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1954-10-05 第19回国会 参議院 決算委員会 閉会後第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月五日(火曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————   委員の異動 九月十一日委員相馬助治辞任につ き、その補欠として東隆君を議長にお いて指名した。 九月十三日委員剱木亨弘君、千田正君 及び飯島連次郎辞任につき、その補 欠として谷口弥三郎君、鈴木一君及び 三浦辰雄君を議長において指名した。 九月十四日委員伊能繁次郎辞任につ き、その補欠として雨森常夫君を議長 において指名した。 九月十五日委員重政庸徳君、安井謙君 及び鈴木一辞任につき、その補欠と して入交太藏君、高野一夫君及び堀眞 琴君を議長において指名した。 九月二十五日議長において亀田得治君 を委員に指名した。   資格消滅 九月二十四日委員大倉精一議員の資 格が消滅した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            青柳 秀夫君            島村 軍次君            岡  三郎君            八木 幸吉君    委員            雨森 常夫君            白井  勇君            高野 一夫君            奥 むめお君            後藤 文夫君            木下 源吾君            久保  等君            永岡 光治君            山田 節男君            堀  眞琴君   説明員    会計検査院事務    総長      池田  直君    会計検査院事務    総局検査第二局    長       上村 照昌君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大沢  実君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十七年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今から第九回決算委員会を開会いたします。  初めに、先刻の理事会におきまして、閉会中の日程について決定をみた事項がありますので、御報告申上げます。  先ず今回は、お手許に配付いたしました日程通り、今日より八日まで委員会を開会することとし、次は十一月一日より約十日間、更に臨時国会の直前に五日間乃至は一週間委員会を開会することに打合せを見たのであります。差当つて明六日は午前十時から派遣議員報告、二十七年度決算裁判所北海道開発局、七日は保安庁自治庁外務省、八日は調達庁法務省印刷局議題とすることにし、虎ノ門公園原形復旧についての本院の決議後の経緯について、又黄変米購入及び処分についての本委員会決議後の運用状況については、八日までの適当の機会にこれを日程に組入れまして更に造船融資問題等については、リベート関係の資料の請求を行つておりますので、それが参りまして更に検討する。こういうことに理事会決定をみましたのでお含みを願います。  それでは本日の議題に入ります。本日は第一に、二十七年度決算審査に関連し、特に二十八年度決算につきましてその批難状況批難についての傾向といつたものについて会計検査院検査の中間的な御所見を各省別に伺いたいと存じます。本件については前国会において岡委員からも要望があつたところでありますが、年々国会に提出されまする決算三件については、すでに御承知通り毎年同じ批難が繰返されているという事実がしばしば見受けられまするので、不正、不当事項の防止、是正等について責務といたしております本委員会としては、この傾向は看過し得ないところでありまして、勿論不正、不当事実につきましては、審査に当つてその都度警告を発し、対策を講ずる等、是正について万般の措置を尽して参つておるのでありまするが、その原因を更に探究し、抜本的に根絶を期するためには、単に付託せられた年度の決算審査ということにとどまらず、常に不正不当事実が如何に是正されておるか、本委員会の勧告、苦言、或いは意見、それらのものがどのように生かされておるか。更に如何なる制度上の、法規上の不備がかかる批難の根元となつておるかというようなことについて、それらの傾向なり、相関関係を体系的に審議をすることが、批難の類型についての重点審議と相待つて不可欠の前提と考えられまするので、二十七年度決算三件の審議に当り先ず本件を取上げたような次第であります。  本日は検査院から池田事務総長上村第二局長小峰第三局長大沢第四局長が見えておられますから、先ず初めに池田事務総長から只今申上げました全般の説明伺つて、細部については各局長から伺うことにいたしたいと存じます。それでは池田事務総長
  3. 池田直

    説明員池田直君) 私から現在二十八年度の国の会計政府関係機関会計等検査をいたしておりまする極くあらましを御説明申上げます  会計検査院のあり方、その他重要事項につきましては、先に東谷会計検査院長から、この委員会におきまして御挨拶を兼ねてのお話があつた次第でございますから、会計検査院事務当局といたしまして、本年の検査を実施いたしておりまする状況につきまして私から申上げるのでございまするが、昭和二十七年度の決算検査報告に現われました結果等に鑑みまして、昨年に引続き本年の検査におきましても、公共事業関係補助工事及び直轄工事、それに外国食糧購入及び処分、又防衛庁や各公社等における資材調達、こういつた事項を取上げまして、努めて重点的に検査を実施することにいたしております。このほか本年は新らしく農林厚生両省所管におきまする公共事業費関係以外の国庫補助事業造船融資などにつきまして検査重点を置きまして、国の支出の節約、経費効果的な使用という点に留意いたしまして検査を実施して参つたような次第でございます。  現在までの会計検査院実地検査は、各地方部局検査を大体終りまして、本省、本庁の検査段階に至つている状況でございます。そして検査を終了いたしましたものについての結果を鋭意取りまとめておるところでございまして、検査報告に提起すべき個別の具体的事案といたしましては、まだここにすぐ御報告申上げるまでには至つていない状況でございますが、この席で検査の結果について先ほど申上げましたように極くあらましを簡単に私から申上げてみたいと思います。  第一に公共事業関係補助工事につきまして申上げてみたいと思います。公共事業関係補助工事につきましては、昨年と同様な不当な事態がまだ多いのでございまして、そのうちには粗漏な工事をやつて手直しを要するもの、又事業団体において、法律の結果正当に負担すべき経費も負担していないというようなものが相当見受られますが、会計検査院検査の徹底したこと昨年会計検査院から各主務庁に対しまして是正改善の処置を要求いたしたことなどに対する府県その他の地方公共団体の側の反応も徐々に現われて参つておるように考える次第でございます。  なお昨年の大災害でございまするが、二十八年の発生災害復旧事業につきましては、特例法によりまして高率補助の適用がございます。その補助金支出額多額に上つております次第でございますが、従来の会計検査院検査の結果に鑑みまして、工事完了後に工事の不当を指摘いたしましても、その是正が非常に困難でございますので、従来の検査方法に加えまして、工事の着手前に査定状況を見る方法をとりまして、この一月下旬から四月上旬に亙りまして実施した次第でございます。その結果は主務庁において査定の取消しをするもの、又は工事費の減額をすべきもの、こうすることが適当と認められるものが相当多額上つた次第で、ございまして、これにつきましては当局善処方について注意を促しておいた次第でございます。その影響もございますか、二十九年発生災害復旧事業についての補助申請におきましては、従来のような甚だしい水増し申請相当減少したのではないかというように聞いている次第でございます。  次に一般国庫補助事業関係について申述べます。公共事業以外の国庫補助事業につきましては、公共事業関係補助工事不当経理現状に鑑みまして、市町村等の末端の実情がどうなつているか、これをよく見ることといたしまして、農林厚生両省所管のものについて検査を特に注意をいたしまして実施いたしたわけでございます。その結果は、この種補助金が、最終の受領者事業実施についての実情をよく把握しないままに予算化されていたり、補助金交付の時期が適切でなかつたり、或いは補助金を配分するのに困難なほど零細であつたりいたしまして、補助対象事業を施行していないものがございますなど、補助効果を十分に上げることができないものが多く見受けられた次第でございまして、特に農林省所管のものにつきましては、会計検査院といたしましては当局にその是正改善方を促しておいた次第でございます。  次に公共事業費関係直轄工事について申述べます。従来建設省事業部門におきまして多数見受けられました架空の名義によりまして人夫賃等支払つて、そうしてこれを手許に置いて事業をするというような不当経理は大いに改善されたのでございますが、なお農林省事業部門におきましては同様の事象が見受けられまして、改善を要すると認めております。  次に外国食糧購入のことにつきまして申上げたいと思います。昨年多額国損を生じた事態について御報告申上げたわけでございますが、本年におきましても同様に購入食糧の高価で品質が粗悪と認められるものなどがございまして、処分についても検討が不十分だと考えられるものがありまするので十二分に検査をいたしておる次第でございます。  次に申上げたいのは防衛庁や各公社等におきまする資材調達などについてでございまするが、需要部門在庫状況とか需要程度などにつきまして現状の把握が必ずしも十分でない。そうしたために要らないものを買つた。或いは不急調達があるとか、そうした事態が依然として見受けられるような次第でありまして、これらの点につきましても目下鋭意検討を加えておるような次第でございます。  以上甚だ簡単でございまするが、私からそれだけを申述べて御参考にいたしたい、こう考える次第でございます。
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 第二局長から担当のことについて御報告を願いたいと思います。
  5. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 私が所管しておりますのは第二局でございまして検査対象にいたしておりますのは裁判所法務省保安庁調達庁外務省通産省文部省厚生省労働省を所管しておるわけでございますが、主要のものにつきましては只今事務総長からお話がございましたが、現在の検査状況を申上げますと、実は目下検査段階でございまして、必ずしも固まつた状況ではございませんので、大体の趨勢だけを申上げたいと思います。  先ず裁判所法務省でございますが、これは前年度の検査報告等から考えますと相当改善の跡が見られるんじやないかと、こういうふうに考えております。殊に法務省におきましては年々不正行為の数が相当多くあつたように思いますが、相当改善措置もとられて、本年は相当減少して来るんではないかと、こういうふうに考えております。  それから防衛庁関係につきましては、先ほど事務総長から話がございましたように、昨年二十七年度の検査報告にも不要不急物品等購入しておるものがあるという点を検査報告で御報告しておるわけでございますが、今年の検査におきまして、まだ固まつてはおりませんが、そういう事態相当多く見受けられる、こういうふうに考えておるわけでございます。それでその原因は、今後なお検討を要する事態だと思いますが、調達に当りまして部内関係の連絡必ずしも十分でない、或いは規格の検討が十分でない、或いは又調達基準になりますものがどの程度はつきりしておるか、こういうふうな点について今後十分検討して行つてその原因を探究したい、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから調達庁関係でございますが、調達庁は御承知のように主として使いますのは防衛支出金駐留軍のために要します物件の建物等購入或いは移転に要します補償費などと同じようなものについての処理、これが大部分仕事を占めておるわけでございます。要しますに補償購入、借上げが適当であるかどうかという点が検査対象になつておるわけでございます。この点につきましてはいろいろ検討中のものもございますが、何分にもいろいろ経理検討その他につきましてはいろいろの要素がございまして、未だ十分に固つておるものはございませんが、なお現在研究しておる状況でございます。  それから通産省関係でございますが、これは通産省経費検査重点として特に指向いたしましたのは、中小企業補助、それから官有機械通産省で持つておりますので、それの処理状況がどうであるかというような上を見て行つたわけでございますが、補助に関しまして、補助金交付後における指導監督等が必ずしも適切であるかどうかという点について多少疑問もございまして、なお検討中でございます。それから官有機械につきましても終戦後相当時期もたつておりますので、この際総ざらいをして、如何なる状況になつておるかという点を現在検討して、不適当なものについては適当な措置を講じて頂きたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから文部省につきましては、昨年度検査報告に出しましたのは、災害復旧に対する補助の点を検査報告に掲記しておるわけでございますが、今年の検査におきましては、主として中小学校建物一般整備補助関係を中心といたしまして、災害関係も見て行くというようなやり方で検査進あて行つたわけでございますが、検査をいたしました結果、御承知のように補助金基礎になりますのは学校生徒数と、それから一定の時期でございますが、生徒数とそれから校舎の一定の時期における坪数を、これを基準にいたしまして補助すべきかどうか、補助する場合にどれだけ補助するかどうかということがきまつて来るわけでございますが、その基礎になつております時日関係が、相当補助されたもとになつております時日相当つておるものがあるのではないか、こういうふうに見受けて来ておるわけでございまして、この点につきましては文部省におきましても順次基礎をしつかりしたものにしてやつて行くというふうになつておるようでございます。  それから厚生省関係につきましては、大体前年度と同じような形で補助金検査をやつてつておるわけでございまするが、補助金経理について成るべく間違いのないように厚生省のほうでも方法をとられておることとは思いますが、なお現在まで見ましたところにおきまして、相当なお前年度と同じような事態が起つておる、こういうふうな状況になつております。  それから労働省につきましては主として失業対策でございますが、この点につきましても前年度と同じように見て参りまして、経理が必ずしも適切に行つていない、こういうふうに思われるものもありますので、現在検討中でございます。  大体以上が私の所管事項でございます。
  6. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 私どもの第三局では農林省建設省運輸省、この三省を担当しております。何と言いましても一番大きな問題は、先ほど事務総長からもお話がありましたように公共事業の問題であります。公共事業関係につきましては数年来全国相当手広く廻りまして検査をやつて検査報告も年々多数の案件が出ておりますが、今年も引続きまして各府県に亙つてつておるわけであります。やりましたところが、今年は全国府県というわけには参りませんので、八月末現在で申しますと二十三、丁度半分くらいしか歩けなかつたわけであります。工事箇所数は御承知通り非常に多いのでありますが、二十三府県三万一千カ所ぐらいでありますが、そのうち二千六百カ所くらいしか現場が見られなかつた。その結果従来と比べまして、先ほど事務総長からお話がありましたように若干よくなつて来ているという傾向が見られるのであります。検査相当に何年にも亙りまして滲透したのではないかと思いますが、現場当局相当厳重な監督ということが逐次行われて来ているように見受けられます。その結果、昨年はこれは六億八千万円ほど私のほうで、農林省関係だけですが、補助金につきまして指摘したものがそのくらいの金額上つたのでありますが、今年は大体三億円台、四億は超えないだろう、こういうふうに考えております。  それから災害復旧関係検査は、今申上げましたように何年も相当手広くやつておりますが、あと工事ができ上りまして補助金交付いたしまして、そのあとで見て廻るというのが普通でありまして、私どもずつとその方法をとつていたのでありますが、昨年御承知のようにあの大きな災害がございまして、従来も例えば査定に非常な水増が入つているというようなケースがしばしばあとでわかつたのでありますが、昨年の特例法、九割以上国が負担するというあの特例法国庫負担の中でそういうような水増というようなものがたくさん行われてはどうにもならんわけでありまして何とか早く悪いものがあるならば探し出したほうがいいのじやないだろうか。こういうような観点に立ちまして昨年、大体農林省関係と申しますと工事現場を、災害の非常に大きなところをよつたわけでありますが、一県で十億円以上というような査定のつきましたところをよりましてやつたわけでありますが、工事現場の数といたしまして四割方、それから金額にいたしまして五割近くというものを調査したわけであります。その結果相当程度やはり水増部分が出て参りまして大体農林当局に御注意して、向うが納得されて直すというのが八十七億円くらいに上つております。これは後ほど建設省のときにも申上げますが、建設省関係は一部残しますが、現在のところ直す金額が二十三億円くらいになります。運輸省もついでに申しますが、二億七千万円になります。農林建設、運輸三省の分について事前調査の結果、百十数億円というのを補助するという水増分がある、こういうふうなことがわかつたわけであります。大体四割方しか見ないでその程度で、その金額の大きいのに実は驚いたのであります。  それから公共事業関係でありますが、農林省農地事務局直轄でおやりになる工事、これが従来どうも私ども手が足りないせいもございますが、補助のほうの検査のほうに手が取られて、直轄工事というものに余り力が注げなかつたのでありますが、相当に問題がございますしいたしますので、今年は工事の数にいたしまして約三分の一くらいでありますが、八十何事業所がございますが、そのうち約三十というものを検査して廻つたわけであります。そうしますと相当にいろいろな問題が出て参りまして、先ほど事務総長からも御紹介がありましたように、数年前に建設省幽霊人夫で金が支払われたというようなケース建設省は非常に多かつたのであります。これは現在は全国から一掃されたのでありますが、農林省にはまだそういうものが残つておるというようなことがわかつたのであります。そのほか工事の出来ばえというようなものにつきましてもいろいろ検討を要する問題が相当に出て来ております。  それから公共事業関係以外の補助金、これは農林省は御承知のように百何十種類という補助金がございますが、従来は公共事業には相当力を入れ十ていたのでありますが、それ以外の例えば農薬関係なんかに随分補助をいたしておりますが、こういうようなものについての検査はなかなかできなかつたのでありますが、今年全国十四県選びまして、これは各地方ごとに一県或いは二県ずつ選んだのでありまして、全国に亙りまして、全国と言いましても十四県のうち二百四、五十カ町村しか見られなかつたのでありますが、実際に非常に種類の多い補助金がどんなふうに使われているということも見て廻つたのであります。これも先ほどもちよつと申上げましたように甚だ思わしくない、効果が上つておらん、ひどいのは農民の手に届いておらんというのも相当見付つたのでありますが、一番問題が多かつたの災害、去年は御承知のように災害関係補助金相当に出ております。冷害対策とか或いは凍霜害対策とか、こういうようなものは一番問題が多かつたのでありますが、今年又冷害というような金が出そうでありましたので、又昨年と同じようなことをやられては困る、こういう意味を以ちまして、七月に農林省に対して冷害、凍霜害関係検査の結果、私どもほんの僅かしか検査してないわけでありますが、それによつても随分ひどいものが出てこういうことで農林当局相当警告的な意味で今年の経費の使い方をもう少し気を付けてもらいたいというような意味で、実は早目に照会を出したわけであります。  それから今年も、これも実は初めてやつたのでありますが、今の一般補助関係と併せまして農業共済、これが現在は国費の支出が百億を超えまして、相当大きなものでありますが、地方ではこれはいろいろな噂の種になつておるものであります。この案件農業共済が一体どんなふうに運営されているかということも、今一般補助と一緒に見て廻つたのでありますが、これは比較的西のほうが成績が悪かつたのでありますが、農民共済金が届いていない、同時に一方農民から掛金を取つておらなかつた。御承知のように農業共済義務加入でありまして、耕地を持つておる者は否でも応でも支払わなければいかんものであります。これが掛金を取つていない。同時に災害があつた場合に政府から出した共済金農民行つておらない。これらは四国、九州に比較的多かつたのでありますが、そういうようなものも相当見付つております。  それから食糧関係でありますが、これは最近数年間御承知のように検査報告に非常に大きな、スケールの大きな批難事項がたくさん出ておりますが、今年も食糧につきましては黄変米を初めいろいろな点に相当よく検査をしたわけでありますが、昨年ほどではございませんが、やはり今年も幾つかスケールの大きな批難事項が出るのではないかと今検討しております。  それからやはり農林省で、国有林野仕事もこれは大きい仕事であります。国有林野事業食糧と違いまして、比較的従来も検査報告に掲げるというようなケースが少い、割合によく行つている会計であります。現在御承知のように林野整備というものをやつております。林野整備相当にいろいろな問題が多いようであります。折角市町村基本財産にするということで比較的安く売つた林野がそのままほかに転売されてる。木を伐つて売るのはこれはまあいいのでありまして、あと基本財産として木を植えて育ててくれればいいわけでありますが、木を売るのは普通でありますが、土地ぐるみ売つてしまつたというようなケースも、数多くはございませんが、見付つております。  農林省関係は大体そのくらいにいたしまして、建設省でありますが、建設省補助事業は、先ほど申上げましたように農林省ほどではございません。まだ相当全国的にはたくさんの悪い工事というのが出ております。それから事前調査査定内容調査ということも、農林省と同じようにやつたのでありますが、農林省の八十数億というものに比べますと金額がうんと少うございますが、それにいたしましても現在までのところ二十三億も減る、こういう事実がわかつたわけであります。  それから建設省直轄工事、これは御承知のように地方建設局でやつておる仕事でありますが、これは数年前の経理が非常に乱脈だつた時代に比べまして非常によくなつております。私どもとして検査報告に掲げるという事項は今年はうんと減るのではないか、こう思つております。幽霊人夫というような忌わしいものは全国から一掃されておりますし、工事の内容につきましても、さすがに建設省というような感じを持たされるというようなものが多くなつておりまして、検査院としては批難するような事項がうんと減るのではないか。それからこの数年来建設機械の管理につきましてたくさん検査報告事項が出ておりますが、これももう古いやつは全国洗い尽されまして、現在では今まで見ましたような古い機械の処理方法、こういうようなものにつきましての掲載事項というのがうんと減るのではないか、こう思つております。建設省直轄工事につきましては非常に私どもとして検査報告に載せなければいかんという事項が減つて来たということははつきり申上げられると思います。  それから運輸省でありますが、これも数年前に海上保安庁経理が非常に悪かつたのでありますが、いろいろな刑事問題まで起したあれでありますが、これもその後非常によくなりまして、今年は海上保安庁批難というのも、これもうんと減るのではないか、こういう予想をしております。それから補助事業、港湾関係補助は、これは農林建設に比べてずつと数は少いのでありますが、これについては昨年と同じくらい問題が起るのではないか、こう予想しております。運輸省につきまして、港湾関係につきまして、農林建設と並びましてたくさんの昨年の大災害の復旧に対する調査、これについて二億七千万円しか出ておりませんが、これもともかくも一応やつたわけであります。  それから最後に北海道開発局でありますが、これも私のところで検査しておりますが、北海道開発局は従来割合に、北海道庁がそのまま開発局になつたような内容で、工事そのものも出来形が余りよくなかつたのであります。検査報告にも相当数、例えば工事の出来高不足というような案件が載つておりますが、今年はこの種のものは大変改善されております。ただ今まで私どもも手が著かなかつた工事等の内容でなく、工事経理に関する問題というようなものが今年は相当に出ております。人夫賃の幽霊と同じように、事務費を会議費とかそういうものに予算が足りないために流用する、それを正規の方法によらないで架空の支払、例えば印刷しもしないのに印刷屋に金を払つたようなことにして実は会議費に使つている、こういうようなものが相当見付つております。それから犯罪、人夫賃の付け書をしてそれを係の者が横領する、こういうようなケースも出ておりまして、北海道開発局工事内容は改善されておりますが、今の経理という面になると一層の改善の努力を要するのじやないだろうか、こういう印象を受けているわけであります。  私のほうから申上げることは大体そのくらいであります。
  7. 大沢実

    説明員大沢実君) 第四局で検査を担当しておりますのは、国の会計から申しますと郵政省、これは一般会計とそれから郵政事業、簡易生命保険及び郵便年金並びに郵便貯金の特別会計、これを全部担当しております。そのほかに大蔵省の印刷局と造幣局の特別会計、それからあと運輸省の中のいわゆる造船利子補給、この補給金だけを四局で担当しております。国の会計として検査を担当しておりますのは以上であります。そのほかは政府関係機関、公社及び銀行、公庫等の政府関係機関、これは全部四局で検査を担当しておりまして、そのほかにも出資法人が入れられますが、大きなものはそうしたものであります。  そこで二十八年度の検査を総括して見まして、先ず全般を通じて申上げられますことは、これは従来のような同じ検査の目で見た結果においては従来よりも不当事項は激つて来ているのではなかろうか、大まかな観察であります。これは併し全部経理がよくなつたということもあるでしようが、又一面会計検査院検査する目、見方ということは、偏つたその面においてはもうなくなつた、併しほかの面からもつと目を変えて見て行かなければならないことが多いのではないかということが反省されているわけでありまして、将来においてその点を十分検討して行きたいと思つております。  そういうわけでありますが、今度は個別に大まかを申しますれば、郵政省の各特別会計、これは今年の検査の結果によりますると非常に改善されておるのではないかというように感じます。ただこれは法規の制約と実際との間の止む得ないというか、ギヤツプになつているのじやないかと思われますのは、例の郵便貯金は法律上一人十万円ということになつております。それから簡易生命保険の分は今度の改正によりまして十五万円ということになつておりますが、実際におきましては貯蓄増強募集その他の努力によりまして、集めますときにどうしても一人宛それ以上超過した保険が附加されたり、或いはそれ以上超過した貯金が実際やられておる例がある。これは法律上から見ると確かに違法だと思うのですけれども、これが果して違法としてそれ以上どうしてしまえということを検査院としてどうするかということに関しましては、現在非常に頭を悩ましておりまして、いずれ最終決定を以て検査官のほうの会議にお願いしたいと思つておる次第であります。  申し落しましたが、各省の各庁、公社等検査も四月から八月頃にかけまして地方のいわゆる地方局というようなものが大体終りまして、その後引続きまして本庁のほうの検査も一応終りまして、出張検査としましては一応終つたのでありますが、その結果出張主任官の報告だけではどうしても不十分、不備な点がありますので、文書を以て照会いたしておりますが、この照会に対する相手方の回答がなかなか参りませんので、果して出張官が見て来た事項がその通りであるかどうかという最終結論に達していないのが大半でありまして、これから一カ月半ぐらいの間にこれを督促しまして、回答を取り寄せまして検討して、最終結論には達したいと思います。それを最初に申上げるのを忘れておりました。郵政省としましてはそのほかには特に申上げることはありません。  それで又大蔵省の印刷局、造幣局の現業特別会計でありますが、これに対しましても、昨年の検査報告には用紙類など買い過ぎたという点を批難してありましたが、そうした多少改正の点は今後も見られておりますが、大きな点で問題として申上げることはないかと思つております。  それからもう一つ国の会計としましては造船利子の補給の問題でありますが、これは特にああした問題にもなりましたので、できる限り多くの船会社について実地についてこれを検討しようということにいたしまして、補給を受けているといいますか、補給を受けるのは金融機関でありますが、その間接に補助を受けている船会社が五十四社ありますが、うち現在までに十八会社の帳簿につきまして内容を検討いたしました。  その結果を極くかいつまんで申しますれば、先ず第一に、これはあの補給法の法文が不備ではないかと思われる点があります。といいますのは、具体的な例を申しますると、あれは利益が、決算上に計上した利益が資本金の一割を超えたときは補給金は船会社から取上げるのだぞ、こういうことになつておりますが、ただ決算上計上した利益というものはどうして計上するかというその根本原則がないわけでありまして、各船会社の思い思いの会計経理によりまして利益を計上する、それがそのまま利益という恰好になつている。だから税務計算上或いは否認されるべき損失、或いは又否認さるべき利益というものが全部陰に隠れてしまつて利益計算の標準になるというような法文の建前に現在なつております。これはおかしいじやないか。少くとも何か一定の財務諸表の原則に基いて利益というものを算出して、それによつて補給金を出すか云々ということをきめるべきじやないかと思いまして、この点は運輸省に対しまして文書を以て照会いたしました。運輸省のほうでも現在検討中でありまして、最近船会社の財務諸表だけは統一するようにたしか官報で告示いたしまして、財務諸表の統一を図つております。それでなお且つ資本金の一割を超えるという場合にも、その資本金というのは一体事業年度の初めの資本金なのか、事業年度末の資本金なのか、或いはその平均資本金をいうのか、こういう点も法律上はつきりされていない。これなどもやつぱり法律或いは施行令によつてはつきりさせるべきじやないかという点、そのほかそうした法律の運用問題になる点がありまして、そういう点をまとめまして運輸省のほうへ現在改善方、検討方を照会中であります。  それから個々の船会社の内容を見ますると、御承知の海運不況でありまして我々が税務計算の面を見まして、いわゆる会社の決算を一応ばらしましてそれに損失が隠されていはしないか、利益が隠されてはしないかということを一応ばらしまして組立ててみました結果によりましても、検査しました十八会社におきましてはやつぱり欠損になつておりまして、これは補給金を出すのは止むを得ないのじやないかという結論に達しております。  そのほかに今度は船価、いわゆる建造価格という中にリベートはないか、これが問題でありますが、もうすでに司法沙汰になりました飯野海運とかその他の会社につきましては現在証拠書類全部を検察庁に押収されております。まだこうした会社についてはこちらも調査検査はいたしておりません。  そのほか現在まで検査しました十八会社につきましては、これはリベートとして出て来たのはないのであります。発見し得なかつたのであります。併しながらリベートに準ずるものとして考えて行くべきではないかと思われますのが、例えば十億で船を作る、そうする相手方に九億を払つて一億はまだ未払金のままでずつと残している。こうしたのは九億で或いは決済が済んでいるのではないか。一億というのは未払金として残つているけれども、実質上必要ないのじやないかという疑問を持たれるものがあります。又十億払つて逆に造船会社から、金額は仮定でありますが、一億ぐらい借りている、十億払つたけれども逆に借りている。これなども九億が本当で、あとはリベートと考えられるのじやないかと思われるものもあります。これなどは感ずるだけで極め手がないので、現在運輸省のほうに照会しまして保留事項になつております。こうしたことがあるかどうかというので決定を求めている次第であります。  大体国の会計に対する検査の概要はその程度でありまして、あと公社関係、専売公社、これらは昨年の検査報告で取上げたものは余りないのでありますが、本年度調べました結果によりまして、一つ今まで余り出て来なかつたというか、こちらの検査が徹底しなかつた点は塩田の改善に対して補助金を専売公社に出しております。或いは塩田の災害復旧に対して補助金を出している。この改良補助金或いは災害復旧補助金の内容を見ますると、いわば補助指令通りにできていないという出来形の不足のものもありますし、或いは最初から補助しても効果を期し得ないのじやないかというところに補助している例もありまして、こうしたものもそれぞれ照会を発しまして現在取りまとめまして最終決定を得たいと思つております。そのほかには一つ一つ見ますと余り大きな問題ではないのでありますが、例えば写真機をたくさん買込んだとか自転車をたくさん買込んだとかいうように各地方局で必要以上のいろいろな備品類などを買込んでいるのではないか。いわゆる予算消化の傾向相当あるのじやないかと思われる点が、個々には小さな問題でありますが、全体を見ますと相当たくさんな件数がありますので、こうした面も検討してみたいと思つております。  それから電電公社でありますが、これは昨年において特に力を入れましたのは、予算をたくさん取りながらも部内の連絡の不十分なためやその他のために、十分工事ができずに相当繰越している。予算の使用が非常にまずいのじやないかという点を主として検討したのであります。これは電電公社の当局におきましても相当この点は真剣になつて取組まれてやられたと見えまして、二十八年度の決算面から見ますると、繰越が二十七年度百数十億ありましたのが、たしか五十億ぐらいの繰越になつております。非常に繰越が減りまして、それだけ工事が進んだというわけであります。  併しながら一面内容は個々に見まするといわば予算消化、或る意味の予算消化でございますが、これは急ぐの余り年度末になりまして貯蔵品で持つております機械を、まだ工事ができないのに決算品としていわゆる工事のほうに決算いたしまして、そしてまだ未竣工施設として残つているという操作をされたのが相当ありますために、未竣工施設、稼動でない施設というものが相当殖えているというような状況でありまして、まだまだいわゆる工事の促進ということにはもう一歩進んだ検討が必要じやなかろうかというように感ずる点があります。  そのほか個々の問題、例えば二十五年度から六年度にかけまして生じましたような架空経理の問題というような問題は、最近におきましてはないと申上げるのは、或いは当らないかも知れませんですが、検査の結果では発見した事項はありません。そうした架空経理の点で公社につきましては相当改善されているというように見ております。  それから日本国有鉄道でありますが、国鉄に関しまして、先ず真先にいわゆる連帯運輸の収入とか、或いは貨物の後納運賃というようなものの収入金の取立て、これがまあ非常に緩慢ではないかということが昨年の検査報告で掲げた事項でありますが、これに関しましてその後縷々国鉄側と折衝しておつたのでありますが、二十八年度におきましては、まだ遺憾ながらその点は余り改まつておりません。併しながら極く最近でありますが、九月になりましてから、いよいよ国鉄でもこれに対して抜本的な方法を講じたいというので、後納運賃に関しましては或る基準を設けまして、一カ月か二カ月か今ちよつと忘れましたが、とにかく遅れたものは即座に後納契約を取消すという根本方針をきめました。実施を九月の半ばからしたいと言つてつたのですが、まだ実施したという報告を聞いておりませんが、最近実施すると思います。後納運賃の取立てにつきましては、相当抜本的な方法を講ずることになりまして、連帯運輸に関しましても、ついでやりたいという意向のようであります。そうした未収金の問題に対しましては、相当まあ二十九年度においては改善されるんではないかと思つております。  それから次に土地、建物の使用料の問題であります。これも我々も指摘し、又行政管理庁のほうからも指摘のあつた点でありますが、この分も二十八年度は遺憾ながら、田舎と申しますか、地方において一部の改訂があつた程度で、本格的な改訂にはなつておりません。二十九年度に入りまして本格的に改訂をすることになりまして、地方の管理局は相当値上げされたというように報告を聞いております。併しながら一番肝心な大きな収入になるところの東京、大阪というものが、一定の方針はきめられて、価格評価委員会か何かの答申によつてきめられたのでありますが、借りている相手方の反対が非常に強くて、現在まだ収入を増加したということの実現には至つておりません。これは最近になつて確定するということになつておりますですが、そういつた遡つて二十九年四月から適用するということになつておりますが、現在ではまだ遺憾ながらその点には達しておりません。  二十七年度の検査報告に掲げましたことで、そのほかにもう一つは主として電気工事でありますが、こちらで貯蔵品を支給してやれば相当安くできたと思われるやつを、材料を請負業者持ちにしたために、相当高くなつているんではないかと思われる次第がございまして、昨年も注意したことでありますが、この傾向は今年も依然として残つております。特に電気工事においては、業者というものを非常に制限している。これは国鉄側に言わせますと、例の国鉄法に基きまして、オープン・ビツドと申しますか、誰でも入札に参加できるという制度が二十四年度でしたか、国鉄法ができましたときに法律がなつたのでありますが、その結果いわゆる悪徳業者が非常に入つて来て、それで鉄道保安上非常に支障を来しているので、適格者を制限したということでありますが、その制限が何か非常に強過ぎるのではないか、もう少し門戸を開放してもいいんじやないかという感じを持ちまして、できるだけ折衝しているわけでありますが、検査院としても、この業者を入れるべきじやないか、この業者もいいじやないかという、個々の業者については言うことはできませんし、自信がありませんが、少くとももう少し門戸を開放してもいいんじやないか、そうすれば入札率が上るのじやないか。現在余り縛られているため、そういつた人たちは、曾つて国鉄に勤めておつた人が相手方の会社に入つているために、予定価格をどうして作るかということまで大体相手方も知つている。ですから入札とは言いながらも、実際は筒抜けの契約になつているんではないかという疑問さえ持つてるような契約が多いのであります。この点に対しては、まだ依然としてそうした傾向がありますので、なお、検討して見なければならんと思つております。  それからもう一つ国鉄の二十八年度決算の上の特異な点でありますが、御承知通り二十九年度の予算におきまして、鉄道の建設費が非常に削減されまして、このことは二十八年度の年度末には当然予算編成上わかつておつたわけでありますが、この年度末におきまして、各建設線の工務施設、つまり宿舎ですとか、倉庫、こうしたものを、各建設線の工務施設を相当年度末において作つているのが多い。これは予算が削減されて相当工事を抑えなければならんということがわかつているときに、予算消化をやつたのではないかと思われる点が多いのであります。これはほうぼうにに出ておりますが、まあ併しこれはこちらがそう思つているだけでありまして、個々の事情は正式な回答を待つて検討しなければなりませんが、そうした点がありますので、なお、検討いたしたいと思つております。  それからもう一つ、これは二十七年度からの継続の問題でしたが、二十七年度分に二件ほど出ております石炭殻の処理の問題でありますが、これはいわば今まで会計検査院といたしましても、石炭殻というような国鉄として非常に副次的な問題に対しての検討が不十分であつた。これを一つ全面的に検討してみようということになりまして、今年相当全面的に検討しました結果、やはり田舎のほうではむしろ石炭殻を捨てるのに土地がありますからあれでしようが、需要もないというので取捨ててやつている。これはやむを得ないと思いますが、東京、大阪というような石炭殻自身を相当埋立てに使うというような有価値なものとして取引きされ得る場合におきましても、国鉄側で取捨費まで負担して渡しているというような例がありましたので、これは妥当でないじやないかという点で、現在これを改善方に対して折衝していることがあります。  なお、この席をお借りしましてちよつとお詫び申上げておきますが、新聞で御承知と思いますけれども、石炭殻の検査の問題に関しまして、鉄道の検査を担当しておりました一職員が収賄容疑で現在検挙されている次第でありますが、次第は、ただ若い者一人にやらした点も悪かつたのでありますが、業者がそれに対して饗応したということに聞いております。甚だどうも監督不十分で申訳なかつたと一応この席をお借りしましてその点はお詫び申上げておく次第であります。  そうした問題がありましたけれども、これは一つどうしても、相当問題がありますが、まとめたいと思いまして現在検討中であります。  そのほか鉄道の関係につきましては、資材の準備が先ほど総長よりお話ありましたが、去年も相当資材の準備が、何と言いますか、不徹底、連絡不十分だという点を指摘したのがあります。この点が依然として本年度散見されます。例えば例を言いますと、一個、一個というのは何ですが、百個買つてくれという要求に対しまして百組買つた。ところが一組というものが部品が八個ぐらいついている、だから結局八倍くらいのものを買つたという、購入をやつた例があります。具体的な例はほかにありますが、そうした例に対して資材購入に対する連絡ということが依然として不十分じやないかと思われます。  このほかの各金融機関、特に中小企業金融公庫と、農林漁業金融公庫、これは融資した先の金の使い方ということを調査して見たのでありますが、その結果によりますと、遺憾ながら初めの融資したときの条件に反した使い方を借受人がやつている例が多い。これに対して相当注意を促しました。注意した結果は大体におきまして、これを農林漁業資金や或いは中小公庫の資金から外すと言いますか、市中金融機関が委託機関になつておりますから、その市中金融機関プロパーの貸付けに振替えまして、そして公庫のほうの貸付金を解消するという措置相当つております。そうしたことによつてこの財政資金が最も有効な方向に使うということになつて行くように、逐次なつているように見ております。  甚だ雑駁なあれですが、大体現在の傾向を御報告申上げた次第であります。
  8. 池田直

    説明員池田直君) 第一局の所管事項につきましては第一局長から御報告申上げるべき筋のものでございますが、只今旅行中でございますので、私から簡単に御説明申上げます。  第一局の所管事項といたしましては、主なる事項といたしましては、租税関係及び国有財産の関係でございます。  租税の関係につきましては、今日まで租税の賦課の関係につきまして重点を特におきまして検討して参つておるのは御存じの通りでございますが、賦課の関係につきましては、国税庁のほうの関係もよほど改善されて参つております。併し不当事項といたしましては、昨年と大差ないのではないかというふうに考えております。  なお、租税の関係では、賦課の関係につきましては只今申上げた通りでございますが、徴収の面につきまして、なお会計検査院といたしましては、検査のやり方が必らずしも十分でなかつたという観点から、本年は徴収の面につきまして、かなり注意をして参りました。徴収の面のうちで特に今度の検査の結果について申上げたいのでございますが、滞納者に対しまする関係で、滞納処分に付して強制徴収をやるというような面がございまするが、強制徴収の執行に当りまして、納税者に資力がないということで執行停止をいたしておるものがございます。併しよく個々に当つて見て参りますと、相当の高額の所得者がそのうちにはある、或いは居所が不明だということで徴収をそのままにしているのがございますが、よく見てみると、その税務署の管内に居所があるというような事例がございましたので、そういうふうな面をよほど改善注意して参つたような次第でございます。  なお、租税におきましては、御承知通り税務職員の不正行為が毎年非常な金額上つたのでございまするが、国税庁におきましても、税務署におけるそうした経理面におきまするチエツク・システムをよほど研究し、これを根気よく勉強いたしました関係で、二十六年度の不正金額に比べまして、二十七年度は約半分になつておりまするが、二十八年度の検査報告に掲記しまする事項は更に半減するのではないかと、こう考えておる次第でございます。  次に、国有財産の関係でございます。国有財産の関係につきましては、従来国有財産の処分売渡し処分に特に力を入れて見て参りましてその不当事項につきましては、毎年の検査報告に掲記いたしている通りでございます。併し国有財産の処分、売渡し処分関係の件数が余ほど処分が進んで参りました関係で、売渡し件数が激つて参りました関係もございますし、従来私のほうの検査が比較的手が届きかねた管理の面、国有財産の管理の面につきまして、本年は相当注意をいたしまして検査をいたしているつもりでございます。その結果は、国有財産に属しまする機械施設が管理上不十分なものがまだかなり多いので、ございまして中には終戦後かり民間業者に使用させているのに、現在に至るまで使用料の徴収決定もいたしていないというのがまだ少くなく、又中には国有財産の台帳に記載漏れになつているようなものもあるような状況で、又現物を確認しておらんために、その国有財産に属しまする物件が相手方によつて恐に処分せられているというような、まあ関係事項もかなりありまして、当局に厳重に注意を促しているような次第でございます。  なお、処分の面に用途を指定いたしまして売渡しをいたしております国有財産、これは目的通りに使用されていないような関係で甚だ当を得ない、中には転売されて差益を儲けられているというような事態等もございますので、そうした関係を厳重に注意してもらつているような次第でございます。  第一局の所管事項の主なるものは只今申上げましたような次第でございます。
  9. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 大体具体的に伺いましたが、災害関係水増が減少した。或いは架空経理がこれ又減少した。不正行為も少なくなつた。そういう中間状況の御所見なんですが、そうすると、なんでしようか。二十七年度の批難事項が一千八百十三件、従つて只今のそれらのトータルから推測しまして、二十八年度ぐんと減るようなことになるのですか。
  10. 池田直

    説明員池田直君) 二十七年度の検査報告に掲記された件数が、委員長からお示しの通りの千八百件余りになつております。二十八年度の検査報告は本年中に整理いたしまして内閣に送付する予定で、今鋭意研究中でございますが、件数が果してどの程度になろうかという御質問でございますが、余ほど経理は各省並びに政府関係機関におきましても改善されつつあるとは考えられますが、一面会計検査院といたしましても、先ほど来御説明申上げましたように、或いは従来検査の目が届かなかつた目をその方面に更に新らしく向けた。そういうふうなまあ関係等も手伝いまして、又新たに不当事項も殖える部面もございますし、又一面会計検査院として検査報告の多少整理の方針等でテクニックの関係も手伝いまするが、件数は昨年と比べて果してどんなものだろうかということになりますと、甚だこの際まだ結論を申上げることがむずかしい次第ではございますが、達観いたしまして、件数はそうたいして増減はないのではないかという考えを私のほうといたしましては持つております。各局で只今多数の案件検討しておりますが、今年の現在を昨年の同期と比較いたしますと、大体今検討しておりますのは殆んど同数のように考えております。
  11. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 補助金関係建設省が大いに改つたが、農林省は依然たるものであるとおつしやいますが、なんかこの原因はその補助対象関係か、或いは事業主体の関係か、どういうところにあるのでしよう。
  12. 池田直

    説明員池田直君) なお、細目の事項につきましては、所管局長から又補足して説明いたしますが、私から極く要点だけを御説明申上げたいと思いますが、先ず建設省関係に比しまして農林省関係補助工事不当事項が多い関係のゆえんのものは、補助を受ける事業主体、これが建設省のほうは府県事業が多いわけなんでございます。このパーセンテージはあとで又局長からも或いは御説明申上げると思いますが、府県事業主体となつておる事業に対する補助建設省関係は多い。然るに農林省関係府県事業に対しましても補助いたしまするが、町村或いは組合、農業協同組合、そうした関係の小事業主体に対する零細補助が非常に多い。まあそうした関係が一つ大きな原因になつておるのではないか。従いまして事業主体における経理の面にしろ、或いは事業の能力にしましても、府県のほうが市町村に比べましてずつと優秀であるという関係上のそれと、農林省関係で、殊に災害関係補助査定の場合におきまして、いろいろの事由によりまして、建設省のほうは昨今では約八割がこの頃では現場査定をやつておるように聞いております。以前はさほどまで現場査定はできなかつたと思いまするが、不当事項補助事業が多いというのは、机上査定による原因が大きな原因をなしておりまして、そうした関係におきまして、建設省におきましては机上査定による部分が昨今までは二割程度までに改善されております。然るに農林省関係はその逆でございまして、現場査定は二割前後であつて机上査定は約八割前後だ、そうした関係等が主なる不当事項の発生に関係しておるのではないか、こう考えておる次第でございます。  なお局長から細部の点につきまして……。
  13. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 今事務総長からお話したことで尽きるのでありますが、大きな原因はたしかに事業主体が農林関係は非常に小さい。農業協同組合、或いは漁業協同組合、こういうものが何百万円というような工事を実際やつておるのでありまして、千万円以上の工事も盛んにやつております。ここに一番大きな原因があるのではないかと思います。  それから建設省関係に比べまして農林省関係査定能力が低い。これも今事務総長からお話した通りであります。昨年あの大災害で非常に建設省は努力したと思いますが、とにかく八割見当の実査をしております。現地を見た上で査定をつける。この査定をつけるからには、現地を見ないで工事費査定というのは、本当はおかしいのでありますが、従来は実査は建設省でも半分くらいしかやつていなかつたのでありますが、昨年は八割方やつております。ところが農林省は逆でありまして実際やつたのは二割見当であります。八割方が机上査定、書類だけで査定をつける。どうしてもそこに意識的或いは無意識的な水増しが入つて来るのは必然的なわけでありますが、こういうふうになりますのは、工事の数が農林省のほうは実は相当多いのでありまして、大体今までの、昨年は別でありますが、昨年までの例で見ますと、建設省は約四万件とあります。一年間の工事の数がずい分多いのでありますが、農林省は七万以上あります。ここに大きな農林省査定に行届かない、監督が行届かないという大きな原因があると思いますが、大体倍近い数が農林省関係ではあると思います。  それから監督をして行く、指導をして行く、そういう小さい事業主体ですから相当によく指導しなければいかんわけであります。それから監督も厳重にしなければいかんわけであります。ところが建設省では一番小さい事業主体が建設省関係では町村であります。ところがさつき申上げましたように、農林は組合とか或いは土地改良部とか、中には個人の共同施工というのがあります。田圃に入りました泥を除くというような作業になりますと、田圃の持主が寄つて仕事をやつてそれに対して補助金がつく。こういうようなものがありまして、こういうようなものは余ほど指導監督が必要なのでありますが、どうも県の指導監督機構、言い換えますと建設省は土木部でありますが、それから農林省関係は農地部がやるわけでありますが、どうも土木部というのは非常に歴史の古い、それから又がつちりした機構をもつている。どこの県でも土木部というのはなかなか充実した機構をもつております。農地部というのは御承知のように農地調整法の関係で終戦後に生れたのであります。従来は耕地課という一つの課であつたわけでありますが、農地部の機構はどこでも、例外は勿論ございますが、原則的に言いまして土木部よりも貧弱だ、歴史も浅い、こういうようなところにいろいろなあとで悪い工事を残す原因があるようにも思えるわけでありまして大体それぐらいのところが私どもとして考えておるところであります。
  14. 小林亦治

    委員長小林亦治君) その他御質疑がありますか。
  15. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 第一に黄変米のことを伺いたいのですが、二十八年度の九月から二十九年度の五月までに、厚生省が不適格とされた黄変米混入の数量は、御承知通り十一万四千四百七十六トン、これの国損は一体どれくらいになるというお見込であるか。又二十九年度の五月以降にも入つたのがあると思いますが、その数量と国損の予想がつけば伺いたい。
  16. 大沢実

    説明員大沢実君) 只今お話の十一万四千トンというのは七月末現在の数字だと記憶しております。そのうち三万一千トンというのは、これは御承知のように主食として配給してしまつたわけであります。これについては国損はないのであります。残りの八万一千トンでございましたかにつきましては、まだこれは処分方法はきまつておりません。それでいくら国損になるかということは、私どもとしてちよつとわからないのであります。購入価格は十一万一千トンに対しましてたしか七十二、三億になつていたと思います。八万トンに対しましてはたしか五十二、三億であつたと思いますが、それでどれだけ損になるかということは、まだ処分方法がきまりませんので、現在ではちよつと申上げかねるわけであります。
  17. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 次に、造船利子補給の問題でありますが、先ほど今の法律にはいろいろ不備がある。会計検査院のほうで運輸省改善方を照会したという局長お話がございましたが、この会計検査院改善方の御意見の詳細を一つ何か書いたものでこちらへお出し願いたい。  それから第二点は、十八の会社を調べたところがリベートは発見できなかつたけれども、リベートと思われる未払八分若しくは借金勘定のものがある、こういうお話がございましたが、会計検査院の立場として、これはリベートとなるものと疑われる、ということを申されるには、多少難色があるかと思いますが、疑いのあるものの一覧表を一つ資料として御提出願いたい。
  18. 大沢実

    説明員大沢実君) 只今運輸省に対しました法律上の疑点、これは文書で正規に出しておりますので、その写しを資料として御提出いたします。  もう一つの点は、リべートになるかどうか非常に疑点がありまして、これを運輸省に今どう考えているか、見解を質しているのでありまして、直ちにそれがリベートであるという結論は、私どもとしてはまだ出ていないのであります。そうした条件付で検討中のものとしてどういうことがあつたかということは、資料として、帰つてまた上司にも諮りますが、お出しできるのじやないかと思つております。
  19. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 その程度で結構ですから、お出し願いたいと思います。   [委員長退席、理事島村軍次君着   席〕  それからその次に電々公社のお話がございましたが、本年度の繰越が五十億円くらい、大変減つている。但し決算面をよくするために貯蔵品の勘定から作業勘定に年度末に移す、前にもこういうことがありましたが、それと思われるような金額が何億くらいございますか。
  20. 大沢実

    説明員大沢実君) これはどうも個個にわかつているやつはあるのでございますが、トータルがどれだけということはちよつと抑さえかねている次第でありますが、そうした事態も個々の問題では出ておりますが、個々の問題はこれは集めましても余りそう大きな金額にならんと思いますが、全体的にはそういう傾向があるということは頷かれるのであります。金額はちよつと算出困難ではないかと思つておりますが、なお、検討はいたしてみます。
  21. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 それからもう一つ伺いたいのでございますが、電源開発に相当補償金を御承知通り出している。或る場所では五十六戸の農家に対して九億何千万円の補償金を出しているというふうなことを新聞で拝見いたしたのですが、この電源開発の土地収用に関する補償金に、相当の不公平と申しますか、基準の上にでこぼこができているのじやないかと、こう私は想像するわけなんですが、それは一体会計検査院検査対象になるのかならないのかということを伺つておきたいと思います。
  22. 大沢実

    説明員大沢実君) 電源開発株式会社も政府が殆んど九十数%の出資をしておりますので、これは当然検査をいたしております。又事実、それでございますから、補償価格の当否ということも、当然検査対象になつておるわけであります。これはなお検討いたしております。併しながらこの補償という問題は幾らがいいかということは非常にむずかしい問題でございまして、これは高過ぎるという結論が出たものはまだありません。なお、お話の五十六戸に対して九億というのは、あれは只見のあれだと思いますが、あれは一応事務総長が大体よかろうということで仮調印というものをやりましたところが、本社のほうがそれは多過ぎるということで一応御破算になりまして、最近何かもう一度蒸返しているようですが、最近のことは余り知りませんが、前の九億というのはたしかそのまま是認された数字ではないと思つております。我々が最近二十八年度に検査しました結果においては、まだ補償金は只見については支出していないような状況であります。
  23. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 支出決定されてからでは、もうあとの祭になるわけなんです。補償金の問題の起つておる所の大体の予想金額の一覧表のようなものがあれば、一応お出しを願いたいと思う。その基準も示して何町歩を幾らに評価してどうするかといつたような問題がありますが、各地にこういう問題が起つておると思いますので、成るべく国家の立場から、公平にやるべきものであるからそれの一覧表を一つ。  それからもう一つお尋ねしたいのでありますが、公社関係の外郭団体がありますが、    〔理事島村軍次君退席、委員長着席〕  外郭団体と本社との間に、何と申しますか、会計検査的に見て必ずしも穏かでないというようなものがあるのではないかと思います。例えば今お話なつた中で、石炭殻の問題、それから電気工事の適格を非常に厳重にしておるというようなことも、一種の外郭団体的な関係ではないかと思うのですが、そういうものを総括して相当調べておる、こういう傾向がある。大変よくなつておるといつたようなことがあれば、何か意見を伺いたい。
  24. 大沢実

    説明員大沢実君) 特に国鉄ですが、外郭団体との関係、これは一つ検査上の重点として、これを検討した次第でありますが、これは二十七年度、二十八年度も検査でやつて来た次第でありますが、結果から見ますと、先ほど申しましたように、形式上は公開入札でやつておるというようなことで、これでやらしておるのが、特に随意契約でやつたということになりますれば、なぜやつたかということになりますが、形式を踏んでおりますので、言葉で言えば、極め手がないというような状態であります。併しながら飽くまでもそうした面に何かありはせんか、それがために特に疑いの目を以て見るというわけではありませんが、例えば電気工事を例にとりますと、これは業者は殆んど一定しておる。何かそこに改善を要する点があるのではないかということを検討いたしております。外郭団体として特にまとまつたものということになりますと、甚だあれでありますが、ちよつとまとまりにくいのではないかというふうに感じます。
  25. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 国鉄関係の弘済会、それから専売公社にもやはり塩の関係や運送とかいろいろな問題で外郭団体的なものがあるように仄聞するのですが、お調べになつておるのですか。
  26. 大沢実

    説明員大沢実君) 売専公社のほうは、塩の回送、運送の関係を、会社の名前はちよつと省きますが、四つぐらいの会社が全国の回送をそれぞれ分担してやつております。これは成るほど元専売公社におつた職員が入つておりますから、そういう意味においては外郭団体という言葉になるかも知れませんが、経理上特に専売公社と、何と言いますか、特別な関係になつておるとは考えておりません。併しながらこの価格の当否及び余分な回送をしていやせんかという点は絶えず注意いたしまして検討いたしております。
  27. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 最後に、これは事務総長に伺うのですが、タイ、ビルマの黄変米会計検査院から海外出張されるという問題があつて、大体話が済んだように承つておるのですが、若しおいでになるときまればいつ頃どういう計画でおいでになるか、いつ頃御出発になるか、つまりその後の状況伺つておきたい。
  28. 池田直

    説明員池田直君) 外米買付の検査に関連しまして、現地を調査することが必要であるという考え方、私どもも同感でございまして、大蔵省とも折衝いたしまして、予算のほうの関係も解決いたしております。ただ時期といたしまして、会計検査院といたしましては、只今検査報告関係の二十八年度の大体の、どういうようなものになるかについて御説明申上げたような関係もありまして、非常に時期としては工合が悪い時期でございますが、事柄が余りにも重大でございまするので、ともかく犠牲を払つても行きたい、できればこの二十八年度の検査報告を完了する前に行つて来て検査の面にも反映させたいという考え方から、できれば今月末ぐらいには出かけたいような方針でおります次第でございます。方面といたしましては、取りあえずタイとビルマのほうを予定しておりますが、期間は一カ月以内にいたしたいと、こう考えております。極く簡単でございまするが、さような次第になつております。
  29. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 向うの外米の出廻り期の関係もあると思うのですが、それで間に合いますか。
  30. 池田直

    説明員池田直君) 今八木さんからの御意見の通り、実はうち自体の立場も非常に工合が悪いのですが、買付関係にも実は甚だ条件がよくないようなふうにも聞いておりますが、月末頃になれば多少又そうした関係調査ができるのではないかというふうに大体承知しておりますので、何とか苦労して行つてみたいと、こう考えております。丁度厚生省農林省も月末頃は出かけるようなふうにも仄聞いたしておりますので、私どもといたしましてもやはり出かけてみたいと、こういうふうな考えでおります。
  31. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 貴重な外貨をおしみなく使つてお出まし頂くのですから、成るべく効果的な時期に効果的な方法でお出かけになることを希望しておきます。
  32. 島村軍次

    ○島村軍次君 二十七年度の会計検査院検査報告に対する各省のいわゆる説明書というものが出ておりますが、これは二十六年度にも指摘した大きな事項ですが、極めて抽象的であつて、当時の責任者に対して十分な注意を与えたという結論のほうが千何百件の中では多数である。勿論重点的に考えますというと、そういうようなことで済むものもあろうと思うのですが、要するに会計検査院検査というものはその実効がどういうふうになつたか、それから措置についてはつきり措置を講ずべきだというのが、参議院の決算委員会の数年来の意見であつたと思うのです。そういう点から考えまして、今丁度各省のこれに対する、指摘に対する回答を求めたということですが、その点は参議院の総意として恐らく皆さんもさようなお考えだろうと思うのですが、一つ十分に督励されまして、早く出すと同時に、そういう不十分な回答に対しては一つ再三出向いてでも内容を検討して、そして報告書に盛つて頂く、或いは又回答それ自身をもつと具体化するようなことを一つ希望いたしたいと思いますが、そういう点に対して何かお考えがありましたら、お聞かせ願いたいと思います。
  33. 池田直

    説明員池田直君) 経理不当事項に対しまする各省の責任者に対する各省の処分状況につきまして、只今御意見がございました通り、私どもといたしましても非常に適当でないという場合がかなりあるようでございます。国会におかれましても、今お話通りに始終御注意、御鞭撻がありますし、各省も、会計検査院も共に非常に注意をして参つておるわけでございまするが、そうした結果、昨今では各省におきましても、私ども検査いたしておりまする過程におきまして、非常な事な不当事項等がちよいちよい発見されるのでございますが、そうした場合は、今までにもすでに各省で処分相当いたしたような事例もありまして、そうした関係は非常に改善されつつあるようでございます。併し一面まだ、今御意見の通り、必ずしも十分でないような点もございまするので、先にこの席でもそうした御意見を東谷院長に対してお伝えがあつたように私も承知いたしておりますし、東谷院長もそういう面について十分に注意をするというようなふうに御説明があつたと思いまするが、会計検査院自体にいたしましても、始終その点につきましては注意いたしております。従いまして二十八年度の検査報告不当事項の整理の進捗と並行して、この処分状況調査も進めて参つておるような次第であります。このうちこちらのほうで処分の要求をするのに条件が備わつたものは一々処分要求するようにいたしております。併し結果からみますと、お話通り会計検査院といたしましても、処分要求をいたしました事例が検査報告に御報告しておりますものは非常に少い次第でございます。この点は今申上げましたような相当重大な責任追及事項に該当する案件は、会計検査院が要求をいたそうと調査を始めますと、各省のほうで自発的に処分相当進めて参つておるような状況もありまして、具体的には検査院処分要求の件数が非常に現れて来ていないという点が、これは非常にいいことだと思いますが、一面懲戒処分の要求をいたしますることは、全体的には非常に不当だと考えられますが、これを裃を着て処分要求をいよいよやりますということになりますと、法律の趣旨とか或いは法律の文言、そこらに必ずしも会計検査院として処分要求するのに躊躇せざるを得んような事態もかなりあるようでございます。そうした関係からして、会計検査院といたしましては、先ず行政庁において、例えば支出官なら支出官の保証者に対して懲戒処分の要求をしなければいけないような場合に、保証者の任命をいたしていないというような関係がありまして、処分要求ができないような事態相当ございますが、こうした関係は速かに保証者を任命するようなふうに運用実施面で各省で注意をするように、かように注意をいたして参つておるような次第でございます。いつも言い訳みたいになりまして申訳ない次第でございまするが、そうした関係で甚だ御満足行くような事態になつていないのは、私どもといたしましても遺憾でございますが、これから一層注意するようにいたしたい、こう考える次第でございます。
  34. 高野一夫

    高野一夫君 私第二局長さんが見えておりますので、通産関係のことで一つ伺つておきたいのですが、輸入物資のことについて外貨の割当を通産省でやることに、私が問題にしたいというよりは伺いたいのは、日本の輸入産業の大宗である繊維工業の原料というものが、化学製品は別といたしまして、羊毛にしても原綿にしても原料は全部輸入、その輸入は外貨割当の形でやつておるわけなんですが、これが適正にその割当が行われているかどうか、こういう点についてはやはり会計検査院でお調べになりますか。
  35. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 通産省仕事といたしましては、只今仰せの外貨割当の事項相当のウエイトを占めておると、こういうふうに考えておりますが、外貨そのものの割当は国費と直接関係がございませんので、行政行為だと、こういうような考え方から外貨の割当そのものについては、私どものほうでは検査をやつておらんような状況でございます。
  36. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質疑ございませんか。……会計検査院御苦労でした。  本日はこれを以て散会いたします。    午後三時十八分散会