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1954-11-08 第19回国会 参議院 決算委員会 閉会後第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月八日(月曜日)    午前十時四十五分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            谷口弥三郎君            岡  三郎君            八木 幸吉君    委員            雨森 常夫君            木村 守江君            白井  勇君            高野 一夫君            田中 啓一君            宮田 重文君            飯島連次郎君            奥 むめお君            後藤 文夫君            亀田 得治君            久保  等君            永岡 光治君            東   隆君            山田 節男君            深川タマヱ君            堀  眞琴君            鈴木 強平君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    通商産業政務次    官       加藤 宗平君    通商産業大臣官    房会計課長   出雲井正雄君    通商産業省企業    局長      徳永 久次君    郵政大臣官房資    材部長     西村 尚治君    郵政省監察局長 斎藤信一郎君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省電波監理    局長      長谷 慎一君    郵政省経理局長 八藤 東禧君    労働大臣官房会      計課長     澁谷 直藏君    労働省労働基準    局長      亀井  光君    労働省職業安定   局失業保険課長  村松 伍郎君    会計検査院事務    総局検査第二局    長       上村 照昌君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大沢  実君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件昭和二十七年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   ―――――――――――――
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今から第十八回決算委員会を開会いたします。  昭和二十七年度決算通商産業省郵政省及び労働省所管の分を議題といたします。  初めに通商産業省所管について検査報告第千五百十四号、千五百十五号、千五百十六号を問題に供します。先ず検査院から貿易特別会計残務処理状況及び各案件についての御説明を願います。
  3. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 通商産業省関係でありますが、貿易特別会計残務処理状況が先ず最初記述してございますが、これは同特別会計が二十六年四月一日廃止されて以降、いろいろな残務整理があるわけでありますが、その間において当委員会においても御審議になつたかと思いますが、対米債権の四千七百万ドルがあるというようなことが問題になつたわけでございます。これらに関連しまして、特別会計り全貌を洗うということは、同特別会計が、相当前に成立したということと、その間の経理が、外貨面におきまして、司令部がこれを管理しておつたというような状況で、厖大な書類を更に整備検討しなければ、その全貌がわからない状況でありますので、これについては通産省において、現在その全貌を極めるべく努力しておられるわけでありますが、なお未だその結論は出ていないように思うわけであります。大体以上のことを要約して記述してあるわけでございます。  それから次は千五百十四号、経理が紊乱しているという点であります。これは地質調査所及び北海道ほか二支所で旅費架空に支出されて、いろいろの経費に使われたという事態でございます。架空に支出された金額は、総体で百五十一万余円でございましてこの明示された経費及び一部社団法人東京地学協会に負担させた五万円等を合せまして、札幌、仙台福岡職員宿舎を購入されたわけでございます。尤も購入資金で一部残額はございますが、購入されたわけでございます。ところがその後仙台福岡宿舎は要らなくなりまして、売却されたわけであります。その売却された資金、それから更に宿舎等経費として、職員から集められた金を合せまして、それらの金を宿舎関係修繕料、その他の経費に、或いは会議費、その他の経費に充てられまして、残額が三十九万四千円が残つておりました。  なお、更に宿舎を売却された際、入金未済金額が一部ございましたわけでありますが、その後におきまして、使い残り残額入金未済のものにつきましては、取立てた上、国庫に収納されておるように聞いております。いずれにいたしましても、国費使用が妥当でないということでございます。  その次は千五百十五号でございます。これは会計処理が著しく遅延しておるという事態でございます。本件外国貿易使節団使用させるために、民間から建物を賃借されまして、ホテル・トウキヨウほか四ホテルを経営されたわけでありますが、その際、同ホテル等国費を以て二億三千余万円をかけまして、土地、建物工作物等に対して、いろいろの施設等をなされたわけでありますが、その後二十五年の四月に同ホテル等民営に切換えるということになつたわけでございます。ところが契約解除等に際しましては、国が施設したもの等につきましては、契約の終了又は解除の時、当事者協議の上これを定めるということになつておるわけでありますが、それらの処置がとられないままに経過されたということでございます。国費を以てかけられた二億三千余万円のうち六百余万円に相当する施設につきましては、大蔵省に引継がれまして貸付け又は買渡方法が講じられたのでありますが、残額の二億二千六百余万円については、契約に基く処置を講ぜられないままに、長い期間経過しておるわけでございます。これらに対しては速やかに評価し、或いはそれに基いて払い下げるとかいろいろの処置を講ずべきものだと思うのでありますが、期間が長く経てば経つほど、これらの事態は不明確になるわけでありまして、早期の処置が望ましかつたと考えるわけでございます。  次は千五百十六号の機械類管理がよろしくなかつたというわけでございますが、通産省機械類は貸付け或いは保管されておるもの等が相当あるわけでありますが、そのものにつきまして、二十七年度の検査をするに当りまして、本院で見ました結果、貸付けされておるもの、保管されておるものにつきまして、借受人保管者が勝手に処分したり或いは他に施設されておるというような事態が生じておるわけでございます。これらは結局賃貸借されておるもの、或いは保管させておられるものにつきまして、十分目が届いていないと、こういうことから起る事態でございまして、その後現在まで会計検査院におきましても調査しておりますが、なお、その後の検査におきましても、時期は必ずしも最近のものではございませんが、相当処分され、或いは売却されておるというような事態が本年度の検査において相当発見されておるわけでございます。そういう関係でありますから、少くとも全体を十分把握されて適当な処分をするなり、はつきりした管理方法を講ぜられることが適当ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。  以上でございます。
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 通産省からは加藤宗平政務次官、讃岐工業技術院調整部長出雲井会計課長が見えておられます。御質疑のかたの御発言を顧います。
  5. 山田節男

    山田節男君 通産省のほうも一応弁明が出ておりますが、なお、只今会計検査院報告に対して説明があればしてもらつて、それから質問に移つて頂きたいと思います。
  6. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 如何ですか、何か弁明ありますれば伺いましよう。
  7. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) 会計課長でございますが、只今指摘のございました千五百十四、千五百十五、千五百十六に関しまして、私会計課長といたしまして直接千五百十五号を、なお一般会計事務といたしまして他の二件につきましても、監督上の責任を有しておるのでございますが、只今指摘のございました点は、私ども最も遺憾に存じ重々責任を感じております点で、旅費に関します不当経理或いは千五百十五件でございますと事務処理が甚だしく遅延しておる点、或いは千五百十六件に関しましては非常な多数な機械ではございますが、なお我々といたしましては、予算相当人員を頂いてこれが保守管守につきましては責任体制とつておるのでございますが、御指摘通り旅費不当経理、或いは事務の遅延いたしました点、官有機械につきましては機械の件数が非常に多いとは申せ、細部の保守管守が行届いておりません点、重々責任を痛感しておるところでございます。これらの案件につきましては、当時御指摘を受けまして、部内におきましても責任をとるべきものはとり、爾後の事務処理体制を改善すべきものは改善し、事務の遅延いたしておりますものにつきましては、鋭意これが進捗かたに努力する等処置とつて参りました。とは申せ、私ども指摘の各般につきまして責任を重々痛感いたしておる次第でございます。冒頭先ず全般の私ども責任所在をはつきりいたしまして、一言弁明に代えたいと思います。
  8. 山田節男

    山田節男君 この千五百十五号の批難事項ホテルに関する問題ですが、昭和二十五年の四月に民営に切替えになつて以来満四年半を経ておるわけですが、で、今の通産省から出されておる二十七年度の歳入歳出決算検査報告に関し国会に対する説明書、その説明書の中に未だにまだ、例えば有益費を評価して処置するという措置がとれていないやに説明なつているんですが、今日までどういう状態になつておるか、その点を一つ伺いたい。
  9. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) 経緯につきましては十分御承知のことと思いますが、全般経緯は省略いたしまして、私ども昭和二十七年度歳入歳出決算検査報告に関し、国会に対する説明書といたしまして用意いたしましたこの説明書に即しまして、御説明申上げたいと思います。これで参りますと、最後の段で、「有益費については価値判断が極めて複雑困難なので目下それぞれ関係当局にも評価方を依頼中であり右評価の結果をまつて適切な措置を講ずる予定である」としてございまして、只今のその後何にも具体的な結果が出ておらないではないかという御指摘通りでございますが、私どもこのホテルのうち、東京地区の三ホテルにつきまして、これはホテル・トウキヨウ、それからホテルヤシマ、それから芝パーク、この三ホテルにつきましては本年春関係財務局のほうから評価額決定の通知を受けまして、建物所有者とこれらの有益費を投じまして施設しました諸施設につきまして売却方を折衝いたしておりまして、このうちホテル・トウキヨウにつきましては、本年六月一日に契約通り売却を完了いたしました。なお、ヤシマにつきましては時節柄延納の申入れがございまして、異例な契約方式になりますので、財政法の定あるところに従いまして、大蔵省に協議いたしております。芝パークにつきましても、評価額決定に伴いまして、これが具体的な契約を進めるべく努力いたしておりますが、やはり支払方法の点におきまして、多分延納を希望し、又延納にならざるを得ないのではないかと思いますが、他の二ホテルに比べまして折衝の段階になつております。  なお、関西地区の浪速及び洛陽につきましては、私ども機会ありますごとに、又大阪通産局も使いまして、関係財務局評価方評価促進並びにその協力につきましてお願い申上げてありまして、これも不日評価額はお調べ願えるのではないかと思つております。然る上は売買契約締結本件の完全なる処理ということに持つて行きたいと努力いたしております。
  10. 山田節男

    山田節男君 ここに挙げられておる五つのホテルは現在ホテルとして経営しておる。現に日本橋のヤシマホテルのごときは増築をしておるように私みえるのですが、そういう増築をなしうるようなものが、そういう延納を申出るということは、これは大蔵省とのいろいろ協議の結果、そうだろうと思いますが、私はやはり支払い能力があれば、もうこれは現に大蔵省国有財産処理をみましても、相当厳重にやつておるわけですし、それもすでに満四ヵ年半を経て、而も決定が漸く今年の六月にできるというのはのろいじやないか。通産省最後はやはり国有財産というものを処理しなければならん。大蔵省に代つて処理しなければならんものがほかにもあるんじやないかと思います。こういう例に限つて非常に日にちがかかる。而も現にこれが他に転換したのじやなくて依然としてホテルとして使用をしておる厳然たる事実があります。今日までかような、如何に理由があろうとも、延べられる理由自体が我々からみれば、余りにもどうも遅いような気がするのです。ですから少くとも臨時国会を開くまでには、もつと迅速に処理を私は強く要望しておきます。  それからホテル・テイトですが、これはたしか宮内省のもとの財産つたと思いますが、これは一時売物に出ておるというようなことを、現に私知つておるものに買わないか、評価額五億何ぼということを聞いておつたのですが、これはどういうような処置なつておりますか。会計検査院としてもこの問題について調べたかどうか。何らこれに載つていないということの理由と、それから通産省としてこの処理の結果を一つ説明願いたい。
  11. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) ホテル・テイトにつきましては、これは先ほど会計検査院のほうから御報告のありました六百万の処分済みのほうに入るのでございますが、ホテル・テイト常盤ホテル、これにつきましては国営ホテルの業務の終了いたしますときに、財政法の定めるところに従いまして、大蔵省引継ぎを申出ましてこれが大蔵省に引継きが完了いたしまして、通常の処理方法で済んだわけでございます。あと問題になつております只今ホテルのほうは、当初やはり財政法に定めるところにより、大蔵省のほうに引継ぎいたすつもりでおりましたが、なかなか普通のいわゆる国有財産引継ぎと、用途終つた場合の各省が国有財産大蔵省に引継がなければならないという趣旨の規定とが違いまして非常に複雑なケースであつたものでございますから、多少その間通産で処理するか、大蔵で処理するか、相当問題が遅れまして、勿論政府といたしましては、この引継きを完了いたしませんほかのものにつきまして延びておりますが、このホテル・テイトそれから常磐ホテルにつきましては、用途が終了いたしますときに引継ぎをいたしまして処理されておるわけでございます。
  12. 山田節男

    山田節男君 これは会計検査院どうですか、ホテル・テイトですね、常磐ホテルも同じだと思うのですが、このホテル・テイト処置経過をお調べになつたのですか。
  13. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 只今ホテル・テイトホテル常磐でありますが、これは通産省のほうからお話がありましたように、大蔵省が引継がれまして、大蔵省のほうで賃貸契約をやつておられるわけなんです。この分については一応処理が済んでおるわけであります。その価格の適否、その他については実は所管外でありますので、と申しますのは、私のほうは通産省関係検査しておりますので、大蔵省関係検査しておるほうで大体適正と認めておるのではないか、こういうふうに考えております。処理としては一応引継いで大蔵省のほうで処理済、こういうことになつております。
  14. 山田節男

    山田節男君 そうすると、大蔵省関係国有財産管理のほうに聞けばわかるわけですか。
  15. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 仰せのように検査をしておる局のほうでは当然わかつておりますが、私の聞いた範囲では大体適正に行われておるというふうに了解しておりますが、詳細は検査しておる課局のほうでないとお答えいたしかねるわけであります。
  16. 山田節男

    山田節男君 これは会計検査院に特に注意するのですが、虎の門の例の小公園の問題についても、非常に無理なことを形式上は合法化したようなことをやつておる。その背後の政治的な策動ということも我々疑うまいとしても疑わざるを得んような事態なつておることはあなた御承知通りだと思う。このホテル・テイト処分問題についても、先ほど申上げた通り一般民間に売りたい―これは通産省でなくて大蔵省かも知れませんが、それが賃貸契約なつておるのか或いはこれも普通国有財産に入れてあれを処分しておるのかどうか、我々さつぱり知らないわけです。ですからこの点に関しては一つ、今日所管局長がいなければしようがないのでありますが、あなたが他の機会において、大蔵省関係のかたに、今までの経過と現在やつておる処置を十分調べて頂きたい。なお、賃貸契約しておるならば、そのレントの問題、売つておるならば売渡し値段幾らというようなことを次の機会において会計検査院に御説明願うように、一つ御連絡願います。
  17. 高野一夫

    高野一夫君 ちよつと通産省に伺いますが、この保管させていた機械の分ですが、或る会社でへん取された機械総計六十一台、次に一台、それから「ほしいままに処分」というのはどういうものか知らんけれども機械総計二十九台、こういうふうに非常に莫大な機械処分されたわけですが、こういうような貸付けとか保管させている機械に対する定期的な監督かなんかされることになつているわけですか。ただ現在監督不行届であつたと言えば、それつきりだけれども、定期に、例えば何ヶ月に一回とか一年に一回とか、必ず検査監督に行くんだというような、きまりにもなつておりますか、どうですか。それを一つつておきたいと思う。
  18. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 官有機械監督につきましては、現在本省及び通産局で、それぞれ専門の人も出ておるわけですが、大体機械が減るにつれまして予算もだんだん減りまして、二十九年度でございますると、二十八年度までは本省で十七名、二十九年度は本省で九名、通産局で二十八年度八名、二十九年度が四名となつておるのであります。それに、それぞれ旅費といたしまして二十八年度十七万三千四百円、本省がそうでございますが、それから二十九年度が本省で九万円、通産局で二十八年度五万四千円、それから二十九年度は十五万円ということになつておるわけであります。機械の全体が約一万台くらいあるわけでございますが、勿論これは一万ヶ所にあるわけではございませんで、或る程度集約もしておるわけでございます。事実問題といたしまして、全部のところには廻りかねる。あとは随時書面等でこの状況調査しておるというようなのが実情であります。
  19. 高野一夫

    高野一夫君 そうすると、その人員が減つて来たとか、予算が減つて来たとかということで以て、書面等で大体徴するということで、廻りかねるというのは、調査がやはりできないわけですか。例えばこういうような今の富士産業、中島というようなところに対しての調査というものは、何年くらいおやりになつていないのか。或いは去年くらいはおやりになつておつて、前年くらいはやつてつて、そうして翌年ポツんと、こういうようなことが行われたのかどうか。ここに挙つているものについてはどうなんですか。そうして、ついでに、この保管をさせていた分についての、こういう不当な処理をされた結果受けた損害額はどれくらいなんですか。
  20. 徳永久次

    説明員徳永久次君) ここに数件、この管理者の始末、或いは貸付を受けた者の勝手な処分というようなケースが挙つておるわけでございます。実は乏しいながらの人及び経費を以ちまして、できるだけの監督をやつておるわけであります。その監査の結果、実は判明いたしましてその後それぞれの処置とつておるわけでございますが、とりました結果、目的を達したものもございますけれども目的を達しないと言いますか、破産になつておつたり、或いは行方不明になつておつたというようなことも出て間違いも起つておるわけでございますが、本件の挙つております分は、監査の結果、かようなことが判明いたしたというようなケースなつております。
  21. 高野一夫

    高野一夫君 総額幾らですか、被害額は。
  22. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 国の被害額と申しますか、まだ未解決になつておるものもございますけれども、仮にうまく行かないといたしますると、約六百万円相当額に相成つているわけであります。
  23. 亀田得治

    亀田得治君 只今のことに少し関連するのですが、そういうふうに被害額がはつきりして来た場合には、どういうふうに処置をされる方針なんでしようか。
  24. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 処置は、これは具体的に申上げますと、ここに出ておりますのでも、実は内容によりましていろいろと違つておるわけでありますが、ものによりましては、善良な管理者としての注意をしております場合に、その管理者責任を追及するわけにも行かない場合がありますが、中には管理者が従来過失があるというふうに認められるのもありまするし、その場合には管理者責任を追及するということをいたしておるわけであります。中にはものによりまして明白ないわば詐欺と言いますか、詐欺のような形でそれに管理者が引つかかつたというようなこともあります。その場合に詐欺罪としての刑事責任の追及もいたしておるわけであります。中には借りておつた人貸与期間をちやんと使つておりながら、自分の手許の苦しまぎれに売払つたりしておる場合もあるわけでありますが、その場合におきましては、本人、売払つた者、これはいわば横領罪にもならうかと思いますが、その場合に代金を回収する処置もいたしております。又代金が回収できたものもあるわけでありますが、中には売払うと同時に本人会社も潰れてしまつて行方不明になつているというようなものも出ておりますが、いろいろとケースによつて違つておりますが、私ども見つけましたものにつきましては、国の損害を極力少くするようにいろんな努力を法務省の御援助も得てやつてもおりますし、又刑事上の責任になりますものについては、その訴追の手続もできるだけいたしておるわけであります、
  25. 亀田得治

    亀田得治君 専門員室から配布された資料ですね、あなたのほうお持ちですか。これを見ますると、千五百十六号の件につきまして機械類保管ですね。管理の問題について全般的な事件が少し書いてあります。そのところをずつと見てみますと、現在までに約五百台ですね。五百台のものが「所在不明又は盗難その他により亡失したものとなつている」、こういうふうなことが書かれているのですが、これは相当数字になるわけですが、これに間違いないわけですね。これは二十七年だけじやなしに、今までの総計数字だろうと思うのですが……。
  26. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 資料がいろいろ実は出ておるわけでございますけれども専門員室からお出し頂いております分の四ページにございます「五〇〇台は所在不明又は盗難その他により亡失したものとなつている」という件は、これは実は終戦直後の混乱時代のものも含めたものでございまして、戦時中からいろんな名目で政府所有なつておりまする機械、役所の台帳にはあるが、この所在がどこに疎開したのやらわからなくなつたというようなものも含めた数字でございまして、その具体的な案件なつておりまするものにつきましては、一度把握しまして、このものにつきましては、それが盗難その他によつて駄目になりましたものは、私ども調査によりますれば百二十四台というふうになつておるわけであります。五百台との差があるわけでございますけれども、これは戦争末期混乱時代で現物が全然つかめないというものも含めた数字なつておるわけであります。
  27. 亀田得治

    亀田得治君 そういたしますと、只今の文書の三ページ千五百十六号の二行目、「終戦通産省管理して来たものであり、当初一九、六〇〇台あつた」、これは一万九千六百台というのは、ここの文章から行きますと、終戦後一応抑えた数字、戦前の数字という意味には、これはとれないのですが、この点はどうでしよう。
  28. 徳永久次

    説明員徳永久次君) これはうちのほうの担当官説明で、専門員室がお作りになつたわけでありますが、ちよつと資料として説明が、少し字句が不十分でございますけれども、戦後通産省管理して来たものの当初一万九千六百台と申しますのは、台帳によりまする通産省責任として管理するものとなつたという意味でございまして、当時全部現物とつき合せが済んでおつたというわけではございません。
  29. 亀田得治

    亀田得治君 そういう出発の仕方が非常に無責任だと思うのですね。終戦当時に相当な混乱があつたことは、これは事実なんで、出発するときに帳簿と現物というものを相当明確にしておかなければ、これはずつと毎年々々不明確な基礎の上に数学が築かれて行くわけですから、結局問題が起きて来て不明確になる。実は最初がはつきりしない、こういつてつたら水掛論になつてしまうのですね。ここは私よくこの基礎の資料等も見ておりませんから、どうともいえませんが、そういう御答弁ではやはり納得行かないと思うのですね。  それから先ほど百二十四台だ、五百台というのは、百二十四台だと、こういうふうに御訂正になつているわけですが、そういたしますと、この二十七年度の直接の分以外に、二十七年度のこの会計検査院指摘した分以外に亡失したものが相当あるわけですね。それ以外に……。それらの、それは二十七年以前にあつたんだろうと思うわけですが、若しくはそれらのものの後始末と言いますか、例えば賠償させるとか、そんなことは現在までちやんと終了しているわけでしようか。
  30. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 先ほど百二十四台と申上げましたのは、この二十七年度分としまして会計検査院から不始末の御指摘もあり、又私ども監査の結果、十分この成果を上げてないものと言いますか、貸付けておつた分が勝手に処分されたりしたものが三十三台ございますし、保管を命じておつたものが、保管者の不始末、或いは詐欺にひつかかつているというようなことが九十一台でございます。その合計が百二十四台という意味でございます。
  31. 亀田得治

    亀田得治君 そういたしますと、この百二十四台というものは、二十七年度に突然起つたものじやなしに、ずつと古くから発見されているものも含んでいるわけですね。
  32. 徳永久次

    説明員徳永久次君) この具体的に間違いの起りました時期に即して正確に申上げますると、二十七年度中ということにならんと思いますけれども、その前から私どもは発見して、いろんな回収と言いますか、努力をしておつたりして不成功に終つておりますもの、それが会計検査院で二十七年度中に今指摘されましたものが百二十四台。具体的にその起りました時期と言いますか、不始末の起りました時期について言えば、二十七年度だけでなしに、二十六年度も入つているということになつております。
  33. 亀田得治

    亀田得治君 細かい数字はいいですが、概略不始末の起りました年度別に百二十四の内訳を、頭に記憶ある程度ていいですから、おつしやつてもらいたい。
  34. 徳永久次

    説明員徳永久次君) のちほど正確に調べて頂きまして、御報告さして頂きたいと思います。
  35. 亀田得治

    亀田得治君 まあのちほどということであれば仕方がないのですが、私は一台や二台の数字のことはどうでもいいのです。例えば二十四年度、二十三年度にどの程度不始末があつた、それの責任処理が現在まで済んでおらんということでありますと、これは不始末の上に更に不始末を重ねているということが言われるわけですね。たまたま二十七年度にそれらが一括して検査院から指摘されたから、その後始末にはいろんなやり方を考えてるんだと、先ほど言われたことはこれは単なる言訳けになつちやう、古いやつが放置されているということになると……。そういう点もだから明らかにして、一つのちほど御報告願いたいと思います。
  36. 永岡光治

    ○永岡光治君 これは会計検査院のほうにお尋ねしたいのですが、既往年度の決算検査報告掲記事項に対するその後の処理状況の問題ですが、既往年度決算検査報告において不当と認めた事項のその後の処理状況について特に記載を必要と認める事項は次の通りだとこういうことになつておりますが、特に記載を必要と認めないものは一体どのくらいで、その内容は概略どういうことになつているんでしよう。
  37. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 実は二十六年度のを持つて来ておりませんので、正確にちよつとお答えいたしかねますが、ここで挙げておりますのは、大体収入未済の関係だと思いますが、収入未済の分でなお会社その他が存続して取り得る余地の残つておるものについては、将来取らなければならんということで、処理が未済だということで載つておりますが、解散その他全然もう取る余地のないものというものは、もう仕方がないということで、これはできるだけ追及しなければなりませんが、一応法的に仕方がないということではずしてありまして取れる余地の残つておるものを既往年度の処理未済としてここには挙げておるわけであります。
  38. 永岡光治

    ○永岡光治君 そこでここに掲上されておる八百三十一号、八百三十六号の件ですが、これを見るとまだ二十六年度の問題ですが、通産省のほうにお尋ねいたしますが、昭和二十六年度の分が未だに未済になつておるというのは、これはどういう状況ですか。どのように取立てについて努力しているんですか。
  39. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) 二十六年度の分につきましては、私も全般を通じて一々は存じておりませんし、資料を持つて参りませんでしたが、一例を申しますと、この冒頭の八百三十一、輸入実務委託契約にあたり処置当を得ないもの、残額一千八百六万一千四百六円、これにつきまして極力回収に努力しておると、これは具体的には洋書の輸入の実務を委託いたしまして本だけは売つて代金を国に納めずにそのまま、納めないうちに私どもが発見いたしまして売つたものから逐次回収させましたが、これだけ残金が出ているわけでございますが、この具体的な極東貿易という会社でございますが、この会社につきましてはすでにこれ解散しておりますが、極力回収いたしておると申しますのは、この当時の役員につきまして個々の責任を追及し、或いは会社自体はまだ洋書の販売代金は回収はいたしておらんが、それを買つた人がまだ会社に納めておらん。そういう場合には買つた人のところまで、具体的には学校の場合もありましたし、学生の場合もあつたと思いますが、そういうところを見つけ出しまして東京の場合には係員が参り、遠隔地の場合には文書による等、単に会社が解散したからといつてそこでさじを投げずに残つた人の経済人としての良識に訴え、まだ納めておらないものについては、こちらから更に最終の本を受け取つた人のところに出向く等努力をしておるのでございます。それから先ほどちよつと会計検査院のほうから申されましたが、いわゆる細々と営業しておつてなかなか負担力がない。但し何回も何回もこちらからわらじがけで行つて催促しなければいかんというようなものが大部分の例でございまして、そういうものにつきましては、係官或いは文書により或いはわらじがけで催促しているというのが実情でございます。
  40. 永岡光治

    ○永岡光治君 この鉱工品貿易公団のものも七百三十八、七百三十九とここに挙つておりますが、損害の未補填、或いは収入未済、収入のまだ全部払われていないものが非常に多いように思うのですが、会計検査院から指摘されても、恐らく私は限られたごくわずかのものじやないかと思いますが、全部に亙つて調査してその中でわずかこれだけというのであれば、それにしても重要な問題ですが、恐らくこれから漏れているものが非常にたくさんあるのじやないかと思いますが、この未補填それから収入の未済のもの、通産省関係で総額どのくらいあるかわかりましようか、今日までの総額……。
  41. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) この昭和二十六年度の事項として指摘されておりますのは、大部分がもとの貿易特別会計でやつておりました時分のことでございまして、私ちよつと厳密に申しまして、ここで指摘されておりますのが、果して特別会計の未処理のと申しますか、未回収債権として挙げておりますものと、貿易特別会計の未回収債権として挙げておりますものの一部が、こういうところで批難されているのではないか、こう解釈いたしますと、貿易特別会計で未だに回収いたしておりません金額は、大体国内債権で六億ほどでございます。これは勿論鋭意回収の努力はいたしているわけでございますが、それと海外債権か五億余、その中の一部がこういうところに出て来ているのじやないかと思つております。例えて申しますと、七百三十八では、金木商店は公団から自転車を払い下げを受けまして、通産省の指示で農林とか文部とかそれぞれの学校や農業協同組合等に売り捌いたわけでございますが、自転車は受取つておいて国のほうに代金を納めて来ておらないというような例で、今の国内未回収債権の中の一部だと思います。そういうことになると思います。
  42. 永岡光治

    ○永岡光治君 これは国内が六億、国外のものが五億ですか、総計、とにかくいずれにしても十一億から十二億という莫大な金になるわけであります。大変なものだと思うのですが、これについてあなたがたが熱意をどの程度持つておられるか、又具体的にどういう回収の方法を進めているのか問題になろうかと思うのですが、政務次官がおいでになりますが、どのような方針で今後進まれるのですか。長い間、例えば昭和二十六年度のものを未だに回収しないという状況で誠に国民として迷惑至極でございますが、どのような措置を講じておられますか。
  43. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) 只今政務次官から御返事申上げます前に、私どもの鋭意努力しているということにつきましての具体的なあれを申上げますと、御指摘通り、海外、国内合せまして十億を超える未回収債権があるわけでございますが、勿論これらは債権といたしまして取立てべき相手方、その金額等はつきりいたしておりますが、先ず金額について申上げますと、貿易特別会計は約七千億余のあれをやつているのでございます。七千億の商売をやりまして、そのうち几帳面に克明に受払いをやつて参りまして、現在約十一億程度のものを残しておるのでございますが、このうち国内債権につきましては、我々の執務の体制といたしましては、企業局に取りあえずこの帳簿の原簿を保管する課といたしまして三課を置き、必要に応じて各原局の責任者の協力を得まして催促いたしておりますが、この国内債権の六億のうち、約三億程度のものが、何と申しますか、負担能力がない、無資力と申しますか、こういうような例になつておりまして、一概にこの無資力と申しますものにつきましても、赤字営業をしておるが、細々やつておる、こういつた人に対しましては、無理にならん程度で、とにかく取るだけは催促して、時効にかからんようにし、注意もしておきますが、乏しい人数の中で極力やつております。で、このうち大部分が無資力でございまして、もう一部が住所不明というのが、これは私どもが極力注意はいたしておりますが、住所不明なるものにつきましては、住所不明は約三千万円程度でございまして、これらもなかなか警察のほうでも、一々通産省のほうからの住所調べまでやつておられんというようなお叱言を随分頂戴するのでありますが、極力国内債権についても海外債権につきましても、これはもう弁護士に頼めば問題ないのでございますが、弁護士に頼むと、不当な謝金を要求されますし、ない智慧を絞りまして、英文で再三再四往復いたしておりまして、その点は私どもが決して会計検査院の御指摘を受けましたあと、放つておるわけではございませんので、鋭意努力いたしております。ちよつと実情につきまして政務次官のお話の前に一言述べさせて頂きました。
  44. 加藤宗平

    説明員加藤宗平君) 只今の御質問につきまして、現在当局のやつておる実情は会計課長の申す通りであります。ただ政務次官といたしましては、今までこの点につきまして、特に強く要請することが少なかつたではないかということが反省せられるのであります。御指摘によりまして今後も極力やるということについて、具体的に如何にして行くかということにつきまして、十分貴意に副うように、一つ私からも努力をいたしたいと、かように考えておりますから、御了承をお願いいたしたいと思います。
  45. 永岡光治

    ○永岡光治君 会計検査院にもう一度お尋ねしますが、未収の状況ですが、年々増加の傾向にある模様ですか。それとも順次減少の方向を辿つておる状況でしようか。先ずその大勢をお尋ねいたしたいと思うのですが。
  46. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 未収の関係の多いものは、貿易特別会計の残務処理関係でございまして、かような大きい事務が現在ございませんので、未収は年々殖えて行くという形には実際の問題としてならないわけです。従いまして年々減つて行く傾向にはございますが、通産省のほうから申されましたように、相当古いような関係、或いはそういう関係でいろいろ処理がむずかしいということで、必ずしも迅速には行かない実情があるかも知れませんが、徐々には少しずつ減つてつておる、こういうような状況でございます。
  47. 永岡光治

    ○永岡光治君 一つだけ最後にお尋ねいたします。海外の分ですが、これは先ほどの御答弁によりますと、弁護士等を雇いますと、それに対する経費がたくさんかかり過ぎてどうかと思うということで見合わしているというようなお話ですが、海外の分は、通産省は貿易をやつておられますし、その主管庁にもなりますが、何か海外貿易でこれを決済するような具体的な取引ですね、そういうものを特に考慮されて、恐らく講じておると思うのですが、ここに指摘されているものは、そういうものとちよつと圏外にあるようなものですか。或いは一応海外貿易の際に、こういうものを含めて決済できるような取引といいますか、許可といいますか、そういうものができるものかどうか。その辺の事情はどういうことになつておりましようか。
  48. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) 海外債権につきましては、私先ほどちよつと言葉が足りませんでしたが、或る程度相手方がしつかりいたしておりまして、それから当方もきちんと根拠があるものにつきましては、主としてこれは大量の輸入物資に対しますクレームでございますけれども、この分は大蔵省にもお願いして、弁護士料をとりまして、まだ訴訟にまで至つてはおりませんけれども、示談の形式で進めているものもございます。そのほかの、弁護士料をつけてまで争うかどうかという問題は、在外事務所或いは現在ですと在外公館を通じまして、相手方の現在の営業振り、それから資力等を調べまして、とても訴訟に持つてつても駄目だろうと思われるものにつきましては、在外事務所時代から引続いて今日まで、当方から書面も出しますし、折に触れて在外事務所の人を出して督促をするというような、これもわらじがけの努力を続けております。で、手紙もきちんきちんと相手方が住所不明にならんように、又相手方が忘れないように督促をいたしております。なお、御指摘の貿易尻の決済まで持つて行けるかどうかという全体の問題は、やはり現在の段階ですと、私的の契約といたして処理いたしておりますので、これを直ちにそういつた決済で国と国との間の貿易の、こちらの支払に利用できるような状態にまで持つて行くには、まだまだ今後研究して見なければならんじやないかと、こういうふうに思われます。或いは訴訟をして、はつきりしたいわゆる債務名義にするとか、何とかそういう方法を講じなければならんじやないか、現在まだそこまで至つておりません。
  49. 小林亦治

    委員長小林亦治君) その点に関連して、弁護士料が不当に高いとおつしやるんですが、ここにも弁護士の人間がたくさんいるんです。不当に弁護料をとるというんですが、仮に訴訟をやる場合でも、あなたのほうにも訴訟を遂行し得る能力のある方がたくさんいるはずなんです。御承知のように指定訴訟代理人というものがある。それを先ずおやりになることが大切じやないかと思う。お調べになつた結果、どうも取れそうもない、行方不明というようなものも間々あるんでしようが、訴訟に訴えた場合の結論は、往々にしてそういうものが活きて来るのがたくさんある。訴訟までされたのかというようなことがよくあるんです。最後の手段に残されている手続なんですから、弁護士のほうが高かつたら、あなたのほうで適当な事務官になり主宰せしめて、その方法をとるべきだと私は思う。一応調べた結果、見込みがないから訴訟を投げるというと、誤解を招く余地がたくさんできて来るんじやないかと思う。不当に弁護士は取りませんよ。(笑声)取れなければ報酬は取らん。ただ誰がやつてもかかる経費は、これはあなたのほうでおやりになつたよりも、安い経費くらいはこれは弁護士は取りますが、その点は御遠慮なさらず、訴訟だけはおやりになつたほうがいいと思います。如何ですか。
  50. 出雲井正雄

    説明員出雲井正雄君) まあ私言葉足らずで、在外公館等から弁護士料、先方の相場と申すのですか、正当な手数料、その他を問い合した上でやつておるのでありますが、物価の差と申しますか、相当多額の金を要するということでございます。決して不当というわけではございませんが、前に不当に高いと申しました不当は取消さして頂きたいと思います。只今の、訴訟に飽くまで持ち込むべきものは持ち込みますし、仲裁等の方法もありますが、あらゆる方法を講じてやりたいと思つております。
  51. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 七千億の取引が貿易会計にあつたとおつしやるのですが、そのうちの九億足らずのものを考えますと、殆んど百分の一かそこらの見込み薄債権という率になるので、金額は大きいですが、全体の割合から必ずしも大なる金額ではないと思うのですが、やはり今申上げたような方法をとれば、或る程度手を供いた以上の成績は必ず得られると私は思う。是非訴訟をおやりになるようにお勧めしたいと思う。これは経験上推測し得ることなんで、特に申上げておきたいと思います。
  52. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 千五百十六の問題について、簡単に二、三お尋ねいたします。局長にお答え頂ければ結構だと思います。  それは私どもが頂いた専門員室からの資料によりますと、売却処分済が一万九百台であります。それから売却契約済が二千九百台、こういうふうになつておりますし、なお残り五千七百台のうち、貸与又は保管中のものが四千四百台、こういうふうに記されておりますが、その材料はお手元にありますか、その資料お持ちですか。
  53. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 具体的な詳細なものはございませんが、この数字よりもう少し何と言いますか、処理状況別に詳しくしました数字は持つておるわけです。それで申上げますと、処理の対象になります機械台数が全部で一万九千台と書いてあるわけでありますが、正確に申しますと一万九千五百九十五台でございまして、そのうち処理済のものが一万九百五台、これらは処理代金をもらつておるというものでありますが、売払等いたしまして、まだ代金もらつてないのが別に六百八十四台ございます。分割払の払下げ契約をいたしまして、納入告知書未発行のもの、これは役所の手続中の問題でありますが、手続中であつたと思いますが、納入告知書未発行のものが二千二百八十台あるわけであります。  まあ以上がいわば広い意味の処理済の感じのものでございますが、あと払下げ処理をしておりますものが五千七百三十台あるわけでございまして、これがまあ処理区分によりまして、中身いろいろあるわけでございますが、そのうち三百三十六台は学校等に対しまして無償貸与契約をいたしておりまして、その契約済のもの、それから同じく学校等に無償貸与の契約の手続中のものが二百三十五台あるのであります。それから前の保管工場、昔のまあ軍管理工場等でございますけれども保管工場に依然として保管さしておるものが七百四十台でございます。それから一時使用の認可をいたしまして、一時保管をさせており、それを払下げのほうに切替えて持つて行こうというように手続をいたしておりますものが三千七百六十六台でございます。それから一時使用契約はしたのでありますけれども、それを向うが断りまして、そのものが現に保管しておるというのが九十二台あるわけでございます。それから事故となつております機械、これがここに先ほど申上げました二百四十一台ございます。それから調査中と申しますか、これがいわば先ほど申しました現物の把握できないようなもの、台帳にはあるがというのが三百二十台あるわけでございます。  そういう具体的に機械のまあ細かい台帳等もあるわけですけれども、この表をもう少し詳細に申上げますと今申上げましたようなことになります。
  54. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると只今数字のうち、処分済のものについては勿論その金額は確定しておるわけですか、幾らになりますか。
  55. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 概数で約十二億処分済のものがございます。
  56. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それから現在貸与又は保管中のものの評価はどのくらいですか。
  57. 徳永久次

    説明員徳永久次君) これも貸与でございます。正確に評価をしてない、払い下げの格好で評価ということをしておりませんから何ですけれども、概数で目の子ということで御了解願いたいのでありますが、約五億くらいのものになるかと思います。
  58. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 まあ会計検査院にちよつとお尋ねしますが、この報告書のうちのこれらの機械は各地に散在して、現況の把握は困難を伴う実情云々というようにありますが、これは何ですか、現況の把握がここに記載されておるほど困難だということ、これはどういう調査に基くんですか。
  59. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 現状の把握は困難だと申上げますのは、数が相当あるというようなことと、それから保管されておる場合に、終戦後からずつと引続きあるものがありまして、多少入り組んでそういうものが会社内部であり得るわけであります。そういうことで困難だとこういうことを言つておるわけでございます。
  60. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 併し結局この問題の解決のためには、通産省とされては調査を徹底して、そしてできるだけ処分監督を厳重に、而も国損の防止と不正行為の阻止をするということが、与えられておる当面の私は責任であり任務だと思うのでありますが、このためにさつきも評価や処分済のものについての数字をお聞きしたわけです。これは説明書によると、「本件については、当省としては十分の措置を講じた」と、こういうことが示されておりますが、我々は必ずしもこれは十分な措置であるとは考えない。そこでこの困難を伴う調査は、これはみずからの手でいつ頃までにしつかりできるのですか。
  61. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 従来通産省もできるだけのことをいたしておつたわけでございますけれども、併しここに会計検査院批難事項としても挙げられるような不始末のようなことも出て参つておるわけでありますが、私ども従来本省及び通産局それぞれの担当がその職分に応じてやるということで来ておつたわけでありますが、どうもそればかりでも不十分じやなかろうか、殊にかような現実に国に損害を与えておるようなことでございまするし、この際もつと何らかこの管理についての新らしい工夫が要るんじやなかろうかと思いまして、部内でもいろいろと研究いたしまして、その結果各通産局に新らしい、まあいわば仕事のしぶりというものを出したわけでありますが、それは極く最近でございますけれども、そういう措置によりまして、この際現状を正確に洗い、把握に十分努めると同時に、又それの促進を図りたいと考えたわけであります。  その大筋を申上げますると、一つはこの機械の中の相当部分というものの払下げが思うように進行しない原因を考えてみますと、これはいわば機械としても古くなり過ぎておるがための、まあ売れないと言いますか、というようなものもあるわけでございまして、政府の手持になつております機械がみんないい機械であればさらさらと売れるわけでございましようけれども、これは日本の機械工業全般を通じての問題でございますけれども、各工場が使つております機械ですらも相当古いものでございますが、政府機械は戦争中の機械でもありまするし、古くなつておるものも相当あるので、これをむしろ我々は保管者の立場というよりも、通産省の産業政策的な意味から見ても、或る程度帳簿価額に拘泥しない、機械の性能なり或いは古さというものから見まして、スクラップにしていいものは思い切つてスクラップとしての処分ということを考えたほうがむしろ実際的じやないだろうか、又機械というものは動かせば動くということで、機械に値打のあるごとく思い勝ちでございますけれども、併し大局から見ましても、そういう機械を買つた人は、作ります品物が能率の悪い、又性能の悪いものしかできないということも考えられるわけでありまして、その意味からも私ども或るものは、無理に売ろうたつて売れないものは或る程度思い切つてスクラップにするということも一つの態度じやなかろうかというようなことを一つ考えておるわけであります。  それからいま一つの問題は、先ほど申しました、それぞれ地方なりにこの担当の部課がございまして、この保管払下げ等の促進に当ると同時に保管監督もやつておるわけでありますが、これを別な角度からの、何と言いますか、チェックするシステムというものを考えたらどうだろう。そうしてそこがむしろ采配を振りながら現実の所管者の事務執行振りというものを促進し監督して行く仕組というものを作つてみたらどうだろう。促進のために、場合によりこの現状把握の調査の具体的な実施計画を定めまして、それに即して組織的に今の組織を使つて行くということ、それから更に進行状況を随次チェックして行くというようなために、それぞれの課長なり係長が組織としてあるわけでございますけれども、別途通産局ごとに別な本件処理促進のための調査官と言いますか、というようなものを設けまして、そこからいわば監督促進役にする、いわば内部監査みたいなことになるわけであります。そういうことによりまして、この際かような会計検査院からの批難事項としても挙げられましたようなことが相当金額、約六百万円、先ほど申しましたようなことにもなつておるわけでありますが、それを機会にそういうことで新らしく組織的に本件の解決を図りたいというようなことを私ども考えて実行に移す段取りにいたしておるわけであります。
  62. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 今の方針を伺つて、私もこの問題についてはやや明るさを覚えたのですが、これは是非保管の任に当つておる現地第一線等でもいろんな実は迷惑を感じている向きがないでもない。果してこれが現状で使用に適するかどうかと思われるような性能の悪い、そんなものをいつまでも抱え込んでおつて、その建物が塞がれておることは非常に迷惑な話だ、産業の助長という意味から言えば、早く中の機械なんか処分をされてしまつて建物をあけてもらえば、次の新らしい産業のために活用するということも考えられる。そういつた全般的な見地からして、早く区分を明確にして、そして過去の新聞に現われたような、こういつたものを処分するについての通産省職員が収賄を受ける、そういうことの防止を、一方においては今のお答えになつた、そういう促進とチェックの役割を持つ方法をこの際速やかにとつて頂いて、そして使えるのだつたら速やかに使える場所に、使えないのだつたら使えないものとしての処分を速かにされる、こういうことをしていこういつた通産省としては消極的なマイナスの情勢をできるだけ早く脱却をされることが私はむしろ必要だと考える。その金額が、まだ未処理のものが五億近くもあるということですから、これはやはり国の見地からすればなおざりにしておくわけには行かない。そういつた方針が立つたのなら、これをできるだけ早く実行に移して頂いて、来年度の決算のときにはこういうものがもう批難事項に挙らないように適正な、而も速かな処置を私は要望しておきます。
  63. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 亀田委員の先ほどのあれは資料でしたか。
  64. 亀田得治

    亀田得治君 資料です。
  65. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そうするとそれは今日でなくともいいんですか。
  66. 亀田得治

    亀田得治君 適当なときでいいです。
  67. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そうしますと近々に御提出願えるわけですか。
  68. 徳永久次

    説明員徳永久次君) 近日中に揃えまして……。
  69. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それではほかに御質疑もなければ、通産省所管については、只今亀田委員からの要求の資料を成るべく早い機会に御提出願うことにしまして、一応質疑を終了したことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないものと認めます。   ―――――――――――――
  71. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは次に郵政省所管検査報告の千五百八十七号、郵政事業特別会計の千五百八十八号から千五百九十号、及び不正行為、千五百九十一号から千六百七号までを問題に供します。  先ず検査院から郵政事業特別会計一般事件及び各案件についての御説明を願います。
  72. 大沢実

    説明員(大沢実君) 検査報告の三百二十一ページから三百二十五ページに亙つて書かれております郵政事業特別会計一般的な問題について簡単に御説明いたしたいと思います。  郵政事業特別会計は二十七年度では八億九千万円の黒字を示しまして、今までの赤字からようよう多少脱却した状態になつております。二十八年度はなお十四億の黒字を示しておりまして、繰越欠損金が五十二億六千八百万円というように減少して来ております。併しながら、ここで次の財務諸表にも絡み合つての問題でありますが、郵政事業特別会計決算におきます黒字又は赤字を出すということが、いわゆる会計原則によります一貫した会計処理によつて出ているのではない面がありますので、この点は将来相当考究を要する点があると思います。と言いますのは、例えば年度末の三月分の未収なり未払は、これはその年度の決算として処理するのか、翌年度の決算として処理するのかということに対しまする一定の方針がないのでありまして、現在の郵政事業特別会計法及び会計法施行令によりますと、一応特別会計法によりましては、債権債務その他は発生の時期を以て区分するということになつております。この原則から言いますれば、当然三月分の未収、未払は当該年度の決算に計上されなければならんことになりますが、今度は会計法施行令に、政令であります施行令に参りますると、年度所属は、収入又は支出の調査決定した日の属する年度にするということになつております。でありますから、例えば三月分の未収金を四月になつ調査決定いたしますれば、これは新年度の決算になる。まあ三月分だけはそういうように毎年繰越すようになつておりますれば、一応期間損益はそれによつて平衡を保つわけでありますから、まあそれで差支えなかろうかと思うのでありますが、時によりますと二月分までも調査決定を延ばして四月になつ調査決定する、そうすると新年度になるということで、決算というものが非常に浮動的なものになるという点があるのであります。例えばこの三百二十三ページの財務諸表のほうの三行目に二億三千八百万円の未払金の計上を漏らしたと会計検査院指摘しておるのがありますが、これは国有鉄道に払いますところの郵便車の使用料その他でありますが、こうしたものは従来は三月分までも調査されまして、三月中に調査決定されて、当該年度の決算に上げて未払金に計上されておる。ところが二十七年度になりまして、三月分は翌年に延ばします。二月分までを調査決定されて、未払金をそれだけ減らしている。こういうことになりまして、二億三千八百万円の、全部ではありませんが、このうちの一億三千万円程度がそうした数字に入つております。こうした点がありますので、将来この特別会計の損益をはつきりさせるという意味におきましても、何月分までの未収、未払は当該年度において必ず調査決定して当該年度の決算にするというようなはつきりした基準を設ける必要があるのではなかろうかと思つております。この点はなお二十八年度の決算に対し只今審議しております決算審議においていろいろと検討しておりまして、来年度の検査報告にも更に詳しく述べたいと思う次第であります。  次に三百二十三ページ渡切費の経費について述べてありますが、これは結局しますれば、渡切費というものの範囲を余り拡げ過ぎているのではないかという点と、渡切費が少し多く出し過ぎているのではないかという二点になります。第一点の、範囲を拡げましたというのは、ここに書いてありますように、従来は渡切費ではなくて、それぞれ正規に支払つておりましたところの通信費とか或いは切手類売さばき手数料とか、その他のものを渡切費として今度は切替えたわけでありますが、この通信費というのは電話電話料であります。こうしたものは電々公社のほうからの請求によつて支払えばいいので、特に渡切費にしておく必要がないのではないか。又切手類売さばき手数料、これも売さばき額に応じてパーセントがきまつておりますので、売さばき額が決定いたしますれば当然自動的に金額もきまるものでありますから、渡切費にしておく必要がないのではないか、こういうように考えられる費目が全部渡切費に移されたということになつております。更に金額の点におきましては、後段に書いてありますように年度末において一億千四百万円という渡切費の残が出ております。尤も特定郵便局は全国で一万からありますから、一郵便局にしますれば一万円程度のものでありますが、少し四半期ごとの経理報告書、渡切費をどう使つたかということの報告書を検討して、次の渡切費支給の場合に考慮されればこうした残が出なくても済んだのではないか、こういう点が更に改善の要があるのではないかと考える次第であります。  次に三百二十四ページに入りまして、物品の経理を書いてありますが、これは大体において物品の保有額が余り多くては資金を拘束するので、保有額は必要最小限度にとどめるべきであるという見地から見ますと、全体では二十七年度は前年度に比べて多少減少しておりますが、併しながらそのうちの消耗品だけをピック・アップして見ますと、相当な量を保有している。これは後に千五百八十九号及び千五百九十号で過大調達の点を指摘しておりますが、こうしたようにいろいろな式紙類その他の消耗品の調達がややもすれば過大になる結果ではないか、この調達についての規制ということが更に必要ではなかろうかと考える次第であります。  次の郵便物の運送料、これは例の逓送料の問題で、すでに相当御審議になつた問題でありましてここに記述してあります事項は、郵政省におかれましてもその後検討されまして本年の七月三十一日ですか、八月から検査院の意図するような方向に改正されまして、それによつてつております。この点は前に御審議があつておりますので簡単にさして頂きます。  それから不当事項に入りまして、一千五百八十七号の真空管の調達でありますが、これは郵政事業特別会計の仕事ではなくて、二十七年度から郵政省所管に入りました一般会計の電波監理局の問題でありますが、この真空管、これの購入状況を見ますと、非常に多過ぎるのではないかと感ずる次第であります。三百二十六ページの表を御覧になつて頂ければわかるかと思いますが、二十六年度末の残高がすでに九カ年分から一年分も保有しているというような状態で、二十七年度では購入する必要は殆んどなかつたというのを更に購入して、非常な多くの残高を生じたようになつております。尤もこの表では二十五年度から二十六年度に繰越した分はもう一応除外しております。この分は大体ここに書いてあります各品目に応じまして僅かに平均百個ぐらいづつ残つておるかと思います。大分もう古くなつているのを除外しても、こういう厖大な数量を調達したということは、調達計画がよろしくなかつたのではないかと考える次第であります。  次に千五百八十八号の「給与の支給額が予算総則の限度をこえたもの」という点でありますが、これは従来郵政事業特別会計におきまして、別に予算総則で給与総額を抑えるということはありませんでした。ただその予算に給与の予算がそれぞれ上つておるということであつたのでありますが、二十七年度の補正予算におきまして、この給与総額を予算総則できめるということをされまして、年度の途中でもありましたので、二十八年の一月から三月までの問に支給する給与総額はこれに書いてあります金額、百三億二千六百万円とする、こういうように予算総則に決定されたのであります。尤もそれに弾力条項がありまして、弾力条項によつて五億四千万円というものが出されたわけであります。そうすると総額百八億六千六百万円の範囲でなければならないのに対しまして、二十八年一月から三月までの問に支給された金額が百十一億四千六百万円少し超過しておるという問題であります。これは年度の途中でそうした新らしい方式をとられたので、どれぐらい実際に必要な額になるかということの算定に、郵政省としても相当期間にされましたので、そこに或る程度の誤差があつたのかと思います。又一部は二十七年十二月までに支給すべきもので、何かの都合で支給決定が遅れておつて、二十八年一月になつて支給決定されたという金額も含まれておるようにも見られます。金額ははつきりいたしません。併しながら何分にも予算総則におきまして、一月から三月までの問に支給する金額はこれこれであるという決定をしてをる金額を超過しておるのではないかという点を指摘した次第であります。尤もこの予算全体の二十七年度予算としましては、給与は予算の範囲内において流用によつて処理しておる次第ではありますが、総則に抵触しておるのではないかと考える次第であります。  次の千五百八十九号の式紙の過大調達、これは保険の契約申込書を調達したわけでありますが、その場合に各郵政局からこれぐらい要るという準備要求の数量を基準として計算された、その準備要求の数量が千三百万枚というものが準備要求が出て、それを基準にして計算されたのでありますが、二十七年度の郵政省におきます保険の募集目標件数というものは一応六百万件ということに目標を定めておられたのでありますから、各郵政局から千三百万枚という要求も一応考慮する必要があるかと思いますが、少くとも六百万件という募集目標、大体今までの募集目標がそう大巾に二倍にもなるということはないのでありますから、これを基準にして調達計画は立てられるべきではなかつたかと感ずる次第でありまして、結果から見ましてもこの調達のために年度末の量が非常に多くなつておるわけであります。……失礼しました。今のは二十七年度と申しましたのは二十六年度の問題で、当時検査がまだ完了しておりませんで、検査未完了、未確認として残つておる事態であります。  次に千五百九十号の「物品を過大に調達したもの」といいますのは、これはスタンプの中に入れます肉じゆう、黒い墨でありますが、これを購入される場合にどれぐらい絶えず在庫を持つてつたらいいかということを、一応標準在庫量を設定されまして、そして不足量を購入する、こういうような方法をとられたのでありまするが、その標準在庫量が本省及び各郵政局を通じて二万二千かんというものが標準在庫量とされておつた。ところが過去におきます二十五、六年度の払出しの実際を見ますと、平均一万六千かんぐらいしか払出されていなかつた。そうすると二万二千かんという標準在庫量は過大ではないか、こうした過大な在庫量を基準として調達されたために、非常に多くのものが調達されたのではないかと考える次第であります。標準在庫量を幾らに置いていいかということは、いろいろ技術的に困難はありましようが、大体において少くとも四半期分くらいのものを標準在庫されておれば、こうした市場でいつでも購入されるのでありますから、それ以上の多量を保有する必要はないのではないかというように感ずる次第であります。まあこうした過大調達の結果、やはり年度末の保有量は、一年間の払出量を上廻る数字を保有しているというような状態になつておるわけであります。  次に千五百九十一号から千六百七号までの「職員の不正行為に因り国に損害を与えたもの」を掲げてありますが、これを大約しますと、三百三十ページに記述してありますように、先ず第一に窓口の職員が貯金を受入れたときに、その受入れの相手方にはそれだけ受入れた判を捺してやつても、受入れの報告を漏らしてしまつて、入らなかつたように処理しておるというような方法で、窓口でその金を取つたりなどしたというもの、これが具体的に言いますれば、千五百九十一号から表になつておりますところの最初の浅草郵便局、それから次の千五百九十六号の妙高の郵便局、それから隅から二行目にあります千六百二号の岸和田稲葉の郵便局、それから次の紙の千六百五号以下、大井その他の郵便局、こうしたものが大体今の範疇に属するのであります。  それから次は、集金に出掛けまして、集金人が、相手が貯金して、相手方へ領収書を渡しながら、帰つて来て、それがまだ集金されていないように書類を作つた、或いは一応受入れたことにしておいて、その書類を破棄した、その他の方法によつて領得したというものが次の範疇に属するものでありまして、具体的に申しますると、千五百九十五号の松本郵便局、一つ飛んで九十七号岐阜郵便局、千六百号の奈良郵便局、千六百四号の尾道郵便局というようなものがこれに入るわけであります。  そのほかに「窓口におよび集金関係に属しないもの」といいますのは、例えば特定郵便局長自身が自分の保管しておる資金を横領した、或いは架空名義で付掛により支払いまして、その金額を横領したというようなものがその他として入つておるわけであります。この不正行為は昨年も相当ありまして、多少本年度に掲げておるのは減少はしておりますが、依然として相当な件数に上つております。この原因は従来からいろいろと御論議もあつた点でありますが、何と言いますか、もう少しこの特定郵便局の内部のチェック。システムと言いますか、一人がせずに、必ず二人の間でやるということがもう少し徹底したならば、このうちのいくらかでも生じた事故は防げるのではないかというように考える次第でありますが、この特定郵便局長自身がやつてしまうということに対しましてはなかなか防止の方法は困難かと思いますが、そうした点が出て来ておるのは甚だ遺憾に存じております。  以上簡単でありますが御説明を申上げました。
  73. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 郵政省からは八藤経理局長、松井郵務局長、斎藤監察局長、長谷電波監理局長、西村官房資材部長が見えておられます。
  74. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 三百二十四ページ「物品の経理について」ということですが、この四行目に、年間使用実績が五億三千六百余万円ということが出ておるのですが、大体極く大まかに言つてどんなものでございますか、消耗品の内訳ですね。
  75. 西村尚治

    説明員(西村尚治君) お答え申上げますが、消耗品だけについて申上げますと、先ず式紙とか、それから大体金額三百円以内のこまごましたものでございます。インクとか鉛筆とか或いはバケツとかいろいろあるわけですが、郵便局で最も使いますものはやはり式紙、それから郵便物をたばねます紐とか、全部で何品目でございますか……、一千品目ぐらい消耗品の品目があるそうでございます。大体非常に雑多なこまごましたものでございます。
  76. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 一番金額の多いものを上から三つばかり金額と名前わからんですか。……今わからなければよろしうございますが……。じや逆に申しまして消耗品の一番金高の張るものを十種類でも十五種類でもいいですが、一年の使用量と標準在庫量の比較表を金額及び数量で上から十種類か十五種類か、そこ適当にお調べ頂いて頂戴したいと思います。
  77. 西村尚治

    説明員(西村尚治君) 実は郵政省で調達いたします品物は、本省で調達いたしますもの、それから郵政局で調達いたしますもの、それから更に現業局自体で調達いたしますものと、調達方法を三区分に限つておりまして、本省、郵政局で調達いたしますものは大体わかるのでございますが、現業局で調達いたしますものは金額のほうで制限しておりまして、物品の量、その他での標準在庫量というようなものは設けてないのでございます。
  78. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 余りお手数のかからない範囲で且つ参考になる適当なお考えで資料を頂けば結構です。  それから三百二十六ページ千五百八十七号真空管の調達の問題なんですが、これ最高九カ年分のものの在庫があるという会計検査院の御指摘ですが、これは何でございますか、検査院のかたに伺いますが……。
  79. 大沢実

    説明員(大沢実君) ここに出ておりますうちの……、ちよつとお待ち下さい。どれか一つが計算するとそういう数字になるのでございますが……。
  80. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 郵政省のかたに伺いますが、九年も一体在庫になるという原因はどんなところにあるのでございましようか。
  81. 長谷慎一

    説明員(長谷慎一君) お答え申上げます。実は会計検査院のほうから不当事項としての真空管の調達状況についての御指摘を頂いたのでございますが、二十六年、二十七年に亙りまして、その真空管の調達の実状が確かに御指摘のような状態になりまして、私ども非常に遺憾に存じております。実は二十七年の末にその状況がわかりましたので、会計検査院の御検査を経る以前でございましたけれども、調達をとめまして、現状に即すようにいたしております。なぜこのような状態が起つたかという点をかいつまんで御説明さして頂きます。  実はこの真空管は電波監理の仕事に用いておりますのは約百六、七十種に及ぶ非常に多数の真空管を使つておりますが、ここに指摘されました七種目のものは、主としまして電波の方向を検査するための方向探知機及び周波数、電波の性能を計る測定のものに使う特殊の真空管でございまして、これは主にいわゆる不法電波を探すための機械に使つておる機械でございます。いろいろな対外的な事情によりまして、その機器の使用度数も変つております。大体私どもとしましては、いろいろ電波の内外の使用状況からしてこれくらいの時間は使うであろう。従つて真空管の消耗率はこの程度であろうということの資料から調達をいたしておるのでありますが、この二十六年から二十七年の時分には、戦争後まだ日本の製造技術が十分に回復してなかつた時代でございまして、真空管の寿命が割合に短かつたのであります。最近技術が非常に進歩して参りまして寿命がだんだん長くなつて参つておりますけれども、この当時は丁度過渡期でございまして適格に真空管の寿命というものはつかむことができなかつたのが一つでございます。それからもう一つは、この使用状況が丁度二十六年、二十七年にはほかの年と違つた特殊の使用状況にありまして、割合に真空管の払出しが普通に使つておる状態に至らずに済んだのであります。実際には払出数量としてこの表に掲げてあります数量の数倍の数量を使つておるのが現在の実状でございますけれども、たまたま二十六年、二十七年に、申上げますと、当時現在の駐留軍、当時占領当時でございましたので進駐軍がこの特殊の機械を借用したい、こういう申出がありまして、或る期間進駐軍にこの機械類をお貸しいたしたのであります。その進駐軍が使つておる期間中はその消耗品は一切進駐軍において調達をいたして補給いたしましたので、結局その期間中は当省で用意いたしました真空管の払出しをする必要がなくなつたのであります。従つて平年の数分の一に過ぎない払出しの数量になりましたので、その払出数量と在庫品とを見ますと、如何にも会計検査院から御指摘のありましたように、長年の、最大九カ年分に相当するような在庫があるような形になりましたけれども、先ほど申上げましたように、実際にはこの数倍の数量を必要といたしますので、実際にはそのようになつておらないのであります。  なお二十八年度以降はそれらの七種類の真空管の調達を一時中止をいたしまして、現状に副うようにいたしております。
  82. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 郵政事業特別会計の繰越欠損が六十七億余万円に達しておる、こういう御報告なんですが、どこの田舎へ行つても非常に郵便局が目立つてりつぱになつておる。尤も田舎の片隅のほうでは非常にまだひどいところもたくさんあるように写真なんか送つて頂いて拝見するんでありますが、昨年度一カ年で一体あの改築にどれくらいお使いになつたでしようか。
  83. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 予算上に掲げました建設勘定の建設財源といたしまして二十八年度の決算を大体で申上げますが、借入資本としては五億円ほど資金運用から借りております。それ以外に減価償却、これが大体昨年度にしますと七億前後、そのほかに丁度只今報告がございました収支決算剰余金、これを自己資金の一部として充当したわけでございます。そのほかに御承知のように郵政事業特別会計以外に私のほうには簡易生命保険と郵便年金という一つ特別会計を持つております。これらのほう、及び二十八年度にはございませんでしたが、二十七年度に若干ございました貯金特別会計というのがございます。これらの二つの特別会計からそれぞれそれらの事業のために郵便局が使用されておるという見地から、場合によりまして一定の設備負担金を繰入れてもらうということになつております。これらの自己資金と劈頭申しました五億円の借入資金を合わせまして、大体ここ数年間は三十億未満二十億以上という間の数字を六、七、八と大体支出しておる。かような次第でございます。
  84. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 六、七、八と年間に建物に使つた金はおわかりになつておるのですか、総額で……。
  85. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 今申上げましたのがいわゆる建設勘定で、それを使つてつたということでございます。それは決して郵便局だけではございません。そのほうに貯金局、保険局或いは郵政局、或いは研修所というふうな現業にあらざる建物に使つたものも入つておりますが、総額といたしまして只今金額使用されております。
  86. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 最近三、四カ年の間に百億近い金が使われておると、こう見ていいわけですか。
  87. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) さようでございます。
  88. 奥むめお

    ○奥むめお君 今度特別会計なつて、二十七年度の決算は八億九千二百余万円の利益を生じたと出ておりますですね。これはどの仕事が余計……、どういう配分になつているか知りたいと思います。  それからもう一つは、時間もないことですから簡単に申上げます。今年は初めから耐乏生活で出発した一兆円予算でございます。去年と今年とちつとも変りなく暑中見舞の葉書とか年賀郵便の葉書を、非常に葉書攻勢でございますね、初めのうち婦人団体や家庭に来ます。そうすると毎年いらつしやるかたに対する義理やおつきあいやらで或る程度の予算を立ててもらいますですね。そうするとあとになると細々と数枚買いたいような人には殆んどない。実際に欲しい人には間に合わないで、強制的に売り付けられるところは非常に余る。私のところなど毎年余るのです。今でも夏の葉書をまだ持つていて来年はもう使えないし……。これはたさんの婦人会からと家庭のほうからと随分来る。もうここまで宣伝なすつたら、殊に耐乏生活の今年、私はああいうことは、実際に割当を受けているほうから言えば非常に気の毒なことで、これは買つて上げなければならんと思いますが、政府の方針としては、郵便局の方針としては、それを強制的に勝手に売付けなさるということはもうおやめになつていいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)せめて記念切手なんかは、我々今何が出るかちつとも知らない。むしろこういうものを宣伝して下されば、せめて五枚でも、よそへ送つて上げてもいい。或いは家に置いても子供が喜ぶし、記念切手などは、私はめつたに郵便局などへ行かないが、行つたところでこういう切手が出ましたという宣伝は殆んどはつきり見えないようなことになつている。そうするとこれはもう国家が耐乏しながら、郵便局がなぜ宣伝して押売りするか、ここの無駄はそれはどれくらいになるか、そこの問題もう少し御計算願いたい。
  89. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 今のお尋ねの第一点の決算上におけるところの各事業関係、第二点の年賀葉書関係のことですが、先に年賀葉書関係のことを郵務局長に答弁させて頂寺まして、私のほうは第一点の決算上のことをその次に答弁さして頂きます。
  90. 松井一郎

    説明員(松井一郎君) お答えいたします。  夏の葉書の問題でございますが、暑中見舞の葉書につきましては、実は私どももこの問題について、そうたくさんのものを出すということもどうかと思われまして、従来の実績よりも実は減しまして、まあ二千万枚くらいのものならば、これは別に特別な料金を頂くわけでもないし、こちらとしてはむしろサービスの意味で、何が暑中見舞の適当な図案を入れたようなものを出したほうがいいのじやないかということで、二千万枚ぐらい今年も刷つておりますが、これが末端において只今おつしやるような何か無理にお願いするというような形がありましたら、これは私たちも誠に申訳ないことでありまして、私たちはただそれを特に欲しいかたに成るべく差上げてもらいたいというふうに従来指導しているわけであります。ただ多数の郵便局の中では、或いは自分の局の成績を挙げたいという形でそういう行き過ぎなことをやつたことがないということも私ここで言いかねるのでありますが、さような事実がございましたら、今後とも私たちのほうで機会のあるごとにそういうことのないように取締つて行きたいと思います。  年賀葉書につきましては、これも従来いろいろなお話があるのでございますが、只今おつしやいましたように、どこかのところに大口にお願いをしておいて、その半面郵便局へ買いに行かれたかたがなかつたというような非難の声も私ども聞いております。先日も各地方の関係者を集めまして、決して無理にこういうものはお願いするものではない、是非くれというかたに勿論差上げるという趣旨でやつているのだから、私どもはこれを不必要に、実は地方から今年もたくさん売りたいが、足りないからもつと刷つてくれというような声もあるわけでありますが、私どもこれは決して無理をしてまで売るわけではない、いろいろとこの問題については私どもも国民のかたがたの御意見というものにできるだけ副わなければならんというので、先日も内閣の世論調査所へもお願いいたしまして、いろいろな希望事項についての御意見というものを調査して頂きまして、成るべくスムーズにみんなに無理のかからないようにやつて頂くというふうに今後とも指導して参りたいと思います。
  91. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) お尋ねの二十七年度決算上における郵政省の各事業別におけるところの損益状態を只今から申上げさせて頂きます。  大体郵政特別会計の事業といたしまして四種類ございまして最初が郵便事業、第二番目が為替貯金事業、三番目が簡易保険年金事業、四番目が電気通信業務、これは御承知のごとく電信電話公社より郵政省が受託いたしまして経営している事業でございます。この四項目につきましてのそれぞれの収支差額が劈頭申上げました八億九千万余円の剰余金ということでございます。以下これを各四項目に分けて御報告申上げます。  最初に郵便事業でございますが、これは収入の合計が三百二十六億一千余万円でありまして、支出が三百二億四千余万円、その差引二十三億七千六百万円余り剰余金を生じたということでございます。  次に為替貯金事業でございますが、これが収入合計が百三十五億四千七百余万円に対しまして、支出合計が百五十一億八千百余万円でございまして、その収支差額十六億二千四百万円、これは、逆に欠損と立つている次第でございます。  次の保険年金事業でございますが、これが決算上収入になりました金額の合計が百四十一億九千八百万円ほどでございます。これに対しまして支出合計が百四十二億に大体なつております。この差額二百万円余りが欠損ということになつております。  次の最後の電気通信業務でございますが、これが収入合計八十八億六千四百余万円に対しまして、支出合計が八十七億一千百万円余でありまして、大体一億五千三百万円ほどこれは剰余金を出しております。従いまして郵便及び電信電話関係においていわゆる剰余金と申しますか収支差額金を出しまして、保険年金、為替貯金関係において収入予定よりは支出が上廻つた、この両者を合計いたしますれば、総計八億九千万円ほどの剰余金が現在計上いたされておる、かような次第であります。  一カ所訂正さして頂きます。劈頭申上げました郵便事業三百二十六億一千九百万円の収入がありまして三百二億四千二百万円でございますので、郵便事業における収益は二十三億七千六百万円でございます。
  92. 奥むめお

    ○奥むめお君 保険年金のほうで二百万ほど赤字が出たとおつしやいますが、そうすると、普通の業界の生命保険、これは非常に成績がよろしいですね。
  93. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) お尋ねの簡易生命保険年金の経営状況でございますが……。
  94. 奥むめお

    ○奥むめお君 大変時間もないから、簡単におつしやつて頂いていいのですが。
  95. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 承わりました。終戦後は極めて不良でありました。これは何せ、インフレーシヨンが非常に進行しておりまして、保険事業といたしましては、官営民営問わず、内外問わず同様な運命にあつたわけであります。二十一、二、三年あたりは極めて不良な状態でございました。貨幣価値も非常に変りまして、保険金額もただみたいなものになつてしまうというような状況その他で、非常に経営にも困難を感じ、人件費その他事業費も非常に殖えて私ども非常に憂慮したのでございますが、その後、保険料の引上げ等の処置がありまして、逐次落着きまして、只今におきましては、毎年順調な募集状況を示しておる次第であります。
  96. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 斎藤局長、千五百九十一から千六百七号までの不正行為なんですが、このトータルの金額が一千五百六十五万となつておりますが、その後の状況ですね、今日まででどのくらい回収せられておりますか。
  97. 斎藤信一郎

    説明員斎藤信一郎君) お答え申上げます。只今お尋ねの千五百九十一号から千六百七号までの総件数千五百六十五万七千余円に対しまして、二十七年九月末までの回収金額でございますが、総計いたしまして一二百二十六万一千余円となつております。
  98. 小林亦治

    委員長小林亦治君) これは回収せられた金額が三百何万……。
  99. 斎藤信一郎

    説明員斎藤信一郎君) さようでございます。
  100. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そうすると、なお千二百万くらい以上は未回収……、その見込はどうなんですか。
  101. 斎藤信一郎

    説明員斎藤信一郎君) これらに対しましては、鋭意回収に当つておる次第でございますが、大部分のものは資産に乏しいものでありまして、なかなかこちらの回収意図に反して、思うように参つておらないのでございますが、これが回収につきましては、郵政監察官がもつぱらこれの回収の監査に当つておりまして、それぞれ月賦乃至年賦等の方法を講じまして、それらの関係者の資産状況、或いは生活状況等を常に注視しながら、できるだけの回収をするということで、それぞれ努力をいたしておる次第でございます。
  102. 小林亦治

    委員長小林亦治君) こういう傾向はないですか。不起訴処分なつた者とか、或いは事件がまだ確定しない者に対しては相当厳重な追及をしておるが、或いは懲役刑が確定した者に対しては、殆んどまあ立消えのような状態になつておる、そういう事例があるのですか。その点如何でしよう。
  103. 斎藤信一郎

    説明員斎藤信一郎君) 御承知通り郵政省には郵政監察機構がございまして、不正行為を行いました犯人の捜査、犯罪の捜査につきましては、郵政犯罪の大部分を郵政監察官が担当、関係いたしております。従いましてこれを検挙して検察庁に送致いたすのでございますが、その際に回収金の回収をできるだけ能率をあげると申しますか、そのためにその当時からその方面につきましても犯人乃至その周囲の者に十分に説得をいたしまして、できるだけ早めに取れるものは取つてしまうという措置を講じておるのでございます。  それから、なおその後のものにつきまして、取れなかつたものは一応債権の確保を講じますと共に、先ほども申しましたように、分納、資力に応じまして或いは年賦或いは月賦の方法を講じて、まあ分割して徴収を図つておる次第でございますが、中には幾ら努力を重ねましてもなかなか取り得ないものもあり、まあ割合順調に初めの契約通り取れるものもあるというようなふうで、いろいろになつておる次第でございます。
  104. 永岡光治

    ○永岡光治君 只今の千五百九十一号から千六百七号までに関連してですが、会計検査院からの指摘では、こういう事件の起る原因を、とりわけ小さい特定局関係では仕事を共通に持つているところから原因があるのではないか、従つてチェック・システムを考えたらどうかという御指摘のようでしたが、これは郵政当局はどのようにお考えになつていましようか。
  105. 斎藤信一郎

    説明員斎藤信一郎君) まさに御指摘通りでございまして、できるだけそういうふうな事務の取扱手続乃至実際の取扱上にもさせるように仕向けてはおるのでございますが、何を申しましても、窓口の犯罪関係につきましては、御承知のように無集配特定局というのは、配置してありまする定員が非常に少うございます。甚だしいのになると、局長一人に配置人員が一人というような小さな局が全国にばら撒かれておりまして、本当から言いますれば、事務主任と現金主任を分けたいのでありまして制度上にもそういうふうに分けておるのでございますが、なんにいたせ、只今申しました定員が非常に少いという関係からしまして、なかなか思うように参らんというのが実情な次第でございます。
  106. 永岡光治

    ○永岡光治君 お話を伺えば、結局まあ定員が少いとか足りないとか、こういう結論になるようでございますが、してみれば、チェック・システムをやりたいけれども定員が制限されておるということであれば、将来このような問題については、まあ今度の二十九年度には郵政当局は減員してもよろしいというような提案をこの国会にしたわけですが、将来はこの問題について考慮されるように思つておいでになりましようか。
  107. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 確かに二十九年度におきまして相当減員数があつたわけでございますが、御承知のように、この減員をいたします場合におきましては、六千数百名の減員でありまして、行政整理間におきましても三千数百名の、約三千名ほどの増員があつたわけでありまして、私ども事業に当つておりますものといたしまして、節約できる方面において減員できるものはするが、節約できない方面は逆に増員を政府にお認め願つたという次第でございまして、お話のように、将来必要なる人員につきましては、極力これが確保には努めるつもりでございます。
  108. 永岡光治

    ○永岡光治君 将来必要なものについての増員のことを考慮されるということであります。これはまあ当然であろうと思うのでありますが、今具体的に本件の対策としてチェック・システム等を考慮して頂きたいという会計検査院の御指摘ですが、それは当局は是認されているわけですが、そういう問題について、将来このような問題を防ぐ意味において、これを必要と認めての増員を考える用意を持つているかどうかということです。
  109. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) チェック・システムを更に拡大して行くという点におきまして、誠に会計検査院の御意向通り、私どもはあらゆる可能性においてそいつを拡げて参りたいと思つております。又普通局その他におきましてもいろいろあるのでありますが、やはり同じように、会計検査院の御意見の通り、チェック・システムは極力これを拡充して行きたいと、かように考えております。
  110. 山田節男

    山田節男君 さつき会計検査院報告で渡切費の問題ですが、会計検査院のほうでは、郵政省当局が渡切経費の範囲を拡大し、額が多過ぎる、こういうことなのでありまして、例えば二十六年度の場合を見ましても、二十七年度の渡切経費決算で行くと、予算額を五億六千五百余万円上廻つて支出をしている、こういうことなんですが、これは会計法によつて渡切経費の定義というものはさまつているわけです。これは会計検査院の見解と郵政省の見解が違うのではないか。併しそれにしても、少くとも二十七年度において予算を五億六千五百余万円も上廻つているということは、これは少し常軌を逸するのではないか、こう私は判断せざるを得ないのですが、二十八年度、二十九年度においては、会計検査の結果こういうことは全然ないということが郵政省として保証できますか。
  111. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 渡切費の問題につきまして、会計検査院の御所見と私のほうとの食違いと申しますか、御指摘を受けましたのは、範囲が広過ぎはしないか、金額が大きい、これは今、山田先生から金額について今後の見通しはどうかというお話ございましたが、実はなぜ渡切費が殖えたかということの裏に、私どもといたしましては、小局管理と申しますか、非常に小さい郵便局と大局との間に同じ会計方式、同じ帳簿で以てやらせるということが非常に無理だ、やはり小局には小局に向いた経営管理の方式をして行かなければ、無駄な人員や、無駄な文書や、無駄な手数が要るのではないかという点で、絶えず頭を悩ましているのであります。渡切費は大体歴史が長いのでありますが、大体私どもといたしましては、主に会計事務の簡素化ということを狙つて渡切制度というものを使つているわけでございます。その中には、先ほど会計検査院から御指摘がございましたように、切手手数料のごときものは、その性質から言つて、これは渡切がふさわしいかどうかという点には疑問の点が存するのでありますが、この切手手数料というのを渡切にいたしました趣旨は、支払促進と申しますか、切手売りさばき人に早く手数料を渡してやりたい。それを普通の官庁式にやるやり方でございますと、売りさばき人が幾ら幾らの手数料をくれ、それを特定局から支出官のおります役所のほうに書類を送りますと、そこで金券を切つて特定局を通じて売りさばき人に送る、かようなことになるのを、支払促進という意味、手数の簡単化という点から渡切費の中に入れたので、この切手手数料のような趣旨が、確かに渡切費を拡充する一つ理由なつているのであります。只今申しました事務の簡素化と、売りさばき人の便益という点からさようにいたしているということであります。いずれにいたしましても、この金額が殖えたということは、結局事務の簡素化、小局管理という点について成るべく簡素化して行きたいという趣旨からした点でございまして、この御指摘の中にもあります残額が殖えたという点につきまして、殊にこの問題は多いのでありますが、この残額につきましては実はいろいろ理由がございまして、この残額の中に四月に支払われるべきものが入つている、こういうのが残額一つでございます。いま一つは在来非常にこの渡切費につきましては事細かに各項目について当該局長に令達しておりましたために、当該局長はその項目以外には流用しない。流用が許されておるものでも流用はしないという点から、そこに個々の項目では残額が出て来て、それが結局集つて参りますと存外残額が巨額なものになる。これを何とかもう少し特定局長というものの手腕というものを発揮してもらいまして、許さるべき流用については流用できるようにしたほうが渡切費本来の趣旨にも合うだろうということから、本年度から各項目に細か過ぎる令達の方式を一括に令達いたしまして、款項目の制限による残額の発生ということを防ぐという措置とつておりますが、かようなことによりまして極力残額ができないように努力いたしておりますが、残額におきまして多くないように、又令達において多過ぎないように今後とも努力して参りたいと、かように考えております。
  112. 山田節男

    山田節男君 今の経理部長の御答弁だと、二十八年度以降はもつと科学性と申しますか、適切な措置をされて少くとも五分に近い残額を残さないようにおやりになる、かように私は了解いたしました。  それから次に、先ほど八木委員から質問されたことに関連するのですが、過日全逓の労働組合のこれは刊行物だつたと思いますが、我々の手許に、郵便局の庁舎が非常に老朽して使用こ堪えない、誠に悲惨な状態、非衛星な全く危険建築のような印象を受けるような写真の入つたものを送つて来た。これは私は写真でありますから誇張はないものと見るのですが、こういつたような全く想像に絶するような建物が、而もかような重要な事務を行う、安全でなければいけない、盗難に会つたり、或いは火災に会う危険を少くし、飽くまでその点は気をつけなければいかんと思うのですが、あの写真を見ただけでも相当な他にあれに類したような建物があるのではないか。先ほど八木委員の質問されたところによると、年間百億の金を郵政省全体の勘定として使つておられる。或る都市に行けば非常に立派な郵便局ができておることも私は認めますが、併しこれは私は尤もだと思います。併しながら一方においてああいつたような従業員に対しましては非常に不便、非衛生極まるようなものがあつて、その間のバランスというものが全然ないのじやないか。これはもとより特定郵便局等にそういう例が多いのではないかと思いますが、併し少くとも国家の事業の一部を委託する以上は、これはただ単に特定郵便局長の利害に任すべきことではなく、こういつたものに対して郵政省としてはやはりこれは限られた予算からこういうものに対する改善を行うのでありますから、やはり一つのプランを持たなければ予算の操作上むずかしいのではないかと思います。そういうようなプランをお持ちなのかどうか、又ああいつたようなものを、殊に特定郵便局である場合にはこれに対して改善されるような何かの措置を講じ得る途があるのかどうか、この点をお伺いします。
  113. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 只今指摘のありました通り、郵便局舎の中に極めて非衛生或いは安全でない程度にまで及ぶような老朽局舎のあることは非常に痛心しておる次第であります。遺憾ながら戦争中戦後を通じましてやはり部内の財政上の事情その他から十分にこれが改善の段どりに至つていなかつたのは甚だ残念に思つておる次第でありますが、極く最近にお寺まして、かねがね国会におきましてもそういうような声を承つてつた次第でありますが、是非とも一ついわゆる安全、衛生に危険を及ぼすようなものについて何とかして一つこの際緊急対策を講じたいということでいろいろ調査いたしまして、大体四十年以上経過しておるというようなもののうち、今山田先生のおつしやいましたような危険或いは衛生上の見地から国費を以て支弁すべきなのに何もしていないようなもの等を中心にいたしまして五カ年或いは六カ年、年次の目安をつけて、これを郵政財政のほうと睨み合せまして、適当に国家資金を導入するなりいたしまして応急対策を講じたいということで、実は明年度の予算等にも幾らかでも私どもは端緒をつけたいという意図で以て努力しておる次第であります。  さつきの八木委員の御質問ちよつと調べました。先ほど八木委員の九カ年ではどうかという御質問がありましたが、三百二十六頁の表を見て頂きますと、四行目のCZ―五〇四Vというのが、二十六年受入高四百四十、払出四十四、残高は三百九十六ということで、二十七年度残高をみますと、払出の九カ年ということになつて、二十六年度と同じように五十九で、残高が五百二十七ということで、つまり九カ年、こういうことになつております。
  114. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 郵便局の新築、改築の面に関する資料をお願いしたいと思います。詳細はあとで事務当局と打合せしますが、御了承願いたいと思います。
  115. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 承知いたしました。
  116. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは郵政省所管については一応質疑を終了いたしましたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。   ―――――――――――――
  118. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 少し時間が経ちましたが、労働省所管の分に移りたいと思いますが、極く分量は少いのでございます。お含み願いたいと思います。  それでは次に労働省所管補助金、千六百八、千六百九、一般会計及び失業保険特別会計の千六百十、千六百十一、是正事項の千六百十二―千六百二十八号まで問題に供します。  先ず検査院の御説明を願います。
  119. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 最初の千六百八と千六百九は失業対策事業に関するものでございます。  失業対策事業につきましては、事業の内容が労働大臣の定める事業ということと、労働大臣の定める事業に対する労働力の割合が一定の割合以上ということになつておるわけでありますが、千六百八号につきましては、労働大臣の定める労力の比の一定の割合以下の労力になつておるという事態を掲げておるわけでございます。  千六百九号は、公共のための労働大臣の定める、公共の用に供する土地以外のものに対する失業対策事業が行われておるということでございます。この土地はもともと自作農創設軒別措置法によりまして旭興業株式会社から買収されたものでありますが、これを学校の用地にするため釧路市が借受けまして、失業対策事業で整地事業が二十五年度から行われていたわけでありますが、二十六年六月になりましてこの買収の取消の通知がございまして、一応元に帰つたわけでありまして、それより前、旭興業株式会社は、その土地を整地したもののうち学校の用地に必要なものは寄附するということを二十六年四月に市のほうに申出ておるわけでありまして、さような観点からいたしまして、私有地に対する失業対策事業が行われた結果になるわけでございまして、かような事態は失業対策事業として行うべからざるものである、そういうふうに考えておるわけであります。本件は二十七年度分が掲げてありますが、二十六年度以降にも、先ほど申上げましたように、二十六年六月以降の補助金に対しては同じようなことが言えるわけでございまして、これについては補助金の回収の措置をとることが適当だと考えておるわけであります。  千六百十号は、奈良民生労働部の架空経理事態でございます。内容は、旅費等を架空に支出いたしまして、百四十七万余円を諸会議費、接待費、職員厚生費等に使用したわけで、二十八年二月の検査のとき千二百九十余円ばかりが残つてつたわけであります。この案件につきましては、予算執行職員等の責任に関する法律に違背する事項が一部ございますので、その点につきましては、四万八千余円につきまして弁償命令を検査院として発しまして、これについては全額収納済になつておるわけであります。この弁償命令関係につきましては、検査報告の三百七十七頁に詳細記載してございます。  次は千六百十一号は、不正行為で、特に御説明申上げることはございません。  今の保険料の徴収を是正した事項でございますが、例年同じようなことが掲載してございますが、本年の検査から見ますと大分各関係庁間の連絡その他がよくなつたからではないかと思いますが、検査の結果から見ますと大分滅つておるように思つております。
  120. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 労働省からは亀井労働基準局長、江下職業安定局長、渋谷会計課長が見えております。
  121. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 直接この問題に関係しているかどうかと思いますけれども、適当な質問の機会がございませんので、一つ御答弁願いたいと存じますけれども、基準局のことでございます。労働基準法というのは働らく人を保護するためにできておると思つておりましたのに、この頃、私、頻りに街で円タクの運転手の調査をいたしておりましたが、あの方々の労働時間というものは恐ろしく長いようです。普通の人は八時間ですが、あの方々は二十四時間、尤も二十四時間全部じやないのですが、朝の八時から働いて夜の二時頃引揚げるらしいのですが、結局十八時間くらい働いておられるのです。あんなに神経を使うような労働でしたら五、六時間でも多いと思いますのに、その三倍の十八時間ぶつとうしに働いておられる。水揚げが少いので営業主から吊し上げられたというので、あの人たちはまさに命を削りつつあるようでありますので、あの方々だけが法律の外に置かれておる理由はないと思います。あの方々は組織もないし、ストライキする時間もないらしいのですね。この人たちにどうしても私たち保護の手を差し伸べる必要を痛切に感ずるのですが、労働基準局長はこういう問題について何かお考えでしようか。
  122. 亀井光

    説明員(亀井光君) タクシー運転手の労働時間の問題でございますが、この問題は、昨年来、私らといたしましても重要な問題であるといたしまして調査をして参つて来たのであります。そうして今年の四月に労働基準法施行規則の改正の際に、従来のタクシー運転手の一昼夜交替制というものについて現行法は認めておるわけでございますが、この現行法を改正いたしまして、普通の労働勤務時間にするというふうな改正案を諮問をいたしまして七月一日からその通りなつておるわけでございます。ただその際に、附則におきまして、現在のままにおいて労働時間を、現在の一昼夜交替制を普通の労働時間八時間制に持つて参りますと、賃金の面で非常に労働者みずから不利益を蒙むるという実態がはつきりいたしたのでございます。従いまして中央労働基準審議会におきましても、労働者代表側からの御意見もございまして、当分の間現状のままで行く、併し給与制度即ち現在の請負出来高払制が主体である現在の給与制度が或る程度合理化された場合、即ち従来の一昼夜交替制を八時間労働制に直しても、賃金の面でそれほどの低下を来たさないというふうな実態になつた場合において、この条項を施行するようにという、附則の経過規定が一つつておるわけでございます。従いまして、我々といたしましては、現在各タクシーの使用者に対しまして給与制度の合理化の問題について指導をいたしておるのでございます。従つてそれらの問題が解決され、機が熟しますれば、七月一日から施行になつておりまする改正条文を適用をいたしまして八時間労働制の本則に戻したい、かように思つておる次第でございます。
  123. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 そういたしますと、運転手の人たちの手取金が少いのが現状で、自発的に当分現状を維持してくれというらしゆうございますけれども、それにいたしましても、あの青年の命を削るような状態ですから、私たちは捨て置けないと存じますので、どこに無理があるか。給与を出せないという理由がどこにあるか。営業主が余りだくさん利益を貧つているのですから、当然それに手を加えなければなりませんし、或いは七十円だ、八十円だというあの料金そのものに無理があるのでしたら、これはやはり協定値段か何か存じませんけれども、引上げて、やはりどうしても現状では困ると思うのです。余りにかわいそう過ぎます。それだけ……。
  124. 山田節男

    山田節男君 これは亀井局長にお尋ねするのですが、こうしてタクシーの業者が一定保有台数に制限を置いて、例えば二十台とか三十台とか、そういうような制限をしておけば、割合に今、深川委員が言われたような状態は少いのじやないかと思うのですが、今日はもう僅か三台、四台くらいでも営業できる。一台ではできないけれども数台持てばできる。そうなつて来ると、やはり非常に悪い一つの家内工業的な、雇用主から搾取されるというか、雇用主としても一定の賃金を払うのには一定の収入がなくちやいかん。そこにやはり無理をして、交通治安から行けば実に東京くらい危険なところはないという状態なんです。これは結局労働条件といいますか、収入が制約されてああいう結果になるのだろうと思うのです。ですから、これは外国でも、全部の外国は知りませんが、ワシントン、ニューヨーク等は、これはやはり収入は、例えば二十四時間を二交替にしてもらい、一種のプール制にして、昼の時間に出た者が夜の時間に出た者より少くても或る程度のプール制によつて補う。全部平等にはできないにしても、或る程度それを補うというような、労働省から或る種の規制を加えないと、今言つたように非常に無理をする。交通事故は多い。自動車の損傷も多い。悪循環ができる。ですから、その悪循環をどこかで絶たなくちやならん。それはやはり労働条件、賃金の支払方法、営業、こういう方面でやはり労働省として何か手を打たないと、東京だけでなく、他の大都会についても非常に同じような問題だと思うのです。このことは、私はやはり交通治安の立場から考えても、よほど慎重に政府として考えなくちやいけないのじやないか。今、深川委員指摘された通り、これは事実我々も目撃し、運転手自身からもしばしば聞かされておる。このことは誠に恐ろしいことでありますから、労働省として一つなお詳細な実態調査をしてこれは一つ勧告案を作つて、単なる労働基準の審議会なんかの机上の問題じやなくて、やはり実態調査から来た結論によつて政府がこれを或る程度コントロールするということは必要である、而も当然私は政府としてなすべきことじやないか、かように思うから附加えておきます。  それからもう一つの質問は、ここに会計検査院が労災保険の保険料の徴収下足、それから失業保険の保険料の徴収不足の件が出ているわけですが、少なくとも今年度に入りまして、デフレの傾向が非常に強くなつたために、中小商工業が非常に困つている。そうすれば勢い労災保険料或いは失業保険料の徴収が非常に困難になつて来るのじやないかと思います。これは極めて大づかみでいいのですが二十八年度と比べて今年度、デフレの傾向が顕著になつて来た今年度ですね、例えば九月まででもよろしうございますから、労災保険料、失業保険料の徴収の不足な額が前年度に比べて非常に殖えているかどうか。わかればこれは昨年度に比べベて来年度三月末までの予想はどのくらいになるだろうかということがおわかりになれば、概略でよろしうございますから一つ報告願いたい。
  125. 澁谷直藏

    説明員(澁谷直藏君) 失業保険の件について、村松失業保険課長から申上げます。
  126. 村松伍郎

    説明員(村松伍郎君) 失業保険の保険料の収納状況を申上げますと、本年の四月が十五億、本年の五月が同じく十五億、本年の六月が十七億、本年の八月が二十億、で、昨年度に比べまして大体一割六分増の傾向でございます。これは収納済額でございます。
  127. 山田節男

    山田節男君 その今言つてるのは未収納のことですか。
  128. 村松伍郎

    説明員(村松伍郎君) 収納未済額のほうは、過去の未済額全部を累計した数字でございますが、八月末の数字で二十三億になつております。
  129. 山田節男

    山田節男君 今デフレの現象が顕著になつて来てからのこの徴収料の傾向を知りたいというのですから、昨年の四月から例えば九月までとか、六月までとかいうような、何か集計が出れば、デフレによつてこういう失業保険料の徴収が非常に減つて困難になつて来ているかどうか、それをわかれば知りたいのです。
  130. 村松伍郎

    説明員(村松伍郎君) 暫らく時間をかして頂きまして集計いたしましてお返事をいたします。
  131. 山田節男

    山田節男君 それでは委員長数字の問題ですから、後日資料として出して頂いて、成るべく詳細に、できれば二十八年度と対比して、一つ資料を出して頂きたいと思います。
  132. 小林亦治

    委員長小林亦治君) これは渋谷課長のほうから……、よろしうございますか。
  133. 澁谷直藏

    説明員(澁谷直藏君) 承知いたしました。
  134. 山田節男

    山田節男君 労災保険のもわかれば同じように一つ
  135. 澁谷直藏

    説明員(澁谷直藏君) はい。
  136. 岡三郎

    ○岡三郎君 ここに並べてあるところの千六百八号から以下千六百二十八号までで、この批難事項に対する善後処分状況等の一覧というのが労働省から出ておりますが、大体この架空の名義により支出したものの中で、戒告或いは職員の不正行為により国に損害を与えたものの中で、刑事事件を起した問題の中で、戒告、懲戒、免職、これは当然の話ですが、そのほか通覧すれば、全部厳重なる注意というような処分の内容が出ているわけです。例えば千六百八号から千六百二十八号までの内容については、いろいろ検討してみれば、それぞれの刑の内容ですね、批難事項の内容については相当異質のものが私はあると考えられる。こういうものの取扱について一覧すると、何か形式的に堕している弊風があるのじやないかというふうに私は判断するわけなんです。で、批難を強くしろということではなくて、こういつた点について、まあ先ほど検査院のほうから、是正事項等については一応よくなつて来たということについては結構なんですが、今後もこういうふうな問題の処理について更に厳重に、こういつた批難事項が起らないような方式、起つた場合について更にこれをどういうふうにするか、こういつた問題についての考え方をちよつと聞かしてもらいたいと思う。
  137. 澁谷直藏

    説明員(澁谷直藏君) 最初の失業対策事業との関係につきましては、失業対策事業が、当初始めましたときには失業者の吸収ということに重点を置きまして事業効果というものに比較的重点を置かなかつたのでございますが、その後、引続き実施いたしますと同時に、漸次その事業の量も殖えて参りましたし、従いまして国から出て行く金の額も非常に厖大になつて来ましたので、漸次、事業の内容が高度化して参つたのでございます。従いましてこれに伴いまして失業対策事業費の中で占める事業費の資材費の額が非常に増大して参つたために、最初労働大臣の告示で出しました……昭和二十四年に出しまして二十五年に改正されたのでございますが、実情に合わなくなつて参つたために、このような指摘を受けたのでございましてその後労働省におきましては、会計検査院の御意向も十分承わりまして慎重に検討しました結果、今年の五月の告示を以ちまして従前の告示を改正いたしました次第でございます。その結果によりますと、それぞれの事業種目毎に若干違いますが、総括して申上げますると、五%から一〇%、総体の事業費のうちで労力費の占める割合を引下げたのでございます。これが本年の五月から実施されておりますので、本年度以降につきましてはこのような批難事項は起きないようになるのではないかというふうに期待しておる次第でございます。  それから労災保険と失業保険の徴収不足の問題でございますか、これは先ほどの検査院の御報告にもありましたように、非常に莫大な件数を年々取扱います関係上、このような事項が毎年出るのでございますが、労働省といたしましては、できるだけ職員の有効な活用を計りまして、こういつた点の把握の不十分な点を是正いたしまして、逐年こういつた批難を受けることのないように極力努力いたしておる次第でございます。  なお行政措置といたしましては、これに伴いまして会計経理の厳正なる施行ということに重点を置きまして、これに合せて一般の監察官、それと両特別会計に置かれておりまするところの会計監察官を活用いたしまして、こういつた問題で国に迷惑のかからないように省を挙げて努力いたしておる次第でございます。
  138. 岡三郎

    ○岡三郎君 当委員会では長い間補助金関係についていろいろと検査して参つたのですが、労働省について特に言うわけではございませんので、その点は、はつきり申上げておきますが、とかくこの補助金というものが非常に厖大で、而もこの取扱いが、金をとつたとき、とるまでが非常に熱意があつて、その使途については比較的軽く考えておるような傾向が各省ともあるように我々は感じて来たわけなんです。そのために、この検査報告書を通覧してみると、補助金に対するところの批難事項が非常に多い。実際問題として、特に最近における失業者の状態、これに対する失業対策というものも大掛りに政府自体も考えておられるようですが、補助金関係の使途については十分下のほうに対して注意を喚起すると共に、今後この補助金をルーズに使用するようなことがあつた場合には、これに対する適切なる一つの手段をとるようにしてもらいたいと思うわけです。そうしないというと、いつまで経つてもこの補助金というものは、とるまでが熱意を持つて、とつたあとについては非常にルーズな使途というものが過去において多かつたと思う。これは先ほど言つたように、労働省関係について特に言つているわけではなくて、まあ労働省関係においても、今後補助金の使途についてはかようにお考え願いたいというふうに考えるわけです。  それからもう一つは、先ほど言つたように、形式的に処分をただ厳重な注意、この事例に対しては、私はこの程度で、ほかの省と比べて特に軽きに失していると私は思わん。思わないけれども、行政面において比較的この処分というものが形式化しているのではないかというふうに絶えず考えて来ておるわけなんです。そういう点で、何も厳重に処分をしろということではなくして、事例に従つて、その間違いの程度によつては、一つ爾後にそういつたものが起らんように、物によつては厳重に処置をするというような態度を、やはり主務官庁として私はとつて行つてもらいたいと思うのです。これは罰するに急ということではなくして、こういつた事例が今後はこの会計検査報告に出て来ないような一つの方向を作るための処置として、処分というものを形式化しないようにお取計い願いたいという私は希望を申述べておきます。
  139. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 大臣が見えておりませんが、岡委員の趣旨は、戒告に値いしないものを戒告せよというのではないので、厳重注意というような、処分でないものを処分のごとき取扱いを以て処分したりとしますことは悪い、厳重注意は処分ではないと、こういうことなんです。お含み願いたいと思います。  ほかに御質疑ございませんか。  ほかに御発言がなければ、労働省所管については、先ほどの資料を迫つて頂くこととしまして、一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。  なお十二日に予定してございました国鉄民衆駅の審査の件は、十一日にこれを繰上げて二十七年度決算、国鉄の部と合せてこれを行い、今回は十一日を以て終ることにしたいと存じますが、さよう取計らうことに御承知願いたいと存じます。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後一時三十九分散会