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1954-11-26 第19回国会 参議院 決算委員会 閉会後第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月二十六日(金曜 日)    午前十時三十七分開会   —————————————   委員の異動 十一月二十五日委員片柳眞吉辞任に つき、その補欠として三浦辰雄君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            青柳 秀夫君            谷口弥三郎君            島村 軍次君            岡  三郎君    委員            雨森 常夫君            石川 榮一君            小沢久太郎君            木村 守江君            白井  勇君            田中 啓一君            飯島連次郎君            後藤 文夫君            三浦 辰雄君            木下 源吾君            久保  等君            永岡 光治君            東   隆君            山田 節男君            八木 幸吉君            鈴木 強平君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    食糧庁長官   前谷 重夫君    食糧庁総務部監    査課長     岡村 昇三君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事辞任の件 ○昭和二十七年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今から第二十二回決算委員会を開会いたします。  初めに理事八木幸吉君から都合により理事辞任したいとの申出がありますが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。   —————————————
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは次に先般本院より東南アジアに派遣せられました飯島、東両委員からビルマ米輸入についての諸問題について現地視察せられましたので、その視察報告をはじめに聴取いたしたいと存じます。
  5. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私ども参議院東南アジア視察六名の一行がたまたまビルマを視興ヂ機会を得ましたので、東委員と私が決算委員会に所属をして黄変米問題につきましてはかねて関係がありましたので、特に一日余りの時間を割いてビルマ調査中に黄変米の問題について或る程度調査をいたしましたので、この機会に極めて簡単に御報告を申上げたいと思います。  なお、冒頭にお許しを頂くことは、私時間が今日は非常にございませんので、約十分程度で御報告を終らせて頂きまして、あと東委員から詳細な補足をいたしたいと、そういうふうに打合せをいたしておりますので、御了承を頂きたいと思います。  黄変米の問題につきましては、私ども国内におつて考えておつたのと、向うビルマに行きましてから向う立場で眺めた黄変米とでは、随分大きな逕庭がございますが、日本では非常に大きな問題になつているのに比べて、彼の地では、極めて冷静であり、そうして大きな問題としては取上げられておらないという実情にあつたわけであります。私ども一行乏離れて東委員と二人で一日向うSAMBと申しますか、日本でいえば食糧庁に大体匹敵するような機関、そこを尋ねてウー・ソー・サン・シユエというジエネラル・マネージヤーに会いまして、いろいろ意見の交換をいたしました。そのときにたまたま黄変米のことにつきまして話合つた際に、日本では黄変米という問題についてかなり国民的な不安と、それから政治的な問題になつておるということをこちらで話しました。それに対して、向うでは黄変米についてはかねて聞いておる、しかし日本で言われるが如くに人体、或いは食生活にそれほどひどい害を与えるということは、我々の経験に徴して一遂には受けとれない。だからそういうひどい害があるということであれば、或いは臨床的に、あるいは菌そのものについても、もう少し科学的なデーターが欲しい、ただ漠然と言われても我々としては困る、そういうふうな考え方、そういうふうな意向がビルマ政府を大体支配しておる空気のように受取りました。それからなおそれにしても日本ではそういうかりそめにも毒があるということが明らかになつた以上、今の国内情勢ではこれを喜んで食べるという人はないであろう、又日本の国としてもそういうものを、国民の欲せざるものを、これを強いて買おうということは非常に困難であるということを言いまして、それに対して何かこれに対する改善的な方策はないかということに話題を進めましたところ、一体玄米という形で売る、つまり用意はないのか、こういつて私が聞きましたら、いやそういうことは可能である、これはかつて戦争前にドイツとの米の取引において、そういう経験を我々ビルマでは持つておるので、日本がそれを欲するなら我々としてはそういうことは考えても結構です、こういうことを言つています。それから本年の収穫の状況なり、或いは本年の価格等見通し等についてもいろいろ話会いをいたしましたが、その点についてはやはり世界的な米の商品市場に対する出廻り等の関係もあるから、値段については今のところまだはつきりわからないが、恐らく昨年よりも高くなることはないであろう、そういうことを申しておりました。  それからなお私どもが一日ラングーンの河を遡つて例黄変米発生する原因、或いはその施設現状等について視察をいたしました。その機会東委員は三十五ミリの撮影機を持参をされまして、約千フィート近いフィルムを撮影をして参つておられますので、本日は間に合いませんので、いずれ生々しい現実をお目にかける機会も遠からずあると考えております。なお、私もそこに回覧をしておる写真を撮つて参りましたので、私の説明の足りないところは写真によつて補足を願いたいと存じますが、結局黄変米がよつて起る原因というものは、これは極めて簡単でありまして、まず第一がもみ保管がよろしくないということであります。  このもみ保管につきましては特に一昨年はビルマでは非常な天候異変がございまして、もみ収穫つまり米収穫時は、あちらの気候では乾燥期に入りますので、殆んど雨が降らないというのが一般でありますが、一昨年はこれがかなり稀有の雨があつたそうであります。それで野積みにしておる向うの米が非常に雨のために濡れてしまつたということ、これがそもそも黄変米を多発せしめた大きな特異の理由であつたということ。  それからその次には野積みにされたもみは庭先で農家の手を離れまして、それが三つコースをとつて集荷されるのであります。その一つは直接政府売り、それからその二は精米所に売るという方針、もう一つは今起りつつある農業協同組合という農民組織を通じてそごに集荷される。三つコースもみが集められて参りますが、そのいずれのコースをとりましても、集まつもみは結局民間で経営する精米所白米にされるわけであります。  その今お手許に写真を廻してありますが、ビルマでは工業と申しますと殆んど精米工業というのがもう全国を風靡する巨大な工業でありまして、向うの川筋或いは鉄道の駅という駅にはもう天を摩すると言うと大げさかも知れませんが、ビルマにしては稀に見る大きな建物が建つておりますが、これはもう例外なしに精米工場であります。そういうふうに或いは水路を通じて或いは鉄路によつて集められて参りましたもみが、そういう大きな而も近代的な施設を備えておる精米工場白米にする、その精白精米所に附属する倉庫、これが白米になされた米に対する菌の発生する第二の機会、第二のチャンスであります。  その倉庫の中は私ども写真機では十分、フラッシュの用意がありませんでしたから、写真では内部はつきりとれておりませんが、その倉庫というものは屋根はもう何十年葺換えたことのないという腐つた鉄板で葺かれております。ですから恐らく豪雨のときは雨漏りも甚だしいことに違いない。それから中に入つて内部構造を見ますと、大体建物堀立式でありまして、そうしてその土間に約一尺程度もみがらを敷きます。その敷いたもみがらの上にアンペラ一枚敷いてそのアンペラの上に精白された白い米が例の麻袋に詰められて天井近くまで、例の深川倉庫とは違いまして、ああいう周到な心遣いなしに、ただ無雑作に天井近くまで、高さにいたしませば、かれこれ三メーターから三メーター半ぐらいの高さに積まれておるわけであります。従つて雨期になれば当然地下からする水分が上つて参りましようし、同時に上のほうは例の、写真でおわかりのように、腐つたトタン板で囲われた倉庫でありますから、上から漏つて参ります雨と、上下から湿気が入つて参りまして、それがああいう熱帯の暑気と相反応して蒸されて、菌が発生するのには極めて好適な条件を備えておるということ、これが黄変米というものが発生する第二の機会であろうと考えるのであります。  それから第三には、精白された米が、日本と違いまして規模が非常に大きいために、ときには六カ月、ときには一年を経過しても、なお倉庫の中の米が動かないという事実がございます。私どもが見ました倉庫でも、一番下積みになつておる米のごときは、もう米が本当に何といいますか、塊りになつてしまつてもう蒸せて、手でさわるとぼろぼろに砕けるぐらいひどくなつておる米すらございます。これはいつの米だといつたら、一年も前の米である、これは売るのかと言つたら、売らないことはありません、こういうふうなあいまいな返事をしておりましたが、そういう状態倉庫でありますから、恐らくここが菌の発生する一番大きな場所ではないかというふうに考えられます。  それから第三の問題は、今度は倉庫を離れた米は、はしけによつてラングーンまで運ばれて参りまして、それで本船に積みかえられるわけであります。その本船に積まれてから、今度は日本にそれが輸送されて参ります途中で、又菌が増殖をするという機会もあるのではないかというふうに考えられますが、これは私ども直接その点はみずから調べたわけではございませんから、文献或いはその他によつてそう想像するだけでありますが、どうも輸送の途中にも菌が殖えるのではないかということが懸念されるわけであります。そこでこれに対して、これをできるだけ防ぐための検査、その他の日本政府、或いは政府意図を受けて直接その仕事に携つておる、ビルマでは三つ商社がございましたが、その商社人たち、或いは向うの領事館で働いておられる米の担当の人たち等意見、或いは経験等を聴取する機会を得ましたが、この検査に関しましては、白米倉庫を出るときの検査が一回ございます。倉出し検査と申します。それからその次にははしけから本船に積みかえるときの検査がまた一回ございます。その大体二つの検査が行われておるようでありますが、その検査の際に、こちらでは日本の、つまり商社人たちがみずから検査をすると同時に、それだけでは安心ができませんので、いわゆるスイス或いはアメリカ等の、つまり国際検査機構に依頼をして、その人たち検査に立合つておりますし、なお、例のビルマ政府検査官も立会つておるそうであります。ですから大体三者が米の検査には立会つておるという形になつておりますから、その間、例の昨年黄変粒の一%以内という、日本ビルマ政府との間の協定が成立いたしましたので、折角はしけに積まれて本船に積込みをしようというとき、或いはそれのもう一つ前の段階倉出しをしようというときに、これは一%以上である、やあ以上でない、こういつて実に激しい、つまり米の品質をめぐつて検査の争いと申しますか、このことがなされておるそうでありまして、そのために出先の諸君は川の中に突落されるというか、或いは全くそのときには戦争というか、喧嘩ごしというか、そういう状態で、米の買取とり積込みには苦労しておることをつぶさに聞かされまして、一%以内を厳守するということの苦労が、私ども現場行つてよくわかりました。  そのくらい一考以内ということを厳守するために努力は払われておるわけでありますが、そこでそれなら最後に黄変粒というものを極端に少くする。つまりもう一つさかのぼつて日本が米の需給操作上どうしても黄変粒を含むビルマ米を買わなければならないということを前提といたした場合において、どうしたらば最もそういつたこの病毒の少い米を買い得るかと、こういう問題についていろいろ意見をとりまとめてみたのでありますが、それに関しましては、いろいろな注意がございますが、これは直接決算には関係ありませんけれども、国民的な立場に立つて、できるだけそういう不安と危険を除くという立場から考えてみますと、以下の注意が非常に必要であろうということが大体申し得るのであります。  その一つ食糧長官に会つたときにも話が出ましたが、黄変米を食用する場合の許容限度というものの科学的な研究がまだはつきりしておらない。これをひとつ明確にするということが日本においてなされなければならない第一の段階であろうと私は考えるのであります。特に白色黄変粒と称して従来の黄変米とは違つて、その害が宣伝されておりますが、これらについてはまだ学問的の研究が決して十分とは申せないんでありまして、これらについてのはつきりしたデーターが一日もすみやかに究明されることを必要と考えるのであります。これは特に外交折衝する場合に、この点が不明確であそと日本としてはどうしても強い態度がとれないのではないかということが県念されるからであります。それから白色黄変粒につきましても、培養の結果これは悪いからといつて、これをリジエクトしたいという日本側の提案は、さつき申しましたように科学的の根拠がまだ不十分であるために、歩渉任務等を担当しておる現地人たちのこの立場というものが、容易でないということが考えらるのであります。  それからその次には、これは長期契約をするのはどうかという考えであります。というのは冒頭にも申しましたように、天候異変等によつて黄変粒発生にかなりの変異が見られるということでありますから、長い期間契約をするということは、そういう意味でも一考を要することではないかと考えるのであります。なぜかと申しますと特に向う収穫時期に雨の多かつた年のごときは、文句なしに黄変粒が多発するということが、これは考えられるわけでありますから、そういう場合にはビルマからの米の輸入というものは、極端に申しますればこれはやめる。或いはそういう危険な年には少くとも入れない。こういう考慮も必要であろうと考えるからであります。  それからその次にはこの黄変米の問題が起りましてから、積出品全量培養検査を行なつて、無菌のもののみを積めと、こういうふうなきつい指示がこちらからなされておるようでありまして、これはこういうことを文字通り実行するといたしますと、これは外米の、つまりビルマ米輸入を断念せざるを得ないということになる。それはつまりこの指示を厳密に実行するということをいたしますと、例えばビルマから積み出しております港はラングーン、バツセイン、モールメイン、それからアキャブ、四つの港がございまして、ここにそれぞれ実験室作つて、そして日本の学者を最低二名くらいずつ駐在をせしめて、そして一船、一つの船について、五十のロットを、各ロット百乃至二百五十本の試験管を備えて三週間の培養期間を持つて試験をしなければならない。そうしてその結果、不良品をリジエクトして、改めてアロケーシヨンを受けて調べておるのでは、一年間にせいぜい数千トンの輸入であればこういうことが可能でありますけれども、又その費用もこれはかなりかかることでありますから、これに要する経費等も度外視すれば可能でありますが、現実にはこういうことは殆んど不可能であるということ。それからなお、ここでも又問題になりますことは、それだけなおやつても、なお且つもう少しこれを厳格に考えますと、許容限度はつきりしておりませんので、科学的な究明が立ち遅れておるという現在の状態におきましては、この点がなお更困難を加えるということであります。  それから次にできるだけいい米を日本で入手するためにとるべき方策として考えられることを簡単に箇条書きで申上げますと、  先ずその第一は、契約の品種をS以上のものとするということが第一。少し専門のことになりますから、あとで米のサンプルを一つ御覧頂けばSというものもよくわかりますが。  それからその次には、ミリングも良好で、ブロークンのパーセントの低いものをとるということ、これが第二。  それから第三には、洪水発生して病変米の危険などが多い地域からは米をとらない。そういう地域が年々これはございますから、そういう危険性のある地域の米はとらない。  それからその次は、本船内の燻蒸研究するということ。これは向う現地で直接この経験をしておる人の意見では八〇%程度の菌を燻蒸だよつて殺菌が可能である、こういうことを申しております。  それからその次には、現地研究所を設けて、菌の発生経路などを調べ、そしてできればそれを通じて農耕の改良等にまで手を及ぼすということであれば、一層これは徹底するであろうということ。  それからその次には、積取り期間でありますが、これは一月から五月の間に積取りを完了するということ。  次は、燻蒸ぶ可能な倉庫建築指導をするということ。  それからその次は、オン・デマンド・ミリングの励行。このオン・デマンド・ミリングというのは昨年からすでに実施に移されておりますが、何月何日ラングーンの港に日本横取りのための本船が入るということがはつきりいたしますと、それに対して例えば精白後二週間以内の米を本船に積込ませる。つまり精白後の期間を長くおかないという心使いの下にこういう精白方法ビルマ政府と協定して実行しておるようでありますが、これはもう是非徹底してやる必要があるということ。  それからその次はもみ倉庫設備を今度は改善して行くために啓蒙の必要がある。このもみ倉庫に関しましては、私ども直接見ましたけれども、逐次ビルマ政府等指導の下にもみ倉庫の改善、或いは新らしい建築がなされております。これは私どもが河を遡行して目のあたりに、あれが新らしいもみ倉庫ですというのが建ち並んでいるのを見ましたけれどもビルマ政府筋でもやはり黄変米の問題が起りましてから、特にこういうもみ貯蔵等について意を用いておるという、これが片鱗であろうと考えるのでありますが、これを一つビルマ政府に向つては要望するということ。  それからその次には、この食糧契約等に際しまして、これは食糧庁とか厚生省の責仕のある方々の現地出張されますことを私は非常に必要だと考えるのでありますが、なおその機会国会からも代表者が立会いをしてくれれは、非常にこの点については完璧であろうということを現地諸君は申されておりました。これは特に来年度の契約積取り等につきましては、やはりこれほど日本国内で大きくなつた黄変米最善努力としては、やはり農林、厚生、できれば国会両院等から代表者が参画をして、こういう危険を先ず防止するということが必要ではないかと考えるのであります。  それから契約は遅くとも今年度中、つまり前年の十二月中には契約が締結をされなければならない。これはさつき積取り期間乾燥季、つまり一月から五月までの間に横取りを完了するというためには、是非とも前年の十二月中に契約が成立するということを必要とするのであります。  大体ビルマからの米を輸入するといたしました場合に、なるべくいい米をこちらへ運んで来るというための必要最小限注意が以上申上げたところであります。  なお、これに附け加えて、これは現地駐在員一つの何と言うか、参考意見、試案でございましたが、こういうことを申しておりました。それはビニール燻蒸ということをやるといいのではないかと思う、と申しますのは、倉庫が現在先ほども申しましたように、非常に不十分、不完備な倉庫でありますから、又倉庫が非常に大きいのでありまして、とても倉庫全体を種無するなんということはできませんので、このビルマ現状に対してはビニールで覆うて、そしてこれに対してメチプロの燻蒸をする方法が一番現実に即した実行しやすい方法ではないかと、まあこういうことを申しておりました。  大体私の申上げることは以上で終つたわけであります。簡単でございましたが、私ども米に関して向うでつぶさに調査し、なお聴取し得た材料等を御報告を申上げたわけであります。
  6. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 大変御苦労さんでした。何か委員の中に只今飯島委員のお話に御質問なりありましたらお願いします。
  7. 八木幸吉

    八木幸吉君 もみがらの買上げは直ぐにも向うは応じるような意見でございますか。もみのままで買上げる……。
  8. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 もみのまま買上げるということについてはこれは非常に困難なわけです。なぜ困難があるかと申しますと、一つにはもみ向う政府が殆んど統制をしておりますから、それで日本向う政府段階を経ないで、直接買うという現行法に基く困難があるということが一つ、それから若しそれが可能だとしてももみ日本に持つて来るということは、からの運賃を払わなくちやならんという経済上の理由一つ。それから第三にはもみでこつちへ持つて参りますと、植物検査を経なければ日本に入れられませんから、従つて一々向うもみ日本の着港で停船中に検査をしなければならんということ。まあそれらのことが考えられますので、もみのまま輸入をするということは、そういう大きな三つ理由からも非常に困難であろうというふうに私どもは判断しております。  ですから若し可能だとすれば、玄米買つて玄米で運ぶということが一つ。それから若しそれでもなお且つ玄米に菌がついて来るじやないか、その危険はあります。ですからその危険を除くためには、これは直ちに実現は困難かと思いますけれども、もつとこれを理想的に徹底するとすれば、向うビルマ現地日本政府意図を受けた精米工場を建てて、そこで向う政府と連絡をとつて、つまり濡れておらないような、或いは洪水の起らなかつたような地帯の良質のもみの集荷をして、そして日本人の経験と監視のもとに白米にして、それをさつきの二週間以内に本船に積込んで、乾燥期間中にこつちへ持つて来る、こういうことをやれば、これはまあ一番現在としてなし得る最善方法ではないかと私は思うのです。
  9. 八木幸吉

    八木幸吉君 あなた御覧になつて、この倉庫なら満足がでけるといつたような理想的の、いわばこちらが借受けてよいような倉庫がたとえ幾つかでもございますか。
  10. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それはラングーンの埠頭に、アメリカ援助資金で建てた倉庫が三棟かあつただけで、それを除けばいわゆる日本に見るああいつた石造、若しくはコンクリートの倉庫というものは皆無と申して差支えないくらいであります。
  11. 八木幸吉

    八木幸吉君 ありがとうございました。
  12. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そうすると何ですか、黄変米とか病変米、それから粗悪米というものができる原因は多々ありましようが、ともかく保管状況とか或いは管理状況が甚しく悪い、設備も悪いし、当局の態度も、それらを改善する熱意がないといつたようなことにもたくさんの原因が含まれている。そういうふうに伺つていいのですか。
  13. 東隆

    東隆君 食糧庁長官がおられるので、向うの通産省の中にあるSAMBですね、そこの長官ウー・ソー・サン・シユエとかという人ですが、この人に会つたときの話は、先ほど飯島君からありましたので、そのうち特に申上げておきたいことがありまするので申上げますが、それはどれぐらい玄米で出せるかという質問をしたのです。それに対してウー・ソーサン・シユエ氏は、三分の一ぐらいは出せるということを言つているわけです。それで今年の何は二十万トソ乃至三十万トソ買うことになつているのですから、その割合は交渉によつてはできると思いますので、この点お聞きおきを願つておきたいと、こう思います。  それからもう一つ価格の問題ですが、これは政府は、買上げその他は現在と同じ方法で買上げる。併し価格の決定は世界の米穀市場によつて決定するのだ。こういうようなことを言つておりますので、今の情勢は勿論売手市場から買手市場に完全に移つてつております。そんなような関係で、私どもの観察したところは相当強い要請ができるのではないか、こういう感想をもつて来たのであります。  それから先ほど飯島君が言つた例の長期に亙つて契約、これは勿論売手市場から買手市場に変つたことによつて、非常に情勢が変化をしているので、そういう関係からも契約はなるべく短かくしたほうがいいのじやないか、こういう理窟が出てくるわけであります。  それからもう一つは、そういう意味からいつて、我々はもう一つ、買上げる品種についての指定を、前々から要求をする必要があるのじやないか。従つてヨーロツパ種なんかを多く取入れるために、ミル、工場その他をこつちのほうから却つて指定をする、こういうようなこともできるのじやないか。更に品種の面についても栽培のほうまで一つ要請をして、そういう種類の栽培をさせる。こういうようなことも、だんだん可能になつて行くのじやないか。こういうような気がいたしましたので、そういう点を申上げます。  それからもう一つは、検査の面は先ほどお話がありましたが、向うのミルの資本系統は、これはどちらかというと、インド人が金を出して、そうして経営は支那人がやつている。こういうのパ大体ですから、これに対して社会主義政党の政府が、相当強力に圧力を加えてやつているので、この間の関係はこちらの出ようによつては相当ミルを抑え付けて、そうしてやつて行けるのではないか、こういうことも考えられますので、この辺のお考えを願いたいとこう思います。  向うに出ている三菱或いは口綿、第一物産等の方面から聞いたこと、そういうようなことについては、先ほど飯島君から詳しい話がありましたので、別に付加える必要はないのでありますが、一番我々として考えなければならんことは、貿易の中心は米なんですけれども、併しそれの反対給付としてこちらからいろいろなものを持つて行つているわけです。この場合に、やり方がやはり非常に昔のやり方をやつているために、伸びて行かない。こういう面があります。それは日本商社がずつと卸しの部面だけをやらずに、向うの小売商人のやる部面までも入つて行くと、そんなような関係で、地元の商人を殺してしまう関係が、却つて日本の商品を大きく向うに入れる、こういうようなことができないために、日緬貿易を却つて片輪なものにする虞れがあるから、こういう点を非常に考えて欲しいと、こういうことを言つておりましたが、これは大きく農林省が米をビルマから買つて、そうして大分こちらから品物を送らんければならんわけですから、その場合に、農林省としては、輸出の面に相当発言力を持つて指導をして行く必要があると思うのです。そういうことをやらなければ、東南アジアにおける貿易というものは却つて進まんのでないかと、こういう気がいたしまして、殊に硫安等の問題、それから農機具の問題、こういうような問題は、特別米作に関係を持つたものですが、こういうようなものの輸出その他についても、一つ農林省が相当中心になつて考えて行つて欲しいと、こういうようなことを現地の者も言つておりましたし、我々もそういうふうに見て参りました。これは別なようでありますけれども付加えておきます。
  14. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 飯島東両委員が非常に短時日の日程のところをわざわざ詳しい御調査を頂きまして、非常に有難うございました。  それでは麦変米の問題についての審議につきましては、会計検査院からも二名わざわざそのために今派遣せられております。そこで今回はこの程度にとどめまして、爾後の取扱いとしては、二十七年度決算からこれを切離して特に調査対象としてなお今後に残すことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それではさよう決定いたします。
  16. 山田節男

    ○山田節男君 今の委員長の御発言異議ありませんが、この際ちよつと飯島君の御報告に関連して、前谷長官がお見えになつておるからちよつと質問しておきたいのです。
  17. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 飯島君は非常に何かはかに用がありまして、今退席せられて、この二十七年度が上れば、これだけを特に対象として審査しますから、その機会に如何でしよう。
  18. 山田節男

    ○山田節男君 はい、了解いたします。
  19. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それではさよう決定をいたします。   —————————————
  20. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 次に昭和二十七年度決算食糧庁所官検査報告千五百三号を問題に供します。食糧庁からは前谷食糧庁長官、岡村監査課長、それから検査院から小峰局長が見えております。  なお、この千五百三号は、御承知でありましようが、農林省関係として最後にただ一つ保留せられておる問題でありまして、衆議院でも特に決議がされておるので、当委員会も重視して今日に参つたのであります。これは前に島村委員、岡委員が非常に熱心に当られた問題のように伺つておりますが、これに関して何か御意見ありましたら、一つ委員並びに島村委員から御発言を願いたいと思います。
  21. 岡三郎

    ○岡三郎君 この千五百三号は、私が委員長代理をやつておるときに、永岡委員のほうから衆議院のほうにおいて本問題に対する決議が上つておるので、参議院のほうとしても、それを考慮する必要があるのではないかというふうな発言があつたわけです。従つて当時食糧庁関係の問題を取扱う場合に、この問題にこだわつていると日程が終了しないので、この問題は爾後に廻すということにして当時日程を終了したわけです。従いましてこの問題が本日一つつて来たわけですが、永岡委員が急用がありましてどうしてもこの問題について一応質問ができないという形なので、私がまあ代つてということはおかしいのですが、私自体として質問を少々したいと思うわけです。  で、委員長から、今朝ほど手許に全敗連の弁明書というものが持つて来ておるということを知らされ、それを私が一読したわけでありますが、この弁明書の中に次のようなことが記されておるのであります。「集荷奨励金の性格」として「(1)本奨励金は政府委託事業或は助成事業に対する交附金とは性格的に異り、実費弁償的なものでなく、米の集荷に対する報奨金的性質のものである。(2)政府決定の集荷奨励金交附要綱は累進、促進両奨励金とも米集荷一俵当り何円という割りで支出されることになつているのであつて政府が所要経費を査定の上経費に対して支出されるごとにはなつていないことを以てしてもその性格は自から明らかである。」と書いてあつて、五項に「不幸にして集荷実績数量が全敗連の目標数量程度或は、それ以下であつたならば、会計検査院の本件指摘の事態には立到らなかつたであろう」、こう書いてあります。それから「(4)結果的には集荷目標数量を約一〇〇万石突破したのであるから集荷奨励金の収得額が増加するのは当然である」、まあいろいろとこう書いてあるわけですが、専門員室のほうの本問題に対する解釈としては、会計検査院の指摘するごとくに販連自体が五千有余万円の金をもらつて、更に別途に相当金額を貯蓄しているというふうな点についてこれは二重になるのではないかというふうな見解が、まあここに記されておるわけですが、会計検査院にお伺いしたいことは、この問題について今販連が弁明しているように、「集荷実績数量が全販連の目標数量程度或は、それ以下であつたならば、会計検査院の本件指摘の事態には立到らなかつたであろう」、これを裏返せば、余計集めて金をもらつたのだから、その金が問題になつているのはどうも不満の至りであるというふうに聞えるのですがね。この点についてちよつと検査院の意見を承わつておきたいと思います。
  22. 小峰保栄

    説明員(小峰保栄君) 只今の弁明でありますが、私どももちよつと前に聞いたわけでございますが、どうも私どもとしては実は納得できないのであります。余計集つたのは、そう全販連がうんと働いてくれたからとも思えないのであります。これはまあ最近は供出が非常に少くなつておりますが、この年も必ずしも多くはない、そういう時期でありまして、超過供出に対しましてはこういう奨励金も出しますしするので、単協の骨折り、農業協同組合の骨折りは、これは相当のものだつたと思いますが、全販連が特にそれだけたくさんの留保額をとるほど働いたかどうかという点については疑問を持たざるを得ないのであります。そうして先ほども御指摘ありましたように、五千九百万円という相当大きな金が行つているのでありまして、これは検査当時は余り使つていなかつたのでありますが、それ以外に四千三百万円という金を全阪連が保留しているわけであります。而もこの四千三百万円は累進奨励金のほかに県連に対しまして一俵五円あとで加算しているのであります。この辺も若し仮にたくさん集まつたという結果、残つたのだとすると随分これは残り過ぎておるのでありまして、五円というものはボーナスのようなものを一俵について加算して県連に交付しているのでありますり相当に余裕があつたのであります。それから予定よりも相当余計には入つたのでありますが、その入りました数量と比べても、必ずしも今のようなことが果して言えるかどうか、これは相当疑問だろうと思うのでありましれ抽象的にそういうことを言われましても、私どもとしては納得できませんし、又仮に余分に予定よりも入らなかつたといたしましても、こういうふうに全販連なり県連が折角農民に行く金を、頭をはねているというような事態になりましたら、私どもとしましてはこれと同じようにやはり検査報告に載せただろうと、こう考えておるわけであります。
  23. 岡三郎

    ○岡三郎君 食糧庁のほうへ伺いますが、今の点について、このような問題が起つて来たところの責任というものが全販よりも食糧庁の支出方法にあつたのではないかという意見もあるわけです。そういう点で一つ食糧庁意見伺つてみたいと思うのです。
  24. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) この点につきましては、その当時の食糧事情からいたしますると、占領が解けまして、従来占領下におきまして、府県別に一括に割当をいたしておりましたところが、占領解除後各府県との個別の協議によつて割当をきめると、かように相成つたわけでございまして、各府県が納得した形で割当をするということになりました結果、二十七年度におきまして前年度よりも百六十万石の減少、つまり二千二百九十万石の割当にしかならなかつたわけでございます。ところが一方におきまして、需給の面からいたしますると、外米の輸入は九十三万トンを予定いたしておりますので、配給を実施いたしますために五百万石程度の義務供出以外のものを集めなければならない、かような形になつたわけでございますが、当時といたしましてはまだ相当の高値の闇市場があつたわけでございますので、これと対抗して集荷をいたすために、或る程度自由集荷的な要素を取入れるという形になりまして、特別集荷制度というものを設定いたしましたわけでございまして、この設定に当りましては、集荷奨励金を累進的に何俵以上は幾円、一万俵以上は幾円というふうに、累進的に奨励金を交付すると、こういうことによりまして、そうして超過供出、特別集荷というものを実施することによりまして、義務供出以上のものを集荷いたしたい、それによつて配給を確保いたしたい、かように考えたわけでございます。結果といたしましては、二千七百万石に対しまして二千八百万石、約百万石の予定以上の集荷が可能になりまして、これが持越しとして二十八年度の不作の切抜けに非常に役立つたわけでございます。これは当初から食糧庁といたしましては、一定の標準を掲げましてその標準に基きまして累進をするということを明示いたしておつたわけでございます。これは特集制度といたしましては、一般集荷業者のほかに指定集荷業者を認めたわけでございますが、大部分の集荷をいたしておりまする農業協同組合は、これは従来から農業協同組合といたしましては、系統組織といたしまして、一体になつて、上下一致いたしまして、これが集荷に当るという態勢が農業協同組合本来の性質でもございまするので、その制度を活用することが集荷面におきまして承最も効率的である、かように考えまして褒賞的措置といたして、こういう制度を実施いたしたわけでございます。
  25. 岡三郎

    ○岡三郎君 この累進額表を適用いたして、この金を配分して行くという場合に、単位農協にすれば単位が小さくなる、それを一括し、まとめて中央本部に金を出したということにすれば、結論として相当多額の残余が連合会の手許に保留される事態を招来すると、こういう結果は御存じであつたのですか。
  26. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 全国団体一体といたしまして、累進表を適用いたします関係上、その内部の配分につきましては、従来もこれは米に限りませんで、系統農業協同組合関係におきましては、協同農協内部におきまする協議によりまして、その全体の活動に対しまして一定の内部関係におきまする割合があるわけでございますが、これは農業協同組合内部の問題といたしましてそうして相互の協議によりましてこれを実施することが、むしろ農業協同組合の活動全般といたしまして適当であろう、かように考えておつたわけでございます。従いまして全販におきましては県連、県連におきましては単協と、それぞれの内部におきます協議によつて配分比率がきめられておつた、こういうことは承知いたしているわけでございます。
  27. 岡三郎

    ○岡三郎君 結局この全販連が別途に集荷促進奨励金五千数百万円を受けている、更に今言つたこの四千三百余万円を保留して、同時に各都道府県連合会に合計一億五千四百余万円が保留されている、こういうことは集荷奨励金の趣旨を没却しているのではないか、こういうことを指摘されていると思うのです、その点どうですか。
  28. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) これは当時の情勢といたしまして、御承知のように相当自由販売的な、つまり米の統制撤廃近しと申しますか、自由販売が近いと、こういう空気が非常に彌漫いたしておつたわけでございます。従いましてこの態勢を現在の米の管理態勢に引直すと申しますか、管理態勢に応じてそういう態勢の立て直しをやるというために、農業協同組合の協力を必要とするわけでございまして、そういう意味からいたしまして、政府の管理制度の下におきまして、大部分の集荷を、農業協同組合を対象といたしまして累進奨励金をこういう形で、集めるということをいたしますと同時に、そういう集荷態勢を確立するという意味におきまして、累進奨励金を別途に出したわけでございますが、累進奨励金は一定の需要計画によりまして、そうしてそれに申請書を出させまして、これを交付するという建前を促進奨励金はとつたわけでございますが、累進奨励金は集荷努力に対しまして系統農業協同組合一本にいたしまして累進表を適用する、こういう形をとつたわけでございます。
  29. 岡三郎

    ○岡三郎君 問題はこの千五百三号で奨励金の交付が適切でなかつたということが中心だと思うのです。で、このような金額を支出して、こういう結果になつたことに対して、食糧庁としては、こういうような給付が適切であつたかどうかという問題になると思うのです。
  30. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 我々といたしましては、その当時の食糧事情といたしまして、その点止むを得なかつたものと考えまするが、会計検査院の御指摘もございましたので、二十八年度におきましては、その当時の特別集荷制度というものを廃止いたしました、廃止というか停止いたしました。累進奨励金のやり方につきましては、これは累進の適用は単位農協に限りまして、そうして、それぞれ県の団体、全国団体は単価をきめまして、一俵何円ということにきめまして交付するように体制を変えたわけでございます。これは二十八年度は凶作のために特別集荷制度は停止したわけでございますが、その必要もなかつたわけで、ざいますので、又御指摘もございましたので、そういうように改善をいたしたわけでございます。
  31. 岡三郎

    ○岡三郎君 ここで言うことは、集荷累進奨励金の約半分が、全販連及び県連合会によつて留保されたとするならば、更にその上に五千数百万円の促進奨励金を全販連に与える必要はなかつたのじやないかと我々は思うのですが、その点どうですか。
  32. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 累進奨励金と促進奨励金とは、当初累進奨励金の場合におきましては、超過供出の数量に応じて累進でやることが、五百万石以上、集めることには必要じやないかということで、別途にそういう制度を設けまして、その後それと同時に、やはり集荷体制の確立という面からいたしまして、これは事務費的に必要なものを交付するという建前をとつたわけでございまして、当初から二つの考え方によつて行われたわけでございます。ただ累進奨励金の内部配分につきましては、従来も農業協同組合の全国組織の下におきまして、それが相互の協議によりまして決定される、これは他の農業協同組合におきましては、全国団体といたしまして、菜種にいたしましても澱粉にいたしましても、麦その他のいろいろな自由商品につきましての共同販売体制があるわけでございます。この共同販売体制の下に、すべてのものが動いておるわけでございまして、そういうことが他に行われておりますので、そういう関係上、十分その内部関係におきましては、協議によりまして適当に配分されるということを期待しておつたわけでございます。
  33. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 島村委員から何かこれに関して御意見がありましたら、御発言を願います。
  34. 島村軍次

    ○島村軍次君 私は検査院の御指摘のうちで保留しておるということの断定が下されておることがちよつとおかしいのじやないかと思うのです。これは今弁解するわけでもありませんが、取連の立場に立つわけではありませんが、一定のこういう要綱を定めて、それによつて、そこでどの程度を全販連においてお調べになつたのか、その点は伺つてみたいと思うのでありますが、私の見解を以ていたしますれば、協同組合の組織、殊にこの共同販売体制をやつておる場合には、農協事業全部について扱つたわけでございまして、直接支出した経費以外に、つまりその他の総体の人員というものは、これは支出を分析して見れば、必ずしも保留というような結論にはならんじやないかという、こういうことが私の見解です。そこで衆議院がここに別途決議されておりまして、単協べ返すべきものだということは、これは当つていないであろうというふうに思うのです。そこで、問題としては協同組合の系統組織というものの内容がわかれば、自然わかつて来るのじやないかと思うのですけれども、これは議論に亙りますから、ここでは決算委員立場としてはこれは暫くおきまして、ともかくも法人としては単協あり、連合会、県連あり、それから全国の連合会があると、こういうまあ別々の法人格は持つているわけではあるが、一つの支店或いは出張所というようなものにも相当するとも考えられ得る問題ではないかと思うのでありまして返せということに対してはどうも当つていない。そこで二十八年度においては御指摘もあつたようでありますから、変えたということで、この問題に関しては私の率直の意見を申上げれば、検査院の指摘は必ずしも当つていない、こういうふうに思うのですが、弁解は別に求める必要はないと思いますから……。あと決算委員会で皆さんの御意向に従つて決定すべきものでありますが、さような見解をもつて、この問題は一応審査を終了いたしたものとして、他の案件と同様に審議を進められたい、こういう希望を持つて滞ります。
  35. 岡三郎

    ○岡三郎君 今の食糧庁長官が申されたことについて、会計検査院のほうではやはりこれは当然単位農協のほうに出すべき金であつたのではないかという点がまだ残つておると思うのです。それについてもう一遍検査院のほうから意見を聞きたいと思います。
  36. 小峰保栄

    説明員(小峰保栄君) 私どもといたしましては、この名前をご覧になりましても、集荷累進奨励金、予算の要求関係の資料を見ましても全国約一万二千という単産を相手にやるというのが割合にはつきりして予算が組まれているのであります。農民がお出しになるわけですが、四百万石なり五百万石なり出してれそれらに対して、ここの表、検査報告に挙げておりますが、三百俵以上幾ら、累進するに従つてこれが高くなつて行く、この事情から零えましても、末端に行く金、こういうふうに了解されるのはこれは当然だと思うのであります。それが全版連では先はど島村委員からもお話がございましたように、五千九百万円という、この上別に促進奨励金という——五千九百万円という金は相当大きな金であります——それをもらつている。そして実際に集荷累進奨励金のほうの配分状況を見ると、この全販連につきましては、この累進表が最高五十万俵以上というのを全国一本で渡している。非常に不思議に実は思わざるを得ないのでありまして、この累進表は一体どういう趣旨なのか、この表を御覧になれば三百俵以上、五百俵以上幾らとか、小さいところを相手にたくさん出してもらうために、小さいところを相手にこの表が出たとしか思えないのでありますが、それが実際は最高、殆んど全部最高を適用しておる、五十万俵を超える部分については三十五円というのを適用しておるのであります。こういうのが妥当だとはどうしても考えられない。そこでそれもまた末端に、実際に超過供出をしてくれた末端に、これが全部流れている、所要の経費を差引いて全部流れているというのでしたら、これは又考えようが変わるわけでありまして、たくさん米を出してくれた人にたくさんの奨励金が行く、こういうことにつきましては、これは考えを変えなければいかんわけであります。ところが内容を調べてみますと、これにつきましては、先ほど全販連をどの程度調べたかというお話がありましたが、相当詳細に調べてございます。その調べた結果がここに出ましたように、まさにこれは保留額ございます。昨年の十月、二十八年の十月末現在でこの四千三百万円を抑えたのであります。それまでに全販連は相当金をお使いになつておりまして、二千六百万円の金がまだ残つていたのでありまして、昨年の十月と申しますと二十八年産米が出るのであります。二十七年産米の処理というものは一応終つておる。それは借金が残つておるとか、そういうものがあれば別でありますが、そうでない限りは一応処理が終つていると見ていいのでありまして、そのときになお且つ累進奨励金が二千六百万円、それから集荷促進奨励金のほうでも大きな金が残つておると、こういう事態であります。この使い方の内容を拝見しますと、ここには相当まあ遠慮して書いてあるのですが、外部団体助成費で千二十万円或いは会議費としてこの内容、蜷荷促進活動に要する経費と称して六百九十七万円、この内容を見ますと、大部分が会議費だとか或いは旅費だとか宣伝活動費だとか、こういうものなのであります。これは金がありましたのでおやりになりましたのでしようが、仮にこういう金がなかつたら果してそこまでやつたかどうか、相当疑問を持たれる内容のものばかりであります。どうも外部団体助成費にいたしましても、全国指導農業協同組合連合会というものに六百万円行つております。これが果して二十七年産米の超過供出にどれだけの貢献をしたかということは、私どもとしては遺憾ながら、これはつかみ得なかつたのであります。それからあとの四百万円というのは協阪体制確立中央推進本部とこういう名前のものに行つておるのであります。これがどういう内容を持つておるか、遺憾ながら、これも私どもとしてはつかめなかつたのであります。そういう事態でありまして、これが保留額、全販連が保留したと書いたのは、会計検査院の行き過ぎであつたと、今でも私どもとしてはお話を伺いましても実は考えられない、こういう状態であります。
  37. 小林亦治

    委員長小林亦治君) つまり会計検査院の御意見現実に集荷に努力した単協に帰すべきものであつて、その上の連合会が保留すべきものじやないと、こういう御意見なんでございましようか。
  38. 小峰保栄

    説明員(小峰保栄君) 単産に幾ら上げたらいいかということは、これは又別な考え方が立つと思うのでありますが、少くともこの種の奨励金でございましたならば、やはり超過供出に一番骨を折つた人にたくさん上げるのが筋じやないか、中間でこれは半分とまつてしまつているのであります。一俵について三十四円国が出したのでありますが、十七円というのは中間でとまつてしまつているのでありまして、農民の直接関与しておられる単産には一俵について十七円しか行つていないのであります。三十四円国が出しましたのは、十七円しか行つていないというのは、どうも私どもとしては納得できないと、こう考えておるわけであります。
  39. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 長官にお聞きしますが、そういつたことは食糧庁のほうでも監督し或いは補導する余地があつたかも知れませんが、全販連とか或いは協販連、それから単位農協の代表者間で、食糧庁指示のない間にそういう取りきめが行われてしまつたので止むを得なかつたと、こういうふうな状態ですか。
  40. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) これはまあ農業協同組合の系統組織をどう考えるかという問題と関連いたすと思うわけでございます。形といたしましては、それぞれ県段階に全国団体がございまするが、従来から、産業組合の組織当時から、これは系統一本化ということで以て一体にして動いておるということが現実の考え方でございまするが、農協自体といたしましても、全販連、指導連一体となつて動いていることは各種の問題についても同様な考え方でありますので、我々といたしましては、一定の累進表を掲げまして、そうしてその内部におきまして、それぞれの活動に応じ、又従来のその他の協阪のやり方ということもございまするので、農協内部におきまする配分につきましては、農協内部の協議に待つことが、農業協同組合の系統組織又一本化という建前のそれを通じましての米の超過奨励金を集めるということが適当であろうと、かように考えまして、その内部配分については系統組織の決定に待つことが妥当であるというふうに考えたわけでございます。
  41. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質疑ございませんか。
  42. 岡三郎

    ○岡三郎君 結局二十七年産米に対する奨励金のこの配分方法ですね、これが一応会計検査院のほうから指摘されて、二十八年度に全敗連が一俵につき二円、それから県連合会に対しては同じく三円を数量と関係なく一律に交付して、単位農協に対してのみ累進率を設けることにしたという点から見れば、どうもこの措置自体というものは結果から見てやはり思わしくなかつたのじやないかということが、この改善策に私は現れて来ているのじやないかと思うわけです。その間については幾多の問題があるとしても、我々はあえてここでとがめ立てするということではなくして、やはり何かしら政府が予算支出をして行く場合の使途がルーズでないかというふうな気がするわけです。そういう点で、食糧庁として二十八年産米について今言つたような措置をとつて来たという点から、会計検査院のほうから心配しているように、これがどうも妥当ではなかつたのじやないかというふうに私はとれるわけです。それが妥当でなかつたというから、すぐこれを決議をして返せとか何とかいうことについては全販連の機構というものもいろいろ問題がありますから即断はできないとしても、結果から見てやはりこれは思わしくなつかたのじやないかということを私は言えると思うのですが、この点どうですか。
  43. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 勿論会計検査院からいたしまして、国庫の支出につきまして改善すべき事項として挙げられたわけでありますから、それを如何に改善するかということにつきまして、二十八年度において我々も考慮いたしましたわけでありますが、ただ二十八年度と二十七年度と異りまする点は、二十七年度におきましては特別集荷制度を設けまして、いわゆる一定の幅で以て政府は買上げる、その間にいわゆる超過供出奨励金とは異つた一つの制度が行われたわけでございますが、二十八年度におきましてはそういう特別集荷制度の二十八年度における実施を停止いたしたわけでございます。それと併せましてそういういろいろの御批判の点もございまするが、又そういうふうな誤解を避ける意味におきましても改善することが適当であるというふうに考えまして、制度と両者併せまして改善をいたしたわけでございます。その批難を受けるということ自体は決して好ましいことじやないし、勿論反省すべき点があつたというふうに考えております。
  44. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕
  45. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記起して。  島村委員、岡委員からも相対する本件に関する御意見が出たのでありますが、なおその上に食糧庁長官からも二十八年度以降は廃止せられてその心配はない。更に又今後の処分とか処理については善処せられる、こういうお約束がありましたので、千五百三号に関する質疑はこの程度で終了したいと存じますが、御意見ございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御意見ないと認めます。  なお八木委員から再搗精について前谷長官に御質疑があるそうです。
  47. 八木幸吉

    八木幸吉君 時間が迫りましたので、極く簡単に要点数項伺つてみたいと思います。  再搗精の試験成績表を頂きまして、精米につい一ぽ七百粒のうちで病変薗が一粒、屑米のうちでは二百五十粒のうちで一粒、極めてそのパーセンテージが減つた表が出ておりまして、大変結構なことだと存ずるのであります。但しこれは二万三千トンのうちからこれだけ検査されたというふうに拝見いたしますと、見本のとりかたはざつと十億分の一というくらい少いのでありまして、この点問題があると思うのでありますが、なお再搗精の結果、毒性が減つたという点について何か新しい資料がありましたら簡単に伺つてみたいのであります。
  48. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 再搗精の問題につきましては只今御指摘の北海道の場合において一部実施いたしましたが、我々といたしましては再搗精したものをまだこれは処分はいたしておりません。只今厚生省の食品調査部会におきましてこの研究を進められております。私のほうは、その内容は詳しくは存じておりませんが、大体菌の附着は糊粉層に附くということで以て、再搗精をすれば大体大丈夫であろうというふうな結論のように伺つておりますが、これにつきましては第二回の調査会が、これは専門家の集まりでございまして、厚生省が主催されております。この第二回の調査会が十二月の上旬には開かれるだろうと、で、或いはそこで結論が出ますか、又更に研究点が出て参りまして研究するようになりますか、その点は詳細、わかりませんが、今まで承わつておりまするところによりますと、表面に菌が附着しておるからこれを再搗精すれば大丈夫であろう、こういう大体御意見のように伺つておりますが、私のほうといたしましてはそういう結論が出ますと、例えば五%の再搗精でいいのか一〇%の再搗精でいいのか、これは米の品質によつても違いまするが、大体糊粉層までやればいいというお話でございますので、この結論によつて再搗精をやるということで準備はいたしおりまするが、試験的にやつていろいろその調査会のためにデータを提出するための再搗精はいたしておりますけれども、本格的な全般的な再搗精はまだ準備をいたしておる段階であります。従いまして我々がいろいろ御要求に応じて資料を出しまして、その資料の結果に基きましてその調査会におきまして結論が出ますと、その結論に従つて再搗精をするということで、本格的な全般的な再搗精は準備を了して待つておると、こういう段階でございます。
  49. 八木幸吉

    八木幸吉君 再搗精の試験の結果が厚生省で出ましたら成るべく詳細なものをこちらへ御提出をお願いいたしておきます。なお描精の割合によつて費用等も違うでありましようが、例えば三分描きにするか五分描きにするか等の基準によつて、大体トン当りどれくらいの費用がかかるというお見込みでございますか。
  50. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) これは御承知のように割合がまだきまつておりませんが、大体これと副産物収入等とも関連いたしますので、政府は再搗精を、委託福精をいたします場合に、副産物収入が何ぼ出るかというその副産物収入の市価の相場とも関連しますから、大体トン当り千円以内で再搗精が実施できるのではなかろうかとこれはまあ我々もいつも再搗精なり委託をやりまする場合に、小麦でございますとその価格は何ぼかと、出て来るふすま価格が何ぼか、米の場合ですと米糠の価格が何ぼになるか、これは大体市価で押えております。その市価で副産物収入を引きまして、再搗精賃金を支払うという、こういう建前になります。まだ正確な計算はいたしておらないわけであります。大体そういう程度ではなかろうかということでございます。
  51. 八木幸吉

    八木幸吉君 頂戴しました資料によりますと、在庫をしておる病変米は約十三万八千トン、そういたしますと仮にそれを全部やれば一億三千八百万円近い国損が出ると、こういうことに了承してよろしうございますか。
  52. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 大体今までの形といたしましては九四の普通の搗精度でございますが、それが下りまする分だけ、まあ重量でいたしておりますから、五%下ればその分だけは価格として五%落ちる。それから一割になりますれば一割だけ落ちると、こういうことになるわけでございます。その一方において副産物収入の糠が出ますので、それを差引いて幾らになるのか、大体九百円、千円以内で行くのではなかろうかと、これは政府は委託の形でやりたいということで今研究いたしておるわけであります。
  53. 八木幸吉

    八木幸吉君 そういたしますと、同じことを伺うようですが、今在庫の病変米は約十三万八千トン、それに千円かけた金額というのでいいのでありますか、再搗精の国損は。
  54. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 現在の十三万トンの場合におきましてはさようでございますが、同時に厚生省におきましてはそれの許容限度、先ほど飯島さんのお話になつ許容限度がどの程度であるかということとも関連いたして参ります。許容限度が何%かということになりますると、その範囲内のものは再搗精を必要としないものでございます。そのうちどの程度のものが再搗精を必要とするかということが、そちらのほうの研究と相待つて、それが全部再搗精を要するということになれば今のお話のようになろうかと思います。
  55. 八木幸吉

    八木幸吉君 仮に半分でも再搗精するといえば期間はどれくらいかかりますか。
  56. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 再搗精の期間は割にこれは時間がかかると思うのです。と申しますのは、再搗精をやるためには立形の精米機で以てやらなければならないということで以て、今私のほうとしては、精麦の工場でございますが、立形を有しておりまして、精米の価格というものを調べまして、それで以て現実にやるわけであります。相当精麦工場の能力の余裕のあるところもあり余裕のないところもある。これは成るべく移動したくないと思いますので、そういう形から行きますと、時間的にはかかると思います。
  57. 八木幸吉

    八木幸吉君 副産物の払下げでいろいろ問題が起きないようにして頂きたいと思うのですが、どういうふうにしておやりになるのですか。
  58. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) これは米の再搗精というのは初めてでございますが、麦の委託加工をいたします場合に、小麦を製紛にして品物だけを取りまして、それから副産物収入の市価で加工賃をきめまして、そして副産物、加工賃が仮に小麦でございますと二千円なら二千円としますと、そうするとそれから出るふすまが幾らかというふすまの市価からいたしまして、それが九百円なら九百円する。すると二千円からそのふすま代をき引きました残りを加工賃として払うと、こういう形をとるわけでございまして、ふすま或いは米糠は先方の所有になりまして、それの市価換算をしたものを引いて加工賃を払う、こういう形になるわけでございます。
  59. 八木幸吉

    八木幸吉君 若し副産物に毒性があつた場合はアルコール原料か何かにお廻しになりますか、或いは払下げになりますか。
  60. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 今厚生省のほうにおきまして副産物で以て残つた糠の面にどの程度に菌があるかというところも研究されておりますが、糠は大体飼料でございます。飼料の場合においてはまあ今までそう大きな、ほかの飼料がたくさんございますししますので、それと合わせての配合飼料になろうかと思います。これは食用に行くことはございませんから、飼料用でございますので、まあその点は多分大丈夫ではないかと思つておりますが、これが相当つまり畜産のほうに影響があるかどうかという点は、我々もそれと併せて検討しなければならないと思つております。
  61. 八木幸吉

    八木幸吉君 この前この輸入食糧の減耗量二・一八%ということを伺つたのですが、供出米でもやはり運送途中に減耗ということはあると思いますが、どのくらいが標準でございますか。
  62. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 全体をプールいたしましてそういうふうに国内のものを見ておるわけです。ただこれは輸送距離、例えば東北、北陸から九州に送ります場合、貨車で送る場合、船で送る場合違つております。それを大体平均いたしまして、全体プールいたしまして、その程度に我々としては考えておるわけでございます。
  63. 八木幸吉

    八木幸吉君 外米の減耗の国損総額は各年どのくらいあるのですか。例えば二十七年度で幾らになるのですか、外米の目減りによつて出た国の損失全額の全体でございます。
  64. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) これは外米の場合におきましては、受取ります場合におきましては検査をして重量をとるわけでございます。政府の手に入りまして、そうして政府がそれを消費者に渡すまでの間は内地米全体をプールいたしましてロスとしてこれを見ておるわけでございます。これは通常の取引におきましてもロスという形におきまして生ずるものでございますので、当然消費者価格を決定いたしまする場合に、これは従前から一定のロスというものは見ておるわけでございまして、そのロス以上に起りました場合におきましては国損を生じますけれども、ロス以上に起つておるということはございませんので、現実の国の会計面におけるロスによる損失というものは生じない建前になつております。
  65. 八木幸吉

    八木幸吉君 本年度に四十万トン下期に輸入なさるうちに、二十万トン取りあえず輸入なさるということを新聞で拝見しますが、輸入するところはビルマ、タイは入つておりますか、それがわかつておりますか。
  66. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 四十五万トンといたしておるわけでございますが、只今もお話のございましたように、黄変米の配給を停止いたしておりますので、実際上配給に支障いたしますので、緊急にこちらから取れる地域から取りたいと、まあ大体台湾、それからアメリカということが対象になろうかと思います。それでビルマ、タイにつきましては買付は一月以降にいたしたい、十二月までの間に調査団も帰つて参りまするし、又向うの出廻りの状況からいたしましてもその時分が適当じやなかろうかということで、今度の分には含まれておりません。
  67. 八木幸吉

    八木幸吉君 あとの二十五万トンにはやはりビルマ、タイは入りますか、どのくらい入りますか。
  68. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) あとビルマ、タイの問題は、まだ数量等につきましては……、大体二十万トンから三十万トンくらいを、こういう条件ならば買うということで我々考えておりますので、最終的に数量はまだ決定いたしておりません。併し全体といたしましては、この年度としてはタイ、ビルマからも買わなければならんと思つております。タイ、ビルマから買うのは先ず二月頃から買付を始めまして、三月から、只今もお話がございましたように、大体六月には完了するという形でやつて行きたいと思います。九月までには、ビルマは特にそうでございますが、タイの場合には少し延びてもいいということで、九月末日ぐらいまでに買付を了する、こういう考え方でございます。従いまして買付の具体的交渉に入りますのは一月からでございまして、実際契約ができますのは二月頃から、できれば船積ができればいい、かように考えております。
  69. 八木幸吉

    八木幸吉君 今飯島委員からこの現地の状況についてつぶさに御報告がございましたが、そのうちで、例えば契約の期日を十二月までにやつてもらいたいとか、或いは洪水地域から買わないでおくといつたいろいろの対策としての御議論がございましたが、大体今飯島委員のお述べになつたようなことは、概括して実行がおできになりますか。理想としては結構ですけれども、非常に実際上困難がある。この程度までやれるが、この程度まではやれないといつたようなことがすぐお考えがつけば承わりたいと思います。
  70. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 外地の今お話になりました許容限度の問題、黄変米の科学的な限度の問題は、これは大体年内には結論が出ますように厚生省にはお願いしておるわけでございます。それから品質につきましては、従来のSQ級のものが幾ら、ヨーロツパN3は幾ら、こういうふうに品質ことに数量をきめておるわけであります。これは是非きめて参りたい。それからなお年度内の契約は我々も希望いたしますが、調査団が帰つてから調査団の意向も聞いてやりたいということでございまして、なお飯島、東両委員からは更に別途に詳細なお話を承わりたいと思つております。その中で問題ございますのは、東さんからお話ございましたミルの指定でございますね。ミルの指定は実はタイ側に対しましても相当交渉いたしまして、こちらが拒否すると申しますか、タイ側におきましては、ビルマも同様でございますが、ミルを指定するわけでございます。指定することにつきましては、このミルの指定をこちらから意見を出して、それに副うようにやつてもらうということにいたしたわけでございます。こつちから直接、国家の統制になつておるわけでございますので、日本側がこのミルというふうな形で指定することが、まあタィの場合におきましては相当内政干渉だ、政府がきめて、輸出のミルをきめるということに対しまして、それを一方的に我々がきめるかということが問題になりましたので、こちらのタイ側がきめる場合において日本側意見を出してそれに副うようにきめてもらう、そういうふうに一方形としては先方に話合いを持たなければならんという問題もございます。特にビルマの場合におきましてはそのミルの指定ということが当相問題が起るのじやなかろうか。我々としては、日本側の希望ではできるだけそういうふうに、今ビルマの使節団が参りましたからそういう要求は出しております。
  71. 八木幸吉

    八木幸吉君 洪水地域から買わないように成るべくしたいとか、或いは船中で燻蒸するとかいつたようなことは、これはできますか。
  72. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 地域の指定、これは結局もみの品種の問題でございますので、これは是非やりたいと思います。それから船中の燻蒸は、いろいろ研究いたしましたが、船中での燻蒸ということは非常にむずかしい。と言いますのは、あれは薬品は一種の毒ガスでございますので、船員が危害を受けるということで船側で非常に設備関係等で困りますので、お話のございましたビニール燻蒸でございますか、これが一番やりいいのじやなかろうか、東さんからお話ございましたビニール燻蒸を我々は推進しておるのでございまして、ビルマ、タイ使節団にも百トン、二百トン、三百トンのビニール燻蒸をしてもらいたいということで、タイ側等におきましてもその点を進めてもらつております。従いまして東、飯島委員からのお話ございましたような向うでの倉庫燻蒸というのは、非常にお話のようにむずかしいのじやないか。それでその代案としてビニール燻蒸が一番よかろうということで、使節団が来ますたびに燻蒸を進めて、実際を見せて、薬品もこういうものであるということを話をしております。
  73. 八木幸吉

    八木幸吉君 只今の問題についてはそれで結構ですが、日本糧穀株式会社の内部が多少ごたごたしているというお話で、果して所期のものが出るかどうかわからんというお話もございましたが、一応まだ会社があるようですから、食糧庁から、例の百七トンの行先についての意見を出せという書画照会だけでも一つ結末をつけて頂きたいということをお願いしておきます。
  74. 前谷重夫

    説明員(前谷重夫君) 日本糧穀につきましては、解散したとか解散交渉にかかつたとかいろいろ噂を聞いておるのであります。事実上機能を停止して、一年くらい前からもうつぶれておるのじやないかと思いますが、従いまして当時の関係者がどの程度おりますか、わかりませんが、我々としては、どの程度の資料が出ておるかわかりませんけれども、調べるように手はずをいたします。
  75. 東隆

    東隆君 今食糧庁長官からお話になつた買付の時期ですね、六月末までならいいだろうということなんですが、六月末になるとあすこ雨季に入るのです。それでやはり五月に切上げたはうがいいと思いますが、それは、五月の終り頃に出た船が一つあるのです。それが非常に問題になつて向うで心配しておりましたから。
  76. 小林亦治

    委員長小林亦治君) なお資料をここに頂いたのですが、これでよくわからないので、まあ臨時国会中なり或いは閉会になつてからでも結構ですが、一遍監査課長に御案内願つて検査場を決算委員で見たいという希望がありますので、その節一つ課長に御案内願いたい。よろしうございますか、来月になつてから。
  77. 岡村昇三

    説明員(岡村昇三君) はあ、結構です。
  78. 小林亦治

    委員長小林亦治君) では本日はこれで以て散会いたします。    午後零時二十九分散会