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1954-03-22 第19回国会 参議院 決算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十二日(月曜日)    午後一時三十八分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            植竹 春彦君            谷口弥三郎君            島村 軍次君            岡  三郎君            菊田 七平君    委員            青柳 秀夫君            雨森 常夫君            小沢久太郎君            松平 勇雄君            飯島連次郎君            奥 むめお君            豊田 雅孝君            大倉 精一君            木下 源吾君            高田なほ子君            永岡 光治君            東   隆君            鈴木 強平君   政府委員    食糧庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    農林事務次官  東畑 四郎君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保榮君   参考人    元農林大臣   根本龍太郎君    元農林大臣   廣川 弘禪君    元食糧庁長官  安孫子藤吉君    前食糧庁長官  東畑 四郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件理事補欠選任の件 ○小委員補欠選任の件 ○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)  (会計検査院検査報告批難事項第七  七四号に関する件) ○昭和二十七年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)  (会計検査院検査報告批難事項第一  五〇一号に関する件)   ―――――――――――――
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今より第十五回決算委員会を開会いたします。  初めに理事補欠互選並びに決算審査に関する小委員補欠選挙についてお諮りいたします。本委員会理事でありました長谷山君が三月一日委員理事を辞任されましたので、理事一名及び小委員一名の欠員となつておりますが、この際先例により委員長からそれぞれ補欠方々指名選任並びに選定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは委員長から理事補欠として谷口弥三郎君を、小委員補欠として小沢久太郎君をそれぞれ指名選任並びに選定いたします。
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは本日の議題に入ります。  本日は昭和二十六年度決算会計検査院検査報告第七百七十四号並び昭和二十七年度決算、同千五百一号を併せて問題に供します。  七百七十四号の件につきましては、前回委員会におきまして安孫子食糧庁長官外、当時の当事者の方の出席を求め、委員各位質疑が行われたのでありますが、未だ問題の核心を明らかにするに至つておりません。これら予算執行における不当なる処理と思われるものに対し政治的な批判を行い、これについて何らかの是正の方法を講じ、不当事項防止の対策を図ることは本決算委員会の使命であり責任であると考えますので、本問題の重要性に鑑み、本日は特に両件について当時の農林大臣でありました根本廣川両君に御多忙中にもかかわらず御出席を煩わした次第であります。なお、ほかにお手許に配付いたしました通り、両件について当時の当事者方々参考人として御出席なつております。  それでは委員諸君の御質疑を願います。
  5. 岡三郎

    岡三郎君 前の委員会におきまして不急麻袋購入した七百七十四号並びに千五百一号についていろいろと質疑行なつたわけでありますが、今日当時の大臣がお見えになつておりまするので、特段むずかしい点ではないのでありまするが、一、二お聞きしたいと思うのであります。  前の委員会において安孫子食糧庁長官から、当時の麻袋購入に対して事後において根本農林大臣に連絡をしたというふうな釈明がありましたが、当時三百万袋を輸入する事柄について根本農林大臣にどのようなお話があつたのか、その点についてお伺いしたい、こう思うのであります。
  6. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 御承知のように食糧庁仕事現業業務でございます。現業業務につきましては、農林省の分限につきましてはすでに御承知と思いまするけれども、これは長官権限ですべて実行いたしておりまするので、事前にも事後にも麻袋の問題については私は相談を受けておりません。従いまして私は麻袋問題がいろいろ噂されたことも、私の在任中に起つたことかどうかも実は知らないでおつた状況でございます。お尋ねの点について安孫子長官がどう言われたか知りませんけれども、私は全然在任中はこの麻袋問題については何ら報告もなければ相談にもあずかつておりません。
  7. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると当時米穀が非常に不足しておつたことは御存じのことだと思うのです。従いまして毎年米穀の収穫時、この生産高との比較から外米輸入計画というものをお立てになるということは当然だと思うのです。で外米輸入に対する計画その他について食糧庁農林大臣との関連において、そういうふうな計画についてのお話合いはあると思うのですが、その点は如何ですか。
  8. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 米の需給の問題は非常に重大な問題でありまするので、需給計画については相談も受けております。併しその際において麻袋の問題については何らの報告も聞いておりません。これは例えば米価の問題或いは供出の問題、或いは統制撤廃するか否かという政策の問題に関しましては大臣指示に従い、又大臣関係官庁意見を徴して指示するのでありまするが、払下げとか買取りとかということについては、すべてそのために内局じやなく外局として一切の権限長官に委任しておる、こういうことであります。
  9. 岡三郎

    岡三郎君 そうしますというと、当然常識的に外米輸入する、それはまあその時の秋の出来高に相応して次年度の大体の想定というものを十分慎重に御検討なされて、そうしてまた計画に当られると思うのです。当然外米輸入とこの麻袋というものは打つても切れない関係にあるので、農林省自体としてこの麻袋というものについては食糧庁長官一任ということで、大臣のほうには全然御関連がないと、こういう御回答であつたわけですが、前の決算委員会において、一応麻袋購入後においてこのお話大臣のほうにされたと、こういうふうに安孫子食糧庁長官のほうから御発表があつたわけです。そこの点が少し食い違うわけですが、それほど重要な問題とは思いませんけれども、その相違した関連ですね、なぜ安孫子長官根本大臣のほうに言つたのか言わなかつたのか、今の答えですと言わないと、こういうお話になるのですが、安孫子さんのほうからは事後報告はしてあると、このようなお話があるわけです。これは速記録に残つておるわけです。安孫子さんからでも結構ですから……。
  10. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) それはこの前安孫子長官がどういうお話をしたか、私は存じません。私は事実を聞かれたので事実を申上げておるだけでございますけれども、私は大体そういうふうな金額のものが不用になつたとか何とかいうことを聞きますれば、それは当然私も行政的の何らかの措置を講じたのであります。私は全然記憶を……、実は麻袋事件が……麻袋ということがその当時問題になつておることすら、最近衆議院においてこの問題が一般質問の中に出たときに、実は私の在任中にそういうことが起つたかどうか、そのときに実は私はぴんと来なかつたのであります。それほどでありまするから、在任中にそういう報告があつた記憶が全然ないのみならず、私としてはそういう決裁も何もしておりませんので、従いまして安孫子長官がどういうことを言つたかについても、私は実は極く最近において東畑現次官から当時のいきさつはどうだつたということを聞いたときに、実はここの決算委員会においてこういう話もあつたということを聞いて、ああそういうことがあつたのか、私は全然記憶がないと、こういうふうに言つたくらいでありまして、それは私に関する限りにおいて相談報告も受けた覚えはないのであります。
  11. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 前回申上げましたのは、ああいう職務体制がどうなつておるかということに関連して御質問があつたと思つております。その前申上げましたことは、麻袋購入問題については事前には勿論大臣にはお話をしておらんと、それから事後にはいろいろな食糧庁の中の出来事、当面の問題ということについてときどき一般的にお話をしておる、その際に或いは麻袋が非常に足りないから買うことにしたというようなことを申上げたかも知れんと、その辺ははつきりはしないけれども、お話をしたことがあたかも知れんというような趣旨だつたかと思います。或いは、速記録も説んでおりませんが、必ずそれを報告したということではなかつた記憶いたしております。その点だけちよつと附加えておきます。
  12. 岡三郎

    岡三郎君 まあその点は今釈明があつたので深くは追及しませんが、その後の情勢でこれが二十六年の八月に小泉製麻外二社と契約をして、そうして二十七年の三月までにこれを納入さしたわけです。ですから根本龍太郎氏が大臣になられて、その中途でおやめになつたと思うので、その後この問題が進展して、二十七年の四月以降会計検査院のほうから指摘があつて、そうしてこの購入の経緯についていろいろと批難事項が出て来ておるというふうに我々はとつておるわけです。それで今お話があつたようなこの購入による損害というものが七億五千万円以上出て来た。而もそれが次年度二十七年度において更に不急麻袋五百万を例えば購入しておる。こういうことからこの問題について慎重審議して来たねけなんです。合するというと八億数千万円の食管赤字を出しておる。而も当時根本龍太節氏が大臣であつたときの契約によつて購入した麻袋が、二十七年度の十月までは一指も触れずに倉庫にそのまま放り込んであつた。こういうふうなまあ内容を揃えておるわけです。  そこで少くともこれほどの麻袋購入する場合においては、常識的に考えて外米輸入との関連から一応大臣のほうに話があつたのではないかというふうに我々は考え、その点について安孫子長官にも質したわけです。併し今根本氏から言われたように、事前事後においても話合いがなかつたということになるならば、その点がはつきりいたしましたので、我々としては釈然とするわけなんですが、事実はそういうふうな内容を持つておるわけです。  それで具体的に更に申上げますというと、いろいろと参考人が前の委員会で御答弁つたそのことについても非常にまだ疑問点があるわけです。というのは朝鮮事変関連とか或いはその他当時パキスタンなりインドとの関連上から麻袋が非常に窮迫しておつたというので、こういうふうな数量を買わざるを得なかつた。或いは又理由としてタイ米輸入するための準備としてタイとの購入いきさつその他から考えてみてこれを買わざるを得なかつた。こういうふうな御答弁があつたわけですが、とにかくこの三百万袋というものがそのままそつくり寝てしまつたということから考えてみて、こういうふうな不用のものをなぜこのような状態の中において買つたのかというのがまあ審議の頂点だつたわけです。そこで今参考人に御質疑を申上げたわけですが、そうすると同じ事柄昭和二十七年の千五百一号、やはり不急麻袋購入したものの中に出ておるわけです。このときには大臣廣川弘禪氏であつたわけでありまするが、このような購入に当つて大臣のほうに同じく御相談があつたかどうか、この点について。
  13. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 相談はございません。
  14. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと外米輸入計画についてのお話はございましたでしようか。
  15. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) これは根本君の言われた通り需給計画を立てて外米をどのぐらい入れるということはこれはきめるのでありますが、外米をどこからどのぐらい買うというようなことは飽くまで細かい相談はございません。
  16. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、これは当時の食糧庁の問題に限つて、そういうふうな問題については一切大臣関係では、大臣にはお話がない、こういうことになるわけですね。
  17. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) その通りでございます。林野庁のような外局もやはりその通りであります。
  18. 岡三郎

    岡三郎君 当時外米計画を立てて、この外来を入れる袋をいろいろと掛引使つてタイなり或いはビルマから米を購入したというふうな話が出ているわけです。それで外米買付の問題とこの麻袋の問題は切つても切り離せない要素なつているように我々はとつているわけです。そういう点でこの不急不用麻袋という関連から八億数千万円の赤字食管財政にあけたというふうなことについて、廣川当時の大臣はですね、廣川弘禪氏は、こういう関係についての問題の報告をお聞きになつたことがございますか。
  19. 廣川弘禪

    考考人廣川弘禪君) 報告を受けたことはございません。
  20. 岡三郎

    岡三郎君 では以上で私一応打切ります。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 今問題になついてる麻袋の問題は、タイ米の四十五万トン輸入関連する麻袋不用不急のものを買つたということが問題になつているのですが、今の御答弁を聞いているというと、こういう事務的なことには一切関係がないというお話つたのですが、私が今お伺いしたいことは、このタイ米輸入に関する交渉ですね、輸入に関する交渉経過内容はこれは当然お知りになつておつたと思うのですが、根本さんにお伺いしたいと思います。
  22. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 交渉の細部は聞いておりません。御承知のように食糧庁においてこれは在外事務所が出先にありますから、それと一体になつ交渉しているのであります。従つて当初、当時の数字はわかりませんが、タイのほうにおいて若干困難な線が出たので、それで或いは米州諸国、あちらのほうからも取らなければならんとか、或いは又エジプトのほうからも手を廻さなければならん、こういう報告はございました。併しタイの米を確保するために麻袋が必要であつて、それを現地調達しなければならないというような報告は全然聞いておりません。
  23. 大倉精一

    大倉精一君 そこで私はどうも腑に落ちないことは、麻袋を三百万袋購入したということが、四十五万トンの輸入を見越してその手当として買つたのだというようなことなんですが、その原因としては、タイ交渉をするときに麻袋の話が出た。これは正式な文書でも何でもなくて、ただ口頭麻袋日本で都合してくれというような話が出たというようなことも聞いている。ところがそれが正式な公文書とか何とかでなくて、ほんの口頭雑談程度のもので出たものである。然るにもかかわらず、更にタイの大体予定数量は三十万トン、四十五万トンというのが日本の大体希望数量に過ぎないのだ。そういうような恰好で話が進められておつて外米輸入が決定しない前に、どれだけもらうか或いは月々何トン入つて来るか、或いはどういう条件かということが決定しない前に麻袋を三百万袋買つた。それがあに図らんや一年間何も使わずに貯蔵しておつたというところに非常に不明朗なものを感ずるのですが、そういう場合やはり大臣としてはタイ輸入米条件なり或いはその他の条件には何ら触れておられないのかどうか、その点について。
  24. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 先ほども申したように需給計画を策定する当時においては大臣がこれは参画し聞いております。併しその一応の策定された輸入食糧をどこからどう買うかということについては全部これは食糧庁において実施しておるのでありまして、従いまして買付条件、そのために必要なる国内における整備をどうするかということについては全然聞いておりません。
  25. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと大体輸入食糧買付実施面というものについては大臣は全然タツチしないわけですか。
  26. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) これは非常に重大な齟齬を来たしたためにどつかから今度は外貨の割当を増さなければならんとか何とかいう場合においては相談を受けることがありますが、単なる買付現業業務については大臣に対して何らの相談なく今日までやつております。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 安孫子長官にお伺いしたいのですが、このタイ米輸入交渉の場合に麻袋をこちらに準備してくれという話があつた、このことは私は相当重要な問題だと思う。この輸入に関してそういうような重要な問題は、これはやはり大臣相談なく長官限りで勝手にどんどん勝手にというと語弊がありますけれども、唇限りでどんどんおやりになつておつたものか、そういうような重要事項について、外局限りであると言いながら、やはり大臣に御相談があると思いますが、その点はどうですか。
  28. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 総枠が三十五万トンか或いは四十五万トンのタイ米を入れるということは閣議その他できめるわけであります。まあその実施面食糧庁として担当するわけでありますが、それに附随いたしまして麻袋が足りないとか何とかいう問題が出て来るわけであります。当時は四月頃であつたかと思います。タイ貿易使節団が参りまして、その問題を提起したのであります。まあこれは我々だけで片付けようということで大臣には相談しなかつた、かように考えております。一般的にそうした麻袋問題なんというものは大体事務当局で片付けまして、主務大臣等には余り申上げておらんのが従来の例だと私は考えます。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 私は一般的にお尋ねするのですが、麻袋問題じやなくて、麻袋問題に限定むずに、やはりこういう外局限りの仕事であつても、それがいわゆる食糧政策なり或いはその他に非常に重要な問題である、或いは財政的にも非常に重要であるというような場合には、これはやはり大臣相談せられてその意見を通されるのが、これは当然だと思うのですが、その点はどうですか。
  30. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 大体論から申しますと、結局輸入ということになれば外貨の問題が出て来ると思います。この外貨をどう処置するかというようなことはどうしても大臣のお力によつて解決しなければならん問題でございまして、そういうことは縷々申上げまして、御相談して頂いておるのが通例でございます。  で麻袋の問題でございますが、これは結局輸入について麻袋一つのネツクになるということにおいては非常に重要な問題でございます。これは相手国との交渉その他いろいろな手当をすればですね、一応食糧庁の、大臣に申上げなくても、庁内だけで或る程度片付くと、こういう見方をいたしておつたのであります。まあそういう点で御相談は申上げなかつた。  まあ一般的なお尋ねでございますけれども、一般的な問題につきましては、外貨の問題とか或いはほかの役所の関係等にいろいろ問題が波及をするというような場合には、大臣にいろいろ申上げまして、そうして御指示を得てやつておる。庁内限りにおいてやり得る問題は、これは大体長官専決の形において実行しておるというのが通例だと私は考えております。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 それでは結論としてこの問題についてはですね、大臣は何もお知りにならないという工合も受取つてよろしうございますか、これは一つ大臣にお伺いしたい。何も知らなかつたと、根本さんにお伺いしたい。
  32. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 麻袋の問題については先ほど言つた通り私は全然承知いたしません。
  33. 岡三郎

    岡三郎君 で当時まあいろいろと米穀事情が窮迫しておつたことは説明でわかるのですが、安孫子さんにお尋ねいたしまするが、二十七年の四月の一日から内部でですね、食糧統制撤廃米穀自由販売という話が大臣からあつたと、こういうふうに伺つておるわけですが、それはいつ頃あつたのですか。
  34. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) まあ私の記憶ではですね、大臣が就任をされまして一月くらいでそのお話があつたように記憶いたしております。そうしますと七月頃か八月頃になると思います。
  35. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというとこの統制撤廃ということをするという話が二十六年の七月頃に根本さんからあつたと、それで一応四月の一日からこれを実施しようというふうな話は七月にあつたわけですか。
  36. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 四月一日から統制撤廃をしようというお話ではなくて、大体の行き方としては米は一つ統制撤廃をしたいと、まあそういう方向で考えてみたらどうかという程度の話であつたと私は思います。
  37. 岡三郎

    岡三郎君 その話は根本さんから廣川さんのほうに話が続いておるわけですか、これは廣川さんに。
  38. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) これは自由党の方針として成るべく自由にしたいというのでありまするから、同じ党から出ておりますものでありますから相通じておると思うのです。
  39. 岡三郎

    岡三郎君 この統制撤廃をするというので米穀の値上り等考えた場合にですね、外米手当をうんとしなければならんという話が当時内部にあつたというように聞いておりますが、その通りですか。
  40. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) その点までは私記憶ございませんが、統制を外すのには十分準備をしなければならんということは、これは誰しも常識で考えるところですが、あのときは直ちにこれを撤廃するというまでにはまだ機が熟しておらなかつたように記憶いたしております。
  41. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと統制問題その他で安孫子さんがおやめになつたという話を聞いておるわけですが、相当これは内部において問題化された私はものではないかと思つておるわけです。その当時廣川大臣のほうから統制撤廃をしろ、で安孫子さんのほうからは統制撤廃はできませんという関連で、廣川さんのほうから安孫子さんにやめてもらわなければならんというようなことになつたのではないかというような話に聞いておるのですが、そういうような関連から米の輸入麻袋との関連というものは、不必要なものを買わなければならないというように述べられておつたんですが、当時廣川さんが安孫子さんにやめてもらうとか、統制撤廃をするというので意見の衝突をしたというのは昭和二十七年の初めですか。
  42. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) この統制撤廃の問題で意見が衝突したというようなことはないと思います。あなたの今おつしやつたことは御想像じやないかと思いますが、おやめになつたのはこれは一身上のことでおやめになつたようでございます。ですから殊更にあなたおやめになつたらどうかというようなことは私はなかつた記憶いたしております。
  43. 岡三郎

    岡三郎君 まあその点について私のほうにも言い分があるけれども、今日は何も知らなかつた一点張りで廣川さんはおいでになる。で、なぜ安孫子さんがやめたかということは我々もよく知つておるわけです。で、そういうような関連、いろいろなそれも一つ要素ですが、統制撤廃するということから、やはり外米手当をするというそういつた関連上この麻袋の用意を必要以上にしなくてはならないという理由も又出て来ておるわけです、一つの項目として。そういう関連で今お尋ねしておるわけですが、四月一日から統制撤廃しようとする考えがなかつたのですか、本当にその当時……。これは廣川さんに伺います。
  44. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) そういう確たることは決定いたしておりません。
  45. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちよつと関連してお尋ねいたします。根本さんと廣川さんにお尋ねしますが、農林行政最高責任者はどなたでございますか。
  46. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) それは農林行政に関しましては農林大臣です。
  47. 高田なほ子

    高田なほ子君 たとえ外局でありましようとも、食糧庁或いは林野庁、それらに関する一般農林行政についての最高責任農林大臣にあるということに解釈ができますが、さようでよろしうございますか、お尋ねいたします。
  48. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) さようでございます。
  49. 高田なほ子

    高田なほ子君 さようにいたしますと、只今の御答弁では何も知らないと、この麻袋購入の件に関しましては何も知らないという御両所の御見解でございますが、知らないでは済まされないじやないかと思いますが、これについてどういう……、知らないということだけでこれはお済みになるとお考えになつておられますが、御両所の御意見を拝聴したいと思います。
  50. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 御承知のように行政の各省の責任者は担当の大臣です。併し非常に広汎な行政事務でございまするので、従つて官制並びに職制に従つておのおのこの職務の分担がございます。責任の分担があるのであります。その意味におきまして、たとえ一営林署の問題といえども政治上の責任を負わなければならないものは、そのおのおの職分に従つてなされるものではありますが、全体についての政治責任大臣にあるのであります。併し農林省でも御承知のように従前は、今何人おるか知りませんが、八万人も職員がおりましたが、おのおのつかさ、つかさについて一つ責任の段階を設けてやつておるわけでございます。特に現業業務については、政策の問題でありまする場合においては大臣責任をとつて指揮或いは指導をしておるのでありますが、現業業務についてはその事務規程に従つてつておることで、今回の麻袋事件はその意味において純然たる現業業務としてなされたので、我々に何らの報告もなければ相談もなかつた、この事実を申上げておるわけです。
  51. 高田なほ子

    高田なほ子君 事実はすでにお伺いいたしておりますので、私は事業をお伺いしているのではなくて、農林行政の中に占める重大な国家の予算執行の面における失態、これは争えない事実でありますので、こうした政治責任について知らぬ存ぜぬということでは済まされないのじやないか、こういうことを私はお伺いをしておるのでありますから、この点をはつきりとお答えをして頂きたいと思う。
  52. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 行政措置について違法の措置があつた場合或いは又不正があつた場合においては、その責任においてなしたところの行政官については、行政の責任をとらせるということは当然でございます。
  53. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、農林大臣は、その行政の責任をとらせる意味において、大臣責任において安孫子長官をおやめさせになつたのでございますか、どうでございますか、お尋ねをいたします廣川さんにお尋ねをいたします。
  54. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 先ほども申上げた通り麻袋の問題で失態をしたからやめてもらいたいというようなことは何もなかつたのでございまして、一身上の都合でおやめになつた記憶しております。
  55. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、根本農林大臣大臣としての行政事務に対する責任の感覚と、廣川さんの責任の御感覚が非常に違つて来ると思うのです。つまり廣川さんの場合は、安孫子さんは勝手にやめたので、私はこれについて何ら知らない、こういう御態度でございますが、この両大臣は、同じ農林行政を掌られる最高責任者として、若干ここに政治的な感覚の違いがあるように思いますが、如何でございますか。
  56. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 先ほど申上げました通り麻袋をどのくらい買つて、どのくらいストツクして、どのくらい市価と違うというようなことは全然承知いたしておりません。又行政面においてそれが過失であつたかどうかというようなことも承知いたしておりませんから、それによつてやめて頂くというようなことはあり得ないと思います。
  57. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、今度裏から返して参りますが、食管特別会計のこの予算執行責任は、総体的にどなたがお持ちになるのでございますか、廣川さんにお尋ねをいたします。
  58. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) これは食管特別会計に与えられたものの予算執行は、大体これは長官がやるようになつております。
  59. 高田なほ子

    高田なほ子君 長官だけの責任で済むのでございますか。少くともこれは国の重大な食管特別会計の予算でありますが、この予算執行の全面に対する責任というものはどなたが一体お持ちになるのか、食糧庁についてだけの問題を申上げているのじやないのです。全般の責任はどなたがお持ちになつていらつしやるのか、お尋ねをしているのであります。
  60. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 農林省全般については、これは当然農林大臣が全部責任を負うわけであります。
  61. 高田なほ子

    高田なほ子君 さようにいたしますと、食糧庁長官のこの麻袋の問題に限りましては、これは単独決裁であつたように御答弁があつたわけでございますが、併しながらその単独決裁が甚だしく国民に迷惑を及ぼした、経過の如何を問わず、結果的に国民に重大な損失を与えた、こういうこの予算執行の面における責任を最終的に負わなければならないところは、私はやはり農林大臣であるのではないかと思いますが、この点如何でございますか。
  62. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 最終責任は先ほども申上げましたように農林大臣にあると思います。但しその予算執行について、私が先ほど申上げました通り在任中にそういうことがあつて、それだけ迷惑をかけたということを承知いたしてないということです。
  63. 高田なほ子

    高田なほ子君 安孫子さんにお尋ねをいたしますが、この問題については随分安孫子さんも、善意であつたけれども、結果としては非常な失態をなさつたというふうにたびたびこの席でも御発言があつたわけです。こういう長官としての失態に対して大臣に進退伺を出すというようなことは一度もなかつたのでございましようか、お尋ねをいたします。
  64. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 結果的にはそういうことを、進退伺を出したことはございません。それからこの問題が非常に結果的に適当でないという事態が判明したのは二十七年以降になつてからだと思うのでございます。時すでに私はやめておつたものですから、端的に申しますと、翌年度外米輸入にこの麻袋を大量に使うような情勢になつておりますれば問題が又若干変つて来たと思います。まあそういう事態でしようね。それをストツクする状態になりましたので、その辺の見通しを当時の責任者といたしまして誤つた点は、これは誠に申訳ないと、かように考えている次第でございます。進退伺を出したということはございません。
  65. 高田なほ子

    高田なほ子君 結構です。
  66. 木下源吾

    ○木下源吾君 今旦元大臣お二人御苦労さんですが、この間からいろいろ聞いていますが、はつきりせんので一つ二つお尋ねします。  私はただこの問題が、大臣は変つておられても、自由党内閣ですからね、ずつと。その一つとして考えているわけです。従つてまあそういう観点に立つて一つ答弁して頂けばいいと思いますが、大体これは要らない物を買つているようになつているのですが、この点どういうようにお考えになつておりますか。あとからお聞きになつてのあとからのお考えでもいいのですが、根本さんでも廣川さんでもいいのです。要らない物を買つている。あなたのときも要らない物を買つている。それから廣川さんのときも要らない物を買つている。そうして二十七年の八月から二十八年の七月にかけて何も使つておらんということは、要らないものだということを立証しているわけです。この点についてはどうもはつきりせんのですね。而も千円、一万円のものではないのです。十何億のものを買つているのですな。これはどういうものなんですか、少しあなたたちのお考えなり事情なりを何しないとはつきりせんのじやないかな。
  67. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 私は先ほど申上げるように、実はこの四、五日前に、当時の状況はどうも私がはつきり全部聞いていないからわからないというので、実は東畑現次官に聞いてみると、そうすると、これはもうすでに農林省事務当局からお聞きになつているであろうと思いますけれども、当時御承知のように朝鮮動乱が始まつて、而もあの当時におきましては食糧事情が日本は非常に実は不利な立場にあつた。というのはセーラース・マーケツトでございまして、東南アジアのほうは朝鮮動乱に伴うところの外貨が、特にセイロン、パキスタン、それからインド、インドネシア、フイリツピンまで外貨が相当行つた。それでこれらの諸国は非常に国際……、米の市場において買手が競争をして、非常に強気に出て行つていた。そのために実は特に一番大きな売手であるところのタイ、ビルマが非常に問題になつて来た。ところが当時パキスタンとタイ国との間においているくの紛争事件が起つてつた。そのために東南アジアにおいて、世界でもそうでございますが、麻袋の原料がどうしてもタイのほうに入らなくなつて来た。そうするというと現在の日本の米の受入態勢からすると、これはバラ積みではこれは到底できない。そこでその方面において非常に困難を来たしたので、当時出先の外務省も、それから又当時タイの経済使節団と申しますか、あの当時毎年々々貿易協定というか、打合に来たときに、どうしても自分たちのほうで調達ができないから一つ日本において調達をしてくれと、こういうように言われていたのであります。日本としても御承知のように食糧が非常に困難な時代であつて、どうしても一番大宗であるところのタイから、これが五万トンにも三万トンにも減れば、今度はより高い米州物、或いは又エジプト物を買わなきやならない。そこで止むなくこれは麻袋の処理に手を着けた。ところが御承知のように朝鮮事変で朝鮮では塹壕を築くとか何とかということで、どんどんそれが高くなつて来たというので、非常に高く付いた。而もその当時におきましてはパキスタンとタイとの間がいつ好転するかもわからない。なお又朝鮮動乱の影響がどこまで続くかわからないということで、実は買つたということを私は極く最近に至つて報告を聞いているわけです。そのために実はこれは行政上の見通しというか、行政というよりも、むしろ国際情勢の見通しの判断ができなかつた。これは単に食糧庁だけでなく、外務省の方面の情報もいろいろ聞いたけれども、その当時においてはどうしても麻袋を自分で持つたほうが今後の食糧輸入のために安全な方法であると考えてやつたわけであります。而もこれは金額は大きいけれども、いわば払下げ或いは買入れという純事務的な問題であり、而もそれについては関係の当局とも十分に事務的に連絡をしてできたことであるから、行政上の、見通しの判断は誤つたかも知らんけれども、いわゆる不当なる或いは何らかの不正なる事実においてこれがなされたということではないということを聞いて、私も成るほどそうであろうと、こう思つている次第であります。今日数億の、十億に近い金がここで無駄になつたということについては、これは誠に遺憾でありますが、併しこれも又結果論である。従つてこれが果して当を得たかどうかということの問題については、現在ではやはりこのような財政窮乏しているときに、而もそういうようなものが直ちに有効適切に使われなかつたということについては、これはお互いに遺憾に存じますけれども、不正或いは不当なる意図の下に基いてなされたことはないと私は今日でも信じている次第でございます。
  68. 木下源吾

    ○木下源吾君 今不正だとか或いは不当という言葉を使うという前に、予算が非常に窮迫しているのに、一年も使わないのをそうして倉庫の中に入れておいて、三百万円からの倉敷を払つておるというようなことは全く常識で考えられないのです。ですからそのことは事務的な、或いは行政面の実施面だというのだが、やはり予算を組む、いろいろ予算のときにはあなた皆心配してやつたのでしよう。そういうときに而も一年余に亘つてですから、予算検討のときあたりはあなた方もやはり気が付いたのじやないですか、その点はどうですか。
  69. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 御承知のようにこの食管特別会計はずつと前から続いておるわけですね。従いましてこの計画の決定或いは買入数量というときについてはやりますけれども、一々食管特別会計の場合に棚卸をしてやつているのじやないのです。従いまして、而も私は在任期間七カ月でございまして、十二月の二十五日にやめておりまするために決算報告も聞いておりません。それから又次年度の予算措置についても、その結果がどうであるかということも聞かずに、まあ御承知のようにいろいろ例の統制撤廃問題などの、当時問題のあの紛争の中にあつて、殆んどそれに主として没頭し、更に又当時においては食糧の供出割当で御承知のような大変な騒ぎがありましたので、その点は実は私は聞いておりません。但しその食管特別会計として、或いは林野特別会計にいたしましても、こういうふうなときによくあることでありまして、これはお互いに我我は今度は大臣というか、国会議員として考えなければならんと思つておりますことは、木下さんも御承知のように、曾つては例の木炭の問題、燃料の特別会計を設けておつた。あれも国民のために成るべく安く、安定した需給状況を保というとしてやつたところが、御承知のようにこれ又今の麻袋以上の大きな赤字が出ちやつて、而もあのとき一時非常に政治的な疑惑を受けて、当時の片山、芦田内閣も相当ぎゆうぎゆう言わされたようでしたけれども、併しこれはやはり悪意あるものでもなければ、当然ああいうふうな状況下において止むを得なかつたというので、国会においてもこれの補正を認めておるという事実があるわけなんです。あれほど今度の問題は広汎な、又政治問題化していないようですけれども、これはやはり現業業務というものが、官庁でやられている場合においてはなかなかこれはむずかしい問題だと思う。そのためにやはり現業官庁はよほど精細に、そうしたところの事務的な監査を続けて、そして又必要なる場合においてはその途中においてもこういう問題を明確にいたしまして、措置をするというようにしなけりやならんじやないかという考えを持つておる次第でございます。
  70. 木下源吾

    ○木下源吾君 これはお聞きになつたでしようが、随意契約である、随意契約ですね、大きいものは主として……。そして而もこの何か食糧庁長官が……、そうしてこれがまあ話を聞いておると、大臣というものは全くないがしろになつておるような気がする。それで何ですか、一体官僚というのはこういうことばかりやることは面白くないと考えませんか。廣川さん、どうです。(笑声)まあ、あなたは今野人だからかまわないでしよう。(笑声)いや、本当に今出先の外部の……、何かあなたのほうの何かそういうのができたから、要るからというのでこつちのほうで先に買つてしまういうとか、勝手にやる、これは官僚がその当時も今でも、これは元の臨時軍事費でも官僚があずかつているような気持でやつておる実態がこういうことになつたのじやないですか、廣川さん、それを私は聞いてみようと思うのですが……。
  71. 廣川弘禪

    考考人廣川弘禪君) これは私らは善意に解釈するほうなんですけれども、ああいうふうに米の窮屈なときには、やはり国民の食生活を安定させるためにあらゆる努力をして用意をするということになるのですね。それでその用意をしたことが要するに用意をし過ぎたということになるのじやないかと思いますが、その逆を考えてなくて、これが入らなかつたというときと用心してやり過ぎたということじやないかと思います。  それから又この農林省あたりでやつておりますいろいろな外局のことを一一全部大臣報告を聞いてやる。又決裁をしなくちやならんというようになると、非常に事務の渋滞を私は来たすと思いますので、その点は私たちとしてもまだ今後考えなければならん点があるとは思いますが、決して臨軍費を勝手に使つたというようなことじや私はないと思います。
  72. 木下源吾

    ○木下源吾君 何かまあお三人とも大臣をやられたのだし、又大臣をやるだろうからというわけでもあるまいか、大変この官僚の諸君のやつたことを弁護をするのだね。(笑声)今ではそんなことはなくなつちやつてざつくばらんに言つて、国民のために、政府のためになることを一つ証言して頂いてですよ、八億なり十億なりの損害と言えば損害があつた。これを今後に、禍いをよくする方向に何かにこれを一つ……。あなた方折角二人元の大臣が来て、これつまらんじやないかね。(笑声)それでこれは私はどうしても納得行かんな、今の安孫子君の……。そうして安孫子君がやつたと言つてやめてしまつた。そうして今度は今の前谷さんに聞くと、気の毒だよ。(笑声)自分がやつたのじやないのに頭ぺこぺこ下げてだね。何のためにそういうことになるのか、根本がわからないと国民は安心しませんよ。ですからやはり自由党は責任あるのですからね、今だつて自由党が政治をとつておるのだから、悪いところは、やつぱりこういうことでこれは悪くなつておるからこうせにやいかんと思うとか何とか言わんと……。私はここでいま一つ、あなたがたにけちをつけようとは思わんですよ。この間からこういう問題ちよちよいここへ来て聞いておると、やはり機構の上にあるか、人の上にあるか、何かどこかに欠陥があるからこういうことになつたのだろうと思うのです。それは又その当時の事情は事情で、朝鮮の問題があつたりいろいろそれはありましたろうけれども。それだからといつて何でもやつていいというのなら、昔の臨時軍事費みたようなもので、勝手に買つていいと、ポケツトから自分の金でもやるように、やつたものですからね、御承知通り……、そういうことではとても今はいかんと思うのです。それでこんなことを五、六遍やられてからというもの、何ば政府の予算だつて、今は緊縮予算でしよう。二進も三進も行かなくなりますよ。それですから食管特別会計あたりでもやかましくなるというふうに思うのです。私は何度もあそこへ皆かわつて、又も首じや又も首じや、こういうことにまあ吉田さんやるもんですから、あそこにいる間はそういうみつちりやろうなんでいう気持にならない点もあるのじやないか、まあ一つは……。(笑声)そういうことは、結局この官僚諸君にこの権限が、まるで国は、俺が持つてやれるのだという気持を持たせるのじやないか。それでまあいい人だから、食糧庁長官でも今でも素直にこうして謝つて、まあ本当は謝つておるかどうかわからんけれどもね、(笑声)まあそういうことにやつておるんだが。これは悪い人であつたならばそれは自由にできるのですからね。今でもほかのほうの問題のことがもう起きてやせんかと私は思うのです、随意契約で……。それで悪く言う人は、あなたのところへ行つて麻袋会社で頼みに行つてそうしてやつたんだろうなんて言う人もあるけれども。私はそんなことは信じない。そんなことは信じないけれども。何かそういうことが起きる。人にそういうことを考えさせるというような問題があると思うのだな、政治的にか或いは事務的にかですね。そういうことがまあ今後起きないためにも、折角御両所来たのだからですね、そこのところはまあ国民のために御意見をここで言つて聞かしてくれませんか。
  73. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 意見と言われると、意見も多少持つていますが、これはやはり内部の事務監査を十分やつて行くことが一番いいんじやないかと思います。そうして又この大臣として末端まで目の届かんことは、これは誰でもその能力には限りがあるのですから、内部機構の中にそういう監査を充実させて行くほうがいいのじやないかと私は考えます。
  74. 木下源吾

    ○木下源吾君 根本さんはどうですか。
  75. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 結論的に言えば同意見でございます。でこれは現業仕事でありまするが故に、特に物品、更には金銭の出入りが相当大きくなつている。特に食管特別会計とかそういうところの、まあ本来物と金を非常に大きく使うとこころにおいては、一般的な委任規定はそれでいいとしても、自体監査というものの機構と、そうしたところの規定の整備を図つて行くことが必要ではなかろうかと考えておるのであります。これを若し今度は一々払下げとか或いは又購入ということについて大臣関係すると、そこは又政治的圧迫でどうこうと言われるので、永年の経験の結果、純然たる現業業務については事務的にやらせる、これが正確を期するゆえんだということになつておりますけれども、そのときに今度は官吏のほうの怠慢か、或いは又そういうことがありますれば、今度はそれを収拾するのに相当大きな欠陥が出て来なければわからないということを自体において、これは官庁の事務のやり方について考慮をしなければならんことではなかろうか、こう考えております。
  76. 木下源吾

    ○木下源吾君 まあ問題にやはり円の検査機関というか、会計検査院が余りほめていないのですよ。ほめておりません。それはあの勝手に要らん物を買つたようになつておるのです。そうしてそれに泥棒に追銭のように三百万円ずつも毎月倉敷料を払つている。そうして最初考えたものでない方向へ、ほかのものへ使わなければならん。二百九十円かに買つたものが今では僅か九十円くらい、これは誰が見ても、素人だつたら使えません、そういうことをやるんだつたら、本当のことを言うと……。それで結局あなた方もいいことをしたとはお考えにならないでしようね、二人ながら……。それだけお聞きしておきます。これはお二人だけじやない。やつぱり私はさつきから言うように機構だとかいろいろの問題、そうして自由党の政府がずつと続いておる一環として……、それだけをお聞きしておいて、悪ければ自由党であろうが改進党内閣であろうが直してもらいたいからお聞きするのですが、やつぱりいいことじやないということだけはお認めになるでしようね。
  77. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 結果においては手違いであつたと考えます。
  78. 木下源吾

    ○木下源吾君 根本さんはどう考えますか。
  79. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 同様でございます。
  80. 奥むめお

    ○奥むめお君 結果において大変莫大な国損を与えて悪いことであつた、こういう御答弁でございまして、私たちも一応その意味では成るほどと思う節もないわけではないのでございますけれども、会計検査院如何でございますか。御答弁をお聞きになりまして、そうしてこの実際の調査にお当りになりまして、御意見を聞きたい。それは会計検査院のこういう決算委員会における御答弁に、時に同じ役所同士としてのかばうというのか、甘いという点が往々あると思います。ですからこの問題であなたどうお考えになりますか。小峰さんにもつとはつきりしたことを伺いたい。
  81. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) 先ほど来いろいろお話を伺つておりましたが、事務当局からお聞きになつたことでいろいろ御説明があつたようであります。私どもずつと二十九年の四月頃からこの麻袋問題を取扱つたわけでありますが、今結論的におつしやつたように、結果においては遺憾だつたというだけとも考えられないのであります。と申しますのは、これは契約当時から、その後全部入りますまでの経路、経緯と申しますか、これはたびたび申上げましたし、私どもから文書でも出してありますが、二十六年の八月に契約いたしまして、二十七年の三月までかかつてつた問題でありまして、その間にいろいろな買わんでもいいような情報も入つておりますし、適当な措置をとりようがあつたのじやないだろうか。ただ結果だけが悪い、結果だけから見て悪いとばかりは言い切れない、こういうふうに考えておる次第であります。
  82. 奥むめお

    ○奥むめお君 あつたのじやなかろうかというふうな漠然としたことを言わないで、例えばどういう点で注意ができたとお思いになりますか、それを具体的にちよつと聞かして下さい。
  83. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) この席上でたびたび申上げましたので差控えたわけでありますが、先ず当初に八月に買うときの状態であります。朝鮮事変とか、それからタイとパキスタンとの紛争、こういうお話も、私どもも十分に調査した上でありますが、いずれもそう成るほど当事者としては、当局としては相当に強くお考えになるのも御尤もとは思いますが、だからと言つてそのいずれもがこの三百万枚を一挙に二十六年の八月に買つてしまうというほど急いでやらんでもよかつたのじやないだろうかということが先ず第一点であります。  それから四十五万トンというお話が繰返し出ておりますが、これ前回にも申上げました通り日本側の希望目標であります。タイ側が承知していたのは、タイ側が売りましようと言つた数字は三十万トンであります。私どももこの四十五万トンという数字は二十六年の十一月頃かと思いますかに承知したわけであります。それまでは検査に参りましても、又いろいろ聴取いたしましても、常に三十万トンということで御説明があつたのであります。四十五万トンというものは、こちら側の希望目標とは言いながら、そういう数字が挙つておるということを伺つたのは十月か十一月、こういう事実であります。三十万トンに対しまして、これは前回までにもしばしば申上げましたが、政府は当時百六十六万枚という大量の麻袋を持つていたのであります。そういたしますと先ず米が入つて来るのが最初のことであります。それも前回までに申上げましたが、決して一遍に、或いは一月や二月で三十万トンというものが入つて来るのではないのであります。これは五千トンなり七千トンなり、或いは大きくて一万トンという、こういうものが船に積まれて入つて来るのでありまして、多くて月に十隻かそこらであります。そういたしますと取りあえずのところは百六十六万枚も手持があれば間に合うのじやないか、急いで百六十六万枚に目を覆つて三百万枚契約する必要があつただろうか、これは私どもが最初から購入当時から、当局者として行き過ぎじやなかつたか、こういう考えでおるのが第二点であります。  それから朝鮮事件というお話でありますが、成るほど朝鮮事件があつたことはこれは事実であります。併しながら御承知のごとく二十六年の七月に朝鮮事件は一応の休戦になつておるのであります。その後もやもやと戦争はしておりますが、それまでのような大規模な戦争はなかつたのでありまして、本格的に朝鮮事件が終りましたのは、まあ終つたと申しますか、これは二十七年の十一月でありますが、一応の休戦は二十六年の七月、勃発しましたのは御承知のように二十五年の五月か六月かと思いますが、つまり一年間たちまして一応の休戦はできた。サンド・バツグが云々というお話もしばしば従来も出ましたが、従来にも増してサンド・バツグがたくさん要るということは当時の情勢としては考えられなかつたんじやないだろうかというふうにも考えられるわけであります。契約は、この席上に初めての方もおいでのようでありますが、二十六年の八月であります。朝鮮事件の終りました直後であります。当時の情勢としては、余り朝鮮事件ということも、これを一遍にたくさん買うということの理由としては薄弱じやないだろうか。  それから又パキスタンでありますが、これもタイとパキスタンとの間で相当な紛争が起きまして、そのために前年、二十六年三月までに輸入いたしました分につきましては、タイ側が麻袋というものについて理由を付けまして、日本側が麻袋がなければ米を売つてやらん、いろいろなことがあつたことは、これは事実私どもも了解しております。ただ当時これは三十万トン中二十二万トンだつたと覚えておりますが、この三十二万トンに対する結局二百二十万枚であります。この麻袋を用意してくれ、用意しなければ売らない。こういうタイ側の意思表示もあつたと聞いておりますが、この二百二十万枚こちらで急いで用意いたしましたところが、百万枚しか要らなかつた。あとの百数十万枚余つてしまつた。これは日本側としてのスツトクを殖やすにがい経験を前年において、過去において誉めておるのであります。こういうことも購入当時もう少し慎重になれたはずだという私どもの見方の一つの論拠になつておるわけであります。  いろいろ申上げましたが、私どもといたしましては、購入当時から三百万枚一挙に買わんでもよかつたのじやないかということの考える固める裏付の資料というものは、今申上げましたように、実はたくさんに持つておるわけであります。その上で会計検査院としては批難したのであります。会計検査院は曾つて如何なる場合でもでありますが、結果だけをつかまえて、人間のやることでありますから、過失もございますし、そういう面についてそうむげに非難するということは考えておりません。本件のような大きな八億七千万円という買物でありまして、先ほどから伺つておりますと、食糧庁だけでおきめになるようでありますが、こういう大きな買物が、或いは前回までのいろいろな御質疑を伺つておりますと、長官もよく御存じなかつたというような筋もちらりちらりと見受けられるのでありまして、下のほうだけで若しこれがきまるとしたならば、国民としては実際はどうも情ないじやないだろか、こういうことを私どもは考えながらおる次第でありまして、決して結果だけを云々ということは、私どもとしては考えておりません。
  84. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 委員長からも、折角元の両大臣がお見えになつたのですから聞かなければいけないと思いますので……、今大臣じやないから非常に気楽に御答弁なさつているようですが、この御両人が元の主管大臣であつたということを、今国民がこの姿を見たら一体どう思うかという気がするのであります。殊に根本君なんか嬉しそうにしている。(笑声)こういうことが将来やつていいか悪いか、将来もまあ現在でも、いいにつけ一悪いにつけ、ともかく政治家なんだからどういうふうにあなたお考えになるのですか。今これが政治問題になつているのです。このことに対してどうお考えになるか、それを一つ国民のためにお答え願いたいと思います。殊に両君が知らぬ存ぜぬ、相談受けなかつたということをはつきりここでおつしやつたので、決算委員会の調査、審査の範囲というものはぐつと狭められてだんだん明瞭になつて来る。今後にもこれは非常に大事なんで、一つそこを率直におつしやつてもらいたいと思います。
  85. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 先ほど私が申上げたように、職務権限がみな外局においては、払下げなり購入というような現業業務については長官に委任されているわけです。従いましてそこにおいて長官が自己の職権と責任において処置している。従つて当時において我々のほうに何らの報告相談もなかつたという事実を申上げているわけであります。なお又こういうことによつて不当若しくわ不法なる処置或いは不正なる事実があつたとするならば、行政の長官としてこれに対する措置を講ずるのは当然だと思いまするので、当時我々は全然報告も聞いていなければ、その事実も知つておらなかつたために、それに対する措置も又すべくもなかつたし、いたさなかつた。なお又こういうようなことを今後なからしめ、たとえ情勢判断の誤りであつても、善意に基くところの措置であつても、それが見通しの誤りであつたということがわかつたならば、それに対して直ちに措置を講ずるような機構並びに運用を考えたらいいじやないか。又自体監査というものも常に行いながら、そうした事態のないようにすべきであるとの意見を述べた通りであります。
  86. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 廣川参考人如何ですか。
  87. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 大体根本君の言われた通りですが、こういうことが今後起きないようなことを考えることがやはり一番よろしいのじやないかと思います。今まで前例に則つてそういうふうにやつたがために、結果論から見て非常に迷惑をかけるというようなことのないようにして行くことか一番じやないかと思います。
  88. 小林亦治

    委員長小林亦治君) とにかく十何億と言えば、大企業と呼ばれるような事業会社でも五つか六つに値する大変な金額だと思うのです。かようなことを当時の見通しのまずさから国損をこうむらしめたところの担当官に対して厳重なる注意とか或いは懲戒、そういつた程度で始末をつけることが、行政運用の当を得ていることかどうか。この点根本参考人如何でしよう。将来なからしむるというならば、よりこの点を一つお聞きしておきたいと思います。
  89. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) この点は内容についてまだ具体的に先ほど述べたように私は聞いておりません。ただ概括的に、当時私のほうに何らの相談もなかつたという事実がはつきりしたことと、何のために買つたかということは先ほど以来申上げ、又すでに決算委員の諸君においてお調べの通りだと思います。従つてそれに基いて現在の行政の責任者である大臣並びに内閣がその事実に基いて処置され或いは又処置されようとすることでありましようから、私は今どうすべきであるというような意見は申上げられません。
  90. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それはおかしいね、今申上げられないということじやない。あなたがおいでになつてから只今まで相当この事態を御認識になつたと思う。見通しのまずさから要りもしないところの物品を十何億買つた、そのために相当額の国損ができた。こういう場合なんです。そういう場合に、実行に当つた者に対するところの行政処置が厳重なる訓戒といつたところでお茶を濁していいのか悪いのかということです。又あなた大臣になるかも知れん、又総理大臣になるかも知れない。将来あなたに私どもは国政を任せる人として聞きたいのだ。そんなことを言つてつて行けるかね。
  91. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 先ほど以来、こういう問題をなからしめるためにはどうすべきかという意見について、積極的には自体監査なり、或いはそのほか内部運用の規定において、こういうような問題の起らないように考慮すべきである。こういう意見を申上げたわけです。但し、この具体的にやつたことがどこに失当であり、どうであるかということについては、只今お聞きした程度だけでは私は今判断する立場にない。もつと内容がわかつて参りますればそれは言うべきだけれども、今直ちにここでその点について行政措置、現在の内閣の措置そのものについて私が云々すべき立場ではないということを言つているだけです。
  92. 岡三郎

    岡三郎君 昭和二十六年度決算報告に載つております不当或いは是正事項、これは特別に行政部面において顕著な悪例がここに載つているわけです。それが二十六年度においては千三九十八件のうち、農林省関係は三百二十六件ある。国政全般について大体四分の一弱の不当、是正事項というものが決算報告に載つているわけです。それが昭和二十七年の決算報告によれば、千八百十三件のうち農林省所管関係で九百十四件、驚くなかれ国政の不当、是正事項の千八百十三件というこの急増の中で、いろいろと原因があるとしても、九百十四件農林省関係でここに載つているわけです。ということになるならば、国家の財政を運営して行く場合において、一兆億なり何がしの予算を、国費を使用して行く場合において、食管特別会計においても厖大な一般歳入のほうからここに補填しているわけです、金を、ということになるならば、このような厖大な不当、是正事項というものが発生している官庁の、最も特筆大書すべき省は農林省であるということが言われるわけです。ということになれば、歴代の農林大臣は、こういう事態がはつきりするならば、これに対する是正の方途というものは考えてもらわなければならんし、又当時二十六年、二十七年の大臣であつたあなた方が、こういつた問題がわかつた場合においては、単なる麻袋というものは特筆大書すべき一例に過ぎないのであつて、補助金その他の関連は、今後やれば数限りない問題が一ぱい出て来るわけなんです。そういつたことを考えてやつた場合に、今までのように知らぬ存ぜぬ、それは行政部面として知らない部面もありましようが、農林省の不正、不当の累増ということを考えてやつた場合に、これはやつぱり一半の責任は当時の大臣に負つてもらわなければならないと思う。そういうことについては、そういう観点で根本さんなり或いは廣川参考人に、私はやはりこういつた具体的な事実を、やはり過去から現在までずつと続いておる事績というものを考えて行つた場合に、その氷山の一角としてこの麻袋というものについて我々はお聞きしておるわけです。そういう観点から当時の大臣であつた根本或いは廣川両氏から、このような農林省におけるところの事実というものがわかつた以上、これに対するやはり何らかの御理解を承わつて、今後一体農林省としては国民の負託に応えて、一体どうしなければならないかという所見を廣川さんから順次お伺いしたいと思います。
  93. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 非常に大きな指摘されたものがあるようでございますが、農林省は非常に規模が大きいので、日の届かんということも私はあると思いますが、やはり先ほども申上げたように、内部監査を厳重にして、これを未然に防いで行く以外に私はないと思います。そして仮に農地関係あたりといつても、全国補助事業等を入れるというと相当何千という数になろうと思いまするので、こういつたようなものはやはり適当な強力な内部の監査をしてこれを防ぐ以外に途はないと私は思つております。
  94. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 只今お話つたこともそうでありまするが、御承知のように農林省の補助事業が非常に多い、而もそれが非常に細分化されておる。而も実際の執行は地方庁若しくは町村がやつておる。従いまして最終局的には農林省責任になりまするけれども、実は末端の地方自治体において実行する部面、或いは又土地改良組合というような官庁にあらざるものに現実の仕事をさせるという関係にありまするので、その点からするならば、出先機関の相当の人員のあれなくしてはこれはなかなかできない。だからしてこういう場合において地方庁なり地方自治体において責任を持つてなし得るような一つの補助体制なり又自体監査の、自治体における自治体監査というのも当然これは考えて行かなければいけないではないかと、かように考えます。  なお又全体につきましてはでき得るだけ大きい、而も直営でやるものは直営でやれるというようにしませんというと、直接現在の現業業務において監督することは非常に困難である。だから或る意味においては、これは全般の行政機構の改革によつて地方に委譲すべきもの、或いは又直接やるべきものというような事務の整理というような点も考えなければ、直接監督ができない形において責任はとらなければならないというような部面も相当あるのではないかと考えられます。
  95. 岡三郎

    岡三郎君 私が言わんとすることは、我々はここで、この委員会は検察庁でも或いはそのほかの裁判所でもないわけです。ただ問題は、累年増加して行くこのような事項がやはり減つてつてもらわなければこれはならんし、国民自体としてもこういう野放し的なやり方で一体いつ国損というものを、何百億になるかわからんという国損というようなものを一体どうしてくれるのだという私は声が当然出て来ると思う。そういう点で具体的に補助金問題の点についても我々は小委員会で今審議しておるわけですけれども、そういうふうな具体的な事項について例年会計検査院から農林省当局のほうにいろいろと注意事項その他が出ておるはずなんです。それに対して今年なんかの様子を聞いてみても、一番農林省からそれに対する答えが遅い。要するに会計検査院の注意その他の事項に対して一番回答その他が遅い。ということは、或る意味においてはこういうふうなことはもう当り前のことであつて、こういう悪いことが出て来ることは当り前であるというふうな心理状況ではないのかというふうな臆測が出るような状態なんです。今まで参考人意見を聞いてみても、まあそういうことは現業官庁のほうで勝手にやつておるので、そういうことについては大臣は知らんのでは、私たちは国民の代表としてそれでは済まんと思うわけなんです。だから行政事項としては知らんとしても、やはり農林省全体の経費を取扱つて行く場合において、こういうふうな事項が年々殖えて行くということになるならば、我々としては当時の大臣がこういうふうな具体的な問題を知つていて、果してそれではそれに対するところの現業部門に対して指示なり厳重な忠告を与えたかどうか、私はその点を一遍聞いておきたいと思う。そういうふうなでたらめなことが一番多く行われておる。これは行政人員が不足で、予算が不足でできないことが多いかもわからんけれども、具体的にできるような事項その他についてもう少し、綱紀粛正を吉田内閣が言つておる手前上、お前たちしつかりして、そういうことの起らんようにやれというふうなことは、当然大臣として私は指示すべき問題だと考えるわけです。そういう点について大臣就任中にそういうことをなされたことがあるかどうか、一遍それを聞きたいと思う。不当事項是正について……。
  96. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 私が就任した当時については、不当事項の問題について報告は受けておりません。ただ一般的に当時の吉田内閣としては綱紀の粛正ということは、これは当時の政綱の一つとして取上げておりますので、一般的に不正、不当ということのなきように指示していることは当然でございます。
  97. 岡三郎

    岡三郎君 私は以上において両前大臣がおいでになつていろいろと御説明があつたわけで、問題の焦点は、食糧庁自体、いわゆるその食糧庁自体にあるということがはつきりしたわけです。これについて御足労頂いたことについてここで御礼を申上げるわけですが、併し問題はこれで私は終らんと思うんです。この問題はこの程度で終らんと思う。そういう点であとは具体的に現業官庁に質問の方向を持つて行かざるを得ないわけですが、是非とも、根本さんにしてもそうですが、農林行政に対するエキスパートであらせられるわけです。エキスパ―トであるあなたが、現在こういうふうな事実が累増しているということに対しては、やはり自由党自体としてメスを振つてもわらなければいかんと私は思う。こういうことを野放しにして農林行政のエキスパートが止むを得ないんだというふうな形の処置では、これは私は何としても情ないと思う。そういう点で折角ここにおいでになつたので、希望意見として、自由党自体としてもこの農林行政に対するところの是正、不当事項の減少、絶滅という方向に対して一つ格段の御努力を私はお願いしておきます。
  98. 大倉精一

    大倉精一君 関連して……。今の根本さんの御答弁で、当時不当事項に関しても、一般的な問題として注意はしておるというようなお話でありましたが、今岡君の発言は、これは先回、十六国会でしたか、このときにおけるところの二十五年度決算報告、この審議の際にも緒方さんから、政府としても十分気を付けます、是正しますという発言があつたわけです。そこで今の御発言は非常に私は遺憾と思うのですが、ここでちよつとお伺いしたいことは、この食糧庁の資料によりますると、安孫子さんに対して厳重になる注意を与えたというように処分報告なつておりまするが、これはどなたから厳重なる注意をお受けになつたか、安孫子さんから伺いたいと思います。
  99. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) それはいつということがありますか。
  100. 大倉精一

    大倉精一君 これは食糧庁のほうから参議院決算委員会に対する提出資料の中の十五ページにあるわけなんです。この十五ページには、七百七十四号の批難事項に対して、この当時の長官安孫子さんに対して厳重な注意を与えたと、こういう工合にこの中にあります。従つて誰からこの注意を受けられたかということをお伺いしておるわけです。
  101. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) そういう注意は、私は事務次官ですね、事務次官からあつたと思つております。山添さんからです。
  102. 大倉精一

    大倉精一君 先ほどの根本さんの御答弁だと思うのですが、こういうような処分に関しましては、大臣としても十分事情を調査して、これにタツチするという御発言があつたのですが、この処分については大臣はやはり関係されませんですか。
  103. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 一般的にその不正とか違法なりの事実がありまして、そういうことが報告されて来た場合には指示を与えます。併し今の大倉さんの御質問ちよつとわからなかつたのですが、私が先ほど申上げましたのは、一般的な綱紀粛正については注意はいたしましたけれども、これこれの事件があるからという報告に対して指示を与えたことはなかつたと、こう申上げたのです。先ほど農林省で、非常に綱紀粛正のお話が出ているが、どういうような措置をしたかということについてでありましたが、私が申上げたのは、当時これこれの批難事項があるからどうしますかというような伺いを受けて、それに対してはこうくせいというような指示は与えておりません。ただ全般としての綱紀粛正については、当時第三次吉田内閣でありましたが、綱紀の粛正ということが大きな政綱として掲げられておるのみならず、当然これは行政の長官として、不当、不正なきはもとよりのこと、行政の粛正については訓示を与えたことは事実です。
  104. 大倉精一

    大倉精一君 ちよつと私が聞いておることと答弁が違うのですが、私がお聞きしておるのは、少くとも食糧庁長官という方がこういう厳重なる注意を受けたという、この処分をされるときに次官限りでおやりになるのか、或いはこういう重要な処分、私は重要な処分と思うのですが、やはり大臣はこれに関しましては何ら御相談におあずかりになつておらないのですか。これは安孫子さんのことを言つておるのではない。食糧庁長官とかそういう長官に対する行政上の処分をする或いは厳重な注意をするというときに、そういつた案件につきましては、これは大臣は全然ノ―・タツチで行かれておつたものかどうか、こういうことをお伺いしたのです。
  105. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) これは性質によつて違いますか、例えは不正なる事件が行われて、或いは起訴処分になるとか或いは検事局にどうしたというような場合において、その身分をどうするというときには、それは指示したことがございます。併し今決算委員会報告されておる安孫子食糧長官が、どういう事態があつてつたことか私はわかりかねますが、私が安孫子当時食糧庁長官に厳重なる注意を与えたことはございません。
  106. 大倉精一

    大倉精一君 あなたが安孫子長官に注意を与えたのではないと私は思います。注意を与えられたのは恐らく小笠原さんの時代か或いはその後におけるところの廣川さんのときであつたかと思うのですが、どの大臣のときであつた記憶ございませんか。
  107. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) その資料は何月……、いつになつているか、わかりませんでしようか。
  108. 大倉精一

    大倉精一君 資料には何年何月何日に厳重なる注意を与えたとは書いてない。ただ結論だけこういう表になつている。こういうことがあつて、監督者は誰、その処分は厳重なる注意を与えた、こういう処分が書いてある。従つてこれはいわゆる三百万袋のあの案件だと思うのですが、従つて三百万袋お買いになつたの昭和二十六年の八月頃だと思いますが、二十七年の十月に小笠原さんが御就任になつた廣川さんが二十七年の十二月五日に御就任になつた。どちらかの大臣のときだろうと思いますが、御記憶ございませんか。
  109. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 記憶はございません。
  110. 大倉精一

    大倉精一君 厳重なる注意を受けられたことは記憶承りませんか。
  111. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 事務次官からあれは注意してもらわなければいけないという、そういうお話はあつた大臣ではございません、事務次官からです。いつ頃かは記憶ありません。
  112. 大倉精一

    大倉精一君 非常に軽い処分ですね。厳重なる注意を与えたというふうに処分の欄にありますので、もう少し厳粛なものかと思つていたのですが、こういうような案件については別に話合い程度のものですか。これで厳重なる注意というものは従来そういうようなことで済まして行かれておつたのですか。こういう案件については、これは麻袋ばかりじやなくて、決算委員会のほうへ会計検査院から報告されるところの不当事項或いは批難事項というのは随分大きな案件があるわけです。食糧庁関係にもある。ほかにもあるのですが、こういうようなものについてただ話合い程度で、こういうようなものがあるから今後気を付けろという、そういう事務次官あたりからの軽いものですか、この処分というのは。
  113. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 私が職を退いておつたからそういう程度ではなかつたかと思つております。現職にありますれば厳重な注意をするようなことになるのじやないかと思つております。
  114. 大倉精一

    大倉精一君 何かあれですか、そうしますとお役所の中なんてものは何かもやくしおつて、さつぱりこう要領のつかめないようなところがあるのですか。まあ仮に事務次官からそういうような御注意があつたということになれば、これは相当重要な問題であるから御注意がある。従つてそういう問題については、仮にこれは大臣か直接口を出さなくても、事務次官なり何なりからはこういうものについて報告があつたと思う。私は大臣に、小笠原さんから報告があれば、当然こういう麻袋の大きな、私は大きな問題だと思うのですが、こういうものについては次の廣川さんに申し送りがあつたと思うのです。廣川さんはそういうことについて全然お聞きになつておりませんか。
  115. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 聞いておりません。
  116. 大倉精一

    大倉精一君 これはますます以ておかしなことなんですが、そうしますともう大臣というものは、こういう外局内容について或いは状態というものについては全然これは関心を持つておられんわけですか。例えばですね、何でもこの法律に抵触されなければいいのだ。何をやつてもいいのだ。だから法律に抵触されなければいい、刑法にかからなければ、或いは不正がなければということで、その重大な手落なり或いは失敗などというものについて、大臣としては殆んど関心を持つておられんようにどうも聞えるのですが、そういうことには無関係ですか。
  117. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 決して無関係じやございませんが、特に小笠原さんからそういつたような事務の引継についてそういうことはございませんでした。
  118. 大倉精一

    大倉精一君 専門員にちよつとお尋ねするのですが、この三百万袋の麻袋については、我々が国会へ出て来る前のいつかの国会で問題になつたことはありませんですか。
  119. 森莊三郎

    ○専門員(森莊三郎君) ないと思いますが。
  120. 大倉精一

    大倉精一君 ないと思いますか、衆議院でもなかつたですか。
  121. 森莊三郎

    ○専門員(森莊三郎君) 二十六年度決算報告が出ましたあとで、衆議院で問題にされたというふうに記憶いたしますが……。
  122. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 補足いたします。厳重なる注意の点につきましては、事務次官からそういう話がございました。その後書面で厳重注意をするというのが参つたと思つております。  次官依命通牒と申しますか、大臣から特に依命をされてやつたという形になつて、注意を受けております。
  123. 大倉精一

    大倉精一君 大臣から……。
  124. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 名前は次官目でございます。併し大臣からそうやれと言われてやつた依命通牒でございます。
  125. 大倉精一

    大倉精一君 その大臣はおわかりにならんですか。
  126. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 記憶いたしておりません。
  127. 大倉精一

    大倉精一君 記憶がない、おかしなことだな。  それでは最後に、多分これも御存じなかつたというお答えだろうと思うのですが、廣川さんのときに五百万袋お買いになつたときに、すでに二十六年度の三百万袋というものについて問題があるということは御存じがあつたかなかつたか、そういうことは全然やはり御存じなかつたか。
  128. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) それは本当に私は知りませんでした。
  129. 大倉精一

    大倉精一君 それじやあ知らんものはしようがないなあ。それじやあとは一つ当局のかたに質問したいと思いますから、保留しておきます。
  130. 高田なほ子

    高田なほ子君 これに関連して伺いたいのですが、小峰さんに伺いたいのですが、農林省の、或いは農林省の中の食糧庁でも、林野庁でもいいのですけれども、不正不当な批難事項に対して、農林省に対してやつぱり正式な書面を出されるでしよう。どういうふうにこれは相成つておりますか。手続をお聞きしたいのですが……。
  131. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) 御参考に申上げます。最初実地検査をいたしまして、或いは書面検査でも問題になることでございますが、問題を見つけますと、先ず文書で照会するわけであります。で、いろいろ資料を集めまして回答を待つわけでありますが、回答が参りまして、そこで私どもは納得できませんと、院内の、これは相当うるさい手続でありますが、いろいろな人の手を通しまして原案ができるわけであります。これは一人や二人の人間が幾ら頑張つても、なかなか通らない。筋が通らない案はどんどんと不問にされてしまうわけでありまして、ここにありますのはそういういろいろな院内機関、大勢の人の手が通りましたものが挙るわけであります。先ほど高田さんの御質問で、農林省が多い。多いというのは事実でありまして、私どもが何か農林省に強く当つているというようなことをどこかで言つている者もあるそうでありますが、そういうことは絶対にできないような仕組になつております。一人や二人の人間が幾ら頑張りましても通らない。それから我々のような院内におります者は、実地検査で出ますことはございません。実際に出ました者が見つけて来ない限り、私どもとしては手が出ない。こういうまあいろいろな面からここに挙がる事態というものは非常に制限されるわけであります。それでこれが挙りますと、その後の処置でありますが、私どもとしては一応誰がどういうような処分を受けたかということは絶えず報告を頂いているわけであります。ところがその処分が甘いか、辛いか、もつと強くすべきじやないか、或いはこれは少し辛過ぎるじやないか、こういうようなことに対しては、現在の制度では会計検査院としては、或る法律できまりました――いつぞや高田さんが御引用になりました、例えば予算執行職員の責任、ああいうようなものできまつているものが若干あるのでありますが、これが相当に大きな穴があるわけであります。全部について決して網羅しているわけじやないのでありまして、例えば現在非常な問題になつております麻袋の八億七千万円というような案件、これに対しましては、現在の法律では違法とかというようなことの処分を私どもとして要求できるものになつていないわけであります。それでこの前も御質問にもありましたのにお答えしたわけでありますが、それで法律上私どもとしてこの処分を要求するということになりますと、これは厳重に監視するわけであります。又処分が不当と認めれば、検査報告に載せまして、国会に報告するわけでありますが、そうでないもののほうが実は多いのであります。そういうものにつきましては、当局の処分をじつと見守つているというほかに、現在のところ、甘いからもつと強くしろ、強過ぎたから軽くしろ、こう言う権限は現在のところないわけでございます。
  132. 高田なほ子

    高田なほ子君 御説明でわかつたのでありますが、例えばこの麻袋批難事項がここに検査院として挙りました。するとこの挙つたものですね。農林省のほうの責任者のほうに一応は、こういうふうになつておりますよと、結論を会計検査院としての集計はこうなつておりますよということをば、農林省のどなたかにお伝えになる手続はなさつておるのですか。
  133. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) この御質問の手続は、実は最初に検査報告ができまして、まつ先にこの印刷ができる前にやるのであります。と申しますのは、この検査報告に対しましては、当局の説明書がございます。この説明書を原案を作つて印刷に付するまでに、相当の日を要するわけであります。それで具体的に申上げますと、大体最近は十二月の末、御用終いの数日前頃にこの原稿ができるのが例であります。そういたしますと、当局のほうでもこれに対しては非常な関心をお持ちになつております。それから又説明、弁明書を書かなきやいけません。で、それでむしろ検査官は会議、私たちの最終決定が済むのをお待ちになつておるという状態でありまして、そうした間に、こういうものを全部謄写版刷りの、印刷としては粗末なものでありますが、これの原稿をお渡しするわけであります。そのとき相手官庁に、どういう案件が批難がなされたか、どういうことで何件あるかということは全部おわかりになるのであります。
  134. 高田なほ子

    高田なほ子君 その相手官庁の、これを差し出す相手官庁の責任者はどなたですか。
  135. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) これは実際問題としてのお答えのほうがいいかと思いますので、大体は全国の官庁を、扱つている農林省のようなところでは、これは窓口というものが一つか二つしか実はないわけでありまして、本省の中に……。外局から申上げますと、食糧庁林野庁、これはそれぞれお渡しいたします。それからあとは全部まとめまして農林省の会計課長、これがその方面の窓口と申しますか、責任者と申しますか、そういうことになつております。現行上なつているわけであります。
  136. 高田なほ子

    高田なほ子君 会計課長がこういうものを受取つたときに、やはり相当に良心的に、良心があれば、お悩みになるのが普通だと思う。そこでこれはどなたにお聞きしたらいいか、私はわかりませんが、農林省のどなたでもいいのですが、会計課長はこれを農林省の中でどういうふうに消化をなさるのですか。消化というのは、折角こういうふうに言つて来たのだから、    〔委員長退席、理事菊田七平君着席〕  農林省でも、一つ綱紀粛正のために、農林大臣にこれをお目にかけて、省内で一つ、省内の会議で、局長会議でも何でもいいです。これを一つの問題として提起しようじやないかというようなことは、これは絶対にないのでしようか。会計課長のところで聞いて、会計検計査院からこういうのが来たと、そのまま握り潰しになるものであろうか。一つこれは農林省のどなたからでもいいですから、そのへんの消息を承わりたいと思うのです。どなたでも結構です。
  137. 東畑四郎

    説明員東畑四郎君) お答え申上げます。検査報告は、先ほど会計検査院の小峰さんから申されましたように、正式に参ります、外局と内局とは違います。外局であればこれは当然このときの長官、部長に報告をいたしますと同時に、それの質疑がその前にありまするので、重要な事項についてはこれの弁明書、説明というものを書くのでありますが、当然そういうものは事前に連絡を事実上しております。最後のものは当然これは報告がありまして、そこで勉強をするわけでございます。  それから会計課長に参りますのが内局でありますが、内局でありますと、各局長、次官、勿論これは報告をいたします。そのときに大臣にまとめて言うか、言わんかは、そのときの事情によります。勿論これは報告するのが次官としての務めだ、こういうふうに実は考えております。
  138. 高田なほ子

    高田なほ子君 で、具体的には、安孫子長官の場合には、次官から厳重な……、次官が大臣の名で以て厳重に注意をされたというわけでありますが、大臣はそれをお知りにならない。こういうことになると、大臣という機関は、これは盲判をこういうものに捺して、もうそれでいいと思つていらつしやるのでしようか。盲判をこういう大事なものにも捺しているということは、これは日頃の茶飯事として扱われているのでしようか。私は大臣になつたことありませんから、この点は是非一つお知らせ願いたいと思う。どちらのおかたでも結構でございます。前大臣に私は伺いたいのです。こういう盲判をいつでも捺しておられるのですかと、こう伺つておるのです。
  139. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 依命通牒の場合はやはり決裁するのが普通なそうです。
  140. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、安孫子長官は、厳重な注意というのを、こういうのを見て参りますと、随分受けていらつしやるわけなんです。それから注意というのも随分何遍も何遍も、こう注意々々とあるのですけれども、厳重な注意或いは注意というのは皆これは長官でありますから大臣の決裁によつて注意又は厳重注意ということがされておるのでしようか、如何でしようか。
  141. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) どうも盲判と言われても仕方ないのですが、実はそういう記憶は余り持つておりません。
  142. 高田なほ子

    高田なほ子君 廣川大臣のときにこの厳重な注意をなすつていらつしやる、又は注意をしておられるというのが出ておるのに、長官のことに関して、食糧庁長官と言えばこれは大したものですよ、(笑声)こうしたかたのことに対して大臣が決裁をなすつて記憶がないというようなことは、友情とは言え、私的な友情はわかりますけれども、この席で私はそういうお答えを頂くということは、同じ福島県人として情けないですよ。(笑声)ですから、これはどうもしまつたというふうにやはりおつしやつて頂きたいと思う。東北人というのはやはり情熱家なんだから、又正義感に燃えているんじやから、やはりまずかつたというふうにおつしやつて頂けば、私も気が済むのですよ、如何でございますか。
  143. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) どうも私には記憶がございません。
  144. 高田なほ子

    高田なほ子君 若し記憶がおありになつたらば如何でございますか。なぜ記憶がないとおつしやるのでございますか。(「記憶喪失症だ」と呼ぶ者あり)どういうわけで、その記憶がないとおつしやるのでございますか。私にはその気持がわからないんですよ。決裁なすつたのじやないの、あなたは。
  145. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 記憶がないのはやはりないのですから仕方がないです。
  146. 高田なほ子

    高田なほ子君 それでは一切の責任はお持ちになるのでございますか。
  147. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 若しそういうことが、決裁したようなことがあれば、私が当然責任を持たなければならないと思います。
  148. 高田なほ子

    高田なほ子君 その責任はどういうふうにしておとりになるのでございますか。
  149. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) やめてからあと、どういうふうにして責任をとるかということは、どうも私には具体的にはまだ出て参りません。
  150. 高田なほ子

    高田なほ子君 私はおやめになりました廣川大臣に決して追討ちをかけて、どうこうという気持はないのです。けれども、この食糧庁長官の、少くとも大臣の決裁によつて厳重注意を受けたということは、やはり非常に私は大問題だろうと思うのです。それで今直ちにここに廣川農林大臣責任を云々しようと考えるわけではありませんけれども、せめて一言これは誠にどうも済まなんだつたと率直に私は大臣としておつしやることが政治家としての私は政治道徳だと思う。こういう道徳の欠如の中に行われる農林行政などというものはいろいろ不正をはらんでいるのは当り前だと思う。而も補助金関係の多いこの農林省管轄区における不正不当、誠に目を蔽わしめるものがある。たとえ過去のことでありましても、ここで大臣決裁のことが問題になつておりますのに、一言なぜどうも相済まなんだつたというぐらいの責任は当然お持ちになつて然るべきではないかと思う。私はあなたの道義心に対して甚だ遺憾の意を表する。御存じにならない、それは忘れたとおつしやれば、それで結構でございます。
  151. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 実は私のときであるかどうかも記憶がないのでして、記憶にないものはないと事実言うよりほかはないのであります。
  152. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私は今の問題に関連して一、二お伺いしたい。今日決算委員会にお忙しい中をおいで願つたのは、廣川根本両氏に関しては、これは元農林大臣という前官でおいで願つておるわけです。然るに先ほどからいろいろ御答弁を伺つておると、違法であるとか、不正のことに関しては云々ということをおつしやつておる。それから行政上の責任は最後的には大臣である、こういうわけです。結果としては甚だ遺憾だつたということを言つておる。併し内容に関しては知らない。如何にもやはり元の大臣というのは、今はやりの汚職議員と同じように、違法でさえなければこれは何ら恥ずるところがないという、そういう道義的な不感症になつておるのじやないかと私は考える。何遍その答を聞いてみても、どうも国民のために、少くとも元大臣として在官当時のこれほど大きな七億を上廻るような国損をかけておる問題に対して、どうも申訳ないという言葉が先ず劈頭出べきであると、私は内心期待しておつたにもかかわらず、どうもそういう気配が、微塵と言つちや若干言い過ぎかも知れないけれども、どうもそういう感じを我々ははつきり受取れないということは、甚だ公私両面において、両元大臣のために、私は最も遺憾だと思う。こういうことを前提にして、本日参考人としてここにわざわざおいで願うについては、私ども決算委員会としても、これはお互い大事な国政を担当しておるのであり、そうして又それぞれ或いは衆議院に席を持たれ、或いは如何に野にあるといえども、大事な元大臣というポストにおられたかたでありますから、私は相当の準備を持つて、ここに臨まれたものと考えておつたわけでありますが、答を聞いてみると、如何にも知らぬ存ぜぬで、白々しいにもほどがあると思う。それならもう少し具体的な問題について、両大臣には或いはおわかりにならないかも知れないから、若しわからない点は当時の安孫子長官にお答え願つても差支えないわけてありますが、なぜ一体我々がこの決算委員会において、この問題について回を重ねて追及しておるかという理由を、私が二、三事例を挙げて明確にしたいと思う。  先ずその一つは、昭和二十六年と言えば朝鮮動乱が勃発した直後なんです。そのときに急遽前途を見越して不足麻袋準備しようという、これは恐らく善意から出たのでありましよう、意図の下にこういう措置がとられたことについては結構なことだと思いますけれども、併し先ず我々が疑いを持たざるを得ない第一点は、いずれも随意契約をしておるということです。而もその三つの対象の会社かどういう事由か知らないけれども、そろいもそろつて関西にその居を有する会社だけなんです。米の輸入は別に神戸の港、一港には限つておらなかつた。そうして而も第二には、そういつた随意契約のうちに、納入の三カ月以前であれば、契約を変更することができるという条項が明記されておるにもかかわらず、こういう条項を履行しておらない。而もこの麻袋の納入状況を調べてみると、契約をしてから納入をされたのは、九月を起点にして翌二十七年の三月までに、大体三百万枚が納入されておるようでありますが、而も一番大量に納入され始めたのは、二十六年の年を越して二十七年一月以降である。ですから、而も一方もう一つ不可解な点は価格の問題、    〔理事菊田七平君退席、委員長着席〕  当時契約した価格は一枚について二百九十円、そういう価格で契約をして驚くなかれ九十三円という価格に下落をしておる。そういう下落の過程において、こういう随意契約契約条項を盾にとれば、明らかにこれは契約を変更するなり、或いは法に基く国損もかけないという措置がとれたに違いない。少くとも国の大事な金を使つて、そうして如何に食管特別会計といえども、こういう大きな仕事をやつておる場合には、私は契約をするに際して、これだけ周当な注意が払われておつたなら、私はこの条項を九月から翌三月までの間に当然発動して然るべきだつたと思う。にもかかわらず、依然としてそいつが行われておらないという事実、これが我々の疑いを招く第二の点である。  それから第三点は、これは衆議院の決算委員会等においても、質疑が行われておるようでありますが、タイ国等から麻袋を用意してくれという申入れがあつた。併し一体その麻袋を用意してくれという申入れは、いつどういう文書でなされたのか、それともどういう公な形でなされたのか、その点について我々は明らかに知るところがない。この点をこれは当時の大臣、若し大臣が知らないなら長官から明らかにして欲しい。
  153. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 ちよつと議事進行について、只今飯高委員の御発言中の、両参考人は汚職議員と同様であるとの御発言は不穏当と思われますので、お取消し願いたいと思いますが、如何なものでございましよう。
  154. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そういう点は委員長ちよつと欠席中のことですから、飯島君如何でしよう。
  155. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 汚職議員と同様であるとは私は言わなかつたつもりです。
  156. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 それではその点は速記録についてお取調の上、私の発言を留保いたしましてどうぞ御進行願います。
  157. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 今飯島さんのお尋ねの点を申上げてみたいと思います。この経過につきましては、前の委員会でも詳しくお話を申上げておつたのでありますが、かいつまんで申上げてみたいと思います。  第一点のなぜ随契をやつたかという点、物が大量でございますし、それから特殊の技術を必要とするあのことにつきまして、いろいろ資格審査をいたしまして、大体能力のあるものは三社である。これに競争入札をさせますと、むしろ却つて値段をつり上げる危険性があるということで三社を対象としまして随意契約をやつたのであります。法規に基いて又関係官庁とも連絡の上に随契にいたした次第でございます。  それから契約条項には三カ月間の予告を以て契約を事情が変更した場合には解除できるという条項がございます。これをなぜ発動しなかつたかというお尋ねであろうと思います。まあそれに関連して、タイ国から如何なる形において麻袋手当をしろと言つたかという証拠関係のようなお尋ねがあつたわけであります。二十六年の年初めにタイの経済使節団が参りまして、これは前に詳しく申上げたんでございます。麻袋日本のほうで手当をしてくれないと米は出せない、こういう話がありました。それで日本側で麻袋手当しようという決意をいたしたわけでございます。その辺がきつかけでございます。  それから三カ月間の予告で以て何故この契約を解除しなかつたか。端的に申しますとそういう点が一つあろうと思います。前回も申上げましたけれども、私どもといたしましては、麻袋の点は非常に神経質になつておりまして、戦争中或いは戦後を通じまして、包装資材のないために、米の輸入流通が非常に脅かされるという事態について、非常に神経質に苦労して来た関係なつておりました。それで何としてもタイ米の価格交渉の面においても又数量を円滑に入れる上においても、麻袋を持つてやることが交渉上有利だというような気持もありました。いろいろ文書を見ましても、九月頃にタイのほうが自分のほうで麻袋手当をすると言つて来たような外務省の出先機関からの文書がございます。これは御覧になつておると思います。その文書は、これは麻袋付で米を売る、こういう意味じやなくて、政府と申しますか、タイで持つている麻袋日本に売つてもいいというような提案であつたかのように記憶をいたしております。この辺は実は不明瞭な点でございます。本当に麻袋に米を入れて、そのままで売つてもいいというふうに向うが言つて来、又我々のほうでもそうであろうということで確信を持てるような事態になりましたのは、十一月、十二月頃であつたように記憶をいたしておるのであります。さようなことでこの三カ月の猶予期間という条項を発動しないで、入れたというふうに記憶をいたしておる次第でございます。  非常に簡単でございますけれども、前にも縷々申上げましたことでありますので、かいつまんで以上の点だけをお答えいたした次第でございます。
  158. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 非常に麻袋について切迫した事情があつたということは、私どもも重々承知しておりますが、三百万枚のうち二百十二万枚、大部分の数量は、さつきも言いましたように、二十七年の一月以降に入つている。そうして而もその入れた結果が、結局保管料として二十九年九月までに二千五百三十八万円を支出するの余儀なきに至つておるわけであります。ですから私は、僅か数カ月間の見通しが契約の後においてできなかつたということは、どう考えても常識で判断できない。その点はどういう錯誤であつたのか、或いは見通しを誤つたのか、我々の常識で納得が行くような説明が欲しい。
  159. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 或いは御納得の行くような御説明ができないかと思いますが、今申しましたように、我我といたしましては麻袋については、まあ非常に神経質になつておるというか、従来の経験からいたしまして十分確保しておきたいという気持が一つつた。それから当時の情勢から申しますれば、外米輸入は大体殖える方向にあつた。又タイとの従来の米の輸入交渉につきましては、常にこの麻袋の問題で多かれ少かれ悩されている。まあ当時一十万トン、年末には四十五万トンぐらいの数量を入れたいというふうにだんだん変つて来ました。二十七年度になりましても、どうせ大量のタイ米を入れなければならん、そういうような事情を勘案いたしますと、やはり麻袋を持つてつたほうが輸入仕事を円滑にし得るという気持もあつたわけでございます。鮮約をしなかつた実情につきましては、只今申上げましたような経過でありますが、その底流といたしましては、以上申しましたような気持もございまして、それで契約を解除しないでこれを履行さした。ところが結果的に申しますれば、その後麻袋の事情が非常に好転をして参りまして、朝鮮事変の終末も本当だという気構えにも世界的になつて参りました。それに引きつれて麻袋の価格も下る、又二十七年の後半期からかと思いますが、国際的な米の取引関係も売手が弱くなるような、売手市場から買手市場というふうに変つて来るような情勢にも変つて来ましたために、只今御審議を得ておりますような結論に相成つたのでございます。この点については甚だ見通しを誤り、御審議の経過におきましても、いろいろお話もございまするように、当時もう少し先の見通しを確実に持つてつたならば、かようなことにはならなかつたんじやなかろうかという御批判も私どもとしてうなずけるのでありまして、この点について私どもが十二分の注意を払わないで、こういうふうになつたということにつきましては、甚だ申訳ないと、かように考えておるわけであります。ただ当時の実情並びに担当者といたしましての見通し、気持というものを申上げますれば、以上のようなことであつたということで、御審議の材料にして頂きたいと存ずる次第でございます。
  160. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 麻袋の緊急需要度がだんだん減少して行くにつれて、私はさつきの随意契約の条項を発動しなかつたのはどういうことかという理由只今の御答弁ではどうしても十分に納得できない。更にそれなら、まあ一応その問題は保留して、一歩、歩を進めるとして、然らば朝鮮の休戦会談が成立をして、そして朝鮮に対する麻袋の需要が急激に停止した、この状況下に麻袋の業界では非常な混乱というか、冷水をかけられるような状況になつた。こういう状況下に次の五百万枚が発注されておる。これが又更に重なる大きな我々からする不安であり疑問である。この点は一体どういう観測の下に行われたか。これは東畑長官から……。
  161. 東畑四郎

    参考人東畑四郎君) 前の委員会において申上げたのでありますが、あとで買いました麻袋五百万袋につきましては、小型麻袋でございます。主として麦を入れる目的を以て買つたのでございます。当時これを買いました経緯等につきましては、先般資料等も出しておいたのでありますが、全くその当時の需給の推算から実は出した数字であります。差等の統制撤廃されまして、その後飯島さん御承知のように、集荷が政府の予想通りに参りませんので、特に大差等が集らなかつたのであります。食糧庁におきまして、輸入計画を実は変更いたしまして、麦類の輸入の増加を図つたのでありますが、それと同時にもう一つ、古い麻袋そのものを食糧庁で持つておりますと、なかなか物品管理としてやりにくい点が、だんだん質が悪くなつても、わからないという現実がおさえられないというような非難等もありましたので、先ほど御説明がありましたように、麻袋需給がだんだん緩和して参りましたし、食糧庁が古い麻袋を管理しておることを一つやめるというので、この前の前に御審議を得ました麻袋会社というものを作りまして、これに麻袋の回収その他をやらしたのであります。八月頃から事業を開始したのでありますが、回収がなかなか思わしく行かないということのために、需給推算上回収を見込んでおつたのでありますが、その見積りが少かつたという点で、非常に需給そのものの殖え方が杜撰な結果になつたのであります。たしか十二月に買いましたもので、一月、二月としては三十万か、ちよつと記憶しておりますが、十何万枚でございましたか、何か使つておるのでありますが、三月以後その麻袋を使いませんで、御指摘のごとく昨年の凶作のときになつて、十一月以後買つたという結果になつております。その需給そのものが非常に見通し違いをしたということでありまして、その大きな原因が、麻袋会社の回収が三月、四月以後非常によくなつて来た、それ以上に回収がよくなつたということにあつた根本は十二月に立てました五百万枚購入計画の、資料もはつきりいたして、決済をしておると思うのでありますが、その計画が一月、一月ぐらいまではやや実行されておつたのでありますが、三月以後全然その計画が行われなかつた、こういうのが事実であります。誠に先般申上げましたように、当時の責任者である私としては責任を痛感しておる次第でございます。
  162. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私は当時の事務を扱つたそれぞれの長官に対する質疑はこれで一応終りますが、二、三の要点を挙げると以上の通りで、いずれもこういうことで結果においては、国に非常に大きな国損を与えたということでありますので、私は当時の廣川並びに根本それぞれ元農林大臣とされましては、我々としては正規の国会の決算委員会として、これについては真剣な討議を繰返しておる今日です。国民もこのことに関しては多大な関心を寄せておる今日です。特別会計だから長官に任せておくのである、大臣は知らなかつたのだ、何も存じないということでは、私は少くとも我々決算委員が納得しないものを、大多数の国民が了解をする気遣いはないと思う。そういう意味において若干私の言葉に語弊が、或いは誤解があつたかも存じませんが、特に汚職だとか疑獄だとかいうことで、我々国会なり国会議員に対する不信が非常に彌漫しつつある今日の職階において、私は折角おいでになつた大臣という方々から開口劈頭、少くとも直接の担当官であつた長官がその釈明をされる以上の良心的な私は言明がなされることを、実はひそかに期待をしておつたのであります。にもかかわらず、先ほどの同僚の議員からもそれぞれその点については道義的な追及がなされましたが、法律上の違反をしておらなければ、或いは会計法上の不正がなければ、当時の大臣としては何ら感ずるところがないということでは私は済まされないと思う。この点についてしつこいようでありますが、重ねて元両大臣からそれぞれ極めて簡潔なお答えを願いまして私は終ります。
  163. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) これは先ほど根本君からもお話があつたようでありますが、実は私はよくわかりませんので、根本君にも聞き、又東畑君にもお聞きいたしたのでありますが、東畑君もそういうことは報告されないと言つておるのでありまして、大体私も実は記憶にないのであります。そういうようなことで責任を逃れるかというお話のようでありますが、結果において、そういうような国損をかけたということは、誠に相済まんということは我々といたしても痛感しておるわけでございます。ただ事務的に我々が知らなかつたということは、これは全く不徳のいたすところでございます。
  164. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 先ほど以来、各決算委員方々からお聞きされたことは、当時の事情はどうであつたか知つておるか、知つていなかつたかということを聞かれたので、当時我々がこの問題については報告もなければ相談もなかつたという事実を言つたにすぎないのです。なお、又更にこういう事態が発生した以上、今後どうすればそうしたところの事態をなくすることができるようになるかというような意見を聞かれることについての答弁をしたのでございます。で、今飯島委員の言われたように、この問題はもとより純事務的にやられたことであるけれども、非常に結果的には国家の損失を来たしておるということについては、我々の深く遺憾とするところでございます。私見を申述べるならば、もとより職務権限において、各長官それぞれに事務当局に委任しておることでありまするけれども、こういうようなことについて、こうしたところの事態になつておるというような報告がありますれば、我々としてもそれに対して注意を与え、又只今御指摘のごとくに契約条項に暴いて、或いはこれに対して納入の中止なり或いは解約などの措置ができたと思います。併しこれもすでに過ぎ去つたことで、我々としては当時全然その事実の存在すらも知らなかつたので、自分たちがこれに対する適切なる指導、措置、処分をなし得なかつたことは遺憾でありまして、これは只今廣川氏が言われたごとくに、政治的には我々の不徳のいたすところで誠に遺憾に堪えないと思つておるのであります。同僚諸君と同じく国会議員として、こうしたところの立法機関であるけれども、同時に行政の誤りなきを今後とも大いに直接間接の努力を傾けて行きたいと、かように考えておる次第でございます。
  165. 大倉精一

    大倉精一君 ちよつと参考までに聞きたいのですが、これは安孫子長官に聞きたいんですが、そのときの実際麻袋購入の問題に携つたところの人々はどなたですか。
  166. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) まあ第二部長ですね、それから輸入業務課長、それから契約担当の関係並びに経理の関係もありますが、総務課長、それから米の実際の状況の見通しその他の関係から言いますれば輸入計画に関するもの、そういうところの意見、又外務省方面の大体の見通しというものもキヤツチしまして、内部から申しますと、以上のような関係者と協議をいたしてきめたのでございます。
  167. 大倉精一

    大倉精一君 食糧全体の計画ではなくて、私の聞いておるのは麻袋のでございますね。
  168. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) そう麻袋
  169. 大倉精一

    大倉精一君 そうすると、今日清井さんがおいでになつておるようですが、清井さん或いは細田さん、安孫子さんというようなかたが大体この具体的な責任の衝に当られたと考えていいんですか。
  170. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) この前も実は申上げたんでございますが、麻袋等の問題が非常に重要問題になつておる、タイ国政府からもこういう話があるのだ、又輸入の見通しから言いましても、これを何とか手当をしなければならんのだが、どうしようかということは、今申上げました人と一緒になりまして、いろいろ検討したわけです。それじや一つ買うという話にしようかということで、これを進めて参つたのでございます。そういう決定をいたしましたのは私でございます。あとはいろいろ補助者といたしまして関係いたしたと、こういうことでございます。
  171. 大倉精一

    大倉精一君 長官の補助として、まあそういうことがあつたということは、これはそうあると思うのですが、ここでまあこういう問題が、仮に会計検査院から指摘をされなくても、或いは結果論から言つても、これは長官として相当重大な責任をお感じになつておると思うのですが、これは会計検査院の御指摘があつたから云々ではなくて、なくてもこういう事実に対して、重大な責任を感じておられると思うのですが、どうでしよう。
  172. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) その点は前に申上げましたように、実は善意でこのことをやつたんでございます、関係者といたしましては。私在職いたしましたのは二十六年一ぱいでございました。二十七年の一月にやめたのでございます。その当時まではやはりこれは食糧輸入の円滑を図る上において是非必要なものであり、又大きく寄与するものであろうという考え方で以て、これはやつてつたのでございます。二十七年の一月早々退官をいたしまして、その後におきまして、この麻袋不用、余り役に立たないと申しますか、それだけの寄与をしない時代になつた。而も国際麻袋価格が下落いたしまして、このストツクの評価損というものが相当大きくなつているという話を、退官後聞きまして、これは誠に在職中の仕事について申訳けない結果を来たした、この点は何とも申訳けないという気持を以て、今日まで来ている次第でございます。
  173. 大倉精一

    大倉精一君 そこで根本さんに重ねてお伺いするのですが、やはり大臣に御在職中のこういう問題について、やはり大臣とされていわゆる国費を不当に使つた、国損をかけたということについて、仮にこれが善意の過失であつても、その結果については、大臣としてもやはり責任がおありになると思うのですが、その点はどうでございましようか。
  174. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 先ほど飯島委員質問と言うか、要請に対して、私がお答えした通りでございまして、これが私の在任中にこういう事態がはつきりとわかつておりますれば、善処もいたしたのでございまするが、知らなかつた、知らなかつたということは、私が政治的にまあ不徳のいたすところであると遺憾に存ずるというように申上げた次第であります。
  175. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、その後この仕事に携つてつた方々がほうぼうへ栄転をされているようですが、こういう問題は、これはもう皆さんみんな善意でやつておられると思うのですが、善意でやつている中で、その結果において、非常に大きな過失があつたとか、過誤があつた、或いは失政があつたという場合には、これは済まなかつたでは済まされん場合がたくさんあると思うのですが、これはいわゆる法律なり、規則なりにかからないからいいんだ、相済まないんだというのでは、相当の責任の地位にあるかたでは、そのまま済まして行くことも、これはどうかと思う。その後の人事について少し疑問があると思うのですが、これは清井さんも、細田さんもお見えになつているようで、この席でお尋ねするのもどうかと思うのですが、現在水産庁長官なつておられる、或いは農地局管理部長になつておられるということを聞いているのですが、こういう問題が明かるみに出て来た場合に、不正とは言いませんが、とにかく大きな責任問題という形で出て来た場合に、どうも私はこういうような人事について腑に落ちないところがあるのですが、このままにしておいていいものかどうか、恐らくこの人事は、廣川さんのときの人事だと思うのですが、こういうような事態が出て来たという現在において、これでいいものかどうかということについて、ちよつと参考のためにお聞きしたい。
  176. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 当時はそういつたようなことが問題にならなかつたのでございまして、適材適所であると我々は事務次官と相談してやつたわけでございまして、適材適所であることは私は今でも差支えないと思うのです。併しそういう問題が事務的に起つて、それが非常に迷惑をかけているということは、それは皆さんと一緒にやはり非常に責任を感じていると私は考えております。
  177. 大倉精一

    大倉精一君 私は名前が出ているので、清井さんなり、或いは細田さんの人格なり、或いはその適材適所ということについて質問するわけじやありません。これはありませんが、併しながら私の申上げていることは、現在汚職とか、或いは疑獄とかというようなことで、世間からたくさんこの政界、官界が疑惑の目を持たれている。我々一刻も早くそういうような形をきれいな形に、疑惑を払拭するような形にしなければならないという、こういうような矢先、而もこういうような麻袋という問題が、これは不正問題でなくて、一つ責任問題として、或いは不当処理の問題として出て来ている、従つてここに当時実際その仕事をやつてつた責任上、こういうような形、今こういうような工合に問題になつている形そのものが、どうも一部においては色目鏡で見られているのじやないか。或いはどうも政府も、或いは国会も、こういうふうなことについて頬被りしようというようなことで、これは本当に綱紀粛正というものをやる意思ないじやないかという疑惑を深めているのじやないか、従つて私はそういうことを心配するがゆえに、ああいうことの個人を云々するということじやありませんが、そういうことを心配するが故に、全く私は綱紀の粛正ということは非常に大事なことですから、こういう事態には相当な関心を持たなければならんというふうに思つておるのですが、重ねて一つお伺いします。
  178. 廣川弘禪

    参考人廣川弘禪君) 実はこの食糧不足のときに、いもの管理と言いますか、さつまいもを貯蔵したことがあるのでありますが、その当時は非常にこれがよかつたと言われてやつたことでありましたが、あとになつて、これはキユアリングとか言つて、いもを貯蔵する方法をやつたのですが、結果においてはどうも荷厄介になつたことがあるのでありますが、要するに長い食管特別会計において、その当時そういうことをすることが、国民の食生活に一番よろしいと考えた、いわゆる見通しの誤りということになるのじやないかと思いまするので、これが逆になつた場合は、非常にこれは称讃されるのですが、結果が左様になつたので、単に私はその見通しが誤つたので、現職には決して差支えないのじやないかと考えております。
  179. 大倉精一

    大倉精一君 このことに多く費すことは避けますが、恐らく廣川さんがあの当時に麻袋の問題をお知りになつておつたらば、先ほどの御答弁でありますと、全然知らなかつたとおつしやるから、これは又止むを得んことであつたと思うのですが、恐らく麻袋のこういう問題をお知りになつておつたならば、この人事についてもやはり考えが少し変つてつたかも知れないと思うのです。それで私がさつき申しましたのは、善意でやつたことは私ども認めていいと思うのですが、併しながらその結果が非常に大きな責任問題になつて出て来ておるので、従つてそういうものに関してわかつた今日、知らなかつたときはともかくとして、わかつた今日において、これは責任問題になるとお考えになりますか、参考にお伺いしたいのですが、これは同様のことを根本さんにの一つ参考のために御意見をお聞きしたいと思うのです。
  180. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 先ほど繰返して申したことで、私は申上げることはないのでございまするが、なお、重ねてのことですから、若干申上げますというと、これは先ほど皆さん御了承のごとくに、これは善意に基いてやつたことであるけれども、結果としてこういう事態になつて、国家的に損失を招いたということについては、おのおの担当の事務当局も非常な責任を感じておることだと思います。その意味において、その後の行政措置について人事をどうすべきかということについては、私から今どうこうすべきであつたということはちよつと申し兼ねます。現実にその事実を知つて人事移動をなされた廣川農林大臣の御意見もありますし、又現在の大臣もそうした総合判断に基いてなされたことでありまするので、これに対する批評は私は差控えたいと存じております。
  181. 大倉精一

    大倉精一君 まあお二方への質問はこれで終りますが、現長官にお伺いしたいのですが、この問題について私は善意でおやりになつておるということを前提にしておりまするが、これは飽くまで私はそういう工合に申上げておるので、これは非常に疑惑を持たれておるのです、事実上。というのは、疑惑を持たれておるのですが、ここは検察庁でありませんので、罪人を作り上げる場所でありませんので、ただ政治責任なり、その責任を追及するところであると私は考えておるのです。一応私は今善意でおやりになつたことは認めた前提に立つてつておるのですが、今の御答弁ではどうもやはり言いにくそうな御答弁で気にかかるのですが、現長官に御意見があつたらば伺つて置きたいと思います。
  182. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 本件につきましては、先ほどから各参考人方々からその当時の事情の説明があつたわけでございまして、私在任いたしましてから事情を調べましたが、その当事の事情としては善意で以てやつたということを私としては信じておるわけでございます。ただ今後こういうことの起らないように、会計というものの取扱の面、つまり業務の面と、それから経理の面との吻合と申しますか、そういう点を十分注意して、契約当時におきましては勿論のこと、契約実施後こおきましても、そういう事情が判明いたしまして、迅速に是正が図れるように措置いたしたいということで、部内でも寄り寄りその方法について検討いたしておるわけでございまして、こういうことのないように是非一つ組織の面におきましても、又事務の連絡の面におきましても、十分注意して参りたい。かように考えております。
  183. 岡三郎

    岡三郎君 ぼつぼつ参考人もあれですから、絞らにやいかんと思う。それでいろいろの問題があるのですが、控えておつたわけですが、八月に契約をして九月に三万、十月に九万、十一月に二十五万、十二月に五十一万、年を越して二十七年の一月に七十二万、二月に七十三万、三月六十七万、こういうふうに入れておるわけです。それで非常に納入の仕方自体についてもそうだし、それから検収の仕方も非常にさつさとやつている。官吏としてはもう驚くほどの能率で袋を倉庫に入れているのです。そうして小泉製麻の株が五十円から六百円まで暴騰していたという事実ははつきりしているわけであります。いろいろな問題があるわけですが、両前大臣は知らん、ただ知らんというにしては、これは見通しを誤つたのだろうというふうに、なかなか的確にお答えになつておるわけですが、併し見通しが悪かつたのか、購入の仕方が悪かつたのか、私はわからんと思う。ただ見通しが悪かつたので、結果論としてはまずかつたというふうに言われること自体もおかしいと思う。それにしては余りよくいろいろのことを知り過ぎていると思う。併しそれはここで言つてもしようがないので、とにかく終始一貫知らなかつたということになつているが、私たちが問題にしているのは、見通しが間違つたというようないい加減な問題じやなくして、会計検査院のほうも指摘しているのは不急、急がない麻袋買つたところに問題があるということが問題の焦点なんです。ですから私たちは見通しが単に誤まつたというだけで問題にしておるわけじやない。そのためには、それでは私のほうとして、これは途中ですが、お願いしたいのは、当時の当局のいわゆる輸入計画の詳細、是非ともこれはもらわなければならん。つまりいつどれだけの米と麦を買うについてストツクがどれだけどこにあつて、その時期までの回収がどれだけあるからどれだけ不足するというような詳しい計画ですね、これを見て行かなければわからんと思う。大体ここに資料があるのですが、もう一遍見通しの間違いかどうかということよりも、とにかく当時の計画がどうなつていたか、それからもう一つは情勢が逐次変化しておりますね、その変化に対して当局がどの程度の注意を払いこれを研究していたか。八月に契約してからどのように情勢の変化に注意し、それからこれを研究していたかというような記録、これを是非とも出してもらいたいと思う。もう一遍言いますというと、当時の当局の詳細な計画、いつどれだけの米、麦を買うについてストツクがどれだけあり、その時期までの回収がどれだけあるからどれだけ不足するというふうに、数字を一つ出してもらいたいと思います。それで一番問題になつているのは、契約の中止条項を活用せずに、あえて購入しているというポイントなんです。十二月に最終的にわかつたとしても、いいですか、何月に何枚納入しろということを、これは謳つてないわけです。何月に何枚納入しろということは確かに謳つてないわけです。ということになるならば、納入の仕方自体も誠に不揃いであるわけですが、一番急速に絞つてつても、十二月にわかつたならば、三カ月の契約猶予期間ということがあれば、物品の納入の一―といえば三月の分だけは抑えられると私は思う、三月の分は……。そういうふうな点で、あえてこれを無理に買わなければならなかつた問題と、それから農林省買付けた直後から、麻袋の価格がどうしてもおこつているという点、八月に契約してから、ずつと価格の変動を見て御覧なさい、三月までに納入した後、この価格がどういうふうに移り変つているか。これは食管は政府のもので自分のポケツトじやないから、五億や七億の金は平気だというふうにに考えておられるのだつたらば、食管行政としては非常に困つたものだと私は思うわけです。で、そういうふうな点で今のところは農林当局及び両前大臣は、これは善意だつたけれども、見通しが間違つたのだと、こう言い張つておられるわけです。その点については、会計検査院のほうは、いやこれは必要であつたということよりも必要でなかつたのだ、ただ単なる結果論だけではない。併しそこの点についての見解の相違で、今本委員会でその判断をしているわけなんですが、その資料として、この前の委員会において三社の月産能力は会計検査院のほうから百万袋というふうに出ているわけです。大体小泉製麻ほか二社の月の大体生産額は百万と見て、実際には大体八十万ぐらいである。ところが当時の責任者である人の答弁では五十万ぐらいの生産能力しかなかつたと、こういうふうに速記録に明確に残つております。よろしいですか。生産能力がてんで食い違つているわけです。農林省の見解で言うと、月に三社の生産能力は五十万ぐらいと答えております。我々の調査は百万以上の生産能力があるとしても、会計検査院は月産百万と見て、実際には八十万ぐらいは毎月作れる、こういうふうに考えております。そこに相当数の生産能力の食い違いがあるので、この点についていずれが正しいのか、もう一遍私のほうは調査する必要があると思うのでけ。  それから当局が購入をあえてしたことの背後事情としてサンドバツクの莫大な発注がある可能性があつたと、こういうことを言つているわけです。これは会計検査院と明確に食い違つているわけですよ。サンドバツクの必要量が非常にあるので、急いでこれを買う必要があつたと、こういうことを言つているわけですね、朝鮮事変の休戦について……。これは速記録に残つているわけです。これに対して会計検査院のほうは、具体的に朝鮮休戦というものについてこうこうだということが速記録にちやんと残つている。サンドバツクの問題について、朝鮮事変の解釈についても非常な食い違いがございます。八月にやつているけれども、一応のとにかく見通しとしては、二十六年の七月には小休止状態であつたということを言われている。そうして実際上は二十七年の暮になつて調停ができた。その間においても食い違いがあるので、この点についてしつかりした最終的な農林当局の御回答を得たいと思います。  それからタイ国側の言を信用ができなかつた、こういうことがありますから、タイ国自体として信用ができなかつたというのをやはり文書並びに当時の経緯ですね、これを具体的に出してもらいたい。タイ国が不信用であるということをはつきり言われているのだから、タイ国の不信用な点について明細に、このような事態がこうあるので、タイという国は信じられないということを一つ出してもらいたい。  それから製麻会社が輸出向を喜ぶところから注文も計画的に行かない、こういう御答弁が前にあつたわけです。つまり小泉とほかの会社は日本に売るよりも外国に売つたほうが儲けが多いということも、前の委員会答弁されておつたと思うのです。そこで輸出するほうがいいので、国内には喜ばなかつたと、こういうことがあるわけですが、当時の輸出先、そういつたものをはつきりと、小泉製麻その他から聞いて、どの程度外国に日本の安い麻袋が出ていたか、食糧庁のほうでおわかりと思う。これに対して検査院当局は、当時においてすでにそんなものを買つた麻袋がダブつくことが予想される状態にあつたと、つまり見通しとしてそういうものを急いで買つたならば、麻袋というものはそんなに要らないのだ、計画的に一遍に十万トンも二十万トンも入つて来るものじやないのだから、いわゆる麻袋会社の生産能力とよく歩調を合わして行けば、そんなに一遍にごそつと買わんだつて麻袋会社は二月半分の原材料を持つていたということがはつきり書いてある。こういうことであるならば、二月半もの原材料を持つてつて、月産能力百万袋できる。普通でも八十万できる。こういうふうな状態がわかつた中において、契約の中止の条項もあるのに、なぜこれを入れたのかという問題がまだわからない。これがはつきりと資料なり御説明が願えれば、我々のほうはこれは単なる見通しの間違いであつた、こういうふうにして大して問題にしなくても、今後ともこういうことを繰り返さないでもらいたいというふうに言つて済むと思うのですが、今の点について、あとで、若しもわからなかつたならば私のほうで書いたものを出しますから、はつきりと出してもらいたいと思う。今までのこの麻袋についての本委員会におけるところの御回答は会計検査院と相当の食い違いがある。食い違いの一、二の例を今私が申述べたのですが、そのほかにもこの速記録を私はずつと調べているのですが、大分違いがある。又安孫子さんが言つたこの食糧統制撤廃の問題についての御回答なんかも大分違いがあるのですが、今日は私はその点については敢えて触れない。併し委員会の記録というものは、仮にまちがつたらあとで訂正してもらわなければならんし、そういうふうな問題がありますので、一つ以上の点について食糧庁のほう、農林省のほうでやつてもらいたいと思う。  それから前谷さんがよく言うように、これは麦の買付けにも必要なんだ、麦がばらで来るから。併し麦は麦として計画を立ててお買いになると思う。少くともこの三百万袋に対しては米のほうとしてこれはずつとやられておるんで、麦との関連性なんだということを言うのは私は卑怯だと思う。とにかく三百万袋というものがタイとの米の購入問題で用意されたんでしよう。そのときに麦の関連を持つて来て云々というならば、二十七年の十一月過ぎにならなければ、この麻袋が使われなかつた。一体政府の米麦の輸入或いは配給といつたような計画は一体何を元にし、何を根拠にしてやられているのか、私は見当がつかんと思う。そういう点で保利農林大臣も言つているんだね、衆議院で。麦のことについては麦の調達のことをちやんと考えてやるべきが至当だということを言つておる。保利さんのほうがもつと良心的ですよ。ですからその点については麦との関連ということよりも、これは追つて麦のほうにも順に使われたでしようけれども、この七百七十四号についてはあくまでもタイの米の問題でありますので、事後においてこうだああだということはないと思うんです。  だから結論を申上げると、あくまでも農林当局は、結果として見通しが誤つてつたというだけの御釈明でありますが、我々としては結果としての見通しの誤つたということではなくして、具体的に今までの答弁の一、二を分析してみても、言われておることがちやらんぽらんだ、そういうふうに考えて、その点について、先ほどの資料を出してもらつてから、もう一ぺんその点について私は検討したいと思う。
  184. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 只今議員からのお話で我々が関知全然していなかつたにもかかわらず、見通しの誤りだというように言うことは、実質においては知つてつたんじやないかというような御発言でありましたが、これはすでに私が申上げた通り、結果的にそうなつたということを、最近に至つて、その事実を当時の食糧庁並びに現在の事務次官から聞いて、善意であつたけれども、それは若干の見通しの誤りがあつたということを聞いて、なるほど、そうであつたかということを言つたにすぎない人でありまして、当時からそういうふうな見通しとか何とかいうことがわかりまするならば、当然私は買付けしたとか、或いはどういうふうな契約であつたかということを、当然知るべきであります。そうじやありませんで、これはあなたのほうの今日のお考え違いではないかと思いますので、この点は御訂正して頂きたいと思います。
  185. 岡三郎

    岡三郎君 私の言つたのは、結局初めからこの問題については聞いてもいないし、知つてもいなかつたということになるならば、これは会計決算報告書がここにあります。農林当局の弁明はしばしばなされているのです。ということになれば、前大臣であるから農林当局をかぼうという気持はわかりますよ。わかりますけれども、知らないというならば、断定的に見通しが誤つたんだということをお答えになる大臣としての即断は、まだ出て来ないのが至当だと思う。大体そういう、ふうなことでしようというならばいいけれども、断定的にこれは確かに見通しの誤りであるというふうな即断すべき材料は、まだ本委員会においても、出ていないわけです。そういう点で官僚諸君を前大臣がかぼうというのはわかるけれども、併しそういうふうな断定の下に、我々はあなたがたをここに招致したわけではないので、そういつたいろいろな経緯の問題もまだ幾つもあるので、そういう点について調査しているわけです。ですからその点について両大臣が前大臣がこれは見通しの誤りであつたということだけで断定されることは、答弁の経緯から鑑みて、これはちよつとおかしいじやないかということを私は言つておる。
  186. 根本龍太郎

    参考人根本龍太郎君) 私は断定して言つたつもりではないのであります。今までも事務当局から聞いておりますれば、善意に基いて一応の見通しの下にやつたことが、結果的にこういうふうな損失を来たしたということを聞いておるので、その事実を私は言つたのです。その点は今岡議員の言われることで、私もその言われた発言の意味はわかります。
  187. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 資料につきましてはできるだけ調整いたしたいと思います。  最後に麦の問題について申上げたのは、私は五百万枚の場合の点について麦の事情を申上げたんじやないかというふうに私は記憶しております。三百万の場合には米であるということは従来から申上げておるわけです。
  188. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 今日は廣川根本の元の両大臣それから当時の食糧庁長官であられた安孫子参考人、そのほか多数の参考人を招きまして、事情をお聞きしたんでありますが、二十六年度の七百七十四号、二十七年度の一千五百一号、この両件が、いずれも両大臣共当時関与しなかつた只今なつてそれらの事情をやや相知つたという程度でありますならば、結局今後の審査というものは、当時の食糧庁長官それ以下ということに局限せられるわけでありますから、本日はこの程度にしまして、他日日を改めて食糧庁長官以下の当時の当局者に事情をお聞きしたいと思います。  本日はこれを以て散会します。    午後四時三十九分散会