運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-09-11 第19回国会 参議院 決算委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月十一日(土曜日)    午前十時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            青柳 秀夫君            島村 軍次君            岡  三郎君            八木 幸吉君    委員            石川 榮一君            伊能繁次郎君            小沢久太郎君            木村 守江君            剱木 亨弘君            重政 庸徳君            白井  勇君            田中 啓一君            宮澤 喜一君            宮田 重文君            安井  謙君            飯島連次郎君            奥 むめお君            後藤 文夫君            大倉 精一君            木下 源吾君            久保  等君            永岡 光治君            相馬 助治君            山田 節男君            深川タマヱ君            千田  正君   国務大臣    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十七年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十七年度政府関係機関決算報  告書内閣提出) ○本委員会の運営に関する件   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今から第八回委員会を開会いたします。  昨日に続きまして、緒方国務大臣が出席されておりますから、首相外遊黄変米等につき、御意見のおありのかたの御発言を願いたいと存じます。本日は先ず、黄変米の購入、及び処分に関する本委員会決議について、副総理の御所信を伺いたいと存じます。  なお、委員各位にあらかじめお願いいたしますが、緒方総理は非常にお忙しいので、三十分だけという申出でをされて参つておりますが、当委員会の要望としましては、相成るべく一時間くらいということに多数の委員諸君の御希望もありますので、若し副総理が差支えございませんならば、どうか一つ一時間くらいの御予定で一つ答弁願いたいと思います。それから従つて発言は極く要点だけで、要領よく運びたいと存じますが、その辺御協力願います。  先ず副総理からかねての黄変米決議に関する御所信を伺いたいと存じます。
  3. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 黄変米の問題ににきましては、先般農林大臣が当委員会に出席いたしまして委員各位の御質問に答えて、政府を代表する意味において所見を申上げたと思いまするが、その点をそのまま私からも確認をいたします。で、繰返して申しますれば、政府といたしましては、今日までの研究の成果に基き、絶対に消費者に不安がなく消費できることを建前といたしまして、最善の措置を講じますることは勿論、今後の外米輸入につきましては、有害のものの防止に万全を期する考えでおります。なお、現在在庫中のものの処理につきましては、御決議の趣旨を飽くまで尊重いたしまして、慎重に処置いたす所存であります。
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは順序をきめないで如何でしよう。御発言なさるかたの御自由として黄変米なり、昨日に引続いて首相外遊問題のいずれでも結構ですから、御質疑のかたの御発言を願います。
  5. 千田正

    千田正君 昨日の外遊問題についての特に重要な点を私はお伺いしよう思つたのですが、副総理が時間がないということで、昨日はお尋ねしなかつたのでありますが、実は第十九国会におきまして、参議院においては、原子爆弾使用禁止決議案を挙げて政府に対して要望したのでありますが、このたびの総理大臣外遊目的は、昨日しばしば副総理が明言されたように、グツドウイル・ミツシヨン、親善使節としての、国民を代表してのいわゆる親善だとするならば、今日ほど日本国民米国に対する、いわゆる対米感情の悪化しつつあることが、殆んど曾つてないはどの感情であるということを、すでに副総理は御承知のことと思うのであります。それは何かと言いまするというと、原子爆弾のいわゆる日本近海における実験によつてこうむるところの無事の国民損害、こういう問題は、非常に今までのいわゆる米国に対する感情が逆に悪化しつつある。少くとも親善最大の任務として行かれるとするならば、こうした悪化しつつあるところの国情を変化するような方向をとるのが、今行くところの吉田首相最大目的でなければならないと私は思うのであります。この原子爆弾に対する使用禁止或いはその制限に対する参議院決議案に対しましては、政府は何らの答えをしておらない。幸いにこのたび親善使節として吉田総理が行くとするならば、この問題の国民の求むるところを、卒直にアメリカ側と折衝すべきであると私は思うのでありますが、この点は如何であるかという点が第一点。  先般水産委員会におきまして、安藤国務相は、このたびの吉田首相外遊に対しては、自分みずからこの問題については勧告すると、首相に対して、アメリカ側との交渉の間に立つて水素爆弾或いはその他の原子爆弾実験は中止してもらいたいという意味のことを、特に総理大臣に勧告したいということを表明しております。  もう一点の、この決算委員会として特に重大な点として考えられますのは、この原子爆弾実験による損害に対する補償問題は何ら片が付いておらない。現実に漁民なり或いは損害をこうむつた人々は、これに対するところの補償を要求しておる。で、政府は、荏苒としてこれを待つわけには行かないというので、或いは立替払いでもしようじやないかと、こういうことを言うております。立替払いとなると、取りもなおさず予備金から支出をしなければならない。立替払いの行方というものは、やはり決算委員会としては重大な問題でありまして、将来これはどういうふうに結末をつけるかということは、我が決算委員会としては当然考えなければならない。荏苒としてこの補償問題が長引くということは、日本国民感情としても決して喜ばしいことではないと同時に、政府国内対策が今以てなされておらないということは、更に拍車をかけて、アメリカとの間の間隔がだんだん隔りつつある。この間に、幸いにして吉田首相がいわゆる親善使節として行かれるとするならば、この問題こそ、日本の将来の運命を決する重大な問題の基礎であると思いますので、吉田首相はこのたび親善使節として行く際に、こうした重大なる問題を向う側と折衝するように、副総理並びに閣僚からも特にこの問題に対する解決かたを要望する腹があるかどうか、この点を十分伺つておきたいと思うのであります。
  6. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 最初にお述べになりました原子爆弾水素爆弾等実験によつてこうむる影響、或いは日本水産業者に与えた被害というようなことにつきましては、これは今や世界的に注目されておる問題でありますし、この実験が人道上から見ていろいろな問題を生ずることは、今お述べになつた通りであります。ただ、今我々が承知しておる以外に、何かそういう世評をおかしても、なお且つ実験を続けなければならないという理由があるかどうか、そういうこともありまするので、総理外遊に際しましてこの問題について触れる機会はあろうかと考えまするが、そういう機会を待つておるというところが今の現状であります。  それから、安藤国務大臣から総理勧告云々というお話は、これは総理安藤国務大臣との間の問題で、私は関知しておりません。  それから先般のビキニ被害者に対する補償の問題、これは政府としては案を整えておりまするが、渉外関係に多少時間をとつておりまするので、今の立替払いと言われましたが、立替払いということは、これはできませんので、融資の形におきまして、害を受けられた人々がすぐ困らんだけの手当をするということは、政府としてすでに進めております。
  7. 千田正

    千田正君 今私が特に強く要望するのは、この外遊に際して、特にこの問題は世界の注視の的であり、且つ又日本の将来の運命を決する大きな問題とのつながりがあるのでありますから、閣僚としては、当然こういう問題に対して、吉田首相の真意を質すと同時に、強く、アメリカ側との親善ということを目的とするならば、こういう問題について、なお密接なる関係を結ぶことを要望しなければならないと思うのでありますが、昨日のアメリカ側発表によるというと、今後も引続きこの太平洋のビキニ環礁地帯その他において実験を実行するであろう、中止することはないということを発表しております。ないということになれば、当然本年と同じように、或いは本年以上の更にいろいろな災害をこうむらなくちやならないということになると思いまするが、これは日本政府としても考えなければならない。今、後段における緒方総理お話によるというと、国内において立替払いはしないけれども、一応融資の面において考えて実行を進めておるということでありますが、僅かに静岡県と神奈川県とに一億五千万円だけの特融しかやつておらない。而も求めるところは、これの十数倍に及んでおります。にもかかわらず、融資しておる点は僅かに一億五千万円内外である。而もそれが不足で到底問題にならんというので受け付けておらない。こういう国民感情が悪化しつつある際でありますので、この際、こういう問題の再び起らないよう国内処置は当然とらなくちやならないと同時に、将来の実験に対する制限若しくは中止というような問題に対して、もつと積極的にこの問題の解決首相が当られるよう、我々は要望してやまないのでありますが、この点は留守をあずかる副総理としましても、強くこの点を要望して頂きたいと思いますが、もう一度重ねてこの点について、副総理から吉田首相に対して、この親善外遊を機としまして日本国民の意のあるところを強く伝える方法をとつて頂きたい。この腹がまえについてなお一応伺つておきたいと思う。
  8. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 只今お述べになりました点は、政府としましても考えておる点でありまして、この原子爆弾実験の問題、それから戦犯釈放の問題ということにつきましては、適当の機会にそういう話合いができるであろうと考えまするし、今お述べになりましたところは、そのまま私から総理大臣に伝えることにいたします。
  9. 山田節男

    山田節男君 昨日緒方総理に対して、吉田首相外遊について各方面から御質問がありましたのですが、私はなおその点に附加して二つばかり御質問を申上げたい。  第一は、吉田総理が第十九国会を終つて早々外遊される、そうしてアメリカカナダヨーロツパ諸国を廻られることになつたのですが、吉田総理向うから、一つ是非来てくれという招待ワシントン或いはカナダ、更にヨーロツパ諸国からあつたのかどうか、招待されてそれで行かれるのか、或いはちよつと親善に行きたいと自発的にこちらからお見えになるのか、その点を一つお伺いしたい。
  10. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) それは本来、今回の親善旅行、これは我がほうの発意でありまして、その日程等についての連絡をした際に、向うから旅行の実現を希望し、あらかじめ歓迎の意を表して来たところはありますが、本来の発意日本側であります。
  11. 山田節男

    山田節男君 丁度五月の下旬から六月の中旬までに、エチオピアの皇帝、それからトルコの総理大臣、ギリシヤの総理大臣、ポルトガルの総理大臣丁度機を同じくしてヨーロツパ諸国の元首並びに総理が、これはアイゼンハーワーが明らかに招待して来ているわけです。その裏面には相当軍事的な問題も含み、又経済援助の問題も含んでおるが故に、これはワシントン政府で呼んでおる。然るに吉田総理外遊の場合には、ワシントン初め他の訪問地政府から招待がなくて、こちらが自発的に行かれる、そういうことでありますが、吉田総理目的は、先ず第一にアメリカにおいては、日本経済協力を求める、外資を導入する、こういうようなことの使命を持つておられるやに発表されたのでありますが、然るに吉田総理外遊が遅れましたがために、世界銀行その他、日本外資導入を希望する点を調査のために、もうすでに二つのグループが参りまして調査して、すでに帰つて、報告せんばかりになつておる。而してダレス国務相が昨日もこちらに見えて、大体ワシントン話合いをされるというようなことは、ダレス長官とも話ができておるわけです。そういたしますと、吉田総理がわざわざワシントンへ詣でるということは、もう国内においてすでに外遊が遅れたために実現されつつある。残るところは親善だけなんです。それからイギリスおいでになる場合には、これは恐らくガツト加入の問題についてイギリスが非常に反対をいたしております。ということは、日本経済条件の非常に、何と申しますか、イギリスに対する脅威を感ずるが故に、これはガツト加入を極力反対する。この問題は、これは国内問題であつてガツト加入するというだけの問題ではない。そういうようなことから参りますと、同時に今日の日本政局というものが極めて不安定である。吉田棚上げ論というようなことも、すでに自分の党内から日に日に盛んになりつつあるというようなことから、吉田総理が一国の宰相としておいでになつても、そのよつて立つ自分の党というものが、分裂、汚職、疑獄に、もうスポイルされておる。そういうような姿で、吉田総理日本首相として外遊おいでになるということは、これは誠に時を得ていないと思う。殊に過日、チヤーチルを非常に応援しておりますロンドンビーバーブルツク卿の経営しておりますデーリー・エキスプレスのごときは、吉田首相来るに及ばん、ステイ・ホームと、こういうようなことまで言つておる。イギリスのああいう保守的な新聞で、一国の総理に対してステイ・ホームというよう言葉を使うことは、よほどのことでなければ使いませんよ。これは儀礼を超えた言葉であります。こういうことは、やはり外務官僚出身吉田首相としては、もう我々以上に敏感であると思うのであります。にもかかわらず、今度押して国際親善のために行くということを考えていらつしやるのでありますが、果してその効果を予期のごとく得られるかどうか。これは吉田総理自身はそういうようにお信じになつておるのではないかと思うのでありますが、少くとも副総理として、よきアドヴアイザーとして、そういうようなことについて吉田総理話合いをいたされたことがあるのかどうか。又緒方総理として外遊の時期を得ないというようなことをお考えなつたことはないのかどうか。この点を一つつておきたいと思います。
  12. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 吉田総理外遊目的の中に、今お話になりました経済借款の話をとりつけるということは使命としてはございません。昨日申上げましたように、使命としてはいわゆる親善使節でありまして、その間に先ほどお話のあつた原子爆弾の問題とか、いろいろな問題が話合いに出ようと思いますが、目的として行くのは、どこまでも親善使節であります。  それからイギリスビーバーブルツク新聞デーリー・エキスプレスステイ・ホームというよう社説が掲げられておるときに、何を好んでロンドン三界まで出掛けるのかという御質問でありますが、これは先般向井外務顧問イギリスを訪問した際にも、いろいろな日本に対する非難が掲げられたようであります。その中には誤解もあるようであります。このステイ・ホームというよう新聞社説が、果して友好国に向つて適切なものであるかどうかということは別問題といたしまして、そういう議論が有力なる新聞に行われておればおるほど、私は吉田総理大臣外遊が必要であると、占領下におきまして十年近く行政の衝に当つてつたいわゆる日本実力者でありまする者が、親しくイギリスその他の国の政府実力者話合うということは、理由のない感情或いは誤解というようなものを解くのに非常によい機会ではないかと、さよう考えておる次第であります。
  13. 山田節男

    山田節男君 これはまあ今副総理としてさようにおつしやることは、一応のお考えはわかるのでありますが、併し我々国民として考えますと、もう、具体的にいえば、吉田総理に対する国民の信望というものは全然ないわけなんです。もう一日も早くやめてもらいたい。それで吉田内閣そのもの政治道徳頽廃のシンボルのごとく内外にこれは周知の事実になつている。そうして而も国際親善という極めてデリケートな、国民感情も多分に入るようなところに、そういう国民全部を真に代表していないものが、わざわざ今日おいでになるということは、これはむしろ私は日本の非民主化ということを看板に向うへ宣伝に行くようなものである。何も多額の国費を使つて行くだけの理由がない、これは見解の相違ですから……。併し私が申上げることは確かに国民の声を代表していると思います。この点は私は重ねて質問いたしませんが、私はその点で国民と共に、これは非常にむしろ悲しんでおるということを申上げたいと思います。  それから第二点は、今回アメリカを主にしておいでになるのだけれども、アメリカで下院、上院の改選があるので、十一月の初めに行かなくては、アイゼンハワー大統領以下首脳部に会えないというので、往復ともアメリカカナダ経由で、今回の親善旅行を終えられる。で、前の日程東南アジアインドパキスタンタイ、これの日程を省略されたというのでありますが、これは今回の日程は止むを得んと思いますが、少くとも吉田総理国際親善で、いわゆる自由諸国主要諸国を訪問するということ並びに東南アジア諸国の最も有力な大国をお廻りになる。これは私は一つの筋道は立つと思う。今回日程東南アジア諸国を廻れないということになるのでありますが、併し日本の今日置かれている国際情勢の中からいえば、どうしてもやはり東南アジア諸国というものを無視することはできない。それはチャーチルのごとく、モスクワによばれて、或いは行くかも知れないというような、こういうチャンスがあつても、吉田総理としては行かれないかも知れない。併し少くとも東南アジアの国に対しては、むしろ率先して儀礼的にでも親善のために行かれるべきが当然じやないか。今回はそういう日程で行かれないのでありますが、吉田総理が今後更に政権を担当されて行くということになりますれば、将来インドパキスタンタイ、その他の国々へも改めて私は行かるべきが当然だと思うのですが、そういう点は政府吉田総理或いは緒方総理として、そういうようなことはお考えになつているのかどうか、この点を一つ明らかにして頂きたい。
  14. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 吉田総理の今回の日程が、今山田委員からも言われましたように、ワシントン訪問日程が十一月になります関係上、インドパキスタンタイ等を訪問することができない。これは私は山田委員と同様に非常に残念に思います。若し国内事情が許せば、日程を延ばしても、これらの国々を訪問すべきであると考えております。併し事情は昨日来御了承を得た通りでありまして、訪問することができない。従つて今後何らかの機会に、特にこれらの諸国を訪問するという話合があるかどうか、これは今のところ話合はしておりません。併し若し内閣が今後も政権を担当して参るようになりますれば、機会を見てそういうことも是非実現したい、かよう考えております。
  15. 山田節男

    山田節男君 最後にお伺いいたしますが、昨日吉田総理と行を共にされる方々の人名の一部が御発表なつたわけでありますが、その中に佐藤榮作君の名前が入つておるやに記憶いたしますが、相違ございませんか。
  16. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 昨日も八木委員から御質問がありまして、お答えしたのでありますが、それは確定しておりません。いつ確定するかという御質問でありましたから、行くにしても行かんにしても、一週間以内には確定するだろうとこう申上げたのであります。
  17. 山田節男

    山田節男君 これで最後です。
  18. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 山田君に申上げますが、多数申出がありますので、極く簡単に願います。
  19. 山田節男

    山田節男君 佐藤榮作君の件については、今回の国民が非常に残念に思つておる検察権に対する指揮権発動に直接関係のあるかたであります。事の是非如何は別といたしましても、かように問題になつた人吉田総理に随行されるということは、国際親善を主たる目的とされる今回の吉田総理外遊に、非常なマイナスになるのじやないか。で、この点は御決定になる上において、これは単なる党のためということじやなくて、国民全般のために一つ慎重にお考え願いたいことを強くお願い申上げて、私の質問を終ります。
  20. 奥むめお

    奥むめお君 第十九国会が終了いたしますその前に、六月初めにいろいろごたごたいたしまして、非常に政治に対する国民の不安、不信が表面化されたために、緑風会はこの頃すでに総理大臣が長い間国政を顧みないということがあつてはならん、先ず国内政局の安定と、そうして一新を図つて国民政治に対する信頼を回復しなければならんという声明を出しております。これは副総理も御存じのことと思いますが、あの頃と比べて、今日の国民政治的関心盛上りといいますか、今の政府に対する不信の情というものは、もつと具体的になつて、もつと火のように然えて来ているということは、私きつと御同様にお感じになつておると思うのです。で、ただ首相外遊という一事に遮二無二、とにかく早く送り出さなければならんというので、暴言を機会にいろいろ問題が起つて、各委員会総理大臣を喚問して証言を聞こうとしたり、或いはどこまでが本当か指揮権発動に対するいろんな事情等を糺明しようと、いろいろやつておりますが、政府はてんで相手にならないで、確かな釈明というものをなさつていらつしやらない。これでは国民政治に対する不信を非常に焚きつけるようなものだと思う。それで黄変米配給に対しましても、只今の副総理の御答弁は、今までからどなたがおつしやるのも政府首脳答弁は同じなのでございます。国民は挙げて有毒なものの入つた外米配給を受取らない、もう外米を買わないでも何とかやつてゆけると、こう申しておりますのに、政府のほうでは全然それに耳をかさないで、とにかく対処する、決して有毒なものを出すようなことはしない、で、どうするかということは何も言うていらつしやらない。この問題なんかでも具体的に各家庭に繋がる政府に対する不信任の大きなもとになつているのでございます。ですから、私はこういう問題につきまして、大消費地の東京都でさえも、年内の配給量外米有毒米を含まないものを十分持つているから、その配給の中には決して黄変米がないから安心してくれということを書き出しております。せめてこれだけでもはつきり表明されてあれば、消費者は、じやあその先に又問題が出て来るのかというようなことは別として、差当り安心しているわけです。ところが安心といつたつて、やはり不安でございますから、皆米櫃の中に、すでに配給なつたものの中に有毒黄変米がある、或いは白色有毒米があるのじやないか、そのかびがだんだん殖えたのじやないかというので、もう随分たくさんの家庭から使い残りの外米を調べてもらいに、あつちへ持つてゆき、こつちへ持つてゆき、今大騒ぎをやつております。そうすると、これはそんなに簡単に、一月や二月で結果がわからんそうでございますから、調べておく。ちよつと見ただけで、これは確かにあります、これは現にこれとこれとこれだけの粒の有毒米があるじやありませんかといわれて来るのもあるのでございます。そうするとかびでございますから、だんだん殖えるということは、これは察しられますので、すでに配給されたものに対しても不信を持つている。政府はちつとも国民の安心するようなことを言わない。この問題一つ考えましても、大変な私は重大な国民の不安の念になつておると思うのです。もう少し政府としては、今丁度輸出入の外貨の計算を立てていらつしやるようでございますが、外米の購入の割当というものが大して減つておらないのでございますね。今日、大いに検査していいものを買うのだとおつしやいますけれども、あんなに買わなければならんのですか、私はそれを伺いたいのです。一つはこんなに国民的に政府に対する不信の表明がはつきりして来ておるときに、何も言うまい、語るまいとしてとにかく総理大臣を送り出してしまうことだというので、みんな大騒ぎしていらつしやるお気持というものは、一体どこにあるかということを一つ聞きたいし、もう一つ外米の輸入量が大して減つてない、こんなにたくさんまだ買うつもりでいらつしやるのはなぜであるか。私は政府の供出確保量が実際の収穫額よりも非常に少くて、闇にどんどん流れているということは、誰でも知つておりますように、外米配給なさつてこれを辞退される量というのは、政府のこの発表では実に少いのであります。政府の報じておる数字は、配給辞退では少いけれども、実際量は配給量の四割、五割を占めておるということは、これは闇米が溢れておると同じように社会の常識になつております。国民配給ようとしても配給を辞退して来た外米が、今度は有毒米の問題でいよいよ辞退が多くて、取らないという決議が全国に起つておりますのに、なおもたくさんの外米を入れて国費をたくさん使つて、そうして横流しして或いはそれを安く払い下げて、そして国損を生ずる。こういうことをどうして続けなければならないか、私はそれを伺いたい。政府は特に粉食奨励とか、食生活改善で随分金を使つていらつしやるし、又呼びかけていらつしやるけれども、なぜここで切り替えないのか、これも伺いたい。大麦の輸入につきましても、今年の予算はだんだん減されて殆んど半分になろうとしておる。これなんかも今日のような食生活切り替えにいいときに、外米は飽くまで買わなければならん、この態度と私は繋つておると思うのでございますが、こういう家庭の不安についても、この席ではつきり御所見を述べて頂きたいと思います。
  21. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 日本の食糧の輸入は主として米でありましようが、それが現在日本の輸出の半額に当るものを相殺しておるということは、何と言いましても、経済自立達成の過程にあります国情といたしまして不自然であり、一日も早くその事態を解消させなければならないと考えておることは、御質問の趣旨と同じよう考えであると思うのでありまするが、今年度どれだけ輸入を考えておるかということは、実は私ここで承知しておりません。併し輸入食糧を減そう、そのために一面においては食生活の改善をできるだけ強力にやつて行こう。それから又一面には更に国内の増産をやつて行こう。今農林省でたしか四年計画の千万石の増産計画もやつておりますし、又北海道で将来酪農を大いに振興させよう考えておりまするのも、これはやはり食生活の改善、延いては輸入米の減少をしなければ日本の経済自立はやつて行けないということから出発して起るのであります。今お尋ねの量の数字につきましては私ここで承知いたしておりませんので、この点は農林当局にお尋ねを頂くと申しまするか、或いは是非御必要であれば、あとでお答えをすることにいたします。  それから外遊の時期につきましては、成るべく国内的に適当なときを考えまして、六月に計画いたしましたのは、実は通常国会が終つて、そして予算も成立する、そのあとの時期が比較的いい時期だと考えておつたのでありますが、御承知のよう事情外遊ができなかつた。爾来アメリカその他と日取りについて折衝を重ねて参つたのでありますけれども、いろいろな事情で、相手国の首脳者の日繰りがつかない。そのために今回の日程にあるよう旅行なつたのでありまして、ただこの国内の政情の落ちつかんときに、何も外遊せんでもいいじやないかというお話でありまするが、私はその点につきましては世間で想像しておりますよりも、この外遊の効果に期待しているのでありまして、外遊という言葉は必ずしも適切でありませんけれども、この十年日本の行政に当つて来たいわば実力者が、自分日本の国情を説明する、又向うの質疑に答えるということは、相手国との間の融和を進める上に、更にいろいろな誤解を解く上に効果があろう、さよう考えておりまして、時期的に多少の無理はありましても、今日はどうしても帰国を急がなければならん事態が起れば、世界の果からでも、四、五日すれば飛行機で帰つて来れるのでありますから、そういう意味で、この時期に、止むを得ない時期ではありますが、この際に総理外遊はやはり是非やつてもらいたい、さよう考えております。
  22. 久保等

    ○久保等君 只今の御質問にも関連するのですが、副総理の病変米の問題に対する只今の御答弁ですが、これは先般保利農相も、やはり閣議で答弁の方法と申しますか、答弁の内容を閣議で申合された関係もあつてか、只今言われるよう答弁が先般もこの委員会においてなされておるのですけれども、今後の黄変米輸入の問題については、十分に一つ万全の対策を立てる所存であるという、極めて言葉としては綺麗な言葉なんですが、問題は、私特に具体的に、それならばどういう万全の方策を立てられておるのか、その問題を実はお聞きしたいと思います。特に黄変米或いは病変米という問題は、何も昨日今日の問題ではありませんし、特に黄変米の問題でありまするならば、外米の中に黄変米が混つてつたという問題が、日本国内で問題になつたのも、すでに昭和十四、五年だというお話もあつたわけですし、而も今回特別に大きく問題になりましたのも、昭和二十六年度の輸入米の中に、やはり黄変米が含まれておつたというようなことから、非常にその当時も決算委員会等で問題になつて政府黄変米の問題については、万全の対策を立てたいというようなことが、当時から言われておつたと思います。ところが今回たまたま昭和二十八年度の輸入米で極めて大量な、十一万トンにも及ぶような多数の病変米が出て参つたというようなことで、非常に大きな問題になつてつておるわけであります。而も先般来いろいろ厚生省或いは農林省等から、それぞれ当面の対策等のお話を伺つたのですが、別に、今後それならば、具体的にどういう点が改善せられて、国民の非常に不安に思つておりまする病変米なり或いは黄変米の輸入の問題が軽減せられるかという安心感を与えるような対策は、何ら説明せられておらない。やはり私は数年に亙る問題でありまするだけに、一体問題の所在がどこにどうあつて、今回のような問題が出て参つておるのか、即ち責任の所在という問題も一向に明らかにせられておらないのです。農林当局の御説明によりますると、外地での買付の問題については、これは殆んど農林省あたりでとやかく容豫できるような余地は全然ないのだというようお話、それから更に輸入して参つて日本国内で検査をする場合は、すでに厚生省の所管で検査をやるのだというような御答弁で、お話を伺つておりますと、全く不可抗力的な事態がこういつた事態をかもし出しておつたというよう答弁をされておつた従つて私は厖大な国損なり或いは又国民自体に対する重大なる保健上の問題を惹起しておるという問題について、政府は責任の所在については、どういうふうにその所在を認識しておられるのか、責任を痛感しておられるのか、そういつた問題が一つ大きな問題としして、全然未解決のまま今日残つておる。更に今後の問題について、それならばどういう、具体的に買付けの問題、或いは又外交上の問題としても、対外的な問題としてどういう具体的な折衝をやつておられるのか、それから又検査の方法についても従来は人手不足であつた、又やり方がほんの一部について検査をやつておりますので、そういう点についても問題が幾多あろうと思うのです。そういう 問題について、今後はいろいろ陣容の問題についても或いは方法の問題についても、今その対策を強化して参つておるというようなことが、当面の対策として私は当然政府から発表されて然るべきだと思うのでありますが、ただ言葉の上だけで万全の対策を立てて参りたいと思つておりますという答弁では、これは一向に今後の病変米の問題の解決にはならないと思うのです。従つて私はそういう今後の政府の対策の問題についても、そういう抽象的な、いわゆる美辞麗句といいますか、きれいな言葉での御詠明ではなくて、具体的にそういう点をどういうふうにしようとしておられるのか、その点をはつきりと御答弁願いたい。  それから第三点としては、やはり結論として本委員会でも決定しておりますように、当面配給を保留しております病変米の措置の問題については、財政的には勿論当然配給すべきものを配給しない。而もそれを何らかの弛の形に流用することになつて参りますので、その間厖大な国損も出て来ると思います。併し国払が若干出ても、本委員会としては国民の健康保持、国民の保健上の問題について非悼に重要な主食という問題だけに、あえて或る程度の国損も止むを得ないのではないかという意見さえ出ておるのです。決算委員会としては、実は思い切つた意見だと思うのですが、そのような問題についても、何か最近の新聞を見てみますと、又搗き直して配給するというようなことが出ておることは、更に国民の不安を増長させて参る結果になるのではないか、従つて委員会決議をいたしましたし、又他のそれぞれ関係委員会でも、一済に政府の先ず当面の病変米の配給の問題については、これを中止しろ、而もこれについては科学的に十分な調査研究の上に、初めて配給するものであれば配給しろ、従つて若しそういうことについて荏苒長い間どうしても結論が出ないというのであれば、これについては他に転用するということも考えて行くべきじやないかというような極めて具体的な、実は当委員会としても決議の内容を決定いたしておるわけですから、それについては一つ政府としてもはりきり委員会の意向というものを十分に尊重して行つて頂きたい、又このことが国民全体に対する非常に政府としてのいわば思い遣りと申しますか、当然政府としての責任ある態度だと思うのです。  それから第三点としては、やはり結論として本委員会でも決定しておりますように、当面配給を保留しております病変米の措置の問題については、財政的には勿論当然配給すべきものを配給しない。而もそれを何らかの他の形に流用することになつて参りますので、その間厖大な国損も出て来ると思います。併し国損が若干出ても、本委員会としては国民の健康保持、国民の保健上の問題について非常に重要な主食という問題だけに、あえて或る程度の国損も止むを得ないのではないかという意見さえ出ておるのです。決算委員会としては、実は思い切つた意見だと思うのですが、そのような問題についても、何か最近の新聞を見てみますと、又描き直して配給するというようなことが出ておることは、更に国民の不安を増長させて参る結果になるのでどういう措置をとるかということは、私まだ農林省から十分聞いておりません。若し先般の機会に究明されていないといたしますれば、農林当局から改めてお答えをすることにいたしたいと考えます。
  23. 久保等

    ○久保等君 私が特に問題にしておるのは、答弁漏れがあつたとか、なかつたとか、十分に政府の意向が究明せられておらなかつたとかという問題は、これはどつちでも結構です、問題は政府そのものがはつきりと今後の病変米の問題についての対策というものが立てられなければなりませんし、是非又そのことについて副総理としても、農林当局に若しそういつたことが若干でも手ぬかりがあつたということであれば、厳重にその点についての対策を立てられるように努力を願いたいというふうに考えるわけです。特に当委員会決議をいたしております当面の配給を保留しております病変米の問題を、どう処置しようとしておるのか、この問題について少くとも当委員会の決意というものを尊重する意思はあるのかないのか、極めて簡単に私は単刀直入に御質問を申上げますけれども、その点をはつきりと一つお答え願いたい。
  24. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 当委員会の御決議は申すまでもなく十分に尊重するつもりであります。尊重してどういう方法をとろうとしておるかということにつきまして、私承知しておりませんので、農林当局からお答えすることにいたします。
  25. 永岡光治

    ○永岡光治君 実は先般の農林大臣、厚生大臣を呼びまして、当決算委員会における決議の問題について政府の所見を伺つたのでありますが、極めて不十分でありまして、そこで政府のまとまつた意見として、でき得べくんぱ吉田総理の意見を伺いたかつたのでありますが、今日は見えておりませんのでその次に位する緒方総理の意見を伺いたいのでありますが、どうも出えて見ますと、なかなか黄変米というものは、どのような措置をしても、これを防ぐことはできないような印象を答弁の中で伺えるわけであります。こうしてその毒を防ぐことはできないということになるわけですから、どうしても食糧の需給計画を立てなければならんのでありまして、その意味で第一の項目で明確に食糧の需給計画を立てろということも決議に語つてあるわけであります。ところでこれと関連して問題になるわけですが、そういう関係で米価等の問題も今大きな問題になつてつておりますが、聞くところに上りますと、今年、二十九年度の米価ですが、これは昨年の米価に比べて非常に低い値段できめようとする動きが大蔵省にあつて、農林省のほうでは大体昨年に近い値段できめたいという動きがあるようだ。ところが作柄というものは必ずしも昨年よりはよくない。特に最近又第十二号の台風も近付きつつあるという様子でありますが、そこで未だにきまつてないというわけでありますが、これは緒方総理はいつ頃米の値段をきめようとするのでありますか、そうしてどの程度でこれを打切ろうとする考えでありますか、その辺のところを今日はもう供米期を控えており、又割当の時期を控えておるのでありますから、最高の責任者として一つ緒方総理の御意見を伺いたいと思います。
  26. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 本年度の米価につきましては、先般来農林省と大蔵省の事務当局の間に熱心な検討を重ねておりまして、相当の開きがあつたのでありますが、だんだん折衝を重ねておる間に、余ほど歩み寄りができまして、事務当局の検討でありますから、若しこれで結論を得まするならば、無理のないところに落ちつくのであろうと考えております。それがどれだけであるということは今申しかねます。  委員長、私ちよつと、もう一時間近くなりましたが、実は……。
  27. 小林亦治

    委員長小林亦治君) もう少し如何でしようか、もう二人ほどで、大体委員長が申込まれている時間が十五分……、
  28. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) あと五分くらい。
  29. 小林亦治

    委員長小林亦治君) いろいろありますが、他に質問があるようでありますから止めます。
  30. 大倉精一

    ○大倉精一君 時間がないようですから端的に一つ外遊についてお尋ねいたします。大体讐んからいろいろ御質問があつたので、多く聞くところはないのですが、ただ一言第十九国会が終つて首相外遊が延期されたときに、総理大臣外遊よりも国政が大事だというようなお言葉であつたように記憶しておりますが、現在においても、総理大臣並びに内閣においては、その考えに変りございませんか。
  31. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 総理外遊は、これは私国政のうちだと考えております。いわゆる行政部の外交に関する重要なる政務のうちであると考えております。この前六月に一旦内定しておりました外遊を中止いたしましたのは国会の閉会期がだんだんに延長されまして、そのために予定の期日に出発をすることができなくなつてそのために中止いたしたのでありまして、国政のほうがと言いますか、内政のほうが大事だからやめたという意味ではございません。
  32. 大倉精一

    ○大倉精一君 その考えに変りがないと思うのですが、それでは今度は相当長期間に亙つて外遊される計画らしいのですが、現在の国内情勢、事情というものは、総理大臣がそういう長期に亙つて国内をはずされる、留守にされる、それでも差支えないような穏やかな国内情勢にあると見ているか、その点の御判断を伺いたい。
  33. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) これはいろいろ御意見もありましようが、政府としては総理外遊、それによつて果し得るであろうと考えまする重要な外交上の線を、それを完全にできるようにできるだけ御支援をお願いいたしたいと、さよう考えております。
  34. 大倉精一

    ○大倉精一君 無論これは自由党の総理大臣でなくて、日本総理大臣としておいでになるのですから、日本国民としては拍手を以て大きな期待をかけて送り出してあげたいと、かように皆考えておると思うのです。ところが御承知のように、あの造船汚職の問題からこの変則国会、それから又延いては吉田首相みずからの暴言問題によつて、非常に大きな混迷を来たしております。現在特に衆議院におけるところの決算委員会において吉田首相みずから釈明をして頂きたいということを強く要請しておるようでありまするが、そのようにして、外遊をされる吉田首相自身の身辺にすでに大きな疑惑が出て来ておる。従つて私はこの外遊を意義あらしめるためには、総理大臣みずからが先ず以て積極的にこの疑惑というものを一掃する、洗い流すという、こういう努力が先ず先決でないかと思うのでありますが、その点のお考えについて伺いたいと思います。
  35. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 私は総理大臣の身辺に疑惑はないと考えておりまするが、若しそれに対して国会から質されるものがあれば、私代つてお答えをいたしてもいいと存じます。
  36. 大倉精一

    ○大倉精一君 副総理はないと思つておられる。私もないと思いたいと思う。思うが、併し事実上、事実問題として国民全部がこの疑惑を持つておるということは、これはもう紛れもない事実だと思つております。先ほどの御答弁で、英国に誤解があるから、この際行つてその誤解を解く必要がある、こういう御答弁であつたように思うのですが、英国の誤解はさることながら、日本国内において大きな誤解がある。こういう中で総理が英国においでになつて、そうして行く先々でもつて誤解を解くということは余り意味がないのじやないか。むしろ国内誤解を一掃して国内の情勢を固める、これが先決だと思うのでありますが、この点について一つ御意見を承わりたいと思います。
  37. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 私は国民のすべてが総理大臣の身辺に疑惑がありと考えてはいないと思います。私もその一人として考えておりません。併しそういう疑惑が一部にでもあるといたしますれば、特に外遊を控えまして、これをできるだけの手段を以て、方法を考えまして、誤解を解く必車があると思いますので、それについて努力したいと思います。
  38. 大倉精一

    ○大倉精一君 それじやこの点について余り追及をしても時間がないようですし、又副総理として誤解がないというふうに思つておられるということは、これはもうとんでもない言葉だと思います。が併しながら総理大臣として、そういうような時期に衆議院の決算委員会にみずから出て、そうして積極的にこの誤解を解くという御意思があるのか、ないのか、出られるのか、出られないのか、その意思があるかないかということを、一つお伺いいたしたいと思います。若しそれによつては、私は参議院決算委員会におきまして、そういう意味合において総理大臣の御出席を願わなければならんということを考慮しなければならんのじやないか、かよう考えておりますので、特にそのことを伺います。
  39. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) どういう誤解でございましようか。
  40. 大倉精一

    ○大倉精一君 衆議院の決算委員会の喚問に応じて、総理が御出席なすつて、そうしてみずから答弁に立たれる、証人に立たれるという御意思があるかないかということを伺います。
  41. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) それは衆議院の決算委員会で喚問することが、議長の手続においてきまれば、それは総理は拒否することができないと思います。
  42. 八木幸吉

    八木幸吉君 簡単に伺います。昨日副総理は臨時国会が早期に召集できない理由として議案がない、こういうことでございましたが、私は自粛立法のようなものは各派でこれはまとまることは百年河清を待つわけで、国会を開いて各派の案を国会に提出されたらよかろう、かよう考えます。  それから臨時国会の必要なことには、会期の無効問題がありまして、警察法や行政機関職員定員法等にも、いろいろ訴訟の問題等もありますから、法の成立を確定する上においても必要であると思います。併しその問題を別にいたしましても、外遊それ自身は大きな臨時国会請求の有力なる理由となるわけでありまして、私は外遊問題を中心として、たとえ一日でも二日でも臨時国会をお開きになる必要があるとかよう考えるのでありますが、如何でありましようか。
  43. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 国会が開会中であれば、総理国会に臨みまして国を離れて親善使節向うその理由等を十分に説明する、そのことは誠に望ましいと考えます。併し今回の外遊は特別の国際会議に出席する、或いは特別の条約を締結する等のことがないのでありまして、従つてそのために特に国会を召集するという必要はなかろうと考える、これは政府の見解でございます。実は国会の閉会中にこの親善使節使命を果したいと考えたのが、今度の日程を選んだゆえんの一つ理由であります。
  44. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の副総理の御答弁参議院が百四十名の過半数で臨時国会の召集を要求しておる、こういう事実をお忘れになつたか、軽視されての御答弁ように伺います。臨時国会の召集は何もむずかしい問題ではないので、政府さえ肚をおきめになれば、たとえそれが一日であろうが、二日であろうが、召集することができるのですから、どうもこれを避けていらつしやるというふうに見ざるを得ないのでありますが、もう少し納得のできる御答弁を伺いたいと思います。
  45. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 参議院のお申入れは十分に尊重いたしまして、その上で各般の事情を検討いたしまして、臨時国会の早期召集ということは、総理外遊から帰京した後、即ち十一月十五日以後に召集したいということを決定いたした次第であります。
  46. 八木幸吉

    八木幸吉君 これ以上は議論になりますから、三分ばかり……。
  47. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 委員長あとは議論のようでありますから……。
  48. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 副総理ちよつとお待ち願いたいのだが、最後委員長からちよつとお尋ねしたいことがあるのです。  昨日の御発言中に、東南アジアに参るよりは、英国に行つたほうがいいのだというような、両国の価値判断の上に、政府の都合で東南アジアを除いた、こういつたような御発言があつたようですが、その点如何でしようか。念のために伺つておきたいのですが……。
  49. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 私はその点は非常に注意をして、速記録をお調べ下さればわかると思いますが、東南アジア訪問の重要性はそれは十分に感じ、ただ日程が、アメリカを訪問する時期が十一月の初旬に限られたために、止むを得なかつたということを申したつもりであります。併し、若し私の言葉が今委員長の言われるようなことになつておれば、適当に御修正を願いまする
  50. 山田節男

    山田節男君 もう一点だけ、三分くらいですから……。
  51. 小林亦治

    委員長小林亦治君) もう一点だけだそうですから、それ以上おとめしませんから。
  52. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 今日は私午前九時から用があるからというので、三十分ということをお願いいたしておきましたが、もう一時間出ておりますから、これでもうどうぞよろしく……。
  53. 小林亦治

    委員長小林亦治君) では御苦労でした。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  54. 小林亦治

    委員長小林亦治君) では速記を起して。
  55. 山田節男

    山田節男君 只今委員長から緒方総理に対して、昨日の緒方総理発言中、英米に行くほうが東南アジア諸国に行くよりも、何と言いますか、より重要だというようなことを言われたやに質問があつた。それに対して副総理は速記録を調べたが、そういうようなことは言うてない、こういうことを言われるのですが、これは勿論速記録を見なくちやわかりませんが、若しそういうよう発言が副総理から吉田総理外遊直前に発言されたということになれば、この発言の国際的効果というものは恐るべきものがあるわけなんだ。そこで私は今日も緒方総理に今回の日程では欧米しか行かれないが、次には改めて東南アジアに行く意思があるかどうか、こういう質問をしている。これは私は昨日の緒方総理発言は知りませんが、この発言は重大なる発言なんです。そこで、これは我々は、これはもう決算委員会の恐らく皆さんも同じ御意見だろうと思うのです。今委員長が確かめられたような事実があるとすれば、これは私は緒方総理にはつきりとこれは取消して頂きたいと思う。そうしないとこれは重大なる私は結果になると思いますから、重ねて私は今の委員長緒方総理に対しまする質問を、あれを一つ速記録によつて調べて、若し事実があれば、正式にここで緒方総理に取消して頂きたいということを要求します。
  56. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 実は昨日は委員長もぼんやりしておりまして、そんなことを言つたのかどうかはつきり記憶がないのでありますが、委員会が終つてから新聞記者からああいうことは緒方放言になるのじやないかと言われたのではつとしたのです。若しそんなことを言つたら、本席上取消してもらいたい。殊に国際親善のためにおいでになるのなら、なおさらのことであると考えましたので、今副総理に念を押しましたところが、慎重に発言したつもりで、そういうことはないと、こうおつしやつておりました。従つて速記録をなお調べた結果、副総理の釈明にもかかわらず、そういつたような文句が載つてつたとしますならば、只今山田君のおつしやる通り委員長のほうで、その措置を考えます。  それからお諮りいたしますが、昨日あのような状態で、副総理から全部をお聞きすることができなかつたために、本日丁度一時間だけ出席を願つたわけなんです。大体聞かんとするところの質問は全部終つております。終つておりますが、その内容が御満足かどうか、これはわかりませんので、なお、この上に総理を呼んで、かねての案件を一層明確に聞く必要があるかどうか。(「大いにある」と呼ぶ者あり)その点を一つお諮りして、若しありとするならば、委員長理事会でその時期たいや進行の方法、そういうことをきめる段取りに、昨日御了解を得てありますので、この際お諮りしますが、これは当然来週になります、明日は日曜でありますから。来週中に総理に対して議長を経由して当委員会に参考人として出頭を求むるかどうか、その点如何でしようか、……。間違いました。参考人でなく、総理として憲法並びに国会法第七十一条に基いて当委員会に呼ぶことにするかどうか、その件をお諮りしたいのです。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  57. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を起して。
  58. 木村守江

    ○木村守江君 これは昨日来の問題ですが、これから総理外遊の問題について、吉田総理をここに呼ぶかどうかというようお話でありまするが、吉田総理外遊の問題については、今まで相当いろいろ詳細に官房誉、副総理から説明を聞いたと思うのです。それでこれで満足するかしないかというような問題は、これはやはりその人の考え方によつて違うと思うのでありまして、私はそういう点には論及しようとは思つておりません。併しながら現在の段階において、これは閣議決定を経ない場合において総理を呼ぶということは、やはり今まで官房長官或いは副総理を呼んで説明を求めた程度以上には、これは出得ないというのが常識的な判断であると、私は考えております。そういう点から考えまして、この段階において総理を呼ぶということには、私は反対であります。
  59. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 反対の意見もあるので、木村君になお申上げておきたいのだが、実は昨日の閣議で外遊目的というものを閣議だけでは明らかいなつた、そういうふうに聞いておるので、それならば、これはまあ証人として呼ぶのじやないのだから、すらつと出ておいでつて、当委員会を通じて目的はここにあるのだと言われることは、これは総理としてはむしろ喜んでしていいのじやないかと私は思うのですがそこまであなたたちが総理をかばうということは、却つておかしいのじやないか、その総理大臣はわかるが、却つて総理をそういうことで傷をつけるのじやないかと思うのですが、総理は何でしよう、この段階になれば或いは喜んで来るかも知れないので、そう出席することを拒んだり恐れたりはしていないと思うのです。もう今日では、昨日の閣議で大体決定され、今後の閣議で何をきめるかといえば、具体的な細かなものをきめるだけで、もう大筋は昨日できまつておるのですから、それを何もあなかがたが遮二無二出席するのを拒むということは、こいつはちよつと納得できないことなんですが、決算委員会の重要メンバーなんですから、そういうことは一つもう一遍お考えつて、なお、この要求する反対意見のほうも、もう一応お聞き願つて……。
  60. 木村守江

    ○木村守江君 小林委員長のいろいろ総理に対するご心配の点、それから与党の態度に対するいろいろな御忠言、これは誠に有りがたくお礼を申上げます。併し私たちはただ総理をここに呼ぶことを何か惜しがつて総理をかばわんがためによばないというよう考え方ではないのです。それはやはり総理がここに出て来て、そうしていろいろな話をするということは、これは正式な発表になるので、正式な発表は閣議の決定を経なければなされないというのが、私は常識だろうと考えております。而も先般来数次に亙つて官房長官或いは副総理から話されておるように、この一週間くらいに閣議決定をして、各党の代表、この人たちを呼んで自分の本意、真意を発表するということを説明しております。そうして委員長の言うのには、大体の方針はきまつたのだ、閣議で決定するのは細部の問題だと言いますが、ここに出て来ますれば、やはり質問のついでに細部の問題に入るというのが、今までの質問の過程を見ましても、これはもう当然起る問題だと思うのです。そういう場合に、或いは発言ができなかつた、説明ができなかつたというような問題でも、やはりはつきり決定したあとに、それはきめて頂くならば私はいいと思いますけれども、我々としましては決して総理をかばうとか何とか、臭いものに蓋をするとか或いは総理を出すのを惜しがつているというよう意味で反対するのではなくて現在の段階においては、副総理並びに官房長官の説明で十分だというよう考え方から反対するのでありましてこの点について私は非常に、これは小林委員長に対して申上げたいことは、この前の総理、副総理をここへ呼ぶというようなあの八木さんの動議の採決に対しては、二言の発言も許されず、委員長はこれを採決をとつたのです。今日はそれと逆に、若しもこういう点で議論をしようとか反対しようとかいうよう考え方を持つておるのならば、本日この際直ちに総理を呼ぶべきか、呼ばないで済まそうかということを採決によつて決めて頂きたいと考えます。(「賛成」と呼ぶ者あり)委員長が、この前そういう態度をとつ委員長が、今日はできないということは私はないと思うのです。むしろどういう理由でできんのか、委員長答弁を私は求めた上に、それは改めて動議を提出いたしたいと思つております。
  61. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を止めで。    〔速記中止〕
  62. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を起して。
  63. 山田節男

    山田節男君 これは私は発言の前に、木村委象らいろいろ御意見が出たわけですが、これは昨日緒方総理発言中にも、吉田総理は閣議において外遊の件が決定した以後においては、各政党の代表或いはラジオ、テレビジヨン、新聞等を通じて外遊目的発表するとこう言つた。併しこうしてちやんと今常任委員会という国会の正式の機関が開かれ得るのでありますから、何も政党の代表を集めて発表するというような非公式のことでなくてやはり正式の国会の機関である常任委員会に出て、その点について声明されれば、これは私はそれこそ国会に対する正式な声明になると思うのです。そういうよう意味で、先ほど木村委員長からいろいろ御発言がありましたが、我々は与党、野党というもので言つているのではないのだ、十分でも今度の外遊の問題についてはいろいろ憂えておるかたもあるのでありますから、だから今委員長の言われたように、又昨日の緒方総理のああいう発言もあるのでありますから、各会派の代表者でなくて、国会の正式の機関である常任委員会に来てそして外遊目的を正式に発表さるべきであると思います。だから来週十四日に閣議決定すれば、その直後に決算委員会を開いて、この決算委員会において声明されることは、同時に国会従つて国民に対する声明になることになりますから、だから私は前からそういう話がきまつておるように、吉田総理に私はそういうふうに閣議決定後にここにお出でを願つて、そしてこれを聞くというふうにおきめを願いたいと思います。(「それは当然のことだな」と呼ぶ者あり)
  64. 八木幸吉

    八木幸吉君 これは山田さんのおつしやつたことは、自由党の諸君も前から言つてつた。例えば十四日に開く、それは閣議決定後にやるということは満場一致だつたと思うのです。それでこの間最初の動議のときも二日でとにかくやつてみると、そして若しそれで終らなかつたなら、引続いてやるという含みで皆さんの御相談がまとまつたわけですから、昨日のお話では今日で一応ピリオドを打つけれども、それで満足が行かなければ、延ばしていいじやないか、そのとき自由党の各位は閣議が終つてからに、君、しようじやないかというお話があつたのですから、十四日に閣議があれば、その閣議ののちに総理にお出でを願つて国会を通じて所信を披瀝してもらう、これは極めて穏かなことじやないかと思うのですがね。
  65. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を止めて。    午前十一時四十九分速記中止    —————・—————    午後零時十六分速記開始
  66. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を起して。  それでは際限がありませんから、さつきの懇談を正式に申上げますが、いずれにしても、総理の出席を求めんとする意見のほうは、憲法、国会法上許された最小限の範囲であるので、これは適法であり、なお且つかような疑問が澎湃として起つている際に、それを明らかにしなければならんという考えは、これは妥当だと思うのです。そこで与党の諸君の意見と野党の諸君の意見をかね合せて、委員長が苦心した案というものを只今申上げますが、閣議において、吉田総理外遊目的、範囲というものは、一両日中に明らかになるような形勢にある。これは与党の諸君も御承知の通り、遅くも十五、六日を出でないというような見解を、みんなお持ちの通りなんでありますので、その閣議が終了後に、翌日なり或いは翌々日なり、ともかくあまり間の延びない期間において、委員長、理事が、その時期方法ということを決定することにお任せ願えないか。この方法が最も穏健であり、妥当であり、当委員会の制度も生きて参るので、そういう点を考えたのですが、若しもこういつた案が多数によつて踏みにじられるということになりまするというと、休会中におけるところの各委員会の権能、憲法上における地位というものは、これは地を払うことになる。国会を代表する、そういう委員会を無視して、そうして各野党のそれぞれの代表者を招いて、なおその上に新聞、ラジオによつて報道する、委員会には行きかねるということは、これは許されないことだと私は思うので、そういう案を考えたのですが、願くばこの委員長考えたところの妥協案に御賛成願いたいと思うのです。先ずこの点をお諮りしたいのですが、只今委員長が提案しました通り外遊目的が決定する閣議直後に当委員会を持つ。その委員会の席に総理にお見え願つて目的の内容を明らかにしてもらう。但し閣議決定の翌日であるか翌々日であるか、時期方法は委員長、理事にお委せ願う。こういう案でございますが、この案に御賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  67. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 少数でございます。そこで委員長の案というものは否決せられました。従つて甚だ好ましからざるところでありますが、(「原案原案」と呼ぶ者あり)原案と申されますが、それは今日明日の時機を見てというさつきの決定なんでありまするので、これは改めて総理を本委員会に呼ぶか呼ばないかということをお諮りしなければならない段階になつているので、その点をお諮りしたいと思いますが……
  68. 岡三郎

    ○岡三郎君 運営上の問題について……、私は与党の諸君が、今言つたよう委員長の条理を尽くした、国会委員会というものを、やはり正当に解釈して、そうして無理を言わないで、閣議決定後までもそういつたものを委員会において言わせないというふうな態度については、今まで委員長自体が緒方総理の言を聞いて、その点について更に問題があつたらというふうに、譲歩に譲歩を重ねて来ても、このような私は委員会の運営になつたと思うのです。そういう点について少くともこの委員会の決定のときにおいては、行政長としての総理、副総理に来てもらうことをきめたのをあえて譲歩した。そのような運営の仕方をして来て、そうして最終段階において、それを切つたというふうなことになるならば、我々には我々の今後の方法があると思う。それならばそれで私はいいとしても、そういう運営の仕方というものは私はなかつたと思う。要するに決算委員会というものは、国費の濫費なり或いは行政上の問題において、衆議院のほうにおいては行政監察委員会があるけれども、当面の政治についていろいろ問題がある、そういつた点について、先般の国会において本参議院においてそういつたものを設けようとしたけれども、そのときに決算委員会その他においてそういうことをやられてもできるのだから、あえてそういう行政監察のような形を衆議院と同様に設ける必要はないのじやないかという、いろいろな意見があつて、そう来ているわけなんです。現在円満に来たと私は思つておるわけです。そういう点で与党の諸君が結局ここの中において外務委員会でやればいい、何の委員会でやればいい、そんなことは今まで何も言つて来やしないじやないか。そんなことを言わないところで我々がやつているわけなんです。ほかのところでそういう問題を早急に取上げてやつてもらえばいい。そういう点については私はいさぎよく原案で採決してもらいたい。それで結構だと思います。
  69. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 今の案件は非常に重要でありますので、午後一時まで四十分間休憩しまして、その間に委員長、理事会を持ちまして、これを採決にかけるか、もう一遍御了承を願うか、採決をするか、それを諮りたいと思います。  午後一時まで休憩をいたします。    午後零時二十三分休憩    —————・—————    午後一時十一分開会
  70. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 休憩前に引続き開会いたします。  先ほどの問題につきましては、即刻委員長、理事打合会を開きまして、以上のように満場一致できまつたのであります。その内容は総理外遊の問題については、総理の出席を求め、更に委員会を開会することについては、総理外遊前、閣議決定の後に、委員長理事打合会に改めて協議をする、繰返して申上げますと、先ほど委員長の出した妥協案に、多少先走つた程度の内容で、委員長理事打合会では満場一致きまつたのでありますが、かくすることによつて決算委員会の面子と申しましようか、一貫して私が主張して参つたところの制度だけは生きることになりますので、その点お含みの上賛否を明らかにして頂きたいのでありますが、只今委員長報告の通り総理外遊の問題については、閣議決定後、無論総理外遊前に、委員長、理事打合会を開いて改めて検討するということにいたしまして御異議ございませんか。
  71. 久保等

    ○久保等君 何か変でこなことになつようですが、委員長、理事打合会で満場一致できまつたということになれば、私としてもその申合せ決定というものは、これは尊重して参りたいと思いますが、ただ併し一体きめられたことそのものはどういうふうにきまつたのか、内容をよく検討して見れば、きまつたようなきまらないような実は内容になつているのじやないかということを心配するのです。特に今日初めて出て来られている自由党の委員の諸君も大勢いますけれども、私は少くともこれは何も今日出て参つた、天から降つて来たよう首相に出てもらうという問題では実はないのです。ですから飽くまでも、午前中もちよつと申上げたことですけれども、今までの経過があつて、そうして昨日と今日は総理の都合によつて出られないということで、止むなく副総理から昨日今日いろいろ事情をお聞きしたのです。だからそういつた大前提があることを抜きにしてしまつて、そうして何か事を改めて、総理を一体呼ぶか、呼ばんかというような問題をもとにして論議をすると、今朝ほども若干物事に角が立つような御意見も出ていたのですが、私はその点については誠に心外に存ずるのであります。飽くまでも決算委員会としては、総理、副総理の出席を願うということについては決定を見、たまたま総理の都合で昨日今日出られないということであつたのでありますが、従つて私はそういうことを飽くまで前提にして、委員会の運営を図ることが当然だと思うのです。ただ今朝ほども申上げたように、従つて私は早急に一日も早く総理の御都合を伺つておいで願うというのが、飽くまでも建前であるし、是非そういうことを主張したのですが、併し閣議で決定した後に、委員長並びに理事の打合会で一つ出席を願うことにしようじやないかということで、その出席については時期的に閣議決定後ということで申合せをされたそうですから、そういう点については、私の気持からいえば非常に不満なんですが、そういうことも委員長、理事打合会で全会一致できまつたとすれば、これは私も不本意ながら同意したいと思います。ただそれならば、委員長、理事の打合会で何を打合せるのかという問題になつて来ると思うのですが、この問題については、是非私は今までの委員会での話の筋道は十分一つ考えてもらつて委員長、理事の打合会では、今言つたような従来からの経過に鑑みて、趣旨を一つ十分生かして頂いて、閣議で決定せられた直後には、是非とも総理みずからも出て来て、一つ真意のあるところを発表したいという気持でもあろうかと思いますので、是非私はその線に沿つて……、ただ単に与党の諸君が何かしら総理国会に出て来ることは異例ででもあるかのような扱いをされることは、私は国会運営の上からいつて非常にみずから国会の権威をそこなうようなことになるのじやないか、ダレス長官が僅か二十時間くらい帰り遂に寄られてもわざわざ羽田まで出てゆかれる総理つたら、国会で非常に重大な問題を扱つておる当委員会に出て来られるのは当り前と思う。而も事総理外遊に関する重大な問題について所信を披瀝されるのは、総理としても当然にみずから求めて出て来られる問題だと私は思うのです。そういう点で十分に私は閣議決定の直後に総理の出席を求めるという方針で一つ運営に当つて頂きたい。このことを一つ私は強く希望を申上げます。
  72. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 奥さん御意見何かおありですか。
  73. 奥むめお

    奥むめお君 私は自由党のかたがどうして総理の出席をやめさせようと必死になつておられるのか不思議に思います。むしろ与党でいらつしやるのですから、国民の前に開いた気持で、私は行つて来たいのだ、こういうことで行くのだということをおつしやつたら、本当に国民も愉快だろうと思うのです。それを庇い立てなさることは贔頂の引倒しになるのであつて従つてなぜこういうふうにあなたがた庇い立てなさるのかということについて、むしろ私は残念に思つておるわけでございます。
  74. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは先ほどの委員長報告の通り決定いたしてよろしうございますか。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それではさよう決定いたしました。  本日はこれを以て散会いたします。    午後一時十七分散会