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1954-11-04 第19回国会 参議院 決算委員会 閉会後第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月四日(木曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            青柳 秀夫君            谷口弥三郎君            島村 軍次君            岡  三郎君            八木 幸吉君    委員            石川 榮一君            白井  勇君            宮田 重文君            奥 むめお君            後藤 文夫君            亀田 得治君            久保  等君            永岡 光治君            東   隆君            山田 節男君            堀  眞琴君            鈴木 強平君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    農林省農林経済    局金融課長   松岡  亮君    農林省農地局総    務課長     正井 保之君    農林省農地局建    設部長     桜井 志郎君    農林漁業金融公    庫理事     伊藤  博君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大沢  実君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十七年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今から第十五回決算委員会を開会いたします。  本日は、昭和二十七年度決算三件、農林省所管補助金を除く一般会計及び農林漁業資金融通特別会計を議題といたします。  先ず検査報告第六百号、六百一号、二件を問題に供します。検査院説明を願います。
  3. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 六百号、六百一号は農林省直轄でやりました工事に関する批難であります。僅か二件でございますが、ほかにも幾つか問題も取上げたのがございますが、なお調査を要するということで一年間決裁を延期したものが若干ございます。  先ず六百号でございますが、これは福島県の白河矢吹開拓建設事業羽烏という所に、山の中でございますが、大きな貯水池を造つております。この貯水池工事に要りますダイナマイトが高過ぎた、こういう案件でありますが、ダイナマイト価格というのは幾通りかございますが、この工事で適用いたしますものは十箱以上三十箱未満の少量を購入する際の小売価格、これがキログラム当り四百三十七円であります。これを適用したのであります。ところがこういう大きな工事でございますから、そんな少しばかりダイナマイトを使うわけではないのであります。相当多量でありますから、当然にその一番下の五十箱以上購入する際の小売価格、これは三百二十六円五十八銭であります。これで積算して然るべきものであります。そうして現に請負人は、この今申上げました三百二十六円余りの価格ダイナマイト購入しておるのであります。四百三十七円と三百二十六円の差、一個でこのくらい違いますので、相当の金額になるわけであります。約三百三十四万円、これだけ工事費が高くなつてしまつた、こういう案件でございます。請負人は私ども注意で二十八年の九月以降契約更改いたしまして、直ぐに三百二十六円のほうを今後の分については適用しております。  それから六百一号でありますが、これは岡山農地事務局の管内で、児島湾沿岸農業水利、これは大きな事業をやつておりますが、これはサンドポンプを使いまして海中の砂を盛り上げる、こういう工事であります。サンドポンプを二台使つております。千馬力と七百五十馬力の二台でこの旭川の河口から三千四百メートルほど砂を送るわけであります。距離が長いものでございますから二台を別々に二段に砂を送る、こういう工事であります。この種の工事では電力料というものが一番高くかかるわけでありますが、本件は一立米の砂を浚渫して運ぶのに七・五キロワット時を要する計算設計をし、それによつて請負人に代価を払つたのであります。ところが七・五、二台ですから一台が三・七くらいにつくわけでありますが、これは私どもほかのサンドポンプ工事をたくさん見ておりますが、如何にも高い。大体今まで建設省あたりでもたくさんサンドポンプ使つておりますが、立米当り二・七キロワット時というのが大体の標準であるのであります。  千馬力級の浚渫船になりますと、どこの工事でもこの程度でやつておるのに、ここでは二台で五・四くらいが相当なのに七・五キロワット時で金を払つたのでありますので、ここで取上げたわけであります。現に請負人のほうでは幾ら使つたかというのを調べてみますと、これは非常に新しい浚渫船能率がいいのであります。その関係で二台で四・五九キロワット時しか使つておらん、実績が四・五九以下なのであります。七・五は如何にも積算が過大だと、こういうことで批難したわけであります。仮りに四・五九もこれは少し船が非常にいい関係で、無理かも知れません。五・四くらいとして計算いたしますと二百九十六万円、これが高かつた、こういうことになつているわけであります。本件につきましては、二十九年度契約検査院言い分通りの五・四くらいの契約をしております。二十八年度まではいろいろ契約の締結後でしたので修正しておりません。
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 建設部長が間もなく見えますが、正井総務課長がお見えですから御質疑願います。
  5. 島村軍次

    島村軍次君 六百一号は、そうすると高くなつているという、この検査報告によると二百九十六万円の高価に当つていると言いますが、これは何か適当な措置をとつたことになつておるのですか。この農林省説明書によると、甚だ遺憾であるが今後注意するということだけで、このものそれ自身には何も措置をとつていないということですか。これは検査院のほうヘお聞きしたい。
  6. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 先ほど説明申上げましたように、丁度この検査が二十八年の検査つたわけであります。それで二十七年度について批難したわけでありますが、二十八年の契約はもうすでに結んでおりまして、高いこの前の通り契約を結んでいたわけであります。私どもとしてはもうこれはすぐ直してもらいたいのでありますが、いろいろな都合があつたのか、二十八年度一ぱいはこの高い契約のままおやりになつたようであります。二十九年度契約更改のときに、新しく契約を結ぶときに五・四ということで下げて来た。従いまして二十七年度分は勿論、二十八年度分も高いまま払い放し、こういうことに結果においてなつたわけであります。それで、当局は、先ほどちよつと申上げました一隻の船はこれは非常に能率のいい船であります。ところが七百五十馬力のほうは、政府の、国の所有であります。これが能率が悪いので、いろいろ改造を要した、その改造経費として当初の予定よりも余計にかかつたので、このほうでまあ埋合せをした、こういうふうな弁明なのであります。どうも必ずしもこれが私どもとして納得できないのでありますが、一応もう契約を結んでありました分については契約更改して金を下げる、或いは金を取返す、こういうようなことはしておらない状態であります。
  7. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 総務課長のほうから何か弁明がありましたら伺つておきましよう。
  8. 正井保之

    説明員正井保之君) 只今小峰局長から御説明がございましたが、二つの事案とも誠にまずい事案でございまして、白河矢吹建設事業所のほうでございますが、これにつきましてはダイナマイト購入価格が割高なものをそのまま買つておるということでございまして、実はこの点につきましては実際に業者はもつと安く買うことができたようであります。それは当時羽烏堰堤工事が二十三年から実施になつて本格的に施工されていたのでありますが、二十四年頃から福島県内世情というものが、松川事件その他でかなり騒然としておるというふうな状況でございまして、火薬類取扱いというものにつきましては警察のほうからも非常に十分な注意をするようにというふうなことで、かなりその方面の取締りも徹底しておるというふうな状況であつたわけでありますが、なお工事現場にありました、それと現場で働いている人たちの中にも囚人などを使つておるというふうな状況等もございまして、火薬類取扱いには十分注意をしなければならないというふうな事情が一面でございました。それともう一つは、工事現場ダイナマイト保管、管理、このためには倉庫を持つておるわけでありますが、その火薬庫が実は一坪半程度のものでございまして、収容のキヤパシテイが四十箱程度ということで少量ずつ実は購入する、そして保管をするというふうな止むを得ない事情もありましたのと、それから工事が、報告にもございますように、十二区分に分れるような工事でございまして、一遍にやるというようなことでなく、逐次やつて行つたというふうなことから、実は火薬類ダイナマイト購入も少量ずつ買うというふうな事情にあつたわけであります。それで私どものほうの予定価額算定の際に、実は三十箱未満ダイナマイトを買うときの単価というものを想定しまして予定価額を組んだというふうな状況でございます。そこで先ほど説明がありましたように割高なものを一応予定したという事情でございます。その点は実は少量ずつでも一括して契約するという方法があつたかもわかりませんし、或いは安く買つて保管料とかその他の若干の手数料を払うことによつて割安に買えるというふうな事情もあつたかと思います。本来はそういつた事情考慮してやはり予定価額というものの見積りをやるべきであつたかと存じますが、そういつた点について十分な考慮が払われなかつた点があると思います。そういうふうな事情で、そのほか或いは非常に業者としては大体五十箱以上買うときの値段で買つておるようでありますが、その点、又、業者としての努力もあつたかと思います。そこに食違いがあつたわけであります。私どものほうとしましても、こういつたことにつきまして、今後一層予定価額等算定に当りましては慎重を期しまして事を処理して参りたいというふうに考えております。官給ということも考えられるわけでありますが、これにつきましても労務ダイナマイトの組合せというふうなことで、ただ機械的にダイナマイト官給するということだけでそういつた弊は除かれるというふうには必ずしもならないようでありまして、結局使用資材等単価、或いは労務数量、或いは労賃、こういつたものについて十分なる検討現場監督に当る部面でも実行して参るということに進めて参りたいと思つております。  それから児島湾のほうでございますが、この点も実は御説明がございましたが、所要電力立米当りの原単位が非常に高いということでございまして、この点につきましても、実は設計の当初、従来農林省関係でこういつたポンプ使つて埋立等をやつておりますが、その実績もとにしてやつたわけでありまして、たとえて申しますと、他の地区でやつているものと、それから二十六年度にやはり児島湾で実施しておりました実績、そういうものを、もとにして弾いたわけであります。二十六年度状況を申上げますと、二段の送泥施設を以てやつておりますが、七百五十馬力ポンプ船の場合は、送泥距離が七百五十メートルで、仕事をやつたわけであります。そのときの一立方米当り所要電力というものが二・四キロワットアワーということになつております。二十七年度事業では、それが千四百メートルになるということで、内容は詳しくわかりませんが、ラング氏の計算方式というものによりまして、所要量算定しますと、三・五キロワットアワーということになります。それから千馬力のほうは、先ほどお話がありましたが、会社の持つている機械でございますが、このほうも昨年の千三百メーターの送泥距離に対して二・六六キロワットアワーという電力が要つたわけであります。それに対して二十七年度事業では、二千メートルの送泥距離ということで、やはり同様の方式で以て算定しましたところ、四キロワットアワーということになりまして、七・五キロワットアワーというものが出たわけであります。まあ実績はもつと少くて済んだのでありますが、会社のほうのは非常に新らしくてポンプ船もよかつたのでありますが、国有のほうは、七百五十馬力のほうのポンプ船は性能がよろしくないということで、実は会社で以て費用を負担しまして、修理をいたしました結果、能率相当上つた従つて電力も最初弾いた電力とは違つて、少くてすんだというふうな事情がございますが、まあそういう内容的には設計変更の手続、或いはとるべき事柄の変更があつたかと思いますが、それをそのままやつたという点についてはまずい点だつたと思います。こういつた点をなお本工事を実施する際の処置を適正にやる必要があると存じております。なおこれに関連しまして、電力量先ほどダイナマイトと違いまして、きちんと所要量がございまして、特に的確に把握できるわけでありますから、今後は官給というふうなことでいたしたいと思つておりまして、現在はそのように実施いたしております。以上御説明申上げました。
  9. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに……。
  10. 山田節男

    山田節男君 この六百号の案件説明ですが、成るほどその当時の申しわけされる事情が、囚人使つてつたとか、或いは世情が不安定であつたとか、或いは保管をする場所が一坪半しかなかつたから、小間切れ的に買つた。而もそれを高く買つたと、こう言われるのですが、少くともこれだけの工事になつて、千三百五十箱近くのものが要ると、これはまあ工事の規模から言えば当然予想されるわけです。今あなたのお話を聞くと、全く国民の税金を使ういわゆる行政府として、如何に経済的にやるかということを考えていない。そういつた面弁明一つもない。ただこれは申しわけに過ぎない。併し今あなたの言われたような条件は、それは囚人使つているとか、或いはダイナマイトは、殊に猪苗代湖の周辺で共産党が何しているという問題があつたから、扱うものが、工事ダイナマイトであるから、危険物であるという考慮があつたということも考えられるが、併し今の説明では、根本対策会計検査院指摘しているいわゆる農林省のこういう直轄工事を、できるだけ経費を節減して、有効な工事をするという建前ということが全然没却されているのではないかということが、我々印象付けられるのです。ですから例えばこれだけの千三百五十箱近くのものが要るならば、一箱百十五円からも違うという高価なものを買うということが、少し何といいますか不真面目極まると思う。だから若しこれが現場にそういつたような保管場所が狭隘であつて入れられないということなら、これは業者注文をすれば、一遍に注文をしておけば幾らでも安く買う方法がある。だから今の弁明では、何ら農林省がこういう直轄工事に対してあくまで経済的にやる、予算支出をあくまで効率を高める、こういう立場が考えられていないと思う。で、これはお尋ねをするのですが、会計検査院としても農林省のこういつた現場は非常に数が多くて何パーセントしか実地に検証ができないということを聞いておる。こういつたようなものを会計検査院から摘発されて、農林省としてもこれは他に類似の事項が多分にあるのではないかと思う。今の話を聞いて見ても、こういつたようなものは、全く九牛の一毛ではないか、こういうことすら疑わざるを得ない。で、農林省本省のほうで、こういつたような事例が他にあるかどうかということを厳密に調べたことがあるのかないのか。それからこういつたような如何にも非コンマーシャル的なやり方は、これは今後匡正しなければいけないということを厳重に本省のほうで末端にこれが徹するように手配をしたのかどうか。この点お伺いしたい。
  11. 正井保之

    説明員正井保之君) 只今指摘がございましたが、誠に国費の使用方法としては非常に拙いことでございまして、私どもこの話を聞きまして、それは具体的には少量ずつしか使わないが、年間まとまつた数量が要ることは、はつきりしておるから、それは別途に保管料とか或いは一時に相当量まとめて買いましても、別途に経費が若干要るにしても相当安く買えるのではないかというので、大分担当の人と話をしまして、先ほど抽象的に申上げましたが、こういうことのないように、所要資材の量或いはその単価等で慎重にいろいろ検討してやつておるということを申上げましたのは、そういうことを含めて申上げたつもりであります。その点は全く個々にばらばらにということは、少量ずつ使うからということは理由にならないということは、私どもとしても指摘しまして、今後そういうことのないようにということをよく言つております。それからこういつた事例につきまして検査院からいろいろお話がありまして、いろいろな事案を見ますというと、共通的な、やはり一つ傾向とかそういつたものが出て参ります。そういう際には、最近も実は出先所長に集まつてもらいまして、それぞれ私どものほうでは、一応事業種類農業水利、干拓と開墾になつております。それぞれ担当課長も変つておりますから、それぞれ別々に呼びまして、そういつた一般的な傾向につきまして、特に注意を喚起して、十分に間違いのないようにということを最近も実はいたしております。以上であります。
  12. 山田節男

    山田節男君 もう一つの点、本省のほうでいろいろ現場調査をしてこれに類似したような事件があつたかどうか。それから同時に、これも監察ということについては、これはもう建設省あたりは非常に厳重にやつておられ、建設省は年々よくなりつつある。農林省ではこの予算支出の効果という方面に関してはどうも成績が悪いというような報告を我々は得ております。合せて監察、そういつたものがあるかないかということを、監察状況はどうなのか、この点も合せて一つ説明を願いたいと思います。
  13. 正井保之

    説明員正井保之君) 実はこういつた同様の種類事案が各現場に果してどのようにあるかということにつきましては、実はこちらから出向いて調べたということはいたしておりませんで、先ほど申上げましたように、事実を現地についての調査でなしに、実は事業所長を呼びまして、こういうことがあるから、こういう点について注意するようにということの注意をいたしましたわけで、まあ言いわけになるかも知れませんが、手がちよつと廻りかねるというような状況だと思います。  それから監察の点でございますが、前々からたくさんな経費使つております農地局としましては、局内に、そういつた農地局出先に対する監督或いは指導業務としまして当然あるわけでありますが、別途にそういつた制度を作ろうということで、実は二年ばかり前から検討いたしておつたのであります。いろいろ予算の折衝その他のあれもございますし、又農林省としてそういつた問題についての考慮が当然なさるべきだというふうなことから、実は二十九年度から考査室というものを作りまして、これによりまして、ひとり公共業業だけでなしに、いろいろな補助金なり或いは指導行政その他についてどのように業務が行われているかということにつきましての考査を実施しているというふうな状況でございまして、局自体としては一般的な指導監督ということで、特別の監督官とか何とかという制度は作つておりません。官房として、省でできましたものを二十九年度から発足さしております。
  14. 永岡光治

    永岡光治君 只今説明があつたのですけれども、六百一号の案件で、二十七年度の問題について指摘され、二十八年度でも大体同じような単価契約しているわけですが、それも二十八年度中途で二十七年度のものが指摘されたわけでありますから、只今検査院からもお話がありましたように、契約更改すれば当然できるはずのものだと思うのですが、あえてそれをしない理由をもう少し説明してもらいたいと思うのです。過ちはこれを改むるにちつとも憚かる必要はないと思うのであります。どうしてそれをやらなかつたのか、もう少しその辺の事情を伺いたいと思います。
  15. 正井保之

    説明員正井保之君) 只今二十七年度事業につきまして検査院のほうからそういつた指摘を頂きまして、先ほども申上げましたように、電力料金につきましてはぴしやつと使つた量がわかりますから、官給にして支払をするように、という指示をいたしたのでありますが、恐らく時期も遅かつた関係で、二十八年度には実際には行われなかつたというような事情でございます。
  16. 永岡光治

    永岡光治君 その時期はいつ頃ですか、指示をされたというのは。
  17. 正井保之

    説明員正井保之君) 十一月過ぎになつたと思います。
  18. 永岡光治

    永岡光治君 会計検査院のほうから指摘したその時期はいつ頃ですか。
  19. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 昨年の五月たしか検査をしたと思います。五月の末か六月に一応照会を出すわけでありますが、なかなか私どものほうで照会を出しましても一々こちらの言い分を必ずしも直ぐに聞くとは限らないのが実情であります。それで本件につきましても、当事者は頑張つておりましてなかなか聞かなかつたのであります。それで十一月に検査簿に載るということがきまりましてから、これの十分な検討を行い出したというのが今の実情であります。それで契約更改が遅れてしまいまして、昨年度からは、先ほど説明がありましたように、官給ということであれしたわけであります。ダイナマイトなんかは、先ほど説明しましたように、九月にすぐに値段を下げたのでありますが、岡山のほうはこんな関係で、私どものほうの言い分をすらつと聞いてくれなかつた、こういうふうな実情であります。
  20. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、会計検査院から指摘して、結果的にはそのことを妥当と認めたわけですが、六カ月の間放置されたことになるわけですが、頑張られたというのはどういうところの根拠に基いて頑張られるのでしようか。
  21. 正井保之

    説明員正井保之君) この件につきましては、私、直接担当の課のほうと十分相談したり或いは話合いをしませんでしたので、想像がまじつて恐縮でございますが、恐らく当時、先ほども申上げましたように、会社としまして、国有の七百五十馬力浚渫船等につきまして、会社負担で三百七十万円ばかりの修理費を出して機械効率を引上げたりしておりますので、そういつた関係で、それによつて節約される電力料とそういう修理のお金というふうな事情等もからまつてつたのじやないかと思います。その辺の検討等もなされた関係であると思います。
  22. 永岡光治

    永岡光治君 これは想像説明しているのですから、何とも私も想像でしかこれは考えられぬことですから、はつきりした資料を欲しいから、別の機会に譲つてもよろしいですが、ただ三百七十万円の修理費がかかつたので、それを電力料金にかぶせて結局払つているということになるのですね、説明は。そういうことですから、併しこの契約は二十七年度中に当然三百七十万円というものは回収されるという建前で恐らくやられたと思うのですが、何年計画で三百七十万円をそれじやカバーしてやろうという計画を立てられたのですか。
  23. 正井保之

    説明員正井保之君) これは会社のほうで、役所のほうにも相談は当然現場のほうにあつたと思いますけれども能率が上らないので修理費をかけて直したのだろうと思いますが、会社も恐らく続いて同一の工事を請負つておるわけでありますからいろいろな施設等もございますし、続いてその工事を実施するというふうな建前から、恐らく単年度でなくて、まあ二年なり、何年なり、まあ三年に亘るかどうかわかりませんが、恐らく単年度でなくて、修理費というものを電力料でカバーするというふうな考え方だと思います。
  24. 永岡光治

    永岡光治君 これは想像で言われているようで、余りわかりませんから、現実の担当者のはつきりした説明を求めることに私はしたいと思うのでありまして、そういう意味でこれは保留したいと思つております。
  25. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 永岡君、如何でしよう。文書で一応担当者から報告つて……。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 担当者がおいでになれば……。
  27. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それで足らざる場合、説明をしてもらうということにして如何でしよう。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 ええ、いいです。
  29. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかにその点に御質疑のかたおありならば又格別ですが、如何でしよう。
  30. 岡三郎

    ○岡三郎君 ただこの問題についてここに指摘されておる……六百一号の批難事項として出ている分に対して、当然今日これが説明をされる問題を、不用意にここべ出て来て、ただ顔を出せばいいということでは誠に相すまんと私は思う。なぜ担当者がここに来てないのか。それについてはまだ一言も釈明がないわけだが、こういう点について、実際に批難を受けて説明に出て来るところの態度、これは私は怪しからんと思います。だからこれはもう一遍、永岡君の意見のように、六百一号、六百号、これについては、機会があつたらもう一遍、特に六百一号については担当者の出席を求めてこれは審議をしたいと、私はそう思います。
  31. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 本日中に連絡いたします。その点如何です、正井課長。部長がお見えになつた場合に部長から説明できますか。
  32. 正井保之

    説明員正井保之君) 部長から説明して頂きます。
  33. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 部長はわかりますね。
  34. 正井保之

    説明員正井保之君) 聞いておりますからわかると思います。
  35. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは部長がお見えになつたら、その点に関して御質疑を願うことにして、千五百十三号……。
  36. 山田節男

    山田節男君 今のに関連して……。
  37. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 部長がお見えになつたら如何でしよう。
  38. 山田節男

    山田節男君 今、説明員説明で我々審議しておるのですが、部長にしても政府委員かどうかわからない。少くとも国会のこういつたような決算の審査というものについては、少くとも政府委員が来て、先ほど申上げましたように、例えば六百号の事案のごときは、これはもう問題はやはり所管大臣の責任問題、政治責任になるわけです。我々はあくまで政治責任を追及するのであつて、今の説明員のこの六百号の事案説明を聞いても、我々納得できない。非常に非科学的であり、非常に不経済的である。こんなことを一体農林大臣がやつてつていいものであるかどうか。政治的な責任を追及しないでこれを審査するということは、非常に、本決算委員会としておかしいと思うのです。ですから課長、部長でなくて、できれば大臣、次官くらい来て、政治的な責任を持てる者が来て、こういうばからしい事案を再び繰返すことはいけないということをしなければ、我々の任務は全うできないわけですから、だから、この点は一つはつきりきめて次の事案に移つて頂きたいと思います。
  39. 小林亦治

    委員長小林亦治君) その点について政務次官を呼んでありますが、今日都合が悪くて、改めて見えるはずです。  それでは部長が見えますまでに農林漁業資金融通特別会計、千五百十三号であります。これを問題に供します。検査院の御説明を願います。   —————————————
  40. 大沢実

    説明員(大沢実君) 千五百十三号について御説明申上げます。  この農林漁業資金融通特別会計という特別会計は、御承知の通り、二十七年度で廃止しまして、この融資残高及び業務ば挙げて二十八年度から発足しました農林漁業金融公庫のほうに移されたわけであります。そうして会計検査院といたしましては、この農林漁業資金融通の検査をどうするかということを考えまして、やはり全国的な融資の実際を把握しなければならんのではなかろうかと考えまして、時間の許す限り、人員の許す限り、各方面に亘つて検討したわけであります。これは概況を申上げますと、昨年のこの検査報告を取りまとめる時期、二十八年の十月末現在頃までに融資されておつた件数が約一万九千件ありました。その金額は約三百九十億であります。そのうち会計検査院で実地につきまして検査いたしました件数が九百二十四件、一万九千件に比べると五%程度のものでありますが、これは大阪府ほか北海道及び十五県に亘つて抽出的に検査したわけであります。その結果千五百十三号に掲げてあります融資のやり方、審査の方法或いは融資後の管理が適当でないと認められた件数が百二十五件になつております。そうしてこの貸付金額が五億七千万円、この五億七千万円の貸付のうち、ここで貸さなくてもよかつたのではないかと考えられる金額は三億四百万円ということになつております。そうして、これはその検査の都度、もうすでに農林漁業資金融通特別会計は廃止されて、事務が農林漁業金融公庫のほうに移されておりましたので、農林漁業金融公庫のほうについてその事後処理について照会を発して、それぞれ意見を闘わした結果、公庫のほうでも大体認められまして、今年の二月現在かと思いますが、三億四百万円という融資をしなくてもいいという金額のうち、一意三千万円程度のものは回収されております。あとはその後又是正しようとしてそれぞれ整理されておるという状況であります。一応概況はそういう状況でありまして、書いてあることを御説明申上げますと、第一に(1)に書いてあります分は、資金を融通する場合に、もう少しよく検討したならば、こうしたものは融資対象にするのは不適当だということがわかつたではなかろうかと思われる件が三件、六千九百六十万円というものがあります。  この三件を簡単に御説明しますと、  一件は冨田町の農業協同組合、ここに出ておる分でありますが、これは貸付申請当時には設計書が提出してなかつた。どういうことをやるかという成規の設計書が提出されてなかつた。それで仮設計そのままを認めて融資されたのでありますが、殆んど仕事は進まずに、二千万円の貸付に対して、二十八年の九月に現場に行きましたときには二百三十万円というものが漸くに着手されたような状況であつた。これはもつと設計がはつきりしてから貸付けたほうがよかつたのではないか、こう考えられます。  それからもう一つは広島の田幸村という所の土地改良区に九百六十万円貸付けたのでありますが、これは図面を見ますと、灌漑排水の工事でありますが、主要な排水路よりも、地図から見ましても、もつとそのレベルの高いほうまでも受益地区に入つて、その人たちがそれぞれ受益者負担金を払つてこの工事をするという設計になつております。考えてみましても、灌漑排水が自分の所に全然利益を及ぼさない所まても受益者としてそれをみんな負掛さしておるという設計は、初めからどうも少しおかしかつたのではないか。そのために、結局最後におきましては、そうした余り受益しない人たちが負担金を負担するのはいやだというようなことで紛争を生じまして、これは二十八年のたしか七月頃実地検査をしたのでありますが、まだ工事は全然着手されていない。こういう状況であります。  それからもう一つは、鹿児島の高山町という所の土地改良区に貸付けたのでありますが、これは小さな町の土地改良区で、技術者も一人しかいないという話でありますが、そこで四千万円という大きな用水路の改修等の工事計画して融資申請された。これに対しまして、できるだろうというので四千万円貸付けたわけでありますが、結局これもなかなかそうした厖大な工事でありますので着手ができず、これも二十八年の九月頃検査しましたときにば、一四%程度しか当時は工事ができていない。あとはそのまま貸付金額は取扱つた銀行の預金として残つておるというような状況でありまして、この三件は、もう少し審査のときに十分審査したならば、こうした金額を一時に貸付けなくてもよかつたのではないかと思われる件であります。  それから(2)に書いてありますのは、これは融資します場合に、この一つ工事が国庫補助を受ける工事であるか、受けない工事であるかによつて、融資の金額がよほど違うわけであります。国庫補助を受けない工事ならば、総工事費の八割まで融資する、ところが国庫補助を受ける工事ならば、受益者負担金というか、地元負担金、つまり大体補助が七割、八割くらい出ますと、あとの二割、三割、これの八割を融資すればいいということになつておりまして、この(2)に書いてありますのは、融資するときには、すでにそれが国庫補助事業であるということが補助指令を受けてわかつておる。だけれども、それが審査するときにはわからずに、非補助事業ということで相当厖大な金額を貸付けた。そのために五百八十万円というものがいわゆる限度超過の貸付になつておる。こういう事案であります。これが全部件数としまして四件というものがそういうことになつております。  それから(3)に書いてあり、ますのは、同じような事案ではありますが、初め融資するときにはまだ国庫補助事業になるかどうかわからない、そうした場合には、当時の扱いとしまして、若しもこれが国庫補助事業に指定されたならば、そして補助金が交付されたならば、その補助金相当額は優先的に繰上償還するということを念書を入れて契約しておつたわけであります。ところが貸付けたときはそれでいいのでありますが、あと県その他へ連絡されて、実際補助が来たかどうかを調べて、その分を念書に従つて償還させなければならないのを、その間の監理が不十分であつたために、補助金はすでにもらつているのにその分が繰上償還されていなかつた。これが補助金額にして八百二十九万円というものがそうしたことになつております。  それから(4)に書いてありますのは、これはいろんなケースがあるのでありますが、結局最初に融資申請される場合には、例えばここの堤防なり井堰を改修するのだということで融資申請されておるが、実際の仕事は、そこの仕事をせずに、ほかのところの溜池を作るとかいうような別の仕事をしている、或いはそれを自分の組合などの運転資金に使つているというように、目的外にその融資金額が使用されてしまつた。これをそれぞれの金融機関がもう少し十分に目を光らしておれば、その点を発見して繰上償還をさせるべきではなかつたかと思うのが、十分にその間の監理が行われていなかつたというのが(4)に掲げてあるものであります。これが一億八千百万円ほどあります。  (5)に書いてありますのは、これは融資申請したその仕事は融資を受けたところで工事を施工しておるのであります。併しながら初め申請した金額よりも少額で工事が完成している。こうした場合には、又これも契約によりまして、契約といいますか、むしろこの資金融通法の建前からいいまして、必要な金額の八割というものを融資することになりますから、それ以上は限度を超過して貸付けているものは繰上償還させなければならんというのが、やはり監理が不十分なために限度超過のまま、まだ償還になつていなかつたものでありまして、これが四千百万円ほどあるのであります。以上(1)、(2)、(3)、(4)、(5)と項目に分けて、それぞれ融資の審査が不十分であつた点、或いはその後の監理が不十分であつた点を掲げておる次第でありますが、ただこの記述が非常に、ほか何ヶ所というようなことでおわかりにくいかと思いますが、これは北のほうの県ばかりあがつておるようでありますが、この記述の掲載上、北のほうを頭に書いて掲げたので、こういうことになつておるのでありまして、九州から中国、四国に亘つてもこの中に入つておるわけであります。そこでこうしていろいろな融資上適当でないものがあることの原因はどこであるかということを探求しました結果が、三百頁に(ア)、(イ)、(ウ)として書いてあるのでありますが、これは当時はまだ農林省内部の資金融通特別会計でやつておるのでありますから、農林省として補助金を交付されるという場合には、この工事には、初めは非補助事業つたかも知れませんけれども、これだけのものは補助金が交付されているということを連絡されれば、その分はすぐ特別会計に繰上償還の手続をするというふうに、部内連絡が十分であれば、比較的早くこの補助金の繰上償還、或いは非補助事業として融資したものが補助事業になつたときのすべての融資金額の変更ということはできたであろうと思われるのが、この農林省部内の連絡が不十分であつたためにそれが行われていなかつたのではないかという点が一点であります。  それから第二点としましては、融資後の監理、いわゆる監査機構というものが十分整備されていないために、融資した先は勝手に使つていても、なかなかそれを抑えにくい。又この資金融通は大体農林中央金庫の各地の支所その他市中銀行が委託金融機関として融資しておるのでありますが、こうしたものも、人手薄とその他の理由で、なかなかその融資後の現場の把握というものが十分行われていないということで、この監査機構の不整備ということも一つの原因であつたのではなかろうか。  それからもう一つ上に書いてありますのは、これはここに書いてありますように、「必要があると認めたときは関係都道府県知事の意見を求めることができる。」つまり融資する場合に都道府県の知事の意見を求めることができるとあるのですが、まあ人手不足その他の関係もありまして、実態を見ますると、殆んど都道府県の知事といいますか、その農地関係の方が、これと、これと、これは融資してくれというと、そこを融資する。そうすると、その県のほうでできているといわれると、できたと思つて、おる、というように、県のほうに或る程度任せつきりになつている。これが何ら法律上、県が責任を持つ体制にもありませんし、又これに罰則もないのでありますが、そうした点で県のほうにあまり依存しがちである。こういつた点がこうした適当でない融資が発生し、又融資後の監理が適当でなかつたことの原因ではなかろうかと考えておる次第であります。この点に関しましては、農林漁業金融公庫に改組と言いますか、農林漁業金融公庫が発足しまして、相当いろいろな点で努力はされおるのでありますが、まだ二十九年、今年の実地検査の結果を見ましても、ここに掲げてあります類似の事態は、件数としてはやや減少しておるようには見えますが、まだ残つております。将来としまして更に一層、今度は農林漁業金融公庫と農林省の連絡とか、補助金を出すか出さんかということの連絡、それから公庫内部の監査機構及び受託金融機関に対する指導というものを、もつと徹底的にされると同時に、県に対して或る程度責任を負わせ、そうした委託料を多少負担しても、若し県が偽わつた竣工の報告を出して来てやつておるという場合には或る程度の損害賠償も付し得るというように、何か県との間に協定を結んだならば、或る程度これは防げるのではないか。現に住宅金融公庫のほうでは県との間にそうした協定がありまして、或る程度の委託料を払つておりますが、県の職員が例えばこの建物はできたという証明を出して住宅金融公庫は金を貸した、ところが実際できていなかつたという場合には、県のほうがその弁償金を払うということを協定しております。こうした方法を考えたならば或る程度こうしたことは防げるのではなかろうかというように考える次第であります。なお本年の検査の結果を見ますると、県のほうも、今のような何ら法律的な責任その他はないのでありますが、我々が検査するという場合には、管内を廻りまして、こうしたものはないかということをそれぞれ検討している県も相当ありまして、実地検査に行くという通知を出して行つて見ますと、その直前に相当の金額が繰上げ償還されておるという事態もあります。こうした点で、県のほうも相当真剣になつて来ておられるという点もわかります。併しながらまだまだ不十分ではなかろうかと考える次第であります。二十七年度検査報告に関連しまして、二十八年度状況も一応説明申上げました。
  41. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 農林経済局からは金融課長の松岡君が、それから農林漁業金融公庫からは検査役の真板君、調査役の伊藤君、業務課長の三浦君が見えております。
  42. 山田節男

    山田節男君 農林漁業資金融通特別会計による支出状況、総件数が一万八千九百余件である、その五%に過ぎない百二十五件を調べて会計検査院報告された、ここの千五百十三号の事案でありますが、これだけ見ても大体この特別会計の支出の目的以外に使われたということの額が大体一億五千万円、五%の検査で、すでにもう一億五千万円というものがこの特別会計から不当な貸付というものがなされておる。そうするとあとの九五%のなかで、この率で行けば少くとも三十余億円の金がこれに類似したような貸付がされておるという類推解釈をしても、これは私は決して誤まりではないであろうと思うのであります。そこで農林省として、かようなだらしのない貸付をするということが一体どこに隘路があるのか、今会計検査院から指摘された三点をここに挙げられておりますが、この点に関して一体農林省は、殊にこういう貸付に責任を持つ農林省として、これらに対してどういうような考えを持つておられるか。それを先ずお聞きしたいと思います。
  43. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 只今検査院のほうかくら御指摘になりました諸点、誠に遺憾に存じておりまして、現在におきましてもその是正には大いに努力をいたしております。又今後ともこのようなものが発生いたしませんように種々研究し実行いたしておるのでございます、特別会計当時におきましてこのような事態が発生しました原因につきましては、只今検査院のほうから御指摘がありました通りでありまするが、なお年々二百億程度の融資をいたしておりまするし、件数から申しましても一万数千に上る額になつておるのでございますが、それに対しまして特別会計当時におきまする人員と申しまするものは僅かに四、五十名でございまして而もまだ発足早々でありまして相当に不慣れな人々が集つてこの事務を処理をいたしておつたのでございます。又委託金融機関におきましても、二十六年度に特別会計が設置をされまして、農林中央金庫、地方銀行等におきましてこの業務の委託を受けたのでございまするが、その際におきましても、委託金融機関におきましても新たに人を増員いたしまして、金融機関としての事務についても不慣れでありまするが、特に土地改良とか林道とかそれぞれの技術的な知識を要する仕事の審査に、非常に何と申しまするか、未熟な人々が当つたのでございます。それらの関係もございまして、先ほど指摘のありましたような審査不十分というような事態が起きた点もたしかにあるかと存じます。又検査院の御指摘のありました補助と融資との連絡の不十分、この点は相当に事務的にも複雑な点でありまして、一方において補助の決定がありまして、それが中央において決定されまするならば、農林省の内部で直ちに連絡がとれるのでございまするが、一応、県に下りまして、それから補助決定がされまして、それが末端に下りましてから上に連絡をとる、そういう連絡体制が不十分である。そういうようなことから、そのために補助事業になつたものが融資を相当受けており、補助に相当する部分を償還しなければならないのに償還が遅れておるというような事態に相成つてつたかと、かように考えておるのであります。
  44. 山田節男

    山田節男君 この農林漁業資金融通特別会計は二十七年度で打切つた、こういうことになつておるのですが、若しできれば、極く最近の集計でこの特別会計による貸付の回収がどのくらいできておるのか、従つて未回収のものがどのくらいあるのか。若しここで説明できれば説明して頂きたい。若しできなかつたらば、後日資料として年度に分けて回収の最近までの状況一つ出してもらうように努力願います。
  45. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 只今御質問のありました回収と申しますのは、この検査院のほうの御指摘になりまして不適正と御指摘があつて、その分についての回収の努力の模様でございますか……。それでは概括的に申上げますと、御指摘のありましたもので、その中、繰上償還をしなければならんと考えられますものにつきましては、現在までに大体九三%程度を回収いたしております。
  46. 山田節男

    山田節男君 全体としての償還、いわゆる回収した額ですね、それとパーセンテージ、最近の数字でどのくらいあるのですか。
  47. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 今年の九月二十日現在におきまして、繰上償還を要する額として認定いたしました額が、一億七千六百六十七万五千百四十八円でございますが、これに対しまして償還を済ましておりまする額が、一億六千五百万九千七百七十一円、この割合は九三%でございます。
  48. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 全体の回収率はどのくらいになるのですか。会計検査院指摘事項以外も含めて全体の融資の回収率は……。
  49. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 全体の回収は、二十六年度に特別会計が発足いたしまして、二十八年度農林漁業金融公庫に変つたのでございますが、この間に三カ年を経過いたしております。その間におきましては、大体農林漁業金融公庫、これは元の特別会計でございまするが、それに扱つております長期低利資金の大部分は大体据置期間中でございます。そのために償還というものは割合少いのでございますが、今年あたりから償還期が到来いたしております。併しながら繰上償還、これは必ずしも不適正というばかりでなくて、補助金が豊富になつたためにその部分を約定に基いて自発的に償還して参るもの、又農林省或いは農林漁業金融公庫におきまして、繰上償還を適当と認めるもので若干償還が行われておるのでありますが、これは全体、毎年の融資額に対しますると、大体二十八年度あたりにおきましては、一割五分から二割くらいの割合で償還になつております。
  50. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 融資した金額が補助金等の結果当然償還さるべきものである、かように御認定になつて、而もまだ償還されておらない、その割合及び金額はどれくらいになるのですか。
  51. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 割合及び金額と申しますと、具体的に計算はいたしておりませんが、最初非補助事業といたしまして融資いたしまして、それが後に補助事業と決定いたしました際には、当然に補助金相当する額を償還してもらうことになつておるのでございますが、これは二十九年の例で申上げますると、二十九年度におきましては、そういうものの未償還があつてはならないというので、相当に監理に注意いたしました結果、相当の繰上償還が、これは過去のものでございまするが、過去のものにつきまして相当の繰上償還が行われております。但し最近におきましては、その点につきましては検査院からも御指摘がありましたように十分注意いたしておりまするので、今後においてもそういう性質の償還がありまして、償還が遅れているというような事態は漸次減つて参るかと思つております。
  52. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 融資したものが補助事業に変つて、当然それだけの金額は償還されなければならないという、その総計の一覧表を一つ資料としてお出し願います。
  53. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 承知いたしました。多少時間をお貸し願いたいと思います。
  54. 山田節男

    山田節男君 さつきも質問したのですが、この千五百十三号の事案について、三点挙げて、現在の、これは現在はないにしても、こういう特別会計の取扱いについて、非常に不備な点と思われる点が挙げられておるのですが、これを調整するために、どういつたような処置をとつたか。現在あなたがやつておられる職場において、こういつたことがどの程度まで実行しておられるか。例えば監査機構については人数が非常に少かつたと言つておられますが、現在はどうなつておるか。この点を一つ具体的に御説明願いたいと思います。
  55. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 先ほど説明のありました点について具体的にその後の処置を申上げますると、先ず農林省の内部の連絡が不十分であつたという点につきましては、今日では農林漁業金融公庫となつておりまして、農林省と公庫との連絡の問題でございますが、これは先ほども申上げましたように、補助事業の決定が地方において行われますので、地方の農地事務局或いは府県等におきまして補助決定がありましたならば、直ちに委託金融機関に連絡をとるというように、農地局とそれぞれの関係部局から連絡を、連絡と申しますか、指令をいたしまして、十分にその連繋がとれるようにいたしております。  それから第二点の監査機構の問題でございまするが、これは特別会計当時におきましては、人員も極めて少数でありまして、審査決定のほうに追われておりましたために、事実問題として監査が殆んど行われなかつたのでありますが、農林漁業金融公庫が昨年発足いたしまして、人員も若干増員になつておりますし、二十九年度に入りまして、更に増員を要求いたしました結果、特に事後管理についての人員の増加を認められましたので、事後管理の十分と、監査の徹底という目的で、管理部関係の人員を増加いたしましたのと、監査室を設けまして、監査室の人間が、これも数はまだ決して十分とは申し得ませんが、監査室の人間が現地におきまして調査いたしまして、不適当と認めるものは直ちに処理をするというようにいたしております。  第三点の、取扱い金融機関が、都道府県知事の意見に依存して、その意見をそのまま呑んでおるという点でございますが、これも誠に御尤もな御批難でありまして“実は委託金融機関の事務の当事者は現在のところ若い人々が多く、且つ土地改良、林業その他の技術については殆んど知識のない人々であります。その結果といたしまして県の土地改良技術者その他の意見を十分に尊重しなければやれないということもございまして、県に相当な意見を要求しておるのでありまするが、これにつきましては県においても更に責任ある体制をとつて頂くために、二十九年度から県に対するこの仕事の委託費を大幅に増額いたしまして、農林省といたしましても、農林漁業金融公庫といたしましても、県の計画の審査と申しますか調査を十分にやつてもらうように希望且つ要求をいたしております。この点につきましては、今後とも更に、農林省といたしましても、県のこの方面の事務の充実に必要な措置をとりたいと考えまして、現在来年度予算にその必要な経費を要求中であります。
  56. 山田節男

    山田節男君 そうすると、今の御説明によると、農林漁業資金の融通特別会計、これが廃止されて今日は農林漁業金融公庫がこれをやつていることになつておるのですが、そういうことになると、直接政府が、あなたのほうで、例えば今ここに批難事項として挙げられているような、地方の協同組合が金を貸付けてもらつてもそれを使つておらんとか、或いは目的以外にこれを使用している、而もこの会計検査院検査によると五〇%以上、百二十何件のうちで七十件というものがこの目的外に使用されている、こういつたような本来の使命に反した貸付をしている、こういうようなことは、これは農林漁業金融公庫ではそれを是正するだけの権力はないのじやないかと思います。こういう点までも、現在政府として立入つてそういうものを是正するというような監査監督ができるのかどうか。この点をお伺いしたい。ただ公庫が全部肩代りされてしまつて、金融公庫が全部責任を負わされているかどうかですね。
  57. 松岡亮

    説明員(松岡亮君) 農林漁業金融公庫といたしましては、契約上目的に反する資金の使用が行われました場合には償還してもらうという措置をとつておるわけでございますが、そのほかに農林省といたしましても委託金融機関に対する監査権を持つておりまするし、その他借受先でございます農業協同組合、土地改良区等に対する検査権も持つておりまするので、必要によつてはその方面からも検査をする。又府県知事におきましても国から委任された範囲内におきましてそういう権限を持つておりまするので、県のほうにもそういうことを依頼したい。さように考えておるわけであります。
  58. 山田節男

    山田節男君 会計検査院にお聞きしますが、この当時の特別会計による貸付が約一万九千件あつて僅か五%の検査しかできなかつたということは、やはりこれは検査人員に制約されてこれだけしかできなかつたのかどうか、その点を一つ。併せて、他の貸付金の場合もあなたのほうの検査というのは大体五%程度しかできないのかどうか。これもお聞かせ願いたい。
  59. 大沢実

    説明員(大沢実君) 御指摘の一万九千件のうち、ちよつと件数は違うのですが、検査しましたのは九百二十四件でございます。これ以上できないかというお尋ねでありますが、現在は農林漁業金融公庫になつております。この公庫を検査しておる課の今の検査員が三十名程度でありまして、各種公庫その他いろいろな機関の検査担当しておりますので、できるだけこのほうは、新らしい特別会計及び公庫であるから、最初のうちによく見ておこうというので、できるだけ人員を割いたのでありますが、遺憾ながら現在の人員ではこの程度のものしか施行できなかつたのであります。二十八年度においても大体この程度、二十八年度といいますか、二十九年の検査においてもこの程度、或いはもう少し率は下つたかと思うのですが、その程度しか施行し得なかつたのであります。その点は、まあ人員に制約されたとおつしやられればその通りでございます。
  60. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 金融公庫の伊藤理事がお見えですが、農林省のほうから監査機構の整備を要請せられておるというのですが、何か今日まで具体的な成案というものはでき上つていますか。
  61. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 監査室というものをこしらえまして、監査を担当する責任者、調査役を三人置きまして、これに補助者をつけまして、大体三班、監査担当の班を編成したわけでございます。大体当初の考えでは、その三班で全国の受託金融機関を少くとも一回は廻つて見られるというように考えておりましたのですが、現在実行してみますと、その後、各県の信連、信用組合連合会が受託者になりました関係もございまして、受託者が非常に殖えたという関係もございますし、それから調べが深く突つ込むことになりますと、どうしても日数を余計要しますので、どうも、本年度からそういうことにしたのですけれども、これでまだ不足である、できればこの倍ほしいというふうに考えております。
  62. 島村軍次

    島村軍次君 この機会に、金融公庫の総体についての問題で検査関係のある事項を伺つてみたいと思うのですが、資料はどなたか御要求があつたようですから、この貸付をした現在までの二十六年からの全体に対する貸付及び償還期限の来ておるものの情勢はどうなつておるかということ、それから、でき得るならば各受託機関別にその金額を示してもらいたいと思います。  そこで私は、この資金を融通を受ける立場から一つ併せて御答弁を願いたいと思うのですが、どうも手続が非常に面倒だということは一般の評だと思うのですが、貸付に関しての事柄でありますから、相当厳格なものを要しますが、実は審査をされるその事柄は極めて僅かのポイントであつても、添付書類を実にたくさん要求しておる。これはまあ初めの間ですから、例えば協同組合にしたつて、その内容がちつともわからんからして、協同組合の資産表から、累年の統計から、出資の内容から、設立当時の状況から、まるで一切を調べられるというようなのが現状であつたわけですが、多少簡易になつておるかと思いますが、その点について一つと、それからもう一つは、貸付をする場合に、受託金融機関というものも十分な調べもやられるわけですが、府県もやる。それから又府県も、業種な非常に分れていますから、三つにも四つにも分れてやるというので、この貸付を受けるのにはもう煩瑣で困る、こういうふうなことをよく聞くのですが、この点に対して何か簡易な方法をお考えになつておるかどうかということ。  それからそれに関連して、府県知事の貸付の条件に合うか合わぬか。  それから大体最初割当てられるときに府県に幾らということになるのだろうと思うのですが、その場合に県知事に委託して委託費を計上したというのですが、具体的にこの委託費はどういうような方法でおやりになるのか。これは検査院の御指摘にもあつたようでありますから、その点について一つ説明を願いたいと思います。
  63. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 現在貸付けられておる貸付金は大体六百四十億程度でございますが、期限が来まして延滞になりました金額は、ちよつとこれは二、三カ月前の資料でございますけれども、大体七千百万円。これは先ほどお話のありましたようにまだ大きな償還期が来ておらなかつた関係もあると思います。業種別の分は後ほど資料ができましてから資料で差上げたいと思います。  それから貸付のとき取る資料が非常に煩瑣であるというお話でございますが、おつしやいましたように、その農協のバランスシートを累年の分を取るというようなことは、今日では最近の分ということに改めております。それから一つの農協が何度も借りに来る場合にはもう要らないというふうに改めております。その他の資料につきましては、やはり問題になる点は或いは少いかも知れませんが、一応全部見せて頂かんと困りますので、まあ金を扱いますときにはかなり慎重になりますので、煩瑣かも知れませんが、これは御辛抱願いたいと思います。  それから、県庁でも調査し、公庫でも調べ、受託機関でも調べるので、あちこちで調べられてかなわないというお話でございましたが、具体的に受託機関におきましては、耕地整理の技術でありますとか林道をつけるとかいう技術はございませんので、これはどうしても県庁の技術者の力をかりなければこの仕事はできないのでございます。ほうぼうで調べるということよりも、県庁の助力を受けておるのでございまして、これをどつちかやめるということはちよつと困難かと考えております。  それから委託費につきましては、大体例えば土地改良でございますれば、県庁の人が現地を見て設計を見るのに一回、それから途中で工事の進行状況を見るのに一回、それから竣工したかどうかという最後の検査に一回、大体三回ぐらいの出張旅費、事務費等を差上げるというふうな計画で配分いたしております。
  64. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 資金融通法の場合、又金融公庫の場合、その貸出に当つて、担保、又は保証はどのようにやつておりますか。
  65. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 農業協同組合が相手方でございます場合は、役員の連帯保証を要求しております。その事業によりますが、農地改良であれば担保は取つておりません。共同利用施設、例えば罐詰工場を作るといつた場合には、そのできました施設を担保にとつております。だから貸付の相手方が会社個人であります場合は、どうも今までの成績から見まして、これと同じ扱いはできませんので、かなり厳重な担保を頂いておる場合がございます。
  66. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 資金を融通された場合において、万一損害の出た場合は、国家がどの程度の補償をしますか。
  67. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 国家の補償というものはございませんので、むしろ私どもは、損をいたしますれば、政府の出資が減るということになるわけだと思いますが……。
  68. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 それは巷間に、農林漁業資金を借りた場合に、金融機関に二割預金するという融資条件がつけば金は借りられる、すでに借りた場合に、二割程度の違つた意味の預金をすることを条件にするように巷間聞いておりますが、その点については、あなたはどんなお考えですか。
  69. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 公庫は、受託金融機関、銀行に扱わせます場合に、貸付がきまりますれば、その貸付金の二割を金融機関に保証さしております。この二割と申しますのは、損失の起つた場合は損失の二割でありますけれども、先ず初めは全額の二割に当るわけでございます。それで今まで銀行では、今おつしやつたように二割の預金を担保として取る例がございました。監査の結果それを見つけましたので、今日では皆やめてもらつております。監査の結果発見されるものはございませんが、或いは何か裏をくぐつて、直接その預金ではなく、別のものを取つておるものがないとは限りませんが、私どものほうから申しますと、事業費に八千万円貸付けておる。その中から、八千万円の二割を別にとられてしまえば事業ができなくなりますので、そういうことは極力やらないように受託機関に申付けております。
  70. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 私は、資金融通法から金融公庫に業務が引継がれますが、大体当時の貸出その他については、開業早々でありますから、いろいろ不備があつたことは先ほど指摘されておりますが、さような意味で、公庫に引継がれます場合において、大体回収不能とか、その他不良の見通しはもはやわかつておると思いますが、どの程度ですか。
  71. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 引継がれました当時は、まだ明瞭の不良というものは少うございまして、一応大体取れるというふうに考えております。今日七千万円の延滞ができておりますので、皆大丈夫だということは今日では申しかねる次第でございますが、どのくらいというのはちよつとまだ判定いたしかねております。
  72. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 農林省の方は御退席になりましたので、或いは御答弁どうかと思いますが、例えば融資が目的外に使用されておつたということは、いろいろな方法によつて検査するというお話先ほどつたのですが、検査の結果明らかになつたらどういうそれに対する処置ができましようか。
  73. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 公庫といたしましては、その貸したお金を返して頂くよりほかにないのでございまして、繰上げ償還の請求をいたしております。大体その目的外使用が、本当に悪質なのは、まれにありますけれども、二つも三つもの土地改良をやつてつて、相互に流用したというような例か相当多い。或いは設計を途中で変更したのに変更の手続をしておらんというようなものがあるので、悪意でないものもあります。非常に事情によりましては、その計画変更をあとから承認した形にいたしましてこれを認めておる場合もございます。その目的外使用は全部繰上償還を要求して大体返してもらつております。
  74. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 最も悪質な場合を想定して、それに対して厳重な処置をしたときには、どういう処置がございますか。誰か農林省の方おいでになりませんか。
  75. 伊藤博

    説明員(伊藤博君) 貸した金を返して頂くより強い制裁と申しますか、何か刑罰的なことは、実際私どものほうではできないわけでございます。
  76. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 会計検査院に何かそれに対するお考えがございますか。
  77. 大沢実

    説明員(大沢実君) 現在の法規を見ましても、これはちよつと刑罰的な処置としては困難じやなかろうか。やはりいわゆる貸し借りでありますから、借りた金を返させる、これがまあ一つの残された方法ではなかろうかというように考えております。どうもこの点が非常に不徹底だという感じも我々もするのでありまするが、現在の法規ではその程度で止むを得ないのじやないかというふうに考えております。
  78. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 千五百十三号についてほかにございませんならば、本省の桜井建設部長が見えられましたからどうぞ……。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  79. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を始めて。
  80. 永岡光治

    永岡光治君 先ほど問題にしたわけですが、六百一号の案件で、例の電力料金の引上げの基になりました単価ですが、これが先ほど課長さんの説明によれば、一つのほうの七百五十馬力ですか、これの船の修繕のために業者が約三百七十万円程度修理費をかけたので、そのために電力の料金の算定に当つてそういうものもカバーするという意味で、普通よりは以上のものを見積つて契約した、こういう話であるわけですが、そこで私たちが問題にしたのは、そういうやり方はいけないのではないかということで、非常にその単価算定の仕方が高いということを、昭和二十七年度決算の会計検査行つた際に、二十八年の五月か、乃至は六月頃、こういうように検査院のほうで説明をいたしておりますが、その際に関係当局に指示をしたけれども、過ちを直ぐその場では改めずに、六カ月ぐらい経つた十一月になつて初めて指示をしたと、こういうような実は農林省関係の当局からの説明を聞いたわけですが、余りにもこれは不当ではないか。五月指示されて若しそれが過ちであるとすれば、当然これは改むべきである。これは過ちを改めるのに憚ることはないのでありますから、当然すぐその場で改むべきが至当であるにかかわらず、六カ月の間に亘つて依然として処置を怠つたのみならず、なお且つ二十八年度そのまま強行しておつた契約をそのまま強行したというこの事実があるわけですが、一体こういうことを建設部長さんはどういうふうにお考えになつておりますか。
  81. 桜井志郎

    説明員(桜井志郎君) 検査院指摘を受けまして、事務局のほうに更改を通知するまでに六カ月かかりましたことは、これは誠に結果的に見まして、事務的に遅きに失したということにつきましては、十分後悔をいたしております。その間に検査院の御指摘と事務局との説明相当手間をとつたという事実もあつたわけであります。誠に弁解がましいことを申上げて恐縮でございますけれども相当手間をとつた。それから、はつきりこのことは非常にまずかつたということを確認いたしまして、直ちに今後こういうことがないようにという通知をしたわけでありまして、非常に長い時間をとりましたことは遺憾でございました。
  82. 永岡光治

    永岡光治君 私の聞き間違いかどうか知りませんが、聞き間違いであれば幸いですが、二十八年度の分についてはこの契約通り強行したように承わつておりますが、そうしますと、十一月でも改めなかつたのではないかと思うのですがその点はどうでございますか。
  83. 桜井志郎

    説明員(桜井志郎君) その点につきまして今ここではつきり改めましたという資料を持つておりませんので甚だ恐縮でありますが、私どもは通知によつて改められたということを信じ、安心したと申しましようか、今日たしかに、いつ改めましたということを申上げる資料を持ち合せておりませんので、甚だ恐縮でございますが、直ちに調べまして御回答申上げたいと思います。
  84. 永岡光治

    永岡光治君 今何のために私が言つたのかよくわからないのですが、そういうことであれば次回に譲らざるを得ないと思います。どうかそういういい加減な態度で出て来られるのでなくて、そうした点は、先ほど課長さんからの答弁で、想像だということだつたので、責任者が出なければよくわからん、こういうことで責任者である建設部長さんにおいで願つて、そうして答弁を求めることになつたものですから、どうも事務の連絡の不十分からそういうことになつたものと思うのですが、どうか一つこの次に来るときは明確に答弁できるようにして頂きたいと思います。では次回に譲ることとします。
  85. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは六百号、六百一号については、来る九日に農林関係補助金審査の機会に留保することにしましてほかに御発言もなければ、農林省所管については、一千五百三号、六百号、六百一号並びに黄変米問題を除いて質疑は一応終了したことと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと存じます。  本日はこれを以て散会します。    午後零時十九分散会