○久保等君 特に今度の
外遊問題については、先ほど副
総理のお話では、前々からの
総理のいわば念願であ
つたので、その間いろいろな
事情で延びくに
なつたけれども、この際とにかく行
つて来なければならないのであるという
ようなお話でありますし、副
総理のいろいろと御説明を伺
つてお
つても、やはり
総理の個人的な希望というか、
総理個人の何か非常に従来からの念願である
外遊がいよいよ今度行かれるという
ようなことに
なつたという
ようなお話であるわけです。而もそういう
意味から
考えてみましても、やはり若し
親善という
目的のために
外遊をせられるということでありまするならば、なお更、私は
総理としては
国民が果してどういう気持で自分そのものを送り出そうとしておるか、又
国民が一体今日の
吉田内閣に対してどういう希望と信頼を寄せておるかという
ような問題については、やはり行かれる
総理としては、非常に十分な私は関心を持
つておられる問題だと思いますし、又
国民の気持が那辺にあるかということも十分に了察をされておらなければならないと思うのです。特に昨年の総
選挙直後に行
つて来たいと思
つたんだが、行けなか
つたという先ほどのお話であ
つたのですが、昨年の四月
選挙直後の情勢と今日の情勢とは、私は非常にこれはもう格段の変化があると思うのです。その変化というのは、勿論当時の
吉田内閣に対する
国民の支持という気持と、今日の
吉田内閣に対する支持する気持というものは、その数の面においても非常に格段の相違があるわけですし、恐らく今度の
総理の
外遊について是非
一つ行
つて来てもらいたいという
国民の支持というものは、これは本当に暁の早の
程度あるかないか非常に疑問だと思うのです。而も当
決算委員会が特に
外遊問題について非常に重大な関心を持
つておりまするのは、何とい
つても、
政府は
昭和二十九年度の
予算編成に当
つても、この際
国民にとにかく耐乏生活をもあえて要請しなければならないのだという
ようなことを言われた。いわば緊縮
予算を編成しておる中において而も
総理が
外遊をし
よう、五十日間に亙
つて外遊をし
ようということにな
つて参りますると、相当莫大な、三千万円と言われておりまするが、私は実際使われる国費というものは三千万円では恐らくないと思いますし、これに何倍かする国費にもなると思うのです。而も国費を仮に三千万円としましても、これは極めて莫大な国費を
使つて行かれるわけであります。そういう点から
考えてみまするならば、やはり、而も
総理大臣が行かれるということにな
つて参りますると、できることならば
国民全体が本当に気持よく私は行
つて頂く
ような情勢の中で
総理に行
つてもらいたいという気持がいたすわけであります。更に又先ほど来のいろいろ
臨時国会の開会要求等出ておるという問題もありまするが、いずれにいたしましても、若し
総理が今どうしても行かなければならないという
理由で、或いは又
目的で行かれるのであるならば、これはあえて耐乏
予算という中にあ
つても国費を
使つて行くことも私はこれは止むを得ないと思いますし、又結構だと思うのですが、少くとも先ほど来言われておる
ような
程度の、かねがね前から実は
考えてお
つた、適当な
機会を見て
外国へ出かけて行
つて来たいのだ、お礼の
意味を兼ね、今後の
親善の
意味を兼ねて行
つて来たいのだという
程度の軽い気持であるとするならば、私はそれこそこの耐乏
予算というものを
政府は強行しつつある今日の情勢下においては、国費のそれこそ一円でも二円でも、僅かはかりの国費の支出といえども、私は
国民自体としては納得をいたさないでありまし
ようし、又私ども当
決算委員会としても、そうい
つたような国費の冗漫な支出自体をこれを容認するわけには参らないと思う。而も
総理がこの
事情について十分に
国民の納得する
ような方法で以て、その実情を解明し又説明し
ようとする態度もどうも見受けられないのですが、先ほど来各
委員のほうから
発言がありましたけれども、当
委員会は
国会閉会中でございまするが、特に当面のいろいろ
黄変米の問題、或いはその他の問題等についても十分に審議をいたして
参つておるのですが、幸いこの
決算委員会も今日開かれておるわけですし、今明日の
委員会においては
総理の
出席を是非お願いしたい。副
総理と
総理の
出席をお願いしておいたのですが、今明日は
渉外業務によ
つて出て来られないというお話だ
つたのですが、是非
総理が当
委員会に
出席をして、そうして
外遊問題についてはその
目的なり或いは
総理の抱負、
考え方という
ようなものを是非披瀝してもらいたいという要望があるとするならほ、私は
総理とすれば、むしろ全くいい
機会であるから、そういうことであるならば
願つてもない
機会であるので、是非
一つ決算委員会で十分に自分の所信のほどを発表さしてもらいたいというお気持でおられると私は思う。先ほど副
総理の言われる
ような気持で、
総理が発表の問題等についても考慮しておられるということであるならば御異存はないと思うのですが、当
委員会で要望して、特に御
出席を願うということであるならば、
総理としては
出席して十分にその間の経緯等についてのお話が伺えるかどうか、その点
一つ副
総理から最後にお伺いしておきたい。