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山田節男君 まあ根本的な問題ですが、
会計検査院は今日の新しい憲法に基く
会計検査院法によ
つて、帝国憲法時代とは違
つて、内閣に
検査報告する、内閣を通じて国会に出す、そのことは、内閣を通じて国会に出すということは、国会
検査報告に基いて
政府の
予算執行に関する
審議をして、批判、
是正を行う。でこれが現在の立場、
会計検査院法によると、国会と
会計検査院というものとは間接にではあるけれ
ども内閣にもそれを
報告する、そうすると内閣からこうい
つたような
会計検査院の
決算報告、国会に対する
説明書というものを送
つて来るわけであります。もとよりこれは国会の衆参両院の
決算委員会といたしましては、
会計検査院の
検査報告書に対する
政府の弁明書というか
説明書、そうすると
説明書を見ますると、
政府においては、例えば
昭和二十七年度の
会計検査院の
決算報告に基いて或るとるべき
処置はとりましたという
説明を国会はして来ておるわけです。そこで先ほど来
委員長初め長谷山
委員からもいろいろ御
質問がありましたが、要は
会計検査院が今日非常に
予算上制約され、
従つて会計検査院の
検査すべき
対象が広く且つ数多いにかかわらず陣容が足りない。そこで
一つ問題としては、今長谷山
委員から言われたように、どうせ人数が足りないのだから、範囲を広く浅くというよりも、
重点的に、その年度の特に何といいますか、
検査する
方向をきめる。例えば
補助金の問題で、仮に
会計検査院で農林省或いは建設省
関係の
一般会計予算の
検査に
重点を置くとか、何かそういうものがないと、ここに現われておる千八百十三件というものも、これはものによ
つたら
重点的のものもありますけれ
ども、併し一班を見て全般を推すということは、これは私は今日
予算の
執行上から見れば、決してそれは冒険ではないと思います。大体正確な類推ができると思うのですが、それにしても少くともこういう莫大な国家の
予算、或いは
政府関係の
機関の
特別会計にしましてももうこれは厖大な金を使うわけなんです。そういうことになりますと、一方においては陣容の不足、それから他の一方においては
会計検査院としては
会計検査院法によ
つて権限付けられた例えば
是正すべきものがあれば
注意するとか、或いは場合によ
つたらばこれを検察庁へ訴え得るという権限があるわけですから、少くとも国会に出されるまでに、
会計検査院法によ
つて会計検査院によ
つて是正すべき点は、これはできるだけや
つた上で、そうしてあとのものを、どうしても
会計検査院としては力が及ばん、即ち
政府の
一般会計、
特別会計或いは
政府関係機関の収入支出の
決算に対してこれ以上
会計検査院はどうもできないのだと、即ち政治的な批判を、
政府に対する
責任を追求して
是正せしむると、これが国会の
決算委員会の建前じやないかと、私はさように
解釈しておるわけですが、そういうような見地から考えますと、私はどうしてもここに掲記されておる一千八百余件、批難
事項といいますか、いわゆる
会計検査院として不当な支出をや
つておるというものが、これの例えば十倍あるのか或いは百倍あるのか、この類推ということについても、それはたくさんあるだろうということは想像できますけれ
ども、果してそれが何件あるかという正確なことは
会計検査院もわからんし、ましてや我々としてはそれがわからないわけです。そこで例えば
昭和二十七年の
決算の
検査報告というものを
会計検査院からお出しに
なつた場合に、ここにも示されておるような、六ページ、七ページに調べられた中での千八百余件に対する
各省のいわゆる批難
事項といいますか、不当支出の細目がここに現われているわけですが、我々としては、これだけあるのだから他は推して知るべしということは
政府に対して責め得るわけです。併し先ほど申上げたように、これが何倍に、十倍か百倍かということは、これはわからん。先ほど
委員長も言われましたが、例えば罰則の
行政罰の問題でありますが、それにしても、これは
会計検査院で職権でやることはできない。これを摘出して、
当局の
責任者にこれを
報告して、そうしてその手で以て
行政措置をやらしむるという建前にな
つておるわけでありますから、いずれにしても
会計検査院としましては、非常にこれは何といいますか、隔靴掻痒の感が私はあるだろうと思うのです。そういうようなことから考えて、この今出されて議案にな
つておる
昭和二十七年度の
決算の
検査報告というものに対しまして、今長谷山
委員なり或いは
委員長から指摘されたような点を、最終的には
会計検査として、これをもつと何といいますか、国民の税金の支出であるところの
予算をもつと緊縮して、もつと厳粛にやらしむるという
方法はどういう
方法が一番いいか。例えば人件費を殖やすのがいいのか、或いは今言うように、どうせ人数が足りないのであるから、例えば
補助金関係に今年は
会計検査院の陣容の三分の一なら三分の一がこれを指向して、そしてや
つてみるというように、何か
検査院最高首脳部においてその年度における、過去一年或いは二年、三年の
検査の
報告の結果から見て、
一つのポリシーとして、何か私は
会計検査院として年度別の
決算を
検査される場合においてはそういうものがやはりなくちやならないと思うのです。先ほどの長谷山
委員の御
質問に対する御答弁によると、どうもその点が私はこれもやはり生ぬるいのじやないかということ、
従つて我々に出されておるこの
報告書というものが、非常に
件数が多いのでありますから、当然のことでありますが、文章が極めて簡潔過ぎる。而も非常に含蓄のあるように書いてある。その努力は非常に買うのでありますが、我々国
会議員としてこれを見て、ケース、ケースのバツク・グラウンドというものがわかりにくい。であるから先ほどの問題と併行して、この中で特に重要なものについては、国会が
要求しなくても、
会計検査院みずから
重点的な詳細の
報告をするというのが、私は国会において我々の
審議する上にも非常に便宜だと思うのですが、又外国におきましても、アメリカあたりは小
委員会を設け、或いは
委員会におきましても詳細な
報告を、喚問の形において証人を調べ、
会計検査院も呼んでおりますが、そうい
つたような
決算委員会としての使命をよりよく果して、より効率あらしめるというためには、それだけの努力は今日の
会計検査院としても当然すべきではないかと思うのですが、これは或いは人件費等の理由があるのではないかと思うのですが、
事務総長としてその点に関し今までいろいろ経験して来られた率直なところを御
説明願いたいと思います。