の、只今の三
局長の
お話のようなそれぞれの施設にあれが利用されておる。私は
財政投融資というものは、非常に我が国は鉄鋼でありますとか、石炭でありますとか、船舶とかそういうものに非常に何か重点と言いますか、どれもこれも
一つの惰性習慣です。そういうものに皆これが投資されておる。毎年三千億円のそれが全然こういう林野とか、港湾でありますとか、農地ということに殆んど
対象にな
つておりません。
日本開発銀行というものは、今日二千二百億円貸付けをしておる。今年におきましても六百億円、昨年は八百五十億円、こういうものが全然只今三
長官の
お話になりましたものに何にも行
つていない。それであり余るから船舶のリベートなんというものは出て来るわけであります。一隻の船を十億円で造れば、一億円は戻り金だと、一億円こういうようなものへかけたら、どのくらい有効になるか、非常にこれはそういうことになりますと、政治論になりますが、そういうことも
一つ頭へ入れていい。あなた方の御
関係ばかりではない。我々において改革しなければならないのですから、今日のような惰性した腐り切
つた内閣のいたすことですから、こういうようなことにな
つているわけです。こういういわゆる開発銀行が六百億、而もこれは貸付返済期限は四十年。驚くべきことには、電源開発資源というものは
財政投融資から出しておる、その返済期限、貸付期限というものは四十年だ。それから船舶の資金は十五年、最低ですよ。十五年以上若し船舶会社が損失をした場合には幾年でも延ばすというわけです。電力開発資源は三十年乃至四十年の貸付期限です。これらが只今三
長官の
お話になりました港湾の施設或いは林野の保存、農地の保存というものに、その中に政治的性格において振替えられて行きましたら、如何に我が国というものは、これによ
つて国富の増大を来たすかということは明らかであります。国富の増大ということは、国民全体が、いわゆるそれだけの生活力の増強をするというわけです。只今の開銀の貸付けておるような、そういうような只今の
実情は、皆独占企業の資本の皆餌にな
つてしまう。そういうものが暴露したのが今度のいわゆる船舶
関係のああいう重大な問題ですから、それですから、こういうことは政治的にも、やはり三
局長もそういうことは別の視野だとおつしやるが、それは表には言えないでしよう。併しそれを頭に入れて置けば、これに対しまする施設に対しまする
方法というものがおのずから出て来るわけなんです。それですから、そういう点をこういう機会に私
どものほうから強く申上げて、そうして
一つの御職務に対して、非常な何というか、この
自分の職務というものは、これによ
つてこの国というもののこの行政を、この施設を左右するのだ、そういうことを
一つお
考え願いたいと思います。ただこれが今の
お話の
通りに、原形に復するのだということでや
つてお
つたのでは、無駄の金を年々使
つて、而もそれによ
つて年々被害を
関係地方民というものが繰返して行かなければならんということになりますので、その点十分に
一つ御考慮を願いたいと思います。併しまあ私只今申上げましたことで、
予算等に対しまして、今日非常に支障を来し、妨げられておる、そういうようなものに対して何かそういうことを要求したか。それが拒否されたのでできなか
つたとか、或いはこういうような
予算を、例えば二十九年度において、こうすればこれができるのだというようなことがあれば、御参考までに御
意見を三
長官から伺
つてもよろしいかと思います。私の質疑はその程度にいたします。